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特許7153920暗号通貨処理システム、方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】暗号通貨処理システム、方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20221007BHJP
【FI】
G06Q20/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018236070
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2019109894
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】P 2017241639
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591260982
【氏名又は名称】株式会社東京技術計算コンサルタント
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】倉川 清志
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-121931(JP,A)
【文献】特開2005-316871(JP,A)
【文献】特開2016-099992(JP,A)
【文献】特開2008-257598(JP,A)
【文献】仮想通貨で社内の相互評価を可視化,[online],株式会社サイトビジット,2017年06月12日,http://www.building.co.jp/news/2038/,[2022年8月25日検索],インターネット
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するためのシステムであって、
上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段と、
所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとして暗号通貨を発行する発行処理手段と、
上記所定のユーザから他のユーザへのポイントの付与に応じて、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨として、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理手段と、
上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理手段と、
上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を記憶する履歴情報記憶手段と、を有する、
ことを特徴とする暗号通貨処理システム。
【請求項2】
上記ユーザごとに、上記ポイントの付与権限に係る情報を記憶するユーザ情報記憶手段、をさらに有し、
上記発行処理手段は、上記ポイント付与権限を有する所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとして暗号通貨を発行する、
請求項1記載の暗号通貨処理システム。
【請求項3】
上記ポイントとしての暗号通貨には、付与期限が設定されている、
請求項1又は2記載の暗号通貨処理システム。
【請求項4】
上記履歴情報記憶手段を参照して、上記ユーザごとに、付与された又は付与した暗号通貨の数量を集計して上記ユーザの評価を分析する評価分析手段、をさらに有する、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の暗号通貨処理システム。
【請求項5】
上記履歴情報記憶手段はさらに、上記ユーザ間の暗号通貨の付与履歴として、付与元のユーザのコメントを記憶し、
上記評価分析手段は、上記履歴情報記憶手段を参照して、上記ユーザごとに、付与された又は付与した暗号通貨の数量を集計すると共に上記コメントを参照して、上記ユーザの評価を分析する、
請求項4記載の暗号通貨処理システム。
【請求項6】
上記ユーザが利用するユーザ端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
上記ユーザ端末から、他のユーザへの暗号通貨の送金処理依頼を受信する送金処理依頼受信手段、をさらに有する、
請求項1乃至5いずれかの項に記載の暗号通貨処理システム。
【請求項7】
上記暗号通貨情報記憶手段を参照して、上記ユーザが保有する暗号通貨に係る情報を抽出する抽出処理手段と、
上記ユーザ端末に対し、上記暗号通貨情報を、上記ポイント又は上記自由利用可能な暗号通貨に区別して閲覧可能に送信する暗号通貨情報送信手段、をさらに有する、
請求項6記載の暗号通貨処理システム。
【請求項8】
ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するためのシステムであって、
上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段と、
所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとしての暗号通貨を複数種類、発行する発行処理手段と、
上記所定のユーザから他のユーザへの所定の種類のポイントの付与要求を受け付ける付与要求受付手段と、
上記所定のユーザから他のユーザへ付与されたポイントに対し、上記ポイントの種類に応じた所定の変換レートを適用することにより、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨に変換し、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理手段と、
上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理手段と、
上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を記憶する履歴情報記憶手段と、を有する、
ことを特徴とする暗号通貨処理システム。
【請求項9】
ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するための方法であって、
上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段、を有するコンピュータが、
所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとして暗号通貨を発行する発行処理と、
上記所定のユーザから他のユーザへのポイントの付与に応じて、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨として、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理と、
上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理と、
上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を履歴情報記憶手段に記憶する処理と、を実行する、
ことを特徴とする暗号通貨処理方法。
【請求項10】
ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するための方法であって、
上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段、を有するコンピュータが、
所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとしての暗号通貨を複数種類、発行する発行処理と、
上記所定のユーザから他のユーザへの所定の種類のポイントの付与要求を受け付ける付与要求受付処理と、
上記所定のユーザから他のユーザへ付与されたポイントに対し、上記ポイント種類に応じた所定の変換レートを適用することにより、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨に変換し、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理と、
上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理と、
上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を履歴情報記憶手段に記憶する処理と、を実行する、
ことを特徴とする暗号通貨処理方法。
【請求項11】
ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するためのコンピュータプログラムであって、
上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、
所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとして暗号通貨を発行する発行処理と、
上記所定のユーザから他のユーザへのポイントの付与に応じて、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨として、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理と、
上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理と、
上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を履歴情報記憶手段に記憶する処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間でインセンティブとしての暗号通貨を付与し合える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
会社内で、社員同士が互いの仕事内容などを評価する際、評価を目に見える形で与えられれば、より効果的に社員のモチベーションを向上させることができる。また、人に対する評価は、様々な角度からなされるため、管理職や人事部による評価だけではなく、社員同士さらには社外の者からも具体的な評価を与えられるようにすれば、より正確且つ適切に人を評価することができる。
【0003】
この点、特許文献1では、業務に関連する企業内情報を蓄積し、その情報を共有する情報共有システムに使用される情報登録活用促進方法であって、前記情報の登録行為に対し、その登録社員に任意のポイントを付与すると共に、前記登録の結果生成される文書を他の者が活用したとき、前記活用された文書の登録社員に、当該活用社員による評価が反映されたポイントを付与し、前記情報のジャンル、もしくは社員毎、累積ポイントの推移をモニタして前記情報蓄積の度合いを分析することを特徴とする企業内情報登録活用促進方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-222597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、社員を評価する際、ポイントを付与することは効果的ではあるが、ポイントの蓄積量だけでは正確且つ適切に社員を評価することはできない。例えば、ポイントの付与を受けるだけではなく、ポイントを付与する行為も人を評価する指標になり得るから、ポイントをシステム的に付与するだけではなく、所定の社員にポイントを発行し、当該ポイントの発行を受けた社員が他の社員へポイントを付与できるようにするとよい。
一方、所定の社員にポイントを発行した場合、自らが当該ポイントを自由に利用可能であれば、他の社員にポイントを付与するインセンティブが働かないので、積極的にポイントを付与するインセンティブが働くような仕組みが要求される。
【0006】
また、昨今では、現実の貨幣とは異なり、分散化したブロックチェーンに代表されるDLT(Distributed Ledger Technology)技術によってインターネット上での取り引きの安全性が確保されたビットコイン等の暗号通貨が普及してきている。このような暗号通貨をインセンティブの具体的な形として用いれば、取り引きの安全性や真正性を担保することができる。
【0007】
そこで本発明は、ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与し合えるようにすることを目的とする。また、ポイントの発行を受けた者が積極的にポイントを付与するようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る暗号通貨処理システムは、ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するためのシステムであって、上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段と、所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとして暗号通貨を発行する発行処理手段と、上記所定のユーザから他のユーザへのポイントの付与に応じて、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨として、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理手段と、上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理手段と、上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を記憶する履歴情報記憶手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、上記ユーザごとに、上記ポイントの付与権限に係る情報を記憶するユーザ情報記憶手段、をさらに有し、上記発行処理手段は、上記ポイント付与権限を有する所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとして暗号通貨を発行するものとしてもよい。
【0010】
また、上記ポイントとしての暗号通貨には、付与期限が設定されているものとしてもよい。
【0011】
また、上記履歴情報記憶手段を参照して、上記ユーザごとに、付与された又は付与した暗号通貨の数量を集計して上記ユーザの評価を分析する評価分析手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0012】
また、上記履歴情報記憶手段はさらに、上記ユーザ間の暗号通貨の付与履歴として、付与元のユーザのコメントを記憶し、上記評価分析手段は、上記履歴情報記憶手段を参照して、上記ユーザごとに、付与された又は付与した暗号通貨の数量を集計すると共に上記コメントを参照して、上記ユーザの評価を分析するものとしてもよい。
【0013】
また、上記ユーザが利用するユーザ端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、上記ユーザ端末から、他のユーザへの暗号通貨の送金処理依頼を受信する送金処理依頼受信手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0014】
また、上記暗号通貨情報記憶手段を参照して、上記ユーザが保有する暗号通貨に係る情報を抽出する抽出処理手段と、上記ユーザ端末に対し、上記暗号通貨情報を、上記ポイント又は上記自由利用可能な暗号通貨に区別して閲覧可能に送信する暗号通貨情報送信手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係る暗号通貨処理システムは、ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するためのシステムであって、上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段と、所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとしての暗号通貨を複数種類、発行する発行処理手段と、上記所定のユーザから他のユーザへの所定の種類のポイントの付与要求を受け付ける付与要求受付手段と、上記所定のユーザから他のユーザへ付与されたポイントに対し上記ポイントの種類に応じた所定の変換レートを適用することにより、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨に変換し、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理手段と、上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理手段と、上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を記憶する履歴情報記憶手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の別の観点に係る暗号通貨処理方法は、ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するための方法であって、上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段、を有するコンピュータが、所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとして暗号通貨を発行する発行処理と、上記所定のユーザから他のユーザへのポイントの付与に応じて、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨として、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理と、上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理と、上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を履歴情報記憶手段に記憶する処理と、を実行することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の別の観点に係る暗号通貨処理方法は、ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するための方法であって、上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段、を有するコンピュータが、所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとしての暗号通貨を複数種類、発行する発行処理と、上記所定のユーザから他のユーザへの所定の種類のポイントの付与要求を受け付ける付与要求受付処理と、上記所定のユーザから他のユーザへ付与されたポイントの付与に対し、上記ポイントの種類に応じた所定の変換レートを適用することにより、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨に変換し、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理と、上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理と、上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を履歴情報記憶手段に記憶する処理と、を実行することを特徴とする。
【0018】
また、本発明のさらに別の観点に係るコピュータプログラムは、ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与するためのコンピュータプログラムであって、上記ユーザごとに保有する暗号通貨を記憶する暗号通貨情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、所定のユーザに対し、他のユーザへの付与のみが可能なポイントとして暗号通貨を発行する発行処理と、上記所定のユーザから他のユーザへのポイントの付与に応じて、上記ポイントとして発行されていた暗号通貨を自由利用可能な暗号通貨として、上記所定のユーザから他のユーザに送金する第一の送金処理と、上記ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨の付与に応じて、上記自由利用可能な暗号通貨を付与元のユーザから付与対象のユーザに送金する第二の送金処理と、上記ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を履歴情報記憶手段に記憶する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与し合うことができる。また、ポイントの発行を受けた者が積極的にポイントを付与するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第一の実施形態に係る暗号通貨処理システムの概要を説明する概要図である。
図2】本実施形態に係る暗号通貨処理システムが備える機能を示した機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、ユーザ情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図4】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、履歴情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図5】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、暗号通貨情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図6】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、暗号通貨に登録されるデータの一例を示した図である。
図7】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、ポイントが発行される際の処理の流れを示した処理フロー図である。
図8】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、ポイント又は暗号通貨の付与によって実行される処理の流れを示したシーケンス図である。
図9】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、ユーザ端末上に表示される画面の一例を示した図である。
図10】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、ユーザ端末上に表示される画面の一例を示した図である。
図11】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、ユーザ端末上に表示される画面の一例を示した図である。
図12】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、ユーザ端末上に表示される画面の一例を示した図である。
図13】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、ユーザ端末上に表示される画面の一例を示した図である。
図14】本発明の第二の実施形態に係る暗号通貨処理システムの概要を説明する概要図である。
図15】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて、暗号通貨情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図16】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて実行される処理の流れを示したシーケンス図である。
図17】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて実行される処理の流れを示したシーケンス図である。
図18】本発明の第三の実施形態に係る暗号通貨処理システムの概要を説明する概要図である。
図19】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて実行される処理の流れを示したシーケンス図である。
図20】本発明の第四の実施形態に係る暗号通貨処理システムが備える機能を示した機能ブロック図である。
図21】本実施形態に係る暗号通貨処理システムにおいて実行される処理の流れを示したシーケンス図である。
図22】本発明の他の実施形態に係る暗号通貨処理システムが備える機能を示した機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
<概要>
以下、本発明の実施形態に係る暗号通貨処理システム1について、図を参照して説明する。
本実施形態に係る暗号通貨処理システム1は、ユーザ間において、所定の行為等に対するインセンティブとして暗号通貨を付与することを可能とするものである。具体的には、会社内において、管理職が部下の仕事に対する評価として暗号通貨を付与したり、当該暗号通貨の付与を受けた社員が同僚に対して、日頃の感謝として付与を受けた暗号通貨を再付与したりすることを可能とする。
【0022】
なお、本実施形態に係る暗号処理システムにおいて、暗号通貨は、所謂デジタル通貨の一つであって、分散型システムによってインターネット上での取り引きの安全性や真正性が確保された通貨である。例えば、ブロックチェーンによって分散型台帳を実現したビットコインであるが、取り引きの安全性と真正性が確保されたデジタル通貨であれば、特にこれに限られることはなく、特定用途のために作成されたものでも汎用用途のために作成されたものでもよい。
【0023】
まず、図1により、本実施形態に係る暗号通貨処理システム1の概要を説明する。
ポイント発行者は、ポイントの付与権限を有する所定のユーザ(一次配布権利者)に対し、他のユーザ(自身以外の一次配布権利者や二次配布権利者)への付与のみが可能なポイントとして暗号通貨を発行する(S1)。ここで、他のユーザへの付与のみが可能なポイントが意味するところは、ポイントとしての暗号通貨の発行を受けた一次配布権利者が、当該ポイントとしての暗号通貨を自由利用できないことである。即ち、一次配布権利者に対して発行されたポイントとしての暗号通貨は、他のユーザに付与する以外の用途での使用が認められない。
【0024】
ポイントとして暗号通貨の発行を受けた一次配布権利者は、ポイントを他のユーザに付与する(S2)。ポイントが他のユーザに付与されると、当該ポイントは以降、自由利用可能な暗号通貨として扱われる。即ち、ポイントの付与を受けたユーザは、当該自由利用可能な暗号通貨を自身のために使用したり、他のユーザに再付与したりすることができ、再付与等に用途が限定されることがない。
【0025】
なお、二次配布権利者とは、ポイントの付与権限を有しないユーザである。
また、一次配布権利者が保有するポイントは、二次配布権利者のみならず、自身以外の一次配布権利者に付与することが可能である。
【0026】
一次配布権利者からポイントの付与によって、自由利用可能な暗号通貨を取得したユーザは、当該暗号通貨を他のユーザに再付与することができる(S3)。暗号通貨の再付与の対象は、ポイントの付与権限を有する一次配布権利者であってもよいし、ポイントの付与権限を有しない二次配布権利者であってもよく、暗号通貨を保有するユーザの任意による。
【0027】
<機能構成>
続いて、図2により、本実施形態に係る暗号通貨処理システム1の詳細について、説明する。
暗号通貨処理システム1は、情報処理装置1aと暗号通貨処理装置1bとによって構成されると共に、インターネット等のネットワークNWを介してユーザ端末2と通信可能に構成されている。
なお、図2の例では、情報処理装置1aと暗号通貨処理装置1bが専用回線によって接続された場合を示しているが、これに限らず、同一の装置を構成する異なるモジュールとして構成することもできるし、インターネット等のネットワークNWを介して接続すされるようにすることもできる。
【0028】
なお、以下の説明において、暗号通貨といった場合には、特段の断りがない限り、付与によってポイントから変換され、自由利用可能となった暗号通貨を指す。
【0029】
情報処理装置1aは、ユーザに関する情報を管理したり、ユーザに関する情報に基づいてユーザの評価を分析したりする装置である。
この情報処理装置1aは、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置により、ユーザ情報記憶部1A、履歴情報記憶部1B、登録処理部11、抽出処理部12、評価分析部13、及び通信処理部14からなる機能ブロックを構成する。
【0030】
ユーザ情報記憶部1Aは、ユーザに関する情報を記憶した記憶部である。
このユーザ情報記憶部1Aには例えば、図3に示されるように、ユーザごとに、ユーザ名、権限種別、メールアドレス、ユーザID、パスワードが記憶されている。
【0031】
ここで、権限種別とは、ポイントの付与権限を有するか否かを示す情報であり、一次配布権利者と二次配布権利者の二つの種別からなる。
一次配布権利者は、ポイントの付与権限を有する者であって、ポイント発行者からポイントとしての暗号通貨の発行を受けて当該ポイントを自己のポイントとして保有すると共に、当該ポイントを他のユーザに付与する。例えば、会社内でのインセンティブ付与システムとして本実施形態に係る暗号通貨処理システム1を利用する場合、一次配布権利者は役員や管理職などが想定される。
また、二次配布権利者は、ポイントの付与権限を有しない者であって、ポイントの付与を受けたり、ポイントの付与によって取得した自由利用可能な暗号通貨を他のユーザに再付与したりする。上述の例のように、会社内でのインセンティブ付与システムとして本実施形態に係る暗号通貨処理システム1を利用する場合、二次配布権利者は役員や管理職の配下の社員などが想定される。
【0032】
なお、本実施形態では、ユーザは一次配布権利者と二次配布権利者のいずれかの種別に分けられるものとしたが、これに限らず、全てのユーザを一次配布権利者とすることもできる。
【0033】
履歴情報記憶部1Bは、ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を記憶する記憶部である。
この履歴情報記憶部1Bには例えば、図4に示されるように、暗号通貨の付与を行った者のID(付与者ID)、暗号通貨の付与を受け、当該暗号通貨を受け取った者のID(受取者ID)、付与が行われた日時(付与日時)、付与時に付与者が付したコメント、受取者が受け取った暗号通貨の数量、受取者の受取後の暗号通貨の数量、付与者が付与した暗号通貨の数量、付与者の付与後の暗号通貨の数量、付与者が付与したポイントの数量、付与者の付与後のポイントの数量に係る情報が記憶される。
【0034】
ここで、コメントは、ユーザ間でポイントあるいは暗号通貨の付与が行われた際に、付与元のユーザから付与対象のユーザに対して与えられるものである。このコメントは、選択肢の中から選ぶようになっているものであってもよいし、付与元のユーザが任意に入力するものであってもよく、両方とも設けられていてもよい。
また、選択式のコメントに対しては属性を付与し、後述する評価分析部13による処理において、コメントの属性からユーザを評価するようにすることもできる。
【0035】
なお、図4に示す履歴情報記憶部1Bに記憶される履歴情報の例において、「暗号通貨」と称しているものは、ポイントの付与によって自由利用可能になった暗号通貨を示している。
また、履歴情報には、暗号通貨とポイントの付与履歴が記憶されるが、ポイントの付与権限を有しないユーザ(二次配布権利者)については、ポイントの付与に関する情報が履歴として記憶されることはない。
【0036】
登録処理部11は、各種の情報をユーザ情報記憶部1Aや履歴情報記憶部1Bに登録する処理を実行する機能部である。
【0037】
抽出処理部12は、ユーザ情報記憶部1Aや履歴情報記憶部1Bを参照して、所定のデータを抽出する処理を実行する。
【0038】
評価分析部13は、履歴情報記憶部1Bを参照して、ユーザごとに、付与された又は付与した暗号通貨の数量や付与時のコメントに基づいて、ユーザの評価を分析する。
本実施形態に係る暗号通貨処理システム1によれば、ユーザ間で所定の行為等に対するインセンティブをポイント又は暗号通貨の形で付与し合えるため、ポイント又は暗号通貨の付与を受けた履歴の多いユーザほど、高く評価されているものと分析できる。また、ポイントや暗号通貨を付与した履歴についても、付与の履歴が多いほど他のユーザを評価して人間関係をうまく構築しているものと評価することもできる。これらのことは、ポイントや暗号通貨の数量よりも、付与によって生じるトランザクション自体に価値が見いだされることを示している。
【0039】
さらに、ポイントや暗号通貨の付与時にコメントが付されるため、コメントの内容に応じて、ユーザが他のユーザからどのように評価されているかを分析することができる。この場合には例えば、選択式のコメントに対して属性を付与しておき、コメントの属性からユーザを評価するとよい。また、ユーザによって任意に入力されるコメントについては、自然言語処理あるいはAIによるテキストマイニングによってコメント内容を分析すると共に、所定の単語に属性を付与することによって評価することができる。
【0040】
通信処理部14は、インターネット等のネットワークNWを介してユーザ端末2とデータの送受信処理を実行する機能部である。
この通信処理部14により、ユーザ端末2から、ポイント又は暗号通貨の付与要求に係る情報を受信したり、ユーザ端末2に対し、ユーザのポイント又は暗号通貨の付与の履歴等に係る情報を送信したりすることができる。
【0041】
暗号通貨処理装置1bは、ユーザ間におけるポイント又は暗号通貨の付与に応じて、ポイント又は暗号通貨の送金処理を実行したり、ポイント又は暗号通貨を管理したりする装置である。
この暗号通貨処理部は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置により、暗号通貨情報記憶部1C、発行処理部15、及び送金処理部16からなる機能部を構成する。
【0042】
暗号通貨情報記憶部1Cは、ユーザごとに保有する暗号通貨の量などを記憶する記憶部である。
この暗号通貨情報記憶部1Cには例えば、図5に示されるように、ユーザIDに関連付けて、保有暗号通貨と保有ポイントに係る情報が記憶されている。
ここで、保有暗号通貨は、付与によってポイントから自由利用可能になった暗号通貨の保有量を示している。また、保有ポイントは、ポイントとして発行されている暗号通貨の保有量を示しており、ポイントの付与権限を有するユーザについてのみ関係する。
【0043】
発行処理部15は、所定の発行者からの要求に応じて、ポイントとしての暗号通貨を発行する処理を実行する。ポイントは、所定のユーザ(一次配布権利者)に対して発行され、発行されたポイントは当該所定のユーザが保有する。
【0044】
ここで、ポイントとしての暗号通貨には、図6に示されるように、付与期限と付与上限が設定される。
付与期限とは、ポイントの発行を受けた一次配布権利者たるユーザが、当該ポイントを他のユーザに対して付与する期限である。即ち、ポイントの発行を受けた一次配布権利者が、当該付与期限までにポイントを他のユーザに付与しなかった場合には、当該ポイントは失効又は付与不能となる。そのため、当該付与期限は、ポイントの発行を受けたユーザにとって、他のユーザを積極的に評価し、インセンティブとしてのポイントを付与する動機ともなる。なお、ポイントの付与期限が到来した場合、ポイントは失効付与不能とすることもできるし、時間を追って価値を半減等させていくこともできる。
また、付与上限は、一次配布権利者に対して付与されるポイントの上限であり、一次配布権利者は、当該付与上限内で、ポイントの発行を受ける。
【0045】
送金処理部16は、ユーザ間におけるポイント又は暗号通貨の付与に応じて、ユーザ間での暗号通貨の送金処理を実行する機能部である。
【0046】
ユーザ端末2は、本実施形態に係る暗号通貨処理システム1のユーザが利用する端末であり、所謂パーソナルコンピュータや、各種のデータの送受信処理等が可能なタブレットやスマートフォン等の可搬型端末やウェアラブル端末等によって実現される。
【0047】
<処理の流れ/ポイントの発行>
次に、本実施形態に係る暗号通貨処理システム1によって実行される一連の処理の流れについて説明する。
まず、図7を参照して、ポイントとしての暗号通貨が発行される際の処理の流れを説明する。
暗号通貨処理システム1はまず、ポイントの発行者からポイントとして暗号通貨の発行要求を受け付ける(S101)。なお、発行要求の受付は、所定の端末等から受信するものであってもよいし、暗号通貨処理システム1に対して直接、入力されたものを受け付けるものであってもよい。
なお、ポイントの発行要求においては、ポイントの発行対象となるユーザ(一次配布権利者)情報、ポイントの数量、ポイントの付与期限に係る情報が合わせて受け付けられる。
【0048】
これに応じて暗号通貨処理システム1は、発行処理部15により、発行者から要求された量のポイントを発行する(S102)。
ポイントとしての暗号通貨が発行されると、発行に係る情報は暗号通貨情報記憶部1Cに記憶される(S103)。即ち、発行者によって指定されたユーザに対し、所定数量のポイントを関連付ける。なお、これと同時に、ポイントの付与期限に係る情報が暗号通貨に設定される。
【0049】
<処理の流れ/ポイント・暗号通貨の付与>
次に、ポイント又は暗号通貨の付与に際して実行される処理の流れについて、図8を参照して説明する。
まず、ユーザ端末2から情報処理装置1aに対し、ポイント又は暗号通貨の付与要求が送信される(S201)。ポイント又は暗号通貨の付与要求に係る情報には、ポイント又は暗号通貨の数量と、付与対象のユーザ、付与対象のユーザに対するコメントに係る情報が含まれる。
【0050】
ユーザ端末2からポイント又は暗号通貨の付与要求を受信した情報処理装置1aは、暗号通貨処理装置1bに対し、付与要求されたポイント又は暗号通貨の数量及び付与対象のユーザに係る情報と共にポイント又は暗号通貨の送金処理依頼を送信する(S202)。
【0051】
これに応じて暗号通貨処理装置1bは、送金処理部16によってポイント又は暗号通貨の送金処理を実行する(S203)。即ち、ポイント又は暗号通貨の付与要求を行ったユーザが保有するポイント又は暗号通貨のうち、指定された数量を、指定された付与対象のユーザに関連付ける。なお、このとき、付与されるものがポイントとしての暗号通貨である場合には、付与対象のユーザに対し、自由利用可能な暗号通貨として送金される。
送金結果は暗号通貨情報記憶部1Cに反映されると共に(S204)、情報処理装置1aに対して送信される(S205)。
【0052】
暗号通貨処理装置1bから送金結果を受信した情報処理装置1aは、登録処理部11により、送金結果を付与時のコメントと共に履歴情報記憶部1Bに登録する(S206)。
以上の処理により、ポイント又は暗号通貨の付与に係る処理が完了する。
【0053】
<UI>
続いて、ユーザ端末2上において、ポイント又は暗号通貨の付与を行ったり、付与の履歴を参照したりする場合の画面例を説明する。
図9は、ユーザが、自らが保有するポイントや暗号通貨の数量を確認する場合の画面の一例である。
この画面例は、ポイントの付与権限を有するユーザ(一次配布権利者)が参照する画面の例であり、この画面中には、ポイントの付与期限、ユーザが保有するポイントの数量、ユーザが保有する暗号通貨の数量に係る情報が表示されている。これらの情報は、暗号通貨処理装置1bの暗号通貨情報記憶部1Cに記憶されている情報や、暗号通貨に設定されている情報に基づいている。
なお、ポイント最大発行量とあるのは、全ての一次配布権利者に対して発行されたポイントの総量である。
【0054】
図10は、ユーザが、自らが保有するポイントや暗号通貨の数量を確認する場合の画面の他の一例であって、ポイントの付与権限を有しないユーザ(二次配布権利者)が参照する画面の例である。この画面中には、ポイントの付与期限、ユーザが保有する暗号通貨の数量に係る情報が表示されている。図9の例と同様、この情報も、暗号通貨処理装置1bの暗号通貨情報記憶部1Cに記憶されている情報や、暗号通貨に設定されている情報に基づいているが、ユーザが二次配布権利者であることから、ポイントの保有量は表示されていない。
【0055】
図11は、ユーザがポイント又は暗号通貨を他のユーザに付与する際、情報処理装置1aに対して送信する付与要求を入力する画面の一例である。
この画面例は、ユーザが一次配布権利者である場合のものであり、画面中には、自らが保有するポイントと暗号通貨の数量、付与先のユーザを特定する情報(一例としてユーザID)、付与するポイントと暗号通貨の数量、付与対象者に対するコメント欄が設けられている。
ユーザが一次配布権利者である場合、ユーザは他のユーザに付与する暗号通貨として、ポイント又は自由利用可能な暗号通貨のいずれをも指定することができる。
【0056】
また、図12は、ユーザが二次配布権利者である場合のものであり、画面中には、自らが保有する暗号通貨の数量、付与先のユーザを特定する情報(一例としてユーザID)、付与する暗号通貨の数量、付与対象者に対するコメント欄が設けられている。
ユーザが二次配布権利者である場合、ユーザがポイントを保有しておらず、したがってポイントの保有量や付与する暗号通貨としてポイントの数量を入力又は表示する欄が設けられていない。
【0057】
図13は、取引履歴としてユーザのポイント又は暗号通貨の付与履歴を閲覧することのできる画面の一例である。この画面上に表示される情報は、履歴情報記憶部1Bに記憶されている情報に基づき、抽出処理部12によって抽出されたものである。
取引履歴に係る情報には、過去におけるポイント又は暗号通貨の付与について、付与対象のユーザ、付与した暗号通貨の数量、付与時にユーザが付したコメントが含まれる。
なお、この画面例において、付与した暗号通貨の数量は、ポイントとしての暗号通貨と、ポイントから自由利用可能に変換された暗号通貨の総量からなる。
【0058】
以上のようなポイント又は暗号通貨の付与の履歴は履歴情報記憶部1Bに登録され、評価分析部13によるユーザの評価分析の基礎データとなる。
評価分析部13による処理は例えば、一定の期間内において、ユーザが付与を受けたポイント又は暗号通貨の数量や、付与を行ったポイント又は暗号通貨の数量を数値化あるいはグラフ化したり、付与元のユーザや付与先のユーザの偏り具合や、ポイント又は暗号通貨の付与を受けた際のコメントから評価傾向を示したりする。
【0059】
以上の本実施形態に係る暗号通貨処理システム1によれば、ユーザ間において、インセンティブとしての暗号通貨を付与し合うことができる。
また、ポイントの発行を受けた者は、ポイントを自己のために利用することができず、他のユーザに付与するほかないし、付与期限も設定されるため、積極的にポイントを付与することになる。
また、暗号通貨の保有量のみならず、付与を受けた暗号通貨の総量によってユーザを評価したり、暗号通貨を付与した数量や回数によっても、ユーザを評価することができる。
さらに、ユーザに対する評価は、本人の自己申告等によらない、上長や同僚等の他者の視点に基づくものとなるため、客観性が高く、信頼するに値するものである。そのため、当該ユーザの転職や昇任等において、有用な情報となり得る。
【0060】
なお、以上の本実施形態に係る暗号通貨処理システム1において、ポイントとしての暗号通貨と、付与によって自由利用可能となった暗号通貨に対し、レートを設定できるようにしてもよい。即ち、1ポイントが1暗号通貨でなくてもよく、1ポイントが10暗号通貨に変換されるようになっていてもよい。この場合には、情報処理装置1aが、ユーザから付与要求のあったポイントに所定のレートを適用すると共に、暗号通貨処理装置1bに対し、所定のレートの適用後の数量の暗号通貨の付与要求を送信するようにしてもよいし、暗号通貨処理システム1bが、付与要求のあったポイントに所定のレートを適用し、所定のレートの適用後の数量の暗号通貨を付与対象者に付与するようにしてもよい。
【0061】
また、ポイント又は暗号通貨の付与や、これに付随したコメントは適宜、付与対象者のユーザに通知したり、付与対象者が自由に閲覧できたりするようにするとよい。また、付与者も自己が行った付与の履歴を自由に閲覧できるようにするとよい。
【実施例2】
【0062】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。なお、本実施形態について、以下では上述した暗号通貨処理システム1の変形例として説明する。
本実施形態に係る暗号通貨処理システム1は、会社内での評価システムとしての利用に限らず、複数の会社間での相互評価のほか、会社内の部署内や部署・プロジェクトチーム間といったより小さい単位での相互評価など、各種の規模による評価システムとして利用することができる。この場合、暗号通貨処理システム1のユーザは、社員、部署、会社などによって構成される。
【0063】
ここでは、会社内の複数のプロジェクトチームという、複数の主体で暗号通貨処理システム1を利用する場合を例にとって説明する。
図14に示されるように、プロジェクトA、B、Cの三つの主体には夫々、ポイントA、B、Cが発行される。各ポイントは、上述した第一の実施形態と同様、各プロジェクトA、B、Cの一次配布権利者に対して発行され、各一次配布権利者は夫々、ポイントA、B、Cを各プロジェクトに寄与した者に付与する。
【0064】
また、この例では、ポイントA、B、Cは付与されただけでは自由利用可能な暗号通貨に変換されず、プロジェクトの終了など、一定のタイミングに至って初めて、自由利用可能な暗号通貨に変換される。
さらに、ポイントから自由利用可能な暗号通貨への変換は、所定の変換レートに従って行われる。変換レートは、プロジェクトごとのポイントA、B、Cそれぞれで異なるものを適用することができ、例えば、プロジェクトごとの利益率などに従って決定するとよい。
【0065】
ここで、本実施形態における暗号通貨情報記憶部1Cに記憶されるデータの一例を図15に示す。
暗号通貨情報記憶部1Cには、ユーザIDに関連付けて、保有暗号通貨と保有ポイントに係る情報が記憶されているが、保有ポイントは、ポイントA、ポイントB、ポイントCごとの保有量が分かるように記憶されている。
【0066】
また、本実施形態において、送金処理部16は、所定の変換レートに基づいてユーザが保有するポイントを自由利用可能な暗号通貨に変換する処理を実行する。
【0067】
続いて、本実施形態における処理の流れについて説明する。
まず、図16を参照して、ポイントの付与に際して実行される処理の流れについて説明する。
なお、ユーザ端末2から情報処理装置1aに対し、暗号通貨の付与要求があった場合の処理について、図8を参照して上述した処理と同様の処理が実行される。
【0068】
ユーザ端末2から情報処理装置1aに対し、ポイントの付与要求が送信される(S301)。ポイントの付与要求に係る情報には、ポイントの種類(ポイントA、B、Cのいずれか)、ポイントの数量、付与対象のユーザ、付与対象のユーザに対するコメントに係る情報が含まれる。
【0069】
ユーザ端末2からポイントの付与要求を受信した情報処理装置1aは、暗号通貨処理装置1bに対し、付与要求されたポイントの数量及び付与対象のユーザに係る情報と共にポイントの付与処理依頼を送信する(S302)。
【0070】
これに応じて暗号通貨処理装置1bは、ポイントの付与要求を行ったユーザが保有するポイントのうち、指定された種類のポイントを指定された数量で、指定された付与対象のユーザに関連付ける。
付与結果は暗号通貨情報記憶部1Cに反映されると共に(S304)、情報処理装置1aに対して送信される(S305)。
【0071】
暗号通貨処理装置1bから付与結果を受信した情報処理装置1aは、登録処理部11により、付与結果を付与時のコメントと共に履歴情報記憶部1Bに登録する(S306)。
以上の処理により、ポイントの付与に係る処理が完了する。
【0072】
続いて、図17を参照して、ポイントが自由利用可能な暗号通貨に変換される際の処理の流れについて説明する。
情報処理装置1aは、プロジェクトの終了など、所定の期限が到来すると(S401)、暗号通貨処理装置1bに対し、ポイントを暗号通貨に変換する際の変換レートと共に変換処理依頼を送信する(S402)。
なお、変換レートは、ポイントA、B、Cごとに異なるものであってもよく、プロジェクトごとの達成度や評価に基づいて決定されるようにするとよい。
【0073】
変換処理依頼を受信した暗号通貨処理装置1bでは、送金処理部16が、指定された変換レートに基づいて各ユーザが保有するポイントを自由利用可能な暗号通貨に変換し、これを暗号通貨情報記憶部1Cに反映させる(S404)。
変換結果は情報処理装置1aに送信され(S405)、情報処理装置1aでは当該変換結果が履歴情報記憶部1Bに登録される(S406)。
【0074】
以上の本実施形態によれば、主体ごとに異なるポイントを発行し、各ポイントに異なる変換レートを適用可能としたことから、各主体に対して相応しい評価を与えることができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、情報処理装置1aが所定の期限の到来を判断するものとしたが、暗号通貨処理装置1bが所定の期限の到来を判断するようにしてもよい。情報処理装置1aはこの場合、期限が到来したと判断すると、指定された変換レートに基づいて各ユーザが保有するポイントを自由利用可能な暗号通貨に変換し、これを暗号通貨情報記憶部1Cに反映させる。この場合の変換レートの指定の方法は特に限定されず、例えば、期限到来後に暗号通貨処理装置1bから情報処理装置1a等に問い合わせを行って取得したり、変換レートの決定に応じて入力を受け付けたりすることができるが、所定の判断基準に従って暗号通貨処理装置1bが自ら変換レートを算出するようにすることもできる。
また、期限が到来した場合は以後、ユーザ間でポイントの付与が行えないよう、付与要求を受け付けないようにするとよい。
【実施例3】
【0076】
次に、本発明の第三の実施形態につい説明する。なお、本実施形態についても、以下では上述した暗号通貨処理システム1の変形例として説明する。
本実施形態では、一次配布権利者が他のユーザにポイントを付与した際、所定量のポイントを新たに発行し、当該一次配布権利者に当該新たに発行されたポイントを付与するものである。
即ち、図18に示されるように、一次配布権利者たるユーザAが100ポイント保有しており、この100ポイントをユーザBに付与したとすると、その半分の数量に当たる50ポイントが新たに発行され、当該発行された50ポイントがユーザAに付与される。同様に、ユーザAがユーザBに50ポイントを付与すると、その半分の数量に当たる25ポイントが新たに発行され、当該発行された25ポイントがユーザBに付与される。
【0077】
本実施形態では、発行処理部15は、所定の発行者からの要求に応じて、ポイントとしての暗号通貨を発行する処理を実行すると共に、一次配布権利者であるユーザから他のユーザへのポイントの付与があった際には、当該一次配布権利者たるユーザに対し、当該付与されたポイントの所定割合、本例では付与されたポイントの半分の数量に当たるポイントを新たに発行する。
【0078】
続いて、図19を参照して、ポイントの付与及び付与に応じたポイントの新規発行が行われる際の処理の流れについて説明する。
ユーザ端末2から情報処理装置1aに対し、ポイント又は暗号通貨の付与要求が送信されると(S501)、これを受信した情報処理装置1aは、付与者が一次配布権利者でない場合には(S502)、暗号通貨処理装置1bに対し、付与要求されたポイント又は暗号通貨の数量及び付与対象のユーザに係る情報と共にポイント又は暗号通貨の送金処理依頼を送信する(S503)。
【0079】
一方、付与者が一次配布権利者であった場合には(S503)、暗号通貨処理装置1bに対し、付与要求されたポイント又は暗号通貨の送金処理依頼と共に、付与者たるユーザへの所定数量のポイントの発行要求を送信する(S504)。なお、送金処理依頼については、付与要求されたポイント又は暗号通貨の数量及び付与対象のユーザに係る情報を合わせて送信し、ポイント発行要求については、発行を要求するポイントの数量と発行の対象となる付与者たるユーザに係る情報を合わせて送信する。
【0080】
これに応じて暗号通貨処理装置1bは、送金処理依頼のみを受けた場合には(S505)、送金処理部16によってポイント又は暗号通貨の送金処理を実行する(S507)。即ち、ポイント又は暗号通貨の付与要求を行ったユーザが保有するポイント又は暗号通貨のうち、指定された数量を、指定された付与対象のユーザに関連付ける。なお、このとき、付与されるものがポイントとしての暗号通貨である場合には、付与対象のユーザに対し、自由利用可能な暗号通貨として送金される。
【0081】
一方、暗号通貨処理装置1bが、送金処理依頼と共にポイントの発行要求を受けた場合には(S505)、発行処理部送金処理部16によって付与者たるユーザに新たなポイントを所定の数量、発行すると共に(S506)、ポイント又は暗号通貨の送金処理を実行する(S507)。
【0082】
送金結果とポイントの新規発行に係る情報は暗号通貨情報記憶部1Cに反映されると共に(S508)、情報処理装置1aに対して送信される(S509)。
暗号通貨処理装置1bから送金結果とポイントの新規発行の結果を受信した情報処理装置1aは、登録処理部11により、これらの情報を付与時のコメントと共に履歴情報記憶部1Bに登録する(S510)。
以上の処理により、ポイント又は暗号通貨の付与に係る処理が完了する。
【0083】
以上の本実施形態によれば、一次配布権利者が全てのポイントを付与してしまい、自らの手元に何ら、ポイントが残らないといった状況を避けることができる。
【0084】
なお、本実施形態では、一次配布権利者から他のユーザにポイントが付されるのに応じて、所定数量ポイントを新たに発行するものとしたが、付与に応じた新たなポイントの発行は所定の回数に限定することもできる。
【実施例4】
【0085】
次に、本発明の第四の実施形態につい説明する。なお、本実施形態についても、以下では上述した暗号通貨処理システム1の変形例として説明する。
本実施形態では、ユーザから、他のユーザに対するポイント又は暗号通貨の付与要求があった際、かかる付与要求について、他のユーザから一定の賛同票が得られたときに付与要求に即した処理を実行するものである。
【0086】
図20に示されるように、本実施形態においては、情報処理装置1aは、所定のユーザからのポイント又は暗号通貨の付与要求に対する、他ユーザからの賛同票を集計する集計処理部17を有している。
本実施形態では、所定のユーザからポイント又は暗号通貨の付与要求があると、かかる付与要求があったことが他のユーザに対して公開され、これを見た他のユーザは、かかる付与要求に賛同する場合、賛同を示す賛同票を情報処理装置1aに対して送信する。賛同票は例えば、付与要求を所定のウェブページ上で公開し、当該ウェブページ上での賛同票を示すボタンの押下によって受け付けたり、メール等によって他のユーザに付与要求の情報を送信し、これに対する賛同の返信を受け付けたりすることによって収集される。
【0087】
集計処理部17は、賛同票が所定数に達したか否かを判別しており、所定数に達したと判別されたときには、付与要求に即したポイント又は暗号通貨の付与要求が暗号通貨処理装置1bに対して送信され、ポイント又は暗号通貨の送金処理が実行される。
【0088】
なお、本例ではさらに、集計の一定の期限を設け、一定期間内に賛同票が規定数に達しなかった場合には、それまでに集まった賛同票を失効させ、付与要求を無効なものとする。
【0089】
続いて、本実施形態において、ポイント又は暗号通貨の付与が行われる際の処理の流れについて、図21を参照して説明する。
まず、ユーザ端末2から情報処理装置1aに対し、ポイント又は暗号通貨の付与要求が送信される(S601)。ポイント又は暗号通貨の付与要求に係る情報には、ポイント又は暗号通貨の数量と、付与対象のユーザ、付与対象のユーザに対するコメントに係る情報が含まれる。
【0090】
ユーザ端末2からポイント又は暗号通貨の付与要求を受信した情報処理装置1aは、当該付与要求に係る情報を他のユーザに公開して賛同票を受け付け、集計処理部17は賛同票の集計を行う(S602)。
この結果、一定の期間内に賛同票が規定数に達しなかった場合には(S603)、受け付けた賛同票を失効させ、ポイント又は暗号通貨の付与要求を無効なものとして処理を終了する(S604)。
【0091】
一方、一定の期間内に賛同票が規定数に達した場合には、情報処理装置1aは暗号通貨処理装置1bに対し、付与要求されたポイント又は暗号通貨の数量及び付与対象のユーザに係る情報と共にポイント又は暗号通貨の送金処理依頼を送信する(S605)。
【0092】
これに応じて暗号通貨処理装置1bは、送金処理部16によってポイント又は暗号通貨の送金処理を実行する(S606)。即ち、ポイント又は暗号通貨の付与要求を行ったユーザが保有するポイント又は暗号通貨のうち、指定された数量を、指定された付与対象のユーザに関連付ける。なお、このとき、付与されるものがポイントとしての暗号通貨である場合には、付与対象のユーザに対し、自由利用可能な暗号通貨として送金される。
送金結果は暗号通貨情報記憶部1Cに反映されると共に(S607)、情報処理装置1aに対して送信される(S608)。
【0093】
暗号通貨処理装置1bから送金結果を受信した情報処理装置1aは、登録処理部11により、送金結果を付与時のコメントと共に履歴情報記憶部1Bに登録する(S609)。
以上の処理により、ポイント又は暗号通貨の付与に係る処理が完了する。
【0094】
本実施形態によれば、一のユーザの主観にとらわれず、客観的な評価によって、所定のユーザにポイントや暗号通貨の付与が行われる。
【0095】
なお、以上の本実施形態においては、ポイント又は暗号通貨の数量に応じて、賛同票の要否を変えたり、必要な賛同票の数を変えたりしてもよい。例えば、1ポイントの付与であれば、賛同票を要することなく付与できるようにする一方、2~5ポイントまでは3票の賛同票を要するものとし、5~10ポイントでは5票の賛同票を要するものとしてもよい。
また、ポイント又は暗号通貨の付与要求があった場合に、賛同票の集まり具合を公開するようにしてもよい。例えば、既に何票の賛同票が集まっているのかを公開したり、規定数に達するまでに要する賛同票の票数を公開したりしてもよい。
また、所定のポイント又は暗号通貨の付与要求について、一定の期間内に賛同票が規定数に達せず、ポイント又は暗号通貨の付与が行われなかった場合でも、付与要求時に付与者から入力されたコメントについては登録するようにしてもよい。
【0096】
なお、以上の本発明の実施形態におけるポイント又は暗号通貨の付与について、その数量がゼロであってもよいものとすることができる。即ち、ユーザから他のユーザに対し、ゼロポイントあるいは数量がゼロの暗号通貨の付与要求をコメント共に受け付けられるようにすることもできる。
この場合には、実際的なポイント又は暗号通貨の移動は伴わないが、履歴情報記憶部1Bに付与要求があったことや、付与要求時のコメントを登録することで、履歴情報記憶部1Bの情報に基づいたユーザの評価や分析を行うことができる。このようなことは、ポイント又は暗号通貨の数量のみがユーザの評価を決定するわけではなく、ポイントや暗号通貨の付与行為というトランザクション自体が評価の指標となり得ることの帰結である。
【0097】
なお、以上の本実施形態に係る暗号通貨処理システム1によって得られるユーザの評価は、社員としての社内的な評価にとどめることなく、一個人としての社会的な評価として活用することができる。例えば、ユーザが転職する際の実績や人間性の評価となり得るし、ユーザの個人的な契約や取引における信頼性に対する評価ともなり得る。そして、このような評価を元に、取り引きにおいて優先的な地位を得たり、取引金額の優遇を得たりすることも可能である。また、取り引き等における評価にとどまらず、人間性の判断基準ともなり得ることから、例えば、婚活におけるマッチングや人材検索の基礎情報ともなり得る。
さらに、この暗号通貨処理システム1は、企業内の従業員評価のみならず、学校等の教育機関などにも適用することができ、この場合には例えば、先生と生徒の間の相互評価の仕組みとすることができる。特に教育機関であれば、生徒の評価内容は、成績証明書や卒業証明書の一部又は全部とすることも可能である。
【0098】
そして、このような暗号通貨処理システム1による評価に係る情報は、コンソーシアム化して第三者が分析、管理するものとすれば、当事者による主観や恣意が除かれた客観的な情報とすることができる。特に、客観性を担保する場合には、図22に示されるように、暗号通貨処理装置1bを情報処理装置1aと分離して第三者の管理下に置くと共に、評価分析を実行するための評価分析部13や履歴情報記憶部1Bといった機能部についても、第三者の管理下に置くことが好適である。
このように構成することで、ユーザに対する評価の客観性が担保されるし、ユーザの退職や転職に関わらず、評価に係る情報を保持することができる。その結果、ユーザの退職や転職に関わらず、当該ユーザに対する評価を客観的且つ一身専属的な情報として、業務経歴書や業務証明書、あるいは履歴書等にも活用できる。
【0099】
また、ポイントや暗号通貨の入出金においては、各ユーザが自ら暗号通貨を管理する所謂ウォレットを利用するようにし、ユーザがウォレットに蓄積された情報を自由に出力できるようにしてもよい。なお、ウォレットは、各ユーザが自ら保有するコンピュータ等の端末にインストールしたコールドウォレットや、所定の取引所等に設けたものなど、既知のものを利用することができる。
このように、ユーザが属する会社等が管理するのではなく、各ユーザの管理下に置くようにすることで、会社等への在籍如何、あるいは転職や退職等にかかわらず、ポイントや暗号通貨のやり取りによって得られた各ユーザの評価等の情報をユーザが自由に用いることができる。
【0100】
また、以上の本実施形態に係る暗号通貨処理システム1を会社内で用いる場合の例として、従業員に対する賞与分をまとめてポイントとして発行した上、社員同士の相互評価によるポイントの付与によってポイントを行き渡らせるようにしてもよい。これにより、実績給としての賞与を相互評価に従って配分することができる。
【0101】
また、以上の本実施形態に係る暗号通貨処理システム1においては例えば、ユーザが複数の会社に籍をおいており、当該ユーザが各会社から、会社ごとに独自のポイントの付与を受ける場合が想定される。この場合には、ポイントを管理するウォレットを会社ごとにユーザに持たせるようにしてもよいし、ユーザのウォレット内で、各会社において付与されたポイントを別々に管理するようにしてもよい。
【0102】
また、以上の本実施形態においては、ユーザには一次配布権利者と二次配布権利者がいるが、全てのユーザを一次配布権利者で構成することもできる。この場合には、全てのユーザがポイント発行者からポイントとしての暗号通貨の発行を受け、発行されたポイントを他のユーザに付与することができる。
なお、このように全てのユーザを一次配布権利者で構成した場合、上述した第三の実施形態では、所定のユーザが他のユーザにポイントを付与する都度、所定量のポイントが新たに発行され、当該所定のユーザに当該新たに発行されたポイントが付与されることになる。
【0103】
また、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されることはなく、本実施形態に係る暗号通貨処理システム1が備える機能をクラウド化するなど、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、構成、手段、あるいは機能の変更や追加等が種々、可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 暗号通貨処理システム
1a 情報処理装置
1b 暗号通貨処理装置
1A ユーザ情報記憶部
1B 履歴情報記憶部
1C 暗号通貨情報記憶部
11 登録処理部
12 抽出処理部
13 評価分析部
14 通信処理部
15 発行処理部
16 送金処理部
17 集計処理部
18 通信処理部
2 ユーザ端末
NW ネットワーク

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