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特許7153688異方性不織布を使用した炭素/炭素複合材料
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  • 特許-異方性不織布を使用した炭素/炭素複合材料 図1
  • 特許-異方性不織布を使用した炭素/炭素複合材料 図2
  • 特許-異方性不織布を使用した炭素/炭素複合材料 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】異方性不織布を使用した炭素/炭素複合材料
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/83 20060101AFI20221006BHJP
   C04B 35/84 20060101ALI20221006BHJP
   C04B 41/85 20060101ALI20221006BHJP
   D04H 1/4242 20120101ALI20221006BHJP
【FI】
C04B35/83
C04B35/84
C04B41/85 F
D04H1/4242
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020101055
(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公開番号】P2021195269
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】512064893
【氏名又は名称】株式会社CFCデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100121762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 直人
(74)【代理人】
【識別番号】100126767
【弁理士】
【氏名又は名称】白銀 博
(72)【発明者】
【氏名】橘 正晴
(72)【発明者】
【氏名】長尾 博孝
(72)【発明者】
【氏名】田島 弘
【審査官】浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-116031(JP,A)
【文献】特開平06-321634(JP,A)
【文献】特開2017-008272(JP,A)
【文献】特開平02-030665(JP,A)
【文献】特開2004-023088(JP,A)
【文献】国際公開第2013/015101(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/003774(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/83
C04B 41/85
D04H 1/4242
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
短繊維炭素繊維のみを使用した異方性不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料であって、
X方向における熱伝導率をλとし、Y方向における熱伝導率をλとすると、
λX//λが1.5以上である
ことを特徴とする炭素/炭素複合材料。
【請求項2】
短繊維炭素繊維のみを使用した異方性不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料であって、
X方向における曲げ弾性率をEとし、Y方向における曲げ弾性率をEとすると、
/Eが2.0以上である
ことを特徴とする炭素/炭素複合材料。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された2次元炭素/炭素複合材料において、
前記異方性不織布は、少なくとも、ピッチ系又はPAN系炭素繊維と、炭素繊維を互いに結合させるための結合剤とから構成されている
ことを特徴とする炭素/炭素複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低コストで、高弾性、高熱伝導率を有する2次元炭素/炭素複合材料に係り、更に詳細には、炭素繊維を使用した異方性不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料に係る。
【背景技術】
【0002】
炭素/炭素複合材料(「C/C複合材」や単に「C/C材」とも呼ばれている)は、従来の炭素材料、あるいは黒鉛材料に比べ数倍の強度、弾性率を備えると共に、耐熱性、耐摩耗性、靱性、熱伝導性に優れていることから、もともと固体ロケットのノズル材料やICBM等のミサイルのノーズ部分の材料として、あるいはスペースシャトルのノーズ部分や翼のリーディングエッジ等に使用されてきた材料である。
【0003】
上述したような炭素/炭素複合材料の優れた特性から、航空機、レーシングカー、新幹線車両、大型重量車両等のブレーキ、熱処理炉の炉内構造材、トレイ、ヒーター、半導体製造炉や太陽電池製造炉における製品ハンドリングフォーク、金属加工用の高温治具等に使用されるようになってきており、その用途は一般工業用に広く普及してきている。
【0004】
このように一般工業用材料として炭素/炭素複合材料が使用されるようになると、更に低コストで、高弾性、高熱伝導率を有する高機能な炭素/炭素複合材料が求められるようになってきている。
【0005】
高弾性、高熱伝導率を有する高機能な炭素/炭素複合材料を実現する1つの方策として、炭素/炭素複合材料における炭素繊維の体積含有率Vfを高めるというアプローチがあるが、炭素繊維そのものが高価な材料であるため、炭素繊維の体積含有率を高めることがコスト高に直結する。 また、炭素繊維の体積含有率を所定の限度以上に高めようとすると、炭素/炭素複合材料の製造過程において、材料内部にクラック等が発生し、炭素/炭素複合材料の製造歩留まりが大きく低下して、低コスト化に逆行することになってしまうという問題があった。
【0006】
高弾性、高熱伝導率を有する高機能な炭素/炭素複合材料を実現する別のアプローチとして、炭素/炭素複合材料の特定の方向に炭素繊維を集中して配向するというアプローチがある。
【0007】
例えば、X-Y平面内に平板状の広がりを有する2次元の炭素/炭素複合材料の場合、特定の方向、例えばX方向に長繊維である炭素繊維を引き揃えて配向するという方法を採用することができる(このような炭素/炭素複合材料のことを一方向強化炭素/炭素複合材料(又はUD炭素/炭素複合材料)と呼んでいる)。
【0008】
このようなアプローチをとることにより、2次元の炭素/炭素複合材料の特定の方向(上述した例では、X方向)では、高弾性、高熱伝導率を有することになるが、特定の方向とは異なる方向(上述した例では、Y方向)では、炭素/炭素複合材料の強度が極端に低下するため(当然に、弾性率、熱伝導率も極端に低下する)、一般工業用の炭素/炭素複合材料としては使用に耐えることができないという問題がある。
【0009】
このような問題を解決するために、2次元の炭素/炭素複合材料における炭素繊維の配向比率を適宜設定することも行われている。 例えば、2次元の炭素/炭素複合材料のX方向に多くの比率の炭素繊維を配向し、Y方向に少量の比率の炭素繊維を配向することによって、2次元の炭素/炭素複合材料のX方向における弾性率、熱伝導率を高め、かつY方向における最低限の強度を確保して、一般工業用の炭素/炭素複合材料として使用に耐えるものとすることができる。
【0010】
しかし、このように、長繊維である炭素繊維を引き揃えると共に、平板状の広がりを有する2次元の炭素/炭素複合材料のX方向およびY方向に、特定の配向比率で配向するためには、炭素/炭素複合材料の製造工程において多大な労力を必要とすることになり、低コスト化に逆行することになってしまうという問題があった。
【0011】
高弾性、高熱伝導率を有する高機能な炭素/炭素複合材料を実現する更に別のアプローチとして、炭素/炭素複合材料に使用する炭素繊維を高弾性、高熱伝導率を有する炭素繊維に切り替えるというアプローチもある。
【0012】
炭素/炭素複合材料において高強度の特性を得るために、炭素繊維としてPAN系高強度糸を使用したり、高弾性、高熱伝導率の特性を得るために炭素繊維としてピッチ系高弾性率、高熱伝導率の糸を使用することによって高弾性、高熱伝導率を有する高機能な炭素/炭素複合材料を実現することも可能である。
【0013】
しかしながら、このような炭素繊維は高価であるため、高機能な炭素/炭素複合材料を実現したとしても高コストとなってしまうという問題があった。 また、ピッチ系の高弾性率、高熱伝導率の糸は、横せん断荷重に脆く、長繊維としてハンドリングする際には細心の注意を要するため、炭素/炭素複合材料を製造するプロセスが複雑になり、コスト高を招いてしまうという問題もあった。
【0014】
一方、従来から低コストな炭素/炭素複合材料を実現する方法として、炭素繊維を使用した不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料がある。
これは、短繊維の炭素繊維を2次元平面内にランダムに配向し、これを結合剤で固めてペーパー状に仕上げた炭素繊維不織布を複数枚積層したものを加圧焼成したものであって、不織布の結合剤を炭化、黒鉛化したり、あるいは必要に応じて加圧焼成の過程で、液状のピッチや樹脂を注入してこれを炭化、黒鉛化することにより炭素/炭素複合材料とするものである。
【0015】
炭素繊維不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料は、その製造工程が簡素であるため、低コストの炭素/炭素複合材料を製造することはできたが、短繊維の炭素繊維を2次元平面内にランダムに配向したものであって短繊維の炭素繊維が屈曲した状態で配置されたものであったため、2次元炭素/炭素複合材料の平面内においては等方性に近い特性を有するものの、高弾性、高熱伝導率を有する高機能な炭素/炭素複合材料を実現することには不向きであると認識されていた。
【0016】
上述したような炭素繊維不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料は、短繊維の炭素繊維が2次元平面内にランダムに配向されているものであるから、炭素繊維不織布自身の機械的、熱的特性は、本来不織布の面内において方向性の無い、等方性に近い特性を有するものであるが、炭素繊維不織布の製造過程における製造条件に起因して、機械的、熱的特性に僅かな異方性が存在していた。
【0017】
発明者らは、この炭素繊維不織布の製造過程における製造条件に起因して、機械的、熱的特性に僅かな異方性が存在したため、この異方性を矯正すべく研究を行なっていた際に、以下のような知見を得た。
すなわち、短繊維の炭素繊維が一方向に偏って配向されると、炭素繊維が多く配向された方向の炭素繊維の屈曲度合が低減し、炭素繊維が多く配向された方向の炭素繊維が直線に近い状態で配向されていることが分かった。 その結果、異方性が強化された炭素繊維不織布を使用して2次元炭素/炭素複合材料を製造すると、炭素繊維が多く配向された方向の弾性率、熱伝導率を、炭素繊維の配向比率以上に向上させた2次元炭素/炭素複合材料を得ることができることを見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、係る観点からなされたものであり、その目的は、低コストと、高弾性、高熱伝導率を備えた高機能性を両立させた2次元炭素/炭素複合材料を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決するために、第1の観点に係る発明では、短繊維炭素繊維を使用した異方性不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料であって、X方向における熱伝導率をλとし、Y方向における熱伝導率をλとすると、λ/λが1.5以上である炭素/炭素複合材料とした。
【0020】
また、第2の観点に係る発明では、短繊維炭素繊維を使用した異方性不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料であって、X方向における曲げ弾性率をEとし、Y方向における曲げ弾性率をEとすると、E/Eが2.0以上である炭素/炭素複合材料とした。
【0021】
また、第3の観点に係る発明では、第1又は第2の観点にかかる発明の2次元炭素/炭素複合材料において、
前記異方性不織布は、少なくとも、ピッチ系又はPAN系炭素繊維と、炭素繊維を互いに結合させるための結合剤とから構成されていることを特徴とする炭素/炭素複合材料とした。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、短繊維の炭素繊維を使用し、不織布の平面内の方向によって繊維配向比率を意図的に変えて異方性を持たせた不織布を複数枚積層した構成の2次元炭素/炭素複合材料とした。 このように、炭素繊維不織布の繊維配向比率に異方性を持たせた結果、炭素繊維が多く配向された方向の炭素繊維の屈曲度合が低減し、炭素繊維が多く配向された方向の炭素繊維が直線に近い状態で配向され、炭素繊維が多く配向された方向における弾性率、熱伝導率の特性が、(1)炭素繊維が多く配向されたことによる効果と、(2)炭素繊維の屈曲度合が低減したことによる効果の相乗効果により、飛躍的に向上し、低コストと、高弾性、高熱伝導率を備えるという高機能性を両立させた2次元炭素/炭素複合材料を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、短繊維の炭素繊維を使用し、不織布の平面内の方向によって繊維配向比率を意図的に変えて異方性を持たせた不織布を製造するプロセスを説明するためのフローチャートである。
図2図2は、異方性不織布を使用して2次元炭素/炭素複合材料を製造するプロセスを説明するためのフローチャートである。
図3図3は、実施例と比較例で得られた平板状の炭素/炭素複合材料の曲げ弾性率と熱伝導率を対比して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。 なお、ここで説明する本発明の実施の形態は、本発明を例示するものであって、これらによって限定されるものではない。
図1は、本発明に使用される炭素繊維不織布の製造プロセスを示したフローチャートである。
炭素繊維不織布は、
・炭素繊維分散液を製造するプロセス11
・炭素繊維分散液をメッシュコンベアの網の上に流してフィルムを形成するステップ12
・炭素繊維シートを乾燥させるステップ13
から構成される。
【0025】
まず、炭素繊維分散液を製造するステップ11について説明する。
本発明で使用される炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、およびピッチ系のいずれのものであってもよく、耐炎化処理糸、炭化処理糸、黒鉛化処理糸のいずれのものでも使用することができる。 本発明においては、炭素繊維は短繊維状であり、1~50mmの長さであることが好ましく、1~25mmの長さであれば、更に好ましい。 ただし、炭素繊維の長さはこれらに限定されるものではない。
なお、PAN系短繊維とピッチ系短繊維を予め所定の割合で混合したものを使用してもよく、耐炎化処理糸、炭化処理糸、黒鉛化処理糸を組み合わせて使用してもよい。
【0026】
一般に市販されている炭素繊維には、複合材料を形成する際のマトリックス樹脂との接着性を良好なものにするために、炭素繊維表面に、電解表面処理などの表面酸化処理を施したり、炭素繊維を繊維束として集束させるために、エポキシ基、水酸基、アクリレート基、メタクリレート基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基などの官能基を有するサイジング剤を、炭素繊維表面に付着させたりしている。
【0027】
本発明で使用する炭素繊維には、ここで述べたような表面処理やサイジング剤が施されていても良い。 もちろん、このような表面処理やサイジング剤の効果を除却した炭素繊維を使用することもできる。
【0028】
本発明において使用される結合剤は、不織布段階においては短繊維炭素繊維同士を結合させるものであり、例えば、不織布段階において5~30重量%の重量比率となっている。
【0029】
このような結合剤として、カルボキシメチルセルロース(CMC)、水溶性ポリアクリル樹脂、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエステル等を使用することができる。
【0030】
これらの結合剤は高温(例えば、400℃以上の炭化処理)に加熱することにより分解し、炭素質物質となるが、結合剤の炭化収率が低い。 しかし、生成した炭素質物質は、開繊された個々の炭素繊維の周囲に均一に分布すると共に、炭素繊維を互いに結合し合うようになっているため、炭化処理された後の段階においても、前駆体としての形状は確実に維持される。
【0031】
また、炭化処理の際、結合剤の大部分はガス化して散逸してしまうため、結合剤の炭化生成物である炭素質物質は、空洞の多いボーラスな状態となって炭素繊維の外周に存在することになる。
【0032】
炭素繊維分散液を製造する際には、開繊した(短繊維)炭素繊維、結合剤と、水又はアルコール等の有機溶剤からなる分散液を所定配合比でタンク内に投入し撹拌することにより、炭素繊維が分散液中に均一に分散された混合溶液が形成される。 炭素繊維を混合溶液中に均一に分散させるために、タンク壁に超音波トランスデューサを取り付け、混合溶液に超音波振動を加えるようにしても良い。
【0033】
炭素繊維分散液をメッシュコンベアの網の上に流してフィルムを形成するステップ12では、炭素繊維分散液を製造するプロセス11において製造された混合溶液を、タンクから抄紙装置に圧送して抄紙処理する。 抄紙装置としては、長網抄紙機、円網抄紙機、ヤンキーマシン、ツインワイヤ抄紙機、その他の抄紙機を使用することができる。 ここでは、長網抄紙機を使用した抄紙プロセスを前提として説明する。
【0034】
長網抄紙機を使用した抄紙プロセスでは、炭素繊維が分散液中に均一に分散された混合溶液がタンクからフィード部に圧送される。 フィード部は、混合溶液をメッシュコンベアの網の上に流すことによって分散液だけが網を通って落下するため、網の上面に薄く均一で、かつ平坦なシートを形成することができるようになっている。 したがって、ステップ12では、通常、(短繊維)炭素繊維がシート面に沿ってランダムに配向され、互いに絡み合うと共に、炭素繊維の周囲には結合剤、および分散液の混合液が存在した状態の連続シートが形成される。 なお、この工程では、分散液は重力によって網の目を通過して落下し、その大部分は脱落する。
【0035】
また、炭素繊維分散液をメッシュコンベアの網の上に流してフィルムを形成した後、残存した分散液を含んだ連続シートを種々の方法で圧縮することにより分散液を更に絞り取るようにしても良い。
【0036】
次に、炭素繊維シートを乾燥させるステップ13について説明する。 炭素繊維分散液をメッシュコンベアの網の上に流してフィルムを形成するステップ12を経て形成された炭素繊維の連続シートは、完全に分散液が除去された状態ではないため、種々の方法により残存した分散液を除去する。 例えば、蒸気で加熱した鉄製の筒(シリンダー)に、分散液を含んで湿った炭素繊維の連続シートを押しつけて乾燥させるようにしても良い。
【0037】
以上のようなステップを経て、(短繊維)炭素繊維の連続シートが完成するが、このようにして得られた通常の炭素繊維の連続シートは、(短繊維)炭素繊維がランダムに配向され、互いに絡み合った状態であり、この炭素繊維の周囲に結合剤が配置された構成となっていると共に、この連続シート状の炭素繊維不織布は、残存した結合剤によって所定のタキネスを持つ。 このよう製造された連続シート状の炭素繊維不織布は、抄紙装置を出たあと、必要に応じて離型紙を間に挟んだ状態で、ロール状に巻き取られるか、あるいは適当なサイズに裁断され炭素繊維不織布が完成する。
【0038】
このようにして製造された従来の炭素繊維不織布は、短繊維の炭素繊維が2次元平面内(不織布の平面内)にランダムに配向されているものであるから、炭素繊維不織布自身の機械的、熱的特性は、本来不織布の面内において方向性の無い、等方性の特性を有するものであるが、炭素繊維不織布の製造過程における製造条件に起因して、機械的、熱的特性に僅かに異方性が存在することがある。
【0039】
発明者らは、長網抄紙機を使用した抄紙プロセスを使用して(短繊維)炭素繊維の連続シートを製造する際に僅かに発生する機械的、熱的特性の異方性の程度を低下させ、より等方性に近い特性を持つ炭素繊維不織布を作るための研究を行なっていたところ、ランダムに配向される炭素繊維の配向性(炭素繊維が特定の方向に偏って多く配向されること)が抄紙プロセスの条件によって変化することを見出した。
【0040】
すなわち、ランダムに配向される炭素繊維の配向性は、分散液の抄紙面(メッシュベルトの網の上面)への垂直落下速度Vと抄紙速度(メッシュベルトの網の水平方向の移動速度)Vに、依存していることを見出した。 言い換えれば、目標とする炭素繊維不織布の目付量(単位面積当たりの炭素繊維重量)に応じて、分散液の抄紙面への垂直落下速度Vと抄紙速度Vを適宜調整することにより、炭素繊維の配向性を任意に設定することが可能であることが分かった。
【0041】
更に重要なことは、従来のほぼ等方性に近い炭素繊維不織布における炭素繊維は、大きく屈曲した状態で配置されていたのに対し、ランダムに配向される炭素繊維の配向性に異方性を持たせた(言い換えると、炭素繊維を特定の方向に偏って多く配向させた)炭素繊維不織布では、特定の方向に偏って多く配向された多くの炭素繊維は、大きく屈曲することなく、直線状に近い状態で配置されていることも見出された。
【0042】
本願発明に係る2次元炭素/炭素複合材料に使用される異方性不織布は、従来の炭素繊維不織布の製造方法における、炭素繊維分散液をメッシュコンベアの網の上に流してフィルムを形成するステップ12において、分散液の抄紙面への垂直落下速度Vと抄紙速度Vを調整することにより、抄紙方向に短繊維の炭素繊維を偏って多く配向させて製造されたものである。 本明細書においては、炭素繊維を意図的に特定の方向に偏って多く配向させた不織布のことを「炭素繊維を使用した異方性不織布」又は単に「異方性不織布」と呼ぶことにする。
【0043】
次に、異方性不織布を使用した炭素/炭素複合材料の製造プロセスについて説明する。 図2は、炭素繊維を使用した異方性不織布を使用した炭素/炭素複合材料の製造プロセスのフローチャートを示したものである。
【0044】
まず、異方性不織布を積層するステップ21では、前述した炭素繊維不織布を所定サイズに裁断し、これを複数枚積層することにより所定形状の平板状積層体を得る。
なお、PAN系炭素繊維から成る異方性不織布とピッチ系炭素繊維から成る異方性不織布を交互に積層し、それぞれの炭素繊維の特性を活かすようにいてもよい。
このとき、異方性不織布の炭素繊維を偏って多く配向させた方向をX方向に揃え、異方性不織布の炭素繊維を偏って多く配向させた方向と直行する方向をY方向に揃えて積層する。 ここで、X方向、Y方向は積層体の積層面に沿う直行する2方向を指すものである。
【0045】
なお、ここでは、異方性不織布を複数枚積層して平板状の積層体を形成すると説明したが、2次元炭素/炭素複合材料としてはこれに限定されるものではない。 例えば、管状の積層体や、形鋼状の積層体を形成することもできる(本明細書においては、これらの積層体を前駆体とする炭素/炭素複合材料についても2次元炭素/炭素複合材料と呼ぶ)。 ここで、形鋼状とは、鋼材における形鋼と同様な形状を有することを意味するものであって、H形、L形などの一定の断面形状に成形され、材軸方向に所定長さを有する形状を意味する。
【0046】
管状の積層体を形成する場合には、例えば丸鋼や鋼管からできた芯型の外周に炭素繊維不織布を所定厚さになるまで巻き付ける。 このとき、後の工程で、加熱、加圧された際に、炭素繊維不織布に波状のシワが生じないようにするために、芯型の外周に配置された1又は複数のローラにより、巻き付けた炭素繊維不織布を芯型に押し付け、炭素繊維不織布のたるみを除去しながら巻き付けることにより、炭素繊維不織布に波状のシワが生じるのを防ぐことができる。
【0047】
また、形鋼状の積層体を形成する場合、例えば、L形断面を有する積層体を形成する場合には、L形をした2つの型の間に、炭素繊維不織布を積層し、2つのL形をした型を締め上げることにより、炭素繊維不織布の積層体も型にならってL形に賦形され所定形状の形鋼状の積層体を得ることができる。
【0048】
次に、異方性不織布積層体を加熱加圧成形するステップ22について説明する。ステップ22では、ステップ21で得られた異方性不織布の積層体を加熱加圧成形することにより炭素/炭素複合材料の前駆体(「プリフォーム」や「プリカーサ」ともいう)を形成する。
【0049】
異方性不織布の積層体を、加熱加圧成形するステップ22では、異方性不織布の積層物の形状を維持したまま、異方性不織布の中に含有される有機質の結合材を無機質である炭素質物質に変換させるために行うものである。
【0050】
平板状および形鋼状の積層体を加熱加圧成形し、炭素/炭素複合材料の前駆体を形成する場合には、炭素繊維不織布の積層体をホットプレスのホットプレートの間に挟み込み、ホットプレートによって積層体を加熱すると共に、加圧成形する。 ただし、場合によっては、加圧しないで、加熱処理するだけであっても良い。
【0051】
管状の積層体を加熱加圧成形し、炭素/炭素複合材料の前駆体を形成する場合には、芯型の外周に巻き付けられた異方性不織布を芯型と共に加熱する。 この場合、巻き付けられた異方性不織布の外側から、割型等により加圧しながら加熱するようにしても良い。
【0052】
ここで、加圧する温度は、400℃以上であればよく、この温度にまで加熱すれば、結合材を炭素質物質に変換させることが可能となる。
【0053】
炭素/炭素複合材料の前駆体は、短繊維の炭素繊維を結合していた結合剤が、炭素質物質に変換されている状態にあって、この炭素質物質が個々の炭素繊維を結合保持しており、そのため、予め賦形された形状(平板状、形鋼状、または管状の形状)を維持している。
【0054】
炭素/炭素複合材料の前駆体を形成するための加熱工程においては、結合剤の一部はガス化して消失し、結合剤の一部は炭素質物質となって残存するが、ガス化して消失した部分は空孔となって、多孔質な物質を形成するようになる。
【0055】
次に、ピッチまたは合成樹脂を溶融し、含浸するステップ23について説明する。 ステップ23では、多孔質な炭素/炭素複合材料の前駆体に、ピッチまたは合成樹脂を含浸することにより、炭素質物質中の空孔、および炭素繊維の間に生じたミクロな空間に炭素を充填し、ち密なマトリックス組織を形成させるために行うプロセスである。
【0056】
ステップ23では、まず、容器に入れたピッチまたは合成樹脂の粉末又はチップを加熱し、溶融させる。 ここで使用するピッチとしては、コールタール・ピッチまたは石炭ピッチのいずれであっても良く、含浸性がよく、かつ炭化収率の高いものが望ましい。 また、合成樹脂としては、例えば、フェノール樹脂やフラン樹脂のような熱硬化性樹脂であって含浸性がよく、かつ炭化収率の高いものを使用することが望ましいが、ここで例示した樹脂に限定されるものではない。
【0057】
次に、溶融したピッチまたは合成樹脂の入った容器に、炭素/炭素複合材料の前駆体を浸漬して、溶融ピッチまたは溶融樹脂を前述した空孔又はミクロな空間に含浸させる。
このとき、炭素/炭素複合材料の前駆体を真空容器内に置き、溶融ピッチまたは溶融樹脂を当該真空容器内へ流し込むことによって溶融ピッチまたは溶融樹脂を含浸させるようにしても良い。 また、炭素/炭素複合材料の前駆体を溶融ピッチまたは溶融樹脂の中に浸漬した後、外圧をかけ、溶融ピッチまたは溶融樹脂を前駆体の内部に強制的に圧入するようにしても良い。
【0058】
溶融ピッチまたは溶融樹脂を含浸した前駆体を炭化処理するステップ24では、溶融ピッチまたは溶融樹脂を含浸した炭素/炭素複合材料の前駆体を、炭化炉等を使用して、800℃から1500℃程度に加熱し、含浸したピッチ又は樹脂を炭素に変換する。
【0059】
炭素/炭素複合材料の前駆体に含浸された溶融ピッチまたは溶融樹脂が炭素化する際に、溶融ピッチまたは溶融樹脂の一部は、炭素に変換されるものの、一部はガス化して消失するため、溶融ピッチまたは溶融樹脂が含浸されていた空間には、新たにミクロな空孔が生じる。
【0060】
新たにできたミクロな空孔を炭素によって埋めるために、上述したピッチまたは合成樹脂を溶融し、含浸するステップ23および溶融ピッチまたは溶融樹脂を含浸した前駆体を炭化処理するステップ24を更に1回あるいは複数回繰り返すようにしても良い。
以上のような工程により、炭素/炭素複合材料を完成させることができる。
【0061】
炭素/炭素複合材を更に黒鉛化処理するステップ25では、必要に応じ、完成した炭素/炭素複合材料を更に2000℃~2800℃程度まで加熱する黒鉛化処理を行うことにより、炭素/炭素複合材の繊維およびマトリックスの炭素を、高度な結晶構造を有する黒鉛に変換することも可能である。
【0062】
ここまでの説明においては、異方性不織布は、短繊維の炭素繊維と結合剤とから構成されているものとして説明してきたがこれに限定されるものではない。
炭素繊維分散液を製造するステップ11において、更に、軟化性を有しない石油及び/又は石炭系コークス粉末を加えるか、又は、軟化性を有する石油及び/又は石炭系バインダーピッチ粉末と軟化性を有しない石油及び/又は石炭系コークス粉末とを加えるようにしても良い。
【0063】
このようにすることにより、異方性不織布の結合剤の中に、軟化性を有しない石油及び/又は石炭系コークス粉末が分散して混合された状態になったり、あるいは、異方性不織布の結合剤の中に、軟化性を有する石油及び/又は石炭系バインダーピッチ粉末と軟化性を有しない石油及び/又は石炭系コークス粉末が分散して混合された状態になる。
【0064】
このように、バインダーピッチ粉末、コークス粉末等を含有する異方性不織布を使用して、炭素/炭素複合材料を製造すると、炭素/炭素複合材料の製造プロセス中の熱処理工程において、バインダーピッチ粉末、コークス粉末の大部分又はそのすべてが炭素マトリックスとして炭素/炭素複合材料中に残存することになり、炭素/炭素複合材料の高密度化が容易になる。 その結果、炭素/炭素複合材料の製造プロセスにおけるピッチまたは合成樹脂を溶融し、含浸するステップ23の回数を減らしたり、あるいはこのステップ23を省略することも可能となる。

実施例
【0065】
上述した異方性不織布を使用して、平板状の炭素/炭素複合材料を試作し、曲げ弾性率および熱伝導率の特性を調査した。
平板状の炭素/炭素複合材料を試作した条件は以下の通りである。
【0066】
実施例1では、ピッチ系炭素繊維を使用し、抄紙方向に炭素繊維を偏って多く配向させて不織布を製造した。 したがって、抄紙方向と直行する方向に配向された炭素繊維の量は、その分だけ少なくなっている。
また、ここで使用した異方性不織布は炭素繊維と結合剤のみから構成されており、バインダーピッチ粉末やコークス粉末は含有されていない。
なお、完成した炭素/炭素複合材料の炭素繊維含有率(体積含有率Vf)が40%となるように異方性不織布中の炭素繊維の量を調整した。
【0067】
炭素/炭素複合材料の製造プロセスにおける異方性不織布を積層するステップ21では、異方性不織布の抄紙方向をX方向に合わせ、異方性不織布の抄紙方向と直行する方向をY方向に合せて積層した。 したがって、積層体のX方向には多くの炭素繊維が配向されており、積層体のY方向には、その分だけ少ない炭素繊維が配向されていることになる。
また、ピッチまたは合成樹脂を溶融し、含浸するステップ23と炭化処理するステップ24は、それぞれ1回のみ実施した。 また、黒鉛化処理するステップ25では、2500℃で熱処理を行なった。
【0068】
実施例1において試作した5枚の平板状の炭素/炭素複合材料から、それぞれ試験片を切り出し、X方向、およびY方向の曲げ弾性率および熱伝導率を測定した。 その結果を表1に示す。 (各測定値は、5枚の平板の測定値の平均値を示したものである。)
【0069】
【0070】
実施例2では、PAN系炭素繊維を使用していること以外は、実施例1と同様である。 実施例2において試作した5枚の平板状の炭素/炭素複合材料から、それぞれ試験片を切り出し、X方向、およびY方向の曲げ弾性率および熱伝導率を測定した。 その結果を表2に示す。 (各測定値は、5枚の平板の測定値の平均値を示したものである。)
【0071】
【0072】
比較例1
次に、本発明の効果を評価するために、ピッチ系炭素繊維を使用し、実施例1とは異なり意図して特定の方向に炭素繊維を偏って多く配向させることなく製造した炭素繊維不織布を使用した平板状の炭素/炭素複合材料を試作した。
【0073】
比較例1では、意図して特定の方向に炭素繊維を偏って多く配向させることなく製造した炭素繊維不織布を使用した。 このようにして製造した炭素繊維不織布は、炭素繊維がランダムに配向されており、機械的、熱的特性において等方性に近いものではあるが、多少の異方性を有しているため、不織布の抄紙方向を積層体のX方向およびY方向に交互に向くようにして積層して平板状の前駆体を試作したことを除いては、実施例1と同様な条件で平板状の炭素/炭素複合材料を試作した。
【0074】
比較例1において試作した5枚の平板状の炭素/炭素複合材料から、それぞれ試験片を切り出し、X方向の曲げ弾性率および熱伝導率を測定した(比較例1では、不織布の抄紙方向を積層体のX方向およびY方向に交互に向くようにして積層しているためX方向、Y方向での差異はなくX又はY方向の1方向での特性値を測定した)。 その結果を表3に示す。 (各測定値は、5枚の平板の測定値の平均値を示したものである。)
【0075】
【0076】
次に、比較例2の平板状の炭素/炭素複合材料を試作した。 比較例2では、比較例1と同様な炭素繊維不織布を使用し、炭素繊維不織布の抄紙方向を積層体のX方向に向け、炭素繊維不織布の抄紙方向と直行する方向を積層体のY方向に向けて積層し平板状の前駆体を試作した。 その他の製造の条件は比較例1と同様であった。
【0077】
比較例2において試作した5枚の平板状の炭素/炭素複合材料から、それぞれ試験片を切り出し、X方向、およびY方向の曲げ弾性率および熱伝導率を測定した。 その結果を表4に示す。 (各測定値は、5枚の平板の測定値の平均値を示したものである。)
【0078】


結果の考察
【0079】
図3は、縦軸に熱伝導率をとり、横軸に曲げ弾性率をとり、実施例1と比較例1および比較例2で得られた平板状の炭素/炭素複合材料の曲げ弾性率と熱伝導率を対比して示した図である。
【0080】
図3において比較例1と比較例2を対比して考察すると、比較例1の曲げ弾性率Eは、比較例2の曲げ弾性率Eと曲げ弾性率Eの平均値と一致している。 また、比較例1の熱伝導率λは、比較例2の熱伝導率λと熱伝導率λの平均値と一致している。
【0081】
これは、比較例1と比較例2の炭素/炭素複合材料の炭素繊維含有量(Vf)が40%と同じであることから、比較例1では、異方性不織布の異方性をキャンセルするように積層されているため、異方性不織布の方向性が平均化されたためであり、当然に予想され得る結果であると言える。 このことから、意図して特定の方向に炭素繊維を偏って多く配向させることなく製造した炭素繊維不織布のレベルでは、X方向およびY方向の曲げ弾性率と熱伝導率は、X方向およびY方向の炭素繊維の配向比率に比例していることを意味する。
【0082】
一方、実施例1と比較例1とを対比してみる。実施例1と比較例1の炭素/炭素複合材料の炭素繊維含有量(Vf)は共に40%と同じであるから、比較例1の曲げ弾性率Eは、実施例1の曲げ弾性率EとEの平均値と一致し、比較例1の熱伝導率λは、実施例1の熱伝導率λとλの平均値と一致するものと考えることが合理的である。
【0083】
しかしながら、図3を見ると分かるように、実施例1の曲げ弾性率EとEの平均値および熱伝導率λとλの平均値は、比較例1の曲げ弾性率Eと熱伝導率λに一致していない。
実施例1のY方向における曲げ弾性率E、熱伝導率λと、比較例1の曲げ弾性率Eと熱伝導率λとの差よりも、実施例1のX方向における曲げ弾性率E、熱伝導率λと比較例1の曲げ弾性率Eと熱伝導率λとの差の方がはるかに大きくなっている。
【0084】
これは、前に述べたように、炭素繊維を意図して特定の方向に偏って多く配向させた不織布では、偏って多く配向された多くの炭素繊維は、大きく屈曲することなく、直線状に近い状態で配置さることと密接に関係している。
【0085】
すなわち、炭素繊維不織布の繊維配向比率に異方性を持たせた結果、炭素繊維が多く配向された方向の炭素繊維の屈曲度合が低減し、炭素繊維が多く配向された方向の炭素繊維が直線に近い状態で配向されるため、(1)炭素繊維が多く配向されたことによる効果と、(2)炭素繊維の屈曲度合が低減したことによる効果の相乗効果により、炭素繊維が多く配向された方向における炭素/炭素複合材料の曲げ弾性率、熱伝導率の特性が大きく向上したものであると言える。
【0086】
そして、本発明に係る異方性不織布を使用した炭素/炭素複合材料であって、炭素繊維としてピッチ系炭素繊維およびPAN系炭素繊維のいずれを使用した場合であっても、曲げ弾性率方向比E/Eが2.0以上となる炭素/炭素複合材料を得ることが可能であることが判明した。
【0087】
また、同様に、熱伝導率の方向比λ/λが1.5以上となる炭素/炭素複合材料を得ることが可能であることが判明した。
【符号の説明】
【0088】
11 炭素繊維分散液を製造するステップ
12 炭素繊維分散液を網の上に流してフィルムを形成するステップ
13 炭素繊維シートを乾燥させるステップ
21 異方性不織布を積層するステップ
22 異方性不織布積層体を加熱加圧成形するステップ
23 ピッチまたは合成樹脂を溶融し、含浸するステップ
24 溶融ピッチまたは溶融樹脂を含浸した前駆体を炭化処理するステップ
25 炭素/炭素複合材料を黒鉛化処理するステップ


図1
図2
図3