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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】フライヤ用型枠及び油揚製造装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/12 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A47J37/12 351
A47J37/12 371
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018223901
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020081640
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年12月27日にオーケー食品工業株式会社甘木工場にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】591162631
【氏名又は名称】株式会社高井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高井 東一郎
(72)【発明者】
【氏名】土井上 隆
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-45140(JP,A)
【文献】特表2006-513014(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0139861(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油揚製造装置に用いる型枠であるフライヤ用型枠であって、
揚げ生地を揚げ加工し膨化した油揚を配置可能な空間を画定する枠本体と、
前記空間の所定の方向に沿ってスライド可能に配置された複数の移動仕切部材と、
前記移動仕切部材を前記所定の方向に沿ってスライドさせるスライド部材と、
を備え、
前記スライド部材により前記移動仕切部材は、前記空間の所定の方向に沿って少なくとも区画数Mの区画及び区画数Nの区画のいずれかの区画に仕切るようにスライドし(N>M、M及びNは自然数)、
前記スライド部材は、前記複数の移動仕切部材のうちの第1群のみをスライドさせる第1のスライド部材と、前記複数の移動仕切部材のうちの第2群のみをスライドさせる第2のスライド部材とを少なくとも含み、
1≦M≦N-1が成立する、
フライヤ用型枠。
【請求項2】
請求項1に記載のフライヤ用型枠であって、
N/2<M≦N-1が成立する、
フライヤ用型枠。
【請求項3】
請求項1または2に記載のフライヤ用型枠であって、
前記枠本体が前記空間の底面を形成する底壁を有し、
前記第1のスライド部材及び前記第2のスライド部材が、前記底壁の下面に沿って互いに平行な方向にスライドし、
前記移動仕切部材は、前記底壁に形成され、前記所定の方向に沿って長手方向を持つ第1の長穴を介して前記第1のスライド部材または前記第2のスライド部材に接続される、
フライヤ用型枠。
【請求項4】
請求項3に記載のフライヤ用型枠であって、
前記第1のスライド部材及び前記第2のスライド部材は、前記所定の方向に沿って長手方向を持つ第2の長穴を有し、
前記移動仕切部材の脚部が前記第1の長穴の内部及び前記第2の長穴の内部を前記所定の方向に沿ってスライド可能な状態で貫通している、
フライヤ用型枠。
【請求項5】
請求項3に記載のフライヤ用型枠であって、
前記移動仕切部材の脚部が前記第1の長穴の内部を前記所定の方向に沿ってスライド可能な状態で貫通し、前記第1のスライド部材または前記第2のスライド部材に固定されている、
フライヤ用型枠。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のフライヤ用型枠であって、
前記第1のスライド部材及び前記第2のスライド部材は、区画数Mの区画及び区画数Nの区画の一方から他方の状態に遷移する際に、互いに逆方向にスライドする、
フライヤ用型枠。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のフライヤ用型枠であって、
前記空間に固定された固定仕切部材を更に備える、
フライヤ用型枠。
【請求項8】
請求項7に記載のフライヤ用型枠であって、
前記固定仕切部材の片側の前記空間において、前記第1群に属する移動仕切部材及び前記第2群に属する移動仕切部材が存在する、
フライヤ用型枠。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のフライヤ用型枠を備える油揚製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油揚の製造に用いられるフライヤ用型枠及びこのフライヤ用型枠を用いた油揚製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油揚げの自動製造装置(フライヤともいう)は一般的に、揚げ加工前の揚げ生地を搬送する搬送コンベヤと、揚げ生地を揚げ加工する油槽(いわゆる鍋)を有し、このフライヤの油槽上に多数の揚げ枠を含むフライヤ用型枠を取り付けたフライヤコンベヤが設けられている。フライヤ用型枠において多数の揚げ枠が、所定の横並び間隔を保つように連結されている。
【0003】
油揚げには地域性や商品差別化戦略から種々の形状、大きさのものが存在し、製造する種類に応じて製造装置における揚げ枠の大きさを変更するような構成を有することが望ましい。このため、特許文献1~3は、このような要望に応じた種々の構成を開示している。
【0004】
特許文献1は、油揚げ製造装置が運転している状態で、製造する油揚げのサイズの変更を可能とする油揚げ用フライヤーケースを開示している。フライヤーケース本体部の長手方向に移動可能に設けられた移動仕切板が設けられ、異なる間隔の区画が形成されるように、移動仕切板をフライヤ型枠の長手方向に沿ってスライドすることが開示されている。
【0005】
特許文献2は、製品サイズを変更するときに必要な段取り時間を最短にするため、製品サイズに応じた型枠が周回するように予め混在させた形態を有する装置を開示している。
特許文献3は、サイズが異なる製品ポケットをキャリヤの表裏に形成し、進行するキャリヤを自動的に反転させて製品サイズの変更に必要な時間を短縮する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-054476号公報
【文献】特開昭49-20373号公報
【文献】特開平9-252961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示の装置によれば、1本のスライド板により移動仕切板を移動させるため、移動仕切板の移動方向が一方向のみであり、柔軟に仕切の間の区画寸法、区画数などを設定することが困難であった。また、特許文献2、3に開示の装置によれば、生産効率が悪く、コストの面でも問題があった。
【0008】
本発明は、柔軟に区画寸法、区画数を設定できるフライヤ用型枠及びそれを用いた油揚製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のフライヤ用型枠は、油揚製造装置に用いる型枠であるフライヤ用型枠であって、揚げ加工前の揚げ生地を配置可能な空間を、鍋底のパンチング板とで画定する枠本体と、前記空間の所定の方向に沿ってスライド可能に配置された複数の移動仕切部材と、前記移動仕切部材を前記所定の方向に沿ってスライドさせる2本のスライド部材と、を備え、前記スライド部材により前記移動仕切部材は、前記空間の所定の方向に沿って少なくとも区画数Mの区画及び区画数Nの区画のいずれかの区画に仕切るようにスライドし(N>M≧1、M及びNは自然数)、前記スライド部材は、前記複数の移動仕切部材のうちの第1群のみをスライドさせる第1のスライド部材と、前記複数の移動仕切部材のうちの第2群のみをスライドさせる第2のスライド部材とを少なくとも含み、1≦M≦N-1が成立する。
【0010】
本発明の油揚製造装置は、上記フライヤ用型枠を無端状の搬送部材に連結されて周回して、下方の油槽の油中または油面に生地を搬送するようにした連続式油揚製造装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のフライヤ用型枠によれば、油揚の連続生産において、寸法の異なる油揚(厳密にはフライヤ1台につき一辺が同じ寸法の2種類の製品)に合わせて、円滑に区画数及び区画寸法を切替可能であるため、これまで以上に対応できる製品種類が増えて、多品種の油揚の生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る油揚製造装置の成型機の下流端とフライヤの上流端の連結部であって、生地移載投入部の斜視図である。
図2】実施形態の油揚製造装置に使用されるフライヤ用型枠の斜視図である。
図3】実施形態のフライヤ用型枠の要部の断面図である。
図4】フライヤ用型枠の要部の拡大斜視図であり、(a)は仕切板と第1のスライド部材の重なり合った部分の拡大斜視図、(b)は仕切板と第2のスライド部材の重なり合った部分の拡大斜視図である。
図5】仕切板と第1のスライド部材の動きを示す断面図であり、(a)は仕切板と第1のスライド部材が長穴の一端まで移動した状態の断面図、(b)は仕切板と第1のスライド部材が長穴の他端まで移動した状態の断面図である。
図6】従来のフライヤ用型枠の動作を示す概念図であり、(a)は区画数の多い状態、(b)は区画数の少ない状態を示す。
図7】実施例1のフライヤ用型枠の動作を示す概念図であり、(a)は区画数の多い状態、(b)は区画数の少ない状態を示す。
図8】実施例2のフライヤ用型枠の動作を示す概念図であり、(a)は区画数の多い状態、(b)は区画数の少ない状態を示す。
図9】実施例3のフライヤ用型枠の動作を示す概念図であり、(a)は区画数の多い状態、(b)は区画数の少ない状態を示す。
図10】実施例4のフライヤ用型枠の動作を示す概念図であり、(a)は区画数の多い状態、(b)は区画数の少ない状態を示す。
図11】実施例5のフライヤ用型枠の動作を示す概念図であり、(a)は区画数の多い状態、(b)は区画数の少ない状態を示す。
図12】実施例6のフライヤ用型枠の動作を示す概念図であり、(a)は区画数の多い状態、(b)は区画数の少ない状態を示す。
図13】実施例7のフライヤ用型枠の動作を示す概念図であり、(a)は区画数の多い状態、(b)は区画数の少ない状態を示す。
図14】実施例8のフライヤ用型枠の動作を示す概念図であり、(a)は区画数の多い状態、(b)は区画数の少ない状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて、本発明に係るフライヤ用型枠及び油揚製造装置の具体的な実施の形態について詳述する。
【0014】
図1は、油揚製造装置の生地移載投入部分の要部の斜視図を示している。実施の形態の油揚製造装置20は、加工前の揚げ生地F(所定の揚げ枠より一辺が30~90%短い寸法の生地)を搬送する搬送コンベヤ10(上流工程の成型機の下布コンベア)と、搬送コンベヤ10から順に揚げ生地Fを一定数量毎に受け取りフライヤに向けて移載し型枠に投入した後、搬送するフライヤコンベヤ30と、搬送コンベヤ10の下流端とフライヤコンベヤ30の上流端とに部分的にオーバラップする箇所に設置されるスライド中継板25と、ストッパ板26と、揚げ生地をスライド中継板上に向けて駆動手段を介して付勢するプッシャ板21とを備える。
【0015】
搬送コンベヤ10は、例えば油揚生地の成型機の無端状に周回する下布で、切断機や分配機は省略されているが、成型し切断して等間隔に分配した油揚生地を連続的に搬送するもので、透水性の強靭なシート部材からなる幅広のベルト13を下流端に配設するエンド部材11において折返すように循環駆動するものであり、搬送コンベヤ10に関して、ベルト13の上面とは、図示しない搬送コンベヤ10の上流端からエンド部材11の上を通過してエンド部材11の裏面側に回り込むまでの範囲をいい、また、ベルト13の下面とは、エンド部材11の裏面側を通過して上流端側に至る範囲をいう。ここで、ベルト13の上面は、図1に示す矢印A1方向に、ベルト13の下面は、矢印A2方向に駆動される。なお、ベルト13の上面は、複数の中間支持ロール12によって平坦に保たれるように支持されている。
【0016】
エンド部材11は、自己潤滑性有する樹脂の厚板のボックス構造、または、同材料のソリッド構造を有し、全体として三角柱形に形成されている。エンド部材11は、側面側からの観察において、斜辺に対する対辺の長さを短く抑えた直角三角形を呈し、斜辺を上面にして組み付けられている。したがって、搬送コンベヤ10の下流端は、傾斜角の緩慢な下り傾斜をなし、ベルト13は、下り傾斜を通過し、鋭角的な先端部で折返して上流端側に復帰することとなる。また、搬送コンベヤ10の下流端の先端部には、生地の布離れを補助するため、先端部に密着する状態で極く細い金属線14が張設されている。
【0017】
フライヤコンベヤ30は、その上流端に配置されるスプロケット31と図示しない下流端に配置される対応するスプロケットとの間に循環駆動される左右一対の駆動チェーン32を設け、一対の駆動チェーン32間に跨るように、多数連の揚げ枠33を所定の縦並び間隔で取り付けたものである。そして、一連の揚げ枠33は、所定の横並び間隔を保って連結された個々の揚げ枠Bからなる。揚げ枠B全体は、所定の横並び間隔と縦並び間隔を保って配置されている。フライヤコンベヤ30は、スプロケット31の下側がフライヤの油槽の油面レベル下に位置するとともに、搬送コンベヤ10とは、逆方向に駆動される。すなわち、油面上の揚げ枠Bは、矢印A2方向に流れてフライヤコンベヤ30の上流端に至り、スプロケット31で折返して反転し、油浴した状態で下流端に向かって矢印A1方向に流れるように駆動されることとなる。また、フライヤ内には、駆動チェーン32に沿ってパンチングメタルからなるガイド板34が設けられており、反転して下流端に向かう揚げ枠Bは、ガイド板34に沿って移動するようになっている。
【0018】
尚、揚げ枠33は図2以降におけるフライヤ用型枠100に対応し、個々の揚げ枠Bは図2以降における区画Sに対応する。図2以降の説明においては、フライヤ用型枠100、区画Sの用語を使用する。
【0019】
揚げ生地Fは、搬送コンベヤ10のベルト13上にフライヤコンベヤ30の揚げ枠Bの横並び間隔と縦並び間隔とに対応した横並び間隔と縦並び間隔とを保って配列された状態で搬送され、搬送コンベヤ10とフライヤコンベヤ30とは、搬送コンベヤ10に付設する揚げ生地F検出用のセンサを介して電気的に同期駆動される。ただし、両者は、必ずしも1対1の搬送速度で対応するものではなく、同期駆動には、増速同期駆動及び減速同期駆動が含まれる。したがって、この場合には、揚げ生地Fの縦並び間隔についても、必ずしも1対1の関係で揚げ枠Bに対応するものではない。また、同期駆動の態様については、連続同期駆動の他、間欠同期駆動が含まれる。なお図1には示していないが、フライヤコンベヤ30の揚げ枠Bに収まって油槽中を搬送される揚げ生地Fは低温80~120℃から、高温140~200℃の油中を通って移動する。低温部の後端で揚げ枠を鍋底のパンチング板と共に上下に揺らせて油揚生地Fを水分(や空気)の蒸発と共に膨化させ、揚げ枠B一杯に広げる。その工程を「伸ばし」という。その後高温部に移動してさらに水分が飛び、きつね色の色づき油揚製品になり、この工程を「からし」という。揚げ生地Fの一辺が約1.1~2.5倍、標準的には1.6倍、面積で3倍ほどに広がり、これを「伸びる」、「伸ばす」、と当業界ではいう。
【0020】
搬送コンベヤ10の下流端の上方位置には、エンド部材11の斜面に平行に一対のガイドレール22が固定され、一対のガイドレール22間には、ブラケット23bを立設したスライダ23がスライド自在に支持されている。スライダ23には、上下動を担当する駆動手段である駆動シリンダC2が作動ロッドを下向きにした姿勢で取り付けられ、駆動シリンダC2の作動ロッドには、ベルト13を横断する向きに、ベルト13の全幅におよぶプッシャ板21が取り付けられている。また、スライダ23の上流側には、ガイドレール22と平行に水平動を担当する駆動手段である駆動シリンダC1が作動ロッドを駆動シリンダC2側に向け、固定の把持ブラケット24を介して配置され、駆動シリンダC1の作動ロッドは、スライダ23のブラケット23bに連結されている。
【0021】
搬送コンベヤ10のエンド部材11の先端下、フライヤコンベヤ30の上流端上方には、左右一対のガイドレール27によってスライド自在に支持したスライド中継板25が組み付けられている。一対のガイドレール27は、フライヤコンベヤ30に沿って水平に配設されており、スライド中継板25は、断面L字形に形成したベース板25bを介して支持されている。また、ベース板25bは、フライヤコンベヤ30の下端側から上流端側に作動ロッドを向け、固定の把持ブラケット28を介してフライヤコンベヤ30上に水平に配置した駆動シリンダC3の作動ロッドに連結されている。したがって、駆動シリンダC3が駆動されると、スライダ23は、搬送コンベヤ10の先端下からフライヤコンベヤ30の下流端方向に退避するように、又は、その位置に復帰するように水平動することができる。
【0022】
スライド中継板25上には、ストッパ板26が横設されている。ストッパ板26は、スライド中継板25の表面に極く近接した状態で、スライド中継板25の後端部、つまり、スライド中継板25の駆動シリンダC3側に寄せて横設され、ストッパ板26の両端は、フライヤコンベヤ30のフレームに固定されている。
【0023】
駆動シリンダC1が駆動されると、スライダ23と、スライダに23に取り付けられた駆動シリンダC2と、駆動シリンダC2に取り付けられたプッシャ板21とがガイドレール22に沿って一体となって水平動する。駆動シリンダC2が駆動されると、プッシャ板21がその位置において上下動する。双方の駆動シリンダC1、C2の動作によって、プッシャ板21の下降動作、付勢動作、退避動作、戻り動作が実現されることとなる。
【0024】
すなわち、駆動シリンダC2が作動ロッドを前進させることによって下降動作に入り、下降動作は、プッシャ板21の先端部が通過した揚げ生地Fの後方位置において、ベルト13に極く接近するまで下降して完了する。次いで、プッシャ板21は、駆動シリンダC1が作動ロッドを前進させることによって付勢動作に入る。付勢動作は、駆動シリンダC2が下降したプッシャ板21をそのまま維持しながらスライダ23とともに、エンド部材11の斜面に沿ってベルト13上をスライド中継板25の方向に移動し、プッシャ板21の先端部が搬送コンベヤ10の先端部を通過することによって完了する。したがって、プッシャ板21の進行方向に位置していた揚げ生地Fの一列は、プッシャ板21に強制的に押し出されるように付勢されてスライド中継板25上に至る。
【0025】
付勢動作の完了後、プッシャ板21は、駆動シリンダC2の作動ロッドを後退させて次順位の横一列の揚げ生地Fの前面側から上方に移動する退避動作に入り、揚げ生地Fを受け取ったスライド中継板25は、駆動シリンダC3の作動ロッドを後退させることによって、ストッパ板26側に向けて矢印A1方向に一時退避する。そして、スライド中継板25上にあった揚げ生地Fは、スライド中継板25の退避動作によって、一時的にスライド中継板25に付随してストッパ板26側に移動し、一列の揚げ生地Fは、いずれも、その進行側がストッパ板26に当接することによって、一連の揚げ枠33上において強制的に停止させられる。したがって、スライド中継板25を揚げ生地Fの静止慣性を利用し得る速度で揚げ生地Fの裏面から退避すれば、揚げ生地Fの全数が下方の揚げ枠B内に同一タイミングで安定的かつ正確に投下(落下)される。
【0026】
このようにフライヤコンベヤ30は、スライド中継板25の動作タイミングに合わせて規則的に運転すればよいこととなる。この後、プッシャ板21は、駆動シリンダC1が作動ロッドを後退させることによって戻り動作に入り、待機位置に復帰する。これと同時に、スライド中継板25は、駆動シリンダC3が作動ロッドを前進させることによって待機位置に復帰し、搬送コンベヤ10、フライヤコンベヤ30の動作に合わせて上記一連の移載動作を反復することができる。
以上の生地の切断分配や移載投入の工程、機構は、この事例に限らず、いずれの形態であってもよい。
【0027】
図2図1の揚げ枠33に対応する本発明の一実施形態のフライヤ用型枠100を部分的に示した斜視図である。本実施形態のフライヤ用型枠100は、油揚製造装置20に用いる型枠であり、全体として長尺の箱体形状を有し、本体をなす枠本体(ケース)110と、枠本体110に取り付けられた複数の仕切板(移動仕切部材)130と、仕切板130を両矢印の方向に沿って移動させるスライド部材(移動部材)200とを備えている。隣接する仕切板130の間に画定される区画Sは、図1の揚げ枠Bに対応し、実質的にすべて等しい寸法を備えている。本実施形態では仕切板130が移動可能であり、仕切板130の移動に伴い区画Sの位置、大きさが切り替わる。図2においては、仕切板130は複数の仕切板131、仕切板132、仕切板133、仕切板134、仕切板135を含み、図3図2のX方向から見た仕切板131の周辺におけるフライヤ用型枠100の要部の断面図である。
【0028】
枠本体110は、スロット形状であって枠本体110と同様な長手方向を持つ長穴(第1の長穴)115が各仕切板に相応して複数形成され、空間の底面を形成する底壁113と、底壁113の長手方向に沿って形成された一組の側壁111と、底壁113の長手方向の端部に形成された一組の端部壁112と、を有している。枠本体110のこれらの壁は、揚げ加工前の揚げ生地を配置可能な空間を画定し、また揚げ加工後の膨化した揚げ製品の大きさを規定する。油中における底側壁として、例えば鍋中層に固定されたパンチング板や側壁111の蝶番を介して開閉可能に設けられたパンチング板製蓋により形成される。本図ではフライヤ用型枠100は長手方向の一部のみが図示され、手前側の側壁111の大部分が省略されるとともに、奥側の端部壁112の図示が省略されている。なお、側壁111は片側のみの形態であってもよく、その場合、隣接するフライヤ用型枠の側壁111と一組の側壁を略形成する。一組の端部壁112には支持棒120が取り付けられ、支持棒120が図1の一対の無端状駆動チェーン32に取り付けられることにより、フライヤ用型枠100が周回移動する。
【0029】
スライド部材(移動部材)200は一対のスライド部材、すなわち第1のスライド部材(第1の移動部材)210と、第2のスライド部材(第2の移動部材)220とを含む。第1のスライド部材210、第2のスライド部材220は、枠本体110と同様に長手方向に延びたフラットな棒形状を呈して、底壁113の下面に沿って、枠本体110の長手方向かつ互いに平行な方向にスライド(移動)可能となっている。また、スライド部材200には、枠本体110と同様な長手方向を持つスロット形状の長穴(第2の長穴)201が複数形成されている(図3参照)。また、このような2つのスライド部材の各々に対応して、底壁113の長穴115は、枠本体の長手方向に沿った2列に設けられている。
【0030】
図3において仕切板130は、区画Sを画定するように底壁113から垂直に上方向に延びる仕切部141と、仕切部141の下縁から枠本体110の長手方向に沿って延びる支持部142と、支持部142から垂直に下方向に延びる一組の脚部143とを備えている。脚部143は、底壁113の第1の長穴である長穴115を貫通するとともに、スライド部材200の第2の長穴である長穴201も貫通し、長穴115、長穴201の長手方向(枠本体110の長手方向)に沿ってスライド(移動)可能となっている。また、脚部143の先端には長穴115、長穴201の幅より径が大きい平板状の拡大径部143aが形成され、脚部143ひいては仕切板130が、長穴115、長穴201から抜けるのを防止している。なお、このスライド機構および脱落防止機構はこの例に限らず、機能を果たす形態であれば、特に限定するものではない。
【0031】
図2において複数の仕切板131、132、133、134、135が所定の方向、本例では枠本体110の長手方向に沿ってスライド可能に配置されている。仕切板130のうち、仕切板131、仕切板132、仕切板133は第1のスライド部材210に接続され、仕切板134、仕切板135は第2のスライド部材220に接続されている。すなわち、仕切板131、仕切板132、仕切板133は第1のスライド部材210に接続された第1群に属する仕切板と定義付けられる。また、仕切板134、仕切板135、仕切板136は第2のスライド部材220に接続された第2群に属する仕切板と定義付けられる。尚、図3において、例えば拡大径部143aのない脚部143を長穴115、長穴201に挿入した後、拡大径部143aを接合することにより、枠本体110と、仕切板130と、スライド部材200を組み付けることができる。
【0032】
図4は、枠本体110と、仕切板130(131、134)と、スライド部材200(210、220)とを分けて図示したフライヤ用型枠100の要部の分解斜視図を示している。仕切板130の脚部143の図示は省略されている。図4(a)はスライド部材210と仕切板131の周辺の要部を示し、図4(b)はスライド部材220と仕切板134の周辺の要部を示している。
【0033】
図4(a)では、仕切板131の図示せぬ脚部143が、長穴115の一端115aと第1のスライド部材210の長穴201の一端201aに当接して挟まれている。先ず第1のスライド部材210を矢印D1の方向に移動させると、仕切板131の脚部143は、第1のスライド部材210の長穴201の他端201bに当接する。さらに矢印D1の方向に移動させると、脚部143は長穴115の他端115bと長穴201の他端201bに挟まれる状態となり、第1のスライド部材210を図示せぬ切替固定手段(例えば、フライヤ型枠周回軌道上に設けられた案内レール)によって定位置に固定することにより、仕切板131は安定的に停止する。
【0034】
図4(b)では、仕切板134の図示せぬ脚部143が、長穴115の他端115bと第2のスライド部材220の長穴201の他端201bに当接して挟まれている。先ず第2のスライド部材220を矢印E1の方向に移動させると、仕切板134の脚部143は、第2のスライド部材220の長穴201の一端201aに当接する。さらに矢印E1の方向に移動させると、脚部143は長穴115の一端115aと長穴201の一端201aに挟まれる状態となり、第2のスライド部材220を図示せぬ固定手段(例えば、フライヤ型枠周回軌道上に設けられた案内レール)によって定位置に固定することにより、仕切板134は安定的に停止する。
【0035】
図5図2のX方向から見た仕切板130の動きを示す断面図であり、図5(a)は、仕切板130及び第1のスライド部材210が図2のX方向から見て最も右側にスライドした状態を示し、図5(b)は、仕切板130及び第1のスライド部材210がX方向から見て最も左側にスライドした状態を示す。図5(a)の状態は、図4(a)に対応し、仕切板130の脚部143が長穴115の一端115aと第1のスライド部材210の長穴201の一端201aに当接して挟まれている状態を示す。仕切板130(及び他の仕切板)の脚部143は、長穴115(第1の長穴)の内部及び長穴201(第2の長穴)の内部を所定の方向に沿ってスライド可能な状態で貫通している。
【0036】
図5(a)の状態では、脚部143は長穴115の一端115aと長穴201の一端201aに挟まれる状態であり、仕切板130は安定的に停止している。この状態から、オペレータが手動でまたは所定の自動機構により第1のスライド部材210を矢印D1(図4(a)のD1と同方向)の方向に移動させると、まず長穴201の他端201bが停止している脚部143の位置まで移動し、脚部143に当接する。さらに第1のスライド部材210を矢印D1の方向に移動させると、第1のスライド部材210は長穴201の他端201bに脚部143が当接した状態の仕切板130を矢印D1の方向に押して移動させる。そして、脚部143が長穴115の他端115bにまで到達すると、これ以上仕切板131は移動できず停止し、第1のスライド部材210も停止する。こうして、図5(b)の状態が実現される。
【0037】
図5(b)の状態では、脚部143は長穴115の他端115bと長穴201の他端201bに挟まれる状態であり、仕切板130は安定的に停止している。この状態から、オペレータが手動でまたは所定の自動機構により第1のスライド部材210を矢印D2の方向に移動させると、まず長穴201の一端201aが停止している脚部143の位置まで移動し、脚部143に当接する。さらに第1のスライド部材210を矢印D2の方向に移動させると、第1のスライド部材210は長穴201の一端201aに脚部143が当接した状態の仕切板130を矢印D2の方向に押して移動させる。そして、脚部143が長穴115の一端115aにまで到達すると、これ以上仕切板131は移動できず停止し、第1のスライド部材210も停止する。こうして、図5(a)の状態が実現される。
【0038】
次に図6図14に示した図2の上面から見た上面図を用いて、フライヤ用型枠100の種々の実施例を説明する。図6図14の各々において、(a)は区画Sの数N(区画数N)が多い状態を示し、(b)は区画Sの数M(区画数M)が少ない状態を示す(すなわちN>M≧1、M及びNは自然数)。そして、本実施例では1≦M≦N-1が少なくとも成立し、より好ましくはN/2≦M≦N-1が成立する。オペレータがスライド部材200、仕切板130を移動(スライド)させることにより、フライヤ用型枠100は(a)の状態と(b)の状態との間を遷移する。(a)の状態における各区画の長手方向の寸法は、(b)の状態における各区画の長手方向の寸法より小さい。油揚そのものや、油揚を利用する稲荷寿司には地域性があり、地域によって要求される寸法は種々のものがあるため、製造対象に応じて区画の寸法を微妙にかつ柔軟に変えられることが好ましい。フライヤ用型枠100が(a)の状態と(b)の状態との間を遷移することにより、このような要求に容易に応えることが可能である。
【0039】
図6は特許文献1に開示された従来のフライヤ用型枠100に相当し、本例において仕切板130は4枚、多い方の区画数Nは5(図6(a))、少ない方の区画数Mは4(図6(b))である。スライド部材200が1本のみ設けられており、各仕切板130は、1本のスライド部材200の移動(スライド)に連動して移動(スライド)する。このような従来例においては、全ての仕切板130が同一方向F1またはF2に移動することになる。
【0040】
図7は実施例1のフライヤ用型枠100を示し、本例において仕切板130は4枚、多い方の区画数Nは5(図7(a))、少ない方の区画数Mは4(図7(b))である。2本のスライド部材210、220が設けられており、仕切板131、132は、第1のスライド部材210の移動に連動して移動し、仕切板134、135は、第2のスライド部材220の移動に連動して移動する。第1のスライド部材210(仕切板131、132)と第2のスライド部材220(仕切板134、135)は、区画数の変更に際して互いに逆方向に移動する。
【0041】
仕切板131、135の脚部143は、底壁113の長穴115のみならず、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に設けられた長穴201を貫通しており、図5に示した要領で移動する。一方、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220において仕切板132、134に対応する長穴201は設けられておらず、仕切板132、134はそれぞれ第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に完全に固定されている。このため、図7(a)の状態から第1のスライド部材210を矢印D2方向(図4(a)のD1と逆方向)に移動させると、仕切板132は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD2方向に移動を開始するが、仕切板131は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない(図5(b)参照)。また、第2のスライド部材220を矢印E2方向(図4(b)のE1と逆方向)に移動させると、仕切板134は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE2方向に移動を開始するが、仕切板135は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。さらに第1のスライド部材210のD2方向への移動により、また第2のスライド部材220のE2方向への移動により、仕切板131、132、134、135は脚部143が底壁113の長穴115の一端115a(スライド部材210側)、他端115b(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板131、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図7(b)の状態が実現される。
【0042】
図7(b)の状態において第1のスライド部材210を矢印D1方向に移動させると、仕切板132は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD1方向に移動を開始するが、仕切板131は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない(図4(a)、図5(a)参照)。また、第2のスライド部材220を矢印E1方向に移動させると、仕切板134は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE1方向に移動を開始するが、仕切板135は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない(図4(b)参照)。さらに第1のスライド部材210のD1方向への移動、さらに第2のスライド部材220のE1方向への移動により、仕切板131、132、134、135は脚部143が底壁113の長穴115の他端115b(スライド部材210側)、一端115a(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板131、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図7(a)の状態が実現される。
【0043】
図8は実施例2のフライヤ用型枠100を示し、本例において仕切板130は4枚、多い方の区画数Nは5(図8(a))、少ない方の区画数Mは3(図8(b))である。2本のスライド部材210、220が設けられており、仕切板131、132は、第1のスライド部材210の移動に連動して移動し、仕切板134、135は、第2のスライド部材220の移動に連動して移動する。第1のスライド部材210(仕切板131、132)と第2のスライド部材220(仕切板134、135)は、区画数の変更に際して互いに逆方向に移動する。
【0044】
仕切板132、134の脚部143は、底壁113の長穴115のみならず、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に設けられた長穴201を貫通しており、図5に示した要領で移動する。一方、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220において仕切板131、135に対応する長穴201は設けられておらず、仕切板131、135はそれぞれ第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に完全に固定されている。このため、図8(a)の状態において第1のスライド部材210を矢印D1方向に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD1方向に移動を開始するが、仕切板132は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない(図4(a)参照)。また、第2のスライド部材220を矢印E1方向(図4(b)のE1と同じ方向)に移動させると、仕切板135は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE1方向に移動を開始するが、仕切板134は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。さらに第1のスライド部材210のD1方向への移動、第2のスライド部材220のE1方向への移動により、仕切板131、132、134、135は脚部143が底壁113の長穴115の他端115b(スライド部材210側)、一端115a(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、134については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図8(b)の状態が実現される。
【0045】
図8(b)の状態において第1のスライド部材210を矢印D2方向(図4(a)のD1と逆の方向)に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD2方向に移動を開始するが、仕切板132は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない(図5(b))。また、第2のスライド部材220を矢印E2方向(図4(b)のE1と逆の方向)に移動させると、仕切板135は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE2方向に移動を開始するが、仕切板134は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。さらに第1のスライド部材210のD2方向への移動、第2のスライド部材220のE2方向への移動により、仕切板131、132、134、135は脚部143が底壁113の長穴115の一端115a(スライド部材210側)、他端115b(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、134については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図8(a)の状態が実現される。
【0046】
図9は実施例3のフライヤ用型枠100を示し、本例において仕切板130は4枚、多い方の区画数Nは5(図9(a))、少ない方の区画数Mは3(図9(b))である。2本のスライド部材210、220が設けられており、仕切板131、132は、第1のスライド部材210の移動に連動して移動し、仕切板134、135は、第2のスライド部材220の移動に連動して移動する。第1のスライド部材210(仕切板131、132)と第2のスライド部材220(仕切板134、135)は、区画数の変更に際して同じ方向に移動する。
【0047】
仕切板131、134の脚部143は、底壁113の長穴115のみならず、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に設けられた長穴201を貫通しており、図5に示した要領で移動する。一方、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220において仕切板132、135に対応する長穴201は設けられておらず、仕切板132、135はそれぞれ第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に完全に固定されている。このため、図9(a)の状態において第1のスライド部材210を矢印D2方向に移動させると、仕切板132は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD2方向に移動を開始するが、仕切板131は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E1方向に移動させると、仕切板135は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE1方向に移動を開始するが、仕切板134は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。さらに第1のスライド部材210のD2方向への移動、第2のスライド部材220のE1方向への移動により、仕切板131、132、134、135は脚部143が底壁113の長穴115の一端115a(スライド部材210側)、一端115a(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、134については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図9(b)の状態が実現される。
【0048】
図9(b)の状態において第1のスライド部材210を矢印D1方向に移動させると、仕切板132は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD1方向に移動を開始するが、仕切板131は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E2方向に移動させると、仕切板135は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE2方向に移動を開始するが、仕切板134は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。第1のスライド部材210のD1方向への移動、第2のスライド部材220のE2方向への移動により、仕切板131、132、134、135は脚部143が底壁113の長穴115の他端115b(スライド部材210側)、他端115b(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、134については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図9(a)の状態が実現される。尚、図9(a)で矢印D2、矢印E1で動く説明の初期状態では、他端115b及び他端201bで脚部143を挟んでおり、図9(b)で矢印D1、矢印E2で動く説明の初期状態では、一端115a及び一端201aで脚部143を挟んでいる。これは図4(a)の矢印D1の初期状態、図4(b)の矢印E1の初期状態と整合性があり、図7図8図9の例を含む他の例(図10図14)でも共通する。
【0049】
図10は実施例4のフライヤ用型枠100を示し、本例において仕切板130は6枚、多い方の区画数Nは7(図10(a))、少ない方の区画数Mは5(図10(b))である。2本のスライド部材210、220が設けられており、仕切板131、132、133は、第1のスライド部材210の移動に連動して移動し、仕切板134、135、136は、第2のスライド部材220の移動に連動して移動する。第1のスライド部材210(仕切板131、132、133)と第2のスライド部材220(仕切板134、135、136)は、区画数の変更に際して互いに逆方向に移動する。
【0050】
仕切板132、133、134、135の脚部143は、底壁113の長穴115のみならず、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に設けられた長穴201を貫通しており、図5に示した要領で移動する。一方、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220において仕切板131、136に対応する長穴201は設けられておらず、仕切板131、136はそれぞれ第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に完全に固定されている。このため、図10(a)の状態において第1のスライド部材210を矢印D1方向に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD1方向に移動を開始するが、仕切板132、133は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E1方向に移動させると、仕切板136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE1方向に移動を開始するが、仕切板134、135は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。第1のスライド部材210のD1方向への移動、第2のスライド部材220のE1方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の他端115b(スライド部材210側)、一端115a(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、133、134、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図10(b)の状態が実現される。
【0051】
図10(b)の状態において第1のスライド部材210を矢印D2方向に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD2方向に移動を開始するが、仕切板132、133は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E2方向に移動させると、仕切板136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE2方向に移動を開始するが、仕切板134、135は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。第1のスライド部材210のD2方向への移動、第2のスライド部材220のE2方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の一端115a(スライド部材210側)、他端115b(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、133、134、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図10(a)の状態が実現される。
【0052】
図11は実施例5のフライヤ用型枠100を示し、本例において仕切板130は6枚、多い方の区画数Nは7(図11(a))、少ない方の区画数Mは4(図11(b))である。2本のスライド部材210、220が設けられており、仕切板131、132、133は、第1のスライド部材210の移動に連動して移動し、仕切板134、135、136は、第2のスライド部材220の移動に連動して移動する。第1のスライド部材210(仕切板131、132、133)と第2のスライド部材220(仕切板134、135、136)は、区画数の変更に際して互いに逆方向に移動する。本例では、仕切板133と仕切板134の位置が他の例とは逆になっている。
【0053】
仕切板132、133、134、135の脚部143は、底壁113の長穴115のみならず、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に設けられた長穴201を貫通しており、図5に示した要領で移動する。一方、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220において仕切板131、136に対応する長穴201は設けられておらず、仕切板131、136はそれぞれ第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に完全に固定されている。このため、図11(a)の状態において第1のスライド部材210を矢印D1方向に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD1方向に移動を開始するが、仕切板132、133は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E1方向に移動させると、仕切板136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE1方向に移動を開始するが、仕切板134、135は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。さらに第1のスライド部材210のD1方向への移動、第2のスライド部材220のE1方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の他端115b(スライド部材210側)、一端115a(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、133、134、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図11(b)の状態が実現される。本例では、フライヤ用型枠100の両端に余りスペースVが形成される。
【0054】
図11(b)の状態において第1のスライド部材210を矢印D2方向に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD2方向に移動を開始するが、仕切板132、133は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E2方向に移動させると、仕切板136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE2方向に移動を開始するが、仕切板134、135は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。さらに第1のスライド部材210のD2方向への移動、第2のスライド部材220のE2方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の一端115a(スライド部材210側)、他端115b(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、133、134、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図11(a)の状態が実現される。
【0055】
図12は実施例6のフライヤ用型枠100を示し、本例において仕切板130は7枚、多い方の区画数Nは8(図12(a))、少ない方の区画数Mは6(図12(b))である。ただし、本例では仕切板が上述の実施例と同様な可動式の仕切板130に加え、固定されて動かない固定式の仕切板(固定仕切部材)150を含み、固定式の仕切板150が、仕切板131、132、133と、仕切板134、135、136に挟まれて枠本体110の長手方向中央に位置している。2本のスライド部材210、220が設けられており、仕切板131、132、133は、第1のスライド部材210の移動に連動して移動し、仕切板134、135、136は、第2のスライド部材220の移動に連動して移動する。第1のスライド部材210(仕切板131、132、133)と第2のスライド部材220(仕切板134、135、136)は、区画数の変更に際して互いに逆方向に移動する。
【0056】
仕切板132、133、134、135の脚部143は、底壁113の長穴115のみならず、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に設けられた長穴201を貫通しており、図5に示した要領で移動する。一方、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220において仕切板131、136に対応する長穴201は設けられておらず、仕切板131、136はそれぞれ第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に完全に固定されている。このため、図12(a)の状態において第1のスライド部材210を矢印D1方向に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD1方向に移動を開始するが、仕切板132、133は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E1方向に移動させると、仕切板136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE1方向に移動を開始するが、仕切板134、135は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、固定式の仕切板150は、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220の移動に関わらず移動しない。さらに第1のスライド部材210のD1方向への移動、第2のスライド部材220のE1方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の他端115b(スライド部材210側)、一端115a(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、133、134、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図12(b)の状態が実現される。
【0057】
図12(b)の状態において第1のスライド部材210を矢印D2方向に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD2方向に移動を開始するが、仕切板132、133は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E2方向に移動させると、仕切板136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE2方向に移動を開始するが、仕切板134、135は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、固定式の仕切板150は、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220の移動に関わらず移動しない。第1のスライド部材210のD2方向への移動、第2のスライド部材220のE2方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の一端115a(スライド部材210側)、他端115b(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、133、134、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図12(a)の状態が実現される。
【0058】
図13は実施例7のフライヤ用型枠100を示し、本例において仕切板は8枚、多い方の区画数Nは9(図13(a))、少ない方の区画数Mは6(図13(b))である。ただし、本例では仕切板が可動式の仕切板130に加え、固定されて動かない2枚の固定式の仕切板150a、150bを含む。仕切板150aは、第1のスライド部材210と連動する仕切板131、132と第2のスライド部材220と連動する仕切板134との間に挟まれて位置している。仕切板150bは、第2のスライド部材220と連動する仕切板135、136と第1のスライド部材210と連動する仕切板133との間に挟まれて位置している。第1のスライド部材210(仕切板131、132、133)と第2のスライド部材220(仕切板134、135、136)は、区画数の変更に際して互いに逆方向に移動する。
【0059】
仕切板132、133、134、135の脚部143は、底壁113の長穴115のみならず、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に設けられた長穴201を貫通しており、図5に示した要領で移動する。一方、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220において仕切板131、136に対応する長穴201は設けられておらず、仕切板131、136はそれぞれ第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に完全に固定されている。このため、図13(a)の状態において第1のスライド部材210を矢印D1方向に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD1方向に移動を開始するが、仕切板132、133は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E1方向に移動させると、仕切板136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE1方向に移動を開始するが、仕切板134、135は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、固定式の仕切板150a、150bは、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220の移動に関わらず移動しない。さらに第1のスライド部材210のD1方向への移動、第2のスライド部材220のE1方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の他端115b(スライド部材210側)、一端115a(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、133、134、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図13(b)の状態が実現される。
【0060】
図13(b)の状態において第1のスライド部材210を矢印D2方向に移動させると、仕切板131は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD2方向に移動を開始するが、仕切板132、133は長穴201の一端201aがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、第2のスライド部材220を矢印E2方向に移動させると、仕切板136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE2方向に移動を開始するが、仕切板134、135は長穴201の他端201bがその脚部143に当接するまで移動を開始しない。また、固定式の仕切板150a、150bは、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220の移動に関わらず移動しない。さらに第1のスライド部材210のD2方向への移動、第2のスライド部材220のE2方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の一端115a(スライド部材210側)、他端115b(スライド部材220側)に当接するまで移動して、さらに仕切板132、133、134、135については長穴201と長穴115で脚部143を挟むようにして固定されて、図13(a)の状態が実現される。
【0061】
図14は実施例8のフライヤ用型枠100を示し、本例において仕切板は8枚、多い方の区画数Nは9(図14(a))、少ない方の区画数Mは6(図14(b))である。ただし、本例では仕切板が可動式の仕切板130に加え、固定されて動かない2枚の固定式の仕切板150a、150bを含む。本例では第1のスライド部材210と連動する仕切板131、132、133と第2のスライド部材220と連動する仕切板134、135,136がそれぞれ枠本体110の長手方向に入れ違いに配置されている。仕切板150aは、第1のスライド部材210と連動する仕切板131と、第2のスライド部材220と連動する仕切板135との間に挟まれて位置している。仕切板150bは、第1のスライド部材210と連動する仕切板132と、第2のスライド部材220と連動する仕切板136との間に挟まれて位置している。第1のスライド部材210(仕切板131、132、133)と第2のスライド部材220(仕切板134、135、136)は、区画数の変更に際して互いに逆方向に移動する。
【0062】
本例では、全ての可動式の仕切板131、132、133、134、135、136は、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に完全に固定されている。このため、図14(a)の状態において第1のスライド部材210を矢印D1方向に移動させると、仕切板131、132、133は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD1方向に移動を開始する。また、第2のスライド部材220を矢印E1方向に移動させると、仕切板134、135、136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE1方向に移動を開始する。また、固定式の仕切板150a、150bは、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220の移動に関わらず移動しない。第1のスライド部材210のD1方向への移動、第2のスライド部材220のE1方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の他端115b(スライド部材210側)、一端115a(スライド部材220側)に当接するまで移動して、図14(b)の状態が実現される。
【0063】
図14(b)の状態において第1のスライド部材210を矢印D2方向に移動させると、仕切板131、132、133は第1のスライド部材210の移動開始と同時にD2方向に移動を開始する。また、第2のスライド部材220を矢印E2方向に移動させると、仕切板134、135、136は第2のスライド部材220の移動開始と同時にE2方向に移動を開始する。また、固定式の仕切板150a、150bは、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220の移動に関わらず移動しない。第1のスライド部材210のD2方向への移動、第2のスライド部材220のE2方向への移動により、仕切板131、132、133、134、135、136は脚部143が底壁113の長穴115の一端115a(スライド部材210側)、他端115b(スライド部材220側)に当接するまで移動して、図14(a)の状態が実現される。
【0064】
上述した様に、スライド部材200により仕切板(移動仕切部材)130は、枠本体110に画定された空間を所定の方向に沿って少なくとも区画数Mの区画及び区画数Nの区画のいずれかの区画に仕切るようにスライドする(N>M≧1、MとNは自然数)。ここでスライド部材200は、複数の仕切板130のうちの第1群(仕切板131、132、133、・・・)のみをスライドさせる第1のスライド部材210と、複数の仕切板130のうちの第2群(仕切板134、135、136、・・・)のみをスライドさせる第2のスライド部材220とを少なくとも含む。ここでNとMの間には、1≦M≦N-1であり、好ましくはN/2<M≦N-1が成立している。
【0065】
油揚そのものや、油揚を利用する稲荷寿司には地域性があり、地域によって要求される寸法は種々のものがあるため、製造対象に応じて区画の寸法(フライヤ用型枠100の長手方向の寸法)を微妙にかつ柔軟に変えられることが好ましい。上述した構成のフライヤ用型枠100によれば、少なくとも2本のスライド部材を用いて区画数及び区画の寸法を変動させることができるため、このような要求に低コストで容易に応えることが可能でき、生産効率も向上する。
また、フライヤ用型枠100の長手方向の寸法を有効に活用することが可能となる。
【0066】
仕切板(移動仕切部材)130は、底壁113に形成された長穴(第1の長穴)115を介して第1のスライド部材210または第2のスライド部材220に接続される。ここで、図7の実施例を挙げると、仕切板131、135の脚部143は、底壁113の長穴115のみならず、第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に設けられた長穴201を貫通している。一方、仕切板132、134はそれぞれ第1のスライド部材210、第2のスライド部材220に完全に固定されている。このように、他の実施例を含めて仕切板130とスライド部材200の接続の態様が2種類存在することにより、区画数及び区画の寸法の設計の自由度が増すことになる。
【0067】
また、図9の実施例を除いて、第1のスライド部材210及び第2のスライド部材220は、区画数Mの区画及び区画数Nの区画の一方から他方の状態に遷移する際に、互いに逆方向にスライドする。このような構成により、フライヤ用型枠100の長手方向の寸法を有効に活用することが可能となる。ただし、このような逆方向の動きは必須ではない。
【0068】
また、図12図14の実施例では、枠本体110の空間に固定された仕切板(固定仕切部材)150を備えている。このような構成により、スライド部材200を短くしたり、構成を簡素化することが可能となる。枠本体110の長さが所定の長さ(例えば2000mm)を超える場合、仕切板150は強度を補強する役割をも果たす。また、図13図14の実施例においては、仕切板150(150a、150b)の片側の空間において、第1群に属する仕切板及び第2群に属する仕切板が存在しており、区画数及び区画の寸法等の設計の自由度が増すことになる。固定式の仕切板150の数は特に限定はされない。
【0069】
上述の実施形態において、フライヤ用型枠100は、断面形状が長方形(矩形)となっているが、断面形状は特に限定されず、L字形状、コ字形状、蓋付きコ字形状等、種々のものが適用可能である。また、枠本体110の長穴115およびスライド部材200の長穴201の長さも、設計に応じて適宜、種々の長さに設定することができる。
【0070】
尚、より具体的な実例のパターンを以下に挙げる。
(1)例1:固定式の仕切板150を2箇所に設けたもので、枠本体110の短辺が83mm、長辺が1992mm。
区画数N=24(長手方向の長さ83mm×24列=1992mm)
区画数M=17(長手方向の長さ115mm×17列+18.5mm×2=1992mm:18.5mmは左右端部の余りスペースV)
(2)例2:固定式の仕切板150がなく、枠本体110の短辺が83mm、長辺が1992mm。
区画数N=24(長手方向の長さ83mm×24列=1992mm)
区画数M=19(長手方向の長さ105mm×19列=1995mm≒1992mm)
【0071】
フライヤ用型枠100の設計にあたっては、型枠の許容される長さ、揚げ製品の各種類の寸法を元に、区画数N、区画数Mを決定し、どこに固定仕切板150を設けるか、どの仕切板130をどこに移動させるかを決定する。例えば左方向に移動させるもの、右方向に移動させるものを分け、2本のスライド部材のいずれかと接続させる。また、仕切板130のなかで、最大移動距離で移動するものをスライド部材に固定する。各仕切板の移動距離は底壁113に形成された長穴115の長さで決定される。そして、長穴115の長さと最大移動距離の差を補うように、スライド部材の各長穴201の長さが決定される。なお、スライド部材をスライドさせた場合、枠本体110の長手方向の外側に大きく出っ張らず、枠本体110の内側か、周回駆動の妨げにならないように、少し出っ張る程度で収まることが好ましい。設計の手順はこれに限定されたものではない。尚、スライド部材の本数は2本には限定されず、3本以上のスライド部材を用いてもよい。
【0072】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明のフライヤ用型枠及び油揚製造装置は、様々なサイズの油揚を製造する分野に好適に用いられる。特に1種類の専用ラインにおいて型枠変更のみでコストを抑えて2種類対応のラインに変更できるので、従来の設備で対応できる製品種類を倍増でき、設備の付加価値、収益性を高めるものと期待できる。
【符号の説明】
【0074】
20 油揚製造装置
100 フライヤ用型枠
110 枠本体
115 長穴(第1の長穴)
130 仕切板(移動仕切部材)
143 脚部
150 仕切板(固定仕切部材)
200 スライド部材
201 長穴(第2の長穴)
210 第1のスライド部材
220 第2のスライド部材
S 区画
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14