(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】接続端子、接続端子の接続方法及び接続端子の製造方法並びに接続装置及び接続装置の接続方法
(51)【国際特許分類】
H01R 4/38 20060101AFI20221007BHJP
H01R 43/16 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
H01R4/38 A
H01R43/16
(21)【出願番号】P 2022039613
(22)【出願日】2022-03-14
【審査請求日】2022-03-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591107230
【氏名又は名称】株式会社デンケン
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】田島 修自
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英登
(72)【発明者】
【氏名】小畠 侑也
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-320653(JP,A)
【文献】特開2018-55892(JP,A)
【文献】特開2002-75484(JP,A)
【文献】特許第7029837(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/38
H01R 43/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子の第1の面に接触する第1の接触部材と、
前記第1の接触部材と空隙を介して配置され、
先端とは反対の側が固定された第2の接触部材と、
前記第2の接触部材に先端が接触して
該第2の接触部材を撓ませることにより前記空隙に差し込まれた前記端子を前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材にて挟み込ませるボルトが通るねじ孔が形成されたねじ孔形成部材と、を備えた接続端子。
【請求項2】
請求項1記載の接続端子において、
前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材に、それぞれ複数の突起が形成されており、当該複数の突起を介して前記端子が挟み込まれる接続端子。
【請求項3】
請求項2記載の接続端子において、
前記第1の接触部材、前記第2の接触部材及び前記ねじ孔形成部材を先端に支持するための接触部支持部材を更に備え、
前記接触部支持部材が、絶縁性及び耐熱性を有す
る接続端子。
【請求項4】
請求項
1乃至3
のいずれか1項に記載の接続端子の接続方法であって、
前記空隙に前記端子を差し込むステップと、
前記ねじ孔に挿入された前記ボルトを進出させ、前記第2の接触部材を撓ませて前記端子を該第2の接触部材と前記第1の接触部材との間で挟み込ませるステップと、
前記端子の接触抵抗を測定しながら、該接触抵抗が予め決められた値以下となるように前記ボルトの締め付け量を調整するステップと、を含む接続端子の接続方法。
【請求項5】
複数の端子にそれぞれ対応する複数の請求項3記載の接続端子と、
前記複数の接続端子を、それぞれ、進出した進出位置又は後退した後退位置にて支持する接続端子支持部材と、を備えた接続装置。
【請求項6】
請求項5記載の接続装置において、
前記接続端子の進退をそれぞれ案内する案内部を更に備えた接続装置。
【請求項7】
請求項6記載の接続装置において、
前記接続端子支持部材の高さ位置を調整するための高さ調整機構を更に備えた接続装置。
【請求項8】
請求項5記載の接続装置の接続方法であって、
前記空隙に前記端子を差し込む第1のステップと、
前記ねじ孔に挿入された前記ボルトを進出させ、前記第2の接触部材を撓ませて前記端子を該第2の接触部材と前記第1の接触部材との間で挟み込ませる第2のステップと、
前記端子の接触抵抗を測定しながら、該接触抵抗が予め決められた値以下となるように前記ボルトの締め付け量を調整する第3のステップと、を含み、
前記第1~第3のステップが、端にある前記接続端子から順に実行される接続装置の接続方法。
【請求項9】
請求項2記載の接続端子の製造方法であって、
前記突起がローレット加工により形成される接続端子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続端子、接続端子の接続方法及び接続端子の製造方法並びに接続装置及び接続装置の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、少なくとも電流端子と、電流端子を貫通して延びる取付ネジとを含む電気計器を装着し、当該電気計器を試験装置に接続して性能試験を行なう電気計器用自動結線装置が記載されている。
この電気計器用自動結線装置は、装置本体と、装置本体に摺動可能に設けられ、電気計器が装着される移動体と、装置本体に取り付けられ、電気計器の電流端子に接触する電流端子接触部とを備え、移動体の外方端部に、電気計器の取付ネジを電流端子接触部側に押圧する押圧体が設けられ、電流端子接触部は、電流端子に当接する当接部と、当接部内に設けられた凹部とを有し、移動体が移動して、電気計器の電流端子が電流端子接触部の当接部に当接する際、取付ネジは押圧体により押圧され、電流端子接触部の凹部内に進入することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、発熱を抑制できる接続端子、接続端子の接続方法及び接続端子の製造方法並びに接続装置及び接続装置の接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、端子の第1の面に接触する第1の接触部材と、
前記第1の接触部材と空隙を介して配置され、先端とは反対の側が固定された第2の接触部材と、
前記第2の接触部材に先端が接触して該第2の接触部材を撓ませることにより前記空隙に差し込まれた前記端子を前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材にて挟み込ませるボルトが通るねじ孔が形成されたねじ孔形成部材と、を備えた接続端子である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の接続端子において、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材に、それぞれ複数の突起が形成されており、当該複数の突起を介して前記端子が挟み込まれる。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の接続端子において、前記第1の接触部材、前記第2の接触部材及び前記ねじ孔形成部材を先端に支持するための接触部支持部材を更に備え、前記接触部支持部材が、絶縁性及び耐熱性を有する。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接続端子の接続方法であって、前記空隙に前記端子を差し込むステップと、前記ねじ孔に挿入された前記ボルトを進出させ、前記第2の接触部材を撓ませて前記端子を該第2の接触部材と前記第1の接触部材との間で挟み込ませるステップと、前記端子の接触抵抗を測定しながら、該接触抵抗が予め決められた値以下となるように前記ボルトの締め付け量を調整するステップと、を含む接続端子の接続方法である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、複数の端子にそれぞれ対応する複数の請求項3記載の接続端子と、前記複数の接続端子を、それぞれ、進出した進出位置又は後退した後退位置にて支持する接続端子支持部材と、を備えた接続装置である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の接続装置において、前記接続端子の進退をそれぞれ案内する案内部を更に備える。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の接続装置において、前記接続端子支持部材の高さ位置を調整するための高さ調整機構を更に備える。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項5記載の接続装置の接続方法であって、前記空隙に前記端子を差し込む第1のステップと、前記ねじ孔に挿入された前記ボルトを進出させ、前記第2の接触部材を撓ませて前記端子を該第2の接触部材と前記第1の接触部材との間で挟み込ませる第2のステップと、前記端子の接触抵抗を測定しながら、該接触抵抗が予め決められた値以下となるように前記ボルトの締め付け量を調整する第3のステップと、を含み、前記第1~第3のステップが、端にある前記接続端子から順に実行される接続装置の接続方法である。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項2記載の接続端子の製造方法であって、前記突起がローレット加工により形成される接続端子の製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発熱を抑制できる接続端子、接続端子の接続方法及び接続端子の製造方法並びに接続装置及び接続装置の接続方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る接続装置の外観図である。
【
図2】同接続装置が接続されるヒートシンク付パワーモジュールの説明図である。
【
図4】同接続装置が備える接続端子の先端側から見た斜視図である。
【
図5】同接続装置が備える接続端子の上側接触部を平面視した拡大図である。
【
図6】同接続装置が備える接続端子の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0017】
本発明の一実施の形態に係る接続装置10は、
図1に示すように、被接続対象であるヒートシンク付パワーモジュール12の端子に接続される。このヒートシンク付パワーモジュール12は、
図2に示すように、複数のパワーモジュールPMと、これら複数のパワーモジュールPMを液冷する液冷式ヒートシンク122を有する。
なお、
図1において、液冷式ヒートシンク122は模式的に示している。
【0018】
パワーモジュールPMは、薄板状のデバイスであり、例えば三相インバータ回路の一部を構成する上下アーム及び内部の状態を検出するセンサを内蔵している。パワーモジュールPMは、制御信号を入力したりセンサ信号を出力したりするための複数の制御端子(不図示)及び電力を入出力するための主端子(端子の一例)TM1~TM3を有し、第1の端面から各制御端子が延び、第1の端面とは反対の側の第2の端面から主端子TM1~TM3が延びている。
各主端子TM2、TM3に流れる電流は、最大で例えば数百~一千〔A〕である。
なお、パワーモジュールPMは、このような構成に限定されるものではない。
【0019】
液冷式ヒートシンク122には、内部に冷却液が流れる流路(
図2に示す矢印参照)が形成され、この流路の上流側及び下流側に、それぞれ間隔を空けて一方向に延びる第1のチューブ接続部122a及び第2のチューブ接続部122bが設けられている。第1のチューブ接続部122aには、チラー(不図示)によって所定の温度に維持された冷却液を供給するための第1のチューブ124a(
図1参照)が接続され、第2のチューブ接続部122bには、パワーモジュールPMが発生した熱を吸収した冷却液を流すための第2のチューブ124bが接続される。
【0020】
ヒートシンク付パワーモジュール12は、各端子が実質的に水平方向に延びる向きとなるようにフレーム14に固定され、このフレーム14に転倒防止用の金具142が取り付けられた状態で設置面に設置されている。
従って、主端子TM1~TM3の各先端は、空中に浮いた状態となっている。
【0021】
接続装置10は、複数の接続端子20a~20fと、接続端子支持部材30と、高さ調整機構40と、を備えている。
複数の接続端子20a~20fは、各パワーモジュールPMの主端子に対応している。複数の接続端子20a~20fは、それぞれ、実質的に同一であり、各パワーモジュールPMが並ぶ間隔で配置されている。
【0022】
各接続端子20a~20fは、長手方向に進出した進出位置又は後退した後退位置にて接続端子支持部材30に固定される。このうち、進出位置は、接続端子20a~20fが対応する主端子TM2、TM3に接続される位置であり、
図3において、接続端子20aは、進出位置に固定され、接続端子20b~20fは、それぞれ後退位置に固定された状態を示している。
以下、各接続端子20a~20fの構成は同一であるため、接続端子20aについてのみ説明する。
【0023】
接続端子20aは、
図4に示すように、上側接触部21、下側接触部22及び接触部支持部材24を有している。
上側接触部21は、主端子TM2に接続され、
図5に示すように、第1の接触部材211、第2の接触部材212及びねじ孔形成部材214を有している。第1の接触部材211、第2の接触部材212及びねじ孔形成部材214の材質は、それぞれ、ニッケルめっきされた銅である。
【0024】
第1の接触部材211は、先端の側面が主端子TM2の第1の面に接触できる棒状の部材である。第1の接触部材211の基端側には、
図3に示すように、ねじ孔SH1が形成されている。このねじ孔SH1は、ケーブル(不図示)を接続するための孔であり、ケーブルの端部に設けられた圧着端子が固定される。ねじ孔SH1は、ボルトBL2よりも後端側に形成されている。
【0025】
第2の接触部材212は、
図5に示すように、基部216の先端に設けられるとともに、第1の接触部材211と空隙GAP1を介して配置され、主端子TM2の第2の面に接触できる板状の部材である。
【0026】
ねじ孔形成部材214は、第2の接触部材212を挟んで第1の接触部材211とは反対の側に、第2の接触部材212と空隙GAP2を介して配置され、第2の接触部材212に向かって延びるねじ孔SH2が形成された部材である。このねじ孔SH2には、第2の接触部材212とは反対の側からボルトBL1が挿入され、その先端が空隙GAP2を通って第2の接触部材212に接触することにより、第2の接触部材212を第1の接触部材211の方向へ撓ませることができる。すなわち、ねじ孔SH2を通るボルトBL1は、第2の接触部材212を撓ませて、空隙GAP1に差し込まれた主端子TM2を、第1の接触部材211及び第2の接触部材212にて挟み込ませることができる。
【0027】
第2の接触部材212及びねじ孔形成部材214は、基部216に一体に形成され、この基部216を介して第1の接触部材211に取り付けられている。
なお、ボルトBL1は真鍮製であることが好ましい。
【0028】
ここで、第1の接触部材211及び第2の接触部材212の主端子TM2に接触する箇所(以下、「接触面」という。)には、それぞれ、接触面の全面にわたって複数の突起が形成されている。このような複数の突起は、ローレット加工により形成される。突起の数は、25~100〔個/cm2〕であることが好ましく、50~75〔個/cm2〕であることが更に好ましい。
第1の接触部材211及び第2の接触部材212が、それぞれ複数の突起を介して主端子TM2に接触することにより、電流が特定箇所に集中することなく分散して流れ、発熱が抑制される。
【0029】
下側接触部22は、
図1に示すように、上側接触部21の下側に配置されており、主端子TM3に接続される。下側接触部22は、実質的に上側接触部21と同一の構成であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0030】
接触部支持部材24は、
図3に示すように、絶縁性及び耐熱性を有する樹脂により形成された棒状の部材であり、上側接触部21及び下側接触部22をそれぞれ支持できる。上側接触部21は、ボルトBL2により接触部支持部材24に固定され、下側接触部22は、
図6に示すボルトBL5により固定される。
従って、
図3に示すように、第1の接触部材211、第2の接触部材212及びねじ孔形成部材214は、接触部支持部材24の先端に支持される。
接触部支持部材24の裏側には、長手方向に延びる溝GR1が形成されており、後述する突起302が嵌ることにより、接続端子20aの進退を案内するガイド(案内部の一例)が構成される。
【0031】
接続端子支持部材30は、
図3に示すように、平板状の部材であり、上面に複数の接続端子20a~20fを並べて支持できる。
接続端子支持部材30には、接続端子20a~20fに対応してそれぞれ接続端子20a~20fの長手方向に間隔を空けて2つのねじ孔が形成されている。これらの2つのねじ孔は、それぞれ、各接続部材20a~20fをボルトBL3にて進出位置又は後退位置に固定するために設けられている。なお、同
図3において、2つのねじ孔のうち、一方はねじ孔SH3であり、他方はボルトBL3が挿入されているねじ孔である。
接続端子支持部材30の表面には、ボルトBL3が挿入されているねじ孔に隣接して、前述の溝GR1に嵌る突起302(
図3及び
図6参照)が設けられている。
【0032】
高さ調整機構40は、複数の接続端子20a~20fを支持した接続端子支持部材30の高さ位置を調整するための機構である。
高さ調整機構40は、
図1に示すように、ベース部材402、台形ねじ404a、404b、上側ナット部406a、406b及び下側ナット部407a、407bを有している
【0033】
ベース部材402は、設置面に載る平板状の部材である。
台形ねじ404a、404bは、それぞれ、ベース部材402に下端部が固定され、間隔を空けて上下方向に延びている。
上側ナット部406a及び下側ナット部407aは、それぞれ、台形ねじ404aに対応したスクリューナットを有し、上側ナット部406b及び下側ナット部407bは、それぞれ、台形ねじ404bに対応したスクリューナットを有している。上側ナット部406a、406b及び下側ナット部407a、407bは、ベース部材402を挟み込んでベース部材402を任意の高さ位置に固定できる。
なお、同
図1は、上側ナット部406aが緩み、上側ナット部406aが締め付けられた状態を示している。
【0034】
次に、接続装置10の使用方法(接続方法)について説明する。接続装置10は、次のステップS1~S5に従って主端子TM2、TM3に接続される。ただし、以下に明示した場合も含め、可能な場合には、各ステップS1~S5は順番を入れ替えて実施されてもよいし、並行して実施されてもよい。
【0035】
(ステップS1)
高さ調整機構40を用いて接続端子20a~20fの高さ位置が主端子TM2、TM3の高さ位置となるように調整する。
接続端子20aを進出させ、進出位置にて接続端子支持部材30に固定し、上側接触部21及び下側接触部22の空隙GAP1(
図5参照)に主端子TM2、TM3を差し込む。空隙GAP1に主端子TM2、TM3を差し込む際には、接続装置10の全体を設置面に沿って移動させてもよい。
【0036】
(ステップS2)
上側接触部21について、ねじ孔SH2に挿入されたボルトBL1を進出させ、ボルトBL1の先端を第2の接触部材212に接触させる。接触後、ボルトBL1を更に進出させることにより、第2の接触部材212を撓ませ、主端子TM2を第2の接触部材212と第1の接触部材211との間で挟み込ませて接続する。
【0037】
(ステップS3)
抵抗計を用いて、上側接触部21と主端子TM2との接触抵抗の値を測定しながら、接触抵抗が予め決められた値以下となるようにボルトBL1の締め付け量を調整する。
接触抵抗はボルトBL1の締め付け量によって変動することから、本ステップにより、上側接触部21と主端子TM2との間に電流が流れることによる発熱が抑制される。
【0038】
(ステップS4)
下側接触部22について、ねじ孔に挿入されたボルトBL6(
図6参照)を進出させ、ボルトBL6の先端を第2の接触部材212に接触させる。接触後、ボルトBL6を更に進出させることにより、第2の接触部材212を撓ませて主端子TM3を第2の接触部材212と第1の接触部材211との間で挟み込ませて接続する。
【0039】
(ステップS5)
抵抗計を用いて、下側接触部22と主端子TM3との接触抵抗の値を測定しながら、接触抵抗が予め決められた値以下となるようにボルトBL6の締め付け量を調整する。
接触抵抗はボルトBL6の締め付け量によって変動することから、本ステップにより、下側接触部22と主端子TM3との間に電流が流れることによる発熱が抑制される。
【0040】
なお、上側接触部21についての作業(ステップS2、S3)よりも先に下側接触部22についての作業(ステップS4、S5)を先に実施してもよいし、上側接触部21及び下側接触部22をそれぞれ主端子TM2及び主端子TM3に接続した後、最後に各ボルトBL1、BL6の締め付け量を調整してもよい。
【0041】
端にある接続端子20aから順に接続端子20fまで前述のステップS1~S5が実行されることにより、接続装置10が各主端子TM2、TM3に接続される。
なお、このように接続されたヒートシンク付パワーモジュール12に対しては、例えばパワーサイクル試験が行われる。
【0042】
このように、本実施の形態に係る接続装置10及び接続方法によれば、間隔を空けて配置されている主端子TM2、TM3に対し、接続端子20a~20fが効率的に接続され、電流が流れた際の発熱が抑制される。
【0043】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
接続端子及び接続装置は、任意の半導体デバイスの端子に接続されてもよく、パワーモジュールの主端子に接続されることに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0044】
10 接続装置
12 ヒートシンク付パワーモジュール
14 フレーム
20a~20f 接続端子
21 上側接触部
22 下側接触部
24 接触部支持部材
30 接続端子支持部材
40 高さ調整機構
122 液冷式ヒートシンク
122a 第1のチューブ接続部
122b 第2のチューブ接続部
124a 第1のチューブ
124b 第2のチューブ
142 金具
211 第1の接触部材
212 第2の接触部材
214 ねじ孔形成部材
216 基部
302 突起
402 ベース部材
406a 上側ナット部
407a 下側ナット部
BL1、BL2、BL3、BL5、BL6 ボルト
GR1 溝
SH1~SH3 ねじ孔
PM パワーモジュール
GAP1、GAP2 空隙
TM1~TM3 主端子
【要約】
【課題】発熱を抑制できる接続端子、接続端子の接続方法及び接続端子の製造方法並びに接続装置及び接続装置の接続方法を提供する。
【解決手段】接続端子20a~20fは、端子TM2の第1の面に接触する第1の接触部材211と、第1の接触部材と空隙GAP1を介して配置され、端子TM2の第2の面に接触する第2の接触部材212と、第2の接触部材212に先端が接触して空隙GAP1に差し込まれた端子TM2を第1の接触部材211及び第2の接触部材212にて挟み込ませるボルトBL1が通るねじ孔SH2が形成されたねじ孔形成部材214と、を備える。
【選択図】
図1