(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス
(51)【国際特許分類】
E06B 3/66 20060101AFI20221006BHJP
E06B 9/24 20060101ALI20221006BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
E06B3/66 E
E06B9/24 C
G02F1/13 505
(21)【出願番号】P 2021535758
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2019125529
(87)【国際公開番号】W WO2020125568
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】201811570922.0
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519344730
【氏名又は名称】杭州奇塑科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Qisu Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 602, Unit 1, Building 3, South Area of Shuimuqinghuayuan, Xianlin Sub-district, Yuhang District, Hangzhou, Zhejiang 311122 China
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】夏 楠
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-186905(JP,A)
【文献】特開昭55-059291(JP,A)
【文献】特開2006-031941(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0370130(US,A1)
【文献】特開2018-074314(JP,A)
【文献】特開2015-206860(JP,A)
【文献】特開昭61-093503(JP,A)
【文献】特開2010-101989(JP,A)
【文献】特開2015-141742(JP,A)
【文献】特開2000-199382(JP,A)
【文献】特開2000-230373(JP,A)
【文献】特開2013-156635(JP,A)
【文献】特開2018-063399(JP,A)
【文献】特表2009-516926(JP,A)
【文献】特開2003-330386(JP,A)
【文献】特開平11-242451(JP,A)
【文献】特開2016-020959(JP,A)
【文献】米国特許第4673609(US,A)
【文献】米国特許第4447995(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/54-3/88
E06B 5/00-7/36
E06B 9/24-9/388
G02F 1/00-1/39
G09F 9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラスであって、光透過率を電気的に制御し調整できる調光ガラスと、発光を電気的に制御できる発光ガラスと、を含む二重ガラスを備え、前記発光ガラスは、透明ガラスであり、前記調光ガラス及び前記発光ガラスがパルスコントローラのパルス信号によって制御され、前記発光ガラスが発光時に前記調光ガラスは光を透過せず、前記調光ガラスが光を透過した時に前記発光ガラスは発光しないことを特徴とする、
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【請求項2】
前記パルスコントローラは、電源に接続され、0と1の2つの状態があり、通電信号が1、非通電信号が0であることを特徴とする、
請求項1に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【請求項3】
前記発光ガラスは、自発光構造であり、OLED自発光透明スクリーン又はドットマトリックスLED光源付きの透明ガラスであることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【請求項4】
前記発光ガラスは、パッシブプロジェクション発光構造であり、透明度を電気的に制御し調整できる曇りガラスであり、前記曇りガラスの外側に前記曇りガラスに面する投影装置が設けられ、前記調光ガラス、前記曇りガラス、前記投影装置が前記パルスコントローラのパルス信号によって制御され、前記曇りガラスが曇り不透明で、かつ前記投影装置がオンになって前記曇りガラスに投影した時に前記調光ガラスは光を透過せず、前記調光ガラスが光を透過した時に前記曇りガラスは透明であり、前記投影装置がオフになって投影を停止することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【請求項5】
前記発光ガラスは、パッシブプロジェクション発光構造であり、表面にドットマトリックス反射シートを設けた反射ガラスであり、隣り合う反射シートの間が透明隙間であり、前記反射ガラスの外側に前記反射ガラスに面する投影装置が設けられ、前記投影装置及び前記発光ガラスは前記パルスコントローラのパルス信号によって制御され、前記投影装置がオンになった時に前記調光ガラスは光を透過せず、前記調光ガラスが光を透過した時に前記投影装置がオフになることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【請求項6】
前記発光ガラス表面に占める前記ドットマトリックス反射シートの面積割合は、5~50%の範囲であることを特徴とする、
請求項5に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【請求項7】
前記パルスコントローラのパルス信号周波数は、24Hz以上であり、各パルス信号周期における前記発光ガラスの発光時間のデューティサイクルは0.1以上であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【請求項8】
前記調光ガラスの一側に室内光源が設けられ、前記室内光源は前記パルスコントローラのパルス信号によって制御され、前記室内光源が発光した時に前記調光ガラスは光を透過せず、前記調光ガラスが光を透過した時に前記室内光源は発光しないことを特徴とする、
請求項1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【請求項9】
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラスであって、単層ガラスを備え、前記単層ガラスにドットマトリックス発光体が均一に配置され、前記ドットマトリックス発光体の室内に面する側に遮光層が設けられ、隣り合うドットマトリックス光源の間が透明隙間であ
り、
前記ドットマトリックス発光体は、パッシブプロジェクション発光のドットマトリックス反射シートであり、前記遮光層が前記ドットマトリックス反射シートの室内に面する一側に前記単層ガラスを完全に覆う偏光フィルムであり、前記単層ガラスの外側に前記単層ガラスに面する偏光投影装置が設けられ、前記偏光投影装置は前記偏光フィルムに吸収され得る単一の偏光方向の偏光を前記単層ガラスに投射することを特徴とする、
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス分野に属し、一方向ガラスに関し、特に、人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
生活の質の向上に伴い、プライバシーに対する人々の要求は益々高まってきている。人々が生活している室内空間は、窓から光が入り、窓から光を透過すると同時に、室内空間を室外空間の視線内に晒してしまっていた。視線を遮断する在来の方法は、カーテンによって遮断され、光透過しようとする時にはカーテンを開き、プライバシーが必要な時にはカーテンを閉じていた。科学技術の発展に伴い、人々は、ガラスを直接制御することで、透明度又は光透過性を調整できる。
【0003】
透明度を調整できるガラスは、例えば特許文献1(「複合式電気制御液晶調光ガラス及び製造方法」と題し、2013年12月11日に公開)では、電気制御型曇りガラスを開示し、電気の導通又は遮断の制御を通じて、ガラスの透明度を調整することで、透明状態と白濁状態との切り替えを実現できる。
【0004】
例えば日常的に使用されているスマートフォンのスクリーン、コンピュータモニタのLCD液晶スクリーン、電子インクの白黒切り替え等の光透過性を調整できるガラスは、電気制御状態における光透過性を調整することで、ガラスの光線透過と非光透過状態との切り替えを実現できる。
【0005】
ただし、上記の2つの調整可能なガラスの調整は、均しく双方向調整であり、透明状態になると両側から見え、遮断時に両側から見えなくなる。
【0006】
例えば特許文献2(2017年4月20日に国際公開されるWO2017/065693号)などの室内光源の組み合わせを利用して一方向透視性を実現する方法もある。特許文献2は、室内にLED光源を設置し、切り替え可能な窓が光透過性を切り替えることができるガラスであり、LED光源と切り替え可能な窓はパルス信号を利用して同時に導通又は遮断され、LED光源が点灯した時に窓は非光透過状態になり、LED光源が消灯した時に窓が光透過状態になり、室内は窓の光透過状態下で室外の様子を見ることができ、室外が窓の光透過状態下で室内が暗いため、室内の様子を見ることができないことで、一方向透視性を実現する。当該技術的手段は、室内外が暗い状態にのみ良好な一方向の視認効果を有し、室内に他の光源がある場合、切り替え可能な窓が透明な場合、室外も室内も見える。室外が昼間又は光源がある時、切り替え可能な窓が透明な場合、外光が室内に当たって一定の明るさになり、同様に室外も室内も見えるようになる。このため、当該技術的手段の運用場面が非常に限られ、切り替え可能な窓の両側が暗く、かつ窓と同期して調整するLED光源が照明した時に一方向透視性を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許出願公開第102385187号明細書
【文献】国際公開第2017/065693号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、現在の電気制御を利用した調整可能なガラスが、双方向調整で、室内のLED光源と組み合わせる一方向ガラスの制限性が大きいという課題を解決するため、人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、その技術的課題を解決するために以下のような技術的手段を講じた。
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラスであって、光透過率を電気的に制御し調整できる調光ガラスと、発光を電気的に制御できる発光ガラスと、を含む二重ガラスを備え、前記発光ガラスは透明ガラスであり、前記調光ガラス及び発光ガラスがパルスコントローラのパルス信号によって制御され、発光ガラスが発光時に調光ガラスは光を透過せず、調光ガラスが光を透過した時に発光ガラスが発光しないことを特徴とする。調光ガラスが室内に面し、発光ガラスが室外に面することを例にとると、発光ガラスが発光した時、室外の人々の目は発光ガラスからの光を受け取り、発光ガラスの発光停止後の一定の時間内で、視覚残像の効果により、室外の人々は依然発光ガラスが発光していると感じ、かつ室内の物体が発する又は反射する明るさが発光ガラスよりも低い光に敏感でないため、室外の人々は室内の様子を観察できず、パルスコントローラの電気信号周波数が人間の目の視覚残像の閾値に達すると、室外の人々の目に連続的な発光信号を形成できるため、室外の人々は室内の様子を見ることができなくなり、発光ガラスが発光した時、調光ガラスが光を透過せず、室内の人々は発光ガラスの光を見えないため、逆に調光ガラスが光を透過し、発光ガラスが発光しない時に室外の様子を正常に観察でき、室内から室外への一方向透視性を実現する。かつ、また、室内で点灯し、発光ガラスよりも明るさが明るく、室内の他の物体が拡散反射光で照らされているため、反射輝度が発光ガラスの明るさを超えず、室外の人々は室内の電灯しか見えず、室内の他の物体を観察できない。この装置は、昼夜を問わず、室内から室外への一方向透視性を実現でき、室内と室外の光照射条件の影響を受けず、部屋に複数の採光光源を形成するための複数の窓を設けている場合でも、本実施形態の一方向ガラスを設置する方向は一方向透視効果を奏することができる。この装置は、着用可能なロボットヘルメットの眼部にも使用できるため、ロボットヘルメットの眼部に発光効果を持たせ、外側から内側に見えず、着用者の視線に影響を与えない。調光ガラスの非光透過時間は、各パルス周期における発光ガラスの発光時間より長くでき、調光ガラスの非光透過時間が発光ガラスの発光時間を完全にカバーすることを確保する。本出願において、発光ガラス及び調光ガラスは機能上の層状分離であり、発光部材及び調光部材の載置体であり、実際に使用する時に発光ガラスと調光ガラスを1枚のガラスとして複合することができ、別々に2枚のガラスにすることもできる。これは、本出願の等価代替手段に属すべきである。ガラスはその光透過効果を利用し、ガラスを他の光透過載置体と置換して、同じ光透過効果を生み出す場合も等価代替手段に属すべきである。
【0010】
好ましくは、前記パルスコントローラは、電源に接続され、0と1の2つの状態があり、通電信号が1、非通電信号が0である。本実施形態において、パルスコントローラの制御信号は、オンとオフのみであり、各パルス周期内には通電状態と非通電状態の期間が含まれ、発光ガラスは発光状態と非発光状態を切り替えるように制御され、調光ガラスが光透過状態と非光透過状態を切り替えるように制御される。好ましくは、前記パルスコントローラは、調光ガラスと発光ガラスの電気信号を同期的に制御し、調光ガラスは通電時に光を透過せず非通電時に光を透過し、発光ガラスは通電時に発光し非通電時に発光しない。さらに好ましくは、前記パルスコントローラは、調光ガラスと発光ガラスの電気信号を非同期に制御し、調光ガラスは通電時に光を透過し非通電時に光を透過せず、発光ガラスは通電時に発光し非通電時に発光しない。
【0011】
好ましくは、前記発光ガラスは、自発光構造であり、OLED自発光透明スクリーン又はドットマトリックスLED光源付きの透明ガラスである。ドットマトリックスLED光源の隙間は、外部からの自然光を透過し、ガラスの透明効果を形成するために用いられる。ドットマトリックスLED光源は、発光粒子径がミクロンサイズのMiniLED、MicroLEDであり得、透明ガラスの光透過率に対する光源の影響を低減させる。
【0012】
さらに好ましくは、前記発光ガラスは、パッシブプロジェクション発光構造であり、透明度を電気的に制御し調整できる曇りガラスであり、曇りガラスの外側に曇りガラスに面する投影装置が設けられ、前記調光ガラス、曇りガラス、投影装置がパルスコントローラのパルス信号によって制御され、曇りガラスが曇り不透明で、かつ投影装置がオンになって曇りガラスに投影した時に調光ガラスは光を透過せず、調光ガラスが光を透過した時に曇りガラスは透明であり、投影装置がオフになって投影を停止する。曇りガラスは、電気制御を通じて透明度を調整することで、透明状態と白濁状態の切り替えを実現でき、曇りガラスの透明度調整過程で光透過状態になり、すなわち透き通る状態は光透過かつ透明で、白濁状態は光透過かつ不透明である。視覚残像の効果により、曇りガラスが曇る時、すりガラスの効果と同等になり、投影装置のスクリーンとして使用でき、投影装置による投影イメージが曇りガラスに投影され、室外の人々の目は投影のハイライトイメージを受け取り、投影が停止した一定の時間内において、視覚残像の効果により、室外の人々は、依然投影イメージが残り、かつ室内の物体が発する又は反射する明るさが発光ガラスよりも低い光に敏感でないため、室外の人々は室内の様子を観察できず、パルスコントローラの電気信号周波数が人間の目の視覚残像の閾値に達すると、室外の人々の目に連続的な投影信号を形成できるため、室外の人々は室内の様子を見ることができなくなり、曇りガラスの曇りと投影時に、調光ガラスは光を透過せず、室内の人々は投影のイメージが見えないため、逆に調光ガラスが光を透過し、曇りガラスが透明になり、投影が停止した時に室内から室外の様子を正常に観察でき、室内から室外への一方向透視性を実現する。かつ、また、室内で点灯し、投影よりも明るさが高く、室内の他の物体が拡散反射光で照らされているため、反射輝度が投影の明るさを超えず、室外の人々は室内の電灯しか見えず、室内の他の物体を観察できない。この装置は、昼夜を問わず、室内から室外への一方向透視性を実現でき、室内と室外の光照射条件の影響を受けず、部屋に複数の採光光源を形成するための複数の窓を設けている場合でも、本実施形態の一方向ガラスを設置する方向は一方向透視効果を奏することができる。この装置は、一方向透視性を有するプライバシーガラスであるだけではなく、室外に面する広告投影スクリーンとして使用することもできる。
【0013】
さらに好ましくは、前記発光ガラスは、パッシブプロジェクション発光構造であり、表面にドットマトリックス反射シートを設けた反射ガラスであり、隣り合う反射シートの間が透明隙間であり、前記反射ガラスの外側に反射ガラスに面する投影装置が設けられ、前記投影装置及び発光ガラスはパルスコントローラのパルス信号によって制御され、投影装置がオンになった時に調光ガラスは光を透過せず、調光ガラスが光を透過した時に投影装置がオフになる。ドットマトリックス反射シートを設けた反射ガラスを用いると、光透過状態下の光透過量が減少するが、反射ガラスの制御モジュールが少なくなり、制御コスト及びエネルギー消費のコストが削減され、反射ガラスのコストもより低くなる。
【0014】
好ましくは、発光ガラス表面に占める前記ドットマトリックス反射シートの面積割合は、5~50%の範囲である。
【0015】
好ましくは、パルスコントローラのパルス信号周波数は、24Hz以上であり、各パルス信号周期における発光ガラスの発光時間のデューティサイクルは0.1以上である。
【0016】
好ましくは、前記調光ガラスの一側に室内光源が設けられ、室内光源はパルスコントローラのパルス信号によって制御され、室内光源が発光した時に調光ガラスは光を透過せず、調光ガラスが光を透過した時に室内光源は発光しない。室内光源は、常に調光ガラスが非光透過状態になった時に発光し、室外から室内光源を見えず、特に投影の技術的手段において、室内光源が投影画像に干渉することはない。室内光源は、発光ガラスと同期して制御できるため、パルス回路の複雑さが軽減する。
【0017】
本発明は、その技術的課題を解決するために別の技術的手段を講じた。
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラスであって、単層ガラスを備え、単層ガラスにドットマトリックス発光体が均一に配置され、ドットマトリックス発光体の室内に面する側に遮光層が設けられ、隣り合うドットマトリックス光源の間が透明隙間である。ドットマトリックス光源は、一方向に照らし、室外の人々に見え、室内が暗い場合、室外の人々が室内には見えず、室内の人々がドットマトリックス光源の影響を受けず、室外の物品を見ることができる。この装置は、パルス調整が不要で、使用コストがより低くなる。
【0018】
好ましくは、前記ドットマトリックス発光体は、自発光ドットマトリックスLED光源であり、前記遮光層がドットマトリックスLED光源の室内に面する側に塗布された黒色の遮光コーティングであり、遮光コーティングはドットマトリックスLED光源に対応してドットマトリックス分布を呈する。
【0019】
さらに好ましくは、前記ドットマトリックス発光体は、単層ガラスの内側表面に貼設されたパッシブプロジェクション発光のドットマトリックス反射シートであり、前記遮光層がドットマトリックス反射シートの室内に面する側に塗布された黒色の遮光コーティングであり、遮光コーティングはドットマトリックス反射シートに対応してドットマトリックス分布を呈し、単層ガラスの円周方向の側面に側面光源が設けられ、側面光源は円周方向から単層ガラスを照らし、側面光源の光が単層ガラスの内外表面で全反射し、かつ側面光源の光がドットマトリックス反射シートで拡散反射する。側面光源は、光の方向の調整を通じて単層ガラスの周辺側から入射し、単層ガラスの前後側面で全反射する光を形成し、全反射光が反射シートを照らした時に拡散反射され、外向きに照らす発光効果を生み出す。本実施形態のコストは、低くなる。
【0020】
好ましくは、前記側面光源と単層ガラスの周側壁との間に導光筒が設けられ、導光筒の内壁は遮光コーティングであり、入射角が大き過ぎる側面光源の光を吸収し、一方向ガラスの内外側面で全反射する光を実現する。さらに好ましくは、又は前記側面光源と単層ガラスの周側壁との間に光の方向を収束するためのレンズが設けられる。
【0021】
さらに好ましくは、前記ドットマトリックス発光体は、パッシブプロジェクション発光のドットマトリックス反射シートであり、前記遮光層がドットマトリックス反射シートの室内に面する一側に単層ガラスを完全に覆う偏光フィルムであり、前記単層ガラスの外側に単層ガラスに面する偏光投影装置が設けられ、前記偏光投影装置は偏光フィルムに吸収され得る単一の偏光方向の偏光を単層ガラスに投射する。本実施形態において、偏光投影装置は、単一の偏光方向の偏光を投射し、偏光が反射シートで拡散反射し、反射シートの隙間の偏光フィルムの表面に照らされた光は完全に吸収され、室内の人々は投影装置の光を見ることができる。自然光の場合、偏光方向はバランスが取れ、室外の光が偏光フィルムによって半分吸収された後、室内の人々に見え、室内の光が偏光フィルムに半分吸収された後、明るさは偏光投影装置が反射シート箇所で形成された拡散反射光の反射光の明るさよりもはるかに小さくなり、人間の目が視覚残像の効果により、反射シート箇所の投影に見え、室内光に対する感度は遮蔽されて、目に見えない効果を形成する。本実施形態の偏光投影装置は、パルス制御なしで常時点灯させることができ、投影の明るさを大幅に改善することができる。
【0022】
好ましくは、単層ガラス表面に占める前記ドットマトリックス発光体の面積割合は、30~60%の範囲である。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、視覚残像の効果を利用し、一方向ガラスが外部に見え、内部には見えない発光構造を用いることで、室外の人々が視覚残像の効果の下で室内には見えず、室内から室外へと一方向に見えるようにさせることができる。
【0024】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る調光ガラスの非光透過状態を示す概略図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る調光ガラスの光透過状態を示す概略図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るパルス信号を示す概略図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る調光ガラスの非光透過状態を示す概略図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る調光ガラスの光透過状態を示す概略図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係るパルス信号を示す概略図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態に係る調光ガラスの非光透過状態を示す概略図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る調光ガラスの光透過状態を示す概略図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態に係るパルス信号を示す概略図である。
【
図10】本発明の第4の実施形態に係る概略構成図である。
【
図11】本発明の第5の実施形態に係る概略構成図である。
【
図12】本発明の第6の実施形態に係る概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、具体的実施例を通じて添付の図面を参照しつつ本発明をさらに説明する。
【0027】
(実施例1)
図1、
図2は、人間の目の視覚残像を利用した自発光一方向透視性二重ガラスを示している。この装置は、光透過率を電気的に制御し調整できる調光ガラス2と、発光を電気的に制御でき、OLED自発光透明スクリーンである自発光ガラス1とを備える。調光ガラスは室内に面し、発光ガラスが室外に面する。調光ガラス及び発光ガラスがパルスコントローラのパルス信号によって制御され、
図3に示すように、パルスコントローラは、電源に接続され、0と1の2つの状態があり、通電信号が1、非通電信号が0である。パルスコントローラは、調光ガラスと発光ガラスの電気信号を同期的に制御し、調光ガラスは通電時に光を透過せず非通電時に光を透過し、発光ガラスは通電時に発光し非通電時に発光しない。パルスコントローラのパルス信号周波数は、50Hzであり、各パルス信号周期tにおける調光ガラスの非光透過時間t1のデューティサイクルが0.5である。
【0028】
図1、
図2に示すように、発光ガラスが発光した時、室外の人々の目が発光ガラスからの光を受け取り、発光ガラスの発光停止後の一定の時間内で、視覚残像の効果により、室外の人々は依然発光ガラスが発光していると感じ、かつ室内の物体が発する又は反射する明るさが発光ガラスよりも低い光に敏感でないため、室外の人々は室内の様子を観察できず、パルスコントローラの電気信号周波数が人間の目の視覚残像の閾値に達すると、室外の人々の目に連続的な発光信号を形成できるため、室外の人々は室内の様子を見ることができなくなり、発光ガラスが発光した時、調光ガラスが光を透過せず、室内の人々は発光ガラスの光を見えないため、逆に調光ガラスが光を透過し、発光ガラスが発光しない時に室外の様子を正常に観察でき、室内から室外への一方向透視性を実現する。かつ、また、室内で点灯し、発光ガラスよりも明るさが高く、室内の他の物体が拡散反射光で照らされているため、反射輝度が発光ガラスの明るさを超えず、室外の人々は室内の電灯しか見えず、室内の他の物体を観察できない。さらに、調光ガラスの一側に室内光源が設けられることができ、室内光源はパルスコントローラのパルス信号によって制御され、室内光源と発光ガラスが同じパルス信号によって同期的に制御され発光する。この装置は、昼夜を問わず、室内から室外への一方向透視性を実現でき、室内と室外の光照射条件の影響を受けず、部屋に複数の採光光源を形成するための複数の窓を設けている場合でも、本実施形態の一方向ガラスを設置する方向は一方向透視効果を奏することができる。
【0029】
(実施例2)
図4、
図5、
図6は、人間の目の視覚残像を利用した投射式一方向透視性二重ガラスを示している。この装置は、光透過率を電気的に制御し調整できる調光ガラス2と、透明度を電気的に制御し調整できる曇りガラス3と、を備え、調光ガラスが室内に面し、曇りガラスが室外に面し、曇りガラスの外側に曇りガラスに面する投影装置4が設けられる。曇りガラス3及び投影装置4は、パッシブプロジェクション発光の発光ガラス効果を奏する。調光ガラス、曇りガラス、投影装置がパルスコントローラのパルス信号によって制御され、
図6に示すように、パルスコントローラは、電源に接続され、0と1の2つの状態があり、通電信号が1、非通電信号が0である。
図6に示すように、パルスコントローラは、調光ガラスと投影装置の電気信号を同期的に制御し、曇りガラスの電気信号を非同期的に制御し、調光ガラスは通電時に光を透過せず非通電時に光を透過し、曇りガラスは通電時に透明で非通電時に不透明であり、投影装置は通電時に投影し非通電時に投影を停止し、通電時に、調光ガラスは光を透過せず、曇りガラスは曇り不透明で、曇りガラスが曇り不透明で、かつ投影装置がオンになって曇りガラスに投影し、非通電時に、調光ガラスは光を透過し、曇りガラスは透明であり、投影装置がオフになって投影を停止する。パルスコントローラのパルス信号周波数は、50Hzであり、各パルス信号周期tにおける調光ガラスの非光透過時間t1のデューティサイクルが0.5である。
【0030】
図4、
図5に示すように、視覚残像の効果により、曇りガラスが曇る時、すりガラスの効果と同等になり、投影装置のスクリーンとして使用でき、投影装置による投影イメージが曇りガラスに投影され、室外の人々の目は投影のハイライトイメージを受け取り、投影が停止した一定の時間内において、視覚残像の効果により、室外の人々は依然投影イメージが残り、かつ室内の物体が発する又は反射する明るさが発光ガラスよりも低い光に敏感でないため、室外の人々は室内の様子を観察できず、パルスコントローラの電気信号周波数が人間の目の視覚残像の閾値に達すると、室外の人々の目に連続的な投影信号を形成できるため、室外の人々は室内の様子を見ることができなくなり、曇りガラスの曇りと投影時に、調光ガラスは光を透過せず、室内の人々は投影のイメージが見えないため、逆に調光ガラスは光を透過し、曇りガラスが透明になり、投影が停止した時に室内が室外の様子を正常に観察でき、室内から室外への一方向透視性を実現する。かつ、また、室内で点灯し、投影よりも明るさが高く、室内の他の物体が拡散反射光で照らされているため、反射輝度が投影の明るさを超えず、室外の人々は室内の電灯しか見えず、室内の他の物体を観察できない。この装置は、昼夜を問わず、室内から室外への一方向透視性を実現でき、室内と室外の光照射条件の影響を受けず、部屋に複数の採光光源を形成するための複数の窓を設けている場合でも、本実施形態の一方向ガラスを設置する方向は一方向透視効果を奏することができる。この装置は、一方向透視性を有するプライバシーガラスであるだけではなく、室外に面する広告投影スクリーンとして使用することもできる。
【0031】
(実施例3)
図7、
図8、
図9は、人間の目の視覚残像を利用した投射式一方向透視性二重ガラスを示している。この装置は、光透過率を電気的に制御し調整できる調光ガラス2と、表面にドットマトリックス反射シート6を設けた反射ガラス5と、を備え、隣り合う反射シートの間が透明隙間であり、発光ガラス表面に占めるドットマトリックス反射シート6の面積割合が30%である。調光ガラス2が室内に面し、反射ガラス5が室外に面し、反射ガラスの外側に反射ガラスに面する投影装置4が設けられ、投影装置及び発光ガラスは、パルスコントローラのパルス信号によって制御され、
図9に示すように、パルスコントローラは電源に接続され、0と1の2つの状態があり、通電信号が1、非通電信号が0である。パルスコントローラは、調光ガラスと投影装置の電気信号を同期的に制御し、調光ガラスは通電時に光を透過せず非通電時に光を透過し、投影装置は通電時に投影し非通電時に投影を停止し、通電時に、調光ガラスは光を透過せず、投影装置はオンになって反射ガラスに投影し、非通電時に、調光ガラスは光を透過し、投影装置はオフになって投影を停止する。パルスコントローラのパルス信号周波数は50Hzであり、各パルス信号周期tにおける調光ガラスの非光透過時間t1のデューティサイクルが0.5である。
【0032】
本実施例は、実施例2の装置と同じように広告スクリーンとして使用でき、ドットマトリックス反射シートを設けた反射ガラスを用いると、光透過状態下の光透過量が減少するが、反射ガラスの制御モジュールが少なくなり、制御コスト及びエネルギー消費のコストが削減され、反射ガラスのコストもより低くなる。
【0033】
(実施例4)
図10は、人間の目の視覚残像を利用した一方向透視性単層ガラスを示している。単層ガラス7を備え、単層ガラスにドットマトリックスLED光源8が均一に配置されている。ドットマトリックスLED光源8の室内に面する側に黒色の遮光コーティング9が設けられ、遮光コーティングはドットマトリックスLED光源8に対応してドットマトリックス分布を呈する。隣り合うドットマトリックス
LED光源
8の間は、透明隙間である。単層ガラス表面に占めるドットマトリックスLED光源8の面積割合は、30%である。
【0034】
ドットマトリックスLED光源8は、一方向に外側を照らし、室内の明るさがドットマトリックスLED光源8より低い時、室外の人々はドットマトリックスLED光源の視覚残像の効果により、室内が見えず、室内の人々はドットマトリックス光源の影響を受けず、室外の物品を見ることができる。この装置は、パルス調整が不要で、使用コストがより低くなる。
【0035】
(実施例5)
図11は、人間の目の視覚残像を利用した一方向透視性単層ガラスを示している。単層ガラス7を備え単層ガラスの内表面にパッシブプロジェクション発光のドットマトリックス反射シート10が均一に貼設される。ドットマトリックス反射シート10の室内に面する側に黒色の遮光コーティング
9が設けられ、遮光コーティングはドットマトリックス反射シート10に対応してドットマトリックス分布を呈する。隣り合うドットマトリックス反射シート10の間は、透明隙間である。単層ガラス表面に占めるドットマトリックス反射シート10の面積割合は、30%である。単層ガラス7の円周方向の側面に側面光源11が設けられ、側面光源は円周方向から単層ガラス7を照らし、側面光源の光が単層ガラスの内外表面で全反射し、かつ側面光源の光がドットマトリックス反射シートで拡散反射する。側面光源11と単層ガラスの周側壁との間に導光筒12が設けられ、導光筒の内壁は遮光コーティングである。
【0036】
側面光源は、光の方向の調整を通じて単層ガラスの周辺側から入射し、単層ガラスの前後側面で全反射する光を形成し、全反射光が反射シートを照らした時に拡散反射され、外向きに照らす発光効果を生み出す。本実施形態のコストは、低くなる。
【0037】
(実施例6)
図12は、人間の目の視覚残像を利用した一方向透視性単層ガラスを示している。単層ガラス7を備え単層ガラスの内表面にパッシブプロジェクション発光のドットマトリックス反射シート10が均一に貼設される。ドットマトリックス反射シート10の室内に面する一側に単層ガラスを完全に覆う偏光フィル
ム13が設けられ、単層ガラスの外側に単層ガラスに面する偏光投影装置14が設けられ、偏光投影装置は偏光フィルムに吸収され得る単一の偏光方向の偏光を単層ガラスに投射する。
【0038】
偏光投影装置は、単一の偏光方向の偏光を投射し、偏光が反射シートで拡散反射し、反射シートの隙間の偏光フィルムの表面に照らされた光は完全に吸収され、室内の人々は投影装置の光を見ることができる。自然光の場合、偏光方向はバランスが取れ、室外の光が偏光フィルムによって半分吸収された後、室内の人々に見え、室内の光が偏光フィルムに半分吸収された後、明るさは偏光投影装置が反射シート箇所で形成された拡散反射光の反射光の明るさよりもはるかに小さくなり、人間の目が視覚残像の効果により、反射シート箇所の投影に見え、室内光に対する感度は遮蔽されて、目に見えない効果を形成する。本実施形態の偏光投影装置は、パルス制御なしで常時点灯させることができ、投影の明るさを大幅に改善することができる。
【0039】
(付記)
(付記1)
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラスであって、光透過率を電気的に制御し調整できる調光ガラスと、発光を電気的に制御できる発光ガラスと、を含む二重ガラスを備え、前記発光ガラスは、透明ガラスであり、前記調光ガラス及び前記発光ガラスがパルスコントローラのパルス信号によって制御され、前記発光ガラスが発光時に前記調光ガラスは光を透過せず、前記調光ガラスが光を透過した時に前記発光ガラスは発光しないことを特徴とする、
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0040】
(付記2)
前記パルスコントローラは、電源に接続され、0と1の2つの状態があり、通電信号が1、非通電信号が0であることを特徴とする、
付記1に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0041】
(付記3)
前記発光ガラスは、自発光構造であり、OLED自発光透明スクリーン又はドットマトリックスLED光源付きの透明ガラスであることを特徴とする、
付記1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0042】
(付記4)
前記発光ガラスは、パッシブプロジェクション発光構造であり、透明度を電気的に制御し調整できる曇りガラスであり、前記曇りガラスの外側に前記曇りガラスに面する投影装置が設けられ、前記調光ガラス、前記曇りガラス、前記投影装置が前記パルスコントローラのパルス信号によって制御され、前記曇りガラスが曇り不透明で、かつ前記投影装置がオンになって前記曇りガラスに投影した時に前記調光ガラスは光を透過せず、前記調光ガラスが光を透過した時に前記曇りガラスは透明であり、前記投影装置がオフになって投影を停止することを特徴とする、
付記1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0043】
(付記5)
前記発光ガラスは、パッシブプロジェクション発光構造であり、表面にドットマトリックス反射シートを設けた反射ガラスであり、隣り合う反射シートの間が透明隙間であり、前記反射ガラスの外側に前記反射ガラスに面する投影装置が設けられ、前記投影装置及び前記発光ガラスは前記パルスコントローラのパルス信号によって制御され、前記投影装置がオンになった時に前記調光ガラスは光を透過せず、前記調光ガラスが光を透過した時に前記投影装置がオフになることを特徴とする、
付記1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0044】
(付記6)
前記発光ガラス表面に占める前記ドットマトリックス反射シートの面積割合は、5~50%の範囲であることを特徴とする、
付記5に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0045】
(付記7)
前記パルスコントローラのパルス信号周波数は、24Hz以上であり、各パルス信号周期における前記発光ガラスの発光時間のデューティサイクルは0.1以上であることを特徴とする、
付記1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0046】
(付記8)
前記調光ガラスの一側に室内光源が設けられ、前記室内光源は前記パルスコントローラのパルス信号によって制御され、前記室内光源が発光した時に前記調光ガラスは光を透過せず、前記調光ガラスが光を透過した時に前記室内光源は発光しないことを特徴とする、
付記1又は2に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0047】
(付記9)
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラスであって、単層ガラスを備え、前記単層ガラスにドットマトリックス発光体が均一に配置され、前記ドットマトリックス発光体の室内に面する側に遮光層が設けられ、隣り合うドットマトリックス光源の間が透明隙間であることを特徴とする、
人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0048】
(付記10)
前記ドットマトリックス発光体は、自発光ドットマトリックスLED光源であり、前記遮光層が前記ドットマトリックスLED光源の室内に面する側に塗布された黒色の遮光コーティングであり、前記遮光コーティングは前記ドットマトリックスLED光源に対応してドットマトリックス分布を呈することを特徴とする、
付記9に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0049】
(付記11)
前記ドットマトリックス発光体は、前記単層ガラスの内側表面に貼設されたパッシブプロジェクション発光のドットマトリックス反射シートであり、前記遮光層が前記ドットマトリックス反射シートの室内に面する側に塗布された黒色の遮光コーティングであり、前記遮光コーティングは前記ドットマトリックス反射シートに対応してドットマトリックス分布を呈し、前記単層ガラスの円周方向の側面に側面光源が設けられ、前記側面光源は円周方向から前記単層ガラスを照らし、前記側面光源の光が前記単層ガラスの内外表面で全反射し、かつ前記側面光源の光が前記ドットマトリックス反射シートで拡散反射することを特徴とする、
付記9に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0050】
(付記12)
前記側面光源と前記単層ガラスの周側壁との間に導光筒が設けられ、前記導光筒の内壁は遮光コーティングであることを特徴とする、
付記11に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0051】
(付記13)
前記側面光源と前記単層ガラスの周側壁との間に光の方向を収束するためのレンズが設けられることを特徴とする、
付記11に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【0052】
(付記14)
前記ドットマトリックス発光体は、パッシブプロジェクション発光のドットマトリックス反射シートであり、前記遮光層が前記ドットマトリックス反射シートの室内に面する一側に前記単層ガラスを完全に覆う偏光フィルムであり、前記単層ガラスの外側に前記単層ガラスに面する偏光投影装置が設けられ、前記偏光投影装置は前記偏光フィルムに吸収され得る単一の偏光方向の偏光を前記単層ガラスに投射することを特徴とする、
付記9に記載の人間の目の視覚残像を利用した一方向ガラス。
【符号の説明】
【0053】
10 ドットマトリックス反射シート
1 自発光ガラス
11 側面光源
12 導光筒
13 偏光フィルム
14 偏光投影装置
2 調光ガラス
3 曇りガラス
4 投影装置
5 反射ガラス
6 ドットマトリックス反射シート
7 単層ガラス
8 ドットマトリックスLED光源
9 遮光コーティング