IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アマダの特許一覧

特許7154070ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス
<>
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図1
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図2
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図3
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図4
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図5
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図6
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図7
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図8
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図9
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図10
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図11
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図12
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図13
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図14
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図15
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図16
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図17
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図18
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図19
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図20
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図21
  • 特許-ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ファイバレーザ加工機及びそれに用いられる遮光ボックス
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/08 20140101AFI20221007BHJP
   B23K 26/10 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
B23K26/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018164496
(22)【出願日】2018-09-03
(65)【公開番号】P2019084586
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2017212819
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年6月19日、株式会社アマダホールディングス内のアマダ・ソリューションセンターにて開催された展示会「AMADA INNOVATION FAIR 2018」において公開
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】園田 和範
(72)【発明者】
【氏名】西山 治巳
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-323182(JP,A)
【文献】特開2013-158790(JP,A)
【文献】実開平03-088682(JP,U)
【文献】特開平09-066386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバレーザ光の照射によって棒状のワークのレーザ加工を行うファイバレーザ加工機であって、
レーザ加工を行うための加工領域において棒状のワークを保持する棒パレットと、
棒状のワークの一部及び/又は棒状のワークから取り出した製品を通過させるための通過切欠部が形成され、前記加工領域を覆う保護キャビンと、
前記保護キャビンの前記通過切欠部に接続可能に構成され、棒状のワークの一部及び/又は製品を覆う遮光ボックスと、を備え
前記遮光ボックスは、前記加工領域のX軸方向の一方側に配置した平板パレットの内側に係脱可能に設けられ、前記平板パレットの内側に係止されるベース部材と、前記ベース部材に揺動可能に設けられた蓋部材と、を有する
ことを特徴とするファイバレーザ加工機。
【請求項2】
前記平板パレットの内側に設けられ、前記遮光ボックスの一部に係止する係止部を有し、棒状のワークの一部及び/又は製品を支持する補助サポート台を備えたことを特徴とする請求項に記載のファイバレーザ加工機。
【請求項3】
前記遮光ボックスは、前記補助サポート台を介して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のファイバレーザ加工機。
【請求項4】
前記平板パレットの内側と前記保護キャビンの側壁の上部側との間で前記遮光ボックスを移動させるボックス移動機構を備えたことを特徴とする請求項から請求項のうちのいずれか1項に記載のファイバレーザ加工機。
【請求項5】
前記ボックス移動機構は、
前記側壁の近傍に立設された支柱と、
基端部が前記支柱に垂直な旋回軸心周りに旋回可能に連結され、水平方向に延びた旋回アームと、
前記旋回アームの先端部側に設けられ、上下方向に延びたガイドフレームと、
前記ガイドフレームに昇降可能に設けられた昇降体と、
前記昇降体に設けられ、前記遮光ボックスの一部に着脱可能に連結する連結部材と、を有したことを特徴とする請求項に記載のファイバレーザ加工機。
【請求項6】
前記遮光ボックスは、
その頂部に設けられ、前記連結部材を支持する受け部材と、
頂部に揺動可能に設けられ、前記受け部材と協働して前記連結部材を挟持する押え部材と、
前記押え部材を前記受け部材に対して移動不能に固定するロック手段と、を有したことを特徴とする請求項に記載のファイバレーザ加工機。
【請求項7】
前記連結部材の上面に係止フックが設けられ、
更に、前記遮光ボックスは、
前記押え部材に移動可能に設けられ、前記係止フックに係止可能な可動片と、
前記押え部材と前記受け部材の協働により前記連結部材を挟持した状態において前記可動片を前記係止フック側に付勢する係止用付勢部材と、を有したことを特徴とする請求項に記載ファイバレーザ加工機。
【請求項8】
前記ボックス移動機構は、前記昇降体を前記ガイドフレームに対して上方向へ付勢する上昇用付勢部材を備えたことを特徴とする請求項に記載のファイバレーザ加工機。
【請求項9】
前記保護キャビンは、
前記通過切欠部が形成されかつ前記平板パレットを通過させるための通過開口部を開閉する大シャッタと、
前記大シャッタの前記通過切欠部を開閉する小シャッタと、を有したことを特徴とする請求項から請求項のうちのいずれか1項に記載のファイバレーザ加工機。
【請求項10】
レーザ加工を行うための加工領域を覆う保護キャビンを備えかつ前記保護キャビンに棒状のワークの一部及び/又は棒状のワークから取り出した製品を通過させるための通過切欠部が形成されたファイバレーザ加工機に用いられ、
棒状のワークの一部及び/又は製品を覆う遮光ボックスであって、
前記遮光ボックスは、前記加工領域のX軸方向の一方側に配置した平板パレットの内側に係脱可能に設けられ、前記平板パレットの内側に係止されるベース部材と、前記ベース部材に揺動可能に設けられた蓋部材と、を有し、
前記保護キャビンの前記通過切欠部に接続可能に構成されことを特徴とするファイバレ
ーザ加工機用の遮光ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバレーザ光の照射によって棒状のワークのレーザ加工を行うファイバレーザ加工機等にする。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザ光の照射によって平板状のワーク(板金)のレーザ加工(平板加工)とパイプ材等の棒状のワークのレーザ加工(棒材加工)を行う併用型のレーザ加工機として炭酸ガスレーザ加工機が広く普及している(特許文献1及び特許文献2等参照)。そして、炭酸ガスレーザ加工機の構成について簡単に説明すると、次の通りである。
【0003】
炭酸ガスレーザ加工機は、ワークのレーザ加工(平板加工と棒材加工)を行うための加工領域と、加工領域のX軸方向の一方側に配置した平板待機領域と、加工領域のX軸方向の他方側に配置した棒待機領域とを有している。また、炭酸ガスレーザ加工機は、加工領域と平板待機領域との間においてX軸方向へ移動可能に設けられかつ平板状のワークを支持する平板パレットと、加工領域と棒待機領域との間においてX軸方向へ移動可能に設けられかつ棒状のワークを保持する棒パレットとを備えている。
【0004】
炭酸ガスレーザ加工機は、棒待機領域の一部をY軸方向に跨ぐように立設された門型フレーム(門型の支持フレーム)を備えており、門型フレームの内側には、棒パレットを進入させるための進入通路(進入空間)が形成されている。また、門型フレームの内側には、炭酸ガス(CO2)レーザ光を発振する炭酸ガスレーザ発振器が設けられている。更に、特許文献1等には記載されていないが、炭酸ガスレーザ加工機は、加工領域の全体を覆う保護キャビンを備えている。保護キャビンのX軸方向の他側部は、門型フレームに接続(連結)しており、保護キャビンの内部は、門型フレームの進入通路に連通している。保護キャビンは、その正面側に、開閉可能な複数の扉を有している。
【0005】
保護キャビンは、X軸方向の一方側に、Y軸方向に沿って立設された側壁を有している。側壁には、平板パレットを通過させるための通過開口部が形成されている。また、スパッタの平板待機領域側への飛散等を防止するため、側壁には、通過開口部を開閉するシャッタが昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられており、シャッタは、保護キャビンの一部を構成する。シャッタの下部には、棒状のワークの一部分及び/又は棒状のワークから取り出した製品を通過させるための通過切欠部(通過穴部)が形成されている。
【0006】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1及び特許文献2の他に、特許文献3から特許文献5に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-86244号公報
【文献】特開2012-91180号公報
【文献】特開2014-113627号公報
【文献】特開2016-52681号公報
【文献】実開平4-22192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年、ランニングコストの大幅な削減を図るために、レーザ発振器として、炭酸ガスレーザ発振器に代えて、炭酸ガスレーザ発振器よりも発振効率(レーザ効率)に優れたファイバレーザ発振器を用いることが検討されている。換言すれば、併用型のレーザ加工機として、炭酸ガスレーザ加工機に代えて、ファイバレーザ加工機を用いることが検討されている。
【0009】
一方、炭酸ガスレーザ光の波長が10μm帯であるのに対して、ファイバレーザ発振器から発振されるファイバレーザ光の波長は1μm帯である。そのため、併用型のレーザ加工機としてファイバレーザ加工機を用いた場合に、シャッタによって側壁の通過開口部を閉じた状態において、ファイバレーザ光の反射光がシャッタの通過切欠部から外部(ファイバレーザ加工機の外部)に漏れると、作業者の安全性を阻害することになる。
【0010】
ファイバレーザ光の反射光が外部に漏れること十分に防止するために、シャッタの下部に通過切欠部を形成しないようにすると、加工領域のX軸方向の寸法(長さ)を超える長尺棒状(長尺の棒状)のワークの終端側を加工領域に位置させることできず、長尺棒材のワークの加工範囲が制限される。また、ファイバレーザ光の反射光が外部に漏れること十分に防止するために、保護キャビンによって加工領域の全体だけでなく、平板待機領域の全体と棒待機領域の全体を覆うことも考えられるが、製品の排出等の都度、保護キャビンの扉の開閉動作が必要になり、レーザ加工の中断時間が長くなって、ファイバレーザ加工機の生産性の低下を招くことになる。
【0011】
つまり、併用型のレーザ加工機としてファイバレーザ加工機を用いた場合に、作業者の安全性を十分に確保しつつ、長尺棒状のワークを含む棒状のワークの加工範囲を維持すると共に、ファイバレーザ加工機の生産性を高めることが困難であるという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成のファイバレーザ加工機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施態様は、ファイバレーザ光の照射によって棒状のワークのレーザ加工を行うファイバレーザ加工機であって、レーザ加工を行うための加工領域において棒状のワークを保持する棒パレットと、棒状のワークの一部及び/又は棒状のワークから取り出した製品を通過させるための通過切欠部が形成され、前記加工領域を覆う保護キャビンと、前記保護キャビンの前記通過切欠部に接続可能(連通可能)に構成され、棒状のワークの一部及び/又は製品を覆う遮光ボックス(箱型の遮光カバー)と、を備えたことである。
【0014】
本発明の実施態様においては、前記遮光ボックスが前記加工領域のX軸方向の一方側に配置した平板パレットの内側に係脱可能に設けられてもよい。更に、本発明の実施形態においては、前記平板パレットの内側に設けられ、前記遮光ボックスの一部に係止する係止部を有し、棒状のワークの一部及び/又は製品を支持する補助サポート台を備えてもよい。また、本発明の実施形態においては、前記遮光ボックスは、前記平板パレットの内側に係止されるベース部材と、前記ベース部材に揺動可能に設けられた蓋部材と、を有してもよい。
【0015】
本発明の実施態様においては、前記平板パレットの内側と前記保護キャビンの側壁の上部側との間で、前記遮光ボックスを移動させるボックス移動機構を備えてもよい。前記ボックス移動機構は、前記側壁の近傍に立設された支柱と、基端部が前記支柱に垂直な旋回軸心周りに旋回可能に連結され、水平方向に延びた旋回アームと、前記旋回アームの先端部側に設けられ、上下方向に延びたガイドフレームと、前記ガイドフレームに昇降可能に設けられた昇降体と、前記昇降体に設けられ、前記遮光ボックスの一部に着脱可能に連結する連結部材と、を有してもよい。
【0016】
前記遮光ボックスは、その頂部(上部)に設けられ、前記連結部材を支持する受け部材と、頂部に揺動可能に設けられ、前記受け部材と協働して前記連結部材を挟持する押え部材と、前記押え部材を前記受け部材に対して移動不能に固定するロック手段と、を有してもよい。また、前記連結部材の上面に係止フックが設けられ、更に、前記遮光ボックスは、前記押え部材に移動可能に設けられ、前記係止フックに係止可能な可動片と、前記押え部材と前記受け部材の協働により前記連結部材を挟持した状態において前記可動片を前記係止フック側に付勢する係止用付勢部材と、を有してもよい。更に、前記ボックス移動機構は、前記昇降体を前記ガイドフレームに対して上方向へ付勢する上昇用付勢部材を備えてもよい。
【0017】
本発明の実施形態においては、前記保護キャビンは、前記通過切欠部が形成されかつ前記平板パレットを通過させるための通過開口部を開閉する大シャッタと、前記大シャッタの前記通過切欠部を開閉する小シャッタと、を有してもよい。
【0018】
本発明の実施形態によると、前記保護キャビンによって前記平板待機領域の全体を覆うことなく、棒状のワークのレーザ加工中に、ファイバレーザ光の反射光が前記保護キャビンの前記通過切欠部側から外部に漏れることを十分に防止することができる。また、前記加工領域のX軸方向の寸法(長さ)を超える長尺棒状(長尺の棒状)のワークの先端側の一部を前記遮光ボックス内に進入(挿入)させることにより、長尺棒状のワークの終端側を前記加工領域に位置させることができる。
【0019】
本発明の他の実施態様は、レーザ加工を行うための加工領域を覆う保護キャビンを備えかつ前記保護キャビンに棒状のワークの一部及び/又は棒状のワークから取り出した製品を通過させるための通過切欠部が形成されたファイバレーザ加工機に用いられ、棒状のワークの一部及び/又は製品を覆う遮光ボックス(箱型の遮光カバー)であって、前記保護キャビンの前記通過切欠部に接続可能に構成されことである。
【0020】
本発明の他の実施態様によると、前述の本発明の実施態様と同様の作用を奏する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、前述のように、前記保護キャビンによって前記平板待機領域の全体を覆うことなく、ファイバレーザ光の反射光が前記棒待機領域側から外部に漏れることを十分に防止しつつ、長尺棒状のワークの終端側を前記加工領域に位置させることができる。よって、本発明によれば、作業者の安全性を十分に確保しつつ、長尺棒状のワークを含む棒状のワークの加工範囲を維持すると共に、ファイバレーザ加工機の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機の模式的な正面図であり、平板パレットを平板待機領域から加工領域へ移動させる様子を示している。
図2図2は、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機の模式的な正面図であり、棒状のワークのレーザ加工を行う様子を示している。
図3図3は、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な斜視図であり、レフト大シャッタによって側壁の通過開口部を開いた様子を示している。
図4図4は、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な斜視図であり、レフト大シャッタによって側壁の通過開口部を閉じかつレフト小シャッタによってレフト大シャッタの通過切欠部を閉じた様子を示している。
図5図5は、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機を保護キャビンの左側から見た図であり、レフト大シャッタによって側壁の通過開口部を開いた様子を示している。
図6図6は、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機を保護キャビンの左側から見た図であり、レフト大シャッタによって側壁の通過開口部を閉じかつレフト小シャッタによってレフト大シャッタの通過切欠部を閉じた様子を示している。
図7図7は、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機を保護キャビンの左側から見た図であり、レフト大シャッタによって側壁の通過開口部を閉じかつレフト小シャッタによってレフト大シャッタの通過切欠部を開いた様子を示している。
図8図8は、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な斜視図であり、遮光ボックスを補助サポート台に亘って載置した様子を示している。
図9図9は、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な斜視図であり、遮光ボックスの基端側を接続ボックスの接続開口部を介してレフト大シャッタの通過切欠部に接続した様子を示している。
図10図10(a)は、本発明の実施形態に係る遮光ボックスの正面斜視図であり、図10(b)は、本発明の実施形態に係る遮光ボックスの背面斜視図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る補助サポート台の斜視図である。
図12図12は、本発明の他の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な斜視図であり、平板パレットの内側において連結部材を遮光ボックスの蓋部材の頂部に装着した様子を示している。
図13図13は、本発明の他の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な斜視図であり、ボックス移動機構によって平板パレットの内側から遮光ボックスを持ち上げた様子を示している。
図14図14は、本発明の他の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な斜視図であり、ボックス移動機構によって遮光ボックスを保護キャビンの側壁の上部側まで移動させた様子を示している。
図15図15は、本発明の他の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な平面拡大図であり、平板パレットの内側において連結部材を遮光ボックスの蓋部材の頂部に装着した様子を示している。
図16図16は、本発明の他の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な平面拡大図であり、ボックス移動機構によって遮光ボックスを保護キャビンの側壁の上部側まで移動させた様子を示している。
図17図17は、本発明の他の実施形態に係るファイバレーザ加工機における平板待機領域側の模式的な正面拡大図であり、ボックス移動機構によって平板パレットの内側から遮光ボックスを持ち上げた様子を示している。
図18図18は、図14におけるXVIII部の拡大斜視図である。
図19図19は、図12におけるXIX部の拡大斜視図である。
図20図20(a)(b)は、本発明の他の実施形態に係る遮光ボックスの部分斜視図である。図20(a)は、受け部材の上側を閉じた様子を示している。図20(b)は、受け部材の上側を開放して、連結部材の嵌合穴を受け部材の凸部に嵌合させかつ係合ピンを固定片の係合穴に係合させた様子を示している。
図21図21は、本発明の他の実施形態の変形例を示す図であり、図18の一部に対応する図である。
図22図22は、図21におけるXXII部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態及び他の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「設けられる」とは、直接的に設けられることの他に、別部材を介して間接的に設けられることを含む意である。「立設される」とは、立てた状態(起立した状態)で設けられることである。「棒状のワーク」とは、パイプ材(角パイプ材、丸パイプ材)、形鋼を含む意である。また、「X軸方向」とは、水平方向の1つであり、本発明の実施形態にあっては、左右方向のことである。「Y軸方向」とは、X軸方向に直交する水平方向の1つであり、本発明の実施形態にあっては、前後方向のことである。「及び/又は」とは、2つのうちのいずれか一方と両方を含む意である。更に、図面中に、「FF」は、前方向、「FR」は、後方向、「L」は、左方向、「R」は、右方向、「U」は、上方向、「D」は、下方向をそれぞれ指している。
【0025】
(本発明の実施形態)
図1から図4に示すように、本発明の実施形態に係るファイバレーザ加工機10は、1μm帯の波長のファイバレーザ光の照射によって平板状のワーク(板金)Wのレーザ加工(平板加工)とパイプ材等の棒状のワークW’のレーザ加工(棒材加工)を行う併用型のレーザ加工機である。また、ファイバレーザ加工機10は、ワークW,W’のレーザ加工を行うための加工領域PAを有している。ファイバレーザ加工機10は、加工領域PAのX軸方向の一方側(左側)に配置した平板待機領域(第1待機領域)FAと、加工領域PAのX軸方向の他方側(右側)に配置した棒待機領域(第2待機領域)BAを有している(図3参照)。
【0026】
ファイバレーザ加工機10は、加工領域PAと平板待機領域FAとの間においてX軸方向(左右方向)へ移動可能に設けられかつ平板状のワークWを支持する平板パレット(第1パレット)12を備えている。また、平板パレット12は、例えば、特許文献1及び特許文献2に示す公知の構成からなり、スケルトン状の平板パレット本体14と、平板パレット本体14に設けられかつ平板状のワークWを点接触で支持するための複数のスキッド(図示省略)とを有している(図3参照)。
【0027】
ファイバレーザ加工機10は、加工領域PAと棒待機領域BAとの間においてX軸方向へ移動可能(加工領域PAのX軸方向の他方側から加工領域PAへ移動可能)に設けられかつ棒状のワークW’を支持する棒パレット16を備えている。また、棒パレット16は、例えば、特許文献1及び特許文献2に示す公知の構成からなり、スケルトン状の棒パレット本体18を有している。更に、棒パレット16は、棒パレット本体18の右端側(X軸方向の他端側)に回転可能に設けられかつ棒状のワークW’を把持するメインチャック20を有している。メインチャック20は、棒パレット本体18に設けられたチャック用回転モータ(図示省略)の駆動により回転する(図1参照)。
【0028】
棒パレット16は、棒パレット本体18におけるメインチャック20の左側(X軸方向の一方側)にX軸方向へ移動可能かつ回転可能に設けられかつ棒状のワークW’の被加工部の近傍を把持するサポートチャック22を有している。サポートチャック22は、棒状のワークW’の被加工部の近傍を把持した状態で、メインチャック20と一体的に回転する。また、棒パレット16は、棒パレット本体18におけるサポートチャック22の左側にX軸方向へ移動可能かつ回転可能に設けられかつ棒状のワークW’における製品に相当する部分又は製品M(図4参照)を把持する複数の製品サポートチャック24を有している。各製品サポートチャック24は、棒状のワークW’における製品に相当する部分を把持した状態で、メインチャック20と一体的に回転する(図1参照)。
【0029】
ファイバレーザ加工機10は、X軸方向に延びたベッド26を備えている。ベッド26の大部分は、加工領域PA(加工領域PAの下側)に位置しており、ベッド26の右端側(X軸方向の他端側)は、棒待機領域BAに位置している。また、また、ファイバレーザ加工機10は、棒待機領域BAの一部をY軸方向に跨ぐように立設された門型フレーム(門型の門型フレーム)28を備えている。門型フレーム28の内側には、棒パレット16を進入させるための進入通路(進入空間)28pが形成されている。更に、門型フレーム28の左側面(X軸方向の一方側の側面)には、門型フレーム28の進入通路28pの左側(X軸方向の一方側)を開閉するライトシャッタ30が昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられている。門型フレーム28の右側面(X軸方向の他方側の側面)には、門型フレーム28の進入通路28pの右側(X軸方向の他方側)を開閉する別のライトシャッタ32が昇降可能に設けられている。
【0030】
ベッド26の上側には、Y軸方向に延びたキャリッジ34がX軸方向へ移動可能に設けられている。ここで、キャリッジ34は、棒パレット16を加工領域PAと棒待機領域BAとの間においてX軸方向へ移動させる時に、棒パレット本体18に一体的に連結するように構成されている。そして、キャリッジ34が加工領域PAと棒待機領域BAとの間において棒パレット16(棒パレット本体18)と一体的にX軸方向へ移動することで、棒パレット16を加工領域PAに対して搬入及び搬出することができる。また、棒状のワークW’のレーザ加工(棒材加工)を行う時に、キャリッジ34は、サポートチャック22を一体的にX軸方向へ移動可能に連結するように構成されている(図1参照)。
【0031】
キャリッジ34には、下方向に向かってファイバレーザ光を照射する加工ヘッド36がY軸方向へ移動可能に設けられている。また、門型フレーム28の上部28aの内側には、ファイバレーザ光を発振するファイバレーザ発振器38が設けられており、ファイバレーザ発振器38は、加工ヘッド36に光学的に接続されている。
【0032】
平板待機領域FA(ベッド26のX軸方向の一方側)には、平板パレット12を待機させるための平板パレット待機機構40が設けられている。平板パレット待機機構40は、平板パレット12をX軸方向へ移動可能に支持する平板ガイドフレーム(第1ガイドフレーム)42を有している。平板ガイドフレーム42は、平板加工用の高さ位置とそれよりも低い棒材加工用の高さ位置との間において昇降可能に構成されている。ここで、平板加工用の高さ位置とは、平板パレット12をX軸方向へ移動させる時及平板状のワークWのレーザ加工(平板加工)を行う時における高さ位置のことである(図1及び図3参照)。棒材加工用の高さ位置とは、棒状のワークW’のレーザ加工(棒材加工)を行う時における高さ位置のことである(図2及び図4参照)。また、棒待機領域BAにおけるベッド26のX軸方向の他方側(右側)には、棒パレット16をX軸方向へ移動可能に支持する棒ガイドフレーム44が設けられている。
【0033】
棒ガイドフレーム44の内側(棒待機領域BA)には、棒状のワークW’の終端側(X軸方向の他端側)を収容する集塵ダクト46がリフター機構(図示省略)を介して昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられている。集塵ダクト46は、例えば、特許文献1に示す公知の構成からなり、集塵ダクト46の内部は、前記集塵機に接続されている。これにより、棒状のワーク’のレーザ加工中に生じた粉塵を集塵ダクト46を介して集塵することができる。また、ファイバレーザ光の反射光が棒状のワークW’(パイプ材等の棒状のワークW’の内部空間を含む)に沿って外部(ファイバレーザ加工機10の外部)に漏れることを防止することができる。
【0034】
ファイバレーザ加工機10は、加工領域PAの上部を含めた全体及び棒待機領域BAのX軸方向の一端側の一部を覆う保護キャビン48を備えている。保護キャビン48の右側部(X軸方向の他側部)は、門型フレーム28に接続(連結)しており、保護キャビン48の内部は、門型フレーム28の進入通路28pに連通可能である。また、保護キャビン48は、その正面側(前側)に、開閉可能な複数の扉50を有しており、図示は省略するが、各扉50の一部は、透明な窓部になっている。
【0035】
保護キャビン48は、その左側(X軸方向の一方側)に、Y軸方向に沿って立設された側壁52を有している。換言すれば、ファイバレーザ加工機10は、加工領域PAと平板待機領域FAとの間にY軸方向に沿って立設された側壁52を備えている。また、側壁52には、矩形の凹部52dが形成されており、凹部52dは、Y軸方向(前後方向)に延びている。更に、側壁52の凹部52dの下部には、平板パレット12を通過させるための矩形の通過開口部52aが形成されており、通過開口部52aは、Y軸方向(前後方向)に延びている。
【0036】
図3から図7に示すように、側壁52の凹部52dには、通過開口部52aを開閉するレフト大シャッタ54が昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられており、レフト大シャッタ54は、保護キャビン48の一部を構成する。レフト大シャッタ54は、側壁52の通過開口部52aを覆うことができるように、Y軸方向に延びており、レフト大シャッタ54の下部(下側)には、棒状のワークW’の一部及び/又は棒状のワークW’から取り出した製品Mを通過させるための通過切欠部54nが形成されている。
【0037】
側壁52の凹部52dにおける通過開口部52aの前後両側(Y軸方向の両側)には、レフト大シャッタ54を昇降させるレフト大シャッタ用の昇降アクチュエータとして昇降シリンダ56が設けられている。各昇降シリンダ56は、側壁52の凹部52dに設けられたシリンダ本体58と、シリンダ本体58に上下方向へ伸縮可能(移動可能)に設けられかつ先端部(上端部)がレフト大シャッタ54に連結された作動ロッド60とを有している。なお、レフト大シャッタ用の昇降アクチュエータとして昇降シリンダ56を用いる代わりに、昇降モータ(図示省略)を用いてもよい。
【0038】
側壁52におけるレフト大シャッタ54の通過切欠部54nに対応する位置には、シャッタガイド62が設けられており、シャッタガイド62は、保護キャビン48の一部を構成する。シャッタガイド62には、レフト大シャッタ54の通過切欠部54nを開閉するレフト小シャッタ64が昇降可能に設けられており、レフト小シャッタ64は、保護キャビン48の一部を構成する。
【0039】
シャッタガイド62の上部には、レフト小シャッタ64を昇降させるレフト小シャッタ用の昇降アクチュエータとして別の昇降シリンダ66が設けられている。各別の昇降シリンダ66は、シャッタガイド62の上部に設けられたシリンダ本体68と、シリンダ本体68に上下方向へ伸縮可能(移動可能)に設けられかつ先端部(下端部)がレフト小シャッタ64に連結された作動ロッド70とを有している。なお、レフト小シャッタ用の昇降アクチュエータとして別の昇降シリンダ66を用いる代わりに、別の昇降モータ(図示省略)を用いてもよい。
【0040】
レフト大シャッタ54の下部には、箱型の接続ボックス72が通過切欠部54nを囲むように設けられている。また、接続ボックス72の上面には、レフト小シャッタ64を進入させるための進入間隙部72gが形成されている。接続ボックス72の左側面(X軸方向の一方側の側面)には、レフト大シャッタ54の通過切欠部54nに連通可能(接続可能)な接続開口部(接続切欠部)72aが形成されており、接続ボックス72の下側は、開放(開口)されている。
【0041】
側壁52における通過開口部52aの下側には、レフト大シャッタ54によって側壁52の通過開口部52aを閉じた状態において、接続ボックス72を受ける(支持する)ボックス受け台74が設けられている。これにより、レフト大シャッタ54の通過切欠部54nを通過したファイバレーザの反射光が外部(ファイバレーザ加工機10の外部)に漏れることを十分に防止することができる。
【0042】
図9及び図10(a)(b)に示すように、平板パレット12の内側には、棒状のワークW’の一部及び/又は製品Mを支持する複数(本発明の実施形態にあっては、例えば3つ)の補助サポート台(補助受け台)76がX軸方向に間隔を置いて設けられている。各補助サポート台76は、平板待機領域FAに位置した平板パレット12に対して係脱可能(着脱可能)である。
【0043】
平板パレット12の内側には、棒状のワークW’の一部及び/又は製品Mを覆うファイバレーザ加工機用の遮光ボックス(箱型の遮光カバー)78が複数の補助サポート台76を介して係脱可能(着脱可能)に設けられている。遮光ボックス78は、X軸方向に延びたベース部材80と、ベース部材80に複数の蝶番82を介して揺動可能に設けられかつ補助サポート台76の上側を開閉する箱型の蓋部材84とを有している(図11参照)。そして、補助サポート台76及び遮光ボックス78の具体的な構成は、次の通りである。
【0044】
図9及び図11に示すように、各補助サポート台76は、平板パレット12に着脱可能に設けられかつY軸方向に延びたサポート台本体86を有している。また、各サポート台本体86には、棒状のワークW’の一部及び/又は製品MをX軸方向へ移動可能に支持するための支持ロール88が回転可能に設けられている。各サポート台本体86における支持ロール88の前側(Y軸方向の一方側)には、棒状のワークW’の一部及び/又は製品Mを移動可能に支持するための複数のフリーボールベアリング90が設けられている。
【0045】
各サポート台本体86の左右両縁部(X軸方向の両縁部)には、Y軸方向に延びかつ棒状のワークW’の一部及び/又は製品Mを移動可能に支持するための複数の支持レール92がそれぞれ設けられている。適宜の支持レール92には、遮光ボックス78の蓋部材84の先端部にX軸方向に移動可能に係止する係止部としての係止凹部92dが形成されている。また、各サポート台本体86の前端部(Y軸方向の一端部)には、製品MのY軸方向の移動を規制するためのストッパ94が設けられている。
【0046】
各サポート台本体86の後端部(Y軸方向の他端部)には、遮光ボックス78のベース部材80をX軸方向に移動可能に係止する係止部としての複数の係止ローラ(ガイドローラ)96が垂直な回転軸心周りに回転可能に設けられている。また、各サポート台本体86の後端部付近には、適宜の係止ローラ96と協働して遮光ボックス78をサポート台本体86に対して固定及び固定解除(固定状態を解除)するロック部材98がY軸方向(前後方向)へ移動可能に設けられている。各サポート台本体86の前端部付近には、手動操作によってロック部材98をY軸方向へ移動させる操作レバー100が設けられている。
【0047】
図8図10(a)(b)、及び図11に示すように、ファイバレーザ加工機用の遮光ボックス78は、前述のようにベース部材80を有しており、ベース部材80は、補助サポート台76の一部である複数の係止ローラ96の間にX軸方向へ移動可能に係止される。換言すれば、ベース部材80は、補助サポート台76を介して平板パレット12の内側にX軸方向へ移動可能に係止される。また、ベース部材80は、操作レバー100の手動操作によってロック部材98がY軸方向へ移動すると、ロック部材98と適宜の係止ローラ96の協働によって補助サポート台76(サポート台本体86)に対して固定及び固定解除されるように構成されている。
【0048】
遮光ボックス78は、前述のように蓋部材84を有しており、蓋部材84の先端部は、補助サポート台76の一部である適宜の支持レール92の係止凹部92dにX軸方向へ移動可能に係止される。また、蓋部材84の基端側(右端側)、換言すれば、遮光ボックス78の基端側は、開放(開口)されている。蓋部材84の先端側(左端側)、換言すれば、遮光ボックス78の先端側は、閉鎖されている。なお、図11においては、遮光ボックス78の一部を二点鎖線で表している。
【0049】
蓋部材84の基端側(右端側)は、レフト大シャッタ54によって側壁52の通過開口部52aを閉じた状態において、接続ボックス72の接続開口部72aに接続可能(連通可能)に構成されている。換言すれば、遮光ボックス78の基端側(右端側)は、レフト大シャッタ54によって側壁52の通過開口部52aを閉じた状態において、レフト大シャッタ54の通過切欠部54nに接続ボックス72を介して接続可能に構成されている。蓋部材84の一部は、透明な窓部84aになっている。これにより、蓋部材84を開かなくも、遮光ボックス78に覆われた棒状のワークW’及び/又は製品Mの様子を確認できる。また、蓋部材84を開閉することで、製品Mを容易に排出することができる。
【0050】
前述のファイバレーザ加工機10等の構成に基づいて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0051】
平板パレット12を平板待機領域FAに位置させかつ棒パレット16の大部分を加工領域PAに位置させた状態で、平板状のワークWのレーザ加工(平板加工)を行う場合には、次のような動作を実行する。
【0052】
ライトシャッタ30によって門型フレーム28の進入通路28pの左側を開くと共に、別のライトシャッタ32によって門型フレーム28の進入通路28pの右側を開く。そして、キャリッジ34を棒パレット本体18に一体的に連結させた状態で、キャリッジ用の移動モータ(図示省略)の駆動により棒パレット16をキャリッジ34と一体的に右方向(X軸方向他方側)へ移動させて、加工領域PAから搬出して棒待機領域BAに待機させる。また、一対の昇降シリンダ56の駆動によりレフト大シャッタ54を上昇(上方向へ移動)させて、レフト大シャッタ54によって側壁52の通過開口部52aを開く。併せて、別の昇降シリンダ66の駆動によりレフト小シャッタ64を上昇させる。
【0053】
続いて、平板パレット用の移動モータ(図示省略)の駆動により平板パレット12を右方向(X軸方向の一方側)へ移動させて、加工領域PAに搬入する。そして、一対の昇降シリンダ56の駆動によりレフト大シャッタ54を下降(下方向へ移動)させて、レフト大シャッタ54によって側壁52の通過開口部52aを閉じる。併せて、別の昇降シリンダ66の駆動によりレフト小シャッタ64を下降させて、遮蔽部材としてのレフト小シャッタ64によってレフト大シャッタ54の通過切欠部54nを閉じる。また、ライトシャッタ30によって門型フレーム28の進入通路28pの左側を閉じると共に、別のライトシャッタ32によって門型フレーム28の進入通路28pの右側を閉じる。すると、保護キャビン48、ライトシャッタ30、別のライトシャッタ32、レフト大シャッタ54、及びレフト小シャッタ64によって、加工領域PAの上部を含めた全体を密閉した状態(遮光状態)にすることができる。
【0054】
なお、レフト小シャッタ64によってレフト大シャッタ54の通過切欠部54nを閉じる代わりに、遮蔽カバー等の別の遮蔽部材(図示省略)によって接続ボックス72の接続開口部72a(レフト大シャッタ54の通過切欠部54n)を閉じてもよい。
【0055】
その後、キャリッジ用の移動モータ駆動により加工ヘッド36をキャリッジ34と一体的にX軸方向へ移動させる。また、加工ヘッド用の移動モータ(図示省略)の駆動により加工ヘッド36をY軸方向へ移動させる。すると、平板パレット12に支持された平板状のワークWに対して加工ヘッド36をX軸方向及び/又はY軸方向に位置決めすることができる。そして、加工ヘッド36を平板状のワークWに対してX軸方向及び/又はY軸方向に位置決めしながら、加工ヘッド36から平板状のワークWに向かってファイバレーザ光を照射する。これにより、平板状のワークWのレーザ加工(平板加工)を行うことができる。
【0056】
ここで、前述のように、平板状のワークWのレーザ加工中に、レフト大シャッタ54によって側壁52の通過開口部52aを閉じると共に、レフト小シャッタ64によってレフト大シャッタ54の通過切欠部54nを閉じている。また、ライトシャッタ30によって門型フレーム28の進入通路28pの左側を閉じると共に、別のライトシャッタ32によって門型フレーム28の進入通路28pの右側を閉じている。そのため、棒状のワークW’のレーザ加工中に、ファイバレーザ光の反射光が側壁52側及び門型フレーム28の進入通路28p側から外部(ファイバレーザ加工機10の外部)に漏れることを十分に防止することができる。
【0057】
棒パレット16を棒待機領域BAに位置させかつ平板パレット12を加工領域PAに位置させた状態で、棒状のワークW’のレーザ加工(棒材加工)を行う場合には、次のような動作を実行する。
【0058】
一対の昇降シリンダ56の駆動によりレフト大シャッタ54を上昇(上方向へ移動)させて、レフト大シャッタ54によって側壁52の通過開口部52aを開く。併せて、別の昇降シリンダ66の駆動によりレフト小シャッタ64を上昇させる。また、平板パレット用の移動モータの駆動により平板パレット12を左方向(X軸方向の一方側)へ移動させて、加工領域PAから搬出して平板待機領域FAに待機させる。そして、平板パレット12の内側に複数の補助サポート台76をX軸方向に間隔を置いて装着(セット)する。更に、一対の昇降シリンダ56の駆動によりレフト大シャッタ54を下降させて、レフト大シャッタ54によって側壁52の通過開口部52aを閉じる。レフト小シャッタ64によってレフト大シャッタ54の通過切欠部54nを開く。
【0059】
続いて、ベース部材80が複数の係止ローラ96の間に係止されかつ蓋部材84の先端部が支持レール92の係止凹部92dに係止されるように、遮光ボックス78を複数の補助サポート台76に載置する(図8及び図11参照)。次に、遮光ボックス78を右方向(X軸方向の他方側)へ移動させて、遮光ボックス78の基端側を接続ボックス72の接続開口部72aに接続(当接)させる(図8及び図9参照)。そして、操作レバー100の手動操作によってロック部材98を後方向(Y軸方向の他方側)へ移動させて、ロック部材98と適宜の係止ローラ96の協働によってベース部材80を補助サポート台76に対して固定する。これにより、遮光ボックス78の基端側をレフト大シャッタ54の通過切欠部54nに接続ボックス72を介して接続した状態で、遮光ボックス78を複数の補助サポート台76を介して平板パレット12の内側に装着することができる。
【0060】
そして、ライトシャッタ30によって門型フレーム28の進入通路28pの左側を開くと共に、別のライトシャッタ32によって門型フレーム28の進入通路28pの右側を開く。更に、キャリッジ34を棒パレット本体18に一体的に連結させた状態で、キャリッジ用の移動モータの駆動により棒パレット16をキャリッジ34と一体的に左方向(X軸方向の一方側)へ移動させて、棒待機領域BAから加工領域PAに搬入する。このとき、棒パレット16の一部である右端側(X軸方向の他端側)は、棒待機領域BAに位置している。また、保護キャビン48、レフト大シャッタ54、レフト小シャッタ64、棒パレット16に設けられた遮蔽部材(図示省略)、及び門型フレーム28に設けられた他の遮光部材(図示省略)によって、加工領域PAの上部を含めた全体を略密閉した状態(遮光状態)にすることができる。
【0061】
その後、キャリッジ34をサポートチャック22に回転可能に連結させた状態で、キャリッジ用の移動モータ駆動により加工ヘッド36及びサポートチャック22をキャリッジ34と一体的にX軸方向へ移動させる。また、加工ヘッド用の移動モータ(図示省略)の駆動により加工ヘッド36をY軸方向へ移動させる。すると、棒パレット16に保持された棒状のワークW’に対して加工ヘッド36をX軸方向及び/又はY軸方向に位置決めすることができる。更に、必要に応じて、回転モータの駆動によりメインチャック20及びサポートチャック22を回転させて、棒状のワークW’を回転させる。そして、加工ヘッド36を棒状のワークW’に対してX軸方向及びY軸方向に位置決めしかつ必要に応じて棒状のワークW’を回転させなら、加工ヘッド36から棒状のワークW’に向かってファイバレーザ光を照射する。これにより、棒状のワークW’のレーザ加工(棒材加工)を行って、棒状のワークW’から製品Mを取り出すことができる。
【0062】
ここで、棒状のワークW’のレーザ加工中に、加工領域PAのX軸方向の寸法(長さ)を超える長尺棒状(長尺の棒状)のワークTW’(図2参照)の先端側(始端側)の一部を遮光ボックス78内に進入(挿入)させることにより、長尺棒状のワークTW’(W’)の終端側を加工領域PAに位置させることができる(図2参照)。また、ファイバレーザ光の反射光がレフト大シャッタ54の通過切欠部54nから漏れても、遮光ボックス78によって外部に漏れることを十分に防止することができる。
【0063】
また、棒状のワークW’のレーザ加工中に、棒パレット16及び門型フレーム28にそれぞれ設けられた遮蔽部材等によって、ファイバレーザの反射光が門型フレーム28の進入通路28p側から外部に漏れることを防止することができる。
【0064】
更に、遮光ボックス78の基端側が接続ボックス72に当接したことを当接センサ(図示省略)によって検出することで、遮光ボックス78の基端側がレフト大シャッタ54の通過切欠部54nに接続ボックス72を介して接続したことが確認できる。また、ベース部材80が補助サポート台76に対して固定(ロック)されていることをロックセンサ(図示省略)によって検出すると共に、蓋部材84が閉じていることを開閉センサ(図示省略)によって検出することで、遮光ボックス78が複数の補助サポート台76に固定されていることを確認できる。その結果、ファイバレーザ光の反射光が側壁52側から外部に漏れることをより十分に防止することができる。
【0065】
なお、棒状のワークW’のレーザ加工中に、レフト大シャッタ54によって側壁52の通過開口部52aを閉じる他に、レフト小シャッタ64によってレフト大シャッタ54の通過切欠部54nを閉じてもよい。この場合には、棒状のワークW’のレーザ加工中に、ファイバレーザ光の反射光が側壁52側から外部に漏れることを十分に防止することができる。
【0066】
以上の如き、本発明の実施形態によれば、前述のように、保護キャビン48によって平板待機領域FAの全体及び棒待機領域BAの全体を覆うことなく、ファイバレーザ光の反射光が側壁52側から外部に漏れることを十分に防止しつつ、長尺棒状のワークTW’の終端側を加工領域PAに位置させることができる。よって、本発明の実施形態によれば、作業者の安全性を十分に確保しつつ、長尺棒状のワークTW’を含む棒状のワークW’の加工範囲を維持すると共に、ファイバレーザ加工機10の生産性を高めることができる。
【0067】
(本発明の他の実施形態)
図12から図14に示すように、本発明の他の実施形態に係るファイバレーザ加工機10Aは、ファイバレーザ加工機10(図1参照)と同様の構成を有する他に、平板パレット12の内側と保護キャビン48の側壁52の上部側との間で遮光ボックス78を移動させるボックス移動機構102を備えている。なお、ファイバレーザ加工機10Aにおける複数の構成要素等のうち、ファイバレーザ加工機10における構成要素等と対応するものについては、図面中に同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
続いて、本発明の他の実施形態に係るボックス移動機構102及びそれに関連する具体的な構成等について説明する。
【0069】
図12から図17に示すように、側壁52の左側近傍には、逆L字形状の支柱104が支持台106を介して立設されている。支柱104は、水平方向に延びた水平部104aを有している。また、支柱104の水平部104aの先端部には、水平方向に延びた旋回アーム(回転アーム)108の基端部がベアリング(図示省略)等を介して垂直な旋回軸心108s周りに旋回可能(回転可能)に連結されている。旋回アーム108は、その旋回動作によって、支柱104の水平部104aと略直線状になる第1旋回姿勢(図15参照)と、支柱104の水平部104aに対して略直角状なる第2旋回姿勢(図16参照)とに切り替わるように構成されている。旋回アーム108の中間部には、旋回アーム108の旋回動作を補助するためのハンドル110が設けられている。
【0070】
図15図16、及び図18に示すように、旋回アーム108の先端部には、リスト112が一体的に設けられている。支柱104の水平部104aの先端部には、第1旋回姿勢からの旋回アーム108の一方向(図15及び図16において反時計回り方向)の旋回を規制する第1規制部材としてのストッパ114がブラケット116を介して設けられている。ストッパ114は、旋回アーム108を第2旋回姿勢から第1旋回姿勢に切り替えると、旋回アーム108の基端部に当接するように構成されている。また、リスト112には、第2旋回姿勢からの旋回アーム108の他方向(図15及び図16において時計回り方向)の旋回を規制する第2規制部材としての規制ローラ118がブラケット120を介して設けられている。規制ローラ118は、水平な回転軸心118c周りに回転可能である。規制ローラ118は、旋回アーム108を第1旋回姿勢から第2旋回姿勢に切り替えると、側壁52の上部に固定された係合ブロック122の係合溝122gに係合するように構成されている。
【0071】
図12図17、及び図19に示すように、リスト112には、上下方向に延びた箱型のガイドフレーム124が設けられている。換言すれば、旋回アーム108の先端部には、ガイドフレーム124がリスト112を介して設けられている。また、ガイドフレーム124には、昇降体126が一対のスライドレール128を介して昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられている。
【0072】
ガイドフレーム124の内側には、昇降体126をガイドフレーム124に対して上方向へ付勢する上昇用付勢部材としての引き込み式のガススプリング130が設けられている。ガススプリング130は、ガイドフレーム124の内側の上部に設けられかつ高圧ガスを封入したシリンダ132と、シリンダ132に昇降可能に設けられた作動ロッド134とを有している。作動ロッド134の先端部(下端部)は、昇降体126の適宜位置に連結されている。また、昇降体126の下部には、昇降体126の下降動作(押下げ動作)を補助するための把手136が設けられている。
【0073】
昇降体126の下部には、遮光ボックス78の蓋部材84の頂部(上部)に着脱可能に連結するT字形状の連結部材138が設けられている。連結部材138の裏側(下面側)は、トレイ状に窪んで形成されている。そして、連結部材138を遮光ボックス78の蓋部材84の頂部に連結するための具体的な構成は、次の通りである。
【0074】
図19及び図20(a)(b)に示すように、連結部材138の中央部には、嵌合穴138hが貫通して形成されている(図20(b)参照)。連結部材138の上面(表面)における嵌合穴138hの近傍には、一対の係止フック140が設けられている。各係止フック140は、その先端側(上端側)に、爪部140aを有している(図19参照)。また、連結部材138の下面(裏面)の両端部側には、係合ピン142がそれぞれ設けられている(図20(b)参照)。
【0075】
遮光ボックス78の蓋部材84の頂部(上部)には、連結部材138の中央部を支持する受け部材144が設けられており、受け部材144は、その上側に、連結部材138の嵌合穴138hに嵌合する凸部144sを有している(図20(b)参照)。また、遮光ボックス78の蓋部材84の頂部における受け部材144の両側には、固定片146がそれぞれ設けられている。各固定片146には、係合ピン142を係合させるための係合穴146hが形成されている(図20(b)参照)。
【0076】
遮光ボックス78の蓋部材84の頂部には、押え部材148が受け部材144の上側を開閉する開閉方向へ蝶番150を介して揺動可能に設けられている。押え部材148は、その閉方向の揺動によって受け部材144と協働して連結部材138の中央部を挟持する。押え部材148は、間隔を置いて対向した一対の挟持プレート152等により構成されている。
【0077】
一対の挟持プレート152の間には、可動プレート154が押え部材148の長手方向に沿って移動可能に設けられている(図20(b)参照)。可動プレート154の両側端には、係止フック140(係止フック140の爪部140a)に係止可能な可動片156がそれぞれ形成されている。換言すれば、押え部材148には、一対の可動片156が押え部材148の長手方向に沿って移動可能に設けられている。更に、一対の挟持プレート152の間には、係止用付勢部材としての引張スプリング158が設けられている(図20(b)参照)。引張スプリング158は、可動プレート154を押え部材148の基端部側に付勢する。換言すれば、引張スプリング158は、押え部材148と受け部材144の協働により連結部材138を挟持した状態において各可動片156を係止フック140側に付勢する。
【0078】
受け部材144の凸部144sには、雌ロック部材160が設けられている。また、押え部材148には、雄ロック部材162が設けられており、雄ロック部材162は、その回転操作によって雌ロック部材160に締結する。雄ロック部材162は、可動プレート154に連結されており、押え部材148の基端部側と先端部側との間で可動プレート154と一体的に移動する。ここで、雌ロック部材160と雄ロック部材162は、押え部材148を受け部材144に対して移動不能に固定するロック手段に相当する。また、雌ロック部材160と雄ロック部材162は、公知の構成からなるものであり、それらの構成の詳細は省略する。
【0079】
なお、前述のように、連結部材138が押え部材148と受け部材144により挟持されることで、遮光ボックス78の蓋部材84に装着(連結)しているが、連結部材138以外の連結部材が遮光ボックス78のベース部材80の一部を保持(把持)することで、遮光ボックス78の蓋部材84に装着してもよい。
【0080】
そして、本発明の他の実施形態においては、前述の本発明の実施形態と同様の作用及び効果を奏する他に、次のような作用及び効果を奏する。
【0081】
棒状のワークW’のレーザ加工を行った後に、遮光ボックス78を左方向(X軸方向の一方側)へ移動させて、遮光ボックス78の基端側を接続ボックス72の接続開口部72aから離隔させる。また、旋回アーム108を一方向へ旋回させて、第2旋回姿勢から第1旋回姿勢に切り替えることにより、連結部材138を遮光ボックス78の上方(真上)に位置させる。次に、押え部材148を開方向へ揺動させて、受け部材144の上側(表側)を開放する。そして、ガイドフレーム124をガススプリング130の付勢力に抗しながら下降させて、連結部材138を遮光ボックス78の蓋部材84の頂部に載置する。その際に、連結部材138の嵌合穴138hを受け部材144の凸部144sに嵌合させると共に、各係合ピン142を対応する係合穴146hに係合させる。
【0082】
続いて、押え部材148を閉方向(挟持方向)へ揺動させて、押え部材148と受け部材144の協働により連結部材138を挟持する。その際に、各可動片156は、引張スプリング158の付勢力に抗しながら係止フック140の爪部140aを乗り越えて、引張スプリング158の付勢力によって係止フック140側(押え部材149の基端部側)に移動する。そして、雄ロック部材162の回転操作によって雄ロック部材162を雌ロック部材160に締結することにより、押え部材148を受け部材144に対して移動不能に固定する。これにより、連結部材138を遮光ボックス78の蓋部材84の頂部に装着(連結)することができる。
【0083】
その後、ガススプリング130の付勢力を利用しながらガイドフレーム124を上昇させることにより、平板パレット12の内側から遮光ボックス78を持ち上げる。そして、旋回アーム108を他方向へ旋回させて、第1旋回姿勢から第2旋回姿勢に切り替えることにより、遮光ボックス78を側壁52の上部側に位置(待機)させる。
【0084】
以上により、遮光ボックス78を平板パレットの内側から側壁52の上部側まで移動させることができる。なお、遮光ボックス78を側壁52の上部側から平板パレットの内側まで移動させる場合には、前述の動作と逆の動作を実行する。
【0085】
従って、本発明の他の実施形態によれば、前述のように、平板パレット12の内側と側壁52の上部側との間で遮光ボックス78を移動させることができる。そのため、平板状のワークWのレーザ加工(平板加工)及び棒状のワークW’のレーザ加工(棒材加工)の段取り作業を簡単かつ容易に行うことができる。特に、平板パレット12の内側から遮光ボックス78を持ち上げる際に、ガススプリング130の付勢力を利用しているため、平板加工及び棒材加工の段取り作業をより容易に行うことができる。
【0086】
また、前述のように、押え部材148と受け部材144の協働により連結部材138を挟持した状態において、各可動片156が引張スプリング158によって係止フック140側に付勢されている。そのため、仮に、雌ロック部材160と雄ロック部材162のロック不良(締結不良)が発生しても、連結部材138から遮光ボックス78が離脱することを十分に防止することができる。
【0087】
更に、棒材加工を行わない場合に、遮光ボックス78を側壁52の上部側に待機させることができるため、ファイバレーザ加工機10Aの周辺のデッドスペースを活用して、工場のスペースの有効利用を図ることができる。
【0088】
なお、本発明の他の実施形態において、規制ローラ118を水平な回転軸心118c周りに回転可能に構成する代わりに、図21及び図22に示すように、垂直な回転軸心118s周りに回転可能に構成してもよい。この場合、係合ブロック122(図18参照)に代えて支持ブロック164を側壁52の上部に固定する他、規制ローラ118に関連する構成は、次のようになる。
【0089】
支持ブロック164の上部の左端側には、規制ローラ118を左方向から保持するローラ保持部材166が複数の取付ボルト(ショルダーボルト)168を介して設けられている。ローラ保持部材166は、規制ローラ118を保持するための保持面166fと、規制ローラ118を保持面166fに案内するためのガイド面168sを有している。ローラ保持部材166は、取付ボルト168の締結部分(螺合部分)を支点とした水平方向の僅かな揺動(微動)が許容されている。また、各取付ボルト168には、ローラ保持部材166を支持ブロック164側(後方向)へ付勢する付勢部材としてコイルスプリング170が設けられている。更に、支持ブロック164の上部の右端には、規制ローラ118を右方向から保持するローラ保持片172が設けられている。そして、規制ローラ118は、旋回アーム108(図16参照)を第1旋回姿勢から第2旋回姿勢に切り替えると、ローラ保持部材166を水平方向へ僅かに揺動させながら、ローラ保持部材166の保持面166fとローラ保持片172との間に係合するように構成されている。
【0090】
本発明の他の実施形態において、昇降体126の適宜位置には、ドグ174が設けられており、支持ブロック164の下部には、近接センサ176が設けられている。近接センサ176は、旋回アーム108が第2旋回姿勢に切り替わると、ドグ174の近接を検出する。
【0091】
本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、種々の変更を行うことにより、その他、種々の態様で実施可能である。そして、本発明に包含される権利範囲は、前述の実施形態に限定されないものである。
【符号の説明】
【0092】
10 ファイバレーザ加工機
12 平板パレット(第1パレット)
14 平板パレット本体
16 棒パレット
18 棒パレット本体
20 メインチャック
22 サポートチャック
26 ベッド
28 門型フレーム(門型の支持フレーム)
30 ライトシャッタ
32 別のライトシャッタ
34 キャリッジ
36 加工ヘッド
38 ファイバレーザ発振器
42 平板ガイドフレーム
44 棒ガイドフレーム
46 集塵ダクト
48 保護キャビン
50 扉
52 側壁
52a 通過開口部
52d 凹部
54 レフト大シャッタ(大シャッタ)
54n 通過切欠部
56 昇降シリンダ(昇降アクチュエータ)
62 シャッタガイド
64 レフト小シャッタ(小シャッタ)
66 別の昇降シリンダ(別の昇降アクチュエータ)
72 接続ボックス
72a 接続開口部
72g 進入間隙部
74 ボックス受け台
76 補助サポート台
78 遮光ボックス(箱型の遮光カバー)
80 ベース部材
84 蓋部材
84a 窓部
86 サポート台本体
88 支持ロール
90 フリーボールベアリング
92 支持レール
92d 係止凹部
94 ストッパ
96 係止ローラ(係止部)
98 ロック部材
100 操作レバー
10A ファイバレーザ加工機
102 ボックス移動機構
104 支柱
104a 水平部
106 支持台
108 旋回アーム
108s 垂直な旋回軸心
112 リスト
114 ストッパ(第1規制部材)
118 規制ローラ(第2規制部材)
122 係合ブロック
122g 係合溝
124 ガイドフレーム
126 昇降体
128 スライドレール
130 ガススプリング(上昇用付勢部材)
132 シリンダ
134 作動ロッド
138 連結部材
138h 嵌合穴
140 係止フック
140a 爪部
142 係合ピン
144 受け部材
144s 凸部
146 固定片
146h 係合穴
148 押え部材
152 挟持プレート
154 可動プレート
156 可動片
158 引張スプリング(係止用付勢部材)
160 雌ロック部材(ロック手段)
162 雄ロック部材(ロック手段)
164 支持ブロック
166 ローラ保持部材
166f 保持面
166s ガイド面
168 取付ボルト
170 コイルスプリング
172 ローラ保持片
174 ドグ
176 近接センサ
PA 加工領域
FA 平板待機領域(第1待機領域)
BA 棒待機領域(第2待機領域)
W 平板状のワーク
W’ 棒状のワーク
TW’ 長尺棒状のワーク
M 製品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22