(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】端末装置用アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/24 20060101AFI20221005BHJP
H01Q 13/10 20060101ALI20221005BHJP
H01Q 21/08 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H01Q1/24 Z
H01Q13/10
H01Q21/08
(21)【出願番号】P 2021513976
(86)(22)【出願日】2019-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2019101703
(87)【国際公開番号】W WO2020052411
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】201811076748.4
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、イーチン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ホアンチュー
(72)【発明者】
【氏名】チエン、シエンチン
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-228982(JP,A)
【文献】特開平02-154506(JP,A)
【文献】特開平02-101802(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0088131(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/24
H01Q 13/10
H01Q 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属フレームを含む端末装置用アンテナであって、
金属フレームの片側に、少なくとも2つのリング状のスロットが設けられており、
前記少なくとも2つのスロットの各スロットの側辺の金属フレームに、2組の給電点が設けられており、各組の給電点は、スロットの内側辺にある金属フレームのアンテナ給電点と、スロットの外側辺にある金属フレームの接地点とを含み、
各スロットに対応する2組の給電点において、1つの組によって決定された直線が、もう1つの組によって決定された直線に対して垂直であり、
前記金属フレームは、端末装置の
グランド板に電気的に接続
され、前記グランド板は、回路基板または金属ミドルフレームである、
端末装置用アンテナ。
【請求項2】
給電点の任意の組が、何れも前記金属フレームの内側壁に配置される、請求項1に記載の端末装置用アンテナ。
【請求項3】
前記少なくとも2つのスロットが、金属フレームの長さ方向に沿って配置される、請求項1に記載の端末装置用アンテナ。
【請求項4】
隣接する2つのスロット間の間隔は、隣接する2つのスロット間の隔離度およびアレイアンテナのビーム走査角によって決定される、請求項1に記載の端末装置用アンテナ。
【請求項5】
任意の隣接する2つのスロット間の間隔が同じである、請求項1に記載の端末装置用アンテナ。
【請求項6】
前記スロットの形状が菱形、円形、または多角形である、請求項1に記載の端末装置用アンテナ。
【請求項7】
前記スロットの形状が正方形である場合、各スロットは、2組の給電点における異なる組の給電点に対応し、それぞれスロットの異なる側辺の中点に対応する金属フレーム上に配置される、請求項
1に記載の端末装置用アンテナ。
【請求項8】
前記スロットの形状が菱形である場合、各スロットは、2組の給電点における異なる組の給電点に対応し、それぞれスロットの異なる角に対応する金属フレーム上に配置される、請求項
1に記載の端末装置用アンテナ。
【請求項9】
前記少なくとも2つのスロットの各スロットの中に非導電性材料が充填で満たされている、請求項1に記載の端末装置用アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、特に、端末装置のアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の急速な発展に伴い、マルチアンテナ通信は、すでに端末装置の主流と将来の発展傾向となっており、その過程でミリ波アンテナが徐々に端末装置に導入されている。関連技術において、ミリ波アンテナは、一般的に、独立アンテナモジュールの形態であるので、端末装置内にこの独立アンテナモジュールのための収容空間を設置する必要がある。このように、端末装置全体の体積サイズは比較的に大きくなって、その結果、端末装置の全体的な競争力が比較的に低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のいくつかの実施例では、端末装置内にミリ波アンテナ用の収容空間を設置することによって端末装置全体の体積サイズが比較的に大きくなるという問題を解決するための端末装置用アンテナを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は以下のように実施される。
【0005】
本発明のいくつかの実施例では、金属フレームを含む端末装置用アンテナを提供する。前記金属フレームの片側に少なくとも2つのスロットが設けられ、前記スロットはリング状のスロットである。前記少なくとも2つのスロットの各スロットの側辺の金属フレームに2組の給電点が設けられ、各組の給電点は、スロットの内側辺にある金属フレームのアンテナ給電点と、スロットの外側辺にある金属フレームの接地点とを含む。前記金属フレームは前記端末装置内の床に電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明のいくつかの実施例による端末装置用アンテナであって、金属フレームを含む。前記金属フレームの片側に少なくとも2つのスロットが設けられ、前記スロットはリング状のスロットである。前記少なくとも2つのスロットの各スロットの側辺の金属フレームに2組の給電点が設けられ、各組の給電点は、スロットの内側辺にある金属フレームのアンテナ給電点と、スロットの外側辺にある金属フレームの接地点とを含む。前記金属フレームは前記端末装置内の床に電気的に接続されている。このように、少なくとも2つのスロットが設けられた金属フレームは、端末装置のミリ波アレイアンテナに相当すると同時に、非ミリ波通信アンテナのラジエーターでもあるため、ミリ波アンテナの収容空間を節約し、端末装置のサイズを小さくすることができ、金属の外観設計をよりよくサポートすることができ、且つ他のアンテナソリューションに使用される金属の外観設計と互換性があり、端末装置の全体的な競争力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のいくつかの実施例による端末装置用アンテナの構造概略図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施例による金属フレームの片側の第1の構造概略図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施例による金属フレームの片側の第2の構造概略図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施例による単一スロットのエコー損失の概略図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施例による金属フレームの片側の第3の構造概略図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施例による金属フレームの片側の第4の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例における技術的なソリューションについて、さらに明確に説明するために、以降では、本発明の実施例の記載のために必要とされる添付の図面について簡単に説明する。明らかに、以降の説明における添付の図面は、本発明のいくつかの実施例を示しているにすぎず、当業者なら、それでもなお、創造的な努力を伴わずにこれらの添付の図面からその他の図面を導き出し得る。
【0009】
以下、本発明のいくつかの実施例における添付図面に関し、本発明のいくつかの実施例における技術的なソリューションを明確かつ完全に説明するが、明らかに、ここに記載された実施例は、本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。当業者が創造的な努力を伴わずに本発明の実施例に基づいて導き出したその他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
【0010】
本発明のいくつかの実施例による端末装置の構造概略図である
図1を参照してください。
図1に示すように、金属フレーム1を含む端末装置であり、前記金属フレーム1の片側に少なくとも2つのスロットが設けられ、前記スロットはリング状のスロットである。前記少なくとも2つのスロットの各スロットの側辺の金属フレーム1に2組の給電点が設けられ、各組の給電点は、スロットの内側辺にある金属フレーム1のアンテナ給電点と、スロットの外側辺にある金属フレーム1の接地点とを含む。前記金属フレーム1は前記端末装置内の床2に電気的に接続されている。
【0011】
本実施例では、上記金属フレーム1は、第1の側辺11、第2の側辺12、第3の側辺13、および第4の側辺14を含み得る。この金属フレーム1は、端部と端部とが連結されていても、連結されていなくてもよい。上記スロットの内部は空気であってもよく、非導電性材料が充填で満たされてもよい。上記床2は、回路基板または金属ミドルフレームなどであり得る。上記金属フレーム1は、前記端末装置の床2に電気的に接続され、金属フレーム1を接地することができる。
【0012】
本実施例では、金属フレーム1の片側に少なくとも2つのスロットが設けられ、前記少なくとも2つのスロットの各スロットの側辺の金属フレーム1に2組の給電点が設けられ、各組の給電点は、スロットの内側辺にある金属フレーム1のアンテナ給電点と、スロットの外側辺にある金属フレーム1の接地点とを含む。ミリ波信号の給電源の信号線はアンテナ給電点に接続され、給電源のアースは接地点に接続される。このように、少なくとも2つのスロットは、ミリ波信号を放射するためのミリ波アレイアンテナを形成することに相当する。第3の側辺13に少なくとも2つのスロットが設けられる場合、通信アンテナは、
図1の破線に示すように、第3の側辺13、第2の側辺12の一部、および第4の側辺14の一部から構成され得る。さらに、少なくとも2つのスロットで構成されたミリ波アレイアンテナは、非ミリ波通信アンテナのラジエーター内の微小なスロットであるため、非ミリ波通信アンテナの電気的パラメーターに影響を与えない。もちろん、少なくとも2つのスロットを第3の側辺13に設けることに加えて、第1の側辺11、第2の側辺12または第4の側辺14に少なくとも2つのスロットを設けることもできる。これは本実施例に限定されない。
【0013】
このように、端末装置の金属フレーム1の片側に少なくとも2つのスロットを設けることにより、ミリ波アレイアンテナを形成することに相当し、ミリ波アレイアンテナの収容空間を節約し、他のアンテナのアンテナスペースを占有せず、端末装置の体積を小さくすることができ、端末装置の全体的な競争力を向上させる。端末装置の構造をアンテナとして充分に活用し、端末装置の金属質感に影響を与えることなく、通信効果を向上させる。また、端末装置の裏面が金属製テーブルで遮られる場合またはユーザーが端末装置を握る場合、ミリ波アンテナの性能が大幅に低下することを回避し、ユーザ体験をより良くすることもできる。
【0014】
また、2G、3G、4G、またはsub6Gなどの関連技術における通信アンテナに、ミリ波アレイアンテナを組み込み、非ミリ波通信アンテナの通信品質に影響を与えない。また、本発明は、端末装置の金属フレーム設計に基づいており、端末装置の金属質感に影響を与えない。
【0015】
アンテナ・イン・パッケージ(Antenna-in-Package、AiP)ミリ波アンテナモジュールなどの現在の主流のミリ波アンテナ設計は、金属の外観設計の下で優れたアンテナ性能を発揮するのが困難で、すなわち、金属の外観設計をサポートすることが困難で、その結果、製品の競争力が低くなる。本実施例の設計方法は、金属の外観設計をよりよくサポートすることができ、且つ他のアンテナソリューションに使用される金属の外観設計と互換性があり、端末装置の全体的な競争力を高めることができる。端末装置内にミリ波アンテナ用の収容空間を設置することにより、端末装置全体の体積サイズが比較的に大きくなるという問題を解決した一方で、端末装置が金属の外観設計をサポートするのが難しいという問題も解決できる。
【0016】
この実施例では、前記端末装置は、携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ラップトップコンピュータ(Laptop Computer)、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、またはモバイルインターネットデバイス(Mobile Internet Device、MID)またはウェアラブルデバイス(Wearable Device)などであり得る。
【0017】
任意選択で、給電点の任意の1つの組は、前記金属フレームの内側壁に配置される。
【0018】
本実施形態では、給電点の任意の1つの組は、前記金属フレームの内側壁に配置されており、その結果、まずは、各組の給電点におけるアンテナ給電点および接地点を設けるのに便利であり、次は、端末装置の外観に影響も与えない。
【0019】
任意選択で、前記少なくとも2つのスロットが金属フレーム1の長さ方向に沿って配置される。
【0020】
本実施形態では、上記少なくとも2つのスロットが前記金属フレーム1の長さ方向に沿って配置されており、その結果、まずは、金属フレーム1に複数のスロットを設けるのに便利である。次は、前記少なくとも2つのスロットがミリ波アレイアンテナを形成するのに便利であり、ミリ波信号を放射したり、ミリ波信号を受信したりする。
【0021】
上記の設置方式をよりよく理解するために、本発明による金属フレームの1つの側辺の構造概略図である
図2を参照することができる。
図2に示すように、金属フレーム1の第3側辺13には少なくとも4つのスロットがあり、この少なくとも4つのスロットが金属フレーム1の第3側辺13の長さ方向に沿って配置されて、ミリ波アレイアンテナを形成する。
【0022】
もちろん、
図2の各スロットの幅は制限されなくてもよく、スロットの内部が空気である場合、スロットの外周全長と内周全長は制限されなくてもよい。もちろん、任意選択の方法の一つとして、スロットの外周全長は17.6mm、スロットの内周全長は11mmであり得る。スロットの内部に非導電性媒体が充填で満たされている場合、スロットの外周全長と内周全長は、実際の帯域幅に応じて調整することができ、ミリ波の動作周波数帯域もカバーすることもできる。
【0023】
任意選択で、隣接する2つのスロット間の間隔は、隣接する2つのスロット間の隔離度とアレイアンテナのビーム走査角の性能によって決定される。
【0024】
本実施形態では、前述の隣接する2つのスロット間の間隔は、隣接する2つのスロット間の隔離度とアレイアンテナのビーム走査角の性能によって決定され、ミリ波信号をより良くマッチングして動作させることができる。
【0025】
任意選択で、任意の2つの隣接するスロット間の間隔は同じである。
【0026】
本実施形態では、前記任意の2つの隣接するスロット間の間隔は同じであるため、外観をより対称にすることができ、また、少なくとも2つのスロットで構成されたミリ波アレイアンテナに良い性能を持たせることを保証でき、ミリ波信号をより良くマッチングして動作させることもできる。
【0027】
任意選択で、前記スロットの形状は、菱形、円形、または正多角形である。
【0028】
本実施形態では、前記スロットの形状は、菱形、円形、または正多角形である。正多角形は、正三角形、正方形、正五角形、正六角形などであり得る。したがって、実際のニーズに応じて、スロットの形状を設定することができ、実際の状況や需要に合わせて、異なる形状を設定して、様々なニーズを満たして、より多くの異なるシーンに適用できる。
【0029】
任意選択で、各スロットに対応する2組の給電点において、1つの組によって決定された直線が、もう1つの組によって決定された直線に対して垂直または非垂直である。
【0030】
本実施形態では、1つの組の給電点によって決定された直線は、この組内のアンテナ給電点と接地点に従って決定された直線である。同様に、もう1つの組の給電点によって決定された直線も、この組内のアンテナ給電点と接地点に従って決定された直線である。各スロットに対応する2組の給電点において、実際の必要に応じて、1つの組の給電点によって決定される直線がもう1つの組の給電点群によって決定される直線に垂直であるかどうかを設定することができる。これに対して、本実施形態は限定をしない。
【0031】
任意選択で、前記スロットの形状が正方形である場合、各スロットは、2組の給電点における異なる組の給電点に対応し、それぞれ、スロットの異なる側辺の中点に対応する金属フレーム上に配置される。
【0032】
任意選択で、前記スロットが正方形である場合、各スロットは、2組の給電点における異なる組の給電点に対応し、それぞれ、スロットの異なる側辺の中点に対応する金属フレーム上に配置される。
【0033】
本実施形態では、上記の設置方法をよりよく理解するために、本発明のいくつかの実施例による金属フレームの1つの側辺の構造概略図である
図3を参照することができる。
図3に示すように、金属フレーム1の第3の側辺13には少なくとも4つのスロットがある。一番左のスロットを例にとると、このスロット側辺の金属フレームには、アンテナ給電点A、接地点B、アンテナ給電点C、接地点Dがある。アンテナ給電点Aと接地点Bは1組の給電点であり、アンテナ給電点Cと接地点Dは別の組の給電点である。
【0034】
アンテナ給電点Aとアンテナ給電点Cは、それぞれ、スロットの異なる内側辺の中間点に対応する金属フレーム上に配置され、接地点Bおよび接地点Dは、それぞれ、スロットの異なる外側の中点に対応する金属フレーム上に配置される。アンテナ給電点Aと接地点Bによって決定される直線は、アンテナ給電点Cと接地点Dによって決定される直線に垂直する、すなわち、90度に直交する。ミリ波信号の給電源の信号線はアンテナ給電点Aとアンテナ給電点Cに接続され、給電源の接地線は接地点Bと接地点Dに接続されている。ミリ波信号は同じ方式で各スロットに給電され、各スロットには2つの給電信号が導入されている。
【0035】
また、本発明のいくつかの実施例による単一スロットのエコー損失の概略図である
図4を参照してください。
図3の一番左のスロットを例にとると、
図4における(S1、1)は、アンテナ給電点Aと接地点Bでの給電信号によって形成されたエコー損失であり、(S2、2)は、アンテナ給電点Cと接地点Dでの給電信号によって形成されたエコー損失であり、何れも26~30GHzをカバーすることができる。
【0036】
本実施形態では、アンテナ外形の対称的な設計により、端末装置に良好で競争力の高い金属外観を持たせることができる。電気的性能では、各スロットに直交給電方式を使用すると、多入力多出力の機能を形成することによって、データの伝送速度を向上させる一方で、ミリ波アンテナアレイの無線接続能力を高めて、通信断線の確率を減らして、通信効果およびユーザ体験を向上させることもできる。
【0037】
任意選択で、前記スロットの形状が菱形である場合、各スロットは、2組の給電点における異なる組の給電点に対応し、それぞれ、スロットの異なる角に対応する金属フレーム上に配置される。
【0038】
本実施形態では、上記の設置方法をよりよく理解するために、本発明のいくつかの実施例による金属フレームの1つの側辺の構造概略図である
図5を参照することができる。
図5に示すように、金属フレーム1の第3の側辺13には少なくとも4つのスロットがある。一番左のスロットを例にとると、このスロットの側辺には、アンテナ給電点A、接地点B、アンテナ給電点C、および接地点Dがある。アンテナ給電点Aと接地点Bは1組の給電点であり、アンテナ給電点Cと接地点Dは別の組の給電点である。
【0039】
アンテナ給電点Aおよびアンテナ給電点Cは、それぞれ、スロットの内側辺に形成された異なる角度に対応する金属フレーム上に配置され、接地点Bおよび接地点Dは、それぞれ、スロットの外側辺に形成された異なる角度に対応する金属フレーム上に配置される。アンテナ給電点Aと接地点Bによって決定される線は、アンテナ給電点Cと接地点Dによって決定される線に垂直する、すなわち、90度直交する。ミリ波信号の給電源の信号線はアンテナ給電点Aとアンテナ給電点Cに接続され、給電源の接地線は接地点Bと接地点Dに接続される。ミリ波信号は同じ方式で各スロットに給電され、2つの給電信号が各スロットに対応する金属フレームに導入されている。
【0040】
本実施形態では、アンテナ外形の対称的な設計により、端末装置に良好で競争力の高い金属外観を持たせることができる。電気的性能では、各スロットに直交給電方式を使用すると、多入力多出力の機能を形成することによって、データの伝送速度を向上させる一方で、ミリ波アンテナアレイの無線接続能力を高めて、通信断線の確率を減らして、通信効果およびユーザ体験を向上させることもできる。
【0041】
もちろん、前記スロットの形状は、円形であってもよく、円形である場合、本発明のいくつかの実施例による金属フレームの1つの側辺の構造概略図である
図6を参照することができる。
図6に示すように、金属フレーム1の第3の側辺13には少なくとも4つのスロットがある。一番左のスロットを例にとると、このスロットの側辺の金属フレームには、アンテナ給電点A、接地点B、アンテナ給電点C、接地点Dがある。アンテナ給電点Aと接地点Bは1組の給電点であり、アンテナ給電点Cと接地点Dは別の組の給電点である。
【0042】
アンテナ給電点Aとアンテナ給電点Cは、何れもスロットの内側辺の金属フレーム上に配置され、接地点Bと接地点Dは、何れもスロットの外側辺の金属フレーム上に配置される。アンテナ給電点Aと接地点Bによって決定される直線は、アンテナ給電点Cと接地点Dによって決定される直線に垂直する、すなわち、90度に直交する。ミリ波信号の給電源の信号線はアンテナ給電点Aとアンテナ給電点Cに接続され、給電源の接地線は接地点Bと接地点Dに接続されている。ミリ波信号は同じ方式で各スロットに給電され、各スロットには2つの給電信号が導入されている。もちろん、アンテナ給電点Aおよび接地点Bによって決定される直線がアンテナ給電点Cおよび接地点Dによって決定される直線に垂直することを保証する限り、本実施形態は、アンテナ給電点および接地点の特定の位置を制限しない。
【0043】
本実施形態では、アンテナ外形の対称的な設計により、端末装置に良好で競争力の高い金属外観を持たせることができる。電気的性能では、各スロットに直交給電方式を使用すると、多入力多出力の機能を形成することによって、データの伝送速度を向上させる一方で、ミリ波アンテナアレイの無線接続能力を高めて、通信断線の確率を減らして、通信効果およびユーザ体験を向上させることもできる。
【0044】
任意選択で、前記少なくとも2つのスロットの各スロットに、非導電性材料が充填で満たされている。
【0045】
本実施形態では、上記少なくとも2つのスロットの各スロットに、非導電性材料が充填で満たされている。これにより、外観をより美しくして、金属フレーム1の全体的な構造強度が向上し、スロットが直接外部に露出することも回避される。
【0046】
本発明のいくつかの実施例による端末装置用アンテナであって、金属フレーム1を含む。前記金属フレーム1の片側に、少なくとも2つのリング状のスロットが設けられている。前記少なくとも2つのスロットの各スロットの側辺の金属フレーム1に、2組の給電点が設けられており、各組の給電点は、スロットの内側辺にある金属フレーム1のアンテナ給電点と、スロットの外側辺にある金属フレーム1の接地点とを含み、前記金属フレーム1は、前記端末装置の床2に電気的に接続されている。このように、少なくとも2つのスロットが設けられた金属フレーム1は、端末装置のミリ波アレイアンテナに相当すると同時に、非ミリ波通信アンテナのラジエータでもあるため、ミリ波アンテナの収容空間を節約し、端末装置の体積を小さくすることができ、金属の外観設計をよりよくサポートすることができ、且つ他のアンテナソリューションに使用される金属の外観設計と互換性があり、端末装置の全体的な競争力を高めることができる。
【0047】
また、本明細書において、「含む」、「有する」という用語、およびその他の任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素を含むだけではなく、明示的にリストアップされてはいない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品もしくは装置に固有のその他の要素を含み得る、ということに留意すべきである。これ以上の制限がない場合、「...を含む」という文で限定された要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品、または装置の内に他の同一の要素が存在することを排除するものではない。
【0048】
以上は、添付の図面に関して本発明の実施例についての説明であって、本発明を制限するためのものではなく、上記の詳細な実施形態は、例示にすぎず、限定的ではなく、当業者は、本発明の啓発の下で、本発明の主旨および請求項の保護範囲から逸脱することなく、多くの形態を作成することができ、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【0049】
関連する出願の相互参照
本出願は、2018年9月14日に中国で提出された中国特許出願番号No. 201811076748.4の優先権を主張しており、そのすべての内容は引用によりここに含まれている。