IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本特殊陶業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 図1
  • 特許-ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 図2
  • 特許-ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ガスセンサ及びガスセンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/409 20060101AFI20221007BHJP
   G01N 27/41 20060101ALI20221007BHJP
   G01N 27/419 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
G01N27/409 100
G01N27/41 325J
G01N27/419 327J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019080685
(22)【出願日】2019-04-22
(65)【公開番号】P2020176965
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100110249
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 昭
(74)【代理人】
【識別番号】100116090
【氏名又は名称】栗原 和彦
(72)【発明者】
【氏名】相川 佳則
(72)【発明者】
【氏名】多比良 大輔
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-063188(JP,A)
【文献】特開2016-061596(JP,A)
【文献】特開2004-294078(JP,A)
【文献】特開2017-161325(JP,A)
【文献】特開2007-212405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/409
G01N 27/41
G01N 27/419
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子であって、自身の外表面に当該センサ素子個体に関連する情報である第1情報が格納された第1情報部が付されたセンサ素子と、
前記第1情報部が表出するように前記センサ素子を保持する主体金具と、
前記第1情報部を含む前記センサ素子の外周を覆いつつ、前記主体金具に接合されたケースと、を備えたガスセンサであって、
前記ガスセンサ又は該ガスセンサと一体の外部部品の外表面に、前記第1情報の少なくとも一部を含む第2情報が格納された第2情報部が付され
前記第1情報は、前記センサ素子の製造情報を含み、前記第2情報は、前記第1情報及び前記第1情報に含まれない出力特性情報を含むことを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
前記第2情報部は、前記主体金具の六角形部の平面に付されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
センサ素子の外表面に、当該センサ素子個体に関連する情報である第1情報が格納された第1情報部を付す第1情報部付与工程と、
前記第1情報を読み取る第1情報読み取り工程と、
前記第1情報読み取り工程の前か後に、前記第1情報部が表出するように前記センサ素子を主体金具に保持する主体金具保持工程と、
前記主体金具保持工程の後に、前記第1情報部を含む前記センサ素子の外周をケースで覆ってガスセンサを組み付けると共に、前記第1情報読み取り工程で読み取った前記第1情報の少なくとも一部を含む第2情報を、第2情報部に格納して、前記ガスセンサ又は該ガスセンサと一体の外部部品の外表面に付す第2情報部付与工程と、
を有することを特徴とするガスセンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するのに好適に用いられるガスセンサ及びガスセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関の排気ガス中の特定成分(酸素等)の濃度を検出するためのガスセンサが用いられている。このガスセンサは、センサ素子を主体金具に組み付けて製造されている。センサ素子は、固体電解質体と一対の電極とを有して形成されるが、個々のセンサ素子ごとに電極の厚みや寸法が若干変動し、両電極間に生じる起電力等の出力特性も若干変動する。このため、個々のセンサ素子ごとに出力特性を測定しておき、その情報を素子やガスセンサの外面に付す技術が知られている(特許文献1参照)。そして、このガスセンサにコントローラを接続する際に、この出力特性情報を読み取り、コントローラの校正(出力値補正やランク補正)を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-212405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、個々のセンサ素子ごとの出力特性情報を素子自体に付した場合、センサ素子をガスセンサに組付けるとセンサ素子が外筒等の内部に隠れてしまう。一般的なガスセンサにおいて、外筒等は加締めや溶接等の方法によって主体金具に接合されているため、ガスセンサを破壊して外筒等を取り除かなければ、出力特性情報を読み取ることができないという問題がある。
また、出力特性情報をガスセンサの外面に付す場合、組み付け前のセンサ素子の状態で出力特性情報を記憶しておく必要があるが、センサ素子を取り違えて別のガスセンサに誤った出力特性情報を付してしまう恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、少なくともセンサ素子個体に関連する情報を、ガスセンサ又はガスセンサと一体の外部部品の外表面に誤りなく付すことができるガスセンサ及びガスセンサの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のガスセンサは、センサ素子であって、自身の外表面に当該センサ素子個体に関連する情報である第1情報が格納された第1情報部が付されたセンサ素子と、前記第1情報部が表出するように前記センサ素子を保持する主体金具と、前記第1情報部を含む前記センサ素子の外周を覆いつつ、前記主体金具に接合されたケースと、を備えたガスセンサであって、前記ガスセンサ又は該ガスセンサと一体の外部部品の外表面に、前記第1情報の少なくとも一部を含む第2情報が格納された第2情報部が付され、前記第1情報は、前記センサ素子の製造情報を含み、前記第2情報は、前記第1情報及び前記第1情報に含まれない出力特性情報を含むことを特徴とする。
【0007】
このガスセンサによれば、センサ素子の外表面に第1情報部が付され、かつガスセンサ(又は該ガスセンサと一体の外部部品)の外表面に、第1情報の少なくとも一部を含む第2情報が格納された第2情報部が付されている。
従って、センサ素子がガスセンサに組み付けられて第1情報部が隠ぺいされても、ガスセンサ又はガスセンサと一体の外部部品の外表面に付された第2情報部を読み取れば、組付け後であっても、非破壊で第1情報を読み取ることができる。また、第2情報は、センサ素子個体の第1情報の少なくとも一部を含むので、センサ素子を取り違えて別のガスセンサに誤った第2情報部を付すことを防止できる。
その結果、センサ素子個体に関連する情報を、ガスセンサ又はガスセンサと一体の外部部品の外表面に誤りなく付すことができる。
なお、「接合」とは、ケースが溶接等で主体金具に取り外し不能に結合したことをいう。
【0008】
また、このガスセンサによれば、第1情報として、製造情報を用いて個々のセンサ素子を特定できるので、管理が容易となる。又、第2情報にセンサ素子の出力特性情報を含めるので、ガスセンサに組み付け後に出力特性情報を容易に読み取ることができる。
【0009】
本発明のガスセンサにおいて、前記第2情報部は、前記主体金具の六角形部の平面に付されていてもよい。
六角形部の平面は、外筒等のような曲面でないので、第2情報をカメラ等で読み取り易い。
【0010】
本発明のガスセンサの製造方法は、センサ素子の外表面に、当該センサ素子個体に関連する情報である第1情報が格納された第1情報部を付す第1情報部付与工程と、前記第1情報を読み取る第1情報読み取り工程と、前記第1情報読み取り工程の前か後に、前記第1情報部が表出するように前記センサ素子を主体金具に保持する主体金具保持工程と、前記主体金具保持工程の後に、前記第1情報部を含む前記センサ素子の外周をケースで覆ってガスセンサを組み付けると共に、前記第1情報読み取り工程で読み取った前記第1情報の少なくとも一部を含む第2情報を、第2情報部に格納して、前記ガスセンサ又は該ガスセンサと一体の外部部品の外表面に付す第2情報部付与工程と、を有する。
【0011】
このガスセンサの製造方法によれば、センサ素子がガスセンサに組み付けられて第1情報部が隠ぺいされる前に第1情報を読み取り、読み取った第1情報に基づいて第2情報部を付すようにすれば、ガスセンサ組付け後に第1情報を読み取れなくなる不具合が解消される。また、センサ素子を取り違えて別のガスセンサに誤った第2情報部を付すことを防止できる。
その結果、センサ素子個体に関連する情報を、ガスセンサ又はガスセンサと一体の外部部品の外表面に誤りなく付すことができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、少なくともセンサ素子個体に関連する情報を、ガスセンサ又はガスセンサと一体の外部部品の外表面に誤りなく付すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)の軸線方向に沿う断面図である。
図2】センサ素子を主体金具で保持したガスセンサの中間品、第1情報部及び第2情報部、並びに第1情報部を読み取る態様を示す図である。
図3】ガスセンサ又はガスセンサと一体の外部部品に第2情報部を付す別の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)1の軸線O方向に沿う断面図、図2はセンサ素子100を主体金具30に組付けたガスセンサ1の中間品である素子アセンブリ1xの正面図である。
【0015】
図1に示すように、ガスセンサ1は、軸線O方向に延びる板状のセンサ素子100、自身の内部に挿通配置されたセンサ素子100を保持する筒状の主体金具30、主体金具30の先端部に装着されるプロテクタ24等を有している。
センサ素子100は、固体電解質体と該固体電解質体に配置された一対の電極とを有する検知部100aを先端側に備え、電極パッド102(図2)を後端側に備えている。
【0016】
主体金具30は、SUS430製のものであり、ガスセンサを排気管に取り付けるための雄ねじ部31と、取り付け時に取り付け工具をあてがう六角形部32とを有した筒状をなしている。また、主体金具30には、径方向内側に向かって突出する金具側段部33が設けられており、この金具側段部33はセンサ素子100を保持するためのセラミックホルダ35の先端向き面に係合している。主体金具30の内側にはセラミックホルダ35、滑石37が先端側から順に配置されている。セラミックホルダ35には、軸線Oに沿うように軸孔が設けられ、内部にセンサ素子100を挿通している。
【0017】
主体金具30内で滑石37が圧縮充填されることによって、センサ素子100は主体金具30に対して固定されると共に、センサ素子100の表面と主体金具30の内面との間のシール性が確保される。そして滑石37の後端側には、アルミナ製のスリーブ(絶縁ホルダ)39が配置されている。このスリーブ39には軸線Oに沿うように軸孔が設けられ、内部にセンサ素子100を挿通している。そして、主体金具30の後端側の加締め部30aが内側に折り曲げられており、Oリング部材55を介してスリーブ39が主体金具30の先端側に押圧されている。
【0018】
また、主体金具30の先端側外周には、主体金具30の先端から突出するセンサ素子100の先端部を覆うと共に、複数のガス取り入れ孔を有する金属製のプロテクタ24が溶接によって取り付けられている。このプロテクタ24は、二重構造をなしており、外側には一様な外径を有する有底円筒状の外側プロテクタ41、内側には外側プロテクタ41よりも小径で有底円筒状の内側プロテクタ42が配置されている。
プロテクタ24と主体金具30とは溶接以外にも、加締め、圧入などの方法によって接合することができる。
【0019】
一方、主体金具30の後端側には、SUS430製の外筒25の先端側が挿入されている。この外筒25は先端側の拡径した先端部25aを主体金具30にレーザ溶接等により固定している。外筒25の後端側内部には、セパレータ50が配置され、セパレータ50と外筒25の隙間に保持部材51が介在している。この保持部材51は、セパレータ50の鍔部50aの瀬端向き面に係合し、外筒25を加締めることにより外筒25とセパレータ50とにより固定されている。
外筒25と主体金具30とは溶接以外にも、加締め、圧入などの方法によって接合することができる。
【0020】
また、セパレータ50には、リード線11~15を挿入するための挿通孔50bが先端側から後端側にかけて貫設されている(なお、リード線14、15については図示せず)。挿通孔50b内には、リード線11~15と、電極パッド102とを接続する接続端子16が収容されている。各リード線11~15は、外部において、図示しないコネクタに接続されるようになっている。このコネクタを介してECU等のコントローラ(外部機器)と各リード線11~15とは電気信号の入出力が行われることになる。また、各リード線11~15は詳細に図示しないが、導線を樹脂からなる絶縁皮膜にて披覆した構造を有している。
【0021】
さらに、セパレータ50の後端側には、外筒25の後端側の開口部25bを閉塞するための略円柱状のゴムキャップ52が配置されている。このゴムキャップ52は、外筒25の後端内に装着された状態で、外筒25の外周を径方向内側に向かって加締めることにより、外筒25に固着されている。ゴムキャップ52にも、リード線11~15をそれぞれ挿入するための挿通孔52aが先端側から後端側にかけて貫設されている。
【0022】
図2は、センサ素子100を主体金具30で保持したガスセンサの中間品1x、第1情報部110及び第2情報部70、並びに第1情報部110を読み取る態様を示す。
図2に示すように、センサ素子100の一方の主面の後端側には、2つの電極パッド102が幅方向に離間して配置され、電極パッド102より先端側で、主体金具30の後端から表出する部位に、二次元バーコードからなる第1情報部110がレーザで刻設されている。
センサ素子100への第1情報部110の付設は次のように行うことができる。
【0023】
まず、このセンサ素子100を主体金具30に組み付ける前、裸の状態のセンサ素子100を所定の測定治具にセットし、出力特性を測定する。本例では、出力特性は、所定の被測定ガス雰囲気中でのセンサ素子100の電極間に流れるIp(検出)電流である。
制御部(コンピュータ)210は、個々のセンサ素子100に割り当てられた第1情報(センサ素子個体に関連する情報)を、対応するセンサ素子100にレーザ刻印機等により付設させると共に、対応するセンサ素子100の第1情報と測定した出力特性情報とを関連付けてデータベース200に記憶する。データベース200に記憶されたデータ202の例を図2に示す。
【0024】
その後、センサ素子100が各種工程に流れ、第1情報部110が表出するように主体金具30に組み付けられて中間品1xとなると、図示しないカメラ等によって第1情報部110に格納された第1情報が読み取られる。
制御部210は、データベース200を参照し、読み取った第1情報から対応付けられた出力特性情報を読み出し、この中間品1xの主体金具30の六角形部32の平面にレーザ刻印機等により第2情報部70を付設させる。この第2情報部70に格納された第2情報は、上述の第1情報と出力特性情報とを含む。なお、「格納」とは、第1情報部110及び第2情報部70にそれぞれ第1情報、第2情報が読み取り可能に含まれていればよいことを意味する。
なお、六角形部32は、その後の工程で外筒25やプロテクタ24を取り付けても隠ぺいされずにガスセンサ1の外表面に露出する部位である。そして、六角形部32の平面は、外筒25等のような曲面でないので、第2情報をカメラ等で読み取り易いという利点がある。
【0025】
以上のように、センサ素子100の外表面に第1情報が格納された第1情報部110が付され、かつガスセンサ1(又は該ガスセンサと一体の外部部品)の外表面に、第1情報の少なくとも一部を含む第2情報が格納された第2情報部70が付されている。
従って、センサ素子100がガスセンサ1に組み付けられて第1情報部110が隠ぺいされても、ガスセンサ1又はガスセンサ1と一体の外部部品の外表面に付された第2情報部70を読み取れば、組付け後に第1情報を読み取れなくなる不具合が解消される。
特に、本実施形態のガスセンサ1においては、主体金具30に溶接によって接合された外筒25により、第1情報部110は隠ぺいされている。従って、ガスセンサ1が完成した状態から、第1情報部110に格納された第1情報を読み取るには、ガスセンサ1を破壊して外筒25を取り外さなければならないが、第2情報部70をさらに付すことで、ガスセンサ1を組み付けた後であっても非破壊で第1情報を読み取ることができる。
【0026】
また、第2情報は、センサ素子個体の第1情報の少なくとも一部を含むので、センサ素子100を取り違えて別のガスセンサ1に誤った第2情報部70を付すことを防止できる。
その結果、センサ素子個体に関連する情報を、ガスセンサ又はガスセンサと一体の外部部品の外表面に誤りなく付すことができる。
【0027】
本発明の実施形態に係るガスセンサの製造方法は、例えば上述のようにして行うことができる。まず、センサ素子100の外表面に、第1情報部110を付す(第1情報部付与工程)。次いで、第1情報を読み取る(第1情報読み取り工程)。そして、第1情報部110が表出するようにセンサ素子100を主体金具30に保持する(主体金具保持工程)。
次に、第1情報部110を含むセンサ素子110の外周をケース(本例では、外筒25及びプロテクタ24)で覆ってガスセンサ1を組み付けると共に、第1情報読み取り工程で読み取った第1情報の少なくとも一部を含む第2情報を、第2情報部70に格納して、ガスセンサ1又はガスセンサ1と一体の外部部品の外表面に付す(第2情報部付与工程)。
【0028】
このように、センサ素子100がガスセンサ1に組み付けられて第1情報部110が隠ぺいされる前に第1情報を読み取り、読み取った第1情報に基づいて第2情報部70を付すようにすれば、ガスセンサ1組付け後に第1情報を読み取れなくなる不具合が解消される。また、センサ素子100を取り違えて別のガスセンサに誤った第2情報部70を付すことを防止できる。
その結果、センサ素子個体に関連する情報を、ガスセンサ又はガスセンサと一体の外部部品の外表面に誤りなく付すことができる。
【0029】
主体金具保持工程は、第1情報読み取り工程の後に限らず、第1情報読み取り工程の前に行ってもよい。
【0030】
なお、第1情報部110及び第2情報部70としては、記号、文字列、数字、バーコード等が挙げられ、その印字方法は、印刷、レーザ刻印等が挙げられる。
又、第1情報は、センサ素子個体に関連する情報であればよく、例えば、個々のセンサ素子100に割り当てられた製造情報(素子ID,製造年月日、製造ロット、シリアルナンバー)が挙げられる。
第2情報は、第1情報の少なくとも一部を含むものであればよく、第1情報に加えて、例えばセンサ素子100の出力特性情報(起電力等のセンサの出力特性そのもの、出力特性に応じたランク値など)を含めることができる。
【0031】
図3は、ガスセンサ1又はガスセンサ1と一体の外部部品150、180に第2情報部を付す別の態様を示す。
ここで、「ガスセンサと一体の外部部品」とは、ガスセンサと結合しており、ガスセンサから切り離せない部品をいう。図3の例では、ガスセンサ1から外部に引き出されたリード線11~15(図1)を耐熱チューブ150で覆い、かつリード線11~15の後端が雄コネクタ180に接続されている。これら耐熱チューブ150、雄コネクタ180はガスセンサ1と結合しており、「外部部品」に相当する。
図3の例では、第2情報部を付す態様として、例えば「ケース」をなす外筒25又はプロテクタ24の外表面に、それぞれ第2情報部を73又は74を付す場合が挙げられる。
又、「外部部品」をなす耐熱チューブ150に、第2情報部72を付したシール80を巻き付けて貼付することもでき、雄コネクタ180の外表面に第2情報部を75を付してもよい。
【0032】
本発明は上記実施形態に限定されず、例えば、被測定ガス中のNOx濃度を検出するNOxセンサ(NOxセンサ素子)や、HC濃度を検出するHCセンサ(HCセンサ素子)等に本発明を適用してもよい。又、センサ素子は板状に限らず、筒状であってもよい。
【0033】
又、第2情報は、第1情報の少なくとも一部を含むものであればよく、第1情報と同一の情報でもよく、第1情報のうち一部の情報を減らしたものでもよい。また、第2情報が第1情報に加えて付加情報を有する場合、その付加情報は上記の出力特性情報に限られない。
又、第2情報が第1情報に加えて付加情報を有しない場合、図2のデータベース200は必須でなく、制御部210は、読み取った第1情報のすべてをそのまま第2情報とするか、読み取った第1情報の一部を減らして第2情報とする処理を行えばよい。
【符号の説明】
【0034】
1 ガスセンサ
24 ケース(プロテクタ)
25 ケース(外筒)
30 主体金具
32 六角形部
70,72~75 第2情報部
100 センサ素子
110 第1情報部
150、180 外部部品
図1
図2
図3