(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】有機発光ダイオードに用いられる組成物
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20221006BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20221006BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20221006BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20221006BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20221006BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221006BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221006BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221006BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20221006BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
C07D413/14
C07D417/14
C07D519/00 311
C09K11/06 640
C09K11/06 645
C09K11/06 650
C09K11/06 655
G09F9/00 338
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/10
H05B33/14 B
(21)【出願番号】P 2020511903
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(86)【国際出願番号】 US2018049116
(87)【国際公開番号】W WO2019046734
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-06-10
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度科学技術振興機構 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム 産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの
(73)【特許権者】
【識別番号】516003621
【氏名又は名称】株式会社Kyulux
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】アギレラ イパラギレ ホルヘ
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス ボンバレリ ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】ヒルツェル ティモシー ディー
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 善丈
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ユソク
(72)【発明者】
【氏名】チェン ショウシェン
(72)【発明者】
【氏名】能塚 直人
(72)【発明者】
【氏名】垣添 勇人
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 礼隆
(72)【発明者】
【氏名】那須 圭朗
(72)【発明者】
【氏名】ホン ミンギ
【審査官】谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104387369(CN,A)
【文献】再公表特許第2014/133062(JP,A1)
【文献】国際公開第2018/155642(WO,A1)
【文献】特表2020-525437(JP,A)
【文献】特表2020-525438(JP,A)
【文献】LIU,S. et al.,Structure-Property Study on Two New D-A Type Materials Comprising Pyridazine Moiety and the OLED Application as Host,ACS Applied Materials & Interfaces,2017年07月14日,Vol.9, No.31,p.26242-26251
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/14
C07D 413/14
C07D 417/14
C07D 519/00
C07D 471/04
C09K 11/06
G09F 9/00
G09F 9/30
H01L 27/32
H05B 33/10
H01L 51/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物であって、
【化1】
式中、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は、水素、重水素、A
1、Ar
1およびD
1から独立して選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちのR
3のみが、A
1であり、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの少なくともR
1およびR
4が、D
1であり、
A
1は、フルオロアルキルおよび下記一般式から独立して選択され、
【化2】
X
Aは、O、SおよびNR
A’から独立して選択され、
R
Aは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアルコキシ、置換若しくは無置換のアリール、置換若しくは無置換のアリールオキシ、置換若しくは無置換のヘテロアリール、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシおよびシリルから独立して選択され、
R
A’は、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、
R
A1は、フルオロアルキルであり、
L
Aは、置換若しくは無置換のアリーレンであり、アリーレンは、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、
D
1は、下記一般式から独立して選択され、
【化3】
X
Dは、O、S、NR
D’、C(O)、置換若しくは無置換のメチレン、置換若しくは無置換のエチレン、置換若しくは無置換のビニレン、置換若しくは無置換のオルト-アリーレンおよび置換若しくは無置換のオルト-ヘテロアリーレンから独立して選択され、メチレン、エチレン、ビニレン、オルト-アリーレンまたはオルト-ヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、
R
Dは、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアルコキシ、置換若しくは無置換のアミノ、置換若しくは無置換のアリール、置換若しくは無置換のアリールオキシ、置換若しくは無置換のヘテロアリール、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシおよびシリルから独立して選択され、
2つの隣り合うR
D同士が結合して下記のいずれかの環構造を形成することができ、下記環構造中のXはO、S、N(C
6H
5)およびC(CH
3)
2から選択され、下記環構造中の#はD
1が表す上記一般式において隣り合うR
Dが結合している各炭素原子を表し、
【化4】
R
D’は、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、
L
Dは、単結合、置換若しくは無置換のアリーレンであり、アリーレンは、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、
Ar
1は、置換若しくは無置換のアリールから独立して選択され、アリールは、重水素、アルキルおよびアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、
上記のすべてのアリールの環骨格を構成する原子は炭素原子のみであり、
各「*」は、ピリジニルセンターの炭素原子との結合点を表す、
化合物。
【請求項2】
A
1は、下記一般式から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化5】
【請求項3】
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちいずれもHではない、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
D
1は、下記一般式から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【化8】
【請求項5】
L
Dは、単結合である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Ar
1は、下記の基から独立して選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【化11】
【請求項7】
Ar
1は、置換若しくは無置換のフェニル、置換若しくは無置換のビフェニレニルおよび置換若しくは無置換のターフェニレニルから独立して選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物は、下記一般式から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化12】
【請求項9】
下記のいずれかの構造を有する化合物。
【化17】
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物を含む、有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項11】
陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間の、発光層を含む少なくとも1つの有機層と、を含む有機発光ダイオード(OLED)であって、
前記発光層は、
ホスト材料と、
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物と、を含む、
有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物を含む、スクリーンまたはディスプレイ。
【請求項13】
OLEDディスプレイを作製する方法であって、当該方法は、
マザーパネルのベース基材上に障壁層を形成する工程と、
前記障壁層上にセルパネル単位で複数のディスプレイユニットを形成する工程と、
前記セルパネルの前記ディスプレイユニットのそれぞれの上にカプセル化層を形成する工程と、
前記セルパネル間のインタフェース部に有機フィルムを塗布する工程と、を含み、
前記有機フィルムは、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2017年9月1日出願の日本特許出願番号2017-168885、2017年12月5日出願の米国仮特許出願番号62/594,837、2018年3月30日出願の米国仮特許出願番号62/650,420、2018年4月5日出願の米国仮特許出願番号62/653,225、2018年4月25日出願の米国仮特許出願番号62/662,548および2018年4月30日出願の米国仮特許出願番号62/664,623の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)は、励起(例えば電流)に反応して光を発する有機化合物のフィルムが2つの導体の間に配置された発光ダイオード(LED)である。OLEDは、テレビ画面、コンピューターのモニター、携帯電話およびタブレットなどのディスプレイおよび照明において有用である。OLEDディスプレイに固有の問題は、有機化合物の寿命が限られることである。特に、青色光を発するOLEDは、緑色若しくは赤色のOLEDと比較し、顕著に早い速度で劣化する。
【0003】
OLED材料は、ホスト輸送材料中の電子と正孔との再結合によって発生する分子励起状態(励起子)の放射性失活に依存する。励起の性質により電子と正孔との間に相互作用が生じ、それによって励起状態は明るい一重項(全スピンが0)と暗い三重項(全スピンが1)とに分割される。電子と正孔との再結合により統計的に4つのスピン状態(1つの一重項副準位と3つの三重項副準位)の混合物が生じるため、従来のOLEDは理論上で最大25%の効率となる。
【0004】
これまでOLED材料のデザインでは、通常は暗い三重項からの、残りのエネルギーの回収に注力されていた。通常は暗い三重項状態から光を発する、効率の高い燐光体を開発するための近年の研究により、緑色および赤色のOLEDが得られている。しかしながら、他の色(例えば青色)の場合、より高いエネルギー励起状態が必要となるため、OLEDの劣化プロセスが加速される。
【0005】
三重項-一重項の遷移速度に対する基本的な律速要因は、パラメータ|Hfi/ΔEst|2の値である(式中、Hfiは超微細またはスピン軌道相互作用による結合エネルギーであり、ΔEstは一重項状態と三重項状態との間のエネルギー分裂である)。従来の燐光OLEDは、スピン軌道(SO)相互作用により一重項状態と三重項状態とを混合し、Hfiを増加させ、重金属原子と有機配位子との間で共有される最低の発光状態をもたらすことを拠り所としていた。これは、全ての高い一重項および三重項状態からのエネルギー回収、およびそれに続く燐光(励起三重項からの比較的短寿命の発光)につながる。この短縮された三重項寿命は、電荷および他の励起子による三重項励起子消滅を減少させる。他のグループによる最近の研究は、燐光材料の性能が限界に達したことを示唆するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、OLED用の新規材料に関する。ある実施形態において、これらのOLEDは、急速な劣化を生じることなく高い励起状態に到達することができる。Hfiの最大化とは反対のΔEstの最小化に基づく熱活性化遅延蛍光(TADF)により、適当な時間スケール(例えば1μ秒~10m秒)において一重項準位と三重項副準位との間での分布遷移が可能になることが明らかとなった。本発明で記載される化合物は、前述の化合物よりも高いエネルギー励起状態で発光することができる。
【0007】
ある実施形態では、本開示は、下記一般式(I)で表される化合物を提供する。
【化1】
一般式(I)において、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は、水素、重水素、A
1、Ar
1およびD
1から独立して選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの1つのみが、A
1であり、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの少なくとも1つが、D
1であり、
A
1は、CN、フルオロアルキル、および下記一般式から独立して選択され、
【化2】
X
Aは、O、SおよびNR
A’から独立して選択され、
R
Aは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアルコキシ、置換若しくは無置換のアリール、置換若しくは無置換のアリールオキシ、置換若しくは無置換のヘテロアリール、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシおよびシリルから独立して選択され、
2つ以上のR
A同士で環系を形成することができ、
R
A’は、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、
2つ以上のR
A’およびR
A同士で環系を形成することができ、
R
A1は、フルオロアルキルであり、
L
Aは、置換若しくは無置換のアリーレンおよび置換若しくは無置換のヘテロアリーレンから独立して選択され、アリーレンおよびヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、2つ以上のこれらの置換基同士で環系を形成することができ、
D
1は、下記一般式から独立して選択され、
【化3】
X
Dは、O、S、NR
D’、C(O)、置換若しくは無置換のメチレン、置換若しくは無置換のエチレン、置換若しくは無置換のビニレン、置換若しくは無置換のオルト-アリーレンおよび置換若しくは無置換のオルト-ヘテロアリーレンから独立して選択され、メチレン、エチレン、ビニレン、オルト-アリーレンまたはオルト-ヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、
R
Dは、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアルコキシ、置換若しくは無置換のアミノ、置換若しくは無置換のアリール、置換若しくは無置換のアリールオキシ、置換若しくは無置換のヘテロアリール、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシおよびシリルから独立して選択され、
2つ以上のR
D同士で環系を形成することができ、
R
D’は、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、
2つ以上のR
D’およびR
D同士で環系を形成することができ、
L
Dは、単結合、置換若しくは無置換のアリーレンおよび置換若しくは無置換のヘテロアリーレンから独立して選択され、アリーレンおよびヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、2つ以上のこれら置換基同士で環系を形成することができ、
Ar
1は、置換若しくは無置換のアリールおよび窒素原子を含有しない置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、アリールおよびヘテロアリールの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリール、および窒素原子を含有しない置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、2つ以上のこれら置換基同士で環系を形成することができ、
各「*」は、ピリジニルセンターの炭素原子との結合点を表す。
【0008】
ある実施形態では、本開示は、下記一般式(II)で表される化合物を提供する。
【化4】
一般式(II)において、
Aは、CNおよび下記A1~A13から選択され、
【化5】
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は、H、重水素、PhおよびDから独立して選択され、
Dは、下記D1~D37から独立して選択され、
【化6】
Xは、NまたはCR
5であり、
Zは、H、Me、t-Buおよびヘテロアリールから独立して選択され、
ヘテロアリールは下記の基から独立して選択される。
【化7】
【0009】
ある実施形態では、本開示は、下記一般式(III)で表される化合物を提供する。
【化8】
一般式(III)において、
Aは、CNおよび下記A1~A7から選択され、
【化9】
Dは、H、Me、Phおよび下記D1~D31から独立して選択され、
【化10】
Rは、H、MeおよびPhから独立して選択され、
Z
1は、C(CH
3)
2、C(Ph)
2、OおよびN(Ph)から独立して選択され、
Z
2は、H、CN、(C
1~C
20)アルキル、5~30員のアリール、3~30員のヘテロアリールおよびジアリールアミノから独立して選択され、
少なくとも1つのDは、D1~D31から選択される。
【0010】
ある実施形態では、本開示は、下記一般式(IV)で表される化合物を提供する。
【化11】
一般式(IV)において、
Aは、CNおよび下記A1~A7から選択され、
【化12】
Dは、下記D1~D31から独立して選択され、
【化13】
Rは、H、MeおよびPhから独立して選択され、
Z
1は、C(CH
3)
2、C(Ph)
2、OおよびN(Ph)から独立して選択され、
Z
2は、H、CN、(C
1~C
20)アルキル、5~30員のアリール、3~30員のヘテロアリールおよびジアリールアミノから独立して選択され、
少なくとも1つのDは、D1~D31から選択される。
【0011】
ある実施形態では、本開示は、下記一般式(V)で表される化合物を提供する。
【化14】
一般式(V)において、
Aは、CNおよび下記A1~A7から選択され、
【化15】
Dは、下記D1~D31から独立して選択され、
【化16】
Rは、H、MeおよびPhから独立して選択され、
Z
1は、C(CH
3)
2、C(Ph)
2、OおよびN(Ph)から独立して選択され、
Z
2は、H、CN、(C
1~C
20)アルキル、5~30員のアリール、3~30員のヘテロアリールおよびジアリールアミノから独立して選択され、
少なくとも1つのDは、D1~D31から選択される。
【0012】
ある実施形態では、本開示は一般式(I)~(V)で表される化合物を含む発光材料を提供する。
【0013】
ある実施形態では、本開示は一般式(I)~(V)で表される化合物を含む遅延蛍光体を提供する。
【0014】
ある実施形態では、本開示は一般式(I)~(V)で表される化合物を含む有機発光ダイオード(OLED)を提供する。
【0015】
ある実施形態では、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間の、発光層を含む少なくとも1つの有機層と、を含む有機発光ダイオード(OLED)が本発明では提供され、前記発光層は、
ホスト材料と、
一般式(I)~(V)で表される化合物と、を含む。
【0016】
ある実施形態では、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間の、発光層を含む少なくとも1つの有機層と、を含む有機発光ダイオード(OLED)が本発明では提供され、前記発光層は、
ホスト材料と、
一般式(I)~(V)で表される化合物と、を含み、
一般式(I)~(V)で表される前記化合物は、発光材料である。
【0017】
ある実施形態では、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間の、発光層を含む少なくとも1つの有機層と、を含む有機発光ダイオード(OLED)が本発明では提供され、前記発光層は、
ホスト材料と、
一般式(I)~(V)で表される化合物と、
一般式(I)~(V)で表される化合物ではない発光材料と、を含む。
【0018】
ある実施形態では、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間の、発光層を含む少なくとも1つの有機層と、を含む有機発光ダイオード(OLED)が本発明では提供され、前記発光層は、
一般式(I)~(V)で表される化合物と、
一般式(I)~(V)で表される化合物ではない発光材料と、を含む。
【0019】
ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される前記化合物は、スクリーンまたはディスプレイで用いられる。
【0020】
更に別の態様では、本開示は、OLEDディスプレイの製造方法に関し、当該方法は、
マザーパネルのベース基材上に障壁層を形成する工程と、
前記障壁層上にセルパネル単位で複数のディスプレイユニットを形成する工程と、
前記セルパネルの前記ディスプレイユニットのそれぞれの上にカプセル化層を形成する工程と、
前記セルパネル間のインタフェース部に有機フィルムを塗布する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、1が基材を示し、2が陽極を示し、3が正孔注入層を示し、4が正孔輸送層を示し、5が発光層を示し、6が電子輸送層を示し、7が陰極を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
一態様において、本開示は、下記一般式(I)で表される化合物を提供する。
【化17】
一般式(I)において、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は、水素、重水素、A
1、Ar
1およびD
1から独立して選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの1つのみが、A
1であり、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの少なくとも1つが、D
1であり、
A
1はCN、フルオロアルキルおよび下記一般式から独立して選択され、
【化18】
X
Aは、O、SおよびNR
A’から独立して選択され、
R
Aは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアルコキシ、置換若しくは無置換のアリール、置換若しくは無置換のアリールオキシ、置換若しくは無置換のヘテロアリール、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシおよびシリルから独立して選択され、
2つ以上のR
A同士で環系を形成することができ、
R
A’は、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、
2つ以上のR
A’およびR
A同士で環系を形成することができ、
R
A1は、フルオロアルキルであり、
L
Aは、置換若しくは無置換のアリーレンおよび置換若しくは無置換のヘテロアリーレンから独立して選択され、アリーレンおよびヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、2つ以上のこれらの置換基同士で環系を形成することができ、
D
1は、下記一般式から独立して選択され、
【化19】
X
Dは、O、S、NR
D’、C(O)、置換若しくは無置換のメチレン、置換若しくは無置換のエチレン、置換若しくは無置換のビニレン、置換若しくは無置換のオルト-アリーレンおよび置換若しくは無置換のオルト-ヘテロアリーレンから独立して選択され、メチレン、エチレン、ビニレン、オルト-アリーレンまたはオルト-ヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、
R
Dは、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアルコキシ、置換若しくは無置換のアミノ、置換若しくは無置換のアリール、置換若しくは無置換のアリールオキシ、置換若しくは無置換のヘテロアリール、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシおよびシリルから独立して選択され、
2つ以上のR
D同士で環系を形成することができ、
R
D’は、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、
2つ以上のR
D’およびR
D同士で環系を形成することができ、
L
Dは、単結合、置換若しくは無置換のアリーレンおよび置換若しくは無置換のヘテロアリーレンから独立して選択され、アリーレンおよびヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、2つ以上のこれら置換基同士で環系を形成することができ、
Ar
1は、置換若しくは無置換のアリールおよび窒素原子を含有しない置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、アリールおよびヘテロアリールの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリール、および窒素原子を含有しない置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、2つ以上のこれら置換基同士で環系を形成することができ、
各「*」は、ピリジニルセンターの炭素原子との結合点を表す。
【0023】
一態様において、本開示は、下記一般式(II)で表される化合物を提供する。
【化20】
一般式(II)において、
Aは、CNおよび下記A1~A13から選択され、
【化21】
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は、H、重水素、PhおよびDから独立して選択され、
Dは、下記D1~D37から独立して選択され、
【化22】
Xは、NまたはCR
5であり、
Zは、H、Me、t-Buおよびヘテロアリールから独立して選択され、
ヘテロアリールは下記の基から独立して選択される。
【化23】
【0024】
一態様では、本開示は一般式(III)で表される化合物を提供する。
【化24】
一般式(III)において、
Aは、CNおよび下記A1~A7から選択され、
【化25】
Dは、H、Me、Phおよび下記D1~D31から独立して選択され、
【化26】
Rは、H、MeおよびPhから独立して選択され、
Z
1は、C(CH
3)
2、C(Ph)
2、OおよびN(Ph)から独立して選択され、
Z
2は、H、CN、(C
1~C
20)アルキル、5~30員のアリール、3~30員のヘテロアリールおよびジアリールアミノから独立して選択され、
少なくとも1つのDは、D1~D31から選択される。
【0025】
一態様では、本開示は一般式(IV)で表される化合物を提供する。
【化27】
一般式(IV)において、
Aは、CNおよび下記A1~A7から選択され、
【化28】
Dは、下記D1~D31から独立して選択され、
【化29】
Rは、H、MeおよびPhから独立して選択され、
Z
1は、C(CH
3)
2、C(Ph)
2、OおよびN(Ph)から独立して選択され、
Z
2は、H、CN、(C
1~C
20)アルキル、5~30員のアリール、3~30員のヘテロアリールおよびジアリールアミノから独立して選択され、
少なくとも1つのDは、D1~D31から選択される。
【0026】
一態様では、本開示は一般式(V)で表される化合物を提供する。
【化30】
一般式(V)において、
Aは、CNおよび下記A1~A7から選択され、
【化31】
Dは、下記D1~D31から独立して選択され、
【化32】
Rは、H、MeおよびPhから独立して選択され、
Z
1は、C(CH
3)
2、C(Ph)
2、OおよびN(Ph)から独立して選択され、
Z
2は、H、CN、(C
1~C
20)アルキル、5~30員のアリール、3~30員のヘテロアリールおよびジアリールアミノから独立して選択され、
少なくとも1つのDは、D1~D31から選択される。
【0027】
開示内容の説明を目的として例を以下に示すが、それらに開示内容が限定されるものではない。実際、本開示において、開示される範囲または技術思想から逸脱することなく様々な改変および変形が可能であることは、当業者にとって自明である。例えば、1つの実施形態の一部として例示若しくは記載される特徴が、別の実施形態において用いられることにより、更なる実施形態が得られる。すなわち、本開示では、添付の特許請求の範囲およびそれらと同等の物の範囲内に含まれる改変および変形が包含されることが意図されている。本開示に係る他の課題、特徴および態様は、以下の詳細な説明に開示されているか、またはそれに由来して派生しうるものである。本開示における考察は、典型的な実施形態を説明するだけのものであり、本開示の更に広い態様に制限を加えるものとして解釈すべきでないことは、当業者が理解するとおりである。
【0028】
定義:
本明細書中で特に定義されない限り、本願で用いられる科学的および専門的用語は、当業者により一般的に理解されている意味を有する。全般的には、本明細書に記載の化学物質に関する命名法および技術は、当該技術分野において周知であり、一般的に用いられている。
【0029】
「アシル」という用語は、当該技術分野で公知であり、一般式ヒドロカルビルC(O)-、好ましくはアルキルC(O)-で表される基を指す。
【0030】
「アシルアミノ」という用語は、当該技術分野で公知であり、アシル基で置換されたアミノ基を指し、例えば、式ヒドロカルビルC(O)NH-で表すことができる。
【0031】
「アシルオキシ」という用語は、当技術分野で公知であり、一般式ヒドロカルビルC(O)O-、好ましくはアルキルC(O)O-で表される基を指す。
【0032】
「アルコキシ」という用語は、酸素原子が結合したアルキル基を指す。ある実施形態では、アルコキシは1~20個の炭素を有する。ある実施形態(embodimens)では、アルコキシは1~12個の炭素原子を有する。代表的なアルコキシ基として、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、tert-ブトキシ基などを挙げることができる。
【0033】
「アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基で置換されたアルキル基を指し、一般式アルキル-O-アルキルで表すことができる。
【0034】
本明細書で用いられる「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含む脂肪族基を指し、「無置換アルケニル」および「置換アルケニル」両方が含まれるものとし、後者については、アルケニル基の一つ以上の炭素原子上の水素原子を置換する置換基を有するアルケニル部分を指す。典型的には、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基は、特に定義されない限り、1~約20個、好ましくは1~約12個の炭素原子を有する。そのような置換基は、1つ以上の二重結合に含まれるか若しくは含まれない1つ以上の炭素原子上に存在しうる。更に、そのような置換基には、安定性を損なわない限りにおいて、後述するような、アルキル基に対して考えられる全てのものが含まれる。例えば、1つ以上のアルキル基、カルボシクリル基、アリール基、ヘテロシクリル基またはヘテロアリール基によるアルケニル基の置換が考えられる。
【0035】
「アルキル」基または「アルカン」は、完全に飽和した、直鎖状若しくは分岐鎖状の非芳香族炭化水素である。典型的には、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基は、特に定義されない限り、1~約20個、好ましくは1~約12個の炭素原子を有する。ある実施形態では、アルキル基は、1~8個の炭素原子、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子、または1~3個の炭素原子を有する。直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の例として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基が挙げられる。
【0036】
更に、明細書、実施例および特許請求の範囲全体を通じて用いられる「アルキル」という用語には、「無置換アルキル」および「置換アルキル」両方が含まれるものとし、後者については、炭化水素骨格中の1つ以上の置換可能な炭素上の水素を置換する置換基を有するアルキル部分を指す。そのような置換基としては、特定されない限り、例えばハロゲン基(例えばフルオロ基)、ヒドロキシル基、カルボニル基(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル基)、チオカルボニル基(例えばチオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート基)、アルコキシ基、ホスホリル基、ホスフェート基、ホスホネート基、ホスフィネート基、アミノ基、アミド基、アミジン基、イミン基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、スルフェート基、スルホネート基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホニル基、ヘテロシクリル基、アラルキル基または芳香族若しくは複素環式芳香族部分を挙げることができる。好ましい実施形態では、置換アルキル基上の置換基は、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン基、カルボニル基、シアノ基またはヒドロキシ基から選択される。より好ましい実施形態では、置換アルキル基上の置換基は、フルオロ基、カルボニル基、シアノ基またはヒドロキシル基から選択される。炭化水素鎖上の置換された部分が、それ自身必要に応じて置換されうることは、当業者に理解されるとおりである。例えば、置換アルキルの置換基としては、置換および無置換のアミノ基、アジド基、イミノ基、アミド基、ホスホリル基(ホスホネート基およびホスフィネート基を含む)、スルホニル基(スルフェート基、スルホンアミド基、スルファモイル基およびスルホネート基を含む)およびシリル基、並びに、エーテル基、アルキルチオ基、カルボニル基(ケトン基、アルデヒド基、カルボキシレート基およびエステルを含む)、-CF3、-CNなどを挙げることができる。典型的な置換アルキル基については後述する。シクロアルキル基は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノアルキル基、カルボニル基で置換されたアルキル基、-CF3、-CNなどで更に置換されうる。
【0037】
「Cx-y」という用語は、化学基部分(例えばアシル基、アシルオキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアルコキシ基)に関連して用いられるときは、鎖中にx~y個の炭素を含む基を包含することを意味する。例えば、「Cx-yアルキル基」という用語が指すものは、置換若しくは無置換の飽和炭化水素基であって、鎖中にx~y個の炭素を含む直鎖状アルキル基および分岐鎖状アルキル基が含まれ、またハロアルキル基が含まれる。好ましいハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基およびペンタフルオロエチル基が挙げられる。C0アルキル基とは、基が末端の位置に存在する場合には水素原子を、内部に存在する場合には結合を示す。用語「C2-yアルケニル」および「C2-yアルキニル」は、長さおよび置換可能性において上記のアルキル基と類似する、置換若しくは無置換の不飽和脂肪族基であるが、但し、それぞれ、少なくとも1つの二重または三重結合を有する基を指す。
【0038】
本明細書で用いられる「アルキルアミノ」という用語は、少なくとも1つのアルキル基で置換されたアミノ基を指す。
【0039】
本明細書で用いられる「アルキルチオ」という用語は、アルキル基で置換されたチオール基を指し、一般式アルキルS-で表されうる。
【0040】
本明細書で用いられる「アリールチオ」という用語は、アリール基で置換されたチオール基を指し、一般式アリールS-で表されうる。
【0041】
本明細書で用いられる「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含んでいる脂肪族基を指し、「無置換アルキニル」および「置換アルキニル」両方が含まれるものとし、後者については、アルキニル基の1つ以上の炭素原子上の水素を置換する置換基を有するアルキニル部分を指す。典型的には、特に定義されない限り、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキニル基は、1~約20個、好ましくは1~約10個の炭素原子を有する。そのような置換基は、1つ以上の三重結合に含まれるか若しくは含まれない1つ以上の炭素上に存在しうる。更に、そのような置換基には、安定性を損なわない限りにおいて、後述するような、アルキル基に対して考えられる全てのものが含まれる。例えば、1つ以上のアルキル基、カルボシクリル基、アリール基、ヘテロシクリル基またはヘテロアリール基によるアルキニル基の置換が考えられる。
【0042】
本明細書で用いられる「アミド」という用語は、下記一般式で表される基を指し、
【化33】
式中、R
Aは各々独立に水素またはヒドロカルビル基を表すか、あるいは、2つのR
Aは、それらが結合するN原子と共に環構造中に4~8個の原子を有する複素環を形成する。
【0043】
用語「アミン」および「アミノ」は、当技術分野で周知であり、無置換および置換のアミンおよびその塩を指し、例えば、下記一般式のいずれかで表される基を指し、
【化34】
式中、R
Aは各々独立に水素またはヒドロカルビル基を表すか、または、2つのR
Aは、それらが結合するN原子と共に環構造中に4~8個の原子を有する複素環を形成する。
【0044】
本明細書で用いられる「アミノアルキル」という用語は、アミノ基で置換されたアルキル基を指す。
【0045】
本明細書で用いられる「アラルキル」という用語は、アリール基で置換されたアルキル基を指す。
【0046】
本明細書で用いられる「アリール」という用語には、環の各原子が炭素原子である、置換若しくは無置換の単環式芳香族基が含まれる。好ましくは、環は6~20員環、より好ましくは6員環である。好ましくは、アリールは6~40個の炭素原子を有し、より好ましくは6~25個の炭素原子を有する。「アリール」という用語にはまた、2つ以上の炭素原子が2つの隣接する環に共有される2つ以上の環式環を有する多環系が含まれ、当該環のうちの少なくとも1つが芳香族であり、他の環は、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基および/またはヘテロシクリル基であってもよい。アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリン等が挙げられる。
【0047】
「カルバメート」という用語は、当技術分野で公知であり、下記一般式のいずれかで表される基を指し、
【化35】
式中、R
Aは各々独立に水素またはヒドロカルビル基(例えばアルキル基)を意味するか、または両方のR
Aは、介在する原子と共に、環構造中に4~8の原子を有する複素環を形成する。
【0048】
本明細書で用いられる用語「炭素環」および「炭素環式」は、環の各原子が炭素原子である、飽和若しくは不飽和環を指す。好ましくは、炭素環式基は、3~20個の炭素原子を有する。用語「炭素環」には、芳香族の炭素環および非芳香族の炭素環の両方が含まれる。非芳香族の炭素環には、全ての炭素原子が飽和したシクロアルカン環と、少なくとも1つの二重結合を含むシクロアルケン環の両方が含まれる。炭素環には、5~7員の単環式環および8~12員の二環式環が含まれる。二環式炭素環の各環は、飽和、不飽和および芳香族の環から選択されうる。炭素環には、1個、2個または3個以上の原子が2つの環で共有された二環式分子が含まれる。「縮合炭素環」という用語は、環の各々が2個の隣接する原子を他の環と共有する二環式炭素環を指す。縮合炭素環の各環は、飽和、不飽和および芳香族の環から選択されうる。典型的な実施形態では、芳香環(例えばフェニル(Ph)基)は、飽和若しくは不飽和環(例えばシクロヘキサン、シクロペンタンまたはシクロヘキセン)と縮合してもよい。価数の許す限り、飽和、不飽和および芳香族二環式環のいかなる組合せも、炭素環式の定義に含まれる。典型的な「炭素環」としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5-シクロオクタジエン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタ-3-エン、ナフタレンおよびアダマンタンが挙げられる。縮合炭素環の例としては、デカリン、ナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタン、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インデンおよびビシクロ[4.1.0]ヘプタ-3-エンが挙げられる。「炭素環」は、水素原子を保持できる1つ以上のいかなる位置で置換されてもよい。
【0049】
「シクロアルキル」基は、完全に飽和した環状炭化水素である。「シクロアルキル」には、単環式および二環式の環が含まれる。好ましくは、シクロアルキル基は3~20個の炭素原子を有する。典型的には、単環式シクロアルキル基は、3~約10個の炭素原子を有し、より典型的には、特に定義されない限り、3~8個の炭素原子を有する。二環式シクロアルキル基の第2の環は、飽和、不飽和および芳香族の環から選択されうる。シクロアルキル基には、1つ、2つまたは、3つ以上の原子が2つの環で共有された二環式分子が含まれる。「縮合シクロアルキル」という用語は、環の各々が2個の隣接する原子を他の環と共有する二環式シクロアルキルを指す。縮合二環式シクロアルキルの第2の環は、飽和、不飽和および芳香族の環から選択されうる。「シクロアルケニル」基は、1つ以上の二重結合を含む環状炭化水素である。
【0050】
本明細書で用いられる「カルボシクリルアルキル」という用語は、炭素環基で置換されたアルキル基を指す。
【0051】
本明細書で用いられる「カーボネート」という用語は、-OCO2-RA基を指し、式中、RAはヒドロカルビル基を表す。
【0052】
本明細書で用いられる「カルボキシ」という用語は、式-CO2Hで表される基を指す。
【0053】
本明細書で用いられる「エステル」という用語は、-C(O)ORA基を指し、式中、RAはヒドロカルビル基を表す。
【0054】
本明細書で用いられる「エーテル」という用語は、ヒドロカルビル基が酸素原子を介してもう1つのヒドロカルビル基に連結した基を指す。従って、ヒドロカルビル基のエーテル置換基は、ヒドロカルビル-O-でありうる。エーテルは対称型であっても非対称型であってもよい。エーテルの例としては、限定されないが、複素環-O-複素環およびアリール-O-複素環が挙げられる。エーテルには「アルコキシアルキル」基が含まれ、式アルキル-O-アルキルで表されうる。
【0055】
本明細書で用いられる用語「ハロ」および「ハロゲン」は、ハロゲンを意味し、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素が含まれる。
【0056】
本明細書で用いられる用語「ヘタルアルキル(hetaralkyl)」および「ヘテロアラルキル」は、ヘタリール基で置換されたアルキル基を指す。
【0057】
本明細書で用いられる「ヘテロアルキル」という用語は、炭素原子と少なくとも1つのヘテロ原子の飽和若しくは不飽和の鎖であって、2つのヘテロ原子が隣接していないものを指す。
【0058】
用語「ヘテロアリール」および「ヘタリール」には、置換若しくは無置換、好ましくは5~20員環、より好ましくは5~6員環の芳香族単環構造が含まれ、その環構造中には、少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1または2個のヘテロ原子が含まれる。好ましくは、ヘテロアリールは2~40個の炭素原子を有し、より好ましくは、2~25個の炭素原子を有する。用語「ヘテロアリール」および「ヘタリール」にはまた、2つ以上の炭素原子が2つの隣接する環に共有される2つ以上の環式環を有する多環系が含まれ、環のうちの少なくとも1つは複素環であり、他の環は、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基および/またはヘテロシクリル基であってもよい。ヘテロアリール基としては、例えばピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンおよびカルバゾールなどが挙げられる。
【0059】
「アリールオキシ」という用語は、酸素原子が結合したアリール基を指す。好ましくは、アリールオキシは6~40個の炭素原子を有し、より好ましくは、6~25個の炭素原子を有する。
【0060】
「ヘテロアリールオキシ」という用語は、酸素原子が結合したヘテロアリール基を指す。好ましくは、ヘテロアリールオキシは2~40個の炭素原子を有し、より好ましくは、2~25個の炭素原子を有する。
【0061】
本明細書で用いられる「ヘテロ原子」という用語は、炭素原子または水素原子以外のあらゆる元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄原子である。
【0062】
用語「ヘテロシクリル」、「複素環」および「複素環式」は、置換若しくは無置換の、好ましくは3~20員環、より好ましくは3~7員環の非芳香環構造を指し、その環構造には、少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1または2個のヘテロ原子が含まれる。用語「ヘテロシクリル」および「複素環式」にはまた、2つ以上の炭素が2つの隣接する環に共有された2つ以上の環式環を有する多環系が含まれ、環のうちの少なくとも1つは複素環式であり、他の環は、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基および/またはヘテロシクリル基であってもよい。ヘテロシクリル基としては、例えばピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタムなどが挙げられる。
【0063】
本明細書で用いられる「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、複素環基で置換されたアルキル基を指す。
【0064】
本明細書で用いられる「ヒドロカルビル」という用語は、炭素原子を介して結合し、当該炭素原子が=Oまたは=S置換基を有さない基を指す。ヒドロカルビルは、ヘテロ原子を任意に含んでもよい。ヒドロカルビル基としては、限定されないが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基、アラルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボシクリル基、シクロアルキル基、カルボシクリルアルキル基、ヘテロアラルキル基、炭素原子を介して結合したヘテロアリール基、炭素原子を介して結合したヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基またはヒドロキシアルキル基が挙げられる。すなわち、メチル基、エトキシエチル基、2-ピリジル基およびトリフルオロメチル基などの基はヒドロカルビル基であるが、アセチル基(連結する炭素原子上に=O置換基を有する)およびエトキシ基(炭素原子ではなく酸素原子を介して連結する)などの置換基は該当しない。
【0065】
本明細書で用いられる「ヒドロキシアルキル」という用語は、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指す。
【0066】
用語「低級」は、例えばアシル基、アシルオキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアルコキシ基などの化学部分に関連して用いられるとき、6個以下の非水素原子が置換基中に存在する基を含むことを意味する。「低級アルキル基」は、例えば6個以下の炭素原子を含有するアルキル基を指す。ある実施形態では、当該アルキル基は1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子、または1~3個の炭素原子を有する。特定の実施形態では、本発明で定義される置換基である、アシル基、アシルオキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアルコキシ基は、それらが単独で存在する場合においてもあるいは他の置換基との組み合わせ(例えばヒドロキシアルキルおよびアラルキル基(この場合、例えば、アルキル置換基の炭素原子数をカウントする場合にはアリール基内の原子はカウントしない))で存在する場合においても、それぞれ低級アシル基、低級アシルオキシ基、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基または低級アルコキシ基である。
【0067】
用語「ポリシクリル」、「多環」および「多環式」は、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基および/またはヘテロシクリル基などの2つ以上の環を指し、2個以上の原子が2つの隣接する環に共有され、当該環は例えば「縮合環」となる。多環に存在する各環は、置換されてもよく、または無置換であってもよい。特定の実施形態では、多環に存在する各環は、環中に3~10個、好ましくは5~7個の原子を含む。
【0068】
用語「ポリ(メタフェニレンオキシド)」中、「フェニレン」という用語は、包括的には、6員のアリールまたは6員のヘテロアリール部分を指す。典型的なポリ(メタフェニレンオキシド)は、本開示における第1~第20番目の態様として記載する。
【0069】
「シリル」という用語は、3つのヒドロカルビル部分が結合したケイ素部分を指す。
【0070】
「置換された」という用語は、主鎖中の1つ以上の炭素上の水素を置換する置換基を有する部分を指す。当然ながら、「置換」または「~で置換された」というときは、そのような置換が、置換される原子と置換基との許される価数に従うものであって、当該置換により化合物が安定である(例えば、転位、環化、脱離などの変化が自発的に生じない)ということを暗に含むものである。置換されてもよい部分には、本明細書に記載のあらゆる適切な置換基が含まれ、例えばアシル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、アルキル基、アルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキニル基、アミド基、アミノ基、アミノアルキル基、アラルキル基、カルバメート基、カルボシクリル基、シクロアルキル基、カルボシクリルアルキル基、カーボネート基、エステル基、エーテル基、ヘテロアラルキル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヒドロカルビル基、シリル基、スルホン基またはチオエーテル基が挙げられる。本明細書において、「置換された」という用語には、有機化合物に存在しうる全ての置換基が含まれるものとする。広義には、存在しうる置換基には、非環式および環式の、分岐鎖状および非分岐鎖状の、炭素環式および複素環式の、芳香族および非芳香族の、有機化合物の置換基が含まれる。存在し得る置換基は、適切な有機化合物に対して、1以上の、同じまたは異なるものでありうる。本発明の目的においては、窒素などのヘテロ原子は、水素、および/または、本明細書に記載の、当該ヘテロ原子の価数を満たす、有機化合物に存在しうるあらゆる置換基を有してもよい。置換基には、本明細書に記載のあらゆる置換基が含まれ、例えばハロゲン、ヒドロキシル基、カルボニル基(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル基)、チオカルボニル基(例えばチオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート基)、アルコキシ基、ホスホリル基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィネート基、アミノ基、アミド基、アミジン基、イミン基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、スルフェート基、スルホネート基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホニル基、ヘテロシクリル基、アラルキル基または芳香族若しくは複素環式芳香族部分が含まれる。好ましい実施形態では、置換されたアルキル基の置換基は、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン基、カルボニル基、シアノ基、またはヒドロキシル基から選択される。より好ましい実施形態では、置換されたアルキル基の置換基は、フルオロ基、カルボニル基、シアノ基またはヒドロキシル基から選択される。当業者であれば、当該置換基はそれら自身適宜置換されうることを理解するであろう。「無置換の」として特に記載のない限り、本明細書中の化学基部分に関する言及には、置換されたバリアントが含まれるものとして理解される。例えば、「アリール」基または部分に関する言及には、置換および無置換のバリアント両方が暗に含まれる。
【0071】
「スルホネート」という用語は、当技術分野で公知であり、SO3H基またはその薬学的に許容できる塩を指す。
【0072】
「スルホン」という用語は、当技術分野で公知であり、-S(O)2-RA基を指し、式中、RAはヒドロカルビル基を表す。
【0073】
本明細書で用いられる「チオエーテル」という用語は、酸素が硫黄で置換されたエーテルと同等である。
【0074】
本明細書で用いられる「対称性分子」という用語は、群対称または合成対称である分子を指す。本明細書で用いられる「群対称」という用語は、分子対称性の群論に従い対称である分子を指す。本明細書で用いられる「合成対称」という用語は、レギオ選択的な合成経路が必要とならないように選択される分子を指す。
【0075】
本明細書で用いられる「供与体」という用語は、有機発光ダイオードで使用でき、励起により、その最高被占分子軌道から電子を受容体に供与する性質を有する分子フラグメントを指す。好ましい実施形態では、供与体は置換アミノ基を含有する。例示的実施形態では、供与体は-6.5eV以上のイオン化ポテンシャルを有する。
【0076】
本明細書で用いられる「受容体」という用語は、有機発光ダイオードで使用でき、励起された供与体から電子をその最低空軌道に受容する性質を有する分子フラグメントを指す。例示的な実施形態では、受容体は-0.5eV以下の電子親和力を有する。
【0077】
本明細書で用いられる「リンカー」又は「ブリッジ」という用語は、受容体部分と供与体部分との間で共有結合する分子に含まれうる分子フラグメントを指す。リンカーは、例えば受容体部分、供与体部分またはその両方と更に共役しうる。特定の理論に拘束されないが、リンカー部分は、受容体部分と供与体部分とを特異的な立体配置に立体的に制限することによって、供与体部分および受容体部分のπ共役系間で重複が生ずるのを防止することができると考えられる。適切なリンカー部分の例としては、フェニル、エテニルおよびエチニル部分が挙げられる。
【0078】
本明細書で用いられる「多価」という用語は、分子断片が少なくとも2つの他の分子断片と結合することを指す。例えば、リンカー部分は多価である。
【0079】
本明細書で用いられる「~~~」または「*」は、2個の原子間の結合点を指す。
【0080】
「正孔輸送層(HTL)」および同様の用語は、正孔を輸送する材料から作製された層を意味する。高い正孔輸送能を有することが推奨される。HTLは、発光層により輸送される電子の通過のブロックを補助するのに用いられる。電子のブロックには典型的に低い電子親和力が必要となる。HTLは、隣接する発光(emisse)層(EML)からの励起子移動をブロックするため、好ましくは高い三重項を有するべきである。HTL化合物の例としては、限定されないが、ジ(p-トリル)アミノフェニル]シクロヘキサン(TPAC)、N,N-ジフェニル-N,N-ビス(3-メチルフェニル)-1,1-ビフェニル-4,4-ジアミン(TPD)、およびN,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(1-ナフチル)-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(NPB、α-NPD)が挙げられる。
【0081】
「発光層」および同様の用語は、光を発する層を意味する。ある実施形態では、発光層はホスト材料およびゲスト材料を含む。ゲスト材料はドーパント材料とも呼ばれるが、本開示はそれに限定されない。ホスト材料または「ホスト」はバイポーラ性であってもユニポーラ性であってもよく、それ単独または2以上のホスト材料の組合せで用いられてもよい。ホスト材料の光電気的特性は、いずれのタイプのゲスト材料(TADF、燐光または蛍光)が用いられるかにより異なりうる。蛍光ゲスト材料の場合、ホスト材料は、ゲスト材料への良好なフェルスター移動を誘導するために、ゲスト材料の吸収とホスト材料の放出との良好なスペクトル重複部分を有するべきである。燐光ゲスト材料の場合、ホスト材料は、ゲスト材料の三重項を閉じ込めるために、高い三重項エネルギーを有するべきである。TADFゲスト材料の場合、ホスト材料はスペクトル重複部分と高い三重項エネルギーとの両方を有するべきである。
【0082】
「ドーパント」および同様の用語は、キャリア輸送層、発光層または他の層のための添加物を指す。キャリア輸送層において、ドーパントおよび同様の用語は、添加物として有機層に添加されたとき、有機電子デバイスの有機層の伝導率を増加させる電子受容体または供与体のことを指す。有機半導体もまた、ドープにより、それらの電気伝導度に関して同様に影響されうる。そのような有機半導体マトリックス材料は、電子供与特性を有する化合物または電子受容特性を有する化合物のいずれかから作製されうる。発光層において、ドーパントおよび同様の用語は、例えば、ホストといったマトリックス中に分散される発光材料を意味する。励起子生成効率を上げるために三重項回収材料が発光層にドープされるか隣接層に含有されるとき、それはアシストドーパントと呼ばれる。三重項回収材料が励起子生成効率を改善する限りにおいて、発光層または隣接層におけるアシストドーパントの含有量は特に限定されない。発光層におけるアシストドーパントの含有量は好ましくは、発光材料よりも高く、より好ましくは、発光材料の少なくとも2倍高い。発光層において、ホスト材料の含有量は好ましくは50重量%以上であり、アシストドーパントの含有量は好ましくは5重量%から50重量%未満であり、発光材料の含有量は好ましくは0重量%超25重量%未満、より好ましくは0重量%から10重量%未満である。隣接層におけるアシストドーパントの含有量は、50重量%超であってよく、100重量%であってもよい。発光層または隣接層中に三重項回収材料を含む装置が三重項回収材料を含まない装置よりも高い発光効率を示す場合、このような三重項回収材料はアシストドーパントとして働く。ホスト材料とアシストドーパントと発光材料とを含む発光層は、下記式(A)を満たし、かつ好ましくは下記式(B)を満たす。
ES1(A)>ES1(B)>ES1(C) (A)
ET1(A)>ET1(B) (B)
式中、ES1(A)は、ホスト材料の最低励起一重項エネルギー準位を表し、ES1(B)は、アシストドーパントの最低励起一重項エネルギー準位を表し、ES1(C)は、発光材料の最低励起一重項エネルギー準位を表し、ET1(A)は、ホスト材料の77Kにおける最低励起三重項エネルギー準位を表し、ET1(B)は、アシストドーパントの77Kにおける最低励起三重項エネルギー準位を表す。アシストドーパントにおいては、77Kにおける最低一重項励起状態と最低三重項励起状態とのエネルギー差ΔEstが、0.3eV以下であることが好ましく、0.2eV以下であることがより好ましく、0.1eV以下であることが更により好ましい。
【0083】
本発明の化合物において、特定のアイソトープとして特定されないいかなる原子も、当該原子のいずれかの安定なアイソトープを表すことを意味する。特に明記しない限り、「H」または「水素」として位置が指定されるとき、その位置は、その天然存在度におけるアイソトープ組成の水素を有するものとして理解される。また、特に明記しない限り、位置が「D」または「重水素」として特定されるとき、その位置は、天然存在度における重水素0.015%より少なくとも3340倍高い存在度で重水素を有する(すなわち、少なくとも重水素の含量が50.1%の)ものとして理解される。
【0084】
「D」および「d」は両方とも重水素を指す。
【0085】
「重水素で置換された」とは、1つ以上の水素原子が対応する数の重水素原子により、置換されたことを指す。
【0086】
本明細書で用いられる「アイソトープ濃縮率」という用語は、アイソトープ存在度と、天然における特定のアイソトープ存在度との比率を意味する。
【0087】
様々な実施形態において、本発明の化合物は、各所定の重水素原子について、少なくとも3500(各所定の重水素原子の重水素の含量が52.5%)、少なくとも4000(重水素の含量が60%)、少なくとも4500(重水素の含量が67.5%)、少なくとも5000(重水素の含量が75%)、少なくとも5500(重水素の含量が82.5%)、少なくとも6000(重水素の含量が90%)、少なくとも6333.3(重水素の含量が95%)、少なくとも6466.7(重水素の含量が97%)、少なくとも6600(重水素の含量が99%)または少なくとも6633.3(重水素の含量が99.5%)のアイソトープ濃縮率を有する。
【0088】
「同位体置換体」という用語は、アイソトープ組成だけが本発明の具体的化合物と異なる種のことを指す。
【0089】
本発明の化合物に言及する場合、「化合物」という用語は、同一の化学構造を有する分子の集まりを指すが、但し、分子の構成原子間にアイソトープ変動が存在する場合がある。ゆえに、当業者に自明であるように、所定の重水素原子を含有する特定の化学構造で表される化合物は、当該構造内の所定の重水素のうちの1つ以上の位置において水素原子を有する、同位体置換体を若干含むこともありうる。本発明の化合物におけるそのような同位体置換体の相対量は、化合物の調製に用いられる重水素化試薬のアイソトープ純度、および化合物を調製するために使用される様々な合成ステップにおける重水素の取り込み効率などの多くの要因に依存する。しかしながら、前述のように、そのような同位体置換体の相対量は、全体で化合物の49.9%未満である。他の実施形態では、そのような同位体置換体の相対量は、全体で化合物の47.5%未満、40%未満、32.5%未満、25%未満、17.5%未満、10%未満、5%未満、3%未満、1%未満または0.5%未満である。
【0090】
OLEDの原理:
OLEDは典型的には、2つの電極(陽極および陰極)の間の有機材料または化合物の層から構成される。有機分子は、当該分子の一部または全部の共役に起因するπ電子(electronics)の非局在化の結果として電気伝導性を有する。電圧が印加されるとき、陽極に存在する最高被占軌道(HOMO)からの電子が、陰極に存在する有機分子の最低空軌道(LUMO)に流入する。HOMOからの電子の除去は、電子正孔をHOMOに注入することとも称される。静電力は、電子および正孔をお互いに向かわせ、再結合させて励起子(電子と正孔の結合状態)を形成させる。励起状態が失活し、電子のエネルギー準位が緩和したとき、可視スペクトルの周波数を有する放射線が放出される。この放射線の周波数は、材料のバンドギャップ、すなわちHOMOとLUMOとの間のエネルギー差に依存する。
【0091】
電子および正孔が半整数スピンを有するフェルミオンであるとき、励起子は、電子および正孔のスピンが結合する態様に依存して一重項状態または三重項状態となりうる。統計学的に、3つの三重項励起子が、一重項励起子ごとに形成される。三重項状態からの失活はスピン禁制であり、それは遷移の時間スケールの増大をもたらし、蛍光デバイスの内部効率を制限する。燐光有機発光ダイオードは、スピン軌道相互作用を利用することにより一重項状態と三重項状態とにまたがる項間交差を促進し、それにより一重項状態および三重項状態両方からの発光を生じさせ、内部効率を向上させる。
【0092】
1つの原型的な燐光材料はイリジウムトリス(2-フェニルピリジン)(Ir(ppy)3)であり、それによると、Ir原子から有機配位子への電荷移動が励起状態となる。そのようなアプローチにより、三重項寿命を、蛍光などの完全許容された遷移による放射寿命よりも数桁遅い約数μ秒まで減少させてきた。Irベースの燐光体は、多くのディスプレイ用途において許容できることが証明されたが、高い三重項密度による損失が生じることにより、OLEDの高輝度固体照明への応用が妨げられている。
【0093】
TADFはΔESTを最小化するものである。0.4~0.7eVの典型値から熱エネルギー(kBTに比例、kBはボルツマン定数を表し、Tは温度を表す)のオーダーのギャップへの交換分裂の減少は、たとえ状態間のカップリングが小さくとも、熱撹拌により、適切なタイムスケールで一重項準位と三重項副準位との間の分布遷移ができることを意味する。
【0094】
TADF分子は、共有結合によって直接に、または共役リンカー(または「ブリッジ」)を介して連結される供与体および受容体部分からなる。「供与体」部分は、励起時のそのHOMOから「受容体」部分へ電子を輸送する性質を有する。「受容体」部分は、「供与体」部分からの電子をそのLUMOに受容する性質を有する。TADF分子の供与体-受容体の性質により、非常に低いΔESTを示す電荷移動特性を有する低励起状態がもたらされる。熱分子運動により供与体-受容体システムの光学特性がランダムに変化しうるため、供与体および受容体部分の強固な立体的配置を利用することにより、励起寿命の間、内部変換による電荷移動状態での無放射失活を制限することができる。
【0095】
従って、ΔESTを減少させ、三重項励起子を利用できる逆項間交差(RISC)が増大されたシステムを開発することが有効である。そのようなシステムは、量子効率の増大と発光寿命の減少をもたらすと考えられる。これらの特徴を有するシステムでは、今日知られているOLEDで通常みられる急速な劣化を生じさせることなく、光を発することが可能となる。
【0096】
本開示の化合物:
ある実施形態では、化合物は、下記一般式(I)で表される構造を有する。
【化36】
一般式(I)において、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は、水素、重水素、A
1、Ar
1およびD
1から独立して選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの1つのみが、A
1であり、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの少なくとも1つが、D
1であり、
A
1は、CN、フルオロアルキルおよび下記一般式から独立して選択され、
【化37】
X
Aは、O、SおよびNR
A’から独立して選択され、
R
Aは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアルコキシ、置換若しくは無置換のアリール、置換若しくは無置換のアリールオキシ、置換若しくは無置換のヘテロアリール、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシおよびシリルから独立して選択され、
2つ以上のR
A同士で環系を形成することができ、
R
A’は、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、
2つ以上のR
A’およびR
A同士で環系を形成することができ、
R
A1は、フルオロアルキルであり、
L
Aは、置換若しくは無置換のアリーレンおよび置換若しくは無置換のヘテロアリーレンから独立して選択され、アリーレンおよびヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、2つ以上のこれらの置換基同士で環系を形成することができ、
D
1は、下記一般式から独立して選択され、
【化38】
X
Dは、O、S、NR
D’、C(O)、置換若しくは無置換のメチレン、置換若しくは無置換のエチレン、置換若しくは無置換のビニレン、置換若しくは無置換のオルト-アリーレンおよび置換若しくは無置換のオルト-ヘテロアリーレンから独立して選択され、メチレン、エチレン、ビニレン、オルト-アリーレンまたはオルト-ヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、
R
Dは、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアルコキシ、置換若しくは無置換のアミノ、置換若しくは無置換のアリール、置換若しくは無置換のアリールオキシ、置換若しくは無置換のヘテロアリール、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシおよびシリルから独立して選択され、
2つ以上のR
D同士で環系を形成することができ、
R
D’は、水素、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、
2つ以上のR
D’およびR
D同士で環系を形成することができ、
L
Dは、単結合、置換若しくは無置換のアリーレンおよび置換若しくは無置換のヘテロアリーレンから独立して選択され、アリーレンおよびヘテロアリーレンの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリールおよび置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、2つ以上のこれら置換基同士で環系を形成することができ、
Ar
1は、置換若しくは無置換のアリールおよび窒素原子を含有しない置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択され、アリールおよびヘテロアリールの各々は、重水素、置換若しくは無置換のアルキル、置換若しくは無置換のアリール、および窒素原子を含有しない置換若しくは無置換のヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることができ、2つ以上のこれら置換基同士で環系を形成することができ、
各「*」は、ピリジニルセンターの炭素原子との結合点を表す。
【0097】
ある実施形態では、アルキルは、C1~C20のアルキルである。ある実施形態では、アルキルは、C1~C12のアルキルである。ある実施形態では、アルキルはC1~C8アルキルである。ある実施形態では、アルキルはC1~C4アルキルである。
【0098】
ある実施形態では、アリールは、C6~C40のアリールである。ある実施形態では、アリールは、C6~C25のアリールである。ある実施形態では、アリールは、C6~C20のアリールである。ある実施形態では、アリールは、C6~C12のアリールである。
【0099】
ある実施形態では、ヘテロアリールは、C2~C40のヘテロアリールである。ある実施形態では、ヘテロアリールは、C6~C25のヘテロアリールである。ある実施形態では、ヘテロアリールは、C6~C20のヘテロアリールである。ある実施形態では、ヘテロアリールは、C6~C12のヘテロアリールである。
【0100】
ある実施形態では、アルコキシは、C1~C20のアルコキシである。ある実施形態では、アルコキシは、C1~C12のアルコキシである。ある実施形態では、アルコキシは、C1~C8のアルコキシである。ある実施形態では、アルコキシは、C1~C4のアルコキシである。
【0101】
ある実施形態では、アリールオキシは、C6~C40のアリールオキシである。ある実施形態では、アリールオキシは、C6~C25のアリールオキシである。ある実施形態では、アリールオキシは、C6~C20のアリールオキシである。ある実施形態では、アリールオキシは、C6~C12のアリールオキシである。
【0102】
ある実施形態では、ヘテロアリールオキシは、C2~C40のヘテロアリールオキシである。ある実施形態では、ヘテロアリールオキシは、C2~C25のヘテロアリールオキシである。ある実施形態では、ヘテロアリールオキシは、C2~C20のヘテロアリールオキシである。ある実施形態では、ヘテロアリールオキシは、C2~C12のヘテロアリールオキシである。
【0103】
ある実施形態では、A
1は下記一般式から選択される。
【化39】
【0104】
ある実施形態では、A
1は下記一般式から選択される。
【化40】
【0105】
ある実施形態では、A
1は下記一般式で表される。
【化41】
【0106】
ある実施形態では、A
1は下記一般式で表される。
【化42】
【0107】
ある実施形態では、R1はA1である。
【0108】
ある実施形態では、R2はA1である。
【0109】
ある実施形態では、R3はA1である。
【0110】
ある実施形態では、R2がA1であるとき、R1およびR3のうちの少なくとも1つはHではない。
【0111】
ある実施形態では、R3がA1であるとき、R2およびR4のうちの少なくとも1つはHではない。
【0112】
ある実施形態では、R1、R2、R3、R4およびR5のうち4つはHではない。
【0113】
ある実施形態では、R1、R2、R3、R4およびR5のうちのいずれもHではない。
【0114】
ある実施形態では、D
1は下記一般式で表される。
【化43】
【0115】
ある実施形態では、D
1は下記一般式で表される。
【化44】
【0116】
ある実施形態では、D
1は下記一般式で表される。
【化45】
【0117】
ある実施形態では、LDは単結合である。
【0118】
ある実施形態では、LAは置換若しくは無置換のアリーレンである。
【0119】
ある実施形態では、Ar
1は下記の基から独立して選択される。
【化46】
【0120】
ある実施形態では、Ar1は、置換若しくは無置換のフェニル、置換若しくは無置換のビフェニレニルおよび置換若しくは無置換のターフェニレニルから独立して選択される。
【0121】
ある実施形態では、化合物は下記一般式から選択される。
【化47】
【0122】
ある実施形態では、化合物は下記一般式から選択される。
【化48】
【0123】
ある実施形態では、化合物は下記一般式で表される。
【化49】
【0124】
ある実施形態では、化合物は下記一般式から選択される。
【化50】
【0125】
ある実施形態では、化合物は下記一般式で表される。
【化51】
【0126】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化52】
【0127】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化53】
【0128】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化54】
【0129】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化55】
【0130】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化56】
【0131】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化57】
【0132】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化58】
【0133】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化59】
【0134】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化60】
【0135】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化61】
【0136】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化62】
【0137】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化63】
【0138】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化64】
【0139】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化65】
【0140】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化66】
【0141】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化67】
【0142】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化68】
【0143】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化69】
【0144】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化70】
【0145】
ある実施形態では、前記一般式(I)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化71】
【0146】
ある実施形態では、化合物は、下記一般式(II)で表される構造を有する。
【化72】
一般式(II)において、
Aは、CNおよび下記A1~A13から選択され、
【化73】
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は、H、重水素、PhおよびDから独立して選択され、
Dは、下記D1~D37から独立して選択され、
【化74】
Xは、NまたはCR
5であり、
Zは、H、Me、t-Buおよびヘテロアリールから独立して選択され、
ヘテロアリールは下記の基から独立して選択される。
【化75】
【0147】
ある実施形態では、AはA1である。ある実施形態では、AはA2である。ある実施形態では、AはA3である。ある実施形態では、AはA4である。ある実施形態では、AはA5である。ある実施形態では、AはA6である。ある実施形態では、AはA7である。ある実施形態では、AはA8である。ある実施形態では、AはA9である。ある実施形態では、AはA10である。ある実施形態では、AはA11である。ある実施形態では、AはA12である。ある実施形態では、AはA13である。
【0148】
ある実施形態では、AはA1、A2、A3およびA4から選択される。ある実施形態では、Aは、A5、A6、A7およびA8から選択される。ある実施形態では、Aは、A9、A10、A11、A12およびA13から選択される。
【0149】
ある実施形態では、XはNである。ある実施形態では、XはCR5である。
【0150】
ある実施形態では、R1はHである。ある実施形態では、R1はPhである。ある実施形態では、R1はdである。ある実施形態では、R1はDである。
【0151】
ある実施形態では、R2はHである。ある実施形態では、R2はPhである。ある実施形態では、R2はdである。ある実施形態では、R2はDである。
【0152】
ある実施形態では、R3はHである。ある実施形態では、R3はPhである。ある実施形態では、R3はdである。ある実施形態では、R3はDである。
【0153】
ある実施形態では、R4はHである。ある実施形態では、R4はPhである。ある実施形態では、R4はdである。ある実施形態では、R4はDである。
【0154】
ある実施形態では、R5はHである。ある実施形態では、R5はPhである。ある実施形態では、R5はdである。ある実施形態では、R5はDである。
【0155】
ある実施形態では、DはD1である。ある実施形態では、DはD2である。ある実施形態では、DはD3である。ある実施形態では、DはD4である。ある実施形態では、DはD5である。ある実施形態では、DはD6である。ある実施形態では、DはD7である。ある実施形態では、DはD8である。ある実施形態では、DはD9である。ある実施形態では、DはD10である。ある実施形態では、DはD11である。ある実施形態では、DはD12である。ある実施形態では、DはD13である。ある実施形態では、DはD14である。ある実施形態では、DはD15である。ある実施形態では、DはD16である。ある実施形態では、DはD17である。ある実施形態では、DはD18である。ある実施形態では、DはD19である。ある実施形態では、DはD20である。ある実施形態では、DはD21である。ある実施形態では、DはD22である。ある実施形態では、DはD23である。ある実施形態では、DはD24である。ある実施形態では、DはD25である。ある実施形態では、DはD26である。ある実施形態では、DはD27である。ある実施形態では、DはD28である。ある実施形態では、DはD29である。ある実施形態では、DはD30である。ある実施形態では、DはD31である。ある実施形態では、DはD32である。ある実施形態では、DはD33である。ある実施形態では、DはD34である。ある実施形態では、DはD35である。ある実施形態では、DはD36である。ある実施形態では、DはD37である。
【0156】
ある実施形態では、Dは、D1、D2、D3、D4、D5、D6およびD7から選択される。ある実施形態では、Dは、D8、D9、D10、D11、D12、D13およびD14から選択される。ある実施形態では、Dは、D15、D16、D17、D18、D19、D20およびD21から選択される。ある実施形態では、Dは、D22、D23、D24、D25、D26、D27およびD28から選択される。ある実施形態では、Dは、D29、D30、D31、D32、D33、D34およびD35から選択される。ある実施形態では、Dは、D36、D37から選択される。
【0157】
ある実施形態では、2つのDが同一である。ある実施形態では、全てのDは同一である。
【0158】
ある実施形態では、ZはHである。ある実施形態では、ZはMeである。ある実施形態では、Zはt-Buである。ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化76】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化77】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化78】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化79】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化80】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化81】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化82】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化83】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化84】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化85】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化86】
ある実施形態では、Zは、下記の基である。
【化87】
【0159】
ある実施形態では、前記一般式(II)で表される化合物は下記化合物から選択される。
5,5'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(5H-ベンゾ[b]カルバゾール)、
4-(3-フェニル-2,5,6-トリス(5H-ピリド[4,3-b]インドール-5-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
5-(4-(4-(6-メチルピリジン-2-イル)フェニル)-3,5-ジフェニルピリジン-2-イル)-10-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン、
9'-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9',9''''-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス((9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール))、
9,9'-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
4-(3-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)-5-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9,9'-(4-(4-(2,2'',6,6''-テトラフェニル-[4,2':6',4''-テルピリジン]-4'-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
4-(3,5-ビス(5H-ピリド[4,3-b]インドール-5-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(2-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-3,5,6-トリフェニルピリジン-2-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
7,7',7''-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
9'-(5-フェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9',9''''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール)、
9,9',9''-(4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9',9''''-(4-(4-(6-メチルピリジン-2-イル)フェニル)-2,6-ジフェニルピリジン-3,5-ジイル)ビス((9'H-9,2':7',9''-テルカルバゾール))、
4-(2,3,5,6-テトラキス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール-7-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9'-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9-(4-(4-(6-メチルピリジン-2-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-3-イル)-N3,N3,N6,N6-テトラフェニル-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン、
5-(4-(4-(2,6-ジメチルピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-10-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン、
9'-(5-フェニル-4-(4-(2,2'',6,6''-テトラフェニル-[4,2':6',4''-テルピリジン]-4'-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
7,7',7''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
9',9''''-(3,5-ジフェニル-4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール)、
N2,N2,N7,N7-テトラフェニル-9-(4-(4-(4-(2,2'',6,6''-テトラフェニル-[4,2':6',4''-テルピリジン]-4'-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)フェニル)-9H-カルバゾール-2,7-ジアミン、
9,9',9''-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(9H-ピリド[3,4-b]インドール)、
9'-(3,5,6-トリフェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール
7,7',7''-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
9,9'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9,9-ジフェニル-10-(2-フェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-9,10-ジヒドロアクリジン、
10,10',10''-(6-フェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン)、
9',9''''-(4-(4-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール)、
9-(4-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-2-フェニルピリジン-3-イル)フェニル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
7,7',7''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-6-フェニルピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
4-(2-(4-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)フェニル)-3,5-ジフェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
7,7'-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
9,9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9,9',9''-(4-(4-(6-メチルピリジン-2-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9,9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9',9''''-(4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス((9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール))、
9,9',9'',9'''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5,6-テトライル)テトラキス(9H-カルバゾール-4,5-ジカルボニトリル)、
5,5'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(5H-ベンゾ[b]カルバゾール)、
9,9'-((4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3,5-ジイル)ビス(4,1-フェニレン))ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9,9'-(4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9,9',9''-(6-フェニル-4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-3,5-ジフェニルピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9,9'-(4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
5-(4-(4-(2,6-ジメチルピリジン-3-イル)フェニル)-3,5,6-トリフェニルピリジン-2-イル)-10-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン、
9,9'-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9',9''''-(5,6-ジフェニル-4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール)、
9'-(4-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)フェニル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9'-(4-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-3-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9,9'-(4-(4-(2,6-ジメチルピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
4-(3,5-ビス(4-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)フェニル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(3-(4-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(2,3,6-トリス(2,7-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)-5-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
5,5',5''-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-6-フェニルピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(5H-ベンゾ[b]カルバゾール)、
9'-(4-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-2-フェニルピリジン-3-イル)フェニル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9'-(4-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)フェニル)-9'H-9,2':7',9''-テルカルバゾール、
9,9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)-5,6-ジフェニルピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9,9'-((4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(4,1-フェニレン))ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9'-(4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
4-(2,3,5-トリス(9,9-ジフェニルアクリジン-10(9H)-イル)-6-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9,9',9''-(5-フェニル-4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9,9'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-3,5-ジフェニルピリジン-2,6-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9,9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
7,7',7''-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
5-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-10-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン、
11,11'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(11H-ベンゾ[a]カルバゾール)、
9-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-1,8-ジフェニル-9H-カルバゾール、
9-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-3-フェニルピリジン-2-イル)-9H-ピリド[3,4-b]インドール、
10-(3,5,6-トリフェニル-4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-10H-フェノキサジン、
4-(2-(2,7-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)-3-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
10,10'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン)、
9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9,9'-(4-(4-シアノフェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(9H-カルバゾール-3,6-ジカルボニトリル)、
4-(2,3,5-トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
7,7'-(4-(4-(2,2'',6,6''-テトラフェニル-[4,2':6',4''-テルピリジン]-4'-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
10-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-2-フェニルピリジン-3-イル)-9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン、
7,7'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
9-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-3-フェニルピリジン-2-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
9-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-2-フェニルピリジン-3-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
5-フェニル-10-(2-フェニル-4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-5,10-ジヒドロフェナジン、
9,9'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-2,6-ジフェニルピリジン-3,5-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
4-(2-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)-3,5,6-トリフェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9'-(4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9,9',9''-(5-フェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9,9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-2,6-ジフェニルピリジン-3,5-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-3-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
3,6-ジフェニル-9-(2-フェニル-4-(4-(2,2'',6,6''-テトラフェニル-[4,2':6',4''-テルピリジン]-4'-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール、
9,9'-(4-(4-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
7,7'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
4-(2,3,6-トリス(9,9-ジフェニルアクリジン-10(9H)-イル)-5-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9',9''''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール)、
4-(2-(2,7-ビス(ジフェニルアミノ)-9H-カルバゾール-9-イル)-3,5-ジフェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
10-(5-フェニル-4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-10H-フェノキサジン、
4-(3-フェニル-2,5,6-トリス(9H-ピリド[3,4-b]インドール-9-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
7,7',7''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
10,10'-(2,6-ジフェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3,5-ジイル)ビス(5-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン)、
5-フェニル-10-(2,5,6-トリフェニル-4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-5,10-ジヒドロフェナジン、
9'-(2-フェニル-4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
5,5'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3,5-ジイル)ビス(5H-ピリド[3,2-b]インドール)、
9-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-2,5,6-トリフェニルピリジン-3-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
10,10',10''-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-6-フェニルピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(10H-フェノキサジン)、
9-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-3,5,6-トリフェニルピリジン-2-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
4-(2,3,5,6-テトラキス(5H-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
7,7',7''-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-6-フェニルピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
3,6-ジフェニル-9-(4-(4-(2,2'',6,6''-テトラフェニル-[4,2':6',4''-テルピリジン]-4'-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9H-カルバゾール、
10,10'-(4-(4-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン)、
9-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
9',9''''-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス((9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール))、
4-(2,6-ビス(9,9-ジフェニルアクリジン-10(9H)-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(2,3,6-トリス(11H-ベンゾ[a]カルバゾール-11-イル)-5-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9',9''''-(4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス((9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール))、
9,9'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
5-フェニル-10-(4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-5,10-ジヒドロフェナジン、
10,10'-(4-(4-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3,5-ジイル)ビス(5-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン)、
9,9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3,5-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
10-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-10H-フェノキサジン、
4-(2,6-ビス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール-7-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
7,7'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-5,6-ジフェニルピリジン-2,3-ジイル)ビス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
9,9'-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9,9',9''-(4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
4-(2,3-ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)-5,6-ジフェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(2,3-ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9'-(4-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-2,5,6-トリフェニルピリジン-3-イル)フェニル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9,9'-(5,6-ジフェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
7,7',7''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
10,10'-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3,5-ジイル)ビス(5-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン)、
10-(4-(4-(6-メチルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-10H-フェノキサジン、
4-(2,6-ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9'-(4-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-2,5,6-トリフェニルピリジン-3-イル)フェニル)-9'H-9,2':7',9''-テルカルバゾール、
7,7',7'',7'''-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5,6-テトライル)テトラキス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
4-(2,3,5,6-テトラキス(9H-ピリド[3,4-b]インドール-9-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(2-(10-フェニルフェナジン-5(10H)-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9,9'-((4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(4,1-フェニレン))ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9',9''''-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール)
4-(2,6-ビス(11H-ベンゾ[a]カルバゾール-11-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(3,5-ビス(4-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(3,5-ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(3-(4-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(3-(4-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)フェニル)-2-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(2-(4-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)フェニル)-3-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9',9''''-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス((9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール))、
11,11',11'',11'''-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5,6-テトライル)テトラキス(11H-ベンゾ[a]カルバゾール)、
N3,N3,N6,N6-テトラフェニル-9-(4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン、
10-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-3-イル)フェニル)-2-フェニルピリジン-3-イル)-10H-フェノキサジン、
9-(4-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-3-イル)フェニル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
10,10'-(4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン)、
4-(2,6-ジ(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)-3,5-ジフェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
7,7',7''-(5-フェニル-4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
4-(3-(4-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)フェニル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-3,5-ジフェニルピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9'-(3,5-ジフェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9,9',9''-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
4-(2,3-ビス(4-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)フェニル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9,9'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3,5-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
10-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-3,5,6-トリフェニルピリジン-2-イル)-9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン、
9'-フェニル-9'H-9,2':7',9''-テルカルバゾール、
4-(2,3,5-トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)-6-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9,9',9''-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
7,7',7''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
4-(3-(9,9-ジメチルアクリジン-10(9H)-イル)-2-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
7,7',7''-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
10-(2,5,6-トリフェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-10H-フェノキサジン、
5-フェニル-10-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-5,10-ジヒドロフェナジン、
10,10'-(4-(4-(2,2'',6,6''-テトラフェニル-[4,2':6',4''-テルピリジン]-4'-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン)、
9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)-2-フェニルピリジン-3-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9,9',9''-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
4-(2,3,5-トリ(10H-フェノキサジン-10-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9,9',9''-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-3-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
9'-(4-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-3-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9,9'-(4-(4-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
5,5',5''-(4-(4-(2,2'',6,6''-テトラフェニル-[4,2':6',4''-テルピリジン]-4'-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(5H-ベンゾ[b]カルバゾール)、
9,9',9''-(5-フェニル-4-(4-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2,3,6-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
9',9''''-(5,6-ジフェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール)、
N3,N3,N6,N6-テトラフェニル-9-(4-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)フェニル)-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン、
4-(2,6-ビス(4-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)フェニル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
5,5',5'',5'''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5,6-テトライル)テトラキス(5H-ベンゾ[b]カルバゾール)、
9,9'-(4-(4-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)フェニル)-5,6-ジフェニルピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
4-(3-フェニル-2,5,6-トリス(5H-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9,9',9'',9'''-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5,6-テトライル)テトラキス(9H-ピリド[3,4-b]インドール)、
4-(3-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)-2-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9'-(4-(4-(6-メチルピリジン-2-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-3-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
9-(4-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-3-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
4-(2,3,6-トリス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール-7-イル)-5-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
10-(4-(4-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン、
9-(4-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)フェニル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
9',9''''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール)、
9-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
9',9''''-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス((9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール))、
10,10'-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(10H-フェノキサジン)、
10,10'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン)、
9,9',9''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
5-フェニル-10-(2,5,6-トリフェニル-4-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-5,10-ジヒドロフェナジン、
9-(4-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)-3,5,6-トリフェニルピリジン-2-イル)フェニル)-N3,N3,N6,N6-テトラフェニル-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン、
4-(2-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)-3,5-ジフェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
4-(2-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)-3,5-ジフェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9'-(4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,2':7',9''-テルカルバゾール、
4-(2-(4-(2,7-ビス(ジフェニルアミノ)-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)-3,5-ジフェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
5-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3-イル)-5H-ベンゾ[b]カルバゾール、
9'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-3,5,6-トリフェニルピリジン-2-イル)-9'H-9,2':7',9''-テルカルバゾール、
9',9''''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリジン-4-イル)フェニル)ピリジン-3,5-ジイル)ビス(9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール)、
9-(4-(4-(6-メチルピリジン-2-イル)フェニル)-2-フェニルピリジン-3-イル)-N3,N3,N6,N6-テトラフェニル-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン、
10,10',10''-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5-トリイル)トリス(9,9-ジフェニル-9,10-ジヒドロアクリジン)、
11,11'-(4-(4-(2,2'',6,6''-テトラフェニル-[4,2':6',4''-テルピリジン]-4'-イル)フェニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(11H-ベンゾ[a]カルバゾール)、
4-(3-(9'H-[9,3':6',9''-テルカルバゾール]-9'-イル)-2-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
10-(4-(4-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)フェニル)-5-フェニルピリジン-3-イル)-10H-フェノキサジン、
9,9'-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3-ジイル)ビス(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール)、
4-(2,3,6-トリス(4,5-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)-5-フェニルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル、
9'-(3-フェニル-4-(4-(ピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-9'H-9,3':6',9''-テルカルバゾール、
5-フェニル-10-(4-(4-(6-フェニルピリジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-5,10-ジヒドロフェナジン、
9-(4-(4-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
9-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-2-フェニルピリジン-3-イル)-3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール、
7,7'-(4-(4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-5,6-ジフェニルピリジン-2,3-ジイル)ビス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)、
7,7',7'',7'''-(4-(4-(2,6-ジフェニルピリミジン-4-イル)フェニル)ピリジン-2,3,5,6-テトライル)テトラキス(7H-ベンゾ[c]カルバゾール)。
【0160】
ある実施形態では、前記一般式(II)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化88】
【0161】
ある実施形態では、化合物は、一般式(III)で表される構造を有する。
【化89】
一般式(III)において、
Aは、CNおよび下記A1~A7から選択され、
【化90】
Dは、H、Me、Phおよび下記D1~D31から独立して選択され、
【化91】
Rは、H、MeおよびPhから独立して選択され、
Z
1は、C(CH
3)
2、C(Ph)
2、OおよびN(Ph)から独立して選択され、
Z
2は、H、CN、(C
1~C
20)アルキル、5~30員のアリール、3~30員のヘテロアリールおよびジアリールアミノから独立して選択され、
少なくとも1つのDは、D1~D31から選択される。
【0162】
ある実施形態では、AはCNである。ある実施形態では、AはA1である。ある実施形態では、AはA2である。ある実施形態では、AはA3である。ある実施形態では、AはA4である。ある実施形態では、AはA5である。ある実施形態では、AはA6である。ある実施形態では、AはA7である。
【0163】
ある実施形態では、Aは、A1、A2およびA3から選択される。ある実施形態では、Aは、A4およびA5から選択される。ある実施形態では、Aは、A6およびA7から選択される。
【0164】
ある実施形態では、DはHである。ある実施形態では、少なくとも1つのDはHである。ある実施形態では、DはMeである。ある実施形態では、少なくとも1つのDはMeである。ある実施形態では、DはPhである。ある実施形態では、少なくとも1つのDはPhである。
【0165】
ある実施形態では、DはD1である。ある実施形態では、DはD2である。ある実施形態では、DはD3である。ある実施形態では、DはD4である。ある実施形態では、DはD5である。ある実施形態では、DはD6である。ある実施形態では、DはD7である。ある実施形態では、DはD8である。ある実施形態では、DはD9である。ある実施形態では、DはD10である。ある実施形態では、DはD11である。ある実施形態では、DはD12である。ある実施形態では、DはD13である。ある実施形態では、DはD14である。ある実施形態では、DはD15である。ある実施形態では、DはD16である。ある実施形態では、DはD17である。ある実施形態では、DはD18である。ある実施形態では、DはD19である。ある実施形態では、DはD20である。ある実施形態では、DはD21である。ある実施形態では、DはD22である。ある実施形態では、DはD23である。ある実施形態では、DはD24である。ある実施形態では、DはD25である。ある実施形態では、DはD26である。ある実施形態では、DはD27である。ある実施形態では、DはD28である。ある実施形態では、DはD29である。ある実施形態では、DはD30である。ある実施形態では、DはD31である。
【0166】
ある実施形態では、Dは、D1、D2、D3、D4、D5、D6およびD7から選択される。ある実施形態では、Dは、D8、D9、D10、D11、D12およびD13から選択される。ある実施形態では、Dは、D14、D15およびD16から選択される。ある実施形態では、Dは、D17、D18およびD19から選択される。ある実施形態では、Dは、D20、D21、D22、D23およびD24から選択される。ある実施形態では、Dは、D25、D26およびD27から選択される。ある実施形態では、Dは、D28、D29、D30およびD31から選択される。
【0167】
ある実施形態では、RはHである。ある実施形態では、RはMeである。ある実施形態では、RはPhである。
【0168】
ある実施形態では、両方のRは異なる。ある実施形態では、両方のRは同一である。
【0169】
ある実施形態では、Dは各々異なる。ある実施形態では、2つのDが同一である。ある実施形態では、3つのDが同一である。ある実施形態では、全てのDは同一である。
【0170】
ある実施形態では、2つのDがD1~D31から独立して選択される。ある実施形態では、3つのDがD1~D31から独立して選択される。ある実施形態では、全てのDは、D1~D31から独立して選択される。
【0171】
ある実施形態では、Z1はC(CH3)2である。ある実施形態では、Z1はC(Ph)2である。ある実施形態では、Z1はOである。ある実施形態では、Z1はC(CH3)2である。ある実施形態では、Z1はN(Ph)である。
【0172】
ある実施形態では、Z2はHである。ある実施形態では、Z2はCNである。ある実施形態では、Z2は(C1-C20)アルキルである。ある実施形態では、Z2は5~30員のアリールである。ある実施形態では、Z2は3~30員のヘテロアリールである。ある実施形態では、Z2はジアリールアミノである。ある実施形態では、ジアリールアミノはーN(Ph)2である。
【0173】
ある実施形態では、2つのZ2は同一である。ある実施形態では、2つのZ2は異なる。
【0174】
ある実施形態では、一般式(III)で表される化合物は、下記の表1に示す化合物から選択される。
【表1】
【0175】
ある実施形態では、前記一般式(III)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化92】
【0176】
ある実施形態では、一般式(III)で表される化合物は、下記化合物である。
【化93】
【0177】
ある実施形態では、化合物は、一般式(IV)で表される構造を有する。
【化94】
一般式(IV)において、
Aは、CNおよび下記A1~A7から選択され、
【化95】
Dは、下記D1~D31から独立して選択され、
【化96】
Rは、H、MeおよびPhから独立して選択され、
Z
1は、C(CH
3)
2、C(Ph)
2、OおよびN(Ph)から独立して選択され、
Z
2は、H、CN、(C
1~C
20)アルキル、5~30員のアリール、3~30員のヘテロアリールおよびジアリールアミノから独立して選択され、
少なくとも1つのDは、D1~D31から選択される。
【0178】
ある実施形態では、AはCNである。ある実施形態では、AはA1である。ある実施形態では、AはA2である。ある実施形態では、AはA3である。ある実施形態では、AはA4である。ある実施形態では、AはA5である。ある実施形態では、AはA6である。ある実施形態では、AはA7である。
【0179】
ある実施形態では、Aは、A1、A2およびA3から選択される。ある実施形態では、Aは、A4およびA5から選択される。ある実施形態では、Aは、A6およびA7から選択される。
【0180】
ある実施形態では、DはD1である。ある実施形態では、DはD2である。ある実施形態では、DはD3である。ある実施形態では、DはD4である。ある実施形態では、DはD5である。ある実施形態では、DはD6である。ある実施形態では、DはD7である。ある実施形態では、DはD8である。ある実施形態では、DはD9である。ある実施形態では、DはD10である。ある実施形態では、DはD11である。ある実施形態では、DはD12である。ある実施形態では、DはD13である。ある実施形態では、DはD14である。ある実施形態では、DはD15である。ある実施形態では、DはD16である。ある実施形態では、DはD17である。ある実施形態では、DはD18である。ある実施形態では、DはD19である。ある実施形態では、DはD20である。ある実施形態では、DはD21である。ある実施形態では、DはD22である。ある実施形態では、DはD23である。ある実施形態では、DはD24である。ある実施形態では、DはD25である。ある実施形態では、DはD26である。ある実施形態では、DはD27である。ある実施形態では、DはD28である。ある実施形態では、DはD29である。ある実施形態では、DはD30である。ある実施形態では、DはD31である。
【0181】
ある実施形態では、Dは、D1、D2、D3、D4、D5、D6およびD7から選択される。ある実施形態では、Dは、D8、D9、D10、D11、D12およびD13から選択される。ある実施形態では、Dは、D14、D15およびD16から選択される。ある実施形態では、Dは、D17、D18およびD19から選択される。ある実施形態では、Dは、D20、D21、D22、D23およびD24から選択される。ある実施形態では、Dは、D25、D26およびD27から選択される。ある実施形態では、Dは、D28、D29、D30およびD31から選択される。
【0182】
ある実施形態では、RはHである。ある実施形態では、RはMeである。ある実施形態では、RはPhである。
【0183】
ある実施形態では、両方のRは異なる。ある実施形態では、両方のRは同一である。
【0184】
ある実施形態では、Dは各々異なる。ある実施形態では、2つのDが同一である。ある実施形態では、3つのDが同一である。ある実施形態では、全てのDは同一である。
【0185】
ある実施形態では、2つのDがD1~D31から独立して選択される。ある実施形態では、3つのDがD1~D31から独立して選択される。ある実施形態では、全てのDは、D1~D31から独立して選択される。
【0186】
ある実施形態では、Z1はC(CH3)2である。ある実施形態では、Z1はC(Ph)2である。ある実施形態では、Z1はOである。ある実施形態では、Z1はC(CH3)2である。ある実施形態では、Z1はN(Ph)である。
【0187】
ある実施形態では、Z2はHである。ある実施形態では、Z2はCNである。ある実施形態では、Z2は(C1-C20)アルキルである。ある実施形態では、Z2は5~30員のアリールである。ある実施形態では、Z2は3~30員のヘテロアリールである。ある実施形態では、Z2はジアリールアミノである。ある実施形態では、ジアリールアミノはーN(Ph)2である。
【0188】
ある実施形態では、2つのZ2は同一である。ある実施形態では、2つのZ2は異なる。
【0189】
ある実施形態では、前記一般式(IV)で表される化合物は、下記の表2に示す化合物から選択される。
【表2】
【0190】
ある実施形態では、前記一般式(IV)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化97】
【0191】
ある実施形態では、化合物は、下記一般式(V)で表される構造を有する。
【化98】
一般式(V)において、
Aは、CNおよび下記A1~A7から選択され、
【化99】
D
1およびD
4は、PhおよびDから独立して選択され、
D
2およびD
3は、H、重水素、PhおよびDから独立して選択され
Dは、下記D1~D31から独立して選択され、
【化100】
Rは、H、MeおよびPhから独立して選択され、
Z
1は、C(CH
3)
2、C(Ph)
2、OおよびN(Ph)から独立して選択され、
Z
2は、H、CN、(C
1~C
20)アルキル、5~30員のアリール、3~30員のヘテロアリールおよびジアリールアミノから独立して選択され、
D1、D2、D3およびD4の少なくとも1つはDである。
【0192】
ある実施形態では、AはCNである。ある実施形態では、AはA1である。ある実施形態では、AはA2である。ある実施形態では、AはA3である。ある実施形態では、AはA4である。ある実施形態では、AはA5である。ある実施形態では、AはA6である。ある実施形態では、AはA7である。
【0193】
ある実施形態では、Aは、A1、A2およびA3から選択される。ある実施形態では、Aは、A4およびA5から選択される。ある実施形態では、Aは、A6およびA7から選択される。
【0194】
ある実施形態では、D1はPhである。ある実施形態では、D1はDである。
【0195】
ある実施形態では、D2はHである。ある実施形態では、D2は重水素である。ある実施形態では、D2はPhである。ある実施形態では、D2はDである。
【0196】
ある実施形態では、D3はHである。ある実施形態では、D3は重水素である。ある実施形態では、D3はPhである。ある実施形態では、D3はDである。
【0197】
ある実施形態では、D4はPhである。ある実施形態では、D4はDである。
【0198】
ある実施形態では、DはD1である。ある実施形態では、DはD2である。ある実施形態では、DはD3である。ある実施形態では、DはD4である。ある実施形態では、DはD5である。ある実施形態では、DはD6である。ある実施形態では、DはD7である。ある実施形態では、DはD8である。ある実施形態では、DはD9である。ある実施形態では、DはD10である。ある実施形態では、DはD11である。ある実施形態では、DはD12である。ある実施形態では、DはD13である。ある実施形態では、DはD14である。ある実施形態では、DはD15である。ある実施形態では、DはD16である。ある実施形態では、DはD17である。ある実施形態では、DはD18である。ある実施形態では、DはD19である。ある実施形態では、DはD20である。ある実施形態では、DはD21である。ある実施形態では、DはD22である。ある実施形態では、DはD23である。ある実施形態では、DはD24である。ある実施形態では、DはD25である。ある実施形態では、DはD26である。ある実施形態では、DはD27である。ある実施形態では、DはD28である。ある実施形態では、DはD29である。ある実施形態では、DはD30である。ある実施形態では、DはD31である。
【0199】
ある実施形態では、Dは、D1、D2、D3、D4、D5、D6およびD7から選択される。ある実施形態では、Dは、D8、D9、D10、D11、D12およびD13から選択される。ある実施形態では、Dは、D14、D15およびD16から選択される。ある実施形態では、Dは、D17、D18およびD19から選択される。ある実施形態では、Dは、D20、D21、D22、D23およびD24から選択される。ある実施形態では、Dは、D25、D26およびD27から選択される。ある実施形態では、Dは、D28、D29、D30およびD31から選択される。
【0200】
ある実施形態では、RはHである。ある実施形態では、RはMeである。ある実施形態では、RはPhである。
【0201】
ある実施形態では、両方のRは異なる。ある実施形態では、両方のRは同一である。
【0202】
ある実施形態では、Dは各々異なる。ある実施形態では、2つのDが同一である。ある実施形態では、3つのDが同一である。ある実施形態では、全てのDは同一である。
【0203】
ある実施形態では、2つのDがD1~D31から独立して選択される。ある実施形態では、3つのDがD1~D31から独立して選択される。ある実施形態では、全てのDは、D1~D31から独立して選択される。
【0204】
ある実施形態では、Z1はC(CH3)2である。ある実施形態では、Z1はC(Ph)2である。ある実施形態では、Z1はOである。ある実施形態では、Z1はC(CH3)2である。ある実施形態では、Z1はN(Ph)である。
【0205】
ある実施形態では、Z2はHである。ある実施形態では、Z2はCNである。ある実施形態では、Z2は(C1-C20)アルキルである。ある実施形態では、Z2はメチル、イソプロピルおよびtert-ブチルである。ある実施形態では、Z2は5~30員のアリールである。ある実施形態では、Z2は3~30員のヘテロアリールである。ある実施形態では、Z2はジアリールアミノである。ある実施形態では、ジアリールアミノはーN(Ph)2である。
【0206】
ある実施形態では、2つのZ2は同一である。ある実施形態では、2つのZ2は異なる。
【0207】
ある実施形態では、前記一般式(V)で表される化合物は、下記の表3に示す化合物から選択される。
【表3】
【0208】
ある実施形態では、前記一般式(V)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化101】
【0209】
ある実施形態では、前記一般式(V)で表される化合物は、下記化合物から選択される。
【化102】
【0210】
ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、重水素で置換されている。
【0211】
ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、発光材料である。
【0212】
ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、遅延蛍光を発することができる化合物である。
【0213】
本開示のある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、熱的または電子的手段で励起されるとき、UV領域、可視スペクトルのうち青色、緑色、黄色、オレンジ色、もしくは赤色領域(例えば約420nm~約500nm、約500nm~約600nmまたは約600nm~約700nm)または近赤外線領域の光を発することができる。
【0214】
本開示のある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、熱的または電子的手段で励起されるとき、可視スペクトルのうち赤色またはオレンジ色領域(例えば約620nm~約780nm、約650nm)の光を発することができる。
【0215】
本開示のある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、熱的または電子的手段で励起されるとき、可視スペクトルのうちオレンジ色または黄色領域(例えば約570nm~約620nm、約590nm、約570nm)の光を発することができる。
【0216】
本開示のある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、熱的または電子的手段で励起されるとき、可視スペクトルのうち緑色領域(例えば約490nm~約575nm、約510nm)の光を発することができる。
【0217】
本開示のある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、熱的または電子的手段で励起されるとき、可視スペクトルのうち青色領域(例えば約400nm~約490nm、約475nm)の光を発することができる。
【0218】
小分子の化学物質ライブラリの電子的特性は、公知のab initioによる量子化学計算を用いて算出することができる。例えば、基底系として、6-31G*、およびベッケの3パラメータ、Lee-Yang-Parrハイブリッド汎関数として知られている関数系を用いた時間依存的な密度汎関数理論を使用してHartree-Fock式(TD-DFT/B3LYP/6-31G*)を解き、特定の閾値を上回るHOMOおよび特定の閾値を下回るLUMOを有し、当該部分の算出された三重項状態が2.75eV超である、分子断片(部分)をスクリーニングすることができる。
【0219】
それにより、例えば-6.5eV以上のHOMOエネルギー(例えばイオン化ポテンシャル)を有することにより、供与体部分(「D」)が選抜できる。また例えば、-0.5eV以下のLUMOエネルギー(例えば電子親和力)を有することにより、受容体部分(「A」)が選抜できる。リンカー部分(「L」)は、例えば受容体と供与体部分を特異的な立体配置に立体的に制限できる強固な共役系であることにより、供与体および受容体部分のπ共役系間の重複が生じるのを防止することができる。
【0220】
ある実施形態では、化合物ライブラリは、以下の特性のうちの1つ以上を用いて選別される。
1.特定の波長付近における発光、
2.算出された、特定のエネルギー準位より上の三重項状態、
3.特定値より下のΔEST値、
4.特定値より上の量子収率、
5.HOMO準位、および
6.LUMO準位。
【0221】
ある実施形態では、77Kにおける最低の一重項励起状態と最低の三重項励起状態との差(ΔEST)は、約0.5eV未満、約0.4eV未満、約0.3eV未満、約0.2eV未満または約0.1eV未満である。ある実施形態ではΔEST値は、約0.09eV未満、約0.08eV未満、約0.07eV未満、約0.06eV未満、約0.05eV未満、約0.04eV未満、約0.03eV未満、約0.02eV未満または約0.01eV未満である。
【0222】
ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、25%超の、例えば約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%またはそれ以上の量子収率を示す。
【0223】
本開示の化合物を用いた組成物:
ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、1つ以上の材料(例えば小分子、ポリマー、金属、金属錯体等)と組み合わせ、に分散させ、と共有結合し、でコーティングし、に担持し、あるいは、と会合させて、固体状のフィルムまたは層を形成させる。例えば、一般式(I)~(V)で表される化合物を電気活性材料と組み合わせてフィルムを形成することができる。いくつかの場合、一般式(I)~(V)で表される化合物を正孔輸送ポリマーと組み合わせてもよい。いくつかの場合、一般式(I)~(V)で表される化合物を電子輸送ポリマーと組み合わせてもよい。いくつかの場合、一般式(I)~(V)で表される化合物を正孔輸送ポリマーおよび電子輸送ポリマーと組み合わせてもよい。いくつかの場合、一般式(I)~(V)で表される化合物を、正孔輸送部と電子輸送部との両方を含むコポリマーと組み合わせてもよい。以上のような実施形態において、固体状のフィルムまたは層内に形成される電子および/または正孔を、一般式(I)~(V)で表される化合物と相互作用させることができる。
【0224】
本開示の化合物の使用の例:
有機発光ダイオード:
本発明の一態様は、有機発光デバイスの発光材料としての、本発明の一般式(I)~(V)で表される化合物の使用に関する。ある実施形態では、本発明の一般式(I)~(V)で表される化合物は、有機発光デバイスの発光層における発光材料として効果的に使用できる。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、遅延蛍光を発する遅延蛍光材料(遅延蛍光体)を含む。ある実施形態では、本発明は一般式(I)~(V)で表される構造を有する遅延蛍光体を提供する。ある実施形態では、本発明は遅延蛍光体としての一般式(I)~(V)で表される化合物の使用に関する。ある実施形態では、発光層が一般式(I)~(V)で表される化合物をアシストドーパントとして含む。
【0225】
ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、ホスト材料として使用することができ、かつ、1つ以上の発光材料と共に使用することができ、発光材料は蛍光材料、燐光材料またはTADF材料でよい。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、正孔輸送材料として使用することができる。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、電子輸送材料として使用することができる。ある実施形態では、本発明は一般式(I)~(V)で表される化合物から遅延蛍光を生じさせる方法に関する。ある実施形態では、化合物を発光材料として含む有機発光デバイスは、遅延蛍光を発し、高い光放射効率を示す。
【0226】
ある実施形態では、発光層は一般式(I)~(V)で表される化合物を含み、一般式(I)~(V)で表される化合物は、基材と平行に配向される。ある実施形態では、基材はフィルム形成表面である。ある実施形態では、フィルム形成表面に対する一般式(I)~(V)で表される化合物の配向は、整列させる化合物によって発せられる光の伝播方向に影響を与えるか、あるいは、当該方向を決定づける。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物によって発される光の伝播方向を整列させることで、発光層からの光抽出効率が改善される。
【0227】
本発明の一態様は、有機発光デバイスに関する。ある実施形態では、有機発光デバイスは発光層を含む。ある実施形態では、発光層は発光材料として一般式(I)~(V)で表される化合物を含む。ある実施形態では、有機発光デバイスは有機フォトルミネッセンスデバイス(有機PLデバイス)である。ある実施形態では、有機発光デバイスは、有機エレクトロルミネッセンスデバイス(有機ELデバイス)である。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、発光層に含まれる他の発光材料の光放射を(いわゆるアシストドーパントとして)補助する。ある実施形態では、発光層に含まれる一般式(I)~(V)で表される化合物は、その最低の励起一重項エネルギー準位にあり、発光層に含まれるホスト材料の最低励起一重項エネルギー準位と発光層に含まれる他の発光材料の最低励起一重項エネルギー準位との間に含まれる。
【0228】
ある実施形態では、有機フォトルミネッセンスデバイスは、少なくとも1つの発光層を含む。ある実施形態では、有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、少なくとも陽極、陰極、および前記陽極と前記陰極との間の有機層を含む。ある実施形態では、有機層は、少なくとも発光層を含む。ある実施形態では、有機層は、発光層のみを含む。ある実施形態では、有機層は、発光層に加えて1つ以上の有機層を含む。有機層の例としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子障壁層、正孔障壁層、電子注入層、電子輸送層および励起子障壁層が挙げられる。ある実施形態では、正孔輸送層は、正孔注入機能を有する正孔注入輸送層であってもよく、電子輸送層は、電子注入機能を有する電子注入輸送層であってもよい。有機エレクトロルミネッセンスデバイスの例を
図1に示す。
【0229】
基材:
ある実施形態では、本発明の有機エレクトロルミネッセンスデバイスは基材により保持され、当該基材は特に限定されず、有機エレクトロルミネッセンスデバイスで一般的に用いられるもの、例えばガラス、透明プラスチック、石英およびシリコンにより形成されたもののいずれかを用いればよい。
【0230】
陽極:
ある実施形態では、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの陽極は、金属、合金、導電性化合物またはそれらの組み合わせから製造される。ある実施形態では、金属、合金または導電性化合物は高い仕事関数(4eV以上)を有する。ある実施形態では、金属はAuである。ある実施形態では、導電性の透明材料は、CuI、酸化インジウムスズ(ITO)、SnO2およびZnOから選択される。ある実施形態では、IDIXO(In2O3-ZnO)などの、透明な導電性フィルムを形成できるアモルファス材料を使用する。ある実施形態では、陽極は薄膜である。ある実施形態では、薄膜は蒸着またはスパッタリングにより作製される。ある実施形態では、フィルムはフォトリソグラフィー方法によりパターン化される。ある実施形態では、パターンが高精度である必要がない場合(例えば約100μm以上)、当該パターンは、電極材料への蒸着またはスパッタリング上に所望の形状を有するマスクを用いて形成してもよい。ある実施形態では、有機導電性化合物のようにコーティングとして材料を塗布しうるとき、プリント法やコーティング法などの湿式フィルム形成方法が用いられる。ある実施形態では、放射光が陽極を通過するとき、陽極は10%超の透過度を有し、当該陽極は、数百オーム/スクエア以下のシート抵抗を有する。ある実施形態では、陽極の厚みは10~1,000nmである。ある実施形態では、陽極の厚みは10~200nmである。ある実施形態では、陽極の厚みは用いる材料に応じて変動する。
【0231】
陰極:
ある実施形態では、陰極は、低い仕事関数(4eV以下)を有する金属(電子注入金属と称される)、合金、導電性化合物またはその組み合わせの電極材料で作製される。ある実施形態では、電極材料は、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム-銅混合物、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-アルミニウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム-アルミニウム混合物および希土類元素から選択される。ある実施形態では、電子注入金属と、電子注入金属より高い仕事関数を有する安定な金属である第2の金属との混合物が用いられる。ある実施形態では、混合物は、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-アルミニウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム-アルミニウム混合物およびアルミニウムから選択される。ある実施形態では、混合物は電子注入特性および酸化に対する耐性を向上させる。ある実施形態では、陰極は、蒸着またはスパッタリングにより電極材料を薄膜状に形成させることによって製造される。ある実施形態では、陰極は数百オーム/スクエア以下のシート抵抗を有する。ある実施形態では、陰極の厚みは10nm~5μmである。ある実施形態では、陰極の厚みは50~200nmである。ある実施形態では、放射光を透過させるため、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの陽極および陰極のいずれか1つは透明または半透明である。ある実施形態では、透明または半透明のエレクトロルミネッセンスデバイスは光放射輝度を向上させる。
【0232】
ある実施形態では、陰極を、陽極に関して前述した導電性の透明な材料で形成することにより、透明または半透明の陰極が形成される。ある実施形態では、デバイスは陽極と陰極とを含むが、いずれも透明または半透明である。
【0233】
発光層:
ある実施形態では、発光層は、陽極および陰極からそれぞれ注入された正孔および電子が再結合して励起子を形成する層である。ある実施形態では、層は光を発する。
【0234】
ある実施形態では、発光材料のみが発光層として用いられる。ある実施形態では、発光層は発光材料とホスト材料とを含む。ある実施形態では、発光材料は、一般式(I)~(V)の1つ以上の化合物である。ある実施形態では、有機エレクトロルミネッセンスデバイスおよび有機フォトルミネッセンスデバイスの光放射効率を発現させるため、発光材料において発生する一重項励起子および三重項励起子を、発光材料内に閉じ込める。ある実施形態では、発光層中に発光材料に加えてホスト材料を用いる。ある実施形態では、ホスト材料は有機化合物である。ある実施形態では、有機化合物は励起一重項エネルギーおよび励起三重項エネルギーを有し、その少なくとも1つは、本発明の発光材料のそれらよりも高い。ある実施形態では、本発明の発光材料中で発生する一重項励起子および三重項励起子は、本発明の発光材料の分子中に閉じ込められる。ある実施形態では、一重項および三重項の励起子は、光放射効率を引き出すために十分に閉じ込められる。ある実施形態では、高い光放射効率が未だ得られるにもかかわらず、一重項励起子および三重項励起子は十分に閉じ込められず、したがって本発明では、高い光放射効率を達成できるホスト材料を、特に限定されることなく使用することができる。ある実施形態では、本発明のデバイスの発光層中の発光材料において、光放射が生じる。ある実施形態では、放射光は蛍光および遅延蛍光の両方を含む。ある実施形態では、放射光は、ホスト材料からの放射光を含む。ある実施形態では、放射光は、ホスト材料からの放射光からなる。ある実施形態では、放射光(emitted light light)は、一般式(I)~(V)で表される化合物からの放射光と、ホスト材料からの放射光とを含む。ある実施形態では、TADF分子とホスト材料とが用いられる。ある実施形態では、TADFはアシストドーパントである。
【0235】
ある実施形態では、ホスト材料を用いるとき、発光層に含まれる発光材料としての本発明の化合物の量は、0.1重量%以上である。ある実施形態では、ホスト材料を用いるとき、発光層に含まれる発光材料としての本発明の化合物の量は、1重量%以上である。ある実施形態では、ホスト材料を用いるとき、発光層に含まれる発光材料としての本発明の化合物の量は、50重量%以下である。ある実施形態では、ホスト材料を用いるとき、発光層に含まれる発光材料としての本発明の化合物の量は、20重量%以下である。ある実施形態では、ホスト材料を用いるとき、発光層に含まれる発光材料としての本発明の化合物の量は、10重量%以下である。
【0236】
ある実施形態では、発光層中のホスト材料は、正孔輸送機能および電子輸送機能を有する有機化合物である。ある実施形態では、発光層中のホスト材料は、放射光の波長が増加することを防止する有機化合物である。ある実施形態では、発光層中のホスト材料は、高いガラス転移温度を有する有機化合物である。
【0237】
ある実施形態では、ホスト材料は、下記化合物から成る群から選択される。
【化103】
【0238】
注入層:
注入層は、電極と有機層との間の層である。ある実施形態では、注入層は駆動電圧を減少させ、光放射輝度を増強する。ある実施形態では、注入層は、正孔注入層と電子注入層とを含む。注入層は、陽極と発光層または正孔輸送層との間、並びに陰極と発光層または電子輸送層との間に配置することができる。ある実施形態では、注入層が存在する。ある実施形態では、注入層が存在しない。
【0239】
障壁層:
障壁層は、発光層に存在する電荷(電子または正孔)および/または励起子が、発光層の外側に拡散することを阻止できる層である。ある実施形態では、電子障壁層は、発光層と正孔輸送層との間に存在し、電子が発光層を通過して正孔輸送層へ至ることを阻止する。ある実施形態では、正孔障壁層は、発光層と電子輸送層との間に存在し、正孔が発光層を通過して電子輸送層へ至ることを阻止する。ある実施形態では、障壁層は、励起子が発光層の外側に拡散することを阻止する。ある実施形態では、電子障壁層および正孔障壁層は励起子障壁層である。本明細書で用いる用語「電子障壁層」または「励起子障壁層」には、電子障壁層および励起子障壁層両方の機能を有する層が含まれる。
【0240】
正孔障壁層:
正孔障壁層は、電子輸送層として機能する。ある実施形態では、電子の輸送の間、正孔障壁層は正孔が電子輸送層に至ることを阻止する。ある実施形態では、正孔障壁層は、発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。正孔障壁層に用いる材料は、電子輸送層について前述した材料と同じものであってもよい。
【化104】
【0241】
電子障壁層:
電子障壁層は、正孔を輸送する。ある実施形態では、正孔の輸送の間、電子障壁層は電子が正孔輸送層に至ることを阻止する。ある実施形態では、電子障壁(barrie)層は、発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。次に、電子障壁材料として使用可能な化合物の好ましい例を以下に挙げる。
【化105】
【0242】
励起子障壁層:
励起子障壁層は、発光層における正孔と電子との再結合を通じて生じた励起子が電荷輸送層まで拡散することを阻止する。ある実施形態では、励起子障壁層は、発光層における励起子の有効な閉じ込めを可能にする。ある実施形態では、デバイスの光放射効率が向上する。ある実施形態では、励起子障壁層は、陽極の側と陰極の側のいずれかか、その両側で、発光層に隣接する。ある実施形態では、励起子障壁層が陽極側に存在するとき、当該層は、正孔輸送層と発光層との間に当該発光層に隣接して存在してもよい。ある実施形態では、励起子障壁層が陰極側に存在するとき、当該層は、発光層と陰極との間に当該発光層に隣接して存在してもよい。ある実施形態では、正孔注入層、電子障壁層または同様の層が、陽極と、陽極側で発光層に隣接する励起子障壁層との間に存在する。ある実施形態では、正孔注入層、電子障壁層、正孔障壁層または同様の層が、陰極と、陰極側の発光層に隣接する励起子障壁層との間に存在する。ある実施形態では、励起子障壁層は、励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーを含み、その少なくとも1つが、発光材料の励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーそれぞれより高い。
【0243】
正孔輸送層:
正孔輸送層は、正孔輸送材料を含む。ある実施形態では、正孔輸送層は単層である。ある実施形態では、正孔輸送層は複数の層を含む。
【0244】
ある実施形態では、正孔輸送材料は、正孔の注入または輸送特性および電子の障壁特性のうちの1つを有する。ある実施形態では、正孔輸送材料は有機材料である。ある実施形態では、正孔輸送材料は無機材料である。本明細書で用いることができる公知の正孔輸送材料の例としては、限定されないが、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導剤、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導剤、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリンコポリマーおよび導電性ポリマーオリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、またはその組合せが挙げられる。ある実施形態では、正孔輸送材料はポルフィリン化合物、芳香族三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物から選択される。ある実施形態では、正孔輸送材料は芳香族三級アミン化合物である。次に、正孔輸送材料として使用可能な化合物の好ましい例を以下に挙げる。
【化106】
【0245】
電子輸送層:
電子輸送層は、電子輸送材料を含む。ある実施形態では、電子輸送層は単層である。ある実施形態では、電子輸送層は複数の層を含む。
【0246】
ある実施形態では、電子輸送材料は、陰極から注入された電子を発光層に輸送する機能さえあればよい。ある実施形態では、電子輸送材料はまた、正孔障壁材料としても機能する。本明細書で用いることができる電子輸送層の例としては、限定されないが、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アゾール誘導体、アジン誘導体もしくはその組合せ、またはそれらのポリマーが挙げられる。ある実施形態では、電子輸送材料はチアジアゾール誘導体またはキノキサリン誘導体である。ある実施形態では、電子輸送材料はポリマー材料である。次に、電子輸送材料として使用可能な化合物の好ましい例を以下に挙げる。
【化107】
【0247】
分子量
式(I)で表される化合物の分子量は、例えば、式(I)で表される化合物を含有する有機層を蒸着法により形成することによって当該化合物を用いる場合には、好ましくは1500以下であり、より好ましくは1200以下であり、さらにより好ましくは1000以下であり、なおより好ましくは900以下である。
【0248】
ポリマー
式(I)で表される化合物は、その分子量に関わらず、コーティング法によってフィルム状に形成しうる。コーティング法により、比較的大きな分子量を有する化合物であっても、フィルム状に形成することができる。
【0249】
本発明を適用することにより、分子中に式(I)で表される構造を複数含む化合物の使用を企図することもできる。
【0250】
例えば、式(I)で表される構造にあらかじめ重合性基を導入し、その重合性基を重合させることによって得られるポリマーを使用することを企図してもよい。例えば、式(I)で表される構造中のいずれか1つの水素原子を重合性官能基で置換することによりモノマーを得て、このモノマーを、単独重合させるかまたは他のモノマーと共重合させて、繰り返し単位を有するポリマーを得る。あるいは、式(I)で表される構造をそれぞれ有する複数の化合物を結合させて、ダイマーまたはトリマーを得る。式(I)で表される構造を含む(containa)繰り返し単位を有するポリマーとしては、例えば、下記式(A)または(B)で表される構造を含むポリマーが挙げられる。
【化108】
【0251】
式(A)および(B)において、Qは式(I)で表される構造を含む基を表し、L1およびL2はそれぞれ連結基を表す。該連結基中の炭素数は、好ましくは0~20個、より好ましくは1~15個、さらにより好ましくは2~10個である。
【0252】
連結基は好ましくは-X11-L11-で表される構造を有する。式中、X11は酸素原子または硫黄原子を表し、好ましくは酸素原子であり、L11は連結基を表し、好ましくは置換若しくは無置換のアルキレン基または置換若しくは無置換のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数1~10個の置換若しくは無置換のアルキレン基または置換若しくは無置換のフェニレン基である。
【0253】
式(A)および(B)において、R101、R102、R103およびR104はそれぞれ独立して置換基を表す。好ましくは、それらの置換基はそれぞれ、炭素数1~6個の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1~6個の置換若しくは無置換のアルコキシ基またはハロゲン原子であり、より好ましくは炭素数1~3個の無置換のアルキル基、炭素数1~3個の無置換のアルコキシ基、フッ素原子または塩素原子であり、さらにより好ましくは炭素数1~3個の無置換のアルキル基または炭素数1~3個の無置換のアルコキシ基である。
【0254】
L1およびL2により表される連結基は、式(I)で表される構造中のいずれか1つの水素原子を置換することによって導入されてよい。2つ以上の連結基が1つのQと結合して架橋構造またはネットワーク構造を形成してもよい。
【0255】
前記繰り返し単位の具体的な構造例としては、下記式(C)~(F)により表される構造が挙げられる。
【化109】
【0256】
式(C)~(F)で表される繰り返し単位を有するポリマーは、式(I)で表される構造においていずれか1つの水素原子をヒドロキシ基で置換した後、下記化合物のいずれかと反応させることによって、前記ヒドロキシ基をリンカーとして前記構造中に重合性基を導入し、この重合性基を重合させることによって、合成することができる。
【化110】
【0257】
式(I)で表される構造を有するポリマーは、式(I)で表される構造を有する繰り返し単位のみを含むポリマーであってもよいし、いずれかの他の構造を有する繰り返し単位を含むポリマーであってもよい。このポリマー中に含まれる式(I)で表される構造を含む繰り返し単位は、1種類のみであってもよく、2種類以上の繰り返し単位を含んでいてもよい。式(I)で表される構造を有さない繰り返し単位としては、通常の共重合において使用されるモノマーから誘導されるものが挙げられる。例えば、エチレン、スチレン等のエチレン性不飽和結合を有するモノマーから誘導される繰り返し単位が挙げられる。
【0258】
ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は本発明のデバイスの発光層に含まれる。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、発光層および少なくとも1つの他の層に含まれる。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、各層(each layers)毎に独立して選択される。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は同じものである。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は各々異なる。例えば、一般式(I)~(V)で表される化合物は、前述した注入層、障壁層、正孔障壁層、電子障壁層、励起子障壁層、正孔輸送層および電子輸送層などにおいてで使用できる。層のフィルム形成方法は特に限定されず、層はいずれかの乾式工程および/または湿式工程により製造されうる。
【0259】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスで使用できる材料の具体例を上記に示すが、本発明で使用できる材料はこれらの例示に係る化合物に限定されるものと解釈すべきでない。ある実施形態では、特定の機能を有する材料が他の機能を有することもあり得る。
【0260】
フィルム形成方法
本発明の化合物は、いずれかの方法によって基材上にフィルムとして形成されてよい。
【0261】
フィルム形成の前に、基材を加熱または冷却してもよく、また基材の温度を変化させることによって、フィルムの品質および分子充填を制御してもよい。基材の温度は特に限定されず、好ましくは0~200℃の範囲であり、より好ましくは15~100℃の範囲であり、特に好ましくは20~95℃の範囲である。
【0262】
基材上に本発明による化合物のフィルムを形成する前に、真空法または溶液法によってフィルムを形成してもよく、これらの方法はどちらも好ましい。
【0263】
真空法による具体的なフィルム形成の例としては、真空蒸着、スパッタリング法、イオンプレーティング法および分子線エピタキシー(MBE)等の物理蒸着並びにプラズマ重合等の化学蒸着(CVD)が挙げられ、好ましくは真空蒸着が用いられる。
【0264】
溶液法によるフィルム形成とは、有機化合物を、当該有機化合物を溶解可能な溶媒中に溶解させ、得られた溶液を用いてフィルムを形成する方法を意味する。使用される方法の具体例としては、一般的な方法、例えば、鋳造法、ディップコーティング法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法およびスピンコーティング法等のコーティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法およびマイクロコンタクトプリンティング法等の印刷法、並びにラングミュア・ブロジェット法が挙げられ、そして鋳造法、スピンコーティング法、好ましくはインクジェット法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法およびマイクロコンタクトプリンティング法が使用される。
【0265】
以下、溶液法によるフィルム形成に使用できる本発明の有機半導体デバイス用のコーティング溶液について説明する。
【0266】
溶液法によって基材上にフィルムを形成する場合には、層形成のための材料を、好適な有機溶媒(例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリンおよび1-メチルナフタレン等の炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンおよびクロロトルエン等のハロゲン化炭化水素溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルおよび酢酸アミル等のエステル溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブおよびエチレングリコール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびアニソール等のエーテル溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリドンおよび1-メチル-2-イミダゾリジノン等のアミドまたはイミド溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒、およびアセトニトリル等のニトリル溶媒)および/または水中に溶解または分散させてコーティング液を調製した後、これを種々のコーティング法によりコーティングして薄膜を形成することができる。
【0267】
デバイス:
ある実施形態では、本開示の化合物はデバイス中に組み込まれる。例えば、デバイスには、OLEDバルブ、OLEDランプ、テレビ画面、コンピューターのモニター、携帯電話およびタブレットが含まれるが、これらに限定されない。
【0268】
ある実施形態では、電子デバイスは、陽極と、陰極と、および前記陽極と前記陰極との間の、発光層を含む少なくとも1つの有機層と、を含むOLEDを含み、前記発光層は、
ホスト材料と、
一般式(I)~(V)で表される化合物と、を含む。
【0269】
ある実施形態では、前記発光層は、一般式(I)~(V)で表される化合物を発光材料として含む。
【0270】
ある実施形態では、前記発光層は、一般式(I)~(V)で表される化合物をアシストドーパントとして含む。
【0271】
ある実施形態では、前記OLEDの発光層は、一般式(I)~(V)で表される化合物が蛍光体のために三重項を一重項に変換する蛍光材料を更に含む。
【0272】
ある実施形態では、本明細書に記載の組成物は、OLEDまたは光電子デバイスなどの、様々な感光性または光活性化デバイスに組み込まれうる。ある実施形態では、組成物はデバイス内の電荷移動またはエネルギー移動の促進に、および/または正孔輸送材料として有用でありうる。デバイスは、例えば有機発光ダイオード(OLED)、有機集積回線(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検出器、有機光受容体、有機磁場クエンチ(field-quench)デバイス(O-FQD)、発光電気化学電池(LEC)または有機レーザダイオード(O-レーザー)であってよい。
【0273】
バルブまたはランプ:
ある実施形態では、電子デバイスは、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間の、発光層を含む少なくとも1つの有機層と、OLEDドライバ回路とを含むOLEDであって、前記発光層は、ホスト材料と、一般式(I)~(V)で表される化合物とを含み、前記一般式(I)~(V)で表される化合物は、発光材料である。
【0274】
ある実施形態では、前記発光層は、一般式(I)~(V)で表される化合物をアシストドーパントとして含む。
【0275】
ある実施形態では、デバイスは色の異なるOLEDを含む。ある実施形態では、デバイスはOLEDの組合せを含むアレイを含む。ある実施形態では、OLEDの組合せは、3色の組合せ(例えばRGB)である。ある実施形態では、OLEDの組合せは、赤色でも緑色でも青色でもない色(例えばオレンジ色および黄緑色)の組合せである。ある実施形態では、OLEDの組合せは、2色、4色またはそれ以上の色の組合せである。
【0276】
ある実施形態では、デバイスはOLEDライトであって、当該OLEDライトは、
取り付け面を有する第1面とそれと反対の第2面とを有し、かつ少なくとも1つの開口部を画定する回路基板と、
前記取り付け面上の少なくとも1つのOLEDであって、光を発するように構成される当該少なくとも1つのOLEDは、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間の、発光層を含む少なくとも1つの有機層と、を含み、当該発光層がホスト材料と、発光材料である一般式(I)~(V)で表される化合物とを含む、少なくとも1つのOLEDと、
回路基板用のハウジングと、
前記ハウジングの端部に配置された少なくとも1つのコネクターであって、前記ハウジングおよび前記コネクターが照明設備への取付けに適するパッケージを画定する、少なくとも1つのコネクターと、を備える。
【0277】
ある実施形態では、前記発光層は、一般式(I)~(V)で表される化合物をアシストドーパントとして含む。
【0278】
ある実施形態では、OLEDライトは、複数の方向に光が放射されるように回路基板に取り付けられた複数のOLEDを含む。ある実施形態では、第1方向に発せられた一部の光は偏光されて第2方向に放射される。ある実施形態では、反射器を用いて第1方向に発せられた光を偏光する。
【0279】
ディスプレイまたはスクリーン:
ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、スクリーンまたはディスプレイにおいて使用できる。ある実施形態では、一般式(I)~(V)で表される化合物は、限定されないが真空蒸発、堆積、蒸着または化学蒸着(CVD)などの工程を用いて基材上へ堆積させる。ある実施形態では、基材は、2面エッチングにおいて有用なフォトプレート構造であり、独特のアスペクト比のピクセルを提供する。スクリーン(またマスクとも呼ばれる)は、OLEDディスプレイの製造における工程で用いられる。対応するアートワークパターンの設計により、垂直方向ではピクセルの間の非常に急な狭いタイバーと、水平方向では大きな広範囲の斜角開口部を可能にする。これにより、TFTバックプレーン上への化学蒸着を最適化しつつ、高解像度ディスプレイに必要とされるピクセルの微細なパターニングが可能となる。
【0280】
ピクセルの内部パターニングにより、水平および垂直方向での様々なアスペクト比の三次元ピクセル開口部を構成することが可能となる。更に、ピクセル領域中の画像化された「ストライプ」またはハーフトーン円の使用により、これらの特定のパターンをアンダーカットし基材から除くまで、特定の領域におけるエッチングが抑制される。その時、そのピクセル領域全体が同様のエッチング速度で処理されるが、その深さはハーフトーンパターンにより変化する。ハーフトーンパターンのサイズおよび間隔を変更することにより、抑制率がピクセル内で様々異なるエッチングが可能となり、急な垂直斜角を形成するのに必要な局在化された深いエッチングが可能となる。
【0281】
蒸着マスク用の好ましい材料はインバーである。インバーは、製鉄所において長い薄型シート状に冷延される金属合金である。インバーは、ニッケルマスクとして回転マンドレル上へ電着することができない。蒸着用に使用されるマスク内に開口領域を形成するための適切かつ低コストの方法は、湿式化学エッチングによる方法である。
【0282】
ある実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、基材上のピクセルマトリックスである。ある実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、リソグラフィー(例えばフォトリソグラフィーおよびeビームリソグラフィー)を使用して施される。ある実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、湿式化学エッチングを使用して施される。更なる実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、プラズマエッチングを使用して施される。
【0283】
本開示の化合物を用いた、デバイスの製造方法:
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザーパネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の各セルパネルは、ベース基材上に活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光層、対電極およびカプセル化層を順に形成した後、マザーパネルから切断することにより形成される。
【0284】
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザーパネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の各セルパネルは、ベース基材上に活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光層、対電極およびカプセル化層を順に形成した後、マザーパネルから切断することにより形成される。
【0285】
他の態様では、本発明において有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの製造方法が提供され、当該方法は、
マザーパネルのベース基材上に障壁層を形成する工程と、
前記障壁層上にセルパネル単位で複数のディスプレイユニットを形成する工程と、
前記セルパネルの前記ディスプレイユニットのそれぞれの上にカプセル化層を形成する工程と、
前記セルパネル間のインタフェース部に有機フィルムを塗布する工程と、を含む。
【0286】
ある実施形態では、障壁層は、例えばSiNxで形成された無機フィルムであり、障壁層の端部は、ポリイミドまたはアクリルで形成された有機フィルムで被覆される。ある実施形態では、有機フィルムは、マザーパネルがセルパネル単位でソフトに切断されるように補助する。
【0287】
ある実施形態では、薄膜トランジスタ(TFT)層は、発光層と、ゲート電極と、ソース/ドレイン電極と、を有する。複数のディスプレイユニットの各々は、薄膜トランジスタ(TFT)層と、TFT層上に形成された平坦化フィルムと、平坦化フィルム上に形成された発光ユニットとを有してもよく、インタフェース部に塗布された有機フィルムは、平坦化フィルムの材料と同じ材料で形成され、平坦化フィルムの形成と同時に形成される。ある実施形態では、発光ユニットは、不動態化層と、その間の平坦化フィルムと、発光ユニットを被覆し保護するカプセル化層とによりTFT層に連結される。製造方法のある実施形態では、有機フィルムは、ディスプレイユニットにもカプセル化層にも接触されない。
【0288】
有機フィルムと平坦化フィルムの各々は、ポリイミドおよびアクリルのいずれか1つを含んでもよい。ある実施形態では、障壁層は無機フィルムであってもよい。ある実施形態では、ベース基材はポリイミドで形成されてもよい。方法は更に、ポリイミドで形成されたベース基材の1つの表面に障壁層を形成する前に、ベース基材のもう1つの表面にガラス材料で形成されたキャリア基材を取り付ける工程と、インタフェース部に沿った切断の前に、キャリア基材をベース基材から分離する工程と、を含んでもよい。ある実施形態では、OLEDディスプレイはフレキシブルなディスプレイである。
【0289】
ある実施形態では、不動態化層は、TFT層の被覆のためにTFT層上に配置された有機フィルムである。ある実施形態では、平坦化フィルムは、不動態化層上に形成された有機フィルムである。ある実施形態では、平坦化フィルムは、障壁層の端部に形成された有機フィルムと同様、ポリイミドまたはアクリルで形成される。ある実施形態では、OLEDディスプレイの製造の際、平坦化フィルムおよび有機フィルムは同時に形成される。ある実施形態では、有機フィルムは、有機フィルムの一部が直接ベース基材と接触し、有機フィルムの残りの部分が障壁層の端部を囲みつつ、障壁層と接触するように、障壁層の端部に形成されてもよい。
【0290】
ある実施形態では、発光層は、ピクセル電極と、対電極と、ピクセル電極と対電極との間に配置された有機発光層とを有する。ある実施形態では、ピクセル電極は、TFT層のソース/ドレイン電極に連結している。
【0291】
ある実施形態では、TFT層を通じてピクセル電極に電圧が印加されるとき、ピクセル電極と対電極との間に適切な電圧が形成されることで有機発光層が光を放射し、それにより画像が形成される。以下、TFT層と発光ユニットとを有する画像形成ユニットを、ディスプレイユニットと称する。
【0292】
ある実施形態では、ディスプレイユニットを被覆し、外部の水分の浸透を防止するカプセル化層は、有機フィルムと無機フィルムとが交互に積層する薄膜状のカプセル化構造に形成されてもよい。ある実施形態では、カプセル化層は、複数の薄膜が積層した薄膜状カプセル化構造を有する。ある実施形態では、インタフェース部に塗布される有機フィルムは、複数のディスプレイユニットの各々と間隔を置いて配置される。ある実施形態では、有機フィルムは、一部の有機フィルムが直接ベース基材と接触し、有機フィルムの残りの部分が障壁層の端部を囲みつつ障壁層と接触する態様で形成される。
【0293】
一実施形態では、OLEDディスプレイはフレキシブルであり、ポリイミドで形成された柔軟なベース基材を使用する。ある実施形態では、ベース基材はガラス材料で形成されたキャリア基材上に形成され、次にキャリア基材が分離される。
【0294】
ある実施形態では、障壁層は、キャリア基材の反対側のベース基材の表面に形成される。一実施形態では、障壁層は、各セルパネルのサイズに従いパターン化される。例えば、ベース基材がマザーパネルの表面全体に渡って形成される一方で、障壁層が各セルパネルのサイズに従い形成され、それにより、セルパネルの障壁層の間のインタフェース部に溝が形成される。各セルパネルは、溝に沿って切断できる。
【0295】
ある実施形態では、製造方法は、インタフェース部に沿って切断する工程を更に含み、溝が障壁層に形成され、少なくとも一部の有機フィルムが溝に形成され、溝はベース基材まで侵入しない。ある実施形態では、各セルパネルのTFT層が形成され、無機フィルムである不動態化層と有機フィルムである平坦化フィルムが、TFT層上に配置され、TFT層を被覆する。例えばポリイミドまたはアクリル製の平坦化フィルムが形成されるのと同時に、インタフェース部の溝は、例えばポリイミドまたはアクリル製の有機フィルムで被覆される。これによって、各セルパネルがインタフェース部で溝に沿って切断されるとき、生じた衝撃が有機フィルムに吸収されるようにすることによってひびの発生が防止される。すなわち、障壁層全体が有機フィルムなしで完全に露出している場合には、各セルパネルがインタフェース部で溝に沿って切断されるとき、生じた衝撃が障壁層に伝達され、それによりひびが生じるリスクが増加する。しかしながら、一実施形態では、障壁層間のインタフェース部の溝が有機フィルムで被覆されて、有機フィルムがなければ障壁層に伝達されうる衝撃を有機フィルムが吸収するため、各セルパネルはソフトに切断され、障壁層でのひびの発生が防止されうる。一実施形態では、インタフェース部の溝を被覆する有機フィルムおよび平坦化フィルムは、互いに間隔を置いて配置される。例えば、有機フィルムおよび平坦化フィルムが1つの層として相互に接続している場合には、平坦化フィルムと、有機フィルムが残っている部分とを通じてディスプレイユニットに外部の水分が浸入する恐れがあるため、有機フィルムおよび平坦化フィルムは、有機フィルムがディスプレイユニットから間隔を置いて配置されるように、相互に間隔を置いて配置される。
【0296】
ある実施形態では、ディスプレイユニットは、発光ユニットの形成により形成され、カプセル化層は、ディスプレイユニットを被覆するためディスプレイユニット上に配置される。これにより、マザーパネルが完全に製造された後、ベース基材を担持するキャリア基材がベース基材から分離される。ある実施形態では、レーザー光線がキャリア基材へ放射されると、キャリア基材は、キャリア基材とベース基材との間の熱膨張率の相違により、ベース基材から分離される。
【0297】
ある実施形態では、マザーパネルは、セルパネル単位で切断される。ある実施形態では、マザーパネルは、カッターを用いてセルパネル間のインタフェース部に沿って切断される。ある実施形態では、それに沿ってマザーパネルが切断されるインタフェース部の溝が有機フィルムで被覆されているため、切断の間、当該有機フィルムが衝撃を吸収する。ある実施形態では、切断の間、障壁層でひびが生じるのを防止できる。
【0298】
ある実施形態では、前記方法は製品の不良率を減少させ、その品質を安定させる。
【0299】
他の態様は、ベース基材上に形成された障壁層と、障壁層上に形成されたディスプレイユニットと、ディスプレイユニット上に形成されたカプセル化層と、障壁層の端部に塗布された有機フィルムと、を有するOLEDディスプレイである。
【実施例】
【0300】
本開示の実施形態では、適切な材料を使用して、以下の実施例の手順に従い、一般式(I)~(V)で表される化合物の調製がなされる。当業者であれば、これらの化合物を調製するために、以下の調製手順のための条件および工程の既知の変形を使用することができることを理解するであろう。更に、当業者であれば、詳細に記載する手順を応用することによって、本開示に係る更なる化合物を調製することができる。
【0301】
分析方法に関する一般的情報:
本発明の特徴が以下の実施例を参照してより具体的に記載される。以下に示す材料、工程、手順などは、発明の本質から逸脱しない限り、適切に改変されうる。従って、本発明の範囲は、以下に示す特定の実施形態に限定されるものとして解釈されない。サンプルの特徴はNMR(Bruker社製の核磁気共鳴500MHz)、LC/MS(Waters社製液体クロマトグラフィー質量分析計)、AC3(理研計器社製)、高性能UV/Vis/NIR分光光度計(PerkinElmer社製Lambda950)、蛍光分光光度計(ホリバ社製フルオロMax-4)、フォトニックマルチチャネルアナライザー(浜松ホトニクス社製PMA-12 C10027-01)、絶対PL量子収率測定システム(浜松ホトニクス社製C11347)、自動電流電圧輝度測定システム(システム技研社製ETS-170)、寿命測定システム(システム技研社製EAS-26C)およびストリークカメラ(浜松ホトニクス社製モデルC4334)を用いて評価された。
【0302】
実施例1:
例示する有機エレクトロルミネッセンスデバイスについて、その特徴に関する原理を以下のとおり示す。
【0303】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスでは、陽極および陰極から発光材料へキャリアを注入して発光材料において励起状態を形成させ、それにより光を放射させる。キャリア注入型有機エレクトロルミネッセンスデバイスの場合、通常では、励起一重項状態へと励起される励起子は、発生した全励起子の25%であり、その残りの75%は、励起三重項状態へと励起される。従って、励起三重項状態からの光放射である燐光を利用することで、高いエネルギー利用が可能となる。しかしながら、励起三重項状態は寿命が長く、従って、励起状態の飽和と、励起三重項状態における励起子との相互動作を通じたエネルギー不活性化を生じさせ、それにより、燐光の量子収量は通常、高くない場合が多い。遅延蛍光材料が蛍光を発するメカニズムでは、励起子のエネルギーが項間交差等を通じて励起三重項状態に遷移し、次に三重項-三重項消滅または熱エネルギーの吸収に起因する逆項間交差を通じて励起一重項状態に遷移することによって、蛍光を発する。材料の中でも、特に熱活性化タイプの、熱エネルギーの吸収を通して光を放射する遅延蛍光材料が、有機エレクトロルミネッセンスデバイスに有用であると考えられる。遅延蛍光材料が有機エレクトロルミネッセンスデバイスで用いられる場合には、励起一重項状態の励起子は通常、蛍光を発する。一方で、励起三重項状態の励起子は、デバイスで発生する熱を吸収することによって、励起一重項状態への逆項間交差を通じて蛍光を発する。このとき、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を通じて放射される光は、励起一重項状態からの光放射であるため、蛍光と同じ波長であるが、通常の蛍光および燐光よりも長い寿命(光放射寿命)であり、ゆえにその光は、通常の蛍光および燐光よりも遅延した蛍光として観察される。前記の光は、遅延蛍光と定義されうる。熱活性化型の励起子の遷移メカニズムの使用により、励起一重項状態の化合物の比率を、通常わずか25%の比率で形成されているものから、キャリア注入後の熱エネルギー吸収を通じて25%以上まで上昇させることが可能となる。100℃未満の低温で強い蛍光と遅延蛍光とを放射する化合物は、デバイスの熱により十分に、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を生じ、それにより遅延蛍光を放射するため、前記化合物の使用は、光放射効率を大幅に強化することができる。
【0304】
実施例2:
本発明の化合物は、当業者に公知のいかなる方法によっても合成できる。化合物は、一般に入手可能な出発原料から合成されうる。様々な部分は、直線的または分枝的な合成経路を経て構築できる。
【0305】
化合物1
【化111】
NMP(30mL)中のK
2CO
3(2.26g、16.36mmol)および9H-カルバゾール(1.83g、10.95mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物A(1.0g、2.18mmol)を加えた。この混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物をH
2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、トルエン/MeOHから再結晶させて、化合物1(2.00g、1.91mmol)を88%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl
3, δ):8.53(d, J=8.5 Hz, 4H), 7.97(d, J=8.5 Hz, 2H), 7.74(d, J=7.5 Hz, 4H), 7.66-7.64(m, 4H), 7.53-7.43(m, 6H), 7.38(d, J=8.0 Hz, 4H), 7.06-7.02(m, 8H), 6.97-6.94(m, 12H), 6.84(d, J=8.5 Hz, 2H)
MS(ASAP):1046.7(M+). Calcd for C
74H
46N
8:1046.4
【化112】
【0306】
化合物2
NMP(30mL)中のK2CO3(2.71g、19.6mmol)および9H-カルバゾール(2.19g、13.0mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物B(1.20g、2.61mmol)を加えた。この混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物をH2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:CHCl3=7:3)によって精製して、化合物2(2.49g、2.37mmol)を90%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3, δ):8.23(d, J=7.5 Hz, 4H), 8.16-8.13(m, 2H), 7.74(t, J=7.5 Hz, 4H), 7.61-7.39(m, 14H), 7.13(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.06-6.90(m, 16H), 6.86(t, J=7.5 Hz, 2H), 6.78(d, J=7.5 Hz, 1H), 6.71(t, J=7.5 Hz, 1H)
MS(ASAP):1046.5(M+). Calcd for C74H46N8:1046.4
【0307】
化合物3
NMP(10mL)中のK
2CO
3(0.67g、4.90mmol)および3,6-ジメチルカルバゾール(0.64g、3.27mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物B(0.3g、0.65mmol)を加えた。この混合物を130℃で16時間攪拌した。反応混合物をH
2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:CHCl3=2:1)によって精製して、化合物3(0.48g、0.41mmol)を63%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl
3, δ):8.35(dd, J=8.0, 1.0 Hz, 4H), 8.05(dt, J=8.0, 1.0 Hz, 1H), 7.95(t, J=8.0 Hz, 1H), 7.56-7.44(m, 10H), 7.35-7.22(m, 8H), 7.00(d, J=8.0 Hz, 2H), 6.87(d, J=8.0 Hz, 2H), 6.80-6.70(m, 8H), 6.65(t, J=7.5 Hz, 1H), 6.58(d, J=7.5 Hz, 1H), 2.35-2.33(s, 12H), 2.27(s, 6H), 2.05(s, 6H)
MS(ASAP):1158.5(M+). Calcd for C
82H
62N
8:1158.5
【化113】
【0308】
化合物4
NMP(15mL)中のK2CO3(0.90g、6.54mmol)および9H-カルバゾール(0.73g、4.36mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物C(0.40g、0.87mmol)を加えた。この混合物を160℃で50時間攪拌した。反応混合物をH2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:トルエン=2:1)によって精製して、化合物4(0.50g、0.48mmol)を55%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3, δ):8.74(dd, J=7.5, 1.0 Hz, 2H), 8.15(dd, J=7.5, 1.0 Hz, 2H), 7.69-7.62(m, 8H), 7.52-7.49(m, 3H), 7.43-7.31(m, 8H), 7.10-6.81(m, 16H), 6.78(t, J=7.5 Hz, 1H), 6.72(t, J=7.5 Hz, 2H), 6.52(t, J=7.5 Hz, 2H), 6.35(t, J=7.5 Hz, 2H)
MS(ASAP):1046.3(M+). Calcd for C74H46N8:1046.4
【0309】
化合物5
NMP(15mL)中のK2CO3(0.79g、5.72mmol)および3,6-ジメチルカルバゾール(0.74g、3.81mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物C(0.35g、0.76mmol)を加えた。この混合物を190℃で27時間攪拌した。反応混合物をH2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:トルエン=1:1)によって精製して、化合物5(0.42g、0.36mmol)を47%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3, δ):8.72(d, J=7.5 Hz, 2H), 8.24(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.64-7.41(m, 13H), 7.20-7.10(m, 6H), 7.00-6.88(m, 5H), 6.70-6.63(m, 6H), 6.51(d, J=7.5 Hz, 2H), 6.18(d, J=7.5 Hz, 2H), 2.33(s, 6H), 2.28(s, 12H), 1.83(s, 6H)
MS(ASAP):1158.2(M+). Calcd for C82H62N8:1158.5
【0310】
化合物6
【化114】
NMP(20mL)中のK
2CO
3(1.70g, 12.3mmol)および9H-カルバゾール(1.37g、8.20mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物D(0.75g、1.64mmol)を加えた。この混合物を100℃で66時間攪拌した。反応混合物をH
2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:CHCl3=2:1)によって精製して、化合物6(1.52g、1.45mmol)を88%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl
3, δ):8.48-8.46(m, 2H), 8.09-8.06(m, 2H), 7.75(d, J=7.5 Hz, 4H), 7.67-7.65(m, 4H), 7.53-7.39(m, 13H), 7.06-6.94(m, 20H), 6.79(d, J=8.5 Hz, 2H)
MS(ASAP):1045.5(M+). Calcd for C
75H
47N
7:1045.4
【0311】
化合物7
【化115】
NMP(15mL)中のK
2CO
3(1.13g、8.19mmol)および9H-カルバゾール(0.91g、5.46mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物E(0.50g、1.09mmol)を加えた。この混合物を100℃で96時間攪拌した。反応混合物をH
2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:トルエン=2:1)によって精製して、化合物7(1.11g、1.06mmol)を97%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl
3, δ):8.38-8.36(m, 2H), 7.81-7.79(m, 3H), 7.76(d, J=7.5 Hz, 4H), 7.60-7.58(m, 4H), 7.51-7.40(m, 11H), 7.10-6.89(m, 20H), 6.70-6.65(m, 3H)
MS(ASAP):1045.2(M+). Calcd for C
75H
47N
7:1045.4
【0312】
化合物8
【化116】
NMP(10mL)中のK
2CO
3(1.08g、7.87mmol)および9H-カルバゾール(0.87g、5.25mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン(0.31g、1.05mmol)を加えた。この混合物を100℃で37時間攪拌した。反応混合物をH
2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄して、化合物8(0.60g、0.67mmol)を64%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl
3, δ):7.75(d, J=8.0 Hz, 4H), 7.66(d, J=8.0 Hz, 4H), 7.41(d, J=8.0 Hz, 4H), 7.04(dt, J=8.0, 1.0 Hz, 4H), 7.00-6.91(m, 16H), 6.70(d, J=8.5 Hz, 2H), 6.61(d, J=8.5 Hz, 2H)
MS(ASAP):883.3(M+). Calcd for C
60H
36F
3N
5:883.3
【0313】
化合物11
【化117】
NMP(20mL)中のK
2CO
3(4.12g、29.7mmol)および9H-カルバゾール(3.32g、19.8mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物G(1.00g、3.97mmol)を加えた。この混合物を120℃で24時間攪拌した。反応混合物をH2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:CHCl3=1:1)によって精製して、化合物
11(2.99g、3.55mmol)を89.5%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl
3, δ):7.75(d, J=8.0 Hz, 4H), 7.67(d, J=8.0 Hz, 4H), 7.40(d,J=8.0 Hz, 4H), 7.06(t, J=8.0 Hz, 4H), 7.01-6.89(m, 16H), 6.75(d, J=8.0 Hz, 2H),6.61(d, J=8.0 Hz, 2H)
MS(ASAP):840.4(M+). Calcd for C
60H
36N
6:840.3
【0314】
化合物9
【化118】
NMP(20mL)中のK
2CO
3(1.64g、11.8mmol)および9H-カルバゾール(1.32g、7.93mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物H(0.40g、1.58mmol)を加えた。この混合物を100℃で96時間攪拌した。反応混合物をH2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:CHCl3=1:1)によって精製して、化合物
9(0.48g、0.57mmol)を36%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl
3, δ):7.77(d, J=7.5 Hz, 4H), 7.68(d, J=7.5 Hz, 4H), 7.46-7.40(m, 4H), 7.06(t, J=7.5 Hz, 4H), 7.13-6.84(m, 17H), 6.71-6.67(m, 2H), 6.56(t, J=7.5 Hz, 1H)
MS(ASAP):840.3(M+). Calcd for C
60H
36N
6:840.3
【0315】
化合物10
【化119】
NMP(30mL)中のK
2CO
3(2.46g、17.8mmol)および9H-カルバゾール(1.99g、11.9mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物I(0.60g、2.38mmol)を加えた。この混合物を100℃で24時間攪拌した。反応混合物をH2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:トルエン=1:2)によって精製して、化合物
10(1.80g、2.14mmol)を90%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl
3, δ):7.77-7.70(m, 4H), 7.68-7.65(m, 2H), 7.63-7.56(m, 4H),7.28-7.22(m, 4H), 7.10-6.98(m, 12H), 6.95-6.74(m, 10H)
MS(ASAP):840.1(M+). Calcd for C
60H
36N
6:840.3
【化120】
【0316】
化合物12
NMP(15mL)中のK2CO3(1.49g、10.81mmol)および9H-カルバゾール(1.21g、7.21mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物J(0.45g、0.98mmol)を加えた。この混合物を130℃で75時間攪拌した。反応混合物をH2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、CHCl3/MeOHから再結晶させて、化合物12(0.748g、0.714mmol)を72.8%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3, δ):8.53(d, J=7.5 Hz, 4H), 8.03(d, J=7.5 Hz, 2H), 8.01(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.72(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.61(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.53-7.50(m, 2H), 7.48-7.44(m, 8H), 7.39(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.32(dt, J=7.5, 1.0 Hz, 2H), 7.22(t, J=7.5 Hz, 2H), 7.02-6.99(m, 4H), 6.94-6.88(m, 10H), 6.80(t, J=7.5 Hz, 2H), 6.63(t, J=7.5 Hz, 2H)
MS(ASAP):1046.6(M+). Calcd for C74H46N8:1046.4
【0317】
化合物13
NMP(10mL)中のK2CO3(0.90g、6.54mmol)および3,6-ジメチル-カルバゾール(0.85g、4.36mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した後、化合物J(0.40g、0.87mmol)を加えた。この混合物を130℃で19時間攪拌した。反応混合物をH2Oでクエンチした。沈殿した生成物を濾別し、MeOHで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:トルエン=1:1)によって精製して、化合物13(0.42g、0.36mmol)を41.6%収率で白色粉末として得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3, δ):8.57(dd, J=7.5, 1.5 Hz, 4H), 8.01(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.75(s, 2H), 7.55-7.46(m, 8H), 7.36(s, 2H), 7.29-7.25(m, 4H), 7.16(s, 2H), 7.05(dd, J=7.5, 1.5 Hz, 2H), 6.88(d, J=7.5 Hz, 2H), 6.81(d, J=7.5 Hz, 2H), 6.79(d, J=7.5 Hz, 2H), 6.71(dd, J=7.5, 1.5 Hz, 2H), 6.66(dd, J=7.5, 1.5 Hz, 2H), 6.45(dd, J=7.5, 1.5 Hz, 2H), 2.43(s, 6H), 2.31(s, 6H), 2.26(s, 6H), 2.21(s, 6H)
MS(ASAP):1158.9(M+). Calcd for C82H62N8:1158.5
【0318】
実施例3:
ニート膜の調製
本実施例では、実施例2で合成された化合物1を、真空度10-3Pa以下の条件下で、真空蒸着法によって石英基材上に蒸着させ、70nmの厚さを有する薄膜を形成した。
【0319】
ドープ膜の調製
また、別の蒸着源から化合物1およびホストを、真空度10-3Pa以下の条件下で、真空蒸着法によって石英基材上に蒸着させ、化合物1の濃度が20重量%で、100nmの厚さを有する薄膜を形成した。
【0320】
光学特性の評価
サンプルに300Kで300nmの波長を有する光を照射することにより、発光スペクトルを測定し、この発光スペクトルは蛍光として帰属された。77Kのスペクトルも測定し、燐光として帰属された。蛍光および燐光(phsphorescence)スペクトルの発光から、それぞれ最低一重項エネルギー(S1)および最低三重項エネルギー(T1)を推定した。S1とT1のエネルギーギャップからΔESTを算出した。300nmの励起光によりPLQYも測定した。ストリークカメラを用いて337nmの励起光により時間分解スペクトルを得、短い発光寿命を有する成分は蛍光として帰属し、長い発光寿命を有する成分は遅延蛍光として帰属した。蛍光成分(τprompt)および遅延蛍光成分(τdelay)の寿命は減衰曲線から算出した。
【0321】
OLEDの調製および測定
50nmの厚さを有するインジウム錫酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基材上に、真空度1.0X1.0-4Pa以下での真空蒸着法により、薄膜を積層した。まず、ITO上にHAT-CNを60nmの厚さで形成し、その上にTrisPCzを30nmの厚さで形成した。mCBPを5nmの厚さで形成し、続いて、その上に化合物1およびホストを別の蒸着源から共蒸着して30nmの厚さを有する層を形成し、この層を発光層とした。この時、化合物1の濃度は30重量%であった。次いで、SF3-TRZを5nmの厚さで形成し、その上に、SF3-TRZおよびLiqを30nmの厚さに共蒸着した。次に、Liqを2nmの厚さに真空蒸着し、次いで、アルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着して陰極を形成し、それにより、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを作製し、その光電気特性を測定した。
【0322】
化合物1の代わりに、実施例2で合成した化合物2~11を用いた同様の評価結果も測定している。
【表4】
【表5】
【表6】
*1:ITO(50)/HAT-CN(60)/TrisPCz(30)/ホスト(5)/EML(30)/SF3-TRZ(10)/SF3TRZ:Liq=7:3(30)/Liq(2)/Al(100)
*2:ITO(50)/HAT-CN(60)/TrisPCz(30)/ホスト(5)/ホスト:化合物x:TBPe=69.5:30:0.5(30)/SF3-TRZ(10)/SF3TRZ:Liq=7:3(30)/Liq(2)/Al(100)
*3:ITO(50)/HAT-CN(10)/α-NPD(15)/TrisPCz(15)/ホスト(5)/ホスト:化合物x:TBPe=69.5:30:0.5(30)/SF3-TRZ(10)/TRZ-1DPBF:Liq=7:3(30)/Liq(2)/Al(100)
*4:ITO(50)/HAT-CN(10)/α-NPD(15)/TrisPCz(15)/ホスト(5)/ホスト:化合物x:TBPe=69.5:30:0.5(30)/mTRZ-1DPDF(10)/TRZ-1DPBF:Liq=7:3(30)/Liq(2)/Al(100)
*5:ITO(50)/HAT-CN(10)/α-NPD(15)/TrisPCz(15)/ホスト(5)/ホスト:化合物x:TBPe=69.5:30:0.5(30)/TRZ-4DPBT(10)/TRZ-1DPBF:Liq=7:3(30)/Liq(2)/Al(100)
【化121】
【符号の説明】
【0323】
1 基材
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 陰極