(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ロッカーシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221006BHJP
E05B 65/02 20060101ALI20221006BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20221006BHJP
G07F 17/12 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06Q50/10
E05B65/02 B
E05B49/00 R
G07F17/12
(21)【出願番号】P 2018094648
(22)【出願日】2018-05-16
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(73)【特許権者】
【識別番号】506226658
【氏名又は名称】株式会社アルファロッカーシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀二
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-070899(JP,A)
【文献】特開2017-091129(JP,A)
【文献】特開2005-145655(JP,A)
【文献】特開2004-283491(JP,A)
【文献】特開2005-079898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0144428(US,A1)
【文献】韓国登録特許第1885312(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第2014-0115614(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
E05B 65/02
E05B 49/00
G07F 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を預け入れ可能なロッカーボックスを有する、通信ネットワークを介して管理センターと通信可能なロッカーシステムにおいて、
利用者による荷物の預け入れ及び取り出し操作が入力される操作部と、
前記利用者を撮像する撮像部と、
情報を記憶する記憶部と、
前記荷物の預け入れ操作がなされた場合、前記撮像部を駆動させて前記操作部への預け入れ操作の完了までの
期間の画像を撮像
し、撮像された該画像のうち所定のタイミングの1以上画像を第1の画像として前記ロッカーボックスを識別する識別情報と関係づけて前記記憶部に記憶し、前記操作部への前記荷物の
取り出し操作に応じて前記撮像部により撮像し、該
取り出し操作に応じて撮像された第2の画像と前記第1の画像と前記識別番号と共に解錠要求を前記管理センターに送信し、該解錠要求に応じて該管理センターから送信される解錠指示に基づいて前記識別情報に対応するロッカーボックスの解錠を行う制御部と、
を備えることを特徴とするロッカーシステム。
【請求項2】
前記操作部は、画面を表示する操作表示部であり、
前記制御部は、前記預け入れ操作がなされた場合、本人認証のために前記利用者を撮像する旨を表示した通知画面を前記操作表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載のロッカーシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記預け入れ操作の完了まで
の期間に撮像され画像のうち、前記通知画面上の所定の領域が押下されたタイミングの所定時間前及び所定時間後の画像を
前記第1の画像として前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載のロッカーシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記取り出し操作が完了した場合、前記識別情報に関係付けた前記第1の画像を削除する
ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載のロッカーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば駅構内に設置され、複数の利用者にロッカーボックスを利用可能としたロッカーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駅構内等に配置される貸しロッカーとして利用されるロッカーシステムは、ICカード等の電子マネーで利用できるものが広く知られている(例えば、特許文献1)。このようなICカードを利用できるロッカーシステムは、1台の集中制御装置とこの集中制御装置の左右両側に複数の収容室(ロッカーボックス)とを配置し、1台の集中制御装置で複数の収納室における荷物の預け入れ、取り出しを集中制御する集中制御タイプのものが多い。また、ロッカーシステムに関する技術として、例えば、特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-113283号公報
【文献】特開2014-238645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
駅のロッカーシステムで荷物を預け入れた後取出す際に不具合が発生した場合、管理センターに利用者が電話連絡を行い係員が現場に出向き、本人に預けた荷物の引き渡しを行っている。
【0005】
しかしながら、管理センターに電話連絡を行った人が預けた荷物の所有者である事を確認する為には、係員が現場に向かうのに時間がかかる。また、ロッカーボックス内の預け入れ荷物が本人の荷物であるかを確認するために、その荷物の特徴が利用者の説明と一致しているかを確認する必要がある。さらに、非常解錠を行う際、係員がオペレータモードでロッカーシステムを操作して解錠しているため、誤って操作してしまうおそれがある。
【0006】
本発明では、一態様として、預け入れた荷物の非常時での取り出しの際に、遠隔操作による利用者の認証手続きを可能にすると共に、人的誤操作を防止するロッカーシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる、荷物を預け入れ可能なロッカーボックスを有する、通信ネットワークを介して管理センターと通信可能なロッカーシステムにおいて、利用者による荷物の預け入れ及び取り出し操作が入力される操作部と、前記利用者を撮像する撮像部と、情報を記憶する記憶部と、前記荷物の預け入れ操作がなされた場合、前記撮像部を駆動させて前記操作部への預け入れ操作の完了までの期間の画像を撮像し、撮像された該画像のうち所定のタイミングの1以上画像を第1の画像として前記ロッカーボックスを識別する識別情報と関係づけて前記記憶部に記憶し、前記操作部への前記荷物の取り出し操作に応じて前記撮像部により撮像し、該取り出し操作に応じて撮像された第2の画像と前記第1の画像と前記識別番号と共に解錠要求を前記管理センターに送信し、該解錠要求に応じて該管理センターから送信される解錠指示に基づいて前記識別情報に対応するロッカーボックスの解錠を行う制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記制御部は、画面を表示する操作表示部であり、前記制御部は、前記預け入れ操作がなされた場合、本人認証のために前記利用者を撮像する旨を表示した通知画面を前記操作表示部に表示させることを特徴とする。
【0009】
前記制御部は、前記預け入れ操作の完了までの期間に撮像され画像のうち、前記通知画面上の所定の領域が押下されたタイミングの所定時間前及び所定時間後の画像を前記第1の画像として前記記憶部に記憶することを特徴とする。
【0010】
前記制御部は、前記取り出し操作が完了した場合、前記識別情報に関係付けた前記第1の画像を削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、預け入れた荷物の非常時での取り出しの際に、遠隔操作による利用者の認証手続きを可能にすると共に、人的誤操作を防止するロッカーシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態におけるロッカーシステムの外観正面図である。
【
図2】本実施形態におけるロッカーシステムのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本実施形態におけるロッカーボックスの一例を示す図である。
【
図4】
図1の破線枠5で示される部分の拡大図である。
【
図5】本実施形態におけるロッカーボックスへの預け入れ操作時の制御部の処理フローを示す図である。
【
図6】本実施形態におけるロッカーボックスの仮施錠後に操作表示部に表示される画面遷移を示す図(その1)である。
【
図7】本実施形態におけるロッカーボックスの仮施錠後に操作表示部に表示される画面遷移を示す図(その2)である。
【
図8】本実施形態におけるロッカーボックスの仮施錠後に操作表示部に表示される画面遷移を示す図(その3)である。
【
図9】本実施形態におけるロッカーボックスの仮施錠後に操作表示部に表示される画面遷移を示す図(その4)である。
【
図10A】本実施形態におけるロッカーボックスからの取り出し操作時の制御部及び管理センター側の処理フローを示す図(その1)である。
【
図10B】本実施形態におけるロッカーボックスからの取り出し操作時の制御部及び管理センター側の処理フローを示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態に係る、荷物を預け入れ可能なロッカーボックスを有する、通信ネットワークを介して管理センターと通信可能なロッカーシステムは、操作部と、撮像部と、記憶部と制御部を備える。ロッカーシステムの一例として、後述するロッカーシステム1が挙げられる。
【0014】
操作部は、利用者による荷物の預け入れ及び取り出し操作が入力される。操作表示部の一例として、後述する操作表示部21が挙げられるが、バーコードリーダ23やICカードリーダ/ライタ24であってもよい。撮像部は、利用者を撮像する。撮像部の一例として、後述するカメラ30が挙げられる。記憶部は、情報を記憶する。記憶部の一例として、後述する記憶部42が挙げられる。制御部は、荷物の預け入れ操作がなされた場合、撮像部を駆動させて操作部への預け入れ操作の完了までの画像を撮像すると共に、撮像された画像のうち所定のタイミングの1以上画像を第1の画像としてロッカーボックスを識別する識別情報と関係づけて記憶部に記憶し、操作部への荷物の受け取り操作に応じて撮像部により撮像し、受け取り操作に応じて撮像された第2の画像と第1の画像と識別番号と共に解錠要求を前記管理センターに送信し、解錠要求に応じて管理センターから送信される解錠指示に基づいて識別情報に対応するロッカーボックスの解錠を行う。制御部の一例として、後述する制御部41が挙げられる。制御部の一例としては、後述する制御部41が挙げられる。なお、第1の画像及び第2の画像はそれぞれ、静止画であってもよいし、動画像であってもよい。
【0015】
このように構成することにより、ロッカーシステムにおける預け入れた荷物の非常時での取り出しの際に、遠隔操作による利用者の認証手続きを可能にすると共に、利用者側の操作に応じて遠隔操作による解除を行うので、人的誤操作を防止することができる。
【0016】
操作部は、画面を表示する操作表示部である。操作表示部の一例として、後述する操作表示部21が挙げられる。制御部は、預け入れ操作がなされた場合、本人認証のために利用者を撮像する旨を表示した通知画面を操作表示部に表示させることができる。通知画面の一例としては、後述するボックス確認画面71が挙げられる。このように構成することにより、ユーザに対して画像撮像を行っていることを通知した上で、本人認証のための画像を撮像することができる。
【0017】
制御部は、預け入れ操作の完了までに撮像され画像のうち、通知画面上の所定の領域が押下されたタイミングの所定時間前及び所定時間後の画像を保存することができる。このように構成することにより、所定のボタンを押した瞬間は画面の方に顔が向いているので、その時点を起点としてその数秒前及びその数秒後の画像を確認することでより本人確認しやすい画像を取得することができる。
【0018】
制御部は、取り出し操作が完了した場合、識別情報に関係付けた第1の画像を削除することができる。このように構成することにより、個人情報の取り扱いの観点において、利用者に安心感を与えることができると共に個人情報に関するリスクを軽減することができる。
【0019】
以下に、本実施形態の詳細について説明する。
【0020】
図1は、本実施形態におけるロッカーシステムの外観正面図である。ロッカーシステム1は、ICカードによりロッカーを利用できる電子マネー対応機である。ロッカーシステム1は、コンピュータ等からなる制御部(後述する)を内蔵した集中制御装置20を有しており、その両側及び下側にそれぞれ複数のロッカーボックス2が配置されている。以下では、ロッカーボックス2の総称をロッカー部6という。
【0021】
集中制御装置20には、操作表示部21、レシート発行部22a,22b、バーコードリーダ23、ICカードリーダ/ライタ24、紙幣投入部25、硬貨投入部26、返金操作部27、返金口28、スピーカ29、カメラ30が設けられている。
【0022】
操作表示部21は、例えば利用者に情報を表示する液晶ディスプレイ(liquid crystal display(LCD))とタッチパネルからなる。レシート発行部22a,22bは、清算内容や使用したロッカーボックス2を特定する情報が記されたレシートを発行する。
【0023】
バーコードリーダ23は、一次元または二次元バーコードを読み取る。ICカードリーダ/ライタ24は、RFID(Radio Frequency Identification)技術により、非接触でICカードに対してデータの読み書きを行う。本実施形態では、ICカードリーダ/ライタ24は、利用者が荷物を預け入れてロッカーボックス2の施錠及び使用料の支払いをする際に、利用者がかざしたICカードに利用者識別情報(認証用ID)を書き込む。
【0024】
紙幣投入部25は、紙幣を投入する投入口である。硬貨投入部26は、貨幣を投入する投入口である。返金操作部27は、返金をする場合に操作されるコック状の部材である。返金口28には、返金された貨幣が返金される。スピーカ29は、音(音声を含む。)を出力する。
【0025】
カメラ30は、利用者が荷物を預け入れてロッカーボックス2の施錠をする場合や使用料の支払いをする際にその利用者を撮像する。また、取り出しの際に認証用IDが書き込まれたICカードを紛失等した場合に、利用者を撮像する。これについては後述する。
【0026】
ロッカー部6は、1個または複数個のロッカーボックス2で構成されている。ロッカーボックス2は、扉3が紙面の手前側に開閉可能に設けられている。扉3には、取っ手4と操作部(後述する)が設けられている。
【0027】
符号2aで示される破線枠で囲ったものは、ロッカーボックス2の扉3が開いた状態を示す。ロッカーボックス2の内部は、底面11、天井面10、側面8,9、及び背面12で構成され、物を収納するスペース(収納部13)として機能する。框7には後述するセンサ及びLED(light emitting diode)が設けられている。
【0028】
図2は、本実施形態におけるロッカーシステムのハードウェア構成を示す図である。
図2において、ロッカーシステム1は、集中制御装置20とロッカー部6を含む。集中制御装置20は、制御部41、操作表示部21、バーコードリーダ23、ICカードリーダ/ライタ24、プリンタ44、紙幣処理部45、硬貨処理部46、スピーカ29、撮像装置30、通信インターフェース(以下、インターフェースを「I/F」と称する)47を含む。
【0029】
制御部41は、操作表示部21、バーコードリーダ23、ICカードリーダ/ライタ24、プリンタ44、紙幣処理部45、硬貨処理部46、スピーカ29、カメラ30及びロッカー部6の各構成要素と通信可能に接続され、ロッカーシステム1全体を制御する中央演算装置(CPU)等のプロセッサを含むユニットである。
【0030】
制御部41は、記憶部42、認証部43含む。記憶部42は、ロッカーボックスへの預け入れの際の決済後に利用者に対して発行される、ロッカーボックスを識別するボックス番号と、暗証番号とを組み合わせた情報(利用者識別情報)を記憶する。
【0031】
認証部43は、利用者の認証処理を行う。ここでは、ロッカーボックス2からの預け入れた物の取り出しの際、制御部41は、バーコードリーダ23で読み取った一次元または二次元バーコードまたはICカードリーダ/ライタ24で読み取ったICカードの所定の情報と、記憶部42に記憶された利用者識別情報とを照合して、認証処理を行う。
【0032】
操作表示部21、バーコードリーダ23、ICカードリーダ/ライタ24、スピーカ29は、
図1で説明した通りなので、ここではその説明を省略する。
【0033】
プリンタ44は、レシート発行部22a,22bに設けられた、レシートに印字するための出力装置である。ロッカーボックス2へ預け入れて決済が完了すると、利用者識別情報に対応する一次元または二次元バーコードをレシートに印刷して発行する。
【0034】
紙幣処理部45は、紙幣投入部25から投入された紙幣を処理し、必要に応じて返金口28より返金を行う。硬貨処理部45は、硬貨投入部26から投入された紙幣を処理し、必要に応じて返金口28より返金を行う。
【0035】
カメラ30は、例えば、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)カメラ等の撮像装置である。通信I/F47は、インターネット等の通信ネットワーク49を介して、管理センター48のコンピュータとの通信を可能にするインターフェースデバイスである。
【0036】
ロッカー部6のそれぞれには、ブザー31が設けられ、各ロッカーボックス2には、ロック部32が設けられている。ロック部32は、扉3を施錠及び解錠する機構であり、本実施形態では後述するように、扉3及び框7に設けられている。ブザー31は、そのロッカー部6に属するロッカーボックス2が所定の状態において所定の操作が行われた場合に制御部41からの指示に基づいて警告音等がなる。なお、本実施形態では、一例として、ロッカー部6単位でブザー31を設けたが、これに限定されず、ロッカーボックス単位でブザー31を設けてもよい。
【0037】
ロック部32は、電気錠33、扉開閉スイッチ(以下、スイッチを「SW」と称する)34、押ボタンSW35、ホールセンサ53、LED1(36)、LED2(37)、LED3(38)、LED4(39)を含む。
【0038】
扉開閉SW34は、扉3の開閉状態を判定するスイッチであり、例えば、電気錠33に設けられたマイクロスイッチである。扉開閉SW34がON/OFFされると、そのON/OFFされたことを示す情報が制御部41へ送信される。
【0039】
押ボタンSW35は、扉3を閉じた状態で仮施錠する場合に押下するボタン型スイッチであり、押下されると、押下されたことを制御部41に通知する信号が送信される。押ボタンSW35は、後述する非接触型の磁気センサによって構成される。
【0040】
電気錠33は、扉3の開閉を規制する機構であって、扉開閉SW34及び押ボタンSW35の状態に基づいて、もしくは集中制御装置20からの指示または管理センター48からの指示に応じて、扉3の施錠または解錠を行う。
【0041】
LED1(36)、LED2(37)、LED3(38)、LED4(39)は、框7に設けられている。LED1(36),LED2(37),LED3(38),LED4(39)はそれぞれ、扉3が開いているときは消灯しているが、扉3が閉じると、条件に応じて点灯する。これにより、扉3の操作部(
図3にて説明する)に設けられた、光を透過するカバー部材を介してそれぞれ表示1、表示2、表示3、表示4として点灯する。
【0042】
次に、ロッカーボックス2について説明する。
【0043】
図3は、本実施形態におけるロッカーボックスの一例を示す図である。
図4は、
図1の破線枠5で示される部分の拡大図であって、本実施形態における操作部の一例を示す図である。
【0044】
扉3の左端側は、収納部13の開口部分を形成する側面9にヒンジを介して開閉可能に固定され、扉3の右端は、框7を覆うように構成されている。框7には、クッション部材51a,51b、LED1(36),LED2(37),LED3(38),LED4(39)、ホールセンサ53、フック受入部52が設けられている。
【0045】
クッション部材51a,51bは、扉3を閉めた場合に扉3が框7へ衝突するのを防止するクッション材である。LED1(36),LED2(37),LED3(38),LED4(39)は、扉3を閉じると点灯することにより、扉3の操作部(
図4にて説明する)に設けられた、光を透過するカバー部材を介して表示1(61)、表示2(62)、表示3(63)、表示4(64)として点灯する。
【0046】
フック受入部52は、扉3の裏面に設けられたフックが挿入されて、電気錠33により施錠がなされる。
【0047】
ホールセンサ53は、ホール効果を利用して磁石が発する磁界や電流が発する磁界を電気信号に変換して出力する非接触型の磁気センサであり、扉3に設けられた押ボタンSW35に連動して動作する磁石の相対位置の変位を検知する。
【0048】
図4に示すように、扉3には操作部60が設けられている。操作部60は、表示1(61)、案内ラベル65、表示2(62)、表示3(63)、表示4(64)を含む。
【0049】
ここで、表示1(61)、表示2(62)、表示3(63)、表示4(64)は、それぞれ扉3の該当する部分を貫通させ、貫通させた孔の開口部分それぞれを、LED1(36),LED2(37),LED3(38),LED4(39)から発せられた光を透過する部材で覆うことで構成されている。
【0050】
表示1(「空き」61)は、点灯している場合は、ロッカーボックス2が使用されていない場合、すなわちそのロッカーボックス2が使用可能な状態であることを示し、消灯している場合は、ロッカーが他人に占有されて使用することができないことを示す。
【0051】
表示2(「施錠する」62)は、点灯している場合は、そのロッカーボックス2が本施錠されて、そのロッカーボックス2が荷物を預けたユーザによって占有されていることを示し、消灯している場合は、そのロッカーが解錠されている状態であることを示す。
【0052】
表示3(「支払う」63)は、点滅中は、そのロッカーボックス2の仮施錠後決済が未だ完了していないことを示す(すなわち支払いを促している)。表示3が点滅表示することで、集中操作装置20での入金操作が終わっていないまたは本施錠が済んでいないことが報知されるので、操作なれしていない利用者は、仮施錠を本施錠と勘違いして立ち去ってしまうリスクが軽減される。
【0053】
表示4(「お待ちください」64)は、点滅中は、操作表示部21を他人が操作しているので、ユーザによる操作表示部21の支払い操作については待つようにすることを報知する。すなわち、表示4が点滅表示することによって、他人が操作表示部21を操作中であるから、操作表示部21の操作ができない旨を報知することができる。また、このときは、ロッカーボックス2側での操作部60での操作を行うことができないので、仮施錠することができない。
【0054】
なお、表示2(62)は、押下可能になっており、その背面には押ボタンSW35が設けられている。したがって、表示2(62)は押ボタンSW35としても機能する。
【0055】
図5は、本実施形態におけるロッカーボックスへの預け入れ操作時の制御部の処理フローを示す図である。
図6~
図9は、本実施形態におけるロッカーボックスの仮施錠後に操作表示部に表示される画面遷移を示す図である。
【0056】
まず、いずれかのロッカーボックス2にて荷物の預け入れが発生した場合(S1で「Yes」)、操作表示部21で預け入れモード時の画面にタッチするか、またはそのロッカーボックス2の押ボタンSW35が押下されると、制御部41は、荷物の預け入れが発生したと認識する(S1)。
【0057】
その後、ロッカーボックス2の扉3を閉じて押ボタンSW35が押下されると、ロッカーボックス2の扉3が仮施錠される(S2)。すると、制御部41は、カメラ30による撮像を開始すると共に(S3)、計測1として所定時間の計測を開始する(S4)。カメラ30には、被写体として、集中制御装置20の前で、本施錠及び支払い操作を行う利用者の顔または顔を含めた上半身が撮像されるようにカメラの撮像方向や画角、設置角度等が調整されている。
【0058】
操作表示部21には、
図6に示すように、その利用者が荷物を入れたロッカーボックスの場所(ボックス番号)を利用者に確認させる画面(ボックス確認画面)71が表示される。ボックス確認画面71には、併せて、「不審物の投函及びカード、暗証番号を紛失に対応する為、本人確認用の画像を録画します。」のメッセージ73が表示される。これにより、利用者は、自身の画像が撮像されることを認識することができる。
【0059】
利用者は、ボックス確認画面71に表示されたボックス番号が自身が荷物を預け入れたボックス番号である場合には、「確認」ボタン72を押下して、次の画面に遷移することができる。一方、預け入れをキャンセルする場合には、利用者は、「取消」ボタン74を押下して、預け入れをキャンセルことができる。なお、仮に自身の画像が撮像されることに同意できない場合にも、「取消」ボタンを押下して、ロッカーシステム1の利用を中止することができる。
【0060】
所定時間内にボックス確認画面71にタッチされるまで、制御装置41は、待ち状態となる(S5で「No」、S6で「No」)。所定時間内にボックス確認画面71にタッチされなかった場合(S6で「Yes」)、制御装置41は、カメラ30による撮像を停止し、そのロッカーボックス2の仮施錠を解錠し(S2)、S1へ戻る。
【0061】
所定時間内にボックス確認画面71にタッチされると(S5で「Yes」)、制御装置41は、計測1として計測している計測時間をクリアし(S7)、ボックス確認画面71へのタッチより所定時間前(例えば、タッチ前2秒間)のフレーム(画像)を切り取る(S8)。
【0062】
次に制御装置41は、計測2として所定時間の計測を開始する(S9)。このとき、制御装置41は、決済処理モードを開始する。決済モードでは、制御装置41は、操作表示部21に
図7の画面(ICカード支払画面)81を表示させる。ICカード支払画面81が表示されている場合に、ICカードリーダ/ライタ24に利用者がICカードをかざして決済を行う。このとき、制御装置41は、ロッカーボックス2を識別するボックス番号と、暗証番号とを組み合わせた情報(利用者識別情報)を、ICカードリーダ/ライタ24によりICカードに記録させると共に、記憶部42に記憶する。なお、利用者は、「取消」ボタン82を押下することにより、決済処理を取り消す。
【0063】
所定時間内にICカード支払画面にてICカードによる決済が完了するまで、制御装置41は、待ち状態となる(S10で「No」、S11で「No」)。所定時間内にICカード支払画面にてICカードによる決済がされなかった場合(S11で「Yes」)、制御装置41は、カメラ30による撮像を停止し、そのロッカーボックス2の仮施錠を解錠し(S2)、S1へ戻る。
【0064】
所定時間内にICカード支払画面にてICカードによる決済が完了した場合(S10で「Yes」)、制御装置41は、
図8の画面(支払完了画面)91を表示し、さらに画面101を表示し、計測2として計測している計測時間をクリアし(S12)、撮像を停止する(S13)。制御装置41は、ボックス確認画面71へのタッチより所定時間後(例えば、タッチして2秒後または決済完了時点)のフレーム(画像)を切り取る(S14)。
【0065】
制御装置41は、ボックス確認画面71で確認したボックス番号と関係づけて、S8及びS14で切り取った画像を記憶部42に保存すると共に(S15)、そのロッカーボックス2の扉3の本施錠を行う(S16)。
【0066】
上述したように、本実施形態では、カメラ30により常に十数秒間のサイクル動画を撮像しており、ボックス確認画面71の「確認」ボタン72を押した瞬間を起点として前後数秒間動画を保存するようにしている。例えば、S8とS14で「確認」ボタン72押下時を起点としてその2秒前及び2秒後の画像を保存している。また、「確認」ボタン72を押した瞬間を起点として前後数秒間動画を確認することでより本人確認しやすい画像照合が可能となる。なお、S8とS14で切り出した2枚の画像を保存したが、1枚の画像を保存してもよく、また異なるタイミングで切り取った画像を3枚以上保存してもよい。また、切り取る画像は静止画に限定されず、所定時間(例えば、2秒間)の再生動画を切り取って動画像して保存してもよい。
【0067】
図10A及び
図10Bは、本実施形態におけるロッカーボックスからの取り出し操作時の制御部及び管理センター側の処理フローを示す図である。ここで取り出し操作とは、操作表示部21に表示される「取り出し」ボタンを押下することである。
【0068】
制御装置41は、操作表示部21に表示される「取り出し」ボタンが押下されるか否かに応じて取り出しが発生したか否かを判定する(S21)。操作表示部21に表示される「取り出し」ボタンが押下されると(S21で「Yes」)、制御装置41は、取り出しが発生したと判定して、操作表示部21にID認証選択画面を表示させる。ID認証選択画面には、ICカードにより認証を行う「OK」ボタンと、ICカードにより認証を行わない「NG」ボタンとが表示される。なお、ID認証選択画面に「OK」ボタンのみ表示させてタイムアップでNGとしても良い。
【0069】
利用者は「OK」ボタンを押下した場合、ID認証画面に遷移し、ID認証画面のガイダンスに従って、預り時に所定の情報が記録されたICカードをICカードリーダ/ライタ24に読み取らせする。
【0070】
制御部41は、読み込んだICカードの所定の情報に基づいて、ID認証処理を行う(S31)。認証処理では、制御装置41は、ICカードリーダ/ライタ24で読み取った(利用者識別情報)と、記憶部42に記憶されている(利用者識別情報)とを照合して、ID認証を行う。IDの認証が完了すれば(S22で「Yes」)、制御装置41は、利用者識別情報に対応するロッカーボックス2の扉3の解錠処理を行い(S36)、記憶部42に記憶している画像を削除する(S37)。
【0071】
ID認証選択画面にて「NG」ボタンが押下された場合またはID認証選択画面にて所定時間が経過した場合、制御装置41は、操作表示部21に本人の顔の照合(記憶部42に記憶している画像に撮像された人物と、カメラ30にて今撮像された画像に撮像された人物との照合)を実施するか否かを確認する画面(画像照合確認画面)を表示させる(S23)。画像照合確認画面では、画像照合を実施する旨を意思表示する「OK」ボタンと画像照合を実施しない旨を意思表示する「NG」ボタンが設けられているとするが、これに限定されず、画像照合を実施する旨を意思表示する「OK」ボタンのみにして所定時間以内にその「OK」ボタンを押下しなかった場合にはNGとするようにしてもよい。
【0072】
画像照合確認画面において本人の顔認証を実施しない旨を示すボタンが押下されると(S23で「No」)、S21へ戻る。画像照合確認画面において本人の顔認証を実施する旨を示すボタンが押下されると(S23で「Yes」)、制御装置41は、カメラ30を用いて利用者の上半身を被写体として動画を開始する(S24)。
【0073】
さらに、制御装置41は、管理センター48へ、解錠リクエスト及びS15にて記憶部42に記憶された画像及びその画像と関係付けられているボックス番号を送信する(S25)。
【0074】
管理センター48では、解錠リクエスト、S15にて記憶部42に記憶された画像及びボックス番号を受信後(S26)、担当者は、管理センター内の情報処理端末を用いて、S24で撮像された動画の再生を開始するボタンを押下する(S27)。そして、担当者は、再生された映像に写っている人物と、受信した画像に写っている人物とが同一人物であるかを照会する。
【0075】
照会の結果、再生された映像に写っている人物と、受信した画像に写っている人物とが同一人物であると判断した場合、担当者は、管理センター内の情報処理端末を操作して、受信した画像に関連付けられているボックス番号に対応するロッカーボックス2について解錠操作を行う(S28で「Yes」)。すると、管理センター48から解錠通知が送信される(S29)。担当者は、管理センター内の情報処理端末を操作して動画の再生を停止する(S32)。
【0076】
解錠通知を受信すると、制御装置41は、カメラ30による動画の撮像を停止し(S35)、記憶部42に記憶されたボックス番号に対応するロッカーボックス2の扉3の解錠処理を行い(S36)、記憶部42に記憶している画像を削除する(S37)。
【0077】
照会の結果、再生された映像に写っている人物と、受信した画像に写っている人物とが同一人物でないと判断した場合、担当者は、管理センター内の情報処理装置を操作して解錠不可を通知する操作を行う(S28で「No」)。すると、管理センター48から解錠不可通知が送信されるS32)。
【0078】
解錠不可通知を受信すると(S33)、制御装置41は、カメラ30による動画の撮像を停止し(S35)、操作表示部21には、初期画面に戻る。
【0079】
上述の通り、管理センター48側で解錠の遠隔操作が可能になり、画像照合がOKならば初めて遠隔解錠操作を行い、対象ロッカーの扉を解錠することができる。すなわち、利用者側の操作により送信される解錠リクエストの受信に応じて管理センター48側で遠隔操作による解除を行うので、管理センター48側で誤った遠隔操作で扉3の誤解錠をすることがなくなり、人的誤操作を防止することができる。なお、S27においては動画を再生したが、これに限定されず、静止画を表示してもよい。
【0080】
本発明の実施形態によれば、ロッカーシステム1側において、ボックス確認画面71の「確認」ボタン72を操作することで操作画面近傍に設置されたカメラ30に利用者が正対する為、本人が確認しやすくなる。また、本人確認合意ボタンを操作画面上に表示する事で、利用者がカメラに正対しかつOKボタン操作の前後の画像を保存する事でより信頼性の高い本人確認が実現できる。さらに、ロッカーシステム1側において、画像照合確認画面の「OK」ボタンを操作することで管理センター側の遠隔解錠操作が可能になる為、誤った遠隔操作で扉を誤解錠することがない。
【0081】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 ロッカーシステム
2 ロッカーボックス
3 扉
4 取っ手
6 ロッカー部
7 框
8,9 側面
10 天井面
11 底面
12 背面
13 収納部
20 集中制御装置
21 操作表示部
22a,22b レシート発行部
23 バーコードリーダ
24 ICカードリーダ/ライタ
25 紙幣投入部
26 硬貨投入部
27 返金操作部
28 返金口
29 スピーカ
30 カメラ
31 ブザー
32 ロック部
33 電気錠
34 扉開閉SW
35 押ボタンSW
36 LED1
37 LED2
38 LED3
39 LED4
41 制御部
42 記憶部
43 認証部
44 プリンタ
45 紙幣処理部
46 硬貨処理部
51a,51b クッション部材
52 フック受入部
53 ホールセンサ
60 操作部
61 表示1
62 表示2
63 表示3
64 表示4