(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】メッセンジャーでのファイル送信時に機器間の通信技術を活用する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/04 20220101AFI20221006BHJP
H04L 65/1069 20220101ALI20221006BHJP
H04L 65/1083 20220101ALI20221006BHJP
H04L 67/06 20220101ALI20221006BHJP
H04W 76/14 20180101ALI20221006BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20221006BHJP
【FI】
H04L51/04
H04L65/1069
H04L65/1083
H04L67/06
H04W76/14
H04W84/18
(21)【出願番号】P 2018106023
(22)【出願日】2018-06-01
【審査請求日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】10-2017-0076594
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】321003371
【氏名又は名称】LINE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヒョクジェ
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-531744(JP,A)
【文献】特開2017-054507(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0315923(US,A1)
【文献】特表2016-538792(JP,A)
【文献】特開2013-161481(JP,A)
【文献】特表2009-505535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージングサービスの通信セッションに連結する第1電子機器が、前記通信セッションを介して送信するためのファイルが選択され
たことに応答して、前記通信セッションを介して前記第1電子機器の識別子を含む第1メッセージを前記通信セッションに連結する第2電子機器に伝達する段階、
前記第1電子機器が、前記第1メッセージに対応して前記第2電子機器から前記通信セッションを介して伝達される前記第2電子機器の識別子を含む第2メッセージを受信する段階、
前記第1電子機器が、前記第2電子機器の識別子を利用して前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階、及び
前記機器間通信が設定される場合には前記設定された機器間通信によって前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信し、前記機器間通信が設定されない場合には前記通信セッションを介して前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信する段階
を含
み、
前記第2電子機器では、機器間通信が可能な機器リストの中から前記第1メッセージに含まれる識別子を利用して前記第1電子機器を検索して機器間通信の連結を要請し、
前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階は、
前記第2メッセージに含まれる識別子を利用して前記第2電子機器からの機器間通信の連結要請を自動受諾すること
を特徴とする、ファイル送信方法。
【請求項2】
メッセージングサービスの通信セッションに連結する第1電子機器が、前記通信セッションを介して送信するためのファイルが選択されたことに応答して、前記通信セッションを介して前記第1電子機器の識別子を含む第1メッセージを前記通信セッションに連結する第2電子機器に伝達する段階、
前記第1電子機器が、前記第1メッセージに対応して前記第2電子機器から前記通信セッションを介して伝達される前記第2電子機器の識別子を含む第2メッセージを受信する段階、
前記第1電子機器が、前記第2電子機器の識別子を利用して前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階、及び
前記機器間通信が設定される場合には前記設定された機器間通信によって前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信し、前記機器間通信が設定されない場合には前記通信セッションを介して前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信する段階
を含み、
前記第2電子機器では、前記第1メッセージに含まれる識別子を利用して前記第1電子機器に機器間通信の連結を要請し、
前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階は、
前記第2メッセージに含まれる識別子が、機器間通信の連結を要請した機器情報とマッチングする場合、前記第2電子機器の機器間通信の連結要請を自動受諾すること
を特徴とする、ファイル送信方法。
【請求項3】
前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階は、
前記第2電子機器との機器間通信のために前記第1電子機器の識別子をブロードキャスティングする段階
を含む、請求項1
又は2に記載のファイル送信方法。
【請求項4】
前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信する段階は、
事前に定められた制限時間内に前記機器間通信が設定されなければ、前記通信セッションを介して前記選択されたファイルを前記第2電子機器に伝達すること
を特徴とする、請求項1
又は2に記載のファイル送信方法。
【請求項5】
前記第1メッセージと前記第2メッセージは、隠された情報として処理されること
を特徴とする、請求項1
又は2に記載のファイル送信方法。
【請求項6】
電子機器と結合して、該電子機器にファイル送信方法を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記ファイル送信方法は、
メッセージングサービスの通信セッションを介して送信するためのファイルが選択されたことに応答し
て、前記通信セッションを介して、前記電子機器の識別子を含む第1メッセージを前記通信セッションに連結する第2電子機器に伝達する段階、
前記第1メッセージに対応して前記第2電子機器から、前記通信セッションを介して伝達された前記第2電子機器の識別子を含む第2メッセージを受信する段階、
前記第2電子機器の識別子を利用して前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階、及び
前記機器間通信が設定される場合には前記設定された機器間通信によって前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信し、前記機器間通信が設定されない場合には前記通信セッションを介して前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信する段階
を含
み、
前記第2電子機器では、機器間通信が可能な機器リストの中から前記第1メッセージに含まれる識別子を利用して前記電子機器を検索して機器間通信の連結を要請し、
前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階は、
前記第2メッセージに含まれる識別子を利用して前記第2電子機器からの機器間通信の連結要請を自動受諾すること
を特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項7】
電子機器と結合して、該電子機器にファイル送信方法を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記ファイル送信方法は、
メッセージングサービスの通信セッションを介して送信するためのファイルが選択されたことに応答して、前記通信セッションを介して、前記電子機器の識別子を含む第1メッセージを前記通信セッションに連結する第2電子機器に伝達する段階、
前記第1メッセージに対応して前記第2電子機器から、前記通信セッションを介して伝達された前記第2電子機器の識別子を含む第2メッセージを受信する段階、
前記第2電子機器の識別子を利用して前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階、及び
前記機器間通信が設定される場合には前記設定された機器間通信によって前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信し、前記機器間通信が設定されない場合には前記通信セッションを介して前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信する段階
を含み、
前記第2電子機器では、前記第1メッセージに含まれる識別子を利用して前記電子機器に機器間通信の連結を要請し、
前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階は、
前記第2メッセージに含まれる識別子が、機器間通信の連結を要請した機器情報とマッチングする場合、前記第2電子機器の機器間通信の連結要請を自動受諾すること
を特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項8】
電子機器のファイル送信システムであって、
コンピュータが読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み
前記少なくとも1つのプロセッサは、
メッセージングサービスの通信セッションを介して送信するためのファイルが選択されたことに応答し
て、前記通信セッションを介して、前記電子機器の識別子を含む第1メッセージを前記通信セッションに連結する第2電子機器に伝達した後、前記第1メッセージに対応して前記第2電子機器から、前記通信セッションを介して伝達される前記第2電子機器の識別子を含む第2メッセージを受信するメッセージ交換部、
前記第2電子機器の識別子を利用して前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる通信設定部、及び
前記機器間通信が設定される場合には前記設定された機器間通信によって前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信し、前記機器間通信が設定されない場合には前記通信セッションを介して前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信するファイル送信部
を備え
、
前記第2電子機器では、機器間通信が可能な機器リストの中から前記第1メッセージに含まれる識別子を利用して前記電子機器を検索して機器間通信の連結を要請し、
前記通信設定部は、
前記第2メッセージに含まれる識別子を利用して前記第2電子機器の機器間通信の連結要請を自動受諾すること
を特徴とする、電子機器のファイル送信システム。
【請求項9】
電子機器のファイル送信システムであって、
コンピュータが読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み
前記少なくとも1つのプロセッサは、
メッセージングサービスの通信セッションを介して送信するためのファイルが選択されたことに応答して、前記通信セッションを介して、前記電子機器の識別子を含む第1メッセージを前記通信セッションに連結する第2電子機器に伝達した後、前記第1メッセージに対応して前記第2電子機器から、前記通信セッションを介して伝達される前記第2電子機器の識別子を含む第2メッセージを受信するメッセージ交換部、
前記第2電子機器の識別子を利用して前記第2電子機器との機器間通信の設定を試みる通信設定部、及び
前記機器間通信が設定される場合には前記設定された機器間通信によって前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信し、前記機器間通信が設定されない場合には前記通信セッションを介して前記選択されたファイルを前記第2電子機器に送信するファイル送信部
を備え、
前記第2電子機器では、前記第1メッセージに含まれる識別子を利用して前記電子機器に機器間通信の連結を要請し、
前記通信設定部は、
前記第2メッセージに含まれる識別子が、機器間通信の連結を要請した機器情報とマッチングする場合、前記第2電子機器の機器間通信の連結要請を自動受諾すること
を特徴とする、電子機器のファイル送信システム。
【請求項10】
前記通信設定部は、
前記第2電子機器との機器間通信のために前記電子機器の識別子をブロードキャスティングすること
を特徴とする、請求項8又は9に記載の電子機器のファイル送信システム。
【請求項11】
前記ファイル送信部は、
事前に定められた制限時間内に前記機器間通信が設定されなければ、前記通信セッションを介して前記選択されたファイルを前記第2電子機器に伝達すること
を特徴とする、請求項8
又は9に記載の電子機器のファイル送信システム。
【請求項12】
前記第1メッセージと前記第2メッセージは、隠された情報として処理されること
を特徴とする、請求項8
又は9に記載の電子機器のファイル送信システム。
9に記載の電子機器のファイル送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、メッセンジャーで機器間の通信技術を利用してファイルを送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なコミュニケーションツールであるインスタントメッセンジャー(instant messenger)は、リアルタイムでメッセージやデータを送受信することができるソフトウェアであり、ユーザは、メッセンジャー上に対話相手を登録し、対話相手リストに登録された相手とリアルタイムでメッセージをやり取りすることができる。
【0003】
このようなメッセンジャー機能は、PCだけではなく、移動通信端末のモバイル環境でも普遍的に使用されるようになった。例えば特許文献1(公開日2002年09月30日)には、携帯端末機にインストールされたモバイルメッセンジャー間にメッセンジャーサービスを提供することができるようにした、無線通信網を利用した携帯端末機のモバイルメッセンジャーサービスシステム及び方法が開示されている。
【0004】
メッセンジャーアプリケーションでのユーザ同士のファイル送信の大部分は、メッセンジャーサーバを経由することになる。しかし、一部の国家や地域ではネットワークインフラが劣悪であってモバイルネットワーク状況が良好ではなく、無線ルータ(例えばWi-Fi APなど)の普及も普遍化されていないため、個人間のファイル送信に限界と困難が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国公開特許第10-2002-0074304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
メッセンジャーでのファイル送信時に機器間の通信技術を利用してファイルを送信することができる方法とシステムを提供する。
【0007】
メッセンジャーサーバを経ず、直接に機器間にファイルを送信することができる方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、メッセージングサービスの通信セッションに連結する第1電子機器が通信セッションを介して送信するためのファイルが選択されることに応答し、通信セッションを介して、第1電子機器の識別子を含む第1メッセージを通信セッションに連結する第2電子機器に伝達する段階、第1電子機器が、第1メッセージに対応して第2電子機器から通信セッションを介して伝達される第2電子機器の識別子を含む第2メッセージを受信する段階、第1電子機器が第2電子機器の識別子を利用して第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階、及び機器間通信が設定される場合には設定された機器間通信によって選択されたファイルを第2電子機器に送信し、機器間通信が設定されない場合には通信セッションを介して選択されたファイルを第2電子機器に送信する段階を含む、ファイル送信方法を提供する。
【0009】
一側面によると、第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階は、第2電子機器との機器間通信のために第1電子機器の識別子をブロードキャスティング(broad casting)する段階を含んでよい。
【0010】
他の側面によると、第2電子機器では、機器間通信が可能な機器リストの中から第1メッセージに含まれる識別子を利用して第1電子機器を検索して機器間通信連結を要請し、第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階は、第2メッセージに含まれる識別子を利用して第2電子機器の機器間通信連結の要請を自動受諾してよい。
【0011】
また他の側面によると、第2電子機器では、第1メッセージに含まれる識別子を利用して第1電子機器に機器間通信連結を要請し、第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階は、第2メッセージに含まれる識別子が機器間通信連結を要請した機器情報とマッチングする場合、第2電子機器の機器間通信連結の要請を自動受諾してよい。
【0012】
また他の側面によると、選択されたファイルを第2電子機器に送信する段階は、事前に定められた制限時間(time-out)内に機器間通信が設定されなければ、通信セッションを介して選択されたファイルを第2電子機器に伝達してよい。
【0013】
また他の側面によると、第1メッセージと第2メッセージは、隠された(hidden)情報として処理されてよい。
【0014】
本発明の別の態様によれば、電子機器と結合して、該電子機器にファイル送信方法を実行させるコンピュータプログラムであって、ファイル送信方法は、メッセージングサービスの通信セッションを介して送信するためのファイルが選択されることに応答し、通信セッションを介して、電子機器の識別子を含む第1メッセージを通信セッションに連結する第2電子機器に伝達する段階、第1メッセージに対応して第2電子機器から、通信セッションを介して伝達された第2電子機器の識別子を含む第2メッセージを受信する段階、第2電子機器の識別子を利用して第2電子機器との機器間通信の設定を試みる段階、及び機器間通信が設定される場合には設定された機器間通信によって選択されたファイルを第2電子機器に送信し、機器間通信が設定されない場合には通信セッションを介して選択されたファイルを第2電子機器に送信する段階を含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0015】
本発明の別の態様によれば、電子機器のファイル送信システムであって、コンピュータが読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサを含み、少なくとも1つのプロセッサは、メッセージングサービスの通信セッションを介して送信するためのファイルが選択されることに応答し、通信セッションを介して、電子機器の識別子を含む第1メッセージを通信セッションに連結する第2電子機器に伝達した後、第1メッセージに対応して第2電子機器から、通信セッションを介して伝達される第2電子機器の識別子を含む第2メッセージを受信するメッセージ交換部、第2電子機器の識別子を利用して第2電子機器との機器間通信の設定を試みる通信設定部、及び機器間通信が設定される場合には設定された機器間通信によって選択されたファイルを第2電子機器に送信し、機器間通信が設定されない場合には通信セッションを介して選択されたファイルを第2電子機器に送信するファイル送信部を備える、電子機器のファイル送信システムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態によると、メッセンジャーで近距離に位置するユーザ間にファイル送信を試みるとき、機器間通信技術を利用してファイルを送信することにより、メッセンジャーでもメッセンジャーサーバを経由せずに機器間にファイルを直接送信することができ、これによってネットワーク費用や保存費用などの側面においてサーバ負担を減らすことができる。
【0017】
本発明の実施形態によると、メッセンジャーでのファイル送信時に機器間通信技術を利用することにより、サーバを経由するファイル送信方式に比べてファイル送信速度を高めることができる上に、有料データを消費しないため個人の通信費用を節減することができ、メッセンジャーが自主的に定めたファイルのサイズ制約から解放されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムの内部構成の一例を説明するためのブロック図である。
【
図2】メッセンジャー内でのファイル送信のための基本的な技術シナリオの例を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムのプロセッサが含むことのできる構成要素の例を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムが実行することのできるファイル送信方法の例を示したフローチャートでる。
【
図5】本発明の一実施形態における、メッセンジャーで機器間通信を利用してファイルを送信する具体的な技術シナリオの例を示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態における、ファイル送信内容が含まれたメッセンジャー画面の例を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態における、ファイル送信内容が含まれたメッセンジャー画面の例を示した図である。
【
図8】本発明の一実施形態における、ファイル送信内容が含まれたメッセンジャー画面の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
本発明の実施形態は、メッセンジャーで機器間通信技術を利用してファイルを送信する技術に関し、より詳細には、メッセンジャーでファイル送信を試みるとき、対話相手が近くに位置している場合には、機器間通信技術を利用してファイルを送信することができる方法及びシステムに関する。
【0021】
本明細書で具体的に開示される事項などを含む実施形態は、メッセンジャーでのファイル送信時に機器間通信技術を活用することができ、これによって送信速度、効率性、容易性、費用節減などの側面において相当な長所を達成する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムの内部構成の一例を説明するためのブロック図である。例えば本発明の実施形態に係るファイル送信システムが、
図1のコンピュータシステム100によって実現されてよい。
図1に示すように、コンピュータシステム100は、ファイル送信方法を実行するための構成要素として、プロセッサ110、メモリ120、永久記憶装置130、バス140、入力/出力インタフェース150及びネットワークインタフェース160を含んでよい。
【0023】
プロセッサ110は、命令語のシーケンスを処理することのできる任意の装置を含んでもよいし、その一部であってもよい。プロセッサ110は、例えばコンピュータプロセッサ、移動装置又は他の電子装置内のプロセッサ及び/又はデジタルプロセッサを含んでよい。プロセッサ110は、例えばサーバコンピュータデバイス、サーバコンピュータ、一連のサーバコンピュータ、サーバファーム、クラウドコンピュータ、コンテンツプラットフォーム、移動コンピュータ装置、スマートフォン、タブレット、セットップボックスなどに含まれてよい。プロセッサ110は、バス140を介してメモリ120に接続されてよい。
【0024】
メモリ120は、コンピュータシステム100によって使用されるか、これによって出力される情報を格納するための揮発性メモリ、永久、仮想又は他のメモリを含んでよい。メモリ120は、例えば、RAM(random access memory)及び/又は動的RAM(DRAM:dynamic RAM)を含んでよい。メモリ120は、コンピュータシステム100の状態情報のような任意の情報を格納するのに使用されてよい。メモリ120は、例えばファイルを送信するための命令語を含むコンピュータシステム100の命令語を格納するのに使用されてもよい。コンピュータシステム100は、必要な場合又は適切な場合には、1つ以上のプロセッサ110を含んでもよい。
【0025】
バス140は、コンピュータシステム100の多様なコンポーネント間の相互作用を可能にする通信基盤構造を含んでよい。バス140は、コンピュータシステム100のコンポーネント間に、例えばプロセッサ110とメモリ120間にデータを運搬してよい。バス140は、コンピュータシステム100のコンポーネント間の無線及び/又は有線通信媒体を含んでよく、並列、直列又は他のトポロジー配列を含んでよい。
【0026】
永久記憶装置130は、(例えばメモリ120に比べて)所定の延長された期間内にデータを格納するために、コンピュータシステム100によって使用されるようなメモリ又は他の永久記憶装置のようなコンポーネントを含んでよい。永久記憶装置130は、コンピュータシステム100内のプロセッサ110によって使用されるような非揮発性メインメモリを含んでよい。永久記憶装置130は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスク又は他のコンピュータで読み取り可能媒体を含んでよい。
【0027】
入力/出力インタフェース150は、キーボード、マウス、音声命令入力、ディスプレイ又は他の入力又は出力装置に対するインタフェースを含んでよい。構成命令及び/又は顔認識カメラと関連する入力が、入力/出力インタフェース150を通じて受信されてよい。
【0028】
ネットワークインタフェース160は、近距離ネットワーク又はインターネットのようなネットワークに対する1つ以上のインタフェースを含んでよい。ネットワークインタフェース160は、有線又は無線接続に対するインタフェースを含んでよい。構成命令は、ネットワークインタフェース160を通じて受信されてよい。また、顔認識カメラと関連する情報は、ネットワークインタフェース160を通じて受信又は送信されてよい。
【0029】
また、他の実施形態において、コンピュータシステム100は、
図1の構成要素よりも多くの構成要素を含んでもよい。しかし、大部分の従来技術的構成要素を明確に図に示す必要はない。例えばコンピュータシステム100は、上述した入力/出力インタフェース150と連結する入力/出力装置のうちの少なくとも一部を含むように実現されてもよいし、トランシーバ(transceiver)、GPS(Global Positioning System)モジュール、カメラ、各種センサ、データベースなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。より具体的な例として、コンピュータシステム100がスマートフォンのような電子機器の形態で実現される場合、一般的に電子機器に含まれるカメラ、加速度センサやジャイロセンサ、カメラ、物理的な各種ボタン、タッチパネルを利用したボタン、入力/出力ポート、振動のための振動器などのような多様な構成要素がコンピュータシステム100にさらに含まれるように実現されてよい。
【0030】
図2は、メッセンジャー内でのファイル送信のための基本的な技術シナリオの例を示した図である。
図2は、メッセンジャーを利用してユーザA(21)とユーザB(22)とがファイルをやり取りする過程の例を示している。
【0031】
1.ユーザA(21)は、端末上にインストールされたメッセンジャーを起動させた後、ユーザB(22)とのチャットルーム内でファイル送信メニューを選択し、ユーザB(22)に送信するファイルを選択する。
【0032】
2.ユーザA(21)の端末は、メッセンジャーのファイル送信要請に従って、ユーザA(21)が選択したファイルをメッセンジャーサーバ200に送信する。
【0033】
3.メッセンジャーサーバ200は、ユーザA(21)の端末からユーザB(22)に送信されるファイルを受信してファイルDBに格納する。
【0034】
4.対話相手であるユーザB(22)の端末では、メッセンジャー上のユーザA(21)とのチャットルームで、ユーザA(21)が送信したファイルをサーバ200からダウンロードする。
【0035】
5.メッセンジャーサーバ200は、ユーザA(21)が送信したファイルを保管している間にユーザB(22)がダウンロードすれば、一定時間後に該当のファイルをファイルDB上から削除する。
【0036】
メッセンジャー内での個人間のファイル送信は、基本的にはメッセンジャーサーバ200を経由することになる。本発明に係るファイル送信方法及びファイル送信システムは、メッセンジャー内でユーザがファイル送信を試みるとき、対話相手がユーザと近距離に位置する場合、メッセンジャーサーバ200を経由せずに機器間通信技術を利用してファイルを送信しようとするものである。
【0037】
本明細書において、「機器間通信」とは、近距離内に存在する機器同士が電波中継設備の助けを受けずに直接通信することを意味する。例えばWi-Fiダイレクト(Wi-Fi Direct)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、ジグビー(Zigbee)(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)などを利用した端末間の直接通信技術を含んでよい。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムのプロセッサが含むことのできる構成要素の例を示した図であり、
図4は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムが実行することのできるファイル送信方法の例を示したフローチャートである。
【0039】
本発明の一実施形態に係るコンピュータシステム100は、スマートフォン(smart phone)、携帯電話、タブレット、ウェアラブル(wearable)デバイス、コンピュータ、ノート型パンコンなどのような電子機器の形態で実現されてよく、ファイル送信機能を含んだメッセージングサービス(messaging service)アプリケーション(メッセンジャーアプリケーション)がインストールされた電子機器を意味してよい。
【0040】
図3に示すように、プロセッサ110は、メッセージ交換部310、通信設定部320及びファイル送信部330を備えてよい。このようなプロセッサ110の構成要素は、少なくとも1つのプログラムコードによって提供される制御命令に従ってプロセッサ110によって実行される、互いに異なる機能(different functions)の表現であってよい。例えばプロセッサ110が他の電子機器とメッセージを交換するようにコンピュータシステム100を制御するために動作する機能的表現として、メッセージ交換部310が使用されてよい。プロセッサ110及びプロセッサ110の構成要素は、
図4のファイル送信方法に含まれる段階410~段階450を実行してよい。例えばプロセッサ110及び該プロセッサ110の構成要素は、メモリ120に含まれるオペレーティングシステムのコードと、上述した少なくとも1つのプログラムコードによる命令(instruction)を実行するように実現されてよい。ここで、少なくとも1つのプログラムコードは、ファイル送信方法を処理するために実現されたプログラムのコードに対応してよい。
【0041】
ファイル送信方法は、図に示す順のとおりに発生しないこともあるし、段階のうちの一部が省略されてもよいし、追加の過程がさらに含まれてもよい。
【0042】
段階410において、プロセッサ110は、ファイル送信方法のためのプログラムファイルに格納されたプログラムコードをメモリ120にロードしてよい。例えばファイル送信方法のためのプログラムファイルは、
図1を参照しながら説明した永久記憶装置130に格納されていてよく、プロセッサ110は、バスを介して永久記憶装置130に格納されたプログラムファイルからプログラムコードがメモリ120にロードされるようにコンピュータシステム100を制御してよい。このとき、プロセッサ110及び該プロセッサ110に含まれるメッセージ交換部310、通信設定部320及びファイル送信部330それぞれは、メモリ120にロードされたプログラムコードのうちの対応する部分の命令を実行して以後の段階420~段階450を実行するためのプロセッサ110の互いに異なる機能的表現であってよい。段階420~段階450の実行のために、プロセッサ110及びプロセッサ110の構成要素は、直接に制御命令による演算を処理してもよいし、コンピュータシステム100を制御してもよい。
【0043】
段階420において、メッセージ交換部310は、コンピュータシステム100(以下、「第1電子機器」と称する)のユーザから、メッセンジャーで提供するメッセージングサービスの通信セッションを介して送信するためのファイルが選択される場合、これに応答し、第1電子機器の識別子を含む第1メッセージを、前記通信セッションを介して、前記通信セッションに連結する相手の電子機器(以下、「第2電子機器」と称する)に伝達してよい。メッセージ交換部310は、第1電子機器のユーザが、メッセンジャー上のチャットルームでファイル送信機能を利用して相手に送信するファイルを選択すると、ファイル送信準備のための第1メッセージを第2電子機器に送信してよい。このとき、第1メッセージには、機器間で第1電子機器を識別するための情報として、例えばMAC addressや機器名などが含まれてよい。また、メッセージ交換部310は、メッセージングサービスの通信セッションを介してファイル送信準備のための第1メッセージを第2電子機器に送信すると共に、機器間通信のために必要な第1電子機器の機器情報を周辺機器にブロードキャスティングしてよい。
【0044】
段階430において、メッセージ交換部310は、第1メッセージに対応して第2電子機器から前記通信セッションを介して伝達される第2メッセージを受信してよい。このとき、第2メッセージには、機器間で第2電子機器を識別するための情報として、例えばMAC addressや機器名などが含まれてよい。第2電子機器は、メッセージングサービス上で第1電子機器と連結する通信セッションを介して第1電子機器からファイル送信準備のための第1メッセージが受信される場合、第2電子機器の識別子を含んだ第2メッセージを、ファイル受信準備のための応答メッセージとして第1電子機器に送信してよく、これにより、メッセージ交換部310は、第1メッセージに対する応答メッセージとして第2メッセージを第2電子機器から受信してよい。
【0045】
段階440において、通信設定部320は、第2メッセージに含まれる第2電子機器の識別子を利用して第2電子機器との機器間通信の設定を試みてよい。第2電子機器は、第1電子機器からファイル送信準備のための第1メッセージを受信すると、ブロードキャスティングによって受信された機器情報の中から、第1メッセージに含まれる第1電子機器の識別子とマッチングする機器を、機器間通信が可能な周辺機器として自動選択して、通信チャネル連結を要請してよい。通信チャネル連結のための要請信号には、機器間通信のために必要な第2電子機器の機器情報が含まれてよい。通信設定部320は、第2メッセージに含まれる第2電子機器の識別子が、機器間通信チャネル連結のための要請信号に含まれる機器情報とマッチングする場合、第2電子機器の連結要請を自動で受諾して第2電子機器との機器間通信を設定してよい。一例として、通信設定部320は、機器間の通信を設定するための制限時間のタイムアウト(time-out)(例えば4秒)を設定してよく、制限時間内に第2電子機器との機器間通信チャネルが連結されない場合は、機器間通信の設定を撤回してよい。
【0046】
段階450において、ファイル送信部330は、第2電子機器との機器間通信が設定される場合、設定された機器間通信によって、ユーザが選択したファイルを第2電子機器に送信するようになるが、第2電子機器との機器間通信が設定されない場合には、第2電子機器と連結する通信セッションを介して、ユーザが選択したファイルを第2電子機器に送信してよい。言い換えれば、ファイル送信部330は、第2電子機器との機器間通信チャネルが連結されれば、該当の通信チャネルを利用してユーザによって選択されたファイルを第2電子機器に直接送信してよい。このとき、ファイル送信部330は、第1メッセージを第2電子機器に送信した時点あるいは第1メッセージに対する応答メッセージとして第2電子機器から第2メッセージを受信した時点を基準として設定された制限時間が経過した場合、第2電子機器との機器間通信の設定を諦め、メッセージングサービスの通信セッションを介して、ユーザによって選択されたファイルを第2電子機器に送信する。機器間通信によるファイル送信の場合は、機器間でファイル送信が直接なされることから、ファイルサイズに対する制約がない。
【0047】
機器間通信を設定するための全般的な手順は、ユーザ介入のない、隠された状態でなされてよい。言い換えれば、第1電子機器と第2電子機器とがやり取りした第1メッセージと第2メッセージは、チャットルームに参加するユーザには表示されない、隠された情報として処理されてよい。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態における、メッセンジャーで機器間通信を利用してファイルを送信する具体的な技術シナリオの例を示した図である。
図5は、ユーザA(21)がメッセンジャーで機器間通信によってユーザB(22)にファイルを送信する過程の例を示している。
【0049】
1.ユーザA(21)は、端末上にインストールされたメッセンジャーを起動させた後、ユーザB(22)とのチャットルーム内でファイル送信メニューを選択し、ユーザB(22)に送信するファイルを選択する。
【0050】
2.ユーザA(21)の端末である第1電子機器は、メッセンジャーでユーザA(21)によってファイルが選択されたことに応答し、ファイル送信準備のために第1電子機器の識別子を含む第1メッセージをメッセンジャーサーバ200に送信する。このとき、メッセンジャーサーバ200は、第1電子機器から第1メッセージを受信し、ユーザB(22)の端末である第2電子機器に送信する。
【0051】
2-1.第1電子機器は、ファイル送信準備のための第1メッセージを、メッセンジャーサーバ200を経由して第2電子機器に送信すると同時に、機器間通信のために必要となる第1電子機器の機器情報を周辺機器にブロードキャスティングすることにより、機器間通信の準備を開始する。
【0052】
3.第2電子機器は、第1電子機器から第1メッセージを受信すると、第1メッセージに対する応答として、第2電子機器の識別子を含んだ第2メッセージを、メッセンジャーサーバ200を経由して第1電子機器に送信する。
【0053】
4.第1電子機器と第2電子機器は、メッセンジャーサーバ200を経由して相互間でやり取りした第1メッセージと第2メッセージから相手情報を抽出し、これを利用して機器間通信チャネルを連結してよい。まず、第2電子機器は、ブロードキャスティングによって受信した機器情報の中から、第1メッセージに含まれる第1電子機器の識別子とマッチングする機器を自動で選択し、機器間通信チャネル連結を要請してよい。これにより、第1電子機器は、第2メッセージに含まれた第2電子機器の識別子が、機器間通信チャネルの連結を要請した機器情報とマッチングする場合、第2電子機器の連結要請を自動で受諾し、第2電子機器との機器間通信を設定してよい。
【0054】
第2電子機器は、第1電子機器から第1メッセージを受信した後、第1メッセージに含まれた機器情報に基づいて機器間通信が可能な周辺機器リストのうちから第1電子機器を検索した後、機器間通信の連結を要請してよい。これと共に、第2電子機器は、メッセージングサービスの通信セッションを介して第2電子機器の機器情報を含んだ第2メッセージを第1電子機器に送信する。これにより、第1電子機器は、第2メッセージに基づいて第2電子機器の機器情報を第2電子機器からの連結要請として自動受諾することにより、第2電子機器との機器間通信チャネルを連結してよい。
【0055】
5.第1電子機器は、ユーザA(21)がユーザB(22)とのチャットルーム内において、ファイル送信メニューで選択したファイルに対して第2電子機器との機器間通信チャネルが連結された場合、連結された機器間通信チャネルを利用して該当のファイルを第2電子機器に直接送信してよい。このとき、第1電子機器は、一定の制限時間内に第2電子機器との機器間通信チャネルが連結されない場合には、ユーザA(21)が選択したファイルを、メッセンジャーサーバ200を経由して第2電子機器に送信することになる。
【0056】
したがって、本発明では、メッセージングサービスを利用してファイルを送信しようとする送信側で相手に送信するファイルが選択されると、メッセンジャーサーバを経由してファイル送信側とファイル受信側が機器間通信のための情報を交換し、交換された情報に基づき機器間通信の連結が可能な場合には、機器間通信によってファイルを送受信し、機器間通信の連結が不可能な場合にはメッセンジャーサーバを経由してファイルを送受信するようになる。
【0057】
図6~
図8は、本発明の一実施形態における、ファイル送信内容が含まれたメッセンジャー画面の例を示した図である。
【0058】
図6は、ファイル送信側チャットルーム画面610と、ファイル受信側チャットルーム画面620を示している。ユーザAがユーザBとのチャットルーム610でファイル送信メニューを選択し、ユーザBに送信するファイル(例えば写真、動画、音声、ドキュメントなど)601、602を選択する。機器間通信によって該当のファイル601、602がユーザBに送信されると、ファイル受信側チャットルーム画面620上には、受信したファイル601、602に関する情報が表示されてよい。
【0059】
ユーザの立場では、機器間通信によってファイルが送受信されたとしても、メッセンジャーサーバを経由するファイル送信方式と同じユーザ経験(UX:user experience)が提供されるようになる。基本的に、機器間通信のために必要となる相手の機器に関する情報確認は、両ユーザ間のメッセンジャーで自動的になされるが、このような機器間通信を設定するためのすべての設定が隠された状態で行われるため、ユーザ介入やユーザ入力などは要求されない。
【0060】
他の例として、ファイル受信側で機器間通信を受諾するためのユーザ介入を要求してもよい。場合によっては、例えば端末設定に応じて一部の手順でユーザ介入が要求されてもよい。
図7を参照すると、ユーザAがユーザBとのチャットルーム610でファイル送信メニューを利用してユーザBに送信するファイル601、602を選択するようになると、ファイル受信側との機器間通信の設定を試みるようになるが、ファイル受信側で機器間通信が遮断されている場合、例えばブルートゥース(登録商標)が起動されていない場合には、ユーザAとのチャットルーム720上にユーザ介入を要求する入力画面701が表示されてよい。
図8に示すように、ユーザBがユーザAとのチャットルーム720において、入力画面701で機器間通信の遮断を解除する場合、例えばブルートゥースを起動させた場合には、ファイル送信側との機器間通信によってファイル601、602を受信し、受信したファイル601、602に関する情報がチャットルーム720に表示されてよい。
【0061】
メッセンジャーでのファイル送信時に機器間通信を利用する場合、ユーザの立場では、ファイル送受信による追加の費用が発生せず、相手が近くに存在するだけでより迅速にファイル送信が可能になるという、向上した経験を実感することができるようになる。また、機器間の直接的な通信を利用する場合にインターネットのような通信網を利用する既存のファイル送信方式とは異なり、ネットワークソースはもちろん、ファイルを一時的に保存するための保存空間などの消費もない。
【0062】
このように、本発明の実施形態によると、メッセンジャーで近距離に位置するユーザ間にファイル送信を試みるとき、機器間通信技術を利用してファイルを送信することにより、メッセンジャーでもメッセンジャーサーバを経ずに機器間にファイルを直接送信することができ、これによってネットワーク費用や保存費用などの側面においてサーバの負担を減らすことができる。また、本発明の実施形態によると、メッセンジャーでのファイル送信時に機器間通信技術を利用することにより、サーバを経由するファイル送信方式に比べてファイル送信速度を高めることができる上に、有料データを消費しないため個人の通信費用を節減することができ、メッセンジャーで自主的に定められたファイルサイズの制約から解放されることができる。
【0063】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素及び/又はハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば実施形態で説明された装置及び構成要素は、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ又は命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及び前記OS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを格納、操作、処理及び生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者は、処理装置が複数個の処理要素及び/又は複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば処理装置は、複数個のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0064】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令又はこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、所望のとおりに動作するように処理装置を構成したり、独立的又は集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令又はデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、コンピュータ格納媒体又は装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で格納されても実行されてもよい。ソフトウェア及びデータは、1つ以上のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されてよい。
【0065】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータで読み取り可能な媒体に記録されてよい。このとき、媒体は、コンピュータで実行可能なプログラムを持続的に格納するものであっても、実行又はダウンロードのために一時的に格納するものであってもよい。また、媒体は、単一又は複数のハードウェアが結合された形態の多様な記録手段又は格納手段であってよいが、あるコンピュータシステムに直接接続される媒体に限定されることはなく、ネットワーク上に分散して存在するものであってもよい。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどを含んでプログラム命令が格納されるように構成されたものが挙げられてよい。また、他の媒体の例として、アプリケーションを流通するアプリストアや他の多様なソフトウェアを供給ないし流通するサイト、サーバなどで管理する記録媒体ないし格納媒体が挙げられてもよい。
【0066】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態と図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正及び変形が可能であろう。例えば説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたり又は組み合わされたり、他の構成要素又は均等物によって代替されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0067】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0068】
310:メッセージ交換部
320:通信設定部
330:ファイル送信部