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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 19/00 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
F25D19/00 530D
F25D19/00 532D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018043012
(22)【出願日】2018-03-09
(65)【公開番号】P2019158195
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】松村 茂樹
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-207253(JP,A)
【文献】特開2012-032149(JP,A)
【文献】特開2011-153783(JP,A)
【文献】特開2008-304156(JP,A)
【文献】特公平06-010595(JP,B2)
【文献】特開2004-263935(JP,A)
【文献】実開昭62-107278(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 19/00
F25B 39/04
F28F 1/053
F28F 9/00
F28F 9/013
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内に設けられている機械室と、
前記機械室に設けられ、所定の間隔で配置されている薄板状の複数枚のフィンと前記フィンに挿入されているチューブとを有し、前記チューブが前記フィンの幅方向において1列となっているフィンチューブ型のコンデンサと、
前記コンデンサを側方から支持する部材であって、前記本体部の背面側を手前側とし、背面とは逆側を奥側とすると、前記コンデンサを前記機械室に配置した状態において前記機械室側となる奥側の側方に設けられている奥側支持部材と、を備え、
前記奥側支持部材は、金属材料で形成されており、下端側が機械室内に設けられている構造物に取り付けられているとともに、前記コンデンサの側面に対して平行に延びている奥側平行壁部を有しており、
前記奥側平行壁部には、前記チューブの折り返し部分の幅に適合する大きさに形成され、前記チューブの折り返し部分を挿入することで前記チューブを固定する奥側固定孔が形成されており、
前記奥側平行壁部には、一部に切り欠きが形成されており、前記チューブを切り欠きが形成されている方向に引き出し可能な切り欠き孔が形成されている冷蔵庫。
【請求項2】
本体内に設けられている機械室と、
前記機械室に設けられ、所定の間隔で配置されている薄板状の複数枚のフィンと前記フィンに挿入されているチューブとを有し、前記チューブが前記フィンの幅方向において1列となっているフィンチューブ型のコンデンサと、
前記コンデンサを側方から支持する部材であって、前記本体部の背面側を手前側とし、背面とは逆側を奥側とすると、前記コンデンサを前記機械室に配置した状態において前記機械室側となる奥側の側方に設けられている奥側支持部材と、を備え、
前記奥側支持部材は、金属材料で形成されており、下端側が機械室内に設けられている構造物に取り付けられているとともに、前記コンデンサの側面に対して平行に延びている奥側平行壁部を有しており、
前記奥側平行壁部には、前記チューブの折り返し部分の幅に適合する大きさに形成され、前記チューブの折り返し部分を挿入することで前記チューブを固定する奥側固定孔が形成されており、
前記コンデンサは、前記冷媒配管が折り返されている側の端部に端板を有しており、
前記奥側支持部材は、前記端板に係合する係合部が形成されており、前記端板と係合することによって前記コンデンサに取り付けられている冷蔵庫
【請求項3】
前記奥側支持部材は、前記コンデンサの側面から当該コンデンサとは逆側に立ち上がっている奥側垂直壁部を有しており、
前記奥側垂直壁部は、前記コンデンサの側面から所定の幅を有する大きさに形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は、コンプレッサやコンデンサ等で構成された冷凍サイクルを備えている。このとき、コンデンサとしては、所定の間隔で配置されている薄板状のフィンとチューブとにより構成されたフィンチューブ型のものが広く採用されており、例えば特許文献1には、チューブをフィンの幅方向に複数列で配置したコンデンサを備えた冷蔵庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-233434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、貯蔵室の容量増加や冷蔵庫自体のスリム化を図るために、本体内に収容される各種の装置の小型化や設置スペースの削減が求められている。そのため、コンデンサについては、薄型化を図るためにチューブをフィンの幅方向に1列で配置した構造を採用することがある。以下、チューブをフィンの幅方向に1列で配置したコンデンサを1列配置のコンデンサと称し、チューブをフィンの幅方向に2列で配置したコンデンサを2列配置のコンデンサと称する。
【0005】
しかしながら、1列配置のコンデンサの場合、2列配置のコンデンサに比べて、機械室への取り付けが困難になるという問題がある。これは、2列配置のコンデンサの場合には2本のチューブをそれぞれ固定することでコンデンサを支持することができるのに対し、1列配置のコンデンサの場合には1本のチューブを固定してもコンデンサが傾いてしまうおそれがあるためである。かといって、1列配置のコンデンサを取り付けることができるような取り付け構造を設けることは、設置スペースの削減という目的に反することから採用することは困難である。
【0006】
そこで、設置スペースを過度に増加させること無く1列配置のコンデンサを支持および固定することができる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の冷蔵庫は、本体内に設けられている機械室と、機械室に設けられ、所定の間隔で配置されている薄板状の複数枚のフィンとフィンに挿入されているチューブとを有し、チューブがフィンの幅方向において1列となっているフィンチューブ型のコンデンサと、コンデンサを側方から支持する部材であって、コンデンサを機械室に配置した状態において機械室側となる側面に設けられている奥側支持部材と、を備え、奥側支持部材は、金属材料で形成されており、下端側が機械室内に設けられている構造物に取り付けられているとともに、コンデンサの側面に対して平行に延びている奥側平行壁部を有しており、奥側平行壁部には、チューブの折り返し部分の幅に適合する大きさに形成され、チューブの折り返し部分を挿入することでチューブを固定する奥側固定孔が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の冷蔵庫の構成の一例を模式的に示す図
図2】左側面側からの斜視にて機械室の内部を視た状態を模式的に示す図
図3】左側面側から機械室の内部を見た状態を模式的に示す図
図4】背面側から機械室の内部を見た状態を模式的に示す図
図5】コンデンサに支持部材を取り付けた状態を斜視にて模式的に示す図
図6】コンデンサに支持部材を取り付けた状態を正視にて模式的に示す図
図7】上部ブラケットと下部ブラケットの取り付け態様を模式的に示す図
図8】奥側支持部材を取り付けた状態を斜視にて模式的に示す図
図9】奥側支持部材を取り付けた状態を正視にて模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、外箱2と、貯蔵室を形成する内箱3とを有し、これら外箱2と内箱3との間に断熱材が設けられている本体4を備えている。この冷蔵庫1には、例えば上方から順に冷蔵室5、野菜室6、左右に並ぶ製氷室7と上部冷凍室8、最下段に位置する下部冷凍室9等の貯蔵室が設けられている。各貯蔵室は、それぞれ扉5a、扉6a、扉7a、扉8aおよび扉9aによって開閉される。なお、ここに示した冷蔵庫1は一例であり、これに限定されることはなく、貯蔵室の数や配置等は適宜変更することができる。
【0010】
本体4内には、背面側の最下段に位置して、各種の機器を収容する機械室10が形成されている。この機械室10の内部には、図2に示すように、コンデンサ11、送風機12、コンプレッサ13等の機器や蒸発皿14等の構造物あるいは各種の配管等が収容されている。本実施形態では、コンプレッサ13、送風機12およびコンデンサ11は、冷蔵庫1の左側面側からその順番で配置されている。
【0011】
これらコンデンサ11、送風機12、コンプレッサ13および蒸発皿14は、機械室10の底面を形成するコンプ台15取り付けられている。このコンプ台15は、コンプレッサ13が載置されるものであり、機械室10内に設けられている構造物に相当する。機械室10の背面側には、取り外し可能な背面パネル16(図3参照)が設けられている。
【0012】
背面パネル16は、常には機械室10を閉鎖している一方、例えば引っ越しや冷蔵庫1の配置換えをする場合等に蒸発皿14に溜まった水を排出する際に取り外される。なお、コンプレッサ13は周知の冷凍サイクルを構成するものであるため、その詳細な説明は省略する。
【0013】
コンデンサ11は、図3にも示すように、所定の間隔で配置されている薄板状の複数枚のフィン11aと、フィン11aに挿入されているチューブ11bとを有するフィンチューブ型のものである。このため、コンデンサ11は、フィン11aが設けられている部位が、概ね薄い直方体状となっている。以下、この薄い直方体状の部位を本体部11cと称して説明する。
【0014】
フィン11aは、金属材料で形成されており、チューブ11bと物理的に接触した状態で設けられている。フィン11aを貫くチューブ11bは、周知のように冷媒が流れており、その冷媒は、コンデンサ11において凝縮された後、コンデンサ11から排出される。本実施形態の場合、コンデンサ11の下端側のチューブ11bが冷媒の入口になり、上端側のチューブ11bが冷媒の出口になる。
【0015】
以下、フィン11aの幅方向をコンデンサ11の厚み方向とも称し、フィン11aの並び方向をコンデンサ11の幅方向とも称し、フィン11aに平行な方向をコンデンサ11の高さ方向とも称して説明する。また、コンデンサ11の図3に示す図示左方側の側面を左側面、図示右方側の側面を右側面とも称して説明する。また、コンデンサ11に接続される配管であってチューブ11bの入口側に接続されるものを入口側配管17(図参照)と称し、チューブ11bの出口側に接続されるものを出口側配管18と称して説明する。
【0016】
チューブ11bは、本体部11cの左右の側面から突出している部位が所定の曲げ径でU字状に折り曲げられており、下端側の入口から上端側の出口まで本体部11cを折り返しつつ繋がっている。このチューブ11bは、図4にも示すように、側面から視た状態において上下方向に1列になるように設けられている。より具体的には、チューブ11bは、フィン11aの幅方向つまりは本体部11cの厚み方向における位置が同じになるように設けられている。以下、このような1列にした配置を、1列配置と称して説明する。
【0017】
このような構成のコンデンサ11は、一端側ここでは左側面が、冷蔵庫1の背面つまりは背面パネル16に対向するように配置されている。また、コンデンサ11は、他端側ここでは右側面が、機械室10内に向いた状態で配置されている。つまり、コンデンサ11は、本体部11cが、背面パネル16および機械室10の底面に対してそれぞれ概ね垂直となる姿勢で配置されている。以下、コンデンサ11の配置状態について、背面パネル側を便宜的に手前側とも称し、機械室10の内部側を便宜的に奥側とも称して説明する。
【0018】
このコンデンサ11は、詳細は後述するが、左側面側に設けられている手前側支持部材23と、右側面側に設けられている奥側支持部材24とによって支持されている。これら手前側支持部材23および奥側支持部材24は、一方の端部が機械室10内の構造物に固定され、コンデンサ11を側方から支える片持ち式となっている。そして、コンデンサ11は、本体部11cの両側面が支持された状態で、また、機械室10内で宙に浮いた状態で支持および固定されている。また、コンデンサ11は、上端側のチューブ11bが、背面パネル16に取り付けられている背面固定部材19によって固定されている。
【0019】
送風機12は、本実施形態ではシロッコファンを採用している。この送風機12は、保持部材21によって支持されており、コンデンサ11の本体部11cに対向する状態に設置されている。この送風機12は、コンデンサ11側からコンプレッサ13側に向かう空気の流れを形成してコンデンサ11およびコンプレッサ13を冷却する。このとき、送風機12は、空気を効率よく流すために、コンプレッサ13から所定距離だけ離間した位置に設けられている。そのため、送風機12とコンデンサ11との間には、ある程度のスペースが存在している。また、保持部材21の外面には、送風機12の側方における空気の流れを妨げるクッション材22が取り付けられている。
【0020】
蒸発皿14は、コンデンサ11の下方に位置して設けられており、上部が開口した容器状に形成されている。蒸発皿14の開口は、図1に示すようにコンデンサ11の幅よりも幅広に形成されているとともに、図4に示すようにコンデンサ11の厚みよりも幅広に形成されている。この蒸発皿14内には、コンデンサ11の冷媒の出口側に接続された出口配管が、蛇行しながら配設されている。
【0021】
また、蒸発皿14には、背面パネル16側の側面に、概ね背面パネル16に届く位置まで延びて形成され、蒸発皿14の内部に連通する水抜き穴14aが設けられている。この水抜き穴14aは、蒸発皿14内に溜まった水を冷蔵庫1外に排出するためのものであり、図4に示すように、冷蔵庫1の左右方向において本体部11cとほぼ同じ位置に設けられている。
【0022】
次に上記した構成の作用について説明する。
前述のように、貯蔵室の容量増加や冷蔵庫1自体のスリム化を図るためには、本体4内に収容される各種の装置も小型化や設置スペースの削減することが求められる。例えば、本実施形態の冷蔵庫1の場合、一般的な概ね685mm幅のものから概ね600mm幅程度までスリム化したものを想定している。そのため、本実施形態では、チューブ11bを1列配置とすることにより薄型化したコンデンサ11を採用することで、機械室10内でコンデンサ11が占有するスペースを削減している。
【0023】
しかし、1列配置のコンデンサ11の場合、チューブ11bを厚み方向で2列に配置した2列配置のものと比べると、1本のチューブ11bでコンデンサ11を固定することになり、安定して固定することが困難になる。また、1列配置のコンデンサ11を取り付けるために複雑な取り付け構造を設けることは、設置スペースの削減に反することから採用することも困難である。
【0024】
そこで、本実施形態では、上記した手前側支持部材23と奥側支持部材24とにより、コンデンサ11が所定の位置で所定の姿勢となるように支持および固定している。以下、手前側支持部材23、奥側支持部材24、および、コンデンサ11と外部配管との接続態様についてそれぞれ説明する。
【0025】
まず、手前側支持部材23について、主として図5から図7を参照しながら説明する。
手前側支持部材23は、コンデンサ11を側方から支持する部材であって、図1等に示すように、機械室10の外側ここでは背面パネル16側のコンデンサ11の側面に設けられている。この手前側支持部材23は、図5に示すように、コンデンサ11の側面に沿って配置される上部ブラケット30と、その上部ブラケット30の下端側に取り付けられる下部ブラケット31との2ピース構造となっている。
【0026】
下部ブラケット31は、樹脂材料で形成されており、下端側がコンデンサ11の下方に位置する蒸発皿14の水抜き穴14aを挟んだ2方向、より詳細には、コンデンサ11の厚みよりも外側まで延びる2分岐した分岐部31aを有している。この分岐部31aは、その先端側がコンデンサ11よりも下方まで延びているとともに、その先端にそれぞれねじ穴が形成されている。
【0027】
この分岐部31aは、機械室10内に設けられている構造物ここではコンプ台15に例えばねじによって固定されている。これにより、機械室10内に設けられている構造物を避けた状態で、且つ、設置スペースを過度に要することなくコンデンサ11を支持することが可能になる。
【0028】
また、下部ブラケット31の分岐部31aは、図6にも示すように、コンデンサ11の左側面から離間した位置に配置されており、分岐部31aからコンデンサ11の左側面までの間には、上部ブラケット30を取り付けるための取り付け部31bが設けられている。この取り付け部31bは、断面視において上方に開口した概ね矩形状に形成されており、後述するようにL字状に形成されている上部ブラケット30の下端が挿入される。この取り付け部31bによって、下部ブラケット31とは別体に形成されている上部ブラケット30が支持されている。
【0029】
また、下部ブラケット31は、図7に示すように、分岐部31aと取り付け部31bとの間に、上部ブラケット30の板厚に応じた隙間31cが形成されている。この隙間31cには、上部ブラケット30の下端部に形成されている舌部30aが差し込まれる。また、下部ブラケット31は、取り付け部31bのコンデンサ11側の端部に、上方の一部が開環したC字状に形成され、コンデンサ11の最下段側のチューブ11bと嵌合する嵌合部31dが設けられている。
【0030】
この嵌合部31dは、樹脂材料の弾性を利用してチューブ11bを固定する構造となっており、チューブ11bが延びる方向にある程度の幅を有して形成されている。そのため、チューブ11bを嵌合部31dに嵌合させることにより、下部ブラケット31によってもコンデンサ11が固定される。これにより、より安定してコンデンサ11を支持および固定することが可能になる。
【0031】
一方、上部ブラケット30は、金属材料で形成されており、コンデンサ11の側面に沿って概ね平行に延びている平行壁部30bを有している。この平行壁部30bは、チューブ11bのU字状の折り返し部分の幅に適合する大きさに形成され、チューブ11bの折り返し部分を挿入することでチューブ11bを固定する長穴状の固定孔30cが複数形成されている。
【0032】
また、固定孔30cは、チューブ11bと接触する部位を含む範囲が、コンデンサ11とは反対側に立ち上がるフランジ構造となっている。フランジ部分は、チューブ11bが延びる方向に沿って形成されており、固定孔30cとチューブ11bとの接触面積を増加させる。これにより、上部ブラケット30は、平行壁部30bの厚みだけでなくフランジ部分の長さ含めて挿入されたチューブ11bと接触することになり、より強固且つ確実にチューブ11bつまりはコンデンサ11を支持および固定することが可能になる。
【0033】
また、上部ブラケット30は、金属材料で形成され、コンデンサ11の側面に対して概ね垂直方向に延びている垂直壁部30dを有している。この垂直壁部30dは、コンデンサ11の側方における空気の流れを妨げるように、所定の幅を有する大きさ、つまりは、コンデンサ11の側方に広がる形状に形成されている。これにより、コンデンサ11の側方において空気の流れが阻害され、コンデンサ11との間にスペースが存在していることからコンデンサ11を避けてしまうおそれのある空気の流れを調整すること、換言すると、コンデンサ11の本体部11cへの空気の流れを形成してコンデンサ11を効率よく冷却することが可能になる。
【0034】
また、垂直壁部30dの下端は、L字状に折り曲げられており、このL字状に折り曲げられている下端は、コンデンサ11とは反対側が垂直壁部30dの幅よりも長く形成されており、垂直壁部30dから突出している部分が下方にさらに折り曲げられて舌部30aを形成している。そして、上部ブラケット30は、L字状に折り曲げられている下端が下部ブラケット31に設けられている上記した取り付け部31bに挿入されるとともに、舌部30aが下部ブラケット31に設けられている上記した隙間31cに差し込まれることで、下部ブラケット31により支持される。
【0035】
このとき、垂直壁部30dは、その上端が平行壁部30bおよびコンデンサ11の上端よりも下方に位置する大きさに形成されている。これにより、コンデンサ11の側方において、コンプレッサ13側へ延びる配管を配設するスペースを確保することが可能になり、外部配管の取り回しが容易になる。
【0036】
次に、奥側支持部材24について、主として図8および図9を参照しながら説明する。
奥側支持部材24は、コンデンサ11を側方から支持する部材であって、図1等に示すように、コンデンサ11を機械室10に配置した状態において、手前側支持部材23とは逆側の側面つまりは機械室10側となる側面に設けられている。この奥側支持部材24は、金属材料で形成されており、コンデンサ11よりも下方まで延びている下端が、機械室10内に設けられている構造物ここではコンプ台15に取り付けられている。
【0037】
この奥側支持部材24は、コンデンサ11の側面に対して平行に延びている奥側平行壁部24aを有している。奥側平行壁部24aは、チューブ11bの折り返し部分の幅に適合する大きさに形成され、チューブ11bの折り返し部分を挿入することでチューブ11bを固定する長穴状の奥側固定孔24bと、一部に切り欠きが形成され、チューブ11bを所定の方向に引き出し可能な切り欠き孔24cとが形成されている。
【0038】
これら、奥側固定孔24bおよび切り欠き孔24cは、チューブ11bと接触する部位を含む範囲が、コンデンサ11とは反対側に立ち上がるフランジ構造となっている。このフランジ部分は、チューブ11bが延びる方向に沿って形成されており、奥側固定孔24bとチューブ11bとの接触面積を増加させている。これにより、奥側支持部材24は、奥側平行壁部24aの厚みだけでなくフランジ部分の長さも含めて挿入されたチューブ11bと接触することから、より強固且つ確実にチューブ11bつまりはコンデンサ11を支持および固定することが可能になる。
【0039】
一方、切り欠き孔24cは、チューブ11bを所望の方向に引き出し可能にするために、奥側固定孔24bの一部を破断させた形状に形成されている。具体的には、図8に示すように、冷媒の入口側となるコンデンサ11の下端側のチューブ11bに対応する切り欠き孔24cは、チューブ11bを奥側支持部材24の側方に引き出すために、つまり、本実施形態で言えば送風機12と反対方向に引き出すために、側方の一部が破断した形状に形成されている。
【0040】
一方、冷媒の出口側となるコンデンサ11の上端側のチューブ11bに対応する切り欠き孔24cは、チューブ11bをコンデンサ11の上方側に引き出すために、上端側の一部が破断した形状に形成されている。これにより、奥側支持部材24を設けた状態であってもチューブ11bを所望の方向に引き出すことが可能になる。つまり、奥側支持部材24を設けた状態であっても、チューブ11bの取り回しが容易になる。
【0041】
また、奥側支持部材24は、係合部24dが形成されている。本実施形態の場合、コンデンサ11は、奥側支持部材24が設けられる側の端部に、端板11dが設けられている。この端板11dは、コンデンサ11の形状を維持できるように、フィン11aよりも厚く強固な金属材料で形成されている。
【0042】
そして、奥側支持部材24は、係合部24dが端板11dを挟み込むようにして係合することにより、コンデンサ11に取り付けられている。これにより、奥側支持部材24を容易にコンデンサ11に取り付けることが可能になる。ただし、コンデンサ11に端板11dが設けられていないこともあるため、必ずしも係合部24dを設ける必要はない。なお、コンデンサ11に端板11dが設けられていない場合には、奥側支持部材24は、チューブ11bを奥側固定孔24bに挿入および固定することで、コンデンサ11に取り付けることができる。
【0043】
また、奥側支持部材24は、金属材料で形成され、コンデンサ11の側面に対して垂直方向に延びている奥側垂直壁部24eを有している。この奥側垂直壁部24eは、コンデンサ11の側方における空気の流れを妨げるように、所定の幅を有する大きさ、つまりは、コンデンサ11の側方に広がる形状に形成されている。また、奥側垂直壁部24eは、機械室10内のスペースを阻害しないように、本実施形態では上端側ほど幅狭になる形状に形成されている。
【0044】
この奥側垂直壁部24eによりコンデンサ11の側方において空気の流れが阻害され、コンデンサ11との間にスペースが存在していることからコンデンサ11を避けてしまうおそれのある空気の流れを調整すること、換言すると、コンデンサ11の本体部11cへの空気の流れを形成してコンデンサ11を効率よく冷却することが可能になる。
【0045】
次に、コンデンサ11と外部配管との接続態様について、主として図2図4および図5を参照しながら説明する。
コンデンサ11は、上記したように入口側配管17と出口側配管18とに接続されている。このとき、送風機12は、コンデンサ11と平行つまりは本体部11cに正対する状態に配置されている。そして、コンデンサ11の冷媒の入口側と出口側となるチューブ11bの両端は、コンデンサ11の側方であって機械室10の外板側に引き出されている。
【0046】
つまり、コンデンサ11の入口側および出口側のチューブ11bの端部は、背面パネル16側つまりは手前側に引き出されており、引き出した先の端部が入口配管および出口配管にそれぞれ接続されている。これにより、機械室10内のスペースが制限されているということは作業スペースも少ないということであるものの、チューブ11bと外部の配管とを作業スペースを確保できる背面パネル16側から接続することが可能になり、機械室10の内部で接続作業をする場合に比べて作業性を大きく改善することが可能になる。
【0047】
このとき、送風機12はコンデンサ11から離間した位置に設けられており、コンデンサ11の入口側または出口側の一方のチューブ11b、ここでは出口側のチューブ11bは、送風機12との間のスペースに配設されている。これにより、空気の流れを考慮して敢えて設けた送風機12とコンデンサ11との間のスペースを有効活用することが可能になる。また、送風機12との間のスペースを活用することで、配管スペースが不必要に増加することが抑制される。
【0048】
そして、送風機12との間のスペースに配設したチューブ11bと、そのチューブ11bに接続される出口側配管18とは、ろう付されている。ろう付は、技術を必要とするものの、大きな治具等は不要であり、比較的狭いスペースであっても作業することができるため、また、上記したようにチューブ11bを手前側に引き出しているため、コンデンサ11と送風機12との間の比較的狭いスペースであっても、作業性を損なうことなくチューブ11bと出口側配管18とを連結させることが可能になる。
【0049】
一方、送風機12との間のスペースに配設したものとは逆側のチューブ11b、ここでは入口側のチューブ11bは、コンデンサ11を挟んで送風機12とは逆側のスペースに配設されている。そして、入口側のチューブ11bは、2つの配管部材を機械的に連結する金属製管継ぎ手40の適用径に縮管または拡管されており、金属製管継ぎ手40によって入口側配管17と連結されている。
【0050】
この金属製管継ぎ手40は、機械的な圧縮等により配管を連結するものであり、油圧式等の比較的おおきめの治具を必要とする一方で、ろう付のような高い技術を必要とすることなく配管の連結が可能となる。このような金属製管継ぎ手40としては、配管分野で一般的にロックリング等と称されているものを採用することができる。
【0051】
これにより、比較的作業スペースを確保できる送風機12と反対側においては、コンデンサ11と入口側配管17との接続を容易且つ簡便に行うことが可能になり、作業性が向上することになる。また、冷蔵庫1内には必要とする冷却性能や放熱性能に応じて様々な径の配管が設けられているものの、採用する金属製管継ぎ手40の適用径に適合するようにチューブ11bを縮管または拡管することにより、金属製管継ぎ手40の種類を増やすことなく製造することが可能となり、管理上の手間も削減することが可能になる。
【0052】
以上説明した冷蔵庫1に寄れば、次のような効果を得ることができる。
実施形態の冷蔵庫1は、機械室10に設けられているフィンチューブ型のコンデンサ11と、コンデンサ11を側方から支持する部材であって、コンデンサ11を機械室10に配置した状態において機械室10側となる側面に設けられている奥側支持部材24と、を備えている。この奥側支持部材24は、金属材料で形成されており、下端側が機械室10内に設けられている構造物であるコンプ台15に取り付けられているとともに、コンデンサ11の側面に対して平行に延びている奥側平行壁部24aを有している。
そして、奥側平行壁部24aには、チューブ11bの折り返し部分の幅に適合する大きさに形成され、チューブ11bの折り返し部分を挿入することでチューブ11bを固定する奥側固定孔24bが形成されている。
【0053】
このような一列配置のコンデンサ11を採用することにより、コンデンサ11の薄型化を図ることが可能になり、スリム化を図るために容積が制限された機械室10にコンデンサ11を設置することができる。また、一列配置としたことによりその姿勢の維持が困難になるコンデンサ11を、その側方から奥側支持部材24によって、コンデンサ11をその側面の全体に渡って支持および固定することが可能になる。
【0054】
これにより、各種の機器が配置される機械室10内において設置スペースが過度に増加することが抑制され、設置スペースを過度に増加させること無く1列配置のコンデンサ11を支持および固定することができる。
【0055】
また、奥側平行壁部24aには、一部に切り欠きが形成されており、チューブ11bを切り欠きが形成されている方向に引き出し可能な切り欠き孔24cが形成されている。この切り欠き孔24cは、冷媒の入口側となるチューブ11b、あるいは、冷媒の出口側となるチューブ11bを引き出す方向に形成されている。これにより、チューブ11bの固定と、外部の配管に接続する際の取り回しの容易化とを同時に実現することができる。
【0056】
奥側支持部材24は、金属材料で形成され、コンデンサ11の側面に対して垂直方向に延びており、所定の幅を有する大きさに形成されている奥側垂直壁部24eを有している。これにより、コンデンサ11の側方における空気の流れを妨げることが可能となり、妨げられた空気は相対的に抵抗の少ない本体部11cを通過するようになり、コンデンサ11を効率よく冷却することができる。
【0057】
また、奥側垂直壁部24eは、上端側が幅狭になるように形状に形成されており、機械室10内の配管を過度に制限することが抑制されている。これにより、機械室10内の限られたスペースを効率的に利用することができるとともに、機械室10内での外部の配管の取り回し等を容易にすることができる。
【0058】
奥側支持部材24は、コンデンサ11に設けられている端板11dに係合する係合部24dが形成されており、端板11dと係合することによってコンデンサ11に取り付けられている。これにより、奥側支持部材24を容易にコンデンサ11に組み付けることができる。ただし、コンデンサ11に端板11dが設けられていない場合には、奥側支持部材24は、チューブ11bを奥側固定孔24bに挿入および固定することでコンデンサ11に取り付ければよい。
【0059】
各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本態様およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
図面中、1は冷蔵庫、4は本体、10は機械室、11はコンデンサ、11aはフィン、11bはチューブ、11cは本体部、11dは端板、12は送風機、13はコンプレッサ、15はコンプ台(機械室内に設けられている構造物)、24は奥側支持部材、24aは奥側平行壁部、24bは奥側固定孔、24cは切り欠き孔、24dは係合部、24eは奥側垂直壁部、を示す。
図1
図2
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図7
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図9