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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 10/10 20120101AFI20221006BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20221006BHJP
   B60K 6/54 20071001ALI20221006BHJP
   B60W 20/20 20160101ALI20221006BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20221006BHJP
   F16H 59/02 20060101ALI20221006BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20221006BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B60W10/10 900
B60K6/48 ZHV
B60K6/54
B60W20/20
F16H61/02
F16H59/02
B60L50/16
B60L15/20 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021015735
(22)【出願日】2021-02-03
(62)【分割の表示】P 2017022094の分割
【原出願日】2017-02-09
(65)【公開番号】P2021120265
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2021-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】栗田 直幸
(72)【発明者】
【氏名】池田 佳佑
(72)【発明者】
【氏名】樋口 徹
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】森川 知明
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/108812(WO,A1)
【文献】特開2004-092655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/10
B60K 6/48
B60K 6/54
B60W 20/20
F16H 61/02
F16H 59/02
B60L 50/16
B60L 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、モータジェネレータと、前記内燃機関または前記モータジェネレータから の動力を変速して駆動輪に伝達する自動変速機とを有し、
前記内燃機関及び前記モータジェネレータの少なくとも一方から出力された動力により 駆動するハイブリッド車両の制御装置であって、
手動変速操作部の操作に応じて前記自動変速機の変速段を切り替える手動変速モードと、車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動的に切り替える自動変速モードとを含む変速モードを切り替える変速モード切替部と、
前記モータジェネレータの動力のみを用いて走行するモータ走行モードと、少なくとも 前記内燃機関の動力を用いて走行するエンジン使用モードとを、少なくとも前記変速モー ドに応じて切り替える走行モード切替部とを有し、
前記走行モード切替部は、前記変速モードが前記自動変速モードから前記手動変速モードに切り替えられた場合に、前記走行モードを前記エンジン使用モードに変更し、その後前記走行モードの切り替えを規定時間禁止し、
前記走行モード切替部は、前記手動変速操作部が操作された場合は、前記走行モードの切り替えを第1の規定時間禁止し、変速モード切替操作部が手動変速位置に設定された場合は、前記走行モードの切り替えを前記第1の規定時間とは異なる第2の規定時間禁止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
前記第1の規定時間は前記第2の規定時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
前記変速モードは、前記自動変速機の変速段を低速段に切り替える低速レンジモード、 または、加速感を重視して前記自動変速機の変速段を自動的に切り替えるスポーツモードを含み、
前記走行モード切替部は、前記変速モードが前記低速レンジモード、または、前記スポーツモードに切り替えられた場合、前記走行モードの切り替えを規定時間禁止することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関及びモータジェネレータから出力された動力により駆動するハイブリッド車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両の制御装置には、内燃機関と、モータジェネレータと、自動変速機とを有し、内燃機関及びモータジェネレータの少なくとも一方から出力された動力により駆動するものがある。
このようなハイブリッド車両の制御装置としては、例えば、特開2005-343237号公報に、モータ走行モード(EV走行モード)中に運転者が、自動変速機の変速モードを手動により変速段を切り替える手動変速モードに変更すると、内燃機関を始動させる(エンジン使用モードまたはHEVモードヘ移行)とともに自動変速機のシフトダウンを行うことで、加速応答性に対する運転者の要求を満たすことができる技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-343237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハイブリッド車両の制御装置では、前述のように、モータジェネレータの動力のみで走行をしているモータ走行モード(EVモード)中に、自動変速機の変速モードを自動変速モードから手動変速モードに切り替えると、運転者が駆動力の増大を要求しているものと判断して内燃機関を始動し、動力源である内燃機関及びモータジェネレータのうち、少なくとも内燃機関の動力によって走行するエンジン使用モード(HEVモード)に切り替える制御が行われていた。
しかしながら、ハイブリッド車両の制御装置では、運転者が自動変速機の変速モードを手動変速モードから自動変速モードに切り替えた際に、ハイブリッド車両の走行モードをエンジン使用モードからモータ走行モードに変更すると、運転者が自動変速機の変速段を手動で短時間で切り替えるたびに、内燃機関の始動と停止を繰り返す制御を行ってしまう。
このようなことから、特許文献1では、図7に示すように、運転者が自動変速機の変速モードを手動変速モードと自動変速モードとの間で頻繁に切り替えてしまう場合、モータ走行モード(EVモード)およびエンジン使用モード(HEVモード)間での走行モード切り替えが頻繁に発生してしまい、内燃機関の始動回数が著しく増加することで内燃機関の始動装置の作動回数が著しく増加し、耐久性が低下してしまうという課題があった。また、内燃機関を始動させる変速モードの切り替えには、前述自動変速モードから手動変速モードへの切り替え以外にも、低速レンジモードへの切り替えやスポーツモードへの切り替えがある。
低速レンジモードは、下り坂を走行するときになどにエンジンブレーキを効かせるように、自動変速機の変速段を自動で強制的に低速段に切り替える変速モードである。低速レンジモードでは、内燃機関を始動させることで、適度のエンジンブレーキを効かせることができる。
スポーツモードは、自動変速モードよりも、加速感を重視してエンジン回転数を高く保つように自動変速機の変速段を切り替える(例えば、自動変速モードでは1つ上の変速段に切り換えられるエンジン回転速度でも、スポーツモードでは変速段を切り替えない)変速モードである。スポーツモードでは、内燃機関を始動させることで、加速感をあげることができる。
ハイブリッド車両の制御装置では、モータ走行モード(EVモード)中に変速モードを低速レンジモードやスポーツモードに切り替えた際に、前述自動変速モードから手動変速モードへの切り替えと同様に、内燃機関を始動し、エンジン使用モード(HEVモード)に切り替える制御が行われるため、運転者が自動変速モードと低速レンジモードとの間、あるいは、自動変速モードとスポーツモードとの間を短時間で切り替えるたびに、内燃機関の始動と停止を繰り返す制御を行ってしまい、始動装置の作動回数が著しく増加して耐久性が低下してしまうという課題があった。
【0005】
この発明は、内燃機関の始動回数を低減させることができ、始動装置の耐久性の低下を防止することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、内燃機関と、モータジェネレータと、前記内燃機関または前記モータジェネレータからの動力を変速して駆動輪に伝達する自動変速機とを有し、
前記内燃機関及び前記モータジェネレータの少なくとも一方から出力された動力により駆動するハイブリッド車両の制御装置であって、
手動変速操作部の操作に応じて前記自動変速機の変速段を切り替える手動変速モードと、車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動的に切り替える自動変速モードとを含む変速モードを切り替える変速モード切替部と、
前記モータジェネレータの動力のみを用いて走行するモータ走行モードと、少なくとも前記内燃機関の動力を用いて走行するエンジン使用モードとを、少なくとも前記変速モードに応じて切り替える走行モード切替部とを有し、
前記走行モード切替部は、前記変速モードが前記自動変速モードから前記手動変速モードに切り替えられた場合に、前記走行モードを前記エンジン使用モードに変更し、その後前記走行モードの切り替えを規定時間禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、変速モードを自動変速モードから手動変速モードに切り替えた際に、内燃機関(エンジン)を始動することで加速応答性に対する運転者の要求を満たすことができる。
かつ、このような特性を満たしつつ、変速モードが自動変速モードから手動変速モードに切り替えられた場合に、走行モードをエンジン使用モードに変更し、その後走行モードの切り替えを規定時間禁止することで、変速モードを切り替えたとしても、内燃機関が始動と停止を繰り返すことによる始動装置の耐久性の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1はハイブリッド車両の制御装置のシステム構成図である。(実施例1)
図2図2は変速操作切替装置の概略図である。(実施例1)
図3図3はハイブリッド車両の制御装置のフローチャートである。(実施例1)
図4図4はハイブリッド車両の制御装置のタイムチャートである。(実施例1)
図5図5はハイブリッド車両の制御装置のフローチャートである。(実施例2)
図6図6はハイブリッド車両の制御装置のフローチャートである。(実施例3)
図7図7はハイブリッド車両の制御装置のタイムチャートである。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明は、自動変速機の変速モードが切り替えられた場合、規定時間を越えるまで走行モードの変更を禁止することで、内燃機関の始動回数を低減させ、始動装置の耐久性の低下を防止するものである。
以下、図に基づいて、この発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1図4は、この発明の実施例1を示すものである。
図1に示すように、ハイブリッド車両1には、内燃機関2と、モータジェネレータ3と 、自動変速機4と、を有している。内燃機関2は、始動装置5(あるいは、モータジェネレータ3)により始動される。内燃機関2には、クラッチ6を介して自動変速機4が接続される。自動変速機4は、例えば、複数の変速段を自動的または手動により切り換え可能な自動変速機(AMT:Automated Manual Transmission )で構成される。自動変速機4は、内燃機関2の動力を変速して駆動輪7に伝達する。
なお、モータジェネレータ3は、図1に破線で示すように、クラッチ6と自動変速機4の間に設置してもよい。これより、自動変速機4は、内燃機関2またはモータジェネレータ3からの動力を変速して駆動輪7に伝達する。ハイブリッド車両1は、内燃機関2及びモータジェネレータ3の少なくとも一方から出力された動力により駆動される。
【0011】
内燃機関2、モータジェネレータ3、自動変速機4、クラッチ6は、ハイブリッド車両1の制御装置8により制御される。制御装置8には、アクセルペダルセンサ9と、車速センサ10と、変速操作切替装置11とが接続される。アクセルペダルセンサ9は、アクセルペダル踏込量を検出し、制御装置8に入力する。車速センサ10は、ハイブリッド車両1の車速を検出し、制御装置8に入力する。
変速操作切替装置11は、変速モード切替操作部12と、手動変速操作部13とを有している。
変速モード切替操作部12は、図2に示すように、例えば、パーキング位置P、リバース位置R、ニュートラル位置N、ドライブ位置D(自動変速位置)、低速レンジ位置L、手動変速位置Mなどを配置した変速モード切替シフト位置14を有し、また、スポーツモードスイッチSを有している。手動変速位置Mは、パーキング位置P、リバース位置R、ニュートラル位置N、ドライブ位置D、低速レンジ位置Lの並ぶ方向と異なる方向であって、ドライブ位置Dから離れる位置に配置される。
変速モード切替操作部12は、図示しないシフトレバーが変速モード切替シフト位置14の何れの位置に操作されたかを検出し、また、スポーツモードスイッチSが操作されたかを検出し、検出信号を制御装置8に入力する。なお、スポーツモードスイッチSは、シフトレバーに設けられるが、パーキング位置P、リバース位置Rなどのように、スポーツモード位置Sとして変速モード切替シフト位置14に配置することもできる。
手動変速操作部13は、手動変速位置Mを挟んで、例えば、シフトアップ位置+、シフトダウン位置-を配置した手動変速切替シフト位置15を有している。シフトアップ位置+、シフトダウン位置-は、パーキング位置P、リバース位置R、ニュートラル位置N、ドライブ位置D、低速レンジ位置Lの並ぶ方向に平行に配置される。手動変速操作部13は、手動変速位置Mに設定されたシフトレバーが、手動変速切替シフト位置15の何れの位置に操作されたかを検出し、検出信号を制御装置8に入力する。
また、手動変速操作部13は、変速操作切替装置11に図示しないパドルシフトレバーが設置されている場合、図示しないシフトレバーが手動変速位置Mに設定された状態で、あるいはシフトレバーがドライブ位置Dに設定された状態で、シフトアップ用パドルシフトレバー、シフトダウン用パドルシフトレバーの何れかが操作されたかを検出し、検出信号を制御装置8に入力する。
【0012】
制御装置8は、変速モード切替部16と、走行モード切替部17とを有している。 変速モード切替部16は、手動変速操作部13の操作に応じて自動変速機4の変速段を切り替える手動変速モード(MTモード)と、ハイブリッド車両1の走行状態に応じて自動変速機4の変速段を自動的に切り替える自動変速モード(ATモード)とを、有している。変速モード切替部16は、手動変速モードと自動変速モードとを、変速モード切替操作部12及び手動変速操作部13の操作に基づき切り替える。
手動変速モードには、以下の2つがある。
1つは、シフトレバーが手動変速位置Mに設定された状態において、シフトレバーがシフトアップ位置+、またはシフトダウン位置-に操作されることで、自動変速機4の変速段を手動で切り替えることができる継続的な手動変速モードである。なお、シフトレバーが手動変速位置Mに設定された手動変速モードにおいては、シフトアップ用パドルシフトレバー、シフトダウン用パドルシフトレバーを操作することでも、自動変速機4の変速段を手動で切り替えることができる。
他の1つは、シフトレバーがドライブ位置Dに設定された自動変速モードにおいて、シフトアップ用パドルシフトレバー、シフトダウン用パドルシフトレバーが操作されることで、自動変速機4の変速段を手動で切り替えることができる一時的な手動変速モードである。パドルシフトレバーの操作による手動変速モードは、一時的な手動による切り替えなので、すぐに自動変速モードに戻る。
変速モード切替部16は、シフトレバーがドライブ位置D(自動変速位置)に設定されると、変速モードを自動変速モードに切り替える。自動変速モードにおいては、アクセルペダルセンサ9が検出するアクセルペダル踏込量と車速センサ10が検出する車速とによってハイブリッド車両1の走行状態が判断され、判断された走行状態に応じて自動変速機4の変速段が自動的に切り替えられる。
また、変速モード切替部16は、シフトレバーが低速レンジ位置Lに操作された場合に、減速感を重視して自動変速機4の変速段を低速段に切り替える低速レンジモードと、スポーツモードスイッチSがON操作された場合に、加速感を重視して自動変速機4の変速段を自動的に切り替えるスポーツモードと、を有している。変速モード切替部16は、低速レンジモードとスポーツモードとを、シフトレバー及びスポーツモードスイッチSの操作に基づき切り替える。
【0013】
走行モード切替部17は、モータジェネレータ3の動力のみを用いて走行するモータ走行モード(EVモード)と、少なくとも内燃機関2の動力を用いて走行するエンジン使用モード(HEVモード)とを、有している。走行モード切替部17は、モータ走行モードとエンジン使用モードとを、少なくとも変速モードに応じて切り替える。
制御装置8は、変速モード切替部16が自動変速モードに切り替えられた場合、エンジン使用モード、モータ走行モードによりハイブリッド車両1を駆動する。また、制御装置8は、変速モード切替部16が手動変速モードに切り替えられた場合、低速レンジモードに切り替えられた場合、スポーツモードに切り替えられた場合、エンジン使用モードによりハイブリッド車両1を駆動する。エンジン使用モードにおいては、内燃機関2を始動して、少なくとも内燃機関2の動力で駆動する。
走行モード切替部17は、変速モード切替部16が自動変速モードから手動変速モードに切り替えられた場合、走行モードの切り替えを規定時間(ts)禁止する。規定時間(ts)は、走行モードの切り替え後において、内燃機関2の始動を抑制する時間(エンジン始動抑制時間)の閾値(エンジン始動抑制状態閾値)である。変速モード切替部16が自動変速モードから手動変速モードに切り替えられる場合には、手動変速位置Mにシフトレバーが設定された場合と、自動変速モードにおいてパドルシフトレバーが操作された場合と、がある。
走行モード切替部17は、手動変速操作部13が操作されて変速モードが切り替えられた場合、または、変速モード切替操作部12が手動変速位置Mに設定されて変速モードが切り替えられた場合に、走行モードの切り替えを規定時間(ts)禁止する。走行モードの切り替えには、自動変速モードから手動変速モードへの切り替えと、手動変速モードから自動変速モードへの切り替えとを含む。
走行モード切替部17は、タイマ18を有している。走行モード切替部17は、手動変速操作部13の手動変速位置Mからシフトレバーがシフトアップ位置+、あるいはシフトダウン位置-に操作された、または、変速モード切替操作部12の手動変速位置Mにシフトレバーが設定されたことによって、変速モード切替部16が変速モードを自動変速モードから手動変速モードに切り替え、タイマ18によりカウントを開始する。走行モード切替部17は、タイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えるまで、走行モードの切り替えを禁止する。
なお、走行モード切替部17は、手動変速モードにおいてシフトアップ用パドルシフトレバー、シフトダウン用パドルシフトレバーが操作された場合や、自動変速モードにおいてシフトアップ用パドルシフトレバー、シフトダウン用パドルシフトレバーが操作された場合にも、走行モードの切り替えを規定時間(ts)禁止する。
【0014】
次に、ハイブリッド車両1の制御装置8による制御について、図3のフローチャートに沿い説明する。
図3に示すように、制御装置8は、制御のプログラムがスタートし、シフトレバーが手動変速位置Mに設定され、あるいは、パドルシフトレバーが操作されることで変速モードが自動変速モード(ATモード)から手動変速モード(MTモード)に切り換わり、変速モードが切り替わることでカウントを開始したタイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えたかを判断する(S01)。
制御装置8は、タイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えて、判断(S01)がYESの場合、走行モードの切り替え{モータ走行モード(EVモード)←→エンジン使用モード(HEVモード)}を許可し(S02)、変速モードが、自動変速モードから手動変速モードに切り替わったかを判断する(S03)。
制御装置8は、タイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)以下で、判断(S01)がNOの場合、走行モードの切り替え{モータ走行モード(EVモード)←→エンジン使用モード(HEVモード)}を禁止し(S04)、変速モードが、自動変速モードから手動変速モードに切り換わったかを判断する(S03)。
制御装置8は、判断(S03)がYESの場合、走行モードの変更が許可されているか(S02)を判断する(S05)。
制御装置8は、判断(S03)がNOの場合、タイマ18をカウントアップし(S08)、判断(S01)にリターンする。
制御装置8は、判断(S05)がYESの場合、走行モードをエンジン使用モード(HEVモード)に設定し(S06)、タイマ18をリセットし(S07)、タイマ18をカウントアップし(S08)、判断(S01)にリターンする。
制御装置8は、判断(S05)がNOの場合、走行モードを変更せずに保持し(S09)、タイマ18をリセットし(S07)、タイマ18をカウントアップし(S08)、判断(S01)にリターンする。
【0015】
ハイブリッド車両1の制御装置8は、図4に示すように、運転者が自動変速機4の変速モードを自動変速モード(ATモード)から手動変速モード(MTモード)に切り替えて 、ハイブリッド車両1の走行モードがモータ走行モード(EVモード)からエンジン使用 モード(HEVモード)に切り替えられると(t0)、時刻(t0)からカウントを開始したタイマ18の計測時間(tc)がエンジン始動抑制状態閾値の規定時間(ts)を越えるまで走行モードの切り替えを禁止することで、内燃機関2の始動抑制状態を抑制とする。
制御装置8は、時刻(t0)から規定時間(ts)以下の時刻(t1)において運転者が自動変速機4の変速モードを手動変速モードから自動変速モードに切り替えても、走行モードの切替を禁止しているので、エンジン使用モードを維持して内燃機関2の始動抑制を継続する。
制御装置8は、時刻(t0)から規定時間(ts)以下の時刻(t2)において運転者が自動変速機4の変速モードを自動変速モードから手動変速モードに切り替えると、タイマ18のカウントがリセットされ、時刻(t2)からカウントを開始したタイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えるまで走行モードの切り替えを禁止することで、内燃機関2の始動抑制を継続する。
制御装置8は、時刻(t2)から規定時間(ts)以下の時刻(t3)において運転者が自動変速機4の変速モードを手動変速モードから自動変速モードに切り替えて、時刻(t2)から規定時間(ts)以下の時刻(t4)において運転者が自動変速機4の変速モードを自動変速モードから手動変速モードに切り替えると、タイマ18のカウントがリセットされ、時刻(t4)からカウントを開始したタイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えるまで走行モードの切り替えを禁止することで、内燃機関2の始動抑制を継続する。
制御装置8は、時刻(t4)から規定時間(ts)以下の時刻(t5)において運転者が自動変速機4の変速モードを手動変速モードから自動変速モードに切り替えても、走行モードの切替を禁止してエンジン使用モードを維持することで、内燃機関2の始動抑制を継続する。
【0016】
制御装置8は、タイマ18の計測時間(tc)が時刻(t5)を越えて、時刻(t4)から規定時間(ts)を越えた時刻(t6)になると、走行モードの切り替え禁止を解除 し、走行モードがエンジン使用モードからモータ走行モードに切り替え可能になり、自動 変速モードの状態で内燃機関2の始動抑制状態を非抑制とする。
制御装置8は、時刻(t4)から規定時間(ts)を越えた時刻(t7)において運転 者が自動変速機4の変速モードを自動変速モードから手動変速モードに切り替えると、ハイブリッド車両1の走行モードがモータ走行モードからエンジン使用モードに切り替えられ、時刻(t7)からカウントを開始したタイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えるまで走行モードの切り替えを禁止することで、内燃機関2の始動抑制状態を抑制にする。
制御装置8は、タイマ18の計測時間(tc)が時刻(t7)から規定時間(ts)を越えた時刻(t8)になると、走行モードの切り替え禁止を解除し、手動変速モードの状態で内燃機関2の始動抑制状態を非抑制とする。
制御装置8は、タイマ18の計測時間(tc)が時刻(t8)を越え、時刻(t7)から規定時間(ts)を越えた時刻(t9)において運転者が自動変速機4の変速モードを手動変速モードから自動変速モードに切り替えると、走行モードがエンジン使用モードからモータ走行モードに切り替え可能になり、走行モードの切り替え禁止の解除を維持し、自動変速モードの状態で内燃機関2の始動非抑制を継続する。
【0017】
このように、ハイブリッド車両1の制御装置8は、自動変速機4の変速モードを自動変速モードから手動変速モードに切り替えた場合、走行モードの切り替えを規定時間(ts)禁止するので、変速モードの切り替えによるモータ走行モードおよびエンジン使用モード間での頻繁な走行モード切り替えを防止することができ、内燃機関2の始動を抑制して始動回数を低減させることができる。
このため、ハイブリッド車両1の制御装置8は、内燃機関2の始動装置5の作動回数を低減させることができ、始動装置5(あるいは、モータジェネレータ3)の耐久性の低下を防止することができ、さらに、頻繁な内燃機関2の始動によって発生する騒音や振動による運転者の不快感も低減することができる。
また、ハイブリッド車両1の制御装置8は、走行モード切替部17によって、手動変速操作部13が操作された場合、または、変速モード切替操作部12が手動変速位置Mに設定されて手動変速を要求された場合に、走行モードの変更を規定時間(ts)禁止するので、内燃機関2の始動回数を低減させる機会を増大させることができ、始動装置5(あるいは、モータジェネレータ3)の耐久性の低下をさらに防止することができ、さらに、頻繁な内燃機関2の始動によって発生する騒音や振動による運転者の不快感も低減することができる。
【実施例2】
【0018】
図5は、実施例2を示すものである。実施例2においては、図1図2に示す符号を用いて説明する。
実施例2のハイブリッド車両1の制御装置8において、規定時間(ts)は、第1の規定時間(ts1)と、第1の規定時間(ts2)とは異なる第2の規定時間(ts2)とを含んでいる。第1の規定時間(ts1)は、第2の規定時間(ts2)よりも長い時間に設定される。
走行モード切替部17は、手動変速操作部13が操作された場合は、走行モードの切り替えを第1の規定時間(ts1)禁止し、変速モード切替操作部12が手動変速位置Mに設定された場合は、走行モードの切り替えを第2の規定時間(ts2)禁止する。
手動変速操作部13がパドルシフトレバーを操作された場合の手動変速モードでは、運転者が一時的に手動変速したいとの意思なので、すぐに自動変速モードに戻り、再度一時的に手動変速する可能性があるので、第1の規定時間(ts1)を第2の規定時間(ts2)よりも長く設定する。
また、変速モード切替操作部12がシフトレバーにより手動変速位置Mに設定された場合は、運転者がしばらく手動変速を続けたいとの意思なので、第2の規定時間(ts2)を第1の規定時間(ts1)よりも短く設定する。
このように、規定時間(ts)は、手動変速モードの種類に応じて、異なる長さの第1の規定時間(ts1)、第2の規定時間(ts2)に設定する。
【0019】
次に、ハイブリッド車両1の制御装置8による制御について、図5のフローチャートに沿い説明する。
図5に示すように、制御装置8は、制御のプログラムがスタートし、シフトレバーが手動変速位置Mに設定され、あるいは、パドルシフトレバーが操作されることで変速モードが自動変速モード(ATモード)から手動変速モード(MTモード)に切り換わり、変速 モードが切り替わることでカウントを開始したタイマ18の計測時間(tc)が初期値の規定時間(ts)を越えたかを判断する(S11)。
なお、規定時間(ts)の初期値は、ハイブリッド車両1の走行を開始するために起動し、制御のプログラムがスタートして最初のタイマ18のカウントアップの間に走行モー ドの切り替えを禁止しないようにするために、第1の規定時間(ts1)、あるいは第2の規定時間(ts2)以上の値としても良い。
制御装置8は、タイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えて、判断(S11)がYESの場合、走行モードの切り替え{モータ走行モード(EVモード)←→エンジン使用モード(HEVモード)}を許可し(S12)、変速モードが、自動変速モードから手動変速モードに切り替わったかを判断する(S13)。
制御装置8は、タイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)以下で、判断(S11)がNOの場合、走行モードの切り替え{モータ走行モード(EVモード)←→エンジン使用モード(HEVモード)}を禁止し(S14)、変速モードが、自動変速モードから手動変速モードに切り換わったかを判断する(S13)。
制御装置8は、判断(S13)がYESの場合、走行モードの変更が許可(S12)されているかを判断する(S15)。
制御装置8は、判断(S13)がNOの場合、タイマ18をカウントアップし(S21 )、判断(S11)にリターンする。
制御装置8は、判断(S15)がYESの場合、走行モードをエンジン使用モード(HEVモードに設定し(S16)、シフトレバーが変速モード切替操作部12の手動変速位置Mに設定されたかを判断する(S17)。
制御装置8は、判断(S15)がNOの場合、走行モードを変更せずに保持し(S18)、シフトレバーが変速モード切替操作部12の手動変速位置Mに設定されたかを判断する(S17)。
制御装置8は、判断(S17)がYESの場合、規定時間(ts)を第2の規定時間(ts2)に設定し(S19)、タイマ18をリセットし(S20)、タイマ18をカウントアップし(S21)、判断(S11)にリターンする。
制御装置8は、判断(S17)がNOの場合、規定時間(ts)を第1の規定時間(ts1)に設定し(S22)、タイマ18をリセットし(S20)、タイマ18をカウントアップし(S21)、判断(S11)にリターンする。
【0020】
このように、ハイブリッド車両1の制御装置8は、手動変速操作部13が操作されて手動変速を要求された場合と、変速モード切替操作部12が手動変速位置Mに設定されて手動変速を要求された場合とにおいて、それぞれ異なる第1の規定時間(tc1)と第2の規定時間(ts2)とを用いて走行モードの切り替えを禁止するので、運転者の要求に応じて走行モードの切り替えを禁止する時間を適切に設定することができる。
また、ハイブリッド車両1の制御装置8は、手動変速操作部13が操作されて手動変速を要求された場合の第1の規定時間(ts1)を、変速モード切替操作部12が手動変速位置Mに設定されて手動変速を要求された場合の第2の規定時間(ts2)よりも長くしたことで、手動変速操作部13の操作で手動変速を要求された場合に内燃機関2の始動回数を低減させる機会を増大させることができ、始動装置5(あるいは、モータジェネレータ3)の耐久性の低下をさらに防止することができ、さらに、頻繁な内燃機関2の始動によって発生する騒音や振動による運転者の不快感も低減することができる。
なお、上述実施例1、2においては、変速モード切替部16が自動変速モード(ATモード)に切り替えられた場合に、エンジン使用モード(HEVモード)、モータ走行モード(EVモード)により駆動し、また、変速モード切替部16が手動変速モード(MTモード)に切り替えられた場合に、エンジン使用モード(HEVモード)により駆動するハイブリッド車両1に適用したが、変速モード切替部16が手動変速モード(MTモード)に切り替えられた場合において、エンジン使用モード(HEVモード)、モータ走行モード(EVモード)により駆動するハイブリッド車両1にも適用することができる。
さらに、ハイブリッド車両1の制御装置8は、1つのコントローラ(制御部)でなく、複数のコントローラ(例えば、エンジンコントローラ、ミッションコントローラ、ハイブリッドコントローラなど)に分けて、変速モード切換部15、走行モード切換部16を構成することもできる。
【実施例3】
【0021】
図6は、実施例3を示すものである。実施例3においては、図1図2に示す符号を用いて説明する。
制御装置8は、変速モード切替部16が自動変速モードに切り替えられた場合、エンジン使用モード、モータ走行モードによりハイブリッド車両1を駆動する。また、制御装置8は、変速モード切替部16が手動変速モードに切り替えられた場合、低速レンジモードに切り替えられた場合、または、スポーツモードに切り替えられた場合、エンジン使用モードによりハイブリッド車両1を駆動する。エンジン使用モードにおいては、内燃機関2を始動して、少なくとも内燃機関2の動力で駆動する。
実施例3のハイブリッド車両1の制御装置8において、走行モード切替部17は、シフトレバーが低速レンジ位置Lに設定されて変速モード切替部16が自動変速モードから低速レンジモードに切り替えられた場合、または、スポーツモードスイッチSがON操作されて変速モード切替部16が自動変速モードからスポーツモードに切り替えられた場合に、走行モードの切り替えを規定時間(ts)禁止する。
規定時間(ts)は、走行モードの切り替え後において、内燃機関2の始動を抑制する時間(エンジン始動抑制時間)の閾値(エンジン始動抑制状態閾値)である。走行モードの切り替えには、自動変速モードから低速レンジモード、または、スポーツモードへの切り替えと、低速レンジモード、または、スポーツモードから自動変速モードへの切り替え とを含む。なお、エンジン始動抑制時間、エンジン始動抑制状態閾値については、実施例1の図4の説明を参照するものとする。この場合、実施例3においては、図4の手動変速モードを低速レンジモード、または、スポーツモードに読み替える。
走行モード切替部17は、タイマ18を有している。走行モード切替部17は、変速モード切替操作部12の低速レンジ位置Lにシフトレバーが設定された、または、変速モード切替操作部12のスポーツモードスイッチSがON操作されたことによって、変速モード切替部16が変速モードを自動変速モードから低速レンジモード、または、スポーツモードに切り替え、タイマ18によりカウントを開始する。走行モード切替部17は、タイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えるまで、走行モードの切り替えを禁止する。
【0022】
次に、ハイブリッド車両1の制御装置8による制御について、図6のフローチャートに沿い説明する。
図6に示すように、制御装置8は、制御のプログラムがスタートし、シフトレバーが低速レンジモードLに設定されることで、変速モードが自動変速モードから低速レンジモード切り換わり、または、スポーツモードスイッチSがON操作されることで、変速モードが自動変速モードからスポーツモードに切り換わり、変速モードが切り替わることでカウ ントを開始したタイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えたかを判断する (S31)。
制御装置8は、タイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)を越えて、判断(S31)がYESの場合、走行モードの切り替え{モータ走行モード(EVモード)←→エンジン使用モード(HEVモード)}を許可し(S32)、変速モードが、自動変速モードから低速レンジモード、または、スポーツモードに切り替わったかを判断する(S33)。
制御装置8は、タイマ18の計測時間(tc)が規定時間(ts)以下で、判断(S31)がNOの場合、走行モードの切り替え{モータ走行モード(EVモード)←→エンジン使用モード(HEVモード)}を禁止し(S34)、変速モードが、自動変速モードから低速レンジモード、または、スポーツモードに切り換わったかを判断する(S33)。制御装置8は、判断(S33)がYESの場合、走行モードの変更が許可(S32)されているかを判断する(S35)。
制御装置8は、判断(S33)がNOの場合、タイマ18をカウントアップし(S38)、判断(S31)にリターンする。
制御装置8は、判断(S35)がYESの場合、走行モードをエンジン使用モード(HEVモードに設定し(S36)、タイマ18をリセットし(S37)、タイマ18をカウントアップし(S38)、判断(S31)にリターンする。
制御装置8は、判断(S35)がNOの場合、走行モードを変更せずに保持し(S39)、タイマ18をリセットし(S37)、タイマ18をカウントアップし(S38)、判断(S31)にリターンする。
【0023】
このように、ハイブリッド車両1の制御装置8は、自動変速機4の変速モードを自動変速モードから低速レンジモード、または、スポーツモードに切り替えた場合、走行モードの切り替えを規定時間(ts)禁止するので、変速モードの切り替えによるモータ走行モードおよびエンジン使用モード間での頻繁な走行モード切り替えを防止することができ、内燃機関2の始動を抑制して始動回数を低減させることができる。
このため、ハイブリッド車両1の制御装置8は、内燃機関2の始動装置5の作動回数を低減させることができ、始動装置5(あるいは、モータジェネレータ3)の耐久性の低下を防止することができ、さらに、頻繁な内燃機関2の始動によって発生する騒音や振動による運転者の不快感も低減することができる。
また、ハイブリッド車両1の制御装置8は、走行モード切替部17によって、変速モード切替操作部12が低速レンジ位置Lに設定された場合、または、スポーツモードスイッチSがON操作された場合に、走行モードの変更を規定時間(ts)禁止するので、内燃機関2の始動回数を低減させる機会を増大させることができ、始動装置5(あるいは、モータジェネレータ3)の耐久性の低下をさらに防止することができ、さらに、頻繁な内燃機関2の始動によって発生する騒音や振動による運転者の不快感も低減することができる 。
なお、上述実施例3においては、変速モード切替部16が自動変速モード(ATモード)に切り替えられた場合に、エンジン使用モード(HEVモード)、モータ走行モード(EVモード)により駆動し、また、変速モード切替部16が低速レンジモード、または、スポーツモードに切り替えられた場合に、エンジン使用モード(HEVモード)により駆動するハイブリッド車両1に適用したが、変速モード切替部16が低速レンジモード、または、スポーツモードに切り替えられた場合において、エンジン使用モード(HEVモード)、モータ走行モード(EVモード)により駆動するハイブリッド車両1にも適用することができる。
さらに、ハイブリッド車両1の制御装置8は、1つのコントローラ(制御部)でなく、複数のコントローラ(例えば、エンジンコントローラ、ミッションコントローラ、ハイブリッドコントローラなど)に分けて、変速モード切換部15、走行モード切換部16を構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
この発明のハイブリッド車両の制御装置は、内燃機関及びモータジェネレータの少なくとも一方から出力された動力により駆動するハイブリッド車両に適用可能である。
本願の原出願(特願2017-22094)の出願当初の特許請求の範囲に記載されていた各請求項は、以下の通りであった。
請求項1:
内燃機関と、モータジェネレータと、前記内燃機関または前記モータジェネレータからの動力を変速して駆動輪に伝達する自動変速機とを有し、
前記内燃機関及び前記モータジェネレータの少なくとも一方から出力された動力により駆動するハイブリッド車両の制御装置であって、
変速モードを切り替える変速モード切替部と、
前記モータジェネレータの動力のみを用いて走行するモータ走行モードと、少なくとも前記内燃機関の動力を用いて走行するエンジン使用モードとを、少なくとも前記変速モードに応じて切り替える走行モード切替部とを有し、
前記走行モード切替部は、前記変速モードが切り替えられた場合、前記走行モードの切り替えを規定時間禁止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
請求項2:
前記変速モードは、手動変速操作部の操作に応じて前記自動変速機の変速段を切り替える手動変速モードと、車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動的に切り替える自動変速モードとを含み、
前記走行モード切替部は、前記変速モードが前記自動変速モードから前記手動変速モードに切り替えられた場合、前記走行モードの切り替えを規定時間禁止することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
請求項3:
前記走行モード切替部は、前記手動変速操作部が操作された場合、または、変速モード切替操作部が手動変速位置に設定された場合に、前記走行モードの切り替えを規定時間禁止することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
請求項4:
前記規定時間は、第1の規定時間と当該第1の規定時間とは異なる第2の規定時間とを含み、
前記走行モード切替部は、前記手動変速操作部が操作された場合は、前記走行モードの切り替えを第1の規定時間禁止し、前記変速モード切替操作部が手動変速位置に設定された場合は、前記走行モードの切り替えを第2の規定時間禁止することを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
請求項5:
前記第1の規定時間は前記第2の規定時間よりも長いことを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置。
請求項6:
前記変速モードは、前記自動変速機の変速段を低速段に切り替える低速レンジモード、または、加速感を重視して前記自動変速機の変速段を自動的に切り替えるスポーツモードを含み、
前記走行モード切替部は、前記変速モードが前記低速レンジモード、または、前記スポーツモードに切り替えられた場合、前記走行モードの切り替えを規定時間禁止することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
本願の出願当初の特許請求の範囲に記載されていた各請求項は、以下の通りであった。
請求項1:
内燃機関と、モータジェネレータと、前記内燃機関または前記モータジェネレータからの動力を変速して駆動輪に伝達する自動変速機とを有し、
前記内燃機関及び前記モータジェネレータの少なくとも一方から出力された動力により駆動するハイブリッド車両の制御装置であって、
手動変速操作部の操作に応じて前記自動変速機の変速段を切り替える手動変速モードと、車両の走行状態に応じて前記自動変速機の変速段を自動的に切り替える自動変速モードとを含む変速モードを切り替える変速モード切替部と、
前記モータジェネレータの動力のみを用いて走行するモータ走行モードと、少なくとも前記内燃機関の動力を用いて走行するエンジン使用モードとを、少なくとも前記変速モー ドに応じて切り替える走行モード切替部とを有し、
前記走行モード切替部は、前記変速モードが前記自動変速モードから前記手動変速モードに切り替えられた場合に、前記走行モードを前記エンジン使用モードに変更し、その後前記走行モードの切り替えを規定時間禁止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
請求項2:
前記走行モード切替部は、前記手動変速操作部が操作された場合、または、変速モード切替操作部が手動変速位置に設定された場合に、前記走行モードの切り替えを規定時間禁止することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
請求項3:
前記規定時間は、第1の規定時間と当該第1の規定時間とは異なる第2の規定時間とを含み、
前記走行モード切替部は、前記手動変速操作部が操作された場合は、前記走行モードの切り替えを第1の規定時間禁止し、前記変速モード切替操作部が手動変速位置に設定された場合は、前記走行モードの切り替えを第2の規定時間禁止することを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
請求項4:
前記第1の規定時間は前記第2の規定時間よりも長いことを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
請求項5:
前記変速モードは、前記自動変速機の変速段を低速段に切り替える低速レンジモード、または、加速感を重視して前記自動変速機の変速段を自動的に切り替えるスポーツモードを含み、
前記走行モード切替部は、前記変速モードが前記低速レンジモード、または、前記スポーツモードに切り替えられた場合、前記走行モードの切り替えを規定時間禁止することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【符号の説明】
【0025】
1 ハイブリッド車両
2 内燃機関
3 モータジェネレータ
4 自動変速機
5 始動装置
6 クラッチ
7 駆動輪
8 制御装置
9 アクセルペダルセンサ
10 車速センサ
11 変速操作切替装置
12 変速モード切替操作部
13 手動変速操作部
14 変速モード切替シフト位置
15 手動変速切替シフト位置
16 変速モード切替部
17 走行モード切替部
18 タイマ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7