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  • 特許-工作機械の加工異常検出装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】工作機械の加工異常検出装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/09 20060101AFI20221007BHJP
   G05B 19/18 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
B23Q17/09 A
G05B19/18 X
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018197782
(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公開番号】P2020062737
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】上野 浩
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/00,17/09,17/24;
G05B 19/18-19/416,19/42-19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削工具を用いて被削材を加工する工作機械において、前記加工における異常の発生を検出するための加工異常検出装置であって、
前記異常の有無を診断するための異常検出モデルを複数保持する異常検出モデル保持手段と、
前記異常検出モデル保持手段に保持される個々の異常検出モデルについて、異常検出モデルの構築に使用した診断情報を収集した際の加工条件を、前記異常検出モデルに関連付けて保持するモデル構築条件保持手段と、
前記個々の異常検出モデルについて、特定の加工条件に限定せず使用可能な汎化モデル、もしくは特定の加工条件に限定して使用可能な特化モデルのいずれであるかを前記異常検出モデルに関連付けて保持するモデル特性保持手段と、
診断対象となる加工の加工条件に一致する前記特化モデルが前記異常検出モデル保持手段で保持されている場合には該特化モデルを、そうでない場合には前記汎化モデルを選択する異常検出モデル選択手段と
を備えることを特徴とする工作機械の加工異常検出装置。
【請求項2】
前記加工条件は、前記切削工具の種類、前記切削工具の形状、前記工作機械の主軸回転速度、前記工作機械の駆動軸の送り速度、前記加工において使用する切削液の有無及び種類、前記被削材の形状、前記被削材の材料、前記切削工具と前記被削材との相対運動軌跡、使用する工作機械、の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の工作機械の加工異常検出装置。
【請求項3】
前記異常検出モデル選択手段は、前記工作機械で使用するNCプログラム及び/又は前記工作機械が保持する前記加工に使用する前記切削工具に関する情報を基に、診断対象とする加工に対応する前記加工条件を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械の加工異常検出装置。
【請求項4】
前記異常検出モデルは機械学習により構築されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の工作機械の加工異常検出装置。
【請求項5】
異常の有無の診断時に使用した診断情報を保持する診断情報保持手段と、
誤診発生時に、誤診した旨を入力可能な診断結果入力手段とを備え、
前記異常検出モデル選択手段で前記汎化モデルが選択されていた場合には、前記診断情報を用いて前記加工時の加工条件に対応した特化モデルを新たに構築し、前記異常検出モデル選択手段で特化モデルが選択されていた場合には、選択されている特化モデルを前記診断情報を用いて更新する異常検出モデル更新手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の工作機械の加工異常検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削工具を装着して被削材を加工する工作機械の加工異常を検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削工具で被削材に対して加工を行う際、過負荷や切粉の噛み込み、切刃の摩耗進展などにより、切削工具が折損するなど工具損傷が生じる場合がある。その場合、所望の加工が実現できず再加工に時間を要するだけでなく、製品不良となり損失につながるほか、削り残しが生じることにより機械と被削材が衝突する危険もある。
上記の危険を避けるため、加工異常を検出して機械停止させる技術が提案されている。
特許文献1では、正常加工時のモータ負荷波形などを基準波形として記録しておき、加工時の負荷が基準波形から一定以上乖離した際に加工異常と見なす技術が示されている。このような技術によれば、目的の加工における正常加工時の波形を基準にできるため、任意の加工条件において加工異常を検出することができる。但し、基準波形からの乖離を指標とするため、正常加工時の波形にばらつきがある場合に検出感度が上げられないという課題がある。
【0003】
一方、特許文献2には、プラントの異常診断を目的として、予め異常運転時の信号パターンをニューラルネットワークに学習させておき、学習結果と診断時の信号波形とを比較することで異常を検出する手法が提案されている。このような手法によれば、正常時あるいは異常時に信号波形に現れる「特徴」を学習させることができ、信号波形そのものを監視するより高精度に異常を検出することができる。
しかしながら、工作機械での加工においては、加工条件として非常に多くのパラメータが影響する。すなわち、ドリルやエンドミルをはじめとした切削工具の種類や寸法、被削材の形状や材質に加え、切削工具または被削材の回転速度、工作機械の軸送り速度、使用する切削液の有無や種類、工具と被削材の相対運動軌跡、さらには使用する機械の種類や設置環境などが加工に影響するため、事前に加工条件に応じた正常または異常時の「特徴」を学習しておくことは困難であった。
【0004】
近年の機械学習技術の進歩により、複数の条件で収集したデータを用いて表現力の高い深層のニューラルネットワークで学習させることで、条件の違いに対しある程度汎用的に適用可能なモデルが構築できることがわかってきた。一方で、あらゆる条件に対して適用可能な万能のモデルを構築することは不可能である。
このような問題に対し、特許文献3のように、新たに収集したデータを加えて診断モデルを更新することで診断性能を向上させる技術も提案されている。このような技術を用いることでモデルの性能を改善することが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-172102号公報
【文献】特開平7-234988号公報
【文献】特開2006-163517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、汎化能力を向上させるためには、学習に必要となる入力データの数、及び計算機の計算能力が増加してしまう。また、あらゆる加工条件に共通する「特徴」があるとは想定しにくく、モデルの汎用化による改善は限界がある。
【0007】
そこで、本発明では、運転条件の組み合わせが膨大となる工作機械の加工において、高精度に加工異常を検出可能な加工異常検出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、切削工具を用いて被削材を加工する工作機械において、前記加工における異常の発生を検出するための加工異常検出装置であって、
前記異常の有無を診断するための異常検出モデルを複数保持する異常検出モデル保持手段と、
前記異常検出モデル保持手段に保持される個々の異常検出モデルについて、異常検出モデルの構築に使用した診断情報を収集した際の加工条件を、前記異常検出モデルに関連付けて保持するモデル構築条件保持手段と、
前記個々の異常検出モデルについて、特定の加工条件に限定せず使用可能な汎化モデル、もしくは特定の加工条件に限定して使用可能な特化モデルのいずれであるかを前記異常検出モデルに関連付けて保持するモデル特性保持手段と、
診断対象となる加工の加工条件に一致する前記特化モデルが前記異常検出モデル保持手段で保持されている場合には該特化モデルを、そうでない場合には前記汎化モデルを選択する異常検出モデル選択手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、前記加工条件は、前記切削工具の種類、前記切削工具の形状、前記工作機械の主軸回転速度、前記工作機械の駆動軸の送り速度、前記加工において使用する切削液の有無及び種類、前記被削材の形状、前記被削材の材料、前記切削工具と前記被削材との相対運動軌跡、使用する工作機械、の少なくとも一つを含むことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、前記異常検出モデル選択手段は、前記工作機械で使用するNCプログラム及び/又は前記工作機械が保持する前記加工で使用する前記切削工具に関する情報を基に、診断対象とする加工に対応する前記加工条件を特定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、前記異常検出モデルは機械学習により構築されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、異常の有無の診断時に使用した診断情報を保持する診断情報保持手段と、誤診発生時に、誤診した旨を入力可能な診断結果入力手段とを備え、前記異常検出モデル選択手段で前記汎化モデルが選択されていた場合には、前記診断情報を用いて前記加工時の加工条件に対応した特化モデルを新たに構築し、前記異常検出モデル選択手段で特化モデルが選択されていた場合には、選択されている特化モデルを前記診断情報を用いて更新する異常検出モデル更新手段とをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1から3の発明によれば、複数の加工条件に対し汎用的に使用可能な汎化モデルと、特定の加工条件に限定されるが検出精度が高い特化モデルとを併せ持ち、モデルに関連付けられた学習時の加工条件を基にして加工時にどのモデルを用いるべきか適切に選択できる。そして、加工時の条件に対応した高精度な異常検出モデルが既に構築済みであればその特化モデルを、未知の加工条件であれば性能は劣るものの汎用的に使用可能な汎化モデルを適切に選択することができる。よって、運転条件の組み合わせが膨大となる工作機械の加工において、容易に異常検出能力を最大限発揮して、高精度に加工異常を検出することができる。
請求項4または5の発明によれば、上記効果に加えて、選択中の異常検出モデルで正しく識別ができなかった場合に、学習に必要なデータ数や計算能力を過剰に要求することなく、異常検出性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】工作機械のブロック構成図である。
図2】加工異常検出処理のフローチャートである。
図3】異常検出モデル選択処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の加工異常検出装置の一例を示すブロック構成図である。工作機械1の主軸には、切削工具2が装着されて、テーブル上の被削材3が加工可能となっている。
この工作機械1に対し、加工異常検出装置10が併設されている。但し、加工異常検出装置10は、工作機械1の制御装置(図示しない)に内包されていても構わない。
加工異常検出装置10には、工作機械1の制御情報や各種センサ(図示しない)の測定信号を診断情報として取得する診断情報取得手段11が設けられている。診断情報には、工作機械1の制御装置が保持する切削工具2の属性情報(工具種類、工具形状、材質など)や、被削材3の属性情報(材質、形状など)も含まれる。
加工を開始する際、工作機械1は、加工内容を記述したNCプログラムを制御装置に読み込んで解釈し、機械の動作を決定する。NCプログラム内には、切削工具2の回転速度や、工作機械1の送り軸速度、切削液の使用有無など加工に関わる情報が格納されている。また一般に、工作機械に装着されている切削工具や被削材の属性情報も制御装置に格納されている。
【0012】
診断情報取得手段11では、工作機械1の制御装置から上記情報を取得し、異常検出モデル選択手段12に送付する。異常検出モデル選択手段12は、送付された情報を基に、切削工具2の種類や形状並びに寸法、被削材3の形状や材料、切削工具2の回転速度、工作機械1の駆動軸の送り速度、切削液の使用有無などを加工条件として特定する。工作機械1が保持する情報に応じて、前記切削液の種類や、工作機械1の属性情報(旋盤、マシニングセンタ、立形、横形など)、設置環境情報などを加工条件に加えてもよい。
異常検出モデル保持手段13は、機械学習によって予め構築された、異常の有無を診断するための複数の異常検出モデルを保持しており、各異常検出モデルは、モデル特性保持手段14において、特定の加工条件に限定せずに異常の有無の診断に使用できる汎化モデルと、特定の加工条件に限定して異常の有無の診断に使用できる特化モデルの何れかに特定されている。
モデル構築条件保持手段15では、異常検出モデル保持手段13で保持される各異常検出モデルについて、当該異常検出モデルの構築に使用した診断情報を収集した際の加工条件を、当該異常検出モデルに関連づけて保持している。
また、加工異常検出装置10には、作業者が誤診の発生を入力可能な診断結果入力手段18と、当該入力に基づいて異常検出モデルの更新を行う異常検出モデル更新手段17と、診断に使用した診断情報を保存する診断情報保持手段19とが設けられている。
【0013】
以上のように構成された加工異常検出装置10における加工異常検出処理を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S1で加工が開始されると、S2で、診断情報取得手段11により、工作機械1の制御装置から診断情報を取得する。次に、S3で、異常検出モデル選択手段12により、診断情報に基づいて加工条件を特定する。
次に、S4で、S3で特定した加工条件を基にして、異常検出モデル保持手段13から適切な異常検出モデルを選択する。
【0014】
この異常検出モデルの選択は、図3に示すフローチャートに基づいて行われる。
まず、S41において、異常検出モデル保持手段13に保持される異常検出モデルそれぞれについて、対応するモデル特性(汎化モデルまたは特化モデル)をモデル特性保持手段14から、及びモデルの構築条件(モデルを構築するために用いた教師データを収集した際の加工条件)をモデル構築条件保持手段15から取得する。
次に、S42で、S3で特定した加工条件に一致する特化モデルが存在するか否かを判定する。ここで一致する特化モデルが存在する場合は、S43でその特化モデルを異常検出モデルとして採用する。一方、一致する特化モデルがない場合は、S44で汎化モデルを異常検出モデルとして採用する。
【0015】
ここで、汎化モデルとは、特定の加工条件に依存せず、汎用的に使用できる異常検出モデルを指す。一般に汎用的なモデルを構築するには膨大な加工データ及び高性能な計算機が必要となるため、工作機械メーカーなどから事前に提供される。「汎用的」の意図する範囲として、必ずしも全ての加工条件を包含するものではなく、例えば「ドリル向け異常検出モデル」や「立形マシニングセンタ向け異常検出モデル」、「アルミ材向け異常検出モデル」など、複数の加工条件を包含するモデルであれば「汎化モデル」として扱ってもよい。
他方、特化モデルとは、工作機械のユーザーそれぞれが良く使用する加工条件に特化したモデルを指す。例えば、特定の加工プログラムを用いて特定の種類・形状の工具で特定の被削材を加工する、など、限定された条件で使用可能なモデルである。
【0016】
S5では、加工異常診断手段16において、異常検出モデル選択手段12で選択された異常検出モデルに、診断情報取得手段11から得られる工作機械1の診断情報を入力することで、加工異常の有無を診断する。診断の結果、S6の判別で加工異常が生じていない場合は、S7で加工の終了の有無を確認し、終了していなければS2へ戻って以降の処理を繰り返す。すなわち加工中は常時診断を行う。
一方、S6の判別で加工異常が検出された場合は、S8で、工作機械1の制御装置に通知してアラーム発報や加工停止など好適な異常処理を行う。また、後述する異常検出モデル更新での使用に備えるため、診断に使用した診断情報を診断情報保持手段19に格納する。
【0017】
このように、上記形態の加工異常検出装置10では、異常の有無を診断するための異常検出モデルを複数保持する異常検出モデル保持手段13と、異常検出モデル保持手段13に保持される個々の異常検出モデルについて、異常検出モデルの構築に使用した診断情報を収集した際の加工条件を、異常検出モデルに関連付けて保持するモデル構築条件保持手段15と、異常検出モデル保持手段13に保持される個々の異常検出モデルについて、特定の加工条件に限定せず使用可能な汎化モデル、もしくは特定の加工条件に限定して使用可能な特化モデルのいずれであるかを異常検出モデルに関連付けて保持するモデル特性保持手段14と、診断対象となる加工の加工条件に一致する特化モデルが異常検出モデル保持手段13で保持されている場合には該特化モデルを、そうでない場合には汎化モデルを選択する異常検出モデル選択手段12を備えることを特徴とする。
これにより、複数の加工条件に対し汎用的に使用可能な汎化モデルと、特定の加工条件に限定されるが検出精度が高い特化モデルとを併せ持ち、モデルに関連付けられた学習時の加工条件を基にして加工時にどのモデルを用いるべきか適切に選択できる。そして、加工時の条件に対応した高精度な異常検出モデルが既に構築済みであればその特化モデルを、未知の加工条件であれば性能は劣るものの汎用的に使用可能な汎化モデルを適切に選択することができる。よって、運転条件の組み合わせが膨大となる工作機械の加工において、容易に異常検出能力を最大限発揮して、高精度に加工異常を検出することができる。
【0018】
なお、上記形態の加工異常検出装置10においては、異常検出モデルの性能が不十分な場合など、誤診(異常の見逃しや過検出)が生じる可能性がある。その場合、モデルを更新することで異常検出性能を継続的に改善することが可能となる。
誤診を検出する手段としては、作業者の所感(特に工具に異常が見られないのに「異常」アラームが出た、あるいは「異常」アラームが出ないまま工具が折損した、など)に加え、寸法測定装置(図示しない)など工作機械1の内部または外部で被削材の加工良否を判断する装置における良否判定結果などを用いることができる。診断結果入力手段18として、作業者が押下可能な釦や、寸法測定装置などとの信号授受手段を設けることができる。
【0019】
診断結果入力手段18にて誤診の発生が入力された場合、異常検出モデル更新手段17にて異常検出モデルの更新を行う。このとき誤診発生時に加工異常診断手段16で選択されていた異常検出モデルが汎化モデルであった場合、汎化モデルの再学習は入力データ・計算負荷ともにコストを要するため、特化モデルを新しく構築する。一方、特化モデルが選択されていた場合、診断時に入力として使用した診断情報を追加の教師データとして特化モデルの再学習を行う。特化モデルでは対象とする加工条件が限定されるため、一般にモデル規模はそれほど大きくならず、一般のパーソナルコンピュータなどでも十分実施することができる。
【0020】
このように、異常の有無の診断時に使用した診断情報を保持する診断情報保持手段19と、誤診発生時に、誤診した旨を入力可能な診断結果入力手段18とを備え、異常検出モデル選択手段12で汎化モデルが選択されていた場合には、診断情報を用いて加工時の加工条件に対応した特化モデルを新たに構築し、異常検出モデル選択手段12で特化モデルが選択されていた場合には、選択されている特化モデルを診断情報を用いて更新する異常検出モデル更新手段17とをさらに備えることで、選択中の異常検出モデルで正しく識別ができなかった場合に、学習に必要なデータ数や計算能力を過剰に要求することなく、異常検出性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0021】
1・・工作機械、2・・切削工具、3・・被削材、10・・加工異常検出装置、11・・診断情報取得手段、12・・異常検出モデル選択手段、13・・異常検出モデル保持手段、14・・モデル特性保持手段、15・・モデル構築条件保持手段、16・・加工異常診断手段、17・・異常検出モデル更新手段、18・・診断結果入力手段、19・・診断情報保持手段。
図1
図2
図3