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特許7153918靴見本の作製方法、靴のオーダーシステム、靴見本
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】靴見本の作製方法、靴のオーダーシステム、靴見本
(51)【国際特許分類】
   G09F 5/00 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
G09F5/00 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018212389
(22)【出願日】2018-11-12
(65)【公開番号】P2020079844
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】502223552
【氏名又は名称】株式会社 あとりえ岡田
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(72)【発明者】
【氏名】岡田 浩伺
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】実公昭49-022874(JP,Y1)
【文献】実開昭59-030175(JP,U)
【文献】特開平11-085036(JP,A)
【文献】実開昭59-176076(JP,U)
【文献】実開昭49-115020(JP,U)
【文献】実開昭52-150996(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0072023(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 5/00 - 5/04
A43B 1/00 - 23/30
A43C 1/00 - 19/00
A43D 1/00 - 999/00
B29D 35/00 - 35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決めピンを有する土台ベースと、複数のアッパー素材と、前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数のプレートとを用い、靴見本を平面的に作製する靴見本の作製方法であって、
前記複数のプレートは、複数種類のソール用プレートと、複数種類の装飾用プレートとを含み、
前記ソール用プレートは、前記靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域とを有するものであり、
前記装飾用プレートは、前記透明領域の所定の部位に対応する、装飾材を示す装飾材領域又は、アッパー備品を示す備品領域を有するものであり、
前記土台ベースに前記アッパー素材を裁置し、その上に、前記ソール用プレートと前記装飾用プレートとを、前記係止孔を前記位置決めピンに挿通して順に重ね合わせ、前記土台ベース上に前記靴見本を作製する、ことを特徴とする靴見本の作製方法。
【請求項2】
前記装飾用プレートは、前記装飾材領域を除き、透明である、請求項1記載の靴見本の作製方法。
【請求項3】
前記アッパー備品は、シューレース、バックステーを含む、請求項1又は2記載の靴見本の作製方法。
【請求項4】
前記装飾材は、スタッズ、マーク、ワッペンを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の靴見本の作製方法。
【請求項5】
前記土台ベースは矩形状で、
前記位置決めピンは、前記土台ベースのコーナー部付近に設けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の靴見本の作製方法。
【請求項6】
位置決めピンを有する土台ベースと、
前記土台ベースよりも小さい複数の、シート状のアッパー素材と、
前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数種類のソール用プレートとを用い、靴見本を平面的に作製する靴見本の作製方法であって、
前記ソール用プレートは、前記靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域と、前記透明領域の所定の位置に配置され、アッパー備品を示す備品領域を有するものであり、
前記土台ベースに前記アッパー素材を裁置し、その上に、前記ソール用プレートを、前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせ、前記土台ベース上に前記靴見本を作製する、
ことを特徴とする靴見本の作製方法。
【請求項7】
さらに、複数種類の装飾用プレートを含み、
前記装飾用プレートは、前記透明領域の所定の部位に対応する、装飾材を示す装飾材領域を有するものであり、
前記土台ベース上に前記アッパー素材の上に裁置された前記ソール用プレート上に、前記装飾用プレートを、前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせ、前記土台ベース上に前記靴見本を作製する、
請求項6記載の靴見本の作製方法。
【請求項8】
靴をオーダーする顧客が、靴見本に基づいて靴をオーダーする際に、
位置決めピンを有する土台ベースと、
前記土台ベースよりも小さい複数種類のシート状のアッパー素材と、
前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数種類のソール用プレートと、
複数種類の装飾用プレートと、を用いて平面的に作製する靴見本を使用する靴のオーダーシステムであって、
前記ソール用プレートは、前記靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域と、前記透明領域の所定の位置に配置され、アッパー備品を示す備品領域を有するものであり、
前記装飾用プレートは、前記透明領域の所定の部位に対応する、装飾材を示す装飾材領域を有するものであり、
前記顧客は、複数種類の前記アッパー素材、前記ソール用プレート、前記装飾用プレートから所望の素材及びプレートを選択し、
前記土台ベースに前記アッパー素材を裁置し、その上に前記ソール用プレート、前記装飾用プレートを前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせ、前記土台ベース上に前記靴見本を作製する、
ことを特徴とする靴のオーダーシステム。
【請求項9】
位置決めピンを有する土台ベースと、
前記土台ベースに載置可能な複数のシート状のアッパー素材と、
前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数種類のソール用プレートと、
前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数種類の装飾用プレートと、を備え、
前記ソール用プレートは、靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域と、前記透明領域の所定の位置に配置され、アッパー備品を示す備品領域を有するものであり、
前記装飾用プレートは、前記透明領域の所定の部位に対応する、装飾材を示す装飾材領域を有するものであり、
前記土台ベースに前記アッパー素材が裁置され、その上に前記ソール用プレートを前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせ、さらにその上に前記装飾用プレートを前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせることで、前記土台ベース上に靴見本が作製可能である、ことを特徴とする靴見本。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客(購入者)等によってオーダーされた靴の靴見本を作製する靴見本の作製方法、靴のオーダーシステム、靴見本に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータを用い、オーダーメイドされた、履物などの商品をデザインし、それに基づいて商品を製造することは知られている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-73140号公報
【文献】特開2013-511093号公報
【文献】特開2012-504066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1乃至3記載のものは、ディスプレイ上で、履物などの商品をデザインし、オーダーメイドされた商品を製造するので、製造された最終商品が、ディプレイ上でデザインした商品と異なるイメージのものとなるおそれがある。
【0005】
本発明は、オーダーメイドの靴を製造する場合に、実物に近い状態の靴見本を確認して製造できるように、実物に近い状態の靴見本を簡単に作製することができる、靴見本の作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、位置決めピンを有する土台ベースと、複数のアッパー素材と、前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数のプレートとを用い、靴見本を平面的に作製する靴見本の作製方法であって、前記複数のプレートは、複数種類のソール用プレートと、複数種類の装飾用プレートとを含み、前記ソール用プレートは、前記靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域とを有するものであり、前記装飾用プレートは、前記透明領域の所定の部位に対応する、装飾材を示す装飾材領域又は、アッパー備品を示す備品領域を有するものであり、前記土台ベースに前記アッパー素材を裁置し、その上に、前記ソール用プレートと前記装飾用プレートとを、前記係止孔を前記位置決めピンに挿通して順に重ね合わせ、前記土台ベース上に前記靴見本を作製する、ことを特徴とする。ここで、「示す」とは、例えばソールの場合は、ソールの形態が直接印刷されていたり、ソールの形態の図、写真などが貼り付けられていたりすることを意味する。
【0007】
このようにすれば、オーダーメイドの靴(実物)に非常に近い状態の靴見本を作製することができる。よって、例えば、店頭などにおいて、前記靴見本を前記土台ベース上に形成した状態で顧客に提示することで、注文の最終決定前に、顧客に最終確認させることができ、製造された最終製品についての顧客の満足度を高めることができる。
【0008】
請求項2に記載のように、前記装飾用プレートは、前記装飾材領域を除き、透明である、ことが望ましい。
【0009】
このようにすれば、装飾用プレートを重ね合わせるだけ、ソールやアッパーを隠すことなく、装飾材を設けた靴見本を作製することができる。
【0010】
請求項3に記載のように、前記アッパー備品は、シューレース、バックステーを含む、ことが望ましい。
【0011】
このようにすれば、シューレース、バックステーなどのアッパー備品が設けられた状態の靴見本を簡単に作製することができ、前記アッパー備品のデザインを選択することも可能となる。
【0012】
請求項4に記載のように、前記装飾材は、スタッズ、マーク、ワッペンを含む、ことが望ましい。
【0013】
このようにすれば、スタッズ、マーク、ワッペンを設ける場合であっても、靴見本を作製することができる。
【0014】
請求項5に記載のように、前記土台ベースは矩形状で、前記位置決めピンは、前記土台ベースのコーナー部付近に設けられている、ことが望ましい。
【0015】
このようにすれば、位置決めピンが、靴見本が作製される部分とは異なる部分に配置されているので、靴見本の作製に影響を及ぼすことがない。
【0016】
また、請求項6の発明のように、ソール用プレートが、シューレース、バックステーなどのアッパー備品を示す備品領域を有するようにすることもできる。
【0017】
つまり、請求項6の発明は、位置決めピンを有する土台ベースと、前記土台ベースよりも小さい複数の、シート状のアッパー素材と、前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数種類のソール用プレートとを用い、靴見本を平面的に作製する靴見本の作製方法であって、前記ソール用プレートは、前記靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域と、前記透明領域の所定の位置に配置され、アッパー備品を示す備品領域を有するものであり、前記土台ベースに前記アッパー素材を裁置し、その上に、前記ソール用プレートを、前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせ、前記土台ベース上に前記靴見本を作製する、ことを特徴とする。
【0018】
この場合も、請求項7に記載のように、さらに、複数種類の装飾用プレートを含み、前記装飾用プレートは、前記透明領域の所定の部位に対応する、装飾材を示す装飾材領域を有するものであり、前記土台ベース上に前記アッパー素材の上に裁置された前記ソール用プレート上に、前記装飾用プレートを、前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせ、前記土台ベース上に前記靴見本を作製する、ことが望ましい。
【0019】
請求項8に記載の靴のオーダーシステムは、靴をオーダーする顧客が、靴見本に基づいて靴をオーダーする際に、位置決めピンを有する土台ベースと、前記土台ベースよりも小さい複数種類のシート状のアッパー素材と、前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数種類のソール用プレートと、複数種類の装飾用プレートと、を用いて平面的に作製する靴見本を使用する靴のオーダーシステムであって、前記ソール用プレートは、前記靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域と、前記透明領域の所定の位置に配置され、アッパー備品を示す備品領域を有するものであり、前記装飾用プレートは、前記透明領域の所定の部位に対応する、装飾材を示す装飾材領域を有するものであり、前記顧客は、複数種類の前記アッパー素材、前記ソール用プレート、前記装飾用プレートから所望の素材及びプレートを選択し、前記土台ベースに前記アッパー素材を裁置し、その上に前記ソール用プレート、前記装飾用プレートを前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせ、前記土台ベース上に前記靴見本を作製することを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の靴見本は、位置決めピンを有する土台ベースと、前記土台ベースに載置可能な複数のシート状のアッパー素材と、前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数種類のソール用プレートと、前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数種類の装飾用プレートと、を備え、前記ソール用プレートは、靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域と、前記透明領域の所定の位置に配置され、アッパー備品を示す備品領域を有するものであり、前記装飾用プレートは、前記透明領域の所定の部位に対応する、装飾材を示す装飾材領域を有するものであり、前記土台ベースに前記アッパー素材が裁置され、その上に前記ソール用プレートを前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせ、さらにその上に前記装飾用プレートを前記係止孔に前記位置決めピンを挿通して重ね合わせることで、前記土台ベース上に靴見本が作製可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、オーダー靴の実物に非常に近い靴見本を作製し、前記靴見本を前記土台ベース上に形成した状態で提示することができるので、顧客が、実物に非常に近い靴見本を見てオーダーすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る靴見本の作製方法により作製した靴見本の例を、土台ベースを省略した状態で示す説明図である。
図2】土台ベースと、アッパー素材とを示す説明図である。
図3】土台ベース上に、アッパー素材を裁置した状態を示す説明図である。
図4】土台ベース上のアッパー素材上に、ソール用プレートを裁置した状態を示す説明図である。
図5】土台ベース上のアッパー素材上に、ソール用プレート及び装飾用プレートを順に裁置した状態を示す説明図である。
図6】土台ベース上のアッパー素材上に、ソール用プレート及び装飾用プレートを順に裁置した状態の別の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
図1は本発明に係る靴見本の作製方法により作製した靴見本の例を、土台ベースを省略した状態で示す説明図である。
【0024】
図1に示すように、本発明に係る方法で作製される靴見本1A,1B,1Cは、アッパー素材の上に、アッパー素材そのものが見えるようにソール用プレートを位置決めして裁置したもので、オーダー靴を側方(真横)から見た状態を示すものである。
【0025】
本発明に係る靴見本の作製方法は、位置決めピンを有する土台ベースと、複数のアッパー素材と、前記位置決めピンに挿通される係止孔を有する複数のプレートとを用い、靴見本を平面的に作製する方法である。前記複数のプレートとしては、複数種類のソール用プレートと、複数種類の装飾用プレートとを含む。
【0026】
前記ソール用プレートは、前記靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域とを有するものであり、前記装飾用プレートは、前記透明領域の所定の部位に対応する、装飾材を示す装飾材領域を有するものである。
【0027】
そして、前記土台ベースに前記アッパー素材を裁置し、その上に、前記ソール用プレートと前記装飾用プレートとを、前記係止孔を前記位置決めピンに挿通して順に重ね合わせ、前記土台ベース上に前記靴見本を作製するものである。
【0028】
続いて、前記靴見本の作製方法の一例について図面に沿って具体的に説明する。
(工程1)
図2及び図3に示すように、まず、2つの位置決めピン11a,11aを上部左右のコーナ部に有する土台ベース11上に、アッパー素材12を裁置する。アッパー素材12は矩形シート状で、例えば皮革等の複数種類の素材があり、収納容器13内に重ね合わせた状態で収納されている。各アッパー素材12は、土台ベース11よりも小さく、土台ベース11の中央位置に無理なく配置することができる。また、各アッパー素材12は、前記靴見本のアッパーに対応する前記透明領域より大きい。
【0029】
(工程2)
裁置されているアッパー素材12の上に、ソール用プレート14を、係止孔14aを位置決めピン11aに挿通して重ね合わせる。ソール用プレート14は、前記靴見本のソールを示すソール領域14Aと、前記ソールのアッパーに対応する透明領域14Bと、透明領域14の所定の位置に配置されアッパー備品(例えば、シューレース、バックステー)を示す備品領域14C(シューレース領域14Ca、バックステー領域14Cb)とを有する。
【0030】
これにより、重ね合わせた状態では、図4に示すように、ソール領域14Aの上側に位置する透明領域14Bを通じてアッパー素材12を直接的に視認することができる。また、このとき、アッパーにシューレースやバックステーが取り付けられた状態となり、その結果、土台ベース11上に、ソール上に、アッパー、シューレース、バックステーが取り付けられた実物に近い状態を示す靴見本を平面的に作製することができる。
【0031】
アッパー素材そのものとソールとの関係を見ることができ、シューレースやバックステーとのバランスも見ることができるので、実物(オーダー靴)にかなり近い靴見本とすることができる。また、店頭などにおいて前記靴見本を提示することで、顧客に最終確認させることができ、製造された最終製品についての顧客の満足度を高めることができる(
靴のオーダーシステム)。アッパー素材を面ファスナーなどで土台ベース11から外れないようにしておけば、顧客が、足に合わせて鏡で見るなどすることができ、履いている状態を想像させることもできる。
【0032】
さらに、ソール用プレート14上にスタッズ、マーク、ワッペンなどの装飾材を直接貼り付けることもできるが、図5及び図6に示すように、ソール用プレート14の上に、さらに、装飾材(スタッズ、マーク、ワッペンなど)が印刷又は貼り付けられ係止孔15a,16aを有する装飾用プレート15,16を重ね合わせることもできる。装飾用プレート15,16は、前記装飾材領域を除き、透明であり、装飾用プレート15の装飾材はスタッズ15Aであり、装飾用プレート16の装飾材はワッペン16Aである。
【0033】
本発明は、前述した実施の形態のほか、次に例示するように、適宜変更して実施することも可能である。
(i)前記実施の形態では、ソール用プレートは、前記靴見本のソールを示すソール領域と、前記ソールのアッパーに対応する透明領域と、前記透明領域の所定の位置に配置され、シューレース、バックステーなどのアッパー備品を示す備品領域を有するようにしているが、アッパー備品は、ソール用プレートとは別の、備品領域を有する装飾用プレートを用いて示すようにすることも可能である。このようにすれば、備品領域を有する装飾用プレートを用いて、同じソールでも、アッパー備品を変更した靴見本を簡単に作製することができるので、ソールとアッパー備品との組み合わせの選択範囲を広げることができる。この場合、装飾用プレートは、前記備品領域を除き、透明である。
【0034】
(ii)前記実施の形態では、位置決めピンは、土台ベースのコーナー部付近に設けているが、本発明はそれに限定されるものではなく、複数のプレートの位置決めをすることができるのであれば、設ける位置は特に制限されない。また、位置決めピンの形状や本数も同様である。
【0035】
(iii)前記実施の形態では、アッパー素材を例えば皮革としているが、それに限定されるものではなく、合成皮革、帆布その他の素材とすることもできる。
【符号の説明】
【0036】
1A,1B,1C 靴見本
11 土台ベース
11a 位置決めピン
12 アッパー素材
13 収納容器
14 ソール用プレート
14A ソール領域
14B 透明領域
14C 備品領域
14Ca シューレース
14Cb バックステー
14a 係止孔
15 装飾用プレート
15A スタッズ
15a 係止孔
16 装飾用プレート
16A ワッペン
16a 係止孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6