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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20221007BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20221007BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
A47K3/28
E03C1/042 B
B05B1/18 101
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019008813
(22)【出願日】2019-01-22
(65)【公開番号】P2020116056
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】313014077
【氏名又は名称】トクラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上川 秀哉
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-289269(JP,A)
【文献】特開2003-225179(JP,A)
【文献】特開2018-051419(JP,A)
【文献】特開2017-023909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/20-3/40
E03C 1/04-1/06
B05B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状把持部を有するシャワーヘッドであって、
前記筒状把持部には、筒状の水質浄化用カートリッジを交換可能に収容する収容室と、
前記筒状把持部の頭頂部を塞ぐ蓋部と、
前記筒状把持部の外周面には、当該筒状把持部の下端部から流入し、前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を外部に吐出する吐出口と、を備え
前記筒状把持部には、
前記水質浄化用カートリッジの外周面と当該筒状把持部の内周面との間に形成され、前記水質浄化用カートリッジの内部に設けられた中央空間部から前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を、前記吐出口へと到らせる浄水流路を備えることを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項2】
筒状把持部を有するシャワーヘッドであって、
前記筒状把持部には、筒状の水質浄化用カートリッジを交換可能に収容する収容室と、
前記筒状把持部の頭頂部を塞ぐ蓋部と、
前記筒状把持部の外周面には、当該筒状把持部の下端部から流入し、前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を外部に吐出する吐出口と、を備え、
前記筒状把持部には、
前記収容室の頭頂部側に設けられ、前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を前記蓋部へ通過させる浄水流路を形成する仕切り板と、
前記収容室の側方に設けられ、前記蓋部により前記下端部側に流れを変えられた水を前記吐出口へ通過させる吐出流路を形成する壁部と、を備えることを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項3】
前記筒状把持部には、
前記水質浄化用カートリッジの外周面と当該筒状把持部の内周面との間に形成される原水流路を備え、
前記仕切り板は、前記原水流路から前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を、当該水質浄化用カートリッジの内部に設けられた中央空間部を経て前記蓋部へ通過させる浄水流路を形成する
ことを特徴とする請求項に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
前記筒状把持部には、
前記水質浄化用カートリッジの内部に設けられた中央空間部に形成される原水流路を備え、
前記仕切り板は、前記原水流路から前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を、前記水質浄化用カートリッジの外周面と当該筒状把持部の内周面との間を経て前記蓋部へ通過させる浄水流路を形成する
ことを特徴とする請求項に記載のシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シャワーヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水道水に含まれる塩素などを除去するために、胴部に水質浄化用カートリッジを収容したシャワーヘッドが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4264481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術のように、水質浄化用カートリッジを収容した胴部に噴出口を有する頭部を連結する場合には、水質浄化用カートリッジをシャワーヘッドの頭部にまで収容することができず、水質浄化用カートリッジの長さが短くなり、水質浄化の性能が弱くなる(不十分)という問題点があった。
【0005】
また、水質浄化の性能を十分にするために、水質浄化用カートリッジの長さを長くすると、シャワーヘッド全体が長くなり、使用者が使いにくくなってしまうという問題点が発生しうる。
【0006】
そこで、本発明は、水質浄化に十分な長さの水質浄化用カートリッジを収容可能としつつ、シャワーヘッド全体の長さを短くすることが可能であり、使用者が使いやすいシャワーヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
本発明は、筒状把持部を有するシャワーヘッドであって、前記筒状把持部には、筒状の水質浄化用カートリッジを交換可能に収容する収容室と、前記筒状把持部の頭頂部を塞ぐ蓋部と、前記筒状把持部の外周面には、当該筒状把持部の下端部から流入し、前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を外部に吐出する吐出口と、を備えることを特徴とする。
これにより、筒状把持部の長さ方向にわたって、水質浄化用カートリッジを収容することが可能となり、筒状把持部の内部スペースを有効活用することが可能となる。
また、シャワーヘッド全体の長さを短くすることが可能であり、使用者が使いやすいシャワーヘッドを提供することが可能となる。
【0008】
また、本発明では、さらに、前記筒状把持部には、前記水質浄化用カートリッジの外周面と当該筒状把持部の内周面との間に形成され、前記水質浄化用カートリッジの内部に設けられた中央空間部から前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を、前記吐出口へと到らせる浄水流路を備えることを特徴とする。
これにより、筒状把持部内の水路の形成を容易にすることができる。
【0009】
また、本発明は、さらに、前記筒状把持部には、前記収容室の頭頂部側に設けられ、前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を前記蓋部へ通過させる浄水流路を形成する仕切り板と、前記収容室の側方に設けられ、前記蓋部により前記下端部側に流れを変えられた水を前記吐出口へ通過させる吐出流路を形成する壁部と、を備えることを特徴とする。
これにより、水質浄化用カートリッジの下端部側から頭頂部側の広い部分について水を通過させることが可能となり、水質浄化用カートリッジの性能を十分に引き出すことができる。
【0010】
また、本発明は、さらに、前記筒状把持部には、前記水質浄化用カートリッジの外周面と当該筒状把持部の内周面との間に形成される原水流路を備え、前記仕切り板は、前記原水流路から前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を、当該水質浄化用カートリッジの内部に設けられた中央空間部を経て前記蓋部へ通過させる浄水流路を形成することを特徴とする。
これにより、水質浄化用カートリッジの中央空間部側の表面積よりも大きい表面積を有する外周面から水が入ることで、水質浄化用カートリッジの目詰まりをし難くすることができる。また、目詰まりしたときに水質浄化用カートリッジに加わる水圧が、水質浄化用カートリッジの内方に向くことで収縮側に働くため、水質浄化用カートリッジに与えるダメージを小さくすることができる。
【0011】
また、本発明は、さらに、前記筒状把持部には、前記水質浄化用カートリッジの内部に設けられた中央空間部に形成される原水流路を備え、前記仕切り板は、前記原水流路から前記水質浄化用カートリッジを通過させた水を、前記水質浄化用カートリッジの外周面と当該筒状把持部の内周面との間を経て前記蓋部へ通過させる浄水流路を形成することを特徴とする。
これにより、筒状把持部内の水路の形成を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、水質浄化に十分な長さの水質浄化用カートリッジを収容可能としつつ、シャワーヘッド全体の長さを短くすることが可能なシャワーヘッドを提供することができる。
そして、シャワーヘッド全体の長さを短くすることで、使用者が使いやすくなる。
すなわち、本発明によれば、筒状把持部を従来と同じ長さにした場合は、筒状把持部に収容される水質浄化用カートリッジの長さを従来より長く形成することができ、水質浄水の性能を向上させることができる
一方、水質浄化用カートリッジを従来と同じ長さにした場合は、シャワーヘッドを従来より短くすることができ、水質浄化の性能はそのままで、使用者の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】シャワーヘッドの斜視図である。
図2】第1の実施の形態にかかるシャワーヘッドの縦断面図である。
図3】第2の実施の形態にかかるシャワーヘッドの縦断面図である。
図4】第2の実施の形態にかかるシャワーヘッドの図3のA-A線に沿って切断された状態を示す横断面図である。
図5】第2の実施の形態にかかるシャワーヘッドの筒状把持部と仕切り板との接続を説明するための説明図である。
図6】第2の実施の形態にかかる筒状把持部の平面図である。
図7】第2の実施の形態にかかる仕切り板の平面図である。
図8】第2の実施の形態にかかるホース接続部の平面図である。
図9】第2の実施の形態にかかるホース接続部の縦断面図である。
図10】第3の実施の形態にかかるシャワーヘッドの縦断面図である。
図11】第3の実施の形態にかかるシャワーヘッドの筒状把持部と仕切り板との接続を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(シャワーヘッド10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、シャワーヘッド10に接続されるホース側を下端部側、当該下端部側の反対側を頭頂部側とする。
【0015】
本実施の形態に係るシャワーヘッド10を、以下、図1図2を参照しながら説明する。
なお、シャワーヘッド10は、代表的には浴室で使用されるものであるが、これに限定されず、洗面所や台所など水(湯を含む)を吐出可能なものであれば使用場所や用途は問わない。
【0016】
(第1の実施の形態)
本実施の形態におけるシャワーヘッド10は、図1図2に示すように、筒状把持部100と、ホース接続部200と、水質浄化用カートリッジ300と、を有する。
【0017】
(筒状把持部100)
筒状把持部100は、図2に示すように、中空の棒状であって、断面円形の筒状に形成され、収容室140と、蓋部110と、吐出口120とを備えるものである。
なお、断面円形の円筒に限定されず、楕円や、角筒などであっても良い。
【0018】
(収容室140)
収容室140は、図2に示すように、水質浄化用カートリッジ300を交換可能に収容するものであり、水質浄化用カートリッジ300の長さ方向Lとほぼ同じ長さに形成される。
この水質浄化用カートリッジ300を収容室140に収容した筒状把持部100では、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間に形成された隙間を、水質浄化用カートリッジ300の内部に設けられた中央空間部310から水質浄化用カートリッジ300に通過させた水を吐出口120へ到らせる浄水流路Cとして利用する。
【0019】
(蓋部110)
筒状把持部100には、両端部に開口部101,102を有し、下端部側の開口部102には、シャワーホースHが接続可能なホース接続部200が連結される。
そして、下端部側にホース接続部200を介してシャワーホースHに接続される。
かかる頭頂部側の開口部101には、当該開口部101を塞ぐ円盤状の蓋部110が接着剤などにより接続され、筒状把持部100に収容された水質浄化用カートリッジ300の頭頂部側を支持し、筒状把持部100に流入した水が筒状把持部100内で滞留するようにしている。
なお、蓋部110は、接着剤により開口部101に接続される場合に限定されず、超音波溶着や、Oリングにより水漏れを防止した螺合等であっても良い。
【0020】
(吐出口120)
吐出口120は、筒状把持部100の頭頂部側から長さ方向Lの略中央側の外周面の一部に備えられる。
かかる吐出口120は、複数の孔が開けられており、水質浄化用カートリッジ300を通過させた水を外部に吐出するものである。
吐出口120は、浄水流路Cと接続され、浄水流路Cを流れる水が吐出口120から外部に吐出するようにされている。
【0021】
(ホース接続部200)
ホース接続部200は、図1図2に示すように、シャワーホースHをシャワーヘッド10に接続するものである。
かかるホース接続部200は、図2に示すように、中央部に原水が流れる接続部流路Uを有する環状体210と、環状体210の内面に設けられた雌ねじ部220とを備え、筒状把持部100の下端部側に設けられた雄ねじ部130と螺合可能に形成されている。
そして、ホース接続部200は、筒状把持部100に収容される水質浄化用カートリッジ300の下端部側を支持している。
水質浄化用カートリッジ300の交換は、筒状把持部100とホース接続部200とのねじによる結合を解除することによって可能となっている。
【0022】
(水質浄化用カートリッジ300)
水質浄化用カートリッジ300は、図2に示すように、筒状に形成され、中心部に、下端側から上端側へ貫通する中央空間部310を備える。
ここで、中央空間部310は、原水(水道水)を通過させる原水流路Tを形成する。
【0023】
そして、水質浄化用カートリッジ300は、筒状把持部100の長さ方向Lにほぼ等しい長さに形成されている。
具体的には、筒状把持部100の下端部側のホース接続部200と接触する位置から、頭頂部側の蓋部110に接触する位置までの長さに形成されている。
すなわち、水質浄化用カートリッジ300をホース接続部200と蓋部110とで挟むことで、筒状把持部100内で動かないように支持されている。
【0024】
また、水質浄化用カートリッジ300の外径は、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間に水が流れる浄水流路Cを形成するように、筒状把持部100の内周面の内径よりも小さくなるように形成されている。
【0025】
ここで、水質浄化用カートリッジ300では、原水(水道水)が、まず中央空間部310に流入するようにしている。
中央空間部310に流入した原水は、中央空間部310から浄水流路Cを通過することで浄水となり、吐出口120から外部に吐出される。
【0026】
ここで、水質浄化用カートリッジ300は、活性炭や亜硫酸カルシウムなどの吸着剤を不織布により包んで構成されたものが代表的であるが、原水中の遊離残留塩素や異物、臭い等を除去可能なものであれば種類を問わない。
【0027】
(本実施の形態における水の流れ)
本実施の形態における水の流れの一例について図2を用いて説明する。
まず、シャワーホースHから原水が接続部流路Uに流入する(矢印1)。
接続部流路Uから筒状把持部100に流入した原水は、水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310に入る(矢印2)。
【0028】
そして、水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310に入った原水は、中央空間部310から水質浄化用カートリッジ300を通過して筒状把持部100と水質浄化用カートリッジ300との間に形成される浄水流路Cに入る(矢印3)。
浄水流路Cに入った浄水は、当該浄水流路Cと接続される吐出口120からシャワーヘッド10の外部に吐出される(矢印4)。
【0029】
本実施の形態によれば、筒状把持部100の長さ方向Lにわたって、水質浄化用カートリッジ300を収容することが可能となり、筒状把持部100の内部スペースを有効活用することが可能となる。
また、シャワーヘッド10全体の長さを短くすることが可能であり、使用者が使いやすいシャワーヘッド10を提供することが可能となる。
【0030】
また、本実施の形態によれば、筒状把持部100内の水路の形成を容易にすることができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
つぎに、図3図9を用いて、第2の実施の形態について説明する。
上述した第1の実施の形態は、水質浄化用カートリッジ300を通過した浄水をそのまま筒状把持部100の外周面に設けられた吐出口120から外部に吐出させるものであるが、本第2の実施の形態は、水質浄化用カートリッジ300を通過した浄水を筒状把持部100の頭頂部側まで到達させた後に、流れを変えて筒状把持部100の外周面に設けられた吐出口120から外部に吐出するようにするものである。
【0032】
また、上述した第1の実施の形態は、筒状把持部100に流入した原水(水道水)が最初に水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310に入るが、本第2の実施の形態では、筒状把持部100に流入した原水が、水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310に入ることはなく、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間の流路に入るようにしている。
以下、上述した第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明し、重複する部分については説明を簡略又は省略する。
【0033】
(筒状把持部100)
本実施の形態の筒状把持部100には、図3図5に示すように、収容室140と、蓋部110と、仕切り板141と、壁部144とを備える。
【0034】
(収容室140)
収容室140は、図3図5に示すように、水質浄化用カートリッジ300を交換可能に収容するものであり、水質浄化用カートリッジ300の長さ方向Lとほぼ同じ長さに形成される。
【0035】
(仕切り板141)
収容室140の頭頂部側には、図3図5図7に示すように、蓋部110と収容室140とを仕切るための仕切り板141を備える。
仕切り板141は、図5に示すように、頭頂部側に立設する側縁部141aを有するシャーレ状に形成され、蓋部110より収容室140の長さ方向Lの中央側で開口部101を塞いでいる。
なお、仕切り板141は、側縁部141aを有さず、平面の円盤状であっても良い。
【0036】
仕切り板141は、水質浄化用カートリッジ300の頭頂部側端部を支持し、中央部に貫通孔142を備える。
貫通孔142は、図3図5に示すように、水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310と接続されるものである。
また、貫通孔142の径142Rの大きさは、図3に示すように、水質浄化用カートリッジ300の頭頂部側端部に設けられた中央空間部310の径310Rの大きさより大きく形成されており、水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310からの浄水を蓋部110側に通過させるようにしている。
そして、かかる仕切り板141と蓋部110との間の水路は、水質浄化用カートリッジ300を通過させた水を、当該水質浄化用カートリッジ300の内部に設けられた中央空間部を310を経て蓋部110へ通過させる浄水流路Cの一部を形成するものである。
【0037】
仕切り板141の外縁側には、図3図5図7に示すように、外縁に沿って、吐出口120へつながる円弧状のスリット143が設けられる。
ここで、スリット143の断面積は、絞り部として機能させるため、小さくすることが望ましい。このように形成することで、浄水が吐出口120の各孔から均等に出やすくなる。
【0038】
(壁部144)
また、図3図5に示すように、吐出口120の径方向内側であって、収容室140の側方の一部には、筒状把持部100の内周面との間に、吐出流路Sを形成するための壁部144を備える。
壁部144は、収容室140の頭頂部から下端部側にかけて筒状把持部100を長さ方向Lに区切るものであり、収容室140から吐出流路Sへは原水が直接流入せず、必ず浄水流路Cを経て吐出流路Sへ流入するようにしている。
このように壁部144により区切られた吐出流路Sは、仕切り板141のスリット143と接続され、蓋部110によって流れを変えられた水を吐出口120へ通過させるものである。
【0039】
(蓋部110)
蓋部110は、図3図5に示すように、筒状把持部100の頭頂部側の開口部101に仕切り板141を介して接続され、当該開口部101を塞ぎ、筒状把持部100の頭頂部に到達した水質浄化用カートリッジ300を通過した水の流れを下端部側方向に変えるものである。
具体的には、水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310に接続される仕切り板141の貫通孔142から流入した浄水の流れを変えるものである。
そして、仕切り板141との間の流路で浄水流路Cの一部を形成する。
【0040】
(水質浄化用カートリッジ300)
水質浄化用カートリッジ300は、図3に示すように、筒状に形成され、中心部に、下端側から上端側へ貫通する中央空間部310を備える。
かかる中央空間部310は、浄水流路Cの一部を形成する。
そして、水質浄化用カートリッジ300は、筒状把持部100の長さ方向Lにほぼ等しい長さに形成されている。
具体的には、筒状把持部100の下端部側のホース接続部200と接触する位置から、頭頂部側の仕切り板141に接触する位置までの長さに形成されている。
また、水質浄化用カートリッジ300の外径は、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間に原水が流れる原水流路Tを形成するように、筒状把持部100の内周面の内径よりも小さくなるように形成されている。
【0041】
中央空間部310の下端側の端部には、図3に示すように、水質浄化用カートリッジ300の下端部側端面の直径にほぼ対応するカバー部材320を備え、中央空間部310の下端部側を塞ぎ、原水が中央空間部310の下端部側から入らないようにしている。
【0042】
また、カバー部材320は、径方向においてホース接続部200の内周面との間に隙間が形成される大きさに構成されており、下端部側から筒状把持部100に流入した水が、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間に形成される原水流路Tに流れ込むようにしている。
そして、原水流路Tに流れ込んだ水を、水質浄化用カートリッジ300に通過させ、水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310を経て頭頂部側へと到達させる浄水流路Cに流れ込むようにしている。
【0043】
(吐出流路S)
吐出流路Sは、図3図5に示すように、収容室140の側方に設けられ、収容室140の壁部144の外周と、吐出口120とに挟まれた空間であり、蓋部110により流れを変えられた水を吐出口120へ通過させるものである。
【0044】
(ホース接続部200)
ホース接続部200の環状体210には、図3図8に示すように、原水が流れる接続部流路Uの周囲に、頭頂部側に突出する複数個の突起230を備える。
かかる突起230は、水質浄化用カートリッジ300のカバー部材320と当接して長さ方向Lにおいて隙間を生じさせることにより、筒状把持部100に流入した原水が、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間に形成される原水流路Tに流れ込むようにしている。
そして、ホース接続部200の突起230により、筒状把持部100に収容される水質浄化用カートリッジ300の下端部側を支持している。
【0045】
なお、ホース接続部200に突起230を設けることで原水流路Tに原水が流れ込むようにする場合に限定されず、水質浄化用カートリッジ300を、突起230と接触する位置から頭頂部側の仕切り板141に接触する位置までの長さよりも僅かに短く形成し、原水の水圧により水質浄化用カートリッジ300が頭頂部側へ移動することで隙間を生じさせて、筒状把持部100に流入した原水が原水流路Tに流れ込むようにしても良い。
【0046】
(本実施の形態における水の流れ)
本実施の形態における水の流れの一例について図3を用いて説明する。
まず、シャワーホースHから原水が接続部流路Uに流入する(矢印1)。
接続部流路Uから筒状把持部100に流入した原水は、水質浄化用カートリッジ300のカバー部材320により流れを変えられ、ホース接続部200の突起230による隙間を経由して、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間に形成される原水流路Tに入る(矢印2)。
【0047】
そして、原水流路Tに入った原水は、原水流路Tから水質浄化用カートリッジ300を通過して浄水流路Cの一部を形成する中央空間部310に入る(矢印3)。
中央空間部310に入った浄水は、当該中央空間部310と接続される仕切り板141の貫通孔142を通過し、頭頂部に到達する(矢印4)。
頭頂部に到達した水は、蓋部110により流れを変えられて、スリット143から吐出流路Sに入る(矢印5)。
そして、吐出流路Sを通過して吐出口120からシャワーヘッド10の外部に吐出される(矢印6)。
【0048】
本実施の形態によれば、筒状把持部100の長さ方向Lにわたって、水質浄化用カートリッジ300を収容することが可能となり、筒状把持部100の内部スペースを有効活用することが可能となる。
また、シャワーヘッド10全体の長さを短くすることが可能であり、使用者が使いやすいシャワーヘッド10を提供することが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、水質浄化用カートリッジ300の下端部側から頭頂部側の広い部分について水を通過させることが可能となり、水質浄化用カートリッジ300の性能を十分に引き出すことができる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310側の表面積よりも大きい表面積を有する外周面から水が入ることで、水質浄化用カートリッジ300の目詰まりをし難くすることができる。また、目詰まりしたときに水質浄化用カートリッジ300に加わる水圧が、水質浄化用カートリッジ300の内方に向くことで収縮側に働くため、水質浄化用カートリッジ300に与えるダメージを小さくすることができる。
【0051】
(第3の実施の形態)
つぎに、図10図11を用いて、第3の実施の形態について説明する。
上述した第1の実施の形態は、水質浄化用カートリッジ300を通過した浄水をそのまま筒状把持部100の外周面に設けられた吐出口120から外部に吐出させるものであるが、本第3の実施の形態は、上述した第2の実施の形態と同様、水質浄化用カートリッジ300を通過した浄水を筒状把持部100の頭頂部側まで到達させた後に、流れを変えて筒状把持部100の外周面に設けられた吐出口120から外部に吐出するようにするものである。
【0052】
また、上述した第2の実施の形態では、筒状把持部100に流入した原水が最初に水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310に入ることはなく、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間の流路に入るようにしているが、本第3の実施の形態では、筒状把持部100に流入した原水(水道水)が、水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310に入るようにしている。
以下、上述した第2の実施の形態と異なる部分を中心に説明し、重複する部分については説明を簡略又は省略する。
【0053】
(仕切り板141)
仕切り板141と蓋部110との間の水路は、水質浄化用カートリッジ300の内部に設けられた中央空間部310に形成される原水流路から水質浄化用カートリッジ300を通過させた水を、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間を経て蓋部110へ通過させる浄水流路Cを形成するものである。
仕切り板141には、スリット143とは異なる外縁側の位置に貫通孔150を備える。
貫通孔150は、図10図11に示すように、仕切り板141の外縁に沿って円弧状に形成され、水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間の浄水流路Cと接続されるものである。
【0054】
(水質浄化用カートリッジ300)
水質浄化用カートリッジ300は、図10に示すように、筒状に形成され、中心部に、下端側から上端側へ貫通する中央空間部310を備える。
【0055】
ここで、水質浄化用カートリッジ300では、原水(水道水)が、まず中央空間部310に流入するようにしている。
中央空間部310に流入した原水は、中央空間部310から浄水流路Cに通過することで浄水となり、頭頂部側へと到達させる浄水流路Cに流れ込むようにしている。
【0056】
(本実施の形態における水の流れ)
本実施の形態における水の流れの一例について図10を用いて説明する。
まず、シャワーホースHから原水が接続部流路Uに流入する(矢印1)。
接続部流路Uから筒状把持部100に流入した原水は、原水流路Tの一部を形成する水質浄化用カートリッジ300の中央空間部310(矢印2)に入る。
【0057】
そして、原水流路Tに入った原水は、原水流路Tから水質浄化用カートリッジ300を通過して水質浄化用カートリッジ300の外周面と筒状把持部100の内周面との間に形成される浄水流路Cに入る(矢印3)。
浄水流路Cに入った浄水は、当該浄水流路Cと接続される仕切り板141の貫通孔150を通過し、頭頂部に到達する(矢印4)。
頭頂部に到達した水は、蓋部110により流れを変えられて、スリット143から吐出流路Sに入る(矢印5)。
そして、吐出流路Sを通過して吐出口120からシャワーヘッド10の外部に吐出される(矢印6)。
【0058】
本実施の形態によれば、筒状把持部100の長さ方向Lにわたって、水質浄化用カートリッジ300を収容することが可能となり、筒状把持部100の内部スペースを有効活用することが可能となる。
また、シャワーヘッド10全体の長さを短くすることが可能であり、使用者が使いやすいシャワーヘッド10を提供することが可能となる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、水質浄化用カートリッジ300の下端部側から頭頂部側の広い部分について水を通過させることが可能となり、水質浄化用カートリッジ300の性能を十分に引き出すことができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、筒状把持部100内の水路の形成を容易にすることができる。
【0061】
(その他)
なお、上記の実施形態では、筒状把持部100の内部スペースを有効活用するために、収容室140と、水質浄化用カートリッジ300とを、筒状把持部100の長さ方向にほぼ等しい長さとして説明したが、収容室140と、水質浄化用カートリッジ300との長さを限定するものではなく、長さを筒状把持部100の長さ方向の長さよりも短くしても良い。
【符号の説明】
【0062】
(第1の実施の形態)
10 シャワーヘッド 100 筒状把持部
101、102 開口部 110 蓋部
120 吐出口 130 雄ねじ部
200 ホース接続部 210 環状体
220 雌ねじ部 300 水質浄化用カートリッジ
310 中央空間部 U 接続部流路
C 浄水流路 T 原水流路
H シャワーホース
(第2の実施の形態)
140 収容室 141 仕切り板
141a 側縁部 142 貫通孔
143 スリット 144 壁部
230 突起 320 カバー部材
S 吐出流路
(第3の実施の形態)
150 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11