(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置
(51)【国際特許分類】
B29C 49/42 20060101AFI20221006BHJP
B29C 49/36 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B29C49/42
B29C49/36
(21)【出願番号】P 2020511942
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(86)【国際出願番号】 IB2018056633
(87)【国際公開番号】W WO2019043617
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-06-18
(31)【優先権主張番号】102017000098233
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516023722
【氏名又は名称】サクミ・イモラ・ソシエタ・コーペラティバ
【氏名又は名称原語表記】SACMI IMOLA S.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レ,エミリオ
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-532035(JP,A)
【文献】特表2000-512929(JP,A)
【文献】特表2017-521279(JP,A)
【文献】特表平10-503135(JP,A)
【文献】特表2003-516915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00 - 49/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形プラスチック容
器のための装置(1)であって、ブロー成形カルーセル(10)を備え、
前記ブロー成形カルーセル(10)は、主回転軸(100)を中心として回転可能であるとともに、第1の移送ステーションおよび第2の移送ステーション(20,30)において、プリフォーム(50)を供給するためのライン(21)とボトル(51)を抜取るためのライン(22)とに機能的に接続されており、前記ブロー成形カルーセル(10)は、その周辺領域(11)において、前記主回転軸(100)のまわりに配置された複数の形成ユニット(12)を支持しており、
各々の形成ユニット(12)は型(13)を含み、前記型(13)は、第1の形成キャビティおよび第2の形成キャビティ(14a,14b)を規定しているとともに、2つの片側モールド部(13a,13b)によって形成されており、前記2つの片側モールド部(13a,13b)は、前記プリフォーム(50)の供給および前記ボトル(51)の抜取りのための開位置と、少なくとも1つの形成キャビティ(14a,14b)が規定される閉位置とになるように、互いに相対的に移動することができ、
前記第1の移送ステーション(20)は移送カルーセル(23)を含み、前記移送カルーセル(23)は、前記主回転軸(100)に対して平行な前記移送カルーセルの軸(101)を中心として回転可能であるとともに、複数のグリップ要素(24a,24b)を支持しており、前記複数のグリップ要素(24a,24b)は、それぞれのプリフォーム(50)を供給のための前記ライン(21)からピックアップして形成キャビティ(14)に供給するように適合されたそれぞれのグリップ体(25a,25b)に関連付けられており、
前記移送カルーセル(23)は、第1のグリップ要素(24a)および第2のグリップ要素(24b)を支持しており、前記第1のグリップ要素(24a)は、前記第1のグリップ要素(24a)に関連付けられた各グリップ体(25a)ごとに第1の移動軌道を規定するように適合された第1の移動手段(26a)に機能的に関連付けられており、前記第2のグリップ要素(24b)は、前記第2のグリップ要素(24b)に関連付けられた各グリップ体(25b)ごとに第2の移動軌道を規定するように適合された第2の移動手段(26b)に機能的に関連付けられており、
それぞれの前記グリップ体(25a,25b)が互いに異なる位置に配置されたそれぞれの解放領域におけるそれぞれの前記形成キャビティ(14)に前記プリフォーム(50)を供給することを可能にするために、前記第1の移動軌道と前記第2の移動軌道とは異なっており、
前記第1のグリップ要素(24a)は、それぞれのプリフォーム(50)を前記第1の形成キャビティ(14a)に供給するように適合されており、前記第2のグリップ要素(24b)は、それぞれのプリフォーム(50)を前記第2の形成キャビティ(14b)に供給するように適合されている、装置(1)。
【請求項2】
前記第1の移動手段(26a)は第1のカム(27a)を含み、前記第1のカム(27a)は、支持構造によって支持されているとともに、前記移送カルーセルの軸(101)を中心とした回転中に前記第1のグリップ要素(24a)に関連付けられた少なくとも1つの第1の係合要素(29a)によって係合させることができる、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第2の移動手段(26b)は第2のカム(27b)を含み、前記第2のカム(27b)は、前記支持構造によって支持されているとともに、前記移送カルーセルの軸(101)を中心とした回転中に前記第2のグリップ要素(24b)に関連付けられた少なくとも1つの第2の係合要素(29b)によって係合させることができる、
請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記第2の移送ステーション(30)は、実質的に前記移送カルーセル(23)のように構成された抜取りカルーセル(33)を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記第1の移動手段(26a)は、前記第2の移動手段(26b)に対して異なる高さに配置されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記第1のグリップ要素(24a)および前記第2のグリップ要素(24b)は、前記移送カルーセル(23)の前記主回転軸(101)を中心として互いに交互になるように配置されている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記第1のグリップ要素(24a)に関連付けられた前記グリップ体(25a)および前記第2のグリップ要素(24b)に関連付けられた前記グリップ体(25b)は同じ高さに位置している、
請求項1~6のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項8】
ブロー成形プラスチック容
器のための装置(1)であって、ブロー成形カルーセル(10)を備え、
前記ブロー成形カルーセル(10)は、主回転軸(100)を中心として回転可能であるとともに、第1の移送ステーションおよび第2の移送ステーション(20,30)において、プリフォーム(50)を供給するためのライン(21)とボトル(51)を抜取るためのライン(22)とに機能的に接続されており、前記ブロー成形カルーセル(10)は、その周辺領域(11)において、前記主回転軸(100)のまわりに配置された複数の形成ユニット(12)を支持しており、
各々の形成ユニット(12)は型(13)を含み、前記型(13)は、第1の形成キャビティおよび第2の形成キャビティ(14a,14b)を規定しているとともに、2つの片側モールド部(13a,13b)によって形成されており、前記2つの片側モールド部(13a,13b)は、前記プリフォーム(50)の供給および前記ボトル(51)の抜取りのための開位置と、少なくとも1つの形成キャビティ(14a,14b)が規定される閉位置とになるように、互いに相対的に移動することができ、
前記第1の移送ステーション(20)は移送カルーセル(23)を含み、前記移送カルーセル(23)は、前記主回転軸(100)に対して平行な前記移送カルーセルの軸(101)を中心として回転可能であるとともに、複数のグリップ要素(24a,24b)を支持しており、前記複数のグリップ要素(24a,24b)は、それぞれのボトル(51)をそれぞれの形成キャビティ(14)からピックアップして抜取りのための前記ライン(22)に移送するように適合されたそれぞれのグリップ体(25a,25b)に関連付けられており、
前記移送カルーセル(23)は、第1のグリップ要素(24a)および第2のグリップ要素(24b)を支持しており、前記第1のグリップ要素(24a)は、前記第1のグリップ要素(24a)に関連付けられた各グリップ体(25a)ごとに第1の移動軌道を規定するように適合された第1の移動手段(26a)に機能的に関連付けられており、前記第2のグリップ要素(24b)は、前記第2のグリップ要素(24b)に関連付けられた各グリップ体(25b)ごとに第2の移動軌道を規定するように適合された第2の移動手段(26b)に機能的に関連付けられており、
それぞれの前記グリップ体(25a,25b)がそれぞれの前記形成キャビティ(14)に前記ボトル(51)を抜取ることを可能にするために、前記第1の移動軌道と前記第2の移動軌道とは異なっており、
前記第1のグリップ要素(24a)は、それぞれのボトル(51)を前記第1の形成キャビティ(14a)から抜取るように適合されており、前記第2のグリップ要素(24b)は、それぞれのボトル(51)を前記第2の形成キャビティ(14b)から抜取るように設計されている、装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロー成形プラスチック容器のための装置は公知であって、広く使用されている。当該装置はブロー成形カルーセルを含む。ブロー成形カルーセルは、それ自体の軸を中心として回転可能であるとともに、それ自体の周辺部分に複数の形成ユニットまたはブロー成形ユニットを備える。
【0003】
ブロー成形ユニットの各々は、2つの片側モールド部を含む。片側モールド部の各々は、開位置と閉位置との間で互いに相対的に移動可能である。
【0004】
各々のブロー成形ユニットは、初めはそれぞれプリフォームである対応するボトルをブロー成形するための、1つまたは2つの形成キャビティを規定することができる。
【0005】
多くの場合、2つの片側モールド部は形成ユニットが前進する経路に対して実質的に径方向である閉じ面で閉じるように方向付けられている。
【0006】
本出願人の名義であるWO2010/013206は、ブロー成形プラスチック容器のための装置を開示している。当該装置は、ブロー成形ボトルのためのブロー成形機と、ブロー成形機にプリフォームを供給するためのラインと、ブロー成形機からボトルを抜取るためのラインとを備える。
【0007】
ブロー成形機はブロー成形カルーセルを含む。ブロー成形カルーセルは、垂直軸を中心として回転可能であるとともに、第1の移送ステーションおよび第2の移送ステーションにおいてプリフォーム供給ラインおよびボトル抜取りラインに機能的に接続されている。
【0008】
カルーセルは、それ自体の周端縁で複数の形成ユニットを支持している。複数の形成ユニットは、カルーセル軸のまわりに特定のピッチで均一に分散されている。
【0009】
各々の形成ユニットは、2つの片側モールド部によって形成された型を含む。2つの片側モールド部の各々は、開位置と2つの形成キャビティが形成される閉位置との間で、カルーセル軸に対して平行な回動軸を中心として、作動装置の推力を受けて回転させるために、カルーセルを旋回軸とするように取付けられている。
【0010】
2つの片側モールド部は形成ユニットの経路に対して実質的に接線となる閉じ面で閉じるように方向付けられている。
【0011】
形成ユニットへのプリフォームの供給は移送カルーセルを用いることによって行われる。移送カルーセルは、ブロー成形カルーセルの軸に対して平行な軸を中心として回転可能であるとともに、それ自体の周端縁に沿って、径方向に突き出る複数のグリップユニットを有している。
【0012】
各々のグリップユニットは支持ロッカーを備える。支持ロッカーは、実質的に垂直な回動軸を中心として回転するように、移送カルーセルを旋回軸とするように取付けられており、その第1のアームにカムフォロアを備えている。カムフォロアは、回動軸を中心としてロッカーの角度位置を制御するように適合されたカムと接触するように適合されている。
【0013】
ロッカーは、スライダによって摺動し得るように係合された第2の細長アームを備える。第2の細長アームはカムフォロアを備える。カムフォロアは、当該アームに沿ってスライダの位置を制御するように適合されたカムと接触するとともに、その自由端のうち、当該アームの外側に突出る1つの自由端においてグリップアセンブリを支持している。グリップアセンブリはロッカー本体を備える。ロッカー本体は、機械式または電動式の作動装置の推力を受けて、垂直な支点軸を中心としてスライダに対して相対的に回転するように、スライダを旋回軸とするように取付けられている。
【0014】
アームは、平行であるとともに横方向に隣接する2つのグリップ要素を支持する。2つのグリップ要素は、同じ形成ユニットに規定されている2つの形成キャビティ同士の間と同じ距離だけ互いに間隔を空けて配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述の解決策は、形成ユニットの各々が主カルーセルに接する閉じ面で2つの片側モールド部を規定している場合でもこれら形成ユニットにそれぞれプリフォームを供給することを可能にする一方で、いくつかの欠点を有している。
【0016】
第一に、適切に管理されなければならない大きな自由度をもつグリップ要素を移動させるための動力学的システムには何らかの複雑さが確認される。
【0017】
さらに、グリップ要素の構築方法に起因して、プリフォームを供給ラインからピックアップする際に、供給ラインのうち、プリフォーム分散ピッチが同じ形成ユニットの形成キャビティ同士の間の距離に実際に一致しているカーブ部分に沿って、ピックアップを行わなければならなくなる。
【0018】
EP2412651は、ボトル詰め工場のための移送用スターホイールと、ボトル詰め工場においてプリフォームおよび容器を移送するための方法とを開示および例示している。
【0019】
この移送用スターホイールは、未処理のプリフォームまたは容器上で機能的に作動する第1のグリップ手段と、形成された容器または処理された容器上で機能的に作動する第2のグリップ手段とを備える。
【0020】
第1のグリップ手段が未処理のプリフォームまたは容器を処理ステーションに送るように、かつ、第2のグリップ手段が成型された容器または処理された容器を第2の処理ステーションからピックアップするように、移送用スターホイールを処理ステーションに向かって移動させることができる。
【0021】
特に、第1のグリップ手段は第2のグリップ手段と交互になるようにスターホイール上に配置されている。
【0022】
この場合、第1のグリップ手段および第2のグリップ手段はともに、同じ経路に追従するが、異なる作動部分を有している。
【0023】
いずれの場合にも、第1のグリップ手段だけが投入部と処理アセンブリとの間で動作し、第2のグリップ手段だけが処理アセンブリと出力部との間で動作する。
【0024】
本発明の意図は、上述の局面のうち1つ以上における背景技術を改善することができる、ブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置を提供することである。
【0025】
本発明の目的は、この意図の範囲内で、構造上単純であるとともに使用時に極めて融通性の高い、ブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、占有空間が制限されているとともに、メンテナンスのための動作およびさまざまな構成要素へのアクセスを容易にすることができる、ブロー成形プラスチック容器のための装置を提案することである。
【0027】
本発明の別の目的は、極めて確実かつ比較的容易に競争力のある価格で提供できる、ブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
以下においてより明らかになるであろうこの意図ならびにこれらおよび他の目的は、任意には従属請求項の特徴のうち1つ以上を備えた、請求項1に従った、ブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置によって実現される。
【0029】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面における非限定的な例を参照して例示されている、本発明に従ったブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置についてのいくつかの好ましいが非排他的である実施形態の記載から、より明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】破線で示されているいくつかのグリップ要素が径方向に抜き出されてそれぞれの移動手段から離されるように配置されている、移送カルーセルを示す斜視図である。
【
図3】第1のカムと第2のカムとの間に配置された実質的に水平な面に沿って示される移送カルーセルの断面図である。
【
図4】
図2の線IV-IVによって示される配置面に沿った断面図である。
【
図5】
図3の線V-Vによって示される配置面に沿った断面図である。
【
図6】
図3の線VI-VIによって示される配置面に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図を参照して、本発明に従ったブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置は全体が参照番号1で示されており、ブロー成形カルーセル10を含む。ブロー成形カルーセル10は、主回転軸100を中心として回転可能であるとともに、第1の移送ステーション20および第2の移送ステーション30において、プリフォーム供給ライン21およびボトル抜取りライン22に機能的に接続されている。
【0032】
ブロー成形カルーセル10は、それ自体の周辺領域11において、主回転軸100のまわりに配置された複数の形成ユニット12を支持している。
【0033】
各々の形成ユニット12は、2つの片側モールド部13aおよび13bによって形成された型13を含む。片側モールド部13aおよび13bは、プリフォーム50の供給およびボトル51の抜取りのための開位置と、少なくとも1つの形成キャビティ14が規定される閉位置とになるように、互いに相対的に移動することができる。
【0034】
第1の移送ステーション20は、主回転軸100に対して平行な移送カルーセルの軸101を中心として回転可能である移送カルーセル23を含む。
【0035】
移送カルーセル23は複数のグリップ要素24a,24bを支持する。複数のグリップ要素24a,24bは、供給ライン21からそれぞれのプリフォーム50をピックアップしてそれぞれの形成キャビティ14に供給するように適合されたそれぞれのグリップ体25a,25bに関連付けられている。
【0036】
本発明に従うと、移送カルーセル23は第1のグリップ要素24aおよび第2のグリップ要素24bを支持する。第1のグリップ要素24aは、第1のグリップ要素24aに関連付けられた各グリップ体25aごとに第1の移動軌道を規定するように適合された第1の移動手段26aに機能的に関連付けられている。第2のグリップ要素24bは、第2のグリップ要素24bに関連付けられた各グリップ体25bごとに第2の移動軌道を規定するように適合された第2の移動手段26bに機能的に関連付けられている。
【0037】
便宜上、第2の移動軌道は第1の移動軌道とは異なっている。
それぞれのグリップ体25a,25bが互いに異なる位置に配置されたそれぞれの解放領域におけるそれぞれの形成キャビティ14にプリフォーム50を供給することを可能にするために、特に、第1の移動軌道と第2の移動軌道とは異なっている。
【0038】
一例として、それぞれの解放領域は、主回転軸100のまわりに互いに角度をなして間隔を空けるように配置されている。
【0039】
それぞれの解放領域はまた、主回転軸100に対して径方向に互いに間隔を空けて配置されていてもよい。
【0040】
本発明の特に重要な一局面に従うと、第1のグリップ要素24aおよび第2のグリップ要素24bは、移送カルーセル23の主回転軸101のまわりに互いに交互になるように配置されている。
【0041】
有利には、各々の型13は第1の形成キャビティ14aおよび第2の形成キャビティ14bを規定している。
【0042】
第1のキャビティ14aは、たとえば、ブロー成形カルーセル10の前進方向に対して第2のキャビティ14bの上流に配置されている。
【0043】
第1のグリップ要素24aは、第1の形成キャビティ14aにそれぞれのプリフォーム50を供給するように適合されており、第2のグリップ要素24bは、第2の形成キャビティ14bにそれぞれのプリフォーム50を供給するように適合されている。
【0044】
したがって、本発明は、予め設定されたピッチで供給されたプリフォームをピックアップして、交互の可変ピッチでこれらプリフォームを解放することによって、異なる軌道をもたらして、それぞれ2つのキャビティを有する型にこれらプリフォームを供給することを可能にすることによって、単一の移送カルーセルで複数のプリフォームをそれぞれ複数の型に供給することを可能にする。
【0045】
便宜上、第1の移動手段26aは第1のカム27aを含む。第1のカム27aは、支持構造によって支持されており、移送カルーセル23の軸101を中心とした回転中に、第1のグリップ要素24aに関連付けられた少なくとも1つの第1の係合要素29aによって係合させることができる。
【0046】
有利には、第2の移動手段26bは第2のカム27bを含む。第2のカム27bは、支持構造によって支持されており、移送カルーセル23の軸101を中心とした回転中に、第2のグリップ要素24bに関連付けられた少なくとも1つの第2の係合要素29bによって係合させることができる。
【0047】
便宜上、第1の移動手段26aは、第2の移動手段27aに対して異なる高さに配置されている。
【0048】
図に示される実用的な実施形態を参照すると、第1の移動手段25aおよび第2の移動手段26bがそれぞれ第1のカム26aおよび第2のカム27bを含む場合、これらのカムは、実質的に水平であるとともに互いに平行であって垂直方向に間隔を空けて配置されているそれぞれの配置面上において、主回転軸101のまわりに延在している。
【0049】
第1のグリップ要素24aに関連付けられたグリップ体25aと第2のグリップ要素24bに関連付けられたグリップ体25bとは同じ高さに位置する。
【0050】
好ましくは、第2の移送ステーション30は、実質的に移送カルーセル23のように構成された抜取りカルーセル33を含む。
【0051】
さらなる局面に従うと、本発明は、全体が参照番号1で示されている、ブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置に関する。当該装置はブロー成形カルーセル10を含む。ブロー成形カルーセル10は、主回転軸100を中心として回転可能であるとともに、第1の移送ステーション20および第2の移送ステーション30において、プリフォーム供給ライン21およびボトル抜取りライン22に機能的に接続されている。
【0052】
ブロー成形カルーセル10は、それ自体の周辺領域11において、主回転軸100のまわりに配置された複数の形成ユニット12を支持している。
【0053】
各々の形成ユニット12は、2つの片側モールド部13aおよび13bによって形成された型13を含む。2つの片側モールド部13aおよび13bは、プリフォーム50の供給およびボトル51の抜取りのための開位置と、少なくとも1つの形成キャビティ14が規定される閉位置とになるように、互いに相対的に移動することができる。
【0054】
第2の移送ステーション30は移送カルーセル23を含む。移送カルーセル23は、主回転軸100に対して平行な移送カルーセル軸101を中心として回転可能である。
【0055】
移送カルーセル23は、それぞれのボトル51を形成カルーセル10からピックアップして抜取りライン22に供給するように適合されたグリップ体25a,25bにそれぞれ関連付けられた複数のグリップ要素24a,24bを支持している。
【0056】
本発明に従うと、移送カルーセル23は第1のグリップ要素24aおよび第2のグリップ要素24bを支持している。第1のグリップ要素24aは、第1のグリップ要素24aに関連付けられた各グリップ体25aごとに第1の移動軌道を規定するように適合された第1の移動手段26aに機能的に関連付けられている。第2のグリップ要素24bは、第2のグリップ要素24bに関連付けられた各グリップ体25bごとに、第1の移動軌道とは異なる第2の移動軌道を規定するように適合された第2の移動手段26bに機能的に関連付けられている。
【0057】
移送カルーセル23は上述の特徴のうち1つ以上を有し得る。
ブロー成形プラスチック容器、特にボトル、のための装置の動作は、以下のとおりである。
【0058】
供給ライン21は、第1の移送ステーション20において移送カルーセル23によってピックアップされるプリフォーム50を供給する。
【0059】
供給ライン21に沿って到着するプリフォームは、第1の移動手段26aに関連付けられた第1のグリップ要素25aと、第2の移動手段26bに関連付けられた第2のグリップ要素25bとによって、交互にピックアップされる。
【0060】
第1のグリップ要素25aおよび隣接する第2のグリップ要素25bによって移送される複数のプリフォーム50は、第1の形成キャビティ14aおよび第2の形成キャビティ14bを規定している同じ型13に配置されてもよい。第1の形成キャビティ14aの内部には、第1のグリップ要素25aによって移送されるプリフォーム50が供給されることとなる。第2の形成キャビティ14bの内部には、第1のグリップ要素25aによって移送されるプリフォーム50が供給されることとなる。
【0061】
次いで、片側モールド部が閉位置に設定されると、ブロー成形カルーセルの主回転軸を中心とした形成ユニットの回転中にボトルが形成される。
【0062】
形成された1本のボトル51または複数本のボトル51を抜取ること、および供給ライン21から到着するプリフォーム50を供給することを可能にするために、第2の移送ステーション30において、2つの片側モールド部が開位置に設定される。
【0063】
上述したように、第2の移送カルーセル30は移送カルーセル23を含んでいてもよい。
【0064】
装置1はまた、移送カルーセル23を含む第2の移送ステーション30だけを有していてもよい。
【0065】
この場合、それぞれのグリップ体25a,25bが、ボトル51を、それぞれの形成キャビティ14に、特に第1の形成キャビティ14aおよび第2の形成キャビティ14bから、抜取ることを可能にするために、第1の移動軌道と第2の移動軌道とは異なっている。
【0066】
第1のグリップ要素24aは、特に第1の形成キャビティ14aからそれぞれのボトル51を抜取るように適合されており、第2のグリップ要素24bは、第2の形成キャビティ14bからそれぞれのボトル51を抜取るように適合されている。
【0067】
形成キャビティを1つだけ規定する型を備えた装置1の動作は、単に、型の交換と、第1のグリップ要素25aまたは第2のグリップ要素25bの取外しとを必要とするに過ぎない。
【0068】
実際には、本発明が所期の意図および目的を達成することが判明した。
このように想到された本発明は、多くの変形および変更が可能であって、それらすべては添付の特許請求の範囲内である。すべての詳細は他の技術的に等価な要素とさらに置換えられてもよい。
【0069】
実際には、使用される材料ならびに起こり得る形状および寸法も、必要条件および現状技術に応じて、如何なるものであってもよい。
【0070】
本願が優先権を主張する基となるイタリア特許出願102017000098233の開示を本明細書中に引用によって援用する。
【0071】
請求項に記載の技術的特徴に続いて参照符号が示されている場合、これらの参照符号は請求項を理解し易くするために含まれているだけであり、したがって、このような参照符号には、これら参照符号によって例示によって特定される各要素の解釈に対する限定効果はない。