(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】光照射装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20221007BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
A61B5/00 M
(21)【出願番号】P 2018185696
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】518347705
【氏名又は名称】モトフェリーチェジャパンカンパニーリミテッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(74)【代理人】
【識別番号】100194984
【氏名又は名称】梶原 圭太
(72)【発明者】
【氏名】ヒロ モリカワ
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0212314(US,A1)
【文献】特表2017-521810(JP,A)
【文献】登録実用新案第3190322(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0313407(US,A1)
【文献】特表2015-531295(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0080251(US,A1)
【文献】特開2010-259736(JP,A)
【文献】特表2017-530850(JP,A)
【文献】特表2018-521748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
A61B 5/00
A61N 5/00 ― 5/08
F21L 4/00 ― 4/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートフォン端末と、
該スマートフォン端末に取付け可能なケース体と、
該ケース体に設けられ、所定の波長の光を対象者に向けて照射可能、かつ、光の照射を制御可能なケース型光照射部とを備え、
前記ケース体は、前記スマートフォン端末の端末画面を閉塞可能な蓋部本体を有し、
前記ケース型光照射部は、前記蓋部本体の前記端末画面と対向する面に設けられ、
前記ケース体は、前記蓋部本体に連設され、同蓋部本体とは反対側に回動可能な連設蓋部が設けられ、
前記ケース型光照射部は、前記連設蓋部の前記蓋部本体と対向する面に設けられた
光照射装置。
【請求項2】
前記所定の波長の光
は、赤色光、緑色光、青色光、黄色光
、白色光から選択される
少なくとも1つである
請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記端末画面の表面、又は、前記ケース型光照射部の表面の少なくとも一方に設けられた光を透過可能なシート状体であり、所定の色
を有する宝石の粒子が配合された第1のカラーフィルター部を有
し、
前記第1のカラーフィルター部に配合された宝石の粒子は、ルビー、ロードライトガーネット、スピネル、ブルーサファイア、アメシスト、アクアマリン、エメラルド、翡翠、ペリドット、タンザナイト、ピンクトルマリン、ピンクトパーズ、モルガナイト、ローズクォーツ、ブラックダイヤモンド、オニキス、ブラックスピネル、黒真珠、真珠、ホワイトオニキス、及び、ムーンストーンの少なくとも1つの粒子である
請求項1又は請求項2に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記スマートフォン端末は、対象者を撮像可能な撮像手段を有し、
前記撮像手段が撮像した前記対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、該対象者撮像情報を元に同対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報とに基づき、所定の条件で抽出された情報であり、同対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、該適合光情報に基づき、前記ケース型光照射部からの光の照射を制御する
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の光照射装置。
【請求項5】
前記スマートフォン端末は、
対象者を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した前記対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、所定の評価項目に基づき、同対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価する対象者生体評価手段と、
該対象者生体評価手段が評価した前記対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報と所定の条件に基づき、同対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する端末側適合法情報抽出部とを有し、
前記適合光情報に基づき、前記ケース型光照射部からの光の照射を制御する
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の光照射装置。
【請求項6】
対象者の皮膚又は毛髪に対して、接触又は非接触でその性質の情報を取得可能な生体情報取得部を備え、
前記生体情報取得部が取得した前記対象者の生体情報である対象者生体情報に基づき、所定の条件で抽出された情報であり、同対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、該適合光情報に基づき、前記ケース型光照射部からの光の照射を制御する
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の光照射装置。
【請求項7】
対象者の皮膚又は毛髪に対して、接触又は非接触でその性質の情報を取得可能な生体情報取得部を備え、
前記生体情報取得部は、取得した前記対象者の生体情報である対象者生体情報と所定の条件に基づき、同対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する取得部側適合法情報抽出部を有し、
前記適合光情報に基づき、前記ケース型光照射部からの光の照射を制御する
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の光照射装置。
【請求項8】
前記スマートフォン端末は、設定した時間に基づく条件に応じて、前記ケース型光照射部による光の照射を制御可能なタイマー制御手段を有する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載の光照射装置。
【請求項9】
対象者の頭部を載置可能な枕形状、又は、対象者の頭部又は全身の少なくとも一部を覆う形状に形成されたデバイス本体と、
該デバイス本体に設けられ、前記スマートフォン端末を介して操作可能に構成されると共に、所定の波長の光を対象者に向けて照射可能、かつ、光の照射を制御可能なデバイス型光照射部とを備える
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の光照射装置。
【請求項10】
前記デバイス型光照射部が照射する所定の波長の光
は、赤色光、緑色光、青色光、黄色
光、白色光から選択される
少なくとも1つである
請求項9に記載の光照射装置。
【請求項11】
前記デバイス型光照射部の表面に設けられた光を透過可能なシート状体であり、所定の色
を有する宝石の粒子が配合された第2のカラーフィルター部を有
し、
前記第2のカラーフィルター部に配合された宝石の粒子は、ルビー、ロードライトガーネット、スピネル、ブルーサファイア、アメシスト、アクアマリン、エメラルド、翡翠、ペリドット、タンザナイト、ピンクトルマリン、ピンクトパーズ、モルガナイト、ローズクォーツ、ブラックダイヤモンド、オニキス、ブラックスピネル、黒真珠、真珠、ホワイトオニキス、及び、ムーンストーンの少なくとも1つの粒子である
請求項9又は請求項10に記載の光照射装置。
【請求項12】
前記スマートフォン端末は、対象者を撮像可能な撮像手段を有し、
前記撮像手段が撮像した前記対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、該対象者撮像情報を元に同対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報とに基づき、所定の条件で抽出された情報であり、同対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、該適合光情報に基づき、前記デバイス型光照射部からの光の照射を制御する
請求項9、請求項10又は請求項11に記載の光照射装置。
【請求項13】
前記スマートフォン端末は、
対象者を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した前記対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、所定の評価項目に基づき、同対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価する対象者生体評価手段と、
該対象者生体評価手段が評価した前記対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報と所定の条件に基づき、同対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する端末側適合法情報抽出部とを有し、
前記適合光情報に基づき、前記デバイス型光照射部からの光の照射を制御する
請求項9、請求項10又は請求項11に記載の光照射装置。
【請求項14】
対象者の皮膚又は毛髪に対して、接触又は非接触でその性質の情報を取得可能な生体情報取得部を備え、
前記生体情報取得部が取得した前記対象者の生体情報である対象者生体情報に基づき、所定の条件で抽出された情報であり、同対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、該適合光情報に基づき、前記デバイス型光照射部からの光の照射を制御する
請求項9、請求項10又は請求項11に記載の光照射装置。
【請求項15】
対象者の皮膚又は毛髪に対して、接触又は非接触でその性質の情報を取得可能な生体情報取得部を備え、
前記生体情報取得部は、取得した前記対象者の生体情報である対象者生体情報と所定の条件に基づき、同対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する取得部側適合法情報抽出部を有し、
前記適合光情報に基づき、前記デバイス型光照射部からの光の照射を制御する
請求項9、請求項10又は請求項11に記載の光照射装置。
【請求項16】
前記スマートフォン端末は、設定した時間に基づく条件に応じて、前記デバイス型光照射部による光の照射を制御可能なタイマー制御手段を有する
請求項9、請求項10、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14又は請求項15に記載の光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光照射装置に関する。詳しくは、使い勝手が良く、対象者の肌や毛髪等への優れた美容効果が得られる光照射装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LED光源等から生じる特定の波長の光を対象者の肌や毛髪等に照射して、生体内の酵素やホルモンに刺激を与えることで、肌や毛髪等の状態を改善する技術が用いられている。
【0003】
肌等への光照射では、光の色(波長範囲)に応じて、保湿成分を産生する酵素の活性化、殺菌作用、抗炎症作用、しわやくすみの改善等、種々の効果が得られる。また、この光照射を用いる技術は、日常で手軽に行える家庭での美容処理から、医療分野における治療まで多岐に渡っている。
【0004】
例えば、対象者の皮膚に、面状発光ダイオードマトリックスからの光を照射し、皮膚を活性化させて美肌回復処理を施し、或いは創傷等の回復治療を施すための、面状光照射装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、家庭での美容処理に使用する光照射装置として、例えば、肌への美容作用や脱毛効果を得るために、装置本体を使用者が手に持って、光の照射部を皮膚の作用させたい領域に向けて光を照射する装置が存在する。
【0006】
このように、対象者の肌や毛髪等に美容効果を付与するための光照射装置は、利用目的や使用する場所に応じて、様々な機能や大きさの光照射装置が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、美容効果が得られる光照射装置について、もっと手軽に、かつ、更に良好な美容効果を得たいという潜在的な要求が存在する。
【0009】
例えば、前述した家庭用の光照射装置では、美容効果や脱毛効果を得る為に、1日に5分から20分程度の時間の処理を、1週間に1、2回程の回数行って、これを2~3か月継続する必要がある。
【0010】
即ち、光照射装置を利用する為だけに時間を割く必要が生じている。仮に、1回の処理に要する時間がもっと短く、処理の頻度が少なくても、使用者によっては煩わしさを感じるおそれがある。
【0011】
また、光照射装置を使用する場所が家庭やエステサロン、病院等に限定されているという不都合がある。生活の様々な場面で、光照射装置が利用可能となれば、効率良く、かつ、更に優れた美容効果を得ることも可能である。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、使い勝手が良く、対象者の肌や毛髪等への優れた美容効果が得られる光照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の光照射装置は、スマートフォン端末と、該スマートフォン端末に取付け可能なケース体と、該ケース体に設けられ、所定の波長の光を対象者に向けて照射可能、かつ、光の照射を制御可能なケース型光照射部とを備える。
【0014】
ここで、所定の波長の光を対象者に向けて照射可能なケース型光照射部によって、対象者の皮膚や毛髪等に、所定の波長の光を照射して、波長に応じた美容処理を施すことができる。また、美容処理だけでなく、所定の波長の光に応じて、アンチエイジング効果、リラックス効果、ストレス軽減効果、治療効果等をもたらすことができる。
【0015】
また、ケース型光照射部が光の照射を制御可能に構成されたことによって、皮膚や毛髪等に対して付与したい美容作用に応じて、照射する光の波長、光の強度、照射時間、照射する位置等を調整することが可能となる。
【0016】
また、スマートフォン端末と、スマートフォン端末に取付け可能なケース体と、ケース体に設けられ、所定の波長の光を対象者に向けて照射可能なケース型光照射部によって、スマートフォン端末を使用しながら、皮膚や毛髪等に光照射を行うことができる。即ち、スマートフォン端末を用いた通話や端末画面を操作する作業中に、光を照射して、皮膚や毛髪等に美容処理等を施すことができる。
【0017】
また、所定の波長の光は、少なくとも、赤色光、緑色光、青色光、黄色光、又は、白色光から選択される1つである場合には、光の種類を選択して、各光の照射により得られる美容作用等を皮膚や毛髪等に施すことができる。また、複数の色を組み合わせることで、各色に基づく美容作用等について、複合的な作用や相乗的な効果を得ることが可能となる。なお、ここでいう、赤色光とは、主に波長620~750nmの範囲の光である。また、緑色光とは、主に波長495~570nmの範囲の光である。また、青色光とは、主に波長450~495nmの範囲の光である。また、黄色光とは、主に波長570~620nmの範囲の光である。なお、黄色光は橙色光を含んでいてもよい。更に、ここでいう白色光とは、複数の波長の光を組み合わせて生じる色であり、例えば、青色光と黄色光を組み合わせて白色光としたものが採用される。
【0018】
また、ケース体が、スマートフォン端末の端末画面を閉塞可能な蓋部本体を有する場合には、蓋部本体でスマートフォン端末の端末画面を覆って、端末画面を保護することが可能となる。
【0019】
また、ケース体が、スマートフォン端末の端末画面を閉塞可能な蓋部本体を有し、ケース型光照射部が、蓋部本体の端末画面と対向する面に設けられた場合には、蓋部本体を開いた状態で、スマートフォン端末の使用者の顔等に光を照射しやすい構造となる。特に、スマートフォン端末で通話を行う際に、通話しながら光を照射することが可能となる。
【0020】
また、ケース体が、蓋部本体に連設され、蓋部本体とは反対側に回動可能な連設蓋部が設けられ、ケース型光照射部が、連設蓋部の蓋部本体と対向する面に設けられた場合には、蓋部本体だけでなく、連設蓋部からも光を照射することが可能となる。即ち、光を照射可能な範囲が広がると共に、光を照射する位置の変更も容易になり、対象者の皮膚や毛髪等に効率良く光を照射することができる。この結果、光の波長に応じて得られる美容作用等の効果をより一層向上させることができる。
【0021】
また、端末画面の表面、又は、ケース型光照射部の表面の少なくとも一方に設けられた光を透過可能なシート状体であり、所定の色を有するパワーストーンの粒子が配合された第1のカラーフィルター部を有する場合には、パワーストーンの粒子の色に基づき、精神的にリラックスさせる、やる気や集中力を促す等のカラーセラピーの効果を得ることが可能となる。また、対象者の誕生日等に合わせてパワーストーンの粒子の色を選択して、運気の向上等をもたらすこともできる。なお、ここでいうパワーストーンの粒子とは、特に大きさが限定されるものではないが、例えば、宝石の形状加工等に伴って生じる石の微粉末(ダスト)等を用いることができる。
【0022】
また、スマートフォン端末が、対象者を撮像可能な撮像手段を有する場合には、撮像手段を介して、対象者の皮膚や毛髪の撮像情報を取得することができる。
【0023】
また、撮像手段が撮像した対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、対象者撮像情報を元に対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報を用いる場合には、撮像情報から対象者の皮膚や毛髪の現在の状態を把握する情報とすることができる。即ち、例えば、肌の撮像情報を元に、肌の色、くすみ、肌のきめ、しみ、しわ、そばかす、水分量(弾力含む)、油分量(皮脂量含む)、乾燥、毛穴等について、対象者の皮膚の状態や各パラメータの程度を評価した情報とすることができる。また、例えば、毛髪の撮像情報を元に、毛髪の色、毛の太さ、毛量、毛の疎密、毛髪の表面の荒れ、頭皮の荒れ、水分量、油分量等について、対象者の毛髪や頭皮の状態や各パラメータの程度を評価した情報とすることができる。また、肌や毛髪等の撮像情報から対象者生体評価情報を得る際には、既存の画像解析技術を用いることができる。例えば、撮像情報から得られるRGB値及びこれを基に変換した色相、彩度、明度の値と、肌の色等の各パラメータを段階分けして、各数値で設定した評価項目とを照合して、対象者生体評価情報を算出することができる。また、対象者生体評価情報の算出する機能は、例えば、スマートフォン端末との間で情報の送受信が可能なサーバに持たせることができる。また、スマートフォン端末の撮像手段を介するため、対象者ごとのケアが必要な肌や毛髪等の状態を容易に確認することが可能となる。
【0024】
また、撮像手段が撮像した対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、対象者撮像情報を元に対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報とに基づき、所定の条件で抽出された情報であり、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、適合光情報に基づき、ケース型光照射部からの光の照射を制御する場合には、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。なお、ここでいう所定の条件とは、対象者生体評価情報の各情報に対して、肌や毛髪等の性質の良・不良を分けて、かつ、その状態を維持、向上又は改善するための光の波長と紐付けるための条件である。即ち、例えば、対象者生体評価情報が、肌のしみの多少について3段階(多い・普通・少ない)で表す情報であれば、肌のしみが「多い」とする評価情報が得られれば、肌のしみの改善に働く赤色光を照射するとの内容の情報が適合光情報となる。また、評価情報と光の色との組み合わせは、種々の閾値や条件項目の数、これらの組み合わせ等で適宜設定することができる。更に、対象者撮像情報及び対象者生体評価情報に基づき、所定の条件で適合光情報を抽出する機能は、例えば、スマートフォン端末との間で情報の送受信が可能なサーバに持たせることができる。
【0025】
また、スマートフォン端末が、対象者を撮像可能な撮像手段と、撮像手段が撮像した対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、所定の評価項目に基づき、対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価する対象者生体評価手段を有する場合には、スマートフォン端末から、対象者生体評価情報を得ることができる。即ち、サーバとの通信ができない環境下においても、対象者生体評価手段を取得可能となる。
【0026】
また、スマートフォン端末が、対象者生体評価手段が評価した対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報と所定の条件に基づき、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する端末側適合法情報抽出部を有する場合には、スマートフォン端末から、適合光情報を得ることができる。即ち、サーバとの通信ができない環境下においても、適合光情報を取得して、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。
【0027】
また、対象者の皮膚又は毛髪に対して、接触又は非接触でその性質の情報を取得可能な生体情報取得部を備える場合には、生体情報取得部を用いて、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態を示す各パラメータを測定することができる。即ち、例えば、肌に対しては、肌の色、くすみ、肌のきめ、しみ、しわ、そばかす、水分量(弾力含む)、油分量(皮脂量含む)、乾燥、毛穴等について、既存の測定装置を生体情報取得部として用いて測定することができる。また、例えば、毛髪に対しては、毛髪の色、毛の太さ、毛量、毛の疎密、毛髪の表面の荒れ、頭皮の荒れ、水分量、油分量等について、既存の測定装置を生体情報取得部として用いて測定することができる。
【0028】
また、生体情報取得部が取得した対象者の生体情報である対象者生体情報に基づき、所定の条件で抽出された情報であり、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、適合光情報に基づき、ケース型光照射部からの光の照射を制御する場合には、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。なお、ここでいう所定の条件とは、対象者生体情報の各情報に対して、肌や毛髪等の性質の良・不良を分けて、かつ、その状態を維持、向上又は改善するための光の波長と紐付けるための条件である。即ち、例えば、対象者生体情報が、肌の水分量について3段階(多い・普通・少ない)で表す情報であれば、肌の水分量が「少ない」とする対象者生体情報が得られれば、肌の真皮線維芽細胞を刺激して、肌の水分を保持するヒアルロン酸の産生を活発化させる働きを有する赤色光を照射するとの内容の情報が適合光情報となる。また、対象者生体情報と光の色との組み合わせは、種々の閾値や条件項目の数、これらの組み合わせ等で適宜設定することができる。また、対象者生体情報に基づき、所定の条件で適合光情報を抽出する機能は、例えば、スマートフォン端末との間で情報の送受信が可能なサーバに持たせることができる。
【0029】
また、生体情報取得部が、取得した対象者の生体情報である対象者生体情報と所定の条件に基づき、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する取得部側適合法情報抽出部を有する場合には、生体情報取得部から、適合光情報を得ることができる。即ち、スマートフォン端末が、サーバとの通信ができない環境下においても、適合光情報を取得して、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。
【0030】
また、スマートフォン端末が、設定した時間に基づく条件に応じて、ケース型光照射部による光の照射を制御可能なタイマー制御手段を有する場合には、スマートフォン端末で設定した時間の条件に合わせて、対象者への光の照射を行うことができる。例えば、起床時間に光照射が開始される設定にすることで、従来のスマートフォン端末が有する音や振動による目覚まし機能に加えて、光照射で目覚めを誘導すると共に、肌や毛髪等に美容作用等を施すことができる。また、例えば、睡眠前に一定時間、光を照射しながら、徐々に光の照射量を弱めていく設定にしておくことで、リラックス効果を付与して、寝つきを良くすると共に、肌や毛髪等に美容作用等を施すことができる。
【0031】
また、対象者の頭部を載置可能な枕形状、又は、対象者の頭部又は全身の少なくとも一部を覆う形状に形成されたデバイス本体と、デバイス本体に設けられ、スマートフォン端末を介して操作可能に構成されると共に、所定の波長の光を対象者に向けて照射可能、かつ、光の照射を制御可能なデバイス型光照射部とを備える場合には、ケース型光照射部だけでなく、デバイス型光照射部からも、対象者に光を照射可能となる。また、対象者の頭部や全身、体の前面側、又は、体の背面側といったように、より広い範囲に、光を照射して美容作用等を施すことができる。
【0032】
また、デバイス本体が枕形状、又は頭部の少なくとも一部を覆う形状である場合には、対象者が横になった際や、睡眠前、睡眠時、及び起床時等に、効率良く、光を照射することが可能となる。
【0033】
また、デバイス本体が、対象者の全身の少なくとも一部を覆う形状に形成された場合には、デバイス本体を家庭だけでなく、店舗等の商業施設、駅、空港、公共施設、スポーツジム、会社等、様々な場所に設置して使用することができる。この結果、光照射による美容作用等を施す機会を得やすくなる。
【0034】
また、デバイス型光照射部が照射する所定の波長の光は、少なくとも、赤色光、緑色光、青色光、黄色光、又は、白色光から選択される1つである場合には、光の種類を選択して、各光の照射により得られる美容作用等を皮膚や毛髪等に施すことができる。また、複数の色を組み合わせることで、各色に基づく美容作用等について、複合的な作用や相乗的な効果を得ることが可能となる。更に、ケース型光照射部が照射する光と、デバイス型光照射部が照射する光の波長を異ならせて、各照射部から得られる美容作用等を異ならせることが可能となる。
【0035】
また、デバイス型光照射部の表面に設けられた光を透過可能なシート状体であり、所定の色を有するパワーストーンの粒子が配合された第2のカラーフィルター部を有する場合には、デバイス型光照射部からも、パワーストーンの粒子の色に基づき、精神的にリラックスさせる、やる気や集中力を促す等のカラーセラピーの効果を得ることが可能となる。また、対象者の誕生日等に合わせてパワーストーンの粒子の色を選択して、運気の向上等をもたらすこともできる。
【0036】
また、撮像手段が撮像した対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、対象者撮像情報を元に対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報を用いる場合には、撮像情報から対象者の皮膚や毛髪の現在の状態を把握する情報とすることができる。即ち、例えば、肌の撮像情報を元に、肌の色、くすみ、肌のきめ、しみ、しわ、そばかす、水分量(弾力含む)、油分量(皮脂量含む)、乾燥、毛穴等について、対象者の皮膚の状態や各パラメータの程度を評価した情報とすることができる。また、例えば、毛髪の撮像情報を元に、毛髪の色、毛の太さ、毛量、毛の疎密、毛髪の表面の荒れ、頭皮の荒れ、水分量、油分量等について、対象者の毛髪や頭皮の状態や各パラメータの程度を評価した情報とすることができる。また、肌や毛髪等の撮像情報から対象者生体評価情報を得る際には、既存の画像解析技術を用いることができる。例えば、撮像情報から得られるRGB値及びこれを基に変換した色相、彩度、明度の値と、肌の色等の各パラメータを段階分けして、各数値で設定した評価項目とを照合して、対象者生体評価情報を算出することができる。また、対象者生体評価情報の算出する機能は、例えば、スマートフォン端末との間で情報の送受信が可能なサーバに持たせることができる。また、スマートフォン端末の撮像手段を介するため、対象者ごとのケアが必要な肌や毛髪等の状態を容易に確認することが可能となる。
【0037】
また、撮像手段が撮像した対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、対象者撮像情報を元に対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報とに基づき、所定の条件で抽出された情報であり、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、適合光情報に基づき、デバイス型光照射部からの光の照射を制御する場合には、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。なお、ここでいう所定の条件とは、対象者生体評価情報の各情報に対して、肌や毛髪等の性質の良・不良を分けて、かつ、その状態を維持、向上又は改善するための光の波長と紐付けるための条件である。即ち、例えば、対象者生体評価情報が、肌のしみの多少について3段階(多い・普通・少ない)で表す情報であれば、肌のしみが「多い」とする評価情報が得られれば、肌のしみの改善に働く赤色光を照射するとの内容の情報が適合光情報となる。また、評価情報と光の色との組み合わせは、種々の閾値や条件項目の数、これらの組み合わせ等で適宜設定することができる。更に、対象者撮像情報及び対象者生体評価情報に基づき、所定の条件で適合光情報を抽出する機能は、例えば、スマートフォン端末との間で情報の送受信が可能なサーバに持たせることができる。
【0038】
また、スマートフォン端末が、対象者を撮像可能な撮像手段と、撮像手段が撮像した対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、所定の評価項目に基づき、対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価する対象者生体評価手段を有する場合には、スマートフォン端末から、対象者生体評価情報を得ることができる。即ち、サーバとの通信ができない環境下においても、対象者生体評価手段を取得可能となる。
【0039】
また、スマートフォン端末が、対象者生体評価手段が評価した対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報と所定の条件に基づき、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する端末側適合法情報抽出部を有する場合には、スマートフォン端末から、適合光情報を得ることができる。即ち、サーバとの通信ができない環境下においても、適合光情報を取得して、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。
【0040】
また、対象者の皮膚又は毛髪に対して、接触又は非接触でその性質の情報を取得可能な生体情報取得部を備える場合には、生体情報取得部を用いて、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態を示す各パラメータを測定することができる。即ち、例えば、肌に対しては、肌の色、くすみ、肌のきめ、しみ、しわ、そばかす、水分量(弾力含む)、油分量(皮脂量含む)、乾燥、毛穴等について、既存の測定装置を生体情報取得部として用いて測定することができる。また、例えば、毛髪に対しては、毛髪の色、毛の太さ、毛量、毛の疎密、毛髪の表面の荒れ、頭皮の荒れ、水分量、油分量等について、既存の測定装置を生体情報取得部として用いて測定することができる。
【0041】
また、生体情報取得部が取得した対象者の生体情報である対象者生体情報に基づき、所定の条件で抽出された情報であり、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、適合光情報に基づき、デバイス型光照射部からの光の照射を制御する場合には、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。なお、ここでいう所定の条件とは、対象者生体情報の各情報に対して、肌や毛髪等の性質の良・不良を分けて、かつ、その状態を維持、向上又は改善するための光の波長と紐付けるための条件である。即ち、例えば、対象者生体情報が、肌の水分量について3段階(多い・普通・少ない)で表す情報であれば、肌の水分量が「少ない」とする対象者生体情報が得られれば、肌の真皮線維芽細胞を刺激して、肌の水分を保持するヒアルロン酸の産生を活発化させる働きを有する赤色光を照射するとの内容の情報が適合光情報となる。また、対象者生体情報と光の色との組み合わせは、種々の閾値や条件項目の数、これらの組み合わせ等で適宜設定することができる。また、対象者生体情報に基づき、所定の条件で適合光情報を抽出する機能は、例えば、スマートフォン端末との間で情報の送受信が可能なサーバに持たせることができる。
【0042】
また、生体情報取得部が、取得した対象者の生体情報である対象者生体情報と所定の条件に基づき、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する取得部側適合法情報抽出部を有する場合には、生体情報取得部から、適合光情報を得ることができる。即ち、スマートフォン端末が、サーバとの通信ができない環境下においても、適合光情報を取得して、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。
【0043】
また、スマートフォン端末が、設定した時間に基づく条件に応じて、デバイス型光照射部による光の照射を制御可能なタイマー制御手段を有する場合には、デバイス型光照射部についても、スマートフォン端末で設定した時間の条件に合わせて、対象者への光の照射を行うことができる。例えば、起床時間に光照射が開始される設定にすることで、従来のスマートフォン端末が有する音や振動による目覚まし機能に加えて、光照射で目覚めを誘導すると共に、肌や毛髪等に美容作用等を施すことができる。また、例えば、睡眠前に一定時間、光を照射しながら、徐々に光の照射量を弱めていく設定にしておくことで、リラックス効果を付与して、寝つきを良くすると共に、肌や毛髪等に美容作用等を施すことができる。
【0044】
また、上記の目的を達成するために、本発明の光照射装置は、スマートフォン端末と、対象者の頭部を載置可能な枕形状、又は、対象者の頭部又は全身の少なくとも一部を覆う形状に形成されたデバイス本体と、該デバイス本体に設けられ、前記スマートフォン端末を介して操作可能に構成されると共に、所定の波長の光を対象者に向けて照射可能、かつ、光の照射を制御可能なデバイス型光照射部とを備える。
【0045】
ここで、所定の波長の光を対象者に向けて照射可能なデバイス型光照射部によって、対象者の皮膚や毛髪等に、所定の波長の光を照射して、波長に応じた美容処理を施すことができる。また、美容処理だけでなく、所定の波長の光に応じて、アンチエイジング効果、リラックス効果、ストレス軽減効果、治療効果等をもたらすことができる。
【0046】
また、デバイス型光照射部が光の照射を制御可能に構成されたことによって、皮膚や毛髪等に対して付与したい美容作用に応じて、照射する光の波長、光の強度、照射時間、照射する位置等を調整することが可能となる。
【0047】
また、デバイス型光照射部が、スマートフォン端末を介して操作可能に構成されることによって、使用者はデバイス型光照射部を容易に使用することが可能となる。
【0048】
また、デバイス型光照射部が照射する所定の波長の光は、少なくとも、赤色光、緑色光、青色光、黄色光、又は、白色光から選択される1つである場合には、光の種類を選択して、各光の照射により得られる美容作用等を皮膚や毛髪等に施すことができる。また、複数の色を組み合わせることで、各色に基づく美容作用等について、複合的な作用や相乗的な効果を得ることが可能となる。更に、ケース型光照射部が照射する光と、デバイス型光照射部が照射する光の波長を異ならせて、各照射部から得られる美容作用等を異ならせることが可能となる。
【0049】
また、デバイス型光照射部の表面に設けられた光を透過可能なシート状体であり、所定の色を有するパワーストーンの粒子が配合された第3のカラーフィルター部を有する場合には、デバイス型光照射部からも、パワーストーンの粒子の色に基づき、精神的にリラックスさせる、やる気や集中力を促す等のカラーセラピーの効果を得ることが可能となる。また、対象者の誕生日等に合わせてパワーストーンの粒子の色を選択して、運気の向上等をもたらすこともできる。
【0050】
また、撮像手段が撮像した対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、対象者撮像情報を元に対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報を用いる場合には、撮像情報から対象者の皮膚や毛髪の現在の状態を把握する情報とすることができる。即ち、例えば、肌の撮像情報を元に、肌の色、くすみ、肌のきめ、しみ、しわ、そばかす、水分量(弾力含む)、油分量(皮脂量含む)、乾燥、毛穴等について、対象者の皮膚の状態や各パラメータの程度を評価した情報とすることができる。また、例えば、毛髪の撮像情報を元に、毛髪の色、毛の太さ、毛量、毛の疎密、毛髪の表面の荒れ、頭皮の荒れ、水分量、油分量等について、対象者の毛髪や頭皮の状態や各パラメータの程度を評価した情報とすることができる。また、肌や毛髪等の撮像情報から対象者生体評価情報を得る際には、既存の画像解析技術を用いることができる。例えば、撮像情報から得られるRGB値及びこれを基に変換した色相、彩度、明度の値と、肌の色等の各パラメータを段階分けして、各数値で設定した評価項目とを照合して、対象者生体評価情報を算出することができる。また、対象者生体評価情報の算出する機能は、例えば、スマートフォン端末との間で情報の送受信が可能なサーバに持たせることができる。また、スマートフォン端末の撮像手段を介するため、対象者ごとのケアが必要な肌や毛髪等の状態を容易に確認することが可能となる。
【0051】
また、撮像手段が撮像した対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、対象者撮像情報を元に対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報とに基づき、所定の条件で抽出された情報であり、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、適合光情報に基づき、デバイス型光照射部からの光の照射を制御する場合には、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。なお、ここでいう所定の条件とは、対象者生体評価情報の各情報に対して、肌や毛髪等の性質の良・不良を分けて、かつ、その状態を維持、向上又は改善するための光の波長と紐付けるための条件である。即ち、例えば、対象者生体評価情報が、肌のしみの多少について3段階(多い・普通・少ない)で表す情報であれば、肌のしみが「多い」とする評価情報が得られれば、肌のしみの改善に働く赤色光を照射するとの内容の情報が適合光情報となる。また、評価情報と光の色との組み合わせは、種々の閾値や条件項目の数、これらの組み合わせ等で適宜設定することができる。更に、対象者撮像情報及び対象者生体評価情報に基づき、所定の条件で適合光情報を抽出する機能は、例えば、スマートフォン端末との間で情報の送受信が可能なサーバに持たせることができる。
【0052】
また、スマートフォン端末が、対象者を撮像可能な撮像手段と、撮像手段が撮像した対象者の撮像情報である対象者撮像情報と、所定の評価項目に基づき、対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価する対象者生体評価手段を有する場合には、スマートフォン端末から、対象者生体評価情報を得ることができる。即ち、サーバとの通信ができない環境下においても、対象者生体評価手段を取得可能となる。
【0053】
また、スマートフォン端末が、対象者生体評価手段が評価した対象者の皮膚又は毛髪の性質を評価した情報である対象者生体評価情報と所定の条件に基づき、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する端末側適合法情報抽出部を有する場合には、スマートフォン端末から、適合光情報を得ることができる。即ち、サーバとの通信ができない環境下においても、適合光情報を取得して、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。
【0054】
また、対象者の皮膚又は毛髪に対して、接触又は非接触でその性質の情報を取得可能な生体情報取得部を備える場合には、生体情報取得部を用いて、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態を示す各パラメータを測定することができる。即ち、例えば、肌に対しては、肌の色、くすみ、肌のきめ、しみ、しわ、そばかす、水分量(弾力含む)、油分量(皮脂量含む)、乾燥、毛穴等について、既存の測定装置を生体情報取得部として用いて測定することができる。また、例えば、毛髪に対しては、毛髪の色、毛の太さ、毛量、毛の疎密、毛髪の表面の荒れ、頭皮の荒れ、水分量、油分量等について、既存の測定装置を生体情報取得部として用いて測定することができる。
【0055】
また、生体情報取得部が取得した対象者の生体情報である対象者生体情報に基づき、所定の条件で抽出された情報であり、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を受信して、適合光情報に基づき、デバイス型光照射部からの光の照射を制御する場合には、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。なお、ここでいう所定の条件とは、対象者生体情報の各情報に対して、肌や毛髪等の性質の良・不良を分けて、かつ、その状態を維持、向上又は改善するための光の波長と紐付けるための条件である。即ち、例えば、対象者生体情報が、肌の水分量について3段階(多い・普通・少ない)で表す情報であれば、肌の水分量が「少ない」とする対象者生体情報が得られれば、肌の真皮線維芽細胞を刺激して、肌の水分を保持するヒアルロン酸の産生を活発化させる働きを有する赤色光を照射するとの内容の情報が適合光情報となる。また、対象者生体情報と光の色との組み合わせは、種々の閾値や条件項目の数、これらの組み合わせ等で適宜設定することができる。また、対象者生体情報に基づき、所定の条件で適合光情報を抽出する機能は、例えば、スマートフォン端末との間で情報の送受信が可能なサーバに持たせることができる。
【0056】
また、生体情報取得部が、取得した対象者の生体情報である対象者生体情報と所定の条件に基づき、対象者の皮膚又は毛髪の性質に合わせて照射する光の情報である適合光情報を抽出する取得部側適合法情報抽出部を有する場合には、生体情報取得部から、適合光情報を得ることができる。即ち、スマートフォン端末が、サーバとの通信ができない環境下においても、適合光情報を取得して、対象者の皮膚や毛髪の現在の状態に合わせて、より美しくしたい項目や、不具合や改善が必要な項目に対応する光を選択して、対象者に照射することができる。
【0057】
また、スマートフォン端末が、設定した時間に基づく条件に応じて、デバイス型光照射部による光の照射を制御可能なタイマー制御手段を有する場合には、スマートフォン端末で設定した時間の条件に合わせて、対象者への光の照射を行うことができる。例えば、起床時間に光照射が開始される設定にすることで、従来のスマートフォン端末が有する音や振動による目覚まし機能に加えて、光照射で目覚めを誘導すると共に、肌や毛髪等に美容作用等を施すことができる。また、例えば、睡眠前に一定時間、光を照射しながら、徐々に光の照射量を弱めていく設定にしておくことで、リラックス効果を付与して、寝つきを良くすると共に、肌や毛髪等に美容作用等を施すことができる。
【発明の効果】
【0058】
本発明に係る光照射装置は、使い勝手が良く、対象者の肌や毛髪等への優れた美容効果が得られるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態である光照射装置の構造を示す概略図であり、(b)は、保護シートの構造を示す概略断面図である。
【
図2】ケース体の形状のバリエーションを示す図である。
【
図3】スマートフォン端末とサーバの関係を示す概念ブロック図である。
【
図4】(a)は、枕型デバイスを有する光照射装置の構造を示す概略図であり、(b)は、枕型デバイスの使用状態を示す図である。
【
図5】スマートフォン端末のケース体と、枕型デバイスの両方から使用者に光を照射した状態を示す図である。
【
図6】枕型デバイスとブリッジ型デバイスを有する光照射装置の構造と使用状態を示す図である。
【
図7】円筒形デバイスを有する光照射装置の構造を示す概略図である。
【
図8】(a)は、ベッド型デバイスを有する光照射装置の構造を示す概略図であり、(b)は、シャワー型デバイスを有する光照射装置の構造を示す概略図である。
【
図9】天井型デバイスを有する光照射装置の構造を示す概略図である。
【
図10】ケース体の形状の更なるバリエーションを示す図である。
【
図11】(a)は、ケース体の形状の更なるバリエーションを示す図であり、(b)は、カラーストーンを配合したケース体の形状の他のバリエーションを示す図である。
【
図12】枕型デバイスを有する光照射装置の他のバリエーションの構造と使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)を説明する。
なお、以下の説明においては、同一の機能を有する部材には同一又は関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0061】
[第1の実施の形態]
図1乃至
図3を参照しながら、本発明の第1の実施の形態である光照射装置について説明する。
【0062】
図1(a)に示すように、本発明を適用した光照射装置1は、スマートフォン端末2と、ケース体3と、LED光照射部4を備えている。
【0063】
スマートフォン端末2は、インターネット5等との通信を制御する通信部等を有し、サーバ6との間で情報の送受信が可能に構成されている(
図3参照)。
【0064】
また、スマートフォン端末2は、携帯機器用オペレーティングシステム(携帯機器用OS)を備えた携帯電話である。スマートフォン端末2は、ユーザーインターフェースや各種設定ツールなどのユーティリティが組み込まれると共に、通話機能、インターネット閲覧機能、アプリケーションソフトウェアのダウンロードによる各種機能、高速通信機能、Bluetooth(登録商標)を用いた通信機能、無線LAN機能等を有する既知のスマートフォン端末が利用できる。
【0065】
ケース体3は、スマートフォン端末2の端末本体20の背面側に着脱可能な保護カバー体である。ケース体3は、背面側カバー部30と、蓋部31を有している。背面側カバー部30と蓋部31は、端末本体20より一回り大きく形成された板状体であり、接合部32を軸に開閉可能に構成されている。
【0066】
即ち、スマートフォン端末2は、背面側カバー部30と蓋部31の間に配置され、蓋部31を閉じた状態で、端末本体20の画面側及び背面側が、蓋部31及び背面側カバー部30に覆われて保護される。
【0067】
また、蓋部31の内周面側(スマートフォン端末2側)には、LED光照射部4が設けられている。LED光照射部4は、スマートフォン端末2の使用者の皮膚や毛髪等に、所定の波長の光を照射する部材である。
【0068】
図1(a)に示すように、LED光照射部4は、各種の波長の光を照射する複数のLED光源40が基板400に配設された薄板状の部材である。基板400の表面は、鏡面加工が施され、LED光源40から生じる光を反射して、光の照射効率が高められている。
【0069】
また、LED光源40が作動する為の電力は、スマートフォン端末2側から供給可能に構成されている。例えば、ケース体3とスマートフォン端末2をケーブル等で繋ぎ、スマートフォン端末2の電力を消費して、LED光源40が作動させることができる。
【0070】
なお、LED光源40への電力供給の構造は、ケーブルでの接続に限らず、非接触型の電力伝送の構造を採用して、スマートフォン端末2からLED光源40に電力を供給することもできる。更に、スマートフォン端末2側から電力供給をせずに、ケース体3に直接、コンセントやコネクタを有する電力供給用のケーブルを繋ぎ、ケース体3(LED光源40)を充電して電力を使用する構造としてもよい。
【0071】
また、各LED光源40は、赤色光、緑色光、青色光、黄色光、白色光等、種々の波長範囲の光を照射可能に設けられている。
【0072】
ここで、例えば、光の色と波長範囲は、以下の内容が採用しうる。赤色光は、波長620~750nmの範囲であり、緑色光は、波長495~570nmの範囲であり、青色光は、波長450~495nmの範囲であり、黄色光は、波長570~620nmの範囲の光である。また、黄色光は橙色光を含んでいてもよい。更に、白色光は、複数の波長の光の組み合わせにより生じ、例えば、青色光と黄色光を組み合わせて白色光としたものが採用可能である。
【0073】
また、種々の波長範囲の光を、人の肌や毛髪に照射した際に得られる効果効能として、例えば、以下のような内容が挙げられる。
【0074】
まず、赤色光は、皮膚に照射することで、皮膚の真皮に存在するコラーゲンやエラスチンをつくる繊維芽細胞内のミトコンドリアに作用して、コラーゲン細胞を活性化させることでコラーゲンの産生や再生、損傷した組織や古い組織を交換する時に必要なタンパク質の修復等を促す。また、赤色光は、肌の外表面と真皮層におけるアンチエイジング効果(肌のしみ、しわ、くすみ、むくみの改善、潤いにより乾燥を防ぐ、肌のハリと弾力を高める)が得られる。
【0075】
また、赤色光は、毛髪に照射することで、髪表面のケラチンの生成や修復、頭皮の循環改善、育毛等の効果が生じる。更に、赤色光を皮膚等に照射して、血行促進の効果も得られる。
【0076】
また、緑色光は、肌に照射することで、シミやニキビ跡、傷痕などの色素沈着を薄くする効果が得られる。また、緑色光は、肌のそばかすやしわの改善の作用もある。
【0077】
また、青色光は、皮膚に照射することで、殺菌、抗炎症作用や、アクネ桿菌を殺菌によるにきび抑止、皮脂分泌の抑制による脂性のあの効果が得られる。また、青色光は、顔以外の皮膚、例えば、足、爪、陰部等における水虫の治療、症状改善の効果を生じる。
【0078】
更に、青色光は、アレルギー性の症状の好転作用、肌の分泌バランスの正常化、傷跡治療、毛穴を縮小させながら肌を清浄化する効果が得られる。
【0079】
また、黄色光は、肌に照射することで、リンパの流れを活性化させ、細胞の修復効果を促進させる効果がある。また、この作用に伴い、傷ついた細胞を修復して、肌のターンオーバを正常に導くことができる。
【0080】
また、黄色光は、敏感肌や乾燥肌の原因を修復、解毒することで、正常な肌質へと改善させる効果もある。例えば、黄色光は、皮膚の循環改善、赤斑改善、循環不足解消、年齢とともに出現する代謝不足や循環不良により生じるシミの改善(斑、老年の斑の改善)の作用を有する。
【0081】
また、白色光は、肌に照射することで、筋肉のもとになる細胞を活性化し、筋組織を太くして、密度を高めることで、肌のタルミ、ほうれい線やシワの改善効果が得られる。
【0082】
なお、照射する光の波長は、各色を生じる波長の範囲であれば特に限定されるものではないが、特定の作用を効率良く得る為に、同範囲内で特定の波長が得られる構成としてもよい。また、LED光照射部4を容易に構築する為に、汎用性が高い波長(例えば、赤色であれば623nm)を選択してもよい。
【0083】
また、LED光照射部4は、スマートフォン端末2のユーザーインターフェースを介して、操作可能に構成されている。例えば、スマートフォン端末2の画面のタッチ操作を介して、LED光照射部4による光の照射を操作可能である。
【0084】
また、LED光照射部4はBluetoothを搭載しており、スマートフォン端末2との間で、Bluetooth通信を介して操作可能に構成されている。なお、本発明を適用した光照射装置では、第1の実施の形態である光照射装置1だけでなく、後述する各光照射装置における光照射部を有するデバイスもBluetoothを搭載した構造が採用しうる。また、装置構成によっては、Bluetooth通信だけなく、その他の既知の無線通信技術や、有線のケーブルを介した通信を採用しうる。
【0085】
また、ここでいうスマートフォン端末2を介したLED光照射部4の操作とは、例えば、光の照射のON/OFFの制御、色の選択、複数の色の組み合わせ、光の照射時間、照射する光の強度、光の断続的な照射やパルス照射等の設定を含んでいる。更には、LED光照射部4が、使用者に肌等に光を当てる位置を変更する為の設定等を含んでいてもよい。
【0086】
また、ケース体3は、スマートフォン端末2に取付け可能であり、LED光照射部4を有していれば、その形状や大きさは特に限定されるものではない。なお、ケース体3の形状のバリエーションについては後述する。
【0087】
[カラーストーン]
また、ケース体3の蓋部31の表面には、保護シート33が設けられている。
図1(b)に示すように、この保護シート33は、カラーストーン配合層330と、保護フィルム層331の2層で構成されている。
【0088】
保護シート33は、LED光源40が設けられた基板400の外表面を保護する部材である。また、保護シート33は、LED光照射部4と組み合わせて、カラーストーン配合層330に局在する各種カラーストーンが有する色を、使用者に作用させる為の部材である。
【0089】
カラーストーン配合層330及び保護フィルム層331は、LED光源40が発した光を透過可能に構成されている(
図1(a)中では、透過する光を左向きの矢印で示している)。また、カラーストーン配合層330は、例えば、宝石(カラーストーン)の研磨や形状加工等に伴って生じる微粉末(ダスト)を透明な樹脂原料に配合して形成することができる。
【0090】
このような構造であれば、カラーストーン由来の微粉末の表面積が大きくなり、LED光源40から生じた光との接触効率を高めつつ、製造にかかるコストも抑えることができる。カラーストーン由来の微粉末にLED光源40から生じた光が当たり、カラーストーン固有の色の光を生じさせることが可能となる。
【0091】
また、カラーストーン配合層330に配合するカラーストーンの種類としては、次のようなものが挙げられる。例えば、赤色の宝石であれば、ルビー、ロードライトガーネット、スピネル等、青色の宝石であれば、ブルーサファイア、アメシスト、アクアマリン等、
緑色の宝石であれば、エメラルド、翡翠、ペリドット等、紫色の宝石であれば、アメジスト、タンザナイト等、ピンク色の宝石であれば、ピンクトルマリン、ピンクトパーズ、モルガナイト、ローズクォーツ等、黒色の宝石であれば、ブラックダイヤモンド、オニキス、ブラックスピネル、黒真珠等、白色の宝石であれば、真珠、ホワイトオニキス、ムーンストーン等である。
【0092】
また、各カラーストーンの微粉末から生じる光からは、以下の効果がもたらされる。例えば、赤色の宝石からは、リラックス効果や、やる気を引きだし、行動力をアップさせる効果が得られる。また、青色の宝石からは、心を落ち着かせる効果や冷静さを保つ効果、集中力を高める効果が得られる。
【0093】
また、緑色の宝石からは、癒しやヒーリング効果が得られる。また、紫色の宝石からは、ヒーリング効果やインスピレーションを高めてくれる効果が得られる。また、ピンク色の宝石からは、安心感や幸福感を与える共に、美肌効果が得られる。
【0094】
また、黒色の宝石からは、癒しや魔除け、忍耐力や精神力を高める効果が得られる。また、白色の宝石からは、癒しや魔除け、運気を高める効果、想像力を高める効果が得られる。
【0095】
なお、上述したカラーストーンの色や効果は、一例であり、本発明では、適宜、使用者の好みや得たい効果等に応じて、その種類を適宜変更することができる。例えば、使用者の誕生月に応じて、カラーストーンの種類を変えた複数の保護層33を設けてもよい。
【0096】
また、必ずしも、ケース体3の蓋部31の表面に保護層33を設ける必要はない。例えば、スマートフォン端末2の端末画面の表面に貼る保護シートや、端末画面の表面に着脱可能なフィルターに、カラーストーン配合層330を設けて、端末画面から生じる光を利用して、カラーストーンの色を生じさせる構成も採用しうる。
【0097】
また、必ずしも、保護シート33によりカラーストーン配合層330を設ける必要はない。例えば、カラーストーンの微粉末を配合したカバー体で光源を覆ったカラーストーン用の発光部材を、別途、LED光源40を配設する基板400中に配置して、LED光源40と共に、カラーストーン由来の光を発行する構造とすることも可能である。
【0098】
このカラーストーン用の発光部材を基板400中に配置する際、上述したように、基板400の表面に鏡面加工を施しておくことで、基板400でカラーストーン由来の光を反射させ、その光の反射効率を高めることができる。また、カラーストーン用の発光部材を、別部材として、基板400に着脱可能に形成しておくことで、異なる種類のカラーストーンへの交換を容易に行うことができる。
【0099】
また、カラーストーンの光を利用する光照射装置の構造として、例えば、
図11(b)に示すケース体500を採用することもできるケース体500は、スマートフォン端末2の背面または外周に沿って着脱自在に取付け可能なケース基台502と、スマートフォン端末2の端末画面側から、ケース基台502に取付け可能なケース蓋501から構成されている。
【0100】
このケース体500では、ケース基台502に設けられたマグネット部502aと、ケース蓋501に設けられたマグネット部501aとが、磁力を介してくっつくことで、ケース蓋501がスマートフォン端末2及びケース基台502に取り付けられる。
【0101】
また、ケース蓋501には、カラーストーンの微粉末が配合されたフィルター部330aが設けられている。このケース体500では、カラーストーンの種類に応じて、異なるフィルター部330aを有するケース蓋501を複数形成しておくことで、ケース蓋501を交換するだけで、異なる種類のカラーストーンへの交換を容易に行うことができる。
【0102】
また、この複数のカラーストーンの種類に応じた、異なるフィルター部330aを有するケース蓋501の構造は、スマートフォン端末2のケース体に限らず、後述する光照射部を有する種々のデバイス装置にも取付け可能である。
【0103】
[ケース体のバリエーション]
また、
図1(a)で開示したケース体3の形状だけでなく、本発明を適用した光照射装置のケース体として、次のような形状も考えられる。
【0104】
例えば、
図2(a)に示すように、ケース体3aは、背面側カバー部30と蓋部31に加えて、蓋部31の上下に、連設蓋部310が開閉可能に設けられている。また、2つの連設蓋部310の内周面には、LED光照射部4aが設けられており、LED光照射部4aは、蓋部31のLED光照射部4と同様の機能を有している。
【0105】
このような
図2(a)に示すケース体3aは、蓋部31のLED光照射部4及び連設蓋部310のLED光照射部4aのそれぞれから、使用者の顔や毛髪等に向けて光を照射することができる。これにより、光を照射する効率が良くなり、照射可能な範囲も広くなる。
【0106】
また、LED光照射部4やLED光照射部4aの開閉位置を調整可能な構造としておけば、光を照射する位置が変更しやすくなる。更に、各LED光照射部で照射する光の波長を異ならせることもできる。
【0107】
また、
図2(b)に示すケース体3bでは、蓋部31の上下と右側に連設蓋部310とLED光照射部4aを設けている。また、
図2(c)に示すケース体3cでは、蓋部31の右側に連設蓋部310とLED光照射部4aを設けている。更に、
図2(d)に示すケース体3dでは、背面側カバー部30の左右両側に蓋部31とLED光照射部4を設けている。このように、本発明を適用した光照射装置のケース体の構造は、種々の形状が採用可能であり、デザインや使い勝手に応じて、適宜、その形状を変えることができる。
【0108】
更に、本発明を適用した光照射装置のケース体として、次のような形状も考えられる。
【0109】
例えば、
図10(a)に示すケース体3eは、スマートフォン端末2の背面または外周に沿って着脱自在に取付け可能なケース基台312と、LED光源40が設けられた光照射部4dを支持して、一端がケース基台312に取り付けられた支持片311を有している。
【0110】
また、支持片311は、ケース基台312に対して立ち上げ可能(
図10(a)中の矢印R1で示す方向)に構成されている。また、支持片311は、支持片311の下部中央辺りの回転軸を軸として、左右の両方向(
図10(a)中の矢印R2で示す方向)に回転自在に構成されている。また、LED光源40は、スマートフォン端末2側、又は、スマートフォン端末2と反対側の方向の両方に光を照射可能に構成されている。また、支持片311は、立ち上げた位置や、回転させた位置で、その位置を維持可能に構成されている。
【0111】
また、例えば、
図10(b)に示すケース体3fは、スマートフォン端末2の背面または外周に沿って着脱自在に取付け可能なケース基台312aと、LED光源40が設けられた光照射部4eを支持して、一端がケース基台312aに取り付けられた支持片311aを有している。支持片311aは、スマートフォン端末2の長手方向に略平行な向きで、ケース基台312に取り付けられている。
【0112】
また、支持片311aは、ケース基台312aに対して立ち上げ可能(
図10(b)中の矢印R3で示す方向)に構成されている。また、LED光源40は、スマートフォン端末2側、又は、スマートフォン端末2と反対側の方向の両方に光を照射可能に構成されている。
【0113】
また、例えば、
図11(a)に示すケース体3gは、スマートフォン端末2の背面側から取り付けて、スマートフォン端末2の外周を覆う形状であるケース枠体313で構成されている。また、ケース枠体313の上面にLED光源40が設けられている。また、ケース枠体313の厚みは、スマートフォン端末2の厚みよりも大きく形成されている。
【0114】
このような形状のケース体3gとすることで、スマートフォン端末2の角部や、スマートフォン端末2の端末画面を保護しやすくなる。仮に、スマートフォン端末2の端末画面側から床面等に落下した際にも、ケース枠体313の上面が端末画面よりも先に床面と接触して、端末画面を保護可能となる。
【0115】
[生体情報の取得と照射する光の制御]
図1(a)に示すように、スマートフォン端末2はカメラ21を有している。カメラ21は、静止画及び動画等の撮像情報を取得可能な部材である。カメラ21は、使用者の皮膚や毛髪等を撮像して、皮膚や毛髪等の状態や性質を反映した生体情報を取得するための部材である。
【0116】
カメラ21は、スマートフォン端末2の端末画面等を操作により撮像情報を取得でき、撮影した撮像情報は、スマートフォン端末2に内蔵されたメモリに記録したり、撮像情報としてサーバ6に送信して、サーバ6側に記録したりすることができる。
【0117】
また、
図3に示すように、サーバ6は、カメラ21が撮像した撮像情報から、撮像した領域に照射することが好ましい光を抽出する適合光情報処理部60及び情報記録部61を有している。この適合光情報処理部60及び情報記録部61は、スマートフォン端末2との間で、処理や動作に必要な情報を送受信可能に構成されている。
【0118】
また、情報記録部61には、撮像情報610、生体基準情報611、生体評価情報612、適合光基準情報613、適合光抽出情報614が記録可能に構成されている。
【0119】
撮像情報610は、カメラ21が撮像した使用者(光の照射対象となる者)の撮像情報である。また、生体基準情報611は、撮像情報610の内容から、皮膚や毛髪の状態、性質の評価結果(生体評価情報612)を抽出するための基準となる情報である。
【0120】
また、生体評価情報612は、撮像情報610の内容から生体基準情報611に基づき、皮膚や毛髪の状態、性質の評価した結果の情報である。即ち、肌や毛髪等の生理特性の各パラメータについて、生体基準情報611を基準に評価した結果の情報である。
【0121】
例えば、肌の色に関して、「白~黒の5段階評価(白側が1、黒側が5)」や、肌の水分量に関して、「多い、普通、少ないとした3段階評価」の結果の情報等である。その他、肌であれば、肌のくすみ、肌のきめ、しみ、しわ、そばかす、水分量(弾力含む)、油分量(皮脂量含む)、乾燥、毛穴等が生理特性のパラメータとなる。また、毛髪であれば、毛髪の色、毛の太さ、毛量、毛の疎密、毛髪の表面の荒れ、頭皮の荒れ、水分量、油分量等が生理特性のパラメータとなる。
【0122】
また、適合光基準情報613とは、生体評価情報612の内容について、各生理特性の維持、向上又は改善のために、対象となる皮膚や毛髪に照射することが好ましい光の情報である。即ち、生体評価情報612の個々の情報ごとに、照射することで、皮膚や毛髪の性質を良好にする、又は、良好な状態を維持できる光の情報である。
【0123】
例えば、適合光基準情報613では、肌の水分量に関する生体評価情報612が「少ない」との内容に対して、保湿性の向上や、肌のハリや弾力を高める効果のある「赤色光」が、照射すると好ましい光として設定される。また、光の情報については、光の色だけでなく、波長の数値、照射強度、照射時間、パルス照射についても詳細な設定が可能である。更には、単色の光だけでなく、複数の色の組み合わせや、色の切り替え等も設定可能に構成することができる。
【0124】
また、適合光抽出情報614は、生体評価情報612及び適合光基準情報613に基づき、ケース体3のLED光照射部4(LED光照射部4a等も含む)が、使用者の皮膚や毛髪等に照射する光の情報である。即ち、撮像した領域に照射することが好ましい光(抽出結果)の情報であり、スマートフォン端末2側に送信される情報である。
【0125】
適合光抽出情報614を受信したスマートフォン端末2が、適合光抽出情報614の内容に合わせて、LED光照射部4の光を制御可能に構成されている。
【0126】
また、適合光情報処理部60は、上述した各種の情報処理、抽出、情報の送受信を行う情報処理部である。
【0127】
より具体的には、適合光情報処理部60は、生体基準情報611に基づき、撮像情報610の内容から生体評価情報612を抽出する機能を有する。この生体評価情報612の抽出は、既知の画像認識技術又は画像解析技術を用いて行うことができる。例えば、撮像情報610からRGB値及びこれを基に変換した色相、彩度、明度の値を求め、生体基準情報611として設定した基準情報と照合して、生体評価情報612を抽出する。なお、生体基準情報611の内容は、適宜設定変更することが可能である。
【0128】
また、適合光情報処理部60は、適合光基準情報613に基づき、生体評価情報612の内容から適合光抽出情報614を抽出する機能を有する。この適合光抽出情報614の抽出は、生体評価情報612における個別の種類や数値等の情報と、適合光基準情報613として設定した基準情報と照合して、適合光抽出情報614を抽出する。なお、適合光基準情報613の内容は、適宜設定変更することが可能である。
【0129】
また、情報記録部61は、個別の撮像情報610と、この撮像情報610を元に抽出された生体評価情報612及び適合光抽出情報614を紐付けて記録する構成とすることもできる。更に、情報記録部61は、特定の適合光抽出情報614の光を照射した後の、使用者の同じ部位の撮像情報610を記録する構成とすることもできる。
【0130】
このような構成とすれば、特定の適合光抽出情報614の光を照射したことによる美容作用等の効果を検証しやすくなる。また、特定の適合光抽出情報614の光を照射した後の結果の情報に基づき、更に、適合光情報処理部60が、適合光基準情報613の基準を修正する機能が付与できる。例えば、皮膚の水分量に改善(生体評価情報612において、「少ない」から「通常」に変わる)が見られれば、照射する光の強度を弱めたり、照射時間を短くする、水分量の改善以外の美容作用(例えば、肌のくすみの改善にシフトする)が得られる光へと光の種類を変更する等、適合光基準情報613の内容を自動で修正することも可能となる。
【0131】
ここで、必ずしも、サーバ6に適合光情報処理部60及び情報記録部61が設けられる必要はない。即ち、サーバ6に、カメラ21が撮像した撮像情報から、撮像した領域に照射することが好ましい光を抽出する機能を持たせる必要はない。例えば、スマートフォン端末2に、適合光情報処理部60及び情報記録部61を設けて、スマートフォン端末2の情報処理機能を介して、カメラ21が撮像した撮像情報から、撮像した領域に照射することが好ましい光を抽出する構成とすることもできる。更に、ケース体3(LED光照射部4)に、適合光情報処理部60及び情報記録部61を設ける構成も採用しうる。(*測定センサーに持たせることもあとで言及)このような構成であれば、サーバ6を介在せずに、撮像した領域に照射することが好ましい光を抽出することができ、インターネット5との接続可能な環境下になくとも、同一の機能を利用することができる。
【0132】
また、必ずしも、適合光抽出情報614を受信したスマートフォン端末2が、適合光抽出情報614の内容に合わせて、LED光照射部4の光を制御可能に構成される必要はない。例えば、ケース体3(LED光照射部4含む)を、サーバ6との間で情報の送受信が可能な構成とすれば、ケース体3で適合光抽出情報614を受信して、LED光照射部4が照射する光の制御を行うこともできる。
【0133】
また、カメラ21で取得した撮像情報610に基づき、LED光照射部4が照射する光の制御を行う構成については、既存のアプリケーションソフトウェアをスマートフォン端末2にインストールして、アプリケーションソフトウェアの機能を活用することもできる。既知のアプリケーションソフトウェアには、カメラ21で取得した撮像情報610に基づき、撮像情報610を解析して、皮膚の水分量、油分量、肌のしわ、くすみ、肌年齢の診断等の情報が得られるものが存在する。本発明では、このような既存のアプリケーションソフトウェアの機能を用いて、上述した生体評価情報612や適合光抽出情報614を抽出する構成とすることもできる。
【0134】
続いて、生体情報取得センサー7を利用して、皮膚や毛髪等の状態や性質を反映した生体情報を取得し、LED光照射部4が照射する光の制御を行う構成について説明する。
本構成では、生体情報を取得して、LED光照射部4の光の照射を制御する基本的な構成は、上述したカメラ21を用いる技術と共通している。
【0135】
光照射装置1では、皮膚や毛髪等の状態や性質を反映した生体情報を取得する手段として、生体情報取得センサー7を利用する構造も採用しうる(
図3参照)。生体情報取得センサー7は、使用者の皮膚や毛髪に対して、接触又は非接触で生理特性を測定する装置である。
【0136】
生体情報取得センサー7は、例えば、皮膚であれば、皮膚水分測定装置(皮膚の水分、水分分布の測定)、皮膚力学測定装置(皮膚の粘弾性の測定)、油分・水分・pH測定装置(皮膚の水分、油分、pHの測定)、メラニン・紅斑測定装置(皮膚のメラニン、紅斑の濃さの測定)、皮膚表面光沢測定装置(皮膚の光沢度の測定)等が採用しうる。
【0137】
また、生体情報取得センサー7は、例えば、毛髪であれば、頭皮油分測定装置(頭皮の油分を測定)、毛髪温度計(毛髪の温度を測定)、頭皮押下型硬度計(頭皮の硬度を測定)、角層水分測定装置(頭皮の水分の測定)、毛髪表面光沢測定装置(皮膚の光沢度の測定)等が採用しうる。
【0138】
また、生体情報取得センサー7が測定した各種の生体情報は、上述したカメラ21の撮像情報610と同様に用いることができる。即ち、測定した生体情報を、上述した生体評価情報612に相当する情報として処理が可能となる。また、適合光基準情報613は、生体情報取得センサー7が測定可能な、肌や毛髪等の生理特性の各パラメータに合わせて設定される。
【0139】
こうすることで、生体情報取得センサー7が測定した各種の生体情報(生体評価情報612)の内容から、適合光情報処理部60が、適合光基準情報613に基づき、適合光抽出情報614を抽出する。そして、適合光抽出情報614を元に、LED光照射部4が照射する光が制御できる。
【0140】
また、生体情報取得センサー7は、スマートフォン端末2、又は、サーバ6との間で、情報を送受信可能に構成されている。また、生体情報取得センサー7は、有線又は無線の両方でスマートフォン端末2に接続可能である。
【0141】
即ち、生体情報取得センサー7が測定した生体情報を、スマートフォン端末2、又は、サーバ6の送信できる。また、スマートフォン端末2やサーバ6側から、情報を受信可能に構成することもできる。
【0142】
生体情報取得センサー7が情報を受信可能に構成することで、生体情報取得センサー7に情報処理機能を持たせ、スマートフォン端末2、又は、サーバ6の代わりに、生体情報取得センサー7が、生体情報から、使用者の皮膚や毛髪に照射することが好ましい光を抽出する構成とすることもできる。
【0143】
ここで、必ずしも、光照射装置1が、カメラ21の撮像情報610を利用したり、生体情報取得センサー7が測定した生体情報を利用したりする必要はなく、単にLED光照射部4から使用者の皮膚や毛髪に光を照射する構造であってもよい。このような構造でも、スマートフォン端末2の使用中や、外出先等で、手軽に、光の照射による美容処理を施すことができる。但し、撮像情報610や測定した生体情報を用いることで、個々の使用者の肌や毛髪等の状態に合わせて、より適切な条件で光を照射することができ、美容作用等の効果をより一層高めることができる。
【0144】
また、光照射装置1では、カメラ21の撮像情報610を利用する構成と、生体情報取得センサー7が測定した生体情報を利用する構成を、個別に設けることができる。また、2つの構成の両方を有する光照射装置とすることもできる。
【0145】
[第2の実施の形態]
図4乃び
図5を参照しながら、本発明の第2の実施の形態である光照射装置について説明する。
【0146】
図4(a)に示すように、本発明を適用した光照射装置1aは、スマートフォン端末2と、枕デバイス8を備えている。
【0147】
なお、スマートフォン端末2は、上述した第1の実施の形態の光照射装置1を構成する部材であり、ケース体3やLED光照射部4を有するものである。即ち、スマートフォン端末2のみでも、光照射装置1として機能する。
【0148】
図4(a)に示すように、枕デバイス8には、使用者の頭部が載置される面の3か所に、LED光照射部9が設けられている。LED光照射部9は、使用者の皮膚や毛髪等に、所定の波長の光を照射する部材である。
【0149】
このLED光照射部9は、各種の波長の光を照射する複数のLED光源90が基板900に配設された薄板状の部材である。また、LED光照射部9の機能は、上述したLED光照射部4と機能が共通している。
【0150】
即ち、LED光照射部9は、スマートフォン端末2を介して、操作可能に構成されている。また、LED光照射部9は、LED光照射部4と同様に、スマートフォン端末2より電力が供給可能である。なお、LED光照射部9は、スマートフォン端末2との間で、有線、又は、無線で接続され、情報の送受信が可能となっている。
【0151】
更に、LED光照射部9は、サーバ6との間で、情報の送受信が可能に構成されてもよい。また、LED光照射部9の表面には、カラーストーン配合層330を有する保護シート33を設けることもできる。
【0152】
図4(b)に示すように、枕デバイス8にLED光照射部9を設けることで、スマートフォン端末2のLED光照射部4だけでなく、LED光照射部9からも、使用者の頭皮、毛髪、首等に、美容作用等を得られる光を照射することができる。
【0153】
枕デバイス8を用いることで、使用者が横になった状態や、睡眠前、睡眠中、起床時等に、効率良く、光を照射することができる。
【0154】
また、
図5に示すように、スマートフォン端末2を支持可能なスタンド22で支持する構造とすれば、スマートフォン端末2のLED光照射部4及びLED光照射部4aと、枕デバイス8にLED光照射部9の両方から、使用者の皮膚や毛髪等に光を照射可能となり、より一層、美容作用等の効果を高めることができる。なお、
図5では、例として、上述したケース体3aを開いた状態を示している。
【0155】
ここで、LED光照射部9の大きさや形状については特に限定されるものではないが、枕デバイス8に使用者の頭部を載置した際の使用感を考慮して、LED光照射部9はなるべく薄めに形成されることが好ましい。また、枕デバイス8に設けられるLED光照射部9の数も3か所に限定されるものではなく、例えば、2か所以下や、4か所以上設ける構成も採用しうる。
【0156】
また、使用者が横になって使用可能な光照射装置として、
図6に示すような光照射装置1bも採用しうる。
図6では、スマートフォン端末2を介して操作可能な枕型デバイス8及びブリッジ型デバイス8aを示している。
【0157】
この光照射装置1bは、上述した枕型デバイス8の上面に、ブリッジ型デバイス8aを取り付けて、それぞれのLED光照射部9、9aから使用者の皮膚や毛髪に光が照射可能に構成されている。
【0158】
このブリッジ型デバイス8aには、これを構成する本体の内周面に、LED光照射部9aが設けられている。LED光照射部9aは、各種の波長の光を照射する複数のLED光源90aが基板900aに配設された部材である。また、LED光照射部9aの機能は、上述したLED光照射部9と同一である。
【0159】
図6に示すように、ブリッジ型デバイス8aのLED光照射部9aから使用者の頭部や、顔の前面側の皮膚に、美容作用等を得られる光を照射することができる。また、枕型デバイス8からも光が照射されるため、より効率良く、使用者の皮膚や毛髪に光を照射することができる。
【0160】
更に、枕型デバイス8を有する光照射装置の他のバリエーションとして、
図12に示すような光照射装置1gも考えられる。光照射装置1gは、上述した枕型デバイス8の上面に、アーム型デバイス8bが設けられている。
【0161】
アーム型デバイス8bは、折り畳み可能な形状に形成され、折り畳まれた状態(
図12中の符号8bで示す点線部分)では、枕型デバイス8の上面に平たく配置される。また、使用時には、上方に向かって立ち上げた形状となり、その内周面に設けられたLED光照射部9bにおける基板900bに配設された複数のLED光源90bから光が照射される。
【0162】
このように、枕型デバイス8にアーム型デバイス8bと設けることで、使用者の顔や毛髪における光を照射可能な範囲が増え、照射位置の自由度も高めることができる。また、未使用時には、アーム型デバイス8bを折り畳んで、コンパクトな形にすることができる。
【0163】
[種々の関連機能]
このような枕デバイス8やブリッジ型デバイス8aについては、スマートフォン端末2のタイマー機能と組み合わせて光の照射を制御する構成とすることで、使用者の睡眠前後、睡眠中における光の照射において、より効果的な使用が可能となる。
【0164】
通常、スマートフォン端末2は、時計機能、アラーム機能、ストップウォッチ機能、スヌーズ機能等の時間に関する機能が備えられている。
【0165】
ここで、スマートフォン端末2のLED光照射部4や、枕デバイス8のLED光照射部9(またはブリッジ型デバイス8aのLED光照射部9a)で、赤色光を選択する。そして、例えば、30分後に赤色光が完全に消えるように、徐々に光が弱まる設定をする。
【0166】
このような方法で赤色光を、使用者の皮膚や毛髪に照射すれば、睡眠前に、皮膚細胞中のホルモンを活性化させ、コラーゲンやエラスチンの産生を促して、美容作用を施すことができる。また、徐々に赤色光が弱まるように設定してあるため、使用者を睡眠へと導く効果も得られる。また、毛髪に対して、髪表面の改善、脱毛予防、育毛、白髪抑制等の効果を与えることもできる。
【0167】
また、スマートフォン端末2のアラーム機能に連動させて、設定した起床時間(またはその前後)に、LED光照射部4及びLED光照射部9から、赤色光や白色光の照射が開始されるように設定する。これにより、スマートフォン端末2のアラームの音やバイブレーションン機能に加えて、光の照射により、美容作用等を付与しながら、目覚めを促すことができる。
【0168】
また、ここで、光照射装置に、アロマミストを噴霧する機能を持たせたり、マイナスイオン水素水を噴霧する機能を持たせたりすることで、音、振動、光の照射に加えて、香りや水分の感触で、美容作用と心地よい目覚めを提供可能となる。即ち、聴覚、視覚、嗅覚、触覚といった、人の五感に働きかけて、目覚めを促すことができる。
【0169】
また、上述したアロマミストやマイナスイオン水素水は、起床時だけでなく、使用者が起きている通常の使用場面でも、併用することができる。
【0170】
特に、マイナスイオン水素水は、光触媒に反応して、その効果効能がより一層優れたものになる性質(光触媒の作用により水がよりマイナスイオン化されて、皮膚や毛髪等に吸収されやすくなる)を有している。そのため、LED光照射部による光の照射(光触媒)と組み合わせることで、マイナスイオン水素水自体の作用を高めることができる。
【0171】
即ち、光の照射と、マイナスイオン水素水の発生により、健やかな頭皮環境をつくり、髪表面のケラチンの育成や修復を促し、育毛や白髪抑制に働き、毛髪に対して、効果的な光トリートメントを施すことが可能となる。
【0172】
また、本発明を適用した光照射装置では、スマートフォン端末2とケース体、又は、スマートフォン端末2と組み合わせた各デバイス(本願明細書で開示するデバイスを含む)において、上述したマイナスイオン水素水の噴霧機能を設けることができる。
【0173】
更に、噴霧する対象物としては、マイナスイオン水素水やアロマミスト以外にも、例えば、化粧水、毛髪に噴霧する液状のヘアートリートメント、肌用の液状トリートメント等、肌や毛髪に対して美容作用を与える液状体を採用することができる。これにより、スマートフォン端末2の使用中や、LED光を用いる各デバイスの使用中に、使用者の肌や毛髪に対して、より効果的な美容作用を施すことができる。
【0174】
また、上述した光照射装置1a及び光照射装置1bでは、本発明の第1の実施の形態の光照射装置1(スマートフォン2)と組み合わせた装置となっているが、必ずしも、スマートフォン2が、ケース体3やLED光照射部4を有する必要はない。つまり、LED光照射部4を持たないスマートフォン端末を介して、枕デバイス8やブリッジ型デバイス8aを操作する光照射装置としてもよい。
【0175】
また、LED光照射部4を持たないスマートフォン端末で、枕デバイス8やブリッジ型デバイス8aを操作する光照射装置についても、上述したカメラ21の撮像情報610や生体情報取得センサー7で測定した生体情報に基づき、LED光照射部9やLED光照射部9aの光が制御される構成とすることができる。
【0176】
なお、この際には、適合光情報処理部60及び情報記録部61の機能は、サーバ6やスマートフォン端末に持たせてもよいし、枕デバイス8やブリッジ型デバイス8aに持たせてもよい。
【0177】
[その他の実施の形態]
図面を参照しながら、本発明のその他の実施の形態である光照射装置について説明する。
【0178】
図7に示すように、本発明を適用した光照射装置1cは、スマートフォン端末2と、円筒形デバイス100を備えている。なお、スマートフォン端末2は、上述した第1の実施の形態の光照射装置1を構成する部材であり、ケース体3やLED光照射部4を有するものである。
【0179】
図7に示すように、円筒形デバイス100は、ドアが付いており、内部空間に使用者が入れる大きさに形成されている。また、円筒形デバイス100の内周面には、LED光照射部101が形成されている。また、円筒形デバイス100の天井面にもLED光照射部103が取付けられている。LED光照射部101及びLED光照射部103は、使用者の全身に、所定の波長の光を照射する部材である。即ち、使用者が円筒形デバイス100の中に入り、ドアを閉めて、内部空間で光を浴びることができる。
【0180】
また、円筒形デバイス100は床面側にもLED光照射部101が形成されているため、使用者の足に光を照射して、足の皮膚や水虫の治療効果に効率よく作用する装置となっている。更には、光の照射により、足の裏の皮膚の角質を柔らかくしたり、皮膚のトリートメントや臭いの抑制に作用させたりすることができる。
【0181】
このLED光照射部101及びLED光照射部103は、各種の波長の光を照射する複数のLED光源102が設けられた部材である。また、LED光照射部101及びLED光照射部103の機能は、上述したLED光照射部4と機能が共通している。
【0182】
即ち、LED光照射部101及びLED光照射部103は、スマートフォン端末2を介して、操作可能に構成されている。なお、LED光照射部101及びLED光照射部103は、スマートフォン端末2との間で、有線、又は、無線で接続され、情報の送受信が可能となっている。
【0183】
更に、LED光照射部101及びLED光照射部103は、サーバ6との間で、情報の送受信が可能に構成されてもよい。
【0184】
また、円筒形デバイス100は、床面にシェイプアップ用の振動付与装置105が設けられている。この振動付与装置105は、この装置の上に乗った使用者に、複数の段階から選択可能な振動を与えるバイブレーション機能を有しており、使用者の脂肪の燃焼を促し、痩身効果得られるものである。また、振動を付与する際に、例えば、赤色の光と組み合わせることで、皮膚等への美容作用だけでなく、脂肪の燃焼促進や、痩身効果の高めることができる。
【0185】
また、振動付与装置からの振動の付与や、LED光照射部からの光照射において、Iot(Internet of Things)やAI(artificial intelligence)を導入して機能させることができる。
【0186】
Iotとは、さまざまなモノがインターネットとつながって情報のやり取りをすることで相互に制御し合う仕組みのことであるが、本発明では、LED光照射部や振動付与装置にBluetoothを搭載して、スマートフォン端末におけるアプリケーションソフトウェアと連動させることで、振動付与装置でのフィットネス部位の可視化や、使用者の肌や毛髪等における光の照射中、又は、光の照射前後の状態を、端末画面上で可視化することができる。また、フィットネスや光の照射に応じて、アプリケーションソフトウェアを介して、フィットネス前後や、光の照射前後に、医師や専門家等のアドバイアスを受信する構成とすることができる。
【0187】
更に、本発明の光照射装置では、Iot機能に加え、振動付与装置や光照射装置にAI機能(人工知能)を持たせることで、より一層、機能の充実化を図ることができる。ここで、Iot機能やAI機能とは、円筒形デバイス100に限定されるものではなく、本願明細書で開示した光照射装置の全般と、本発明を適用した光照射装置を適用可能な装置において、共通して付与可能な機能である。
【0188】
まず、Iot機能及びAI機能の利用として、上述した撮像情報610や生体情報取得センサー7で測定した生体情報を用いた光の照射への反映が考慮される。本発明の光照射装置では、撮像情報610や測定した生体情報に基づき、使用者の肌や毛髪、生体の状態に合わせて、光の照射を行うが、この光の照射の選択の際にIot機能及びAI機能を用いる。
【0189】
例えば、使用者個人から得られた撮像情報610や生体情報と、肌や毛髪の性質を記録したビックデータ上の生体情報とを比較して、使用者の肌や毛髪、生体の状態を診断する機能を持たせることができる。更に診断した結果に応じて、対象となる使用者に照射することが好ましい光(光の色、強度、照射時間、照射範囲等)を選択して、光の照射を行うこともできる。また、診断結果の情報を、アプリケーションソフトウェアを介して、端末画面に表示することもできる。
【0190】
また、Iot機能及びAI機能により、個人ごとの撮像情報610や生体情報の結果を蓄積して、肌や毛髪等の各部位の変化の状態を捉え、その変化の状態に基づき、肌等の診断を行ったり、照射する光を選択したりする機能を持たせることもできる。これにより、個人ごとにあった適切な光照射を行うことができる。
【0191】
また、こうしたIot機能及びAI機能の活用は、LED光の照射だけでなく、カラーストーンに由来する光の照射(カラーセラピーの診断)や、マイナスイオン水素水、化粧水、液状のヘアートリートメント等の噴霧についても反映させることが可能である。個人ごとの撮像情報610や測定した生体情報の結果に基づき、Iot機能及びAI機能により、カラーストーン光の選択や、マイナスイオン水素水等の噴霧の有無、噴霧条件の選択等を行うことができる。なお、こうしたIot機能及びAI機能は、スマートフォン端末2自体が備える構成のほか、サーバ6がIot機能及びAI機能を有していたり、各デバイス自体がIot機能及びAI機能を有する構成であってもよい。
【0192】
また、本発明を適用した光照射装置では、Iot機能及びAI機能を作動させる際に、スマートフォン端末の所持者が有するデータ通信量を使用して、Iot機能及びAI機能を作動させる仕組みとすることができる。これにより、使用者が、光照射装置を使用した実績がデータ通信量を介して把握可能となり、使用に関する料金設定等の参考情報とすることができる。
【0193】
また、
図8(a)に示すように、本発明を適用した光照射装置1dは、スマートフォン端末2と、ベッド型デバイス200を備えている。なお、スマートフォン端末2は、上述した第1の実施の形態の光照射装置1を構成する部材であり、ケース体3やLED光照射部4を有するものである。
【0194】
図8(a)に示すように、ベッド型デバイス200は、使用者が寝ることが可能なベッド体と、このベッド体に連設された側壁部と天面を有している。また、ベッド型デバイス200の内周面には、LED光照射部201が形成されている。LED光照射部201は、横たわった使用者の全身に、所定の波長の光を照射する部材である。即ち、使用者がベッド型デバイス200のベッド体の上に寝て、光を浴びることができる。
【0195】
このLED光照射部201は、各種の波長の光を照射する複数のLED光源102が設けられた部材である。また、LED光照射部201の機能は、上述したLED光照射部4と機能が共通している。
【0196】
即ち、LED光照射部201は、スマートフォン端末2を介して、操作可能に構成されている。なお、LED光照射部201は、スマートフォン端末2との間で、有線、又は、無線で接続され、情報の送受信が可能となっている。
【0197】
更に、LED光照射部201は、サーバ6との間で、情報の送受信が可能に構成されてもよい。
【0198】
また、
図8(c)に示すように、本発明を適用した光照射装置1eは、スマートフォン端末2と、シャワー型デバイス300を備えている。なお、スマートフォン端末2は、上述した第1の実施の形態の光照射装置1を構成する部材であり、ケース体3やLED光照射部4を有するものである。
【0199】
図8(c)に示すように、シャワー型デバイス300は、装置の下に立つ使用者の上部にくるようにLED光照射部301が配置され、LED光照射部301が支柱303により支持されている。LED光照射部301は、使用者の頭部側からその全身に、所定の波長の光を照射する部材である。即ち、使用者がシャワー型デバイス300の下に立って、シャワーを浴びるような形で光を浴びることができる。
【0200】
このLED光照射部301は、各種の波長の光を照射する複数のLED光源302が設けられた部材である。また、LED光照射部301の機能は、上述したLED光照射部4と機能が共通している。
【0201】
即ち、LED光照射部301は、スマートフォン端末2を介して、操作可能に構成されている。なお、LED光照射部301は、スマートフォン端末2との間で、有線、又は、無線で接続され、情報の送受信が可能となっている。
【0202】
更に、LED光照射部301は、サーバ6との間で、情報の送受信が可能に構成されてもよい。
【0203】
また、
図9に示すように、本発明を適用した光照射装置1fは、スマートフォン端末2と、天井型デバイス400を備えている。なお、スマートフォン端末2は、上述した第1の実施の形態の光照射装置1を構成する部材であり、ケース体3やLED光照射部4を有するものである。
【0204】
図9に示すように、天井型デバイス400は、室内等の天井面403に板状のLED光照射部401を配置して構成され、その下方に置いたベッド等に寝た使用者の全身に、所定の波長の光を照射する部材である。即ち、使用者がベッドの上に寝て、光を浴びることができる。
【0205】
このLED光照射部401は、各種の波長の光を照射する複数のLED光源402が設けられた部材である。また、LED光照射部401の機能は、上述したLED光照射部4と機能が共通している。
【0206】
即ち、LED光照射部401は、スマートフォン端末2を介して、操作可能に構成されている。なお、LED光照射部401は、スマートフォン端末2との間で、有線、又は、無線で接続され、情報の送受信が可能となっている。
【0207】
更に、LED光照射部401は、サーバ6との間で、情報の送受信が可能に構成されてもよい。
【0208】
以上で説明した光照射装置1c、光照射装置1d、光照射装置1e及び光照射装置1fは、使用者の全身に光を照射可能な大型の装置である。また、これらの装置では、赤色光を利用することで、使用者が被服を身に着けたままでも、皮膚に対する美容作用等を得ることができる。
【0209】
また、各光照射装置の設置場所は、使用者の家に限定されず、例えば、店舗等の商業施設、駅、空港、公共施設、スポーツジム、会社等、様々な場所に設置することができる。これにより、各場所での待ち時間等を有効的に活用しつつ、光照射装置による美容作用等を得ることができる。
【0210】
また、各光照射装置は、使用者の有するスマートフォン端末2を介して、装置を操作することができるため、使用者は、容易かつ効率良く、装置を使用することができる。
【0211】
以上のように、本発明の光照射装置は、使い勝手が良く、対象者の肌や毛髪等への優れた美容効果が得られるものとなっている。
【0212】
本明細書、及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書、及び特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0213】
1 光照射装置
2 スマートフォン端末
20 端末本体
21 カメラ
3 ケース体
30 背面側カバー部
31 蓋部
310 連設蓋部
32 接合部
33 保護シート
330 カラーストーン配合層
331 保護フィルム層
4 LED光照射部
40 LED光源
400 基板
5 インターネット
6 サーバ
60 適合光情報処理部
61 情報記録部
610 撮像情報
611 生体基準情報
612 生体評価情報
613 適合光基準情報
614 適合光抽出情報
7 生体情報取得センサー
8 枕デバイス
9 LED光照射部
90 LED光源
900 基板