(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】後処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/14 20060101AFI20221007BHJP
B65H 37/00 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
B65H7/14
B65H37/00
(21)【出願番号】P 2019009648
(22)【出願日】2019-01-23
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】山口 陽一
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-263027(JP,A)
【文献】特開2010-001100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/14
B65H 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から搬送されたシートに対して所定の後処理が実行される予め定められた領域内で物体を検知する
複数のセンサと、
前記
複数のセンサの検知出力に基づいて、前記領域内におけるシートの搬送処理を停止または継続する制御部と
を備え
、
前記複数のセンサは、後処理が実行された前記シートが前記搬送処理によって前記領域内から排出される際に前記シートが通過する開口部に近い位置から、前記開口部から遠い位置までの予め定められた範囲に分布するように配置され、
前記制御部は、前記シートの搬送方向の下流から前記搬送方向の上流の順に前記複数のセンサが物体を検知した場合に前記シートの搬送処理を停止し、前記搬送方向の上流から前記搬送方向の下流の順に前記複数のセンサが前記物体を検知した場合に前記シートの搬送処理を継続する、
後処理装置。
【請求項2】
前記
複数のセンサは、前記領域における基準面から所定の高さ以上の位置の前記物体を検知する、
請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記所定の高さは、前記領域における床面から前記シートの厚み及び最大枚数に応じた高さである、
請求項2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記所定の処理は、前記後処理を中止する処理を含む、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、所定の解除条件が成立した場合、前記後処理を再開する、
請求項4に記載の後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
後処理装置は、画像形成装置から搬送されたシートに対して後処理を実行する。後処理とは、例えばステイプル処理等である。後処理が実行されたシートは、開口部から排出される。物体が開口部から侵入した場合、後処理装置が故障する可能性がある。しかし、後処理装置は、物体が開口部から侵入した場合に故障の発生を予防していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、後処理装置の開口部から物体が侵入した場合に故障の発生を予防することができる後処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の後処理装置は、第1のセンサと、第2のセンサと、制御部とを持つ。第1のセンサは、画像形成装置から搬送されたシートに対して所定の後処理が実行される予め定められた領域内で物体を検知する。第2のセンサは、後処理が実行されたシートが領域から排出される際にシートが通過する開口部に対する第1のセンサの位置よりも、領域内で開口部に対して近い位置において物体を検知する。制御部は、第2のセンサが第1のセンサよりも先に物体を検知した場合、故障の発生を予防するための所定の処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の画像形成システムの全体構成例を示す外観図。
【
図2】実施形態の画像形成システムの構成例を示すブロック図。
【
図7】実施形態の画像形成システムの動作例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の後処理装置を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の画像形成システム1の全体構成例を示す外観図である。画像形成システム1は、画像形成装置2と、後処理装置3とを備える。画像形成システム1は、シート状の記録媒体に画像を形成するシステムである。画像形成システム1は、シート状の記録媒体に対して後処理を実行する。後処理とは、例えば、仕分け処理(ソート処理)、ステイプル処理等である。
【0008】
画像形成装置2は、例えば複合機又は印刷装置である。画像形成装置2は、ディスプレイ21と、コントロールパネル22と、プリンタ23と、シート収容部24と、画像読取部25とを備える。なお、画像形成装置2のプリンタ23は、トナー像を定着させる装置であってもよいし、インクジェット式の装置であってもよい。
【0009】
画像形成装置2は、トナー等の現像剤を用いてシート上に画像を形成する。シートは、例えば紙やラベル用紙である。シートは、その表面に画像形成装置2が画像を形成できる物であれば、どのような物であってもよい。
【0010】
ディスプレイ21は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ21は、画像形成装置2に関する種々の情報を表示する。種々の情報は、例えば、画像が形成されるシートの枚数を表す情報、後処理装置3から送信されたメッセージ情報である。メッセージ情報は、例えば、後処理装置3の内部に侵入した物体が検知されたことを警告する情報である。なお、ディスプレイ21は、スピーカを備えてもよい。ディスプレイ21は、警告を表すメッセージ情報に基づいて、警告音をスピーカから出力してもよい。
【0011】
コントロールパネル22は、複数のボタンを有する。コントロールパネル22は、ユーザの操作を受け付ける。コントロールパネル22は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を、画像形成装置2の制御部に出力する。なお、ディスプレイ21とコントロールパネル22とは、一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0012】
プリンタ23は、画像読取部25によって生成された画像情報に基づいて、シート上に画像を形成する。プリンタ23は、通信路を介して受信された画像情報(オンラインデータ)に基づいて、シート上に画像を形成してもよい。プリンタ23は、例えば以下のような処理によって画像を形成する。プリンタ23の画像形成部は、画像情報に基づいて、感光体ドラム上に静電潜像を形成する。プリンタ23の画像形成部は、静電潜像に現像剤を付着させることによって可視像を形成する。現像剤は、例えばトナーである。
【0013】
プリンタ23の転写部は、可視像をシート上に転写する。プリンタ23の定着部は、シートを加熱及び加圧することによって、転写された可視像をシート上に定着させる。なお、画像が形成されるシートは、シート収容部24に収容されているシートでもよいし、画像形成装置2に手挿しされたシートであってもよい。シート収容部24は、プリンタ23における画像形成に用いられるシートを収容する。
【0014】
画像読取部25は、読み取り対象の画像情報を、読み取り対象の光の明暗に基づいて読み取る。画像読取部25は、読み取られた画像情報を、プリンタ23に出力する。記録された画像情報に応じた画像は、プリンタ23によってシート上に形成される。画像読取部25は、読み取られた画像情報を、ネットワークを介して他の情報処理装置に出力してもよい。
【0015】
後処理装置3は、画像形成装置2から搬送された複数のシートに対して後処理を実行する装置である。
【0016】
図2は、実施形態の画像形成システム1の構成例を示すブロック図である。画像形成装置2は、ディスプレイ21と、コントロールパネル22と、プリンタ23と、シート収容部24と、画像読取部25と、シート排出部26と、画像形成制御部27と、画像形成通信部28と、画像形成メモリ29とを備える。
【0017】
画像形成制御部27及び画像形成通信部28の一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、画像形成メモリ29に記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。画像形成制御部27及び画像形成通信部28の一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integration)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0018】
シート排出部26は、プリンタ23から排出されたシートを、後処理装置3に搬送する。シート排出部26は、画像形成装置2に後処理装置3からメッセージ情報が送信された場合、シートを後処理装置3に搬送する処理を一時停止してもよい。画像形成制御部27は、画像形成装置2の各構成の動作を制御する。例えば、画像形成制御部27は、プリンタ23における印刷動作を制御する。
【0019】
画像形成通信部28は、画像形成装置2がオンラインジョブを実行する場合、通信路を介して画像情報を受信する。画像形成通信部28は、受信された画像情報をプリンタ23に出力する。画像形成通信部28は、後処理装置3から送信されたメッセージ情報を受信する。メッセージ情報は、例えば、後処理装置3の開口部から物体が侵入したことを表す。画像形成通信部28は、メッセージ情報を画像形成制御部27に出力する。画像形成通信部28は、メッセージ情報をディスプレイ21に出力してもよい。
【0020】
画像形成メモリ29は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)である。画像形成メモリ29は、例えば、画像形成プログラムを記憶する。画像形成メモリ29は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記録媒体を有してもよい。
【0021】
後処理装置3は、固定トレイ31と、可動トレイ32と、処理トレイ33と、後処理制御部34と、後処理通信部35と、後処理メモリ36とを備える。後処理制御部34及び後処理通信部35の一部又は全部は、CPU等のプロセッサが、画像形成メモリ29に記憶された画像形成プログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。後処理制御部34及び後処理通信部35の一部又は全部は、例えばLSI等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0022】
固定トレイ31は、後処理装置3の上部に固定されているトレイである。固定トレイ31は、後処理装置3から排出されたシートを、後処理装置3の上部において保持する。可動トレイ32は、後処理装置3の側面において上方向又は下方向に移動するトレイである。可動トレイ32は、後処理装置3から排出されたシートを、後処理装置3の側面において保持する。
【0023】
処理トレイ33(駆動部)は、後処理装置3において、シートに対する後処理が実行される領域である。処理トレイ33は、画像形成装置2から搬送されたシートの束(以下「シート束」という。)を生成してもよい。処理トレイ33は、シート束に対して後処理を実行する。処理トレイ33は、シートセンサ331と、後処理部332と、複数の物体センサ333とを備える。
【0024】
シートセンサ331(出口センサ)は、画像形成装置2から搬送されたシートを検知するセンサである。物体センサ333は、例えば反射型の光センサである。シートセンサ331は、処理トレイ33におけるシートの搬送経路の一部分に備えられる。例えば、シートセンサ331は、処理トレイ33におけるシートの搬送経路において、画像形成装置2から搬送された直後のシートを検知可能な位置に備えられる。
【0025】
後処理部332(ステイプル・ユニット)は、シート束に対して後処理を実行する。後処理部332は、後処理が完了するまでシート束を保持する。後処理が実行されたシート束は、可動トレイ32に排出される。
【0026】
物体センサ333は、物体を検知するセンサであり、例えば反射型の光センサである。検知される物体は、例えば手である。複数の物体センサ333は、処理トレイ33の開口部に近い位置から、その開口部から遠い位置までの予め定められた範囲に分布するように、処理トレイ33の内部の天井に配置される。すなわち、複数の物体センサ333は、シートの搬送方向の下流から上流までの予め定められた範囲に分布するように、処理トレイ33の内部の天井に配置される。これによって、物体センサ333は、処理トレイ33の内部に物体が侵入した場合、侵入した物体を検知することができる。
【0027】
後処理制御部34は、後処理装置3の各機能部の動作を制御する。例えば、後処理制御部34は、後処理装置3におけるシートの搬送処理の動作を制御する。後処理制御部34は、後処理部332が実行する後処理の動作を制御する。
【0028】
後処理制御部34は、各物体センサ333が物体を検知した順に基づいて、処理トレイ33の内部に物体が侵入したか否かを判定する。後処理制御部34は、処理トレイ33において、シートの搬送方向の下流の物体センサ333が上流の物体センサ333よりも先に物体を検知した場合、処理トレイ33の内部に物体が侵入したと判定する。後処理制御部34は、処理トレイ33の内部に物体が侵入したと判定した場合、後処理部332による処理を停止(中止)する。また、後処理制御部34は、処理トレイ33の内部に物体が侵入したと判定した場合、実行中の搬送処理を停止してもよい。これらの制御によって、後処理制御部34は、処理トレイ33の内部に物体が侵入したことによって故障が発生する可能性を低下させることが可能である。さらに後処理制御部34は、処理トレイ33の内部に物体が侵入したと判定した場合、警告を表すメッセージ情報を生成してもよい。後処理制御部34は、は、所定の解除条件が成立した場合、後処理部332による後処理を再開する。所定の解除条件とは、例えば、処理トレイ33の内部において物体が検知されなくなってから所定時間が経過したという条件である。
【0029】
後処理通信部35は、生成されたメッセージ情報を、画像形成通信部28に送信する。後処理メモリ36は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)である。後処理メモリ36は、例えば後処理プログラム等を記憶する。後処理メモリ36は、DRAMなどの揮発性の記録媒体を有してもよい。
【0030】
図3は、実施形態の処理トレイ33の構成例を示す図である。説明を簡単にするため、
図3にはxyz軸が示されている。
図3では、シート100の搬送方向は、x軸方向の負の向きである。処理トレイ33におけるx軸方向の負の側には、開口部33aが設けられている。すなわち、処理トレイ33におけるシート100の搬送方向の下流には、開口部33aが設けられている。開口部33aの高さ「H1」は、処理トレイ33の天井面33b(第1の基準面)から床面33c(第2の基準面)までの距離を表す。設けられた開口部33aの幅は、シート束100aの幅以上である。
【0031】
処理トレイ33には、保持領域330が設けられている。シート束100aは、シート100の束である。処理トレイ33は、保持領域330においてシート束100aを生成する。生成されたシート束100aは、保持領域330において保持される。保持領域330の高さ「H2」は、シート100の厚み及び最大枚数に応じた高さを表す。すなわち、保持領域330の高さ「H2」は、床面33cに対するシート束100aの最大高さを表す。シート束100aのシートの最大枚数は、例えば50枚である。
【0032】
物体センサ333は、床面33cから所定の高さ以上の位置の物体を検知する。
図3では、処理トレイ33の内部における保持領域330の高さ「H2」以上の位置の物体を検知できるように、各物体センサ333の焦点が設定されている。これによって、物体センサ333は、床面33cから高さ「H2」以上、床面33cから高さ「H1」以下の範囲の物体を検知することが可能である。
【0033】
シート束100aは、保持領域330において所定枚数のシート100の束となるまで保持されてから、後処理部332に搬送される。後処理部332は、シート束100aに対して後処理を実行する。後処理が実行されたシート束100aは、可動トレイ32に開口部33aから排出される。
【0034】
図4は、実施形態の物体センサ333の配置例を示す図である。説明を簡単にするため、
図4にはxyz軸が示されている。物体センサ333の個数は、2個以上であれば、
図4に例示された9個に限られない。
図4では、x軸方向に3列とy軸方向に3行との計9個の物体センサ333が、処理トレイ33の内部の天井に配置されている。
【0035】
なお、複数の物体センサ333は、透過型光センサでもよい。複数の透過型光センサは、投光側と受光側とが処理トレイ33の内部においてy軸方向(水平方向)で正対するように配置されてもよい。さらに、複数の透過型光センサは、投光側と受光側とが処理トレイ33の内部において高さ「H2」よりも高い位置に配置されてもよい。物体センサ333が透過型光センサである場合、処理トレイ33の部材の一部には、透過型光センサの光が透過するための穴が設けられてもよい。
【0036】
図5は、実施形態の物体の検知順の第1例を示す図である。
図5に示された例では、物体は、開口部33aから処理トレイ33の内部に侵入していない。この場合、開口部33aから遠い位置に配置された物体センサ333は、開口部33aに近い位置に配置された物体センサ333がシート100を検知するよりも先に、シート100を検知する。すなわち、各物体センサ333は、搬送方向に搬送されているシート100を、上流の物体センサ333から下流の物体センサ333の順に検知する。このような検知順の結果が得られた場合、後処理制御部34は、実行中の通常の搬送処理を継続する。
【0037】
図5では、物体センサ333-1は、物体センサ333-2の検知範囲内に搬送されたシート100を物体センサ333-2が検知するよりも先に、時刻t1において物体センサ333-1の検知範囲内に搬送されたシート100を検知する。物体センサ333-2は、物体センサ333-3の検知範囲内に搬送されたシート100を物体センサ333-3が検知するよりも先に、時刻t2において物体センサ333-2の検知範囲内に搬送されたシート100を検知する。物体センサ333-3は、時刻t3において物体センサ333-3の検知範囲内に搬送されたシート100を検知する。
【0038】
物体センサ333-1は、物体センサ333-2の検知範囲外に搬送されたシート100を物体センサ333-2が検知しなくなるよりも先に、時刻4において物体センサ333-1の検知範囲外に搬送されたシート100を検知しなくなる。物体センサ333-2は、物体センサ333-3の検知範囲外に搬送されたシート100を物体センサ333-3が検知しなくなるよりも先に、時刻5において物体センサ333-2の検知範囲外に搬送されたシート100を検知しなくなる。物体センサ333-3は、時刻6において物体センサ333-3の検知範囲外に搬送されたシート100を検知しなくなる。
【0039】
図6は、実施形態の物体の検知順の第2例を示す図である。
図6に示された例では、物体は、開口部33aから処理トレイ33の内部に侵入している。この場合、開口部33aに近い位置に配置された物体センサ333は、開口部33aから遠い位置に配置された物体センサ333が物体を検知するよりも先に、その物体を検知する。すなわち、各物体センサ333は、処理トレイ33の内部に侵入した物体を、下流の物体センサ333から上流の物体センサ333の順に検知する。
【0040】
このような検知順の結果が得られた場合、後処理制御部34は、実行中の通常の搬送処理を途中停止する。これによって、後処理制御部34は、処理トレイ33の内部に物体が侵入したことによって故障が発生する可能性を低下させることが可能である。
【0041】
実行中の通常の搬送処理を後処理制御部34が途中停止した場合、後処理通信部35は、警告を表すメッセージ情報を、後処理制御部34による送信処理制御に基づいて、画像形成通信部28に送信する。警告を表すメッセージ情報の画像は、ディスプレイ21に表示される。後処理通信部35は、画像形成装置2に画像情報を送信した情報処理端末に対して、警告を表すメッセージ情報を送信してもよい。
【0042】
図6では、物体センサ333-3は、物体センサ333-2の検知範囲内に侵入した物体を物体センサ333-2が検知するよりも先に、時刻t1において、物体センサ333-3の検知範囲内に移動した物体を検知する。物体センサ333-2は、物体センサ333-3の検知範囲内に侵入した物体を物体センサ333-3が検知するよりも先に、時刻t2において、物体センサ333-2の検知範囲内に移動した物体を検知する。物体センサ333-1は、時刻t3において、物体センサ333-1の検知範囲内に移動した物体を検知する。
【0043】
物体センサ333-3は、物体センサ333-2の検知範囲外に侵入した物体を物体センサ333-2が検知しなくなるよりも先に、時刻4において、物体センサ333-3の検知範囲外に移動した物体を検知しなくなる。物体センサ333-2は、物体センサ333-3の検知範囲外に侵入した物体を物体センサ333-3が検知しなくなるよりも先に、時刻5において、物体センサ333-2の検知範囲外に移動した物体を検知しなくなる。物体センサ333-1は、時刻6において、物体センサ333-1の検知範囲外に移動した物体を検知しなくなる。
【0044】
次に、画像形成システム1の動作例を説明する。
図7は、実施形態の画像形成システム1の動作例を示すフローチャートである。後処理制御部34は、シート100の搬送方向の下流の物体センサ333が物体を検知したか否かを判定する(ACT101)。下流以外の物体センサ333が物体を検知した場合(ACT101:NO)、上流から下流の順に物体センサ333が物体を検知したか否かを、後処理制御部34は判定する(ACT102)。
【0045】
上流から下流の順に物体センサ333が物体を検知したと判定された場合(ACT102:YES)、後処理制御部34は、実行中の通常の搬送処理を継続する(ACT103)。後処理制御部34は、
図7に示されたフローチャートの処理を終了する。
【0046】
上流から下流の順以外の順(順序不同)に物体センサ333が物体を検知したと判定された場合(ACT102:NO)、後処理制御部34は、ACT101に処理を戻す。
【0047】
下流の物体センサ333が物体を検知した場合(ACT101:NO)、下流から上流の順に物体センサ333が物体を検知したか否かを、後処理制御部34は判定する(ACT104)。下流から上流の順以外の順(順序不同)に物体センサ333が物体を検知したと判定された場合(ACT104:NO)、後処理制御部34は、ACT101に処理を戻す。
【0048】
下流から上流の順に物体センサ333が物体を検知したと判定された場合(ACT104:YES)、後処理制御部34は、実行中の搬送処理を途中停止する。後処理通信部35は、メッセージ情報を画像形成通信部28に送信する(ACT105)。後処理制御部34は、
図7のフローチャートに示された処理を終了する。
【0049】
以上のように、実施形態の後処理装置3は、第1の物体センサ333と、第2の物体センサ333と、後処理制御部34とを持つ。第1の物体センサ333は、処理トレイ33に備えられる。処理トレイ33は、シート束100aに対して所定の後処理が実行される領域である。後処理が実行されたシート100は、処理トレイ33から排出される際に開口部33aを通過する。第1の物体センサ333は、処理トレイ33内で物体を検知する。第2の物体センサ333は、開口部33aに対する第1の物体センサ333の位置よりも、処理トレイ33内で開口部33aに対して近い位置において物体を検知する。後処理制御部34は、第2の物体センサ333が第1の物体センサ333よりも先に物体を検知した場合、故障の発生を予防するための所定の処理を実行する。故障の発生を予防するための所定の処理とは、例えば、シート100の搬送処理を途中停止する処理、画像形成装置2のディスプレイ21に警告メッセージを表示する処理、画像形成装置2及び後処理装置3のうちの少なくとも一方から警告音を出力する処理等である。
【0050】
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、後処理装置の開口部から物体が侵入した場合に故障の発生を予防することが可能である。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0052】
1…画像形成システム、2…画像形成装置、3…後処理装置、21…ディスプレイ、22…コントロールパネル、23…プリンタ、24…シート収容部、25…画像読取部、26…シート排出部、27…画像形成制御部、28…画像形成通信部、29…画像形成メモリ、31…固定トレイ、32…可動トレイ、33…処理トレイ、33a…開口部、33b…天井面、33c…床面、34…後処理制御部、35…後処理通信部、36…後処理メモリ、100…シート、100a…シート束、330…保持領域、331…シートセンサ、332…後処理部、333…物体センサ