(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステムおよびサーバ装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20221007BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20221007BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20221007BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/792
A63F13/35
(21)【出願番号】P 2020141507
(22)【出願日】2020-08-25
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-304554(JP,A)
【文献】特開2019-017674(JP,A)
【文献】特開2014-021582(JP,A)
【文献】特開2014-188166(JP,A)
【文献】特開2017-217326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報をユーザ端末に送信する送信手段と、
ユーザの操作に基づき前記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が、予め設定された上限値に収まるか否かを判定する判定手段と、
ユーザの操作に基づき特定される課金額に応じて、前記コストまたは前記上限値の少なくともいずれかを調整する調整手段と、
前記判定手段によりコストの合計値が
前記上限値に収まると判定された場合には、ユーザの
前記課金額の支払いに関する課金操作に基づいて、
前記課金額に応じた量の課金ゲーム媒体および前記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体をユーザに付与する付与手段と、
として機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
前記送信手段は、コストが対応付けられたゲーム媒体を含む他のゲーム媒体リストに関する情報を前記ユーザ端末にさらに送信し、
前記ゲーム媒体リストおよび前記他のゲーム媒体リストは、それぞれのゲーム媒体リストに共通して含まれるゲーム媒体である共通ゲーム媒体を含み、
前記ゲーム媒体リストに含まれる共通ゲーム媒体に対応付けられたコストと、前記他のゲーム媒体リストに含まれる共通ゲーム媒体に対応付けられたコストとは互いに異なる、ことを特徴とする請求項
1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム媒体リストは、ゲームにおけるユーザの進捗状況によらない価値を有する、前記価値に応じたコストが対応付けられたゲーム媒体である特定価値ゲーム媒体を含み、
前記他のゲーム媒体リストは、前記特定価値ゲーム媒体を含まない、ことを特徴とする請求項
2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム媒体リストは、ゲームに含まれるゲームイベントを実行するための少なくとも1つの実行ゲーム媒体と、前記ゲームイベントの実行に際して取得される少なくとも1つの報酬ゲーム媒体とを含み、
少なくとも1つの報酬ゲーム媒体には、いずれの実行ゲーム媒体に対応付けられたコストよりも大きいコストが対応付けられている、ことを特徴とする請求項1から
3のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
ゲーム媒体に対応付けられるコストは、前記ゲーム媒体の取得難度に応じたコストである、ことを特徴とする請求項1から
4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報をユーザ端末に送信する送信手段と、
ユーザの操作に基づき前記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が、予め設定された上限値に収まるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によりコストの合計値が前記上限値に収まると判定された場合には、ユーザの課金操作に基づいて、前記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体をユーザに付与する付与手段と、として機能させ、
前記付与手段は、前記合計値が前記上限値に収まることが前記判定手段により判定された場合に、前記合計値と前記上限値との差分が、0より大きく、前記ゲーム媒体リストに含まれるいずれのゲーム媒体に対応付けられたコストよりも小さいときには、既に選択されたゲーム媒体に加えて、ユーザの操作に基づき前記ゲーム媒体リストから選択される1つのゲーム媒体をさらにユーザに付与する、ことを特徴とす
るゲームプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報を表示させる表示制御手段と、
ユーザの操作に基づき前記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が予め設定された上限値に収まるか否かを判定する判定手段と、
ユーザの操作に基づき特定される課金額に応じて、前記コストまたは前記上限値の少なくともいずれかを調整する調整手段と、
前記判定手段によりコストの合計値が
前記上限値に収まると判定された場合には、ユーザの
前記課金額の支払いに関する課金操作に基づいて、
前記課金額に応じた量の課金ゲーム媒体および前記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体をユーザに付与する付与手段と、
として機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報を表示させる第1表示制御手段と、
ユーザの操作に基づく前記ゲーム媒体リストからのゲーム媒体の選択を受け付ける選択受付手段と、
ユーザの操作に基づき特定される課金額に応じて、前記コストまたは前記選択されたゲーム媒体のコストの合計値の上限として予め設定された上限値の少なくともいずれかを調整する調整手段と、
前記選択受付手段により受け付けられた選択に係るゲーム媒体のコストの合計値が
前記上限値に収まる場合には、ユーザの
前記課金額の支払いに関する課金操作に基づいて、
前記課金額に応じた量の課金ゲーム媒体および前記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体がユーザの付与されたことを示す情報を表示させる第2表示制御手段と、
として機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える、
サーバ装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える、
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲームシステムおよびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが課金して、ゲーム中において使用される仮想通貨あるいはアイテムを購入できるオンラインゲームが知られている。このとき、課金による購入の際に、おまけとして特典がユーザに付与される仕組みが知られている。例えば、非特許文献1には、ユーザが課金して仮想通貨を購入すると、ガチャ(ゲーム内で利用可能なアイテムを抽せんして獲得できるゲーム)をプレイするためのチケットが、特典としてユーザに付与されること記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“白猫プロジェクト公式攻略データベース”,[online],[令和1年3月6日最終更新],[令和2年8月12日検索],<https://wiki.famitsu.com/shironeko/プレミアムジュエルパック>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載のオンラインゲームでは、課金により付与される特典は予め決まっている。このため、ユーザは、課金により特典を受け取る際の楽しみを十分に享受できなかった。
【0005】
そこで、本開示は、課金によりゲーム媒体をユーザに付与することの興趣性をより高めることを可能とするゲームプログラム、ゲームシステムおよびサーバ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、
コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報をユーザ端末に送信する送信手段と、
ユーザの操作に基づき上記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が、予め設定された上限値に収まるか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段によりコストの合計値が上限値に収まると判定された場合には、ユーザの課金操作に基づいて、上記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体をユーザに付与する付与手段と、
として機能させるゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、コンピュータを、ユーザの操作に基づき特定される課金額に応じて、上記コストまたは上記上限値の少なくともいずれかを調整する調整手段、としてさらに機能させ、上記付与手段は、上記ユーザの課金操作に基づいて、上記課金額に応じた量の課金ゲーム媒体および上記選択されたゲーム媒体をユーザに付与できる。
【0008】
また、第1の側面において、上記送信手段は、コストが対応付けられたゲーム媒体を含む他のゲーム媒体リストに関する情報を上記ユーザ端末にさらに送信し、上記ゲーム媒体リストおよび上記他のゲーム媒体リストは、それぞれのゲーム媒体リストに共通して含まれるゲーム媒体である共通ゲーム媒体を含み、上記ゲーム媒体リストに含まれる共通ゲーム媒体に対応付けられたコストと、上記他のゲーム媒体リストに含まれる共通ゲーム媒体に対応付けられたコストとは互いに異なってよい。
【0009】
また、第1の側面において、上記ゲーム媒体リストは、ゲームにおけるユーザの進捗状況によらない価値を有する、上記価値に応じたコストが対応付けられたゲーム媒体である特定価値ゲーム媒体を含み、上記他のゲーム媒体リストは、上記特定価値ゲーム媒体を含まなくてよい。
【0010】
また、第1の側面において、上記ゲーム媒体リストは、ゲームに含まれるゲームイベントを実行するための少なくとも1つの実行ゲーム媒体と、上記ゲームイベントの実行に際して取得される少なくとも1つの報酬ゲーム媒体とを含み、少なくとも1つの報酬ゲーム媒体には、いずれの実行ゲーム媒体に対応付けられたコストよりも大きいコストが対応付けられていてよい。
【0011】
また、第1の側面において、ゲーム媒体に対応付けられるコストは、上記ゲーム媒体の取得難度に応じたコストであってよい。
【0012】
また、第1の側面において、上記付与手段は、上記合計値が上記上限値に収まることが上記判定手段により判定された場合に、上記合計値と上記上限値との差分が、0より大きく、上記ゲーム媒体リストに含まれるいずれのゲーム媒体に対応付けられたコストよりも小さいときには、既に選択されたゲーム媒体に加えて、ユーザの操作に基づき上記ゲーム媒体リストから選択される1つのゲーム媒体をさらにユーザに付与してよい。
【0013】
第2の側面は、コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報をユーザ端末に送信する送信部と、
ユーザの操作に基づき上記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が、予め設定された上限値に収まるか否かを判定する判定部と、
上記判定部によりコストの合計値が上限値に収まると判定された場合には、ユーザの課金操作に基づいて、上記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体をユーザに付与する付与部と、
を備えるサーバ装置である。
【0014】
第3の側面は、コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報をユーザ端末に送信する送信部と、
ユーザの操作に基づき上記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が、予め設定された上限値に収まるか否かを判定する判定部と、
上記判定部によりコストの合計値が上限値に収まると判定された場合には、ユーザの課金操作に基づいて、上記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体をユーザに付与する付与部と、
を備えるゲームシステムである。
【0015】
第4の側面は、コンピュータを、
コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報を表示させる表示制御手段と、
ユーザの操作に基づき上記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が予め設定された上限値に収まるか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段によりコストの合計値が上限値に収まると判定された場合には、ユーザの課金操作に基づいて、上記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体をユーザに付与する付与手段と、
として機能させるゲームプログラムである。
【0016】
第5の側面は、コンピュータを、
コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報を表示させる第1表示制御手段と、
ユーザの操作に基づく上記ゲーム媒体リストからのゲーム媒体の選択を受け付ける選択受付手段と、
上記選択受付手段により受け付けられた選択に係るゲーム媒体のコストの合計値が予め設定された上限値に収まる場合には、ユーザの課金操作に基づいて、上記ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体がユーザの付与されたことを示す情報を表示させる第2表示制御手段と、
として機能させるゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、課金によりゲーム媒体をユーザに付与することの興趣性をより高めることを可能とするゲームプログラム、ゲームシステムおよびサーバ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の一実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】課金額を選択するための画面sc1を示す図である。
【
図3】第1ゲーム媒体リストからゲーム媒体を選択するための画面sc2を示す図である。
【
図4】ユーザの操作に基づき第1ゲーム媒体リストからゲーム媒体が選択された状態の画面sc3を示す図である。
【
図5】第2ゲーム媒体リストからゲーム媒体を選択するための画面sc4を示す図である。
【
図6】ユーザの操作に基づき第2ゲーム媒体リストからゲーム媒体が選択された状態の画面sc5を示す図である。
【
図7】ユーザが獲得したゲーム媒体を示す画面sc6を示す図である。
【
図8】ゲーム装置がサーバ装置にログイン要求を送信し、第1ゲーム媒体リストからゲーム媒体が選択され、ゲーム媒体の選択が確定されるまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】サーバ装置が第2枠に関する情報をゲーム装置に送信してから、選択されたゲーム媒体をユーザに付与して、課金処理を実行するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
本開示の実施形態に係るゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0020】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5(ユーザ端末)が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0021】
本実施形態に係るゲームは、上記ゲームシステム1にて実行されるオンラインのアクションゲームである。このゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタ(オブジェクトに相当)を仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。
【0022】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0023】
また、本実施形態では、ユーザは課金することにより、仮想通貨などのゲーム媒体を取得できる。さらに、ユーザは、課金の対象となっているゲーム媒体を取得する際に、特典としてのゲーム媒体も取得できる。本実施形態では、ユーザは、特典のゲーム媒体を後述するゲーム媒体リストから選択できる。
【0024】
ここで、ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用できるアイテム(武器、防具、道具)およびゲーム内にて使用可能な消費媒体などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による購入やクエストのクリアの他、ガチャと呼ばれる抽せん方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、後述するユーザDBに記憶され管理される。ここで、クエストは、特定の条件を満たすことによりクリアできるゲームイベントである。クエストがクリアされると、ゲーム媒体がユーザに付与されるとともに、ゲームのストーリーが進行してもよい。
【0025】
また、消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨およびポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0026】
ここで、仮想通貨は、有償の仮想通貨であってもよいし、無償の仮想通貨であってもよい。有償の仮想通貨は、課金により取得される仮想通貨である。一方、無償の仮想通貨は、課金によらずに取得される仮想通貨である。無償の仮想通貨は、例えば、ゲームのログイン時にユーザに付与される特典(「ログインボーナス」ともいう。)あるいはゲームイベントのクリアなどによりユーザに付与される特典などとして取得されてよい。
【0027】
なお、ガチャとは、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽せんにより選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置5に付与される。“ゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「ゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0028】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータの管理を行う。
【0029】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0030】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像および音声を、ディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0031】
<ゲームシステム1の構成>
以下、
図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5のそれぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0032】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23(コンピュータ)を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0033】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して、各ゲーム装置5と通信可能に接続されている。
【0034】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221などの各種データが記憶されている。
【0035】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザのゲームの進捗状況および付与されたゲーム媒体などが、対応づけて記憶されている。進捗状況は、例えば、ユーザのランクおよびユーザが所有するキャラクタに関する情報(ステータスなど)などのゲームの進捗に応じて変化するデータである。
【0036】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0037】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、送信手段231、受信手段232、照合手段233、判定手段234、付与手段235および調整手段236として機能する。
【0038】
―送信手段―
送信手段231は、ゲーム装置5などの各種装置に各種データを送信する。送信手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ガチャにて取得されたゲーム媒体に関する情報、各種の画像データ、ゲーム媒体リストに関する情報、設定された上限値、ユーザに付与されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0039】
ここで、ゲーム媒体リストは、コストが対応付けられたゲーム媒体を含むリストである。本実施形態では、ゲーム媒体リストには、複数のゲーム媒体に関する情報(ゲーム媒体の名称など)が記録されており、それぞれのゲーム媒体には、ゲーム媒体の種類などに応じたコストが対応付けられている。コストは、ゲーム媒体リストから選択して付与されるゲーム媒体の量を制限するために用いられる。
【0040】
ゲーム媒体リストは、ゲームに含まれるゲームイベントを実行するための少なくとも1つの実行ゲーム媒体と、ゲームイベントの実行に際して取得される少なくとも1つの報酬ゲーム媒体とを含んでよい。
【0041】
ここで、実行ゲーム媒体は、例えば、スタミナ回復アイテム(単に「回復アイテム」とも称する。)と呼ばれる、スタミナを回復するためのアイテムであってもよい。なお「スタミナ」とは、クエストを開始しプレイするために消費されるパラメータである。スタミナは、クエストの進行によらず、現実の時間経過に応じて回復する。また、スタミナは、消費媒体や各種ゲーム内アイテムの消費等のユーザの指示に応じて回復することができる。また、スタミナは、クエストの進行によるユーザランクアップ等、ユーザの指示に応じることなく回復される場合もある。
【0042】
また、報酬ゲーム媒体は、クエストなどのゲームイベントの実行に際して、所定の条件が満たされたことによる報酬として取得されてよい。報酬ゲーム媒体は、例えば、ゲームイベントの実行の最中に所定の条件(敵キャラクタを倒す等の条件)が満たされたことに応じて取得されてもよいし、ゲームイベントのクリアに応じて取得されてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、ゲーム媒体リストに含まれる少なくとも1つの報酬ゲーム媒体には、いずれの実行ゲーム媒体に対応付けられたコストよりも大きいコストが対応付けられてよい。例えば、ゲームイベントにおいて取得難度の高い報酬ゲーム媒体には、いずれの実行ゲーム媒体に対応付けられたコストよりも大きいコストが対応付けられてよい。ここで、取得難度は、例えば、アイテムのドロップ率であってよく、この場合には、ドロップ率が低いほど取得難度が高いといえる。なお、ドロップ率は、ゲームイベントにおいて例えば敵キャラクタがアイテムを落として(ドロップして)、ユーザがそのアイテムを取得できる確率である。
【0044】
また、本実施形態では、ゲーム媒体リストにおいてゲーム媒体に対応付けられるコストは、ゲーム媒体の取得難度に応じたコストである。具体的には、取得難度の高いゲーム媒体ほど、大きいコストが対応付けられている。これにより、取得難度の高いゲーム媒体の価値が、適切に保護され得る。
【0045】
また、送信手段231は、複数のゲーム媒体リストに関する情報を送信してよい。本実施形態では、送信手段231は、2つのゲーム媒体リスト(第1ゲーム媒体リストおよび第2ゲーム媒体リスト)に関する情報をゲーム装置5に送信する。なお、第2ゲーム媒体リストは、第1ゲーム媒体リストに対する他のゲーム媒体リストである。
【0046】
本明細書では、2つのゲーム媒体リストを区分けする表現として、「枠」という表現を用いる。具体的には、第1枠および第2枠を用いてそれぞれのゲーム媒体リストを区分けする。例えば、第1ゲーム媒体リストは第1枠のゲーム媒体リストであり、第2ゲーム媒体リストは第2枠のゲーム媒体リストである。また、本実施形態では、それぞれの枠には、個別の上限値が設定される。
【0047】
本実施形態では、第1ゲーム媒体リストおよび第2ゲーム媒体リストは、それぞれのゲーム媒体リストに共通して含まれるゲーム媒体である共通ゲーム媒体を含む。このとき、第1ゲーム媒体リストに含まれる共通ゲーム媒体に対応付けられたコストと、第2ゲーム媒体リストに含まれる共通ゲーム媒体に対応付けられたコストとは互いに異なってよい。
【0048】
また、本実施形態では、第1ゲーム媒体リストは特定価値ゲーム媒体を含み、第2ゲーム媒体リストは特定価値ゲーム媒体を含まない。ここで、特定価値ゲーム媒体は、ゲームにおけるユーザの進捗状況によらない価値を有するゲーム媒体であり、換言すれば、複数のユーザにおいて価値を一意に特定可能なゲーム媒体である。例えば、特定価値ゲーム媒体は、仮想通貨であってよい。全ユーザが所定額の課金によって所定数の有償の仮想通貨を入手可能であるから、有償の仮想通貨は、ゲームにおけるユーザの進捗状況によらない価値を有するといえる。また、ゲーム内において有償の仮想通貨と区別無く使用できる無償の仮想通貨も、有償の仮想通貨と同等の価値を有するといえる。あるいは、特定価値ゲーム媒体は、仮想通貨と交換して取得されるゲーム媒体であってよく、例えば、ガチャにより取得されるアイテムまたはガチャをプレイするために使用されるガチャチケットなどであってよい。ここで、ガチャは、ユーザが課金することでプレイできるガチャであってもよいし、仮想通貨を使用してプレイできるガチャであってもよい。あるいは、ガチャは、課金または仮想通貨の使用により取得されるガチャチケットを使用してプレイできるガチャであってもよい。この場合、仮想通貨と交換して、または、課金により取得されるゲーム媒体も、仮想通貨、または、課金額と同等の価値を有するといえる。
【0049】
また、特定価値ゲーム媒体には、特定価値ゲーム媒体の価値に応じたコストが対応付けられてよい。例えば、ガチャチケットが、10個の仮想通貨で取得される(すなわち、仮想通貨10個分の価値を有する)場合には、ガチャチケットには、仮想通貨のコストの10倍のコストが対応付けられてよい。
【0050】
一方、ゲームイベントの実行に際して取得されるゲーム媒体は、特定価値ゲーム媒体ではないゲーム媒体を含んでよい。例えば、ゲームイベントをプレイすることにより取得されるアイテム(例えば、希少性の高いアイテム)を取得するために必要な時間は、ユーザの進捗状況によって異なる。例えば、ユーザが所有するキャラクタの能力が高いほど、より短い時間でアイテムが取得される。このようにアイテムの価値がユーザの進捗状況によって異なる場合には、そのアイテムは特定価値ゲーム媒体ではない。
【0051】
―受信手段―
受信手段232は、ゲーム装置5などの各種装置から各種データを受信する。受信手段232が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽せん要求、クエスト実行要求、アカウント情報、ゲーム媒体の選択結果およびゲーム媒体付与の要求などが挙げられる。
【0052】
ここで、ゲーム媒体の選択結果は、ゲーム媒体リストからユーザの操作に基づき選択されたゲーム媒体に関する情報である。ゲーム媒体の選択結果は、選択されたゲーム媒体の種類および数などの情報を含んでよい。
【0053】
-照合手段―
照合手段233は、ゲーム装置5から受信したアカウント情報を用いて、ユーザアカウントの認証(ユーザ認証)を行う。
【0054】
―判定手段―
判定手段234は、ユーザの操作に基づきゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が、予め設定された上限値に収まるか否かを判定する。ここで、合計値が上限値に収まることは、合計値が上限値より小さいことがであってもよいし、合計値が上限値以下であることであってもよい。本実施形態では、判定手段234は、合計値が上限値以下である場合に、合計値が上限値に収まることを判定する。判定結果は、必要に応じて付与手段235により伝送される。
【0055】
―付与手段―
付与手段235は、判定手段234によりコストの合計値が上限値に収まると判定された場合には、ユーザの課金操作に基づいて、ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体をユーザに付与する。課金操作は、例えば、課金額を確定して、課金処理を指示する操作であってよい。課金処理は、例えば、ユーザID221に格納されているクレジット番号あるいは口座番号を用いて、所定額を引き落とす処理であってよい。付与手段235は、ゲーム媒体の付与に際して課金処理を実行してよい。
【0056】
また、付与手段235は、合計値が上限値に収まることが判定手段234により判定された場合に、合計値と上限値との差分が、0より大きく、ゲーム媒体リストに含まれるいずれのゲーム媒体に対応付けられたコストよりも小さいときには、既に選択されたゲーム媒体に加えて、ユーザの操作に基づきゲーム媒体リストから選択される1つのゲーム媒体をさらにユーザに付与できる。
【0057】
例えば、上限値および合計値がそれぞれ100および98であり、上限値と合計値との差分が2であり、合計値が上限値に収まっているとする。このとき、ゲーム媒体リストに含まれるいずれのゲーム媒体に対応付けられたコストも、差分の2よりも大きい場合には、いずれのゲーム媒体が追加で選択された場合にも、追加で選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストを合計値に加算すると、合計値が上限値を上回る。このような場合に、本実施形態では、付与手段235は、上限値に収まる合計値分のゲーム媒体に加えて、追加で選択された1つのゲーム媒体をユーザに付与できる。
【0058】
また、付与手段235は、ユーザの課金操作に基づいて、課金額に応じた量の課金ゲーム媒体および選択されたゲーム媒体をユーザに付与できる。課金ゲーム媒体は、課金に応じてユーザに付与されるゲーム媒体であり、例えば仮想通貨などであってよい。また、付与手段235は、課金額が大きいほど多くの課金ゲーム媒体をユーザに付与してよい。例えば、付与手段235は、課金額に比例した量の課金ゲーム媒体をユーザに付与してよい。
【0059】
―調整手段―
調整手段236は、ユーザの操作に基づき特定される課金額に応じて、コストまたは上限値の少なくともいずれかを調整できる。調整手段236により調整されたコストおよび上限値は、それぞれ予め設定されたコストおよび上限値として判定手段234により用いられる。例えば、調整手段236は、特定される課金額が大きいほどコストが小さくなるように、コストを調整してよい。あるいは、調整手段236は、特定される課金額が大きいほど上限値が大きくなるように、上限値を調整してよい。
【0060】
また、上限値は、現実の金銭の価値に置き換えられるものであってよい。例えば、上限値の100は、現実の金銭の価値に置き換えたときに、2,000円などの価値であってよい。例えば、調整手段236は、課金額が10,000円であるときには上限値を100(2,000円の価値)としてよい。すなわち、上限値は、例えば、課金額の2割に調整されてよい。なお、調整手段236が上限値を調整する方法は、これに限定されるものではない。
【0061】
また、上述のように、合計値と上限値との差分がゲーム媒体リストに含まれるいずれのゲーム媒体に対応付けられたコストよりも小さい場合であっても、既に選択されたゲーム媒体に加えて追加で選択されたゲーム媒体がユーザに付与されるときがある。このとき、いかなる組み合わせのゲーム媒体が選択された場合であっても、選択されたすべてのゲーム媒体が有する金銭の価値の合計が所定の上限価値を超えないように、上限値が調整されてよい。ここで、所定の上限価値は、例えば、課金額の所定割合(例えば2割)の価値などであってよい。
【0062】
例えば、既に選択されたゲーム媒体のコストの合計値と上限値との差分が取り得る差分の最小値となり、最も高い金銭の価値を有するゲーム媒体(例えば、最も大きいコストを有するゲーム媒体)が追加で選択されたとする。この場合にも選択されたすべてのゲーム媒体が有する金銭の価値の合計が上限価値を超えないように、上限値が調整されてよい。なお、上限価値は、調整手段236により、課金額に応じた価値に調整されてよい。
【0063】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56(コンピュータ)を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0064】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0065】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0066】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0067】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0068】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムなどの各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。記憶部55に記憶されているゲームプログラムは、ゲーム装置5に、ゲーム媒体リストを表示させたり、ゲーム媒体の選択を受け付けさせたり、ゲーム媒体が付与されたことを表示させたりするために用いられるゲームプログラムであってよい。
【0069】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0070】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、選択受付手段563、音声制御手段564および表示制御手段565として機能する。
【0071】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0072】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求、ゲーム媒体の選択結果およびゲーム媒体付与の要求などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータ、各種の画像データ、ゲーム媒体リストに関する情報、設定された上限値、ユーザに付与されたゲーム媒体に関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0073】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0074】
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段562は、ユーザのタッチパッド63を介し介した操作に応じて、ゲームにおいてクエストなどのゲームイベントを実行させる。
【0075】
―選択受付手段-
選択受付手段563は、ユーザの操作に基づく各種の選択を受け付ける。例えば、選択受付手段563は、ユーザの操作に基づく課金額の選択を受け付けてもよいし、ユーザの操作に基づくゲーム媒体リストからのゲーム媒体の選択を受け付けてもよい。あるいは、選択受付手段563は、ユーザの操作に基づいて、ゲーム媒体の選択の確定を受け付けてもよい。選択受付手段563は、受け付けた各種の情報(ゲーム媒体の選択結果など)を通信手段561に伝送する。
【0076】
―音声制御手段-
音声制御手段564は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてスピーカ62の音声出力制御を行う。
【0077】
―表示制御手段-
表示制御手段565は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示制御を行い、各種の情報を画像としてディスプレイ61に表示させる。例えば、表示制御手段565は、ゲーム媒体リストに関する情報をディスプレイ61に表示させることができる。あるいは、表示制御手段565は、選択受付手段563により受け付けられた選択に係るゲーム媒体のコストの合計値が予め設定された上限値に収まる場合には、ユーザの課金操作に基づいて、ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体がユーザの付与されたことを示す情報を表示させることができる。
【0078】
図2~
図7を参照して、表示制御手段565によりディスプレイ61に表示される画面の例を説明する。
【0079】
図2は、課金額を選択するための画面sc1(以下、「課金額の選択画面」ともいう。)を示す図である。画面sc1には、課金額が選択可能に表示されている課金額および購入できる有償の仮想通貨の数を含む課金リスト610と、課金額を決定するための決定ボタン612とが含まれている。ユーザが課金額を選択して決定ボタン612を操作すると、選択された課金額に応じた数の有償の仮想通貨が購入可能となる。例えば、10,000円の課金額が選択された状態で決定ボタン612が操作されると、4,000個の有償の仮想通貨が購入可能となる。本実施形態では、決定ボタン612が操作されると、
図3に示す画面sc2がディスプレイ61に表示される。ここでは、10,000円の課金額が選択されたものとする。
【0080】
図3は、第1ゲーム媒体リスト620からゲーム媒体を選択するための画面sc2(第1枠の画面)を示す図である。画面sc2には、第1ゲーム媒体リスト620、コスト画像622および確定ボタン624が含まれる。
【0081】
第1ゲーム媒体リスト620には、5つのゲーム媒体(無償の仮想通貨、ガチャチケット、第1素材アイテム、第1回復アイテムおよび第2回復アイテム)が含まれている。また、それぞれのゲーム媒体には、コストが対応付けられている。例えば、無償の仮想通貨には、10個当たり1のコストが対応付けられている。また、それぞれのゲーム媒体には、選択数およびコストの小計が対応付けられている。小計は、コストと選択数の積で表されるコストの小計である。ユーザが選択数の列に表示された-または+の画像を操作すると、ゲーム媒体の選択数が変更され、コストの小計が再計算されて表示される。
【0082】
ここで、無償の仮想通貨およびガチャチケットは、特定価値ゲーム媒体である。なお、ガチャチケットは、ユーザがガチャをプレイするために用いられるチケットである。ユーザは、例えば、10枚のガチャチケットを使用して、ガチャを1回プレイできる。
【0083】
また、第1素材アイテムは、報酬ゲーム媒体である。第1素材アイテムは、例えば、ゲーム中において他の素材アイテムと合成され、新たなアイテムを作成するために用いられてよい。素材アイテムのレアリティ(希少性)には、SS、SおよびAの3ランクがあり、第1素材アイテムのレアリティは、最もレアリティの高いSSランクであるものとする。
【0084】
第1回復アイテムおよび第2回復アイテムは、実行ゲーム媒体である。本実施形態では、第1回復アイテムは、スタミナを所定値だけ回復させるアイテムであり、第2回復アイテムは、スタミナを全回復させるアイテムである。
【0085】
本実施形態において、スタミナは仮想通貨を消費することによっても回復できる。例えば、所定数量の仮想通貨を消費することによって、全ユーザにおいて共通の所定値だけスタミナは回復できる。この場合、仮想通貨の単位消費量に応じたスタミナの回復量が特定できるため、単位量当たりのスタミナの価値は全ユーザにおいて共通に特定される。ここで、第1回復アイテムを使用することにより回復するスタミナの量は一定である。このため、第1回復アイテムの価値は、ユーザが所有するスタミナの最大値によらず一定である。したがって、第1回復アイテムの価値は全ユーザにおいて共通に特定され、第1回復アイテムは特定価値ゲーム媒体である。一方、第2回復アイテムを使用することにより回復するスタミナの量は、ユーザが所有するスタミナの最大値によって異なる。このため、第2回復アイテムの価値はスタミナの最大値によって異なる。したがって、第2回復アイテムの価値は全ユーザにおいて共通に特定されず、第2回復アイテムは特定価値ゲーム媒体ではない。
【0086】
一方、所定数量の仮想通貨を消費することによって、各ユーザのスタミナの最大値に応じた回復量だけ回復できるようにしてもよい。例えば、スタミナの最大値の分だけ、または、スタミナを最大値まで回復できるようにしてもよい。この場合、各ユーザにおいて仮想通貨の単位消費量に応じたスタミナの回復量がスタミナの最大値に応じて異なるから、単位量当たりのスタミナの価値は全ユーザにおいて共通に特定されない。従って、この場合には、第1回復アイテムは特定価値ゲーム媒体ではなく、第2回復アイテムも特定価値ゲーム媒体ではない。
【0087】
ここで、第1素材アイテムのコストは、第1回復アイテムおよび第2回復アイテムのコストよりも大きい。素材アイテムのような報酬ゲーム媒体は、ゲームイベントをプレイする上で有利に働くアイテムであり、ゲームイベントをクリアするための時間を短縮することができる。本実施形態では、報酬ゲーム媒体には、いずれの回復ゲーム媒体(第1回復アイテムおよび第2回復アイテム)のコストよりも大きいコストが対応付けられている。
【0088】
コスト画像622には、第1枠に設定された上限値、合計値および差分が表示されている。上限値は、ここでは100である。また、選択された課金額に応じた上限価値が第1枠には設定されており、上限値は上限価値に応じた値であるものとする。合計値は、選択されているゲーム媒体に対応付けられたコストの小計の合計値である。ここでは、ゲーム媒体が選択されていないため、合計値は0となっている。また、差分は、上限値と合計値の差分であり、上限値から合計値を差し引いた値である。
【0089】
図4は、ユーザの操作に基づき第1ゲーム媒体リスト620からゲーム媒体が選択された状態の画面sc3を示す図である。
図4に示すように、第1ゲーム媒体リスト620から、100個の無償の仮想通貨、5個のガチャチケット、6個の第1素材アイテム、4個の第1回復アイテム、1個の第2回復アイテムが選択されている。この結果、選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値は、98になっている。また、上限値と合計値の差分は、100から98を差し引いた2になっている。
【0090】
このとき、第1ゲーム媒体リスト620に含まれるゲーム媒体に対応付けられたコストのうち、最も小さいコストは3である。このため、第1ゲーム媒体リスト620に含まれるいずれのゲーム媒体が選択された場合にも、合計値が上限値の100を超え、合計値が上限値に収まらなくなるが、本実施形態では、既に選択されたゲーム媒体に加えて、さらにもう1つの選択されるゲーム媒体が追加でユーザに付与される。ユーザが追加でゲーム媒体をもう1つ選択して確定ボタン624を操作すると、第1ゲーム媒体リスト620からのゲーム媒体の選択が確定されて、
図5に示す画面sc4がディスプレイ61に表示される。ここでは、第1素材アイテムが追加で選択されるものとする。
【0091】
図5は、第2ゲーム媒体リスト640からゲーム媒体を選択するための画面sc4(第2枠の画面)を示す図である。画面sc4には、第2ゲーム媒体リスト640、コスト画像642および確定ボタン644が含まれる。
【0092】
第2ゲーム媒体リスト640には、6つのゲーム媒体(第1素材アイテム、第2素材アイテム、第3素材アイテム、第1回復アイテム、経験値アイテムおよびドロップアイテム)が含まれている。また、それぞれのゲーム媒体には、コストが対応付けられている。ここで、第2ゲーム媒体リスト640に含まれるゲーム媒体は、いずれも特定価値ゲーム媒体ではないものとする。
【0093】
ここで、第1素材アイテム、第2素材アイテムおよび第3素材アイテムは報酬ゲーム媒体であり、それぞれのレアリティは、それぞれSS、SおよびAとなっている。また、経験値アイテムは、ユーザがゲーム中で使用するキャラクタの経験値を上げるアイテムである。また、ドロップアイテムは、ゲーム中で例えば敵キャラクタを倒したときに、アイテムがドロップされる確率を上昇させるアイテムである。
【0094】
本実施形態では、ゲーム媒体には、取得難度に応じたコストが対応付けられている。具体的には、取得難度が高いほど、大きいコストがゲーム媒体に対応付けられている。例えば、第1素材アイテム、第2素材アイテムおよび第3素材アイテムには、それぞれ1個当たり20、10および5のコストが対応付けられており、レアリティが高い素材アイテムほど大きいコストが対応付けられている。
【0095】
また、第1素材アイテムおよび第1回復アイテムは、第1ゲーム媒体リスト620および第2ゲーム媒体リスト640に共通して含まれる共通ゲーム媒体である。さらに、第1ゲーム媒体リスト620に含まれる共通ゲーム媒体に対応付けられたコストと、第2ゲーム媒体リスト640に含まれる共通媒体に対応付けられたコストとは互いに異なっている。例えば、第1ゲーム媒体リスト620に含まれる第1素材アイテムのコストは1個当たり10であるのに対して、第2ゲーム媒体リスト640に含まれる第1素材アイテムのコストは1個当たり20となっている。このように、それぞれのゲーム媒体リストにおいて共通ゲーム媒体のコストが異なっているため、ゲーム媒体の選択のバリエーションが増える。
【0096】
また、コスト画像642には、第2枠に設定された上限値、合計値および差分が表示されている。ここでは、上限値は、100に設定されている。ここでは、第2ゲーム媒体リスト640からゲーム媒体が選択されていないため合計値が0となっており、差分は100となっている。なお、第2ゲーム媒体リスト640には特定価値ゲーム媒体が含まれないため、第2枠には上述の上限価値が設定されていなくてよい。
【0097】
図6は、ユーザの操作に基づき第2ゲーム媒体リスト640からゲーム媒体が選択された状態の画面sc5を示す図である。
図6に示すように、第2ゲーム媒体リスト640から、2個の第1素材アイテム、1個の第2素材アイテム、1個の第3素材アイテム、3個の第1回復アイテムおよび1個のドロップアイテムが選択されている。この結果、選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値は、上限値の100と一致している。また、本実施形態では、第2枠では第1枠とは異なり、ユーザはコストの合計値が上限値に達すると追加でゲーム媒体を選択できないため、その旨が画面sc5の下部に表示されている。
【0098】
確定ボタン644が操作されると、第2ゲーム媒体リスト640からのゲーム媒体の選択が確定される。ゲーム媒体の選択が確定すると、第1枠および第2枠について選択されたゲーム媒体がユーザに付与される。このとき、確定ボタン644の操作は、課金操作であってよい。例えば、確定ボタン644が操作されると、選択された課金額をユーザの口座番号を用いて所定額を引き落とす課金処理が実行されてよい。
【0099】
図7は、ユーザが獲得したゲーム媒体(すなわち、ユーザに付与されたゲーム媒体)を示す画面sc6を示す図である。画面sc6には、ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体がユーザの付与されたことを示す情報が含まれる。具体的には、画面sc6には、第1枠についてユーザが獲得したゲーム媒体を示す第1獲得リスト660および第2枠についてユーザが獲得したゲーム媒体を示す第2獲得リスト664が含まれる。第1獲得リスト660は、
図4に示した合計値に対応するゲーム媒体に加えて、追加で選択された1つのゲーム媒体(第1素材アイテム)が含まれている。このため、第1素材アイテムに着目すると、上限値に収まる合計値に対応する6個に追加で選択された1個を加えた、計7個の第1素材アイテムがユーザに付与されている。また、第2獲得リスト664には、
図6を参照して説明したユーザが選択したゲーム媒体が含まれている。ユーザは、画面sc6を閲覧して、獲得したゲーム媒体を確認できる。
【0100】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図8は、ゲーム装置5がサーバ装置2にログイン要求を送信し、第1ゲーム媒体リストからゲーム媒体が選択され、ゲーム媒体の選択が確定されるまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0101】
まず、ゲーム装置5の通信手段561は、ユーザの操作に基づいて、ログイン要求およびアカウント情報をサーバ装置2に送信する(ステップst101)。次いで、サーバ装置2の照合手段233は、ログイン要求に応じて、ユーザアカウントの認証を実施する(ステップst103)。次いで、サーバ装置2の送信手段231は、ゲーム装置5に認証結果を送信する(ステップst105)。ここでは、認証が成功したことがゲーム装置5に送信されるものとする。
【0102】
次いで、ゲーム装置5の通信手段561は、サーバ装置2に課金額の選択画面データの要求を送信する(ステップst107)。次いで、サーバ装置2の送信手段231は、ゲーム装置5に課金額の選択画面データを送信する(ステップst109)。次いで、ゲーム装置5の表示制御手段565は、ディスプレイ61に課金額の選択画面を表示させる(ステップst111)。ここで、課金額の選択画面は、
図2に示した画面sc1のように、ユーザが課金額を選択できる画面である。
【0103】
次いで、ゲーム装置5の通信手段561は、ユーザによる課金額を選択する操作に基づいて、選択された課金額を示す情報をサーバ装置2に送信する(ステップst113)。次いで、調整手段236は、課金額に基づいて、上限値を調整する(ステップst115)。本例では、調整手段236は、第1枠および第2枠のそれぞれについて上限値を調整し、調整した上限値をそれぞれの枠に設定する。
【0104】
次いで、送信手段231は、第1ゲーム媒体リストおよび第1枠の上限値をゲーム装置5に送信する(ステップst117)。次いで、表示制御手段565は、第1ゲーム媒体リストおよび第1枠の上限値をディスプレイ61に表示させる(ステップst119)。これにより、
図3を参照して説明したように、ディスプレイ61を用いてゲーム媒体を第1ゲーム媒体リストから選択することが可能となる。
【0105】
次いで、ゲーム装置5は、ゲーム媒体の選択処理を実行する(ステップst121)。具体的には、選択受付手段563が、ユーザの操作に基づく第1ゲーム媒体リストからのゲーム媒体の選択を受け付ける。また、表示制御手段565は、ゲーム媒体の選択結果に応じた画面をディスプレイ61に表示させる。さらに、通信手段561は、必要に応じて、選択されたゲーム媒体の情報をサーバ装置2に送信する。
【0106】
ゲーム装置5がゲーム媒体の選択処理を実行している際に、サーバ装置2は、コスト判定処理を実行する(ステップst123)。具体的には、サーバ装置2の判定手段234は、ゲーム装置5において選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が第1枠の上限値に収まっているか否かを判定する処理を実行する。このとき、送信手段231は、判定手段234の判定結果に応じた情報をゲーム装置5に送信してよい。例えば、送信手段231は、合計値が上限値を超える場合(すなわち、合計値が上限値に収まっていない場合)には、ユーザにコストの合計値を減らすことを促す情報を送信してもよい。
【0107】
本例では、上限値と合計値との差分が、0より大きく、第1ゲーム媒体リストに含まれるいずれのゲーム媒体に対応付けられたコストよりも小さくなるものとする。このとき、送信手段231は、ゲーム媒体をもう1つ追加で選択できることを示す情報をゲーム装置5に送信する(ステップst125)。
【0108】
次いで、ゲーム装置5の表示制御手段565は、ゲーム媒体をもう一つ追加で選択できることを示す情報を、ディスプレイ61に表示させる(ステップst127)。次いで、選択受付手段563は、ユーザの操作に基づくゲーム媒体の選択を追加で受け付ける(ステップst129)。次いで、選択受付手段563は、ユーザの操作に基づき、ゲーム媒体の選択の確定を受け付ける(ステップst131)。次いで、通信手段561は、確定されたゲーム媒体の選択結果をサーバ装置2に送信する(ステップst133)。
【0109】
図9は、サーバ装置2が第2枠に関する情報をゲーム装置5に送信してから、選択されたゲーム媒体をユーザに付与して、課金処理を実行するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0110】
まず、サーバ装置2に送信手段231は、第2ゲーム媒体リストおよび第2枠の上限値をゲーム装置5に送信する(ステップst201)。次いで、ゲーム装置5の表示制御手段565は、第2ゲーム媒体リストおよび第2枠の上限値をディスプレイ61に表示させる(ステップst203)。これにより、
図5を参照して説明したように、ディスプレイ61を用いてゲーム媒体を第2ゲーム媒体リストから選択することが可能となる。
【0111】
次いで、ゲーム装置5は、ゲーム媒体の選択処理を実行する(ステップst205)。具体的には、選択受付手段563が、ユーザの操作に基づく第2ゲーム媒体リストからのゲーム媒体の選択を受け付ける。また、表示制御手段565は、ゲーム媒体の選択結果に応じた画面をディスプレイ61に表示させる。さらに、通信手段561は、必要に応じて、選択されたゲーム媒体の情報をサーバ装置2に送信する。
【0112】
ゲーム装置5がゲーム媒体の選択処理を実行している際に、サーバ装置2は、コスト判定処理を実行する(ステップst207)。具体的には、サーバ装置2の判定手段234は、ゲーム装置5において選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が第2枠の上限値に収まっているか否かを判定する処理を実行する。
【0113】
本実施形態では、コストの合計値が第2枠の上限値に一致するものとする。このとき、サーバ装置2の送信手段231は、ゲーム媒体を追加で選択できないことを示す情報を、ゲーム装置5に送信する(ステップst209)。次いで、ゲーム装置5の表示制御手段565は、ゲーム媒体を追加で選択できないことを示す情報を、ディスプレイ61に表示させる(ステップst211)。
【0114】
次いで、ゲーム装置5の選択受付手段563は、ゲーム媒体の選択の確定を受け付ける(ステップst213)。次いで、通信手段561は、確定されたゲーム媒体の選択結果をサーバ装置2に送信する(ステップst215)。
【0115】
次いで、サーバ装置2の付与手段235は、選択されたゲーム媒体をユーザに付与する(ステップst217)。具体的には、付与手段235は、課金額に応じた量の課金ゲーム媒体と、第1枠の上限値に収まる合計値に対応するゲーム媒体と、第1枠において追加で選択されたゲーム媒体と、第2枠の上限値に収まる合計値に対応するゲーム媒体とをユーザに付与する。次いで、送信手段231は、付与されたゲーム媒体の情報をゲーム装置5に送信する(ステップst219)。次いで、ゲーム装置5の表示制御手段565は、付与されたゲーム媒体の情報をディスプレイ61に表示させる(ステップst221)。次いで、サーバ装置2の付与手段235は、課金処理を実行する(ステップst223)。課金処理が実行されると、
図9に示す処理は終了する。
【0116】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラムは、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、ユーザの操作に応じて、コストが対応付けられたゲーム媒体を含むゲーム媒体リストに関する情報をユーザ端末に送信する送信手段231と、ユーザの操作に基づきゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体に対応付けられたコストの合計値が、予め設定された上限値に収まるか否かを判定する判定手段234と、判定手段234によりコストの合計値が上限値に収まると判定された場合には、ユーザの課金操作に基づいて、ゲーム媒体リストから選択されたゲーム媒体をユーザに付与する付与手段235と、として機能させるものである。
【0117】
<効果>
本実施形態によれば、課金によりゲーム媒体をユーザに付与することの興趣性をより高めることができる。
【0118】
本実施形態では、ユーザは、課金により購入できる課金ゲーム媒体(本実施形態では仮想通貨)の他に、特典として獲得できるゲーム媒体を選択できる。このため、ユーザが特典を選択できる楽しみが生じるため、よりゲームの興趣性が高められる。
【0119】
また、本実施形態によれば、課金額に応じた量の課金ゲーム媒体がユーザに付与されるとともに、課金額に応じた上限値が設定される。このため、ユーザは、課金額を大きくするほど多くの特典を取得できるため、ユーザによる課金がより促されるようになる。
【0120】
また、本実施形態によれば、ゲーム媒体に対応付けられるコストは、ゲーム媒体の取得難度に応じたコストである。このため、コストが妥当な値になりやすくなる。
【0121】
また、本実施形態によれば、付与手段235は、合計値と上限値との差分が、0より大きく、ゲーム媒体リストに含まれるいずれのゲーム媒体に対応付けられたコストよりも小さいときには、既に選択されたゲーム媒体に加えて、ユーザの操作に基づきゲーム媒体リストから選択される1つのゲーム媒体をさらにユーザに付与できる。このため、ユーザは、ゲーム媒体を選択する順番が重要となる。例えば、合計値が上限値と一致すると、それ以上ゲーム媒体をユーザは選択できないが、適切に合計値を調整することにより、合計値を上限値に一致させた場合よりも価値の高いゲーム媒体を獲得できる場合がある。このように、本実施形態によれば、買い物客が買い物の袋詰めする際に、袋に商品を入れる順番を考えるときと同様に、ゲーム媒体をゲーム媒体リストから選択する順番を考える楽しみをユーザに提供することが可能となる。
【0122】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0123】
上記実施形態では、ユーザが課金額を選択したあとに、課金額に応じて上限値が設定されるものとして説明した。しかし、本発明の実施形態はこれには限られるものではなく、上限値が設定されたあとに、設定された上限値に応じた課金額が特定されてもよい。例えば、ユーザの操作に基づき上限値が調整され、上限値に応じた額の課金額が表示されてよい。これにより、ユーザは、所望のゲーム媒体を獲得するためには、どれだけ課金すればよいかを確認できる。
【0124】
また、上記実施形態では、主に、調整手段236は、枠に設定された上限値を調整するものとして説明した。これに限らず、調整手段236は、コストを調整してよい。例えば、調整手段236は、課金額が大きくなるほどコストが小さくなるように、コストを調整してよい。コストが小さくなると、実質的に上限値が大きくなるように調整されたことになる。また、調整手段236は、コストとともに上限値を調整してもよい。
【0125】
上記実施形態では、第1枠および第2枠に設定される上限値は、上記の例に限定されるものではない。しかしながら、設定される上限値が大きすぎると、ゲーム媒体の価値が著しく低下する可能性があるため、上限値は適切に調整され、ゲーム媒体が節度を持ってユーザに付与されることが好ましい。
【0126】
また、上記実施形態では、2つのゲーム媒体リストに関する情報がゲーム装置5に送信され、2つのゲーム媒体リストがゲーム装置5において表示されるものとして説明した。これに限らず、1つまたは3つ以上のゲーム媒体リストに関する情報がゲーム装置5に送信され、1つまたは3つ以上のゲーム媒体リストがゲーム装置5において表示されてもよい。
【0127】
また、ゲーム媒体リストに含まれる情報は、上記実施形態において説明したものに限定されるものではない。ゲーム媒体リストには、上述したゲーム媒体以外のゲーム媒体が含まれてもよいし、一部のゲーム媒体が省略されてもよい。あるいは、ゲーム媒体リストには、ゲーム媒体の名称以外の情報(例えば、ゲーム媒体の効果など)が含まれてもよい。さらに、ゲーム媒体リストに含まれるゲーム媒体の数は、上述して説明した数に限定されるものではない。
【0128】
上記実施形態では、サーバ装置2がゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわち、送信手段231、判定手段234、付与手段235および調整手段236などが、サーバ装置およびゲーム装置5、あるいはサーバ装置およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ゲーム装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。例えば、ゲーム装置5が、判定手段234、付与手段235および調整手段236の少なくともいずれかを備えてもよい。
【0129】
上記実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0130】
上記実施形態では、ゲームがアクションゲームである場合を例示したが、これに限定されない。ゲームは、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0131】
例えば、ゲームがカードゲームである場合、プレイヤキャラクタが描写された当該プレイヤキャラクタに対応するカードオブジェクトが、仮想空間上のデッキに設定され、そのカードオブジェクトに対応するプレイヤキャラクタが敵キャラクタと対戦する。
【0132】
上記実施形態では、オブジェクトがプレイヤキャラクタである場合を例示したが、これに限定されない。例えば、オブジェクトは、仮想ゲーム空間内で使用されるカードやアイテム(武器、防具などの装備品)などであることができる。
【0133】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0134】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
231 送信手段
232 受信手段
234 判定手段
235 付与手段
236 調整手段
5 ゲーム装置(ユーザ端末)
56 制御部
562 ゲーム実行手段
563 選択受付手段
565 表示制御手段
610 課金リスト
620 第1ゲーム媒体リスト
640 第2ゲーム媒体リスト