(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】紫外線照射装置及びこれを用いた送風システム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20221007BHJP
B01D 46/10 20060101ALI20221007BHJP
B01D 46/42 20060101ALI20221007BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20221007BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20221007BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20221007BHJP
F24F 8/90 20210101ALI20221007BHJP
A61L 9/20 20060101ALN20221007BHJP
【FI】
A61L2/10
B01D46/10 Z
B01D46/42 Z
F24F7/003
F24F8/22
F24F8/108 210
F24F8/90 140
A61L9/20
(21)【出願番号】P 2020094700
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2020-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】竹口 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】山羽 義郎
(72)【発明者】
【氏名】吉川 陽
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-532975(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0011814(KR,A)
【文献】特開2017-225629(JP,A)
【文献】登録実用新案第3111819(JP,U)
【文献】実開昭62-041892(JP,U)
【文献】特開2007-003561(JP,A)
【文献】特開2003-092493(JP,A)
【文献】特開2005-290754(JP,A)
【文献】特開2003-232547(JP,A)
【文献】特開2019-052590(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1578044(KR,B1)
【文献】特開2004-215342(JP,A)
【文献】特開平05-296188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10、9/16、20
B01D 46/00-90、53/00
B01J 35/02
F04D 25/00
F24F 7/003、8/00-99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受部を有する基体と、
フィルタの面に対向して配置され、前記軸受部により軸支された回転軸を中心に回転可能な複数の回転羽根を備える回転体と、
前記フィルタの面に対向する、前記複数の回転羽根のうちの少なくとも1つの回転羽根の面に配置された複数の紫外線発光素子と、
前記基体側に設けられた送電部と前記回転体側に設けられた受電部とを備え、前記複数の紫外線発光素子を駆動するための駆動信号を前記送電部から前記受電部に伝送するための給電ユニットと、を備え、
前記複数の紫外線発光素子は、
前記少なくとも1つの回転羽根の前記回転軸
から遠位における前記紫外線発光素子どうしの間隔が前記回転軸から近位における前記紫外線発光素子どうしの間隔よりも狭くなるように配置され
る、
紫外線照射装置。
【請求項2】
軸受部を有する基体と、
フィルタの面に対向して配置され、前記軸受部により軸支された回転軸を中心に回転可能な複数の回転羽根を備える回転体と、
前記フィルタの面に対向する、前記複数の回転羽根のうちの少なくとも1つの回転羽根の面に配置された複数の紫外線発光素子と、
前記基体側に設けられた送電部と前記回転体側に設けられた受電部とを備え、前記複数の紫外線発光素子を駆動するための駆動信号を前記送電部から前記受電部に伝送するための給電ユニットと、を備え、
前記複数の紫外線発光素子は、前記少なくとも1つの回転羽根において前記回転軸から遠位に位置するほど、単位時間あたりの
照射量が大きくなるように制御される、
紫外線照射装置。
【請求項3】
前記複数の紫外線発光素子は、前記少なくとも1つの回転羽根の面に放射方向に沿って配置される、
請求項1
又は2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記回転体は、前記回転羽根が受ける風力によって回転する、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記給電ユニットは、前記軸受部に設けられた送電部と前記回転体に設けられた受電部とを含み構成されるワイヤレス給電ユニットである、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記複数の回転羽根は、前記紫外線発光素子が配置された第1の回転羽根と、前記紫外線発光素子が配置されていない第2の回転羽根とを含む、
請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記基体は、空気が流入する空気流入口と前記空気が排出される空気排出口とを接続する風洞部を備え、
前記回転体は、前記風洞部に配置される、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項8】
前記空気排出口は、前記フィルタを着脱可能に構成される、
請求項
7に記載の紫外線照射装置。
【請求項9】
前記空気流入口は、前記フィルタを着脱可能に構成される、
請求項
7に記載の紫外線照射装置。
【請求項10】
前記紫外線発光素子は、220nm以上450nm以下の波長を有する紫外線を発光する、
請求項1から
9のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項11】
前記紫外線発光素子は、220nm以上290nm以下の波長を有する紫外線を発光する、
請求項
10に記載の紫外線照射装置。
【請求項12】
請求項1
又は2に記載の紫外線照射装置の前記回転羽根に風力を供給する送風装置と、前記送風装置に電力を供給すると共に前記送風装置の運転時間及び/又は送風強度を制御するコントローラとを備える送風システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記送風装置が風速0.5m/s以上10m/s以下の空気流を供給するように制御を行う、
請求項
12に記載の送風システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置に関し、特に、各種のウィルスや菌等を不活化し殺菌するための紫外線を照射する紫外線照射装置及びこれを用いた送風システムに関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、空気中の病原性のウィルスや菌等を不活化し殺菌するために、ウィルスや菌等を含むエアロゾルをフィルタに吸着・付着させて捕集し、ウィルスや菌等が付着したフィルタに紫外線を照射する技術が用いられている(本開示では、ウィルスや菌等を「ウィルス等」と総称するものとし、ウィルス等を不活化し及び/又は殺菌することを「ウィルス等を不活化する」と称するものとする。)。このような紫外線照射によるウィルス等を不活化する技術を採用した製品は、ウィルス不活化装置(殺菌装置)や空気清浄装置等として知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1は、プレフィルタの下流側に、バイオフィルタと、イオン化部と、静電フィルタと、第1及び第2光半導体触媒フィルタとを順に配置すると共に、第1及び第2光半導体触媒フィルタに紫外線を照射する紫外線ランプを配置し、送風ファンによって、プレフィルタを介して室内から吸い込まれた空気を、バイオフィルタ、イオン化部、静電フィルタ、並びに第1及び第2光半導体触媒フィルタに通過させた後に室内に吹き出す空気清浄機を開示している。
【0004】
また、下記特許文献2は、気体中に浮遊しているウィルス又は液体中のウィルスをフィルタで捕集し、フィルタに対して紫外線を照射するウィルス不活化技術を開示している。具体的には、特許文献2は、電圧が印加される第1の電極と、第1の電極に対向して配置される第2の電極とが、ウィルスを含む空気が流れる流路内に配置され、フィルタが第1の電極と第2の電極の両電極間、又は両電極よりも流路内のウィルスを含む空気の流れ方向の下流側に配置され、第1の電極に電圧を印加した状態で、ウィルスを両電極の間を通過させ、フィルタで捕集することを特徴とするウィルス不活化方法を開示している。
【0005】
また、下記特許文献3は、空気中の微粒子を捕集するエアフィルタ用濾材と、前記エアフィルタ用濾材に対して、前記エアフィルタ用濾材を気流が通過する方向の上流側に配置され、前記エアフィルタ用濾材の上流側を向く表面に紫外線を照射する紫外線ランプと、を備える空気清浄装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-342142号公報
【文献】特開2015-171440号公報
【文献】特開2020-043920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のように、フィルタに付着したウィルス等を効果的に不活化するためには、フィルタ全体に隈なく紫外線を照射することができる紫外線光源を用いる必要があった。とりわけ、紫外線ランプを用いた場合には、装置が大型化かつ重量化する傾向があり、また、消費電力の観点から有利ではなかった。また、紫外線発光素子(紫外線LED)を用いた場合には、フィルタ全体への照射を実現するために多数のLEDをアレイ状に配置する必要があった。
【0008】
また、このようなウィルス等の不活化のための紫外線照射機構は、一般に、装置の筐体内部に一体的に組み込まれていた。したがって、装置それ単体を手軽に持ち運び、例えば電動ファンやサーキュレータといった他の送風装置に簡単に装着して使用するといったことができなかった。
【0009】
そこで、本発明は、より少ない紫外線発光素子を用いてフィルタ全体に紫外線を効率的に照射可能な紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、それ単体で持ち運びが可能で、例えば電動ファンやサーキュレータといった他の送風装置に容易に脱着することができる紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明は、以下に示す発明特定事項乃至は技術的特徴を含んで構成される。
【0012】
ある観点に従う本発明は、本発明は、軸受部を有する基体と、フィルタの面に対向して配置され、前記軸受部により軸支された回転軸を中心に回転可能な複数の回転羽根を備える回転体と、前記フィルタの面に対向する、前記複数の回転羽根のうちの少なくとも1つの回転羽根の面に配置された複数の紫外線発光素子と、前記基体側に設けられた送電部と前記回転体側に設けられた受電部とを有し、前記複数の紫外線発光素子を駆動するための駆動信号を前記送電部から前記受電部に伝送するための給電ユニットと、を備える紫外線照射装置である。
【0013】
前記複数の紫外線発光素子は、前記少なくとも1つの回転羽根の面に前記放射方向に沿って配置され得る。
【0014】
前記複数の紫外線発光素子は、前記少なくとも1つの回転羽根の遠位における前記紫外線発光素子どうしの間隔がその近位における前記紫外線発光素子どうしの間隔よりも狭くなるように配置され得る。
【0015】
また、前記紫外線照射装置は、前記複数の紫外線発光素子のそれぞれを駆動するための駆動信号を生成し、出力するLEDドライバを含む制御ユニットを更に備え得る。また、前記制御ユニットは、前記複数の紫外線発光素子のうち、前記少なくとも1つの回転羽根の位置する前記紫外線発光素子ほど、単位時間あたりの駆動電流が大きくなるように、制御を行い得る。
【0016】
前記回転体は、前記回転羽根が受ける風力によって軸回転し得る。すなわち、前記回転体は、電動モータ等の動力源に接続されていない。
【0017】
また、前記送電部は前記軸受部に設けられる一方、前記受電部は前記ハブに設けられ得る。
【0018】
前記給電ユニットは、前記送電部と前記受電部とを含み構成されるワイヤレス給電ユニットであり得る。
【0019】
また、前記複数の回転羽根は、前記紫外線発光素子が配置された第1の回転羽根と、前記紫外線発光素子が配置されていない第2の回転羽根とを含み得る。
【0020】
また、前記基体は、空気が流入する空気流入口と前記空気が排出される空気排出口とを接続する風洞部を備え得る。前記風洞部には、前記回転体が配置され得る。
【0021】
前記空気排出口は、前記フィルタを着脱可能に構成され得る。また、前記空気流入口は、前記フィルタを着脱可能に構成され得る。
【0022】
前記紫外線発光素子は、220nm以上450nm以下の波長を有する紫外線を発光し得る。また、前記紫外線発光素子は、220nm以上290nm以下の波長を有する紫外線を発光し得る。
【0023】
また、本発明は、前記紫外線照射装置の前記回転羽根に前記風力を供給する送風装置と、前記送風装置の運転時間及び/又は送風強度を制御するコントローラとを備える送風システムであり得る。前記コントローラは、前記制御ユニットを含み構成され得る。
【0024】
また、前記コントローラは、前記送風装置が風速0.5m/s以上10m/s以下の空気流を供給するように制御を行い得る。
【0025】
なお、本明細書等において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。また、「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、紫外線照射装置は、より少ない紫外線発光素子を用いてフィルタ全体に紫外線を効率的に照射することができる。
【0027】
また、本発明によれば、紫外線照射装置は、それ単体で持ち運びが可能で、例えば電動ファンやサーキュレータといった他の送風装置に容易に脱着することができる。
【0028】
本発明の他の技術的特徴、目的、及び作用効果乃至は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果が奏されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】
図1は、本発明の一実施形態に係る送風システムの一例を説明するための側面図である。
【
図1B】
図1は、本発明の一実施形態に係る送風システムの他の例を説明するための側面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置の一例を示す部分側断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置の回転体の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置の回転体上の紫外線発光素子の軌跡の一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置における回転体の他の例を説明する図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置の電気回路構成の一例を説明するためのブロックダイアグラムである。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置における紫外線発光素子に対する駆動信号のデューティ比の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施形態に係る送風システムの一例を説明するための部分側断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の他の実施形態に係る送風システムの一例を説明するための部分側断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の他の実施形態に係る送風システムの一例を説明するための部分側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0031】
[第1の実施形態]
図1Aは、本発明の一実施形態に係る送風システムの一例を示す側面図である。同図に示すように、本実施形態の送風システム1は、紫外線照射装置10と、送風装置20とを含み構成され得る。紫外線照射装置10は、以下で
図2~7を参照して詳述されるように、フィルタ12に捕集されたエアロゾルに含まれるウィルス等を不活化するための紫外線(例えばUVC)を照射する装置である。送風装置20は、所定の風速及び風量で空気流を生成する機能を有する装置であり、典型的には、図示しない電源から供給される電力に基づいて回転駆動される電動モータに連結されたファンを有する。送風装置20は、送風ファンや扇風機、サーキュレータ、空気清浄装置等といった既知のものを利用することができる。本例では、紫外線照射装置10は、送風装置20によって生成された空気流を直接的に受け入れることができるように、送風装置20の筐体前面に着脱可能に構成される。送風装置20が生成する空気流は、騒音やウィルス等の不活化効率の観点から、例えば風速0.5m/s以上かつ10m/s以下に設定されるが、これに限られない。
【0032】
また、送風システム1は、紫外線照射装置10を制御するコントローラ30を含み得る。コントローラ30はまた、後述する紫外線発光素子14を発光するために必要な電力を供給する電源ユニット17を含み構成される。図示していないが、コントローラ30は、操作パネルを備え得る。操作パネルには、例えば電源スイッチや紫外線発光素子14の発光強度を規定する動作モード選択スイッチ等が設けられる。
【0033】
他の例として、
図1Bに示すように、コントローラ30は、送風装置20に電力を供給するための電源を含み構成されても良い。また、コントローラ30は、送風装置20、送風装置20の運転時間や送風強度を制御し得るように構成され得る。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置の一例を示す部分側断面図である。同図に示すように、紫外線照射装置10は、その外観形状を略画定する基体11と、基体11に着脱可能に取り付けられたフィルタ12と、基体11の内部でフィルタ12の背面に対向して、回転軸(シャフト)131を中心に軸回転可能に設けられた、ハブ132及び複数の回転羽根133を備える回転体13とを含み構成される。また、紫外線照射装置10は、フィルタ12の面(本例では背面)に対向するように、複数の回転羽根133の面上に配置された複数の紫外線発光素子(紫外線LED)14を備える。更に、紫外線照射装置10は、複数の紫外線発光素子14を駆動するための駆動信号を生成し、出力するLEDドライバ151(
図6参照)を含み構成される制御ユニット15と、制御ユニット15に電源ユニット17から必要な電力を伝送するための給電ユニット16とを備える。制御ユニット15は、操作パネルを介した操作に従って動作する。
【0035】
基体11は、空気が流入する空気流入口111と、該流入した空気が排出される空気排出口112と、空気排出口112と空気排出口112とを連通する風洞部113とを含み構成される。風洞部113は、その内径が複数の回転羽根133の外径より僅かに大きくなるように設計されており、複数の回転羽根133を軸回転可能に収容している。
【0036】
より具体的には、基体11は、その外縁部から風洞部113の中心部に向かって延伸する複数のアーム114によって支持された軸受部115を備え、軸受部115は、回転体13の回転軸を軸支している。これにより、複数の回転羽根133を有する回転体13は、風洞部113内において、回転軸131を中心に軸回転可能になっている。軸受部115は、例えば、ボールベアリングを含み構成される。軸受部115には、給電ユニット16を構成する送電部161が設けられている。
【0037】
なお、図示されていないが、風洞部113の内壁には、例えば、紫外線発光素子14から出射される紫外線が効率的にフィルタ12に向けて照射するように、反射膜がコーティングされていても良い。このような反射膜は、人体に有害な紫外線が基体11外部に漏出するのを防止し得る。
【0038】
フィルタ12は、空気中のウィルス等を含むエアロゾルを捕集し、付着乃至は吸着する機能を有する、着脱交換可能な空気清浄フィルタであり、既知のものを利用することができる。フィルタ12は、複数の異なる種類乃至は機能の多層の空気清浄フィルタから構成され得るが、これに限られず、単層のものであっても良い。本開示では、フィルタ12は、プレフィルタと、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)と、活性炭フィルタとを含む多層フィルタである。フィルタ12の他の例としては、静電フィルタがある。
【0039】
本例では、フィルタ12は、その外縁形状が空気排出口112の形状に略等しく、空気排出口112に嵌装されることによって、基体に取り付けられる。他の例では、フィルタ12は、空気流入口111に取り付けられ得る。フィルタ12が空気流入口111に取り付けられる構成では、紫外線発光素子14は、出射した紫外線をフィルタ12の正面に照射することができるように、後ろ向きに(すなわち、空気流の上流に向けて)配置される。更に他の例では、フィルタ12は、空気排出口112及び空気流入口111の両方に取り付けられ得る。この場合、空気流入口111に取り付けられるフィルタ12は、例えば、プレフィルタのような簡易なフィルタであっても良い。更に他の例では、フィルタ12は、平面において複数のサブフィルタを組み合わせることにより構成されても良い。
【0040】
回転体13は、回転軸が設けられたハブ132と、ハブ132の外縁部から放射方向に沿って延伸するように形成された複数の回転羽根133とを含み構成される(
図3参照)。ハブ132と回転羽根133とは一体的に形成され得る。ハブ132の回転軸131の周囲には、後述する給電ユニット16を構成する受電部162が設けられている。
【0041】
複数の回転羽根133は、空気流入口111から流入する空気の流れ(風力)を受け、回転体13を回転させるように構成されている。つまり、本開示において、回転体13は、モータ等の動力源に接続された構成とはなっておらず、風力によって回転する構成となっている。回転体13を回転させる空気の流れは、送風装置2から供給される。回転羽根133の形状、材質及び数は、適宜に決定され得る。例えば、回転羽根133は、プラスチック樹脂や金属等によって形成され得る。また、回転羽根133の数は、例えば3~8枚程度であり得る。
【0042】
フィルタ12に対向する複数の回転羽根133のうちの1つの回転羽根133’の面には、複数の紫外線発光素子14が放射方向に沿って配置されている。
図3に示す例では、ハブ132に4つの回転羽根133が設けられ、1つの回転羽根133’に3つの紫外線発光素子14a~14cが設けられている。紫外線発光素子14は、その全部又は一部が回転羽根133’の中に埋め込まれて配置されても良い。紫外線発光素子14が回転羽根133’の中に埋め込まれた構成では、回転時に紫外線発光素子14による空気抵抗がないか又は無視できるほど小さいため、回転エネルギーの損失をなくすことができる。
【0043】
また、複数の紫外線発光素子14は回転羽根133’に設けられているため、発光に伴う発熱による素子温度の上昇を回転羽根133’の回転による空冷作用によって抑制することができる。したがって、複数の紫外線発光素子14を冷却するための機構を別途設ける必要がない。とりわけ、回転羽根133が、熱伝導率の高い材質によって形成される場合には、紫外線発光素子14に対する更なる冷却効果が期待される。
【0044】
紫外線発光素子14は、ウィルス等の不活化の観点から、例えば220~450nmの波長、より好ましくは、220~290nmの波長、更により好ましくは、265nm近傍の波長の紫外線を出射するUVC-LEDである。図示されていないが、出射された紫外線が広範囲に拡散するように、紫外線発光素子14の出射面に、光学素子(例えばマイクロプラスチックレンズ)等が配置されても良い。
【0045】
紫外線発光素子14の数及び紫外線発光素子14が配置される回転羽根133’の数には、様々な組み合わせがあり得る。例えば、1つの回転羽根133’には、任意の数の紫外線発光素子14が配置され得る。また、紫外線発光素子14が配置される回転羽根133’は1つに限られない。一例として、第1の回転羽根133’には、2つの紫外線発光素子14が配置され、第2の第1の回転羽根133’には、1つの紫外線発光素子14が配置されても良い。この場合、複数の紫外線発光素子14のそれぞれは、回転体13の重心が回転軸131上又はその近傍に位置するように略点対称に配置され得る。
【0046】
また、本開示では、3つの紫外線発光素子14は、等間隔に一列に配置されているが、その配置はこれに限られない。複数の紫外線発光素子14が回転羽根133’の面上に放射方向に沿って配置された場合、
図4に示すように、回転羽根133’の遠位(すなわちハブ132から遠位)に位置する紫外線発光素子14ほど角速度が早いため、これに対応するフィルタ12の領域における単位時間当たりの紫外線の照射量は相対的に少なくなる。そこで、ある例では、回転羽根133の遠位における紫外線発光素子14どうしの間隔が、その近位における紫外線発光素子14どうしの間隔よりも狭くなるように、複数の紫外線発光素子14は配置される。これにより、ウィルス等を不活化するために必要な紫外線の照射量をフィルタ12全体に亘って確保することができるようになる。また、代替的に又は追加的に、遠位にある紫外線発光素子14の単位面積当たりの照射エネルギーほど高くなるように、紫外線発光素子14ごとに出力パワー(電流値)が制御されても良いし、遠位にある紫外線発光素子14の単位時間当たりの照射量が多くなるように、紫外線発光素子14ごとに照射時間が制御されても良い。このような場合、紫外線発光素子14どうしの間隔は、ウィルス等不活化のための紫外線の有効照射量が考慮されて決定され得る。
【0047】
また、紫外線発光素子14から出射された紫外線が基体11の外部に漏洩しないように、基体11の空気排出口112(及び必要に応じて空気排出口112)にルーバー(図示せず)が設けられても良い。ルーバーは、空気の流路を確保しつつ、紫外線を遮蔽するために、例えば、羽根板が折り重なるように、構成される。ルーバーは、二重又はそれ以上の羽根板により構成されても良い。或いは、他の実施形態で示されるように、紫外線照射装置10及び送風装置20全体を覆う保護カバーが設けられても良い。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置における回転体の他の例を説明する図である。同図(a)では、3枚の回転羽根133を備える回転体13が示され、1つの回転羽根133’に放射方向に3つの紫外線発光素子14が配置されている。また、同図(b)では、3枚の回転羽根133’のそれぞれに1つずつ紫外線発光素子14が配置されている。この例では、各回転羽根133’に配置された紫外線発光素子14は、ハブ132からの距離(d1<d2<d3)が異なっている。
【0049】
制御ユニット15は、コントローラ30内の電源ユニット17からの電力を用いて動作し、複数の紫外線発光素子14を駆動するLEDドライバ151を制御する(
図5参照)。制御ユニット15は、例えばLEDドライバ151を含み構成され得る。LEDドライバ151は、制御ユニット15の制御の下、回転体13の回転羽根133’に設けられた複数の紫外線発光素子14のそれぞれを駆動するための駆動信号を生成し、出力する。駆動信号は、例えば、パルス幅変調(PWM)信号を含む。本開示では、制御ユニット15は、回転体13の一部(例えばハブ132や回転羽根133)に設けられる。
【0050】
給電ユニット16は、基体11側の電源ユニット17から回転体13上の紫外線発光素子14及び制御ユニット15に電力を伝送する中継ユニットである。例えば、給電ユニット16は、軸受部115に設けられた一次側コイルユニットである送電部161と、ハブ132に設けられた二次側コイルユニットである受電部162とを含み構成されるワイヤレス(非接触)給電ユニットである。給電ユニット16は、電磁結合方式や磁界共鳴方式であっても良いし、電界結合方式や電界共振方式であっても良く、給電ユニット16には、電磁波やレーザ等を用いてワイヤレスで電気エネルギーを供給できるものを用いることができる。或いは、給電ユニット16は、非接触方式に代え、摺動電極を用いた給電ユニットであっても良い。
【0051】
本開示では、回転体13に設けられた制御ユニット15は、基体11側から給電ユニット16を介して電力の供給を受けるものであるが、これに限られない。例えば、制御ユニット15及びLEDドライバ151は、基体11の一部に設けられても良い。このような構成では、LEDドライバ151が出力する駆動信号が、給電ユニット16を介して、複数の紫外線発光素子14に供給される。或いは、制御ユニット15が基体11の一部に設けられる一方で、LEDドライバ151が回転体13の一部に設けられても良い。このような構成では、制御ユニット15が出力するLEDドライバ151を制御するための制御信号が、給電ユニット16を介して、LEDドライバ151に伝送される。
【0052】
或いは、給電ユニット16は、回転体13の回転により制御ユニット15が必要とする電力を発電する発電ユニットであっても良い。すなわち、送風装置20によって生成された空気流は、複数の回転羽根133を回転させ、これにより、給電ユニット16は、回転体13に設けられた二次側コイルに誘導起電力による電流が流れる。給電ユニット16は、誘導起電力による電流を整波して、制御ユニット15に供給し、これにより、制御ユニット15は、LEDドライバ151を制御して、駆動信号を出力する。
【0053】
図6は、本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置の電気回路構成の一例を説明するためのブロックダイアグラムである。同図に示すように、制御ユニット15は、給電ユニット16を介して、電源ユニット17からの電力の供給を受け、LEDドライバ151を制御する。LEDドライバ151は、制御ユニット15の制御の下、複数の紫外線発光素子14のそれぞれに対する駆動信号(PWM信号)を生成し、出力する。
【0054】
本開示では、制御ユニット15は、複数の回転羽根133の面上に放射方向に沿って配置された複数の紫外線発光素子14のうち、回転羽根133’の遠位にある紫外線発光素子14cの照射量がその近位にある紫外線発光素子14の照射量よりも大きくなるように、駆動信号のデューティ比を調整する。例えば、制御ユニット15は、
図7に示すように、遠位にある紫外線発光素子14cに対する駆動信号のデューティ比の方が近位にある紫外線発光素子14aに対する駆動信号のデューティ比よりも大きくなるように、LEDドライバ151を制御する。これにより、フィルタ12の外縁部に対する紫外線の単位時間当たりの照射量はその中心部に比較して多くなるので、ウィルス等を不活化するために必要な紫外線の有効照射量がフィルタ12全体に亘って確保され、フィルタ12全体への紫外線の効率的な照射が実現される。
【0055】
以上のように構成された送風システム1では、送風装置20によって生成された空気流は、紫外線照射装置10の空気流入口111に流入し、複数の回転羽根133がこれを受けて回転体13を回転させる。これにより、所定の電力が生成(発電)され、紫外線発光素子14に供給され、紫外線発光素子14は、回転羽根133の回転と共に、フィルタ全体を照射する。
【0056】
以上のように、本実施形態によれば、回転羽根に取り付けられた紫外線発光素子が回転羽根の回転によってフィルタ全面を隈なく紫外線を照射することができるようになる。とりわけ、本実施形態によれば、紫外線発光素子は回転軸131を中心に回転することから、フィルタ全面に亘ってアレイ状に配置する必要がなく、部品点数を削減することができ、更に、これにより、省電力化を図ることができる。また、回転羽根は、他の送風装置による風力を受けて回転するため、モータを必要とせず、これにより、一層の軽量化及び/又は省電力化を図ることができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、紫外線照射装置それ単体で持ち運びが可能であり、既存の送風装置に装着することにより、ウィルス不活化機能を備えた送風装置を簡易に実現することができる。
【0058】
[第2の実施形態]
図8は、本発明の他の実施形態に係る送風システムの一例を説明するための部分側断面図である。同図に示すように、本例の送風システム1は、紫外線照射装置10と送風装置20とが1つの基体11内に一体的に設けられている。第1の回転体81は、図示しない電源から供給される電力に基づいて回転駆動する電動モータに連結され、電動モータの回転によって所定の風速及び風量の空気流を生成する。第2の回転体82は、上述した回転体13に対応し、複数の紫外線発光素子14が設けられた複数の回転羽根133を含む。上述したように、第2の回転体82は、第1の回転体13により生成される風力を受けて回転すると共に。給電ユニット16を介して、電力の供給を受ける。これにより、複数の紫外線発光素子14から出射される紫外線は、第2の回転体82の回転に伴い、フィルタ12全体を照射するので、少ない数の紫外線発光素子14でフィルタ12全体を効率的に照射することができる。
【0059】
以上のように、本実施形態によれば、上記の実施形態と同様の利点及び/又は作用効果を奏し得る。とりわけ、本実施形態によれば、紫外線照射装置10と送風装置20とは1つの基体11内に一体的に設けられているため、電源を共用する構成にすることができると共に、送風システム1の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0060】
[第3の実施形態]
図9は、本発明の他の実施形態に係る送風システムの一例を説明するための部分側断面図である。本例の送風システム1は、その全体が空気清浄機として構成される。すなわち、送風装置20は、空気清浄機本体として構成され、紫外線照射装置10は、空気清浄機本体に着脱交換可能な空気清浄フィルタとして構成される。
【0061】
送風装置20は、例えばその上面に清浄化された空気の吹き出し口が形成され、紫外線照射装置10は、送風装置20の吹き出し口に適合可能なように構成されている。送風装置20の吹き出し口の略中央部には、紫外線照射装置10の着装時に、紫外線照射装置10の受電部162に近接するように、送電部161が設けられる。
【0062】
同図に示すように、紫外線照射装置10は、空気流入口111及び空気排出口112に、それぞれ、上流フィルタ12a及び下流フィルタ12bが設けられており、これによって、外見的には、空気清浄機に適合された着脱交換可能な空気清浄フィルタとして認識される一方、その内部に、紫外線発光素子14を備えた回転体13が設けられている。
【0063】
回転体13のハブ132には、着装時に、送風装置%%の送電部161に近接するように、送電部161が設けられる。これにより、紫外線照射装置10は、送風装置20から必要な電力及び/又は信号の供給を受けることができる。また、紫外線発光素子14は、空気流入口111及び空気排出口112のそれぞれに設けられた上流フィルタ12a及び下流フィルタ12bに対して紫外線を照射し得るように、回転羽根133の両面(すなわち、第1面及びその反対側の第2面)に設けられている。一例として、上流フィルタ12aは、光触媒フィルタを含み、これに対向して設けられる紫外線発光素子14は、UVB-LEDであり得る。また、下流フィルタ12bは、HEPAフィルタを含み、これに対向して設けられる紫外線発光素子14は、UVC-LEDであり得る。他の例として、上流フィルタ12aは、HEPAフィルタを含み、これに対向して設けられる紫外線発光素子14は、UVC-LEDであり得る。また、下流フィルタ12bは、光触媒フィルタを含み、これに対向して設けられる紫外線発光素子14は、UVB-LEDであり得る。後者の構成の場合、人体に特に有害なUVCが装置内部に向けて照射されるため、外部への漏洩を効果的に防止することができる。
【0064】
なお、本開示では、送風システム1は、空気清浄機本体としての送風装置20の上面に空気吹き出し口が形成され、該空気吹き出し口に紫外線照射装置10を装着する構成であったが、これに限られない。例えば、紫外線照射装置10が装着される空気吹き出し口は、側面や背面、底面に設けられても良い。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、上記の実施形態と同様の利点及び/又は作用効果を奏し得る。とりわけ、本実施形態によれば、紫外線照射装置10は、空気清浄機の着脱交換可能な空気清浄フィルタとして構成されるので、既存の空気清浄フィルタに適合するように製造された空気清浄機本体に給電ユニット16の送電部161を設けるといった簡易な変更をするだけで、紫外線照射機構を有する空気清浄機を実現することができる。
【0066】
[第4の実施形態]
図10は、本発明の他の実施形態に係る送風システムの一例を説明するための部分側断面図である。本例は、送風システム1が、紫外線が外部へ漏れ出ることを防止する保護カバー40を含み構成される。
図10(a)に示す例では、下部に開口部41が形成された保護カバー40が紫外線照射装置10と送風装置20とを覆うように設けられている。紫外線照射装置10によりウィルス等が不活化された空気は、保護カバー40の開口部41から外部に拡散される。
【0067】
また、同図(b)及び(c)に示す例では、保護カバー40は、紫外線照射装置10が上向き又は下向きに設けられる構成に適合される。すなわち、保護カバー40の側部に、開口部41a及び41bが設けられる。また、保護カバー40は、例えばシール部材42を備える。シール部材42は、例えば、送風装置20の筐体の外周に適合し、送風装置20の空気取入口(図示せず)側と紫外線照射装置10の空気排出口112側とを分離する。
【0068】
以上のように、本実施形態によれば、送風システム1は保護カバー40を備えることにより、紫外線発光素子14から出射された紫外線の外部への漏洩をより確実に防止することができる。
【0069】
[第5の実施形態]
紫外線照射装置10は、回転体13の回転速度を計測する速度センサを更に備え得る。制御ユニット15は、速度センサにより検出された回転体の速度に応じて、紫外線発光素子14に対する駆動信号の電流値及び/又はデューティ比を調整するように、LEDドライバ151を制御しても良い。これにより、フィルタ12に捕集されたウィルス等を不活化するために必要な紫外線の有効照射量が風量に応じて調節され、消費電力の低減を図ることができる。
【0070】
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0071】
例えば、本明細書に開示される方法においては、その結果に矛盾が生じない限り、ステップ、動作又は機能を並行して又は異なる順に実施しても良い。説明されたステップ、動作及び機能は、単なる例として提供されており、ステップ、動作及び機能のうちのいくつかは、発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略でき、また、互いに結合させることで一つのものとしてもよく、また、他のステップ、動作又は機能を追加してもよい。
【0072】
また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定のフィーチャ(技術的事項)を、適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定のフィーチャと置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
【0073】
例えば、本開示の紫外線照射装置は、空気清浄機、エアコン、換気扇、シーリングファン、掃除機、各種の乾燥機等に適用可能である。また、紫外線照射装置単体を、例えば、風通しの良い場所に置くことによって、自然風を回転体の動力として用いても良い。
【符号の説明】
【0074】
1…送風システム
10…紫外線照射装置
11…基体
111…空気流入口
112…空気排出口
113…風洞部
114…アーム
115…軸受部
12…フィルタ
13…回転体
131…回転軸
132…ハブ
133,133’…回転羽根
14,14a,14b,14c…紫外線発光素子
15…制御ユニット
151…LEDドライバ
16…給電ユニット
161…送電部
162…受電部
17…電源ユニット
20…送風装置
30…コントローラ
40…保護カバー