(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】イメージセンサー
(51)【国際特許分類】
H04N 5/359 20110101AFI20221007BHJP
H04N 5/378 20110101ALI20221007BHJP
H04N 5/374 20110101ALI20221007BHJP
【FI】
H04N5/359 800
H04N5/378
H04N5/374
(21)【出願番号】P 2018005780
(22)【出願日】2018-01-17
【審査請求日】2020-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2017-0008770
(32)【優先日】2017-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0179262
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】高 柱 ▲ひょん▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ちょう▼ 圭 ▲益▼
(72)【発明者】
【氏名】鄭 珍 榮
(72)【発明者】
【氏名】韓 棟 在
(72)【発明者】
【氏名】洪 碩 勇
【審査官】梅本 章子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-111533(JP,A)
【文献】特開2010-068049(JP,A)
【文献】特開2010-011246(JP,A)
【文献】特開2011-029838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222- 5/257
H04N 5/30 - 5/378
H01L 21/339
H01L 27/14 -27/148
H01L 27/30
H01L 29/762
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2ピクセルを含むピクセルアレイであって、前記第1および第2ピクセルは、同じ伝送ゲート信号を受信してそれぞれ第1および第2シグナル電圧を出力するピクセルアレイと、
第1および第2電圧の供給を受け、前記伝送ゲート信号を生成する伝送ゲートドライバーであって、前記伝送ゲート信号の最大電圧は前記第1電圧であり、前記伝送ゲート信号の最小電圧は前記第2電圧である伝送ゲートドライバーと、
前記第2電圧の変化を感知し、前記第2電圧の変化を利用して補償電圧を生成して補償動作を行う補償部と、
を含み、前記補償部は、前記第2電圧
の変化を反転又は非反転して補償電圧を生成することを特徴とするイメージセンサー。
【請求項2】
ランプ電圧を生成するランプ電圧生成部をさらに含み、
前記補償動作は、前記補償電圧を利用して前記ランプ電圧または前記第1および第2シグナル電圧を補償することを含む、請求項1に記載のイメージセンサー。
【請求項3】
前記補償部は、前記第1および第2シグナル電圧にそれぞれ前記補償電圧を加算する、請求項2に記載のイメージセンサー。
【請求項4】
前記補償部は、前記ランプ電圧にそれぞれ前記補償電圧を加算する、請求項2又は3に記載のイメージセンサー。
【請求項5】
前記第1および第2シグナル電圧と前記ランプ電圧をそれぞれ比較して第1および第2比較信号を出力する比較部をさらに含む、請求項2ないし4のうち何れか一項に記載のイメージセンサー。
【請求項6】
前記第1比較信号は、前記第1シグナル電圧と前記ランプ電圧のサイズ比較に対応するデジタル値であり、
前記第2比較信号は、前記第2シグナル電圧と前記ランプ電圧のサイズ比較に対応するデジタル値である、請求項5に記載のイメージセンサー。
【請求項7】
前記第1および第2比較信号をそれぞれカウントして第1および第2デジタルコードを出力するカウンターをさらに含む、請求項6に記載のイメージセンサー。
【請求項8】
前記第1および第2デジタルコードは、前記第1および第2ピクセルに印加される光の照度情報を含むデジタル信号である、請求項7に記載のイメージセンサー。
【請求項9】
前記第1デジタルコードは最大値を有し、前記第2デジタルコードは最大値を有しない、請求項7に記載のイメージセンサー。
【請求項10】
同じ行に位置する第1および第2ピクセルを含むピクセルアレイであって、前記第1および第2ピクセルは、それぞれ第1および第2シグナル電圧を出力するピクセルアレイと、
前記ピクセルアレイと連結されて、前記第1および第2シグナル電圧を誘導するバイアス回路と、
第1および第2電圧を利用して伝送ゲート信号を生成し、前記伝送ゲート信号を前記第1および第2ピクセルに供給する伝送ゲートドライバーであって、前記伝送ゲート信号の最大電圧は前記第1電圧であり、前記伝送ゲート信号の最小電圧は前記第2電圧である伝送ゲートドライバーと、
ランプ電圧を生成するランプ電圧生成部と、
前記第2電圧の変動によって補償電圧を生成して補償動作を行う補償部と、
前記ランプ電圧と前記第1シグナル電圧を利用して第1デジタルコードを生成し、前記ランプ電圧と前記第2シグナル電圧を利用して第2デジタルコード生成する出力部と、を含み、
前記補償部は、前記第2電圧
の変動を反転又は非反転して補償電圧を生成することを特徴とする、イメージセンサー。
【請求項11】
前記補償部は、前記バイアス回路および前記ランプ電圧生成部のうちいずれか一つと連結されて、前記第1および第2シグナル電圧または前記ランプ電圧に前記補償電圧を加算する、請求項10に記載のイメージセンサー。
【請求項12】
前記バイアス回路は、サンプリング回路を含む、請求項11に記載のイメージセンサー。
【請求項13】
前記出力部は、前記第1および第2シグナル電圧と前記ランプ電圧を比較して、それぞれ第1および第2比較信号を出力する比較部と、
前記第1および第2比較信号をカウントするカウンターを含む、請求項11又は12に記載のイメージセンサー。
【請求項14】
入射光を吸収して電荷を蓄積する光電素子と、
伝送ゲート信号により前記電荷をフローティング拡散領域に伝送する伝送トランジスタと、
前記フローティング拡散領域の電圧をシグナル電圧として出力するソースフォロワーと、
前記伝送ゲート信号を前記伝送トランジスタに印加する伝送ゲートドライバーと、
前記伝送ゲート信号の変動を感知して補償電圧を生成し、前記補償電圧を利用して補償動作を行う補償部と、
ランプ電圧と前記シグナル電圧を比較して、デジタルコードを出力する出力部と、を含み、
前記補償部は、前記伝送ゲート信号の変動を反転又は非反転させて前記補償電圧を生成し、前記補償電圧を前記シグナル電圧に加算する、イメージセンサー。
【請求項15】
前記補償部は、ランプ電圧と前記シグナル電圧のうちいずれか一つを補償する、請求項14に記載のイメージセンサー。
【請求項16】
前記補償部は、前記伝送ゲート信号の変動を感知し、感知した変動をスケーリングすることにより前記補償電圧を生成する、請求項15に記載のイメージセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置のうちイメージセンサー(image sensor)は、光学映像を電気信号に変換させる素子である。イメージセンサーは、CCD(Charge coupled device)型およびCMOS(Complementary metal oxide semiconductor)型に分類され得る。CMOS型イメージセンサーは、CIS(CMOS image sensor)と略称される。CISは、2次元的に配列された複数の画素を具備する。画素のそれぞれは、フォトダイオード(photodiode、PD)を含む。フォトダイオードは、入射する光を電気信号に変換する役割をする。
【0003】
最近、コンピュータ産業と通信産業の発達に伴い、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PCS(Personal Communication System)、ゲーム機器、警備用カメラ、医療用マイクロカメラ、ロボットなど多様な分野において性能が向上したイメージセンサーの需要が増大している。また、半導体装置が高集積化されるに伴い、イメージセンサーも高集積化されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、バンドノイズ(band noise)現象を除去して動作特性を向上させたイメージセンサーを提供することにある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及されていない他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、第1および第2ピクセルを含むピクセルアレイであって、前記第1および第2ピクセルは、同じ伝送ゲート信号を受信してそれぞれ第1および第2シグナル電圧を出力するピクセルアレイと、第1および第2電圧を供給され、前記伝送ゲート信号を生成する伝送ゲートドライバーであって、前記伝送ゲート信号の最大電圧は前記第1電圧であり、前記伝送ゲート信号の最小電圧は前記第2電圧である伝送ゲートドライバーと、前記第2電圧の変化を感知し、前記第2電圧の変化を利用して補償電圧を生成して補償動作を行う補償部とを含む。
【0007】
前記他の課題を解決するための本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、同じ行に位置する第1および第2ピクセルを含むピクセルアレイであって、前記第1および第2ピクセルは、それぞれ第1および第2シグナル電圧を出力するピクセルアレイと、前記ピクセルアレイと連結されて、前記第1および第2シグナル電圧を誘導するバイアス回路と、第1および第2電圧を利用して伝送ゲート信号を生成し、前記伝送ゲート信号を前記第1および第2ピクセルに供給する伝送ゲートドライバーであって、前記伝送ゲート信号の最大電圧は前記第1電圧であり、前記伝送ゲート信号の最小電圧は前記第2電圧である伝送ゲートドライバーと、ランプ電圧を生成するランプ電圧生成部と、前記第2電圧の変動によって補償電圧を生成して補償動作を行う補償部と、前記ランプ電圧と前記第1シグナル電圧を利用して第1デジタルコード生成し、前記ランプ電圧と前記第2シグナル電圧を利用して第1デジタルコード生成する出力部とを含む。
【0008】
前記課題を解決するための本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、入射光を吸収して電荷を蓄積する光電素子と、伝送ゲート信号により前記電荷をフローティング拡散領域に伝送する伝送トランジスタと、前記フローティング拡散領域の電圧をシグナル電圧として出力するソースフォロワーと、前記伝送ゲート信号を前記伝送トランジスタに印加する伝送ゲートドライバーと、前記伝送ゲート信号の変動を感知して補償電圧を生成し、前記補償電圧を利用して補償動作を行う補償部と、前記ランプ電圧と前記シグナル電圧を比較してデジタルコードを出力する出力部とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーのブロック図である。
【
図3】イメージセンサーのバンドノイズ現象を説明するためのピクセルアレイの平面図である。
【
図4】
図3のピクセルアレイの内部構造を説明するための等価回路図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分概念図である。
【
図7】
図5の反転増幅器を詳細に説明するための等価回路図である。
【
図8】
図5および
図7のイメージセンサーの動作を説明するためのタイムダイヤグラムである。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図である。
【
図10】
図9のサンプリング回路を細部的に説明するための等価回路図である。
【
図11】
図9のサンプリング回路を細部的に説明するための等価回路図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図である。
【
図13】
図12のランプ電圧生成部と補償部を説明するための部分等価回路図である。
【
図14】
図12のランプ電圧生成部と補償部を説明するための部分等価回路図である。
【
図15】
図12のランプ電圧生成部と補償部を説明するための部分等価回路図である。
【
図16】本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図である。
【
図17】本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一般的に、本明細書内で使用される同じ参照符号は、異なる図面においても同じ構成要素を意味し得る。ただし、本明細書内に使用される第1~第4PMOS、第1および第2NMOS、第1および第2バイアスNMOSおよび第1~第4バイアスPMOSに関する参照符号は、それぞれの図面で記載された構成要素と対応し得、異なる図面において同じ構成要素を意味しないことがある。
【0011】
以下、
図1~
図8を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーについて説明する。
【0012】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーのブロック図であり、
図2は、
図1のピクセルアレイの等価回路図である。
図3は、イメージセンサーのバンドノイズ現象を説明するためのピクセルアレイの平面図であり、
図4は、
図3のピクセルアレイの内部構造を説明するための等価回路図である。
図5は、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図であり、
図6は、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分概念図である。
図7は、
図5の反転増幅器を細部的に説明するための等価回路図であり、
図8は、
図5および
図7のイメージセンサーの動作を説明するためのタイムダイヤグラムである。
【0013】
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、光電素子を含むピクセルが2次元的に配列されてなるピクセルアレイ10、タイミング発生器(timing generator)20、行デコーダー(row decoder)30、行ドライバー(row driver)40、補償部1000、出力部50、ラッチ部(latch)70、および列デコーダー(column decoder)80などを含む。
【0014】
ピクセルアレイ10は、2次元的に配列された多数の単位ピクセルを含む。多数の単位ピクセルは、光学映像を電気的な出力信号に変換する役割をする。ピクセルアレイ10は、行ドライバー40から行選択信号、リセット信号、電荷伝送信号など多数の駆動信号を受信して駆動される。また、変換された電気的な出力信号は、垂直信号ラインを介して出力部50に提供される。
【0015】
タイミング発生器20は、行デコーダー30および列デコーダー80にタイミング信号および制御信号を提供する。
【0016】
行ドライバー40は、行デコーダー30でデコードされた結果によって多数の単位ピクセルを駆動するための多数の駆動信号をピクセルアレイ10に提供する。一般的に行列形態で単位ピクセルが配列された場合には、各行別に駆動信号を提供する。
【0017】
第1補償部1000は、バンドノイズの発生を防止するために補償動作を行うことができる。具体的に、第1補償部1000は、ピクセルアレイ10の出力信号を補償し得る。第1補償部1000は、補償電圧を生成してこれを出力信号に加算したりランプ信号に減算して、バンドノイズの発生を遮断し得る。これについては、後に詳述する。
【0018】
出力部50は、ピクセルアレイ10および第1補償部1000を経て形成された出力信号を垂直信号ラインを介して受信してサンプリングおよび維持(hold)する。具体的に、特定のノイズレベルと、前記出力信号によるノイズレベルが含まれた信号レベルを二重でサンプリングして、ノイズレベルとノイズレベルが含まれた信号レベルとの差異に該当する純粋信号レベルを出力する。出力部50は、差異レベルに該当するアナログ信号をデジタルコード信号に変換して出力する。前記コード信号は、各ピクセルに印加された光の明るさに対応する信号であり得る。
【0019】
ラッチ部70は、前記デジタルコード信号をラッチ(latch)し、ラッチされた信号は、コラムデコーダー80でデコードされた結果によって順次に映像信号処理部に出力される。
【0020】
図2を参照すると、ピクセルPが行列形態で配列されてセンサーアレイ10を構成する。各ピクセルPは、光電素子PD、フローティング拡散領域FD、電荷伝送トランジスタTX、ドライブトランジスタDX、リセットトランジスタRX、および選択トランジスタSXを含む。これらの機能については、i行ピクセルP(i、j)、P(i、j+1)、P(i、j+2)、P(i、j+3)、……を例に取って説明する。
【0021】
光電素子PDは、入射光を吸収して光量に対応する電荷を蓄積する。光電素子PDとしてフォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトゲート、ピン型(pinned)フォトダイオードまたはこれらの組合せが適用され得、図面には、フォトダイオードが例示されている。
【0022】
各光電素子PDは、蓄積された電荷をフローティング拡散領域FDに伝送する各電荷伝送トランジスタTXとカップリングされる。フローティング拡散領域(Floating Diffusion region)FDは、寄生キャパシタンスを有しているので、電荷が累積的に貯蔵される。
【0023】
ソースフォロワーとして例示されているドライブトランジスタDXは、各光電素子PDに蓄積された電荷の伝達を受けたフローティング拡散領域FDの電気的ポテンシャルの変化を電圧に切り替えて、これを出力ラインVp(j)、Vp(j+1)、Vp(j+2)、Vp(j+3)に出力する。
【0024】
リセットトランジスタRXは、フローティング拡散領域FDを周期的にリセットさせる。リセットトランジスタRXは、所定のバイアス(すなわちリセット信号)を印加するリセットラインRG(i)により提供されるバイアスによって駆動される1個のMOSトランジスタよりなり得る。リセットラインRG(i)により提供されるバイアスによってリセットトランジスタRXがターンオンされると、リセットトランジスタRXのドレーンに提供される所定の電気的ポテンシャル、例えば電源電圧VDDがフローティング拡散領域FDに伝達される。
【0025】
選択トランジスタSXは、行単位で読み出すピクセルPを選択する役割をする。選択トランジスタSXは、行選択ラインSEL(i)により提供されるバイアス(すなわち行選択信号)により駆動される1個のMOSトランジスタよりなり得る。行選択ラインSEL(i)により提供されるバイアスによって選択トランジスタSXがターンオンされると、選択トランジスタSXのドレーンに提供される所定の電気的ポテンシャル、例えば電源電圧VDDがドライブトランジスタDXのドレーン領域に伝達される。
【0026】
電荷伝送トランジスタTXにバイアスを印加する伝送ラインTG(i)、リセットトランジスタRXにバイアスを印加するリセットラインRG(i)、選択トランジスタSXにバイアスを印加する行選択ラインSEL(i)は、行方向に実質的に互いに平行に延長して配列され得る。
【0027】
図3および
図4を参照して、イメージセンサーにバンドノイズ現象を説明する。イメージセンサーのピクセルアレイ10は、一つの行が同じ伝送ラインTG(i)を共有するので、バンドノイズが発生し得る。これを
図3および
図4のピクセルP(i、j)、P(i、j+1)、P(i、j+2)、P(i、j+3)を用いて説明する。ピクセルP(i、j)、P(i、j+1)、P(i、j+2)、P(i、j+3)は、全部i番目行に位置するピクセルである。
【0028】
具体的に、ピクセルP(i、j)、P(i、j+1)は、暗い光が印加され、ピクセルP(i、j+2)、P(i、j+3)は、明るい光WLが印加され得る。明るい光WLは、イメージセンサーがセンシングして出力する信号において最も明るい単位の照度を有し得る。すなわちイメージセンサーは、特定の照度以上の光を最大単位で飽和させて出力し、ピクセルP(i、j+2)、P(i、j+3)に印加される明るい光WLは、イメージセンサーにより最大単位で飽和されるほどの照度を有する光であり得る。
【0029】
基本的に、ピクセルアレイ10の各ピクセルP(i、j)、P(i、j+1)、P(i、j+2)、P(i、j+3)は、それぞれのピクセルの特性がすべて同一でないので、リセット電圧を出力しつつ伝送ラインTG(i)のゲート信号がオン(On)されると、シグナル電圧Vp(j)、Vp(j+1)、Vp(j+2)、Vp(j+3)を出力し得る。これは、それぞれのピクセルによるノイズを除去する相関二重サンプリング(correlation double sampling、CDS)を行うためである。
【0030】
この際、シグナル電圧Vp(j)、Vp(j+1)、Vp(j+2)、Vp(j+3)は、明るい光が印加されるほど光電素子PDで蓄積された電荷が多いため、リセット電圧においてさらに大幅に低下し得る。したがって、明るい光WLが印加されるピクセルP(i、j+2)、P(i、j+3)のシグナル電圧Vp(j+2)、Vp(j+3)は、相対的に大きい第1間隔d1分たげの電圧降下が起こり得る。
【0031】
この際、明るい光WLが印加されるピクセルP(i、j+2)、P(i、j+3)の出力端と伝送ラインTG(i)との間には、第1寄生キャパシタンスCp1が存在し得、フローティング拡散領域FDと伝送ラインTG(i)との間には、第2寄生キャパシタンスCp2が存在し得る。これにより、出力端およびフローティング拡散領域FDの電圧降下が大きく起こると、伝送ラインTG(i)の電圧もさらに低くなる現象が現れることができる。
【0032】
伝送ラインTG(i)の電圧が低くなるに伴って、暗い光が印加されるピクセルP(i、j)、P(i、j+1)のシグナル電圧Vp(j)、Vp(j+1)がさらに低くなる形状が現れ、これにより、
図3のように帯(band)形状で暗い領域が少し明るくなるバンドノイズ現象が発生し得る。
【0033】
図5および
図6を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、回路的観点から見たとき、ピクセルアレイ10、伝送ゲートドライバー42、バイアス回路200、第1補償部1000、ランプ電圧生成部300および出力部50を含むことができる。
【0034】
図5を参照すると、ピクセルアレイ10は、前述したように、様々なピクセルが行と列で整列されてアレイを成していてもよい。ピクセルアレイ10は、暗い光が印加されるダークピクセルP_darkと明るい光が印加されるブライトピクセルP_brightとを含むことができる。この際、ダークピクセルP_darkとブライトピクセルP_brightは、ピクセルアレイ10の同じ行に位置し得る。便宜上、前述したバンドノイズが発生するほどの明るい光がブライトピクセルP_brightに印加されるものと仮定する。
【0035】
ダークピクセルP_darkは、ダークシグナル電圧Vp_darkを出力し、ブライトピクセルP_brightは、ブライトシグナル電圧Vp_brightを出力し得る。
【0036】
行ドライバー40は、伝送ゲートドライバー42を含むことができる。伝送ゲートドライバー42は、伝送ゲート信号TGを生成し得る。伝送ゲート信号TGは、
図2および
図4の伝送ラインTG(i)に印加される信号と同じ信号である。
【0037】
伝送ゲートドライバー42は、伝送ゲート信号TGを第1電圧Vptgと第2電圧Vntgを利用して生成し得る。すなわち伝送ゲート信号TGの最大値は第1電圧Vptgになり、伝送ゲート信号TGの最小値は第2電圧Vntgになり得る。
【0038】
第1補償部1000の補償がない場合、ブライトピクセルP_brightの出力電圧である第1ブライトシグナル電圧Vp_bright1は、前記明るい光により第1間隔d1分だけの電圧降下が起こり得る。これにより、第2電圧Vntgが多少低くなり得る。この際、第2電圧Vntgは、第2間隔d2分だけ低くなり得る。第2間隔d2は、第1間隔d1より小さくてもよい。これは、第2間隔d2が第1寄生キャパシタンスCp1および第2寄生キャパシタンスCp2により発生するからである。
【0039】
第1補償部1000の補償がない場合、第2間隔d2が低くなるに伴い、ダークピクセルP_darkの出力電圧である第2ダークシグナル電圧Vp_darkも多少低くなり得る。
【0040】
バイアス回路200は、ピクセルアレイ10の各ピクセルの出力電圧を誘導し得る。すなわち、ピクセルアレイ10の各ピクセルの出力端は、ソースフォロワーで構成され得る。これにより、バイアス回路200がソースフォロワー構成を完成して、各ピクセルの出力を誘導し得る。
【0041】
バイアス回路200は、第1PMOSP1、電流ソースIおよびVDD電圧を通じてバイアス電流を形成し、第1バイアスPMOSMP1、第1バイアスNMOSMN1、第2バイアスNMOSMN2および第1NMOSN1で構成されたミラー回路を用いてバイアス電流をミラーリングすることができる。ここで、ミラーリングとは、一端に流れる電流を同じサイズまたはスケーリングしたサイズで他端に流すことを意味する。前記スケーリングのサイズは、各PMOSおよび、NMOS素子の電流電圧特性によって決定され得る。
【0042】
図5に示されたバイアス回路200は、一つの例示に過ぎず、本実施形態がこれに限定されるものではない。すなわち本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーでは、他の構成を有するバイアス回路200が採用されてもよい。
【0043】
第1補償部1000は、第2電圧Vntgの変動を感知し得る。すなわち前述したバンドノイズ現象による第2電圧Vntgの電圧降下を感知し得る。第1補償部1000は、第2電圧Vntgの変動を反転(inverting)させることができる。第1補償部1000は、第2電圧Vntgの変動を反転させて第1補償電圧Vcomp1を生成し得る。この際、第1補償電圧Vcomp1のサイズは、第2電圧Vntgの変動のサイズがスケーリングされたものであり得る。
【0044】
第1補償電圧Vcomp1は、バイアス回路200に伝達され得る。具体的に、バイアス回路200の第1バイアスPMOSMP1のゲート端子に伝送され得る。
【0045】
第1補償部1000は、バイアス回路200のミラーリング回路部分を含むことができる。第1補償部1000は、第1補償電圧Vcomp1がスケーリングされた補償電圧Vcompを伝達して、ダークシグナル電圧Vp_darkおよびブライトシグナル電圧Vp_brightと加算され得る。
【0046】
具体的に、第1補償電圧Vcomp1は、第1バイアスPMOSMP1および第1バイアスNMOSMN1を経て第2補償電圧Vcomp2にスケーリングされ、第2補償電圧Vcomp2は、第2バイアスNMOSMN2および第1NMOSN1をそれぞれ経てそれぞれ補償電圧Vcompにスケーリングされ得る。
【0047】
図5および
図6を参照すると、ダークピクセルP_darkおよびブライトピクセルP_brightは、それぞれ第1ダークシグナル電圧Vp_dark1と第1ブライトシグナル電圧Vp_bright1を出力し得る。第1補償部1000は、第1補償電圧Vcomp1を生成し、第1補償電圧Vcomp1がスケーリングされた補償電圧Vcompを第1ダークシグナル電圧Vp_dark1と第1ブライトシグナル電圧Vp_bright1にそれぞれ加算し得る。これにより、ダークピクセルP_darkの最終出力電圧は、ダークシグナル電圧Vp_darkになり、ブライトピクセルP_brightの最終出力電圧は、ブライトシグナル電圧Vp_brightになり得る。
【0048】
第1ダークシグナル電圧Vp_dark1の場合、バンドノイズ現象によって意図しない電圧降下が発生したが、補償電圧Vcompが加えられることにより、このような電圧降下が相殺され得る。これにより、ダークピクセルP_darkのバンドノイズ現象が防止され得る。
【0049】
一方、第1ブライトシグナル電圧Vp_bright1の場合、第1間隔d1分だけの電圧降下が補償電圧Vcompにより第3間隔d3に減少し得る。すなわちブライトシグナル電圧Vp_brightの電圧降下は、第3間隔d3分だけ行われ得る。この際、第3間隔d3は、当然に第1間隔d1より小さくてもよい。第3間隔d3は、第1間隔d1から補償電圧Vcompの電圧上昇分だけを引いた間隔であり得る。
【0050】
ただし、第1ブライトシグナル電圧Vp_bright1およびブライトシグナル電圧Vp_brightは、後に説明される第2デジタルコードcode2に変換される場合、全部最大値を有し得る。すなわちバンドノイズを発生させるほどの高い照度を有する光は、既に飽和した出力を有するので、補償電圧Vcompが加算されても、その結果が変わらないか、または、ほとんど影響を受けられない。したがって、本実施形態に係るイメージセンサーは、ブライトピクセルP_brightの結果値が変わることなく、ダークピクセルP_darkのバンドノイズを解消し得る。
【0051】
ランプ電圧生成部300は、ランプ電圧Vrampを生成し得る。ランプ電圧Vrampは、アナログ信号をデジタル信号に変換するための信号であり、三角波の形態を有し得る。
【0052】
出力部50は、比較部400とカウンター500を含むことができる。
【0053】
比較部400は、第1比較器410および第2比較器420を含むことができる。
図6には、2個の比較器のみを示したが、比較部400は、ピクセルアレイ10の列(column)の個数分だけの比較器を含むことができる。すなわちピクセルアレイ10の列によって出力されるシグナル電圧とランプ電圧の比較が比較部400により行われ得る。
【0054】
第1比較器410は、ランプ電圧Vrampとダークシグナル電圧Vp_darkを比較して第1比較信号comp1を出力し得る。第1比較信号comp1は、ランプ電圧Vrampとダークシグナル電圧Vp_darkのサイズを比較して出力される2進デジタル信号であり得る。例えば、ランプ電圧Vrampがダークシグナル電圧Vp_darkより大きい場合、第1比較信号comp1が「1」が出力され、ランプ電圧Vrampがダークシグナル電圧Vp_darkより小さい場合、第1比較信号comp1が「0」が出力され得る。または、第1比較信号comp1は、これとは反対に出力され得る。
【0055】
第2比較器420は、ランプ電圧Vrampとブライトシグナル電圧Vp_brightを比較して第2比較信号comp2を出力し得る。第2比較信号comp2は、ランプ電圧Vrampとブライトシグナル電圧Vp_brightのサイズを比較して出力される2進デジタル信号であり得る。
【0056】
カウンター500は、第1比較信号comp1および第2比較信号comp2を受信してクロックによってカウントすることができる。すなわちクロックのエッジが数回経過する間に、第1比較信号comp1および第2比較信号comp2が持続したかを測定して、ダークピクセルP_darkおよびブライトピクセルP_brightに印加された入射光の照度情報をデジタル情報で示すことができる。すなわちカウンター500は、第1比較信号comp1をカウントして第1デジタルコードcode1を生成し、第2比較信号comp2をカウントして第2デジタルコードcode2を生成し得る。
【0057】
第1比較信号comp1および第2比較信号comp2が長く持続するほどカウンター500のカウント回数が増加するので、第1デジタルコードcode1および第2デジタルコードcode2が大きい値を有し得る。すなわち第1比較信号comp1および第2比較信号comp2の長さは、ダークシグナル電圧Vp_darkとブライトシグナル電圧Vp_brightのサイズに比例する。ダークシグナル電圧Vp_darkとブライトシグナル電圧Vp_brightのサイズは、各ピクセルに印加された光の照度と対応し得る。結果的に、第1デジタルコードcode1および第2デジタルコードcode2は、各ピクセルに印加された光の照度情報を示すことができる。
【0058】
図7を参照すると、第1補償部1000は、反転増幅器を含むことができる。すなわち第1補償部1000は、演算増幅器110の+端子に基準電圧Vrefが印加され、-端子に第1可変キャパシタC1および第2電圧Vntgが連結される回路であり得る。演算増幅器110の-端子は、補償出力電圧Vsc_out端子と第2可変キャパシタC2を介して連結され、第2スイッチS2が第2可変キャパシタC2に並列に形成され得る。
【0059】
図5および
図7を参照すると、補償出力電圧Vsc_outと第1バイアスPMOSMP1のゲート端子Vbpとの間に第3キャパシタが形成され得る。
【0060】
バイアス回路200の第1スイッチS1は、第3キャパシタC3と連携して第1スイッチS1の前端のノイズを低減し、補償出力電圧Vsc_outの変化に比例して第1補償電圧Vcomp1が変動するようにする。第1補償部1000の第2スイッチS2は、反転増幅器の初期電圧を設定するのに使用され得る。したがって、第1スイッチS1と第2スイッチS2は、同時に動作して、初期に閉じられた後に続いて開かれ得る。
【0061】
第1補償電圧Vcomp1は、第2電圧Vntgの変動、すなわちΔVntgに反転増幅器の利得である-A、すなわちC1/C2を乗算した値であり得る。ここで、C1は、第1可変キャパシタC1のキャパシタンスであり、C2は、第2可変キャパシタC2のキャパシタンスである。すなわちΔVcomp1=ΔVntg×(-C1/C2)であり得る。
【0062】
第2補償電圧Vcomp2は、第1補償電圧Vcomp1が第1バイアスPMOSMP1および第1バイアスNMOSMN1によりスケーリングされた値であり得る。すなわちΔVcomp2=ΔVcomp1×(-gmp1/gmn1)であり得る。ここで、gmp1は、第1バイアスPMOSMP1のトランスコンダクタンスであり、gmn1は、第1バイアスNMOSMN1のトランスコンダクタンスである。
【0063】
最後に、補償電圧Vcompは、ダークピクセルP_darkでは、第2補償電圧Vcomp2が第2バイアスNMOSMN2およびダークピクセルP_darkの選択トランジスタによりスケーリングされた値であり得る。また、補償電圧Vcompは、ブライトピクセルP_brightでは、第2補償電圧Vcomp2が第1NMOSN1およびブライトピクセルP_brightの選択トランジスタによりスケーリングされた値であり得る。
【0064】
第2バイアスNMOSMN2と第1NMOSN1のトランスコンダクタンスが互いに同一であり、ダークピクセルP_darkおよびブライトピクセルP_brightの選択トランジスタのトランスコンダクタンスが互いに同一であると仮定すると、ダークピクセルP_darkおよびブライトピクセルP_brightに印加される補償電圧Vcompは、同じ電圧であり得る。
【0065】
すなわちΔVcomp=ΔVcomp2×(-gmn2/gmn3)であり得る。ここで、gmn2は、第2バイアスNMOSMN2および第1NMOSN1のトランスコンダクタンスであり、gmn3は、ダークピクセルP_darkおよびブライトピクセルP_brightの選択トランジスタのトランスコンダクタンスである。
【0066】
したがって、ΔVcomp=ΔVntg×(-C1/C2)×(-gmp1/gmn1)×(-gmn2/gmn3)であり得る。ここで、gmp1、gmn1、gmn2およびgmn3は、相対的に調節しにくいパラメーターであるので、可変キャパシタのキャパシタンスであるC1とC2を調節して、補償電圧Vcompのスケーリングを適切に行うことができる。
【0067】
図5、
図7および
図8を参照すると、本発明のいくつかの実施形態のイメージセンサーの動作を説明し得る。まず、ピクセルアレイ10の行を選択する選択信号SELがオンされ、次に、続いて出力されているリセット電圧のためのリセットゲート信号RGが第1時点T1にオフされ得る。また、初期状態の設定および電源電圧のノイズを除去するために閉じられていた第1スイッチS1および第2スイッチS2が第2時点T2に開かれ得る。
【0068】
次に、第3時点T3に伝送ゲート信号TGがオンされ得る。これにより、光電素子PDにあった電荷がフローティング拡散領域FDに伝達され得る。第4時点T4に伝送ゲート信号TGは、オフされ得る。
【0069】
第3時点T3と第4時点T4との間に第2電圧Vntgは、ブライトピクセルP_brightの寄生キャパシタにより電圧降下が起こり得る。
図8では、第4時点T4に第2電圧Vntgの電圧降下を示したが、これに限定されるものではない。第2電圧Vntgの電圧降下は、第3時点T3と第4時点との間にゆっくり進行され得る。
【0070】
第2電圧Vntgの電圧降下により第1補償部1000の補償出力電圧Vsc_outが第2電圧Vntgの変動に反転する電圧、すなわち第1補償電圧Vcomp1値を有し得る。また、これにより、第1バイアスPMOSMP1のゲート電圧であるVbpに第1補償電圧Vcomp1値を有し得る。
【0071】
以後、ピクセルの出力がすべて行われると、さらにピクセルのリセットゲート信号RGが第5時点T5にオンされ得る。
【0072】
本実施形態に係るイメージセンサーは、明るい光が印加されるピクセルと同じ行の他のピクセルに影響をバンドノイズ現象を遮断することができ、これにより、正確なセンシング結果を導き出すことができる。これにより、イメージセンサー全体の動作性能が向上し得る。
【0073】
以下、
図7、
図9~
図11を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーを説明する。前述した説明と重複する説明は、簡明化のため省略する。
【0074】
図9は、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図であり、
図10は、
図9のサンプリング回路を細部的に説明するための等価回路図である。
図11は、
図9のサンプリング回路を細部的に説明するための等価回路図である。
【0075】
図7および
図9を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、第1サンプリング回路210を含むことができる。
【0076】
第1サンプリング回路210は、バイアス回路200の第1スイッチS1と第1バイアスPMOSMP1との間に位置し得る。第1サンプリング回路210は、第1スイッチS1と連携して第1スイッチS1の前端のノイズを低減できる。
【0077】
図10を参照すると、第1サンプリング回路210は、VA電圧と連結された第4可変キャパシタC4を含むことができる。第1サンプリング回路210は、PMOSのゲート電圧をVDDあるいはVSSでマッチングさせて、PSRR(Power Supply Rejection Ratio)特性を調節し得る。
【0078】
ひいては、第1サンプリング回路210の第4可変キャパシタC4は、第1補償部1000の利得を調節するのに使用され得る。
【0079】
すなわちΔVcomp1=ΔVntg×(-1)×C1/C2×C3/(C3+C4)であり得る。
【0080】
ここで、C3は、第3キャパシタC3のキャパシタンスであり、C4は、第4可変キャパシタC4のキャパシタンスであり得る。
【0081】
最終的に、ΔVcomp=ΔVntg×(-1)×C1/C2×C3/(C3+C4)×(-gmp1/gmn1)×(-gmn2/gmn3)であり得る。
【0082】
本実施形態で、第3キャパシタC3は、固定されたキャパシタンスを有するものと説明されたが、これに限定されるものではない。第3キャパシタC3は、可変キャパシタであってもよく、このような場合、C3は、調節可能なパラメーターになり得る。
【0083】
このような実施形態の場合、C1、C2、C3およびC4が全部調節可能なパラメーターであって、補償電圧Vcompのスケーリングがさらに容易であり得る。また、反転増幅器の場合、ノイズが増幅度に比べて相対的に影響をあまり有しない出力を有し得るので、C1およびC2を利用して最大限の利得を設定し、細部的なスケーリングをノイズの影響を相対的に多く有するC3およびC4を用いて調整することもできる。
【0084】
図11を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、第2サンプリング回路211を含むことができる。
【0085】
第2サンプリング回路211は、第1サブキャパシタC4_1、第2サブキャパシタC4_2および第3サブキャパシタC4_3を有し得る。
図11では、3個のサブキャパシタを示したが、本実施形態がこれに限定されるものではない。サブキャパシタの個数は、2個以下であるか、4個以上であってもよい。
【0086】
第1サブキャパシタC4_1および第2サブキャパシタC4_2は、VDD電圧VDDに連結され、第3サブキャパシタC4_3は、接地され得る。第1サブキャパシタC4_1および第2サブキャパシタC4_2は、
図10の第4可変キャパシタC4と同じ役割をすることができる。すなわちVDD電圧VDDのノイズを緩和させることができる。
【0087】
第3サブキャパシタC4_3は、ピクセルアレイ10領域の出力もVDD電圧VDDによりノイズを有しているので、このような出力のノイズを緩和するために接地され得る。
図11では、第2サンプリング回路211が2:1の比率でVDD電圧VDDと接地電圧の連結が行われたが、これは、一つの例示に過ぎず、前記比率は、いくらでも必要に応じて変わることができる。
【0088】
以下、
図12および
図13を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーを説明する。前述した説明と重複する説明は、簡明化のため省略する。
【0089】
図12は、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図であり、
図13は、
図12のランプ電圧生成部と補償部を説明するための部分等価回路図である。
【0090】
図12を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、ダークシグナル電圧Vp_darkおよびブライトシグナル電圧Vp_brightの代わりにランプ電圧Vrampを補償し得る。
【0091】
第2補償部1001は、補償動作を行うことができる。第2補償部1001は、第2電圧Vntgと比較して非反転の形式の補償電圧Vcompをランプ電圧Vrampに加算し得る。比較部400は、ダークシグナル電圧Vp_darkおよびブライトシグナル電圧Vp_brightとランプ電圧Vrampの差異を出力として導き出すので、ランプ電圧Vrampを補償することだけでも、前述した実施形態のバンドノイズの防止を図ることができる。
【0092】
具体的に、
図13を参照すると、第2補償部1001は、反転増幅器120を介して第2電圧Vntgの変動を反転させて、第1バイアスPMOSMP1のゲート電圧に伝達し得る。
【0093】
この際、ΔVbp=ΔVntg×(-A)であり得る。
【0094】
ここで、Vbpは、第1バイアスPMOSMP1のゲート電圧であり、-Aは、反転増幅器120の利得であり得る。
【0095】
第1バイアスPMOSMP1は、第2PMOSP2および第1電流ソースIa1で構成された回路のミラー回路であり得る。第2バイアスPMOSMP2は、第1PMOSP1および第2電流ソースIa2で構成された回路のミラー回路で連結され、第1バイアスPMOSMP1とカスコード(cascode)形式で連結され得る。これにより、第1バイアスPMOSMP1および第2バイアスPMOSMP2のドレーン電流が安定化され得る。
【0096】
第1バイアスPMOSMP1の電流変化は、ΔVbp×(-gmp1)であり得る。この際、gmp1は、第1バイアスPMOSMP1のトランスコンダクタンスである。第1バイアスPMOSMP1の電流がランプ抵抗Rrampに流れ、この際、生成される電圧降下が補償電圧Vcompであり得る。
【0097】
したがって、補償電圧ΔVcomp=ΔVntg×(-A)×(-gmp1)×Rrampであり得る。
【0098】
ここで、Rrampは、ランプ抵抗Rrampのサイズであり得る。ここで、-gmp1を可変とすると、補償電圧Vcompをさらに容易に調節し得る。
【0099】
ランプ電流Irampによりランプ抵抗Rrampを介して生成される第1ランプ電圧Vramp1と補償電圧Vcompが結合されて、ランプ電圧Vrampが生成され得る。
【0100】
以下、
図12および
図14を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーを説明する。前述した説明と重複する説明は、簡明化のため省略する。
【0101】
図14は、
図12のランプ電圧生成部と補償部を説明するための部分等価回路図である。
【0102】
図12および
図14を参照すると、第3補償部1002は、第2電圧Vntgと比較して非反転の形式の補償電圧Vcompをランプ電圧Vrampに加算し得る。
【0103】
具体的に、
図14を参照すると、第3補償部1002は、非反転増幅器130を介して第2電圧Vntgの変動を第1バイアスNMOSMN1のゲート電圧に伝達し得る。この際、ΔVbn=ΔVntg×Aであり得る。ここで、Vbnは、第1バイアスNMOSMN1のゲート電圧であり、Aは、非反転増幅器130の利得であり得る。
【0104】
第1バイアスNMOSMN1は、第2NMOSN2および第3電流ソースIa3で構成された回路のミラー回路であり得る。第1バイアスNMOSMN1は、第1バイアスPMOSMP1と直列に連結され得、第2バイアスPMOSMP2は、第1バイアスPMOSMP1のミラー回路で連結され得る。第2バイアスPMOSMP2のゲート電圧は、第1バイアスNMOSMN1および第1バイアスPMOSMP1の電流電圧特性によりスケーリングされ得る。すなわちΔVbp=ΔVbn×(-gmn1/gmp1)であり得る。ここで、gmn1は、第1バイアスNMOSMN1のトランスコンダクタンスであり得る。gmn1およびgmp1を可変とすると、補償電圧Vcompをより容易に調節し得る。
【0105】
第3バイアスPMOSMP3は、第4PMOSP4および第4電流ソースIa4で構成された回路のミラー回路で連結され、第2バイアスPMOSMP2とカスコード形式で連結され得る。これにより、第2バイアスPMOSMP2および第3バイアスPMOSMP3のドレーン電流が安定化され得る。
【0106】
第2バイアスPMOSMP2の電流変化は、ΔVbp×(-gmp2)であり得る。ここで、gmp2は、第2バイアスPMOSMP2のトランスコンダクタンスである。第2バイアスPMOSMP2の電流がランプ抵抗Rrampに流れ、この際、生成される電圧降下が補償電圧Vcompであり得る。
【0107】
したがって、補償電圧ΔVcomp=ΔVntg×A×(-gmn1/gmp1)×(-gmp2)×Rrampであり得る。
【0108】
ランプ電流Irampによりランプ抵抗Rrampを介して生成される第1ランプ電圧Vramp1と補償電圧Vcompが結合されて、ランプ電圧Vrampが生成され得る。
【0109】
以下、
図12および
図15を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーを説明する。前述した説明と重複する説明は、簡明化のため省略する。
【0110】
図15は、
図12のランプ電圧生成部と補償部を説明するための部分等価回路図である。
【0111】
図12および
図15を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの第4補償部1003を含むことができる。
【0112】
第4補償部1003は、
図14の第3補償部1002の非反転増幅器130の代わりに第5可変キャパシタC5を含むことができる。
【0113】
第5可変キャパシタC5は、信号を増幅せずに、すぐに伝達し得る。したがって、第1バイアスNMOSMN1のゲート電圧ΔVbn=ΔVntgであり得る。
【0114】
これにより、最終ΔVcomp=ΔVntg×(-gmn1/gmp1)×(-gmp2)×Rrampであり得る。
【0115】
以下、
図16を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーを説明する。前述した説明と重複する説明は、簡明化のため省略する。
【0116】
図16は、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図である。
【0117】
図16を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、第5補償部1004を含むことができる。
【0118】
第5補償部1004は、第4バイアスPMOSMP4を含むことができる。第4バイアスPMOSMP4は、第1ランプ電圧Vramp1をゲート電圧として受け、第3バイアスPMOSMP3と直列に連結され得る。第2バイアスPMOSMP2は、第1バイアスPMOSMP1のミラー回路で連結され得る。第2バイアスPMOSMP2のゲート電圧は、第1バイアスNMOSMN1および第1バイアスPMOSMP1の電流電圧特性によりスケーリングされ得る。
【0119】
これにより、第2バイアスPMOSMP2および第4バイアスPMOSMP4の電圧電流特性によって、ΔVcomp=ΔVbp×(-gmp2/gmp4)であり得る。
【0120】
したがって、ΔVbn=ΔVntg×AおよびΔVbp=ΔVbn×-gmn1/gmp1を考慮すると、ΔVcomp=ΔVntg×A×(-gmn1/gmp1)×(-gmp2/gmp4)であり得る。
【0121】
以下、
図17を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーを説明する。前述した説明と重複する説明は、簡略化のため省略される。
【0122】
図17は、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの構造を説明するための部分等価回路図である。
【0123】
図17を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーは、第6補償部1005を含む。
【0124】
第6補償部1005は、
図16の非反転増幅器130の代わりに第5可変キャパシタC5および第6可変キャパシタC6を含むことができる。
【0125】
これにより、補償電圧Vcompの式は、次のとおりである。
【0126】
ΔVcomp=ΔVntg×C5/(C5+C6)×(-gmn1/gmp1)×(-gmp2/gmp4)
【0127】
ここで、C5は、第5可変キャパシタC5のキャパシタンスであり、C6は、第6可変キャパシタC6のキャパシタンスである。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態に係るイメージセンサーの第6補償部1005の第6可変キャパシタC6は、
図9~
図11の第1サンプリング回路210および第2サンプリング回路211と同じ役割をすることができる。したがって、
図11の第2サンプリング回路211のように、複数のキャパシタが配置されて、一部はVDD電圧VDDと連結され、一部は、接地され得る。
【0129】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施され得ることを理解できる。したがって、以上で記述した実施形態は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものではないものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0130】
120 反転増幅器
130 非反転増幅器
200 バイアス回路
210、211 サンプリング回路
300 ランプ電圧生成部
400 比較部
500 カウンター
1000、1001、1002、1003、1004、1005 補償部