(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、及びプリント配線板
(51)【国際特許分類】
C08G 59/40 20060101AFI20221006BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20221006BHJP
C08J 5/24 20060101ALI20221006BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20221006BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
C08G59/40
B32B15/08 J
C08J5/24
C08L63/00 A
H05K1/03 610H
(21)【出願番号】P 2020182384
(22)【出願日】2020-10-30
(62)【分割の表示】P 2017527439の分割
【原出願日】2016-07-04
【審査請求日】2020-11-20
(31)【優先権主張番号】P 2015135204
(32)【優先日】2015-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】大西 展義
(72)【発明者】
【氏名】高野 与一
(72)【発明者】
【氏名】千葉 友
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 環
(72)【発明者】
【氏名】志賀 英祐
【審査官】古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-037485(JP,A)
【文献】国際公開第2011/108524(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/115069(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/132654(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/141689(WO,A1)
【文献】特開2015-044969(JP,A)
【文献】特開2010-168470(JP,A)
【文献】特開2010-209140(JP,A)
【文献】特開平06-329762(JP,A)
【文献】特開2016-196557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G
C08L
C08J
B32B
H05K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアン酸エステル化合物、又は、シアン酸エステル化合物及びフェノール樹脂
と、マレイミド化合物と、エポキシ樹脂と、を含む熱硬化性樹脂と、
官能基変性共重合体と、
無機充填材と、を含み、
前記官能基変性共重合体が、2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位、又は、1
種若しくは2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位及びアクリロニトリル単位を有
し、
前記アルキル(メタ)アクリレート単位の有するアルキルエステル基及び/又は前記ア
クリロニトリル単位の有するシアノ基の少なくとも一部が、エポキシ基、カルボキシル基
、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種に変性されたものであり、
前記無機充填材の含有量が、樹脂組成物の総量に対して、40~80質量%であり、
前記マレイミド化合物の含有量が、樹脂組成物の樹脂成分の総量に対して、5~35質
量%であり、
前記シアン酸エステル化合物の含有量が、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、1
0~45質量%であり、
前記エポキシ樹脂の含有量が、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、10~45質
量%である、
樹脂組成物。
【請求項2】
前記熱硬化性樹脂が、アルケニル置換ナジイミドをさらに含む、
請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記アルケニル置換ナジイミドが、式(1)で表される化合物を含む、
請求項2に記載の樹脂組成物。
【化1】
(式中、R
1は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を示し、
R
2は、炭素数1~6のアルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、
又は式(2)若しくは(3)で表される基を示す。)
【化2】
(式中、R
3は、メチレン基、イソプロピリデン基、-CO-、-O-、-S-、又はS
O
2で表される置換基を示す。)
【化3】
(式中、R
4は、各々独立して、炭素数1~4のアルキレン基、炭素数5~8のシクロア
ルキレン基、又は-SO
2-を示す。)
【請求項4】
前記アルケニル置換ナジイミドが、式(4)及び/又は(5)で表される化合物を含む
、
請求項2又は3に記載の樹脂組成物。
【化4】
【化5】
【請求項5】
前記マレイミド化合物が、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス{4
-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル}プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル
-4-マレイミドフェニル)メタン、及び式(6)で表されるマレイミド化合物からなる
群より選ばれる少なくとも1種を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【化6】
(式中、R
5は、各々独立して、水素原子又はメチル基を表し、n
1は1以上の整数を表す
。)
【請求項6】
前記シアン酸エステル化合物が、式(7)及び/又は(8)で表される化合物を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【化7】
(式(7)中、R
6は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、n
2は1以上の整数を
表す。)
【化8】
(式(8)中、R
7は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、n
3は1以上の整数を
表す。)
【請求項7】
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が、50~500g/eq.である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記無機充填材が、ベーマイト及び/又はシリカ類を含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記熱硬化性樹脂の含有量が、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、30~95質
量%である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記官能基変性共重合体の含有量が、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、0.5
~50質量%である、
請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
基材と、
該基材に含浸又は塗布された、請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、
を有する、
プリプレグ。
【請求項12】
前記基材が、Eガラスクロス、Tガラスクロス、Sガラスクロス、Qガラスクロス及び
有機繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項11に記載のプリプレグ
。
【請求項13】
シート基材と、
該シート基材の片面または両面に積層された、請求項1~10のいずれか1項に記載の
樹脂組成物と、を有する、
レジンシート。
【請求項14】
金属箔と、
該金属箔上に配された、請求項11及び12に記載のプリプレグ、並びに、請求項13
に記載のレジンシートからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を有する、
金属箔張積層板。
【請求項15】
絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前
記絶縁層が、請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む、
プリント配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、及びプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器や通信機、パーソナルコンピューター等に広く用いられている半導体パッケージの高機能化、小型化が進むに従い、半導体パッケージ用の各部品の高集積化や高密度実装化が近年益々加速している。それに伴い、半導体素子と半導体プラスチックパッケージ用プリント配線板との熱膨張率の差によって生じる半導体プラスチックパッケージの反りが問題となっており、様々な対策が講じられてきている。
【0003】
その対策の一つとして、プリント配線板に用いられる絶縁層の低熱膨張化が挙げられる。これは、プリント配線板の熱膨張率を半導体素子の熱膨張率に近づけることで反りを抑制する手法であり、現在盛んに取り組まれている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0004】
半導体プラスチックパッケージの反りを抑制する手法としては、プリント配線板の低熱膨張化以外にも、積層板の剛性を高くすること(高剛性化)や積層板のガラス転移温度を高くすること(高Tg化)が検討されている(例えば、特許文献4及び5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-216884号公報
【文献】特許第3173332号公報
【文献】特開2009-035728号公報
【文献】特開2013-001807号公報
【文献】特開2011-178992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1~3に記載の従来の手法によるプリント配線板の低熱膨張化は既に限界が近づいており、さらなる低熱膨張化が困難となっている。
【0007】
積層板の高剛性化は積層板に使用する樹脂組成物中にフィラーを高充填させることや、アルミナなどの高弾性率の無機充填材を使用することで達成される。しかしながら、フィラーの高充填化は積層板の成形性を悪化させ、アルミナなどの無機充填材の使用は積層板の熱膨張率を悪化させてしまう問題がある。したがって、積層板の高剛性化は半導体プラスチックパッケージの反りの抑制を十分に達成できていない。
【0008】
また、積層板の高Tg化による手法はリフロー時の弾性率を向上させることから、半導体プラスチックパッケージの反り低減に効果を示す。しかしながら、高Tg化による手法は、架橋密度の上昇による吸湿耐熱性の悪化や、成形性の悪化によるボイドの発生を引き起こすことから、非常に高い信頼性が必要とされる電子材料分野では実用上問題となることが多い。すなわち、低熱膨張性に加え、銅箔ピール強度、成形性を満足する樹脂組成物はなく、これらの問題を解決する手法が望まれている。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、熱膨張率が低く、銅箔ピール強度が高い硬化物を与えることができ、かつ、成形性に優れる樹脂組成物、並びに、該樹脂組成物を用いた、プリプレグ、金属箔張積層板、及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った。その結果、所定の官能基変性共重合体を用いることにより、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
シアン酸エステル化合物及び/又はフェノール樹脂と、マレイミド化合物と、エポキシ樹脂と、を含む熱硬化性樹脂と、
官能基変性共重合体と、
無機充填材と、を含み、
前記官能基変性共重合体が、2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位、又は、1種若しくは2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位及びアクリロニトリル単位を有し、
前記アルキル(メタ)アクリレート単位の有するアルキルエステル基及び/又は前記アクリロニトリル単位の有するシアノ基の少なくとも一部が、エポキシ基、カルボキシル基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種に変性されたものであり、
前記無機充填材の含有量が、樹脂組成物の総量に対して、40~80質量%であり、
前記マレイミド化合物の含有量が、樹脂組成物の樹脂成分の総量に対して、5~35質量%である、
樹脂組成物。
〔2〕
前記熱硬化性樹脂が、アルケニル置換ナジイミドをさらに含む、
〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕
前記アルケニル置換ナジイミドが、式(1)で表される化合物を含む、
〔2〕に記載の樹脂組成物。
【化1】
(式中、R
1
は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を示し、R
2
は、炭素数1~6のアルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、又は式(2)若しくは(3)で表される基を示す。)
【化2】
(式中、R
3
は、メチレン基、イソプロピリデン基、-CO-、-O-、-S-、又はSO
2
で表される置換基を示す。)
【化3】
(式中、R
4
は、各々独立して、炭素数1~4のアルキレン基、炭素数5~8のシクロアルキレン基、又は-SO
2
-を示す。)
〔4〕
前記アルケニル置換ナジイミドが、式(4)及び/又は(5)で表される化合物を含む、
〔2〕又は〔3〕に記載の樹脂組成物。
【化4】
【化5】
〔5〕
前記マレイミド化合物が、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス{4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル}プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、及び式(6)で表されるマレイミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、
〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【化6】
(式中、R
5
は、各々独立して、水素原子又はメチル基を表し、n
1
は1以上の整数を表す。)
〔6〕
前記シアン酸エステル化合物が、式(7)及び/又は(8)で表される化合物を含む、
〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【化7】
(式(7)中、R
6
は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、n
2
は1以上の整数を表す。)
【化8】
(式(8)中、R
7
は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、n
3
は1以上の整数を表す。)
〔7〕
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が、50~500g/eq.である、
〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔8〕
前記無機充填材が、ベーマイト及び/又はシリカ類を含む、
〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔9〕
前記熱硬化性樹脂の含有量が、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、30~95質量%である、
〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔10〕
前記官能基変性共重合体の含有量が、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、0.5~50質量%である、
〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔11〕
前記シアン酸エステル化合物の含有量が、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、10~45質量%であり、
前記エポキシ樹脂の含有量が、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、10~45質量%である、
〔1〕~〔10〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔12〕
基材と、
該基材に含浸又は塗布された、〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、を有する、
プリプレグ。
〔13〕
前記基材が、Eガラスクロス、Tガラスクロス、Sガラスクロス、Qガラスクロス及び有機繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種である、〔12〕に記載のプリプレグ。
〔14〕
シート基材と、
該シート基材の片面または両面に積層された、〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、を有する、
レジンシート。
〔15〕
金属箔と、
該金属箔上に配された、〔12〕及び〔13〕に記載のプリプレグ、並びに、〔14〕に記載のレジンシートからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を有する、
金属箔張積層板。
〔16〕
絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が、〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む、
プリント配線板。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、熱膨張率が低く、銅箔ピール強度が高い硬化物を与えることができ、かつ、成形性に優れる樹脂組成物、並びに、該樹脂組成物を用いた、プリプレグ、金属箔張積層板、及びプリント配線板を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0014】
〔樹脂組成物〕
本実施形態の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、官能基変性共重合体と、無機充填材と、を含み、前記官能基変性共重合体が、2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位、又は、1種若しくは2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位及びアクリロニトリル単位を有し、前記アルキル(メタ)アクリレート単位の有するアルキルエステル基及び/又は前記アクリロニトリル単位の有するシアノ基の少なくとも一部が、エポキシ基、カルボキシル基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種に変性されたものである。
【0015】
通常、熱膨張率を低下させようとするとガラス転移温度もそれに伴って低下するという問題がある。これに対して、本実施形態の樹脂組成物では、官能基変性共重合体を用いることにより、熱膨張率の低下とガラス転移温度の向上を共に達成することができる。さらに、エポキシ基等を有することにより、樹脂組成物の硬化物と銅箔の密着性が向上し、結果として、銅箔ピール強度の向上を図ることもできる。以下、各成分について、説明する。
【0016】
〔熱硬化性樹脂〕
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、マレイミド化合物、シアン酸エステル化合物、及びエポキシ樹脂を含む組合せ(第1態様);マレイミド化合物、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を含む組合せ(第2態様);マレイミド化合物、アルケニル置換ナジイミド、及びエポキシ樹脂を含む組合せ(第3態様);マレイミド化合物、アルケニル置換ナジイミド、及びシアン酸エステル化合物を含む組合せ(第4態様);マレイミド化合物、アルケニル置換ナジイミド、シアン酸エステル化合物、及びエポキシ樹脂を含む組合せ(第5態様);及び、マレイミド化合物、アルケニル置換ナジイミドを含む組合せ(第6態様)が挙げられる。以下、各態様について述べる。
【0017】
(第1態様)
第1態様において、樹脂組成物は、マレイミド化合物、シアン酸エステル化合物、及びエポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂を含む。このような熱硬化性樹脂を用いることにより、耐熱性、吸水性、絶縁性、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0018】
(マレイミド化合物)
マレイミド化合物としては、分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、N-フェニルマレイミド、N-ヒドロキシフェニルマレイミド、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス{4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル}プロパン、ビス(3,5-ジメチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5-ジエチル-4-マレイミドフェニル)メタン、式(6)で表されるマレイミド化合物、これらマレイミド化合物のプレポリマー、若しくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーが挙げられる。このなかでも、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス{4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル}プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、及び式(6)で表されるマレイミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。このようなマレイミド化合物を含むことにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低下し、耐熱性がより向上する傾向にある。マレイミド化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【化9】
(式中、R
5は、各々独立して、水素原子又はメチル基を表し、n
1は1以上の整数を表す。)
【0019】
式(6)中、R5は、水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子を示す。
【0020】
式(6)中、n1は1以上の整数を表す。n1は、好ましくは10以下であり、より好ましくは7以下である。
【0021】
第1態様において、マレイミド化合物の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量(無機充填材は含まない。以下同様。)に対して、好ましくは5~35質量%であり、より好ましくは10~30質量%であり、さらに好ましくは15~25質量%である。マレイミド化合物の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0022】
(シアン酸エステル化合物)
シアン酸エステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、式(7)で示されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル、式(8)で示されるノボラック型シアン酸エステル、ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル、ビス(3,5-ジメチル4-シアナトフェニル)メタン、ビス(4-シアナトフェニル)メタン、1,3-ジシアナトベンゼン、1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3-ジシアナトナフタレン、1,4-ジシアナトナフタレン、1,6-ジシアナトナフタレン、1,8-ジシアナトナフタレン、2,6-ジシアナトナフタレン、2、7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4、4’-ジシアナトビフェニル、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、及び2、2’-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン;これらシアン酸エステルのプレポリマー等が挙げられる。シアン酸エステル化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【化10】
(式(7)中、R
6は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、このなかでも水素原子が好ましい。また、式(7)中、n
2は1以上の整数を表す。n
2の上限値は、通常は10であり、好ましくは6である。)
【化11】
(式(8)中、R
7は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、このなかでも水素原子が好ましい。また、式(8)中、n
3は1以上の整数を表す。n
3の上限値は、通常は10であり、好ましくは7である。)
【0023】
このなかでも、シアン酸エステル化合物が、式(7)で示されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル、式(8)で示されるノボラック型シアン酸エステル、及びビフェニルアラルキル型シアン酸エステルからなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましく、式(7)で示されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル及び式(8)で示されるノボラック型シアン酸エステルからなる群より選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。このようなシアン酸エステル化合物を用いることにより、難燃性により優れ、硬化性がより高く、かつ熱膨張係数がより低い硬化物が得られる傾向にある。
【0024】
これらのシアン酸エステル化合物の製造方法としては、特に限定されず、シアン酸エステル化合物の合成方法として公知の方法を用いることができる。公知の方法としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂とハロゲン化シアンとを不活性有機溶媒中で、塩基性化合物存在下反応させる方法、フェノール樹脂と塩基性化合物との塩を、水を含有する溶液中にて形成させ、その後、得られた塩とハロゲン化シアンとを2相系界面反応させる方法が挙げられる。
【0025】
これらのシアン酸エステル化合物の原料となるフェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、式(9)で示されるナフトールアラルキル型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂が挙げられる。
【0026】
【化12】
(式(9)中、R
8は、各々独立して、水素原子又はメチル基を示し、このなかでも水素原子が好ましい。また、式(9)中、n
4は1以上の整数を示す。n
4の上限値は、通常は10であり、好ましくは6である。)
【0027】
式(9)で示されるナフトールアラルキル型フェノール樹脂は、ナフトールアラルキル樹脂とシアン酸とを縮合させて得ることができる。ここで、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、α-ナフトール及びβ-ナフトール等のナフトール類と、p-キシリレングリコール、α,α’-ジメトキシ-p-キシレン、及び1,4-ジ(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ベンゼン等のベンゼン類と、の反応により得られるものが挙げられる。ナフトールアラルキル型シアン酸エステルは、上記のようにして得られるナフトールアラルキル樹脂とシアン酸とを縮合させて得られるものから選択することができる。
【0028】
第1態様において、シアン酸エステル化合物の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは10~45質量%であり、より好ましくは15~45質量%であり、さらに好ましくは20~35質量%である。シアン酸エステル化合物の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性と耐薬品性がより向上する傾向にある。
【0029】
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、イソシアヌレート環含有エポキシ樹脂、或いはこれらのハロゲン化物が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
樹脂組成物中におけるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくは50~500g/eq.であり、より好ましくは150~350g/eq.である。エポキシ樹脂のエポキシ基当量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0031】
第1態様において、エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは10~45質量%であり、より好ましくは15~35質量%であり、さらに好ましくは20~30質量%である。エポキシ樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0032】
第1態様において、熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~95質量%であり、より好ましくは40~90質量%であり、さらに好ましくは50~85質量%である。熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0033】
(第2態様)
第2態様において、樹脂組成物は、マレイミド化合物、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂を含む。このような熱硬化性樹脂を用いることにより、耐熱性、耐薬品性がより向上する傾向にある。
【0034】
第2態様におけるマレイミド化合物及びエポキシ樹脂としては、上記第1態様と同様のものが挙げられる。
【0035】
第2態様において、マレイミド化合物の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは5~35質量%であり、より好ましくは10~30質量%であり、さらに好ましくは15~25質量%である。マレイミド化合物の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0036】
第2態様において、エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは10~45質量%であり、より好ましくは15~45質量%であり、さらに好ましくは20~40質量%である。エポキシ樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0037】
(フェノール樹脂)
フェノール樹脂としては、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されないが、例えば、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有する樹脂が挙げられる。フェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類、式(10)で示されるナフトールアラルキル型フェノール樹脂、式(11)で示されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、アミノトリアジンノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。フェノール樹脂は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0038】
【化13】
(式(10)中、R
8は、各々独立して、水素原子又はメチル基を示し、このなかでも水素原が好ましい。また、式(10)中、n
5は1以上の整数を示す。n
5の上限値は、通常は10であり、好ましくは6である。)
【0039】
【化14】
(式(11)中、R9は、各々独立して、水素原子又はメチル基を示し、このなかでも水素原子を示す。また、式(11)中、n
6は1以上の整数を示す。n
6の上限値は、通常は10であり、好ましくは7である。)
【0040】
このなかでも、フェノール樹脂が、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、アミノトリアジンノボラック型フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、式(10)で示されるナフトールアラルキル型フェノール樹脂、及び式(11)で示されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましく、クレゾールノボラック型フェノール化合物、式(10)で示されるナフトールアラルキル型フェノール樹脂、及び式(11)で示されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、式(10)で示されるナフトールアラルキル型フェノール樹脂及び式(11)で示されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含むことがさらに好ましい。このようなフェノール樹脂を用いることにより、得られる硬化物の吸水率がより低下し、耐熱性がより向上する傾向にある。
【0041】
樹脂組成物中におけるフェノール樹脂の水酸基当量は、特に限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくは50~500g/eq.であり、より好ましくは100~350g/eq.である。
【0042】
第2態様において、フェノール樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは10~45質量%であり、より好ましくは15~40質量%であり、さらに好ましくは30~35質量%である。フェノール樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性がより向上する傾向にある。
【0043】
第2態様において、熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~95質量%であり、より好ましくは40~90質量%であり、さらに好ましくは50~85質量%である。熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0044】
(第3態様)
第3態様において、樹脂組成物は、マレイミド化合物、アルケニル置換ナジイミド、及びエポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂を含む。このような熱硬化性樹脂を用いることにより、耐熱性がより向上する傾向にある。
【0045】
第3態様におけるマレイミド化合物及びエポキシ樹脂としては、上記第1態様と同様のものが挙げられる。
【0046】
第3態様において、マレイミド化合物の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~80質量%であり、より好ましくは35~70質量%であり、さらに好ましくは40~60質量%である。マレイミド化合物の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性がより向上する傾向にある。
【0047】
第3態様において、エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~30質量%であり、より好ましくは1.0~20質量%であり、さらに好ましくは2~10質量%である。エポキシ樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0048】
(アルケニル置換ナジイミド化合物)
アルケニル置換ナジイミド化合物は、分子中に1個以上のアルケニル置換ナジイミド基を有する化合物であれば特に限定されない。このなかでも、式(1)で表される化合物が好ましい。このようなアルケニル置換ナジイミド化合物を用いることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低下し、耐熱性がより向上する傾向にある。
【化15】
(式中、R
1は、各々独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を示し、R
2は、炭素数1~6のアルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、又は式(2)若しくは(3)で表される基を示す。)
【化16】
(式中、R
3は、メチレン基、イソプロピリデン基、又は、CO、O、S、若しくはSO
2で表される置換基を示す。)
【化17】
(式中、R
4は、各々独立して、炭素数1~4のアルキレン基、又は炭素数5~8のシクロアルキレン基を示す。)
【0049】
式(1)で表される化合物のなかでも、アルケニル置換ナジイミド化合物が、式(4)及び/又は(5)で表される化合物が好ましい。このようなアルケニル置換ナジイミド化合物を用いることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低下し、耐熱性がより向上する傾向にある。
【化18】
【化19】
【0050】
その他、アルケニル置換ナジイミド化合物は、市販のものを用いることもできる。市販されているものとしては、特に限定されないが、例えば、BANI-M(丸善石油化学(株)製、式(4)で表される化合物)、BANI-X(丸善石油化学(株)製、式(5)で表される化合物)などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0051】
第3態様において、アルケニル置換ナジイミドの含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して10~60質量%とすることが好ましく、15~50質量%とすることがより好ましく、20~40質量%とすることがさらに好ましい。アルケニル置換ナジイミドの含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性がより向上する傾向にある。
【0052】
第3態様において、アルケニル置換ナジイミドのアルケニル基数(A)及びマレイミド化合物のマレイミド基数(B)の比(〔B/A〕)は、好ましくは0.9~4.3であり、より好ましくは1.5~4.0であり、さらに好ましくは1.5~3.0である。比(〔B/A〕)が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、弾性率維持率がより向上する傾向にある。
【0053】
第3態様において、熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~95質量%であり、より好ましくは40~90質量%であり、さらに好ましくは50~85質量%である。熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0054】
(第4態様)
第4態様において、樹脂組成物は、マレイミド化合物、アルケニル置換ナジイミド、及びシアン酸エステル化合物を含む熱硬化性樹脂を含む。このような熱硬化性樹脂を用いることにより、耐熱性がより向上する傾向にある。
【0055】
第4態様におけるマレイミド化合物及びシアン酸エステル化合物としては、上記第1態様と同様のものが挙げられる。また、第4態様におけるアルケニル置換ナジイミドとしては、上記第3態様と同様のものが挙げられる。
【0056】
第4態様において、マレイミド化合物の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~80質量%であり、より好ましくは35~70質量%であり、さらに好ましくは40~60質量%である。マレイミド化合物の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0057】
第4態様において、シアン酸エステル化合物の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~30質量%であり、より好ましくは1~20質量%であり、さらに好ましくは2~10質量%である。シアン酸エステル化合物の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性と耐薬品性がより向上する傾向にある。
【0058】
第4態様において、アルケニル置換ナジイミドの含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは10~60質量%であり、より好ましくは15~50質量%であり、さらに好ましくは20~40質量%である。アルケニル置換ナジイミドの含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性がより向上する傾向にある。
【0059】
第4態様において、アルケニル置換ナジイミドのアルケニル基数(A)及びマレイミド化合物のマレイミド基数(B)の比(〔B/A〕)は、好ましくは0.9~4.3であり、より好ましくは1.5~4.0であり、さらに好ましくは1.5~3.0である。比(〔B/A〕)が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、弾性率維持率がより向上する傾向にある。
【0060】
第4態様において、熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~95質量%であり、より好ましくは40~90質量%であり、さらに好ましくは50~85質量%である。熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0061】
(第5態様)
第5態様において、樹脂組成物は、マレイミド化合物、アルケニル置換ナジイミド、シアン酸エステル化合物、及びエポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂を含む。このような熱硬化性樹脂を用いることにより、耐熱性がより向上する傾向にある。
【0062】
第5態様におけるマレイミド化合物、シアン酸エステル化合物、及びエポキシ樹脂としては、上記第1態様と同様のものが挙げられる。また、第5態様におけるアルケニル置換ナジイミドとしては、上記第3態様と同様のものが挙げられる。
【0063】
第5態様において、マレイミド化合物の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~80質量%であり、より好ましくは35~70質量%であり、さらに好ましくは40~60質量%である。マレイミド化合物の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0064】
第5態様において、シアン酸エステル化合物の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~30質量%であり、より好ましくは1~20質量%であり、さらに好ましくは2~10質量%である。シアン酸エステル化合物の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性と耐薬品性がより向上する傾向にある。
【0065】
第5態様において、エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~30質量%であり、より好ましくは1.0~20質量%であり、さらに好ましくは2~10質量%である。エポキシ樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0066】
第5態様において、アルケニル置換ナジイミドの含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して10~60質量%とすることが好ましく、15~50質量%とすることがより好ましく、20~40質量%とすることがさらに好ましい。アルケニル置換ナジイミドの含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性がより向上する傾向にある。
【0067】
第5態様において、アルケニル置換ナジイミドのアルケニル基数(A)及びマレイミド化合物のマレイミド基数(B)の比(〔B/A〕)は、好ましくは0.9~4.3であり、より好ましくは1.5~4.0であり、さらに好ましくは1.5~3.0である。比(〔B/A〕)が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、弾性率維持率がより向上する傾向にある。
【0068】
第5態様において、熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~95質量%であり、より好ましくは40~90質量%であり、さらに好ましくは50~85質量%である。熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0069】
(第6態様)
第6態様において、樹脂組成物は、マレイミド化合物及びアルケニル置換ナジイミドを含む熱硬化性樹脂を含む。このような熱硬化性樹脂を用いることにより、耐熱性、弾性率維持率がより向上する傾向にある。
【0070】
第6態様におけるマレイミド化合物としては、上記第1態様と同様のものが挙げられる。また、第6態様におけるアルケニル置換ナジイミドとしては、上記第3態様と同様のものが挙げられる。
【0071】
第6態様において、マレイミド化合物の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~80質量%であり、より好ましくは35~70質量%であり、さらに好ましくは40~60質量%である。マレイミド化合物の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、硬化性がより向上する傾向にある。
【0072】
第6態様において、アルケニル置換ナジイミドの含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは10~60質量%であり、より好ましくは15~50質量%であり、さらに好ましくは20~40質量%である。アルケニル置換ナジイミドの含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性がより向上する傾向にある。
【0073】
第6態様において、アルケニル置換ナジイミドのアルケニル基数(A)及びマレイミド化合物のマレイミド基数(B)の比(〔B/A〕)は、好ましくは0.9~4.3であり、より好ましくは1.5~4.0であり、さらに好ましくは1.5~3.0である。比(〔B/A〕)が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、弾性率維持率がより向上する傾向にある。
【0074】
第6態様において、熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~95質量%であり、より好ましくは40~90質量%であり、さらに好ましくは50~85質量%である。熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0075】
また、上記各態様を総括して、一般的に、熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは30~95質量%であり、より好ましくは40~90質量%であり、さらに好ましくは50~85質量%である。熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、耐薬品性、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0076】
〔官能基変性共重合体〕
官能基変性共重合体は、2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位、又は、1種若しくは2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位及びアクリロニトリル単位を有し、アルキル(メタ)アクリレート単位の有するアルキルエステル基及び/又はアクリロニトリル単位の有するシアノ基の少なくとも一部が、エポキシ基、カルボキシル基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種に変性されたものである。すなわち、官能基変性共重合体は、その側鎖にエポキシ基、カルボキシル基、又はアミド基を有する。なかでも、官能基変性共重合体は、その側鎖にエポキシ基及びアミド基を有するものが、耐薬品性、銅箔ピール強度の点から好ましい。
【0077】
アルキル(メタ)アクリレート単位としては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート単位、エチル(メタ)アクリレート単位、プロピル(メタ)アクリレート単位、イソプロピル(メタ)アクリレート単位、ブチル(メタ)アクリレート単位、
イソブチル(メタ)アクリレート単位、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート単位が挙げられる。このなかでも、エチル(メタ)アクリレート単位、ブチル(メタ)アクリレート単位、イソブチル(メタ)アクリレート単位、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート単位が好ましい。なお、「2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位」とは、アルキル基の異なる2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位を意味する。
【0078】
官能基変性共重合体の20℃における粘度(メチルエチルケトン、固形分15質量%)は、好ましくは500~7500mPa・sであり、より好ましくは750~6500mPa・sであり、さらに好ましくは1000~6000mPa・sである。官能基変性共重合体の20℃における粘度が上記範囲内であることにより、銅箔ピール強度、成形性、低熱膨張性がより向上する傾向にある。官能基変性共重合体の20℃における粘度は、回転粘度計により測定することができる。
【0079】
官能基変性共重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100000~1500000であり、より好ましくは250000~1000000であり、さらに好ましくは350000~850000である。官能基変性共重合体の重量平均分子量が上記範囲内であることにより、銅箔ピール強度、成形性、低熱膨張性がより向上する傾向にある。重量平均分子量は、スタンダードポリスチレンを用いたGPC法により測定することができる。
【0080】
官能基変性共重合体のガラス転移温度は、好ましくは-10~45℃であり、より好ましくは0~25℃であり、さらに好ましくは7.5~15℃である。官能基変性共重合体のガラス転移温度が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。ガラス転移温度は、DSCにより測定することができる。
【0081】
官能基変性共重合体の酸価は、好ましくは1mgKOH/kg~100mgKOH/kgであり、より好ましくは5mgKOH/kg~80mgKOH/kgであり、さらに好ましくは15mgKOH/kg~70mgKOH/kgである。官能基変性共重合体の酸価が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0082】
官能基変性共重合体が、エポキシ基を含有する場合、官能基変性共重合体のエポキシ当量は、好ましくは0.001eq/kg~1.0eq/kgであり、より好ましくは0.002eq/kg~0.8eq/kgであり、さらに好ましくは0.01eq/kg~0.5eq/kgである。官能基変性共重合体のエポキシ当量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0083】
官能基変性共重合体が、アミド基を含有する場合、官能基変性共重合体のアミド基当量は、好ましくは0.002eq/kg~8.1eq/kgであり、より好ましくは0.006eq/kg~4.1eq/kgであり、さらに好ましくは0.009eq/kg~2.7eq/kgである。官能基変性共重合体のアミド基当量が上記範囲内であることにより、銅箔ピール強度がより向上する傾向にある。
【0084】
官能基変性共重合体の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~50質量%であり、より好ましくは1.0~40質量%であり、さらに好ましくは5~30質量%である。官能基変性共重合体の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度が高くなる傾向にある。
【0085】
特に、上記第1態様の熱硬化性樹脂を用いる場合においては、官能基変性共重合体の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~50質量%であり、より好ましくは1.0~40質量%であり、さらに好ましくは5~30質量%である。官能基変性共重合体の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度が高くなる。
【0086】
上記第2態様の熱硬化性樹脂を用いる場合においては、官能基変性共重合体の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~50質量%であり、より好ましくは1.0~40質量%であり、さらに好ましくは5~30質量%である。官能基変性共重合体の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度が高くなる。
【0087】
上記第3態様の熱硬化性樹脂を用いる場合においては、官能基変性共重合体の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~50質量%であり、より好ましくは1.0~40質量%であり、さらに好ましくは5~30量%である。官能基変性共重合体の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度が高くなる。
【0088】
上記第4態様の熱硬化性樹脂を用いる場合においては、官能基変性共重合体の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~50質量%であり、より好ましくは1.0~40質量%であり、さらに好ましくは5~30質量%である。官能基変性共重合体の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度が高くなる。
【0089】
上記第5態様の熱硬化性樹脂を用いる場合においては、官能基変性共重合体の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~50質量%であり、より好ましくは1.0~40質量%であり、さらに好ましくは5~30質量%である。官能基変性共重合体の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度が高くなる。
【0090】
上記第6態様の熱硬化性樹脂を用いる場合においては、官能基変性共重合体の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量に対して、好ましくは0.5~50質量%であり、より好ましくは1.0~40質量%であり、さらに好ましくは5~30質量%である。官能基変性共重合体の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低くなり、銅箔ピール強度が高くなる。
【0091】
〔無機充填材〕
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、アエロジル、中空シリカなどのシリカ類;ホワイトカーボンなどのケイ素化合物;チタンホワイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物;硫酸バリウムなどの金属硫酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、ベーマイト、水酸化マグネシウムなどの金属水和物;酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛などのモリブデン化合物;ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛などの亜鉛化合物;アルミナ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、E-ガラス、A-ガラス、NE-ガラス、C-ガラス、L-ガラス、D-ガラス、S-ガラス、M-ガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラスなどのガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラスなどが挙げられる。無機充填材は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0092】
このなかでも、ベーマイト及び/又はシリカ類を含むことが好ましい。このような無機充填材を用いることにより、熱膨張率がより低下する傾向にある。
【0093】
無機充填材の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物の総量(無機充填材を含む)に対して、好ましくは40~80質量%であり、より好ましくは50~75質量%であり、さらに好ましくは60~70質量%である。無機充填材の含有量が上記範囲内であることにより、熱膨張率がより低下する傾向にある。
【0094】
〔シランカップリング剤及び湿潤分散剤〕
本実施形態の樹脂組成物は、シランカップリング剤や湿潤分散剤をさらに含んでもよい。シランカップリング剤や湿潤分散剤を含むことにより、上記充填材の分散性、樹脂成分、充填材、及び後述する基材の接着強度がより向上する傾向にある。
【0095】
シランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、特に限定されないが、例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系化合物;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系化合物;γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン系化合物;N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系化合物;フェニルシラン系化合物などが挙げられる。シランカップリング剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0096】
湿潤分散剤としては、塗料用に使用されている分散安定剤であれば、特に限定されないが、例えば、ビッグケミー・ジャパン(株)製のDISPER-110、111、118、180、161、BYK-W996、W9010、W903等が挙げられる。
【0097】
〔硬化促進剤〕
本実施形態の樹脂組成物は、硬化促進剤をさらに含んでもよい。硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ-tert-ブチル-ジ-パーフタレートなどの有機過酸化物;アゾビスニトリルなどのアゾ化合物;N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチルトルイジン、2-N-エチルアニリノエタノール、トリ-n-ブチルアミン、ピリジン、キノリン、N-メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N-メチルピペリジンなどの第3級アミン類;フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコールなどのフェノール類;ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オレイン酸錫、ジブチル錫マレート、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン鉄などの有機金属塩;これら有機金属塩をフェノール、ビスフェノールなどの水酸基含有化合物に溶解してなるもの;塩化錫、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどの無機金属塩;ジオクチル錫オキサイド、その他のアルキル錫、アルキル錫オキサイドなどの有機錫化合物などが挙げられる。
【0098】
〔溶剤〕
本実施形態の樹脂組成物は、溶剤をさらに含んでもよい。溶剤を含むことにより、樹脂組成物の調製時における粘度が下がり、ハンドリング性がより向上するとともに後述する基材への含浸性がより向上する傾向にある。
【0099】
溶剤としては、樹脂組成物中の樹脂成分の一部又は全部を溶解可能なものであれば、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセルソルブなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;プロピレングリコールモノメチルエーテル及びそのアセテートなどが挙げられる。溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0100】
〔樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、各成分を順次溶剤に配合し、十分に攪拌する方法が挙げられる。この際、各成分を均一に溶解或いは分散させるため、攪拌、混合、混練処理などの公知の処理を行うことができる。具体的には、適切な攪拌能力を有する攪拌機を付設した攪拌槽を用いて攪拌分散処理を行うことで、樹脂組成物に対する充填材の分散性を向上させることができる。上記の攪拌、混合、混練処理は、例えば、ボールミル、ビーズミルなどの混合を目的とした装置、又は、公転又は自転型の混合装置などの公知の装置を用いて適宜行うことができる。
【0101】
また、樹脂組成物の調製時においては、必要に応じて有機溶剤を使用することができる。有機溶剤の種類は、樹脂組成物中の樹脂を溶解可能なものであれば、特に限定されない。その具体例は、上述したとおりである。
【0102】
〔用途〕
上記樹脂組成物は、プリプレグ、絶縁層、金属箔張積層板、レジンシート、又はプリント配線板として好適に用いることができる。以下、プリプレグ、レジンシート、金属箔張積層板、又はプリント配線板について説明する。
【0103】
〔プリプレグ〕
本実施形態のプリプレグは、基材と、該基材に含浸又は塗布された、上記樹脂組成物と、を有する。プリプレグの製造方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、本実施形態における樹脂成分を基材に含浸又は塗布させた後、100~200℃の乾燥機中で1~30分加熱するなどして半硬化(Bステ-ジ化)させることで、本実施形態のプリプレグを作製することができる。
【0104】
樹脂組成物(無機充填材を含む。)の含有量は、プリプレグの総量に対して、好ましくは30~90質量%であり、より好ましくは35~85質量%であり、好ましくは40~80質量%である。樹脂組成物の含有量が上記範囲内であることにより、成形性がより向上する傾向にある。
【0105】
(基材)
基材としては、特に限定されず、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを、目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。基材を構成する繊維の具体例としては、特に限定されないが、例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス、球状ガラス、NEガラス、Lガラス、Tガラスなどのガラス繊維;クォーツなどのガラス以外の無機繊維;ポリパラフェニレンテレフタラミド(ケブラー(登録商標)、デュポン株式会社製)、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド(テクノーラ(登録商標)、帝人テクノプロダクツ株式会社製)などの全芳香族ポリアミド;2,6-ヒドロキシナフトエ酸・パラヒドロキシ安息香酸(ベクトラン(登録商標)、株式会社クラレ製)、ゼクシオン(登録商標、KBセーレン製)などのポリエステル;ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(ザイロン(登録商標)、東洋紡績株式会社製)、ポリイミドなどの有機繊維が挙げられる。これらのなかでも低熱膨張率の観点から、Eガラスクロス、Tガラスクロス、Sガラスクロス、Qガラスクロス、及び有機繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これら基材は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0106】
基材の形状としては、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマットなどが挙げられる。織布の織り方としては、特に限定されないが、例えば、平織り、ななこ織り、綾織り等が知られており、これら公知のものから目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。また、これらを開繊処理したものやシランカップリング剤などで表面処理したガラス織布が好適に使用される。基材の厚さや質量は、特に限定されないが、通常は0.01~0.3mm程度のものが好適に用いられる。とりわけ、強度と吸水性との観点から、基材は、厚み200μm以下、質量250g/m2以下のガラス織布が好ましく、Eガラス、Sガラス、及びTガラスのガラス繊維からなるガラス織布がより好ましい。
【0107】
〔レジンシート〕
本実施形態のレジンシートは、シート基材と、該シート基材の片面または両面に積層された、上記樹脂組成物と、を有する。レジンシートとは、薄葉化の1つの手段として用いられるもので、例えば、金属箔やフィルムなどの支持体に、直接、プリプレグ等に用いられる熱硬化性樹脂(無機充填材を含む)を塗布及び乾燥して製造することができる。
【0108】
シート基材としては、特に限定されないが、各種プリント配線板材料に用いられている公知の物もの使用することができる。例えばポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、アルミ箔、銅箔、金箔など挙げられる。その中でも電解銅箔、PETフィルムが好ましい。
【0109】
塗布方法としては、例えば、本実施形態の樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を、バーコーター、ダイコーター、ドクターブレード、ベーカーアプリケーター等でシート基材上に塗布する方法が挙げられる。
【0110】
レジンシートは、上記樹脂組成物をシート基材に塗布後、半硬化(Bステージ化)させたものであることが好ましい。具体的には、例えば、上記樹脂組成物を銅箔などのシート基材に塗布した後、100~200℃の乾燥機中で、1~60分加熱させる方法などにより半硬化させ、レジンシートを製造する方法などが挙げられる。支持体に対する樹脂組成物の付着量は、樹脂シートの樹脂厚で1~300μmの範囲が好ましい。
【0111】
〔金属箔張積層板〕
本実施形態の金属箔張積層板は、絶縁層と、該絶縁層の片面または両面に積層形成された導体層と、を有し、絶縁層が、上記プリプレグ、上記レジンシート、又は上記樹脂組成物からなるものである。すなわち、本実施形態の金属箔張積層板は、上記プリプレグ及び上記レジンシートからなる群より選ばれる少なくとも1種と、金属箔とを積層して硬化して得られるものである。
【0112】
絶縁層は、上記樹脂組成物、1層のプリプレグ、又はレジンシートからなるものであっても、上記樹脂組成物、プリプレグ、又はレジンシートを2層以上積層したものであってもよい。
【0113】
導体層は、銅やアルミニウムなどの金属箔とすることができる。ここで使用する金属箔は、プリント配線板材料に用いられるものであれば、特に限定されないが、圧延銅箔や電解銅箔などの公知の銅箔が好ましい。また、導体層の厚みは、特に限定されないが、1~70μmが好ましく、より好ましくは1.5~35μmである。
【0114】
金属箔張積層板の成形方法及びその成形条件は、特に限定されず、一般的なプリント配線板用積層板及び多層板の手法及び条件を適用することができる。例えば、金属箔張積層板の成形時には多段プレス機、多段真空プレス機、連続成形機、オートクレーブ成形機などを用いることができる。また、金属箔張積層板の成形において、温度は100~300℃、圧力は面圧2~100kgf/cm2、加熱時間は0.05~5時間の範囲が一般的である。さらに、必要に応じて、150~300℃の温度で後硬化を行うこともできる。また、上述のプリプレグと、別途作成した内層用の配線板とを組み合わせて積層成形することにより、多層板とすることも可能である。
【0115】
〔プリント配線板〕
本実施形態のプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が、上記樹脂組成物を含む。上記の金属箔張積層板は、所定の配線パターンを形成することにより、プリント配線板として好適に用いることができる。そして、上記の金属箔張積層板は、低い熱膨張率、良好な成形性及び耐薬品性を有し、そのような性能が要求される半導体パッケージ用プリント配線板として、殊に有効に用いることができる。
【0116】
本実施形態のプリント配線板は、具体的には、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、上述の金属箔張積層板(銅張積層板等)を用意する。金属箔張積層板の表面にエッチング処理を施して内層回路の形成を行い、内層基板を作成する。この内層基板の内層回路表面に、必要に応じて接着強度を高めるための表面処理を行い、次いでその内層回路表面に上述のプリプレグを所要枚数重ね、更にその外側に外層回路用の金属箔を積層し、加熱加圧して一体成形する。このようにして、内層回路と外層回路用の金属箔との間に、基材及び熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層が形成された多層の積層板が製造される。次いで、この多層の積層板にスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、硬化物層に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアを除去するためデスミア処理が行われる。その後この穴の壁面に内層回路と外層回路用の金属箔とを導通させるめっき金属皮膜を形成し、更に外層回路用の金属箔にエッチング処理を施して外層回路を形成し、プリント配線板が製造される。
【0117】
例えば、上述のプリプレグ(基材及びこれに添着された上述の樹脂組成物)、金属箔張積層板の樹脂組成物層(上述の樹脂組成物からなる層)が、上述の樹脂組成物を含む絶縁層を構成することになる。
【0118】
また、金属箔張積層板を用いない場合には、上記プリプレグ、上記レジンシート、上記樹脂組成物に、回路となる導体層を形成しプリント配線板を作製してもよい。この際、導体層の形成に無電解めっきの手法を用いることもできる。
【0119】
本実施形態のプリント配線板は、上述の絶縁層が半導体実装時のリフロー温度下においても優れた弾性率を維持することで、半導体プラスチックパッケージの反りを効果的に抑制することから、半導体パッケージ用プリント配線板として、殊に有効に用いることができる。
【実施例】
【0120】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0121】
(合成例1)
反応器内で、α-ナフトールアラルキル樹脂(SN495V、OH基当量:236g/eq.、新日鐵化学(株)製:ナフトールアラルキルの繰り返し単位数nは1~5のものが含まれる。)0.47モル(OH基換算)を、クロロホルム500mlに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン0.7モルを添加した。温度を-10℃に保ちながら反応器内に0.93モルの塩化シアンのクロロホルム溶液300gを1.5時間かけて滴下し、滴下終了後、30分撹拌した。その後さらに、0.1モルのトリエチルアミンとクロロホルム30gの混合溶液を反応器内に滴下し、30分撹拌して反応を完結させた。副生したトリエチルアミンの塩酸塩を反応液から濾別した後、得られた濾液を0.1N塩酸500mlで洗浄した後、水500mlでの洗浄を4回繰り返した。これを硫酸ナトリウムにより乾燥した後、75℃でエバポレートし、さらに90℃で減圧脱気することにより、褐色固形のα-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂(SNCN)を得た。得られたα-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂を赤外吸収スペクトルにより分析したところ、2264cm-1付近のシアン酸エステル基の吸収が確認された。
【0122】
〔実施例1〕
合成例1で得られたα-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂(SNCN)24質量部と、マレイミド化合物(BMI-2300、大和化成工業(株)製)19質量部と、ナフタレン骨格変性多官能型エポキシ樹脂(HP-6000、エポキシ当量:250g/eq.、DIC株式会社製)27質量部と、官能基変性共重合体としてエポキシ変性共重合体(SG-P3、エポキシ当量0.21eq/kg(4.76g/eq.)、重量平均分子量(Mw)850000、ナガセケムテックス社製)30質量部と、球状シリカ(SC5050、アドマテックス社製)200質量部と、シランカップリング剤(KMB-403、信越化学(株)社製)2.5質量部と、湿潤分散剤(disperbyk-161、ビックケミージャパン社製)1質量部と、を混合し、メチルエチルケトンで希釈することでワニスを得た。このワニスをEガラス織布に含浸塗工し、160℃で3分間加熱乾燥して、樹脂組成物含有量46質量%のプリプレグを得た。
【0123】
〔実施例2〕
官能基変性共重合体としてエポキシ変性共重合体(SG-P3、エポキシ当量4.76g/eq.、重量平均分子量(Mw)850000、ナガセケムテックス社製)30質量部に代えて、官能基変性共重合体としてエポキシ・アミド変性共重合体(SG-80H、エポキシ当量0.07eq/kg(14.3g/eq.)、重量平均分子量(Mw)350000、ナガセケムテックス社製)30質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてワニスを得た。このワニスをEガラス織布に含浸塗工し、160℃で3分間加熱乾燥して、樹脂組成物含有量46質量%のプリプレグを得た。
【0124】
〔比較例1〕
官能基変性共重合体としてエポキシ変性共重合体(SG-P3、エポキシ当量4.76g/eq.、重量平均分子量(Mw)850000、ナガセケムテックス社製)30質量部に代えて、熱可塑性エラストマーであるアクリル共重合体(LA-2330、クラレ(株)社製)30質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてワニスを得た。このワニスをEガラス織布に含浸塗工し、160℃で3分間加熱乾燥して、樹脂組成物含有量46質量%のプリプレグを得た。
【0125】
〔比較例2〕
α-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂(SNCN)5質量部と、マレイミド化合物(BMI-2300、大和化成工業(株)製)42質量部と、アルケニル置換ナジイミド(BANI-M、丸善石油化学(株)社製)33質量部と、熱可塑性エラストマーとしてアクリル共重合体(LA-2330、クラレ(株)社製)20質量部と、球状シリカ(SC5050、アドマテックス社製)200質量部と、シランカップリング剤(KMB-403、信越化学(株)社製)2.5質量部と、湿潤分散剤(disperbyk-161、ビックケミージャパン社製)1質量部と、を混合して、ワニスを得た。このワニスをEガラス織布に含浸塗工し、160℃で3分間加熱乾燥して、樹脂組成物含有量46質量%のプリプレグを得た。
【0126】
〔実施例3〕
α-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂(SNCN)5質量部と、マレイミド化合物(BMI-2300、大和化成工業(株)製)42質量部と、アルケニル置換ナジイミド(BANI-M、丸善石油化学(株)社製)33質量部と、官能基変性共重合体としてエポキシ変性共重合体(SG-P3、エポキシ当量4.76g/eq.、重量平均分子量(Mw)850000、ナガセケムテックス社製)20質量部と、球状シリカ(SC5050、アドマテックス社製)200質量部と、シランカップリング剤(KMB-403、信越化学(株)社製)2.5質量部と、湿潤分散剤(disperbyk-161、ビックケミージャパン社製)1質量部と、を混合して、ワニスを得た。このワニスをEガラス織布に含浸塗工し、160℃で3分間加熱乾燥して、樹脂組成物含有量46質量%のプリプレグを得た。
【0127】
〔実施例4〕
α-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂(SNCN)3質量部と、マレイミド化合物(BMI-2300、大和化成工業(株)製)40質量部と、アルケニル置換ナジイミド(BANI-M、丸善石油化学(株)社製)30質量部と、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000H、エポキシ当量:290g/eq.日本化薬(株)社製)7質量部と、官能基変性共重合体としてエポキシ変性共重合体(SG-P3、エポキシ当量4.76g/eq.、重量平均分子量(Mw)850000、ナガセケムテックス社製)20質量部と、球状シリカ(SC5050、アドマテックス社製)200質量部と、シランカップリング剤(KMB-403、信越化学(株)社製)2.5質量部と、湿潤分散剤(disperbyk-161、ビックケミージャパン社製)1質量部と、を混合して、ワニスを得た。このワニスをEガラス織布に含浸塗工し、160℃で3分間加熱乾燥して、樹脂組成物含有量46質量%のプリプレグを得た。
【0128】
〔成形性:成型可能厚み〕
実施例及び比較例で得られたプリプレグに対し、12μm厚の電解銅箔(3EC-III、三井金属鉱業(株)製)を上下に配置し、圧力30kgf/cm2、温度220℃で120分間の積層成型を行い、金属箔張積層板を得た。なお、この際、1枚又は2枚以上重ねたプリプレグを用いることで、90~120μmの間で、1μm刻みで厚さの異なる複数の金属箔張積層板を得た。得られた金属箔張積層板を断面方向にカットし、その表面を顕微鏡で観察した。この操作を繰り返し、表面にボイド(成型不良による空間)の発生しない最小の厚みを決定した。
【0129】
〔成形性:端部からのスジ長さ〕
実施例及び比較例で得られたプリプレグに対し、12μm厚の電解銅箔(3EC-III、三井金属鉱業(株)製)を上下に配置し、圧力30kgf/cm2、温度220℃で120分間の積層成型を行い、金属箔張積層板を得た。なお、この際、プリプレグを1枚又は2枚以上重ねることで、厚さが100μmの金属箔張積層板を得た。得られた基板の端部から発生している樹脂のフローした後の最大の長さを測定した。
【0130】
〔金属箔張積層板の作製〕
実施例及び比較例で得られたプリプレグをそれぞれ1枚又は8枚重ねて、12μm厚の電解銅箔(3EC-III、三井金属鉱業(株)製)を上下に配置し、圧力30kgf/cm2、温度220℃で120分間の積層成型を行い、絶縁層厚さ0.1mm又は0.8mmの金属箔張積層板を得た。
【0131】
〔弾性率維持率〕
JIS規格C6481に準じて、27℃及び260℃の曲げ弾性率を測定し、弾性率維持率を算出した。具体的には、上記で得られた金属箔張積層板(50mm×25mm×0.8mm)の両面の銅箔をエッチングにより除去した後に、オートグラフ((株)島津製作所製AG-Xplus)を用いて、27℃及び260℃の曲げ弾性率を測定した。得られた27℃の曲げ弾性率(a)と260℃の熱時曲げ弾性率の弾性率(b)との差を下記式によって算出した。
弾性率維持率=[(b)/(a)]×100
【0132】
〔熱膨張率〕
上記で得られた金属箔張積層板(4.5mm×30mm×0.1mm)の両面の銅箔をエッチングにより除去した後に、熱機械分析装置(TAインスツルメント製)で40℃から340℃まで毎分10℃で昇温し、60℃から120℃での面方向の線膨張率を測定した。測定方向は積層板のガラスクロスの縦方向(Warp)とした。
【0133】
〔銅箔ピール強度〕
上記で得られた金属箔張積層板(30mm×150mm×0.8mm)を用い、JIS C6481に準じて、銅箔ピール強度を測定した。
【0134】
【0135】
本出願は、2015年7月6日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2015-135204)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本実施形態の樹脂組成物は、プリプレグ、金属箔張積層板、レジンシート、又はプリント配線板の材料として産業上の利用可能性を有する。