(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】自動運転参照経路の確定方法、装置、端末、記憶媒体、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/12 20200101AFI20221006BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20221006BHJP
【FI】
B60W30/12
B60W60/00
(21)【出願番号】P 2021120242
(22)【出願日】2021-07-21
(62)【分割の表示】P 2020024023の分割
【原出願日】2020-02-17
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】201910127401.6
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512015127
【氏名又は名称】バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー(ペキン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ジュー ジェングアン
(72)【発明者】
【氏名】リー ホンイエ
(72)【発明者】
【氏名】フー シアオシン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジーユエン
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-49445(JP,A)
【文献】国際公開第2017/205278(WO,A1)
【文献】特開2018-200559(JP,A)
【文献】特開2018-47836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の所在する現在車線の車線情報を取得することと、
前記現在車線の車線情報に基づき、前記現在車線に対応する自動運転参照経路を算出することと、
前記現在車線と他の車線との間のトポロジー関係に基づき、候補車線の車線情報を取得することと、
前記現在車線に対応する自動運転参照経路と前記候補車線の車線情報に基づき、前記候補車線に対応する自動運転参照経路を算出することと、を含
み、
前記現在車線と他の車線との間のトポロジー関係に基づき、候補車線の車線情報を取得することは、
前記現在車線と前記他の車線の間のトポロジー関係に基づき、前記候補車線の優先順位を設定することと、
前記優先順位に基づき、前記候補車線の車線情報を取得することと、を含む、
ことを特徴とする自動運転参照経路の確定方法。
【請求項2】
車両の所在する現在車線の車線情報を取得する前に、
出発地と目的地の間の通行可能道路を取得することと、
前記通行可能道路における各道路を区割し、少なくとも1つの車線を含む道路区間を複数生成することと、をさらに含む、
請求項1に記載の自動運転参照経路の確定方法。
【請求項3】
前記現在車線と他の車線の間のトポロジー関係に基づき、前記候補車線の優先順位を設定することは、
前記現在車線の両側の車線の優先順位を、前記現在車線の進行方向における次の車線の優先順位よりも高く設定することを含む、
請求項
1に記載の自動運転参照経路の確定方法。
【請求項4】
前記優先順位に基づき、前記候補車線の車線情報を取得することは、
前記候補車線が前記現在車線の両側の車線と、前記現在車線の進行方向にあたる次の車線を含む場合、前記現在車線の両側の車線の車線情報を優先的に取得することを含む、
請求項
3に記載の自動運転参照経路の確定方法。
【請求項5】
車両の所在する現在車線の車線情報を取得する現在車線情報取得モジュールと、
前記現在車線の車線情報に基づき、前記現在車線に対応する自動運転参照経路を算出する現在車線自動運転参照経路算出モジュールと、
前記現在車線と他の車線との間のトポロジー関係に基づき、候補車線の車線情報を取得する候補車線情報取得モジュールと、
前記現在車線に対応する自動運転参照経路と前記候補車線の車線情報に基づき、前記候補車線に対応する自動運転参照経路を算出する候補車線自動運転参照経路算出モジュールと、を備え
、
前記候補車線情報取得モジュールは、
前記現在車線と前記他の車線の間のトポロジー関係に基づき、前記候補車線の優先順位を設定する候補車線優先順位設定ユニットと、
前記優先順位に基づき、前記候補車線の車線情報を取得する候補車線情報取得ユニットと、を備える、
ことを特徴とする自動運転参照経路の確定装置。
【請求項6】
出発地と目的地の間の通行可能道路を取得する通行可能道路取得モジュールと、
前記通行可能道路における各道路を区割し、少なくとも1つの車線を含む道路区間を複数生成する道路区間区割モジュールと、をさらに備える、
請求項
5に記載の自動運転参照経路の確定装置。
【請求項7】
前記候補車線優先順位設定ユニットは、
前記現在車線の両側の車線の優先順位を、前記現在車線の進行方向における次の車線の優先順位よりも高く設定する優先順位設定サブユニットを備える、
請求項
5に記載の自動運転参照経路の確定装置。
【請求項8】
前記候補車線情報取得ユニットは、
前記候補車線が前記現在車線の両側の車線と前記現在車線の進行方向における次の車線を含む場合、前記現在車線の両側の車線の車線情報を優先的に取得する候補車線情報取得サブユニットを備える、
請求項
7に記載の自動運転参照経路の確定装置。
【請求項9】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶するメモリと、を備え、
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数のプログラムを実行すると、請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の自動運転参照経路の確定方法を実現させる、
ことを特徴とする自動運転参照経路の確定端末。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、
当該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の自動運転参照経路の確定方法を実現させる、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータにおいて、プロセッサにより実行される場合、請求項1~
4のいずれか1項に記載の自動運転参照経路の確定方法を実現することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転技術分野に関し、特に、自動運転参照経路の確定方法、装置、端末、記憶媒体、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転参照経路とは、高精度地図において障害物がない場合、自動運転車両が快適に運転できるよう算出された計画経路である。自動運転参照経路の生成技術は、自動運転の計画技術の基本技術である。しかし、自動運転車両は、複雑な道路ネットワークのトポロジー関係に直面した場合、自動運転の過程において、さまざまな道路状況により他の車線へ車線変更することがある。また、車線変更する前に、自動運転の安全性、信頼性、及び実施可能性を確保するため、目標車線での自動運転参照経路を事前に生成する必要がある。
【0003】
現在、プログラムが起動された直後、または実行中に簡単な順位計算を行うことにより単一車線にて計画された自動運転参照経路を得るのが通常である。しかし、現在の自動運転参照経路の生成方法及び管理方法は、非常に簡単のものであり、簡単な道路状況のもとでの「パトロール」のような自動運転機能しか満たせず、一車線のみの走行で、周囲の交通流の変化及び環境変化に応じて自由に車線変更するというスマート自動運転の要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくとも従来技術における上記の技術課題を解決するため、自動運転参照経路の確定方法、装置、端末、及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様は、自動運転参照経路の確定方法を提供する。当該方法は、
車両の所在する現在車線の車線情報を取得することと、
前記現在車線の車線情報に基づき、前記現在車線に対応する自動運転参照経路を算出することと、
前記現在車線と他の車線間のトポロジー関係に基づき、候補車線の車線情報を取得することと、
前記現在車線に対応する自動運転参照経路と前記候補車線の車線情報に基づき、前記候補車線に対応する自動運転参照経路を算出することと、を含む。
【0006】
1つの実施形態において、当該方法は、車両の所在する現在車線の車線情報を取得する前に、
出発地と目的地間の通行可能道路を取得することと、
前記通行可能道路における各道路を区割し、少なくとも1つの車線を含む道路区間を複数生成することと、をさらに含む。
【0007】
1つの実施形態において、前記現在車線と他の車線間のトポロジー関係に基づき、候補車線の車線情報を取得することは、
前記現在車線と前記他の車線間のトポロジー関係に基づき、前記候補車線の優先順位を設定することと、
前記優先順位に基づき、前記候補車線の車線情報を取得することと、を含む。
【0008】
1つの実施形態において、前記現在車線と他の車線間のトポロジー関係に基づき、前記候補車線の優先順位を設定することは、
前記現在車線の両側の車線の優先順位を、前記現在車線の進行方向における次の車線の優先順位よりも高く設定することを含む。
【0009】
1つの実施形態において、前記優先順位に基づき、前記候補車線の車線情報を取得することは、
前記候補車線が前記現在車線の両側の車線及び前記現在車線の進行方向における次の車線を含む場合、前記現在車線の両側の車線の車線情報を優先的に取得することを含む。
【0010】
本発明の第2態様は、自動運転参照経路の確定装置をさらに提供する。当該装置は、
車両の所在する現在車線の車線情報を取得するための現在車線情報取得モジュールと、
前記現在車線の車線情報に基づき、前記現在車線に対応する自動運転参照経路を算出するための現在車線自動運転参照経路算出モジュールと、
前記現在車線と他の車線間のトポロジー関係に基づき、候補車線の車線情報を取得するための候補車線情報取得モジュールと、
前記現在車線に対応する自動運転参照経路と前記候補車線の車線情報に基づき、前記候補車線に対応する自動運転参照経路を算出するための候補車線自動運転参照経路算出モジュールと、を備える。
【0011】
1つの実施形態において、当該自動運転参照経路の確定装置は、
出発地と目的地間の通行可能道路を取得するための通行可能道路取得モジュールと、
前記通行可能道路における各道路を区割し、少なくとも1つの車線を含む道路区間を複数生成するための道路区間区割モジュールと、をさらに備える。
【0012】
1つの実施形態において、前記候補車線情報取得モジュールは、
前記現在車線と前記他の車線間のトポロジー関係に基づき、前記候補車線の優先順位を設定するための候補車線優先順位設定ユニットと、
前記優先順位に基づき、前記候補車線の車線情報を取得するための候補車線情報取得ユニットと、を備える。
【0013】
1つの実施形態において、前記候補車線優先順位設定ユニットは、
前記現在車線の両側の車線の優先順位を、前記現在車線の進行方向における次の車線の優先順位よりも高く設定するための優先順位設定サブユニットを備える。
【0014】
1つの実施形態において、前記候補車線情報取得ユニットは、
前記候補車線が前記現在車線の両側の車線及び前記現在車線の進行方向における次の車線を含む場合、前記現在車線の両側の車線の車線情報を優先的に取得するための候補車線情報取得サブユニットを備える。
【0015】
本発明の第3態様は、自動運転参照経路の確定端末を提供する。当該端末の機能は、ハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアをもって対応するソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。前記ハードウェア又はソフトウェアは、上記機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0016】
1つの可能な実施形態において、自動運転参照経路の確定端末には、プロセッサとメモリとが備えられ、前記メモリは、自動運転参照経路の確定端末が上記第1態様における自動運転参照経路の確定方法を実行することをサポートするためのプログラムを記憶し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムを実行するように構成される。前記自動運転参照経路の確定端末は、ほかの機器又は通信ネットワークと通信するための通信
インターフェースをさらに備える。
【0017】
本発明の第4態様は、上記自動運転参照経路の確定装置用のコンピュータソフトウェアコマンドが記憶されているコンピュータ可読媒体を提供する。当該コンピュータソフトウェアコマンドは、上記第1態様における自動運転参照経路の確定方法を実行するプログラムを含む。
【0018】
上記技術案のうちのいずれかの技術案は、以下の利点又は有益的な効果を有する。
【0019】
本発明の実施形態に係る自動運転参照経路の確定方法によれば、自動運転車両が道路を切り替える前に、すべての予備の候補車線の自動運転参照経路を算出し、候補車線の自動運転参照経路を順序立てて取得することで、多様で複雑な道路ネットワーク環境においても、周囲の車の流れの変化及び環境の変化に応じて、自由に車線変更する要求を満たすことができる。
【0020】
上記の略述は、単に説明のために過ぎず、いかなる限定をも目的としない。上記に記載されている例示的な様態、実施形態、及び特徴以外に、図面及び下記の詳細説明を参照することによって、本発明のさらなる様態、実施形態、及び特徴の理解を促す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面において特に規定されない限り、複数の図面において同様の図面符号は、同様又は類似的な部材又はエレメントを示す。これらの図面は必ずしも実際の比例に従って製図されたものではない。これらの図面は本発明に基づいて開示された幾つかの実施形態を描いたものに過ぎず、本発明の範囲に対する制限としてはならないことを理解すべきである。
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る自動運転参照経路の確定方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の別の実施形態に係る自動運転参照経路の確定方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施形態に係る通行可能道路を区割する模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る候補車線の自動運転参照経路を取得する模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るLRUにより車線情報を取得する模式図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る自動運転参照経路の確定装置のブロック図である。
【
図7】本発明の別の実施形態に係る自動運転参照経路の確定装置のブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る自動運転参照経路の確定端末の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
下記において、幾つかの例示的実施形態を簡単に説明する。当業者が把握出来るよう、本発明の主旨又は範囲を逸脱しない限り、様々な方式により説明された実施形態に変更可能である。従って、図面と説明は制限を加えるものでなく、本質的には例示的なものである。
【0024】
実施形態1
1つの具体的な実施形態において、
図1に示すように、自動運転参照経路の確定方法のフローチャートを提供し、該方法は、以下のステップS10~S40を含む。
【0025】
ステップS10において、車両の所在する現在車線の車線情報を取得する。
【0026】
ステップS20において、前記現在車線の車線情報に基づき、前記現在車線に対する自動運転参照経路を算出する。
【0027】
ステップS30おいて、前記現在車線と他の車線間のトポロジー関係に基づき、候補車線の車線情報を取得する。
【0028】
ステップS40おいて、前記現在車線に対応する自動運転参照経路と前記候補車線の車線情報に基づき、前記候補車線に対応する自動運転参照経路を算出する。
【0029】
一例において、道路レベルに対するナビゲーション結果に基づき、自動運転車両が現在車線で走行する時の車線情報を取得し、現在車線の車線情報に基づき、現在車線に対応する自動運転参照経路を算出することができる。現在車線に対応する自動運転参照経路は、自動運転車両が出発する前に参照する必要がある運転経路としてよい。自動運転車両を起動する前に、現在車線に対応する自動運転参照経路を予め抽出することができる。
【0030】
自動運転車両は、走行過程において、現在車線と他の車線間のトポロジー関係に基づいて、候補車線の車線情報を取得することができる。ここで、現在車線と他の車線間のトポロジー関係は、並行車線間の境界線、または車線の進路方向に前後2区間同士の間にカーブまたは障害物があるか否かに基づいて確定される。トポロジー関係は、車線間の基本的な連通情報であり、この情報を用いて、並行車線の車線情報と次の車線の車線情報を取得することができる。候補車線の車線情報を取得する場合、1つの道路区間において複数の車線があるとき、配列組み合わせによって、全ての候補車線を構築する。一例において、1つの道路は、第1道路区間、第2道路区間、および第3道路区間に区割され、第1道路区間には、1つの車線、即ち、自動運転車両が走行している現在車線のみが含まれ、第2道路区間には、第1車線と第2車線が含まれ、第3道路区間には、1つの車線、即ち、第3車線のみが含まれる。相応的に、候補車線の車線情報を取得することは、現在車線に位置するときに、第1車線の車線情報を取得し、その後第3車線の車線情報を取得するモードと、現在車線に位置するときに、第2車線の車線情報を取得し、その後第3車線の車線情報を取得するモードと、を含む。
【0031】
すべての切り替え可能性のある候補車線の道路情報を取得した後、候補車線の道路情報を用いて候補車線に対応する自動運転参照経路を算出する必要がある。算出する前に、予め設定された取得論理に従って候補車線の車線情報を取得する必要があり、例えば、LRU(Least Recently Used、最も長く使われていないメモリ管理方法により取得することができる。LRUとは、仮想記憶管理におけるページング方式である。候補車線の車線情報を取得した後、自動運転車両の現在車線での位置を考慮した上で、現在車線に対応する自動運転参照経路および候補車線の車線情報に基づいて、候補車線に対応する自動運転参照経路を算出する。例えば、自動運転車両が現在車線から、より円滑に候補車線に進入するよう、候補車線より500メートル離れた位置で、取得及び算出をすることで、候補車線に対応する自動運転参照経路を取得する。
【0032】
本実施形態に係る自動運転参照経路の確定方法によれば、自動運転車両が道路を切り替える前に、すべての予備の候補車線に対応する自動運転参照経路を算出し、候補車線の自動運転参照経路を順序立てて取得することで、多様で複雑な道路ネットワーク環境において、自動運転車両が周囲の車の流れの変化及び環境の変化に応じて、自由に車道変更する要求を満たすことができる。
【0033】
1つの実施形態おいて、
図2に示すように、ステップS10を実行する前に、以下のステップS01~ステップS02をさらに含む。
【0034】
ステップS01おいて、出発地と目的地間の通行可能道路を取得する。
【0035】
ステップS02おいて、前記通行可能道路における各道路を区割し、道路区間を複数生成し、各前記道路区間が少なくとも1つの車線を含むようにする。
【0036】
図3に示すように、ナビゲーションアプリケーションによって得られたナビゲーション結果を介して、出発地と目的地間の通行可能道路を得ることができ、出発地と目的地間の通行可能道路には、複数の道路が含まれ、例えば、「西直門」から「上地」までの間には、「高粱橋路」、「西直門外大街通り」、...「上地東路」などが含まれている。各道路を複数の道路区間に区割することで、1回の計算に対する計算量を減らし、計算効率を向上させることができる。
【0037】
一例において、
図4に示すように、道路を区割した後、そのうち、第1道路と第2道路を選択する。第1道路は、第1の道路区間と第2の道路区間とを含む2つの道路区間に区割され、各道路区間には、2つの並行な車線が含まれる。第2道路には、3つの並行な車線が含まれ、そのうち、2つの車線は、それぞれ第1道路における第2の道路区間内の2つの車線に接続され、もう1つの車線は、第1道路に接続せず、拡幅車線と呼んでもよいし、候補車線とすることができる。
【0038】
1つの実施形態おいて、
図2に示すように、ステップS30は、ステップS301~S302を含む。
【0039】
ステップS301おいて、前記現在車線と前記他の車線間のトポロジー関係に基づき、前記候補車線の優先順位を設定する。
【0040】
ステップS302おいて、前記優先順位に基づき、前記候補車線の車線情報を取得する。
【0041】
一例において、LRUメモリ管理方法に基づいて、候補車線の車線情報を取得でき、その後、候補車線に対応する自動運転参照経路を算出する。ここで、円滑且つ効率的に車道変更するために、候補車線に対応する自動運転参照経路の算出は、自動運転車両が候補車線から一定の距離離れる位置にあるときに、予め行われるべきである。
【0042】
候補車線に対応する自動運転参照経路を予め取得する過程において、まず、実際の道路状況に応じて、現在車線と他の車線間のトポロジー関係を確定し、例えば、現在車線から左右方向において車道変更してもよいし、現在車線からカーブし、当該現在車線の進行方向における次の区間の車線に進行してもよい。そのため、トポロジー関係に基づいて、優先順位を設定し、例えば、優先順位について、左右方向にある候補車線の優先順位を、前記現在車線の進行方向における次の区間である候補車線の優先順位よりも高く設定してもよい。優先順位の高い現在車線及び左右方向にある候補車線は、各計算サイクルにおいて優先的にLRUに記憶され、他の車線と車線情報は、優先順位に従って、順次LRUに記憶される。現在車線の車線情報と左右方向の候補車線の車線情報が、取得しやすいよう、優先順位に応じてワークキューとして形成され、さらにワーカースレッドとして形成される。候補車線に対応する自動運転参照経路を算出するとき、まずLRUにおいて現在車線の一部と重なる候補車線の車線情報を検索し、その後、現在車線に対応する自動運転参照経路と候補車線の車線情報に基づいて、候補車線に対応する自動運転参照経路を算出する。
【0043】
算出された候補車線に対応する自動運転参照経路の取得については、候補車線から一定の距離であるとき、取得を行うべきである。
図4に示すように、自動運転車両は、第1道
路から第2道路に切り替える必要があり、第2道路と第1道路の重なる部分が第2道路区間である。現在、自動運転車両は、現在車線に対応する自動運転参照経路を利用して第1道路区間内の1つの車線を走行しており、第2道路にスムーズに切り替えるために、第1道路区間に位置した時、タイムリーに候補車線に対応する自動運転参照経路を抽出する必要がある。
【0044】
1つの実施形態おいて、ステップS301は、現在車線の両側の車線の優先順位を、前記現在車線の進行方向における次の車線の優先順位よりも高く設定することを含む。
【0045】
両側の車線への車道変更が、より変更しやすい車線変更となるため、現在車線の両側の車線の優先順位は高く設定される。自動運転車両が現在車線の前の区間の車線からカーブし、当該現在車線の進行方向における次の区間の車線に進行するとき、円滑に車道変更することができるまで一定の時間がかかるため、前記現在車線の進行方向における次の区間の車線の優先順位は、低く設定される。
【0046】
1つの実施形態おいて、ステップS302は、前記候補車線が前記現在車線の両側の車線と、前記現在車線の進行方向における次の車線を含む場合、前記現在車線の両側の車線の車線情報を優先的に取得することを含む。
【0047】
一例において、
図5に示すように、現在車線の両側の車線は、現在第1車線、現在第2車線、...現在第N車線を含んでもよく、前記現在車線の進行方向における次の車線は、第1前進車線、第2前進車線...第N前進車線を含んでもよい。優先順位の高低に従い、現在第1車線、現在第2車線、...現在第N車線をLRUに予め記憶し、その後、より優先順位の低い他の車線をLRUに記憶する。LRUは、データ構造及びキーワードに基づいて、インデックスを付けて各車線を記憶する。優先順位に従い、取得しようとする車線をLRUから取出してワークキューを形成し、その後、ワーカースレッドを形成する。
【0048】
実施形態2
1つの具体的な実施形態おいて、
図6に示すように、自動運転参照経路の確定装置を提供し、該装置は、
車両の所在する現在車線の車線情報を取得するための現在車線情報取得モジュール10と、
前記現在車線の車線情報に基づき、前記現在車線に対応する自動運転参照経路を算出するための現在車線自動運転参照経路算出モジュール20と、
前記現在車線と他の車線間のトポロジー関係に基づき、候補車線の車線情報を取得するための候補車線情報取得モジュール30と、
前記現在車線に対応する自動運転参照経路と前記候補車線の車線情報に基づき、前記候補車線に対応する自動運転参照経路を算出するための候補車線自動運転参照経路算出モジュール40と、を備える。
【0049】
1つの実施形態おいて、
図7に示すように、前記装置は、
出発地と目的地間の通行可能道路を取得するための通行可能道路取得モジュール11と、
前記通行可能道路における各道路を区割し、少なくとも1つの車線を含む道路区間を複数生成するための道路区間区割モジュール12と、をさらに備える。
【0050】
1つの実施形態おいて、
図7に示すように、候補車線情報取得モジュール30は、
前記現在車線と前記他の車線間のトポロジー関係に基づき、前記候補車線の優先順位を設定するための候補車線優先順位設定ユニット301と、
前記優先順位に基づき、前記候補車線の車線情報を取得するための候補車線情報取得ユニット302と、を備える。
【0051】
1つの実施形態おいて、
図7に示すように、候補車線優先順位設定ユニット301は、
前記現在車線の両側の車線の優先順位を、前記現在車線の進行方向における次の車線の優先順位よりも高く設定するための優先順位設定サブユニットを備える。
【0052】
1つの実施形態おいて、
図7に示すように、候補車線情報取得ユニット302は、
前記候補車線が前記現在車線の両側の車線と、前記現在車線の進行方向における次の車線を含む場合、前記現在車線の両側の車線の車線情報を優先的に取得するための候補車線情報取得サブユニットを備える。
【0053】
実施形態3
本発明の実施形態は、自動運転参照経路の確定端末を提供し、
図8に示すように、該端末は、
メモリ400とプロセッサ500を備え、メモリ400には、プロセッサ500上で実行可能なコンピュータプログラムが記憶され、プロセッサ500は、前記コンピュータプログラムを実行すると、上記実施形態に係る自動運転参照経路の確定方法を実現させ、メモリ400とプロセッサ500の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0054】
自動運転参照経路の確定端末は、メモリ400及びプロセッサ500が外部に通信するための通信インターフェース600をさらに備える。
【0055】
メモリ400は、高速度RAMメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気メモリのような不揮発性メモリ(non-volatile memory)を含んでもよい。
【0056】
メモリ400、プロセッサ500及び通信インターフェース600が個別に実現される場合、メモリ400、プロセッサ500及び通信インターフェース600は、バスによって相互接続して相互通信を行うことができる。前記バスは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA、Industry Standard Architecture)バス、外部デバイス相互接続(PCI、Peripheral ComponentInterconnect)バス、又は拡張インダストリスタンダードアーキテクチャ(EISA、Extended Industry Standard Component)バス等であってもよい。前記バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等として分けられることが可能である。表示の便宜上、
図8に1本の太線のみで表示するが、バスが1つ又は1種類のみであることを意味しない。
【0057】
任意選択で、具体的な実現において、メモリ400、プロセッサ500及び通信インターフェース600が1つのチップに集成した場合、メモリ400、プロセッサ500及び通信インターフェース600は、内部インターフェースによって相互通信を行うことができる。
【0058】
実施形態4
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であり、当該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、実施形態1に係るいずれかの自動運転参照経路の確定方法を実現させる。
【0059】
本明細書において、「1つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例」、「具体例」或いは「一部の例」などの用語とは、当該実施形態或いは例で説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点を結合して、本発明の少なくとも1つの実施形態或いは実施例に含ま
れることを意味する。また、説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点は、いずれか1つ或いは複数の実施形態または例において適切に結合することが可能である。また、矛盾しない限り、当業者は、本明細書の異なる実施形態または例、および、異なる実施形態または例における特徴を結合したり、組み合わせたりすることができる。
【0060】
また、用語「第1」、「第2」とは比較的重要性を示している又は暗示しているわけではなく、単に説明のためのものであり、示される技術的特徴の数を暗示するわけでもない。そのため、「第1」、「第2」で限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示又は暗示的に含むことが可能である。本出願の記載の中において、「複数」の意味とは、明確的に限定される以外に、2つ又は2つ以上を意味する。
【0061】
フローチャート又はその他の方式で説明された、いかなるプロセス又は方法に対する説明は、特定な論理的機能又はプロセスのステップを実現するためのコマンドのコードを実行可能な1つ又はそれ以上のモジュール、断片若しくはセグメントとして理解することが可能であり、さらに、本発明の好ましい実施形態の範囲はその他の実現を含み、示された、又は、記載の順番に従うことなく、係る機能に基づいてほぼ同時にまたは逆の順序に従って機能を実行することを含み、これは当業者が理解すべきことである。
【0062】
フローチャートに示された、又はその他の方式で説明された論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現させるための実行可能なコマンドのシーケンスリストとして見なされることが可能であり、コマンド実行システム、装置、又はデバイス(プロセッサのシステム、又はコマンド実行システム、装置、デバイスからコマンドを取得して実行することが可能なその他のシステムを含むコンピュータによるシステム)が使用できるように提供し、又はこれらのコマンドを組み合わせて使用するコマンド実行システム、装置、又はデバイスに使用されるために、いかなるコンピュータ読取可能媒体にも具体的に実現されることが可能である。本明細書において、「コンピュータ読取可能媒体」は、コマンド実行システム、装置、デバイス、又はこれらのコマンドを組み合わせて実行するシステム、装置又はデバイスが使用できるように提供するため、プログラムを格納、記憶、通信、伝搬又は伝送する装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能媒体のより具体的例(非網羅的なリスト)として、1つ又は複数の布配線を含む電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスク(磁気装置)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去書き込み可能リード・オンリー・メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を少なくとも含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、そのうえで前記プログラムを印字できる紙又はその他の適切な媒体であってもよく、例えば紙又はその他の媒体に対して光学的スキャンを行い、そして編集、解釈又は必要に応じてその他の適切の方式で処理して電子的方式で前記プログラムを得、その後コンピュータメモリに記憶することができるためである。
【0063】
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせによって実現されることができる。上記実施形態において、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶された、適当なコマンド実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実施されることができる。例えば、ハードウェアによって実現するとした場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対して論理機能を実現する論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な混合論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(GPA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などといった本技術分野において公知である技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現される。
【0064】
当業者は、上記の実施形態における方法に含まれるステップの全部又は一部を実現する
のは、プログラムによって対応するハードウェアを指示することによって可能であることを理解することができる。前記プログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行されるとき、方法の実施形態に係るステップのうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0065】
また、本発明の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてよく、別個の物理的な個体であってもよく、2つ又は3つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されてもよい。上記の統合モジュールは、ハードウェアで実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールで実現されてもよい。上記の統合モジュールが、ソフトウェア機能モジュールで実現され、しかも独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。前記記憶媒体は読取専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよい。
【0066】
上記の記載は、単なる本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限定されることなく、当業者が本発明に開示されている範囲内において、容易に想到し得る変形又は置換は、全て本発明の範囲内に含まれるべきである。そのため、本発明の範囲は、記載されている特許請求の範囲に準じるべきである。