(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料
(51)【国際特許分類】
C09D 201/00 20060101AFI20221006BHJP
C09D 163/00 20060101ALI20221006BHJP
C09D 175/04 20060101ALI20221006BHJP
C09D 175/06 20060101ALI20221006BHJP
C09D 131/04 20060101ALI20221006BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20221006BHJP
C09D 7/20 20180101ALI20221006BHJP
C09D 5/25 20060101ALI20221006BHJP
C09D 5/00 20060101ALI20221006BHJP
C23C 22/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
C09D201/00 ZAB
C09D163/00
C09D175/04
C09D175/06
C09D131/04
C09D7/61
C09D7/20
C09D5/25
C09D5/00 Z
C23C22/00 A
(21)【出願番号】P 2020551491
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2019080095
(87)【国際公開番号】W WO2019184981
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】201810275197.8
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514216801
【氏名又は名称】バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122345
【氏名又は名称】高山 繁久
(72)【発明者】
【氏名】リ、ドンフォン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ボ
(72)【発明者】
【氏名】リ、グオバオ
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ジェングオ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ、パン
(72)【発明者】
【氏名】シェン、ケジン
(72)【発明者】
【氏名】シェ、シシュウ
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103450438(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1362436(CN,A)
【文献】特公平06-021274(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第105131750(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105111868(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00-201/10
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料であって、
熱硬化型水性成膜樹脂、熱可塑型水性成膜樹脂、無機ナノ粒子、助剤、溶媒及び純水を含み、
前記熱硬化型水性成膜樹脂の固形分重量は、塗料の総重量の0.1~50%を占め、前記熱可塑型水性成膜樹脂の固形分重量は、塗料の総重量の0.1~60%を占め、前記無機ナノ粒子の固形分重量は、塗料の総重量の0.1~10%を占め、前記助剤及び溶媒の重量は、塗料の総重量の5~25%を占め、残りは純水であり、
前記熱可塑型水性成膜樹脂は、ポリビニルアセテート、ポリウレタンのうちの1種又は複数種の共重合体であることを特徴とするケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項2】
前記熱硬化型水性成膜樹脂の固形分重量は、塗料の総重量の5~20%を占めることを特徴とする請求項1に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項3】
前記熱可塑型水性成膜樹脂の固形分重量は、塗料の総重量の20~40%を占めることを特徴とする請求項1に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項4】
前記熱可塑型水性成膜樹脂の固形分重量は、熱硬化型水性成膜樹脂+熱可塑型水性成膜樹脂の合計重量の20~95%を占めることを特徴とする請求項1に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項5】
前記無機ナノ粒子の固形分重量は、塗料の総重量の2~6%を占めることを特徴とする請求項1に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項6】
前記熱硬化型水性成膜樹脂は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項7】
前記エポキシ樹脂の固形分重量は、熱硬化型水性成膜樹脂の重量の80~99%を占めることを特徴とする請求項6に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項8】
前記エポキシ樹脂は、エポキシ当量が100~2000g/eq、重量平均分子量Mwが200~4000、官能性が2~3であることを特徴とする請求項6又は7に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項9】
前記硬化剤は、ジシアンジアミド、アミノ樹脂、イミダゾール、ポリイソシアナートのうちの1種又は複数種であることを特徴とする請求項6に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項10】
前記熱可塑型水性成膜樹脂は、ポリウレタン共重合エラストマーであることを特徴とする請求項1に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項11】
前記ポリウレタン共重合エラストマーは、
ポリエステルジオール、機能性モノマーであるジメチロールプロピオン酸、及び親水性機能性モノマーであるジイソシアネートから構成されるイソシアネート基NCO末端プレポリマーと、
中和剤であるトリエチルアミンと、
鎖延長剤であるトリメチロールプロパン(TMP)と
から構成される水性ポリウレタン共重合エラストマーである請求項10に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項12】
前記ポリウレタン共重合エラストマーは、重量平均分子量が2~8万、成膜温度が常温~200℃、開環温度が120~180℃であることを特徴とする請求項11に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項13】
前記ジメチロールプロピオン酸の質量は、前記ポリエステルジオール、ジメチロールプロピオン酸及びジイソシアネートの総質量の4~8%を占めることを特徴とする請求項11に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項14】
前記親水性機能性モノマーであるジイソシアネートは、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、又はイソホロンジイソシアネートであることを特徴とすることを特徴とする請求項11に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項15】
前記ポリエステルジオールのヒドロキシル価が100~200mgKOH/gであることを特徴とする請求項11に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項16】
前記ジイソシアネートのイソシアネート基と、ポリエステルジオール及びジメチロールプロピオン酸のヒドロキシ基とのモル比が4:3~5:4であることを特徴とする請求項11に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項17】
プレポリマー中のイソシアネート基と、トリメチロールプロパンに含まれるヒドロキシ基とのモル比が1:1であることを特徴とする請求項11に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項18】
前記無機ナノ粒子は、TiO
2、ZnO、SiO
2、Al
2O
3、ZrO
2、Fe
3O
4、CaCO
3、Cr
2O
3のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項19】
前記助剤及び溶媒には、エチレングリコールが含まれ、エチレングリコールの使用量が塗料の総重量の0.1~3.5%であることを特徴とする請求項1に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項20】
前記助剤は、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤、増粘剤、沈降防止剤、フラッシュ錆抑制剤のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は19に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【請求項21】
前記溶媒は、エチレングリコールを含み、グリセリン、酸化プロピレン、n-ブチルアルコール、イソブタノール、イソプロパノール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、トリグリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートのうちの少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする請求項1又は19に記載のケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料に関する。
【背景技術】
【0002】
近代的な量産を実現したモータコアの積層成形には、主に、ボルト接合、溶接、リベット締めや接着などの方式があり、そのうち、接着方式は、ケイ素鋼板同士を面固定の方式で組み立てて成形することができ、それにより、積層成形工程は、汚染がなく、鉄心の固定強度が高く、電磁振動ノイズが小さく、鉄心効率が高いなどの利点を有し、特にその他の固定方式を用いればねじれや剛性不足を招く場合、及びリベット打ち又は溶接に不便である場合などに適している。
【0003】
ケイ素鋼板の表面に自己接着性コーティングを塗布することは、接着方式でケイ素鋼同士を固定して成形するための一般的な方法であるが、以下の問題が存在する。輸入された自己接着性コーティング付きケイ素鋼の使用コストが高く、鉄心の積層成形工程が面倒で且つ作業効率が低く、比較的厚い自己接着性コーティングにより、二次硬化の際にケイ素鋼板の端面にコーティングのブリードアウトが存在し、それにより、鉄心の積厚の差値が大きくなり、積層係数が下がり、さらに鉄心の縁に対する研磨などの更なる工程などを追加する必要があり、その結果、現在のケイ素鋼用の自己接着性コーティング製品は市場に受け入れられる程度が低い。
【0004】
従来の自己接着性塗料は、主に熱硬化型エポキシエマルジョン及びその硬化剤(又は促進剤)を代表的な成分とし、それを用いたコーティング製品は、接着強度が大きく、耐食性及び耐寒接着性が優れ、ユーザーの使用ニーズを満たし、現在、代表的な商品として、例えばRembrandtin社製のRemisol EB546/547/548/549シリーズの塗料製品がある。しかしながら、このような従来の自己接着性コーティングは、接着強度がコーティングの膜厚と正の相関関係を有し、優れた接着強度、絶縁性や耐食性などの特性を確保するために、一般的に、各表面のコーティングの乾燥膜厚が4μmより大きい必要があり、鉄心を二次硬化して成形する際に、有機樹脂の架橋成膜が放熱反応であるため、積層係数が下がり、鉄心の積厚の差値が大きくなり、ホットプレスによる縁部からのブリードアウトなど、様々な問題が生じ、その結果、自己接着性コーティング製品に対するエンドユーザーの満足度が制限される。また、従来の自己接着性コーティングは、鉄心の二次硬化過程で180~250℃で1~4時間保温し、6~30Barの圧力を負荷するというプロセス条件を必要とするため、ユーザーから、鉄心の積層成形工程の要求が高く且つ作業効率が低いということがしばしば指摘された。
【0005】
現在、自己接着性コーティングの成分が主に有機物であることに鑑み、耐熱性を改善するために、当業者が従来の自己接着性塗料に無機粒子、例えばシリコン/アルミニウム/チタンのゾル又は分散体、或いは金属酸化物とシリコンホウ化物の複合塩、或いはリン酸塩や無機フィラーなどを加える。しかし、実際には、ケイ化物、アルミニウム化合物、チタン化合物の分散体だけは、工業的応用の可能性があり、残りの無機添加物の生産は、大規模で実施されにくく、塗料に無機塩の分散体を加えても自己接着性コーティングの耐熱性を適度に改善するだけで、鉄心のアニール、ブルーイングなどのプロセスでの高温に耐えることができない。従って、開発された耐高温性自己接着性コーティングは、一部のユーザーにより特別な用途に用いられる可能性があり、現在、ケイ素鋼生産工場では関連する普及や応用情報がなく、従来の自己接着性コーティングに固有の上記の使用上の欠陥も解決されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のコーティングの膜厚が大きいことに起因する、ホットプレスによるコーティングの縁部からのブリードアウト、鉄心の縦方向の積厚差が不良であるなどの問題を解決する、ケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料を提供することを目的とし、該塗料は、薄くて粘着性が高く、絶縁性が高く、縁部からのブリードアウトのない自己接着性コーティング製品を生産でき、鉄心の硬化成形工程での温度、時間及び負荷力などのユーザーの使用条件を改善し、ケイ素鋼用の自己接着性絶縁コーティング製品の応用の広さと深さを拡大する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本発明の技術案は以下のとおりである。
ケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料であって、熱硬化型水性成膜樹脂、熱可塑型水性成膜樹脂、無機ナノ粒子、助剤、溶媒及び純水を含み、前記熱硬化型水性成膜樹脂の固形分重量は、塗料の総重量の0.1~50%を占め、前記熱可塑型水性成膜樹脂の固形分重量は、塗料の総重量の0.1~60%を占め、前記無機ナノ粒子の固形分重量は、塗料の総重量の0.1~10%を占め、前記助剤及び溶媒の重量は、塗料の総重量の5~25%を占め、残りは純水であるケイ素鋼用の水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料。
【0008】
好ましくは、前記熱硬化型水性成膜樹脂の固形分重量は、塗料の総重量の5~20%を占める。
【0009】
好ましくは、前記熱可塑型水性成膜樹脂の固形分重量は、塗料の総重量の20~40%を占める。
【0010】
好ましくは、前記熱可塑型水性成膜樹脂の固形分重量は、熱硬化型水性成膜樹脂+熱可塑型水性成膜樹脂の合計重量の20~95%、好ましくは65~85%を占める。
【0011】
好ましくは、前記無機ナノ粒子の固形分重量は、塗料の総重量の2~6%を占める。
【0012】
前記助剤及び溶媒には、エチレングリコールが含まれ、エチレングリコールの使用量が前記水溶性環境保全型自己接着絶縁塗料の総重量の0.1~3.5%である。
【0013】
前記熱硬化型水性成膜樹脂は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む。
【0014】
好ましくは、前記エポキシ樹脂の固形分重量は、熱硬化型水性成膜樹脂の重量の80~99%、好ましくは91~98%を占める。
【0015】
さらに好ましくは、前記エポキシ樹脂は、エポキシ当量が100~2000g/eq、重量平均分子量Mwが200~4000、官能性が2~3である。
【0016】
前記硬化剤は、ジシアンジアミド、アミノ樹脂、イミダゾール、ポリイソシアナートのうちの1種又は複数種である。
【0017】
好ましくは、前記熱可塑型水性成膜樹脂は、ポリビニルアセテート、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステルのうちの1種又は複数種の共重合体である。
【0018】
さらに好ましくは、前記熱可塑型水性成膜樹脂は、ポリウレタン共重合エラストマーである。
【0019】
本発明の前記ポリウレタン共重合エラストマーの製造方法は、以下のとおりである。ポリエステルジオール及びジメチロールプロピオン酸(DMPA)を100~110℃、真空度0.085~0.095MPaで0.5~1h脱水した後、10~60℃に降温し、乾燥させた親水性機能性モノマーであるジイソシアネートを加え、60~90℃で1~4h反応させ、プレポリマーを得て、さらにこの温度でネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロパン(TMP)を加えて鎖延長を行い、鎖延長反応時間は2 ~ 5hであり、分子量2~8万、成膜温度:常温~200℃、開環温度120~180℃のポリウレタン共重合エラストマーを得る。
【0020】
さらに、上記製造方法では、親水性機能性モノマーであるジイソシアネートを加えると同時に、粘度を低下させるように少量のN-メチルピロリドン(NMP)を適宜加える。
【0021】
前記親水性機能性モノマーであるジイソシアネートとジメチロールプロピオン酸のモル比が1:0.5~1である。
【0022】
前記親水性機能性モノマーであるジイソシアネートは、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)又はイソホロンジイソシアネートなどである。
【0023】
また、前記親水性機能性モノマーであるジイソシアネートとジメチロールプロピオン酸のモル比が1:0.5~1であることにより、予備重合反応中にそれぞれのジメチロールプロピオン酸分子の2つの活性反応点が鎖延長反応に関与し、親水性機能性モノマー(1つの活性官能基のみを含む第三級アミン化合物)でブロックされないことを確保する。
【0024】
前記ポリエステルジオールのヒドロキシル価が100~200mgKOH/gであり、前記ジイソシアネートのイソシアネートNCO基と、ポリエステルジオール及びジメチロールプロピオン酸を脱水した生成物のヒドロキシ基とのモル比が4:3~5:4であり、ジメチロールプロピオン酸のカルボキシ基含有量がプレポリマーの重量の2.1~2.5%である。
【0025】
また、前記鎖延長反応では、ジオールのヒドロキシ基とプレポリマー中の末端イソシアネート基のモル比が0.9~1:1である。
【0026】
本発明の前記ポリウレタン共重合エラストマーの別の製造方法は、以下のとおりである。ポリエステルジオール及び機能性モノマーであるジメチロールプロピオン酸(DMPA)を100~110℃、真空度0.085~0.095MPaで0.5~1h脱水した後、10~60℃に降温し、ジイソシアネートを加え、60~90℃で1~4h反応させ、NCO末端プレポリマーを得る。次に撹拌条件下でこのプレポリマーを、中和剤であるトリエチルアミン及び鎖延長剤であるトリメチロールプロパン(TMP)を溶解した水溶液に加え、60~90℃で2~5h反応させ、分子量2~8万、成膜温度:常温~200℃、開環温度120~180℃のポリウレタン共重合エラストマーを得る。
【0027】
さらに、上記製造方法では、前記ジメチロールプロピオン酸の質量は、プレポリマーモノマーの総質量(ポリエステルジオール、ジメチロールプロピオン酸及びジイソシアネートの総質量)の4~8%を占める。
【0028】
前記親水性機能性モノマーであるジイソシアネートは、トリレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネート、又はイソホロンジイソシアネートなどである。
【0029】
前記ポリエステルジオールのヒドロキシル価が100~200mgKOH/gである。
【0030】
前記ジイソシアネートのイソシアネートNCO基と、ポリエステルジオール及びジメチロールプロピオン酸を脱水した生成物のヒドロキシ基とのモル比が4:3~5:4であり、このようにして、末端がイソシアネートでブロックされた後続の鎖延長用のプレポリマーが得られる。
【0031】
前記プレポリマー中のイソシアネートNCO基のモル数とトリメチロールプロパンに含まれるヒドロキシ基のモル数との比が1:1である。
【0032】
前記中和剤であるトリエチルアミンのモル数とプレポリマーモノマー中のジメチロールプロピオン酸のモル数との比が1~1.1:1であり、中和剤が少し過剰になることにより、完全に中和することが確保できる。水の使用量とプレポリマーの重量との比が1.8~2:1である。
【0033】
好ましくは、前記無機ナノ粒子は、TiO2、ZnO、SiO2、Al2O3、ZrO2、Fe3O4、CaCO3、Cr2O3のうちの少なくとも1種である。
【0034】
好ましくは、前記助剤は、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤、増粘剤、沈降防止剤、フラッシュ錆抑制剤のうちの少なくとも1種である。
【0035】
好ましくは、前記溶媒は、エチレングリコールを含み、グリセリン、酸化プロピレン、n-ブチルアルコール、イソブタノール、イソプロパノール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、トリグリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートのうちの少なくとも1種をさらに含む。
【0036】
本発明の研究によれば、前記熱硬化型水性成膜樹脂を単独でケイ素鋼コイル材に塗布してベークして成膜すると、一部のエポキシ樹脂と潜在性硬化剤が熱せられ、架橋反応して成膜し、残りの活性エポキシ樹脂が硬化基と反応しておらず、鉄心に加工した後、2つずつのコーティングシートの間に加熱加圧が施されるときに、コーティング内に残った活性エポキシ樹脂と硬化基が熱せられた後に、引き続き架橋反応して三次元網状構造の膜層を形成し、それにより、接着性を発生させて、熱硬化型自己接着性コーティングを形成する。該熱硬化型自己接着性コーティングは、優れた機械的防護性、耐食性、耐溶媒性や絶縁性を有するとともに、所定の耐熱性及び接着強度を有する。ただし、コーティングは、強い接着強度を得るには、所定の厚さ(>4μm)を保証しなければならず、且つこのようなコーティングの架橋硬化が放熱性反応であるため、コーティング鋼板の縁部からのブリードアウトの発生を回避できない。
【0037】
本発明の研究によれば、前記熱可塑型水性成膜樹脂を単独でケイ素鋼コイル材に塗布して、ベークして水分及び溶媒を除去した後、密に堆積して成膜する。鉄心に加工した後、2つずつのコーティングシートの間に加熱加圧が施されると、樹脂の鎖状基が伸び、冷却後に互いに結び付けられ、それにより、接着力が生じる。熱可塑型自己接着性コーティング薄膜は、優れた接着強度を有し、ベーク及び硬化過程がいずれも吸熱性反応であるため、コーティング鋼板の縁部からのブリードアウト現象を大幅に改善、更には根絶することができる。しかし、このようなコーティングは、柔らかく、その機械的防護性、耐食性などが相対的に不足している。
【0038】
熱硬化型/熱可塑型成膜樹脂のそれぞれの特性の違いに応じて、本発明は、この2種類の樹脂を組み合わせて用いる。本発明の研究によれば、成膜樹脂に熱硬化型成膜樹脂を加え、前記熱可塑型水性成膜樹脂の固形分重量が熱硬化型水性成膜樹脂+熱可塑型水性成膜樹脂の合計重量の20~95%、好ましくは65~85%を占めるように制御することにより、以下の効果をもたらす。a)熱可塑型成膜樹脂成分を加えるため、得られたコーティングが薄膜の状態では強い接着性を有する。b)塗料中の熱可塑型樹脂成分の割合が高いほど、塗料をケイ素鋼板の表面に塗布して固定成形することにより得た鉄心を一次硬化した後のコーティング全体の硬度が低くなり、鉄心を二次硬化するときに必要な負荷圧力が小さくなり、ひいては、更なる加圧を必要とせずに鉄心自体の重量だけで硬化接着を実現できる。c)熱可塑型膜の形成が吸熱反応であるため、比較的薄いコーティングの膜厚と比較的低い負荷圧力と組み合わせて、二次硬化後の鉄心の端面のブリードアウトを容易に制御、更には根絶することができる。
【0039】
本発明の前記塗料は、反応活性を有する無機ナノ粒子状物をさらに加える必要があり、そうすると、熱硬化型/熱可塑型成膜樹脂の官能基との間に物理的/化学的架橋点を形成し、それにより、樹脂官能基分子鎖にR-O-R及び/又はR-O-C結合(Rは、Si/Al/Ti/Zr/Znなどの金属元素を表す)を導入して網状構造を形成することができる。無機ナノ粒子状物の固形分重量は、0.1~10%、好ましくは2~6%を占め、含有量が少なすぎると、上記作用を発揮できず、含有量が多すぎると、塗布液の全体安定性が悪くなり、却ってコーティングシート間の接着強度を低下させてしまう。
【0040】
本発明の前記無機ナノ粒子は、鉄心形態のコーティングシート同士が加熱加圧されて硬化するとき、熱硬化架橋により形成される三次元網状構造に対しても、熱可塑化して延伸して結びつけることで形成された混合分子鎖に対しても、「リベット」のような耐変形作用を果たし、構造補強効果を発揮することができ、コーティングの接着強度の向上に寄与する。さらに、無機ナノ粒子は、さらに、コーティングの機械的防護性、絶縁性、耐熱性や緻密性を向上することができ、薄膜コーティングに必要な特性を基本的に保証する。
【0041】
本発明の前記塗料中の助剤の主な役割は、水性塗料の高速ロール塗布に対する塗布作業性を確保し、存在し得る濡れ、レベリング、フラッシュ錆、気泡などのコーティングの欠陥を防止することである。前記塗料中の有機溶剤は、主に、有機樹脂及び助剤の水への溶解性を向上させるためのものであり、また、溶液の表面張力を減少させ、コーティングのベーク過程で引け孔や塗り漏れなどの欠陥が発生することを防止し、さらに消泡機能も兼ねている。助剤及び溶媒は、保湿効果を果たすように、好ましくは、エチレングリコールを含有し、その分量が0.1~3.5%であり、主な目的は、塗料が風乾された後に低温で成膜することによって水洗いで落としにくいことを防止するためである。
【0042】
本発明の前記塗料に純水を加えることで、最終塗料の固形分重量を30~55%に調整し、コーティングの粘度を15~60秒に制御することができ、それにより、所望のコーティングの膜厚を正確に制御することができる。
【0043】
本発明による自己接着性塗料を用いて両面においてコーティングを施したケイ素鋼は、180~260℃の鋼帯温度でベークされると、各面の乾燥膜厚が1~4μmに制御される。コーティングケイ素鋼板が打ち抜き加工された後に積層されて鉄心になる場合、二次硬化プロセスは、鉄心の圧力負荷0.1~8Bar、120~200℃の温度で0.5~4時間維持し、好ましくは圧力負荷0.5~4Bar、150~200℃の温度で0.5~2時間維持することである。従って、本発明に係る自己接着性塗料を用いることによって、鉄心成形工程での二次硬化の温度、時間及び負荷圧力に対する要求が低減され、鉄心の硬化成形工程における温度、時間や負荷力などのユーザーの使用条件が改善される。
【発明の効果】
【0044】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
本発明では、熱可塑型水性成膜樹脂を加えて自己接着性絶縁塗料を製造し、製造した自己接着性コーティング膜は、膜厚が1~4μmである場合、高い接着強度(2~4.2N/mm)及び高い絶縁性(表面絶縁抵抗≧30Ω.cm2/枚)を有し、従って、比較的薄い自己接着性コーティング膜で、絶縁性、耐熱性、耐食性などの基本的な特性を確保した上で、より高い接着強度が得られ、そして、鉄心の積層工程の後に二次硬化成形するときに、ケイ素鋼板の端部で自己接着性コーティングのブリードアウトがなく、鉄心の積層工程の後に二次硬化成形するときに、過度に高い圧力、過度に高い温度を負荷する必要がなく、そして、硬化時間を縮み、ユーザーの使用条件を低減させ、鉄心の加工効率を向上させる。
【0045】
本発明の前記塗料は、水溶性エポキシ/ポリウレタンなどの成膜樹脂を基材とし、低毒性・低害性の溶媒を用いたものであり、得られた塗料は非危険化学品であり、VOC排出量が少なく、環境にやさしい。この水溶性環境保全型絶縁塗料は、様々なモータ、特にマイクロモーター、サーボモーター、自動車モータなどの新興分野用のケイ素鋼板の表面に塗布することができ、優れた接着強度及び絶縁性を有し、また、従来の自己接着性コーティング製品に存在する縁部からのブリードアウトという問題を解決し、ユーザーの使用条件を改善し、明らかな実用性を有し、商業的な応用範囲は非常に広い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本発明の実施例3におけるコーティングの膜厚と接着強度の関係図である。
【
図2】本発明の実施例3におけるコーティングの膜厚と縁部のブリードアウト現象の関係図である。
【
図3】本発明の実施例3における硬化温度と接着強度の関係図である。
【
図4】本発明の実施例3における負荷圧力と接着強度の関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、実施例及び図面を参照しながら、本発明についてさらに説明する。
【0048】
実施例(一)
熱硬化型水性成膜樹脂、熱可塑型水性成膜樹脂、無機ナノ粒子、助剤、溶媒及び水から構成される塗料の配合処方は、表1~2に示される。各種類の成分を均一に撹拌混合し、塗布液を調製しておく(無機ナノ粒子は、純水に高速分散させておき、次に分散液の形態で加えることができる)。
【0049】
表1の共重合エラストマーIの製造方法は、以下のとおりである。分子量1000のポリエステルジオール(十朝化工社製のCT-EP1000)0.26mol及びジメチロールプロピオン酸0.14molを、105℃、真空度0.09MPaで1h脱水し、30℃に降温し、乾燥したイソホロンジイソシアネート(IPDI)を0.5mol加え、70℃で4h反応させ、撹拌下でプレポリマーを、トリエチルアミン0.147mol及びトリメチロールプロパン(TMP)0.667molを溶解した水溶液に加え、水の量が776mlであり、次に80℃で撹拌しながら3.5h維持し、分子量約7万、成膜温度約100℃、開環温度約150℃の水性ポリウレタン共重合エラストマーを得た。容易に比較するために、すべての塗布液の固形分重量を40~50%に制御し、塗料のNo.4粘度カップでの粘度を20~30秒とした。塗布液を2本ロール又は3本ロール型ロールコータでM300-35A高級ケイ素鋼帯の表面に塗布し、直火式ベーク炉又は赤外乾燥炉を用いて180~260℃の板温条件でベークして一次硬化して成膜し、コーティングの片面の乾燥膜厚を3μmに制御した。
【0050】
実施例1:エポキシ樹脂:商品名D.E.R.TM915、DOW社から購入;変性アミン:商品名JH-6311M、佳迪達新材料科技有限公司から購入;酸化アルミニウム:商品名Aerodisp(登録商標)W 640 ZX、エボニック社から購入;レベリング剤:BYK-348、BYK化学から購入;フラッシュ錆抑制剤:ZT-709、海川化工社から購入。
【0051】
実施例2:エポキシ樹脂:商品名Epikote 6520、HEXIONから購入;ジシアンジアミド:商品名Dicyanex(登録商標)1400F、米国のエアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から購入;二酸化シリコン:商品名HDK(登録商標) A3017、ワッカー・ケミー社から購入;レベリング剤:BYK-346及び消泡剤:BYK-025:BYK化学社から購入。
【0052】
実施例3:エポキシ樹脂:商品名CT-E600、十朝化工社から購入;ジシアンジアミド:商品名Dicyanex(登録商標)1400F、米国のエアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から購入;二酸化シリコン:商品名Aerosil(登録商標)300、エボニック社から購入;消泡剤:BYK-025、BYK化学社から購入;湿潤剤:Tego 245、エボニックテゴケミー社から購入。
【0053】
実施例4:エポキシ樹脂:商品名Epikote 6520、HEXION社から購入;変性アミン:商品名JH-6311M、佳迪達新材料科技有限公司から購入;ポリウレタン:商品名CT-1406、十朝化工社から購入;二酸化シリコン:商品名HDK(登録商標) A3017、ワッカー・ケミー社から購入;消泡剤:BYK-025、BYK化学社から購入;湿潤剤:Tego 245、エボニックテゴケミー社から購入。
【0054】
実施例5:エポキシ樹脂:商品名D.E.R.TM 915、DOW社から購入;ジシアンジアミド:商品名Dicyanex(登録商標)1400F、米国のエアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から購入;酢酸ビニル-エチレン共重合体:商品名Celvolit(登録商標) 1496、セラニーズ社から購入;二酸化シリコン:商品名Aerosil(登録商標) 380、エボニック社から購入;レベリング剤:BYK-346、BYK化学社から購入。
【0055】
比較例1:エポキシ樹脂:商品名CT-E600、十朝化工社から購入、アミノ樹脂:商品名Cymel 325、オルネクスユーエスエーインコーポレイテッド社から購入;二酸化シリコン:商品名CAB-O-SIL EH-5、キャボット社から購入;レベリング剤:BYK-346、BYK化学社から購入;フラッシュ錆抑制剤:ZT-709、海川化工社から購入。
【0056】
比較例2:二酸化チタン:商品名Aerodisp(登録商標) W 740 X、エボニック社から購入;レベリング剤:BYK-348及び消泡剤:BYK-025:BYK化学社から購入。
【0057】
コーティング特性の評価結果を表3に示し、表3において、評価符号は、◎優秀、
【0058】
【0059】
良好、〇一般、△やや不良、×不良で受け入れられない。
【0060】
表3から分かるように、単一の熱硬化型コーティング(比較例1及び比較例3)は、防護性が非常に良好であるが、自己接着性コーティングとしての接着特性が良好ではない、一方、単一の熱可塑型コーティング(比較例2)は、接着特性が最も良好であるが、保護性及び耐熱性が不良であり、更には受け入れられない、それに対して、実施例1~5の熱可塑型/熱硬化型混合コーティングは、統合的特性が良好であり、そのうち、実施例3は、優れた接着特性とその他のコーティング特性を両立させることができるので、最適な実施例である。
【0061】
実施例(二) 異なる膜厚によるコーティングの加工・使用特性への影響の比較
実施例3及び比較例3の塗料配合処方を選んで用い、塗布液を2本ロール又は3本ロール型ロールコータでM300-35A高級ケイ素鋼帯の表面に塗布し、直火式ベーク炉又は赤外乾燥炉を用いて180~260℃の板温条件でベークして1次硬化して成膜し、コーティングの膜厚が異なる鋼板を得るように調整した。二次硬化には、金型外の通常の硬化プロセスを用い、4Barの圧力負荷を印加し、200℃で1.5時間保温した。
【0062】
膜厚が3μmの場合、ASTM A717標準に準じて絶縁性を測定したところ、表面絶縁抵抗は≧30Ω.cm2/枚であり、高い絶縁性を有した。
【0063】
コーティングの接着強度(ISO 11339標準に準じたT剥離法で検出、下同)と膜厚の関係を
図1に示し、コーティングの膜厚と縁部からのブリードアウト現象との関係を
図2に示した。
【0064】
図1から分かるように、本発明の実施例3の塗料による自己接着性コーティング膜は、膜厚が1~4μmの場合、接着強度が2.6~4.2N/mmに達し、比較的強い接着力を有し、本発明で製造された自己接着性コーティング膜は、膜厚が<4μmの場合、接着強度がいずれも比較例3より優れている。
【0065】
図2から分かるように、本発明の実施例3の塗料による薄膜は、厚さが0~7μmの範囲では、いずれもブリードアウト現象がなく、一方、比較例3で得られたコーティングは、膜厚が比較的厚い場合、縁部からのブリードアウト現象が深刻であった。
【0066】
実施例(三)異なる二次硬化プロセスによるコーティングの加工・使用特性へのの影響の比較
実施例3及び比較例3の塗料配合処方を選んで用い、塗布液を2本ロール又は3本ロール型ロールコータでM300-35A高級ケイ素鋼帯の表面に塗布し、直火式ベーク炉又は赤外乾燥炉を用いて180~260℃の板温条件でベークして1次硬化して成膜し、コーティングの片面の乾燥膜厚を3~3.5μmに制御した。以下の金型外の通常の二次硬化プロセスを採用した。a)負荷圧力が6Bar、硬化保温時間が1.5時間であが、異なる硬化温度を与え、硬化温度と接着強度の関係を
図3に示し、b)200℃で1.5時間保温し、異なる圧力負荷を印加し、負荷圧力と接着強度の関係を
図4に示した。
【0067】
図3から分かるように、本発明の実施例3の塗布液は、二次硬化して成膜するときに、硬化温度≦200℃では、比較的高い接着強度が得られ、それは、本発明に係る塗料が、二次硬化するときに、より低い硬化温度で、より高い接着強度を実現できることを示した。
【0068】
図4から分かるように、本発明の実施例3の塗布液は、二次硬化して成膜するとき、負荷圧力≦4Barでは、比較的高い接着強度が得られ、それは、本発明に係る塗料が、二次硬化するときに、より低い圧力負荷で、より高い接着強度を実現できることを示した。
【0069】
【0070】
【0071】