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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】映像提供システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/27 20110101AFI20221005BHJP
   H04N 21/472 20110101ALI20221005BHJP
   H04N 21/8541 20110101ALI20221005BHJP
【FI】
H04N21/27
H04N21/472
H04N21/8541
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021545101
(86)(22)【出願日】2019-12-25
(86)【国際出願番号】 JP2019050933
(87)【国際公開番号】W WO2021049048
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2019165370
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513324697
【氏名又は名称】木全 拓也
(72)【発明者】
【氏名】木全 拓也
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-113247(JP,A)
【文献】特開2013-247407(JP,A)
【文献】特表2004-531120(JP,A)
【文献】特開2014-032501(JP,A)
【文献】特開2014-027614(JP,A)
【文献】特開2008-085496(JP,A)
【文献】特開2010-213319(JP,A)
【文献】特開2015-122603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴者に対してデジタル・コンテンツを提供する映像提供システムであって、
視聴者のデバイスにおいて映像コンテンツがトリガポイントに達したことに応じて映像提供システムから送付される前記映像コンテンツへの参加を促す映像表示以外の誘導トリガを受信するコンポーネントと、
前記誘導トリガに対する応答として前記デバイスから送られた視聴者トリガに対応するメインストリーム・コンテンツとは異なるオプション・コンテンツの指令またはオプション・コンテンツを、ネットワークを通じて受け付けさせるコンポーネントと、
前記オプション・コンテンツを表示装置において再生または表示させるコンポーネントと
を含む、映像提供システム。
【請求項2】
前記誘導トリガは、音声、バイブレーション、電子メール、SNSを含む前記デバイスの機能を介して前記デバイスに提供される、請求項1に記載の映像提供システム。
【請求項3】
前記オプション・コンテンツの再生は、メディア媒体を介して行われ、前記表示は、前記オプション・コンテンツを、ディスプレイ装置、映像スクリーンまたは物体に表示する、請求項1に記載の映像提供システム。
【請求項4】
前記オプション・コンテンツの再生は、映像ストリーミングにより行われる、請求項1に記載の映像提供システム。
【請求項5】
前記オプション・コンテンツの表示は、映像スクリーンまたはプロジェクション・マッピングにより行われる、請求項1に記載の映像提供システム。
【請求項6】
複数の前記視聴者の間でコミュニケーションを行うためのコラボレーション・サーバを含む、請求項1に記載の映像提供システム。
【請求項7】
前記コラボレーション・サーバは、SNSによる音声通信により、コラボレーションを実行する、請求項6に記載の映像提供システム。
【請求項8】
前記オプション・コンテンツを、多数の前記視聴者の投票により決定する、請求項1に記載の映像提供システム。
【請求項9】
情報処理装置を、視聴者に対してデジタル・コンテンツを提供する映像提供システムとして機能させるための装置実行可能なプログラムであって、前記情報処理装置を、
視聴者のデバイスにおいて映像コンテンツがトリガポイントに達したことに応じて映像提供システムから送付される前記映像コンテンツへの参加を促す映像表示以外の誘導トリガを受信するコンポーネント、
前記誘導トリガに対する応答として前記デバイスから送られた視聴者トリガに対応するメインストリーム・コンテンツとは異なるオプション・コンテンツの指令またはオプション・コンテンツをネットワークを通じて受け付けさせるコンポーネント、
前記オプション・コンテンツを表示装置において再生または表示させるコンポーネント
として機能させる装置実行可能なプログラム。
【請求項10】
前記誘導トリガは、音声、バイブレーション、電子メール、SNSを含む前記デバイスの機能を介して前記デバイスに提供される、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記オプション・コンテンツの再生は、メディア媒体を介して行われ、前記表示は、前記オプション・コンテンツを、ディスプレイ装置、映像スクリーンまたは物体に表示する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項12】
前記オプション・コンテンツの再生は、映像ストリーミングにより行われる、請求項9に記載のプログラム。
【請求項13】
前記オプション・コンテンツの表示は、映像スクリーンまたはプロジェクション・マッピングにより行われる、請求項9に記載のプログラム。
【請求項14】
複数の前記視聴者の間でコミュニケーションを行うためのコラボレーション・サーバを含む、請求項9に記載のプログラム。
【請求項15】
前記コラボレーション・サーバは、SNSによる音声通信により、コラボレーションを実行する、請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記オプション・コンテンツを、多数の前記視聴者の投票により決定する、請求項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴者をデジタル・コンテンツに参加させる技術に関し、より詳細には、視聴者の行動に応じて異なるデジタル・コンテンツを提供するオンデマンド映像提供システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理技術およびコンピュータ・ハードウェア技術の進歩に伴い、映画館やシネコンなどで上映される映画についても、デジタル・コンテンツとして提供され、プロジェクタなどを通して上映される場合も増えてきている。また、映画館やシネコンなどの他にも、最近では、パーソナル・コンピュータに対し、コンテンツをストリーミングすることによってパーソナル・コンピュータの利用者に対して映画等のコンテンツを提供するサービスも可能となっている。
【0003】
このような映像処理環境にあって、従来の映画は、定められたストーリーに沿って監督が出演者を演技させ、その演技を撮影し、ストーリーの最後まで連続した1つのコンテンツとして提供されている。ところで、近年、映画などがデジタル・コンテンツとして提供されるようになると、アナログ式の映像提供に比してより動的な映像提供が可能となる。このような映像提供として、例えば特開2011-124972号(特許文献1)には、ネットワークを介してデジタル・コンテンツを提供する際に、ユーザの端末から、ユーザの嗜好を示すデータを受信し、ユーザ毎に異なるコンテンツ・ストリームを提供するシステムが記載されている。
【0004】
また、特開2010-088111号公報(特許文献2)には、視聴者毎に異なる映像を提供するストリーム提供方法が記載されている。特許文献2に記載された技術は、視聴者毎に異なる映像を提供することを可能とするものの、シャッタなどの機能により、視聴者に対して異なる映像を提供するものであり、コンテンツのストリーミングやコンテキストを変更するものではない。
【0005】
本発明者は、特許第5,581,437号明細書(特許文献3)および特許第6,324,829号明細書(特許文献4)として、多数の視聴者に対してコンテンツを共有させるための映像提供システムを提案した。
【0006】
特許文献3、特許文献4は、シアターなどで多数の視聴者が視聴するコンテンツにおいて、視聴者参加型でデジタル・コンテンツを変更するものであり、シアターやプロジェクション・マッピング等においてリアルタイムなコンテンツ修正を可能とする。しかしながら、特許文献3および特許文献4に記載された技術は、DVD/Blue-Ray/ビデオストリーミングなどのコンテンツ提供形態において視聴者を巻き込んだコンテンツ編集を可能とする構成を記載するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-124972号公報
【文献】特開2010-088111号公報
【文献】特許第5,581,437号明細書
【文献】特許第6,324,829号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、シアター、ライブ公演、DVD/Blue-Ray/ビデオストリーミングとして提供されるデジタル・コンテンツにおいて、視聴者を巻き込んだ形でコンテンツの進行を編集することが可能な映像提供システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明によれば、
視聴者に対ししてデジタル・コンテンツを提供する映像提供システムであって、
視聴者のデバイスにおいて映像コンテンツへの参加を促す誘導トリガを受信するコンポーネントと、
前記誘導トリガに対する応答として前記デバイスから送られた視聴者トリガに対応するメインストリーム・コンテンツとは異なるオプション・コンテンツの指令またはオプション・コンテンツをネットワークを通じて受け付けさせるコンポーネントと、
前記オプション・コンテンツを表示装置において再生または表示させるコンポーネントと
を含む、映像提供システムが提供できる。
【0010】
前記誘導トリガは、音声、バイブレーション、電子メール、SNSを含む前記デバイスの機能を介して前記デバイスに提供される。
【0011】
前記オプション・コンテンツの再生は、メディア媒体を介して行われ、前記表示は、前記ネットワークを介して取得したオプション・コンテンツを、ディスプレイ装置、映像スクリーンまたは物体に表示する。
【0012】
前記オプション・コンテンツの再生は、映像ストリーミングにより行われる。
【0013】
前記オプション・コンテンツの表示は、映像スクリーンまたはプロジェクション・マッピングにより行われる。
【0014】
複数の前記視聴者の間でコミュニケーションを行うためのコラボレーション・サーバを含む。
【0015】
前記コラボレーション・サーバは、SNSによる音声通信により、コラボレーションを実行する。
【0016】
前記コラボレーション・サーバは、前記オプション・コンテンツを、多数の前記視聴者の投票により決定する。
【0017】
さらに本発明によれば、上記機機能を提供するためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態の映像提供システム100の実施形態を示す図。
図2図2は、本実施形態のコラボレーション・サーバ120の機能ブロックを示した図。
図3図3は、本実施形態のコンテンツ再生装置103の機能ブロックを示す図。
図4図4は、本実施形態におけるストリーミング・サーバ130の機能ブロックを示す図。
図5図5は、本実施形態の映像提供システム100が提供する映像コンテンツ500の実施形態を示す図。
図6図5は、本実施形態において、視聴者と、視聴者識別情報、視聴者からのアクセス情報と対応付けた視聴者情報の実施形態を示す図。
図7図7は、本実施形態において、DVD,Blue-Rayといったメディア媒体からデジタル・コンテンツを再生する場合のメインストリーム・コンテンツに対するオプション・コンテンツの紐づけの実施形態を示す図。
図8図8は、本実施形態において、映像コンテンツをストリーミング配信する場合の誘導トリガの配置を例示した形態。
図9図9は、本実施形態の映像提供システム100が実行する処理のフローチャート。
図10図10は、本実施形態で使用するシーン100のデータ構成を示した図。
図11図11は、本実施形態により、編集されるデジタル・コンテンツのストリームを示す図。
図12図12は、本実施形態により、編集されるデジタル・コンテンツのストリームを示す図。
図13図13は、本実施形態により、編集されるデジタル・コンテンツのストリームを示す図。
図14図14は、本実施形態で使用することができる誘導トリガの実施形態を例示した図。
図15図15は、本実施形態のコンテンツ再生装置103のハードウェア構成を示す図。
図16図16は、第2の実施形態の第1の実施形態の映像提供システム1600の実施形態を示す図。
図17図17は、第2の実施形態のコラボレーション・サーバ1606の機能ブロックを示した図。
図18図18は、第2の実施形態のコンテンツ・サーバ1605の機能ブロックを示す図。
図19図19は、図17で説明した視聴者管理部1703が作成するユーザ・データベースの実施形態を示す図。
図20図20は、第2の実施形態のメインストリーム・コンテンツ2000におけるトリガ登録形態およびデコードするべきシーンとして使用する情報の実施形態を示す図。
図21図21は、第2の実施形態の映像提供システム100が実行する処理のフローチャート。
図22図22は、第2の実施形態で使用するシーンのデータ構成を示した図。
図23図23は、第2の実施形態の映像提供システム1600が提供する映像コンテンツ2300の実施形態を示す図。
【符号の説明】
【0019】
100 映像提供システム
101 ディスプレイ装置
102 スピーカ
103 コンテンツ再生装置
104 スマート・スピーカ
105 タブレット端末
106 スマートホン
110 ネットワーク
120 コラボレーション・サーバ
130ストリーミング・サーバ
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
以下、本発明を、実施形態を以て説明するが本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施形態の映像提供システム100の実施形態を示す。図1に示した映像提供システム100は、例えば家庭において設置されるディスプレイ装置やホームシアターなどにおいて、コンテンツに対する臨場感を提供するため、設置することができる。映像提供システム100は、ディスプレイ装置101に対してコンテンツ再生装置103がデコードした映像ストリームを送付し、ディスプレイ装置101が映像を表示し、同時のスピーカ102コンテンツに付随するオーディオデータを再生する。
【0021】
コンテンツ再生装置103は、ネットワーク110に接続でき、ディスプレイ装置101、スピーカ102に対して映像信号、オーディオ信号を送付できる限り特に制限は無い。例えば、コンテンツ再生装置103としては、DVDプレイヤ、Blu-Ray(登録商標)プレイヤ、XBOX(登録商標)、プレイステーション(登録商標)などのゲーム装置、およびパーソナル・コンピュータといった情報処理装置を使用することができる。なお、コンテンツ再生装置103は、ネットワーク110から送付された情報を解釈して、コンテンツの再生シーケンスを編集することができるプログラム(アプリであっても、ファームウェアであってもよい。)を実装することが好ましい。
【0022】
さらに映像提供システム100は、ネットワーク110を介してストリーミング・サーバ130およびコラボレーション・サーバ120が接続されている。ストリーミング・サーバ130は、デジタル・コンテンツをストリーミングしてコンテンツ再生装置103に送付し、ディスプレイ装置101、スピーカ102を介して映像を提供する。また、コラボレーション・サーバ120は、ユーザがアクセスすることができるスマート・スピーカ104、タブレット端末105またはスマートホン106から送付されたユーザアクションを受領し、ユーザアクションの内容を判断して、以後に再生するコンテンツの編集を可能とする機能を提供する。なお、視聴者が利用するデバイスには、例えばAmazon Fire Stick(登録商標)といったコントローラも含まれる。また、ディスプレイ装置101には、プロジェクタも含まれる。
【0023】
なお、以下ネットワーク110は、ギガビットイーサネット、4G、5Gを含む有線・無線のTCP/IPプロトコルを使用した通信の他、公衆電話網を使用した音声通話またはデータ通信のいずれかまたは両方を含むものとして説明する。さらに、スマート・スピーカ104、タブレット端末105、およびスマートホン106は、Facetime(登録商標)、LINE(登録商標)、Facebook(登録商標)、Twitter(登録商標)など、いわゆるSNSなどによるインターネットを通じた音声通話の他、公衆電話回線を使用した音声通話が可能とされていても良い。
【0024】
図2は、本実施形態のコラボレーション・サーバ120の機能ブロックを示した図である。コラボレーション・サーバ120は、図2に示すようにインタフェース部121と、ウェブ・サーバ部122と、アクション処理サーバ部124とを含んで構成されている。ウェブ・サーバ部122は、HTTPプロトコルを介してネットワーク110を介して視聴者が送付するユーザ情報や、スマート・スピーカ104、タブレット端末105、スマートホン106などで機能する専用アプリケーション(以下、単にスマホアプリとして参照する。)を介して送付される視聴者参加情報を受領して、ユーザ情報、使用端末形態、参加態様、アクションその他の情報を視聴者管理部123に登録する機能を有している。
【0025】
なお、本実施形態におけるデバイスとしては、スマートホンや専用の携帯可能な制御装置を使用することができ、デバイスがスマートホンの場合、スマホアプリを介して、本実施形態における、視聴者のデバイスにおいて映像コンテンツへの参加を促す誘導トリガを受信するコンポーネント、誘導トリガに対する応答としてデバイスから送られた視聴者トリガに対応するメインストリーム・コンテンツとは異なるオプション・コンテンツの指令またはオプション・コンテンツをネットワークを通じて受け付けさせるコンポーネント、オプション・コンテンツを表示装置において再生または表示させるコンポーネントとして機能する。また、PSPなどの専用の制御装置が、そのためのプログラムをダウンロードまたはインストールして同様の機能を提供する場合も想定される。
【0026】
視聴者参加情報には、視聴者がコンテンツを修正するためのキーワードやコマンドなどとして構成することができる視聴者トリガを含み、音声コールの場合には、視聴者の音声通話情報を含む。また、タッチスクリーンなどへのタップ、シェイクなどの動作を視聴者トリガとして使用することもできる。
【0027】
アクション処理サーバ部124は、いわゆるIVR機能、音声解析機能、アクション解析機能を備えており、視聴者参加情報が音声情報の場合、音声情報を参加情報として参加情報解析部125に送付する。また特定の実施形態では、受信した音声コールの音声情報を、そのままコラボレーション・サーバ120に送付してスピーカ104から発生させ、デコードしたデジタル・コンテンツの音声情報と重畳して、あたかも音声コールを送付した参加者がコンテンツに初めから居たように、当該空間に臨場している視聴者にその音声コールをフィードバックさせることもできる。さらに、アクション処理サーバ部124は、タブレット端末105、スマートホン106から送信される、位置情報、加速度情報、タップ動作、スワイプ動作などを検出し、検出された視聴者トリガに基づいてコンテンツの編集を可能とする。なお、音声処理機能は、クラウドサーバとして構成することができ、このような音声処理を行うクラウドサービスとしては、例えば、Googleアシスタント(商標)、IBMSpeech to Text(登録商標)などのAIを含むサービスを使用することができるが、特定のクラウドサービスに限定されるものではない。
【0028】
視聴者管理部123は、予めネットワーク110を介して送付された視聴者のユーザID、必要に応じてパスワード、端末形態、参加態様などの情報を収集し、ユーザ・データベース(図示せず)に登録する機能を備えている。また、ウェブ・サーバ部122、アクション処理サーバ部124が、参加情報を受信した時に、視聴者の参加態様に対応した処理を参加情報解析部125に実行させる機能を備えている。
【0029】
さらに、コラボレーション・サーバ120は、視聴者から送付された視聴者参加情報を解析する、参加情報解析部125と、トリガ抽出部126とを含んでいる。参加情報解析部125は、視聴者から送付された参加情報が、音声情報であるか、またはアプリなどからのコマンドであるかを判断し、視聴者の参加形態に応じて視聴者参加情報をデコードし、トリガ抽出部126に視聴者参加情報に予め設定した視聴者トリガが含まれているか否かを判断する。
【0030】
視聴者トリガが含まれていなければ、コラボレーション・サーバ120は、コンテンツの修正に対して特段の指令を行うことをしない。また、コラボレーション・サーバ120は、視聴者参加情報に予め設定した視聴者トリガが含まれていると判断した場合、ネットワーク110を介して、コンテンツ再生装置103またはストリーミング・サーバ130に対して視聴者トリガを含む、コンテンツ指令を送付する。当該指令は、コンテンツ再生装置103またはストリーミング・サーバ130に送付され、コンテンツ再生装置103がデコードするデジタル・コンテンツのデコード順やストリーミング順を切替えたりすることで、映像上および音声上の視聴者参加を可能としている。
【0031】
さらにコラボレーション・サーバ120は、レスポンスログ・データベース128を管理している。レスポンスログ・データベース128は、その回の上映ばかりではなく、過去に行った同一の動画またはイベントにおける視聴者参加の履歴を、ユーザ情報、ユーザ属性、視聴時間、視聴地域などと対応づけて視聴者参加の履歴を登録する。視聴者参加の状態としては、例えばシーンの選択、アクション情報の種類、スマホアプリからの指令の種類などを挙げることができ、コラボレーション・サーバ120は、これらをレスポンスログとして蓄積する。
【0032】
本発明の態様においては、コラボレーション・サーバ120は、レスポンスログを解析し、デジタル・コンテンツにおいて参加者の多くが共感するシーンや映像などのコンテンツ内容を学習して効果的なコンテンツ作成に提供することができる。さらにレスポンスログ・データベース128に集積されたレスポンス情報は、以後のコンテンツ作成のためのビッグデータとして使用することができる。
【0033】
図3は、本実施形態のコンテンツ再生装置103の機能ブロックを示す。コンテンツ再生装置103には、コラボレーション・サーバ120から、コンテンツ指令が送付される。コンテンツ再生装置103は、これらの信号を処理するためのインタフェース部103aと、デコーダ103bと、コンテンツ・シーケンサ103cと、バッファ103dと、メディア媒体103eとを備えている。
【0034】
以下、視聴者からの参加情報を受領した上流側の処理部からその機能を説明する。インタフェース部103aは、シーンに追加されたアクションに対応してコラボレーション・サーバ120から送付されたコンテンツ指令を受領する。インタフェース部103aは、受領したコンテンツ指令をコンテンツ・シーケンサ103cに送付する。コンテンツ・シーケンサ103cは、コンテンツ指令を解析して、コンテンツ指令に含まれる視聴者トリガに紐づけられたシーンIDを選択し、コンテンツ再生装置103に対して指定されたシーンIDを、メディア媒体103eからバッファ103dに読み込ませる。なお、シーンとは、複数のシーン、複数のGOP(Group of Picture)などから構成される、メインストリーム・コンテンツ内で一定の意味または属性を提供する時系列的な映像を意味する。
【0035】
コンテンツ再生装置103は、バッファリングされたシーンIDのデータをデコーダ103bに送付し、デコードが完了するに応じて出力バッファ103fに視聴者トリガに紐づけられたシーンIDの映像情報を出力し、順次、ディスプレイ装置101およびスピーカ102に選択されたシーンの再生を可能としている。以上の処理を使用することにより、リアルタイムでメインストリーム・コンテンツのシーンを途切れなく再生することが可能となる。
【0036】
なお、視聴者トリガと、シーンIDとの紐づけは、例えば特定のキーワード「上に行って」、「下に行って」、「右に行って」、「左に行って」、「進んで」、「戻って」などに対応して当該視聴者トリガに対応したコンテンツ内容にシーンIDに割り当てて行うことができる。その他、タブレット端末105、スマートホン106の位置情報、加速度情報、タップ、スワイプなどの操作に対応して選択するべきシーンIDを紐づけておくことができ、視聴者トリガと、これに紐づけられるコンテンツ内容は、デジタル・コンテンツへの視聴者の参加臨場感を改善することができる限り、特に制限はない。
【0037】
図4は、本実施形態におけるストリーミング・サーバ130の機能ブロックを示す。ストリーミング・サーバ130は、例えばYoutube(登録商標)、NICO動(登録商標)、iTunes(登録商標)その他で使用されているストリーミング・サーバと同様の構成を含む。しかしながら、図4に示したストリーミング・サーバ130は、ストリーム・シーケンサ133の機能を実装する点で、従来のストリーミング・サーバとは相違する。以下、ストリーミング・サーバ130の機能を説明する。
【0038】
ここで、ストリーミング・サーバ130は、すでに視聴者からの要求に応じて特定のデジタル・コンテンツをストリーミングしているものとして説明する。ストリーミング・サーバ130は、デジタル・コンテンツのストリーミング中に、コラボレーション・サーバ120からのコンテンツ指定を、視聴者トリガと共に受領する。コンテンツ指令を受領したインタフェース部131は、受領した情報がコンテンツ指令を含むと判断した場合、ストリーム・シーケンサ133にコンテンツ指令を送付する。ストリーム・シーケンサ133は、コンテンツ指令に含まれる視聴者トリガを解析し、当該視聴者トリガに紐づけられたシーンIDを選択し、当該シーンIDで指定されるデジタル・コンテンツをバッファ134にバッファリングする。
【0039】
ストリーミング・サーバ130は、バッファリングしたデジタル・コンテンツを次に配信する映像ストリームとして送信部132に送付し、ネットワーク110を介して、コンテンツ再生装置103に送付する。なお、コンテンツ再生装置103は、ストリーミング・サーバ130からのストリーミングを行う場合は、インタフェース部103aから直接デコーダ103bにストリームを提供してデコードした後、出力バッファ103fを介してディスプレイ装置101に映像を表示する。なお、コンテンツ再生装置103は、再生するべきコンテンツの種類・属性に応じて複数のデコーダを備えることができる。なお、ストリーミングの目的で好ましいエンコード方式としては、MP2、MP3、MP4、H264、MOVなどを挙げることができ、特に特定のフォーマットに限定されるものではない。
【0040】
図5は、本実施形態の映像提供システム100が提供する映像コンテンツ500の実施形態を示す。映像コンテンツ501は、メインストリーム・コンテンツである。
【0041】
また映像コンテンツ502は、視聴者参加により、メインストリーム・コンテンツ500のシーケンスが編集される実施形態である。映像提供システム100は、シーンAで視聴者参加情報を受領すると、コンテンツ・サーバ120が視聴者トリガを解析し、視聴者トリガに紐づけられたシーンIDのデジタル・コンテンツをオプション・コンテンツとして選択して次のシーンとして再生する。このため、当初用意されているメインストリーム・コンテンツ501とは、視聴者のアクションに応じて編集されることになる。
【0042】
そしてシーンBで、さらに他の視聴者トリガを受領すると、当該視聴者トリガに応答してその次のオプション・コンテンツを選択して映像を提供する。ここで、オプション・コンテンツとは、視聴者トリガに対応してメインストリームのシーンに置き換えられるデジタル・コンテンツを意味する。ここで、さらにシーンCで、さらに他の視聴者トリガを受領してシーンのシーケンスを修正し、さらにシーンDでも視聴者トリガに対応してシーンのシーケンスを修正して、映像の最後までこれを継続する。
【0043】
なお、シーンA~Dまでの間に視聴者トリガを送付できる視聴者は同じでも良いし、異なっていても良い。なお、視聴者トリガが全く受信されない場合、例えば、電話がつながらないなどのリアクションを提供するオプション・コンテンツを挿入するなどした後、メインストリーム・コンテンツ501が提供される。
【0044】
図6は、本実施形態において、視聴者と、視聴者識別情報、視聴者からのアクセス情報と対応付けた視聴者情報の実施形態を示す。視聴者は、ネットワークアドレス、視聴者ID、電話番号などで、特定され、各視聴者にアクセスするデバイスが指定されている。なお、特定の視聴者が複数のデバイスからアクセス実施形態も想定することができる。
【0045】
コラボレーション・サーバ120は、図6に示した情報を使用して視聴者参加情報に含まれる視聴者トリガを解析し、コンテンツの動的編集を可能とする。
【0046】
図7は、本実施形態において、DVD、Blu-Rayといったメディア媒体からデジタル・コンテンツを再生する場合のメインストリーム・コンテンツに対するオプション・コンテンツの紐づけの実施形態を示す。例えばメインストリーム・コンテンツ700の特定のシーン701には、その先頭に、誘導トリガが配置されている。誘導トリガとは、視聴者に対してデジタル・コンテンツが能動的に視聴者のデバイスに対して、音声その他で、アクションを促すための情報を言う。
【0047】
例えば誘導トリガとしては、アクターからの電話コール、アクターからの画面上での問いかけ、メッセージ送信、SNS送信、バイブレーションなどを使用することができ、それぞれの誘導トリガに対応付けて複数のオプション・コンテンツ701aが、シーンIDと対応付けられて記録されている。例えば誘導トリガが、「どっちに進めばいいと思う?」とか、「こいつをどうしてやろう?」として、視聴者のスマートホン106に音声コールを送付する場合、視聴者は当該音声コールに応答して、「左側に進むのが良いと思う」とか、「何もせず逃がすのがいいんじゃない」と返答すると、次のオプション・コンテンツとして、アクターが左に進んだ場合や、アクターを逃がした後のストーリー展開、例えばシリアス、コミカル、アクションなどのコンテキストに応じてストーリー展開される。
【0048】
さらにオプション・コンテンツにもハッチング704で示すように、誘導トリガが配置されており、オプション・コンテンツからさらに他のオプション・コンテンツへと映像ストリームを変更することが可能となっている、また、他の実施形態では、子供など若年層に視聴させたくない場合など、保護者が、音声コールその他で、安全なシーンを選択するように指示することもできる。
【0049】
さらにその後のメインストリーム・コンテンツ702、703にも同様の誘導トリガが追加されていて、視聴者のアクションに対応して各オプション・コンテンツ702a、703aが対応付けられ、視聴者が映像コンテンツを編集することが可能となる。
【0050】
図8は、本実施形態において、映像コンテンツをストリーミング配信する場合の誘導トリガの配置を例示した形態である。映像コンテンツは、所定のデータ長のストリームごとに配信され、配信するべきストリームの先頭部分に誘導トリガとして機能するコンテンツが付加される。誘導トリガには、それぞれオプション・コンテンツが割り当てられ、視聴者トリガに対応したオプション・コンテンツが選択されてストリーミング可能とされている。
【0051】
なお、図7図8で示した誘導トリガは、再生またはストリーミングするべきコンテンツの先頭に配置することが好ましい。先頭に配置することで、コンテンツ・サーバ120の処理に伴う画像再生の遅れを回避する時間的バッファを確保することができ、誘導トリガおよび視聴者トリガを処理している間に、提供するべきオプション・コンテンツを準備することができるためである。なお、本実施形態では、当該実施形態に関わらず、オプション・コンテンツが切れ目なくスムーズに提供できる限り、特に誘導トリガの位置は限定されるものではない。
【0052】
図9は、本実施形態の映像提供システム100が実行する処理のフローチャートである。図9の処理は、ステップS900から開始し、ステップS901で、メインストリーム・コンテンツ中のトリガポイントに達した時に、適切な形式での誘導トリガを視聴者に送付する。ステップS902では、トリガ・バッファに視聴者から送付された参加情報に含まれた視聴者トリガが存在するか否かを判断する。
【0053】
視聴者トリガが無い場合(no)、ステップS905でタイムアウトか否かを判断し、タイムアウトでない場合(no)、処理をステップS902に分岐させてさらに視聴者トリガの有無を確認する。一方、ステップS905でタイムアウトが満了した場合(yes)、このトリガは視聴者が寝ているとか、トイレに立っているとか、全く気がつかないなどの理由で、誘導トリガが不発に終わったと判断し、処理をステップS906に分岐させて、メインストリーム・コンテンツのシーケンスのまま映像の提供を次の誘導トリガのタイミングが来るまで継続する。
【0054】
一方、ステップS902で、視聴者トリガが存在する場合(yes)、ステップS903で視聴者トリガのメディア属性および視聴者トリガの内容に対応するオプション・コンテンツを選択し、ステップS904でコラボレーション・サーバ120は、コンテンツ指令を、コンテンツ再生装置103またはストリーミング・サーバ130に送付する。
【0055】
ステップS906では、コンテンツ再生装置103またはストリーミング・サーバ130が、次に再生するオプション・コンテンツを選択しデコードまたは送信の準備を開始する。その後、ステップS907で、コンテンツ再生装置103にてオプション・コンテンツを再生する。その後処理は、ステップS902に戻り、さらに後続する視聴者トリガの受領を待機する。
【0056】
以上の処理を使用することにより、視聴者を映像の進行に誘導し、かつそれを空間に存在する視聴者にあたかも当該視聴者が予め映画などの中にアクターと共に出演していたかのように演出することができ、さらにその感覚を視聴者に共有させることが可能となる。
【0057】
図10は、本実施形態で使用するシーン1000のデータ構成を示した図である。シーンには、誘導トリガに応じて、カスケード式にシーンが編集されることが白線で示されており、これらのシーンの編集は、デジタル・コンテンツが提供する誘導トリガと、当該誘導トリガにより視聴者のデバイスを通じた視聴者トリガの送付に基づいて、コンテンツ・サーバ120がコンテンツのシーケンスを編集することが示されている。
【0058】
図11図13は、本実施形態により、編集されるデジタル・コンテンツのストリームを示す。シーン01では、映像中のアクター、キャラクター、登場人物、アニメ・キャラクターなどから誘導トリガとして、音声コールが視聴者のスマートホンに送付されている。ここで、視聴者は、アクターとの間の仮想的な会話の中で、予め設定した視聴者トリガを言う。なお、視聴者からの視聴者トリガが得られなかった場合、予め設定したストーリーにしたがって映像再生が行われる。
【0059】
図12は、図11で、視聴者から視聴者トリガが得られた場合の実施形態である。図12では、図11における誘導路値に対応して修正されたオプション・コンテンツが表示され、このオプション・コンテンツでは、誘導トリガを複数の視聴者に対して異なるアクションで送付する。この場合、複数の視聴者から異なる視聴者トリガが送付された場合、最も早く受領した視聴者トリガに対応したオプション・コンテンツを表示させることができる。この場合、同一のオプション・コンテンツが表示されたとしても、視聴者の指示した行動に反した場合と、したがった場合で、視聴者に対する心理的効果は相反するものとなり、同一のコンテンツを提供しながらも、異なる印象を視聴者に提供することができる。
【0060】
図13は、例えば、図12においてSNSでメッセージを求められた視聴者が、視聴者トリガを送付し、これがコラボレーション・サーバに受領された場合に、図12の後に表示されるオプション・コンテンツを示す。なお、オプション・コンテンツの挿入のタイミングは、必ずしも図12の直後には限定されない。図13の実施形態の場合、誘導トリガとして、異なる視聴者に対して例えばグループ通話の機能を提供し、ポイント-ツウ-ポイントの音声通信またはポイント-ツウ-グループの音声通信によりアクター、視聴者A、Bとの間で恰も会話しているような状況を提供することができる。この場合においても、視聴者トリガとしては、最初に認識された情報、または、例えばアクター、キャラクター、登場人物、アニメ・キャラクターから明示的に要求された場合、視聴者A、Bが協議して送信された視聴者トリガを使用して以後のコンテキストを編集することが可能となる。この実施形態では、複数の視聴者がさらに映像コンテンツへと能動的に参加した印象を提供することができ、さらに視聴者の投票によりオプション・コンテンツを決定するなど、コンテンツへの入り込みを効果的にすることが可能となる。
【0061】
図14は、本実施形態で使用することができる誘導トリガの実施形態を例示したものである。例えば誘導トリガとしては、スマートホン画面のフラッシング、バイブレーション、電子メール、SNS、または現在提供しているコンテンツの別の視野から見た映像、パンニングなど、映像送信とすることができ、映像送信の場合でも、音声、タップ、スワイプなどのアクションにより、視聴者トリガを送付することが可能である。
【0062】
図15は、本実施形態のコンテンツ再生装置103のハードウェア構成を示す図である。本発明のコンテンツ再生装置1500は、中央処理装置(CPU)1501と、CPU1501の処理を可能とするRAM、DRAMなどの固体メモリ素子から形成されるメモリ1002とを備える。CPU1501およびメモリ1502は、システム・バス1510を介して、コンテンツ再生装置103の他のデバイスまたはドライバ、例えば、グラフィックス・ドライバ1503およびネットワーク・デバイス(NIC)1505へと接続されている。グラフィックス・ドライバ1503は、適切なバスを介してディスプレイ装置102に接続されて、CPU1501による処理結果をディスプレイ画面上に表示させている。
【0063】
また、ネットワーク・デバイス1505は、トランスポート層レベルおよび物理層レベルでコンテンツ再生装置103を4G、5Gなどの無線ネットワーク/インターネットなどのネットワークへと接続して、ユーザ端末との間のセッションを確立させている。
【0064】
システム・バス1510には、さらにI/Oバス・ブリッジ1506が接続されている。I/Oバス・ブリッジ1506の下流側には、PCIなどのI/Oバス1509を介して、IDE、ATA、ATAPI、シリアルATA、SCSI、USBなどにより、ハードディスクなどの記憶装置1507が接続されている。また、I/Oバス1509には、USBなどのバスを介して、キーボードおよびマウスなどのポインティング・デバイスなどの入力装置1508が接続され、システム管理者などのオペレータによる入力および指令を受付けている。
【0065】
コンテンツ再生装置103が使用するCPU1501としては、より具体的には、例えば、PENTIUM(登録商標)~PENTIUM IV(登録商標)、PENTIUM(登録商標)互換CPU、CORE2DUO(登録商標)、COREi3~i7(登録商標)、POWER PC(登録商標)、XEON(登録商標)などを挙げることができる。
【0066】
また、使用するオペレーティング・システム(OS)としては、MacOS(商標)、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、CHROME(登録商標)、ANDROID(登録商標)またはそれ以外の適切なOSを挙げることができる。さらに、コンテンツ再生装置103は、上述したOS上で動作する、C、C++、Visual C++、VisualBasic、Java(登録商標)、Java(登録商標)ScriptPerl、Rubyなどのプログラミング言語により記述されたアプリケーション・プログラムを格納し、実行する。
【0067】
また、本実施形態において使用されるコラボレーション・サーバ120、ストリーミング・サーバ130の機能構成も、提供機能に応じて実装形態は異なるものの、同様なハードウェア構成を採用することができる。
【0068】
なお、本実施形態のプログラムは、所謂「アプリ」として参照され、視聴者デバイスである、スマート・スピーカ104、タブレット端末105、スマートホン106などにダウンロードさせることで実行させることができる。また、コンテンツ視聴装置104においても、ネットワークを介してプログラムをダウントードさせ、コンパイルやリセットすることなく、実行可能なジャストインタイム・コンパイラを使用するプログラムなどを利用して実装することができる。
【0069】
本実施形態の視聴者が利用するデバイスについても基本的な要素は、図15に示したコンテンツ再生装置103の構成とは、公衆電話回線に接続する機能を備えることを除き、大きな相違は無く、例えば、CPUとして、スマートホン用のSnapdragon(登録商標)、Helio(登録商標)、Tegra(登録商標)、AppleAシリーズ(登録商標)、Exynos(登録商標)、Kirin(登録商標)などを使用することができる。またハードディスク装置といった記憶装置1507として、例えばNANDゲート型の随時書き換え可能なフラッシュメモリやSSDなどを使用することができる。
【0070】
また、視聴者が理由要するデバイスが実行するOSとしては、例えばAndroid(登録商標)、iOS(登録商標)、Bada(登録商標)、BlackBerryOS(登録商標)、Fire Fox(登録商標)、SymbianOS(登録商標)、BREW(登録商標)、WindowsMobile(登録商標)、WindowsPhone(登録商標)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
<第2実施形態>
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、シアター、ライブ講演などにおいて視聴者または観客の行動に応じてコンテンツを編集して提供する映像提供システムである。
【0072】
以下、本発明を、実施形態を以て説明するが本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。図16は、本実施形態の第1の実施形態の映像提供システム1600の実施形態を示す。図16に示した映像提供システム1600は、例えばシアター、シネコン、イベント会場と言った多数の視聴者が視聴する空間に設置することができる。映像提供システム1600は、スクリーン1601に対してプロジェクタ1602、1603からスクリーン1601に対して映像を投映して、スクリーン1601上に映像を投映して多数の視聴者の視聴を可能としている。
【0073】
スクリーン1601の近傍には、スピーカ1604が設置されており、プロジェクタ1602、1603から投映される映像に同期した音響を空間内に送付する用にされている。なお、図1に示したスピーカ1604は、2台に限られるものではなく、必要に応じて左右に4台、6台、8台というように空間の大きさや提供するべき音源の相違に対応して適宜設置することができる。例えば、2台を、プロジェクタ1602、1603から投影されるコンテンツに同期してエンコードされた音響を発生させるために使用し、他の2台を、後述する視聴者参加を可能とするためにIVRが受信した音声データをリアルタイムで再生するために使用することができる。
【0074】
また、図16に示した実施形態は、説明の目的でプロジェクタ1602、1603として2台使用するものとして説明するが、プロジェクタが独立した映像をデュアル投映できる構成のものであれば、プロジェクタを2台使用する必要は無いし、さらに多くのプロジェクタを使用することができる。プロジェクタ1602、1603は、例えばプロジェクタ1602からの映像に対して、プロジェクション・マッピングを行うことにより、視聴者により送付された情報に応じて映像を変化させるために使用される。
【0075】
映像提供システム1600は、さらにコンテンツ・サーバ1605と、コラボレーション・サーバ1606とを含んで構成される。コンテンツ・サーバ1605は、プロジェクタ1602、1603により投映するためのコンテンツおよびコンテンツのデコードシーケンスを制御する機能を備える。またコラボレーション・サーバ1606は、ウェブ・サーバおよび音声処理(IVR)サーバの機能を備えていている。コラボレーション・サーバ1606は、ネットワークまたは公衆電話網1607を介して空間内で映像を共有している視聴者からの携帯電話、スマートホン、タブレット端末などの携帯端末1608から視聴者が送付するユーザ情報、視聴者参加情報、音声情報などを処理する。なお、以下ネットワーク1607は、ギガビットイーサネット(登録商標)によるTCP/IPプロトコルを使用した通信の他、4G、5Gと言った無線通信プロトコルによるデータ通信や、公衆電話網を使用した音声通話またはデータ通信のいずれかまたは両方を含むものとして説明する。また、通信のためのアプリケーションは、Facetime(登録商標)、LINE(登録商標)、Facetime(登録商標)、Twitter(登録商標)などいわゆるSNSと言われるデータ通信を可能とする者であれば使用することができる。
【0076】
コラボレーション・サーバ1606は、視聴者からの応答に対応してコンテンツ・サーバ1605の映像デコード順を修正したり、追加の音声情報をスピーカ1604から生成させたりする機能を備えている。なお、コンテンツ・サーバ1605と、コラボレーション・サーバ1606とを分離した構成として図16に示すが、第2の実施形態では、機能的な構成を明確にする目的で分離したサーバとして説明するものであって、情報処理装置の能力が十分である限り、分離した構成とすることなく、単一のサーバ装置上に複数の機能を搭載することができる。
【0077】
図17は、第2の実施形態のコラボレーション・サーバ1606の機能ブロックを示した図である。コラボレーション・サーバ1606は、図17に示すようにインタフェース部1701と、ウェブ・サーバ部1702と、音声処理サーバ部1704とを含んで構成されている。ウェブ・サーバ部1702は、HTTPプロトコルを介してネットワーク1607を介して視聴者が送付するユーザ情報や、スマートホンなどで機能する専用アプリケーション(以下、単にスマホアプリとして参照する。)を介して送付される視聴者参加情報を受領して、ユーザ情報、使用端末形態、参加態様その他の情報を視聴者管理部1703に登録する機能を有している。視聴者参加情報には、視聴者がコンテンツを修正するためのキーワードやコマンドなどとして構成することができる視聴者トリガを含み、音声コールの場合には、視聴者の音声通話情報を含む。
【0078】
音声処理サーバ部1704は、いわゆるIVR機能を備えており、視聴者参加情報が音声情報の場合、音声情報を参加情報として参加情報解析部1705に送付する。また特定の実施形態では、受信した音声コールの音声情報を、そのままコンテンツ・サーバ1605に送付してスピーカ1604から発生させ、デコードしたデジタル・コンテンツの音声情報と重畳して、あたかも音声コールを送付した参加者がコンテンツに初めから居たように、当該空間に臨場している視聴者にその音声コールをフィードバックさせている。
【0079】
視聴者管理部1703は、予めネットワーク1607を介して送付された視聴者のユーザID、必要に応じてパスワード、端末形態、参加態様などの情報を収集し、ユーザ・データベース(図示せず)に登録する機能を備えている。また、ウェブ・サーバ部1702、音声処理サーバ部1704が、参加情報を受信した時に、視聴者の参加態様に対応した処理を参加情報解析部1705に実行させる機能を備えている。
【0080】
さらに、コラボレーション・サーバ1606は、視聴者から送付された視聴者参加情報を解析する、参加情報解析部1705と、トリガ抽出部1706とを含んで構成されている。参加情報解析部1705は、視聴者から送付された参加情報が、音声情報であるか、またはスマホアプリからのコマンドであるかを判断し、視聴者の参加形態に応じて視聴者参加情報をデコードし、視聴者参加の態様に応じたトリガ抽出部1706に視聴者参加情報に予め設定した視聴者トリガが含まれているか否かを判断する。
【0081】
視聴者トリガが含まれていなければ、コンテンツ・サーバ1605に対して特段の指令を行うことをしない。また、視聴者参加情報に予め設定した視聴者トリガが含まれていると判断した場合、コンテンツ・サーバ1605に対して指令を送付し、コンテンツ・サーバ1605がデコードするデジタル・コンテンツのデコード順を切替えたり、デジタル・コンテンツの映像部分と音声部分とを分離し、映像部分のみをデコードし、当該部分を他の音声情報に置き換える、プロジェクション・マッピングを行う、または他の音声情報と重畳したりすることで、映像上および音声上の視聴者参加を可能としている。なお、音声処理機能は、クラウドサーバとして構成することができ、このような音声処理を行うクラウドサービスとしては、例えば、Googleアシスタント(商標)、IBMSpeech to Text(登録商標)などのAIを含むサービスを使用することができるが、特定のクラウドサービスに限定されるものではない。
【0082】
さらにコラボレーション・サーバ1606は、レスポンスログ・データベース1707を管理している。レスポンスログ・データベースは、その回の上映ばかりではなく、過去に行った同一の動画またはイベントにおける視聴者参加の履歴を、ユーザ情報、ユーザ属性、上映時間、上映地域などと対応づけて視聴者参加の状態を登録する。視聴者参加の状態としては、例えばシーンの選択、音声情報の種類、スマホアプリからの指令の種類などを挙げることができ、コラボレーション・サーバ1606は、これらをレスポンスログとして蓄積する。
【0083】
第2の実施形態においては、コラボレーション・サーバ1606は、レスポンスログを解析し、当該上映またはイベントにおいて参加者の多くが共感するシーンや映像を選択し、コンテンツ内容を学習してコンテンツ・サーバ1605に表示させることができる。さらにレスポンスログ・データベース1707に集積されたレスポンス情報は、以後のコンテンツ作成のためのビッグデータとして使用することができる。
【0084】
図18は、第2の実施形態のコンテンツ・サーバ1605の機能ブロックを示す。コンテンツ・サーバ1605には、コラボレーション・サーバ1606から、視聴者トリガおよび存在する場合には、IVRが受信した音声信号が送付される。コンテンツ・サーバ1605は、これらの信号を処理するためのインタフェース部1801と、デコーダ1802と、コンテンツ・シーケンサ1803と、トリガ・バッファ1805とを備えている。
【0085】
以下、視聴者からの参加情報を受領した上流側の処理部からその機能を説明する。トリガ・バッファ1805は、参加情報に含まれていた視聴者トリガをバッファリングする機能を備えている。なお、シーンとは、複数のシーン、複数のGOP(Group of Picture)などから構成される、メインストリーム・コンテンツ内で一定の意味または属性を提供する時系列的な映像を意味する。
【0086】
コンテンツ・サーバ1605は、視聴者参加情報中の視聴者トリガに対応して次のシーンとしてデコードするべき視聴者参加を可能とする映像を提供するためのコンテンツを、オプション・データベース1809から予め読み出させる機能を備えている。コンテンツ・サーバ1605は、映像を提供するためのメインストリーム・コンテンツを、コンテンツ・データベース1808から読み出して、コンテンツ・バッファ1804に格納する。コンテンツ・バッファ1804に格納されたメインストリーム・コンテンツは、コンテンツ・シーケンサ1803の指令に応じてデコーダ1802へと送付され、プロジェクタ1602からの投映を可能とされている。
【0087】
また、コンテンツ・サーバ1605は、トリガ・バッファ1805内の視聴者トリガを判断して、視聴者に対してオプションを提供するため、後続する映像を提供するためのコンテンツをコンテンツ・バッファ1804に読み込ませ、コンテンツ・シーケンサ1803が読み出しを行うためのシーン順を登録した再生順テーブルを視聴者トリガに従って修正する。さらに必要に応じてコンテンツ・バッファ1804は、読み出したシーンの映像部分情報と音声情報部分とを分離して、映像部分だけ、または音声部分だけを再生するようにシーンのコンテンツを修正する処理を行う。
【0088】
この機能を提供するため、コンテンツ・サーバ1605は、視聴者トリガの内容および対応する誘導トリガの内容で指定されるオプション・コンテンツを指定する識別値を、例えばルックアップ・テーブルなどを使用して決定する。その後、決定した識別値を使用して識別値で指定されるオプション・コンテンツをコンテンツ・バッファに読み込ませている。
【0089】
コンテンツ・シーケンサ1803は、再生順テーブルを参照し、再生順の若い順にシーンまたはコンテンツをデコーダ1802に供給してデコードを開始させる。デコーダ1802は、H264、MPEG4、その他ハイビジョン対応、4K対応、8K対応、3D対応の適切なデコード方式を使用して、送付されたシーン列を復号し、VGA、SVGA、XGAなどの適切な映像ドライバを介してプロジェクタ1602にビデオ映像を供給している。
【0090】
また、コンテンツ・サーバ1605は、は、視聴者トリガに対応し、視聴者トリガが、例えばプロジェクション・マッピングを指令する場合には、プロジェクション・マッピングを行うためのシーンの再生順テーブルの該当するシーンの再生に同期してプロジェクション・マッピングのためのコンテンツを読み込ませ、当該プロジェクション・マッピング用のコンテンツをデコーダ1806に送付してプロジェクタ1603からの同期したプロジェクション・マッピングを可能とさせている。
【0091】
図19は、図17で説明した視聴者管理部1703が作成するユーザ・データベースの実施形態を示す。ユーザ・データベースには、ユーザを固有に識別するユーザ情報、ユーザのネットワーク情報、電話番号、アクセス種類などが登録されており、必要に応じて、ユーザがコンテンツの提供する誘導トリガに対してどのような反応を示したかを登録するリアクション情報を対応づけて登録することができる。
【0092】
コラボレーション・サーバ1606は、視聴者から最初にユーザ情報などの登録を受け、図19に示すユーザ・データベースに登録する。その後、メインストリーム・コンテンツに予め埋設したトリガタイミングが到来すると、参加させるべき視聴者をランダムまたはトリガに対して予め設定した属性情報を使用して参加させるべき視聴者を決定する。そして、コラボレーション・サーバ1606は、決定した視聴者に対してトリガとして設定した情報を送付する。
【0093】
視聴者は、当該トリガ情報に誘導されてスマホアプリのボタン、スクロールバーなどのGUIから参加情報をコラボレーション・サーバ1606に送付する。他の実施形態では、視聴者はコラボレーション・サーバ1606のIVR機能により着呼を受け、コラボレーション・サーバ1606に対して音声コールを送付することで、視聴者からの参加情報を送付することができる。
【0094】
コラボレーション・サーバ1606は、視聴者からの参加情報を受領して、上述した処理を行うことで、音声・映像、音声映像両方、映像、プロジェクション・マッピングなどの形態で視聴者参加を可能としている。
【0095】
図20は、第2の実施形態のメインストリーム・コンテンツ2000におけるトリガ登録形態およびデコードするべきシーンとして使用する情報の実施形態を示す。メインストリーム・コンテンツは、複数のシーン列により構成されていて、各シーンには、ヘッダ情報またはメタ情報が付されていて、シーン順やそのトリガ属性、時間、対応オプション・コンテンツ識別値などが登録されている。シーンの特定の時間位置には、トリガポイントとなることが設定されており、設定したトリガポイントの位置に応じて異なるオプション・コンテンツが呼び出し可能とされている。
【0096】
また、シーンには、単一のトリガポイントを設定することもできるし、複数のトリガポイントを設定することもでき、視聴者の応答の有無の時間位置により、呼び出すオプション・コンテンツを変更するように設定することができる。さらに、第2の実施形態では、デコードを行う際に、映像・音声の両部分をデコードするか、映像部分だけをデコードするか、または音声部分だけをデコードするかを設定することができる。この実施形態の場合、視聴者の参加情報に応じて、全く異なる映像を与えたり、同一の映像でも全く異なる音声情報を提供したりするなど、さらに視聴者参加の態様を多様化させることができる。
【0097】
図21は、第2の実施形態の映像提供システム1600が実行する処理のフローチャートである。図21の処理は、ステップS2100から開始し、ステップS2101で、メインストリーム・コンテンツ中のトリガポイントに達した時に、視聴者を決定し、適切な形式での誘導トリガを視聴者に送付する。ステップS2102では、トリガ・バッファに視聴者から送付された参加情報に含まれた視聴者トリガが存在するか否かを判断する。
【0098】
視聴者トリガが無い場合(no)、ステップS2105でタイムアウトか否かを判断し、タイムアウトでない場合(no)、処理をステップS2102に分岐させてさらに視聴者トリガの有無を確認する。一方、ステップS2105でタイムアウトが満了した場合(yes)、このトリガは視聴者が寝ているとか、トイレに立っているとか、全く気がつかないなどの理由で、不発に終わったと判断し、処理をステップS2106に分岐させて、メインストリーム・コンテンツのシーケンスのまま映像の提供をメインストリーム・コンテンツの終了まで継続する。
【0099】
一方、ステップS2102で、視聴者トリガが存在する場合(yes)、ステップS2103で視聴者トリガのメディア属性および内容に対応するオプション・コンテンツを、オプション・データベース1809から検索し、コンテンツ・バッファ1804に読み込ませ、ステップS2104で、コンテンツ・サーバ1605は、再生順テーブルの再生順を修正することで、再生シーケンスを設定する。その後、ステップS2106で、コンテンツ・シーケンサ1803が次に再生するべきシーンを読み込んで、デコーダ1802に送付し、指定された順でデコードを行い、ステップS2107でプロジェクタへとビデオ信号を送付して映像再生を可能とする。なおこのとき、視聴者参加情報に応じて、音声情報や映像情報として投映した映像に重畳して視聴者に提供することで、単一の視聴者の参加を空間に存在する全部の視聴者に共有させることができる。
【0100】
ステップS2108では、視聴者参加情報中にさらに他のキーワードやコマンドと言った視聴者トリガを検索し、ステップS2109で、視聴者トリガとして、シーン変更を要求する情報があるか否かを判断し、当該情報があれば(yes)、処理をステップS2104に分岐させてシーケンスの変更を行い、視聴者参加を可能とする。一方、ステップS2109で当該情報が無ければ(no)処理をステップS2106に分岐させてシーン変更を行わず、映像のデコードを継続する。
【0101】
以上の処理を使用することにより、視聴者を映像の進行に誘導し、かつそれを空間に存在する視聴者にあたかも当該視聴者が予め映画などの中に出演していたかのように演出することができ、さらにその感覚を視聴者全員に共有させることが可能となる。
【0102】
図22は、第2の実施形態で使用するシーンのデータ構成を示した図である。シーンには、ヘッダ情報2201と、複数のフレーム列として定義されるシーン内容2202とを含んで構成することができる。ヘッダ情報2201内には、メタ情報としてトリガポイントのタイマ時刻、トリガ種類、シーン番号などを設定することができる。シーン内容2202で規定されるシーンの時間長が視聴者参加区間を定義する。当該時間長の間に音声・映像などの態様でオプション・コンテンツを同期重畳することにより、シーンの変更や音声変更、プロジェクション・マッピングによる映像変調などを行うことが可能となる。
【0103】
図23は、第2の実施形態の映像提供システム1600が提供する映像コンテンツ2300の実施形態を示す。映像コンテンツ2301は、メインストリーム・コンテンツ2300のシーン・シーケンスを変えること無く、オプション情報として音声を変えたり、プロジェクション・マッピングを行ったりすることで、視聴者参加を可能とする実施形態であり、例えば、特定のイベントやコンサート会場などの映像・音楽などのコンテンツ提供のために使用することができる。
【0104】
また映像コンテンツ2302は、視聴者参加により、メインストリーム・コンテンツ2300のシーケンスが置き換えられる実施形態である。シーンAで視聴者参加情報を受領すると、コンテンツ・サーバ1605は、次のシーンを変更し、メインストリーム・コンテンツを変更する。そしてシーンBで、さらに他の視聴者参加情報を受領すると、その次のシーンを変えて映像を提供する。さらにシーンCで、さらに他の視聴者参加情報を受領してシーンのシーケンスを修正し、さらにシーンDでも視聴者参加情報に対応してシーンのシーケンスを修正して、映像の最後までこれを継続する。
【0105】
なお、シーンA~Dまでの間に視聴者参加情報を送付できる視聴者は同じでも良いし、異なっていても良い。またオプション情報は、音声情報としても良いし、プロジェクション・マッピングなどの映像情報としても良い。さらに他の実施形態においては、デジタル・コンテンツを表示するためにプロジェクション・マッピングを使用することもでき、オプション・コンテンツにメインストリーム・コンテンツをプロジェクション・マッピングして表示することもできるし、この逆も可能である。
【0106】
本実施形態の上記機能は、C++、Java(登録商標)、Java(登録商標)Beans、Java(登録商標)Applet、Java(登録商標)Script、Perl、Ruby、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラム、例えばアプリとして参照されるプログラムにより実現でき、ネットワークを通じたダウンロードや装置読書可能な記録媒体に記録して頒布することができる。また、第1の実施形態および第2の実施形態に共通する要素は、それぞれ共用することもできるし、特定の用途において、複数種類のコラボレーション・サーバを含むこともできる。
【0107】
以上のように、本発明によれば、表示装置に映る画像を視聴する視聴者を巻き込んだ形でコンテンツの進行を制御する映像提供システムおよびプログラムが提供できる。
【0108】
これまで本発明につき、実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23