(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】回転電動機およびステータの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 1/12 20060101AFI20221006BHJP
H02K 1/16 20060101ALI20221006BHJP
H02K 15/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H02K1/12 A
H02K1/16
H02K15/02 F
(21)【出願番号】P 2016201908
(22)【出願日】2016-10-13
【審査請求日】2019-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】中▲崎▼ 修
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-078375(JP,A)
【文献】特開2010-063351(JP,A)
【文献】特開2006-087222(JP,A)
【文献】特開2006-217718(JP,A)
【文献】特開2009-299676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/12
H02K 1/16
H02K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータを備える回転電動機であって、
前記ステータは、
フレームと、
前記フレームの嵌合部に嵌合されたステータコアと、
を備え、
前記ステータコアは、複数のかしめ部分において積層状態でかしめ固定された複数の鉄心辺を有し、
前記複数のかしめ部分が円周方向に不均等に配置され、
前記複数のかしめ部分は、前記フレームの剛性の高い箇所に相対的に高い密度で配置されることを特徴とする回転電動機。
【請求項2】
ステータの製造方法であって、
複数の鉄心片を、円周方向に不均一に配置された複数のかしめ部分において積層状態でかしめ固定し、ステータコアを形成するステップと、
前記ステータコアを、フレームの偏平した嵌合部に嵌合するステップと、
を備え、
前記複数のかしめ部分は、前記フレームの前記嵌合部の短軸と交わる箇所に、相対的に高い密度で配置されることを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インナーロータ型の回転電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電動機のひとつに、インナーロータ型のブラシレスモータ(以下、単に回転電動機ともいう)が知られている。回転電動機は、ロータとステータを備える。
【0003】
図1(a)は、ステータ2の構造を示す平面図であり、
図1(b)はその拡大図である。ステータ2は、ステータコア10およびフレーム30を備える。ステータコア10は、環状のヨーク12と、ヨーク12から中央方向に突起した複数のティース(歯部)14を有する。ティース14とティース14の間には、スロット16が形成される。スロットには、図示しない巻線(コイル)が巻装される。ステータコア10は、プレス加工により切断、成形された薄型の鉄心片が積層されて構成される。複数の鉄心辺は、かしめあるいは溶着によって接合される。
【0004】
ステータコア10は、焼き嵌め工程によってフレーム30の嵌合部32に嵌合される。この工程では、フレーム30が加熱される。
図1(b)に示すように、フレーム30は過熱状態において膨張し、その嵌合部32の内径は、ステータコア10の外径よりも大きくなる。この状態でステータコア10がフレーム30の嵌合部32に挿入される。そしてフレーム30を冷却して収縮させることにより、ステータコア10がフレーム30の嵌合部32に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
回転電動機は、固定子巻線に電流を流さない状態において、ロータを回転させたときに回転角に応じて脈動する抗力が発生する。これはコギングトルクと称され、回転電動機を回転制御する際の外乱となり、装置の精度低下、効率の低下、騒音、振動の原因となる。コギングトルクを低減するためには、ステータコア10を真円に近づけることが有効である。
【0007】
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、真円に近いステータコアの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、ステータを備える回転電動機に関する。ステータは、フレームと、フレームの嵌合部に嵌合されたステータコアと、を備える。ステータコアは、複数のかしめ部分において積層状態でかしめ固定された複数の鉄心辺を有する。複数のかしめ部分が円周方向に不均等に配置される。
【0009】
本発明者は、かしめ部分の配置に応じて、ステータコアの径方向分布を変化させること、つまり真円から意図的に変形させることが可能であることを見いだした。この態様によると、複数のかしめ部分の配置を不均等に配置することにより、フレームとステータコアの嵌合後において、ステータコアを真円に近づけることができる。
【0010】
複数のかしめ部分は、フレームの嵌合部とステータコアの嵌めしろの小さい箇所に、相対的に高い密度で配置されてもよい。ステータコアは、嵌めしろが小さい箇所において、フレームから大きな力を受けるため、そのような箇所にかしめ部分を集中させることで、嵌合後にステータコアを真円に近づけることができる。
【0011】
複数のかしめ部分は、フレームの剛性の高い箇所に集中していてもよい。ステータコアは、フレームの剛性が高い箇所において、フレームから大きな力を受けるため、そのような箇所にかしめ部分を集中させることで、嵌合後にステータコアを真円に近づけることができる。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ステータコアを真円に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1(a)は、ステータの構造を示す平面図であり、
図1(b)はその拡大図である。
【
図3】
図3(a)は、嵌合前において測定された、フレームの嵌合部の内径r
Fおよびステータコアの外径R
Cの周方向分布図であり、
図3(b)は、従来のステータコアの嵌合前と嵌合後において測定された外径R
Cの周方向分布図である。
【
図4】
図4(a)は、実施の形態に係るステータのステータコアの斜視図であり、
図4(b)はその平面図である。
【
図5】複数の鉄心辺のかしめ固定を説明する断面図である。
【
図6】かしめによるステータコアの変形を説明する図である。
【
図7】
図7(a)~(c)は、ステータコアとフレームの嵌合を説明する図である。
【
図8】
図8(a)~(c)は、第1変形例に係るステータコアを示す図である。
【
図9】
図9(a)~(c)は、第2変形例に係るステータコアを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0016】
本発明者らはステータについて検討した結果、以下の知見を得た。なおこの知見を当業者の一般的な認識として捉えてはならない。
【0017】
図2は、従来のステータ2rの斜視図である。ステータコア10rは、複数の鉄心辺20の積層構造となっている。鉄心辺20は電磁鋼板をプレス加工により切断、成形したものである。複数の鉄心辺20は積層状態で、複数のかしめ部分22において、かしめ固定されている。ステータコア10rの外径をR
Cとする。
【0018】
フレーム30は、ステータコア10rを収容する嵌合部32を備える。嵌合部32の内径をrFとする。ステータコア10rをフレーム30の嵌合部32に嵌合する前の状態では、周方向の少なくとも一部において、RC<rFが成り立っている。
【0019】
図3(a)は、嵌合前において測定された、フレーム30の嵌合部32の内径r
Fおよびステータコア10rの外径R
Cの周方向分布図である。径R
C,r
Fはそれぞれ、周方向に45°間隔で8方向について測定されている。
【0020】
ステータコア10rを構成する鉄心辺20の断面形状は円形であり、また厚みd(内径と外径の差)も周方向に実質的に均一といえる。一方、フレーム30の断面形状は非円形であり、また厚みDも場所ごとに大きく異なっている(たとえばD2>D1)。かかる構造の違いから、ステータコア10rは真円に近づけることが相対的に容易であるのに対して、フレーム30の嵌合部32を真円に近づけることは相対的に難しい。
【0021】
このことは
図3(a)からも確認でき、ステータコア10rの外径R
Cの方が、嵌合部32の内径r
Fよりも真円に近くなっている。径の最大値と最小値の差を真円度とすると、ステータコア10rの外径R
Cの真円度が10μmであるのに対して、フレーム30の嵌合部32の内径r
Fの真円度は400μmであり、1桁以上異なっている。嵌合の段階において、フレーム30の嵌合部32の断面は偏平形状を有していると言える。
【0022】
図3(b)は、従来のステータコア10rの嵌合前と嵌合後において測定された外径R
Cの周方向分布図である。嵌合前において真円に近かったステータコア10rの外径R
Cは、嵌合後において楕円変形(偏平)している。嵌合後のステータコア10rの形状は、嵌合前の嵌合部32の形状と類似している。このことは、フレーム30の剛性がステータコア10rの剛性に対して相対的に高過ぎると、フレーム30が収縮過程において、ステータコア10rを変形させることを意味する。
【0023】
本発明はこの知見にもとづくものである。以下、実施の形態に係るステータ2について説明する。実施の形態に係るステータ2では、嵌合前のステータコア10を積極的に真円からずらしておき、フレーム30の収縮時に受ける力によって、嵌合後のステータコア10の形状を真円に近づける。
【0024】
図4(a)は、実施の形態に係るステータ2のステータコア10の斜視図であり、
図4(b)はその平面図である。ステータコア10は、複数のかしめ部分22において積層状態でかしめ固定された複数の鉄心辺20を有する。複数のかしめ部分22は、円周方向に不均等に配置される。
【0025】
図5は、複数の鉄心辺20のかしめ固定を説明する断面図である。
図5には、
図4(b)のA-A’線の断面図が示される。かしめ固定は、鉄心辺20を1枚づつ積み重ねながら、かしめ部分22に対してかしめピン40によって力を加えて鉄心辺20を変形させる工程を含む。
【0026】
一番下の鉄心辺20Aのかしめ部分22には、開口24が設けられている。鉄心辺20Aに20Bを重ねた状態で、かしめピン40が、鉛直方向から径方向に傾けた外周方向に向かって打たれる。これにより外周方向への力F1が発生し、鉄心辺20Aと20Bがかしめ固定される。続いて、鉄心辺20Bの上に鉄心辺20Cが積み重ねられ、かしめピン40によって力が加えられる。この処理を繰り返すことにより、かしめ部分22を有する積層コアが形成される。
【0027】
図6は、かしめによるステータコア10の変形を説明する図である。実線は、かしめによる変形前のステータコアの形状を示し、破線はかしめ後のステータコアの形状を示す。なお径方向の変形量ΔRは模式的に表したものであり、実際の寸法を表すものではない。
【0028】
かしめ処理によってかしめ部分22には、中心から外周を向く力F1が加わる。すなわちかしめ後のステータコア10の外径RC’は、かしめ前のステータコア10の外径RCよりも大きくなり、ステータコア10の内径rCも、かしめ前よりかしめ後の方が大きくなる。その結果、ヨーク12の周長がかしめ前より長くなるため、ヨーク12には周方向の引張り応力F2が発生する。なお、かしめピン40を取り除いた後においても、引張り応力F2の一部は引張り残留応力として残る。引張り残留応力はたとえばX線残留応力測定装置によって測定することができる。なお、周方向の引張り残留応力が残っている箇所には、径方向の圧縮残留応力F3が残っている。
【0029】
ここで、
図6に示すようにかしめ部分22を周方向に不均等に配置すると、かしめ部分22の密度が相対的に高い箇所において、変化量ΔRが大きくなり、かしめ部分22の密度が相対的に低い箇所において、変化量ΔRが小さくなる。したがって、ヨーク12に発生する周方向の引張り残留応力F
2は、かしめ部分22の密度が高い箇所において大きくなり、径方向の圧縮残留応力F
3もかしめ部分22の密度が高い箇所において大きくなる。
【0030】
図7(a)~(c)は、ステータコア10とフレーム30の嵌合を説明する図である。ここでは簡略化して、ステータコア10の外径R
Cと、フレーム30(嵌合部32)の内径r
Fのみを示している。
図7(a)は、焼き嵌め前の状態を示す。焼き嵌め前においてフレーム30の内径r
Fは楕円であり、図中、X軸方向に直軸を、Y軸方向に短軸を有している。
【0031】
図7(b)には、フレーム30を加熱した状態が示される。加熱によりフレーム30は等方的に膨張する。この状態でステータコア10は、フレーム30の嵌合部32に嵌め込まれる。
図7(b)に示すように、X軸方向に嵌めしろが大きくなっており、Y軸方向の嵌めしろが小さい。
【0032】
ステータコア10の複数のかしめ部分22は、フレーム30の嵌合部32とステータコア10の嵌めしろの小さい箇所すなわちY軸と交差する部分に相対的に高い密度で配置され、嵌めしろの大きい箇所すなわちX軸と交差する部分に相対的に低い密度で配置される。これにより、
図7(a)に示すように焼き嵌め前のステータコア10は、Y軸方向に長軸を有するように楕円変形している。
【0033】
フレーム30が加熱後に冷却されると収縮する。
図7(c)は、冷却後の状態を示す。収縮時において嵌めしろが小さい部分10Aにおいてステータコア10は大きい力F
4Aを受け、嵌めしろが大きい部分10Bにおいてステータコア10は小さい力F
4Bを受けることとなる。
図6を参照して説明したように、ステータコア10のヨーク12の径方向の圧縮残留応力F
3は、かしめ部分22が集中する箇所において大きくなっている。すなわちフレーム30から相対的に大きい力F
4Aを受ける箇所10Aにおいて、ステータコア10には大きい径方向の圧縮残留応力F
3Aが残っており、フレーム30から相対的に小さい力F
4Bを受ける箇所10Bにおいて、ステータコア10には小さい径方向の圧縮残留応力F
3Bが残っている。これにより収縮後におけるステータコア10を真円に近づけることができる。
【0034】
図7(b)を参照すると、フレーム30が収縮時に大きな力を発生させる箇所は、フレーム30の剛性が強い箇所と把握することができる。したがって、複数のかしめ部分22は、フレーム30の剛性の高い箇所に相対的に高い密度で配置されていると理解することもできる。
【0035】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0036】
実施の形態では、フレーム30の嵌合部32の断面形状が円形の場合を説明したがその限りではない。
【0037】
(第1変形例)
図8(a)~(c)は、第1変形例に係るステータコア10を示す図である。
図8(a)に示すようにフレーム30は、X軸方向とY軸方向において径R
Cが大きくなっており、それらから45°傾いた方向において径R
Cが小さくなっている。
【0038】
図8(b)には、フレーム30を加熱した状態が示される。加熱によりフレーム30は等方的に膨張する。この状態でステータコア10は、フレーム30の嵌合部32に嵌め込まれる。
図8(b)に示すように、X軸およびY軸方向の嵌めしろが大きくなっており、それらから45°傾いた方向の嵌めしろが小さい。
【0039】
ステータコア10の複数のかしめ部分22は、フレーム30の嵌合部32とステータコア10の嵌めしろの小さい箇所すなわちX軸およびY軸から45°傾いた部分に相対的に高い密度で配置され、嵌めしろの大きい箇所すなわちX軸およびY軸と交差する部分に相対的に低い密度で配置される。これにより、
図8(a)に示すように焼き嵌め前のステータコア10は、X軸およびY軸から45度傾いた方向において、相対的に外径R
Cが大きくなっている。ステータコア10は、フレーム30を45°傾けた形状と把握することもできる。
【0040】
図8(c)は、冷却後の状態を示す。収縮時において嵌めしろが小さい部分10Aにおいてステータコア10は大きい力F
4Aを受け、嵌めしろが大きい部分10Bにおいてステータコア10は小さい力F
4Bを受けることとなる。
図6を参照して説明したように、ステータコア10のヨーク12の径方向の圧縮残留応力F
3は、かしめ部分22が集中する箇所において大きくなっている。すなわちフレーム30から相対的に大きい力F
4Aを受ける箇所10Aにおいて、ステータコア10には大きい径方向の圧縮残留応力F
3Aが残っており、フレーム30から相対的に小さい力F
4Bを受ける箇所10Bにおいて、ステータコア10には小さい径方向の圧縮残留応力F
3Bが残っている。これにより収縮後におけるステータコア10を真円に近づけることができる。
【0041】
(第2変形例)
フレーム30は多角形であってもよい。
図9(a)~(c)は、第2変形例に係るステータコア10を示す図である。
図9(a)に示すようにフレーム30は、X軸方向に長辺を、Y軸方向に短辺を有する矩形である。
【0042】
図9(b)には、フレーム30を加熱した状態が示される。加熱によりフレーム30は等方的に膨張する。この状態でステータコア10は、フレーム30の嵌合部32に嵌め込まれる。
図9(b)に示すように、X軸方向の嵌めしろが大きくなっており、Y軸方向の嵌めしろが小さい。
【0043】
ステータコア10の複数のかしめ部分22は、フレーム30の嵌合部32とステータコア10の嵌めしろの小さい箇所すなわちX軸と交差する部分に相対的に高い密度で配置され、嵌めしろの大きい箇所すなわちY軸と交差する部分に相対的に低い密度で配置される。これにより、
図9(a)に示すように焼き嵌め前のステータコア10は、Y軸方向において、相対的に外径R
Cが大きくなっている。
【0044】
図9(c)は、冷却後の状態を示す。収縮時において嵌めしろが小さい部分10Aにおいてステータコア10は大きい力F
4Aを受け、嵌めしろが大きい部分10Bにおいてステータコア10は小さい力F
4Bを受けることとなる。
図6を参照して説明したように、ステータコア10のヨーク12の径方向の圧縮残留応力F
3は、かしめ部分22が集中する箇所において大きくなっている。すなわちフレーム30から相対的に大きい力F
4Aを受ける箇所10Aにおいて、ステータコア10には大きい径方向の圧縮残留応力F
3Aが残っており、フレーム30から相対的に小さい力F
4Bを受ける箇所10Bにおいて、ステータコア10には小さい径方向の圧縮残留応力F
3Bが残っている。これにより収縮後におけるステータコア10を真円に近づけることができる。
【0045】
なおフレームの形状は特に限定されず、四角形以外の多角形を用いてもよい。
【0046】
実施の形態では、アウターステータ・インナーロータ型のモータを説明したがその限りでない。
【0047】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0048】
2…ステータ、10…ステータコア、12…ヨーク、14…ティース、16…スロット、20…鉄心辺、22…かしめ部、30…フレーム、32…嵌合部、40…かしめピン。