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特許7153630機械的な関節並びに関連するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】機械的な関節並びに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/29 20060101AFI20221006BHJP
   A61B 34/35 20160101ALI20221006BHJP
【FI】
A61B17/29
A61B34/35
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019213773
(22)【出願日】2019-11-27
(62)【分割の表示】P 2016553459の分割
【原出願日】2015-02-20
(65)【公開番号】P2020022923
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2019-12-10
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】61/943,084
(32)【優先日】2014-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】サラリーヴ,ダニエル ピー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,マシュー アール
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】栗山 卓也
【審判官】安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-337994(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0177283(US,A1)
【文献】特表2013-518665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B1/00-1/32
A61B17/00-34/37
B25J1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、リストと、エンドエフェクタと、第1の作動要素と、第2の作動要素とを含み、
前記シャフトは、端部分を含み、
前記リストは、第1の端部分と、該第1の端部分とは反対側の第2の端部分とを含み、
前記リストの前記第1の端部分は、前記シャフトの前記端部分に連結され、
前記リストは、第1のジョイントと、第2のジョイントとを含み、
前記第1のジョイントは、第1の方向に延びる第1の曲げ軸について前記リストを曲げ、
前記第2のジョイントは、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延びる第2の曲げ軸について前記リストを曲げ、
前記リストの前記第1の端部分と前記第2の端部分との間の長さが、前記リストの全長を定め、
前記エンドエフェクタは、前記リストの前記第2の端部分に連結され、
前記第1の作動要素は、前記シャフト及び前記リストに沿って延び、
前記第1の作動要素は、前記リストの少なくとも一部分に沿って捩れ経路に従い、
前記捩れ経路は、前記リストの前記全長に沿って360度未満の角度的な広がりを有し、
前記第1の作動要素は、前記第1及び/又は第2のジョイントが曲がるときに長さ維持的であり
前記第2の作動要素は、前記リストの前記第1の端部分と前記第2の端部分との間の中心線経路に沿って延びる
手術器具。
【請求項2】
前記第1の作動要素は、前記第1及び第2のジョイントが同時に曲げ構成にあるときに、長さ維持的である、請求項1に記載の手術器具。
【請求項3】
前記シャフトは、第2の端部分を含み、
当該手術器具は、前記シャフトの前記第2の端部分に連結される伝動機構を更に含み、
前記第1の作動要素は、前記伝動機構が前記エンドエフェクタを作動させるように、前記伝動機構と前記エンドエフェクタとの間に連結される、
請求項1又は2に記載の手術器具。
【請求項4】
前記シャフトは、第2の端部分を含み、
当該手術器具は、前記シャフトの前記第2の端部分に連結される伝動機構を更に含み、
前記第1の作動要素は、前記伝動機構が前記リストを作動させるように、前記伝動機構と前記リストとの間に連結される、
請求項1又は2に記載の手術器具。
【請求項5】
当該手術器具は、作動要素支持構造を更に含み、
該作動要素支持構造は、前記リストの前記第1及び第2のジョイントに亘って延在し、
前記作動要素支持構造は、前記捩れ経路を定める管腔を含み、
前記第1の作動要素は、前記管腔を通じて延びる、
請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項6】
前記作動要素支持構造は、一体成形構造を有する、請求項5に記載の手術器具。
【請求項7】
前記リストの長手方向の中心線が、前記リストの前記第1の端部分と前記第2の端部分との間に定められ、
前記捩れ経路の少なくとも一部分が、前記リストの前記長手方向の中心線から径方向にオフセットさせられる軸について捩れる、
請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項8】
前記第2の作動要素は、前記シャフト及び前記リストに沿って延びる、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項9】
前記エンドエフェクタは、移動可能な構成要素を含み、
前記第1の作動要素は、前記移動可能な構成要素を作動させるように動作可能に連結される、
請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項10】
前記移動可能な構成要素は、ジョー機構を含む、請求項9に記載の手術器具。
【請求項11】
前記エンドエフェクタは、当該手術器具の中心線に沿って並進するように構成される並進構成要素を含み、
前記第2の作動要素は、前記並進構成要素を作動させるように動作可能に連結される、
請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項12】
前記並進構成要素は、切断ブレードを含む、請求項11に記載の手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2014年2月21日に出願された米国仮出願第61/943,084号の利益を主張し、その全文をここに参照として援用する。
【0002】
本開示は、機械的な関節を関節作動させるために作動要素を利用する、機械的な関節構造及び器具及び方法に関する。具体的には、本開示の特徴は、遠隔関節作動可能な機械的な関節を利用する、手術器具及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
遠隔操作手術器具を含む遠隔制御手術器具が、最小侵襲的な医療処置においてしばしば用いられる。医療処置中、手術器具は、1つ又はそれよりも多くの方向に関節作動させられることがある。例えば、手術器具は、手術器具の遠位端に配置されるエンドエフェクタを所望の場所において方向付け且つ位置付けるために、手術器具シャフトの近位端で伝動機構によって作動させられることがある。手術器具は、エンドエフェクタがシャフトに対して位置付けられてよいように、エンドエフェクタが接続される、関節付き関節作動可能な構造のような、リスト(手首関節)を更に含んでよい。手術器具は、エンドエフェクタを作動させるよう、リストを含む、手術器具を通じて進む、1つ又はそれよりも多くのエンドエフェクタ作動要素を更に含んでよい。リストを関節作動させること(曲げること)は、(複数の)エンドエフェクタ作動要素の曲げをもたらすことがあり、それは(複数の)エンドエフェクタ作動要素の長さの変化をもたらすことがある。そのような長さの変化は、エンドエフェクタの意図されない動きを引き起こし得る。これに鑑みれば、器具のリストが関節作動させられるときに、作動要素の長さを実質的に維持する(conserve)ように構成される、1つ又はそれよりも多くのエンドエフェクタ作動要素を含む手術器具を提供するのが望ましいことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の例示的な実施態様は、上述の課題のうちの1つ又はそれよりも多くを解決することがあり、且つ/或いは、上述の望ましい構成のうちの1つ又はそれよりも多くを実証することがある。他の構成及び/又は利点は、後続の記述から明らかになることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも1つの例示的な実施態様によれば、手術器具は、第1の端にリストを含むシャフトと、リストに連結されるエンドエフェクタと、シャフト及びリストに沿って延びる作動要素とを含んでよい。作動要素は、リストの少なくとも部分に沿う捩れ経路(twisted path)に従ってよい。捩れ経路は、リストの全長に沿って360度未満の角度的な広がり(angular extent)を有してよい。
【0006】
他の例示的な実施態様によれば、手術器具の作動要素のための支持構造は、支持構造の長手軸について捩れ経路を定める少なくとも1つの通路を含んでよい。通路は、通路の第1の端から通路の第2の端まで360度未満の角度的な広がりを有してよい。
【0007】
他の例示的な実施態様によれば、手術器具リストを構成する方法は、作動要素がリストの少なくとも部分に沿う捩れ経路に従うよう、作動要素をリストに沿って延ばすことを含んでよい。捩れ経路は、360度未満の角度的な広がりを有してよい。
【0008】
追加的な目的、構成、及び/又は利点は、後続の記述に部分的に示され、その記載から部分的に明らかであり、或いは本開示及び/又は請求項の実施によって学習されることがある。これらの目的及び利点の少なくとも一部が、付属の請求項において特に指摘される要素及び組み合わせによって実現されることがあり且つ得られることがある。
【0009】
前述の一般的な記述及び後続の詳細な記述の両方は、例示的且つ例証的であるに過ぎず、請求項を限定しない。むしろ、請求項は、均等物を含む、それらの全幅の広さを得る権利がある。
【0010】
本開示は、以下の詳細な記述のみから或いは添付の図面と一緒に理解され得る。図面は、本開示の更なる理解をもたらすために含められ、この明細書に組み込まれ且つこの明細書の一部を構成する。図面は、本教示の1つ又はそれよりも多くの例示的な実施態様を例示し、本記述と一緒に、特定の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的な実施態様に従った遠隔操作手術システムを示している。
【0012】
図2】例示的な実施態様に従った直線構成における単一のフレキシブルな曲げられる部材の概略的な斜視図を示している。
【0013】
図3】曲げ構成における図2の部材を示している。
【0014】
図4】曲げ構成における図2の部材を示している。
【0015】
図5】手術器具シャフト及び手術器具シャフトを通じて延びる構成部品の例示的な実施態様の部分的な概略的な斜視断面図である。
【0016】
図6】手術器具のリストの例示的な実施態様の概略的な頂面図である。
【0017】
図7】手術器具のリストの例示的な実施態様の概略的な頂面図である。
【0018】
図8】例示的な実施態様に従った、手術器具の遠位部分の側面図である。
【0019】
図9】手術器具のリストの例示的な実施態様の側面図である。
【0020】
図10A】例示的な実施態様に従ったリストの概略的な断面図を示している。
【0021】
図10B】例示的な実施態様に従ったリストの概略的な断面図を示している。
【0022】
図11】リストに沿う作動要素の形状を概略的に示す頂面図を示している。
【0023】
図12A】例示的な実施態様に従った手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0024】
図12B】例示的な実施態様に従った、手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0025】
図13】リストに沿った作動要素の形状を概略的に示す頂面図を示している。
【0026】
図14A】例示的な実施態様に従った手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0027】
図14B】例示的な実施態様に従った手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0028】
図14C】例示的な実施態様に従った手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0029】
図14D】例示的な実施態様に従った手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0030】
図15】リストに沿う作動要素の形状を概略的に示す頂面図を示している。
【0031】
図16A】例示的な実施態様に従った手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0032】
図16B】例示的な実施態様に従った手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0033】
図16C】例示的な実施態様に従った手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0034】
図16D】例示的な実施態様に従った手術器具のリストの概略的な断面図を示している。
【0035】
図17】リストに沿う作動要素の形状を概略的に示す頂面図を示している。
【0036】
図18】例示的な実施態様に従った手術器具シャフトの遠位部分の斜視図を示している。
【0037】
図19】例示的な実施態様に従った作動要素支持体及びプッシュ/プル作動要素の概略的な斜視図を示している。
【0038】
図20】例示的な実施態様に従った閉塞構成にあるエンドエフェクタの側面図である。
【0039】
図21】開放構成にある図20のエンドエフェクタを示している。
【0040】
図22】例示的な実施態様に従った作動要素支持体の端面の端面図を示している。
【0041】
図23】例示的な実施態様に従った作動要素支持体の端面の端面図を示している。
【0042】
図24】例示的な実施態様に従った手術器具の遠位部分の構成部品の斜視図である。
【0043】
図25図24の線25-25に沿う断面図である。
【0044】
図26】例示的な実施態様に従った作動要素支持体の分解図である。
【0045】
図27】例示的な実施態様に従った作動要素支持体の概略的な斜視図である。
【0046】
図28】剛性区画を含む作動要素の例示的な実施態様の側面図である。
【0047】
図29図28の部分の拡大図である。
【0048】
図30】例示的な実施態様に従った作動要素支持体及び作動要素の側断面図である。
【0049】
図31】フレキシブルシャフトの例示的な実施態様の部分斜視図である。
【0050】
図32】例示的な実施態様に従った同軸フレキシブルチューブを含む作動支持要素及び作動要素の斜視端面図である。
【0051】
図33】例示的な実施態様に従った捩れ形状及び捩れ形状の角度的な広がりの投影の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
例示的な実施態様を例示するこの記述及び添付の図面は、限定的であると理解されてはならない。均等物を含む、この記述及び請求項の範囲から逸脱せずに、様々な機械的、組成的、構造的、電気的、及び動作的な変更を行ってよい。幾つかの場合には、開示を曖昧にしないよう、周知の構造及び技法を詳細に示さず或いは記載しない。2つ又はそれよりも多くの図面における同等の番号は、同一の又は類似の要素を示す。更に、1つの実施態様を参照して詳細に記載される要素及びそれらの関連する構成は、実際的である限り、それらを特に示さず或いは記載しない他の実施態様に含められてよい。例えば、ある要素が1つの実施態様を参照して詳細に記載され、第2の実施態様を参照して記載されていないならば、その要素は、それにも拘わらず、第2の実施態様に含められているものとして請求されてよい。
【0053】
この明細書及び付属の請求項の目的のために、その他のことが示されない限り、量、割合、又は比率、並びに明細書及び請求項中で用いられる他の数値は、全ての場合において、それらが既にそのように修飾されていない限りにおいて、「約」という用語によって修飾されるものとして理解されなければならない。従って、逆のことが示されない限り、以下の明細書及び付属の請求項中に示される数値パラメータは、取得されることが探究される所望の特性に依存して異なることがある、近似である。最低限でも、そして、均等論の適用を請求項の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、公表有効数字の数の観点から並びに通常の丸め技法を適用することによって、解釈されなければならない。
【0054】
この明細書及び付属の請求項において用いられるとき、単数形及びいずれかの用語の単数の使用は、明示的に明白に1つの指示物(referent)に限定されない限り、複数の指示物を含む。ここにおいて用いるとき、「含む」という用語及びその文法的な変形は、あるリスト中の品目の引用が、その列挙される品目と置換され得る或いはその列挙される品目に追加され得る、他の同等の品目を排除しないよう、非限定的であることを意図する。
【0055】
更に、この記述の用語法(terminology)は、本開示又は請求項を限定することを意図しない。例えば、「下」(“beneath”)、「下」(“below”)、「下方」(“lower”)、「上(に)」(“above”)、「上方」(“upper”)、「近位」(“proximal”)、「遠位」(“distal”)及び同等表現のような-空間的に相対的な用語は、図面中の他の要素又は構成に対する1つの要素の又は構成の関係を記載するために用いられることがある。これらの空間的に相対的な用語は、図面に示す位置及び向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる位置(即ち、場所)及び向き(即ち、回転的配置)を含むことを意図する。例えば、図面中のデバイスが反転させられるならば、他の要素の「下」(“beneath”)又は「下」(“below”)として記載される要素又は構成は、他の要素又は構成の「上」(“above”)又は「上」(“over”)にあるであろう。よって、「下」(“below”)という例示的な用語は、上(“above”)及び下(“below”)の位置及び向きの両方を包摂し得る。デバイスはその他の方向に向けられてよく(90度又は他の向きに回転させられてよく)、ここにおいて用いる空間的に相対的な記述は相応して解釈される。
【0056】
様々な例示的な実施態様によれば、本開示は、作動要素の少なくとも部分が捩れ経路(twisted path)に沿って配置される、作動要素を利用する遠隔操作手術システムのための手術器具を想定する。作動要素は、エンドエフェクタを作動させるために、リストを関節作動させるために、或いは他の構成部品を作動させるために用いられてよい。更に、例示的な実施態様は、手術器具の中心長手軸(中立軸)から偏心(オフセット)させられるあらゆる作動要素に適用されてよい。例示的な実施態様によれば、捩れ経路は、リストの全長に沿って、リストの中心線に対して、360度未満の角度的な広がり(angular extent)を有してよい。例示的な実施態様によれば、リストが作動するか或いは曲がるときに、作動要素の長さがリストの各関節で維持される(conserved)ように、作動要素の少なくとも部分が、捩れ経路に沿って配置されてよい。作動要素の長さを維持することによって、さもなければリストの曲げ中に生じることがある、作動要素の作動機能と干渉することがある、作動要素の長さの変化が、最小にされることがあり或いは排除されることがある。例示的な実施態様によれば、作動要素は、作動要素の長さがリストの個々の関節で維持されるが、リストの他の個々の関節で維持されず、作動要素の捩れ経路全体が長さ維持構造(length conservative structure)であるように、捩り経路に沿って配置されてよい。
【0057】
本開示は、作動要素支持体を更に想定する。作動要素支持体は、作動要素の長さを維持するために且つ/或いは作動要素の座屈強度を増大させるために、例えば、捩れ経路に沿って、作動要素の少なくとも一部を所望の形状に形作るために用いられてよい。例示的な実施態様によれば、作動要素支持体は、少なくとも1つの管腔を含む一体成形部品であってよく、管腔の少なくとも部分は、捩れ形状を有する。例示的な実施態様によれば、作動要素支持体は、少なくとも1つの剛性部分を含んでよい。作動要素支持体は、例えば、例示的な実施態様に従った、複数の同軸チューブを含んでよい。例示的な実施態様によれば、作動要素支持体は、支持体に可撓性(フレキシビリティ)をもたらすために、切欠き溝のような、1つ又はそれよりも多くの材料弱化領域を備えるチューブを含んでよい。作動要素は、例示的な実施態様に従った、押す動き及び引く動きの両方に有用な、フレキシブルシャフトのような、中空構造を含んでよい。フレキシブルシャフトは、例えば、フィラメントに接続される巻回バネであってよい。他の例示的な実施態様によれば、フレキシブルシャフトは、互いに接続される巻回フィラメントの多数層を含んでよい。
【0058】
図1を参照すると、ここに記載する実施態様に従った手術器具を利用し得る、遠隔操作手術システム100の実施例が示されている。例えば、Intuitive Surgical, Inc.から入手可能なda Vinci(登録商標)Surgical Systemであってよい、システム100が、多数の手術器具140を有する患者側カート102を含み、各々の手術器具は、アーム110にある結合ポート内に取り付けられる。アーム110に取り付けられる器具140を特定の医療処置のために選択し得るよう或いは所要の臨床的機能をもたらすために医療措置中に交換し得るよう、器具140は交換可能であり得る。当該技術分野において周知であるように、手術器具140は、例えば、鉗子(forceps)又はグラスパ(graspers)、持針器(needle drivers)、メス(scalpels)、ハサミ(scissors)、焼灼ツール(cauterizing tools)、及びステープラ(staplers)を非限定的に含む、多くの機能を実施し得る。
【0059】
各器具140は、概ね、伝動機構又はバックエンド機構150と、伝動機構150から延びる主シャフト160と、主シャフト160の遠位端にある(図1に示さない)任意的なリスト(手首関節)と、リストから延びる或いは主シャフト160から直接的に延びるエンドエフェクタ180とを含む。例えば、図8は、とりわけ、シャフト251と、シャフト251の遠位端にあるリスト250と、リスト250から延びるエンドエフェクタ252とを含む、手術器具の遠位端の1つの例示的な実施態様を例示している。例えば、腱(テンドン)又はロッドのような、作動要素354が、シャフト251を通じてリスト250に及び/又はエンドエフェクタ252に延びてよい。当業者が熟知しているように、作動要素は、プル/プル又はプッシュ/プル作動要素として構成されてよい。プル/プル及びプッシュ/プル作動デバイスの例示的な実施態様が、2013年10月1日に発効した米国特許第8,545,515号に記載されており、その全文をここに参照として援用する。よって、作動要素254は、リスト250及び/又はエンドエフェクタ252を作動させるために用いられてよい。よって、図1を参照すると、作動要素は伝動機構150から延びてよく、伝動機構150は患者側マニピュレータ112に接続されてよい。伝動機構150は、典型的には、患者側カート102内のモータを駆動させるために作動要素の機械的連結をもたらす。例えば、伝動機構150は、患者側カート102のアーム110の患者側マニピュレータ112に接続されるように構成されてよい。結果的に、患者側マニピュレータ112及び伝動機構150は、リスト250及び/又はエンドエフェクタ252を作動させるよう、作動要素254に力を適用するために用いられてよい。更に、図8を再び参照すると、(図8には示されていない)導電体が、シャフト251及びリスト250を通じてエンドエフェクタ252に延びてもよい。
【0060】
よって、システム100は、リストを動かし或いは位置付けてエンドエフェクタ180を操作するために、必要に応じて作動要素に沿う動き及び力を制御し得る。医療処置を受けている患者にある小さな切開部内のカニューレを通じて手術器具140の端を挿入するために、並びに、患者の内側の作業部位で器具140のリスト及び/又はエンドエフェクタ180を操作するために、患者側カート102のアーム110を用い得る。
【0061】
カメラ器具104は、患者側カート102のアーム110に同様に取り付けられ得るし、任意的に、作業部位及び患者内の手術器具の動作を見るためにカメラシステム104の遠位端を位置付けるようシステム100が作動する、リストも有し得る。立体視又は三次元であってよい、カメラシステム104からの眺望(view)は、制御コンソール(図示せず)から見ることができ、画像がモニタ106に表示されてよい。よって、システム100の処理システムは、医者又は他の医療関係者がカメラシステム104を見て器具140を操縦するのを可能にするユーザーインターフェースを提供し得る。例えば、手術器具140と同様に、医療処置を受けている患者にある小さな切開部内のカニューレを通じてカメラ器具104の端を挿入するために、並びに、患者の内側の作業部位でリスト及び/又はエンドエフェクタ180を操作するために、アーム110を用い得る。
【0062】
主シャフト160、リスト、及びエンドエフェクタ180の直径又は複数の直径は、概ね、器具を用いるカニューレの大きさに従って選択される。例示的な実施態様において、カメラ器具104の直径並びにリスト及び主シャフト160の直径は、約3mm~約13mmに及んでよい。例えば、その直径は、幾つかの既存のカニューレシステムの大きさと適合するよう、約4mm、約5mm、約8mm、約10mm、又は約13mmであってよい。
【0063】
図1の概略図に例示するように、遠隔操作手術システム100は、外科医コンソール120及び補助的な制御/ビジョンカート130を更に含んでよい。一般的に、外科医コンソール120は、把持機構122及びフットペダル124を非限定的に含む、様々な入力デバイスによる、使用者、例えば、外科医からの入力を受信し、そして、(複数の)手術器具102の所望の動きを実施するよう、相応して、所望の手術処置を遂行するよう、患者側カート102に取り付けられる器具140が応答する、マスタコントローラとしての機能を果たす。例えば、把持機構122は、アーム10で対応する「スレーブ」デバイスとして作用してよい手術器具140及び/又はカメラ器具104を制御することがある、「マスタ」デバイスとして作用してよいが、それに限定されない。例えば、把持機構122は、当業者が熟知しているように、手術器具140のリスト及び/又はエンドエフェクタ180を制御してよい。更に、例えば、モノポーラ又はバイポーラ電気手術エネルギをもたらすために、或いは、器具140の様々な他の機能(例えば、吸引(suction)、洗浄(irrigation)、及び/又は様々な他の磁束給送(flux delivery)モード)をアクティブ化するために、フットペダル124が押し下げられてよいが、それに限定されない。換言すれば、例えば、外科医コンソール120で、入力デバイスに提供される命令に基づき、患者側カート102は、器具140,104を位置付け、アーム110にある患者側マニピュレータ112を介して所望の医療処置を行い得る。よって、患者側カート102の器具140,104は、外科医コンソール120で使用者によって入力される命令に従って遠く離れて遠隔操作されてよい。外科医コンソール120は、外科医が、例えば、外科処置中に、例えば、患者側カート102にあるカメラ器具104を介して、手術部位の三次元画像を見るのを可能にするよう、ディスプレイを更に含んでよい。
【0064】
遠隔操作手術システムの非限定的な実施態様において、制御/ビジョンカート130は、制御/ビジョンカート130に組み込まれてよい或いは制御/ビジョンカート130で物理的に支持されてよい、コアプロセッサ134及び/又は他の補助的な処理機器のような、「コア」(“core”)処理機器を含む。制御/ビジョンカート130は、手術システムを操作する他の制御装置も含んでよい。例示的な実施態様では、外科医コンソール120からの(複数の)信号又は(複数の)入力が、制御/ビジョンカート130にある1つ又はそれよりも多くのプロセッサに送信されてよく、1つ又はそれよりも多くのプロセッサは、(複数の)入力を解釈し、患者側カート102に送信されるべき(複数の)命令又は(複数の)出力を生成し、手術器具140,104及び/又は患者側カート102で手術器具140,104を連結するアーム110のうちの1つ又はそれよりも多くの操縦をもたらしてよい。図1中のシステム構成部品は、如何なる特定の位置付けにおいても示されておらず、所望に配置されることができ、患者側カート102は、患者に対する手術に影響を及ぼすよう、患者に対して配置される。
【0065】
手術器具は、手術器具が1つ又はそれよりも多くの方向において曲がるのを可能にする、1つ又はそれよりも多くの自由度を有してよい。例えば、リストは、互いに実質的に直交する任意のピッチ方向及びヨー方向におけるような、1つ又はそれよりも多くの方向における曲げを可能にする関節作動をもたらしてよい。手術器具は、それらの両方の全文をここに参照として援用する、2011年5月17日に公表された米国特許第7,942,868号及び2008年3月13日に公表された米国特許出願公開第2008/0065105号に記載されるジョグル関節(joggle joint)のような、曲げを可能にする他の関節(ジョイント)を含んでよい。リスト又はエンドエフェクタを作動させるように、作動要素(例えば、腱又はロッド)及びケーブルを含む、手術器具の曲げ部分を通じて進む要素も、曲げられる。
【0066】
曲げは、作動要素が手術器具の曲げ部分を通じて進むときに、作動要素に対して影響を有することがある。図2を参照すると、関節のように曲がり得る単一のフレキシブル部材200の概略的な斜視図が示されている。第1の作動要素202及び第2の作動要素204が、部材200の長手軸208に沿うように、部材200を通じて延びる。部材200が直線(中立)構造にある、図2の例示的な実施態様では、曲げ軸206が、第1の作動要素202及び第2の作動要素204の各々を通じて進む。図3に示すように、部材200が曲げ軸206の周りで曲げられるとき、第1及び第2の作動要素202,204も曲がる。軸206は作動要素202,204の両方を通じて進むので、第1の作動要素202と第2の作動要素204との間には長さの相対的な変化はない。換言すれば、作動要素202,204の一方は、他方よりも実質的に長くならず、或いは実質的に短くならない。
【0067】
図2を再び参照すると、部材200のための第2の曲げ軸207が、第1の作動要素202と第2の作動要素204との間を通る。結果的に、部材200は、曲げ軸207について図4に示す方法において曲げられ、第1の作動要素202は、その中立位置に対して伸張させられ、その長さにおける正の変化を引き起こすのに対し、第2の作動要素204は、その中立位置に対して圧縮され、その長さにおける負の変化を引き起こす。従って、曲げ軸207に対して部材200を曲げることは作動要素202,204の相対的な長さの変化を引き起こして、一方の作動要素が他方よりも長くなり得る。そのような長さにおける相対的な変化は、エンドエフェクタを作動させるように、作動要素の機能と干渉し得る。例えば、作動要素202,204に対して張力又は圧縮を加えることによってエンドエフェクタを開閉するために、作動要素202,204が用いられるとき、作動要素202,204の間の長さにおける相対的な変化は、作動要素202,204の一方において緩み(slack)を創り出し、所望の張力又は圧縮を伝えてエンドエフェクタの所望の作動をもたらす作動要素の能力を減少させる。
【0068】
これらの考察に鑑みれば、関節の曲げ軸が作動要素を通じて延びるよう手術器具の関節を設計するのが望ましいことがある。例えば、エンドエフェクタを作動させるために単一の作動要素が設けられてよく、単一の作動要素は手術器具の中心に沿って延びる。そのような構成では、手術器具を曲げるために2つの自由度をもたらすように、互いに実質的に直交する曲げ軸は、器具及び作動要素の中心を通じて進んでよい。結果的に、手術器具がいずれかの曲げ軸の周りで曲げられるとき、作動要素の長さは実質的に変化しない。しかしながら、このアプローチは、単一の作動要素がエンドエフェクタを制御するのに十分であるときに有用であり得るが、手術器具は、器具の異なる構成部品を作動させるように、或いは1つよりも多くの作動要素を必要とするエンドエフェクタ又はリストを作動させるように、多数の作動要素を含んでよい。
【0069】
図5は、多数の作動要素を含む手術器具220の実施例を例示している。様々な例示的な実施態様において、手術器具220は、それらの各々の全文をここに参照として援用する、2012年8月23日に公表された米国特許出願公開第2012/0215220号、2012年12月6日に公表された米国特許出願公開第2012/0310254号、及び2012年12月6日に公表された米国特許出願公開第2012/0310221号に記載の例示的な実施態様に従って構成される手術器具であってよい。例示するように、手術器具220は、手術器具220の中心線221に沿って延びる第1の構成部品作動要素222を含む。第1の作動要素222は、例えば、中心線221に沿って切断ブレードを押し或いは引くことによって切断ブレード227又は他の構成部品を作動させるように構成されてよい。
【0070】
第1の作動要素222は中心線221に沿って配置されるので、器具220のピッチ軸228及びヨー軸229の両方は、第1の作動要素222を通じて進む。結果的に、第1の作動要素222は、手術器具220が軸228又は軸229に対して曲げられるときに、長さの変化を実質的に受けない。手術器具220は、例えば、器具220のエンドエフェクタ(図示せず)を作動させる、第2の及び第3のエンドエフェクタ作動要素224,226のような、他の作動要素も含む。エンドエフェクタは、例えば、当該技術分野において用いられる、鉗子又はグラスパ、持針器、メス、ハサミ、焼灼ツール、ステープル、又は他の種類のエンドエフェクタ、例えば、ジョー付きエンドエフェクタであってよい。例示的な実施態様によれば、作動要素224,226は、当業者が熟知しているように、作動要素224,226の一方を繰り出し且つ作動要素224,226の他方を引くことによってエンドエフェクタを開閉する、プル/プル作動要素であってよい。手術器具220は、例えば、電気手術エネルギ又は他の磁束源(flux supplies)をエンドエフェクタにもたらす導管のような、追加的な作動要素又は磁束導管のような、他の構成部品のための追加的な管腔223,225を含んでよい。
【0071】
第1の作動要素222が存在するので、作動要素224,226は中心線221に沿って配置され得ず、軸228は作動要素224,226を通じて進まない。よって、手術器具220が軸228に対して曲げられるとき、長さの変化が、作動要素224,226の間に生じることがある。曲げ中の作動要素224,226のこれらの長さの変化の故に、エンドエフェクタの作動のために作動要素224,226を互いに切り離すには、より大きな機械的な複雑さが求められる。
【0072】
これらの考察に鑑みて、本開示は、作動要素が曲げ軸から偏心させられるとしても、曲げ中に全体的な長さの変化を実質的に示さない1つ又はそれよりも多くの作動要素を有する手術器具を想定する。曲げ中の作動要素の全体的な長さの変化が最小であるとき、作動要素を含む器具の機械的な複雑さが減少されることがある。加えて、曲げに起因するその全体的な長さを実質的に変更しない(換言すれば、作動要素の長さを維持する)作動要素を作ることによって、作動要素は、作動要素が貫通して延びる関節の動きから切り離されてよい。換言すれば、そのような関節の関節作動に拘わらず、作動要素の曲げは、エンドエフェクタの望ましくない或いは意図しない作動を引き起こさない。
【0073】
曲げに起因する作動用の長さの全体的な変化を最小にする或いは防止する1つの方法は、作動要素が手術器具の曲げ部分を通じて進むときに、捩れ経路に沿って作動要素を配置することである。例えば、作動要素は、作動要素の全体的な長さの変化を実質的に最小にし或いは防止するよう(即ち、作動要素の長さを維持するよう)、作動要素が通じて進む各曲げ軸について、360°の角度の広がりを有する捩れ経路に沿って配置されてよい。
【0074】
図6を参照すると、第1の作動要素232及び第2の作動要素234を含む、手術器具のリスト230の例示的な実施態様の概略図が示されている。リスト230は、(図6の紙面に出入りして延びる)曲げ軸236についてのリスト230の曲げを引き起こすよう、(図6の概略図に示さない)関節を含んでよい。リスト230は曲げ軸236について曲げられ、図6の長手軸238より上の作動要素232,234の部分に正の長さの変化を受けさせ、長手軸238より下の部分に負の長さの変化を受けさせる。作動要素232,234は、リスト230を通じる軸238について360°の角度的な広がりを有する捩れ経路に沿って配置されるので、作動要素232,234は、軸238についてのリスト230を曲げることに起因する長さの変化を実質的に受けない。例えば、ゾーン231内の作動要素232の部分は正の長さの変化を受けるが、ゾーン233内の作動要素232の部分は、ゾーン231の正の長さの変化を効果的に相殺する負の長さの変化を受ける。同様に、ゾーン235における作動要素232の負の長さの変化は、ゾーン237における作動要素232の正の長さの変化によって相殺される。ゾーン231,233,235,237の間の長さの変化の同様な相殺が作動要素234について生じるが、反対の方法において生じる。何故ならば、作動要素234は、軸238について作動要素232と反対に位置付けられるからである。
【0075】
図7を参照すると、リスト240が曲げ軸246について曲げられた、第1の作動要素242及び第2の作動要素244を含む、リスト240の他の例示的な実施態様の概略図が示されている。図6の例示的な実施態様と同様に、リスト240は、曲げ軸246についてのリスト240の曲げを引き起こすよう、(図7の例示的な実施態様に示さない)関節を含んでよい。図7の例示的な実施態様では、リスト240のゾーン245,247の端で、作動要素242,244は、図6の例示的な実施態様におけるように中立軸から偏心させられる代わりに、中立軸248に沿って位置付けられている。しかしながら、作動要素242,244は、ゾーン241及び243において長手軸248から偏心させられて、捩れ経路に沿って配置されている。作動要素242,244がリスト240を通じて進むとき、作動要素242,244は360°の角度的な広がりを有する捩れ経路に沿って配置されるので、作動要素242,244の全体的な長さは実質的に変化しない。例えば、ゾーン241における作動要素242の部分は、正の長さの変化を受けるが、ゾーン243における作動要素242の部分は、正の長さの変化を相殺する負の長さの変化を受ける。作動要素244は長さの変化の類似の相殺を受けるが、反対の方法において受ける。ゾーン245,247における作動要素242,244の部分は、長手軸248に沿って互いに如何なる有意な長さの変化も受けない。
【0076】
図6及び7の例示的な実施態様に関して上で議論したように、手術器具の中心長手軸(中立軸)から偏心させられる作動要素は、手術器具の曲げ軸について360°の角度的な広がりを有する捩れ経路に沿って配置されてよい。しかしながら、手術器具は、幾つかの曲げ軸を含んでよい。例えば、手術器具のリストは、1つ又はそれよりも多くの多DOF(自由度)関節を含んでよく、よって、複数の曲げ軸を含んでよい。例えば、図6の例示的な実施態様のリスト230が、実質的に同じ方向に延びる複数の曲げ軸236を含むならば、作動要素232,234は、1つだけの曲げ軸の代わりに、両方の曲げ軸に亘って360°の角度的な広がりを有する捩れ経路に沿って配置されてよい。
【0077】
他の例示的な実施態様によれば、リストが、図6の曲げ軸236の方向におけるような、1つの方向に延びる第1の複数の曲げ軸と、図6の曲げ軸236に対して実質的に垂直であるような、他の方向に延びる第2の複数の曲げ軸とを含み、作動要素は、第1の複数の曲げ軸に亘って360°の角度的な広がりを有する捩れ経路に沿って、並びに、第2の複数の曲げ軸に亘って360°の角度的な広がりを有する捩れ経路に沿って、配置されてよい。しかしながら、各曲げ軸について最小の長さの変化をもたらす或いは長さの変化をもたらさない(例えば、曲げ軸が異なる又は交互の方向に延びるときの)捩れ経路に沿う作動要素の捩れは、捩られる作動要素と作動要素を支持する且つ/或いは捩れ形状に誘導する表面との間の摩擦の増大を招くことがある。作動要素とその支持面との間の摩擦は、
【数1】
キャプスタン等式によって表現されてよく、ここで、Tholdは、作動要素に加えられる張力であり、μは、作動要素と支持面との間の摩擦係数であり、Φは、作動要素の捩りによって掃引される全角であり、Tloadは、作動要素と支持面との間の力である。よって、Φの大きな角度を通じて作動要素を捩ることは、作動要素と(複数の)支持面との間の大きなTloadをもたらす。よって、関節が異なる又は交互の方向に延びる曲げ軸を有するとき、各関節について作動要素を360°捩ることは、特に手術器具の比較的短い長さ及び小さな直径のリストについて、製造の困難を提示することがある。これらの考察に鑑み、本開示は、曲げられるときに1つ又はそれよりも多くの作動要素の長さを維持する(即ち、曲げられるときに作動要素の全長が有意に変化しない)と同時に、長さ維持(length conservation)を達成する捩れの量も最小にする、1つ又はそれよりも多くの関節を含む手術器具を想定する。
【0078】
作動要素の長さ維持をもたらすのに有用な様々な例示的な実施態様が本開示によって想定され、手術器具の関節付き構造に関して以下に更に詳細に議論される。様々な関節付き構造は、捩れ経路に従う作動要素構成を用い得る。例えば、関節付き構造は、例えば、それらの各々の全文をここに参照として援用する、代理人整理番号ISRG04480PROV/USの下で2014年2月21日に出願された「Mechanical Wrist Joints with Enhanced Range of Motion, and Related Devices and Methods」という名称の米国仮出願第61/943,068号及び米国仮出願第61/943,068号の優先権を主張し且つそれと同日に出願された国際出願PCT/US15/xxxxxx号(ISRG04480/PCT)の例示的な実施態様に従って構成されるリストのような、リストのためであってよい。他の実施例において、関節付き構造は、例えば、2011年5月17に公表された米国特許第7,942,868号及び2008年3月13日に公表された米国特許出願公開第2008/0065105号に記載されるジョグル関節のような、ジョグル関節において用いられてよい。
【0079】
本開示の例示的な実施態様を利用し得る他の種類の関節が、図8の例示的な実施態様に示されている。上記のように、図8は、エンドエフェクタ252に接続されたリスト250を示している。エンドエフェクタ252は、例えば、例示的な実施態様に従った、Uリンク(clevis)及びジョー付き部材255を含んでよい。例示的な実施態様によれば、リスト250は、エンドエフェクタ252に接続された第1のリンク256と、第2のリンク258とを含み、関節270が第1のリンク256をエンドエフェクタ252に接続し、関節269が第2のリンク258を第1のリンク256に接続している。当業者が熟知しているように、ここに記載する様々な例示的な実施態様におけるリンクをディスクとして構成し得る。しかしながら、開示及び請求項の範囲から逸脱せずに他の形状も利用し得る。エンドエフェクタ252が関節270を介して第1のリンク256に直接的に接合される他の例示的な実施態様によれば、エンドエフェクタ252の少なくとも部分は、リスト250の部分である。
【0080】
他の例示的な実施態様によれば、リストは、2つのリンクの代わりに、3つのリンクを含んでよい。例えば、図8例示的な実施態様に示すように、リンク256とUリンク253との間に関節270を提供するよう、リンク256をUリンク253に直接的に接続させる代わりに、第3のリンクがリンク256とUリンク253との間に設けられ、関節270がリンク256と第3のリンクとの間に形成され、第3のリンクがUリンク253に取り付けられてよい。
【0081】
第1のリンク256及びUリンク253は、方向261において(図8の紙面に出入りして延びる)軸260について互いに関節作動させられてよい。第2のリンク258及び第1のリンク256が方向263において軸262について互いに関節作動させられてよいよう、リスト250は第1のリンク256に接続される第2のリンク258を更に含む。軸260,262は、任意に選択されるピッチ方向及びヨー方向における動きのような、2つの自由度を備えるリスト250をもたらすよう、互いに実質的に直交してよい。リスト250は異なる方向における動きを伴う2つの自由度を有するので、リスト250を「AB」リストと記載することがあり、それはリスト250の関節269,270によってもたらされる2つの異なる動きを指す、
【0082】
ここに記載する例示的な実施態様は、「AB」型のリスト以外のリストにおいて用いられてよい。例えば、リストは、同じ曲げ軸の種類の複数の関節を含んでよく、それはより広い範囲のリストの動きをもたらし得る。図9を参照すると、リンク281乃至285を含む、リスト280の例示的な実施態様が示されている。リンク281及び282は、それらが方向291において軸290について互いに関節作動することがあるように、接続される。リンク284及び285は、リンク281及び282と実質的に同じ方法において互いに接続され、リンク284及び285は、方向297において軸296について互いに関節作動する。よって、リンク281及び282の間の関節300並びにリンク284及び285の間の関節306は同じ種類であり、それらを「A」関節と呼ぶことがある。リンク282及び283は、それらが方向293において(図9の紙面に出入りして延びる)軸292について互いに関節作動することがあるように、接続される。軸290,292は、任意のピッチ及びヨー(又はA及びB)方向における動きのような、リスト280に2つの自由度をもたらすよう、互いに実質的に直交してよい。更に、リンク283及び284は、リンク282及び283と実質的に同じ方法において互いに接続され、リンク283及び284は、方向295において(図9の紙面に出入りして延びる)軸294について互いに関節作動させられる。リンク282及び283の間の関節302並びにリンク283及び284の間の関節304は同じ種類であり、それらを「B」関節と呼ぶことがある。リスト280を「ABBA」リストと呼ぶことがあり、それはリスト280に沿う関節の曲げ軸の種類の順序を指す。
【0083】
他の実施例において、リストは「ABAB」構成を有してよい。そのような構成は、2つの「AB」関節が「ABAB」構成において互いに直接的に接合するよう、例えば、直列の図8の例示的な実施態様のリンク256,258のような、2つの「AB」関節を含んでよい。
【0084】
異なる方向において異なる動きを有することがあるリストの様々な複雑な構成部品及び手術器具のためのリストの小さな大きさの故に、リストが曲げられるときに作動要素の長さを実質的に維持しながら、作動要素がリストを通じて捩れ形状にどれぐらい延びるかを最小にするために、リストを通じて作動要素をどのように通すかを決定することを含む、リストを通じて作動要素を通すことにおける様々な問題が起こる。ここにおける様々な例示的な実施態様は、1つ又はそれよりも多くの作動要素がリストの全長に沿って360°未満の角度的な広がりを有する捩れ経路に沿って延びる、手術器具のリストを想定する。これらの設計は、とりわけ、例えば、作動要素がリストの全長に亘って捩れ経路に沿って横断する角度的な広がり、作動要素が個々の曲げ軸に亘って捩れ経路に沿って横断する角度的な広がり、作動要素が横断する角度的な広がり及び作動要素と(複数の)支持面との間の結果として得られる摩擦(即ち、角度的な広がりを最小にすることは、作動要素を作動させる力を適用するときの、キャプスタン等式のように、克服する摩擦の量を最小にする)、並びに曲げ軸に対する作動要素の初期的な角度を考慮に入れる。
【0085】
図10A及び10Bを参照すると、リストの2つの関節1000A及び1000Bの概略的な断面図が示されている。例示的な実施態様に従って、リストを図8の例示的な実施態様のリスト250と同様に構成し得る。例えば、図10A及び10B中の関節1000A及び1000Bの断面は、図8のABリストの例示的な実施態様の線A-A及び線B-Bに沿う概略図であってよいが、作動要素316A,316Bが各関節1000A及び1000Bに亘って延びるときの、作動要素316A,316Bの捻れの量を示すよう修正されている。作動要素316A,316Bは、例えば、(図8の例示的な実施態様のエンドエフェクタ252のような)エンドエフェクタを作動させるために、或いは、例えば、リストのような、器具の他の構成部品を作動させるために、用いられてよい。例示的な実施態様によれば、作動要素316A,316Bは、作動要素316A,316Bの作動が、作動要素316A,316Bがリストを作動させるために用いられるときのような、逆転された動きをもたらさないよう、捩れ経路に従ってよい。
【0086】
図10A及び10Bの断面は、それぞれ、曲げ軸312を有する(図8の例示的な実施態様における関節269のような)関節を提示する関節1000Aについての断面及び曲げ軸322を有する(図8の例示的な実施態様における関節270のような)関節を提示する関節1000Bについての断面を備える、リストの2つの異なる関節1000A及び1000Bを提示している。
【0087】
ここに記載する様々な例示的な実施態様の作動要素は、実質的に長さ維持的(length conservative)であってよい。よって、幾つかの場合、リストの1つ又はそれよりも多くの関節のように、作動要素が延びる(複数の)関節が作動させられるときに、作動要素は長さのゼロ変化を有することがあるが、幾つかの場合、作動要素は、少量の長さの変化を受けることがある。例示的な実施態様によれば、実質的に長さ維持的な作動要素は、例えば、10ポンド(4.536キログラム)未満の応力が作動要素に適用されるときに、例えば、長さの変化がないことを含む、約0.010インチ(0.0254センチメートル)未満の、長さの変化を受けることがある。
【0088】
作動要素316A,316Bの捻れの角度的な広がりは、リストに亘って作動要素316A,316Bを長さ維持的にするように選択されてよい。例えば、作動要素316A,316Bの各々は、図10A及び10Bに示すように、リストの各関節1000A,1000Bについて90°の捻れを有することがある。換言すれば、作動要素316A,316Bは、各関節1000A,1000Bについて中心線318に対して90°の角度的な広がりを有することがある。例えば、作動要素316Aは、関節1000Aに亘って初期位置311から後続位置313まで約90°の角度的な広がりを有する捩れ経路に沿って配置されてよい。更に、作動要素316Aは、関節1000Bに亘って(関節1000Aについての断面中の構造の位置313に対応する)初期位置315から後続位置317まで90°捩られてよい。
【0089】
作動要素の捩れの眺望を容易にするために、図11は、図10A及び10Bにおいて描写される関節を含むリスト310の概略的な頂面図を示しており、リスト310の異なる関節に沿う作動要素316Aの形状を例示するために、作動要素316Aのみが、リスト310の関節1000A,1000Bの長さに沿って示されている。図11において、リスト310は、関節1000A及び1000Bの各々に沿う作動要素316Aの捩れの量を示すよう、関節1000A及び関節1000Bに概略的にセグメント化されている。例示的な実施態様によれば、関節1000Aは、長さ326を有してよく、関節1000Bは、長さ328を有してよく、それらは、関節1000A及び1000Bについての捩れの量を描写する目的のために、図8の例示的な実施態様において概略的に示されている。図8の例示的な実施態様を参照すると、関節1000Aは、例えば、関節269に対応してよく、関節1000Aについての捩れは、関節269で実質的に中心化され、関節269の両側に実質的に等しい量で拡張している。
【0090】
同様に、図8の例示的な実施態様を参照すると、関節1000Bは、例えば、関節260に対応してよく、関節1000Bについての捩れは、関節270で実質的に中心化され、関節270の両側で実質的に等しい量で拡張している。図11に示すように、作動要素316Aは、関節1000Aに亘って初期位置311から後続位置313まで捩られてよく、関節1000Bに亘って初期位置315から後続位置317まで捩られてよい。例示的な実施態様によれば、作動要素の捩れは、図1に示すように、作動要素316Aが関節1000A及び1000Bに亘って捩られるときに、実質的に連続的であってよい。実質的に連続的な捩れを用いることは、作動要素と支持構造との間の摩擦の量を有益に最小にすることがある。何故ならば、捻れはリストのより長い長手方向の長さに亘って生じることがあるからである。
【0091】
しかしながら、作動要素の捻れは、図11の例示的な実施態様に示す実質的に連続的な捩れに限定されない。例えば、作動要素は、作動要素の長さに沿って異なる量の捻れを有する区画に捩られてよい。他の場合において、作動要素は、その代わりに、作動要素が直線的に延び且つリストの中立軸と実質的に平行である1つ又はそれよりも多くの領域によって分離される捩れ部分を含む、不連続的な捩れ経路に従ってよい。そのような不連続的な捩れの実施態様において、作動要素316A,316Bの捩れは、依然として図10A及び10Bに示す量(即ち、90°)にあってよいが、作動要素316A,316Bの1つ又はそれよりも多くの直線的な非捻れ部分の故に、図11中の関節1000A及び1000Bのより短い範囲(span)の長さ326,328に亘ることがある。
【0092】
図10A及び10Bに最良に示すように、作動要素316Aは、関節1000A及び1000Bの各々に関して中立軸318について90°捩られる(即ち、関節1000A及び1000Bの各々について中心線318に対して90°の角度的な広がりを備える捩れ形状を有する)。例示的な実施態様によれば、中立軸318は、リスト310の長手方向の中心線であってよい。加えて、軸318は、例示的な実施態様によれば、リスト310の長手方向の中心線であってよく、作動要素316A,316Bが従う捩れ経路のための中心線であってよい。図10Bの関節1000Bの断面に示すように、作動要素316Aは、中立軸318からある距離329だけ径方向に離間させられてよい。図10Bの関節1000Bの関節1000Bの断面に示すように、作動要素316Bも、中立軸からある距離329だけ径方向に離間させられてよい。径方向距離329は、リスト310の直径に従って異なってよい。径方向距離329は、例えば、作動要素が中立軸318に沿って延びない(例えば、中立軸318から非ゼロ径方向距離だけ離間させられる)とき、約0mmより大きいから約10mmであってよい。他の例示的な実施態様によれば、径方向距離329は、例えば、0より大きいから約6mmであってよい。例示的な実施態様によれば、径方向距離329は、リスト310内の内部空間を最大にするように、作動要素316A,316Bが関節1000A及び1000Bの外周で又は外周付近で離間させられるよう、最大にされてよい。他の例示的な実施態様によれば、径方向距離329は、例えば、作動要素316A,316B及び/又は作動要素316A,316Bのための誘導管腔が曲がるのが困難であるとき、作動要素316A,316Bが中立軸318付近で離間させられるよう、最小にされてよい。
【0093】
作動要素316Aと同様に、作動要素316Bも、図10A及び11に示すように、断面1000Aによって提示される関節において、初期位置321から後続位置323まで90°捩られてよい(即ち、中心線318について捩れ経路に沿って90°の角度的な広がりを有してよい)。更に、作動要素316Bは、図10B及び11に示すように、断面1000Bによって提示される関節において、(断面1000Bにおける後続位置323と一致する)初期位置325から後続位置327まで90°捩られてよい。よって、作動要素316A,316Bの各々は、リスト310に亘って作動要素316A,316Bを長さ維持的にするよう、リスト310の全長に亘って全部で180°の捩れを有してよい(即ち、中心線318について捩れ経路に沿って180°の角度的な広がりを有してよい)。これは360°の捩れよりも実質的に小さい各作動要素316A,316Bの全体的な捩れをもたらす。
【0094】
例えば、中立軸318が極座標系における原点であるときのような、中心線318についての作動要素316Aの捩れを考察するとき、作動要素316Aは、リスト310の全長に亘って180°の角度測定を通じて関節1000Aにおける初期位置311から関節1000Bにおける後続位置317まで捩られる。これを図33の例示的な実施態様に更に例示しており、図33は捩れ経路900を描写している。図33の例示的な実施態様に示すように、捩れ経路900は、長手軸908(即ち、中心線908)の周りで捩れ形状において第1の端902から第2の端906まで延びる。捩れ経路900の角度的な広がりを示すために、捩れ経路900は、平面901上で曲率半径913を有する弧910として投影され(projected)てよく、弧910上の地点910は、捩れ経路900上の場所に対応する。例えば、弧910上の地点912は、捩れ経路900の第1の端902に対応し、弧910上の地点914は、捩れ経路900の長さに沿う略中間にある地点904に対応する。
【0095】
捩れ経路900は、図21の例示的な実施態様において、実質的に一定の曲率半径913を有するものとして描写されているが、捩れ経路900(従って、弧910)は、異なる曲率を有する区画を含んでよく、且つ/或いは1つ又はそれよりも多くの直線区画を含んでもよい。従って、捩れ経路がここにおける例示的な実施態様において議論されるとき、捩れ経路は、実質的に連続的な曲率半径で捩れてよく、或いは異なる曲率半径及び/又は直線区画を備える湾曲区画を含む、異なる曲率半径を備える区画を含んでよい。
【0096】
図33に示すように、(同様に平面901上に投影されてよい)中心線908に対する、地点912と地点914との間の角度的な広がり920は、約180°である。よって、ここにおける例示的な実施態様において捩れ経路の角度的な広がりを議論するとき、角度的な広がりは、図33に示すように、中心線908に対する角度的な広がり920に従って決定されてよい。更に、捩れ経路900は、第1の端902から第2の端906までの全360°の捻れを完成するので、弧910上の地点912は、第1の地点902及び第2の地点906の両方に対応し、第1の端902と第2の端906との間の角度的な広がり922は、360°である。よって、図33の例示的な実施態様において、弧910は、完全な円を形成する。しかしながら、捩れ経路が完全な360°の捻れでない他の実施態様において、弧910は円を完成しない。何故ならば、捩れ経路の角度的な広がりは360°未満だからである。
【0097】
図10A,10B,11に示す方法において作動要素316A,316Bを捩ることは、作動要素316A,316Bが捩れ310について長さ維持的であることを可能にし得る。更に、例示的な実施態様によれば、作動要素316A,316Bの捻れの角度的な広がりは、作動要素316A,316Bを関節1000A及び1000Bの各々について長さ維持的にさせるように選択されてよい。例えば、図10Aの例示的な実施態様の概略図に示すように、関節1000Aについて、作動要素316A,316Bの各々の略半分は、曲げ軸312の左側にあり、作動要素316A,316Bの各々の略半分は、曲げ軸312の右側にある。結果的に、曲げ軸の左側にある作動要素316A,316Bの部分についてのあらゆる正又は負の長さの変化は、曲げ軸312の右側にある作動要素316A,316Bの部分についてのあらゆる負又は正の長さの変化によって相殺される。よって、作動要素316A,316Bについて長さの正味変化はなく、作動要素316A,316Bの各々を関節1000Aに亘って長さ維持的にさせる。同様に、図10Bの関節1000Bの例示的な実施態様の概略図に示すように、関節1000Bについて、各作動要素316A,316Bの略半分は、曲げ軸322の頂側にある並びに底側にあるので、曲げ軸322に対する作動要素316A,316Bの頂側についてのあらゆる長さの変化は、曲げ軸322に対する作動要素316A,316Bの底側についてのあらゆる長さの変化によって実質的に相殺される。よって、作動要素316A,316Bについて長さの正味変化は実質的になく、作動要素316A,316Bを関節1000Bに亘って長さ維持的にさせる。
【0098】
関節に亘る作動部材の捻れの量も、関節の長さに亘る作動部材の平均的な角位置によって概略的に提示されてよい。例えば、関節1000Aの長さ326に亘る中立軸に関する作動要素316Aの平均的な角位置314を図10Aに概略的に示している。換言すれば、中立軸318が極座標系における原点として取り扱われるときのように、作動要素316Aが関節1000Aの長さ326に亘って90°を通じて捩れるとき、作動要素316Aの平均的な角位置314が決定されてよい。図10Aに示すように、関節1000Aの長さ326に亘る作動要素316Aの平均的な角位置314が、関節1000Aについての曲げ軸と一致するとき、これは作動要素316Aが関節1000Aについて長さ維持的であることを示す。作動要素316Aは、図10Bに示すように、同様に曲げ軸322と一致する関節1000Bの長さ328に亘る平均的な角位置324を有する。更に、作動要素318Bは、作動要素316Aと反対に位置付けられ、作動要素316Aの捻れの実質的に鏡像であるので、関節1000A及び1000Bに亘る作動要素316Bの平均的な角位置は、作動要素316Aの平均的な角位置314,324と同じであると考えられてよい。
【0099】
上記のように、様々な例示的な実施態様が、曲げ軸に対する作動要素の初期角度を考慮する。初期角度は、作動要素が関節に入るときの曲げ軸に対する作動要素の初期角度と考えられてよい。図10Aの例示的な実施態様に示すように、作動要素316Aは、関節1000Aにおける曲げ軸312に対するその初期位置311での初期角度319を有してよい。例示的な実施態様によれば、図10Aの断面図に示すように、作動要素の実質的に等しい量が曲げ軸312の両側に配置されてよいように、初期角度319は、特に作動要素が関節1000Aの長さ326に沿って90°捩られるときに、約45°であってよい。作動要素316Bは、中立軸318に亘って作動要素316Aの反対に位置付けられてよいので、関節1000Aにおける作動要素316Bの初期位置323は、曲げ軸312に対して、例えば、約45°のような、実質的に同じ角度319にあってよい。関節1000Bにおいて、作動要素316A,316Bの初期位置は、関節1000Aにおける角度319と略等しい曲げ軸322に対する角度にあってよい。
【0100】
しかしながら、例えば、より小さい又はより大きい量の角度的な広がり(捩れ)が所与の関節に亘って用いられるときには、他の初期角度が利用されてもよい。例えば、作動要素316Aの初期位置311は、曲げ軸312に対して約50°の角度319にあってよい。そのような実施例では、実質的に等しい量の作動要素316Aが曲げ軸312の両側に位置付けられてよく、作動要素316Aが関節1000Aに亘って長さ維持的であるように、関節1000Aに亘る作動要素316Aの捻れの量は、約100°であってよい。例えば、例示的な実施態様に従った、約40°~約60°のような、初期角度319についての他の値が、ここにおける例示的な実施態様によって想定されてよい。
【0101】
本発明に従った様々な実施態様は、図10A、10B、及び11の例示的な実施態様を参照して示し且つ議論した以外の、他の初期位置作動要素捩れ構成を想定する。図12Aを参照すると、リストの例示的な実施態様の関節の概略的な断面図が示されている。図12Aの例示的な実施態様に描写する関節1200Aは、関節1200Aにおける作動要素330A,330Bの初期位置が曲げ軸332Aと整列させられる点を除き図10Aの例示的な実施態様に類似する、A型関節であってよい。作動要素330A,330Bは、例えば、(図8の例示的な実施態様のエンドエフェクタ252のような)エンドエフェクタを作動させるために、或いは、例えば、リストのような、器具の他の構成部品を作動させるために、用いられてよい。例示的な実施態様によれば、作動要素330A,330Bは、例えば、作動要素330A、330Bを用いてリストを作動させるときに、作動要素330A,330Bの作動が逆の動きをもたらさないよう、捩れ経路に従ってよい。
【0102】
図12A及び図13に示すように、それらのうちの後者は、図12A及び12Bに描写する関節を含むリスト320の概略的な頂面図であるが、作動要素330Aの捩れのみを示しており、作動要素330Aは、長手中立軸337に対して関節1200Aの長さ336に沿う捻れを有さない。図11に関して議論したように、軸337は、リスト320についての中心線であってよく、加えて、作動要素330A,330Bの捩れ経路についての中心線であってよい。よって、(図13に概略的に示す)関節1000Aの長さ336に亘る作動要素330A,330Bの平均的な角位置334は、曲げ軸332Aと一致させられる(即ち、曲げ軸332Aは、作動要素330A,330Bを通じて進む)。結果的に、作動要素330A,330Bは、関節1200Aにおいて既に長さ維持的であり、その関節において捩られる必要がない。しかしながら、関節1200Bにおいて、作動要素330A,330Bのそれぞれの初期位置331A,335Aは、曲げ軸332Bから偏心(オフセット)させられる。例えば、作動要素330A,330Bの初期位置331A,335Aは、関節1200Bにおいて曲げ軸332Bから約90°偏心(オフセット)させられてよい。
【0103】
関節1200Bに亘る作動要素330A,330Bの長さ維持を達成するために、作動要素330A,330Bは、それぞれの後続位置331B,335Bに対して180°の角度的な広がりで捩られてよい(即ち、中心線337について180°の角度的な広がりに亘る捩れ経路に従ってよい)。結果的に、各々の作動要素330A,330Bの略等しい量が、関節1200Bにおける曲げ軸332Bの両側(例えば、図13Bの関節1200Bの断面における頂側及び底側)にある。これは(図13に概略的に示す)関節1200Bの長さ338に亘る作動要素330A,330Bの平均的な角位置339によっても実証され、関節1200Bの長さ339は、曲げ軸332Bと整列する(即ち、曲げ軸332Bは、作動要素330A,330Bの平均的な角位置339を通じて進む)。よって、作動要素330A,330Bは、図10A、10B、及び11の例示的な実施態様と同様に、リスト320の長さに亘って180°の角度的な広がりを有する捩れ経路に従ってよいが、捻れは1つの関節(例えば、関節1200A)の長さに亘って起こらず、全ての捻れは他の関節(例えば、関節1200B)の長さに亘って起こる。更に、作動要素330A,330Bは、作動要素330A,330Bの各々を各々の関節1200A及び1200Bに亘って長さ維持的にさせるよう、この方法において捩られてよい。
【0104】
リストは、各関節について異なる曲げ軸方向を備える任意の数の関節を含むように構成され得る。本開示の範囲内にあるものとして想定される幾つかの非限定的な実施態様は、1つ又はそれよりも多くの多数の図10A乃至13の例示的な実施態様のリスト310及び/又は320を有するリストを含み、作動要素の長さは、リストの全長に亘って実質的に維持される。例えば、リストは、各々が図10A乃至13の例示的な実施態様のいずれかに従って構成される、2つの連続的なリストデバイスを含み得る。そのようなリストは、例えば、順番において、第1のA関節、第1のB関節、第2のA関節、及び第2のB関節を含み得る(即ち、リストは、ABAB型のリストである)。リストの長さに亘って延びる作動要素の長さ維持を達成するために、作動要素は、図10A乃至13の例示的な実施態様の各々のリスト310,320の2倍の角度的な広がりを有するリストの長さに亘って360°の角度的な広がりを有する捩れ経路に沿って延びてよい。逆に、2つの連続的なリストデバイスを含むリスト(例えば、ABAB型のリスト)を図10A乃至13の例示的な実施態様のリスト310及び/又は320のような単一のリストを含むリスト(例えば、AB型のリスト)に簡略化してよい。同様に、AABB型のリストをABリストに簡略化し得る。
【0105】
本開示に従った様々な例示的な実施態様は、様々な曲げ軸パターンのリスト及び作動要素のための捩れ構成を想定する。リスト構成は、図8及び10A乃至13に示すように、2つの曲げ軸を備える関節のみを含んでよいが、図9の例示的な実施態様のABBAリストのような、他のリスト構成が用いられてよい。
【0106】
図14A乃至14Dを参照すると、例示的な実施態様に従った、4つの関節1400A1,1400B1,1400B2,1400A2を含む、リストの関節の断面図が示されている。例えば、リストは、図9のABBAリストの例示的な実施態様に従って構成されてよく、図14A乃至14D中の関節A1、B1、B2、及びA2のそれぞれの断面図は、図9中の線A1-A1、B1-B1、B2-B2、及びA2-A2に沿う図であってよい。よって、図14A乃至14D中の関節1400A1,1400B1,1400B2,1400A2は、それぞれ、図15の例示的な実施態様に概略的に示すリスト340の4つの異なる関節を提示しており、関節1400A1は、(図15に概略的に示す)曲げ軸344及び長さ364を有し、関節1400B1は、(図15に概略的に示す)曲げ軸346及び長さ365を含み、関節1400B2は、(図15に概略的に示す)曲げ軸352及び長さ366を有し、関節1400A2は、(図15に概略的に示す)曲げ軸354及び長さ367を有する。更に、リスト340は、図14A乃至14D及び15に示すように、長手中立軸348を有する。軸348がリスト340についての中心線であってよく、更に作動要素342,350の捩れ経路についての中心線であってよい。作動要素342,350は、例えば、エンドエフェクタを作動させるために、或いは、例えば、リストのような、器具の他の構成部品を作動させるために、用いられてよい。例示的な実施態様によれば、作動要素342,350は、例えば、作動要素342,350を用いてリストを作動させるときに、作動要素342,350の作動が逆の動きをもたらさないよう(例えば、図9中の関節300及び306が軸290及び296について異なる方向に曲がらず、関節302及び304が軸292及び294について異なる方向に曲がらないよう)、捩れ経路に従ってよい。例示的な実施態様によれば、関節1400A1,1400B1,1400B2,1400A2の各々についての作動要素342,350の捩れは、それぞれの曲げ軸344,346,352,354について中心化されてよく、捩れ経路は、それぞれの曲げ軸344,346,352,354の両隊に実質的に等しい量において延びる。
【0107】
リスト340に亘って延びる作動要素342,350の捻れの角度的な広がりは、作動要素342,350がリスト340の長さに亘って長さ維持的であるような角度的な広がりである。関節1400A1において、両方の作動要素342,350は、曲げ軸344と整列させられ(即ち、曲げ軸344は、作動要素342,350を通じて進み)、よって、曲げ軸344と整列させられる関節1400A1の長さ364に亘る平均的な角位置356を有する。よって、両方の作動要素342,350は、関節1400A1において長さが実質的に変わらず、その関節において捩られない。関節1400B1において、作動要素342は、それが曲げ軸346に対して約90°の角度349を有する関節1400A1から入るとき、初期位置341を有する。作動要素350も、それが曲げ軸346に対して約90°の角度にある関節A1から入るとき、初期位置351を有する。
【0108】
図14Bの例示的な実施態様において、作動要素342,350は、それぞれの後続位置343,353に、関節1400B1において90°捩られてよく(即ち、中心線348について90°の角度的な広がりを有する捩れ経路に従ってよく)、作動要素342,350に関節1400B1の長さ365に亘る平均的な角位置358を提供する。図14Bの例示的な実施態様に示すように、平均的な角位置358は、曲げ軸346と整列させられず、関節1400B1において作動要素342,350について正又は負の長さの変化をもたらす。図14Cに示すように、関節1400B2において、作動要素342は、曲げ軸352に対して90°の角度359で関節1400B1から入った後に、初期位置345を有し、作動要素350は、曲げ軸352に対して90°にある初期位置355を有する。作動要素342,350は、関節1400B2において90°捩られ(即ち、中心線348について90°の角度的な広がりを有する捩れ経路に従い)、関節1400B2の長さ366に亘る平均的な角位置360を提供し、関節1400B2における作動要素342,350の各々について正又は負の長さの変化をもたらす。
【0109】
しかしながら、関節1400B1,1400B2のそれぞれの長さ365,366に亘る平均的な角位置358,360によって示されるように、関節1400B1,1400B2における作動要素342,350の捩れは、曲げ軸346,352の両側にあり、作動要素342,350の長さの変化は、互いに実質的に相殺し合う。更に、関節1400A2の長さ367に亘る作動要素342,350の平均的な角位置362によって示されるように、作動要素342,350は、関節1400A2において曲げ軸354と整列させられる(即ち、曲げ軸354は、作動要素342,350を通じて通る)。結果的に、作動要素342,350は、リスト340の全長を通じて180°捩られる(即ち、捩れ経路は、中心線348について180°(即ち、各々の関節1400B1及び1400B2を通じて90°)の角度的な広がりを有する)。更に、関節1400B1及び1400B2の曲げ軸346,352に対する作動要素342,350の捻れは、曲げ軸346,352の両側にあるので、作動要素342,350は、関節1400A1,1400A2において実質的な長さの変化を受けず、作動要素342,350のあらゆる正又は負の長さの変化は、関節1400B2における作動要素342,350の対応する負の又は正の長さの変化によって相殺され、逆も同様である。よって、各作動要素342,350は、リスト340の全長に亘って長さ維持的である。
【0110】
本開示は、2つよりも多くの関節を有するリストについての他の構成を想定する。図16A乃至16Dを参照すると、リストの関節1600A1,1600B1,1600B2,1600A2の断面図が示されている。リスト370は、例えば、図9に示す例示的な実施態様に従って構成されてよく、図16A乃至16D中の関節1600A1,1600B1,1600B2,1600A2の断面図は、図9のABBAリストの例示的な実施態様についての線A1-A1、B1-B1、B2-B2、及びA2-A2に沿う図であってよい。
【0111】
例示的な実施態様によれば、関節1600A1は、(リスト370全体を示し且つ図16A乃至16Dに描写する関節を含む)図17の例示的な実施態様において概略的に示す)曲げ軸391及び長さ400を有し、関節1600B1は、(図17において概略的に示す)曲げ軸392及び長さ402を有し、関節1600B2は、(図17において概略的に示す)曲げ軸392及び長さ404を有し、関節1600A2は、(図17において概略的に示す)曲げ軸394及び長さ406を有する。更に、リスト370は、図16A乃至16D及び17に示すように、関節1600A1,1600B1,1600B2,1600A2を通じて延びる、長手中立軸390を含んでよい。軸390は、リスト370についての中心線であってよく、作動要素372,380の捩れ経路についての中心線であってもよい。作動要素372,380を用いて、例えば、エンドエフェクタを作動させてよく、或いは、例えば、リストのような、器具の他の構成部品を作動させてよい。例示的な実施態様によれば、作動要素372,380は、例えば、作動要素372,380を用いてリストを作動させるときに、作動要素372,380の作動が逆の動きをもたらさないよう(例えば、図9の関節300及び306が軸290及び296について異なる方向において延びず、関節302及び304が軸292及び294について異なる方向に延びないよう)、捩れ経路に従ってよい。
【0112】
図16A乃至16D及び17の例示的な実施態様において、作動要素372,380は、関節1600A1において曲げ軸391から初期的に偏心(オフセット)させられて整列させられない。例えば、作動要素372,380は、初期的に、曲げ軸391に対して約30°の角度395にあってよい。これに対処するために、作動要素372,380が関節1600A1において長さ維持的であるよう、作動要素372,380は、関節1600A1の長さ400に沿ってそれぞれの初期位置371,381から後続位置373,383まで60°捩られてよい(即ち、中心線390について60°の角度的な広がりを有する捩れ経路に従ってよい)。よって、関節1600A1の長さ400に亘る作動要素372,380の平均的な角位置396は、曲げ軸391と整列する(曲げ軸391は、作動要素372,380の平均的な角位置396を通じて進む)。
【0113】
同様に、作動要素372,380は、それぞれの初期位置374から後続位置375,385まで、関節1600B1において60°捩られてよく(即ち、中心線390について60°の角度的な広がりを有する捩れ経路に従ってよく)、それぞれの初期位置376,386から後続位置377,387まで、関節1600B2において60°捩られてよく(即ち、中心線390について60°の角度的な広がりを有する捩れ経路に従ってよく、それぞれの初期位置378,388から後続位置379,389まで、関節1600A2において60°捩られてよい(即ち、中心線390について60°の角度的な広がりを有する捩れ経路に従ってよい)。関節A1と同様に、作動要素372,380が関節1600A2に亘って実質的に長さ維持的であるよう、関節1600A2の長さ406に亘る作動要素372,380の平均的な角位置399は、曲げ軸394と整列する。作動要素372,380は、各々の関節1600B1,1600B2の長さ402,404に亘って長さ維持的でない。しかしながら、関節1600B1及び1600B2の組み合わせ長さ402及び404に亘って全体的に理解されるとき、作動要素372,380は、関節1600B1及び1600B2の組み合わせに亘って実質的に長さ維持的である。これは、それらのそれぞれの曲げ軸393及び393の両側にある、関節1600B1の長さ402に亘る作動要素372,380の平均的な角位置397及び関節1600B2の長さ404に亘る作動要素372,380の平均的な角位置398によって示される。よって、作動要素372,380は、リスト370の全長に亘って240°の総量だけ捩られてよい(即ち、関節1600A1,1600B1,1600B2,1600A2の長さの各々に亘って60°捩られてよい)。
【0114】
上の例示的な実施態様において記載したように、捩れ経路に沿って作動要素を延ばすために、様々な例示的な実施態様は、捩れ経路に沿って1つ又はそれよりも多くの作動要素を案内する1つ又はそれよりも多くの構造を想定する。1つ又はそれよりも多くの構造は、作動要素が図10A乃至17の例示的な実施態様のようなここに記載する例示的な実施態様に従った捩れ経路に沿って延びるときに、その長さに沿って作動要素への支持をもたらしてよい。
【0115】
図18を参照すると、図8の例示的な実施態様のシャフト251のような器具シャフトの遠位端に配置される作動要素支持体410を含む、手術器具の遠位部分が示されている。例示的な実施態様によれば、作動要素支持体410の第1の部分411が、第1の部分411の通路415,416を通じて延びる作動要素426,428のための捩れ経路を提供する捩れ通路415,416を含んでよい。作動要素426,428は、作動要素支持体410の近位端423から作動要素支持体410の第2の部分413内に延びてよく、作動要素支持体410は、図18の例示的な実施態様に示すように、作動要素426,428が延びてよい実質的に直線的な通路438,439を含む。例示の容易さのために2つの通路438,439のみが図18の例示的な実施態様に描写されているが、作動要素支持体410の第2の通路413は、第1の部分411と同数の通路を含んでよい。例示的な実施態様によれば、第2の部分413の通路を通じて延びるあらゆる作動要素が第1の部分411にある対応する通路を通じて延びるよう、第2の部分413の通路は、第1の部分411の通路に接合されてよい。
【0116】
例示的な実施態様によれば、支持体410は、作動要素414が延在してよい中央通路419を更に含んでよい。中央通路419は、支持体410が曲がるときに、作動要素414又は磁束導管(flux conduit)のような、中央通路419を通じて延在するあらゆる部材が、実質的な長さの変化を受けないように、器具の長手中心線421に沿って延びてよい。中心線421は、例示的な実施態様に従った、支持体410の中心線であってもよい。例えば、作動要素414を用いて、例えば、切断ブレードのような、エンドエフェクタを作動させてよい。中立軸又は中心線から径方向に偏心(オフセット)させられる、ここに記載する様々な例示的な実施態様の作動要素は、エンドエフェクタ又はリストを作動させることに限定されず、他の器具構成部品を作動させるために用いられてよい。例えば、中立軸又は中心線から径方向に偏心(オフセット)させられる、ここに記載する様々な例示的な実施態様の作動要素は、作動要素支持体410又は他の器具構成部品に対して遠位の第2のリストを作動させてよい。他の実施例において、作動要素414は、エンドエフェクタを作動させるために用いられてよいのに対し、作動要素426,428は、エンドエフェクタが接続されるリストを作動させるために用いられる。他の実施例によれば、磁束導管が、作動要素414の代わりに中央通路419を通じて延在してよい。
【0117】
1つ又はそれよりも多くの作動要素が、作動要素支持体410から延びて、器具構成部品を作動させるために用いられるデバイスに繋がってよい。図19の例示的な実施態様に示すように、作動要素支持体440が、(コネクタ420の管腔424を通じて更に延在してよい)磁束導管又は作動要素414のためのような中央管腔442と、作動要素426,428のための管腔446と、他の作動要素又は磁束導管のために用いられてよい2つの追加的な管腔444とを含んでよい。例示的な実施態様によれば、作動要素426,428及びコネクタ420は、例えば、作動要素426,428及びコネクタが方向435に沿って押され或いは引かれるときに、エンドエフェクタを作動させる、プッシュ/プル作動要素を形成してよい。図20を参照すると、エンドエフェクタ434の側面図が閉塞構成において示されており、コネクタ420の突起422がエンドエフェクタ404のスロット437を通じて延びている。作動要素426,428、コネクタ420、及び突起422が、方向425において押されるとき、突起422はスロット437を通じて動き、エンドエフェクタ434を図20及び21に示すような開放構成にさせる。
【0118】
作動要素426,428は、プッシュ/プル作動要素として用いられてよいが、作動要素426,428は、代わりに、プル/プル作動要素として用いられてよい。例えば、エンドエフェクタ404が作動要素426,428の一方を引くことによって開けられ、作動要素426,428の他方を引くことによって閉じられることがあるよう、作動要素426,428は、コネクタ420を用いないでエンドエフェクタ404の近位端409に取り付けられてよい。
【0119】
例示的な実施態様によれば、リストは曲がることができ、それはリストを通じて延びる作動要素の長さを変更させ得るので、作動要素支持体の場所がリストの場所に対応するように、作動要素支持体が手術器具内に位置付けられてよい。中心通路419は器具の長手中心線421に沿って配置されるので、作動要素426,428及びそれらのそれぞれの通路415,416は中心線421から径方向に偏心(オフセット)させられる。よって、エンドエフェクタ434を所望の場所に位置付けるように、リスト430が作動させられて器具を曲げるとき、作動要素426,428は長さの変化を受けることがある。しかしながら、図10A乃至17の例示的な実施態様に従うように、作動要素支持体440は、捩れ経路を作動要素426,428に与えるので、作動要素426,428は、リスト430の長さに亘って実質的な長さの変化を受けない。
【0120】
通路415,416は、図18の例示的な実施態様において180°捩られるが、図10A乃至17の例示的な実施態様に記載するように、他の構成の捩れが用いられてよい。作動要素支持体410は、1つ又はそれよりも多くの作動要素のための捩れ経路をもたらすために、様々な数の通路を含んでよい。例えば、作動要素支持体410は、1つの通路、2つの通路、3つの通路、又は4以上の通路を含んでよい。例えば、作動要素支持体410は、エンドエフェクタ(図示せず)に電気エネルギを提供する導電体のような、追加的な作動要素のために或いは磁束導管427,429のために用いられてよい、第3の通路417及び第4の通路418を含んでよい。
【0121】
図18の例示的な実施態様に示すように、作動要素支持体410は、作動要素支持体410の長さを通じて形成される通路415乃至418を備える、中実な単一成形構造を有してよい。例示的な実施態様によれば、作動要素支持体410は、例えば、ポリマ材料を実質的に円筒形の形状に押し出すことによって製造されてよく、捩れ通路415乃至418はポリマ材料の長さを通じて形成される。しかしながら、他の製造方法を利用して、支持体410の中心線421から径方向に偏心(オフセット)させられる並びに支持体410の中心線421について捩られる1つ又はそれよりも多くの捩れ通路を有する支持体410を提供してよい。よって、支持体410は、1つ又はそれよりも多くの作動要素を捩れ経路に沿って案内してよく、作動要素に対する支持をもたらして作動要素の座屈を最小にし或いは排除してよい。例えば、作動要素がプッシュ/プル作動要素として用いられ、作動要素が押されるとき、支持体410は作動要素の座屈を減少させ、或いは排除することがある。
【0122】
様々な例示的な実施態様において、支持体410が通じて延びるリストが作動させられるときに、支持体410の曲げを促進するよう、支持体410はフレキシブルであってよい。支持体410は、例えば、比較的低い摩擦係数をもたらすポリマ材料で作られてよい。例示的な実施態様によれば、支持体410は、例えば、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)、フッ素化エチレンプロピレン(PEP)、及び当業者によく知られた比較的低い摩擦係数を有する他のポリマ材料で作られてよい。加えて、支持体410を通じて延在する作動要素は、作動要素と支持体410との間の摩擦を最小にする材料で被覆されて良い。例えば、作動要素は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は当業者によく知られた他の潤滑性材料で被覆されてよい。
【0123】
図19の例示的な実施態様に示すように、作動要素支持体440は、5つの管腔442,444,446を含む。しかしながら、作動要素支持体を含む、手術器具は、5つの5部材だけに限定されず、より多い又はより少ない数の管腔が器具において用いられてよい。例えば、作動要素支持体450が、図22の例示的な実施態様に示すように、7つの管腔452を含んでよい。加えて、作動要素支持体の管腔は、図22の例示的な実施態様におけるように、中央管腔の周りの管腔の単一のリング(a ring of lumens)として配置される必要はない。代わりに、支持体460の管腔462は、図23の例示的な実施態様に示すように、中心管腔の周りの複数の同心状のリングにおいて配置されてよい。
【0124】
図18の例示的な実施態様に関して上で議論したように、作動要素支持体は、一体成形構造を有してよい。例えば、支持体は、押し出した一体成形品であってよい。そのような押出品は、溝のない中実な実質的に連続的な外面を有してよい。しかしながら、作動要素支持体について他の構成及び構造が用いられてよい。例えば、作動要素支持体は、支持体の可撓性(フレキシビリティ)を強化する1つ又はそれよりも多くの材料弱化領域を含んでよい。図24を参照すると、作動要素支持体710の例示的な実施態様が示されており、作動要素724,726が支持体710を通じて延在している。支持体710がリストによって曲げられるときのような、支持体710の可撓性を強化するために、支持体710は、図24の例示的な実施態様に示すような、溝712のような、1つ又はそれよりも多くの材料弱化領域を含んでよい。例示的な実施態様によれば、支持体710は、図19の例示的な実施態様と同様に、支持体710を通じて形成される管腔を備える押出品として形成されよく、押出品に切り込まれた溝712を有して、溝712によって分離される椎骨部714をもたらしてよい。図24の線25-25に沿う断面図である図25に示すように、支持体710は、図19の例示的な実施態様と同様に、5つの管腔711,713,715,717,719を含んでよい。しかしながら、支持体710は、他の数の管腔を含んでよく、図22及び23の例示的な実施態様の管腔構成を含んでよい。例示的な実施態様によれば、支持体710は、溝に加えて他の弱化領域を含んでよい。例えば、支持体710は、支持体710に追加的な弱化領域を強化された可撓性をもたらすよう、椎骨部714に形成されてよい孔730を含んでよい。
【0125】
例示的な実施態様によれば、作動要素は、図18、24及び25の一体成形構造以外の構成部品によって支持されてよく、捩れ経路に形作られてよい。図26を参照すると、例示的な実施態様に従って、複数の別個のリンク802乃至805によって形成される作動支持体800の分解図が示されている。リンク802乃至805は、作動要素(図示せず)のための1つ又はそれよりも多くの通路810,812を含んでよい。図26の例示的な実施態様に示すように、リンク802乃至805は、通路810,812を通じて進む作動要素に捻れを付与するよう、方向818において支持体800の長手軸816(即ち、中心線)について回転させられてよい。よって、リンク802乃至805の通路810,812は、リンク毎に中心線816に対して異なる角位置を有してよい。リンク802乃至805は、図10A乃至17の例示的な実施態様において議論した捻れの量のような、他の量の捻れを付与してよい。加えて、リンク802乃至805は、他の数の管腔を含んでよく、図22及び23の例示的な実施態様の管腔構成を含んでよい。
【0126】
図18の例示的な実施態様に示すように、作動要素支持体410の管腔415乃至418は、1つの方向において支持体410の一端から他の端に捩れてよい。しかしながら、作動要素支持体は、そのような捩れ構成に限定されず、代わりに、1つよりも多くの方向において捩れる管腔を含んでよい。図27を参照すると、作動要素支持体470の例示的な実施態様が示されており、作動要素支持体470は、方向471において支持体470に沿って第1の方向476において捩れ、次に、方向478に沿って捩るよう逆転する、管腔472,474を含む。更に、捻れの量は、支持体の長さに沿って一定であってよく、或いは、支持体の長さに沿って増大し或いは減少することにより異なってよい。
【0127】
上で議論したように、作動要素支持体は、捩れ経路に沿って作動要素を案内するよう、並びに作動要素を支持して作動要素の座屈を最小にし或いは防止するよう、機能してよい。作動要素支持体と共に用いられてよい、作動要素の支持及びその座屈強度を強化する、他の構造が提供されてよい。図28を参照すると、作動要素500の非支持区画502の遠位端に剛性区画510を含む、作動要素500の例示的な実施態様が示されている。図28の部分504の拡大図である図29に示すように、作動要素500は、剛性区画510に延びるワイヤ又はケーブル506を含んでよい。ワイヤ又はケーブル506は、例えば、図18の例示的な実施態様の作動要素426,428のうちの1つであってよい。剛性区画510は、ワイヤ又はケーブル506の上に嵌められる剛性シリンダ512を含んでよい。剛性シリンダ512は、例えば、ステンレス鋼のような、鋼で作られてよい。剛性シリンダ512は、例えば、シリンダ512をワイヤ又はケーブル506にクリンプ留めすることを介して、ワイヤ又はケーブル506に接続されてよい。
【0128】
例示的な実施態様によれば、ワイヤ又はケーブル506の非支持区画502は、被膜508を含んでよい。被膜を用いて、例えば、ワイヤ又はケーブル506に、ワイヤ又はケーブル506よりも低い摩擦係数を有する滑らかな表面をもたらしてよい。被膜508は、熱可塑性物質(thermoplastic)のような、ポリマで作られてよい。例示的な実施態様によれば、被膜508は、例えば、PTFE、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、シリコーン、又は当業者によく知られた他の被膜材料で作られてよい。例示的な実施態様によれば、被膜508は、図29に示すように、シリンダ512の厚さと実質的に同じ厚さである厚さを有してよい。
【0129】
作動要素500に剛性区画510を設けることによって、作動要素500の座屈強度が強化されることがある。例えば、作動要素500が作動要素支持体530(例えば、図18の例示的な実施態様の作動要素支持体410)を通じて挿入されるとき、図30に例示的な実施態様に示すように、作動要素500は方向534に沿って押され、作動要素500の遠位端を作動要素支持体530の遠位端532を越えて延ばすことがある。作動要素500は剛性区画510を含むので、作動要素支持体530の遠位端532を越えて延びる作動要素500の部分は、強化された座屈強度を有することがある。例えば、作動要素500が方向534に押されるときに、図30に示すように、作動要素500の非支持部分は作動要素支持体530内に留まり、作動要素500の剛性区画510のみが作動要素530の遠位端を越えて延びるよう、手術器具が構成されてよい。
【0130】
例示的な実施態様によれば、図28に示すように、作動要素500の近位端も、剛性区画520を含んでよいが、他の例示的な実施態様は、作動要素の近位端に剛性区画を欠いてよい。近位端にある剛性区画520は、図29の例示的な実施態様の剛性区画510に従って構成されてよい。例示的な実施態様によれば、剛性区画520は、図30の例示的な実施態様と同様に、例えば、作動要素が押されるときに、作動要素支持体の近位端を越えて延びてよい。
【0131】
作動要素を支持するために用いられてよい他の構造は、フレキシブルシャフトである。図31を参照すると、フレキシブルシャフト600の例示的な実施態様が示されており、フレキシブルシャフト600は、圧縮部材610と、張力部材614とを含む。フレキシブルシャフト600を用いて作動要素を支持してよく、フレキシブルシャフト600は、図30の例示的な実施態様と同様に、作動要素支持体の少なくとも部分を通じて延びる。圧縮部材610は、作動要素が通じて進むための中央管腔612を有してよい。圧縮部材610は、例えば、圧縮力がフレキシブルシャフト600の長手軸616に沿って加えられるときに、互いに圧縮し合う巻線を含むバネであってよい。張力部材614は、軸616に沿って加えられる引張力又はフレキシブルシャフト600に加えられる曲げ力に抗するよう、圧縮部材610の外部にあるような、圧縮部材610に取り付けられるワイヤ又はケーブルであってよい。換言すれば、フレキシブルシャフト600は、圧縮部材610が存在しないならば張力部材614を圧縮し得る圧縮に抗する圧縮部材610と、さもなければ圧縮部材610を引き離し得る張力及び曲げに抗する張力部材614との組み合わせであってよい。
【0132】
例示的な実施態様によれば、作動要素支持体は、複数のフレキシブルシャフト層を含んでよい。例えば、作動要素支持体は、互いに重なり合う図31の例示的な実施態様のフレキシブルシャフト600の多数の層を提供することによってのように、互いに層状に重なり合う多数のフレキシブルシャフトを含んでよい。フレキシブルシャフトの様々な層は、互いに同軸であってよい。例えば、図32の例示的な実施態様に示すように、作動要素支持体1000が、互いに同軸である、第1のフレキシブルチューブ1002及び第2のフレキシブルチューブ1004を含んでよく、1つ又はそれよりも多くの作動要素1010が、支持体1000を通じて延びる。2つだけの同軸のチューブ1002,1004が図36の例示的な実施態様に描写されているが、支持体1000は、例えば、3つ、4つ、又はそれよりも多くのフレキシブル同軸チューブのような、他の数の同軸のチューブを含んでよい。フレキシブルチューブ1002,1004は、例えば、例示的な実施態様に従って、チューブ1002,1004が撓むのを可能にする弱化領域をもたらすよう、チューブ1002,1004に溝又はスリットを切ることを介した、チューブ1002,1004からの材料の除去の故に、フレキシブルであってよい。例示的な実施態様によれば、チューブ1002,1004は、引張荷重にとって有用である、巻回フィラメント備える、圧縮荷重にとって有用である、中実な巻回バネであってよい。
【0133】
他の例示的な実施態様によれば、作動部材を支持するフレキシブルシャフトは、互いに接続される巻回フィラメントの多数の層を含んでよい。例えば、図31の例示的な実施態様の圧縮部材610を含むことの代わりに、フレキシブルシャフトは、張力部材614を互いに編むことによってのように、互いに接続される、複数の張力部材614を含んでよい。例示的な実施態様によれば、作動要素支持体は、例えば、チューブの可撓性を強化するために、1つ又はそれよりも多くの場所においてチューブを切ることを介してのように、部分が取り除かれたチューブによって形成される、フレキシブルシャフトであってよい。チューブは、例えば、ステンレス鋼、熱可塑性物質、当業者によく知られている他の材料で作られてよい。
【0134】
ここにおいて記載した例示的な実施態様及び方法は、遠隔操作手術システムのための手術器具と共に利用されるものとして記載されている。しかしながら、ここにおいて記載する例示的な実施態様及び方法は、腹腔鏡器具及び他の手持ち器具のような、他の手術デバイスと共に用いられてよい。更に、例示的な実施態様及び方法は、リスト又は関節構造に取り付けられる物体を遠隔に位置付けるような、遠隔作動可能なリスト又は多数の関節構造を用いる他の用途において利用されてよい。
【0135】
手術器具が曲げられるときにその長さを実質的に維持するように構成される作動要素を備える手術器具を提供することによって、作動要素はその長さの変化からの実質的な干渉を伴わずに器具の構成部品を作動させることが可能にされてよく、手術器具は製造が比較的容易な簡略化された設計を有することがある。
【0136】
更なる変更及び代替的な実施態様が、ここにおける開示に鑑みて当業者に明らかであろう。例えば、システム及び方法は、動作の明瞭性のために図面及び記述から省略された追加的な構成部品又はステップを含んでよい。従って、この記述は、例示的であるに過ぎないものとして解釈されるべきであり、本教示を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的のためである。ここにおいて示し且つ記載する様々な実施態様は例示的であると取られるべきことが理解されるべきである。ここにおける記述の利益を有した後に当業者に全て明らかであるように、要素及び材料、並びにそれらの要素及び材料の配置は、ここに例示し且つ記載するものと置換されてよく、部品及びプロセスは逆転させられてよく、本教示の特定の構成は独立して利用されてよい。本教示及び後続の請求項の精神及び範囲から逸脱せずに、ここにおいて記載する要素における変更が行われてよい。
【0137】
ここにおいて示す特定の実施例及び実施態様は非限定的であること、並びに、構造、寸法、材料、及び方法論に対する変更が、本教示の範囲から逸脱せずに行われてよいことが、理解されるべきである。
【0138】
本開示に従った他の実施態様が、本明細書の考察及びここに開示する発明の実施から当業者に明らかであろう。明細書及び実施例は例示的にのみ考えられるべきであり、真正な範囲及び精神は後続の請求項によって示されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33