(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】少なくとも2つの流体弁を接続するための方法および流体連通を実装するためのシステム
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
F16K27/00 B
(21)【出願番号】P 2019541261
(86)(22)【出願日】2018-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2018052342
(87)【国際公開番号】W WO2018141767
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-01-12
(32)【優先日】2017-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】519271399
【氏名又は名称】アウト アンド アウト ケミストリー エスペーエールエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルレ ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】タディーノ ヴァンサン リュック アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ロラン マルク
(72)【発明者】
【氏名】オルレアン アドリアン
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-133239(JP,A)
【文献】特開平8-93941(JP,A)
【文献】西独国特許出願公告第1019134(DE,B)
【文献】特開2007-85504(JP,A)
【文献】特開平10-38118(JP,A)
【文献】特開2017-2919(JP,A)
【文献】国際公開第2006/115084(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
F16K 31/06-31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向Xに第1の流体弁(10)と第2の流体弁(20)とを流体的に接続するための方法であって、
a.前記第1の流体弁(10)および第2の流体弁(20)を提供するステップであって、
前記第1の流体弁(10)は、それぞれが外側に向かう開口部(111、112)を有する少なくとも2つの第1のポート(11、12)を含み、
前記第2の流体弁(20)は、それぞれが外側に向かう開口部(221、222)を有する少なくとも2つの第2のポート(21、22)を含むステップと、
b.第1の端部(61)と第2の端部(62)とを有する第1の管(60)を提供するステップであって、
前記第1の端部(61)は、前記第1の流体弁(10)の第1のポート(11、12)の開口部(111、112)に挿入するのに適しており、
前記第2の端部(62)は、前記第2の流体弁(20)の第2のポート(21、22)の開口部(221、222)に挿入するのに適しているステップと、
c.流体アセンブリを形成するために、前記第1の管(60)の前記第1の端部(61)を前記第1の流体弁(10)の第1のポート(11、12)の開口部(111、112)に挿入し、前記第1の管(60)の前記第2の端部(62)を前記第2の流体弁(20)の第2のポート(21、22)の開口部(221、222)に挿入するステップと、 d.前記第1の流体弁(10)、前記第2の流体弁(20)、及び前記第1の管(60)を含む前記流体アセンブリを2つの端部(2、3)の間で前記第1の方向Xに圧縮するための2つのプレートである前記2つの端部(2、3)と、前記第1および第2の流体弁(10;20)を受けるのに適した中空形材(4)と、前記2つのプレートを前記中空形材(4)の2つの端部に固定するための固定手
段とを含む第1の圧縮手段(1)を提供するステップと、
e.前記第1の方向Xにおいて前記第1の圧縮手段(1)の2つのプレートである前記2つの端部(2、3)を前記流体アセンブリの両側に位置決めするステップと、
f.前記第1の流体弁(10)と前記第2の流体
弁(20)との間で前記第1の管(60)を圧縮するために、前記第1の圧縮手段(1)を介して前記流体アセンブリに前記第1の方向Xと平行に圧縮力を印加するステップとを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の前記ステップを含む方法であって、
ステップaはまた、第6の流体弁(120)および第7の流体弁(130)が提供され、
前記第6の流体弁(120)は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第6のポートを含み、
前記第7の流体弁(130)は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第7のポートを含むという事実も含み、
ステップbはまた、第5の管(140)および第6の管(150)が提供され、
前記第5の管(140)は、第1の端部(141)と第2の端部(142)とを有し、 前記第5の管(140)の前記第1の端部(141)は、前記第1の流体弁(10)の第1のポート(11、12)の開口部(111、112)に挿入されるのに適しており、 前記第
5の管(140)の前記第2の端部(142)は、前記第6の流体弁(120)の第6のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第6の管(150)は、第1の端部(151)と第2の端部(152)とを有し、 前記第6の管(150)の前記第1の端部(151)は、前記第2の流体弁(20)の第2のポート(21、22)の開口部(221、222)に挿入されるのに適しており、 前記第6の管(150)の前記第2の端部(152)は、前記第7の流体弁(130)の第7のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第7の管(160)は、第1の端部(161)と第2の端部(162)とを有し、 前記第7の管(160)の前記第1の端部(161)は、前記第6の流体弁(120)の第6のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第7の管(160)の前記第2の端部(162)は、前記第7の流体弁(130)の第7のポートの開口部に挿入するのに適しているという事実も含み、
ステップcはまた、拡張流体アセンブリを形成するために、
前記第5の管(140)の前記第1の端部(141)は、前記第1の流体弁(10)の第1のポート(11、12)の開口部(111、112)に挿入され、前記第5の管(140)の前記第2の端部(142)は、前記第6の流体弁(120)の第6のポートの開口部に挿入されており、
前記第6の管(150)の前記第1の端部(151)は、前記第2の流体弁(20)の第2のポート(21、22)の開口部(221、222)に挿入され、前記第6の管(150)の前記第2の端部(152)は、前記第7の流体弁(130)の第7のポートの開口部に挿入されており、
前記第7の管(160)の前記第1の端部(161)は、前記第6の流体弁(120)の第6のポートの開口部に挿入され、前記第7の管(160)の前記第2の端部(162)は、前記第7の流体弁(130)の第7のポートの開口部に挿入されているという事実を含み、
ステップdはまた、
2つの端部を含む第2の圧縮手段(501)であって、前記2つの端部間で前記拡張流体アセンブリを第2の方向Yに圧縮するための第2の圧縮手段(501)と、
2つの端部を含む第3の圧縮手
段であって、前記第6の流体弁(120)、第7の流体弁(130)、および第7の管(
160)を前記2つの端部間で前記第1の方向Xに圧縮するための第3の圧縮手
段とが提供されるという事実を含み、
ステップeはまた、
前記第2の圧縮手段(501)の前記2つの端部は、前記第2の方向Yにおいて前記拡張流体アセンブリの両側に配置され、
前記第3の圧縮手
段の前記2つの端部は、前記第1の方向Xにおいて前記第6の流体弁(120)、第7の流体弁(130)、および第7の管(
160)の両側に配置されるという事実を含み、
ステップfはまた、前記第5の管(140)および第6の管(150)を、それぞれ前記第1の流体弁(10)と第6の流体弁(120)、および前記第2の流体弁(20)と第7の流体弁(130)とともに圧縮するために、前記第2の圧縮手段(501)を介して前記第2の方向Yに平行に圧縮力が前記拡張流体アセンブリに印加されるという事実を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップaはまた、第3の流体弁(30)、第4の流体弁(40)、および第5の流体弁(50)が提供され、
前記第3の流体弁(30)は、それぞれが外側に向かう開口部(331、332)を有する少なくとも2つの第3のポート(31、32)を含み、
前記第4の流体弁(40)は、それぞれが外側に向かう開口部(441、442)を有する少なくとも2つの第4のポート(41、42)を含み、
前記第5の流体弁(50)は、それぞれが外側に向かう開口部(551、552)を有する少なくとも2つの第5のポート(51、52)を含むという事実を含み、
ステップbはまた、第2の管(70)、第3の管(80)、および第4の管(90)が提供され、
前記第2の管(70)は、第1の端部(71)および第2の端部(72)を有し、
前記第2の管(70)の前記第1の端部(71)は、前記第2の流体弁(20)の第2のポート(21、22)の開口部(221、222)に挿入されるのに適しており、
前記第2の管(70)の前記第2の端部(72)は、前記第3の流体弁(30)の第3のポート(31、32)の開口部(331、332)に挿入されるのに適しており、
前記第3の管(80)は、第1の端部(81)および第2の端部(82)を有し、
前記第3の管(80)の前記第1の端部(81)は、前記第3の流体弁(30)の第3のポート(31、32)の開口部(331、332)に挿入されるのに適しており、
前記第
3の管(80)の前記第2の端部(82)は、前記第4の流体弁(40)の第4のポート(41、42)の開口部(441、442)に挿入されるのに適しており、
前記第4の管(90)は、第1の端部(91)および第2の端部(92)を有し、
前記第4の管(90)の前記第1の端部(91)は、前記第4の流体弁(40)の第4のポート(41、42)の開口部(441、442)に挿入されるのに適しており、
前記第4の管(90)の前記第2の端部(92)は、前記第5の流体弁(50)の第5のポート(51、52)の開口部(551、552)に挿入されるのに適しているという事実を含み、
ステップcはまた、前記流体アセンブリを形成するために、
前記第2の管(70)の前記第1の端部(71)は、前記第2の流体弁(20)の第2のポート(21、22)の開口部(221、222)に挿入され、前記第2の管(70)の前記第2の端部(72)は、前記第3の流体弁(30)の第3のポート(31、32)の開口部(331、332)に挿入され、
前記第3
の管(80)の前記第1の端部(81)は、前記第3の流体弁(30)の第3のポート(31、32)の開口部(331、332)に挿入され、前記第3
の管(80)の前記第2の端部(82)は、前記第4の流体弁(40)の第4のポート(41、42)の開口部(441、442)に挿入され、
前記第4
の管(90)の前記第1の端部(91)は、前記第4の流体弁(40)の第4のポート(41、42)の開口部(441、442)に挿入され、前記第4
の管(90)の前記第2の端部(92)は、前記第5の流体弁(50)の第5のポート(51、52)の開口部(551、552)に挿入されるという事実を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
流体アセンブリであって、
第1の方向Xの第1の流体弁(10)および第2の流体弁(20)であって、
前記第1の流体弁(10)は、それぞれが外側に向かう開口部(111、112)を有する2つの第1のポート(11、12)を含み、
前記第2の流体弁(20)は、それぞれが外側に向かう開口部(221、222)を有する2つの第2のポート(21、22)を含む第1の流体弁(10)および前記第2の流体弁(20)と、
第1の管(60)であって、
第1の端部(61)と第2の端部(62)を有し、
前記第1の管(
60)の前記第1の端部
(61)は、前記第1の流体弁(10)の第1のポート(11、12)の開口部(111、112)に収容され、前記第1の管(
60)の前記第2の端部
(62)は、前記第2の流体弁(20)の第2のポート(21、22)の開口部(221、222)に収容されるように、前記第1の流体弁(10)と第2の流体弁(20)の間に配置されている第1の管(60)とを含む流体アセンブリと、
前記流体アセンブリに機械的に連結された第1の圧縮手段(1)であって、
前記流体弁(10;20)を受けるのに適した中空形材(4)と、
前記流体アセンブリの両側に配置される2つの端部(2、3)であって、前記形材(4)内の前記流体弁(10、20)と、前記第1の流体弁(10)と前記第2の流体弁(20)との間の前記第1の管(60)とを、前記第1の方向Xにおいて圧縮するのに適している2つの端部(2、3)と、
前記第1の圧縮手段(1)の前記端部(2、3)を前記形材(4)に固定するための手
段とを含む第1の圧縮手段(1)と、
を含む流体連通のためのシステム(100)。
【請求項5】
前記第1の流体弁(10)および第2の流体弁(20)は、
第1の弁本体(15)および第2の弁本体(25)であって、
前記第1の流体弁(10)の前記第1の弁本体(15)は、2つの第1のポート(11、12)を含み、
前記第2の流体弁(20)の前記第2の弁本体(25)は、2つの第2のポート(21、22)を含む第1の弁本体(15)および第2の弁本体(25)と、
第1の弁本体ライニング(14)および第2の弁本体ライニング(24)であって、 前記第1の
流体弁(10)の前記弁本体(15)の前記第1の弁本体ライニング(14)は、前記2つの第1のポート(11、12)を中心とする2つの開口部(111、112)を含み、
前記第2の
流体弁(20)の前記弁本体(25)の前記第2の弁本体ライニング(24)は、前記2つの第2のポート(21、22)を中心とする2つの開口部(221、222)を含む第1の弁本体ライニング(14)および第2の弁本体ライニング(24)とをそれぞれ含むことを特徴とする、請求項4に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項6】
前記第1の弁本体(15)および第2の弁本体(25)は、プラスチック材料で作られていることを特徴とする、請求項5に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項7】
前記第1の弁本体(15)および第2の弁本体(25)は、溶媒に耐性のあるポリマーで作られていることを特徴とする、請求項5に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項8】
前記弁本体(15;25)の材料は、前記第1の管(60)の材料よりも可撓性が高いことを特徴とする、請求項5に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項9】
前記
第1の管の前記第1および第2の端部と前記第1の
流体弁(10)および第2の
流体弁(20)との間の流体接続は、大気圧と5x10
5Paとの間の圧力に対して密閉されることを特徴とする、請求項4~8のいずれか1項に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項10】
流体弁を制御するための制御システムをさらに含む、請求項4~9のいずれか1項に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項11】
第1および第2の連結手段(16、26)と、第1および第2の弁のステム(17、27)とをさらに含む流体連通のためのシステム(100)において、
前記第1の弁のステム(17)は、前記第1の連結手段(16)によって流体弁を制御するための前記制御システムに接続されている前記第1の流体弁(10)の移動を可能にし、
前記第2の弁のステム(27)は、前記第2の連結手段(26)によって流体弁を制御するための前記制御システムに接続されている前記第2の流体弁(20)の移動を可能にすることを特徴とする、請求項
10に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項12】
前記流体アセンブリは、
第6の流体弁(120)および第7の流体弁(130)であって、
前記第6の流体弁(120)は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第6のポートを含み、
前記第7の流体弁(130)は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第7のポートを含む第6の流体弁(120)および第7の流体弁(130)と、
第5の管(140)であって、
第2の方向Yに第1の端部(141)と第2の端部(142)とを有し、
前記第5の管(140)の前記第1の端部
(141)が、前記第1の流体弁(10)のポート(11、12)の開口部(111、112)に収容され、前記第5の管(
140)の前記第2の端部
(142)が、前記第6の流体弁(120)のポートの開口部に収容されるように、前記第1の流体弁(10)と第6の流体弁(120)との間に配置される第5の管(140)と、 第6の管(150)であって、
前記第2の方向Yに第1の端部(151)と第2の端部(152)とを有し、
前記第6の管(
150)の前記第1の端部
(151)が、前記第2の流体弁(20)のポート(21、22)の開口部(221、222)に収容され、前記第6の管(
150)の前記第2の端部
(152)が、前記第7の流体弁(130)のポートの開口部に収容されるように、前記第2の流体弁(20)と第7の流体弁(130)との間に配置される第6の管(150)と、 第7の管(160)であって、
前記第1の方向Xに第1の端部(161)と第2の端部(162)とを有し、
前記第7の管(
160)の前記第1の端部
(161)が、前記第6の流体弁(120)のポートの開口部に収容され、前記第
7の管(
160)の前記第2の端部
(162)が、前記第7の流体弁(130)のポートの開口部に収容されるように、前記第6の流体弁(120)と第7の流体弁(130)との間に配置される第7の管(160)とをさらに含み、
拡張流体アセンブリを形成するために、前記拡張流体アセンブリは、
前記第1の流体弁(10)および第6の流体弁(120)と前記第2の流体弁(20)および第7の流体弁(130)との間で前記第5の管(140)および第6の管(150)をそれぞれ圧縮するために、前記拡張流体アセンブリに機械的に結合され、前記第2の方向Yにおいて前記拡張流体アセンブリの両側に配置された少なくとも2つの端部を含む第2の圧縮手段(501)と、
前記第6の流体弁(120)と前記第7の流体弁(130)との間で前記第7の管(160)を圧縮するために、前記第6の流体弁(120)、第7の流体弁(130)、および第7の管(160)に機械的に結合され、前記第1の方向Xにおいて前記第6の流体弁(120)、第7の流体弁(130)、および第7の管(160)の両側に配置された少なくとも2つの端部を含む第3の圧縮手
段とをさらに含み、
前記第6の流体弁(120)および第7の流体弁(130)は、前記第1の流体弁(10)および第2の流体弁(20)と同一の外形寸法を有し、前記第7の管は、前記第1の管(60)と同一であり、前記第5の管(140)と第6の管(150)は、互いに同一であることを特徴とする、請求項4~11のいずれか1項に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項13】
前記流体アセンブリは、
第3の流体弁(30)、第4の流体弁(40)、および第5の流体弁(50)であって、
前記第3の流体弁(30)は、それぞれが外側に向かう開口部(331、332)を有する少なくとも2つの第3のポート(31、32)を含み、
前記第4の流体弁(40)は、それぞれが外側に向かう開口部(441、442)を有する少なくとも2つの第4のポート(41、42)を含み、
前記第5の流体弁(50)は、それぞれが外側に向かう開口部(551、552)を有する少なくとも2つの第5のポート(51、52)を含む、第3の流体弁(30)、第4の流体弁(40)、および第5の流体弁(50)と、
第2の管(70)であって、
第1の端部(71)と第2の端部(72)とを有し、
前記第2の管の前記第1の端部(71)は、前記第2の流体弁(20)の第1のポート(21)の開口部(221)に収容され、前記第2の管の前記第2の端部(72)は、前記第3の流体弁(30)の第2のポート(32)の開口部(332)に収容されるように、前記第2の流体弁(20)と第3の流体弁(30)との間に配置される第2の管(70)と、
第3の管(80)であって、
第1の端部(81)と第2の端部(82)とを有し、
前記第3の管の前記第1の端部(81)は、前記第3の流体弁(30)の第1のポート(31)の開口部(331)に収容され、前記第3の管の前記第2の端部(82)は、前記第4の流体弁(40)の第2のポート(42)の開口部(442)に収容されるように、前記第3の流体弁(30)と第4の流体弁(40)との間に配置される第3の管(80)と、
第4の管(90)であって、
第1の端部(91)と第2の端部(92)とを有し、
前記第4の管(
90)の前記第1の端部
(91)は、前記第4の流体弁(40)の第1のポート(41)の開口部(441)に収容され、前記第4の管の前記第2の端部(92)は、前記第5の流体弁(50)の第2のポート(52)の開口部(552)に収容されるように、前記第4の流体弁(40)と第5の流体弁(50)との間に配置される第4の管(90)とをさらに含み、
前記第3の流体弁(30)、第4の流体弁(40)、および第5の流体弁(50)は、前記第1の流体弁(10)および第2の流体弁(20)と同一であり、前記第2の管(70)、第3の管(80)、および第4の管(90)は、前記第1の管(60)と同一であることを特徴とする請求項4~12のいずれか1項に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項14】
前記
第1ないし第4の管(60、70、80、90)は、前記
第1ないし第5の流体弁(10、20、30、40、50)内に自由に挿入されることを特徴とする、請求項13に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【請求項15】
前記第3の流体弁(30)、第4の流体弁(40)、および前記第5の流体弁(50)は、
第3の弁本体(35)、第4の弁本体(45)、および第5の弁本体(55)であって、
前記第3の流体弁(30)の前記第3の弁本体(35)は、少なくとも2つの第3のポート(31、32)を含み、
前記第4の流体弁(40)の前記第4の弁本体(45)は、少なくとも2つの第4のポート(41、42)を含み、
前記第5の流体弁(50)の前記第5の弁本体(55)は、少なくとも2つの第5のポート(51、52)を含む、第3の弁本体(35)、第4の弁本体(45)、および第5の弁本体(55)と、
弁本体の第3のライニング(34)、第4のライニング(44)、および第5のライニング(54)であって、
前記
第3の流体弁(30)の前記第3の弁本体(35)の前記第3のライニング(34)は、前記2つの第3のポート(31、32)の軸に沿って配置された少なくとも2つの開口部(331、332)を含み、
前記第4の
流体弁(40)の前記弁本体(45)の前記第4のライニング(
44)は、前記2つの第4のポート(41、42)の軸に沿って配置された少なくとも2つの開口部(441、442)を含み、
前記第5の
流体弁(50)の前記弁本体(55)の前記第5のライニング(54)は、前記2つの第5のポート(51、52)の軸に沿って配置された少なくとも2つの開口部(551、552)を含む、第3のライニング(34)、第4のライニング(44)、および第5のライニング(54)とを含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の流体連通のためのシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の態様によれば、本発明は、2つの流体弁を流体的に接続するための方法に関する。
【0002】
第2の態様によれば、本発明は、流体連通のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
医薬品(例えば、薬剤)の新規合成の開発のためには、複数の弁を有する管(マニフォールド、例えば、Medex(登録商標)社によって市販されている3方向Stopcock(登録商標))の使用が制御された方法で必要とされる。
【0004】
研究所では、臨床段階3まで、永久的な弁と永久的な管を備えた機械を使用している。
【0005】
臨床段階3からはじめて、優れた製造方法(GMP)に従った製造には、制御された弁および管を含む使い捨てキットの使用が必要である。
【0006】
新しい化合物の開発中の主な問題は、使い捨て弁の制御を伴う機械への永久的な弁の制御を可能にする機械からの移行中に生じる。ある種類の機械から別の種類の機械へのこの移行(永久的なものから使い捨て可能なものへ)は、弁の種類、それらの容積、およびそれらの接続が変化するので、化学シーケンスの適応をしばしば必要とする。この適応は、原材料、機器の使用時間、人的資源の点で非常に費用が掛かり、そして結局のところ、より高度な開発段階への移行のための追加の遅延およびより大きなコストにつながる。
【0007】
永久的な弁と管を備えた機械は、使い捨ての弁と管の使用を可能にしない。使い捨てキットの弁の制御を可能にする機械は、永久的な弁からなる使い捨て弁のキットと同等のものを有さない。
【0008】
使い捨てキットは、使い捨て弁および管を含み、一般的に弁間の間隔が小さい。この小さな間隔は、管内で役に立たない体積を減らすために特に望ましい。この小さな間隔は、特に、使用される製造方法、例えば射出成形によって可能になる。弁間の間隔が比較的小さいため、弁および管を含み、良好な不透過性を有し、市場で入手可能な要素を含む永久的なシステムの設計は非常に困難になる。
【0009】
市場で入手可能な弁は、管または付属品(例えば、プラグ、アダプター、シリンジ)のねじ込みノズルへの流体接続を可能にするためにそれらのポートに雌ねじを備えている。互いに近接している2つの弁がその端部にねじ山を備えた管に接続されなければならないとき、複数の問題が生じる。市販の弁は、例えば、右ねじを有する。(管の長さを制限するために)2つの弁を直管によって並べて配置するためには、これは、一端に右ねじを有し、他端に左ねじを有する管を有することを含む。しかしながら、このアセンブリの不透過性は、管と弁の開口部の底部との(弁本体との)接触によってもたらされる。良好な密閉を保証するために、これは、弁、より具体的には弁のステムの向きを制御することを必ずしも可能にしない十分な締め付けを加えることを含む。弁のステムまたは弁の制御ステムにより、弁の制御が可能となる。実際、弁は、弁の制御を可能にする機械によって制御されるためには、それらのステムまたは弁の部材が互いに平行でなければならない。しかしながら、ねじ付き端部を有する管の使用は、2つの流体弁がそれらの弁のステムを平行にすること、またはそれらが密閉流体接続を有することを保証するものではない。
【0010】
良好な密閉を保証し、弁のステムを平行にするために変形可能な管端部を設けるなど、複数の解決策が既に開発されている。しかしながら、この解決策は経時的に良好な密閉を保証するものではなく、この変形可能な部分にデッドボリュームを有する危険性をもたらす。
【0011】
開発された別の解決策は、2つの部分から作られた管を使用することを含み、その2つの部分は接続されるべき各ポートにねじ込まれる。次に、2つの部分は、連結要素、例えばナットを介して締め付けられることによって互いに接続される。この解決法は、弁-管接続部における漏れの可能性を減少させるが、この解決法は、2つの管部分間の連結要素との接続部に現れる漏れの危険性を有する。
【0012】
現在のところ、約3センチメートルの一定の小さい間隔(例えば、制御棒間の距離)を尊重しながら、かつ弁のステム間の平行度を維持しながら、2つの流体弁を互いに接続する現実的な解決策はない。上で試験され言及された2つの解決策は、そのようなアセンブリを可能にしない。弁間の中心間距離は尊重されるが、不透過性および弁の制御ステムが平行であるという事実は保証されないか、あるいは不透過性は保証されるが、弁のステムの中心間距離または平行度は正しくない。
【0013】
使い捨て弁のキットを永久的な弁で置き換えることができるようにするために尊重されるべき3つのパラメータは、弁間の中心間距離、それらの接続の不透過性、および弁のステムの平行度である。現在のところ、この問題を克服するための解決策はない。
【発明の概要】
【0014】
第1の態様によれば、研究中の試験合成のコストを削減し、最初に使い捨てキットの使用を排除するという目的で、本発明者らは、第1の方向Xに第1の流体弁と第2の流体弁とを流体的に接続するための方法であって、
a.前記第1の流体弁および第2の流体弁を提供するステップであって、
前記第1の流体弁は、それぞれが第1の流体弁の外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第1のポートを含み、
前記第2の流体弁は、それぞれが第2の流体弁の外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第2のポートを含むステップと、
b.第1の端部と第2の端部とを有する第1の管を提供するステップであって、
前記第1の端部は、前記第1の流体弁の第1のポートの開口部に挿入するのに適しており、
前記第2の端部は、前記第2の流体弁の第2のポートの開口部に挿入するのに適しているステップと、
c.流体アセンブリを形成するために、前記第1の管の前記第1の端部を前記第1の流体弁の第1のポートの開口部に挿入し、前記第1の管の前記第2の端部を前記第2の流体弁の第2のポートの開口部に挿入するステップと、
d.2つの端部を含む第1の圧縮手段を提供するステップであって、前記第1の流体弁および第2の流体弁と前記第1の管とを含む前記流体アセンブリを前記2つの端部間で前記第1の方向Xに圧縮するためのステップと、
e.前記第1の方向Xにおいて前記第1の圧縮手段の前記2つの端部を前記流体アセンブリの両側に位置決めするステップと、
f.前記第1の流体弁と前記第2の流体弁との間で前記第1の管を圧縮するために、前記第1の圧縮手段を介して前記流体アセンブリに前記第1の方向Xと平行に圧縮力を印加するステップとを含む方法を提案する。
【0015】
流体弁を互いに接続するためのこの方法に関連した利点は、この方法によって、少なくとも2つの弁を、小さくかつ2つの弁間で正確に決定することができる間隔で、流体的かつ密閉された方法で互いに容易に接続できることである。この方法は、永久的で再使用可能な弁からなる流体アセンブリを、使い捨て弁を制御するためのシステムに適合させることを可能にする。
【0016】
管および弁の外部にある流体弁内の管を圧縮する方法を使用することの利点は、中心間距離、弁アクチュエータの平行度、および流体アセンブリの良好な不透過性を提供する。
【0017】
この方法は迅速な組み立てを可能にし、また弁および管の洗浄のための分解を可能にする。
【0018】
この方法の利点は、これが弁アクチュエータの平行度に影響を及ぼすことなく、管の端部と弁本体との間の締め付けを調整できることである。
【0019】
この方法は、使い捨て弁の制御を可能にする異なる種類の機械に適応することができるように、管の長さを変更することおよび圧縮手段の長さを変更することによって弁間の中心間距離を適合させることができる。
【0020】
密閉された流体接続を可能にする提案された方法は、例えばそれらの分解および洗浄の後に同じ要素を用いて再現することができる。この方法では、分解して定期的に洗浄できる弁と管を使用する。
【0021】
好ましくは、第1の管の前記第1および第2の端部は滑らかな外壁を有する。
【0022】
滑らかな外壁を有する端部を有する管を有することの利点は、その管を、その外壁全体が滑らかであるより長い管から容易に切断することができることである。管の端部の外壁が滑らかであるという事実は、前記壁にねじ山を必要としない。これにより、管の機械加工および流体弁のポートの開口部における管の組み立てが容易になる。
【0023】
好ましくは、第1の管の前記第1および第2の端部は滑らかである。
【0024】
端部が滑らかな第1の管を有することの利点は、その切断面の追加の機械加工を必要とする部分切断なしに、より長い管から第1の管を容易に切断できることである。管の端部が滑らかであるという事実は、密閉手段、例えば継手を収容するために溝を作製することを必要としない。さらに、管の端部に溝を形成することは、非常に精密で特殊な加工工具を必要とする機械加工である。管の端部は、管の切断中に得られる縁部に対応するのが好ましい。直管の切断は、管の主方向に対して垂直に行われるのが好ましい。管の端部の溝は、端部の表面から始めて管の主方向と実質的に平行に管の材料内に延びる空洞化した空洞として定義することができる。
【0025】
圧縮手段、特に前記手段の2つの端部間の距離を適合させることにより、滑らかな端部を有する管は、管の中心間距離によって画定される寸法への切断およびオプションで前記切断部のバリ取り以外の機械加工を必要とせずに弁間の中心間距離の良好なモジュール化を可能にする。
【0026】
好ましくは、第1の圧縮手段の前記2つの端部は2つのプレートであり、前記第1の圧縮手段は、
第1および第2の流体弁を受けるのに適した中空形材と、
前記2つのプレートを前記中空形材の2つの端部に固定するための固定手段とをさらに含む。
【0027】
中空形材と、流体弁および管を圧縮状態に維持するために中空形材の端部に固定することができる2つの端部要素とからなる圧縮手段には複数の利点がある。圧縮手段は、弁と管が挿入される中空形材に端部を固定する間、管を弁のポートの開口部で圧縮することを可能にする。圧縮手段は、例えば互いに嵌合することによって、ねじ山、接着剤、またはアセンブリに対して流体弁のポート内で管の端部を組み立てる必要性を排除する。さらに、滑らかな端部の場合には、例えば、管の一方の端部および他方の端部に、右ねじおよび左ねじを設ける必要はない。中空形材はまた、流体弁間に中心間距離を有するアセンブリを得るために異なる長さに切断することができるという利点を有する。この態様は、流体弁間の様々な中心間距離に容易に適合させることができる圧縮手段を提供する。
【0028】
さらに、中空形材は、
・制御ステム間の平行度
・流体弁の開口部間の共線性
を確実にするために流体弁を案内するための手段を提供する。
【0029】
好ましくは、
ステップaはまた、第6の流体弁および第7の流体弁が提供され、
前記第6の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第6のポートを含み、
前記第7の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第7のポートを含むという事実も含み、
ステップbはまた、第5の管および第6の管が提供され、
前記第5の管は、第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第5の管の前記第1の端部は、前記第1の流体弁の第1のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第2の管の前記第2の端部は、前記第6の流体弁の第6のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第6の管は、第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第6の管の前記第1の端部は、前記第2の流体弁の第2のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第6の管の前記第2の端部は、前記第7の流体弁の第7のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第7の管は、第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第7の管の前記第1の端部は、前記第6の流体弁の第6のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第7の管の前記第2の端部は、前記第7の流体弁の第7のポートの開口部に挿入するのに適しているという事実も含み、
ステップcはまた、拡張流体アセンブリを形成するために、
前記第5の管の前記第1の端部は、前記第1の流体弁の第1のポートの開口部に挿入され、前記第5の管の前記第2の端部は、前記第6の流体弁の第6のポートの開口部に挿入されており、
前記第6の管の前記第1の端部は、前記第2の流体弁の第2のポートの開口部に挿入され、前記第6の管の前記第2の端部は、前記第7の流体弁の第7のポートの開口部に挿入されており、
前記第7の管の前記第1の端部は、前記第6の流体弁の第6のポートの開口部に挿入され、前記第7の管の前記第2の端部は、前記第7の流体弁の第7のポートの開口部に挿入されているという事実を含み、
ステップdはまた、
2つの端部を含む第2の圧縮手段であって、前記2つの端部間で前記拡張流体アセンブリを第2の方向Yに圧縮するための第2の圧縮手段と、
2つの端部を含む第3の圧縮手段であって、前記第6の流体弁、第7の流体弁、および第7の管を前記2つの端部間で前記第1の方向Xに圧縮するための第3の圧縮手段とが提供されるという事実を含み、
ステップeはまた、
前記第2の圧縮手段の前記2つの端部は、前記第2の方向Yにおいて前記拡張流体アセンブリの両側に配置され、
前記第3の圧縮手段の前記2つの端部は、前記第1の方向Xにおいて前記第6の流体弁、第7の流体弁、および第7の管の両側に配置されるという事実を含み、
ステップfはまた、前記第5の管および第6の管を、それぞれ前記第1の流体弁と第6の流体弁、および前記第2の流体弁と第7の流体弁とともに圧縮するために、前記第2の圧縮手段を介して前記第2の方向Yに平行に圧縮力が前記拡張流体アセンブリに印加される。
【0030】
好ましくは、
ステップaはまた、第3の流体弁、第4の流体弁、および第5の流体弁が提供され、 前記第3の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第3のポートを含み、
前記第4の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第4のポートを含み、
前記第5の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第5のポートを含むという事実を含み、
ステップbはまた、第2の管、第3の管、および第4の管が提供され、
前記第2の管は、第1の端部および第2の端部を有し、
前記第2の管の前記第1の端部は、前記第2の流体弁の第2のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第2の管の前記第2の端部は、前記第3の流体弁の第3のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第3の管は、第1の端部および第2の端部を有し、
前記第3の管の前記第1の端部は、前記第3の流体弁の第3のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第2の管の前記第2の端部は、前記第4の流体弁の第4のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第4の管は、第1の端部および第2の端部を有し、
前記第4の管の前記第1の端部は、前記第4の流体弁の第4のポートの開口部に挿入されるのに適しており、
前記第4の管の前記第2の端部は、前記第5の流体弁の第5のポートの開口部に挿入されるのに適しているという事実を含み、
ステップcはまた、前記流体アセンブリを形成するために、
前記第2の管の前記第1の端部は、前記第2の流体弁の第2のポートの開口部に挿入され、前記第2の管の前記第2の端部は、前記第3の流体弁の第3のポートの開口部に挿入され、
前記第3の配管の前記第1の端部は、前記第3の流体弁の第3のポートの開口部に挿入され、前記第3の配管の前記第2の端部は、前記第4の流体弁の第4のポートの開口部に挿入され、
前記第4の配管の前記第1の端部は、前記第4の流体弁の第4のポートの開口部に挿入され、前記第4の配管の前記第2の端部は、前記第5の流体弁の第5のポートの開口部に挿入されるという事実を含む。
【0031】
5つの流体弁が4つの管によって圧縮手段と接続されることを可能にする方法の利点は、これらすべての要素の組み立てが非常に迅速に実行され得ることである。管が滑らかな端部を有するという事実は、それらがより長い管から容易に切断されそして容易に交換されるかまたは洗浄されることを可能にする。この方法の利点は、単一の圧縮システムを作動させる必要がある一方で、流体的に多数の管および弁を組み立てることができることである。さらに、圧縮手段の形材の長さおよび各管の長さを適合させることによって、流体弁間の中心間距離を容易に適合させることができる。第1の管に関して説明したように、管の端部は滑らかでなければならず、他のいかなる特殊性も必要としないという事実のために、このようなモジュール性は、主に可能である。特に、管は端部のいずれにも密閉手段を収容するために溝を必要としない。
【0032】
第2の態様によれば、本発明者らは、
流体アセンブリであって、
第1の方向Xの第1の流体弁および第2の流体弁であって、
前記第1の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する2つの第1のポートを含み、
前記第2の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する2つの第2のポートを含む第1の流体弁および前記第2の流体弁と、
第1の管であって、
第1の端部と第2の端部を有し、
前記第1の管の前記第1の端部は、前記第1の流体弁の第1のポートの開口部に収容され、前記第1の管の前記第2の端部は、前記第2の流体弁の第2のポートの開口部に収容されるように、前記第1の流体弁と第2の流体弁の間に配置されている第1の管とを含む流体アセンブリと、
前記流体アセンブリに機械的に連結され、前記第1の方向Xにおいて前記第1の流体弁と第2の流体弁との間で前記第1の管を圧縮するために、前記流体アセンブリの両側に配置された少なくとも2つの端部を含む第1の圧縮手段とを含む流体連通のためのシステムを提案する。
【0033】
本発明の第1の態様について述べた代替案および利点は、変更すべきところは変更して、第2の態様に係る流体連通のためのシステムに適用される。
【0034】
流体連通のためのシステムの利点は、それが密閉された流体アセンブリを製造することを可能にすることである。密閉された流体アセンブリは、例えば密閉接合部などの密閉手段を追加することなく得られる。流体アセンブリの不透過性は、管の端部と流体弁の開口部との間に生成される。流体連通のためのシステムの別の利点は、流体要素を互いに嵌合させるだけでよい密閉された流体アセンブリの作製を可能にすることである。良好な不透過性を維持しながら、流体弁間の中心間距離および流体弁のアクチュエータの互いに対する平行度の良好な制御を可能にするために、流体要素(流体弁および管)を一緒に締め付ける機能はこれらの要素から分離される。圧縮手段の締め付け力だけで、弁と管との間の良好な密閉を保証することが可能になる。
【0035】
流体連通のためのシステムの利点は、それが弁と滑らかな管端を有する管との間の良好な密閉を提供することを可能にすることである。そのような流体連通のためのシステムはまた、不透過性の手段または管の縁部と流体弁との間の接合部の使用を必要としない。これはさらに、組み立てが非常に簡単で、容易に調整することができる中心間距離を有する流体連通のためのシステムを提供する。実際、不透過性の手段を使用する必要がある場合、本発明に係る流体連通のためのシステムの組み立て中にそれらの位置決めが問題となる可能性がある。圧縮前に多数の密閉手段を位置決めすることは困難であり、不透過性の手段、例えば不透過性の接合部の良好なセンタリングを保証することを可能にしない。
【0036】
流体要素を締め付ける機能の解離は、流体連通のためのシステム全体を組み立てまたは分解することを可能にするために、締め付け機能の作動または解除を必要とするだけの組み立ておよび容易な分解を可能にする。
【0037】
流体制御のためのシステムは、管の長さおよび圧縮手段のサイズを適合させることによって、変化し得る中心間距離を有する弁の多数の制御を有する弁コントローラへの容易な適合を可能にする。
【0038】
好ましくは、前記第1の管は、滑らかな外面を有する。
【0039】
滑らかな端部を有する管は、極めて単純であり、正しい長さに切断するのが容易であり、容易に交換可能であり、そして同様のアセンブリからの管と相互交換することができる要素を提供する。
【0040】
好ましくは、前記第1の管は、第1および第2の滑らかな端部を有する。
【0041】
滑らかな端部を有する管の利点は、端部に存在するねじ山を損傷する危険なしに管を切断するのが容易であるということである。さらに、管は、識別されなければならない左側または右側を有さない。滑らかな端部を有する管はまた、ねじ付き端部を有する管よりも安価である。
【0042】
好ましくは、第1の管は、その長さに対して実質的に垂直な平面において円形の断面を有する。
【0043】
円形断面を有する管の使用は、これが利用可能な管の最も一般的な形状であるという利点を有する。
【0044】
好ましくは、第1および第2の流体弁は、T字形構成の3つのポートを含む。
【0045】
好ましくは、前記第1の管は、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)製である。
【0046】
PEEK製の管を使用する利点は、PEEKが良好な剛性、すなわち高いヤング率、および良好な破断強度を有する材料であることである。PEEKはまた、化学的に不活性である。PEEKは、機械加工および切断が容易であり、丸い断面を有する棒の形態または管の形態で市販されている。
【0047】
好ましくは、第1の流体弁および第2の流体弁は、
第1の弁本体および第2の弁本体であって、
前記第1の流体弁の前記第1の弁本体は、2つの第1のポートを含み、
前記第2の流体弁の前記第2の弁本体は、2つの第2のポートを含む第1の弁本体および第2の弁本体と、
第1の弁本体ライニングおよび第2の弁本体ライニングであって、
前記第1の弁の前記弁本体の前記第1の弁本体ライニングは、前記2つの第1のポートを中心とする2つの開口部を含み、
前記第2の弁(20)の前記弁本体の前記第2の弁本体ライニングは、前記2つの第2のポートを中心とする2つの開口部を含む第1の弁本体ライニングおよび第2の弁本体ライニングとをそれぞれ含む。
【0048】
好ましくは、前記第1の弁本体および第2の弁本体は、プラスチック材料から作られる。
【0049】
好ましくは、前記第1の弁本体および第2の弁本体は、耐溶媒性のポリマーから作られる。
【0050】
好ましくは、前記第1の弁本体および第2の弁本体は、テフロン(登録商標)ポリマーから作られる。
【0051】
好ましくは、前記弁本体の材料は、前記第1の管の材料よりも可撓性がある。
【0052】
好ましくは、前記第1の管は、前記第1の圧縮手段による圧縮中に前記第1の流体弁と第2の流体弁との間に間隔を画定するように剛性が高い。
【0053】
好ましくは、前記第1の流体弁と第2の流体弁との間の中心間距離は、前記第1の管の長さおよび圧縮力によって規定される。
【0054】
好ましくは、前記第1の管は、その第1および第2の端部と第1および第2の流体弁との間に密閉接続を形成する。
【0055】
好ましくは、前記管の前記第1および第2の端部と第1および第2の弁との間の流体接続部は、大気圧~5×105Paの間の圧力で密閉される。
【0056】
好ましくは、前記管の前記第1および第2の端部と前記第1および第2の流体弁との間の流体接続部は、大気圧より低い圧力で密閉される。
【0057】
好ましくは、流体連通のためのシステムは、流体弁を制御するための制御システムをさらに含む。
【0058】
好ましくは、流体連通のためのシステムは、第1および第2の連結手段と、第1および第2の弁のステムとをさらに含み、前記流体連通のためのシステムにおいて、
前記第1の弁のステムは、前記第1の連結手段によって流体弁を制御するための前記制御システムに接続されている前記第1の流体弁の移動を可能にし、
前記第2の弁のステムは、前記第1の連結手段によって流体弁を制御するための前記制御システムに接続されている前記第2の流体弁の移動を可能にすることを特徴とする。
【0059】
各流体弁用の連結手段の存在の利点は、これらの連結手段が弁のアクチュエータを制御するための制御システムに各流体弁を接続することを可能にすることである。流体連通のためのシステムの利点は、弁のアクチュエータを制御するための様々な制御システムに接続することができるようにするために、弁間の中心間距離の容易な適合を可能にすることである。
【0060】
好ましくは、前記第1の圧縮手段は、
流体弁を受けるのに適した中空形材と、
前記形材内で管および前記流体弁を圧縮するのに適した圧縮手段の2つの端部と、
第1の圧縮手段の前記端部を前記形材に固定するための手段とを含む。
【0061】
中空形材と、弁および管の圧縮を可能にする2つの端部とからなる圧縮手段の利点は、流体弁内の管を維持する機能を密閉機能から切り離すことを可能にすることである。流体弁内の管を維持する機能を密閉機能から切り離すことにより、管と流体弁との間の密閉を変えることなく流体弁のアクチュエータを互いに平行に配置することが可能になる。中空形材はまた、弁のそれらのアクチュエータを平行に配置することを可能にする流体弁を案内する機能を提供する。中空形材の案内機能はまた、弁および管の容易な組み立てを可能にするために、弁の開口部の共線性を保証することを可能にする。
【0062】
本発明に係る単一の圧縮手段を介して流体弁と管とを圧縮することの利点は、同じ圧縮力を管の端部と弁本体との界面の各々に印加することを可能にする。すべての界面に同じ力を印加することにより、各流体接続部で同程度の不透過性を得ることができ、流体連通のためのシステム内で漏れを引き起こす要素の1つのクランプ解除の危険性がない。
【0063】
例えば、固定手段は、中空形材に対する前記2つの端部用のねじである。
【0064】
好ましくは、流体アセンブリは、
第6の流体弁および第7の流体弁であって、
前記第6の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第6のポートを含み、
前記第7の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第7のポートを含む第6の流体弁および第7の流体弁と、
第5の管であって、
第2の方向Yに第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第5の管の前記第1の端部が、前記第1の流体弁のポートの開口部に収容され、前記第5の管の前記第2の端部が、前記第6の流体弁のポートの開口部に収容されるように、前記第1の流体弁と第6の流体弁との間に配置される第5の管と、
第6の管であって、
前記第2の方向Yに第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第6の管の前記第1の端部が、前記第2の流体弁のポートの開口部に収容され、前記第6の管の前記第2の端部が、前記第7の流体弁のポートの開口部に収容されるように、前記第2の流体弁と第7の流体弁との間に配置される第6の管と、
第7の管であって、
前記第1の方向Xに第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第7の管の前記第1の端部が、前記第6の流体弁のポートの開口部に収容され、前記第6の管の前記第2の端部が、前記第7の流体弁のポートの開口部に収容されるように、前記第6の流体弁と第7の流体弁との間に配置される第7の管とをさらに含み、
拡張流体アセンブリを形成するために、前記拡張流体アセンブリは、
前記第1の流体弁および第6の流体弁と前記第2の流体弁および第7の流体弁との間で前記第5の管および第6の管をそれぞれ圧縮するために、前記拡張流体アセンブリに機械的に結合され、前記第2の方向Yにおいて前記拡張流体アセンブリの両側に配置された少なくとも2つの端部を含む第2の圧縮手段と、
前記第6の流体弁と前記第7の流体弁との間で前記第7の管を圧縮するために、前記第6の流体弁、第7の流体弁、および第7の管に機械的に結合され、前記第1の方向Xにおいて前記第6の流体弁、第7の流体弁、および第7の管の両側に配置された少なくとも2つの端部を含む第3の圧縮手段とをさらに含み、
前記第6の流体弁および第7の流体弁は、前記第1の流体弁および第2の流体弁と同一の外形寸法を有し、前記第7の管は、前記第1の管と同一であり、前記第5の管と第6の管は、互いに同一である。
【0065】
好ましくは、流体アセンブリは、
第3の流体弁、第4の流体弁、および第5の流体弁であって、
前記第3の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第3のポートを含み、
前記第4の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第4のポートを含み、
前記第5の流体弁は、それぞれが外側に向かう開口部を有する少なくとも2つの第5のポートを含む、第3の流体弁、第4の流体弁、および第5の流体弁と、
第2の管であって、
第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第2の管の前記第1の端部は、前記第2の流体弁の第1のポートの開口部に収容され、前記第2の管の前記第2の端部は、前記第3の流体弁の第2のポートの開口部に収容されるように、前記第2の流体弁と第3の流体弁との間に配置される第2の管と、
第3の管であって、
第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第3の管の前記第1の端部は、前記第3の流体弁の第1のポートの開口部に収容され、前記第3の管の前記第2の端部は、前記第4の流体弁の第2のポートの開口部に収容されるように、前記第3の流体弁と第4の流体弁との間に配置される第3の管と、
第4の管であって、
第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第4の管の前記第1の端部は、前記第4の流体弁の第1のポートの開口部に収容され、前記第4の管の前記第2の端部は、前記第5の流体弁の第2のポートの開口部に収容されるように、前記第4の流体弁と第5の流体弁との間に配置される第4の管とをさらに含み、
前記第3の流体弁、第4の流体弁、および第5の流体弁は、前記第1の流体弁および第2の流体弁と同一であり、前記第2の管、第3の管、および第4の管は、前記第1の管と同一である。
【0066】
例えば、前記第1、第2、第3、第4の管は、異なる長さを有する。
【0067】
好ましくは、前記第1、第2、第3、第4の管は、1cm~10cmの間の長さを有する。
【0068】
好ましくは、前記第1、第2、第3、第4の管は、2cm~5cmの間の長さを有する。
【0069】
好ましくは、管は、流体弁に自由に挿入される。
【0070】
好ましくは、第3の流体弁、第4の流体弁、および前記第5の流体弁は、
第3の弁本体、第4の弁本体、および第5の弁本体であって、
前記第3の流体弁の前記第3の弁本体は、少なくとも2つの第3のポートを含み、
前記第4の流体弁の前記第4の弁本体は、少なくとも2つの第4のポートを含み、
前記第5の流体弁の前記第5の弁本体は、少なくとも2つの第5のポートを含む、第3の弁本体、第4の弁本体、および第5の弁本体と、
弁本体の第3のライニング、第4のライニング、および第5のライニングであって、 前記第1の弁の前記第3の弁本体の前記第3のライニングは、前記2つの第3のポートの軸に沿って配置された少なくとも2つの開口部(331、332)を含み、
前記第4の弁の前記弁本体の前記第4のライニングは、前記2つの第4のポートの軸に沿って配置された少なくとも2つの開口部を含み、
前記第5の弁の前記弁本体の前記第5のライニングは、前記2つの第5のポートの軸に沿って配置された少なくとも2つの開口部を含む、第3のライニング、第4のライニング、および第5のライニングとを含む。
【0071】
好ましくは、前記第1、第2、第3、および第4の管は、前記流体弁の弁本体の間に密閉接続を形成する。
【0072】
例えば、前記圧縮手段は、前記流体弁間の管を塞いで圧縮するように配置された調節可能なクランプである。
【0073】
例えば、前記圧縮手段は、前記流体弁間の管を塞いで圧縮するように配置されたクランプである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
本発明のこれらの態様、ならびに他の態様は、図面の図を参照しながら、本発明の特定の実施形態の詳細な説明において明らかにされるであろう。
【0075】
【
図1】4つの管によって接続された5つの弁のアセンブリの斜視図を示し、アセンブリは圧縮手段によって圧縮されており、本発明に係る一実施形態に対応する。
【
図2】本発明に係る圧縮手段の2つの端部間に管の弁を組み立てる方法を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明に係る第1の管によって接続された第1および第2の流体弁の断面図を示す。
【
図4】
第1の方向Xおよび第2の方向Yにおける流体アセンブリを示す斜視図である。
【0076】
図面の図は、一定の縮尺ではない。一般的に、図面において類似の要素には類似の参照符号が付されている。図面を参照するための番号の存在は、これらの番号が特許請求の範囲に示されている場合を含めて、限定的であると見なされ得ない。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図1は、本発明に係る流体連通のためのシステムおよび少なくとも2つの流体弁を接続するための方法の一実施形態の一例を示す。管によって少なくとも2つの流体弁を接続する方法は、少なくとも2つの流体弁を提供することを必要とする。流体弁は、それらの様々な開口部間の流体の流量の制御を可能にする弁である。流体弁は、その様々なポート間の流体接続の制御を可能にする弁である。例えば、それらは、第1のポートと第2のポートとの間の流体の流量のON/OFF制御を可能にする。3つ以上のポートを有するStopcock弁は、例えば、2つの出口ポートのうちの1つを選択して入口ポートから始めることを可能にする。本発明のシステムおよび方法では、三方T字弁を使用するのが好ましい。化学または薬物合成における使用のためには、不活性壁を有する弁が好ましい。例えば、内壁がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなる弁本体を有する弁や、PTFEから作られた弁部材が用いられる。流体弁を互いに流体的に密閉して接続するために使用される管は、化学的に不活性な材料でできていることが好ましく、例えばPEEK(ポリ(エーテルエーテルケトン))製である。流体弁を互いに接続するために使用される管は、弁本体の可撓性よりも低い可撓性を有する材料で作られるのが好ましい。流体弁を互いに接続するために、少なくとも1つの管が第1の流体弁のポートのうちの1・BR>ツに挿入される。
図3に示すように、流体弁のポートは、弁本体のライニング内の開口部と、弁本体内の開口部とを有する。弁本体内の開口部は、例えば、ねじ付き要素を受容するために弁本体のライニングに雌ねじを有する。弁本体のライニングの開口径は、弁本体の開口径よりも大きい。したがって、管が流体弁の開口部に挿入されると、
管は弁本体のライニングの開口部に挿入されるので、管は弁本体に対して止められ、横方向に維持される。単独で接触している流体弁および管の配置は、不透過性を得ることを可能にしない。管および流体弁に十分な圧縮力が作用すると、密閉接続を生成することが可能になる。得られた接続は、好ましくは1×10
-2Pa~1×10
6Paの圧力、より好ましくは1×10
-1Pa~5×10
5Paの圧力では、液体または気体に対して不透過性である。密閉手段を追加することなく良好なシールが得られる。密閉手段は、例えば平らな接合部またはOリングである。流体連通のためのシステムは、例えば接着剤またはシリコーン接合部などの永久的な接合部を含まない。管と弁にかかる圧力により、良好な密閉が得られる。加えられた圧力は、管と弁本体が接触し続けることを可能にし、管が弁本体に対して圧縮されることを可能にする。流体弁の弁本体を形成する材料間の可撓性の相違は、このように密閉接続を生成することによって管が弁本体の材料内にわずかに侵入することを可能にする。材料間の可撓性の違いは、材料のヤング率に基づいて材料を選択することによって得られる。ヤング率が小さいほど、材料は可撓性が高くなる。したがって、管に使用される材料は、ヤング率の弁本体よりもヤング率が大きくなる。2つの弁間の中心間距離の決定には、管の両側の弁本体への管の侵入を考慮する必要がある。所望の中心間距離および管の長さは、達成されるべき侵入、したがって第1の圧縮手段によって印加されるべき力を決定する。管の端部の弁本体への侵入は、好ましくは0.01mm~0.2mmの間、より好ましくは0.025mm~0.1mmの間、そして好ましくは0.05mmである。高圧での不透過性を保証しない侵入が少なすぎると、そして侵入が多すぎると、流体弁が損傷する可能性がある。管の端部の侵入は、流体アセンブリ全体にわたって均一に分布している。
【0078】
異なる内径および外径を有する管を使用することができる。使用される1つの外管直径は、好ましくは3mm~20mmの間、より好ましくは5mm~15mmの間である。使用される1つの内管直径は、好ましくは0.2mm~18mmの間、より好ましくは0.5mm~5mmの間である。
【0079】
例えば、内径1.5mm、外径5mm、長さ21.3mmの管である。
【0080】
図2は、本発明に係る流体連通のためのシステムおよび少なくとも2つの流体弁を接続するための方法の一実施形態の一例を示す。流体連通のためのシステムは、管の両端を2つの異なる弁の開口部に挿入することによって組み立てられ、例えば、第1の管は第1の弁の開口部および第2の弁の開口部に挿入される。本明細書では、管が弁の開口部に挿入されるという事実、または弁がその開口部の1つを介して管に嵌合されるという事実は、管が弁のポートのうちの1つの開口部のうちの1つに挿入されるという事実によって説明される。
【0081】
流体アセンブリは、圧縮手段に加えて、2つの弁と1つの管、3つの弁と2つの管、4つの弁と3つの管、5つの弁と4つの管、そして最大15の弁と14の管からなることが可能である。流体連通のためのシステムを形成するために弁を接続する管は、断面を有するのが好ましい。流体連通のためのシステムを形成するために弁を接続する管は、好ましくは10mm~100mmの間の長さ、より好ましくは15mm~50mmの間の長さを有する。本発明に係る流体連通のための同じシステムの管は、例えば異なる長さを有する。例えば、第1の流体弁と第2の流体弁との間の第1の管は30mmの長さを有し、第2の流体弁と第3の流体弁との間の第2の管70は45mmの長さを有する。
【0082】
図2に記載の実施形態では、4つの管(60;70;80;90)を介して5つの流体弁(10;20;30;40;50)を互いに接続するために、流体連通のためのシステム100が組み立てられる。第1の圧縮手段1は、中空形材4と、流体弁(10;20;30;40;50)および管(60;70;80;90)の中空形材4内側での圧縮を可能にする第1の端部2および第2の端部3とを含む。第1の端部2および第2の端部3により、中空形材4を両側で栓をすることができ、固定手段5を介して流体弁および管を圧縮することができる。次に、流体弁(10;20;30;40;50)および管(60;70;80;90)を形材に交互に挿入する。したがって、第5の流体弁50は、中空形材に挿入される。次に、第4の管90の第2の端部92を第5の流体弁50の第2のポート52の開口部552に挿入する。次に、第4の流体弁40が挿入され、その第1のポート41の開口部441を介して、第4の管90の第1の端部91に嵌合される。次に、第3の管80の第2の端部82を第4の流体弁40の第2のポート42の開口部442に挿入する。次に、第3の流体弁30が挿入され、その第1のポート31の開口部331を介して、第3の管80の第1の端部81に嵌合する。次に、第2の管70の第2の端部72を第3の流体弁30の第2のポート32の開口部332に挿入する。次に、第2の流体弁20が挿入され、その第1のポート21の開口部221を介して、第2の管70の第1の端部71に嵌合する。次に、第1の管60の第2の端部62を第2の流体弁20の第2のポート22の開口部222に挿入する。次に、第1の流体弁10が挿入され、その第1のポート11の開口部111を介して、第2の管60の第1の端部61に嵌合する。5つの流体弁および4つの管の中空形材4内への設置後、第1の端部2は固定手段5を介して中空形材4に固定される。第1の端部2の固定は、流体弁と管との間の密閉接続を保証するために5つの弁と4つの管を圧縮することを可能にする。固定手段5は、例えば、ねじである。固定手段5は、流体弁と管のアセンブリに加わる圧縮力を変えることを可能にする。例えば、ねじ5は、端部2および3を形成するプレートが中空形材4と接触するように締め付けられる。端部に位置する流体弁、好ましくは第1の流体弁10および第5の流体弁50の2つの端部2および3によって加えられる圧力により、流体連通のためにシステム100内部の各要素に等しい圧力を得ることができる。端部2、3を形成するプレートが中空形材4と接触するときの中空形材4の長さは、適当な長さだけ管を弁本体内に侵入させる。
【0083】
図3は、本発明に係る方法の一実施形態の一例を示す。管を介して少なくとも2つの流体弁を不透過的に接続する方法は、各流体弁と管との間の密閉接続を必要とする。管の両側の2つの流体弁を圧縮することにより、管を2つの流体弁の間に維持することが可能になる。管60の周りの2つの流体弁10および20の圧縮はまた、管60と2つの弁本体15および25との間の密閉接続を可能にする。弁本体15および25に使用される材料は、管60に使用される材料よりも可撓性が高い。弁本体と管との間の可撓性の差は、同じ印加圧力に対して管よりも弁本体のより大きな変形を可能にする。実際、弁本体および管は、それらの弾性率に比例して変形する。したがって、管は、弁本体の弾性率よりもはるかに大きい弾性率を有する。したがって、これは、同じ圧力を受けたときに、管60の周りで弁15および25が圧縮されている間、弁本体の材料の可撓性を介して管がわずかに弁本体内に入り込むことを意味する。弁本体のわずかな変形は、弁本体と管との間に密閉接続を作り出す。例えば、管は金属製である。好ましくは、管は、化学的に不活性な材料から製造される。好ましくは、管はポリマー製であり、さらにより好ましくは、管はポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)製である。弁本体は、化学的に不活性な材料から製造される。好ましくは、弁本体はポリマーから製造され、さらにより好ましくは、弁本体はポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)から製造される。
【0084】
管は、前記管が各弁10、20のポート11、21の開口部111、221に挿入されているので、2つの弁の間で横方向に維持される。弁本体へのアクセスを可能にする開口部111および221により、管を弁本体と接触状態に保つことが可能になる。管が開口部111および221に挿入された後で、かつ流体弁10および20の周りに圧力が加えられるとすぐに、弁本体と接触した管の維持が行われる。管60と流体弁との間の密閉接続は、継ぎ目または接着剤のような密閉手段なしで得られる。密閉接続は、例えば、分解されて洗浄された弁および管を使用することによって得られる。本発明に係る方法は、分解されて洗浄された流体弁および管の使用を可能にする。
【0085】
流体アセンブリの良好な不透過性は、管の正しい切断によって保証され、管の切断面は滑らかで、管の軸に対して垂直でなければならない。弁の開口部の底部は、互いに平行であり、管の切断面に対して垂直であることが好ましい。管によって接続された2つの隣接する弁の開口部は、共線的であることが好ましい。管と弁開口部の底部との弾性率の差は、例えば、管の位置決めおよび切断において起こり得る欠陥の補償を可能にする。管のより容易な位置決めを可能にするために、弁の開口部の直径よりもわずかに小さい外径を有する管の選択が好ましい。
【0086】
図4は、第1の方向Xおよび第2の方向Yにおける流体アセンブリを示す。この実施形態は、第1の方向Xおよび第2の方向Yにおける流体弁および管からなる拡張流体アセンブリの作製を可能にする。本発明に係るこの実施形態は、
図1および
図2に記載されているように複数の要素の流体接続を含む。第1の方向Xのみの流体アセンブリは、一列の流体弁と呼ばれ、流体弁と管とのアセンブリを含む。この実施形態は、様々な列間の流体連通を可能にするために、複数列の流体弁および管を接続することを可能にする。この実施形態は、好ましくは、第1の方向Xに複数の圧縮手段と、第2の方向Yに少なくとも1つの圧縮手段とを備える。
【0087】
流体弁の第1列と第2列との間の流体接続を可能にするために、中空形材は、その下面に開口部を有する流体弁とその上面に開口部を有する流体弁との間の管の通過を可能にするオリフィスを含む。中空形材のオリフィスは、管の外径より広いのが好ましい。第2の方向Yにおいて2列の流体弁を正しく組み立てることを保証するために、少なくとも2つの管が第1列と第2列との間に配置されるのが好ましい。例えば、管は、2つの流体弁間の流体連通を可能にすることなく2列の流体弁間の中心間距離を保証するために位置決めすることができる。
【0088】
可撓性の管は、例えば、2つの異なる列に配置された弁間の連通を可能にすることができる。可撓性の管は、例えば、3つの異なる列に配置された弁間の連通を可能にすることができる。
【0089】
好ましくは、それぞれが第1の方向Xに圧縮手段を含む2列は、可撓性の管を介して互いに流体的に接続することができる。例えば、可撓性の管は、第1の列の流体弁のポートを第2の列の流体弁のポートに接続することができる。例えば、複数列の流体弁を可撓性の管によって流体的に接続することができる。好ましくは、複数の列が流体的に接続されているという事実は、必ずしも第2の方向Yに圧縮手段を必要としない。
【0090】
第1、第2、および第3列の流体弁は、それぞれ5つの流体弁を含むことができる。第2の方向Yに圧縮手段によって流体的に互いに接続された3列は、15個の流体弁を含む流体連通のためのシステム100を形成する。流体連通のためのシステム100はまた、例えば可撓性の管を介して第2の方向Yに圧縮手段なしで作ることができる。可撓性の管は、ねじ付きノズルを備えた管の端部を介して流体的に且つ密閉的に流体弁に接続される。可撓性の管は、ねじ山なしで密閉流体接続を可能にするノズルを有することもできる。第1の列の流体弁は、
図1および
図2に記載の通りである。第2の列の流体弁は、第7の管160、第8、第9、および第10の管によって互いに接続された第6の流体弁120、第7の流体弁130、第8、第9、および第10の流体弁を含み、これらの流体弁および管は、第3の圧縮手
段によって圧縮されている。第3の列の流体弁は、第11、第12、第13、および第14の管によって互いに接続され、第1の方向Xにおいて第4の圧縮手段によって圧縮された第11、第12、第13、第14、および第15の流体弁を含む。
【0091】
例えば、第1の列に含まれる第3の流体弁は、可撓性の管を介して第3の列に含まれる第5の流体弁に流体的に接続することができる。可撓性の管をこの場合に使用することができ、または剛性の高い管が第2の圧縮手段501を介して第2の方向Yに流体接続を形成する。
【0092】
第2の圧縮手段501は、第2の方向Yに少なくとも2つの流体弁と少なくとも1つの管との間に圧縮力を印加することを可能にする。第1の圧縮手段1、第2の圧縮手段501、および第3の圧縮手段は、第1および第2の方向XおよびYに同時に圧縮力を加えることを可能にする。
【0093】
この実施形態は、流体弁のメッシュの形成を可能にし、流体弁間の接続は、各流体弁のポートの数、近くの弁に対するポートの位置、および弁の種類(例えば、弁用のT字弁またはL字弁は3つのポートを有する)に応じて選択され得る。作成されたこのモードは、例えばシリンジまたは可撓性の管をそれに接続することができるようにするために特定のポートにアクセス可能なままにすることを可能にする。
【0094】
本発明は、特定の作成のモードに関して説明したが、それらは純粋に例示的な値を有し、限定的であると見なされるべきではない。一般的に、本発明は、上に例示および/または記載された例に限定されない。動詞「含む(comprise)」、「含む(include)」、または他のあらゆる変形、ならびにそれらの活用形の使用は、言及されたもの以外の要素の存在を決して排除することはできない。要素を紹介するための不定冠詞「a」、「an」、または定冠詞「the」の使用は、これらの要素が複数存在することを排除するものではない。請求項中の参照番号はそれらの範囲を限定しない。
【0095】
要約すると、本発明は以下のようにも説明することができる。第1の流体弁および第2の流体弁を含む流体連通のためのシステムを流体的に接続するための方法であって、
第1の流体弁および第2の流体弁を提供するステップと、
第1の管を提供するステップと、
流体アセンブリを形成するために、第1の管の各端部を各流体弁に挿入するステップと、
2つの端部を含む圧縮手段を提供するステップと、
前記圧縮手段の前記2つの端部を前記流体アセンブリの両側に配置するステップと、 圧縮手段を介して前記流体アセンブリへ圧縮力を印加するステップとを含む方法。