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特許7153026水性感圧接着剤組成物およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】水性感圧接着剤組成物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/00 20060101AFI20221005BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20221005BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20221005BHJP
【FI】
C09J133/00
C09J11/06
C09J7/38
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019549588
(86)(22)【出願日】2017-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 CN2017076467
(87)【国際公開番号】W WO2018165827
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2020-03-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】デ フィリップ、マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ミャオ
(72)【発明者】
【氏名】ザイフリート、キャシー
(72)【発明者】
【氏名】チュイ、チャオホイ
(72)【発明者】
【氏名】ウール、イザベル
(72)【発明者】
【氏名】アインシュラ、メリンダ エル.
(72)【発明者】
【氏名】セハノビシュ、カルヤン
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス、ウィリアム,ビー.ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】ヤーダヴ、ビニター
【審査官】高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-212542(JP,A)
【文献】特開2012-116986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、
(b)分散剤と、
(c)エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含み、
前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸コポリマー(「EAA」)、エチレンメタクリル酸コポリマー(「EMAA」)、エチレン無水マレイン酸コポリマー(「EMAH」)、プロピレン無水マレイン酸コポリマー(「PMAH」)、プロピレンアクリル酸コポリマー(「PAA」)、無水マレイン酸または酸官能基とのエチレンプロピレンコポリマー(「EPMAH」または「EPAA」)、オレフィン系イオノマー樹脂、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、
水性感圧接着剤組成物。
【請求項2】
前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸(「EAA」)コポリマーである、請求項1に記載の水性感圧接着剤組成物。
【請求項3】
(a)-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、
(b)シラン含有化合物と、
(c)エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含み、
前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸コポリマー(「EAA」)、エチレンメタクリル酸コポリマー(「EMAA」)、エチレン無水マレイン酸コポリマー(「EMAH」)、プロピレン無水マレイン酸コポリマー(「PMAH」)、プロピレンアクリル酸コポリマー(「PAA」)、無水マレイン酸または酸官能基とのエチレンプロピレンコポリマー(「EPMAH」または「EPAA」)、オレフィン系イオノマー樹脂、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、
水性感圧接着剤組成物。
【請求項4】
前記シラン含有化合物が、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランである、請求項3に記載の水性感圧接着剤組成物。
【請求項5】
前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸(「EAA」)コポリマーである、請求項3に記載の水性感圧接着剤組成物。
【請求項6】
水性接着剤組成物を調製する方法であって、
少なくとも1つの不飽和モノマーを乳化重合し、それにより-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンを形成することと、
前記アクリルエマルジョンを、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョン、ならびに
分散剤およびシラン含有化合物のうちの少なくとも1つと一緒にブレンドすることと、を含み、
前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸コポリマー(「EAA」)、エチレンメタクリル酸コポリマー(「EMAA」)、エチレン無水マレイン酸コポリマー(「EMAH」)、プロピレン無水マレイン酸コポリマー(「PMAH」)、プロピレンアクリル酸コポリマー(「PAA」)、無水マレイン酸または酸官能基とのエチレンプロピレンコポリマー(「EPMAH」または「EPAA」)、オレフィン系イオノマー樹脂、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、方法。
【請求項7】
請求項6に従って調製された前記接着剤組成物を含む、水性感圧接着剤。
【請求項8】
請求項1に記載の水性感圧接着剤組成物を含む、感圧接着フィルム。
【請求項9】
(a)-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、
(b)エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含み、
前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸コポリマー(「EAA」)、エチレンメタクリル酸コポリマー(「EMAA」)、エチレン無水マレイン酸コポリマー(「EMAH」)、プロピレン無水マレイン酸コポリマー(「PMAH」)、プロピレンアクリル酸コポリマー(「PAA」)、無水マレイン酸または酸官能基とのエチレンプロピレンコポリマー(「EPMAH」または「EPAA」)、オレフィン系イオノマー樹脂、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、水性感圧接着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、感圧接着剤組成物に関する。より詳細には、本開示は、改善された接着性および/または凝集性を有する水性感圧接着剤組成物、ならびにその製造方法に関する。
発明の背景および概要
【0002】
接着剤組成物は、多種多様な目的に有用である。接着剤組成物の1つの特に有用なサブセットは、水性感圧接着剤である。異なる最終使用用途における水性感圧接着剤の使用は、一般に知られている。例えば、水性感圧接着剤は、ラベル、メモ帳、テープ、デカール、包帯、装飾用および保護用シート、ならびに多種多様な他の製品と共に使用することができる。当技術分野で使用されているように、「感圧接着剤」という用語は、乾燥時に室温で積極的かつ永久的に粘着性である1つ以上のポリマー組成物を含む材料を指す。さらに、用語「水性」は、感圧接着剤が水性キャリアを用いて製造されることを示す。典型的な水性感圧接着剤は、指または手で加える以上の圧力を必要とせずに、単なる接触で様々な異なる表面にしっかりと接着するであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
感圧接着剤業界によって認識されている2つの特性は、これらのポリマー組成物の接着性(例えば、表面への初期粘着性またはある滞留時間後の接着力)および凝集性(例えば、剪断抵抗性)である。ポリマー組成物の弾性率の低下とガラス転移温度を上昇させるための粘着付与剤の添加などによって感圧接着剤の接着特性を改善する試みは、剪断抵抗を低下させる傾向があり、それによって剪断破壊を促進する。水性感圧接着剤の接着特性は、接着剤が、ポリオレフィンの表面などの低エネルギー表面材料で使用されるときに特に重要である。
【0004】
したがって、改善された接着性および/または凝集性を有する水性感圧接着剤組成物、ならびにその製造方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(a)20℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、(b)任意選択的に分散剤またはシラン含有化合物と、(c)エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含む水性感圧接着剤組成物を開示する。いくつかの実施形態では、それぞれ組成物の乾燥重量に基づいて、(a)は、組成物の75~99重量%を構成し、(b)は、存在する場合、組成物の0.1~5重量%を構成し、(c)は、組成物の0.1~25重量%を構成する。
【0006】
さらに、(a)-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、(b)エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含む水性感圧接着剤組成物を開示する。いくつかの実施形態では、それぞれ組成物の乾燥重量に基づいて、(a)は、組成物の75~99重量%を構成し、(b)は、組成物の0.1~25重量%を構成する。
【0007】
水性感圧接着剤組成物を調製する方法も開示する。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの不飽和モノマーを乳化重合し、それによって-10℃以下のガラス転移温度を有するエマルジョンポリマーを形成し、エマルジョンポリマーを分散剤またはシラン含有化合物、およびエチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと一緒にブレンドすることを含む。あるいは、エマルジョンポリマーは、不飽和モノマーの1つとして、シラン部分を含有する不飽和モノマーを含有して、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと一緒にブレンドされるシラン含有エマルジョンポリマーを形成してもよい。
【0008】
上記方法に従って調製された組成物を含む水性感圧接着剤も開示される。水性感圧接着剤組成物を含む感圧接着フィルムも開示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、改善された接着性および/または凝集性を有する水性感圧粘着剤組成物、ならびにその製造方法に関する。いくつかの実施形態では、水性感圧接着剤組成物は、(a)20℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、(b)任意選択的に分散剤またはシラン含有化合物と、(c)エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含む。
【0010】
アクリルエマルジョン
いくつかの実施形態では、不飽和モノマーを界面活性剤と共に水性媒体全体に分散させ、それによって乳化混合物を形成する。界面活性剤は、乳化剤として作用し、疎水性である不飽和モノマーの液滴を、水性媒体全体に形成することを可能にする。次いで、開始剤が乳化混合物中に導入される。開始剤は、不飽和モノマーの全てまたは実質的に全てが重合するまで、水性媒体全体に分散した不飽和モノマーと反応する。最終結果は、水性媒体中のポリマー粒子の分散体を含むアクリルエマルジョンであり、これらポリマー粒子は、モノマーサブユニットを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、アクリルエマルジョンは、接着剤組成物の総重量に基づいて、水性感圧接着剤組成物の75~99重量パーセント、または85~99重量パーセント、または90~99重量パーセント、または95~99重量パーセントを占める。いくつかの実施形態では、アクリルエマルジョンは、10℃/分の加熱速度で示差走査熱量計によって測定された場合に、-10℃以下のガラス転移温度(「Tg」)を有する。いくつかの実施形態では、アクリルエマルジョンのTgは、-70~-10℃、または-60~-20℃、または-50~-30℃である。
【0012】
不飽和モノマーの例としては、アクリル酸、アクリレート(ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない)などのアクリル酸の誘導体、メタクリレート(メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ペンタデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、C12~C18アルキルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートが挙げられるが、これらに限定されない)、スチレン、ビニルエステル、メタクリル酸、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。アニオン性界面活性剤の例としては、スルホネート、カルボキシレート、およびホスフェートが挙げられるが、これらに限定されない。カチオン性界面活性剤の例としては、四級アミンが挙げられるが、これに限定されない。非イオン性界面活性剤の例としては、エチレンオキシドを含むブロックコポリマー、およびエトキシル化アルコール、エトキシル化脂肪酸、ソルビタン誘導体、ラノリン誘導体、エトキシル化ノニルフェノール、またはアルコキシル化ポリシロキサンなどのシリコーン界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適な界面活性剤の市販品の例としては、AEROSOL(商標)A-102などのCytec Solvay Groupによって商品名AEROSOL(商標)として販売されている界面活性剤、およびRHODACAL(商標)DS-4などのCytec Solvay Groupによって商品名RHODACAL(商標)として販売されている製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
いくつかの実施形態では、開始剤は、熱開始剤または酸化還元系開始剤であり得る。熱開始剤の一例としては、過硫酸アンモニウムが挙げられるが、これに限定されない。開始剤が酸化還元系開始剤である場合、還元剤は、例えばアスコルビン酸、スルホキシレート、またはエリソルビン酸であり得、一方、酸化剤は、例えば過酸化物または過硫酸塩であり得る。
【0015】
分散剤
いくつかの実施形態では、水性感圧接着剤組成物は、分散剤を含む。いくつかの実施形態では、分散剤は、接着剤組成物の総重量に基づいて、水性感圧接着剤組成物の0~5重量パーセント、または0.1~5重量パーセント、または0.1~3重量パーセント、または0.1~1重量パーセントを占める。いくつかの実施形態では、分散剤は、顔料分散剤であり、最も好ましくは疎水性コポリマー高分子電解質顔料分散剤である。好適な分散剤の市販品の例としては、OROTAN(商標)165などのThe Dow Chemical Companyによる商品名OROTAN(商標)、およびThe Dow Chemical CompanyによるTAMOL(商標)として販売されている製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
シラン含有化合物
いくつかの実施形態では、水性感圧接着剤組成物は、シラン含有化合物を含む。いくつかの実施形態では、シラン含有化合物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、水性感圧接着剤組成物の0~5重量パーセント、または0.1~5重量パーセント、または0.1~3重量パーセント、または0.1~1重量パーセントを占める。いくつかの実施形態では、シラン含有化合物は、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを含む。シラン部分を含む不飽和モノマーの例としては、ビニルトリメトキシシランおよび3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
好適なシラン含有化合物の市販品の例としては、COATOSIL(商標)2287などのMomentive Performance Materialsによって商品名COATOSIL(商標)として販売されている製品が挙げられるが、これに限定されない。
【0018】
エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョン
いくつかの実施形態では、水性感圧接着剤組成物は、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンを含む。いくつかの実施形態では、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンは、接着剤組成物の総重量に基づいて、水性感圧接着剤組成物の0.1~25重量パーセント、または0.1~5重量パーセント、または1~4重量パーセント、または2~3重量パーセントを占める。
【0019】
いくつかの実施形態では、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンは、エチレンアクリル酸コポリマー(「EAA」)、エチレンメタクリル酸コポリマー(「EMAA」)、エチレン無水マレイン酸コポリマー(「EMAH」)、プロピレン無水マレイン酸コポリマー(「PMAH」)、プロピレンアクリル酸コポリマー(「PAA」)、無水マレイン酸または酸官能基とのエチレンプロピレンコポリマー(「EPMAH」または「EPAA」)、エチレンイオノマーなどのオレフィン系イオノマー樹脂、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンは、EAAコポリマーのみである。
【0020】
適切なエチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンの市販品の例としては、COHESA(商標)3050エマルジョンなどのHoneywell International、Inc.によって商品名COHESA(商標)として販売されている製品が挙げられるが、これに限定されない。
【0021】
感圧接着剤組成物
いくつかの実施形態では、水性感圧接着剤組成物は、-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、分散剤と、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含む。いくつかの実施形態では、感圧接着剤組成物は、-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、シラン含有化合物と、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含む。いくつかの実施形態では、感圧接着剤組成物は、-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含む。いくつかの実施形態では、水性感圧接着剤組成物は、2-エチルヘキシルアクリレート(「2-EHA」)、メチルメタクリレート(「MMA」)、ブチルアクリレート(「BA」)、エチルアクリレート(「EA」)、メチルアクリレート(「MA」)、スチレン(「STY」)、アクリル酸(「AA」)、分散剤またはシラン含有化合物、およびエチレンアクリル酸コポリマーエマルジョンからなる群から選択される少なくとも1つを含むアクリルエマルジョンを含む。いくつかの実施形態では、アクリルエマルジョンを最初に調製し、その後、分散剤、シラン含有化合物、およびエチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンの少なくとも1つとブレンドする。
【0022】
いくつかの実施形態では、水性感圧接着剤組成物は、任意選択的に、1つ以上の添加剤をさらに含んでもよい。1つ以上の添加剤の例としては、増粘剤、消泡剤、湿潤剤、機械的安定剤、顔料、充填剤、凍結融解剤、中和剤、可塑剤、粘着付与剤、接着促進剤、架橋剤(分子間または分子内)、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
水性感圧接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に対して、0~5重量パーセントの増粘剤を含んでもよい。0~5重量パーセントの全ての個々の値および部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。例えば、中和剤の重量%は、0、0.5、または1重量パーセントの下限から1、3、または5重量パーセントの上限までであり得る。増粘剤の例としては、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから市販されているACRYSOL(商標)、UCAR(商標)、およびCELOSIZE(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
水性感圧接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0~2重量パーセントの中和剤を含んでもよい。0~2重量パーセントの全ての個々の値および部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。例えば、中和剤の重量%は、0、0.3、または0.5重量パーセントの下限から0.5、1、または2重量パーセントの上限までであり得る。中和剤は、典型的には配合された感圧接着剤組成物に安定性を与えるようにpHを制御するために使用される。中和剤の例としては、アンモニア水、アミン水溶液、および他の水性無機塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
水性感圧接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、50重量パーセント未満の粘着付与剤を含んでもよい。50重量パーセント未満の全ての個々の値および部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。例えば、粘着付与剤の含有量は、0、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4、または5重量パーセントの下限から、10、20、30、40、または50重量パーセントの上限までであり得る。粘着付与剤の例としては、ロジン酸および/またはロジン酸をアルコールまたはエポキシ化合物ならびに/もしくはその混合物でエステル化することによって得られるロジンエステルを含むロジン樹脂、非水素化脂肪族C樹脂、水素化脂肪族C樹脂、芳香族変性C樹脂、テルペン樹脂、水素化C樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
水性感圧接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、5重量パーセント未満の接着促進剤を含んでもよい。5重量パーセント未満の全ての個々の値および部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。例えば、接着促進剤の重量%は、0、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、または4重量パーセントの下限から、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4、5重量パーセントの上限までであり得る。
【実施例
【0027】
本開示を例示的な実施例および比較例(まとめて「実施例」)を論じることによってこれよりさらに詳細に説明する。しかしながら、本開示の範囲は、当然ながら、例示的な実施例に限定されない。
【0028】
原料:HDPEおよびガラス試験
表1に示されている原料は、実施例の組成物で使用されている。
【表1】
【0029】
アクリルエマルジョン重合
アクリルエマルジョン1
実施例で使用されるアクリルエマルジョン1は、以下の手順に従って調製される。コンデンサー、メカニカルスターラー、温度制御された熱電対ならびに開始剤およびモノマー用の入口を備えた4リットルの5つ口反応器に、540gの脱イオン(「DI」)水を供給し、穏やかな窒素流の下で87℃に加熱する。別の容器で、400gのDI水と、12gのAEROSOL(商標)A-102と、10gのRHODACAL(商標)DS-4と、4gの炭酸ナトリウムと、71.5重量%の2-エチルヘキシルアクリレート(「2-EHA」)、18.5重量%のエチルアクリレート(「EA」)、9重量%のメチルメタクリレート(「MMA」)、および1重量%のアクリル酸(「AA」)を含む2,024gのモノマー混合物と、を混合してモノマーエマルジョンを調製する。次に、32gのDI水中の、1.3gの炭酸ナトリウムと6.8gの過硫酸アンモニウム(「APS」)との混合物の溶液を反応器に加える。炭酸ナトリウムおよびAPSの溶液を添加した直後に、モノマーエマルジョンを反応器に供給する。供給は、80分間続行する。モノマーエマルジョンの供給とともに、1.6gのn-ドデシルメルカプタン(「n-DDM」)を最初の20分間供給する。モノマーエマルジョンの40%が供給されたときに、20gのRHODACAL(商標)DS-4を反応器に投入した。モノマーエマルジョンの添加が完了したら、反応混合物を60℃に冷却してから、25分間にわたる2つの別個の供給により、28gのDI水中にtert-ブチルヒドロペルオキシド(70%)(「t-BHP」)と2.8gのナトリウムホルムアルデヒド重亜硫酸塩との溶液を徐々に加える。供給が完了したら、反応物を室温に冷却する。次いで、得られたアクリルエマルジョン1を325メッシュ濾布を通して濾過して、その後の評価作業用の組成物を調製する。得られたアクリルエマルジョン1のガラス転移温度は約-46℃である。
【0030】
アクリルエマルジョン2
実施例で使用されるアクリルエマルジョン2は、以下の手順に従って調製される。コンデンサー、メカニカルスターラー、温度制御された熱電対ならびに開始剤およびモノマー用の入口を備えた4リットルの5つ口反応器に、540gの脱イオン(「DI」)水を供給し、穏やかな窒素流の下で87℃に加熱する。別の容器で、400gのDI水と、12gのAEROSOL(商標)A-102と、10gのRHODACAL(商標)DS-4と、4gの炭酸ナトリウムと、71.5重量%の2-エチルヘキシルアクリレート(「2-EHA」)、18.5重量%のエチルアクリレート(「EA」)、9重量%のメチルメタクリレート(「MMA」)、および1重量%のアクリル酸(「AA」)を含む2,024gのモノマー混合物と、を混合してモノマーエマルジョンを調製する。次に、32gのDI水中の、1.3gの炭酸ナトリウムと7.5gの過硫酸アンモニウム(「APS」)との混合物の溶液を反応器に加える。炭酸ナトリウムおよびAPSの溶液を添加した直後に、モノマーエマルジョンを反応器に供給する。供給は、80分間続行する。モノマーエマルジョンの40%が供給されたときに、20gのRHODACAL(商標)DS-4を反応器に投入した。モノマーエマルジョンの添加が完了したら、反応混合物を60℃に冷却してから、25分間にわたる2つの別個の供給により、28gのDI水中にtert-ブチルヒドロペルオキシド(70%)(「t-BHP」)と2.8gのナトリウムホルムアルデヒド重亜硫酸塩との溶液を徐々に加える。供給が完了したら、反応物を室温に冷却する。次いで、得られたアクリルエマルジョン2を325メッシュ濾布を通して濾過して、その後の評価作業用の組成物を調製する。得られたアクリルエマルジョン2のガラス転移温度は約-46℃である。
【0031】
アクリルエマルジョン3
実施例で使用されるアクリルエマルジョン3は、以下の手順に従って調製される。コンデンサー、メカニカルスターラー、温度制御された熱電対ならびに開始剤およびモノマー用の入口を備えた4リットルの5つ口反応器に、540gの脱イオン(「DI」)水を供給し、穏やかな窒素流の下で87℃に加熱する。別の容器で、400gのDI水と、12gのAEROSOL(商標)A-102と、10gのRHODACAL(商標)DS-4と、4gの炭酸ナトリウムと、71.5重量%の2-エチルヘキシルアクリレート(「2-EHA」)、18.5重量%のエチルアクリレート(「EA」)、9重量%のメチルメタクリレート(「MMA」)、および1重量%のアクリル酸(「AA」)を含む2,024gのモノマー混合物と、を混合してモノマーエマルジョンを調製する。次に、32gのDI水中の、1.3gの炭酸ナトリウムと8.3gの過硫酸アンモニウム(「APS」)との混合物の溶液を反応器に加える。炭酸ナトリウムおよびAPSの溶液を添加した直後に、モノマーエマルジョンを反応器に供給する。供給は、80分間続行する。モノマーエマルジョンの40%が供給されたときに、20gのRHODACAL(商標)DS-4を反応器に投入した。モノマーエマルジョンの添加が完了したら、反応混合物を60℃に冷却してから、25分間にわたる2つの別個の供給により、28gのDI水中にtert-ブチルヒドロペルオキシド(70%)(「t-BHP」)(23gのDI水に4.7g)と2.8gのナトリウムホルムアルデヒド重亜硫酸塩との溶液を徐々に加える。供給が完了したら、反応物を室温に冷却する。次いで、得られたアクリルエマルジョン3を325メッシュ濾布を通して濾過して、その後の評価作業用の組成物を調製する。得られたアクリルエマルジョン3のガラス転移温度は約-41Cである。
【0032】
アクリルエマルジョン4
実施例で使用されるアクリルエマルジョン4は、以下の手順に従って調製される。コンデンサー、メカニカルスターラー、温度制御された熱電対ならびに開始剤およびモノマー用の入口を備えた4リットルの5つ口反応器に、540gの脱イオン(「DI」)水を供給し、穏やかな窒素流の下で87℃に加熱する。別の容器で、400gのDI水と、12gのAEROSOL(商標)A-102と、10gのRHODACAL(商標)DS-4と、4gの炭酸ナトリウムと、80.8重量%の2-エチルヘキシルアクリレート(「2-EHA」)、12.3重量%のメチルメタクリレート(「MMA」)、4%のメチルアクリレート(「MA」)、1.9重量%のスチレン(「STY」)、および1重量%のアクリル酸(「AA」)を含む2,024gのモノマー混合物と、を混合してモノマーエマルジョンを調製する。次に、32gのDI水中の、1.3gの炭酸ナトリウムと8.3gの過硫酸アンモニウム(「APS」)との混合物の溶液を反応器に加える。炭酸ナトリウムおよびAPSの溶液を添加した直後に、モノマーエマルジョンを反応器に供給する。供給は、80分間続行する。モノマーエマルジョンの40%が供給されたときに、20gのRHODACAL(商標)DS-4を反応器に投入した。モノマーエマルジョンの添加が完了したら、反応混合物を60℃に冷却してから、25分間にわたる2つの別個の供給により、28gのDI水中にtert-ブチルヒドロペルオキシド(70%)(「t-BHP」)と2.8gのナトリウムホルムアルデヒド重亜硫酸塩との溶液を徐々に加える。供給が完了したら、反応物を室温に冷却する。次いで、得られたアクリルエマルジョン4を325メッシュ濾布を通して濾過して、その後の評価作業用の組成物を調製する。得られたアクリルエマルジョン4のガラス転移温度は約-39℃である。
【0033】
感圧接着剤の処方
実施例では、アクリルエマルジョン(例えば、アクリルエマルジョン1、アクリルエマルジョン2、アクリルエマルジョン3、アクリルエマルジョン4)を、総エマルジョンに基づいて、Air Productsから得られる0.3%(湿潤/湿潤)SURFYNOL(商標)440湿潤剤などの湿潤剤で軽く配合し、特に指定がない限り、ラボドローダウンの湿潤性を改善する。次に、The Dow Chemical CompanyからのACRYSOL(商標)RM―2020などの増粘剤を使用して、粘度を約600cps(ブルックフィールド、RVDV、30rpm、63#)に調整する。アンモニアを使用して、エマルジョンの最終pHを7.0~7.5に調整する。
【0034】
エマルジョンを、以下の表に示すような適用量レベル(エマルジョンの総重量に基づく湿潤重量)に応じて、分散剤(例えば、OROTAN(商標)165A)、シラン含有化合物(例えば、COATOSIL(商標)2287)、および/またはエチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョン(例えば、COHESA(商標)3050)を攪拌しながらブレンドする。分散剤、シラン含有化合物、およびエチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンのうちの1つ以上とブレンドされたアクリルエマルジョンは、感圧接着剤組成物を形成する。
【0035】
ラボドローダウン
ポリプロピレン(「PP」)フィルム(厚さ60μm)を、ラミネーション前にコロナ処理によって前処理する。配合された感圧接着剤組成物を、乾燥重量を基準にして17g/mのコーティング重量で剥離ライナーにコーティングし、105℃で2分間乾燥する。PPフィルムを、40psiの圧力下で40℃で、感圧接着剤をコーティングした剥離ライナーでラミネートする。
【0036】
適用試験
性能試験は、接着剤ラミネートを制御された環境(22~24℃、相対湿度50~60%)の試験室で少なくとも一晩調整した後、場合によっては12kg重量下で120時間ほど経過した後に実施し得る。
【0037】
接着性/粘着性試験:試料を、Federation Internationale des fabricants et transformateurs d’Adhesifs et Thermocollants(「FINAT」)試験法No.9に従って、ガラスおよび高密度ポリエチレン(「HDPE」)試験プレートの両方で試験する。
【0038】
凝集/剪断試験:剪断抵抗試験には、FINAT試験方法No.8を使用する。
【0039】
不良態様は、試験値の後に記録される:「AF」は接着不良を示す。「AFB」は、裏材、すなわち剥離ライナーからの接着不良を示す。「CF」は凝集不良を示す。「MF」は混合不良を示す。
【0040】
例示的な実施例(「IE」)および比較例(「CE」)は、以下の表に詳述される。表2は、CE1、IE1、およびIE2の組成物(組成物は、特定された原料の総重量に基づく重量%で提供される)、ならびに試験された実施例の粘着および剪断性能について詳細に示す。以下のいずれの単一の表中の実施例も、同じ表中の他の実施例と並行して試験されたため、同じ表中の他の実施例と比較できる。IE1およびIE2の性能結果は、2つの独立した性能試験の平均である。
【表2】
【0041】
表2に示すように、CE1、IE1、およびIE2は、同様の24時間ガラス剥離性能を示した。ただし、IE1およびIE2のHDPE剥離は、それぞれCE1よりも優れているが、COHESA(商標)3050の量を増やしてもHDPE剥離の増加は見られない。IE1およびIE2のガラス剪断性能は、それぞれCE1よりも優れており、COHESA(商標)3050の増量の効果を示している。
【0042】
CE2、IE3、およびIE4は、同様の24時間ガラス剥離を示した。ただし、IE3およびIE4のHDPE剥離は、それぞれCE2よりも優れており、COHESA(商標)3050の増量とともに増加している。IE3およびIE4のガラス剪断性能は、CE2よりも優れており、COHESA(商標)3050の増量とともに増加している。
【0043】
IE1~IE4のそれぞれの24時間HDPE剥離は、CE3よりも優れている。IE1~IE4のガラス剪断性能はそれぞれ、COATOSIL(商標)2287またはOROTAN(商標)165Aに加えて、COHESA(商標)3050を追加した際、CE3よりも優れている。
【0044】
表3は、CE4、IE5、およびIE6の組成物について詳細に示す。組成物は、特定された原料の総重量に基づく重量%で提供され、試験された実施例の粘着および剪断性能が提供される。
【表3】
【0045】
表3に示すように、IE5およびIE6は、ガラス剥離、ガラス剪断、HDPE剥離の増加を示した。
【0046】
表4は、CE5、CE6、およびIE7~IE10の組成物について詳細に示す。組成物は、特定された原料の総重量に基づく重量%で提供され、試験された実施例の粘着および剪断性能が提供される。
【表4】
【0047】
表4に示すように、IE7と比較してIE8でCOHESA(商標)3050の量を増やしても、剥離または剪断性能に影響はなかった。IE9は、CE6と比較して、ガラス剥離とHDPE剥離の増加を示した。IE10は、CE7と比較して、HDPE剥離性能の増加を示した。
【0048】
表5は、CE8、IE11、およびIE12の組成物について詳細に示す。組成物は、特定された原料の総重量に基づく重量%で提供され、試験された実施例の粘着および剪断性能が提供される。
【表5】
【0049】
表5に示すように、IE11およびIE12は、ガラス剥離または剪断が大きく変化することなく、CE8と比較して、HDPE剥離接着の増加を示した。
【0050】
以下の実施例で使用されるアクリルエマルジョンは、商品名ROBOND(商標)PS-7735としてThe Dow Chemical Companyから市販されている。
【0051】
ラボドローダウン
配合した接着剤を、乾燥重量を基準として18g/mで剥離ライナー上にコーティングし、紙でラミネートする前に80℃で5分間乾燥させる。
【0052】
性能試験は、接着剤ラミネートを制御された環境(22~24℃、相対湿度50~60%)の試験室で一晩調整した後に実施し得る。
【0053】
接着性/粘着性試験:試料を、Federation Internationale des fabricants et transformateurs d’Adhesifs et Thermocollants(「FINAT」)試験法No.1に従って、ステンレス鋼および高密度ポリエチレン(「HDPE」)試験プレートの両方で試験する。
【0054】
凝集/剪断試験:ステンレス鋼板の剪断抵抗試験には、FINAT試験方No.8を使用する。
【0055】
不良態様は、試験値の後に記録される:「AF」は接着不良を示す。「AFB」は、裏材、すなわち剥離ライナーからの接着不良を示す。「CF」は凝集不良を示す。「MF」は混合不良を示す。
【0056】
表6は、CE9およびIE13の組成物について詳細に示す。組成物は、特定された原料の総重量に基づく重量%で提供され、試験された実施例の粘着および剪断性能が提供される。
【表6】
【0057】
表6に示すように、COHESA(商標)3050とROBOND(商標)PS-7735をブレンドすると、ステンレス鋼またはHDPE剥離性能を大幅に損なうことなく、CE9と比較してステンレス鋼の剪断が大幅に増加している。
本願は以下の態様にも関する。
(1) (a)-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、
(b)分散剤と、
(c)エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含む、水性感圧接着剤組成物。
(2) それぞれ前記組成物の乾燥重量に基づいて、(a)が、前記組成物の75~99重量%を構成し、(b)が、前記組成物の0.1~5重量%を構成し、(c)が、前記組成物の0.1~25重量%を構成する、上記(1)に記載の水性感圧接着剤組成物。
(3) 前記アクリルエマルジョンが、(メタ)アクリル酸、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート、スチレン、酢酸ビニル、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される重合モノマーを含むアクリレートポリマーまたはコポリマーを含む、上記(1)または上記(2)のいずれか一つに記載の水性感圧接着剤組成物。
(4) 前記分散剤が、カルボキシレートポリカルボン酸のアンモニウム塩を含む、上記(1)~(3)のいずれか一つに記載の水性感圧接着剤組成物。
(5) 前記分散剤が、160~400mPa-sのブルックフィールド粘度(スピンドル1、12rpm)を有する、上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の水性感圧接着剤組成物。
(6) 前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸コポリマー(「EAA」)、エチレンメタクリル酸コポリマー(「EMAA」)、エチレン無水マレイン酸コポリマー(「EMAH」)、プロピレン無水マレイン酸コポリマー(「PMAH」)、プロピレンアクリル酸コポリマー(「PAA」)、無水マレイン酸または酸官能基とのエチレンプロピレンコポリマー(「EPMAH」または「EPAA」)、エチレンイオノマーなどのオレフィン系イオノマー樹脂、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の水性感圧接着剤組成物。
(7) 前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸(「EAA」)コポリマーである、上記(1)~(6)のいずれか一つに記載の水性感圧接着剤組成物。
(8) 前記組成物が、基材への感圧接着のために構成されている、上記(1)~(7)のいずれか一つに記載の水性感圧接着剤組成物。
(9) (a)-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、
(b)シラン含有化合物と、
(c)エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含む、水性感圧接着剤組成物。
(10) それぞれ前記組成物の乾燥重量に基づいて、(a)が、前記組成物の75~99重量%を構成し、(b)が、前記組成物の0.1~1重量%を構成し、(c)が、前記組成物の0.1~25重量%を構成する、上記(9)に記載の水性感圧接着剤組成物。
(11) 前記アクリルエマルジョンが、(メタ)アクリル酸、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート、スチレン、酢酸ビニル、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される重合モノマーを含むアクリレートポリマーまたはコポリマーを含む、上記(9)または上記(10)に記載の水性感圧接着剤組成物。
(12) 前記シラン含有化合物が、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランである、上記(9)~(11)に記載の水性感圧接着剤組成物。
(13) 前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸コポリマー(「EAA」)、エチレンメタクリル酸コポリマー(「EMAA」)、エチレン無水マレイン酸コポリマー(「EMAH」)、プロピレン無水マレイン酸コポリマー(「PMAH」)、プロピレンアクリル酸コポリマー(「PAA」)、無水マレイン酸または酸官能基とのエチレンプロピレンコポリマー(「EPMAH」または「EPAA」)、エチレンイオノマーなどのオレフィン系イオノマー樹脂、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、上記(9)~(12)に記載の水性感圧接着剤組成物。
(14) 前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸(「EAA」)コポリマーである、上記(9)~(13)に記載の水性感圧接着剤組成物。
(15) 前記組成物が、基材への感圧接着のために構成されている、上記(9)~(14)に記載の水性感圧接着剤組成物。
(16) 水性接着剤組成物を調製する方法であって、
少なくとも1つの不飽和モノマーを乳化重合し、それにより20℃以下のガラス転移温度を有するエマルジョンポリマーを形成することと、
前記エマルジョンポリマーを、エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョン、ならびに分散剤およびシラン含有化合物のうちの少なくとも1つと一緒にブレンドすることと、を含む、方法。
(17) 上記(16)に従って調製された前記接着剤組成物を含む、水性感圧接着剤。
(18) 上記(1)~(17)のいずれか一つに記載の水性感圧接着剤組成物を含む、感圧接着フィルム。
(19) (a)-10℃以下のガラス転移温度を有するアクリルエマルジョンと、
(b)エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンと、を含む、水性感圧接着剤組成物。
(20) 前記アクリルエマルジョンが、(メタ)アクリル酸、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート、スチレン、酢酸ビニル、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される重合モノマーを含むアクリレートポリマーまたはコポリマーを含む、上記(19)に記載の水性感圧接着剤組成物。
(21) 前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸コポリマー(「EAA」)、エチレンメタクリル酸コポリマー(「EMAA」)、エチレン無水マレイン酸コポリマー(「EMAH」)、プロピレン無水マレイン酸コポリマー(「PMAH」)、プロピレンアクリル酸コポリマー(「PAA」)、無水マレイン酸または酸官能基とのエチレンプロピレンコポリマー(「EPMAH」または「EPAA」)、エチレンイオノマーなどのオレフィン系イオノマー樹脂、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、上記(19)または上記(20)に記載の水性感圧接着剤組成物。
(22) 前記エチレンまたはプロピレンコポリマーエマルジョンが、エチレンアクリル酸(「EAA」)コポリマーである、上記(19)~(21)に記載の水性感圧接着剤組成物。