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特許7153414ワイヤロープ用折り曲げ装置及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ワイヤロープ用折り曲げ装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B21F 1/00 20060101AFI20221006BHJP
   D07B 7/16 20060101ALI20221006BHJP
   B66B 7/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B21F1/00 Z
D07B7/16
B66B7/00 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021150563
(22)【出願日】2021-09-15
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】平井 壮太
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-095835(JP,A)
【文献】特開平07-164430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21F 1/00
D07B 7/16
B66B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治具本体部と、前記治具本体部に対して第1方向に移動可能であり、前記治具本体部の一部を前記第1方向の一側から受け入れ可能な凹部を有するヘッドピースと、を含む治具と、
前記治具本体部に対する前記ヘッドピースの押し付け完了位置を確認するための確認手段と、
を備え
前記確認手段は、
前記ヘッドピースから前記治具本体部に前記第1方向に加わる圧力又は荷重を検出するセンサと、
前記センサで検出された圧力又は荷重を報知する報知手段と、
を含む、ワイヤロープ用折り曲げ装置。
【請求項2】
治具本体部と、前記治具本体部に対して第1方向に移動可能であり、前記治具本体部の一部を前記第1方向の一側から受け入れ可能な凹部を有するヘッドピースと、を含む治具と、
前記治具本体部に対する前記ヘッドピースの押し付け完了位置を確認するための確認手段と、
を備え、
前記確認手段は、前記治具本体部に対して前記ヘッドピースが所定位置よりも前記第1方向の一側へ移動することを規制するストッパである、ワイヤロープ用折り曲げ装置。
【請求項3】
前記ストッパは、前記治具本体部に対して固定され、前記ヘッドピースに接触することにより、前記ヘッドピースの前記第1方向の一側への移動を規制する、請求項に記載のワイヤロープ用折り曲げ装置。
【請求項4】
前記ストッパは、前記ヘッドピースに取り付けられ、前記治具本体部に接触することにより、前記ヘッドピースの前記第1方向の一側への移動を規制する、請求項に記載のワイヤロープ用折り曲げ装置。
【請求項5】
前記治具本体部の前記一部に、ワイヤロープまたはワイヤロープを構成するストランドを受け入れるための溝が形成されており、
前記治具本体部に、前記ヘッドピースと前記治具本体部との間に配置された前記ワイヤロープ又は前記ストランドを、前記ヘッドピースの前記治具本体部に対する前記第1方向の一側への移動に伴って前記溝に向けて案内する傾斜面が設けられている、請求項1乃至のいずれか一項に記載のワイヤロープ用折り曲げ装置。
【請求項6】
前記治具は、前記第1方向に延び、外周にネジ溝が形成された棒状部材を更に含み、
前記棒状部材の一端に前記ヘッドピースが接続されており、
前記治具本体部に前記第1方向に延び且つ前記棒状部材の前記ネジ溝と螺合するネジ穴が形成されており、
前記棒状部材の前記治具本体部との螺合位置の前記第1方向の移動に伴って、前記ヘッドピースが前記第1方向に移動する、請求項1乃至のいずれか一項に記載のワイヤロープ用折り曲げ装置。
【請求項7】
前記確認手段は、
前記棒状部材の回転量を検出するセンサと、
前記センサで検出された回転量を報知する報知手段と、
を含む、請求項に記載のワイヤロープ用折り曲げ装置。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか一項に記載のワイヤロープ用折り曲げ装置の使用方法であって、
前記治具本体部の前記一部と前記ヘッドピースとの間に、ワイヤロープまたはワイヤロープを構成するストランドを配置する工程と、
前記ヘッドピースを前記第1方向の一側に移動させ、前記ヘッドピースの前記凹部に前記治具本体部の前記一部を前記ワイヤロープ又は前記ストランドと共に収容して、前記ワイヤロープ又は前記ストランドを折り曲げる工程と、
前記ヘッドピースの前記凹部に前記治具本体部の一部と前記ワイヤロープ又は前記ストランドとを収容した状態で、前記確認手段によって前記ヘッドピースが押し付け完了位置まで移動したことが確認されるまで、前記ヘッドピースを前記治具本体部に押圧する工程と、
を備えた使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、ワイヤロープ用折り曲げ装置及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータで使用されるワイヤロープは、複数のストランドを撚り合わせることで形成されている。ワイヤロープをソケットに固定するロープソケッティング作業の際には、ワイヤロープを構成するストランドの各々を折り曲げる必要がある。エレベータのワイヤロープのストランドは、高硬度のものもあり、ペンチ等の一般的な工具を用いて人力で曲げることは困難である。
【0003】
特許文献1及び2には、ストランドの折り曲げ作業を補助するための治具が開示されている。このような治具を用いることにより、ストランドの折り曲げ作業に要する作業員の負担を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-346940号公報
【文献】特開2008-037607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に開示された治具を用いても、ストランドの折り曲げ作業を行う作業員の力や経験によって、ストランドの折り曲げ状態にばらつきが生じる虞がある。すなわち、力の弱い作業員は、ストランドを十分に折り曲げることができない虞がある。また、力の強い作業員は、ストランドに力を加えすぎてストランドを損傷させる虞がある。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、折り曲げ作業を行う作業員の力や経験によってストランドまたはワイヤロープの折り曲げ状態にばらつきが生じる虞を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態によるワイヤロープ用折り曲げ装置は、
治具本体部と、前記治具本体部に対して第1方向に移動可能であり、前記治具本体部の一部を前記第1方向の一側から受け入れ可能な凹部を有するヘッドピースと、を含む治具と、
前記治具本体部に対する前記ヘッドピースの押し付け完了位置を確認するための確認手段と、
を備えている。
【0008】
本実施の形態によるワイヤロープ用折り曲げ装置の使用方法は、上述したワイヤロープ用折り曲げ装置の使用方法であって、
前記治具本体部の前記一部と前記ヘッドピースとの間に、ワイヤロープまたはワイヤロープを構成するストランドを配置する工程と、
前記ヘッドピースを前記第1方向の一側に移動させ、前記ヘッドピースの前記凹部に前記治具本体部の前記一部を前記ワイヤロープ又は前記ストランドと共に収容して、前記ワイヤロープ又は前記ストランドを折り曲げる工程と、
前記ヘッドピースの前記凹部に前記治具本体部の一部と前記ワイヤロープ又は前記ストランドとを収容した状態で、前記確認手段によって前記ヘッドピースが押し付け完了位置まで移動したことが確認されるまで、前記ヘッドピースを前記治具本体部に押圧する工程と、
を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施の形態におけるワイヤロープ用折り曲げ装置の全体構成の一例を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示すワイヤロープ用折り曲げ装置でストランドを折り曲げた状態を示す斜視図である。
図3図3は、ヘッドピースを示す斜視図である。
図4図4は、ヘッドピースと治具本体部の一部とガイドレールとを拡大して示す側面図である。
図5図5は、変形例によるワイヤロープ用折り曲げ装置の全体構成の一例を示す側面図である。
図6図6は、図5に示すヘッドピースと治具本体部の一部とガイドレールとストッパとを拡大して示す側面図である。
図7図7は、図5に示すヘッドピースと治具本体部の一部とガイドレールとストッパとを、第3方向の一側から見た斜視図である。
図8図8は、他の変形例によるワイヤロープ用折り曲げ装置のヘッドピースと治具本体部の一部とガイドレールとストッパとを拡大して示す側面図である。
図9図9は、図8に示すヘッドピースと治具本体部の一部とガイドレールとストッパとを、第3方向の一側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面には、共通する符号を付した矢印により共通する方向を示している。図面の紙面に垂直な方向に沿った矢印を、例えば図4に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係るワイヤロープ用折り曲げ装置1の斜視図である。本実施形態のワイヤロープ用折り曲げ装置1(以下、単に「装置1」とも称する)は、ワイヤロープを構成するストランドを折り曲げるために用いられる。具体的には、装置1は、治具2を備え、治具2は、治具本体部10とヘッドピース20とを含む。そして、図1~2に示すように、治具本体部10とヘッドピース20との間にストランドSTを配置した状態でヘッドピース20を移動させて治具本体部10に押し付けることにより、治具2はストランドSTを折り曲げることができる。図示された例では、治具1は、ヘッドピース20を移動させる移動手段として、棒状部材30、操作部材40及びガイドレール50を更に含んでいる。
【0012】
以下では、治具本体部10に対するヘッドピース20の移動方向を「第1方向D1」と称する。また、「第2方向D2」及び「第3方向D3」は、互いに直交し、且つ、第1方向D1に直交する方向である。
【0013】
治具本体部10は、折り曲げ対象のストランドSTを支持する支持部11を有している。図示された例では、治具本体部10は全体としてU字状に形成され、U字の両端部は第1方向D1に沿って並んでいる。U字の両端部のうち第1方向D1の一側に位置する一方の端部が、支持部11を成している。支持部11には、ストランドSTを受け入れる溝11aが形成されている。また、治具本体部10のU字の両端部のうち第1方向D1の他側に位置する他方の端部には、後述する棒状部材30のネジ溝と螺合するネジ穴12が形成されている。ネジ穴12は、治具本体部10の上記他方の端部を第1方向D1に貫通して延びている。
【0014】
ヘッドピース20は、治具本体部10に対して第1方向D1に移動可能に設けられている。ヘッドピース20の第1方向D1の一側には、凹部21が設けられている。凹部21は、ヘッドピース20の第1方向D1の一側への移動に伴って治具本体部10の支持部11を第1方向D1の一側から受け入れ可能であるように、形成されている(図2参照)。ヘッドピース20を支持部11に近づけて凹部21内に支持部11を受け入れることにより、ヘッドピース20と支持部11との間に配置されたストランドSTを、支持部11を支点として折り曲げることができる。
【0015】
図3は、図1に示すヘッドピース20の拡大図である。ヘッドピース20は、治具本体部10の支持部11に第1方向D1に対面する基部22と、基部22から第1方向D1の一側へ延び出す一対の側部23,23とを有する。一対の側部23,23は、第2方向D2に互いから離間しており、一対の側部23,23の間に支持部11を受け入れ可能である。言い換えると、第2方向D2に互いに対向する一対の側部23,23と基部22とによって、凹部21が画成されている。凹部21の内面には、ストランドSTを受け入れる溝21aが形成されている。
【0016】
ここで、支持部11の溝11a及び凹部21の溝21aについて、より詳細に説明する。
【0017】
治具本体部10の支持部11の溝11aは、支持部11のうち、支持部11がヘッドピース20の凹部21に受け入れられた状態でヘッドピース20に対向する面に設けられている。図示された例では、溝11aは、支持部11のうち、ヘッドピース20の基部22に対向する面及びヘッドピース20の側部23,23に対向する面に設けられている。溝11aのうち、ヘッドピース20の基部22に対向する部分は、第2方向D2に沿って延びている。溝11aのうち、ヘッドピース20の側部23,23に対向する部分は、第1方向D1に沿って延びている。このような溝11aによって、支持部11とヘッドピース20とによってストランドSTを折り曲げる際のストランドSTの折り曲げ方向が安定する。すなわち、ストランドSTを安定的に第1方向D1に折り曲げることができる。
【0018】
ヘッドピース20の凹部21の溝21aは、凹部21を画成する面のうち、支持部11がヘッドピース20の凹部21に受け入れられた状態で支持部11に対向する部分に設けられている。図示された例では、溝21aは、側部23,23に設けられている。溝21aは、第1方向D1に沿って延びている。このような溝21aによっても、支持部11とヘッドピース20とによってストランドSTを折り曲げる際のストランドSTの折り曲げ方向が安定する。すなわち、ストランドSTを安定的に第1方向D1に折り曲げることができる。
【0019】
なお、溝11aと溝21aとは、互いに対面する位置に設けられている。したがって、ストランドSTを折り曲げる際、ストランドSTは溝11a及び溝21aの両方に受け入れられる。これにより、ストランドSTをさらに安定的に第1方向D1に折り曲げることができる。
【0020】
ヘッドピース20の凹部21の寸法(具体的には、側部23,23間の距離L1及び凹部21の第1方向D1に沿った奥行きL2)は、折り曲げ対象であるストランドSTの径に対応している。なお、ヘッドピース20は交換可能であってもよい。この場合、径が大きいストランドSTに対しては上記距離L1及び/又は奥行きL2の大きいヘッドピース20を、径が小さいストランドSTに対しては上記距離L1及び/又は奥行きL2の小さいヘッドピース20を、選択的に用いることができる。
【0021】
棒状部材30は、治具本体部10のネジ穴12を通って第1方向D1に延びている。図示された例では、棒状部材30は、金属製のシャフトである。棒状部材30の外周にはネジ溝が形成されており、このネジ溝はネジ穴12と螺合している。棒状部材30の第1方向D1の一側の端部には、ヘッドピース20が接続されている。棒状部材30は、ヘッドピース20に対して、第1方向D1に延びる回転軸線Axの周りを回転可能である。このような棒状部材30を治具本体部10に対して回転軸線Axの周りで回転させると、棒状部材30と治具本体部10との螺合位置が第1方向D1に移動し、棒状部材30が治具本体部10に対して第1方向D1に移動する。これに伴って、ヘッドピース20が治具本体部10に対して第1方向D1に移動する。
【0022】
操作部材40は、作業員が棒状部材30に対して回転軸線Ax周りの回転力を付与するための部材である。操作部材40は、棒状部材30の第1方向D1の他側の端部に設けられている。図示された例では、操作部材40は、第1方向D1と直行する方向に延びる金属製のシャフトであるが、これに限られない。操作部材40は、スクリュードライバーの握り手の形状を成していてもよいし、他の形状を成していてもよい。
【0023】
ガイドレール50は、ヘッドピース20の第1方向D1の移動を案内する部材であり、治具本体部10に取り付けれている。図示された例では、ガイドレール50は、第1方向D1に延びる板状の部材であり、ヘッドピース20に第3方向D3の一側から当接する。このようなガイドレール50により、棒状部材30の回転に伴ってヘッドピース20が回転する虞が抑制され、支持部11に対するヘッドピース20の姿勢を安定させることができる。
【0024】
ガイドレール50は、溶接により治具本体部10に固定されていてもよいし、ネジ等の締結手段を用いて治具本体部10に固定されていてもよい。また、ヘッドピース20が交換可能である場合、ガイドレール50の治具本体部10に対する取付位置は、ヘッドピース20の第3方向D3の寸法に応じて変更可能であってもよい。
【0025】
このように構成された治具1は、操作部材40を操作して棒状部材30を回転軸線Ax周りに回転させることにより、ヘッドピース20を第1方向D1の一側に移動させて治具本体部10の支持部11に押し付けることができる。この結果、ヘッドピース20と支持部11との間に配置されたストランドSTを、折り曲げることができる。
【0026】
ところで、ストランドを折り曲げるための治具を用いることにより、ストランドの折り曲げ作業に要する作業員の負担を軽減することができる。しかしながら、ストランドの折り曲げ作業を行う作業員の力や経験によって、ストランドの折り曲げ状態にばらつきが生じる虞がある。すなわち、力の弱い作業員は、ストランドを十分に折り曲げることができない虞がある。また、力の強い作業員は、ストランドに力を加えすぎてストランドを損傷させる虞がある。このような点を考慮して、本実施の形態の装置1は、折り曲げ作業を行う作業員の力や経験によってストランドSTの折り曲げ状態がばらつくことを抑制するための工夫がなされている。
【0027】
具体的には、装置1は、治具本体部10に対するヘッドピース20の押し付け完了位置を確認するための確認手段60を備えている。そして、作業員は、確認手段60によって確認される押し付け完了位置までヘッドピース20を移動させることにより、ヘッドピース20と支持部11とによって、ストランドSTを折り曲げるための適度な力をストランドSTに付与することができる。すなわち、ストランドSTを、損傷させることなく所望の折り曲げ状態に折り曲げることができる。これにより、作業員の力や経験によってストランドSTの折り曲げ状態がばらつく、ということを抑制することができる。
【0028】
本実施の形態では、確認手段60は、センサ61と報知手段62とを含む。センサ61は、ヘッドピース20から治具本体部10の支持部11に第1方向D1に加わる圧力を検出する。報知手段62は、センサ61で検出された圧力を報知する。図示された例では、センサ61は、ヘッドピース20と棒状部材30との間に配置されている。言い換えると、棒状部材30は、センサ61を介してヘッドピース20に接続している。また、図示された例では、報知手段62は、センサ61で検出された圧力を数値又は波形で示す表示部63を有している。このような確認手段60では、報知手段62に表示された圧力が所定の圧力に達したことを確認することによって、治具本体部10の支持部11に対してヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0029】
なお、報知手段62は、圧力を表示する表示部63を有するものに限られない。報知手段62は、センサ61で検出された圧力が所定の圧力に達したことを示すことができるものであればよい。例えば、報知手段62は、センサ61で検出された圧力が所定の圧力に達すると音を鳴らしたり、点灯するものであってもよい。また、センサ61と報知手段62とは、一体に構成されていてもよい。例えば、センサ61は、センサ61で検出した圧力を示す表示部63を有していてもよい。
【0030】
また、上記所定の圧力は、ストランドSTの径によって異なるものと考えられる。したがって、治具1によって様々な径のストランドSTを折り曲げる場合には、上記所定の圧力は作業員が適宜設定可能であってよい。
【0031】
さらに、本実施の形態の装置1は、ストランドSTの折り曲げ作業を容易にするための工夫がなされている。具体的には、図4に示すように、治具本体部10に、ヘッドピース20と治具本体部10との間に配置されたストランドSTを支持部11の溝11aに向けて案内する傾斜面13が設けられている。傾斜面13は、ヘッドピース20の治具本体部10に対する第1方向D1の一側への移動に伴ってストランドSTを支持部11の溝11aに向けて案内する。これにより、作業員がストランドSTを溝11a内に配置しなくても、ストランドSTはヘッドピース20の移動に伴って自動的に溝11a内に配置される。したがって、ストランドSTの折り曲げ作業中に作業員がストランドSTを溝11a内に保持する必要がない。
【0032】
図示された例では、傾斜面13は、ガイドレール50の第3方向D3の他側を向く面51から溝11aに向けて延びている。より詳細には、傾斜面13は、第1方向D1の一側に向かうにつれて第3方向D3の他側へ向けて傾斜している。このような傾斜面13を有する治具1によれば、ストランドSTを折り曲げる際、支持部11とヘッドピース20との間であってガイドレール50の上記面51上にストランドSTを配置すれば、ヘッドピース20が第1方向D1の一側へ移動するにつれて、ストランドSTは、ヘッドピース20によって第1方向D1の一側に押され、さらに、ヘッドピース20が支持部11に十分に接近すると、傾斜面13によって第3方向D3の他側へ案内され、最終的に支持部11の溝11a内に収容される。
【0033】
次に、本実施の形態の装置1の使用方法及び作用について説明する。まず、図1に示すように、治具本体部10の支持部11とヘッドピース20との間に、ストランドSTを配置する。図示された例では、ストランドSTをガイドレール50の面51上に配置する。ストランドSTは、支持部11とヘッドピース20との間において第2方向D2に沿って延びるように配置される。
【0034】
次に、操作部材40を操作して棒状部材30を回転軸線Ax周りに回転させることにより、棒状部材30を第1方向D1の一側へ移動させる。これにより、ヘッドピース20が第1方向D1の一側へ移動する。また、ストランドSTが、ヘッドピース20に押されて第1方向D1の一側へ移動する。
【0035】
ヘッドピース20が治具本体部10の支持部11に十分接近すると、ストランドSTは、ヘッドピース20に押されて第1方向D1の一側へ移動しつつ、治具本体部10の傾斜面13に案内されて第3方向D3の他側へ移動する。この結果、ストランドSTが支持部11に形成された溝11aに受け入れられる。
【0036】
そして、ヘッドピース20が治具本体部10の支持部11にさらに接近すると、ヘッドピース20の凹部21に支持部11がストランドSTと共に収容され、ストランドSTが支持部11を支点として折り曲げられる。このとき、ストランドSTは、溝11a,21aに案内されて第1方向D1に折り曲げられる。
【0037】
次に、ヘッドピース20の凹部21に支持部11とストランドSTとを収容した状態で、ヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことが確認手段60によって確認されるまで、操作部材40を操作してヘッドピース20を支持部11に向けて押圧する。図示された例では、報知手段62の表示部63に表示された圧力が所定の圧力に達するまで、操作部材40の操作を継続する。そして、表示部63に表示された圧力が所定の圧力に達したら(すなわち、ヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことが確認されたら)、操作部材40の操作を終了する。これにより、ストランドSTが所望の折り曲げ状態に折り曲げられる。
【0038】
なお、上述してきた一実施の形態に対して、さらに様々な変更を加えることが可能である。
【0039】
例えば、確認手段60のセンサ61は、ヘッドピース20から治具本体部10の支持部11に第1方向D1に加わる荷重を検出するものであってもよい。この場合、報知手段62は、センサ61で検出された荷重を報知するものであってよい。このような確認手段60によれば、治具本体部10の支持部11に第1方向D1に加わる荷重が所定の荷重に達したことを確認することによって、治具本体部10の支持部11に対してヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0040】
センサ61が上記荷重を検出するものである場合、報知手段62は、センサ61で検出された荷重が所定の荷重に達したことを示すことができるものであればよい。例えば、報知手段62は、センサ61で検出された荷重を表示部63に表示するものであってもよいし、センサ61で検出された荷重が所定の荷重に達すると音を鳴らしたり、点灯するものであってもよい。
【0041】
なお、センサ61が上記荷重を検出するものである場合、上記所定の荷重はストランドSTの径によって異なるものと考えられる。したがって、治具1によって様々な径のストランドSTを折り曲げる場合には、上記所定の荷重は作業員が適宜設定可能であってよい。
【0042】
また、確認手段60のセンサ61は、棒状部材30の回転軸線Ax周りの回転量を検出するものであってもよい。この場合、報知手段62は、センサ61で検出された回転量を報知するものであってよい。具体的には、センサ61は、棒状部材30が支持部11から第1方向D1の他側に十分に離れた所定位置にある状態からの、棒状部材30の回転量を検出するものであってよい。上述したように、棒状部材30の回転軸線Ax周りでの回転に伴って、ヘッドピース20は治具本体部10に対して第1方向D1に移動する。したがって、センサ61によって検出された回転量が所定の回転量に達したことを確認することによって、治具本体部10の支持部11に対してヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0043】
センサ61が上記回転量を検出するものである場合、報知手段62は、センサ61で検出された回転量が所定の回転量に達したことを示すことができるものであればよい。例えば、報知手段62は、センサ61で検出された回転量を表示部63に表示するものであってもよいし、センサ61で検出された回転量が所定の回転量に達すると音を鳴らしたり、点灯するものであってもよい。
【0044】
なお、センサ61が上記回転量を検出するものである場合、上記所定の回転量は、ストランドSTの径によって異なるものと考えられる。したがって、治具1によって様々な径のストランドSTを折り曲げる場合には、上記所定の回転量は作業員が適宜設定可能であってよい。
【0045】
また、確認手段60は、ヘッドピース20の移動を規制するストッパであってもよい。図5~7に示す例では、ストッパ60は、治具本体部10に対して固定されて、押し付け完了位置まで移動したヘッドピース20に、第1方向D1の一側から接触する(図6参照)。
【0046】
より具体的には、ストッパ60は、ガイドレール50に固定されている。ストッパ60は、基部65と基部65から延び出す延出部66とを含む。基部65は、ネジ等の締結手段68によって、ガイドレール50の第3方向D3の一側を向く面52に固定されている。延出部66は、基部65の第1方向D1の一側の端部から、第3方向D3の一側に延び出している。図7から理解されるように、延出部66は、ガイドレール50よりも第2方向D2の一側及び他側に延び出している。ヘッドピース20は、その基部22から第3方向D3の一側に突出する一対の突出部24,24を含む。一対の突出部24,24の一方及び他方は、それぞれ、ガイドレール50の第2方向D2の一側及び他側に位置し、その先端部は、第1方向D1に見て延出部66と重なっている。そして、ヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動すると、一対の突出部24,24はストッパ60の延出部66に、第1方向D1の他側から接触する。これにより、ヘッドピース20の第1方向D1の一側への移動が規制される。
【0047】
このような確認手段60によれば、ヘッドピース20がストッパ60に接触したことを確認することによって、治具本体部10の支持部11に対してヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0048】
なお、確認手段60が図5~7に示すストッパである場合、ストッパ60によってヘッドピース20の第1方向D1の一側への移動が規制される適切な位置(支持部11に対する位置)は、ストランドSTの径によって異なるものと考えられる。したがって、治具1によって様々な径のストランドSTを折り曲げる場合には、ストッパ60の治具本体部10に対する取付位置は、第1方向D1に沿って作業員が適宜変更可能であってよい。図示された例では、ストッパ60の基部65には、第1方向D1に延びる長孔67が形成されている。この長孔67に締結手段としてのネジ68が挿通されて、基部65をガイドレール50に締結している。したがって、ガイドレール50に対する(治具本体部10に対する)ストッパ60の取付位置を、第1方向D1に沿って変更可能である。
【0049】
図5~7に示す例では、確認手段60としてのストッパは、治具本体部10に対して固定されているが、これに限られない。図8~9に示すように、確認手段60としてのストッパは、ヘッドピース20に取り付けられてもよい。この場合、ストッパ60は、ヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動すると、治具本体部10の支持部11に第1方向D1の他側から接触する(図8参照)。
【0050】
より具体的には、ヘッドピース20は、その基部22から第3方向D3の一側に突出する一対の突出部24,24を含む。一対の突出部24,24の一方及び他方は、それぞれ、ガイドレール50の第2方向D2の一側及び他側に位置する。ストッパ60は、基部65と基部65から延び出す延出部66とを含む。図9から理解されるように、基部65は、ガイドレール50よりも第2方向D2の一側及び他側に延び出している。基部65は、ネジ等の締結手段68によって、ヘッドピース20の突出部24,24の端部に固定されている。延出部66は、基部65の第1方向D1の一側の端部から、第3方向D3の一側に延び出している。そして、ヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動すると、ストッパ60の延出部66が治具本体部10の支持部11に、第1方向D1の他側から接触する。これにより、ヘッドピース20の第1方向D1の一側への移動が規制される。
【0051】
このような確認手段60によれば、ストッパ60が治具本体部10の支持部11に接触したことを確認することによって、支持部11に対してヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0052】
なお、確認手段60が図8~9に示すストッパである場合も、ストッパ60によってヘッドピース20の第1方向D1の一側への移動が規制される適切な位置(支持部11に対する位置)は、ストランドSTの径によって異なるものと考えられる。したがって、治具1によって様々な径のストランドを折り曲げる場合には、ストッパ60のヘッドピース20に対する取付位置は、第1方向D1に沿って作業員が適宜変更可能であってよい。図示された例では、ストッパ60の基部65には、第1方向D1に延びる長孔67が形成されている。この長孔67に締結手段としてのネジ68が挿通されて、基部65をガイドレール50に締結している。したがって、ヘッドピース20に対するストッパ60の取付位置を、第1方向D1に沿って変更可能である。
【0053】
また、上述した例では、ヘッドピース20を移動させる移動手段は、棒状部材30と操作部材40とガイドレール50とを含むが、これに限られない。ヘッドピース20を第1方向D1に移動させる手段として、任意の手段を採用可能である。
【0054】
さらに、上述した例では、ワイヤロープ用折り曲げ装置1は、ワイヤロープを構成するストランドを折り曲げるための装置として説明されてきたが、これに限られない。ワイヤロープ用折り曲げ装置1は、ワイヤロープを折り曲げるための装置であってもよい。この場合、治具本体部10の支持部11とヘッドピース20との間にワイヤロープを配置し、ヘッドピース20を第1方向D1の一側に移動させてヘッドピース20の凹部21に支持部11とワイヤロープとを共に収容することにより、ワイヤロープを折り曲げればよい。この場合も、ワイヤロープが溝11a,21aに受け入れられることによって、ワイヤロープは第1方向D1に安定的に折り曲げられる。
【0055】
上述した一実施の形態および変形例によれば、ワイヤロープ用折り曲げ装置1は、治具2と、確認手段60とを備えている。治具2は、治具本体部10と、ヘッドピース20とを含む。ヘッドピース20は、治具本体部10に対して第1方向D1に移動可能であり、治具本体部10の一部(支持部11)を第1方向D1の一側から受け入れ可能な凹部21を有する。確認手段60は、治具本体部10に対するヘッドピース20の押し付け完了位置を確認するためのものである。
【0056】
このようなワイヤロープ用折り曲げ装置1によれば、確認手段60によってヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。これにより、折り曲げ作業を行う作業員の力や経験によってワイヤロープやワイヤロープを構成するストランドSTの折り曲げ状態にばらつきが生じる、ということを抑制することができる。
【0057】
また、上述した一実施の形態および変形例によれば、確認手段60は、センサ61と報知手段62とを含む。センサ61は、ヘッドピース20から治具本体部10に第1方向D1に加わる圧力又は荷重を検出する。報知手段62は、センサ61で検出された圧力又は荷重を報知する。この場合、センサ61で検出された圧力又は荷重が所定の圧力又は荷重に達したことを報知手段62によって確認することによって、ヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0058】
また、上述した変形例によれば、確認手段60は、治具本体部10に対してヘッドピース20が所定位置よりも第1方向D1の一側へ移動することを規制するストッパである。この場合、ヘッドピース20の第1方向D1の一側への移動がストッパ60によって規制されたことを確認することによって、治具本体部10の支持部11に対してヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0059】
具体的には、ストッパ60は、治具本体部10に対して固定され、ヘッドピース20に接触することにより、ヘッドピース20の第1方向D1の一側への移動を規制する。この場合、ヘッドピース20がストッパ60に接触したことを確認することによって、治具本体部10の支持部11に対してヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0060】
あるいは、ストッパ60は、ヘッドピース20に取り付けられ、治具本体部10に接触することにより、ヘッドピース20の第1方向D1の一側への移動を規制する。この場合、ストッパ60が治具本体部10に接触したことを確認することによって、支持部11に対してヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0061】
また、上述した一実施の形態及び変形例によれば、治具本体部10の一部(支持部11)に、ワイヤロープまたはワイヤロープを構成するストランドSTを受け入れるための溝11aが形成されている。治具本体部10には、ヘッドピース20と治具本体部10との間に配置されたワイヤロープ又はストランドSTを、ヘッドピース20の治具本体部10に対する第1方向D1の一側への移動に伴って上記溝11aに向けて案内する傾斜面13が設けられている。このようなワイヤロープ用折り曲げ装置1によれば、作業員がストランドSTを溝11a内に配置しなくても、ストランドSTはヘッドピース20の移動に伴って自動的に溝11a内に配置される。したがって、ストランドSTの折り曲げ作業中に作業員がストランドSTを溝11a内に保持する必要がない。この結果、ストランドSTの折り曲げ作業が容易になる。
【0062】
また、上述した一実施の形態及び変形例によれば、治具2は、棒状部材30を更に含んでいる。棒状部材30は第1方向D1に延び、棒状部材30の外周にはネジ溝が形成されている。棒状部材30の一端には、ヘッドピース20が接続されている。治具本体部10には、第1方向D1に延び且つ棒状部材30のネジ溝と螺合するネジ穴12が形成されている。そして、棒状部材30の治具本体部10との螺合位置の第1方向D1の移動に伴って、ヘッドピース20が第1方向D1に移動する。この場合、棒状部材30を治具本体部10に対して回転させるだけで、ヘッドピース20を第1方向D1に移動させることができる。
【0063】
また、上述した変形例によれば、確認手段60は、棒状部材30の回転量を検出するセンサ61と、センサ61で検出された回転量を報知する報知手段62と、を含んでいる。この場合、センサ61で検出された回転量が所定の回転量に達したことを報知手段62によって確認することによって、治具本体部10の支持部11に対してヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。
【0064】
また、上述した一実施の形態及び変形例によれば、ワイヤロープ用折り曲げ装置1の使用方法は、
治具本体部10の一部(支持部11)とヘッドピース20との間に、ワイヤロープまたはワイヤロープを構成するストランドSTを配置する工程と、
ヘッドピース20を第1方向D1の一側に移動させ、ヘッドピース20の凹部21に治具本体部10の上記一部をワイヤロープ又はストランドSTと共に収容して、ワイヤロープ又はストランドSTを折り曲げる工程と、
ヘッドピース20の凹部21に治具本体部10の上記一部とワイヤロープ又はストランドSTとを収容した状態で、確認手段60によってヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことが確認されるまで、ヘッドピース20を治具本体部10に押圧する工程と、
を備えている。
【0065】
このようなワイヤロープ用折り曲げ装置1の使用方法によれば、確認手段60によってヘッドピース20が押し付け完了位置まで移動したことを確認することができる。これにより、折り曲げ作業を行う作業員の力や経験によってワイヤロープやワイヤロープを構成するストランドSTの折り曲げ状態にばらつきが生じる、ということを抑制することができる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内でこれらの実施形態やその変形を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0067】
1:ワイヤロープ用折り曲げ装置、2:治具、10:治具本体部、11:支持部、11a:溝、12:ネジ穴、20:ヘッドピース、21:凹部、21a:溝、22:基部、23:側部、24:突出部、30:棒状部材、40:操作部材、50:ガイドレール、51:面、52:面、60:確認手段、61:センサ、62:報知手段、63:表示部、65:基部、66:延出部、67:長孔、68:締結手段、ST:ストランド
【要約】      (修正有)
【課題】作業員の力や経験によってストランドまたはワイヤロープの折り曲げ状態にばらつきが生じる虞を低減する。
【解決手段】ワイヤロープ用折り曲げ装置1は、治具2と確認手段60とを備えている。治具2は、治具本体部10とヘッドピース20とを含む。ヘッドピース20は、治具本体部10に対して第1方向D1に移動可能であり、治具本体部10の一部(支持部11)を第1方向D1の一側から受け入れ可能な凹部21を有する。確認手段60は、治具本体部10に対するヘッドピース20の押し付け完了位置を確認するためのものである。
【選択図】図1
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9