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特許7153693セル選択の処理方法及び関連するネットワーク装置及びモバイル装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】セル選択の処理方法及び関連するネットワーク装置及びモバイル装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20221006BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20221006BHJP
   H04W 36/32 20090101ALI20221006BHJP
【FI】
H04W48/16 110
H04W84/06
H04W36/32
【請求項の数】 32
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020142200
(22)【出願日】2020-08-26
(65)【公開番号】P2021035060
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】62/891,565
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/986,276
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509352749
【氏名又は名称】宏碁股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】鄭 靜紋
【審査官】田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-523719(JP,A)
【文献】特表2016-516345(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0077507(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03301979(EP,A1)
【文献】Nokia (Email discussion rapporteur),Report of Email Discussion [106#72] [NR/NTN] TP on NTN-TN Service continuity [online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #107 R2-1910692, [検索日 2021.08.16],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG2_RL2/TSGR2_107/Docs/R2-1910692.zip>,2019年08月16日,p.1-16
【文献】Ericsson,Cell selection/reselection for NTN GEO and LEO [online],3GPP TSG-RAN WG2 #106 TdocR2-1907162, [検索日 2021.08.16],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1907162.zip>,2019年05月02日,p.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル装置がキャンプするのを許容するサービングセルを有する非地上系ネットワーク(NTN)のネットワーク装置のセルサーチ情報の設定を提供する方法であって、
前記ネットワーク装置が、前記セルサーチ情報の設定のためのNTNセル又は地上系ネットワーク(TN)セルのいずれかに関連する基準点の少なくとも1つの位置情報を少なくとも1つのモバイル装置に送信し、次に該少なくとも1つのモバイル装置が、前記セルサーチ情報の設定に従ってセル再選択のためにセルサーチを実行するかどうかを判定するステップを含み、
前記基準点の位置情報は、アシスト全地球測位衛星システム(AGNSS)の値、アシスト全地球測位システム(AGSP)の値、又は地理的位置に関連付けられた経度及び緯度の値のうちの少なくとも1つを含み、
前記モバイル装置は、前記ネットワーク装置によって送信された前記基準点の位置情報を受信する、
方法。
【請求項2】
前記基準点の位置情報は、ブロードキャストされるシステム情報に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準点の位置情報は、前記モバイル装置がセルサーチを実行する少なくとも1つの搬送周波数に関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基準点の位置情報は、周波数内、周波数間、及び無線アクセス技術間(inter-RAT)セルサーチに共通して適用可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基準点の位置情報は、周波数内、周波数間、又はinter-RATセルサーチに専用である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基準点の位置情報は、前記セル再選択を実行するときのセルサーチに適用可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基準点の位置情報は、接続再開を実行するときのセルサーチに適用可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基準点の位置情報は、少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)に関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
地上系ネットワーク(TN)に対応する前記基準点の位置情報が前記モバイル装置によって該モバイル装置の到達可能な距離内にあると判定されたときに、前記モバイル装置が前記サービングセルによって設定されたしきい値に従って前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチを実行するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
地上系ネットワーク(TNに対応する前記基準点の位置情報が前記モバイル装置によって該モバイル装置の到達可能な距離内にないと判定されたときに、前記モバイル装置が前記サービングセルによって設定されたしきい値に従って前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチの実行を停止するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基準点の位置情報は、前記基準点のID(identity)にさらに関連付けられ、
前記基準点の前記IDは、前記基準点のシーケンス番号、TN追跡領域のID、TNアクセスノードのID、TNセルのID、NTN追跡領域のID、NTNゲートウェイのID、NTNアクセスノードのID、又は地理的位置のIDのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基準点の位置情報は、前記基準点の位置情報に対応する地上系ネットワークサービスを提供するPLMN事業者の少なくとも1つの公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)IDに関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
モバイル装置がキャンプするのを許容するサービングセルを有する非地上系ネットワーク(NTN)のネットワーク装置であって、該ネットワーク装置は、セルサーチを実行する際にセルサーチ情報の設定を少なくとも1つのモバイル装置に提供するように構成され、且つ
プログラムコードを実行するように構成されたプロセッサと、
該プロセッサに結合され、プログラムコードを格納するように構成されたメモリと、を含み、
前記プログラムコードは、前記プロセッサに、
前記セルサーチ情報の設定のためのNTNセル又は地上系ネットワーク(TN)セルのいずれかに関連する基準点の少なくとも1つの位置情報を少なくとも1つのモバイル装置に送信して、前記セルサーチ情報の設定に従ってセル再選択のためにセルサーチを実行するかどうかを判定することを実行するように指示し、
前記基準点の位置情報は、アシスト全地球測位衛星システム(AGNSS)の値、アシスト全地球測位システム(AGSP)の値、又は地理的位置に関連付けられた経度及び緯度の値のうちの少なくとも1つを含む、
ネットワーク装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記基準点の位置情報に従ってセルサーチを実行するかどうかを判定するために、前記モバイル装置にしきい値の設定を送信することを実行するようにさらに設定される、請求項13に記載のネットワーク装置。
【請求項15】
非地上系ネットワーク(NTN)のサービングセルによってサービスされる非アクティブモード又はアイドルモードにあるモバイル装置のセルサーチを処理する方法であって、当該方法は、
NTNセル又は地上系ネットワーク(TN)セルのいずれかに関連する基準点の位置情報を含むセルサーチ情報の設定を受信するステップと、
前記セルサーチ情報の設定に従ってセルサーチ評価を行うステップと、
該セルサーチ評価に従って、地上系ネットワーク(TNのセルサーチを実行するステップと、を含み、
前記基準点の位置情報は、アシスト全地球測位衛星システム(AGNSS)の値、アシスト全地球測位システム(AGSP)の値、又は地理的位置に関連付けられた経度及び緯度の値のうちの少なくとも1つを含む、
方法。
【請求項16】
前記基準点の位置情報は、周波数内、周波数間、及び無線アクセス技術間(inter-RAT)セルサーチに共通して適用可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基準点の位置情報は、周波数内、周波数間、又はinter-RATセルサーチに専用である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記基準点の位置情報は、前記基準点の位置情報に関連する少なくとも1つの搬送周波数をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記基準点の位置情報は、前記地上系ネットワーク(TNのネットワークサービスを提供する少なくとも1つのPLMN事業者の少なくとも1つのPLMN IDに関連付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記セルサーチ情報の設定を受信するステップは、システム情報を通じて前記NTNから前記セルサーチ情報の設定を受信するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記セルサーチ情報の設定を受信するステップは、前記NTNが前記モバイル装置との接続を解放したときに、前記NTNから前記セルサーチ情報の設定を受信するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記セルサーチ評価は、前記基準点の位置情報に関連付けられた少なくとも1つの搬送周波数に従って、前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチを実行するかどうかを判定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記セルサーチ評価は、前記モバイル装置の到達可能な距離内の前記地上系ネットワーク(TNに対応する前記基準点の位置情報に従って、前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチを実行するかどうかを判定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記基準点の位置情報に関連付けられた少なくとも1つのPLMN IDに従って、前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチを実行するかどうかを判定するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記セルサーチ評価は、前記地上系ネットワーク(TNに対応する前記基準点の位置情報が前記モバイル装置の到達可能な距離内にないことに応じて、前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチ評価の実行を停止するかどうかを判定するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチ評価の実行を停止した後に、前記NTNからシステム情報の取得に成功したときに、前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチ評価の実行を開始するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチ評価の実行を停止した後に、タイマーの満了に従って、前記地上系ネットワーク(TNのセルサーチ評価の実行を開始するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記地上系ネットワーク(TNに対応する前記基準点の位置情報は、前記基準点の位置情報の少なくとも1つと前記モバイル装置との間の距離が距離しきい値の値未満である場合に、前記モバイル装置の到達可能な距離内にあると判定される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記地上系ネットワーク(TNに対応する前記基準点の位置情報は、前記モバイル装置が前記地上系ネットワーク(TNにアクセスするための予測時間が時間しきい値の値未満である場合に、前記モバイル装置の到達可能な距離内にあると判定される、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記セルサーチ情報の設定は、前記モバイル装置に格納され、且つ前記モバイル装置が以前にキャンプしたネットワークから受信され、当該方法は、
格納した前記セルサーチ情報の設定が有効であるかどうかを判定するステップと、
前記セルサーチ情報の設定が有効である場合に、前記セルサーチ情報の設定を適用するステップと、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項31】
システム情報を取得するとき、又は前記サービングセルからセルサーチ情報の第2の設定を受信する際に、格納した前記セルサーチ情報の第1の設定を解放するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
セルサーチを実行するように構成されたモバイル装置であって、当該モバイル装置は、非地上系ネットワーク(NTN)のサービングセルによってサービスされる非アクティブモード又はアイドルモードにあり、当該モバイル装置は、
プログラムコードを実行するように構成されたプロセッサと、
該プロセッサに結合され、前記プログラムコードを格納するように構成されたメモリと、を含み、
前記プログラムコードは、前記プロセッサに、
NTNセル又は地上系ネットワーク(TN)セルのいずれかに関連する基準点の位置情報を含むセルサーチ情報の設定を受信すること、
前記セルサーチ情報の設定に従ってセルサーチ評価を行うこと、及び
該セルサーチ評価に従って、地上系ネットワーク(TNのセルサーチを実行すること、を実行するように指示し、
前記基準点の位置情報は、アシスト全地球測位衛星システム(AGNSS)の値、アシスト全地球測位システム(AGSP)の値、又は地理的位置に関連付けられた経度及び緯度の値のうちの少なくとも1つを含む、
モバイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信システムで利用する方法、より具体的には、ワイヤレス通信システムでセル選択又は再選択を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロングターム・エボリューション(LTE)システムにおいて、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network))として知られる無線アクセスネットワークは、非アクセス層(NAS)制御及び/又はデータ送信のために、少なくとも1つのユーザ機器(UE)と通信するための、及びモビリティ管理エンティティ(MME)、サービング(serving)ゲートウェイ(SGW)、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)、ユーザプレーン機能(UPF)等を含むコアネットワークと通信するための少なくとも1つの進化型ノードB(eNB)を含む。LTE-Advanced(LTE-A)システムは、LTEシステムの進化形であり、電力状態同士の間の高速スイッチングを対象とし、eNBのカバレッジエッジでのパフォーマンスを向上させ、ピークデータレート及びスループットを向上させ、そしてキャリア・アグリゲーション(CA)、協調マルチポイント(CoMP)送信/受信、アップリンク(UL)多重入力多重出力(UL-MIMO)、ライセンス支援アクセス(LAA)(例えば、LTEを使用)等の高度な技術を含んでいる。LTE-Aシステムで互いに通信するUE及びeNBの場合に、UE及びeNBは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)Rel-1X規格以降のバージョン等、LTE-Aシステムのために開発された規格をサポートする必要がある。
【0003】
第5世代(5G)システム(例えば、5G新しい無線アクセスネットワーク(5G-NR))は、国際移動通信(IMT)-2020によって導入された5Gの要件を満たすための連続移動ブロードバンドプロセスの進化版である。5Gシステムは、無線アクセスネットワーク(RAN)及びコアネットワーク(CN)を含み得る。RANは、少なくとも1つの基地局(BS)を含み得る。少なくとも1つのBSは、少なくとも1つのUEと通信するため及びCNと通信するために、進化型ノードB(eNB)又は5GノードB(gNB)を含み得る。CNは、NAS制御及び/又はデータ送信のために、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)、ユーザプレーン機能(UPF)等を含み得る。
【0004】
3GPP規格は、非地上系ネットワーク(NTN)と5G-NRに準拠するUEとの間の通信を指定する。NTNは、地上系ネットワーク(TN)とは対照的に、衛星、無人航空機システム(UAS)アクセスノード、高高度プラットフォームステーション(HAPS)等の非地上系ネットワークノードで実現される。NTNのビーム・フットプリント・カバレッジ(すなわち、地上でのNTNビームのカバレッジ)は、地上の広範囲の領域をカバーし得るNTNセルとして機能することができる。図1に示されるように、NTNセルのカバレッジは、TNセルのカバレッジよりはるかに大きい可能性があり、NTNセルのカバレッジ内に多数のTNセルが存在する可能性がある。例えば、高度600kmの低地球軌道(LEO)衛星は、直径200kmのビーム・フットプリント・カバレッジ(つまり、セル)を提供し得る。一般に、NTNセルでは、セルの中央と境界との間の信号強度及び品質の変動は、TNセルの場合ほど著しくない。
【0005】
5Gシステムは、地上系アクセスネットワークと、同じ事業者が所有する又は2つの異なる事業者が所有する非地上アクセスネットワークとの間のサービス継続性をサポートすることになっている。換言すると、NR対応のUEは、TNからNTNに、又はNTNからTNにスムーズに移動できるようにする必要がある。しかしながら、現在利用可能なセル選択又は再選択メカニズムは、異なるタイプのネットワークをサーチするUE、例えば、TNをサーチするNTNによってサービスされる(例えば、キャンプされる)UEに十分に適用できない場合がある。
【発明の概要】
【0006】
従って、本発明の目的は、UEがNTNによってサービスされる(例えば、NTNにキャンプ(camped)される)場合に、セル再選択を実行する際にUE電力を節約するために、地上系ネットワーク(TN)及び非地上系ネットワーク(NTN)対応のUEのための新規なセル選択又は再選択方法を提供することである。
【0007】
本発明の一実施形態は、モバイル装置がキャンプされるサービングセルを有するNTNのネットワーク装置のセルサーチを処理する方法を開示する。この方法は、サービングセルのカバレッジに関連する基準点の位置情報をモバイル装置に送信して、基準点の位置情報に従ってTNセルをサーチするかどうかを判定するようにモバイル装置を設定するステップを含む。
【0008】
本発明の別の実施形態は、モバイル装置がキャンプされるサービングセルを有するNTNのネットワーク装置を開示する。ネットワーク装置は、セルサーチを処理するように設定され、プロセッサ及びメモリを含む。プロセッサは、プログラムコードを実行するように設定される。プロセッサに結合されたメモリは、プログラムコードを格納するように構成され、プログラムコードは、プロセッサに、サービングセルのカバレッジに関連する基準点の位置情報をモバイル装置に送信して、位置情報に従ってTNセルをサーチするかどうかを判定するようにモバイル装置を設定すること、を実行するように指示する。
【0009】
本発明の別の実施形態は、モバイル装置のセルサーチを処理する方法を開示する。モバイル装置は、第1のネットワークのサービングセルによってサービスされる非アクティブモード(例えば、LTE RRC_INACTIVE状態又はNR RRC_INACTIVE状態)又はアイドルモード(例えば、LTE RRC_IDLE状態又はNR RRC_IDLE状態)である。この方法は、セルサーチ情報の設定を受信するステップと;セルサーチ情報の設定に従ってセルサーチ評価を行うステップと;セルサーチ評価結果に従ってセルサーチを行うステップと;を含む。モバイル装置は、セルサーチ情報の設定が基準点の位置情報を含むかどうかをさらに判定することができる。モバイル装置は、評価結果の示唆に従って、第2のネットワークのセルサーチを実行することができる。
【0010】
本発明の別の実施形態は、セルサーチを処理するように設定されたモバイル装置を開示する。モバイル装置は、第1のネットワークのサービングセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)非アクティブモード又はアイドルモードである。モバイル装置は、プロセッサ及びメモリを含む。プロセッサは、プログラムコードを実行するように構成される。プロセッサに結合されたメモリは、プログラムコードを格納するように構成されており、プログラムコードは、プロセッサに、セルサーチ情報の設定を受信することと;セルサーチ情報の設定が基準点の位置情報を含むかどうかをさらに判定することと;セルサーチ情報の設定に従ってセルサーチ評価を行うことと;を実行するように指示する。モバイル装置は、評価結果の示唆に従って、第2のネットワークのセルサーチを実行することができる。
【0011】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には間違いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】NTNセル及びTNセルのカバレッジの概略図である。
図2】NTNとTNとの間のサービス継続性の例示的なシナリオを示す図である。
図3】本発明の一実施形態による通信装置の概略図である。
図4】本発明の一実施形態によるプロセスのフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による、セル選択又は再選択評価プロセスのフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態による、セル選択又は再選択評価プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の仕様によれば、UEは、いくつかの状況下でセル再選択を実行することができる。
【0014】
セル再選択評価は、異なるセルの優先順位(例えば、セルの動作周波数帯域、セルのPLMN、又はセルのブラック/ホワイトリストに従って)と、UEが検出した信号強度及び品質とを考慮することによって実行され得る。より具体的には、UEは、現在のサービングセルの基準信号受信電力(RSRP)又は基準信号受信品質(RSRQ)又は受信信号強度表示(RSSI)がしきい値未満である場合に、周波数内(intra-frequency)セル再選択を実行することができる。UEは、隣接セルの周波数が現在のサービングセルの周波数よりも高い優先順位を有する場合、又は現在のサービングセルのRSRP又はRSRQ又はRSSIがしきい値未満である場合に、周波数間(inter-frequency)セル再選択を実行することができる。UEは、別の無線アクセス技術のセルの周波数が現在のサービングセルの周波数よりも高い場合、又は現在のサービングセルのRSRP又はRSRQ又はRSSIがしきい値未満である場合に、無線アクセス技術間(inter-RAT)セル再選択を実行することができる。
【0015】
非地上系ネットワーク(NTN)と地上系ネットワーク(TN)との共存を伴うセル再選択の基準については、図2を参照されたい。図2は、NTNとTNとの間のサービス継続性の例示的なシナリオを示す。図2に示されるように、UEは、NTN及びTN接続能力を有しており、都市から別の都市に移動する貨物トラック上の携帯電話であり得る。目的都市は、周波数f1のTNセルで展開され、出発都市は、周波数f2のTNセルで展開される。周波数f3のNTNセルのカバレッジ(例えば、衛星の1つ又は複数のビームのフットプリントに対応)は、これら2つの都市のTNセルのカバレッジと重複し得る。2つの都市の間で、UEは、TNの展開を使用せずに、NTNセルのみが使用され得るエリアで遠距離を通過する場合がある。セル再選択の目的で、NTNは、隣接セルの周波数をブロードキャストして、システム情報を通じてUEを支援する必要があり、ここで、周波数f1、f2、及びf3の情報が、優先順位設定の有無にかかわらず含まれ得る。従って、UEは、NTNから受信した周波数情報に基づいて、セル再選択を実行することができる。
【0016】
一般に、TNセルを優先するUEは(例えば、ホーム/訪問/登録されたPLMNの設定によって、又は手動設定によって)、通常、例えば、電力消費量が少ない、及び/又は通信料金が低いため、地上システムが好ましい場合があることを考慮することによって、TNセルがNTNセルよりも高い優先順位を有すると考えることができる。図2に示されるように、TNセルを優先するUEが、周波数f2のTNセルで展開された出発都市にある場合に、UEは、NTNセル(すなわち、周波数f3)とTNセル(すなわち、周波数f2)との両方のカバレッジ内にあり得る。このため、UEは、TNセルを選択することができる。TNセルに接続される場合に、UEは、このTNセルからセル再選択のための周波数設定を受信することができる。貨物トラックがその(出発)都市を離れ、UEがTNセルのカバレッジから離れた後に、UEは信号品質が不十分なことに気づき、それによりセル再選択のためにセルサーチを開始することができる。この時点で、UEはNTNセルのカバレッジ内だけにいるため、UEは、ネットワークサービスのために周波数f3のNTNセルをサーチして選択し得る。NTNセルは、セル再選択のために周波数内、周波数間、及び/又はinter-RATセルサーチを実行するUEを支援するために設定情報を提供することができる。設定情報は、隣接セルの周波数又はセルIDを含み得、周波数は、優先順位に関連付けられ得る。その後、UEは、NTNセルから受信した情報に基づいて、セル再選択のためにセルサーチを実行し始めることができる。この例では、NTNセルによって提供される情報は、このNTNセルと重複するTNセルに対応する周波数f1及びf2を含み得る。UEはTNセルの優先順位がNTNセルの優先順位よりも高いと見なすため、UEはセル再選択のためにセルサーチを実行して、セル再選択の基準に基づいて周波数f1及びf2のTNセルをサーチすることに留意されたい。
【0017】
しかしながら、貨物トラックが出発都市から目的都市に到着するのに数時間かかる場合がある。従って、UEは、移動中の数時間、セル再選択手順のセルサーチを実行し得る。UEのバッテリ電力を消費するが、貨物トラックが目的都市に到着するまでにTNセルを見つけることができない。他方、NTNセルが電力の浪費を回避するためにTNセルよりも高い優先順位で設定されている場合に、UEは、NTNセルの信号強度又は品質が弱くなった場合にのみ、例えばRSRP又はRSRQがしきい値未満である場合にのみ、セル再選択手順のセルサーチを開始することができる。ただし、セルの中央と境界との間の信号強度及び品質の変動が、NTNセルでは著しくなく、このため、UEは、TNセルのカバレッジに入ったとしても、セル再選択手順のセルサーチをトリガーしない可能性があることに留意されたい。
【0018】
携帯電話等のUEは、通常、全地球測位衛星システム(GNSS)又は全地球測位システム(GPS)機能が利用可能であることに留意されたい。ただし、GNSS又はGPS対応のUEは、地理情報システム(GIS)の能力を有していない場合がある。換言すれば、UEのGPS情報は、UEが、TN及び/又はNTNセルに対してセルサーチ又はセル再選択を実行するかどうかを正確に判定することを可能にしない可能性がある。例えば、GPS情報は、都市に展開されているTNセルの周波数、又は都市の事業者及び関連セルを示さない場合がある。
【0019】
UEが、NTNセルとTNセルとの間のセル再選択のためのセルサーチを効率的に実行できないという問題を解決するために、UEは、可能なTNセル及びそれらの周波数に関連する位置情報を取得し、この情報を、セル再選択のためのセルサーチの評価手順に適用できなければならない。従って、TNセルの周波数情報がサービングNTNセルから提供される場合であっても、UEは、2つの都市の間の移動中にTNセルからさらに遠く離れているときに、TNセルをサーチするバッテリ電力を節約することができる。TNセル及び/又はその対応する基準点がUEの到達可能な距離内にある場合にのみ、UEは、TNセルのセル再選択のためにセルサーチを実行する。それに対応して、ネットワークは、基準点の情報をUEに提供する必要があり、基準点の情報により、UEは、そのUEが基準点に近づいているかどうかを判定し、それによって、セル再選択手順のセルサーチを開始するかどうか、又はセル再選択のための周波数のサーチを停止するかどうかを判定できる。
【0020】
図3を参照されたい。図3は、本発明の一実施形態による通信装置30の概略図である。図3に示されるように、通信装置30は、マイクロプロセッサ又は特定用途向け集積回路(ASIC)等のプロセッサ300、メモリ310、及び通信インターフェイスユニット320を含み得る。メモリ310は、プログラムコード314を格納し得る任意のデータ記憶装置であり得、プログラムコード314は、プロセッサ300によってアクセスされ、実行される。メモリ310の例には、加入者識別モジュール、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ、ハードディスク、光データ記憶装置、不揮発性記憶ユニット、非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、有形媒体)等が含まれるが、これらに限定されるものではない。通信インターフェイスユニット320は、好ましくはトランシーバであり、且つプロセッサ300の処理結果に従って信号(例えば、データ、メッセージ、及び/又はパケット)を送受信するために使用される。
【0021】
通信装置30は、モバイル装置又はネットワーク装置であり得るが、本明細書では限定されない。モバイル装置は、例えば、UE、携帯電話、タブレットコンピュータ、電子書籍、ポータブルコンピュータシステム、又は車両であり得るが、これらに限定されるものではない。例示的な実施形態では、モバイル装置は、図2に示されるように2つの都市の間を移動する貨物トラック上の携帯電話であり得る。ネットワーク装置は、例えば、NTNセルの機能及びサービスを提供するNTNの装置、TNセルの機能及びサービスを提供するTNの装置、NTNの送受信ポイント(TRP)、TNのTRP、NTNのeNB又はgNB、TNのeNB又はgNBであり得るが、これらに限定されるものではない。例示的な実施形態では、ネットワーク装置は、図2に示されるように、衛星を介してNTNが提供する機能及びサービスを搭載した装置であり得る。さらに、ネットワーク装置及びモバイル装置は、送信機又は受信機と見なされる場合がある。アップリンク(UL)送信の場合に、モバイル装置は送信機であり、ネットワーク装置は受信機であり、ダウンリンク(DL)送信の場合に、ネットワーク装置は送信機であり、モバイル装置は受信機である。
【0022】
簡潔にするために、以下の実施形態では、UE及びgNBは、それぞれ、モバイル装置及びネットワーク装置を説明するために使用される。本発明の範囲はこれに限定されないことに留意されたい。
【0023】
図4を参照されたい。図4は、本発明の一実施形態によるプロセス40のフローチャートである。プロセス40は、セル再選択のためのセルサーチを処理するために、UEがキャンプされているサービングセルを有するNTNのgNBにおいて利用され得る。プロセス40は、プログラムコード314にコンパイルすることができ、以下のステップを含む。
【0024】
ステップ400:開始する。
【0025】
ステップ402:サービングセルに関連する基準点の位置情報をUEに送信して、基準点の位置情報に従ってセル再選択のためのセルサーチを実行するかどうかを判定するようにUEを設定する。
【0026】
ステップ404:終了する。
【0027】
プロセス40によれば、gNBは、セル再選択のためのセルサーチを実行するために、セルサーチ情報の設定内の基準点の位置情報をUEに提供し、基準点の位置情報をNTN gNBのサービングセルのカバレッジ内のUEに送信することができる。従って、UEは、受信した基準点の位置情報に従って、(例えば、セルサーチ情報の設定に含まれる1つ又は複数の周波数に従って)セル再選択のためのセルサーチを実行するかどうか、又はいつ実行するかを判定するように設定され得る。詳細には、UEは、基準点の位置情報が、UEの到達可能な距離内にTNセルに対応する基準点があることを示す場合に、セル再選択のためのセルサーチを開始するように設定され得るか、又はUEが、UEの到達可能な距離内にTNセルに対応する基準点がないことを示唆する基準点の位置情報を推定及び判定する場合に、セル再選択のセルサーチを停止するように設定され得る。
【0028】
gNBは、任意の可能な方法によって、基準点の位置情報をUEに送信することができる。本発明の実施形態では、基準点の位置情報は、UEにブロードキャストされるシステム情報に含まれ得る。このため、UEは、アイドルモード又は非アクティブモードであっても、システム情報内の基準点の位置情報を受信することができる。
【0029】
一実施形態では、gNBは、システム情報ブロック(SIB)(例えば、SIB2)を介して基準点の位置情報をブロードキャストすることができる。SIBは、あらゆるタイプのセル再選択に共通の情報を提供する。このような状況では、UEが周波数内セル再選択、周波数間セル再選択、又はinter-RATセル再選択を実行する必要がある場合に、UEは、セル再選択のためのセルサーチの評価を行うために基準点の同じ位置情報を参照し得る。
【0030】
一実施形態では、gNBは、周波数内、周波数間、及びinter-RATセル再選択に共通して適用可能である、SIBのフィールド(例えば、cellReselectionInfoCommon)の一部として基準点の位置情報を提供することができる。従って、UEは、周波数内、周波数間、又はinter-RATセル再選択を実行するときに、基準点のこの位置情報を考慮することができる。代替の実施形態では、gNBは、周波数間及びinter-RATセル再選択に共通である、SIBのフィールド(例えば、cellReselectionServingFreqInfo)の一部として基準点の位置情報を提供することができる。従って、UEは、元の周波数の同じRATのセルサーチを実行しないとき、すなわち、周波数間又はinter-RATセル再選択を実行するときに、基準点のこの位置情報を考慮することができる。そのような状況では、UEが元の周波数に留まる(例えば、周波数内セル再選択を実行する)場合に、基準点のこの位置情報は、セル再選択のためのセルサーチを実行するとは見なされない場合がある。
【0031】
基準点の位置情報は、TNセルに関連する地理的位置の位置を示すことができなければならないことに留意されたい。例えば、基準点の位置情報は、港、空港、又は都市を通る主要道路であり得る都市のランドマーク等の、都市に関する位置を含み得る。基準点の位置情報は、基準点の位置情報に含まれるアシストGNSS(AGNSS)又はアシストGSP(AGPS)の位置情報(GSP座標等)として表現することができる。例えば、基準点の位置情報のそれぞれは、仕様で指定されるか又はサービングネットワークによって規定される地理的位置の領域を一意に識別するID(identity)として表現され得る。例えば、基準点の位置情報のそれぞれは、基準点のシーケンス番号、TNセルの物理セルID(PCI)、NTNゲートウェイのPCI、gNB IDであり得る(これらは、基準点の位置情報に記録される)が、これらに限定されるものではない。
【0032】
一実施形態では、基準点に対応する1つ又は複数の公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)IDもまた、UEに送信される基準点の位置情報に含まれ得る。例えば、基準点に対応するPLMN IDは、基準点のID及び基準点の位置情報とともに記録され得る。PLMN IDは、関連するキャリア周波数でNTNサービングセルの隣接セルとしてTNサービスを提供する1つ又は複数のPLMNを示すPLMN IDリストとして表すことができる。PLMN IDリストはUEに提供される。このため、UEは、UEの到達可能な距離内に基準点があるかどうかを判定することに加えて、UEの到達可能な距離がPLMNによってサポートされているかどうかをさらに判定することができる。例えば、サポートされるPLMNは、登録されたPLMN(RPLMN)、同等のRPLMN(ERPLMN)、ホームPLMN(HPLMN)、及び同等のHPLMN(EHPLMN)を含み得るが、これらに限定されるものではない。基準点の位置情報に基づいてUEの到達可能な距離内に基準点が存在する場合であっても、基準点がUEをサポートするPLMNに関連付けられていない場合に、UEは、TNセルのセル再選択のためにセルサーチを実行しない場合がある。
【0033】
上記の実施形態では、基準点の位置情報は、UEにブロードキャストされるSIBに含まれる。別の実施形態では、基準点の位置情報は、他の方法で実装され得る。例えば、複数のSIBには、周波数内、周波数間、inter-RATセル再選択それぞれのためのセルサーチの異なる情報が含まれる場合がある。換言すると、基準点の位置情報は、周波数内、周波数間、又はinter-RATセル再選択に専用である。従って、UEは、周波数内セル再選択のためにセルサーチの評価を行う必要があるときにSIBを参照し、周波数間セル再選択のためにセルサーチの評価を行う必要があるときに別のもの(SIB)を参照し、そしてinter-RATセル再選択のためにセルサーチの評価を実行する必要があるときに互いのSIBを参照し得る。この実施形態では、異なるタイプのセル再選択のためのセルサーチの基準点の位置情報(及び、周波数優先順位の関連情報をさらに含み得る)は、それぞれ、対応するシステム情報ブロックに含まれる。
【0034】
基準点の位置情報が単一のSIBに含まれる場合に、基準点の位置情報は、様々な周波数及びRATに共通して関連付けられた基準点を含み得る。このため、この基準点の位置情報には、大量の基準点の情報が含まれている可能性がある。異なるSIBでの周波数内セル再選択、周波数間セル再選択、及びinter-RATセル再選択のセルサーチの基準点の位置情報を含む、SIBサイズの制限を考慮すると、SIBペイロードサイズを制限するのに有益である。
【0035】
基準点の位置情報が周波数内セル再選択のためのセルサーチに関連付けられる場合に、gNBは、周波数内セル再選択のセルサーチに専用であるSIBのフィールド(例えば、intraFreqCellReselectionInfo)の一部として基準点の位置情報を提供することができる。基準点の位置情報が周波数間セル再選択のためのセルサーチに関連付けられる場合に、gNBは、周波数間セル再選択のセルサーチに専用であるSIBのフィールド(例えば、interFreqCellReselectionInfo)の一部として基準点の位置情報を提供することができる。基準点の位置情報がinter-RATセル再選択のためのセルサーチに関連付けられる場合に、gNBは、SIBのフィールドに基準点の位置情報を含めることができる。例えば、gNBは、SIBのRATに関連付けられたフィールド(例えば、CarrierFreqEUTRA)の一部として基準点の位置情報を提供することができ、又はSIBのRAT固有の情報フィールドの一部として基準点の位置情報を提供することができる。
【0036】
基準点の位置情報が、セル再選択のための周波数内セルサーチのSIBの情報フィールドに含まれる場合に、情報フィールドは、示されたPCI(物理セルID)に関連する基準点の位置情報を示し得る。基準点の位置情報の各項目は、AGNSS位置情報等、TNセルに関連付けられた位置又はセルに関連付けられたアクセスポイントを示し得る。TNセルのセル及び/又はアクセスポイント(例えば、gNB)に加えて、基準点はまた、都市のランドマークであり得る。ここで、基準点の位置情報の項目は、港、空港等の位置を示し得る。
【0037】
基準点の位置情報が周波数間セル再選択のためのセルサーチに関連付けられる場合に、UEは、セルサーチを実行するための特定の搬送周波数の選択を含む、周波数間セル再選択のための基準点の位置情報を参照し得る。従って、基準点の情報フィールドは、基準点の位置情報の項目に対応する特定の搬送周波数で動作するセルが存在する可能性があることを示し得る。各基準点はさらに、基準点を一意に識別するIDに関連付けることができる。同様に、基準点の位置情報の項目は、AGNSS位置情報等、TNセルに関連付けられた位置又はセルに関連付けられたアクセスポイントを示し得る。TNセルのセル及び/又はアクセスポイント(例えば、gNB)に加えて、基準点はまた、都市のランドマークであり得る。ここで、基準点の位置情報の項目は、港、空港等の位置を示し得る。周波数間セル再選択のためのセルサーチに関連する基準点の位置情報は、NRマルチバンド情報フィールド(例えば、NR-MultiBandInfo)に含まれ得る。
【0038】
基準点の位置情報がinter-RATセル再選択のためのセルサーチに関連付けられる場合に、UEは、セルサーチを実行するための特定のキャリア周波数の選択を含む、inter-RATセル再選択のための基準点の位置情報を参照し得る。SIBでのセル再選択のためのinter-RATセルサーチの基準点の位置情報の設定は、別のSIBでのセル再選択のための周波数間セルサーチの基準点の位置情報の設定と同様であり、ここに詳述しない。inter-RATセル再選択のためのセルサーチに関連する基準点の位置情報は、RAT依存マルチバンド情報フィールド(例えば、EUTRA-MultiBandInfo等)に含めることができ、これは、ロングターム・エボリューション(LTE)ネットワーク又は他の特定のRATに転送されるinter-RATセル再選択を示し得る。
【0039】
上述したように、基準点の位置情報は、基準点に対応するPLMN IDリストをさらに含み得る。
【0040】
セル再選択評価プロセスのためのセルサーチの実施形態では、セルサーチ評価プロセスは、UEにおいて、セル再選択のためのセルサーチを処理するために、第1のネットワーク(例えば、NTN)のサービングセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)非アクティブモード又はアイドルモードで利用され得る。セルサーチの評価プロセスには、次のステップが含まれる。
1.開始する。
2.セル再選択情報に関するセルサーチが基準点の位置情報を含むかどうかを判定する。
(1)はいの場合に、
i 基準点の位置情報の少なくとも1つの項目が、第2のネットワークの基準点が(例えば、UEが基準点とUEとの間の距離を推定することによって)UEの到達可能な距離内にあることを示唆するかどうかを判定する。
1.はいの場合に、UEの到達可能な距離内にある第2のネットワークの少なくとも1つの基準点に関連付けられた第2のネットワークの周波数をサーチする。
2.それ以外の場合に、開始されている場合には、第2のネットワークの周波数のサーチを停止する。
(2)それ以外の場合に、基準点の位置情報を考慮せずにセル選択又は再選択評価を行う。
3.終了する。
【0041】
UEは、定期的に、及び/又はサービングセルの信号強度又は品質がしきい値未満であるとき、及び/又はUEが受信したセル再選択情報に関するセルサーチが現在キャンプされているサービングセルの周波数優先順位よりも高い優先順位の周波数を示すときに、及び/又はサービングセルからシステム情報の取得に成功したときに、及び/又は時間領域推定値(例えば、移動速度及びUE位置(例えば、GSPモジュールを介してUEが取得した)と基準点の位置情報の項目との間の距離に基づいて、又はサービングセルのサービス及び機能を提供する衛星の軌道及び移動速度に基づいて等)がしきい値未満であることに従って、セルサーチ評価プロセスを実行し始めることができる。UEは、セル再選択情報ためのセルサーチ及び/又はその中の基準点の位置情報に基づいて、セル再選択のためのセルサーチの評価を行うことができる。
【0042】
図5を参照されたい。図5は、本発明の別の実施形態による、セル再選択評価プロセス50のためのセルサーチのフローチャートである。セル再選択評価プロセス50のためのセルサーチは、UEにおいて、セル再選択のためのセルサーチを処理するために、第1のネットワーク(例えば、NTN)のサービングセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)非アクティブモード又はアイドルモードで利用され得る。セル再選択評価プロセス50のためのセルサーチは、プログラムコード314にコンパイルすることができ、以下のステップを含む。
【0043】
ステップ500:開始する。
【0044】
ステップ502:周波数優先順位情報に従って、サービングセルの周波数が優先順位に関連付けられているかどうかを判定する。はいの場合に、ステップ504に進む。それ以外の場合に、ステップ508に進む。
【0045】
ステップ504:セル再選択情報に関するセルサーチが、サービングセルの周波数よりも高い優先順位を有する任意の周波数を示すかどうかを判定する。はいの場合に、ステップ506に進む。それ以外の場合に、ステップ508に進む。
【0046】
ステップ506:セル再選択情報に関するセルサーチが、基準点の位置情報を含むかどうかを判定する。はいの場合に、ステップ510に進む。それ以外の場合に、ステップ508に進む。
【0047】
ステップ508:基準点の位置情報を考慮せずに、セル再選択評価のためにセルサーチを実行する。
【0048】
ステップ510:基準点の位置情報が、第2のネットワークの基準点がUEの到達可能な距離内にあることを示唆するかどうかを判定する。はいの場合に、ステップ512に進む。それ以外の場合に、ステップ514に進む。
【0049】
ステップ512:基準点に関連する第2のネットワークの周波数をサーチする。
【0050】
ステップ514:開始された場合に、第2のネットワークの周波数のサーチを停止する。
【0051】
第1に、UEは、NTN等の第1のネットワークのサービングセルによってサービスを受ける(例えば、キャンプされる)ことができ、UEは、サービングセルの周波数が周波数優先順位情報に従って優先順位に関連付けられるかどうかを判定することができる(ステップ502)。周波数優先順位情報は、UEがいくつかの方法で取得し得る。例えば、UEは、UEがTNセルによって解放(release)されたときに、以前に接続されていたTNセルから専用の(すなわち、UE固有の)周波数優先順位情報を受信することができ、周波数優先順位情報は、設定されている場合に、有効時間又は有効領域(例えば、NTN追跡エリアコードのリスト)内にあるときでも有効である。代替的又は追加的に、UEは、UEがNTNセルによって解放されるときに、NTNセルから専用の(すなわち、UE固有の)周波数優先順位情報を受信することができる。UEが有効な専用の周波数優先順位情報を有さない場合に、UEは、システム情報を通じてNTNセルから受信され得る共通の周波数優先順位情報に基づいて、セル再選択のためのセルサーチを実行することができる。
【0052】
セル再選択情報に関するセルサーチは、UEが任意の方法で受信し得る。一実施形態では、セル再選択情報(及び、基準点のその位置情報)に関するセルサーチは、UEがキャンプされているセルから提供され得、セル再選択情報に関するセルサーチは、システム情報を通じてUEにブロードキャストされ得る。別の実施形態では、セル再選択情報(及び、基準点のその位置情報)に関するセルサーチは、UEの以前のサービングセルから提供され、UEに格納され得、セル選択又は再選択情報は、依然として有効時間又は有効領域内にある。つまり、セル再選択情報に関するセルサーチは有効である。この以前のサービングセルは、UEが以前にキャンプ又は接続されたサービングセルであり得るが、UEを解放するときに、セル選択又は再選択情報をUEに送信することができる。そのような状況では、UEは、サービングセルによって解放されて非アクティブであり、セル選択又は再選択情報を適用して、セル再選択の評価を依然として行うことができる。
【0053】
UEが、キャンプされたサービングセルの周波数がどの優先順位にも関連付けられていないと判定した場合に、UEは、周波数に関連付けられた優先順位を考慮せずに、基準点の位置情報に従って、セル再選択評価のためにセルサーチを実行することができる(ステップ508)。例えば、gNBは、その隣接セルの全てが、同じ事業者によって提供され、UEに対して等しい優先順位を有すると見なすことができ、こうして、優先順位でセルを設定しない場合がある。このような状況では、UEは、都市に展開されたTNカバレッジで転送されるものとして、セル再選択評価プロセスのためのセルサーチを実行することができる。
【0054】
UEが、キャンプされたサービングセルの周波数が優先順位に関連付けられていると判定した場合に、UEは、セル再選択情報に関するセルサーチが、サービングセルの周波数よりも高い優先順位を有する任意の周波数を示すかどうかをさらに判定することができる(ステップ504)。はいの場合に、UEは、セル再選択情報に関するセルサーチで提供される基準点の位置情報をさらに考慮することができる。それ以外の場合に、UEは、基準点の位置情報を考慮せずに、セル再選択評価のためにセルサーチを実行することができる。例えば、UEがキャンプされるサービングセルは、例えば、衛星を介して提供されるNTN内にあり、UEは、地上システムを優先し、こうして、TNセルは、NTNセルよりも高い優先順位を有し得る。このような状況では、NTN gNBによってブロードキャストされたセル再選択情報に関するセルサーチが、このNTNセルのカバレッジ内の隣接するTNセルがあることを示す場合に、NTNセルよりも優先順位が高いTNセルの周波数があり得る。従って、UEは、セル選択/再選択情報が基準点の位置情報を含むかどうかをさらに判定することができる(ステップ506)。
【0055】
UEが、セル再選択情報に関する受信したセルサーチに基準点の位置情報がないと判定した場合に、UEは、基準点の位置情報を考慮せずに、セル再選択評価のためにセルサーチを実行することができる(ステップ508)。UEが、セル再選択情報に関する受信したセルサーチが基準点の位置情報を含むと判定した場合に、UEは、セル再選択のためのセルサーチの評価を行うために、基準点の位置情報を参照することができる。基準点の位置情報によれば、UEは、第2のネットワークの隣接セル(例えば、TNセル)の周波数をサーチするかどうかをさらに判定することができる。より具体的には、NTNセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)UEは、TNセルのセル再選択のためのセルサーチを開始するかどうかを判定するために、基準点の位置情報が、TNの基準点がUEの到達可能な距離内にあることを示唆するかどうかを判定することができる(ステップ510)。
【0056】
従って、UEが、UEの到達可能な距離内にTNに関連する基準点があることを示唆する基準点の位置情報を推定及び決定する場合に、UEは、基準点に関連するTNセルの周波数をサーチすることができる。逆に、UEが、UEの到達可能な距離内にTNに関連する基準点がないことを示唆する基準点の位置情報を推定及び決定する場合に、UEは、TNの周波数のサーチを停止又は開始しない場合がある。UEは、周波数に対応するTN基準点がUEの到達可能な距離内にある場合にのみ、TNに関連する周波数をサーチすることによって、セル再選択のためのTNセルサーチを実行することができる。その結果、UEが、TNセルから遠く離れている場合であっても、TNセルのセル再選択のためにセルサーチを実行するために電力を浪費するという問題が軽減され得る。
【0057】
UEの到達可能な距離は、任意の方法で決定することができる。一実施形態では、基準点に関連付けられた基準点の位置情報が、基準点の位置とUEの位置(例えば、GPS/GNSS位置)との間の距離が距離しきい値未満であることを示す場合に、基準点は、到達可能な距離内にあると判定される。距離しきい値は、現在のサービングセル、同じ又は異なるネットワークの以前のサービングセル、又は規格仕様によって設定できる。さらに、UEは、そのUEが基準点に近づいているかどうか、例えば、基準点の位置とUEの位置との間の距離が減少しているかどうかをさらに判定することができる。基準点の位置とUEの位置との間の距離の評価は、定期的であり得るか、又はUEの位置(例えば、UEの位置に関連するNTN追跡領域)に従って、又は現在のサービングセルのRSRP/RSRQ等に従ってであり得る。基準点の位置の間の距離は、ある期間に評価された基準点の位置の間の複数の距離の値の平均値であり得る。その期間は、現在のサービングセル又は以前のサービングセル又は規格仕様によって設定され得る。
【0058】
別の実施形態では、基準点に関連する基準点の位置情報が、基準点の位置とUEの位置(例えば、GPS/GNSS位置)との間の距離が距離しきい値未満であり、UEの移動速度が速度しきい値より大きく、且つUEが基準点に近づいていることを示す場合に、基準点は、到達可能な距離内にあると判定される。より具体的には、この実施形態では、UEは、距離情報と速度情報との両方を評価する。距離及び速度しきい値は、現在のサービングセル、同じ又は異なるネットワークの以前のサービングセル、又は規格仕様によって設定できる。UEは、UEのGPS情報に基づいて移動速度を評価することができる。その結果、UEは、基準点に到達又は近づくのにかかる時間を推定し、TN等のターゲットネットワークのセル再選択のためのセルサーチをいつ開始するかを決定することができる。
【0059】
別の実施形態では、基準点の位置とUEの位置情報との間の到達可能な距離は、キャンプされたネットワークから受信される又はUEに格納されるセル再選択情報に関するセルサーチに関連して提供され得る時間情報に基づいて決定され得る。例えば、第2のネットワーク(例えば、TN)に関連付けられた基準点は、UEが第2のネットワークに到達する予測時間(例えば、基準点に関連する基準点の位置情報とUEの位置情報との間の距離、及びUEの移動速度に基づく)が時間しきい値の未満である場合に、到達可能な距離内にあると判定される。時間しきい値は、キャンプされたネットワークから受信される又はUEに格納されるセル再選択情報に関するセルサーチに関連して提供され得る。タイミング基準が満たされ、UEが基準点に近づいている又は接近している場合に、基準点は、UEの到達可能な距離内にあると判定され得る。
【0060】
更なる実施形態では、UEは、現在のサービングセルから基準点の位置又は時間情報を受信することなく、基準点がその到達可能な距離内にあるかどうかを判定することができる。このような状況では、UEは、GIS情報に基づいて判定を行うことができる。換言すれば、GIS情報で指定される基準点の位置とUEの位置との間の距離が距離しきい値未満であると推定される場合に、基準点は到達可能な距離内にあると判定される。さらに、UEが基準点に近づいている又は近接しているかという条件も考慮に入れることができる。
【0061】
一実施形態では、基準点の位置情報が、基準点がUEの到達可能な距離内にないと評価されることを示す場合に、更なる評価を行うことができる。詳細には、UEがNTNセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)が、UEがTNセルを優先する(例えば、TNセルの優先順位がNTNセルの優先順位よりも高い)場合に、UEは、TNセルのセル再選択のためのセルサーチ等の、セル再選択のための優先ネットワークに関連付けられた周波数のサーチを停止する場合がある。UEは、依然として、NTNセルのセル再選択のためのセルサーチを実行することができる。UEは、システム情報の次の取得に成功するまで、TNセルをサーチするかどうかのセル再選択評価のためのセルサーチを再起動又は再開することができない。NTN通信システムでは、新しい衛星が到着し、UEがその衛星に関連するサービングセルのカバレッジに入るときに、新しいシステム情報がブロードキャストされ得ることに留意されたい。従って、UEは、好ましくは、新しいシステム情報を受信するときに、セル再選択のためのセルサーチの評価を行うように再開することができる。一実施形態では、タイマーが、セル再選択のためのセルサーチの評価を再開するために設定され得る。このため、セルサーチが停止した後に、UEは、タイマーの満了に従って、TNセルのセルサーチ評価を再開又は再起動することができる。
【0062】
別の実施形態では、UEがTNセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)が、UEがNTNセルを優先する(すなわち、NTNセルの優先順位がTNセルの優先順位よりも高い)場合に、UEは、NTNセルのセル再選択のためのセルサーチ等の、優先ネットワークに関連付けられた周波数のサーチを停止する場合がある。その後、UEは、衛星に関連するエフェメリス情報を参照することによって、NTNセルのサーチを再開又は再始動することができる(さらに、UEのGPS/GNSS位置情報を考慮に入れることができる)。エフェメリス情報によれば、UEは、特定の衛星に対応するNTNセルが、UEにサービスを提供できる指定位置にいつ到着するかを認識し、優先NTNセルのセル再選択のためにセルサーチをいつ再開するかを推定及び決定する。
【0063】
一実施形態では、UEは、基準点の位置情報が、UEによってサポートされるPLMN ID又はPLMN IDリストを含む又は示すかどうかをさらに判定することができる。例えば、基準点がUEの到達可能な距離内にあるかどうかを判定するステップ(例えば、セル選択又は再選択評価プロセス50のステップ510)の前に、UEは、基準点の位置情報に関連付けられるサポートされるPLMNが存在するかどうかをさらに判定することができる。そのような状況では、基準点が到達可能な距離内にあり、到達可能な基準点に関連付けられるUEの少なくとも1つのサポートされるPLMNが存在する場合にのみ、UEは、セル再選択のためのセルサーチを実行することができる。上述したように、サポートされるPLMNは、登録されたPLMN(RPLMN)、同等のRPLMN(ERPLMN)、ホームPLMN(HPLMN)、及び同等のHPLMN(EHPLMN)を含み得るが、これらに限定されるものではない。結果として、基準点の位置情報が、優先ネットワークの隣接セル(例えば、TNセル)がUEの到達可能な距離内にあり、隣接セルがUEによってサポートされる少なくとも1つのPLMNに関して機能することを示すときに、UEは、セル再選択のためのセルサーチを実行して周波数をサーチすることができる。
【0064】
さらに、UEは、サービングセルから以前に取得したセルサーチ情報(基準点に関連する位置情報を含み得る)の設定を保持する又は解放するかを決定するように要求される。例えば、UEは、TNセルによってサービスされ、次に、UEがTNセルカバレッジを離れるときに、NTNセルに転送され得る。UEは、UEがTNセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)ときに、セル再選択のためのセルサーチを実行するためのセルサーチ情報の設定で設定され得る。UEが、TNセルカバレッジを離れ、TNセルへのアクセスに失敗した後に、UEは、セルサーチの設定がまだ有効であるかどうかを判定する必要がある。一実施形態では、UEは、NTNセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)ときに、セルサーチ情報の設定の適用を停止/一時停止し、その設定を格納し、TNセルに関連付けられた少なくとも1つの基準点が、基準点の位置情報に従って到達可能な距離内にあると判定される場合に、セルサーチ情報の設定の適用を開始/再開することができる。あるいはまた、UEは、セルサーチ情報の設定を解放又は破棄することができる。
【0065】
図6を参照されたい。図6は、本発明の一実施形態による、セル再選択評価プロセス60のためのセルサーチのフローチャートである。セル再選択評価プロセス60のためのセルサーチは、UEにおいて、セル再選択のためのセルサーチを処理するために、第1のネットワーク(例えば、NTN)のサービングセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)非アクティブモード又はアイドルモードで利用され得る。セル再選択評価プロセス60のためのセルサーチは、プログラムコード314にコンパイルすることができ、以下のステップを含む。
【0066】
ステップ600:開始する。
【0067】
ステップ601A:UEがセルサーチ情報の有効な設定を格納しているかどうかを判定する。はいの場合に、ステップ601Bに進む。それ以外の場合に、ステップ602に進む。
【0068】
ステップ601B:システム情報の取得に成功したときに、格納したセルサーチ情報の設定を再開する。ステップ602に進む。
【0069】
ステップ602:サービングセルのセルサーチ情報の設定が周波数及び周波数優先順位情報に関連付けられているかどうかを判定する。はいの場合に、ステップ604に進む。それ以外の場合に、ステップ607に進む。
【0070】
ステップ604:セルサーチ情報の設定が、サービングセルの周波数よりも高い優先順位を有する任意の周波数及び周波数優先順位情報を示唆するかどうかを判定する。はいの場合に、ステップ606に進む。それ以外の場合に、ステップ607に進む。
【0071】
ステップ606:セルサーチ情報の設定が基準点の位置情報を含むかどうかを判定する。はいの場合に、ステップ610に進む。それ以外の場合に、ステップ607に進む。
【0072】
ステップ607:格納したセルサーチ情報の設定を解放する。ステップ608に進む。
【0073】
ステップ608:基準点の位置情報を考慮せずに、セル再選択評価のためにセルサーチを実行する。
【0074】
ステップ610:基準点の位置情報が、第2のネットワークの基準点がUEの到達可能な距離内にあることを示唆するかどうかを判定する。はいの場合に、ステップ612に進む。それ以外の場合に、ステップ614に進む。
【0075】
ステップ612:セルサーチ情報の設定に従って、基準点に関連する第2のネットワークの周波数をサーチする。
【0076】
ステップ614:第2のネットワークの周波数のサーチを停止する。
【0077】
セル再選択評価プロセス60のためのセルサーチによれば、UEは、セル再選択のためのセルサーチの評価を行うときに、格納したセルサーチ情報の設定をさらに考慮することができる。UEは、NTNセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)非アクティブモード又はアイドルモードであり得、UEは、以前のサービングTNセルによって提供された周波数優先順位情報に関連する周波数情報を含み得るセルサーチ情報の設定を取得し得ることに留意されたい。セルサーチ情報の設定は、UEがTNセルのカバレッジを離れた場合であっても、設定された有効時間又は設定された有効領域内で有効であり得る。このような状況では、UEは、セル再選択評価のためにセルサーチのプロセスを実行する前に、UEに格納されたセルサーチ情報の設定が有効であるかどうかを判定することができる(ステップ601A)。格納したセルサーチ情報の設定が有効である場合に、UEは、格納したセルサーチ情報の設定を再開し、格納され、再開されたセルサーチ情報の設定に従って、セル再選択プロセスのためのセルサーチの評価を行うことができる。格納及び再開されたセルサーチ情報の設定は、周波数及び周波数優先順位情報をさらに含み得、周波数情報は、基準点の位置情報の情報にさらに関連付けられ得る。格納されたセルサーチ情報の設定が有効でない場合に、UEは、現在のサービングセルから受信したUE専用のセルサーチ情報の設定又は現在のサービングセルからブロードキャストされたセルサーチ情報の共通設定に基づいて、以下のステップを実行することができる。
【0078】
セル再選択評価プロセス60のためのセルサーチにおいて、ステップ602、604、及び606の動作は、それぞれ、セル再選択評価プロセス50のためのセルサーチにおけるステップ502、504、及び506の動作と類似しており、ここに詳述しない。続いて、UEが、格納された有効なセルサーチ情報の設定を適用して、セル再選択評価のためにセルサーチを実行するときであって、UEが、現在のサービングセル周波数の優先順位よりも高い優先順位に関連するセルサーチ情報の設定に周波数が含まれないと判定した場合に、UEは、格納したセルサーチ情報の設定を解放することができる。換言すれば、UEは、UEがキャンプしているネットワーク(例えば、NTNネットワーク)のサービングセルの周波数が、格納したセルサーチ情報の設定によって示される周波数の優先順位よりも高い優先順位に関連付けられたときに、格納したセルサーチ情報の設定を解放する。さらに、UEは、格納したセルサーチ情報の設定が無効である場合に(例えば、有効時間を超えた場合、例えば、対応するタイマーが満了した場合、例えば、有効領域内にない場合に)、格納したセルサーチ情報の設定を解放又は破棄することができる。
【0079】
セル再選択評価プロセス60のためのセルサーチにおいて、ステップ608、610、612、及び614の動作は、それぞれ、セル選択又は再選択評価プロセス50におけるステップ508、510、512、及び514の動作と同様であり、ここでは詳述しない。
【0080】
一実施形態では、UEは、基準点の位置情報がUEによってサポートされるPLMN ID又はPLMN IDリストに関連付けられるかどうかをさらに判定することができる。例えば、基準点がUEの到達可能な距離内にあるかどうかを判定するステップ(例えば、セル選択又は再選択評価プロセス60のステップ610)の前に、UEは、基準点の位置情報に関連付けられるサポートされているPLMNが存在するかどうかをさらに判定することができる。換言すれば、PLMN情報を含む上述した動作は、セル再選択評価プロセス60のためのセルサーチに関連する実施形態にも適用可能である。PLMN情報を含む詳細な実施態様及び動作は、上記の段落で説明したものと同様であり、ここでは省略する。
【0081】
格納したセルサーチ情報の設定が解放された後に、UEは、格納したセルサーチ情報の設定の解放後にサービングセルからのシステム情報の取得が成功したときに、TNセルをサーチするかどうかのセル再選択評価のためのセルサーチを再開又は再始動することができ、そのシステム情報は、特定の衛星がUEにサービスを提供することができる指定された位置に到着し、UEがそのサービングセルのカバレッジに入るときに受信され得ることに留意されたい。
【0082】
要約すると、本発明は、TNとNTNとが共存するワイヤレス通信システムのセル再選択のためのセルサーチを処理する方法を提供することを目的としている。UEがNTNセルによってサービスされる(例えば、キャンプされる)場合に、NTNのgNBは、NTNセルのカバレッジに関連する基準点の位置情報をUEに送信することができる。一実施形態では、セルサーチ情報の設定は、基準点の位置情報を含み、システム情報を通じて提供され得る。基準点の位置情報は、基準点の位置を示してもよく、UEは、基準点の位置情報に従って、セル再選択のためのセルサーチを実行するかどうかを判定することができる。基準点の位置情報は、TNセルのアクセスポイント及び/又はTNセルが展開される地理的位置を示し得る。従って、UEは、受信した基準点の位置情報に従って、セル再選択のためのセルサーチの評価を行うことができる。
【0083】
より具体的には、UEが、UEの到達可能な距離内に基準点が存在することを示唆する基準点の位置情報を推定及び決定するときに、UEは、セル再選択のためのセルサーチのために周波数をサーチすることができる。そうでなければ、UEが、UEの到達可能な距離内に基準点が存在しないことを示唆する基準点の位置情報を推定及び決定するときに、UEは、セル再選択のためのセルサーチのために周波数のサーチを停止することができる。一実施形態では、セルサーチ情報の設定は、隣接するセルの周波数をさらに含み、周波数優先順位情報を周波数と関連付けることができる。UEは、セル再選択のためのセルサーチの評価のために周波数優先順位情報をさらに考慮することができ、セルサーチ情報の設定は、UEの以前のサービングセルから受信され、UEに格納され得る。UEは、セルサーチ情報の設定の有効性をチェックし、セルサーチ情報の設定が有効である場合に、セル再選択のためのセルサーチの評価中にセルサーチ情報の設定を再開することを決定することができる。UEが、そのUEがセルサーチ情報の設定によって示される周波数に関連付けられた優先順位よりも高い優先順位を有するサービングセルの周波数によってサービスされる(例えば、キャンプされる)と判定した場合に、UEは、格納したセルサーチ情報の設定を解放することができる。あるいはまた、セルサーチ情報の設定は、現在キャンプされているサービングセルから受信されるか、又はシステム情報を通じてブロードキャストされ得る。
【0084】
一実施形態では、セルサーチ情報の設定は、基準点の位置情報を含み得、NTNセルは、基準点に関連するPLMN IDをUEにさらに送信し得、ここで、UEは、PLMN情報を考慮することにより、セル再選択のためのセルサーチの評価を実行し得る。より具体的には、周波数に関連付けられたPLMN IDの少なくとも1つがUEによってサポートされている場合に、UEは、セル再選択のためのセルサーチを周波数に対して実行することができる。
【0085】
結果として、本発明の実施形態では、基準点の位置情報によれば、UEは、TNセルが到達可能な距離内にないときであって、TNセルの周波数情報がNTNサービングセルから提供されており、TN周波数の優先順位がサービングセルよりも高い場合であっても、TNセルをサーチする際のバッテリ電力の消費を防ぐために、TNセルのセルサーチを実行しない場合がある。TNセルがUEの到達可能な距離内にある場合にのみ、UEは、TNセルのセル再選択のためのセルサーチを実行する。従って、TNセルが到達可能な距離内にない場合であっても、UEがセル再選択のためにセルサーチを実行することで電力を浪費するという問題を軽減する。
【0086】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置及び方法の多数の修正及び変更を行うことができることを容易に認めるだろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲及び境界によってのみ制限されると解釈すべきである。
図1
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図5
図6