(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】洗浄槽及び当該洗浄槽を備える洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 37/12 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
D06F37/12 H
(21)【出願番号】P 2020544819
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 CN2019075738
(87)【国際公開番号】W WO2019165927
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-02-16
(31)【優先権主張番号】201810162009.0
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】518357782
【氏名又は名称】青島海爾智能技術研発有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】王襲
(72)【発明者】
【氏名】張蕊
(72)【発明者】
【氏名】▲ハォ▼興慧
(72)【発明者】
【氏名】呉迪
(72)【発明者】
【氏名】労春峰
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-140688(JP,U)
【文献】実開昭56-104471(JP,U)
【文献】中国実用新案第2659923(CN,Y)
【文献】米国特許出願公開第2013/0036776(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106868774(CN,A)
【文献】実開昭51-042674(JP,U)
【文献】特開平11-267397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 37/12
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄槽であって、
回転駆動されることができ、洗浄時に洗浄水を蓄えるための槽体を含み、
前記
槽体の側壁には、脱水時に前記
槽体内の前記洗浄水を排出するための排水経路が備わっており、前記排水経路は、前記排水経路内の前記洗浄水を迅速に排出するよう案内するための導水部を有
し、
前記排水経路は、入水口、吐水口及び前記洗浄槽の軸線から離間する外側壁を有し、
前記入水口は前記排水経路の上部に設けられ、前記吐水口は前記排水経路の下部に設けられ、
前記排水経路の前記外側壁の少なくとも一部が、前記入水口から前記吐水口に向かって前記洗浄槽の前記軸線から離間する方向に延伸することで前記導水部が形成され、
前記入水口は、前記槽体の脱水時における回転方向に面するように設けられる、
ことを特徴とする、洗浄槽。
【請求項2】
前記洗浄槽は
水路を含み、前記水路は前記槽体の側壁に設けられ、前記水路と前記槽体の前記側壁によって前記排水経路が形成され、前記排水経路の外側壁が、上方から下方に向かって前記洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜することで前記導水部が形成され、
或いは、前記洗浄槽は槽体と排水ダクトを含み、前記排水ダクトは前記槽体の側壁に設けられ、前記排水ダクトの内部に経路を有することで前記排水経路が形成され、前記排水ダクトの外側壁が、上方から下方に向かって前記洗浄槽の前記軸線から離間する方向に傾斜することで前記導水部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄槽。
【請求項3】
前記水路は前記槽体の内側壁に設けられ、前記水路と前記槽体の前記内側壁によって前記排水経路が形成され、前記水路と対向する前記槽体の前記内側壁が、上方から下方に向かって前記洗浄槽の前記軸線から離間する方向に傾斜することで前記導水部が形成され、
或いは、前記排水ダクトは前記槽体の内側壁に設けられ、前記排水ダクトの前記外側壁が、上方から下方に向かって前記洗浄槽の前記軸線から離間する方向に傾斜することで前記導水部が形成されることを特徴とする、請求項
2に記載の洗浄槽。
【請求項4】
前記槽体の槽壁の一部が外側に突出することで、開口が内側を向いた収容室が形成され、
装着プレートが前記収容室の前記開口に設けられ、且つ、前記収容室と共に前記排水経路を形成し、前記排水経路の前記外側壁は前記収容室の底壁であり、前記槽体の前記収容室の前記底壁は、上方から下方に向かって前記洗浄槽の前記軸線から離間する方向に傾斜していることを特徴とする、請求項
2又は
3に記載の洗浄槽。
【請求項5】
入水口
が前記装着プレートに開設され、吐水口
が前記収容室の底壁及び/又は側壁に開設され、前記装着プレートは、前記収容室の開口を閉塞すると共に、前記槽体の内壁に接続され
ることを特徴とする、請求項
4に記載の洗浄槽。
【請求項6】
前記水路は、凹型の空洞を有するカバー体であり、
前記カバー体は、対向して設けられる第1側板及び第2側板と、前記第1側板と前記第2側板の間に設けられ、前記槽体の前記側壁と対向する第3側板と、前記槽体の底部に面して設けられる底板を含み、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、前記底板によって前記凹型の空洞を有する前記カバー体が取り囲まれ、前記入水口が前記第1側板及び/又は前記第2側板に設けられることを特徴とする、請求項2又は3に記載の洗浄槽。
【請求項7】
前記第1側板は、前記槽体の脱水時における回転方向に面するように設けられ、前記第1側板は前記槽体の内壁に対し垂直であり、前記入水口は前記第1側板の上部に設けられることを特徴とする、請求項
6に記載の洗浄槽。
【請求項8】
前記水路は前記槽体の前記側壁の外壁に設けられ、前記水路と前記槽体の前記側壁の外壁によって前記排水経路が形成され、前記排水経路の前記外側壁は、前記水路における前記槽体の前記軸線から離間する側壁であり、前記水路のうち前記槽体の前記軸線から離間する側壁が、上方から下方に向かって、前記槽体の前記軸線から離間する方向に傾斜することで前記導水部が形成され、
或いは、前記排水ダクトは前記槽体の前記側壁の外壁に設けられ、前記排水ダクトは、前記槽体の前記軸線から離間する外側壁を有し、前記排水ダクトの前記外側壁は、上方から下方に前記槽体の前記軸線から離間する方向に傾斜していることを特徴とする、請求項
2に記載の洗浄槽。
【請求項9】
前記水路は凹型の空洞を有するカバー体であり、前記槽体には入水口が設けられており、前記カバー体には吐水口が開設され、前記カバー体は、前記入水口を前記凹型の空洞内に覆っており、且つ、前記カバー体は前記槽体の外側壁に組み付けられることを特徴とする、請求項8に記載の洗浄槽。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の洗浄槽を備える洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機の分野に属し、具体的には、洗浄槽及び当該洗浄槽を備える洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術のたゆまぬ発展に伴って、大容量洗濯機に対する消費者のニーズは高まる一方である。しかし、洗濯機の容量を増大させれば、洗濯機の全体サイズも自ずと大きくなる。そこで、小さい体積でありながら大容量の洗濯機が非常に求められている。また、従来の洗濯機では、洗浄時に水が回転槽と貯水槽に分布する。即ち、貯水槽と回転槽の間にも水が分布するため水の使用量が増大するが、当該部分の水は衣類の洗浄には関与しないため、水資源が無駄になる。また、従来の洗濯機では、貯水槽と回転槽の間に汚れが溜まりやすく、細菌が増殖してしまう。且つ、貯水槽と回転槽の間に水が分布することから洗剤の必要量も増加し、洗剤が無駄になっている。そのため、コスト節約には不利である。
【0003】
以上の課題に鑑みて、貯水槽を省略し、回転槽のみを残した洗濯機が提供されている。この場合、回転槽に洗浄水を貯えることが可能である。また、洗浄槽の内側壁には排水経路が設けられている。脱水時には、回転槽が回転することで洗浄水が排水経路に進入し、排水経路の吐水口から排出される。しかし、この場合には回転槽が高速回転するため、洗浄水は排水経路内から落下しにくい。そこで、回転槽の回転速度を下げることで洗浄水の排出を実現する必要があるが、このような方式はモータの損耗が大きく、モータが壊れやすい。
【0004】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消し、導水部を設けることで、排水経路に進入した洗浄水を導水部の案内によって迅速に排水経路沿いに排出する洗浄槽及び当該洗浄槽を備える洗濯機を提供することである。これによれば、洗浄槽の回転速度を下げなくても排水が実現され、排水が円滑に行われるため、洗浄槽を回転駆動させるモータの損耗が減少するほか、全体の振動及び騒音が低減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0007】
洗浄槽であって、洗浄槽には洗浄水を蓄えることが可能である。洗浄槽の側壁には、脱水時に洗浄槽内の洗浄水を洗浄槽から排出するための排水経路が備わっている。前記排水経路は、排水経路内の洗浄水を迅速に排出するよう案内するための導水部を有する。
【0008】
前記排水経路は、入水口、吐水口及び洗浄槽の軸線から離間する外側壁を有する。また、前記排水経路の外側壁の少なくとも一部が、入水口から吐水口に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に延伸することで導水部が形成される。
【0009】
好ましくは、前記入水口は排水経路の上部に設けられ、吐水口は排水経路の下部に設けられる。また、排水経路の外側壁が、上方から下方に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。
【0010】
洗浄槽は槽体と水路を含む。水路は槽体の側壁に設けられ、前記水路と前記槽体の側壁によって排水経路が形成される。また、排水経路の外側壁が、上方から下方に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。
【0011】
或いは、洗浄槽は槽体と排水ダクトを含む。排水ダクトは槽体の側壁に設けられ、排水ダクトの内部に経路を有することで排水経路が形成される。また、前記排水ダクトの外側壁が、上方から下方に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。
【0012】
前記水路は槽体の内側壁に設けられ、前記水路と前記槽体の内側壁によって排水経路が形成される。また、水路と対向する槽体の内側壁が、上方から下方に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。
【0013】
或いは、排水ダクトは槽体の内側壁に設けられ、排水ダクトの外側壁が、上方から下方に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。
【0014】
前記槽体の槽壁の一部が外側に突出することで、開口が内側を向いた収容室が形成される。前記水路は収容室の開口に設けられ、且つ、収容室と共に排水経路を形成する。前記排水経路の外側壁は収容室の底壁であり、前記槽体の収容室の底壁は、上方から下方に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜している。
【0015】
前記水路は、装着プレート/凹型の空洞を有するカバー体である。前記入水口は装着プレート/カバー体に開設され、前記吐水口は収容室の底壁及び/又は側壁に開設される。前記装着プレートは、収容室の開口を閉塞すると共に、槽体の内壁に接続される。
【0016】
或いは、カバー体の凹型の空洞と槽体の収容室の開口は対向しており、且つ、カバー体は槽体の内壁に接続される。
【0017】
好ましくは、カバー体は、対向して設けられる第1側板及び第2側板と、第1側板と第2側板の間に設けられ、槽体の側壁と対向する第3側板と、槽体の底部に面して設けられる底板を含む。第1側板、第2側板、第3側板、底板によって凹型の空洞を有するカバー体が取り囲まれ、入水口が第1側板及び/又は第2側板に設けられる。
【0018】
前記入水口は、槽体の脱水時における回転方向に面するように設けられる。
【0019】
好ましくは、前記第1側板は、槽体の脱水時における回転方向に面するように設けられる。第1側板は槽体の内壁に対し垂直であり、入水口は第1側板の上部に設けられる。
【0020】
前記水路は槽体の側壁の外壁に設けられ、前記水路と前記槽体の側壁の外壁によって排水経路が形成される。前記排水経路の外側壁は、水路における槽体の軸線から離間する側壁である。前記水路のうち槽体の軸線から離間する側壁が、上方から下方に向かって、槽体の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。
【0021】
或いは、排水ダクトは槽体の側壁の外壁に設けられる。排水ダクトは、槽体の軸線から離間する外側壁を有し、前記排水ダクトの外側壁は、上方から下方に槽体の軸線から離間する方向に傾斜している。
【0022】
前記水路は凹型の空洞を有するカバー体である。前記槽体には入水口が設けられており、前記カバー体には吐水口が開設されている。前記カバー体は、入水口をその凹型の空洞内に覆っており、且つ、カバー体は槽体の外側壁に組み付けられる。
【0023】
また、上記の洗浄槽を備える洗濯機を提供する。
【発明の効果】
【0024】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0025】
1.導水部を設けることで、排水経路に進入した洗浄水を導水部の案内によって迅速に排水経路沿いに排出する。これによれば、洗浄槽の回転速度を下げなくても排水が実現され、排水が円滑に行われるため、洗浄槽を回転駆動させるモータの損耗が減少するほか、全体の振動及び騒音が低減する。
【0026】
2.前記排水経路の外側壁の少なくとも一部を、入水口から吐水口に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に延伸させることで導水部を形成する。これにより、脱水時には、排水経路に進入した洗浄水が、外側壁に沿って吐水口方向に運動するため、迅速な排水が実現される。
【0027】
3.排水経路は独立した排水管路としてもよいし、水路と槽体の側壁で取り囲むことで形成してもよい。後者の場合には、排水経路の内壁を洗浄しやすくなる。
【0028】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0029】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の洗浄槽の構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の洗浄槽の断面構造を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の別の洗浄槽の断面構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の他の洗浄槽の構造を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の排水構造を槽体の外部に設置した構造を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の洗濯機の構造を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の別の洗濯機の構造を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の更に別の洗浄槽の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0032】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例1】
【0033】
図1~4及び
図9は洗浄槽を示す。洗浄槽100には洗浄水を蓄えることが可能である。また、洗浄槽100は、槽体105と、槽体105の側壁に設けられて脱水時に槽体105内の洗浄水を槽体105から排出するための排水経路を含む。前記排水経路は、槽体105の内部と連通する入水口102を有する。また、前記槽体105は、脱水時に槽体105内の洗浄水を入水口102に案内するための案内部を有する。
【0034】
従来の孔の無い内槽は、周方向の直径が等しくなるよう設計されている。そのため、脱水段階において、水は高速の遠心力の作用によって、ほぼ等しい厚さで槽壁上に均一に分布することから、内槽内の水を迅速に排出するには不利であった。そこで、案内部を設け、洗浄水を案内部で案内して入水口102から迅速に排水経路内に進入させ、脱水時に槽体105内の洗浄水の迅速な排出を実現すれば、脱水効率と脱水効果が向上し、脱水時間が短縮される。
【0035】
洗浄槽100は孔の無い内槽である。そのため、洗浄槽100は、洗浄時に貯水機能を有する。
【0036】
更なる方案として、前記案内部は、槽体105の側壁の半径が、槽体105の脱水時における回転方向に沿って徐々に増大することで形成される径変部133である。前記排水経路は径変部133に設けられ、径変部133によって案内された洗浄水について、入水口102から排水経路への進入を実現する。
【0037】
槽体105の側壁の半径が、槽体105の脱水時における回転方向に沿って徐々に増大することで径変部133が形成される。径変部133の半径は、槽体105の脱水時における回転方向に沿って徐々に増大しているため、洗浄水は、遠心力の作用によって、径変部の内壁に沿って迅速に半径の大きな側に向かって運動する。また、排水経路は径変部133に設けられており、径変部により案内された洗浄水を槽体105から排出する。
【0038】
更なる方案として、少なくとも槽体105の軸方向における一部の側壁の半径が、槽体105の脱水時における回転方向に沿って徐々に増大することで、周方向の径変部133が形成される。
【0039】
槽体105内の洗浄水は、まず、遠心力の作用によって槽体105の内壁沿いに径変部133まで上昇する。そして、径変部133に沿って、半径が増大する方向に迅速に排水経路まで運動してから、入水口102を通じて排水経路内に進入し、排出される。
【0040】
方案1:前記槽体105の側壁の半径が、槽体105の回転方向に沿って、上方から下方にわたって一様に増大することで、周方向の径変部133が形成される。
【0041】
当該方案では、槽体105の上端から下端までが一様に変化しているため、径変部133が形成される槽体105の側壁の面積が大きくなり、洗浄水を径変部に沿って迅速に集束し、排出することが可能となる。
【0042】
当該構造では、入水口の位置が制限されず、槽体の脱水時における回転方向、即ち周方向に入水させてもよいし、径方向に入水させてもよい。
【0043】
方案2:少なくとも前記入水口102の上縁と下縁の間に位置する槽体105の側壁の半径が、槽体105の脱水時における回転方向に沿って徐々に増大することで前記径変部133が形成される。
【0044】
当該構造では、槽体105内の洗浄水は、まず、遠心力の作用によって槽体105の内壁沿いに径変部133まで上昇してから、径変部133に沿って、半径が増大する方向に迅速に排水経路まで運動する。径変部133は入水口102の上縁と下縁の間の槽体105上に位置するため、洗浄水は、そのまま入水口102から排水経路に進入し、排水経路を通じて槽体105から排出される。
【0045】
更なる方案において、前記槽体105の周方向には、少なくとも1つの接続部134が更に設けられている。接続部134は径変部133と間隔を隔てて設けられる。前記接続部134の両端は、それぞれ自身と隣接する径変部133に接続されて槽体105の周方向を閉合する。径変部133の半径は徐々に増大しているため、隣接する2つの径変部133同士、又は、同一の径変部133における先頭と末尾を直接閉合することはできない。そのため、接続部134を設けて槽体105の周方向を閉合する。また、排水経路は径変部133に設けられる。
【0046】
方案1:前記径変部133と接続部134を1つずつとし、前記接続部134の両端をそれぞれ同一の径変部133の先頭と末尾に接続することで、槽体105の周方向を閉合する。
【0047】
方案2:前記径変部133と接続部134をいずれも複数とし、前記接続部134と径変部133を間隔を隔てて設置する。各接続部134の両端は、それぞれ自身と連なる2つの径変部133の端部に接続されて、槽体105の周方向を閉合する。当該構造によれば、槽体105のバランスをより取りやすくなる。
【0048】
更なる方案において、槽体105は周方向に複数の径変部133を有し、複数の前記径変部133が槽体105の周方向に均一に分布している。これにより、槽体105の対称性がより良好となるため、回転時にいっそうバランスを取りやすくなる。
【0049】
槽体105は、周方向に複数の径変部133を有する。全ての径変部133における半径が最小となる一端は同一円周上に位置し、全ての径変部133における半径が最大となる一端は別の円周上に位置する。これにより、槽体全体のバランスをいっそう取りやすくできる。
【0050】
各径変部133は半径の変化率が同一のため、槽体の対称性がより良好となり、バランスをいっそう取りやすい。
【実施例2】
【0051】
図1~4に示すように、本実施例は、実施例1を更に限定するものである。排水経路は槽体105の内側に設置可能である。排水経路を槽体105の内側に設置することで、洗浄槽の厚さが増大することがないため、容量を増大させやすい。
【0052】
前記排水経路は径変部133の内壁に設けられ、前記入水口102は排水経路に設けられる。脱水時には、洗浄水が槽体105の内壁に沿って上昇し、径変部133沿いに、周方向において半径が大きい側に向かって迅速に運動する。排水経路は径変部133の内壁に設けられているため、洗浄水は迅速に排水経路まで案内され、入水口102から排水経路に進入して槽体105から排出される。
【0053】
最適には、前記排水経路は径変部133の半径が最大となる箇所に設けられる。これにより、導水効果がより良好となり、排水がいっそう迅速化する。排水経路に設けられる入水口は、槽体の回転方向に面していてもよい。即ち、槽体の脱水時における回転方向に向かって周方向に入水を実現してもよい。或いは、入水口は、槽体の中心軸線方向に面し、径方向に入水を実現してもよいし、入水口が上方を向いていてもよい。
【0054】
方案1:前記径変部133の内壁にはカバー体101が設けられている。前記入水口102は、カバー体101に設けられると共に、槽体105の脱水時における回転方向に面している。前記カバー体101と、径変部133の内壁及び接続部134の内壁によって排水経路が取り囲まれる。
【0055】
具体的には、
図2に示すように、カバー体101は、槽体105の脱水時における回転方向に向かう第1側板108と、径変部133と対向する第3側板110と、槽体105の底部と対向する底板132を含む。接続部134は第1側板108と対向し、第1側板108と接続部134は第3側板110の左右両側に位置する。また、底板132は第1側板108の下部に位置する。第3側板110と径変部133は一定の間隔を隔てることで、水流を通過させる経路を形成している。第1側板108、接続部134の内壁、第3側板110によって凹型の空洞を有するカバー体101が取り囲まれる。また、入水口102は第1側板108に設けられる。
【0056】
方案2:前記径変部133の内壁には、凹型の空洞を有するカバー体101が設けられている。前記入水口102は、カバー体101に設けられると共に、槽体105の脱水時における回転方向に面している。前記カバー体101と径変部133の内壁によって排水経路が取り囲まれる。
【0057】
具体的には、
図3に示すように、カバー体101は、槽体105の脱水時における回転方向に向かう第1側板108と、第1側板108と対向する第2側板109と、径変部133の内壁と対向する第3側板110と、槽体105の底部と対向する底板132を含む。第1側板108と第2側板109は第3側板110の左右両側に位置し、底板132は第1側板108の下部に位置する。第1側板108、第2側板109、第3側板110及び底板132によって凹型の空洞を有するカバー体101が取り囲まれる。また、入水口102は第1側板108に設けられる。
【0058】
上記2つの方案では、吐水口103が径変部133に設けられている。カバー体101の凹型の空洞は、吐水口103を当該凹型の空洞内に覆うと共に、槽体105の内側壁に固定接続される。
【0059】
方案3:前記径変部133の内壁にはカバー体101が設けられている。前記入水口102は、カバー体101に設けられると共に、槽体105の脱水時における回転方向に面している。また、前記カバー体101と接続部134の内壁によって排水経路が取り囲まれる。
【0060】
具体的に、カバー体101は、槽体105の脱水時における回転方向に向かう第1側板108と、径変部133の内壁に密着する外側板と、外側板と対向する第3側板110と、槽体105の底部と対向する底板132を含む。第1側板108は接続部134と対向し、第1側板108と接続部134は第3側板110の左右両側に位置する。また、底板は第1側板108の下部に位置している。第1側板108、外側板、接続部134の内壁、第3側板110及び底板によって凹型の空洞を有するカバー体101が取り囲まれ、入水口102が第1側板108に設けられる。また、吐水口が接続部に設けられる。カバー体101の凹型の空洞は、吐水口103を当該凹型の空洞内に覆うと共に、槽体105の内側壁に固定接続される。
【0061】
方案4:
図4に示すように、前記径変部133の内壁にはカバー体101が設けられている。槽体にはバランスリング122が設けられており、カバー体とバランスリングを間隔を隔てて設置することで入水口を形成している。前記カバー体101と、径変部133の内壁、接続部134及びバランスリングの内壁によって排水経路が取り囲まれる。前記入水口102は、カバー体101に設けられると共に、槽体105の脱水時における回転方向に面している。
【0062】
具体的に、槽体の上部にはバランスリング122が設けられており、カバー体101とバランスリング122が一定の距離を隔てている。カバー体101は、槽体105の脱水時における回転方向に向かう第1側板108と、径変部133と対向する第3側板110と、槽体105の底部と対向する底板132を含む。第1側板108、第3側板110及び底板132によって凹型の空洞を有するカバー体101が取り囲まれる。接続部134は第1側板108と対向し、第1側板108と接続部134は第3側板110の左右両側に位置する。また、底板132は第1側板108の下部に位置している。第3側板110と径変部133は一定の間隔を隔てることで、水流を通過させる経路を形成している。第1側板108、第3側板110、接続部134、底壁132、バランスリング122及び径変部133によって排水経路が取り囲まれる。径変部133の下部には吐水口103が設けられており、カバー体101が吐水口103をその凹型の空洞内に覆っている。
【0063】
方案5:前記排水経路は、洗浄水を通過させる排水管路を有する。前記入水口102は、排水管路に設けられると共に、槽体105の脱水時における回転方向に面している。
【0064】
槽体105には排水口が設けられており、排水管路には吐水口103が設けられている。洗浄水が排水経路から排出されるよう、吐水口103は排水口に組み付けられる。
【実施例3】
【0065】
図1及び
図5に示すように、本実施例は実施例2を更に限定するものである。排水経路を槽体105の外側壁に設けることで、内部の衣類の摩損が減少する。
【0066】
方案1:前記径変部133の外壁には、凹型の空洞を有するカバー体101が設けられている。前記カバー体101と、径変部133の外壁及び接続部134の外壁によって排水経路が取り囲まれる。前記入水口102は接続部134に設けられ、周方向の入水を実現する。
【0067】
具体的に、カバー体101は、径変部133の半径が最小となる箇所の外壁と対向する第1側板108と、接続部134の外壁と対向する第2側板109と、第1側板108と第2側板109の下部に位置する底板132を含む。第2側板109と接続部134は、それぞれ第1側板108の左右両側に配置される。第1側板108、第2側板109、底板132、径変部133の外壁及び接続部134の外壁によって排水経路が取り囲まれる。これにより、排水経路は、接続部134と径変部133の半径が最小となる箇所に形成される曲がり角に位置する。また、入水口102は接続部134に設けられる。洗浄水は、径変部133によって径変部133の半径が最大となる箇所まで案内されると、入水口102から排水経路に進入し、周方向における入水を実現する。当該構造は洗浄水に対する妨害が小さいため、より迅速に入水がなされる。
【0068】
方案2:前記径変部133の外壁には、凹型の空洞を有するカバー体101が設けられている。前記カバー体101と径変部133の外壁によって排水経路が取り囲まれる。前記入水口102は、カバー体101と対向する径変部133に設けられる。
【0069】
具体的に、前記カバー体101は、径変部133の外側壁と対向する第1側板108、第1側板108の両側にそれぞれ配置される第2側板109と第3側板110、及び第1側板108の下部に設けられる底板132を含む。第1側板108、第2側板109、第3側板110、底板132及び径変部133の外壁によって排水経路が取り囲まれる。入水口102は径変部133に設けられ、径方向の入水を実現する。
【0070】
最適には、入水口102は径変部133の半径が最大となる箇所に設けられる。
【0071】
方案3:前記径変部133の外壁には、凹型の空洞を有するカバー体101が設けられている。また、前記カバー体101と接続部134の外壁によって排水経路が取り囲まれる。前記入水口102は接続部134に設けられて周方向の入水を形成するため、妨害が減少し、排水がいっそう迅速となる。
【0072】
方案4:前記排水経路は、洗浄水を通過させる経路を有する排水管路である。前記排水経路は径変部133の外壁に設けられる。前記径変部133又は接続部134には脱水口が設けられており、前記排水経路の入水口102と前記脱水口が接続される。
【0073】
排水管路は径変部133の半径が最小となる箇所と接続部134とで形成される曲がり角に設けられ、脱水口は接続部134に設けられる。排水経路は接続部と対向する側壁を有し、当該側壁に入水口102が設けられている。排水経路の入水口と脱水口が接続されることで、排水経路と槽体105の内部が連通し、周方向の入水を形成するため、脱水効率が向上する。
【実施例4】
【0074】
図6は、実施例1~実施例3で記載したいずれかの洗浄槽が設けられる洗濯機を示している。洗濯機は、更に、筐体112、集水構造及び制震構造を含む。洗浄槽100、集水構造及び制震構造は筐体112内に設けられる。前記集水構造は、排水経路から排出された洗浄水を収集可能である。前記制震構造は、集水構造と筐体112の間に設置され、これらに接続されることで洗浄槽100と集水構造の震動を低減させる。
【0075】
更なる方案として、前記制震構造は制震懸架ロッド117を含む。前記集水構造は集水室113を有し、前記排水経路の吐水口が集水室113と連通している。また、前記制震懸架ロッド117は、下端が集水構造に接続され、上端が筐体112に接続されることで、集水構造を筐体112内に懸架している。集水室113に進入した洗浄水を洗濯機から排出するために、集水室113には外部と連通する排水管120が設けられている。また、槽体105の上部にはバランスリング122が設けられている。
【0076】
更に、前記集水構造は、装着底板114と、装着底板114の上部に設けられる止水リング115を含み、前記止水リング115と装着底板114によって集水室113の集水構造が取り囲まれている。前記懸架ロッド117の上端は筐体112の上端に接続され、懸架ロッド117の下端は装着底板114に接続される。
【0077】
最適には、集水構造全体が槽体105の下部に位置する。また、集水リングは、下方から上方に向かって、槽体の軸線から離間する方向に延伸している。
【0078】
更なる方案において、洗濯機は駆動装置を更に含む。前記駆動装置の出力軸は、洗浄槽を回転駆動させるために、装着底板114を貫通して洗浄槽100に接続される。前記制震懸架ロッド117の下端を装着底板114に接続し、上端を筐体112の上部に接続することで、駆動装置、集水構造及び洗浄槽100が洗浄槽100内に懸架される。また、駆動装置はモータである。
【0079】
洗浄槽100の下部には、漏水口118と封止構造119が設けられており、漏水口118が槽体105の内部と集水室113を連通させる。排水時には、封止構造119が漏水口118を開放し、排水管120と集水室113が連通する。これにより、集水室113に進入した洗浄水は、排水管120を通じて洗濯機から排出される。また、封止構造119は電磁バルブプラグである。
【0080】
洗浄槽は槽体を含み、槽体の側壁の半径が、槽体の回転方向に沿って、上方から下方にわたって一様に増大することで前記径変部が形成される。槽体は、周方向に4つの径変部133と4つの接続部134を有する。4つの前記径変部133は槽体105の周方向に均一に分布している。また、接続部134の両端は、それぞれ自身と隣接する径変部133に接続されて槽体の周方向を閉合する。
【0081】
径変部133の半径が大きくなった箇所の内壁には、凹型の空洞を有するカバー体が設けられている。カバー体101は、接続部134と対向する第1側板108と、槽体の径変部133と対向する第3側板110と、第1側板の下方に設けられる底板132を含む。第1側板108、第3側板110及び底板130によって、凹型の空洞を有するカバー体101が形成される。また、径変部133の下部には吐水口103が設けられている。カバー体は、吐水口をその凹型の空洞内に覆っており、且つ、径変部133の内壁及び接続部134の内壁と共に排水経路を形成する。また、第1側板の上部には入水口103が設けられている。
【実施例5】
【0082】
図7~
図8は、洗浄槽100を示している。洗浄槽100には洗浄水を蓄えることが可能である。洗浄槽100の側壁には、脱水時に洗浄槽100内の洗浄水を洗浄槽100から排出するための排水経路が備わっている。前記排水経路は、排水経路内の洗浄水を迅速に排出するよう案内するための導水部を有する。
【0083】
洗浄槽100には洗浄水を蓄えることが可能である。脱水時には、洗浄槽100が高速回転することで、遠心力の作用によって、洗浄水が洗浄槽100の内側壁沿いに上方へと運動したあと、排水経路に進入する。しかし、遠心力が大きいと、排水経路に進入した洗浄水を排水経路沿いに排出することが難しい。また、減速することで洗浄水を重力の作用で排出する場合には、長期間にわたる減速と加速によって洗濯機の使用寿命が短縮する。そこで、本発明では導水部を設けることで、排水経路に進入した洗浄水を案内する。これにより、減速しなくても洗浄水の迅速な排出を実現可能となり、いっそう経済的である。
【0084】
当該構造は、実施例1~実施例4の槽体が案内部を有することをベースに、排水経路に導水部が備わった洗浄槽を設計すればよい。槽体の案内部は、洗浄水を排水経路まで案内することで脱水効果を向上させる。更に、排水経路が導水部を有することで、排水経路に進入した洗浄水を導水部によって案内し、排水経路に進入した洗浄水を迅速に排出する。なお、言うまでもなく、導水部を有する排水経路を単独で槽体に適用してもよい。
【0085】
更に、前記排水経路は、入水口102、吐水口103及び洗浄槽の軸線から離間する外側壁104を有し、前記排水経路の外側壁104の少なくとも一部が、入水口102から吐水口103に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に延伸することで導水部が形成される。
【0086】
排水経路の外側壁104の少なくとも一部が、入水口102から吐水口103に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に延伸することで導水部が形成されるため、外側壁104のうち入水口102寄りの一端は半径が小さく、吐水口103寄りの一端は半径が大きくなる。洗浄槽100が回転して脱水する際に、洗浄水は、半径が小さい側の入水口102から排水経路に進入し、半径が増大する導水部に沿って運動する。洗浄水が受ける遠心力は、吐水口103の方向に向かう分力を有するため、洗浄水の流動速度が加速し、吐水口103に到達して排出される。当該構造はシンプルであり、いっそう経済的である。
【0087】
最適には、前記入水口102は排水経路の上部に設けられ、吐水口103は排水経路の下部に設けられる。また、排水経路の外側壁104が、上方から下方に向かって、洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。
【0088】
一般的に、洗浄槽100の内部と排水経路は入水口102を通じて連通し、排水経路と洗浄槽100の外部は吐水口103を通じて連通する。洗浄槽100の側壁には、入水口102と吐水口103以外の孔は開設されていないため、洗浄槽100の貯水機能が実現される。
【0089】
排水経路には様々な形成方式が考えられる。
【0090】
方案1:洗浄槽100は槽体105と水路を含む。水路は槽体105の側壁に設けられ、前記水路と前記槽体105の側壁によって排水経路が形成される。また、排水経路の外側壁104が、上方から下方に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。当該方案は、排水経路の内部を洗浄するのに都合がよく、いっそう安全且つ衛生的である。
【0091】
方案2:洗浄槽100は槽体105と排水ダクトを含む。排水ダクトは槽体105の側壁に設けられ、排水ダクトの内部に洗浄水を流動可能とする経路を備えることで排水経路が形成される。また、前記排水ダクトの外側壁104が、上方から下方に槽体105の外側に向かって傾斜することで導水部が形成される。排水ダクトは独立した排水経路であるため、装着や交換及び使用に便利である。
【0092】
排水ダクトの内部の経路は、円形、四角形等の形状とすればよい。
【実施例6】
【0093】
図7及び
図8に示すように、本実施例は実施例5を更に限定するものであり、排水経路が槽体105の側壁の内側に設けられる。
【0094】
方案1:洗浄槽100は槽体105と水路を含む。前記水路は槽体105の内側壁に設けられ、前記水路と前記槽体105の内側壁によって排水経路が形成される。また、水路と対向する槽体105の内側壁が、上方から下方に向かって洗浄槽の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。即ち、水路と対向する槽体105の槽壁が排水経路の外側壁104となり、水路と対向する槽体105の槽壁が、上方から下方に向かって槽体105の外側に傾斜することで導水部が形成される。水路は槽体105の内側壁に設けられるため、取り外しや交換及び洗浄にいっそう便利である。且つ、水路と対向する槽体105の槽壁は、上方から下方に向かって槽体105の外側に傾斜しているため、占有スペースが小さくなり、容量増大に有利である。
【0095】
更に、前記槽体105の槽壁の一部が外側に突出することで、開口が内側を向いた収容室106を形成する。前記水路は収容室106の開口に設けられ、且つ、収容室106と共に排水経路を形成する。前記排水経路の外側壁は収容室106の底壁であり、前記収容室106の底壁は、上方から下方に向かって槽体105の外側に傾斜している。排水経路の外側壁104は収容室106の底壁となっているため、洗浄水は排水経路に進入すると、収容室の底壁によって槽体105の中心から遠ざかる。また、当該底壁が排水経路の外側壁104であることから、脱水時には、遠心力の作用によって洗浄水は主に収容室106の底壁上に分布する。収容室106の底壁は、上方から下方に向かって槽体105の外側へ傾斜しているため、洗浄水は迅速に下降し、下部の吐水口103から排出される。
【0096】
更に、前記水路は装着プレートとしてもよい。前記入水口102は装着プレートに開設され、前記吐水口103は収容室106の底壁及び/又は側壁に開設される。また、前記装着プレートは、収容室106の開口を閉塞すると共に、槽体105の内壁に接続される。槽体105の槽壁の一部が外側に突出することで、開口が内側を向いた収容室106が形成され、装着プレートと収容室の底壁との間に一定の隙間を有することで洗浄水を流動させる経路が形成される。水路は装着プレートであり、装着することで槽体105の内壁が平坦となるよう保証可能なため、衣類の磨損が減少する。
【0097】
最適には、装着プレートは円弧状のプレートであり、弧線が槽体105の内壁と共円であるため、衣類の磨損が減少する。入水口は装着プレートに設けられる。装着プレートには止水構造が設けられており、洗浄水を入水口内へ案内する。
【0098】
また、前記水路は、凹型の空洞107を有するカバー体101としてもよい。前記入水口102はカバー体101に開設され、前記吐水口103は槽体105の収容室106における底壁及び/又は側壁に開設される。カバー体101の凹型の空洞107と収容室106の開口は対向しており、且つ、カバー体101は槽体105の内壁に接続される。当該構造では、カバー体101の凹型の空洞107と槽体105の収容室106を対向して設けることで、排水経路の流量を増加させ、洗浄水を迅速に槽体105から排出することが可能である。
【0099】
更に、前記入水口102は、槽体105の脱水時における回転方向に面して設けられるため、洗浄水がいっそう容易に排水経路に進入する。
【0100】
更なる方案において、カバー体101は、対向して設けられる第1側板108及び第2側板109と、第1側板108と第2側板109の間に設けられ、槽体の内壁と対向する第3側板110と、第1側板108、第2側板109及び第3側板110の下部に設けられる底板111を含む。第1側板108、第2側板109、第3側板110及び底板111によって、凹型の空洞を有するカバー体101が取り囲まれ、第1側板108、第2側板109、第3側板110、底板111及び槽体の内側壁によって排水経路が形成される。また、入水口102は、第1側板108及び/又は第2側板109に設けられる。
【0101】
更なる方案において、第1側板108と第2側板109はいずれも槽体105の内側壁に対し垂直である。第1側板108は、脱水時に洗浄槽100の回転方向と対向する。また、入水口102は第1側板108に設けられる。最適には、入水口102は第1側板108の上端寄りに設けられる。
【0102】
方案2:洗浄槽100は槽体105と排水ダクトを含む。排水ダクトは槽体105の内側壁に設けられ、排水ダクトの内部に経路を有することで排水経路が形成される。また、排水ダクトは、槽体105の外側に面する外側壁104を有する。前記排水ダクトの外側壁104は、上方から下方に槽体105の外側に向かって傾斜することで導水部を形成する。
【実施例7】
【0103】
本実施例は、実施例6を更に限定する。排水経路は槽体105の外側に設けられる。
【0104】
方案1:洗浄槽100は槽体105と水路を含む。前記水路は槽体105の側壁の外壁に設けられ、前記水路と前記槽体105の側壁の外壁によって排水経路が形成される。前記排水経路の外側壁は、水路における槽体の軸線から離間する側壁である。前記水路のうち槽体の軸線から離間する側壁が、上方から下方に向かって、槽体の軸線から離間する方向に傾斜することで導水部が形成される。槽体105は内部空間が小さく、外部空間が大きいことから、装着時には、水路を槽体105の外側壁104に設けることで水路の装着が容易となる。
【0105】
更に、前記水路は、凹型の空洞107を有するカバー体101である。前記槽体105には入水口102が設けられており、前記カバー体101には吐水口103が開設されている。前記カバー体101は、入水口102をその凹型の空洞107内に覆っている。また、カバー体101は槽体105の外側壁104に組み付けられる。洗浄水は、入水口102から、カバー体101と槽体105の側壁で形成される排水経路に進入したあと、排水経路の吐水口103から排出される。
【0106】
更なる方案において、カバー体101は、対向して設けられる第1側板108及び第2側板109と、第1側板108と第2側板109の間に設けられ、槽体の外壁と対向する第3側板110と、第1側板108、第2側板109及び第3側板110の下部に設けられる底板111を含む。第1側板108、第2側板109、第3側板110及び底板111によって、凹型の空洞を有するカバー体101が取り囲まれる。吐水口103は、第1側板108、第2側板109、第3側板110又は底板111に設けられる。第3側板110は、上方から下方に向かって槽体105の外側へ傾斜している。
【0107】
方案2:洗浄槽100は、槽体105と排水ダクトを含み、排水ダクトの内部に経路を有することで排水経路が形成される。排水ダクトは槽体105の側壁の外壁に設けられる。排水ダクトは、槽体の軸線から離間する外側壁を有し、排水ダクトの外側壁は、上方から下方に槽体105の外側に向かって傾斜している。排水ダクトは単独で排水経路を形成するため、装着や交換及び使用に便利である。
【実施例8】
【0108】
図7及び
図8は、実施例5~実施例7の洗浄槽100を有する洗濯機を示している。洗濯機は、筐体112を含む。洗浄槽100は筐体112の内部に設けられ、洗浄槽100の下部に集水構造が設けられている。集水構造は集水室113を有する。集水室113に進入した洗浄水を洗濯機から排出するために、集水室113には外部と連通する排水管120が設けられている。排水経路の吐水口103は集水室113と連通しており、脱水時に洗浄槽100内の洗浄水を集水室113に排出する。
【0109】
槽体105の上部には、バランスリング122が設けられている。
【0110】
集水構造は、装着底板114と、装着底板114に設けられる止水リング115を含み、装着底板114と止水リング115によって集水室113が取り囲まれている。装着底板114の下部にはモータ116が設けられている。モータ116の出力軸は、槽体を回転駆動させるために、装着底板114を貫通して槽体105に接続される。装着底板114と筐体112の間には懸架ロッド117が設けられている。懸架ロッド117は、上端が筐体112に接続され、下端が装着底板114に接続されることで、洗浄槽100と集水構造を筐体112内に懸架している。
【0111】
洗浄槽100の下部には、漏水口118と封止構造119が設けられており、漏水口118が槽体105の内部と集水室113を連通させる。排水時には、封止構造119が漏水口118を開放すると、装着底板の下部には排水管120が設けられているため、排水管120と集水室113が連通し、集水室113に進入した洗浄水が排水管120を通じて洗濯機から排出される。また、封止構造119は電磁バルブプラグである。
【0112】
洗浄槽は槽体を含み、槽体の側壁の半径が、槽体の回転方向に沿って上方から下方にわたって一様に増大することで前記径変部が形成される。槽体は周方向に4つの径変部133と4つの接続部134を有する。4つの前記径変部133は槽体105の周方向に均一に分布している。また、接続部134の両端は、それぞれ自身と隣接する径変部133に接続されて槽体の周方向を閉合する。
【0113】
径変部133の半径が大きくなった箇所の内壁には、凹型の空洞を有するカバー体が設けられている。カバー体101は、接続部134と対向する第1側板108と、槽体の径変部133と対向する第3側板110と、第1側板の下方に設けられる底板132を含む。第1側板108、第3側板110及び底板130によって、凹型の空洞107を有するカバー体101が形成される。また、径変部133の下部には吐水口103が設けられている。カバー体は、吐水口103をその凹型の空洞内に覆っており、且つ、径変部133の内壁及び接続部134の内壁と共に排水経路を形成する。また、第1側板の上部には入水口103が設けられている。
【0114】
径変部における第3側壁110と対向する部位は、上方から下方に筐体方向に向かって傾斜している。且つ、槽体の側壁には収容室106が形成されている。脱水時には、槽体内の洗浄水が、径変部に沿って半径の小さい側から半径の大きい側へと運動し、入水口まで案内されるため、脱水が加速する。そして、入水口から排水経路に進入した洗浄水は、径変部における傾斜した側壁に沿って迅速に排出されるため、更に脱水効率が向上する。
【0115】
集水室113の内壁にはロック構造121が設けられている。ロック構造121は、槽体105と集水構造をロックするために用いられる。
【0116】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0117】
100 洗浄槽
101 カバー体
102 入水口
103 吐水口
105 槽体
107 凹部
108 第1側板
109 第2側板
110 第3側板
112 筐体
113 集水室
114 装着底板
115 止水リング
116 モータ
117 懸架ロッド
118 漏水口
119 封止構造
120 排水管
121 ロック構造
122 バランスリング
132 底板
133 径変部
134 接続部