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特許7153977情報構造化システム、情報構造化方法、サーバ装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】情報構造化システム、情報構造化方法、サーバ装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20221007BHJP
【FI】
G06Q10/10 300
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022048306
(22)【出願日】2022-03-24
【審査請求日】2022-04-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年7月6日にウェブサイトhttps://idea-edge.com/で発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年7月6日にウェブサイトhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000082346.htmlで発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年7月12日にものすごいベンチャー展(オンライン)で発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年7月26日に浜松地域イノベーション推進機構セミナー(オンライン)で発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年8月5日に 研究・イノベーション学会 研究行動・研究組織分科会セミナー (オンライン)で発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年10月15日にウェブサイトhttps://www.omoieru.co.jp/report/で発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年10月15日にウェブサイト大田区南六郷総業支援施設 六郷BASEセミナーで発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年10月20日に業務改善DX EXPO ONLINEで発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年10月26日にオモイエル株式会社ワークショップ(オンライン)で発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年11月17日に設計製造技術・ものづくりEXPO ONLINEで発明に関わる機能の一部を公表した。令和3年11月16日にオモイエル株式会社ワークショップ(オンライン)で発明に関わるシステムの機能の一部を公表した。令和3年11月24日にSaaS見本市 ONLINEで発明に関わる機能の一部を公表した。令和4年1月13日に株式会社OneColorsセミナー(オンライン)で発明に関わる機能の一部を公表した。令和4年2月14日に京都大学セミナー 企業取り組み事例分析(オンライン)で発明に関わる機能の一部を公表した。令和4年2月16日に総務・人事・経理・法務EXPO ONLINEで発明に関わる機能の一部を公表した。令和4年3月2日に株式会社OneColorsセミナー(オンライン)で発明に関わる機能の一部を公表した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519088753
【氏名又は名称】オモイエル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】特許業務法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近田 侑吾
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-105234(JP,A)
【文献】特開2017-116975(JP,A)
【文献】特開2002-189879(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0342678(US,A1)
【文献】村山 幹朗 外1名,Transight:共同思考プロセスの可視化システム,第71回(平成21年)全国大会講演論文集(4) インタフェース コンピュータと人間社会,日本,社団法人情報処理学会,2009年03月10日,p.4-107~4-108
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置と通信自在なサーバ装置において、
前記端末装置からの操作入力情報を受け付け処理する受付処理部と、
前記操作入力情報に基づいてマップを生成するマップ生成部と、
前記マップの表示データを生成する生成部と、
前記表示データを前記端末装置に送信する送信部と、を有し、
前記マップ生成部は、前記操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、前記ノード位置指定情報で定まるノードに前記文字を設定し、前記操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、前記エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定し、特に前記指定情報に含まれる始点のノードが複数ある場合には、前記複数のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する
サーバ装置。
【請求項2】
前記マップ生成部は、前記操作入力情報がレイヤー設定情報である場合には、前記レイヤー設定情報に含まれる境界線情報及びレイヤー色情報に基づいて、マップの生成領域を複数のレイヤーに区分けして背景色を色分けするようにマップを生成する
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記端末装置は、複数であり、
前記送信部は前記複数の端末装置にそれぞれ前記表示データを送信し、
前記複数の端末装置により、一のマップを共有し、議論を促す
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
ユーザの端末装置とサーバ装置とからなる情報構造化システムにおいて、
前記端末装置は、
操作入力を受け付ける操作入力部と、
前記操作入力に係る操作入力情報を前記サーバ装置に送信する第1送信部と、
前記サーバ装置からの表示データを受信する受信部と、
前記表示データに基づく表示を行う表示部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記端末装置からの操作入力情報を受け付け処理する受付処理部と、
前記操作入力情報に基づいてマップを生成するマップ生成部と、
前記マップの表示データを生成する生成部と、
前記表示データを前記端末装置に送信する第2送信部と、を有し、
前記マップ生成部は、前記操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、前記ノード位置指定情報で定まるノードに前記文字を設定し、前記操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、前記エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定し、特に前記指定情報に含まれる始点のノードが複数ある場合には、前記複数のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する
情報構造化システム。
【請求項5】
ユーザの端末装置とサーバ装置とからなる情報構造化システムにおいて、
前記端末装置では、
操作入力部が、操作入力を受け付け、
第1送信部が、前記操作入力に係る操作入力情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置では、
受付処理部が、前記端末装置からの操作入力情報を受け付け処理し、
マップ生成部が、前記操作入力情報に基づいてマップを生成し、
生成部が、前記マップの表示データを生成し、
第2送信部が、前記表示データを前記端末装置に送信し、
前記端末装置では、
受信部が前記表示データを受信し、
表示部が、前記表示データに係る表示を行い、
前記サーバ装置において、前記マップ生成部は、前記操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、前記ノード位置指定情報で定まるノードに前記文字を設定し、前記操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、前記エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定し、特に前記指定情報に含まれる始点のノードが複数ある場合には、前記複数のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する
情報構造化方法。
【請求項6】
ユーザの端末装置と通信自在なコンピュータを、
前記端末装置からの操作入力情報を受け付け処理する受付処理部、
前記操作入力情報に基づいてマップを生成するマップ生成部、
前記マップの表示データを生成する生成部、及び
前記表示データを前記端末装置に送信する送信部、として機能させ、
前記マップ生成部は、前記操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、前記ノード位置指定情報で定まるノードに前記文字を設定し、前記操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、前記エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定し、特に前記指定情報に含まれる始点のノードが複数ある場合には、前記複数のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を体系的に構造化し可視化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報を体系化して可視化する種々の技術が提案されている。
【0003】
例えば、会議中の音声情報をテキストに変換するテキスト変換手段と、テキスト変換手段により変換されたテキストを単語に分解する単語分解手段と、単語分解手段により分解された単語に基づいて、二次元の図式で表される着想支援図を生成する着想支援図生成手段と、着想支援図生成手段により生成された着想支援図について、会議中の議論している部分が判別可能であるようにリアルタイムに可視化表示する着想支援図表示手段と、を備える情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-016360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、単に情報を体系化して可視化するだけであり、可視化された情報は発散され、それを収束させることは考慮されていなかった。また、体系化された情報を概念で区別できるような可視化上の工夫もなかった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、情報を体系化して可視化するに際して、情報を収束させることで、問題解決の方向性を確認可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るサーバ装置は、ユーザの端末装置と通信自在なサーバ装置において、前記端末装置からの操作入力情報を受け付け処理する受付処理部と、前記操作入力情報に基づいてマップを生成するマップ生成部と、前記マップの表示データを生成する生成部と、前記表示データを前記端末装置に送信する送信部と、を有し、前記マップ生成部は、前記操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、前記ノード位置指定情報で定まるノードに前記文字を設定し、前記操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、前記エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定し、特に前記指定情報に含まれる始点のノードが複数ある場合には、前記複数のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する。
【0008】
本発明の第2の態様に係る情報構造化システムは、ユーザの端末装置とサーバ装置とからなる情報構造化システムにおいて、前記端末装置は、操作入力を受け付ける操作入力部と、前記操作入力に係る操作入力情報を前記サーバ装置に送信する第1送信部と、前記サーバ装置からの表示データを受信する受信部と、前記表示データに基づく表示を行う表示部と、を有し、前記サーバ装置は、前記端末装置からの操作入力情報を受け付け処理する受付処理部と、前記操作入力情報に基づいてマップを生成するマップ生成部と、前記マップの表示データを生成する生成部と、前記表示データを前記端末装置に送信する第2送信部と、を有し、前記マップ生成部は、前記操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、前記ノード位置指定情報で定まるノードに前記文字を設定し、前記操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、前記エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定し、特に前記指定情報に含まれる始点のノードが複数ある場合には、前記複数のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する。
【0009】
本発明の第3の態様に係る情報構造化方法は、ユーザの端末装置とサーバ装置とからなる情報構造化システムにおいて、前記端末装置では、操作入力部が、操作入力を受け付け、第1送信部が、前記操作入力に係る操作入力情報を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置では、受付処理部が、前記端末装置からの操作入力情報を受け付け処理し、マップ生成部が、前記操作入力情報に基づいてマップを生成し、生成部が、前記マップの表示データを生成し、第2送信部が、前記表示データを前記端末装置に送信し、前記端末装置では、受信部が前記表示データを受信し、表示部が、前記表示データに係る表示を行い、前記サーバ装置において、前記マップ生成部は、前記操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、前記ノード位置指定情報で定まるノードに前記文字を設定し、前記操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、前記エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定し、特に前記指定情報に含まれる始点のノードが複数ある場合には、前記複数のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する。
【0010】
本発明の第4の態様に係るプログラムは、ユーザの端末装置と通信自在なコンピュータを、前記端末装置からの操作入力情報を受け付け処理する受付処理部、前記操作入力情報に基づいてマップを生成するマップ生成部、前記マップの表示データを生成する生成部、及び前記表示データを前記端末装置に送信する送信部、として機能させ、前記マップ生成部は、前記操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、前記ノード位置指定情報で定まるノードに前記文字を設定し、前記操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、前記エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定し、特に前記指定情報に含まれる始点のノードが複数ある場合には、前記複数のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報を体系化して可視化するに際して、情報を収束させることで、問題解決の方向性を確認可能とする技術を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る情報構造化システムの構成図である。
図2】同システムのサーバ装置の構成図である。
図3】同システムの端末装置の構成図である。
図4図4(a)乃至図4(f)は、マップ生成の過程を示す表示例である。
図5】生成されたマップの表示例を示す図である。
図6図6(a)乃至図6(c)はレイヤー区分の過程を示す図であり、図6(d)及び図6(e)はマップの表示態様を示す図である。
図7】画面共有状態の表示例を示す図である。
図8図8(a)及び図8(b)は、構造化の考え方を説明する図である。
図9】構築支援下で生成されたマップの表示例を示す図である。
図10】同システムによる処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1には、本発明の実施形態に係る情報構造化システムの構成を示し説明する。
【0015】
同図に示されるように、情報構造化システムは、サーバ装置1と、ユーザの端末装置2とが、インターネット等の通信網3を介して通信自在に接続され、構成されている。ユーザの端末装置2としては、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等、各種のものを採用できる。
【0016】
このような構成において、サーバ装置1は、端末装置2からの操作入力情報を受け付け処理すると、操作入力情報に基づいてマップを生成し、マップの表示データを生成し、表示データを端末装置2に送信する。
【0017】
マップの生成においては、操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、ノード位置指定情報で定まるノードに文字を設定する。操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する。この設定に際して、複数のノードがエッジの始点となるとき同じ下位のノードをエッジの終点とすることを可能としている。操作入力情報がレイヤー設定情報である場合には、レイヤー設定情報に含まれる境界線情報及びレイヤー色情報に基づいて、マップの生成領域を複数のレイヤーに区分けして背景色を色分けするようにマップを生成する。
【0018】
このほか、ユーザの端末装置2が複数である場合には、サーバ装置1は、複数のユーザの端末装置2にそれぞれ表示データを送信し、複数のユーザの端末装置2では、一のマップを共有し表示し、当該マップに基づいて議論をすることが可能となる。
【0019】
図2には、情報構造化システムのサーバ装置の構成を示し説明する。
【0020】
同図に示されるように、サーバ装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを有する。制御部11と、通信部12と、記憶部13とは、バスライン17を介して通信可能に接続されている。これら構成のほか、キーボードやマウス等の入力部や、各種表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部を有してもよい。
【0021】
通信部12は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC;Network Interface Card)等により実現されるもので、インターネット等の通信網3と有線又は無線で接続され、端末装置2等との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0022】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ(HDD;Hard Disc Drive)、又は光ディスク装置等で実現されるもので、制御部11で実行されるプログラムを予め記憶している。また、記憶部13は、ユーザ情報記憶部14、マップ情報記憶部15、及び支援情報記憶部16を有する。
【0023】
すなわち、より詳細には、ユーザ情報記憶部14は、ユーザIDと紐づけて、ユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレス、通話情報等の属性情報のほか、過去に生成したマップのマップ情報(マップID)を記憶している。マップ情報記憶部15は、マップIDと紐づけて、マップ情報(データのタイトルや補足説明(ノード・エッジとは無関係の情報を含む))と生成に関与したユーザのユーザID(複数可)が記憶されている。そして、支援情報記憶部16は、マップの構築を支援するための画像やテキスト等の支援情報をカテゴリ別に記憶している。
【0024】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等で実現され、記憶部13に記憶されているプログラムを実行することで、例えば、主制御部11a、受付処理部11b、マップ生成部11c、構築支援部11d、通話制御部11e、生成部11f、送信部11g、公開部11h、及び調査依頼部11iとして機能する。尚、制御部11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Array)等の集積回路で構成されてよい。
【0025】
このような構成において、受付処理部11bは、ユーザの端末装置2からの操作入力情報を受け付け処理する。
【0026】
マップ生成部11cは、操作入力情報に基づいてマップを生成する。具体的には、マップ生成部11cは、操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、ノード位置指定情報で定まるノードに文字を設定する。マップ生成部11cは、操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する。この設定に際して、複数のノードがエッジの始点となるとき同じ下位のノードをエッジの終点とすることを可能とした。さらに、マップ生成部11cは、操作入力情報がレイヤー設定情報である場合には、レイヤー設定情報に含まれる境界線情報及びレイヤー色情報に基づいて、マップの生成領域を複数のレイヤーに区分けして背景色を色分けするようにマップを生成する。生成されたマップのマップ情報がマップ情報記憶部15に記憶される。
【0027】
構築支援部11dは、支援情報記憶部16より支援情報を参照し、操作入力情報をニーズ情報とシーズ情報とに分け、ニーズ情報については上位から下位へと目的、顧客要求から課題、必要となる機能が順次入力されるように、シーズ情報については下位から上位へと最終製品から解決策、技術が順次入力されるように、最終的にニーズ情報とシーズ情報とが連関するように、情報の入力を促すアシスト情報を生成する。
【0028】
通話制御部11eは、ユーザ情報記憶部14の通話情報を参照して、複数の端末装置2によるビデオ通話を制御する。その際、生成されたマップを各端末装置で共有、表示可能とする。生成部11fは、マップの表示データを生成する。そして、送信部11gは、表示データを端末装置2に送信する。送信部11gは、複数の端末装置2にそれぞれ表示データを送信し、複数の端末装置2により、一のマップを共有し、当該マップに基づく議論を促す。公開部11hは、マップ情報記憶部15に蓄積されたマップを、一般ユーザに公開する所謂ショーケース機能を実現する。この公開部11hによれば、コミュニティでのマップの共有やコンテスト開催によるユーザ間での共創・マッチングを誘発する機会を作ることが可能となる。尚、公開されたマップについて、第三者がコメントや評価を行った場合には、それらコメント、評価を、マップ情報記憶部15に対応付けて記憶させ、併せて閲覧可能とする。調査依頼部11iは、ユーザの端末装置2からのリクエスト等に基づいて、生成されたマップの特定部分について、詳細を専門家、またはWebデータベース等を介して調査依頼し、その結果をユーザにフィードバックする。以上のほか、主制御部11aは、全体の制御を司る。
【0029】
図3には、情報構造化システムの端末装置の構成を示し説明する。
【0030】
同図に示されるように、端末装置2は、制御部21、通信部22、操作部23、表示部24、及び記憶部25を有する。各部21~25は、バスライン26を介して通信自在に接続されている。通信部22は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網3と有線又は無線で接続され、サーバ装置1等との間で通信を行う通信インタフェースである。操作部23は、マウスやキーボード等で実現され、ユーザによる各種操作入力を受け付ける。表示部24は、液晶ディスプレイ等により実現され、各種表示を行う。尚、操作部23と表示部24とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。記憶部25は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部21で実行される基本プログラム等を記憶している。
【0031】
制御部21は、CPUやMPU等で実現され、SaaS形式でサーバ装置1から提供されるプログラムに基づいて、主制御部21a、送信部21b、受信部21c、及び表示制御部21dとして機能する。なお、制御部21は、ASICやFPGA等の集積回路で構成されてよいことは勿論である。
【0032】
このような構成において、送信部21bは、主制御部21aの制御の下、操作部23の操作入力により得られた操作入力情報を、通信部22を介して、サーバ装置1へと送信する。受信部21cは、サーバ装置1から送信されてきた表示データ等を受信する。表示制御部21dは、受信部21cが受信した表示データに基づいて、表示部24にマップ等を表示するよう制御する。このほか、主制御部21aは、全体の制御を司る。
【0033】
ここで、図4(a)乃至図4(f)を参照して、マップ生成の過程を説明する。
【0034】
マップの生成は、操作部23の操作入力により行う。より詳細には、図4(a)に示されるように、マップ生成領域の中の任意の位置でダブルクリックをすると、図4(b)に示されるように、当該位置に文字入力用のウィンドウが表示されるので、所望とする文字を入力する。そして、図4(c)に示されるように、入力した文字をドラッグアンドドロップすることでノードの配置を所望とする位置に変更する。ノード間のエッジを描画する際には、図4(d)に示されるように、ノードにマウスカーソルを重ねてポートを表示させ、図4(e)に示されるように、ポートをクリックしたまま他のノードまでマウスカーソルを移動させると、図4(f)に示されるように2つのノードの間にエッジが描画されることになる。ここで、本実施形態に係るシステムでは、ポートという概念を導入しているので、描画するオブジェクト(ノードかエッジか)の選択をする必要がない。また、エッジの終点を決定する際には、マウスカーソルをポートに重ねなくとも決定可能であるので、手元の操作に多少ばらつきがあっても、意図通りの描画ができる。
【0035】
以上の操作の各過程で、端末装置2は、主制御部21aの制御の下、送信部21bが操作入力情報をサーバ装置1に送信する。サーバ装置1では、マップ生成部11cは、操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、ノード位置指定情報で定まるノードに文字を設定する。マップ生成部11cは、操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する。この設定に際して、複数のノードがエッジの始点となるとき同じ下位のノードをエッジの終点とすることを可能とした。なお、前述したマップ生成に係る操作については、複数のユーザが各端末装置2でひとつのマップを共有する場合等も想定し、説明の便宜上、端末装置2側で操作がなされる都度、マップ生成要求をサーバ装置1側に送信し、サーバ装置1側の機能によりマップ生成(設定・更新)を行う例を示したが、マップが一度表示された後においては、端末装置2側の制御により、操作部23の操作に基づくマップの更新を適宜行うようにすることも可能である。
【0036】
こうして生成されたマップの表示例は図5に示される通りである。同図に示されるように、情報の収束を表現することができ、ノードの親子関係に基づいてエッジの向きを固定する必要もなく、ノードの位置を自由に配置することができるので、ナレッジマネジメントに好適なマップを生成することが可能となる。
【0037】
次に、図6(a)乃至図6(c)はレイヤー区分の過程を示し説明する。
【0038】
レイヤー区分は、操作部23の操作入力により行う。即ち、図6(a)に示されるように、マップ生成領域の端をクリックし、図6(b)に示されるように、ボタンをクリックしてレイヤーの色を選択した後、図6(c)に示されるように、境界線をドラッグアンドドロップして、所望とする位置に移動させる。
【0039】
以上の操作の各過程で、端末装置2は、主制御部21aの制御の下、送信部21bが操作入力情報をサーバ装置1に送信する。サーバ装置1では、マップ生成部11cは、操作入力情報がレイヤー設定情報である場合には、レイヤー設定情報に含まれる境界線情報及びレイヤー色情報に基づいて、マップの生成領域を複数のレイヤーに区分けして背景色を色分けするようにマップを生成する。ここでは、複数のユーザが各端末装置2でひとつのマップを共有する場合等も想定し、説明の便宜上、端末装置2側で操作がなされる都度、マップ生成要求をサーバ装置1側に送信し、サーバ装置1側の機能によりマップ生成(更新)を行う例を示したが、マップが一度表示された後においては、端末装置2側の制御により、操作部23の操作に基づくマップの更新を適宜行うようにしてもよい。
【0040】
ここで、図6(d)及び図6(e)には、マップの表示態様を示し説明する。これらの図に示されるように、ノード間を結ぶエッジは直線(図6(d)参照)だけでなく、カギ線(図6(e)参照)でも描画することが可能である。
【0041】
図7には、ビデオ通話中の画面共有状態の表示例を示し説明する。
【0042】
同図に示されるように、生成過程で、あるいは生成後に、複数の端末装置2によるビデオ通話画面で共有し、表示することができる。その際に、あらたなノードを加えたり、エッジを変更したり、レイヤーの変更をしたりすることも可能であるので、マップに基づいて議論を行い、より好適なマップへと更新することが可能となる。ここでは、ビデオ通話時にマップを共有する例を示したが、各種SNSで共有することも可能であることは勿論である。
【0043】
次に、図8(a)及び図8(b)を参照して、構造支援の考え方を説明する。
【0044】
一般に、経営戦略、事業戦略立案に関する思考体系として、ニーズ思考、シーズ思考という考え方がある。図8(a)に示されるように、ニーズ思考によれば、顧客ニーズが先にありきで、当該ニーズに合致したシーズを求めることになる。このニーズ思考では、顧客要求を、上位課題、詳細課題へと導くことになる。一方、シーズ思考によれば、シーズが先にありきで、当該シーズを顧客ニーズへと結びつけることで、各種戦略を立案することになる。このシーズ思考では、プロダクトを、部品・ユニット、技術へと落とし込んでいくことになる。しかるに、本システムによれば、クリティカルシンキングの下、この出発点が異なる各思考を連関させ構造化することで、双方の関係性をふまえた戦略の立案を可能とする。すなわち、図8(b)に示されるように、ニーズ始点で導き出された課題とシーズ始点で導き出された解決策とを連関させることで、各種戦略を立案の糸口を見出すマップを生成可能とする。
【0045】
図9には、構築支援下で生成されたマップの表示例を示し説明する。
【0046】
同図に示されるように、上述した構造支援を行うべく、サーバ装置1では、構築支援部11dは、支援情報記憶部16より支援情報を参照し、操作入力情報をニーズ情報とシーズ情報とに分け、ニーズ情報については上位から下位へと目的、顧客要求から課題、必要となる機能が順次入力されるように、シーズ情報については下位から上位へと最終製品から解決策、技術が順次入力されるように、最終的にニーズ情報とシーズ情報とが連関するように、情報の入力を促すアシスト情報を生成する。このアシスト情報を含む表示データを端末装置2が受信すると、表示制御部21dの制御の下、表示部24にアシスト情報を含むマップ生成画面が表示される。図9の例では、画面100において、レイヤーがニーズ情報(100A)とシーズ情報(100B)とで区分けされ、それぞれ、ニーズ情報については、目的・顧客要求から課題・必要となる機能へと上位から下位に入力するよう促すアシスト表示(100C)がなされ、シーズ情報については最終プロダクトから解決策・技術へと上位から下位に入力するよう促すアシスト表示(100D)がなされることになる。このアシスト表示に従って、ユーザが入力を行うことで、経営戦略や事業戦略立案に好適なマップ生成を行うことが可能となる。
【0047】
以下、図10のフローチャートを参照して、情報構造化システムによる処理手順を詳細に説明する。
【0048】
端末装置2の送信部21bよりログイン要求がサーバ装置になされると(S1)、サーバ装置1は、受付処理部11bが、ログイン要求を受け付け(S2)、生成部11fがマップ生成用の表示データを生成し、送信部11gが端末装置2に送信する(S3)。端末装置2では、受信部21cが表示データを受信し(S4)、表示制御部21dが、表示部24に表示データに基づくマップ生成画面の表示を行う(S5)。上記ログイン後に、どの種別のマップを読み出すかを指定するようにしてもよい。
【0049】
続いて、端末装置2では、主制御部21aが、操作部23の操作がなされたかを判断し(S6)、操作がなされるまで待機し(S6をNoに分岐)、操作がなされると(S6をYesに分岐)、送信部21bが、マップ生成要求をサーバ装置1に送信する(S7)。このマップ生成要求には、操作入力情報が含まれる。
【0050】
サーバ装置1では、受付処理部11bが、マップ生成要求を受け付け(S8)、マップ生成部11cが、操作入力情報に基づいてマップを生成する(S9)。より詳細には、マップ生成部11cは、操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、ノード位置指定情報で定まるノードに文字を設定する。マップ生成部11cは、操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定する。この設定に際して、複数のノードがエッジの始点となるとき同じ下位のノードをエッジの終点とすることを可能とした。さらに、マップ生成部11cは、操作入力情報がレイヤー設定情報である場合には、レイヤー設定情報に含まれる境界線情報及びレイヤー色情報に基づいて、マップの生成領域を複数のレイヤーに区分けして背景色を色分けするようにマップを生成する。生成されたマップのマップ情報がマップ情報記憶部15に記憶される。
【0051】
サーバ装置1では、生成部11fが、生成したマップの表示データを生成し、送信部11gが表示データを端末装置2に送信する(S10)。端末装置2では、受信部21cが表示データを受信し(S11)、表示制御部21dが、表示部24に表示データに基づくマップ生成画面の表示を行う(S12)。尚、ステップS6乃至S13では、複数のユーザが各端末装置2でひとつのマップを共有する場合等も想定し、説明の便宜上、端末装置2側で操作がなされる都度、マップ生成要求をサーバ装置1側に送信し、サーバ装置1側の機能によりマップ生成(更新)を行う例を示したが、マップが一度表示された後においては、端末装置2側の制御により、操作部23の操作に基づくマップの更新を適宜行うようにすることも可能である。
【0052】
続いて、主制御部21aは、全ての操作入力が完了したかを判断し(S13)、完了していない場合には(S13をNoに分岐)、ステップS6に戻り、上記処理を繰り返し、完了した場合には(S13をYesに分岐)、主制御部21aの制御の下、送信部21bが登録リクエストをサーバ装置1に送信する(S14)。
【0053】
サーバ装置1では、受付処理部11bが、登録リクエストを受け付け(S15)、主制御部11aが、マップ情報記憶部15に、生成されたマップのマップ情報を登録する(S16)。こうして、マップ生成に係る一連の処理を終了する。
【0054】
ステップS6のユーザ操作により構築支援が選択された場合には、マップ生成要求として構築支援要求がなされ、サーバ装置1側では、、構築支援部11dは、支援情報記憶部16より支援情報を参照し、操作入力情報をニーズ情報とシーズ情報とに分け、ニーズ情報については上位から下位へと目的、顧客要求から課題、必要となる機能が順次入力されるように、シーズ情報については下位から上位へと最終製品から解決策、技術が順次入力されるように、最終的にニーズ情報とシーズ情報とが連関するように、情報の入力を促すアシスト情報を生成する。アシスト情報を含む表示データを端末装置2が受信すると、表示制御部21dの制御の下、表示部24にアシスト情報を含むマップ生成画面が表示されることは前述した通りである。
【0055】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、情報を体系化して可視化するに際して、情報を収束させることで、問題解決の方向性を確認可能とする技術を提案することができる。すなわち、議論では、結論が発散することが多いが、本システムにより生成されるマップを議論進行で用いる資料とすることで、課題に対するソリューションを見出すことが可能となる。特に、複数人でマップ生成画面を共有しながら、マップ生成及び議論を進めることが可能であるので、ミーティングにおける議題の全体像と争点を共有し、チーム全体としての目標や優先順の合意をとりながら議論を進め、その結果を可視化して残すことも可能となる。このマップの生成の過程で、暗黙知が形式知に変換されることは勿論である。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0057】
例えば、思考法に沿ったマップ生成をリードする機能や、不足する情報や新しい視点を気付かせる問いかけ(ファシリテーション)を提供する機能、検討の中で得られた気づきを記憶し、振り返りを可能とする機能等を更に構築支援部の機能として実装してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…サーバ装置、2…端末装置、3…通信網、11…制御部、11a…主制御部、11b…受付処理部、11c…マップ生成部、11d…構築支援部、11e…通話制御部、11f…生成部、11g…送信部、12…通信部、13…記憶部、14…ユーザ情報記憶部、15…マップ情報記憶部、16…支援情報記憶部、17…バスライン、21…制御部、21a…主制御部、21b…送信部、21c…受信部、21d…表示制御部、22…通信部、23…操作部、24…表示部、25…記憶部、26…バスライン。
【要約】
【課題】情報を体系化して可視化するに際して、情報を収束させることで、問題解決の方向性を確認可能とする技術を提案する。
【解決手段】本発明は、ユーザの端末装置からの操作入力情報を受け付け処理する受付処理部11bと、操作入力情報に基づいてマップを生成するマップ生成部11cと、マップの表示データを生成する生成部11fと、表示データを端末装置に送信する送信部11gとを有し、マップ生成部11cは、操作入力情報が文字情報及びノード位置指定情報である場合には、ノード位置指定情報で定まるノードに文字を設定し、操作入力情報がエッジ指定情報である場合には、エッジ指定情報に含まれる始点のノードと終点のノードとを結ぶようにエッジを設定し、複数のノードがエッジの始点となるとき同じ下位のノードを前記エッジの終点とすることを可能としたサーバ装置である。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10