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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20221006BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20221006BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
F24C3/12 S
F24C15/00 M
G06F3/16 660
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018070709
(22)【出願日】2018-04-02
(65)【公開番号】P2019184080
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 達也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 匠
(72)【発明者】
【氏名】益満 孝久
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-083067(JP,A)
【文献】特開2007-249022(JP,A)
【文献】特開2005-308290(JP,A)
【文献】特開2015-172622(JP,A)
【文献】特開2015-118222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00-3/14
F24C 15/00
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスバーナを備えたガスコンロであって、
当該ガスコンロの使用に関するメッセージを生成するメッセージ生成部と、
前記メッセージ生成部で生成された前記メッセージを音声として読み上げる音声出力部と、
を備え、
前記音声出力部は、前記メッセージ生成部で生成された前記メッセージの読み上げ途中において言葉を発しない所定のインターバルを設ける方式で前記メッセージを読み上げる第1動作と、前記メッセージ生成部で生成された前記メッセージの読み上げ途中において前記所定のインターバルを設けない方式又は前記所定のインターバルの期間を短くした方式で前記メッセージを読み上げる第2動作と、を切り替えて実行可能とされ、
更に、前記第1動作を指定する第1指示操作と前記第2動作を指定する第2指示操作とを行い得る操作部と、
前記操作部によって前記第1指示操作が行われた場合に第1設定情報を登録し、前記第2指示操作が行われた場合に第2設定情報を登録する登録部と、
を備え、
前記メッセージ生成部は、複数のメッセージ発生条件が定められ、各条件に対応付けて、個別の名詞及び個別の助詞を含み且つコンロの語を含む複数個の単語の中から複数の単語の組合せを定める組合せ情報及び順序情報が登録されており、各条件が成立した場合、各条件に対応付けられた単語の組合せ及び順序で各条件に対応した前記メッセージを生成するように動作し、所定条件が成立した場合にコンロの一部機能を含むメッセージを生成し、
前記音声出力部は、前記登録部に前記第1設定情報が登録されている場合に前記第1動作を行い、前記登録部に前記第2設定情報が登録されている場合に前記第2動作を行い、前記第1動作を行う場合、前記メッセージの読み上げ途中において前記メッセージを構成する単語の末尾又は文節の末尾で前記所定のインターバルを設けつつ各々の単語を読み上げる速度を前記第2動作と同一とする方式で前記メッセージを読み上げる
ガスコンロ。
【請求項2】
前記登録部は、不揮発性メモリを有し、前記第1設定情報及び前記第2設定情報を前記不揮発性メモリに記憶する
請求項1に記載のガスコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスコンロに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には音声機能付きのガスコンロが記載されている。このガスコンロは、コンロ上に設置された鍋の温度を監視する温度センサを有しており、この温度センサの検知温度が沸点に達すると「湯沸かしが完了しました。」という音声案内をする。この機能によれば、ユーザは、鍋から目を離していても鍋の湯が沸騰したことを容易に認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-78141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この種のガスコンロの音声案内は、周囲の雑音等によって聞き取りにくくなることもあり、その結果、ユーザが音声案内の内容を把握できないことがある。このような場合に音量を上げることも考えられるが、音量をなるべく小さく設定しておきたいユーザは雑音の有無に応じて音量を度々変更することが要求される。また、消費電流が増大化するという問題もある。
【0005】
本発明は、上述した課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、音声案内機能を搭載したガスコンロにおいて、メッセージをより滑らかに発することができる動作方式と、メッセージをよりわかりやすく発することができる動作方式とを切り替えることが可能な構成を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つであるガスコンロは
ガスバーナを備えたガスコンロであって、
当該ガスコンロの使用に関するメッセージを生成するメッセージ生成部と、
前記メッセージ生成部で生成された前記メッセージを音声として読み上げる音声出力部と、
を備え、
前記音声出力部は、前記メッセージ生成部で生成された前記メッセージの読み上げ途中において言葉を発しない所定のインターバルを設ける方式で前記メッセージを読み上げる第1動作と、前記メッセージ生成部で生成された前記メッセージの読み上げ途中において前記所定のインターバルを設けない方式又は前記所定のインターバルの期間を短くした方式で前記メッセージを読み上げる第2動作と、を切り替えて実行可能とされている。
【発明の効果】
【0007】
上記ガスコンロは、メッセージ生成部と、メッセージ生成部で生成されたメッセージを音声として読み上げる音声出力部と、を備えている。
よって、メッセージを音声として発することができ、使用者に対して音声案内し得る機能が付加されたガスコンロを実現できる。
更に、音声出力部は、メッセージ生成部で生成されたメッセージの読み上げ途中において言葉を発しない所定のインターバルを設ける方式でメッセージを読み上げる第1動作と、メッセージ生成部で生成されたメッセージの読み上げ途中において所定のインターバルを設けない方式又は所定のインターバルの期間を短くした方式でメッセージを読み上げる第2動作と、を切り替えて実行可能とされている。
このような構成であるため、メッセージをよりわかりやすく発することができる動作方式とメッセージをより滑らかに発することができる動作方式と、を切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1のガスコンロを概略的に例示する斜視図である。
図2】実施例1のガスコンロの各ガスバーナへのガス供給路等を概念的に示す説明図である。
図3】実施例1のガスコンロの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図4】実施例1のガスコンロにおいてデータベースの内容に基づいてメッセージを生成する方法を説明する説明図である。
図5】メッセージ発生条件とメッセージとの対応関係を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい形態を以下に例示する。
本発明の一つであるガスコンロは、第1動作を指定する第1指示操作と第2動作を指定する第2指示操作とを行い得る操作部と、操作部によって第1指示操作が行われた場合に第1設定情報を登録し、第2指示操作が行われた場合に第2設定情報を登録する登録部と、を備えていてもよい。そして、音声出力部は、登録部に第1設定情報が登録されている場合に第1動作を行い、登録部に第2設定情報が登録されている場合に第2動作を行うようになっていてもよい。
このようにガスコンロが構成されていれば、このガスコンロは、使用者の指示に応じて第1動作と第2動作とを切り替えることができるようになり、ひいては、滑らかな音声報知を行う方式とわかりやすい音声報知を行う方式とを使用者が選択できるようになる。
【0010】
この場合、登録部は、不揮発性メモリを有していてもよい。そして、登録部は、第1設定情報及び第2設定情報を不揮発性メモリに記憶し得る構成となっていてもよい。
このようにすれば、電源オフになった後でも、音声報知方式の設定を保持しておくことができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0011】
音声出力部は、第1動作を行う場合、メッセージの読み上げ途中においてメッセージを構成する単語の末尾又は文節の末尾で所定のインターバルを設ける方式でメッセージを読み上げる構成であってもよい。
このように単語の末尾又は文節の末尾でインターバルを設けるようにメッセージを区切れば、使用者が単語又は文節を明瞭に聞き取りやすくなり、メッセージを正確に認識しやすくなる。
【0012】
<実施例1>
以下、実施例1について、図面を参照して説明する。
図1に示すガスコンロ1は、調理鍋等の調理器具を加熱可能なビルトインコンロとして構成されている。ガスコンロ1は、コンロ本体1Aの上面を構成する天板2(トッププレート)から露出するように、右こんろ部4A、左こんろ部4B、がそれぞれ設けられ、その左右のこんろ部4A,4Bの間で後方寄りに小こんろ部4Cが設けられている。天板2の下方においてコンロ本体1Aの内部中央付近にはグリル3が設けられている。グリル3は、被調理物を収納してグリルバーナ(ガスバーナ54:図2)で加熱調理するグリル庫を備えており、このグリル庫は、コンロ本体1Aの前面部に設けられたグリル扉3Bによって開閉可能とされている。
【0013】
図1のように、右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4C、グリル3には、図2で示すガスバーナ51,52,53,54がそれぞれ設けられている。図2のように、複数のガスバーナ51,52,53,54には、複数の分岐供給路61,62,63,64がそれぞれ接続され、これら分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐する構成をなす。共通供給路60は、ガスバーナ51,52,53,54への共通のガス経路であり、複数の分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐するとともに各ガスバーナ51,52,53,54に向けてガスを導くように配設された供給路である。共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられる。共通供給路60から分岐してガスバーナ51に続く分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51Gと、分岐供給路61を開閉可能な閉止弁51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁51Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ52に続く分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52Gと、分岐供給路62を開閉可能な閉止弁52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ53に続く分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53Gと、分岐供給路63を開閉可能な閉止弁53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁53Eとが設けられている。
【0014】
グリル3のガスバーナ54(グリルバーナ)は、グリル3内において上側に配置される上バーナ54Aと、グリル3内において上バーナ54Aよりも下側に配置される下バーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐してガスバーナ54にガスを導く分岐供給路64には、更に、分岐供給路64から分岐して上バーナ54Aにガスを導く第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下バーナ54Bにガスを導く第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54Gと閉止弁54Fとが設けられ、第1供給路65Aには複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには電磁弁54Kが設けられている。
【0015】
図1に示すように、右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4C、グリル3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dが設けられている。回転操作部6Aは、右こんろ部4Aの点火、消火、火力調整を行うものであり、回転操作部6Bは、左こんろ部4Bの点火、消火、火力調整を行うものであり、回転操作部6Cは、小こんろ部4Cの点火、消火、火力調整を行うものであり、第4の回転操作部6Dは、グリル3の点火、消火、火力調整を行うものであり、これらはいずれも、押圧操作可能に構成され、且つ回転操作可能に構成されている。
【0016】
図1の例では、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。そして、図3の電気的構成で示すように、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するようにスイッチ30A,30B,30C,30Dがそれぞれ設けられ、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部が退避位置(消火位置)へと操作されることに応じて、対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部が突出位置(点火位置)へと操作されることに応じて、対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオン信号が与えられる。
【0017】
更に、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するように変位検出部32A,32B,32C,32Dがそれぞれ設けられ、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路42A,42B,42C,42Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部の変位(回転位置)を対応する変位検出部が検出し、この変位検出部に対応する火力信号入力回路から変位検出部が検出した変位(回転位置)に応じた信号が制御回路10に与えられる。
【0018】
図2のように、上バーナ54Aにガスを導く主経路として第1供給路65Aが構成され、この第1供給路65Aに設けられた電磁弁54Jを迂回するように、電磁弁54Jの経路と並列の経路であるバイパス路66Aが設けられている。電磁弁54Hが開放した状態で電磁弁54Jが閉じているときには分岐供給路64によって導かれたガスはバイパス路66Aを通って上バーナ54Aに供給される。また、電磁弁54H,54Jがいずれも開いているときには分岐供給路64によって導かれたガスは第1供給路65A又はバイパス路66Aを通って上バーナ54Aに供給される。また、下バーナ54Bにガスを導く主経路として第2供給路65Bが構成され、この第2供給路65Bに設けられた電磁弁54Kを迂回するように、電磁弁54Kの経路と並列の経路であるバイパス路66Bが設けられている。電磁弁54Kが閉じているときには分岐供給路64によって導かれたガスはバイパス路66Bを通って下バーナ54Bに供給される。また、電磁弁54Kが開いているときには分岐供給路64によって導かれたガスは第2供給路65B又はバイパス路66Bを通って下バーナ54Bに供給される。
【0019】
また、図2図3のように、各ガスバーナ51,52,53,54A,54Bのそれぞれに隣接して熱電対51C,52C,53C,54C、54Dがそれぞれ設けられ、熱電対51C,52C,53C,54C、54Dのそれぞれに対応して温度信号入力回路44A,44B,44C,44D,44Eがそれぞれ設けられている。温度信号入力回路44A,44B,44C,44D,44Eはいずれも、対応する熱電対で生じた起電力に応じた信号を制御回路10に入力する。
【0020】
各ガスバーナ51,52,53,54のそれぞれに隣接してイグナイタ26A,26B,26C,26Dがそれぞれ設けられ、イグナイタ26A,26B,26C,26Dのそれぞれに対応してイグナイタ回路46A,46B,46C,46Dがそれぞれ設けられている。例えば、ガスバーナ51に対応してイグナイタ26Aが設けられ、イグナイタ回路46Aは、スイッチ30Aの点火操作に応じてイグナイタ26Aを駆動し、イグナイタ26Aで火花を放電させてガスバーナ51に点火する。
【0021】
制御回路10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、図3のように、CPU10A、ROM10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマ、I/Oインタフェイスなどを備える。また、図示はしていないが、制御回路10の内部又は外部に不揮発性メモリを設けてもよい。この制御回路10は、上述した各電磁弁(図3では図示を省略)、イグナイタ26A,26B,26C,26D、複数の表示装置21,22,23,24、ブザー装置12、音声装置14などを制御し得る。図1のように、表示装置21,22,23,24のそれぞれが、回転操作部6A,6B,6C,6Dのそれぞれに対応して設けられている。ブザー装置12は、圧電ブザー装置などの公知のブザー装置として構成されている。音声装置14は、メロディ、メッセージなどの音声を発する装置であり、例えば、スピーカやスピーカに対して音声信号を与える駆動回路などを備え、制御回路10からの指示に対応した音声を発するように動作する。また、上述した電気部品を含め、様々な電気部品に電力を供給するように電源回路48が設けられている。電源回路48は電池ボックスに収容された2つの乾電池49からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有しており、電源回路48で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
【0022】
次に、メッセージ生成部、音声出力部、登録部としての各機能について図3図4を参照して説明する。
ガスコンロ1では、図3で示す制御回路10がメッセージ生成部の一例に相当する。そして、制御回路10及び音声装置14が音声出力部の一例に相当する。更に、制御回路10及び不揮発性メモリ16が登録部の一例に相当する。
【0023】
メッセージ生成部として機能し得る制御回路10は、ガスコンロ1の使用に関するメッセージを生成し得る。本構成では、メッセージの要素として、図4のように多数の単語がメモリ(例えば、ROM10B)内においてデータベースとして記憶されており、制御回路10は、このデータベースの単語を組み合わせてメッセージを生成し得る。データベースでの文字列(単一文字も含む)の登録方法は様々に設定でき、例えば、複数の単語を1つのまとまりとして登録してもよいが、図4のように、名詞と助詞を個別に記憶しておけば、名詞の部分を入れ替えることで多種類の案内文を作成することができる。
【0024】
本構成では、複数のメッセージ発生条件が定められており、図5のように各条件毎に単語の組合せが定められている。例えば条件1に対応付けて「コンロ」「安全」「安心」「機能」「が」「作動」「しました」という単語の組合せ及び順序が登録されており、制御回路10は、条件1が成立した場合、図4のように単語データベースから「コンロ」「安全」「安心」「機能」「が」「作動」「しました」という単語を選択し、「コンロ安全安心機能が作動しました」というメッセージを生成するようになっている。他の複数の条件についても、各条件に対応付けて複数の単語の組合せを定める組合せ情報及び順序情報が登録されており、各条件が成立した場合、制御回路10は、各条件に対応付けられた単語の組合せ及び順序で各条件に対応したメッセージを生成する。
【0025】
音声出力部として機能し得る制御回路10及び音声装置14は、メッセージ生成部(制御回路10)で生成されたメッセージを音声として読み上げるように機能する。この音声出力部は、メッセージ生成部で生成されたメッセージの読み上げ途中において言葉を発しない所定のインターバルを設ける方式でメッセージを読み上げる第1動作と、メッセージ生成部で生成されたメッセージの読み上げ途中において上記「所定のインターバル」を設けない方式又は「所定のインターバル」の期間を短くした方式でメッセージを読み上げる第2動作と、を切り替えて実行可能とされている。
【0026】
操作部18は、例えば複数の入力インターフェース(複数のボタンなど)を備えた操作パネルとして構成され、上述の第1動作を指定する第1指示操作と上述の第2動作を指定する第2指示操作(第1指示操作とは異なる操作)とを行い得る構成をなす。
【0027】
登録部として機能する制御回路10及び不揮発性メモリ16は、操作部18によって第1指示操作が行われた場合に第1設定情報を登録し、第2指示操作が行われた場合に第2設定情報を登録するように機能する。具体的には、操作部18において第1指示操作が行われた場合に制御回路10が不揮発性メモリ16に第1設定情報(例えば、インターバル無しフラグ)を記憶するように動作し、この第1設定情報を、操作部18にて第2指示操作が行われるまで維持する。また、第2指示操作が行われた場合には、制御回路10が不揮発性メモリ16に第2設定情報(例えば、インターバル有りフラグ)を記憶するように動作し、この第2設定情報を、操作部18にて第1指示操作が行われるまで維持する。
【0028】
このような前提の上で、メッセージ生成部として機能し得る制御回路10は、メッセージの発生条件毎にメッセージ(複数の単語を組み合わせたメッセージ情報)を生成する。そして、音声出力部として機能し得る制御回路10及び音声装置14は、メッセージ生成部にてメッセージが生成される毎に、そのメッセージを音声装置14から音声として発する。制御回路10及び音声装置14がメッセージを音声として発する場合、不揮発性メモリ16に第1設定情報が登録(記憶)されている場合には第1動作(メッセージの読み上げ途中において言葉を発しない所定のインターバルを設ける方式でメッセージを読み上げる動作)を実行し、不揮発性メモリ16に第2設定情報が登録(記憶)されている場合には第2動作(メッセージの読み上げ途中において所定のインターバルを設けない方式又はインターバルを第1動作のときよりも短くした方式)を実行する。
【0029】
音声出力部として機能し得る制御回路10及び音声装置14は、第1動作を行う場合、メッセージの読み上げ途中においてメッセージを構成する単語の末尾又は文節の末尾で所定のインターバル(例えば、一定時間の無音期間、又は、一定時間の無声期間など)を設ける方式でメッセージを読み上げるように動作する。この場合、「所定のインターバル」の間隔は特に限定されないが、例えば、数ミリ秒或いは数十ミリ秒程度の一定時間とすることができる。例えば、図4のように、「コンロ安全安心機能が作動しました」というメッセージを発する場合、「コンロ」「安全」「安心」「機能」「が」「作動」「しました」のそれぞれの単語間において数ミリ秒或いは数十ミリ秒程度のインターバル(一定時間)をあけるように「コンロ安全安心機能が作動しました」というメッセージを音声装置14から音声出力することができる。
【0030】
一方、音声出力部として機能し得る制御回路10及び音声装置14は、第2動作を行う場合、メッセージの読み上げ途中においてメッセージを構成する単語の末尾又は文節の末尾で上記「所定のインターバル」を設けない方式又は「所定のインターバル」よりも短いインターバルを設ける方式でメッセージを読み上げるように動作する。例えば、図4のように、「コンロ安全安心機能が作動しました」というメッセージを発する場合、「コンロ」「安全」「安心」「機能」「が」「作動」「しました」のそれぞれの単語間の間隔が第1動作のときよりも短くなるように「コンロ安全安心機能が作動しました」というメッセージを音声装置14から音声出力する。
【0031】
音声出力部として機能し得る制御回路10及び音声装置14は、各々の単語での各文字の発音速度及び文字間の発音速度を、第1動作と第2動作とで同一とするとよい。例えば、「コンロ安全安心機能が作動しました」というメッセージを表示する場合において、「安全」という単語を発する場合、「安全」を読み上げる速度を第1動作と第2動作とで同一とするとよい。
【0032】
例えば第1動作のときに各単語での音声出力の速度を低下させることで、聞き取りやすくする手法も考えられるが、この手法を実現しようとすると、音声出力の速度が異なるパターンごとに音声データを予め記憶しておくか、あるいは音声データの出力速度を変化させるプログラムが必要となる。このため、記憶データの増大化、あるいはプログラムの複雑化が避けられない。これに対し、上記方法によれば、単語ごとの音声出力速度を低下させなくとも、単語の末尾又は文節の末尾にインターバルを設けることで聞き取りやすくすることができる。ゆえに、記憶データの増大化やプログラムの複雑化を抑制しつつ、案内文の内容を把握しやすくすることができる。
【0033】
ここで、本構成の効果を例示する。
本構成のガスコンロ1は、メッセージ生成部(制御回路10)と、メッセージ生成部で生成されたメッセージを音声として読み上げる音声出力部(制御回路10及び音声装置14)と、を備えている。よって、メッセージを音声として発することができ、使用者に対して音声案内し得る機能が付加されたガスコンロを実現できる。
【0034】
更に、音声出力部としての制御回路10及び音声装置14は、メッセージ生成部(制御回路10)で生成されたメッセージの読み上げ途中において言葉を発しない所定のインターバルを設ける方式でメッセージを読み上げる第1動作と、メッセージ生成部で生成されたメッセージの読み上げ途中において所定のインターバルを設けない方式又は所定のインターバルの期間を短くした方式でメッセージを読み上げる第2動作と、を切り替えて実行可能とされている。このような構成であるため、メッセージをより滑らかに発することができる動作方式と、メッセージをよりわかりやすく発することができる動作方式とを切り替えることが可能となる。
【0035】
更に、ガスコンロ1は、第1動作を指定する第1指示操作と第2動作を指定する第2指示操作とを行い得る操作部18と、操作部18によって第1指示操作が行われた場合に第1設定情報を登録し、第2指示操作が行われた場合に第2設定情報を登録する登録部(制御回路10及び不揮発性メモリ16)と、を備えている。そして、音声出力部は、登録部に第1設定情報が登録されている場合に第1動作を行い、登録部に第2設定情報が登録されている場合に第2動作を行うようになっている。このようにガスコンロ1が構成されていれば、このガスコンロ1は、使用者の指示に応じて第1動作と第2動作とを切り替えることができるようになり、ひいては、滑らかな音声報知を行う方式とわかりやすい音声報知を行う方式とを使用者が選択できるようになる。
【0036】
更に、ガスコンロ1には、登録部の要素として、不揮発性メモリ16が設けられている。そして、登録部として機能し得る制御回路10及び不揮発性メモリ16は、第1設定情報及び第2設定情報を不揮発性メモリ16に記憶し得る構成となっている。このようにすれば、電源オフになった後でも、音声報知方式の設定を保持しておくことができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0037】
更に、音声出力部としての制御回路10及び音声装置14は、第1動作を行う場合、メッセージの読み上げ途中においてメッセージを構成する単語の末尾又は文節の末尾で所定のインターバルを設ける方式でメッセージを読み上げる構成となっている。このように単語の末尾又は文節の末尾でインターバルを設けるようにメッセージを区切れば、使用者が単語又は文節を明瞭に聞き取りやすくなり、メッセージを正確に認識しやすくなる。
【0038】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0039】
実施例1では、ガスコンロの例としてビルトインコンロを例示したが、テーブルコンロであってもよい。
【0040】
実施例1では、ガスバーナ51,52,53,54が設けられたガスコンロ1を例示したが、ガスバーナの数はこれよりも多くても少なくてもよい。例えば、1つのガスバーナのみが設けられ、1つのイグナイタのみが設けられるようなガスコンロなどであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…ガスコンロ
10…制御回路(メッセージ生成部、音声出力部)
14…音声装置(音声出力部)
16…不揮発性メモリ(登録部)
51,52,53,54…ガスバーナ
図1
図2
図3
図4
図5