IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デラヴァル ホルディング アーベーの特許一覧

特許7153417ミルク試料のバイオマーカー分析のための装置、カセット、及びサービスモジュール
<>
  • 特許-ミルク試料のバイオマーカー分析のための装置、カセット、及びサービスモジュール 図1
  • 特許-ミルク試料のバイオマーカー分析のための装置、カセット、及びサービスモジュール 図2
  • 特許-ミルク試料のバイオマーカー分析のための装置、カセット、及びサービスモジュール 図3A
  • 特許-ミルク試料のバイオマーカー分析のための装置、カセット、及びサービスモジュール 図3B
  • 特許-ミルク試料のバイオマーカー分析のための装置、カセット、及びサービスモジュール 図4
  • 特許-ミルク試料のバイオマーカー分析のための装置、カセット、及びサービスモジュール 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ミルク試料のバイオマーカー分析のための装置、カセット、及びサービスモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20221006BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20221006BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20221006BHJP
   G01N 33/52 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G01N35/02 F
G01N33/68
G01N33/483 C
G01N33/52 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019558677
(86)(22)【出願日】2018-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 SE2018050639
(87)【国際公開番号】W WO2018236271
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-04
(31)【優先権主張番号】1750790-6
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】500215931
【氏名又は名称】デラヴァル ホルディング アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ダレロプ ラスムセン, クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ソニッチ トムセン, ペル
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0124803(US,A1)
【文献】特表2007-532881(JP,A)
【文献】特開2007-139770(JP,A)
【文献】特開平04-112785(JP,A)
【文献】国際公開第2004/034063(WO,A2)
【文献】特開2014-109455(JP,A)
【文献】特開平11-230970(JP,A)
【文献】特開2006-349638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物(100)のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値を測定するように構成された装置(500)であって、
装置(500)が、カセット(130)、及び動物(100)の搾乳器具(110)に接続されるように構成されたサービスモジュール(120)を含み、
カセット(130)が、キャリアテープ(170)及び検査窓(135)を含み、
キャリアテープ(170)が、複数の試験領域(180a,180b,180c)を含み、それらの試験領域(180a,180b,180c)が、ミルク試料のバイオマーカー値を示すように構成され、キャリアテープ(170)が、第一スプール(131)及び第二スプール(132)の上に配置され、それらのスプール(131,132)が、キャリアテープ(170)の位置調整のためのカセット外部モーター(420)と協働するように配置され、
検査窓(135)が、一つの試験領域(180a,180b,180c)の検査を可能とするように構成され、
サービスモジュール(120)が、カメラ(210)、少なくとも一つのモーター(420)、管要素(220)、針(350)、及びポンプ(410)を含み、
カメラ(210)が、カセット(130)の検査窓(135)を通してキャリアテープ(170)の上の一つの試験領域(180a,180b,180c)を検査するように構成され、
モーター(420)が、検査窓(135)に対するキャリアテープ(170)の上の一つの試験領域(180a,180b,180c)の位置を調整するためにカセット(130)の第一スプール(131)及び第二スプール(132)のうちの少なくとも一つと係合されるように構成され、
管要素(220)が、搾乳器具(110)を介して動物(100)のミルク試料を受け、試験領域(180a,180b,180c)の一つにミルク試料を与えるように構成され、
針(350)が、動物(100)のミルク試料を受け、試験領域(180a,180b,180c)の一つにミルク試料を付与するように構成され、
ポンプ(410)が、ミルク試料を針(350)に与えるために管要素(220)に作用するように構成される装置(500)において、
モーター(420)が、針(350)及び一つの試験領域(180a,180b,180c)の整列に基づいてキャリアテープ(170)の上の一つ試験領域(180a,180b,180c)の位置を調整するように構成され、その整列が、カセット(130)の検査窓(135)を通してカメラ(210)によって管理されることを特徴とする、
装置(500)。
【請求項2】
カセット(130)が、サービスモジュール(120)に脱着可能に挿入されるように構成される、請求項1に記載の装置(500)。
【請求項3】
サービスモジュール(120)が、搾乳器具(110)に脱着可能に挿入されるように構成される、請求項1又は2に記載の装置(500)。
【請求項4】
カセット(130)が、キャリアテープ(170)の上に複数の試験領域(180a,180b,180c)を封止するように構成された封止テープ(310);及び一つの試験領域(180a,180b,180c)が針(350)と整列された位置に調整されるときに一つの試験領域(180a,180b,180c)から封止テープ(310)を除去するように構成された封止解除装置(320)を含む、請求項1~のいずれかに記載の装置(500)。
【請求項5】
気候環境がカセット(130)に広がる、請求項1~のいずれかに記載の装置(500)。
【請求項6】
針(350)が、混合されたミルク試料を一つの試験領域(180a,180b,180c)に付与する前にミルク試料と得られた希釈剤を混合するように構成された混合室(355)を含む、請求項1~のいずれかに記載の装置(500)。
【請求項7】
カセット(130)が、カセット(130)から液体を排出するように配置された開口(195)を含み、サービスモジュール(120)が、カセット(130)の開口(195)を介してカセット(130)から排出された液体を受け、サービスモジュール(120)から液体を排出するように配置された排水路(205)を含む、請求項1~のいずれかに記載の装置(500)。
【請求項8】
カセット(130)のキャリアテープ(170)が、キャリアテープ(170)の上の少なくとも二つの試験領域(180a,180b,180c)の間の洗い流し穴(190)を含む、請求項1~のいずれかに記載の装置(500)。
【請求項9】
装置(500)が、カメラ(210)によって捕獲された一つの試験領域(180a,180b,180c)の捕獲画像を分析するように構成された制御ユニット(150);動物(100)の身元と共に動物(100)のミルク試料のバイオマーカー値の分析を記憶するように構成されたデータベース(140);及びミルク試料の測定されたバイオマーカー値の結果を出力するように構成された出力装置(160)を含み、
サービスモジュール(120)が、サービスモジュール(120)のカメラ(210)によって捕獲された画像を制御ユニット(150)に通信するように構成された通信装置(230)を含む、請求項1~のいずれかに記載の装置(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この文書は、装置、カセット、及びサービスモジュール(service module)を開示する。特に、この文書は、動物のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値を測定するための装置、カセット、及びサービスモジュールを記載する。
【背景技術】
【0002】
動物の飼育場では、ミルク/肉の生産を増大するために動物を健康に保つことが重要である。酪農場では、例えば乳牛をうまく受精させるために最適なときに動物に精液を注入することが極めて重要である。効率上の理由のため、飼育場で各個々の動物に精液を注入する正しいときを見い出すことは重要である。動物にうまく精液が注入されない場合には、ミルク生産に影響される。
【0003】
例えばプロゲステロン、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)、BHB(β-ヒドロキシ酪酸)、及び尿素のレベルを測定するような複数のバイオマーカーの測定が動物に対してなされることができる。それによって、例えば個々の動物の発熱検出又は妊娠に関する重要な情報が(測定されたプロゲステロンレベルに基づいて)知られることができ、同様に(LDHに基づいて)乳腺炎、及び(BHBに基づいて)ケトーシスに関する情報が作られることができる。また、エネルギーバランスが(尿素に基づいて)推定されることができる。
【0004】
それによって、農家/オペレーターは、各個々の動物に関する重要な情報を与えられる。しかしながら、農場で全ての個々の動物のバイオマーカーの測定を実施しかつ分析することは、農家にとって時間を消費している。それはまた、様々な動物からのバイオマーカーの測定を区別するために農家に対して高い管理技術を要求し、最初の動物のバイオマーカーの測定が別の動物の生物学的事項によって混乱しないように高い明確化を要求する。
【0005】
これらの理由のため、もし様々な動物のミルク試料のバイオマーカー測定をとることが自動化され、それにより農家の手作業の手間を最小化するか又は少なくとも低減することができるなら、農家にとって有利であるだろう。
【0006】
農家が彼らの動物を分析して農場での生産を増大させることを補助する方法を見い出すことが望ましいだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、上述の問題の少なくともいくつかを解決することであり、オペレーターが動物のミルク試料のバイオマーカー値を測定することを容易にすることである。
【0008】
本発明の第一態様によれば、この目的は、動物のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値を測定するように構成された装置によって達成される。この装置は、カセット及びサービスモジュールを含む。カセットは、複数の試験領域を含むキャリアテープ(carrier tape)を含み、その試験領域は、ミルク試料のバイオマーカー値を示すように構成される。キャリアテープは、第一スプール(spool)及び第二スプールの上に配置され、それらのスプールは、キャリアテープの位置調整のためのカセット外部モーターと協働するように配置される。カセットはさらに、一つの試験領域の検査を可能とするように構成された検査窓を含む。装置のサービスモジュールは、動物の搾乳器具に接続されるように構成される。サービスモジュールは、カセットの検査窓を通してキャリアテープの上の一つの試験領域を検査するように構成されたカメラを含む。さらに、サービスモジュールはまた、検査窓に対するキャリアテープの上の一つの試験領域の位置を調整するために、カセットの第一スプール又は第二スプールのうちの少なくとも一つと係合されるように構成された少なくとも一つのモーターを含む。さらに、サービスモジュールは、搾乳器具を介して動物のミルク試料を受け、試験領域の一つにミルク試料を与えるように構成された管要素を含む。
【0009】
バイオマーカー(biomarker)、又は生物学的マーカー(biological marker)は、一般的に、動物のある生物学的状態又は条件の測定可能な指標に関する。バイオマーカー値は、動物の妊娠/繁殖と関連させることができる。
【0010】
本発明の第二態様によれば、この目的は、第一態様による装置において、動物のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値の測定を可能とするように構成されたカセットによって達成される。カセットは、複数の試験領域を含むキャリアテープを含み、その試験領域は、ミルク試料のバイオマーカー値を示すように構成される。キャリアテープは、第一スプール及び第二スプールの上に配置され、それらのスプールは、キャリアテープの位置調整のためのカセット外部モーターと協働するように配置される。カセットはさらに、一つの試験領域の検査を可能とするように構成された検査窓を含む。
【0011】
本発明の第三態様によれば、この目的は、第一態様による装置において動物のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値の測定を可能とするように構成されたサービスモジュールによって達成される。サービスモジュールは、カセットの検査窓を通してカセットのキャリアテープの上の一つの試験領域を検査するように構成されたカメラを含む。さらに、サービスモジュールは、検査窓に対するキャリアテープの上の一つの試験領域の位置を調整するために、カセットの第一スプール又は第二スプールのうちの少なくとも一つと係合されるように構成された少なくとも一つのモーターを含む。サービスモジュールはまた、搾乳器具を介して動物のミルク試料を受け、キャリアテープの上の試験領域の一つにミルク試料を与えるように構成された管要素を含む。
【0012】
上記の態様のおかげで、農場の動物のミルク試料のバイオマーカー値を決定することによって、例えば動物の繁殖、又は様々な疾患又は他の異常に関する様々な状態を決定することができる。農場の搾乳器具に取り付けられることができるサービスモジュール及びカセットの形で装置モジュラーを保持することによって、オペレーターのコスト、メンテナンス及び作業の厳しさが最小限にされるか、又は少なくとも減少されることができる。また、サービスモジュールの器具及び電子部品からカセットの希釈剤及び測定スティックのような消耗材料を分離することによって、カセットは、例えば配達サービス又は郵便予約によって、別の代替カセットと連続的に置き換えることができる。サービスモジュールは、他方、搾乳器具から脱着されることができ、修理、補修、メンテナンスなどのための作業所に送られることができる。一方、同一の代替サービスモジュールは、農場に与えられることができ、それは、サービスモジュールの器具が故障しているときも、農場に連続的なバイオマーカーの測定を可能にする。さらに、装置は、技術者が農場に来たり、訪問したりすることを要求せずにオペレーターによって操作されることができる。代わりに、オペレーターは、作業所に故障したサービスモジュールを送ることができる。
【0013】
他の利点及び追加の新規な特徴は、続く詳細な記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照してさらに詳述されるだろう。
【0015】
図1図1は、動物のミルク試料のバイオマーカー値を測定するための装置の一例を示す。
【0016】
図2図2は、一実施形態による、サービスモジュール中に挿入されたカセットを示す。
【0017】
図3A図3Aは、一実施形態によるカセットを示す。
【0018】
図3B図3Bは、一実施形態による、カセット及び第二カセットを示す。
【0019】
図4図4は、一実施形態によるサービスモジュールを示す。
【0020】
図5図5は、装置を描く図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書に記述される本発明の実施形態は、装置、方法、及びサービスモジュールとして規定される。これらは、以下に記述される実施形態において実行に移されることができる。しかし、これらの実施形態は、例示的なものであり、多くの異なる形態で実施されることができ、本明細書に規定される実施例には限定されない。むしろ、これらの実施形態の例示的な実施例は、この開示を徹底的で完全なものにするために与えられる。
【0022】
さらに他の目的及び特徴は、以下の詳細な記述を添付の図面と共に読むことによって明らかになるだろう。しかし、図面は例示の目的のためにのみ設計されており、本明細書で開示される実施形態を限定する定義としては設計されていないことは理解されるべきである。実施形態に対する参照は、添付の特許請求の範囲についてなされるべきである。さらに、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。明示されない限り、図面は、本明細書に記述される構造及び手順を概念的に示すことを意図されているにすぎない。
【0023】
図1は、酪農場での酪農動物の群に含まれることができる動物100を用いたシナリオを示す。
【0024】
用語「動物」は、任意のタイプの家畜化されたメスのミルク生産及び/又は肉生産動物(例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ラクダ、ヒトコブラクダ、霊長類、酪乳水牛、ロバ、トナカイ、ヤクなど)であり得る。
【0025】
動物100のミルクは、搾乳器具110(例えば搾乳ロボット又は他の搾乳装置)によって抽出され、サービスモジュール120に与えられることができる。
【0026】
サービスモジュール120は、ある実施形態では搾乳器具110中に解放可能に挿入されることができる。従って、ミルク及びおそらく電気を搾乳器具110を介してサービスモジュール120に与えるために搾乳器具110とサービスモジュール120の間にインターフェースがあってもよい。
【0027】
サービスモジュール120は、カメラ、一つ又は複数のポンプ、搾乳器具110へのインターフェースに取り付けるための管要素、モーター、通信ユニットなどの様々な電子部品及び器具を含む。
【0028】
カセット130は、サービスモジュール120中に脱着可能に挿入されることができる。カセット130は、動物100のミルク試料のバイオマーカー値を示すように構成された試験領域を含む。
【0029】
それによって、動物100のミルク試料は、搾乳器具110によって動物100から抽出され、サービスモジュール120を介してカセット130の試験領域に与えられることができる。試験領域は、例えば色を変えることによって、一つ又は複数のバイオマーカーの量及び/又は存在に反応することができる。サービスモジュール120中のカメラは、カセット130中の検査窓135を通して画像を捕獲することができる。試験領域の捕獲された画像は、次いで制御ユニットに分析されることができる。ミルク試料中のバイオマーカーの量及び/又は存在は、それによって決定されることができる。
【0030】
測定されるバイオマーカーは、異なる実施形態では、例えばプロゲステロン、糖タンパク質、エストロゲン及び/又はゴナドトロピン放出ホルモン、又は動物100の繁殖と関連するいずれかの他の同種のバイオマーカーであることができる。
【0031】
プロゲステロンは、動物100の幾つかの生理学的機能を調節するホルモンである。プロゲステロンは、妊娠のために子宮を調整し、もし受精が行なわれたなら妊娠を維持し、動物100が妊娠時に発情・排卵の兆候を示すことを阻止することができる。プロゲステロンレベルは、例えば妊娠の初期に上昇し、動物100の妊娠全体を通して高レベルに維持されることができる。ミルク試料中のプロゲステロンレベルは、妊娠、発情サイクル(発熱検出)及び/又は産後の卵巣活動を監視するために使用されることができる。これらの理由のため、農場での動物100のプロゲステロンレベルは、オペレーターが検出し、跡をたどるためには重要である。
【0032】
しかしながら、測定されるバイオマーカーは、ある実施形態では、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)、BHB(β-ヒドロキシブチラート)、尿素、体細胞数計測、及び/又はミルク生産量;又は動物100の状態に関する他のバイオマーカーを含むことができる。ある実施形態では、複数の上で挙げられたバイオマーカーを測定することができる。あるいは、ある実施形態では、オペレーターは、農家によって選択されたバイオマーカー又は一組のバイオマーカーを測定するように構成されたキャリアテープの上に特定の試験領域を含むカセット130;及び/又は異なる期間中に異なるバイオマーカー又は異なる組のバイオマーカーを測定するように構成されたキャリアテープの上に試験領域を含む異なるカセット130を予約することができる。
【0033】
ある実施形態では、第二カセット137もまた、サービスモジュール120中に脱着可能に挿入されることができる。第二カセット137は、例えば希釈剤を有する希釈剤容器、針、及び/又は一つ又は複数のポンプを含むことができる。
【0034】
図1及び図2は、読者が大まかな概観を得るために、あまり詳細にせずに、与えられた解決策の一般的な概観を描く。関連する全体の詳細の優れた例、特にサービスモジュール120及びカセット130、及びそれらが互いにどのように相互作用するかは、図3A図3B、及び図4で十分に見ることができる。
【0035】
図2は、一実施形態による、サービスモジュール120、カセット130、及び第二カセット137を示すシナリオを示す。サービスモジュール120は、動物100から受けたミルク試料の生物学的値を決定するために使用される、例えばカメラ210、搾乳器具110へのインターフェースに取り付けるための管要素220、モーター、通信ユニット230などの器具及び電子要素を含む。ある実施形態では、サービスモジュール120は、管要素220を通ってミルク試料を進めるための管要素220に作用するように構成された一つ又は複数のポンプを含むことができる。
【0036】
示された実施形態では、第二カセット137は、カセット130中の開口135、例えば検査穴135を通してカセット130中のキャリアテープの上の試験領域にミルク試料を付与するための針350を含むことができる。カメラ210は、そのときカセット130のキャリアテープの上の試験領域と針350を整列することができる。第二カセット137はまた、ミルク試料と混合される希釈剤を含むように構成された希釈剤容器を含むことができる。
【0037】
しかしながら、他の実施形態では、針350は、図3A及び図3Bにさらに例示されるように、サービスモジュール120に又はカセット130に含められてもよい。
【0038】
通信ユニット230は、有線又は無線通信インターフェースを介して、制御ユニット150、データベース140、及び/又は出力ユニット160と通信することができる。
【0039】
かかる無線通信インターフェースは、Wi-Fi,Wireless Local Area Network(WLAN),Ultra Mobile Broadband(UMB),Bluetooth(登録商標)(BT)などの無線通信技術を含むか又は少なくともこれらの技術によって影響を受けることができるが、これらは、ある実施形態において無線通信のいくつかの可能な例にすぎない。通信は、代替的に、例えば3GPP LTE,LTE-Advanced,E-UTRAN,UMTS,GSM(登録商標),GSM(登録商標)/EDGE,WCDMA(登録商標),Time Division Multiple Access(TDMA)ネットワーク,Frequency Division Multiple Access(FDMA)ネットワーク,Orthogonal FDMA(OFDMA)ネットワーク,Single-Carrier FDMA(SC-FDMA)ネットワーク,Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMax),又はUltra Mobile Broadband(UMB),High Speed Packet Access(HSPA),Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA),Universal Terrestrial Radio Access(UTRA),GSM(登録商標) EDGE Radio Access Network(GERAN),3GPP2 CDMA技術,例えばCDMA2000 1x RTT及びHigh Rate Packet Data(HRPD)などの無線アクセス技術を含むか又は少なくともこれらの技術によって影響を受けることができる無線インターフェース上でなされることができるが、これらは、無線通信ネットワークを介するいくつかの少ない選択肢を述べているにすぎない。
【0040】
制御ユニット150は、カメラ210によって捕獲された画像の分析に基づいて、動物100のミルク試料のバイオマーカー値を決定するように構成される。制御ユニット150は、ある実施形態ではサービスモジュール120に含められてもよく、又はサービスモジュール120の外部にあってもよい。
【0041】
データベース140は、動物100の身元参照及び/又は測定の時間スタンプと関連して、動物100の測定された生物学的値を記憶することができる。動物100に関連する他の測定値及び/又はデータ(例えばミルク流量計135a,135b,135cによって測定されるミルク収率、活動度、繁殖、出産経歴、反芻、授乳、休息、飼料摂取、エネルギーバランス、授乳日、ミルク生産、年齢、及び所望により他の同様の動物状態関連パラメーター)はまた、データベース140に記憶されることができる。
【0042】
出力ユニット160は、例えば携帯電話、固定又は携帯コンピューター装置、コンピュータータブレット、ディスプレイ、インテリジェントグラス、スマートコンタクトレンズ、拡張現実感装置、スマートウォッチ、又はユーザーインターフェース及び無線通信能力を有する同種装置であることができる。
【0043】
出力ユニット160を介して、オペレーターは、ミルク試料のバイオマーカー測定の結果の一部をとることができる。オペレーターは、それによって、例えばプロゲステロンが測定される場合において、動物100が発熱しているかどうかのような動物100の状態を分析することができる。
【0044】
第一しきい値限界を越える逸脱がバイオマーカー測定の結果と対応する参照値の間で検出されるなら、警告がオペレーターに出力されることができる。警告は、例えば視覚的情報、音声メッセージ、触覚信号、又はそれらの組み合わせを含むことができ、それらは、オペレーターが結果における検出された逸脱の理由をさらに調査することを促すことができる。複数の人々が家畜の群れと働いている場合には、ある実施形態では、複数のオペレーター及び彼らのそれぞれの関連する出力ユニット160に対して放送を行なうことができる。
【0045】
オペレーターは、例えば農家、又は農場で働いている他の人、又は獣医師、農学者、栄養学者、生物学者、動物学者、経済学者、哺乳類学者、家畜の研究者、動物園の管理者、又は農場を一時的に、偶然に、又は永久的に訪問する他の同様の人々であることができる。用語「農場」は、本明細書では、家畜小屋、飼育場、厩舎、又は動物を維持するための他の同様の農業構造であることができる。
【0046】
カセット130をサービスモジュール210中に取りはずし可能に挿入することができる。カセット130は、キャリアテープ170を含み、それは、複数の試験領域180a,180b,180cを含む。
【0047】
キャリアテープ170は、第一スプール131及び第二スプール132の上に配置されることができる。これらのスプール131,132は、キャリアテープ170の位置調整のためのカセット外部モーターと協働するように配置される。カセット外部モーターは、ある実施形態では、サービスモジュール120中に含まれることができる。サービスモジュール120のカメラ210は、検査窓135を通してキャリアテープ170の試験領域180a,180b,180cの画像を捕獲することができる。これらの画像に基づいて、カセット外部モーターは、針350に対する、新しい試験が行なわれることになる新しい試験領域180a,180b,180cの配置のためにキャリアテープ170を調整することができる。
【0048】
例えばサービスモジュール120に、カセット130に、又は第二カセット137に含まれることができる針350は、ある実施形態では調整可能であることができる。例えば、針350は、調整可能な直径を有するドロップガイド(drop guide)を含むことができる。あるいは、異なる直径のドロップガイドを針に交換可能に適用してもよい。針350の概念は、例えば受けたミルク試料を試験領域180a,180b,180cに与えるための開口又は管類、又はそれらのサブセットとして広く解釈されるべきである。
【0049】
試験領域180a,180b,180cは、ミルク試料が試験領域180a,180b,180cのうちの一つに付与されるとき、ミルク試料のバイオマーカー値を示すように構成される。試験領域180a,180b,180cは、一回の使用のためにそれぞれ設計されることができる。ある実施形態では、キャリアテープ170の試験領域180a,180b,180cは、バイオマーカーにさらされると色を変化するように構成されることができる。試験領域180a,180b,180cは、ある実施形態では、乾燥スティック技術に基づくことができる。
【0050】
サービスモジュール120中のカメラ210は、予め決められた又は設定可能な時間期間の後、問題の試験領域180a,180b,180cの画像を捕獲することができる。捕獲された画像の上の試験領域180a,180b,180cの色は、次いで、例えば異なる色又は微妙な差異がミルク試料の特定のバイオマーカーレベルと関連するカラーチャートとの比較によって制御ユニット150によって分析されることができる。
【0051】
カセット130はまた、ある実施形態では、サービスモジュール120の管要素220から動物100のミルク試料を受けるように構成された液体挿入接続部を含むことができる。さらに、カセット130は、液体挿入接続部を介して動物100のミルク試料を受け、キャリアテープ170の上の試験領域180a,180b,180cのうちの一つにミルク試料を付与するように構成された針350を含むことができる。
【0052】
ミルク試料は、ある実施形態では、キャリアテープ170の上の試験領域180a,180b,180cに付与される前に希釈剤と混合されることができる。希釈剤は、ある実施形態では、カセット130に含まれる希釈剤容器中に保持されることができる。他の実施形態では、希釈剤容器は、キャリアテープ170を含むカセット130とは異なる第二カセット137に、又はカセット130の外部の別個の希釈剤容器に含められてもよい。
【0053】
カセット130に含まれる希釈剤容器を有することの利点は、オペレーターがキャリアテープ170の上の全ての試験領域180a,180b,180c及び希釈剤が使用されたときにカセット130を新しいものに置き換えることが要求されるだけであることである。従って、カセット130の容器中の希釈剤の量は、キャリアテープ170の上の試験領域180a,180b,180cの数に調整されることができ、それによってオペレーターが装置のメンテナンスに費やさなければならない仕事を簡単にし、その量を減少することができる。
【0054】
希釈剤が第二カセット137のような別個のカセット中の別個の容器に保持される実施形態では、オペレーターは、異なる時間間隔でそれぞれのカセット130,137を交換してもよい。限定されない例では、カセット130は、1ヶ月に1回交換されてもよく、希釈剤容器及び針を含む第二カセット137は、1年に2回交換されてもよい。希釈剤がカセット130の外部の容器に保持される場合には、オペレーターは、希釈剤を補充してもよく、それは、オペレーターのコスト全体を減少することができる。さらに、複数のカセット130,137を有することによる利点は、例えば針350のような中に含まれた物の組み立てエラー又は輸送損傷が起こる場合には、欠陥物を含む特定のカセット130,137のみが交換されれば十分であり、それは、資源を節約することである。
【0055】
ある実施形態では、カセット130は、ミルク試料を針350に与えるために管要素220に作用するように構成された少なくとも一つのポンプを含むことができる。少なくとも一つのポンプは、希釈剤が第二カセット137に含まれる実施形態では、第二カセット137に代替的に含まれることができる。
【0056】
ミルクと希釈剤の比率は、各液体(ミルク/希釈剤)がそれぞれのポンプと関連する場合には、液体の一方又は両方のそれぞれのポンプスピードを変化することによって調整されることができる。
【0057】
カセット130に、第二カセット137に、又はサービスモジュール120に含まれる針350は、ある実施形態では、混合されたミルク試料を一つの試験領域180a,180b,180cに付与する前に得られた希釈剤をミルク試料と混合するように構成された混合室を含むことができる。
【0058】
カセット130のキャリアテープ170は、ある実施形態では、洗い流し穴190を含むことができる。異なる動物100からのミルク試料を区別するために、以前に搾乳された動物100からのミルクがサービスモジュール120、カセット130及び/又は第二カセット137の配管中に残ることが、新しいミルク試料が取られる動物100のミルクでそれぞれの配管を洗い流すことによって回避されることができる。キャリアテープ170は次に、続く動物からのミルク試料を受け取るための位置に試験領域180a,180b,180cを配置するために送られる前に、洗い流し穴190を介して動物100からのミルクが洗い流されることができるように送られることができる。
【0059】
カセット130に与えられたミルクは、試験領域180a,180b,180cに付与されたミルク試料であれ、又は洗い流し穴190を通して洗い流されたミルクであれ、カセット130の開口195及びサービスモジュール120の排水路205を介してカセット130から排出されることができる。排出されたミルクは、ある実施形態では、ミルクラインに戻されることができる。他の実施形態では、排出されたミルクは、下水に散逸されるか、又は他の何らかの方法で農場から排出されることができる。
【0060】
ある実施形態では、カセット130及び/又は第二カセット137は、環境から封止されており、それによって気候室を作り出すことができ、カセット130及び/又は第二カセット137中では気候環境が広がる。これによって、カセット130及び/又は第二カセット137は、農場のダスト、汚れ、液体などの環境衝撃から隔離されるようになる。
【0061】
ある実施形態では、カセット130は、キャリアテープ170の上の複数の試験領域180a,180b,180cを封止するように構成された封止テープを含むことができる。封止テープは、キャリアテープ170に熱封止された箔であることができる。これは、最初の動物100からのミルクが、続く動物のバイオマーカー試験のために使用することを意図される試験領域180a,180b,180cに浸透しないようにすることが重要であるからである。なぜなら、最初の動物100からのミルクは、第二の動物の試験領域180a,180b,180cを汚染しうるからである。この理由のため、カセット130は、一つの試験領域180a,180b,180cが針350と整列された位置に調整されるときに一つの試験領域180a,180b,180cから封止テープを除去するように構成された封止解除装置をさらに含むことができる。
【0062】
カメラ、モーター、ポンプ、及び他の電子機器及び/又は装置を含むサービスモジュール120と、使い捨て材料を含む一つ又は複数のカセット130,137とを分割することによる開示された解決策の利点は、オペレーターにとって極めて容易に使用することができるようになるということである。
【0063】
カセット130は、特定の予め決定された時間期間の間、農場を支援するための試験領域180a,180b,180cなどを含むことができる。この時間期間が終わる前に、供給者は、新しいカセット130を農場に供給することができる。オペレーターは、この新しいカセット130を、サービスモジュール120の繊細な電子機器と相互作用する必要なしにサービスモジュール120中に入れることができる。使用済のカセット130は、廃棄されることができる。
【0064】
ハードウェアの故障又は他の不調が生じた場合、オペレーターは、サービスモジュール120を搾乳器具110から除去し(そしてまた、カセット130をサービスモジュール120から除去し)、除去したサービスモジュール120を修理/調整のためにサービスの供給者に与えることができる。サービスモジュール120が修理中の間、オペレーターは、別のサービスモジュール120をサービスの供給者から借りることができる。それによって、動物100のバイオマーカー値は、サービスモジュール120又はその任意の一部分が不調の場合でも、中断なしに監視されることができる。また、外部の技術者が使い捨てカセット130,137の交換のためやサービスモジュール120のエラーを分析するために農場を訪問する必要はないので、サービス及びメンテナンスのための費用は最小限になるか、又は少なくとも低減される。
【0065】
図3Aは、一実施形態によるカセット130を示す。
【0066】
ミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値を側定するように構成された複数の試験領域180a,180b,180cを含むキャリアテープ170は、第一スプール131及び第二スプール132の上に配置されている。示されている実施形態では、キャリアテープ170は、その上の複数の試験領域180a,180b,180cを封止するように構成された封止テープ310でカバーされている。
【0067】
また、示された実施形態では、一つの試験領域180a,180b,180cが針350と整列する位置に調整されるときにキャリアテープ170の上の試験領域180a,180b,180cから封止テープ310を除去するための封止解除装置320が含まれている。
【0068】
カセット130は、上述のように、動物100のミルク試料を受け取るように構成された液体挿入接続部340を含むことができる。従って、任意の液体挿入接続部340は、カセット130とサービスモジュール120との間の接続インターフェースを構成し、針350がカセット130に含まれる実施形態では、これを通してミルク試料がサービスモジュール120の管要素220を介して受け取られることができる。
【0069】
カセット130はまた、針350を含むことができる。針350は、動物100のミルク試料を受け、キャリアテープ170の上の試験領域180a,180b,180cの一つにミルク試料を付与するように構成されることができる。
【0070】
針350がカセット130に含まれる、ある実施形態では、カセット130は、針350にミルク試料を与えるために管要素220に作用するように構成された少なくとも一つのポンプを含むことができる。
【0071】
針350は、受けたミルク試料を希釈剤と混合するための室355を含むことができ、希釈剤は、示された実施形態では、カセット130中の希釈剤容器360に保持されている。
【0072】
キャリアテープ170が針350と整列された位置で使用されるように試験領域180a,180b,180cを置くために移動されるとき、ミルク/希釈剤は、試験領域180a,180b,180cの上に付与されることができる。
【0073】
図3Bは、一実施形態による、カセット130及び第二カセット137を示す。示された実施形態は、図3Aで既に述べた実施形態と様々な類似性を持つが、希釈剤容器360は、第二カセット137に含まれ、第二カセット137は、カセット130とは別個のものである。
【0074】
別個のカセット130,137(一つはキャリアテープ/試験領域180a,180b,180cのための第一カセット130、一つは希釈剤容器360中の希釈剤を維持するための第二カセット137)を持つ利点は、それぞれのカセット130,137が異なる時間間隔で交換されることができること、例えば第一カセット130が1ヶ月に一度で交換され、第二カセット137が2ヶ月ごとに交換されたり、又はその逆も可能であることである。それによって、フレキシビリティの増大が達成され、農場での特定の環境及び群れのサイズに装置全体を適応させることを可能にする。
【0075】
針350は、示された実施形態ではカセット130に含まれる。しかしながら、既に述べたように、針350は、第二カセット137に、又はサービスモジュール120に含まれることができる。
【0076】
限定されない例では、第二カセット137中の希釈剤容器360の希釈剤は、農場で複数のカセット130に供給されることができる。
【0077】
図4は、カセット130と協働して、装置400における動物100のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値の測定を可能とするように構成された、実質的に前に示されたような、サービスモジュール120を示す。
【0078】
サービスモジュール120は、カセット130の検査窓135を通して、カセット130のキャリアテープ170の上の一つの試験領域180a,180b,180cを検査するように構成されたカメラ210を含む。カメラ210は、例えば電荷結合素子(CCD)、能動ピクセルセンサー(APS)、相補型金属強化膜半導体(CMOS)センサー又は他の同種装置を様々な実施形態において含むことができる。
【0079】
さらに、サービスモジュール120は、キャリアテープ170の上の一つの試験領域180a,180b,180cの位置を検査窓135に対して調整するために、カセット130の第一スプール131又は第二スプール132のうちの少なくとも一つと係合されるように構成された少なくとも一つのモーター420を含む。このモーター420は、第一回転駆動手段421及び/又は第二回転駆動手段422を推進させることができる。これらの第一回転駆動手段421及び/又は第二回転駆動手段422は、カセット130の第一スプール131及び/又は第二スプール132(この上にキャリアテープ170が配置されている)と相互作用することができる。モーター420は次に、第一回転駆動手段421及び/又は第二回転駆動手段422によってカセット130の第一スプール131及び/又は第二スプール132を回転させることによって、キャリアテープ170の上の一つの試験領域180a,180b,180cの位置をカセット130の検査窓135に対して調整することができる。それによって、針350、及びキャリアテープ170の上の試験領域180a,180b,180cの位置は、検査窓135を通してカメラ210によって捕獲された画像に基づいて整列されることができる。
【0080】
ある実施形態では、モーター420は、電気モーター(例えば交流(AC)モーター)420を含むことができる。電流は、外部エネルギー源から供給されることができる。ある実施形態では、モーター420は、直流(DC)モーター420であることができる。
【0081】
さらに、サービスモジュール120はまた、搾乳器具110を介して動物100のミルク試料を受け取り、針350、例えばカセット130に含まれる針350に、又は代替的に第二カセット137に、カセット130の液体挿入接続部340を介してこのミルク試料を与えるように構成された管要素220を含む。それによって、サービスモジュール120とカセット130及び/又は第二カセット137の間にインターフェースが存在することができ、そこでは管要素220は、カセット130及び/又は第二カセット137の液体挿入接続部340に接続される。
【0082】
サービスモジュール120は、ある実施形態では、ミルク試料を針350に与えるために管要素220に対して作用するように構成された少なくとも一つのポンプ410を追加的に含むことができる。従って、ポンプ410は、ミルク試料が管要素220を通して、例えばカセット130の液体挿入接続部340を介して伝搬されて、針350に、又はむしろ針350の混合室355に到達するように管要素220に対して作用することができる。
【0083】
さらに、サービスモジュール120は、カセット130の開口195を介してカセット130から排出された液体を受け取って、この液体をサービスモジュール120から排出するように配置された排水路205を含むことができる。
【0084】
図5は、動物100のミルク試料の少なくとも一つのバイオマーカー値を測定するための装置500を示す。
【0085】
装置500は、カセット130を含む。カセット130は、複数の試験領域180a,180b,180cを含むキャリアテープ170を含む。試験領域180a,180b,180cは、ミルク試料のバイオマーカー値を示すように構成される。キャリアテープ170は、第一スプール131及び第二スプール132の上に配置され、それらのスプール131,132は、キャリアテープ170の位置調整のためにカセット外部モーター420と協働するように配置される。
【0086】
カセット130のキャリアテープ170は、ある実施形態では、キャリアテープ170の上の各試験領域180a,180b,180cの間に洗い流し穴190を含むことができる。
【0087】
カセット130はまた、ある実施形態では、動物100のミルク試料を受けるように構成された液体挿入接続部340を含むことができる。
【0088】
さらに、カセット130は、液体挿入接続部340を介して動物100のミルク試料を受け、試験領域180a,180b,180cの一つにミルク試料を付与するように構成された針350を追加的に含むことができる。カセット130はまた、一つの試験領域180a,180b,180cの検査を可能にするように構成された検査窓135を含む。
【0089】
カセット130の任意の針350は、混合されたミルク試料を一つの試験領域180a,180b,180cに付与する前に得られたミルク試料を希釈剤と混合するように構成された混合室355を代替的に含むことができる。
【0090】
カセット130は、ある実施形態では、サービスモジュール120に脱着可能に挿入され、スナップロック、磁石、ねじなどの固定手段によって適所に保持されるように構成されることができる。
【0091】
ある実施形態では、カセット130はまた、キャリアテープ170の上の複数の試験領域180a,180b,180cを封止するように構成された封止テープ310を含むことができる。さらに、カセット130は、一つの試験領域180a,180b,180cが針350と整列された位置に調整されるときに一つの試験領域180a,180b,180cから封止テープ310を除去するように構成された封止解除装置320を含むことができる。
【0092】
カセット130は、ある実施形態では、カセット130と環境の間の環境分離によって作られた気候環境に支配されることができる。それによって、キャリアテープ170の上の試験領域180a,180b,180cは、未知の動物からのミルク、ダスト、汚れなどの外部要因からの意図しない影響から保護されることができる。
【0093】
ある実施形態では、カセット130はまた、ミルク試料と混合される希釈剤を含むように構成された希釈剤容器360を含むことができる。
【0094】
さらに、装置500のカセット130はまた、カセット130から液体を排出するように配置された開口195を含むことができる。
【0095】
装置500はまた、サービスモジュール120を含む。サービスモジュール120は、動物100の搾乳器具110に接続されるように構成される。サービスモジュール120は、カセット130の検査窓135を通してキャリアテープ170の上の一つの試験領域180a,180b,180cを検査するように構成されたカメラ210を含む。さらに、サービスモジュール120はまた、検査窓135に対して、キャリアテープ170の上の一つの試験領域180a,180b,180cの位置を調整するために、カセット130の第一スプール131又は第二スプール132のうちの少なくとも一つと係合されるように構成された少なくとも一つのモーター420を含む。
【0096】
モーター420は、ある実施形態では、針350及び一つの試験領域180a,180b,180cの整列に基づいて、キャリアテープ170の上の一つの試験領域180a,180b,180cの位置を調整するように構成されることができる。整列は、カセット130の検査窓135を通してカメラ210によって管理されることができる。
【0097】
また、サービスモジュール120は、ある実施形態では、搾乳器具110を介して動物100のミルク試料を受け、カセット130の液体挿入接続部340を介してカセット130の針350にミルク試料を与えるように構成された管要素220を含む。針350がサービスモジュール120に含まれる他の実施形態では、ミルク試料は、カセット130の検査窓135を介して針350によって与えられることができる。
【0098】
装置500は、ある実施形態では、針350にミルク試料を与えるために管要素220に対して作用するように構成された少なくとも一つのポンプ410を含むことができる。ポンプ410は、異なる実施形態では、サービスモジュール120に又はカセット130に含まれることができる。
【0099】
サービスモジュール120は、ある実施形態では、搾乳器具110に脱着可能に挿入されるように構成されることができる。
【0100】
装置500はさらに、ある代替実施形態では、ミルク試料と混合される希釈剤、及び/又は針350を含むように構成された希釈剤容器360を含む第二カセット137を含むことができる。
【0101】
さらに、サービスモジュール120は、ある実施形態によれば、カセット130の開口195を介してカセット130から排出された液体を受け、サービスモジュール120から液体を排出するように配置された排水路205を含むことができる。
【0102】
サービスモジュール120はまた、制御ユニット150と、サービスモジュール120のカメラ210によって捕獲された画像を通信するように構成された通信装置230を含むことができる。
【0103】
装置500はまた、ある実施形態では、カメラ210によって捕獲された、一つの試験領域180a,180b,180cの捕獲された画像を分析するように構成された制御ユニット150を含むことができる。
【0104】
さらに、装置500は、動物100の身元とともに動物100のミルク試料のバイオマーカー値の分析を記憶するように構成されたデータベース140を含むことができる。装置500はさらに、ミルク試料の測定されたバイオマーカー値の結果を出力するように構成された出力装置160を含むことができる。
【0105】
任意の制御ユニット150は、群れの動物100のバイオマーカー測定値のような、サービスモジュール120からの情報を受けるように構成された受信器510を含むことができる。
【0106】
制御ユニット150はまた、コンピュータープログラムを実行するための様々な計算を行なうように構成された処理回路520を含む。
【0107】
かかる処理回路520は、一つ以上の処理回路(つまり、中央処理ユニット(CPU)、処理ユニット、処理回路、プロセッサー、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサー、又は命令を解釈して実行することができる他の処理論理を含むことができる。本明細書で使用される表現「プロセッサー(処理装置)」は、複数の処理回路(例えば、上述の例示のうちのいずれか、いくつか又は全て)を含む処理回路を表わすことができる。
【0108】
さらに、ある実施形態では、制御ユニット150は、メモリー525を含むことができる。任意のメモリー525は、一時的な又は永久的な基準でデータ又はプログラム(つまり、一連の命令)を記憶するために利用される物理的装置を含むことができる。ある実施形態では、メモリー525は、シリコンベースのトランジスターを含む集積回路を含むことができる。メモリー525は、異なる実施形態において、例えばメモリーカード、フラッシュメモリー、USBメモリー、ハードディスク、又はデータを記憶するための別の同種の揮発性又は不揮発性の記憶ユニット(例えば、ROM(リードオンリーメモリー),PROM(プログラマブルリードオンリーメモリー),EPROM(消去可能PROM),EEPROM(電気的消去可能PROM)など)を含むことができる。
【0109】
さらに、制御ユニット150は、信号送信器530を含むことができる。信号送信器530は、有線又は無線通信インターフェースを介してオペレーターの出力ユニット160に、おそらくトランシーバーを介して、及び/又はデータベース140に信号を送信するように構成されることができる。
【0110】
さらに、カセット130のキャリアテープ170の上の試験領域180a,180b,180cにおいて動物100から得られたミルク試料の生物学的測定を連続的に実行する命令を含むコンピュータープログラムは、制御ユニット150で実行されることができる。
【0111】
上述のコンピュータープログラムは、例えば、コンピューター可読媒体(つまり、制御ユニット150の一つ以上の処理回路520中にロードされたときに、ある実施形態に従ってコンピュータープログラムのステップの少なくともいくつかを実行するためのコンピュータープログラムコードを担持するデータキャリア)の形で与えられることができる。データキャリアは、例えば、ハードディスク、CD ROMディスク、メモリースティック、光学記憶装置、磁気記憶装置、又は機械可読データを非一時的に保持することができるディスクやテープなどの他の好適な媒体であることができる。コンピュータープログラムはさらに、サーバー上のコンピュータープログラムコードとして与えられ、制御ユニット150に遠隔的に(例えば、インターネット又はイントラネット接続を介して)ダウンロードされることができる。
【0112】
図1図2図3A図3B図4及び/又は図5に示されている実施形態又はその一部は、さらなる利点を達成するために相互に有利に組み合わせられることができる。
【0113】
添付の図面に示されているような実施形態の記述において使用されている用語は、記述された装置500、カセット130、サービスモジュール120、制御ユニット150、第二カセット137及び/又はコンピュータープログラムを限定することを意図されない。添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の実施形態から離れることなく、様々な変化、置換、及び/又は変更を行なうことができる。
【0114】
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連するリストに挙げられた項目の一つ以上のいかなる及び全ての組み合わせを含む。本明細書で使用される用語「又は」は、明記されない限り、数学的なOR(つまり、包括的な分離)として解釈されるべきであり、数学的な排他的OR(XOR)として解釈されるべきでない。加えて、単数形「a」、「an」及び「the」は、「少なくとも一つの」として解釈されるべきであり、従って、明記されない限り、同じ種類の複数の実体を含むことがあり得る。さらに、用語「含む」(「includes」、「comprises」、「including」及び/又は「comprising」)は、述べられた特徴、行動、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、行動、整数、ステップ、操作、要素、成分、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが理解されるだろう。例えばプロセッサーなどの単数のユニットは、特許請求の範囲において言及されたいくつかの項目の機能を満たすことができる。特定の測定値又は特徴が相互に異なる従属項において言及されていたり、異なる図において示されていたり、又は異なる実施形態との関連で論じられていたりするという事実は、これらの測定値又は特徴の組み合わせが有利に使用できないということを示さない。コンピュータープログラムは、他のハードウェアと共に又はその一部として供給された好適な媒体(例えば、光学記憶媒体又は固体状態媒体)上に、記憶/分散されることができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線通信システムなどを介して他の形で分散されることもできる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5