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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ボディサイドパネル
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/02 20060101AFI20221006BHJP
   B62D 25/04 20060101ALI20221006BHJP
   B62D 25/06 20060101ALI20221006BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B62D25/02 B
B62D25/04 C
B62D25/06 A
B62D25/20 F
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021514495
(86)(22)【出願日】2019-04-15
(86)【国際出願番号】 IB2019000416
(87)【国際公開番号】W WO2020212717
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
(74)【代理人】
【識別番号】100137316
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 宏
(72)【発明者】
【氏名】竹本 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】松岡 直哉
(72)【発明者】
【氏名】鳥垣 俊和
(72)【発明者】
【氏名】三原 真弥
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-168040(JP,A)
【文献】特開2011-110971(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0257348(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00 - 25/08
B62D 25/14 - 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディ上下方向に延びるセンターピラー部と、前記センターピラー部の下端部を横切ってボディ前後方向に延びるシル部とを有するボディサイドパネルであって、
前記ボディサイドパネルの一方の主面を形成する一方の金属パネルと、前記ボディサイドパネルの他方の主面を形成するとともに前記一方の金属パネルとの間に空処を形成する他方の金属パネルと、前記空処において前記一方の金属パネルに一体成形した樹脂部材とを備え、
前記樹脂部材が、前記一方の金属パネル側から前記他方の金属パネル側に向けて突出するリブとして、前記センターピラー部の前縁及び後縁、並びに前記センターピラー部の下端部との交差領域を含む前記シル部の上縁及び下縁の夫々に沿って連続する連結リブを有すると共に、前記センターピラー部の下端部と前記シル部との交差領域に配置した下側交差リブとを有し、
夫々の前記連結リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔が、前記下側交差リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔よりも小さいことを特徴とするボディサイドパネル。
【請求項2】
前記センターピラー部の上端部を横切ってボディ前後方向に延びるルーフサイド部を有し、
前記樹脂部材が、前記一方の金属パネル側から前記他方の金属パネル側に向けて突出するリブとして、前記センターピラー部の上端部との交差領域を含む前記ルーフサイド部の上縁及び下縁の夫々に沿って連続する連結リブと、前記ルーフサイド部とセンターピラー部の上端部との交差領域に配置した上側交差リブとを有し、
夫々の前記連結リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔が、前記上側交差リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のボディサイドパネル。
【請求項3】
前記ルーフサイド部の下縁に沿って連続する前記連結リブが、前記センターピラー部の前縁及び後縁に沿って連続する前記連結リブの上端部と連続しており、
前記シル部の上縁に沿って連続する前記連結リブが、前記センターピラー部の前縁及び後縁に沿って連続する前記連結リブの下端部と連続していることを特徴とする請求項1又は2に記載のボディサイドパネル。
【請求項4】
前記シル部における前記一方及び他方の金属パネルの間隔が、前記センターピラー部における前記一方及び他方の金属パネルの間隔よりも大きいと共に、
前記シル部における前記連結リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔が、前記センターピラー部における前記連結リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1~3のずれか1項に記載のボディサイドパネル。
【請求項7】
前記シル部の下縁に沿って連続するシル下側連結リブの厚さ寸法が、他の前記連結リブの厚さ寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のボディサイドパネル。
【請求項9】
ボディ上下方向に延びるフロントピラー部とリアピラー部とを有し、
前記シル部の上縁及び下縁の夫々に沿って連続する前記連結リブが、前記フロントピラー部の下端部から前記リアピラー部の下端部に至る範囲にわたって連続していることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のボディサイドパネル。
【請求項11】
前記直線状交差リブは、凸曲面の中心から先端部に向けて厚さ寸法が漸次減少していることを特徴とする請求項10に記載のボディサイドパネル。
【請求項13】
前記樹脂部材が、不連続の炭素繊維を強化材とする熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載のボディサイドパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のボディサイドパネルに関し、さらに詳細には、一方及び他方の金属パネルを樹脂部材で強化したボディサイドパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のボディサイドパネルとしては、車両用衝撃エネルギー吸収構造の名称で特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、ボディサイドパネルのセンターピラー部において、アウタパネルとインナパネルとの間に、衝撃吸収部材を配置した構造が記載されている。衝撃吸収部材は、格子状に組み合わされた複数のリブで構成されており、リブをアウタパネル側に向けた状態にしてインナパネルに固定してある。
【0003】
この衝撃吸収部材は、前後方向を向く主面を有するリブが等間隔で配置してあると共に、上下方向を向く主面を有するリブが等間隔で配置してあり、側面衝突が発生した際にリブの変形を伴って衝撃エネルギーを吸収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2017-019428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したような従来のボディサイドパネルにあっては、センターピラーの内部に、複数のリブを等間隔で有する衝撃吸収部材を配置した構造であるため、側面衝突により車体が変形し始めると、アウタパネルが各リブに不均一に当たり、衝撃吸収効果が充分に発揮されない虞があることから、衝撃吸収機能の向上を図るうえでのさらなる改善が要望されていた。
【0006】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされてものであり、金属パネルを樹脂部材で強化した軽量なボディサイドパネルにおいて、衝撃吸収機能の向上を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わるボディサイドパネルは、ボディ上下方向に延びるセンターピラー部と、前記センターピラー部の下端部を横切ってボディ前後方向に延びるシル部とを有するものであって、前記ボディサイドパネルの一方の主面を形成する一方の金属パネルと、前記ボディサイドパネルの他方の主面を形成するとともに前記一方の金属パネルとの間に空処を形成する他方の金属パネルと、前記空処において前記一方の金属パネルに一体成形した樹脂部材とを備えている。このボディサイドパネルにおける前記樹脂部材は、前記一方の金属パネル側から前記他方の金属パネル側に向けて突出するリブとして、前記センターピラー部の前縁及び後縁、並びに前記センターピラー部の下端との交差領域を含む前記シル部の上縁及び下縁の夫々に沿って連続する連結リブを有すると共に、前記センターピラー部の下端部と前記シル部との交差領域に配置した下側交差リブとを有している。そして、ボディサイドパネルは、夫々の前記連結リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔が、前記下側交差リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔よりも小さいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
ボディサイドパネルは、側面衝突を受けると、車体構造上、主にセンターピラー部の下側範囲に高い衝撃エネルギーが加わる。これに対して、本発明に係わるボディサイドパネルは、一方の金属パネルに一体化された樹脂部材が、センターピラー部の前縁及び後縁、並びにセンターピラー部の下端との交差領域を含むシル部の上縁及び下縁の夫々に沿って連続する連結リブを有している。すなわち、樹脂部材の連結リブは、センターピラー部及びシル部といった骨格に沿うように連続的に配置してあり、いわゆるモノコック構造を構成している。そして、樹脂部材は、連結リブの先端部から他方の金属パネルに至る間隔が、交差リブの先端部から他方の金属パネルに至る間隔よりも小さい構成である。
【0009】
このため、本発明のボディサイドパネルは、外側からの衝撃を受けると、その衝撃エネルギーを全体で受けると共に、両金属パネルの変形に伴って、先に、他方の金属パネルに近い方である連結リブが他方の金属パネルに当たって変形又は崩壊し、一次的に衝撃エネルギーを吸収する。次いで、上記ボディサイドパネルは、樹脂部材の交差リブが他方の金属パネルに当たって変形又は崩壊し、二次的に衝撃エネルギーを吸収する。
【0010】
このようにして、本発明に係わるボディサイドパネルは、金属パネルを樹脂部材で強化した軽量なボディサイドパネルにおいて、側面衝突による衝撃エネルギーを二段階で吸収することとなり、衝撃吸収機能の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ボディサイドパネルを説明する分解斜視図である。
図2】本発明に係わるボディサイドパネルにおける主要なリブの配置を説明する側面図である。
図3図2中のA-A線矢視に基づく第1実施形態の断面図である。
図4図2中のB-B線矢視に基づく第1実施形態の断面図である。
図5図2中のA-A線矢視に基づく第2実施形態の断面図である。
図6図2中のB-B線矢視に基づく第2実施形態の断面図である。
図7図2中のA-A線矢視に基づく第3実施形態の断面図である。
図8図2中のB-B線矢視に基づく第3実施形態の断面図である。
図9図2中のA-A線矢視に基づく第4実施形態の断面図である。
図10図2中のB-B線矢視に基づく第4実施形態の断面図である。
図11図2中のA-A線矢視に基づく第5実施形態の断面図である。
図12図2中のB-B線矢視に基づく第5実施形態の断面図である。
図13図2中のA-A線矢視に基づく第6実施形態の断面図である。
図14図2中のB-B線矢視に基づく第6実施形態の断面図である。
図15】本発明の第7実施形態を示す交差リブの説明図である。
図16】本発明の第8実施形態を示す要部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〈第1実施形態〉
図1に示すボディサイドパネルBPは、当該ボディサイドパネルBPの一方の主面を形成する一方の金属パネル(アウタパネル)P1と、当該ボディサイドパネルBPの他方の主面を形成するとともに一方の金属パネルとの間に空処を形成する他方の金属パネル(インナパネル)P2と、空処において一方の金属パネルP1に一体成形した補強用の樹脂部材Rとを備えている。
【0013】
金属パネルP1,P2は、その材料が限定されるものではないが、一例として、軽量化に有利なアルミニウム合金であり、ブランク材にプレス加工を施すことにより所定の三次元形状に成形されている。金属パネルP1,P2は、後に、スポット溶接等の工程を経て互いに接合され、樹脂部材RとともにボディサイドパネルBPを構成する。
【0014】
樹脂部材Rは、その材料が限定されるものではないが、不連続の炭素繊維を強化材とする熱可塑性樹脂(CFRTP)であり、射出成形や樹脂プレス成形により一方の金属パネルP1に一体成形することができる。樹脂部材Rは、一方の金属パネルP1において、溶接箇所等を除いて、他方の金属パネルP2に対向する主面に形成され、他方の金属パネルP2側に突出した多数の補強用リブを一体的に有している。
【0015】
この実施形態のボディサイドパネルBPは、図2に示すように、ボディ上下方向に延びるセンターピラー部CPと、センターピラー部CPの下端部を横切ってボディ前後方向に延びるシル部SLと、センターピラー部CPの上端部を横切ってボディ前後方向に延びるルーフサイド部RSとを一体的に有している。
【0016】
また、ボディサイドパネルBPは、ルーフサイド部RS及びシル部SLの前端同士の間に配置されてボディ上下方向に延びるフロントピラー部FPと、ルーフサイド部RS及びシル部SLの後端同士の間い配置されてボディ上下方向に延びるリアピラー部RPとを一体的に有している。
【0017】
そして、上記のボディサイドパネルBPは、センターピラー部CPの前後に、前部ドアを配置する前側開口部FHと、後部ドアを配置する後側開口部RHとを有し、全体的に枠状を成す構造である。なお、樹脂部材Rは、図1に示す如く多数のリブを有するが、図2では、理解し易くする都合上、本発明に係わる主要なリフのみを示している。
【0018】
ボディサイドパネルBPを構成する樹脂部材Rは、一方の金属パネルP1側から他方の金属パネルP2側に向けて突出するリブとして、センターピラー部CPの前縁及び後縁の夫々に沿って連続するピラー前側連結リブ11A及びピラー後側連結リブ11Bと、センターピラー部CPの下端部との交差領域を含むシル部SLの上縁及び下縁の夫々に沿って連続するシル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bとを有している。つまり、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bは上記交差領域を横切る。ここで、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bは、フロントピラー部FPの下端部から、センターピラー部CPの下端部を経て、リアピラー部RPの下端部に至る範囲にわたって連続している。
【0019】
また、樹脂部材Rは、一方の金属パネルP1側から他方の金属パネルP2側に向けて突出するリブとして、センターピラー部CPの上端部との交差領域を含むルーフサイド部RSの上縁及び下縁の夫々に沿って連続するルーフ上側連結リブ13A及びルーフ下側連結リブ13Bを有している。ここで、ピラー前側連結リブ11A及びピラー後側連結リブ11Bは、その上端部が、ルーフ下側リブ13Bに連続していると共に、その下端部が、シル上側連結リブ12Aに連続している。
【0020】
さらに、樹脂部材Rは、センターピラー部CPの下端部とシル部SLとの交差領域に配置した下側交差リブ14と、センターピラー部CPの上端部とルーフサイド部RSとの交差領域に配置した上側交差リブ15とを有している。
【0021】
下側及び上側の交差リブ14,15は、センターピラー部CP側を凸曲面とする少なくとも1つの円弧状交差リブ14A,15Aと、凸曲面の中心から放射状に配置した少なくとも1つの直線状交差リブ14B,15Bとを有している。この実施形態における下側交差リブ14は、シル下側を円弧中心とする2つの円弧状リブ14A,14Aを同心状態に備えると共に、2つの直線状交差リブ14B,14Bを有している。
【0022】
他方、上側交差リブ15は、上側を円弧中心とする1つの円弧状リブ15Aと、2つの直線状交差リブ15B,15Bを有している。これらの交差リブ14(14A,14B),15(15A,15B)は、互いに交差すると共に、シル上側連結リブ12Aやルーフ上側連結リブ13Aとも交差している。
【0023】
図3は、図2中のA-A線矢視に基づく断面図、すなわちルーフサイド部RSとセンターピラー部CPとの交差領域の断面図であって、ルーフサイド部RSの断面とセンターピラー部CPの断面とが上下に現れている。図4は、図2中のB-B線矢視に基づく断面図、すなわちセンターピラー部CPとシル部SLとの交差領域の断面図であって、センターピラー部CPの断面とルーフサイド部RSの断面とが上下に現れている。
【0024】
図3に示す断面において、一方の金属パネルP1は、他方の金属パネルP2側に開放された断面形状を有し、車体外側(図中で右側)の竪壁部Paと、竪壁部Paの上端から車体内側に延出した上壁部Pbと、竪壁部Paの下端から車体内側に延出した下壁部Pcと、下壁部Pcの先端から下方に連続する垂下壁部Pdとを有している。
【0025】
図3に示す断面において、他方の金属パネルP2は、竪壁部Peと、竪壁部Peの上端から車体内側に延出した上壁部Pfとを有している。
【0026】
図3に示す断面において、上記の一方及び他方の金属パネルP1,P2は、一方の金属パネルP1における上壁部Pbの先端側の下面に、他方の金属パネルP2における上壁部Pfを接合すると共に、一方の金属パネルP1における垂下壁部Pdに、他方の金属パネルP2における竪壁部Peの下端部を接合する。これにより、一方及び他方の金属パネルP1,P2は、互いに接合して双方の間に空処Aを形成する。
【0027】
図4に示す断面において、一方の金属パネルP1は、他方の金属パネルP2側に開放された断面形状を有し、車体外側(図中右側)の竪壁部Pgと、竪壁部Pgの上端から車体内側に延出した上壁部Phと、上壁部Phの先端から上側に連続する上フランジ部Piとを有している。また、一方の金属パネルP1は、竪壁部Pgの下端から車体内側に且つ斜めに延出した下壁部Pjと、下壁部Pjの先端から下方に連続する下フランジ部Pkとを有している。
【0028】
図4に示す断面において、他方の金属パネルP2は、一方の金属パネルP1側に開放された断面形状を有し、車体内側(図中で左側)の竪壁部Pmと、竪壁部Pmの上端から車体外側に延出した上壁部Pnと、上壁部Pnの先端から上側に連続する上フランジ部Poとを有している。また、他方の金属パネルP2は、竪壁部Pmの下端から車体外側に延出した下壁部Ppと、下壁部Poの先端から下側に連続する下フランジ部Pqとを有している。
【0029】
ここで、ボディサイドパネルBPは、他方の金属パネルP2の竪壁部Pm、上壁部Pn及び下壁部Ppの範囲がシル部SLに相当する。そして、この実施形態のボディサイドパネルBPは、シル部SLにおける一方及び他方の金属パネルP1,P2の間隔(空処Aの幅)W1が、センターピラー部CPにおける一方及び他方の金属パネルP1,P2の間隔W2よりも大きい構造である。
【0030】
図4に示す断面において、上記の一方及び他方の金属パネルP1,P2は、一方の金属パネルP1における上フランジ部Pi及び下フランジ部Pkに、他方の金属パネルP2における上フランジ部Po及び下フランジ部Pqを夫々接合する。これにより、一方及び他方の金属パネルP1,P2は、互いに接合して双方の間に空処Aを形成する。空処Aは、ボディサイドパネルBPにおいて全体的に連通しており、その片側(車体外側)を構成する一方の金属パネルP2に樹脂部材Rが一体成形してある。
【0031】
そして、この実施形態のボディサイドパネルBPは、図3及び図4に示すように、夫々の連結リブ(11A,11B、12A,12B、13A,13B)の先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S1が、交差リブ(14,15)の先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S2よりも小さい構造になっている。換言すれば、各々のリブは、いずれも一方の金属パネルP1の竪壁部Pa,Pg側を基端部としているので、連結リブの突出寸法L1が、交差リブの突出寸法L2よりも大きい構造である。
【0032】
より具体的には、図3に示すルーフサイド部RS側では、ルーフ上側連結リブ13A、ルーフ下側連結リブ13B及びピラー前側連結リブ11Aの先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S1は、上側交差リブ15の先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S2よりも小さい。また、図4に示すシル部SL側では、ピラー後側連結リブ11B、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bの先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S1は、下側交差リブ14の先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S2よりも小さい。
【0033】
なお、この実施形態のボディサイドパネルBPは、図4に示すように、シル部SLの両金属パネルP1,P2の間隔W1が、センターピラー部CPの両金属パネルP1,P2の間隔W2よりも大きい。このような構造では、上記したリブ先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔(S1,S2)の大小関係が、金属パネルP1,P2の間隔(W1,W2)の大小関係により逆転する箇所が生じる場合がある。このため、リブ先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔(S1,S2)の大小関係は、シル部SL及びセンターピラー部CPの夫々において設定するのがより望ましい。
【0034】
上記構成を備えたボディサイドパネルBPは、一方の金属パネルP1に一体化された樹脂部材Rが、センターピラー部CPの前縁及び後縁、シル部SLの上縁及び下縁、並びにルーフサイド部RSの上縁及び下縁の夫々に沿って連続する連結リブ(11A,11B、12A,12B,13A,13B)を有している。すなわち、樹脂部材Rの連結リブ(11A,11B、12A,12B,13A,13B)は、センターピラー部CP、シル部SL及びルーフサイド部RSといった骨格の長手方向にわたって連続的に配置してあり、いわゆるモノコック構造を構成している。
【0035】
上記のボディサイドパネルBPは、側面衝突を受けると、車体構造上、主にセンターピラー部CPの下側範囲に高い衝撃エネルギーが加わる。すなわち、ボディサイドパネルBPは、車体を構成した状態では、図2に示すフロントピラー部FPの下端部(Q1)、及びリアピラー部RPの下端部(Q2)には、車体左右方向にわたるクロスメンバが夫々存在する。このため、ボディサイドパネルBPは、側部から衝撃を受けた場合、フロント及びリアのピラー部FP,RPの下端部は車体側で補強されている。これに対して、センターピラー部CPの下端部は、他のピラー部FP,RPに比べて車体側での補強の度合いが弱いため、その下側範囲に高い衝撃エネルギーが加わるのである。
【0036】
上記のボディサイドパネルBPは、外側からの衝撃を受けると、連結リブ(11A,11B、12A,12B,13A,13B)によるモノコック構造により、その衝撃エネルギーを全体で受ける。このとき、ボディサイドパネルBPは、夫々の連結リブ(11A,11B、12A,12B,13A,13B)の先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S1を、交差リブ(14,15)の先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S2よりも小さくしている。
【0037】
このため、上記のボディサイドパネルBPは、モノコック構造により衝撃エネルギーを受けると共に、両金属パネルの変形に伴って、先に、他方の金属パネルPに近い方である連結リブ(11A,11B、12A,12B,13A,13B)が他方の金属パネルP2に当たって変形又は崩壊し、一次的に衝撃エネルギーを吸収(解放)する。次いで、上記ボディサイドパネルBPは、樹脂部材Rの交差リブ(14,15)が他方の金属パネルP2に当たって変形又は崩壊し、二次的に衝撃エネルギーを吸収(解放)する。
【0038】
このようにして、上記のボディサイドパネルBPは、一方の金属パネルP1と他方の金属パネルP2とを樹脂部材で強化した軽量なものであるうえに、側面衝突による衝撃エネルギーを二段階で吸収することとなり、衝撃吸収機能の向上を実現することができる。また、この実施形態のボディサイドパネルBPは、センターピラー部CPの上下に同様のリブ構造を有するので、衝撃エネルギーが高いセンターピラー部CPの下端部だけでなく、その上下両側で高い衝撃吸収機能を得ることができ、全体的な剛性や安全性の向上に貢献し得る。
【0039】
また、上記のボディサイドパネルBPは、ピラー前側連結リブ11A及びピラー後側連結リブ11Bの上端部が、ルーフ下側リブ13Bに連続していると共に、ピラー前側連結リブ11A及びピラー後側連結リブ11Bの下端部が、シル上側連結リブ12Aに連続している。これにより、ボディサイドパネルBPは、高い衝撃吸収機能の確保に加えて、全体的な剛性のさらなる向上を実現する。
【0040】
さらに、上記のボディサイドパネルBPは、シル部SLにおけるシル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bが、フロントピラー部FPの下端部から、センターピラー部CPの下端部を経てリアピラー部RPの下端部に至る範囲にわたって連続している。これにより、ボディサイドパネルBPは、側面衝突を受けた際に、シル部SLの変形を抑制することができる。
【0041】
つまり、ボディサイドパネルBPは、連続リブが無い状態で側面衝突を受けると、シル部SLが車体内側に変形するのに伴って、図2中の矢印Bで示すように、シル部SLの前端側が跳ね上がるように座屈する場合がある。そこで、上記のボディサイドパネルBPは、高い衝撃吸収機能の確保に加えて、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bを車体の前後方向全体に連続させることで、シル部SLの剛性を高めて、シル部の座屈を防止する。
【0042】
さらに、上記のボディサイドパネルBPは、センターピラー部CP側を凸曲面とする少なくとも1つの円弧状交差リブ14A,15Aと、凸曲面の中心から放射状に配置した少なくとも1つの直線状交差リブ14B,15Bとを有する下側及び上側の交差リブ14,15を採用している。これにより、ボディサイドパネルBPは、高い衝撃吸収機能の確保に加えて、センターピラーCPの上端部及び下端部に対する負荷を全体に荷重分担させることができる。つまり、ボディサイドパネルBPは、連結リブ(11A,11B、12A,12B,13A,13B)で吸収しきれない衝撃エネルギーに対して、必要な強度及び剛性を必要最小量の交差リブ14,15で確保し得る。
【0043】
本発明に係わるボディサイドパネルBPにおいて、樹脂部材Rとしては、自動車のボディサイドパネルに適用可能であれば特に限定されず、例えば、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂などの繊維強化樹脂を挙げることができる。炭素繊維強化樹脂としては、ボディサイドパネルの全体剛性の向上と軽量化の観点からは、炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)を好適例として挙げることができる。
【0044】
炭素繊維強化熱可塑性樹脂に含まれる炭素繊維としては、例えば、繊維束が単繊維1000本~24000本程度からなるレギュラートウ、繊維束が単繊維40000本以上からなるラージトウなどを挙げることができ、リサイクル材や不織布を用いることもできる。
【0045】
炭素繊維強化熱可塑性樹脂に含まれる樹脂としては、例えば、ポリアミド(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、メタキシレンジアミン6(MXD6)、及びポリノナメチレンテレフタルアミド(PA9T)等を挙げることができる。
【0046】
本発明のボディサイドパネルBPは、とくに、不連続の炭素繊維を強化材とした熱可塑性樹脂を樹脂部材Rに用いることで、射出成形や樹脂プレス成形により一方の金属パネルP1に樹脂部材Rを一体化することが容易である。また、ボディサイドパネルBPは、樹脂部材Rにおいて、比較的長い不連続繊維を用いることで、強度及び剛性をより高めることが可能である。さらに、ボディサイドパネルBPは、一方の金属パネルP1に、射出成形やプレス成形により樹脂部材Rを一体成形し得るので、製造のサイクルタイムの短縮化やリブの設計の自由度向上を実現する。
【0047】
図5図16は、本発明に係わるボディサイドパネルの第2~第8の実施形態を説明する図である。図5図7図9図11及び図13は、図2中のA-A線矢視に基づくルーフサイド部及びセンターピラー部の断面図である。図6図8図10図12及び図14は、図2中のB-B線矢視に基づくセンターピラー部及びシル部の断面図である。以下の各実施形態において、第1実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0048】
〈第2実施形態〉
図5及び図6に要部を示すボディサイドパネルBPは、とくに図6に示すように、シル部SLにおける一方及び他方の金属パネルP1,P2の間隔(空処Aの幅)W1が、センターピラー部CPにおける一方及び他方の金属パネルP1,P2の間隔W2よりも大きい構造である。
【0049】
そして、ボディサイドパネルBPは、樹脂部材Rに関して、シル部S1における連結リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔が、前記センターピラー部における前記連結リブの先端部から前記他方の金属パネルに至る間隔よりも大きい構造である。
【0050】
より具体的には、ボディサイドパネルBPは、図6に示すように、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bの先端部から前記他方の金属パネルP2に至る間隔S1(S1a)が、ピラー後側連結リブ11Bの先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S1(S1b)よりも大きい。図示例では、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bは、他方の金属パネルP2の上フランジ部Poを超える突出寸法L1を有している。ピラー後側連結リブ11Bは、他方の金属パネルP2の上フランジ部Poに達しないので、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bよりも短い。
【0051】
上記構成を備えたボディサイドパネルBPは、側面衝突を受けた際、シル部SLで衝撃を受けて全体が均等に変形し、ル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bにより衝撃エネルギーを吸収するのに続いて、ピラー後側連結リブ11Bにより衝撃エネルギーを吸収し、さらに、下側交差リブ14により衝撃エネルギーを吸収する。このようにして、ボディサイドパネルBPは、先の実施形態と同様の衝撃吸収機能に加え、とくに、シル部SLで衝撃力を確実に受け止めて、シル部SLの局所的な変形を抑制することができる。
【0052】
〈第3実施形態〉
図7及び図8に要部を示すボディサイドパネルBPは、樹脂部材Rに関して、夫々の連結リブが、先端部から他方の金属パネルP1に至る間隔及び厚さ寸法が異なるものを含むと共に、間隔が小さいほど厚さ寸法が大きい構造である。
【0053】
より具体的には、この実施形態のボディサイドパネルBPは、とくに図8に示すように、シル上側連結リブ12Aが、他の連結リブ11B,12Bの幅寸法T2よりも大きい幅寸法T1を有している。このシル上側連結リブ12Aは、先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S1(S1a)が、他の連結リブ11B,12Bの同間隔S1(S1b)よりも小さい。
【0054】
上記構成を備えたボディサイドパネルBPは、側面衝突を受けた際、最初に、幅寸法T1が最大であるシル上側連結リブ12Aが他方の金属パネルP2に当たり、初期の衝撃エネルギーを吸収する。これにより、ボディサイドパネルBPは、先の実施形態と同様の衝撃吸収機能に加え、とくに、初期の強い衝撃力を受け止めることができる。なお、上記実施形態では、シル上側連結リブ12Aが大きい幅寸法T1を有するものとしたが、それ以外に選択した連結リブを同様の構成にすることも当然可能である。
【0055】
〈第4実施形態〉
図9及び図10に要部を示すボディサイドパネルBPは、樹脂部材Rに関して、夫々の連結リブは、先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S1を同一にした構造である。
【0056】
より具体的には、この実施形態のボディサイドパネルBPは、図9に示すルーフ上側連結リブ13A、ルーフ下側連結リブ13B及びピラー前側連結リブ11A、並びに図10に示すピラー後側連結リブ11B、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bに関して、夫々の先端部から他方の金属パネルP2に至る間隔S1が同一である。
【0057】
上記構成を備えたボディサイドパネルBPは、側面衝突を受けた際、ルーフ上側連結リブ13A、ルーフ下側連結リブ13B、ピラー前側連結リブ11A、ピラー後側連結リブ11B、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bが、初期の衝撃を同時に分担することとなり、次いで、上下の交差リブ15,14が二次的な衝撃を吸収する。これにより、ボディサイドパネルBPは、先の実施形態と同様の衝撃吸収機能に加え、とくに、初期の強い衝撃力を受け止めることができる。
【0058】
〈第5実施形態〉
図11及び図12に要部を示すボディサイドパネルBPは、樹脂部材Rに関して、シル下側連結リブ12Bの厚さ寸法T1が、他の連結リブの厚さ寸法T2よりも大きい構造である。
【0059】
上記構成を備えたボディサイドパネルBPは、側面衝突を受けた際、主にシル下側連結リブ12Bが、初期の衝撃を吸収することとなり、次いで、上下の交差リブ15,14が二次的な衝撃を吸収する。これにより、ボディサイドパネルBPは、先の実施形態と同様の衝撃吸収機能に加え、とくに、初期の強い衝撃力をより効果的に吸収することができる。
【0060】
〈第6実施形態〉
図13及び図14に要部を示すボディサイドパネルBPは、樹脂部材Rに関して、夫々の連結リブの厚さ寸法が、交差リブの厚さ寸法よりも大きい構造である。
【0061】
より具体的には、この実施形態のボディサイドパネルBPは、図13に示すルーフ上側連結リブ13A、ルーフ下側連結リブ13B及びピラー前側連結リブ11A、並びに図14に示すピラー後側連結リブ11B、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12Bに関して、夫々の厚さ寸法T1が、上側交差リブ15及び下側交差リブ14の厚さ寸法T2よりも大きい。
【0062】
上記構成を備えたボディサイドパネルBPは、側面衝突を受けた際、最初に他方の金属パネルP2に当たるルーフ上側連結リブ13A、ルーフ下側連結リブ13B、ピラー前側連結リブ11A、ピラー後側連結リブ11B、シル上側連結リブ12A及びシル下側連結リブ12B厚さ寸法T1が大きいので、初期の強い衝撃を確実に吸収し、次いで、上下の交差リブ15,14が二次的な衝撃を吸収する。これにより、ボディサイドパネルBPは、先の実施形態と同様の衝撃吸収機能に加え、とくに、初期の強い衝撃力をより効果的に吸収することができる。
【0063】
〈第7実施形態〉
図15に要部を示すボディサイドパネルBPは、樹脂部材Rに関して、交差リブ14,15が、円弧状交差リブ14A,15Aと、直線状交差リブ14B,15Bとを有し、とくに、直線状交差リブ14B,15Bの厚さ寸法が、凸曲面の中心から先端部に向けて漸次減少している構造である。
【0064】
上記構成を備えたボディサイドパネルBPは、側面衝突を受けた際、外側から加わる荷重はパネル端部で最大となり、パネル内部に向かうほど分散されるので、直線状交差リブ14B,15Bの厚さ寸法を凸曲面の中心から先端部、すなわちパネル端部から内側に向けて漸次減少させている。これにより、ボディサイドパネルBPは、先の実施形態と同様の衝撃吸収機能に加え、とくに、交差リブ14,15の必要強度を維持しつつリブ全体の容積を必要最小限にすることができ、さらなる軽量化に貢献することができる。
【0065】
〈第8実施形態〉
図16に要部を示すボディサイドパネルBPは、樹脂部材Rに関して、夫々の連結リブ11A,11B,12A,12B,13A,13Bは、交差リブ14,15との交差部分に、厚さ寸法を増す隅肉部16を有する構造である。この実施形態では、交差部分の4箇所に隅肉部16を設けている。
【0066】
上記構成を備えたボディサイドパネルBPは、先の実施形態と同様の衝撃吸収機能に加え、とくに、連結リブと交差リブとの交差部分に設けた隅肉部16により、リブ同士が強固に連結されて全体の剛性が向上する。換言すれば、ボディサイドパネルBPは、リブ同士の結合力がより一層向上するので、リブの厚さ寸法を小さくしても所望の強度を維持することが可能であり、さらなる軽量化に貢献することができる。
【0067】
本発明に係わるボディサイドパネルは、その構成が上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能であると共に、各実施形態で説明した構造を選択的に組み合わせることも可能である。上記各実施形態では、連結リブ及び交差リブにより、二段階で衝撃を吸収する構成を例示したが、理論的には、各リブの長さや幅寸法を調整して二段階を超える衝撃吸収機能を得ることも可能である。但し、本発明に係わるボディサイドパネルは、上記各実施形態の構成により、側面衝突時の衝撃を二段階で充分に吸収することができる。
【0068】
また、本発明に係わるボディサイドパネルは、図2に示すように前後のドアを配置するタイプでは、フロントピラー部やリアピラー部に連結リブを設けたり、これらとシル部SL及びルーフサイド部との交差領域に交差リブを設けたりすることも可能であり、片側に1つのドアを配置するタイプにも適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
A 空処
BP ボディサイドパネル
FP フロントピラー部
P1 一方の金属パネル
P2 他方の金属パネル
R 樹脂部材
RP リアピラー部
RS ルーフサイド部
SP センターピラー部
SL シル部
11A ピラー前側連結リブ
11B ピラー後側連結リブ
12A シル上側連結リブ
12B シル下側連結リブ
13A ルーフ上側連結リブ
13B ルーフ下側連結リブ
14 下側交差リブ
14A 円弧状交差リブ
14B 直線状交差リブ
15 上側交差リブ
15A 円弧状交差リブ
15B 直線状交差リブ
16 隅肉部
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
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図15
図16