(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】電子機器ユニット及び電子機器装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/467 20060101AFI20221007BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
H01L23/46 C
H05K7/20 D
(21)【出願番号】P 2018053495
(22)【出願日】2018-03-20
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 智司
(72)【発明者】
【氏名】吉橋 保
(72)【発明者】
【氏名】双木 俊行
(72)【発明者】
【氏名】青木 義雄
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-314277(JP,A)
【文献】特開2005-302948(JP,A)
【文献】特開平10-200281(JP,A)
【文献】特開平05-095062(JP,A)
【文献】特開2017-174847(JP,A)
【文献】実開平05-087997(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/29
H01L23/34 -23/36
H01L23/373-23/427
H01L23/44
H01L23/467-23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に冷却用の空気を流す筒状に形成されたヒートシンクと、
前記ヒートシンクの軸方向に直交する第一直交方向に向く前記ヒートシンクの第一部位及び第二部位に対応する前記ヒートシンクの二つの外面領域にそれぞれ配された発熱部品と、を備え、
前記ヒートシンクの内部に、前記第一部位から前記軸方向及び前記第一直交方向に直交する第二直交方向に向く前記ヒートシンクの第三部位
のみに熱を伝える第一熱伝導部と、前記第二部位から前記第二直交方向において前記第三部位と間隔をあけて位置する前記ヒートシンクの第四部位
のみに熱を伝える第二熱伝導部と、を設けた電子機器ユニット。
【請求項2】
前記第一部位から前記第三部位に至る前記第一熱伝導部の長手方向の中途部が、前記ヒートシンクの内周と間隔をあけて位置し、
前記第二部位から前記第四部位に至る前記第二熱伝導部の長手方向の中途部が、前記ヒートシンクの内周と間隔をあけて位置する請求項1に記載の電子機器ユニット。
【請求項3】
前記第一熱伝導部及び前記第二熱伝導部の少なくとも一方が、前記ヒートシンクの軸方向において間隔をあけて複数配列されている請求項1又は請求項2に記載の電子機器ユニット。
【請求項4】
前記第一熱伝導部及び前記第二熱伝導部の少なくとも一方は、前記冷却用の空気が流れ込む前記ヒートシンクの流入口側から前記冷却用の空気が流れ出す前記ヒートシンクの流出口側に向かうにしたがって、前記流入口から前記流出口まで前記冷却用の空気を流す前記ヒートシンク内の流路の断面積を小さくするように形成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器ユニット。
【請求項5】
前記冷却用の空気が流れ込む前記ヒートシンクの流入口に接続されることで前記ヒートシンクの内部に連なる筒状に形成され、前記軸方向において前記ヒートシンクから離れるにしたがって前記軸方向に直交する内部の断面積が大きくなる流入口拡大部を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子機器ユニット。
【請求項6】
前記冷却用の空気が流れ出す前記ヒートシンクの流出口に設けられ、前記軸方向において前記ヒートシンクの流入口側から流出口側に向かうにしたがって、前記軸方向に直交する内部の断面積が小さくなる流出口縮小部を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子機器ユニット。
【請求項7】
前記冷却用の空気が流れ出す前記ヒートシンクの流出口に設けられ、前記流出口から流れ出す前記冷却用の空気の流れ方向を、前記ヒートシンクの内部における前記冷却用の空気の流れ方向から変更する流れ方向変更部を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子機器ユニット。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子機器ユニットと、
前記冷却用の空気が流れ出す前記ヒートシンクの流出口側に隣り合わせて配される電子部品と、を備える電子機器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器ユニット及び電子機器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、角形筒状に形成されたヒートシンク(放熱器)のうちヒートシンクの軸方向に直交する一方向に並ぶ二つの壁部の外面にパワートランジスタ等の発熱部品(発熱体)を配し、ヒートシンクの内部に冷却用の空気を流す構成が開示されている。この構成では、ヒートシンクに伝わった発熱部品の熱が、ヒートシンク内部に流れる空気に伝達されることで、発熱部品を冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、筒状に形成されたヒートシンクのうち発熱部品を配した壁部(部位)のみが発熱部品の冷却に寄与し、ヒートシンクの他の壁部(部位)は発熱部品の冷却に有効に利用されていない。すなわち、筒状に形成されたヒートシンクの外面に発熱部品を配した構成では、発熱部品の冷却効率を高める余地がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、発熱部品の冷却効率を高めることができる電子機器ユニット及び電子機器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、内部に冷却用の空気を流す筒状に形成されたヒートシンクと、前記ヒートシンクの軸方向に直交する第一直交方向に向く前記ヒートシンクの第一部位及び第二部位に対応する前記ヒートシンクの二つの外面領域にそれぞれ配された発熱部品と、を備え、前記ヒートシンクの内部に、前記第一部位から前記軸方向及び前記第一直交方向に直交する第二直交方向に向く前記ヒートシンクの第三部位のみに熱を伝える第一熱伝導部と、前記第二部位から前記第二直交方向において前記第三部位と間隔をあけて位置する前記ヒートシンクの第四部位のみに熱を伝える第二熱伝導部と、を設けた電子機器ユニットである。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の電子機器ユニットと、前記冷却用の空気が流れ出す前記ヒートシンクの流出口側に隣り合わせて配される電子部品と、を備える電子機器装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ヒートシンク全体を発熱部品の冷却に有効に活用することが可能となり、発熱部品の冷却効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る電子機器ユニットを示す斜視図である。
【
図2】
図1の電子機器ユニットをヒートシンクの軸方向から見た断面図である。
【
図3】
図2のIII-III線矢視断面で示すヒートシンクを含む電子機器装置を示す断面図である。
【
図4】第一実施形態に係る電子機器ユニットの第一変形例をヒートシンクの軸方向から見た正面図である。
【
図5】第一実施形態に係る電子機器ユニットの第二変形例をヒートシンクの軸方向から見た正面図である。
【
図6】第一実施形態に係る電子機器ユニットの第三変形例を示す断面図である。
【
図7】第一実施形態に係る電子機器ユニットの第四変形例を示す断面図である。
【
図8】本発明の第二実施形態に係る電子機器装置を示す断面図である。
【
図9】本発明の第三実施形態に係る電子機器装置の第一例を示す断面図である。
【
図10】本発明の第三実施形態に係る電子機器装置の第二例を示す断面図である。
【
図11】本発明の第四実施形態に係る電子機器装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第一実施形態〕
以下、
図1~3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態に係る電子機器ユニット1は、ヒートシンク2と、発熱部品3,4と、第一熱伝導部5と、第二熱伝導部6と、を備える。
【0011】
ヒートシンク2は、熱伝導率が高い材料によって形成されている。本実施形態のヒートシンク2は、アルミニウム等の金属によって形成されている。
ヒートシンク2は、内部に冷却用の空気を流す筒状に形成されている。ヒートシンク2は、その軸方向(X軸方向)に直交する第一直交方向(Y軸方向)に向く第一部位11及び第二部位12を有する。第一部位11及び第二部位12は、第一直交方向において互いに間隔をあけて配列されている。また、ヒートシンク2は、その軸方向及び第一直交方向に直交する第二直交方向(Z軸方向)に向く第三部位13及び第四部位14を有する。第三部位13及び第四部位14は、第二直交方向において互いに間隔をあけて配列されている。第一部位11、第三部位13、第二部位12、第四部位14がこの順番でヒートシンク2の周方向に連なることで、筒状のヒートシンク2が構成される。
【0012】
軸方向から見たヒートシンク2の形状は、円形、多角形など任意であってよい。このため、ヒートシンク2の第一~第四部位14は、例えばヒートシンク2の軸方向から見て湾曲した板状、折れ曲がった板状など任意の形状に形成されてよい。本実施形態において、ヒートシンク2の軸方向から見たヒートシンク2の形状は、矩形状である。また、第一~第四部位11~14は、それぞれ平板状に形成されている。また、第一部位11及び第二部位12は矩形状であるヒートシンク2の長辺をなし、第三部位13及び第四部位14はヒートシンク2の短辺をなす。すなわち、ヒートシンク2の周方向における第一部位11及び第二部位12の長さは、第三部位13及び第四部位14よりも長い。
【0013】
本実施形態において、ヒートシンク2は、後述する発熱部品3,4を接続する回路基板101に取り付けられる。ヒートシンク2と回路基板101との間には、絶縁部材102が配されている。絶縁部材102は、ヒートシンク2と回路基板101とを電気的に絶縁する。図示例では、ヒートシンク2の第三部位13が回路基板101に対向しているが、例えば第四部位14が回路基板101に対向してもよい。
【0014】
発熱部品3,4は、ヒートシンク2の第一部位11及び第二部位12に対応するヒートシンク2の二つの外面領域15,16にそれぞれ配される。第一発熱部品3は、ヒートシンク2の外周面のうち第一部位11に対応するヒートシンク2の第一外面領域15に配される。また、第二発熱部品4は、ヒートシンク2の外周面のうち第二部位12に対応するヒートシンク2の第二外面領域16にも配される。
【0015】
発熱部品3,4は、例えばパワートランジスタ等のように通電により発熱するものである。発熱部品3,4の具体的な構成は任意であってよい。本実施形態の発熱部品3,4は、本体部21と、本体部21から延びるリード22を有する。
本体部21は、通電によって主に発熱する部分であり、所定の容積を有する塊である。本体部21は任意の形状に形成されてよいが、本実施形態では平面視長方形の板状に形成されている。本体部21の内部には、主な発熱源である半導体素子(不図示)が設けられる。半導体素子の電極は、リード22に接続される。
【0016】
本実施形態では、発熱部品3,4の本体部21がヒートシンク2の外面領域15,16に配される。本体部21は任意の手法でヒートシンクに固定されてよい。本実施形態において、本体部21はネジによってヒートシンク2に固定される。
本体部21を外面領域15,16に配した状態において、発熱部品3,4のリード22は、本体部21から外面領域15,16に沿って延びる。リード22の先端部は、回路基板101に接続(図示例ではスルーホール接続)される。
【0017】
発熱部品3,4の本体部21は、例えばヒートシンク2の外面領域15,16に直接接触してもよい。本実施形態では、ヒートシンク2の外面領域15,16が、絶縁シート24によって覆われている。本体部21は、絶縁シート24を介してヒートシンク2の外面領域15,16に配される。このため、絶縁シート24は、熱伝導率の高い材料で構成されるとよい。
ヒートシンク2と本体部21との間に絶縁シート24が介在することで、仮にヒートシンク2に対向する本体部21の表面に導電性を有する部位が露出していても、ヒートシンク2と本体部21との電気的な絶縁を確保することができる。また、ヒートシンク2とリード22との間にも絶縁シート24が介在することで、ヒートシンク2とリード22との電気的な絶縁も確保できる。
【0018】
ヒートシンク2の各外面領域15,16には、少なくとも一つの発熱部品3,4が配されればよい。本実施形態では、ヒートシンク2の各外面領域15,16に、複数(図示例では二つ)の発熱部品3,4が配されている。各外面領域15,16に配される複数の発熱部品3,4は、ヒートシンク2の軸方向に並んでいる。
ヒートシンク2の軸方向における発熱部品3,4の位置は、第一外面領域15に配される第一発熱部品3と、第二外面領域16に配される第二発熱部品4との間で互いに異なっていてもよいが、本実施形態では、第一発熱部品3と第二発熱部品4との間で互いに一致する。
【0019】
第一熱伝導部5及び第二熱伝導部6は、いずれもヒートシンク2の内部に設けられる。
第一熱伝導部5は、ヒートシンク2の第一部位11から第三部位13に熱を伝えるように設けられる。すなわち、第一熱伝導部5は、ヒートシンク2の内部において第一部位11及び第三部位13に接続される。
図2における符号31は、第一部位11に接続される第一熱伝導部5の接続領域を示している。
第一熱伝導部5は、少なくとも第一部位11及び第三部位13の各一部に接続されればよい。第一熱伝導部5は、第一部位11のうち第一部位11の厚さ方向において第一発熱部品3と重なる部分に接続されることがより好ましい。本実施形態の第一熱伝導部5は、軸方向におけるヒートシンク2の一端から他端まで延びて形成されている。すなわち、第一熱伝導部5は、ヒートシンク2の軸方向において第一部位11及び第三部位13の全体に接続されている。
【0020】
図1~3に示すように、第二熱伝導部6は、ヒートシンク2の第二部位12から第四部位14に熱を伝えるように設けられる。すなわち、第二熱伝導部6は、ヒートシンク2の内部において第二部位12及び第三部位13に接続される。
図2,3における符号32は、第二部位12に接続される第二熱伝導部6の接続領域を示している。
第二熱伝導部6は、少なくとも第二部位12及び第四部位14の各一部に接続されればよい。第二熱伝導部6は、第二部位12のうち第二部位12の厚さ方向において第二発熱部品4と重なる部分に接続されることがより好ましい。本実施形態の第二熱伝導部6は、軸方向におけるヒートシンク2の一端から他端まで延びて形成されている(
図3参照)。すなわち、第二熱伝導部6は、ヒートシンク2の軸方向において第二部位12及び第四部位14の全体に接続されている。
【0021】
上記した第一熱伝導部5及び第二熱伝導部6は、ヒートシンク2の軸方向に直交する方向において互いに間隔をあけて位置する。これにより、第一熱伝導部5と第二熱伝導部6との隙間33(第一隙間33)には、軸方向におけるヒートシンク2の一端から他端まで冷却用の空気を通すことができる。
【0022】
第一熱伝導部5及び第二熱伝導部6は、ヒートシンク2と同様に熱伝導率が高い材料によって形成されている。第一熱伝導部5、第二熱伝導部6は、例えばヒートシンク2に一体に形成されてよい。本実施形態において、第一熱伝導部5、第二熱伝導部6は、ヒートシンク2と別個に形成された上で、ヒートシンク2の内部に取り付けられている。
【0023】
さらに、本実施形態の電子機器ユニット1において、第一部位11から第三部位13に至る第一熱伝導部5の長手方向の中途部は、ヒートシンク2の内周と間隔をあけて位置する。すなわち、第一熱伝導部5の中途部とヒートシンク2との間には、隙間34(第二隙間34)が形成されている。第二隙間34は、ヒートシンク2の軸方向から見て、ヒートシンク2の第一部位11及び第三部位13と、第一熱伝導部5とによって囲まれて形成されている。
【0024】
また、第二部位12から第四部位14に至る第二熱伝導部6の長手方向の中途部は、ヒートシンク2の内周と間隔をあけて位置する。すなわち、第二熱伝導部6の中途部とヒートシンク2との間には、隙間35(第三隙間35)が形成されている。第三隙間35は、ヒートシンク2の軸方向から見て、ヒートシンク2の第二部位12及び第四部位14と、第一熱伝導部5とによって囲まれて形成されている。
これら第二隙間34、第三隙間35には、第一隙間33と同様に、軸方向におけるヒートシンク2の一端から他端まで冷却用の空気を通すことができる。
【0025】
上記した本実施形態の電子機器ユニット1は、
図3に示すように、電子部品103と共に電子機器装置100を構成する。
電子部品103は、冷却用の空気が流れ出すヒートシンク2の流出口18側に隣り合わせて配される。電子部品103は、例えばチョークコイル等のように通電によって発熱する部品である。本実施形態において、電子部品103は、発熱部品3,4を接続した回路基板101に搭載されているが、これに限ることはない。
【0026】
さらに、本実施形態の電子機器装置100は、ヒートシンク2の内部に冷却用の空気を流すためのファン104を備える。ファン104は、例えばヒートシンク2の流出口18側に配されてもよいが、本実施形態では冷却用の空気が流れ込むヒートシンク2の流入口17側に配されている。すなわち、本実施形態のファン104は、ヒートシンク2の流入口17に向けて冷却用の空気を流す。ファン104の具体的な構成は任意であってよい。
図3における符号F1、ファン104によって誘起される冷却用の空気の流れ方向を示している。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の電子機器ユニット1によれば、発熱部品3,4の熱を、ヒートシンク2のうち発熱部品3,4を配した第一部位11や第二部位12だけでなく、第一、第二熱伝導部5,6によって発熱部品3,4が配されていないヒートシンク2の第三部位13や第四部位14にも伝えることができる。そして、ヒートシンク2の第一~第四部位11~14に伝わった発熱部品3,4の熱が、ヒートシンク2内部に流れる空気に伝達されることで、発熱部品3,4を冷却できる。すなわち、ヒートシンク2全体を発熱部品3,4の冷却に有効に活用することができる。
また、ヒートシンク2の第一、第二部位11,12に配された二つの発熱部品3,4の熱は、第一、第二熱伝導部5,6によってヒートシンク2の互いに異なる部位(第三部位13、第四部位14)に伝わる。これにより、二つの発熱部品3,4の熱を効率よくヒートシンク2に伝えることができる。
以上のことから、発熱部品3,4の冷却効率を高めることができる。
【0028】
また、本実施形態の電子機器ユニット1によれば、第一、第二熱伝導部5,6の長手方向の中途部とヒートシンク2の内周との各間に、第二隙間34、第三隙間35が形成されている。このため、これら第二隙間34、第三隙間35に冷却用の空気を流すことで、発熱部品3,4から各熱伝導部5,6に伝わった熱もヒートシンク2内部に流れる空気に効率よく伝達することができる。したがって、発熱部品3,4の冷却効率をさらに高めることができる。
【0029】
さらに、本実施形態の電子機器ユニット1を含む電子機器装置100によれば、ヒートシンク2の流出口18側に電子部品103が配されている。このため、ヒートシンク2の流出口18から流れ出た冷却用の空気を電子部品103に到達させることができる。これにより、冷却用の空気の流れ方向F1においてヒートシンク2よりも下流側に配された電子部品103も冷却することができる。
【0030】
第一実施形態では、例えば
図4に示すように、各熱伝導部5A,6Aの中途部とヒートシンク2の内周との間に隙間(第二隙間34、第三隙間35;
図2参照)が形成されなくてもよい。すなわち、第一熱伝導部5Aが第一部位11と第三部位13との接続部分に対応するヒートシンク2の内周に接していてもよい。同様に、第二熱伝導部6Aが第二部位12と第四部位14との接続部分に対応するヒートシンク2の内周に接していてもよい。
図4に例示する構成では、第一、第二熱伝導部5A,6Aが、ヒートシンク2に一体に形成されている。
【0031】
第一実施形態では、例えば
図5に示すように、ヒートシンク2B、第一熱伝導部5B及び第二熱伝導部6Bが、枠体41Bと、枠体41Bの内部に挿入される挿入体42Bとによって構成されてもよい。
枠体41Bは、ヒートシンク2Bのうち主に外周側の部位を構成する筒状に形成されている。すなわち、枠体41Bは、ヒートシンク2Bの第一部位11B、第二部位12B、第三部位13B、第四部位14Bの各一部に対応するする第一板状部43B、第二板状部44B、第三板状部45B、第四板状部46Bを有する。例えば、枠体41Bが円筒状である場合、第一~第四板状部43B~46Bはそれぞれ湾曲した板状に形成されてよい。図示例の枠体41Bは矩形筒状であるため、第一~第四板状部43B~46Bはそれぞれ平板状に形成されている。
【0032】
挿入体42Bは、ヒートシンク2Bの内周側の一部の部位、第一熱伝導部5B及び第二熱伝導部6Bを構成する。挿入体42Bは、一対の第五板状部47B、一対の第六板状部48B及び一対の第七板状部49Bを一体に形成して構成されている。
一対の第五板状部47Bは、第一直交方向(Y軸方向)に互いに間隔をあけて位置し、それぞれ枠体41Bの第一板状部43B、第二板状部44Bの内側に重ねて配される。各第五板状部47Bは、第二直交方向(Z軸方向)に延びている。これにより、一対の第五板状部47Bは、それぞれ第一板状部43B、第二板状部44Bと共にヒートシンク2Bの第一部位11B、第二部位12Bを構成する。
【0033】
一対の第六板状部48Bは、第二直交方向に互いに間隔をあけて位置し、それぞれ枠体41Bの第三板状部45B、第四板状部46Bの内側に重ねて配される。これにより、一対の第六板状部48Bは、それぞれ第三板状部45B、第四板状部46Bと共にヒートシンク2Bの第三部位13B、第四部位14Bを構成する。
具体的に、一対の第六板状部48Bは、第二直交方向における各第五板状部47Bの一方の端部から第一直交方向において互いに逆向きに延びる。すなわち、各第六板状部48Bは、一方の第五板状部47Bから他方の第五板状部47Bに向けて延びる。ただし、各第六板状部48Bの延長方向の先端は、他方の第五板状部47Bに対して間隔をあけて位置する。このため、一対の第六板状部48Bは、ヒートシンク2Bの第三部位13B、第四部位14Bのうち内側の部位の一部を構成する。
【0034】
一対の第七板状部49Bは、各第六板状部48Bの先端から、第二直交方向における他方の第五板状部47Bの中途部まで延びる。また、一対の第七板状部49Bは互いに間隔をあけて位置する。これにより、一対の第七板状部49Bは、それぞれ第一熱伝導部5B、第二熱伝導部6Bを構成する。また、一対の第七板状部49Bの間の隙間が、ヒートシンク2Bの内部において冷却用の空気が流れる第一隙間33Bとして構成される。また、第一直交方向において各第七板状部49Bと他方の第五板状部47Bとの間に形成される隙間が、各熱伝導部5B,6Bの中途部とヒートシンク2Bの内周との隙間(第二隙間34B、第三隙間35B)として構成される。
【0035】
第一実施形態では、例えば
図6に示すように、第一熱伝導部5及び第二熱伝導部6の少なくとも一方が、ヒートシンク2の軸方向(X軸方向)において互いに間隔をあけて複数配列されてもよい。図示例では、第一熱伝導部5及び第二熱伝導部6が、それぞれヒートシンク2の軸方向に二つ配列されている。
図6における符号31は、第一部位11に接続される第一熱伝導部5の接続領域を示している。また、符号32は、第二部位12に接続される第二熱伝導部6の接続領域を示している。
図6においては、第一熱伝導部5と第二熱伝導部6とが第一直交方向(Y軸方向)において互いに重ならないように位置しているが、これに限ることはない。
【0036】
図6に例示した構成では、ヒートシンク2の第一部位11や第二部位12において複数の発熱部品3,4がヒートシンク2の軸方向に並んでいても、軸方向に配列された複数の発熱部品3,4の熱を互いに異なる熱伝導部5,6に伝えることができる。例えば、第一部位11において軸方向に配列された二つの第一発熱部品3の熱を、互いに異なる第一熱伝導部5に伝えることができる。このため、第一部位11に配された複数の第一発熱部品3に関し、一の第一発熱部品3から第一熱伝導部5への熱の伝達が、他の第一発熱部品3から第一熱伝導部5に伝わった熱によって阻害されることを抑制できる。この点は、第二部位12に配された複数の第二発熱部品4に関しても同様である。したがって、軸方向に並ぶ複数の発熱部品3,4の放熱効率の向上を図ることができる。
【0037】
第一実施形態では、例えば
図7に示すように、第一、第二熱伝導部5,6に加え、ヒートシンク2の内部に、第三熱伝導部7Dと、第四熱伝導部8Dとをさらに設けてもよい。第三熱伝導部7D及び第四熱伝導部8Dは、第一、第二熱伝導部5,6と同様に熱伝導率が高い材料によって形成されればよい。
【0038】
第三熱伝導部7Dは、第二熱伝導部6に対してヒートシンク2の軸方向(X軸方向)に間隔をあけて配される。第三熱伝導部7Dは、ヒートシンク2の第一部位11から第四部位14に熱を伝えるように、ヒートシンク2の内部に設けられる。
図7における符号36Dは、第一部位11に接続される第三熱伝導部7Dの接続領域を示している。第三熱伝導部7Dは、
図7に例示するようにヒートシンク2の軸方向において第一熱伝導部5と同じ位置に配されてよい。この場合、ヒートシンク2の第一部位11に配された第一発熱部品3の熱を、ヒートシンク2の第三部位13、第四部位14の両方に伝えることができる。すなわち、第一発熱部品3を効率よく冷却することが可能となる。
【0039】
第四熱伝導部8Dは、第一熱伝導部5に対してヒートシンク2の軸方向に間隔をあけて配される。第四熱伝導部8Dは、ヒートシンク2の第二部位12から第三部位13に熱を伝えるように、ヒートシンク2の内部に設けられる。
図7における符号37Dは、第二部位12に接続される第四熱伝導部8Dの接続領域を示している。
図7において、第四熱伝導部8Dは、ヒートシンク2の軸方向において第二熱伝導部6と異なる位置に配されているが、例えば第二熱伝導部6と同じ位置に配されてもよい。この場合には、第二部位12に配された第二発熱部品4の熱を、ヒートシンク2の第三部位13、第四部位14の両方に伝えることができる。すなわち、第二発熱部品4を効率よく冷却することが可能となる。
【0040】
また、
図7に例示する構成では、ヒートシンク2の軸方向における第三熱伝導部7Dの長さが、第一熱伝導部5の長さよりも長く形成されている。また、
図7に例示する第三熱伝導部7Dは、ヒートシンク2の軸方向において、軸方向に配列された一つの第一熱伝導部5及び第四熱伝導部8Dと同じ位置に配されている。すなわち、
図7に例示する第三熱伝導部7Dは、第一熱伝導部5や第四熱伝導部8Dよりも大きく形成されている。このため、第一発熱部品3の発熱量が大きくても、第一発熱部品3を効率よく冷却することができる。
【0041】
ヒートシンク2の軸方向において第三熱伝導部7Dと第四熱伝導部8Dとが同じ位置に配される場合、第四熱伝導部8Dに対応するヒートシンク2の第二部位12に配される第二発熱部品4の発熱量は、前述の第一発熱部品3よりも小さいとよい。
上記のように一の熱伝導部の大きさを他の熱伝導部よりも大きく形成することは、第三熱伝導部7Dに限らず、第一、第二、第四熱伝導部5,6,8Dであってもよい。
【0042】
〔第二実施形態〕
次に、
図8を参照して本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0043】
図8に示すように、本実施形態の電子機器装置100Eは、第一実施形態と同様に、電子機器ユニット1Eと、電子部品103と、ファン104と、を備える。
図8では、第一実施形態で説明したヒートシンク2内部の構成(例えば第一、第二熱伝導部5,6(
図3等参照))を省略している。
【0044】
本実施形態の電子機器ユニット1Eは、流入口拡大部51Eをさらに備える。流入口拡大部51Eは、ヒートシンク2の流入口17に接続されることで、ヒートシンク2の内部に連なる筒状に形成されている。流入口拡大部51Eは、軸方向(X軸方向)においてヒートシンク2から離れるにしたがって軸方向に直交する内部の断面積(流路断面積)が大きくなるように形成されている。
【0045】
流入口拡大部51Eの具体的な構成は、任意であってよい。本実施形態において、ヒートシンク2の流入口17に接続される流入口拡大部51Eの接続部52Eは、ヒートシンク2の内周に対応する形状に形成され、流入口17からヒートシンク2の内部に挿入される。図示例では、第二直交方向(Z軸方向)における流入口拡大部51Eの内部の寸法が、軸方向においてヒートシンク2から離れるにしたがって大きくなるように形成されている。例えば、第一直交方向(Y軸方向)における流入口拡大部51Eの内部の寸法が、軸方向においてヒートシンク2から離れるにしたがって大きくなるように形成されてもよい。
【0046】
本実施形態の電子機器ユニット1Eは、流出口縮小部53Eをさらに備える。流出口縮小部53Eは、ヒートシンク2の流出口18に設けられる。流出口縮小部53Eは、軸方向においてヒートシンク2の流入口17側から流出口18側(X軸正方向)に向かうにしたがって、軸方向に直交する内部の断面積(流路断面積)が小さくなるように形成されている。
【0047】
流出口縮小部53Eの具体的な構成は、任意であってよい。流出口縮小部53Eは、例えばヒートシンク2の流出口18から外側に突出するように設けられてよい。この場合、流出口縮小部53Eは、その内部において軸方向に直交する断面積が、X軸正方向に向かうにしたがって小さくなるように形成されればよい。
本実施形態の流出口縮小部53Eは、ヒートシンク2の内部のうち流出口18の近傍に設けられる。このため、流出口縮小部53Eは、ヒートシンク2内部において冷却用の空気が軸方向(X軸正方向)に流れる流路の断面積が、X軸正方向に向かうにしたがって小さくなるように形成される。図示例において、流出口縮小部53Eは、ヒートシンク2の第三部位13側に位置する流路の内面がX軸正方向においてZ軸負方向側に傾斜するように、かつ、第四部位14側に位置する流路の内面がX軸正方向においてZ軸正方向側に傾斜するように形成されている。
【0048】
第二実施形態に係る電子機器ユニット1E及び電子機器装置100Eでは、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第二実施形態に係る電子機器ユニット1Eでは、ヒートシンク2の流入口17に設けられた流入口拡大部51Eによって、より多くの冷却用の空気をヒートシンク2の流入口17から内部に流入させることができる。このため、例えば
図8に示すように、ヒートシンク2の流入口17側に他の電子部品105などの障害物が隣り合わせて配置されていても、より多くの冷却用の空気をヒートシンク2の内部に流入させて、発熱部品3,4を効率よく冷却することができる。
【0049】
また、第二実施形態に係る電子機器ユニット1Eでは、ヒートシンク2の流出口18に流出口縮小部53Eが設けられる。このため、ヒートシンク2の流出口18から流れ出る冷却用の空気の流速を高めることができる。これにより、ヒートシンク2の流出口18側に隣り合わせて配された電子部品103を効率よく冷却することが可能となる。
【0050】
第二実施形態の流入口拡大部51Eや流出口縮小部53Eは、
図1~3に例示した構成に限らず、
図4~7に例示した構成にも適用可能である。
【0051】
〔第三実施形態〕
次に、
図9,10を参照して本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態では、第一、第二実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0052】
図9,10に示すように、本実施形態の電子機器装置100F,100Gは、第一実施形態と同様に、電子機器ユニット1F,1Gと、電子部品103と、ファン104と、を備える。
図9,10では、第一実施形態で説明したヒートシンク2内部の構成(例えば第一、第二熱伝導部5,6(
図3等参照))を省略している。また、本実施形態の電子機器ユニット1F,1Gは、第二実施形態と同様の流入口拡大部51Eを備える。
【0053】
本実施形態の電子機器ユニット1F,1Gは、流れ方向変更部54F,54Gをさらに備える。流れ方向変更部54F,54Gは、ヒートシンク2の流出口18に設けられる。流れ方向変更部54F,54Gは、流出口18から流れ出す冷却用の空気の流れ方向を、ヒートシンク2の内部における冷却用の空気の流れ方向F2から変更する。
流れ方向変更部54F,54Gは、ヒートシンク2の内部において軸方向(X軸正方向)に流れる冷却用の空気の流れ方向F2を、例えばX軸正方向に向かうにしたがってY軸方向に傾斜する方向に変更するように構成されてよい。
【0054】
図9に例示する電子機器ユニット1Fの流れ方向変更部54Fは、ヒートシンク2の内部においてX軸正方向に流れる冷却用の空気の流れ方向F2を、X軸正方向に向かうにしたがってZ軸負方向に傾斜する方向(符号F3で示す方向)に変更するように構成されている。この場合、ヒートシンク2の流出口18から流れ出した冷却用の空気は、電子部品103のうち回路基板101の近くに位置する部位(基端部)に向けて流れる。
【0055】
図10に例示する電子機器ユニット1Gの流れ方向変更部54Gは、ヒートシンク2の内部においてX軸正方向に流れる冷却用の空気の流れ方向F2を、X軸正方向に向かうにしたがってZ軸正方向に傾斜する方向(符号F4で示す方向)に変更するように構成されている。この場合、ヒートシンク2の流出口18から流れ出した冷却用の空気は、電子部品103のうち回路基板101から離れて位置する部位(先端部)に向けて流れる。
【0056】
流れ方向変更部54F,54Gの具体的な構成は、任意であってよい。流れ方向変更部54F,54Gは、例えばヒートシンク2の流出口18から外側に突出するように設けられてよい。本実施形態の流れ方向変更部54F,54Gは、ヒートシンク2の内部のうち流出口18の近傍に設けられる。
そして、
図9に例示する流れ方向変更部54Fは、ヒートシンク2の第三部位13側に位置する流路の内面が、X軸正方向においてZ軸負方向側に傾斜するように形成されている。また、
図10に例示する流れ方向変更部54Gは、ヒートシンク2の第四部位14側に位置する流路の内面が、X軸正方向においてZ軸正方向側に傾斜するように形成されている。このため、本実施形態の流れ方向変更部54F,54Gは、第三実施形態の流出口縮小部53Eと同様に、ヒートシンク2内部のうち流出口18の近傍において冷却用の空気が軸方向(X軸正方向)に流れる流路の断面積(流路断面積)が、X軸正方向に向かうにしたがって小さくなるように形成されている。
【0057】
第三実施形態に係る電子機器ユニット1F,1G及び電子機器装置100F,100Gでは、第一、第二実施形態と同様の効果を奏する。
また、第三実施形態に係る電子機器ユニット1F,1Gでは、ヒートシンク2の流出口18に流れ方向変更部54F,54Gが設けられる。このため、流れ方向変更部54F,54Gによって流出口18から流れ出す冷却用の空気を、電子部品103の所望の部位(例えば電子部品103の基端部、先端部)に向けて流すことができる。すなわち、電子部品103の所望の部位を効率よく冷却することが可能となる。
また、仮に電子部品103が流出口18に対してヒートシンク2の軸方向に並んでいなくても、流れ方向変更部54F,54Gによって流出口18から流れ出す空気を電子部品103に向けて流すこともできる。したがって、ヒートシンク2に対する電子部品103の配置の自由度を向上しながら、電子部品103を効率よく冷却することもできる。
【0058】
第三実施形態の流れ方向変更部54F,54Gは、
図1~3に例示した構成に限らず、
図4~7に例示した構成にも適用可能である。
【0059】
〔第四実施形態〕
次に、
図11~13を参照して本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0060】
図11~13に示すように、本実施形態の電子機器装置100Hは、第一実施形態と同様に、電子機器ユニット1Hと、電子部品103と、ファン104と、を備える。本実施形態の電子機器ユニット1Hは、第一実施形態と同様のヒートシンク2及び発熱部品3,4を備える。また、本実施形態の電子機器ユニット1Hは、第一実施形態と同様の機能を有する第一熱伝導部5H及び第二熱伝導部6Hを備える。
本実施形態において、第一熱伝導部5H及び第二熱伝導部6Hは、ヒートシンク2の流入口17側から流出口18側に向かうにしたがって、流入口17から流出口18まで冷却用の空気を流すヒートシンク2内の流路の断面積を小さくするように形成されている。本実施形態における「ヒートシンク2内の流路」は、第一熱伝導部5Hと第二熱伝導部6Hとの隙間33H(第一隙間33H)である。
【0061】
具体的に、第一熱伝導部5Hは、第一熱伝導部5Hのうち第一隙間33Hを形成する面38H(第一形成面38H)において第一部位11から第三部位13に至る長さが、ヒートシンク2の流入口17側から流出口18側に向かうにしたがって長くなるように形成されている。より具体的に、第一熱伝導部5Hの第一形成面38Hと第一部位11の内面との第一接続線381Hが、ヒートシンク2の軸方向において流入口17側から流出口18側に向かうにしたがってヒートシンク2の第三部位13側から第四部位14側(Z軸負方向)に向かうように、ヒートシンク2の軸方向に対して傾斜している。同様に、第一形成面38Hと第三部位13の内面との第二接続線382Hが、流入口17側から流出口18側に向かうにしたがってヒートシンク2の第一部位11側から第二部位12側(Y軸負方向)に向かうように、ヒートシンク2の軸方向に対して傾斜している。
【0062】
第二熱伝導部6Hは、第二熱伝導部6Hのうち第一隙間33Hを形成する面39H(第二形成面39H)において第二部位12から第四部位14に至る長さが、ヒートシンク2の流入口17側から流出口18側に向かうにしたがって長くなるように形成されている。より具体的に、第二熱伝導部6Hの第二形成面39Hと第二部位12の内面との第三接続線391Hが、ヒートシンク2の軸方向において流入口17側から流出口18側に向かうにしたがってヒートシンク2の第四部位14側から第三部位13側(Z軸正方向)に向かうように、ヒートシンク2の軸方向に対して傾斜している。同様に、第二形成面39Hと第四部位14の内面との第四接続線392Hが、流入口17側から流出口18側に向かうにしたがってヒートシンク2の第二部位12側から第一部位11側(Y軸正方向)に向かうように、ヒートシンク2の軸方向に対して傾斜している。
【0063】
以上のように、第一熱伝導部5H、第二熱伝導部6Hが形成されていることで、ヒートシンク2の軸方向に直交する第一熱伝導部5Hと第二熱伝導部6Hとの第一隙間33Hの断面積(流路断面積)が、ヒートシンク2の流入口17側から流出口18側に向かうにしたがって小さくなる。
【0064】
また、本実施形態においては、第一実施形態と同様に、第一熱伝導部5Hの中途部とヒートシンク2の内周との間に第二隙間34Hが形成されている。同様に、第二熱伝導部6Hの中途部とヒートシンク2の内周との間には第三隙間35Hが形成されている。
ヒートシンク2の軸方向に直交する第二隙間34H、第三隙間35Hの断面積(流路断面積)は、流入口17から流出口18に向けて第二隙間34H、第三隙間35Hを通る冷却用の空気の流速が減速されないように、ヒートシンク2の軸方向において一定とするとよい。
【0065】
しかし、本実施形態の第一熱伝導部5H、第二熱伝導部6Hは、それぞれ第一形成面38H、第二形成面39Hに直交する方向を板厚方向とする平板状に形成されている。このため、上記した第二隙間34H、第三隙間35Hの流路断面積は、流入口17側から流出口18側に向かうにしたがって大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、第二隙間34Hや第三隙間35Hの一部領域(特に流出口18側の領域)を埋めて、第二隙間34H、第三隙間35Hの流路断面積を一定とする挿入部材61H,62Hを、ヒートシンク2の内部に設けている。
【0066】
図示例において、第二隙間34Hの一部領域を埋める第一挿入部材61Hは、ヒートシンク2の第一部位11及び第三部位13に接している。このため、第一挿入部材61Hは、第一熱伝導部5Hと同様に、熱を第一部位11から第三部位13に伝える機能を有してよい。また、第三隙間35Hの一部領域を埋める第二挿入部材62Hは、ヒートシンク2の第二部位12及び第四部位14に接している。このため、第二挿入部材62Hは、第二熱伝導部6Hと同様に、熱を第二部位12から第四部位14に伝える機能を有してよい。
【0067】
第四実施形態に係る電子機器ユニット1H及び電子機器装置100Hでは、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第四実施形態に係る電子機器ユニット1Hでは、第一熱伝導部5H、第二熱伝導部6Hがヒートシンク2の流入口17側から流出口18側に向かうにしたがって、流入口17から流出口18まで冷却用の空気を流すヒートシンク2内の流路(第一隙間33H)の断面積を小さくするように形成されている。このため、流入口17側から流出口18側に向けてヒートシンク2内の流路(第一隙間33H)を通る冷却用の空気の流速を加速させることができる。これにより、発熱部品3,4が第一部位11や第二部位12においてヒートシンク2の軸方向に複数並んでいても、流入口17側に位置する発熱部品3,4だけではなく、流出口18側に位置する発熱部品3,4も効率よく冷却することができる。
【0068】
第四実施形態において、第二隙間34H、第三隙間35Hの流路断面積を軸方向において一定とするためには、例えば、第一熱伝導部5H、第二熱伝導部6Hの厚みが流入口17側から流出口18側に向かうにしたがって大きくなるように、第一熱伝導部5H、第二熱伝導部6Hを形成してもよい。この場合、ヒートシンク2の内部に挿入部材61H,62Hを設けなくてもよい。
【0069】
第四実施形態において、ヒートシンク2の流入口17側から流出口18側に向かうにしたがって、流入口17から流出口18まで冷却用の空気を流すヒートシンク2内の流路(第一隙間33H)の断面積を小さくする形状は、例えば第一熱伝導部5H及び第二熱伝導部6Hの一方のみに適用されてもよい。
【0070】
第四実施形態の構成は、
図1~3に例示した構成に限らず、
図4~10に例示した構成にも適用可能である。
【0071】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0072】
1,1E,1F,1G,1H 電子機器ユニット
2,2B ヒートシンク
3,4 発熱部品
5,5A,5B,5H 第一熱伝導部
6,6A,6B,6H 第二熱伝導部
11,11B 第一部位
12,12B 第二部位
13,13B 第三部位
14,14B 第四部位
15,16 外面領域
17 流入口
18 流出口
33H 第一隙間(流路)
51E 流入口拡大部
53E 流出口縮小部
54F,54G 流れ方向変更部
100,100E,100F,100G,100H 電子機器装置
103 電子部品