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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 29/00 20060101AFI20221006BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
F25D23/00 301D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021103227
(22)【出願日】2021-06-22
(62)【分割の表示】P 2019078562の分割
【原出願日】2012-08-21
(65)【公開番号】P2021152447
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】阿部 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】藪上 裕也
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-058787(JP,A)
【文献】特開2012-154629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 29/00
H03K 17/955 ~ 17/06
H01H 36/00
G04G 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能の操作が可能な操作部を扉の前面板に有する冷蔵庫において、
前記操作部は、外部から接触操作を検出する出部を有する検出部材と、
前記検出部を支持する支持部材と、
光を照射する光源と、
前記支持部材と前記前面板との間において前記光源よりも前記前面板側でかつ前記検出部材の後側に接して設けられ、弾性を有する弾性部材とを備える冷蔵庫。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記検出部の検出領域において設けられている請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記検出部は、人が前記前面板に接触することに伴う静電容量の変化を検出する静電容量式の検出部であり、
前記弾性部材は、プラスチック材料から構成されている請求項1又は2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記前面板は、光透過性を有しており、
弾性部材は、透明な材料からなり、前記光源からの光が、該押当て部材を通過して前記前面板に入射する請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば家庭用の冷蔵庫においては、一般に、冷蔵室の扉に、操作を指示する複数の操作部及びその操作結果を表示する複数の表示部を有する操作パネルを設けることが行われている。近年、前記操作部を構成する操作スイッチとして、例えばガラス製の前面板の裏面側に、タッチ検出用の電極を配置した静電容量式のタッチセンサを採用することが考えられている(例えば特許文献1参照)。この静電容量式タッチセンサは、人の指が前面板に接触(近接)することに伴う電極の静電容量の変化を検出することに基づいて、操作されたことを判断するようになっている。また、前記表示部は、文字表示用のフィルムの後方にLEDを配置して構成され、前記操作部の操作が判断されると、対応する表示部のLEDが発光されて表示部が光るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-78086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、複数の操作部が横並びに配置されており、それに合わせて表示部も横並びに配置されている。しかし、操作部(静電容量式タッチセンサ)の配線を配置する際に、LEDの光路中を配線が横切るなど表示部の表示の邪魔になり、それを避けるために、表示部全体が大型化したり、或いは、LEDの光を文字表示用フィルムに導くための導光板を設ける等の構成の複雑化を招いたりしてしまう。そこで、冷蔵庫本体の扉に設けられる操作部及び表示部を、比較的簡単な構成でコンパクトに配置する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の冷蔵庫は、所定の機能の操作が可能な操作部を扉の前面板に有する冷蔵庫において、前記操作部は、外部から接触操作を検出する出部を有する検出部材と、前記検出部を支持する支持部材と、光を照射する光源と、前記支持部材と前記前面板との間において前記光源よりも前記前面板側でかつ前記検出部材の後側に接して設けられ、弾性を有する弾性部材とを備える冷蔵庫。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態を示すもので、冷蔵庫本体の正面図
図2】操作パネル部の全ての表示がなされた状態の拡大正面図
図3】電気的構成を示すブロック図
図4】操作ユニットの分解斜視図
図5】収納部に対する操作ユニットの挿入時の様子を示す分解斜視図
図6】収納部に対する操作ユニットの収納状態を前面板の除去状態で示す斜視図
図7図6のA-A線に沿う操作ユニットの縦断側面図
図8図6のB-B線に沿う操作ユニットの横断平面図
図9】可撓性スイッチプリント板の正面図
図10図6のC-C線に沿う延長部部分の縦断側面図
図11】第2の実施形態を示すもので、可撓性スイッチプリント板における配線の構成を概略的に示す正面図
図12】第3の実施形態を示す図11相当図
【発明を実施するための形態】
【0007】
(1)第1の実施形態
以下、第1の実施形態について、図1ないし図10を参照して説明する。図1は、本実施形態における冷蔵庫本体1の外観構成を概略的に示している。この冷蔵庫本体1は、前面が開口した縦長矩形箱状の断熱箱体2内に、複数の貯蔵室を設けて構成されている。具体的には、断熱箱体2内には、上から順に冷蔵室3、野菜室4が設けられ、この野菜室4の下方に製氷室5と第2冷凍室(切替室)6とが左右に並べて設けられ、最下部に第1冷凍室7が設けられている。
【0008】
このうち、冷蔵室3及び野菜室4は、庫内温度が例えば1℃から5℃程度の冷蔵温度に制御される冷蔵温度帯の貯蔵室である。製氷室5、第2冷凍室6及び第1冷凍室7は、庫内温度が例えば-18℃以下の冷凍温度に制御される冷凍温度帯の貯蔵室である。前記冷蔵室3の前面には、断熱性を有する観音開き式の扉、即ち左右2枚のヒンジ開閉式の扉8、9が設けられている。後述するように、そのうち左側の扉8(以下、左扉8という)には、図2等にも示すように、操作パネル部10が設けられる。前記野菜室4、製氷室5、第2冷凍室6、第1冷凍室7の前面は、夫々、背面部に貯蔵容器を連結した引出し式の断熱扉11、12、13、14によって開閉される。
【0009】
詳しく図示はしないが、前記冷蔵庫本体1には、冷凍サイクルが組込まれている。図3に一部示すように、この冷凍サイクルは、前記冷蔵室3及び野菜室4を冷却するための冷蔵室用冷却器と、前記製氷室5及び第1、第2冷凍室7、6を冷却するための冷凍室用冷却器との2つの冷却器を備えると共に、圧縮機15(図3にのみ図示)、凝縮器、前記2つの冷却器に対する冷媒の流れを切替えるための切替弁16等を備えて構成される。
【0010】
また、図3に示すように、冷蔵庫本体1内には、冷蔵室3及び野菜室4に冷蔵室用冷却器からの冷気を循環供給するための冷蔵用送風機17、製氷室5及び第1、第2冷凍室7、6に冷凍室用冷却器から冷気を循環供給するための冷凍用送風機18、前記冷凍室用冷却器の除霜を行うための除霜ヒータ19.冷蔵室温度センサ20、冷凍室温度センサ21等が設けられている。
【0011】
さらに、冷蔵庫本体1内には、コンピュータを主体として構成され、全体を制御する主制御装置22が設けられている。この主制御装置22は、後述する操作制御部23にも接続され、前記操作制御部23からの信号や、前記冷蔵室温度センサ20、前記冷凍室温度センサ21の信号などに基づいて、前記冷蔵用送風機17、冷凍用送風機18、圧縮機15、切替弁16、除霜ヒータ19を制御し、もって、冷蔵庫本体1の冷却運転を実行するようになっている。
【0012】
次に、前記冷蔵室3の左扉8に設けられる操作パネル部10の構成について、図2ないし図10も参照して詳述する。ここで、詳しく図示はしないが、前記左扉8は、前面側に配置されるガラス製の前面板24と、その裏面側に配置される前面が開放した前後に薄型のプラスチック製の箱体との間に、断熱材を配置して構成されている。図5等に示すように、操作パネル部10は、前記前面板24の裏面側に、詳しくは後述する操作ユニット25を配設して構成されている。この操作パネル部10は、図1に示すように、左扉8の前面のうち、ヒンジとは反対の開動側、つまり右側の辺部寄り部分の縦長な矩形状の領域に設けられている。
【0013】
このとき、操作パネル部10は、図2に示すように、右側に、ユーザが手の指でタッチ操作する複数、この場合6個の操作部26~31を縦一列に並んで備えている。これと共に、それら操作部26~31の左側に、各操作部26~31に対応した表示部32~36が縦に並んで設けられている。各操作部26~31は、静電容量式タッチセンサから構成されており、前面板24の前面に仮想的に設定される操作ボタン26a~31aと、その裏面側に位置する静電容量検出部26b~31b(図9等参照)とを有している。
【0014】
具体的には、図2に示すように、上から順に、「冷蔵」の操作部26(操作ボタン26a)、「冷凍」の操作部27(操作ボタン27a)、「冷凍機能」の操作部28(操作ボタン28a)、「製氷」の操作部29(操作ボタン29a)、「節電」の操作部30(操作ボタン30a)、「ホーム」の操作部31(操作ボタン31a)が設けられている。そのうち、「冷蔵」、「冷凍」、「冷凍機能」、「製氷」、「節電」の操作ボタン26a~30aについては、円の中にそれらの文字を配置して構成される。「ホーム」の操作部31の操作ボタン31aは、ほぼ五角形のマーク(家のイメージ)で設けられている。
【0015】
これに対し、最上段の表示部32は、「冷蔵」、「冷凍」の操作部26、27に対応してそれらの中間の高さに設けられ、「強」、「弱」の文字と、全体で円形に配置された5個の円弧ライン状のマークからなり、点灯の数が強度レベルを表すインジケータとなる。その一つ下の表示部33は、「冷凍機能」の操作部28に対応し、上から順に「一気冷凍」、「熱もの冷凍」、「野菜冷凍」、「ドライ」の文字が、選択的に表示される。
【0016】
その下の表示部34は、「製氷」の操作部29に対応し、「一気製氷」、「製氷オフ」の文字が、選択的に表示される。その下の表示部35は、「節電」の操作部30に対応し、上から順に「節電」、「おでかけ」、「ピークシフト」の文字が、選択的に表示される。最下段の表示部36は、「ホーム」の操作部31に対応し、「ecoモード」の文字と、「キー(鍵)」のマークとが表示される。
【0017】
尚、詳しい図示及び説明は省略するが、前面板24は、例えば裏面側に塗料が塗布されて半透明状態とされており、後述する光源としてのLEDの点灯時のみ、操作ボタン26a~31a(円及び文字)が明輝して見える構成となっている。但し、最下段に位置する「ホーム」の操作ボタン31aだけは、例えば印刷により常に表示された状態となっている。また、表示部32~36についても、光源としてのLEDの点灯時のみ、操作部26~31で選択された文字やマークが明輝して見える構成となっている。
【0018】
さて、前記操作パネル部10の操作ユニット25は、次のように構成される。即ち、図4に示すように、操作ユニット25は、裏面側から順に、回路基板37、遮蔽板38、ばね部材39、可撓性スイッチプリント板40、銘板フィルム41を重ねるように配置して構成される。
【0019】
そのうち回路基板37は、やや縦長の矩形状に構成され、その表面(前面)に、前記各操作部26~31及び各表示部32~36に対応してそれらの光源となる複数個のLED42が実装されている。これと共に、回路基板37には、そられLED42に対する通電用回路や、後述する静電容量検出部26b~31bの信号処理回路(検出部)を含む操作制御部23(図3にのみ図示)が設けられ、更に、外部との接続用の外部接続用コネクタ43等を備えている。この回路基板37には、後述する可撓性スイッチプリント板40の接続部が接続されるコネクタ部44も設けられている。
【0020】
前記遮蔽板38は、着色された(光が透過しない)リジッドなプラスチック成型品からなり、全体として縦長矩形状に構成されている。具体的には、図4に示すように、遮蔽板38は、縦長矩形状の前板部38aと、その前板部38aの周囲(四辺部)から後方に立下がる周壁部38bと、前板部38aに設けられた複数の光透過部45とを一体に有している。また、遮蔽板38の右辺部の下端部には、後述する可撓性スイッチプリント板40を回路基板37に電気的に接続するための切欠き部38cが形成されている。更に、遮蔽板38の周壁部38bのうち左辺部には、左側方に突出する矩形枠状をなすばね性を有したストッパ部49が、上下方向に並んで3箇所に位置して一体に設けられている。
【0021】
前記各光透過部45は、前記回路基板37の各LED42の光を、光の漏れが無いようにしながら、前方の前記各操作部26~31及び各表示部32~36に向けて夫々案内するためのものである。従って、図6図7にも示すように、各操作部26~31に対応した光透過部45は、後方に向けてすぼまっていくようなテーパ状(すり鉢状)をなし、遮蔽板38の中央右寄りに位置して全体で6個が縦に並んで形成されている。また、各表示部32~36(各文字やマーク)に対応した光透過部45は、前後に深さをもった枠状(例えば文字に対応する部分は横長な枠状)をなし、遮蔽板38の左側に位置して縦に並んで形成されている。この遮蔽板38は、前記回路基板37の表面側に、位置決め状態で被せられようにして結合される。
【0022】
前記ばね部材39は、柔軟性(弾性)を有する透明なプラスチック材料からなり、各操作部26~31(操作ボタン26a~31a)に対応した(一回り大きい)円形状をなす肉厚な円形部39aと、ほぼ「く」の字型をなすようにしてそれらを順に上下につなげる連結部39bとを一体的に有して構成されている。このばね部材39は、遮蔽板38の前板部38aの前面右寄り部分に形成された凹所に嵌り込むように取付けられる。これにて、ばね部材39は、次に述べる可撓性スイッチプリント板40の各静電容量検出部26b~31bの裏面側に配置されるばね性を有したクッション材として機能し、それら各静電容量検出部26b~31bを、銘板フィルム41を介して前記前面板24の裏面に対して押当てる機能を果たす。
【0023】
そして、前記可撓性スイッチプリント板40は、図9にも示すように、全体として前記遮蔽板38の前板部38aの右半部を覆うような縦長矩形状の薄型シート状をなしている。この可撓性スイッチプリント板40は、詳しく図示はしないが、可撓性を有する例えばPETからなる透明なフィルムたるベースフィルム40aの表面に、前記静電容量検出部26b~31b及び配線46、誤検出防止用電極47等を印刷形成し、その表面をやはりPETからなる透明なカバーフィルムで覆った構成を備える。
【0024】
このとき、前記各操作部26~31の一部を構成する各静電容量検出部26b~31bは、ベースフィルム40aの表面に、例えば一定の透明性を有する導電性ポリマーを、夫々円形(最下部の静電容量検出部31bのみ五角形)に印刷塗布して構成されている。前記配線46は、ベースフィルム40aの表面に対する銀ペーストの印刷により形成され、各静電容量検出部26b~31bから、右側に延びた後、直角に折曲がって下方に延びている。
【0025】
前記誤検出防止用電極47は、ベースフィルム40aの表面に対する銀ペーストの印刷により前記配線46と共に(同時に)印刷形成され、前記配線46のうち、各静電容量検出部26b~31bから右方に延びている部分を両側から挟むようにして設けられている。前記複数本の配線46は、誤検出防止用電極47から延びている配線と併せてまとまった状態で、可撓性スイッチプリント板40の右辺部(静電容量検出部26b~31bの右側)において、左右に狭い間隔で並ぶようにして上下方向に延びて配置されている。
【0026】
そして、可撓性スイッチプリント板40は、右辺部の下端部に位置して、細幅に下方に延び、前記複数本の配線46が設けられた延長部40bを有し、その延長部40bの先端に、左に折れ曲がるように接続部48が設けられている。この接続部48の先端(左辺部)には、前記各配線46が接続された複数個のカーボン製の接点が設けられている。このとき、可撓性スイッチプリント板40は、遮蔽板38の前板部38a(ばね部材39)の前面に配置されるのであるが、図10に示すように、延長部40bが、折り返されることなく、遮蔽板38の切欠き部38cを通って回路基板37の表面側に落ち込み、接続部48が前記コネクタ部44に接続されるようになっている。
【0027】
前記銘板フィルム41は、詳しく図示はしないが、縦長矩形状の透明フィルムの表面に、遮光部及び表示用透光部を設けて構成されている。そのうち表示用透光部は、前記各操作ボタン26a~31aを表示するためのマークや文字、並びに、各表示部32~36を構成する各文字やマークに対応して(透明に抜かれた状態で)形成されている。上記したように、前記LED42が点灯されることによって、銘板フィルム41の表示用透光部を光が通され、もって前面板24(操作パネル部10)に文字やマークが表示されるようになる。上記した可撓性スイッチプリント板40及び銘板フィルム41は、前記遮蔽板38の前面に位置決め状態で重ね合わせられるように取付けられ、以て、ユニット化された操作ユニット25が構成されるのである。
【0028】
上記のように構成された操作ユニット25は、図5図6等に示すように、前記左扉8のうち、右下寄り部分に設けられた収納部50に出し入れ可能に収納される。このとき、左扉8(箱体)のうち右側の側壁部8aには、操作ユニット25を出し入れするための縦長な開口部50aが設けられている。前記収納部50は、左扉8ののうち開口部50aから連続する右側前寄り部分に断熱材が除かれた形態の空間が設けられ、その空間部に位置して前記側壁部8aにプラスチック製の収納ケース51を取付けて構成される。
【0029】
この収納ケース51は、図7及び図8にも一部示すように、前面が開口し、前記操作ユニット25が収納可能な前後方向に薄型の矩形箱状をなしている。この場合、収納ケース51は、縦長矩形板状の背板部51aと、その上辺、左辺、下辺から前方に立上る周壁部51bと、それら周壁部の前端に位置するフランジ部51cとを一体に有している。このとき、フランジ部51cの前面が前記前面板24の裏面に当接するように設けられる。
【0030】
操作ユニット25は、図5に示すように、開口部50aから、収納ケース51(収納部50)内にスライドして収納される。そして、図6に示すように、開口部50a部分には、蓋部材52が着脱可能に取付けられる。この蓋部材52は、開口部50aを塞ぐと共に、上下2個の腕部52aによって、操作ユニット25を収納ケース51にがたつきなく押える機能を果たす。このとき、図8にも示すように、操作ユニット25(遮蔽板38)から左方に突出するばね性を有した3個のストッパ部49が、収納ケース51に押付けられるようになっている。
【0031】
尚、図示はしないが、前記収納部50には、前記回路基板37の外部接続用コネクタ43に接続されるコネクタが、リード線に接続された状態で設けられており、そのリード線は、開口部50aから外部に引き出しできる程度の余裕を持って設けられている。これにて、操作ユニット25の外部接続用コネクタ43に対するコネクタの接続作業を、左扉8の外部で行った後に、収納部50内への収納作業が行われる。前記コネクタの接続によって、図3に示す主制御装置22と操作制御部23(操作ユニット25)との電気的接続がなされる。
【0032】
また、詳しい説明は省略するが、上記したように、操作パネル部10においては、通常状態(ユーザによる操作が無いとき)には、「ホーム」の操作ボタン31aだけが表示された(操作可能な)状態となっている。そして、ユーザが、操作ボタン31aをタッチ操作すると、LED42の点灯により、各操作ボタン26a~30aが表示されて操作可能となると共に、現状の設定情況に対応したLED42が点灯されて表示部32~36が視認可能となる。その後は、操作ボタン26a~31aの操作(設定)に応じて表示部32~36における必要な表示がなされる。操作部26~31の操作が終了して一定時間が経過すると(あるいは「ホーム」の操作ボタン31aが操作されると)、LED42が消灯されて通常状態に戻る。
【0033】
次に、上記構成の作用・効果について述べる。上記構成の操作パネル部10においては、各操作部26~31を、前面板24の裏面側に静電容量検出部26b~31bを配置した静電容量式タッチセンサから構成し、それらを縦方向に並んで設けると共に、各表示部32~36も縦方向に並んで設けるようにした。この操作パネル部10にあっては、各操作部26~31の操作ボタン26a~31aが縦方向に並んでいると共に、各表示部32~36も縦方向に並んでいるので、ユーザが操作部26~31を操作する際に、表示部32~36や他の操作部26~31がユーザの手や指で隠れてしまうことが起こりにくくなる。
【0034】
従って、ユーザにとって、各操作ボタン26a~31aや各表示部32~36を見やすく、且つ、各操作ボタン26a~31aの操作がしやすい配置となる。そして、静電容量検出部26b~31bからの配線46が、各表示部32~36と重ならない位置に配設されているので、表示部32~36の表示の邪魔となることがない。しかも、表示部32~36に配線を避けるための導光板等の構成の追加が不要となるため、その分、簡単な構成でコンパクトに済ませることができる。
【0035】
また、本実施形態では、冷蔵室3の扉として観音開き式の扉8、9を採用した冷蔵庫本体1において、操作パネル部10を、そのうち左扉8の右側部、つまりヒンジとは反対の開動側に位置して設けるようにした。これにより、左扉8の開動側において、操作パネル部10(操作ユニット25)のメンテナンス等を行うことができ、メンテナンス性に優れるものとなる。操作部26~31が左扉8の右側、つまり中央寄りに位置することにより、操作部26~31を操作しやすいものとすることができる。
【0036】
しかも、操作パネル部10においては、複数の操作部26~31が縦方向に配列されている右側に、配線46を配置すると共に、複数の操作部26~31の左側に位置して、複数の表示部32~36を縦方向に配列して設けるようにした。これにより、ユーザが、操作ボタン26a~31aを右手で操作する場合に、表示部32~36が当該右手で隠されることがないので、表示部32~36の表示を見やすく、操作部26~31の操作性を良好なものとすることができる。
【0037】
また、操作部26~31及び表示部32~36を、操作ユニット25としてユニットすると共に、その操作ユニット25が、左扉8に設けられた収納部50(収納ケース51)に対しスライドして収納されるように構成した。これにより、操作ユニット25の取扱いがしやすく、組付けやメンテナンスを容易に行うことができる。
【0038】
操作ユニット25にあっては、可撓性を有するベースフィルム40aに静電容量検出部26b~31b及びその複数本の配線46を形成して可撓性スイッチプリント板40を設けるようにした。その際、前記複数本の配線46を、まとめて該ベースフィルム40aを上下方向に延びて配置し、該ベースフィルム40aの端部の延長部40bに、それら配線46が回路基板37のコネクタ部44に接続される接続部48を設ける構成とした、これにより、配線46を、薄型で、取扱いしやすいものとすることができ、接続部48により、回路基板37との接続作業も容易に行うことができる。
【0039】
操作ユニット25にあっては、可撓性スイッチプリント板40と回路基板37とを、遮蔽板38を介して前後に離間して設け、可撓性スイッチプリント板40の延長部40bが上下方向に延び、その先端側が遮蔽板38の切欠き部38cを通って奥方に延びるようにして回路基板37の表面側に落ち込み、折り返されることなく、接続部48がコネクタ部44に接続されるように構成した。これにより、例えば操作ユニット25を収納部50にスライド収納する際に、可撓性スイッチプリント板40の延長部40bが邪魔になることはなく、例えばフィルム(延長部40b)の折返し部分が、開口部50aの縁部に引掛かってしまう等の不具合を未然に防止することができる。
【0040】
更に本実施形態では、可撓性スイッチプリント板40に、静電容量検出部26b~31bからの配線46の近傍に位置して誤検出防止用の電極47を設ける構成としたので、誤検出防止の性能に優れたものとすることができる。尚、表示部32~36とは異なるところ(右側)に配線46を設けたことにより、そのような誤検出防止用電極47の配置スペースを確保することが可能となった。
【0041】
(2)第2、第3の実施形態、その他の実施形態
図11は、第2の実施形態を示すものであり、可撓性スイッチプリント板61における配線の構造を概略的に示している。この可撓性スイッチプリント板61は、縦長矩形状をなす可撓性ある透明なベースフィルム61aに、操作部を構成する複数個の円形の静電容量検出部62を縦に並べて印刷形成すると共に、それらから延びる配線63、64を印刷形成して構成される。
【0042】
それら配線としては、ベースフィルム61aの右側部分に配置される主配線63と、ベースフィルム61aの左側部分に主配線63とは別に設けられ該主配線63と同等の機能を有する補助配線64とが、2系列に渡って設けられている。このとき、主配線63は、静電容量検出部62から右方に延びた後、直角に折曲ってベースフィルム61aの右辺部を左右に狭い間隔で並ぶようにして下方に延びている。補助配線64は、静電容量検出部62から左方に延びた後、直角に折曲ってベースフィルム61aの左辺部を下方に延び、更にベースフィルム61aの下端部で、右方に折れ曲がって、それぞれ対応する主配線63に接続されている。
【0043】
そして、可撓性スイッチプリント板61には、主配線63が真直ぐ下方に延びるようにして、右端部から下方に延びる延長部61bが一体に設けられ、延長部61bの先端に接続部65が設けられている。尚、図示はしないが、左側の補助配線64についても、表示部と重ならない(表示の邪魔にならない)位置に設けられていることは勿論である。
【0044】
このような第2の実施形態によれば、冷蔵庫本体1の左扉8に設けられる操作部及び表示部を、比較的簡単な構成でコンパクトに配置することができる等、上記第1の実施形態と同様の作用・効果が得られることに加え、もし主配線63に断線があっても、補助配線64を用いることによって容易に対応することが可能となるといった利点を得ることができる。
【0045】
図12は、第3の実施形態を示すものであり、可撓性スイッチプリント板71における配線の構造を概略的に示している。この可撓性スイッチプリント板71は、縦長矩形状をなす可撓性ある透明なベースフィルム71aに、操作部を構成する複数個の円形の静電容量検出部72を縦に並べて印刷形成すると共に、それらから延びる主配線73及び補助配線74を印刷形成して構成される。
【0046】
このとき、主配線73は、静電容量検出部72から右方に延びた後、直角に折曲ってベースフィルム71aの右辺部を左右に狭い間隔で並ぶようにして下方に延びている。補助配線74は、静電容量検出部72から左方に延びた後、直角に折曲ってベースフィルム61aの左辺部を下方に延びている。そして、可撓性スイッチプリント板71には、主配線73が真直ぐ下方に延びるようにして、右端部から下方に延びる延長部71bが一体に設けられ、延長部71bの先端に接続部75が設けられている。さらに、可撓性スイッチプリント板71には、補助配線74が真直ぐ下方に延びるようにして、左端部から下方に延びる延長部71cが一体に設けられ、延長部71cの先端に補助接続部76が設けられている。
【0047】
このような第3の実施形態によれば、上記第2の実施形態と同様の作用・効果を得ることができ、これと共に、可撓性スイッチプリント板71に、主配線73を回路基板に接続する接続部75に加えて、補助配線74を該回路基板に接続する補助接続部76を設けたので、上記のような主配線73の断線発生時に、主配線73の使用から補助配線74の使用への切替え作業を容易に行うことができる。
【0048】
尚、上記各実施形態では、観音開き式の扉のうち左扉8に操作パネル部10(操作ユニット25)を設けるようにしたが、右側の扉9に設けるようにしても良い。この場合も、ヒンジとは反対の開動側(左辺部寄り)に操作パネル部を設けることができる。またこの際には、操作パネル部における表示部と配線の位置(左右)を入れ替えるようにしても良い。冷蔵室がヒンジ開閉式の1枚の扉により開閉される場合にあっても、ヒンジとは反対の開動側に、操作パネル部を設けることができる。
【0049】
その他、上記した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、冷蔵庫本体の各室の構成(配置)や、操作パネル部における操作部(操作ボタン)の種類や数、表示部の表示の形態等についても様々な変形例が考えられる。更には、操作ユニットの具体的な構造、例えば回路基板における光源の種類や遮蔽板の構造、ばね部材の有無、可撓性スイッチプリント板における静電容量検出部や配線の配置、誤検出防止用の電極の有無や配置等に関しても種々の変形が可能であるなど、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【符号の説明】
【0050】
図面中、1は冷蔵庫本体、8は左扉、10は操作パネル部、24は前面板、25は操作ユニット、26~31は操作部、26a~31aは操作ボタン、26b~31b、62、72は静電容量検出部、32~36は表示部、37は回路基板、38は遮蔽板、39はばね部材、40、61、71は可撓性スイッチプリント板、40aはベースフィルム(フィルム)、40b、61a、71aは延長部、41は銘板フィルム、42はLED、43は外部接続用コネクタ、44はコネクタ部、46は配線、47は誤検出防止用電極、48、65、75は接続部、50は収納部、51は収納ケース、52は蓋部材、63、73は主配線、64,74は補助配線、76は補助接続部を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12