(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】輝度を増強した光学撮像送信器
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20221007BHJP
G01S 17/894 20200101ALI20221007BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20221007BHJP
H01L 31/107 20060101ALI20221007BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/894
H01L31/02 D
H01L31/10 B
G02B3/00 A
(21)【出願番号】P 2019563187
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(86)【国際出願番号】 US2018032601
(87)【国際公開番号】W WO2018213200
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-04-02
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519064609
【氏名又は名称】アウスター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】パカラ アンガス
(72)【発明者】
【氏名】フリクトル マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヤング エリック
(72)【発明者】
【氏名】シュウ マーヴィン
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514965(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3054313(EP,A1)
【文献】米国特許第7433042(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0260830(US,A1)
【文献】国際公開第2011/030578(WO,A1)
【文献】特開2013-83663(JP,A)
【文献】特開2008-139199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48-7/51
17/00-17/95
G01C 3/00-3/32
G01C 1/00-1/14
5/00-15/14
H01L 31/0232
H01L 31/107
G02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
距離測定を実行するための光学システムであって、
バルク送信器光学系と、
前記バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを当該光学システムの前方のフィールド内に投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む照明源と、
前記照明源と前記バルク送信器光学系との間に配設されたマイクロ光学チャネルアレイと、
を備え、
前記マイクロ光学チャネルアレイは、複数のマイクロ光学チャネルを画定し、
各マイクロ光学チャネルは、前記複数の発光体からの
対応する発光体から離れたマイクロ光学レンズを含み、
当該マイクロ光学レンズは、前記
対応する発光体から光円錐を受信し、かつ、前記
対応する発光体と前記バルク送信器光学系との間の場所で前記
対応する発光体から変位した
対応する焦点に前記発光体の縮小サイズのスポット画像を生成するように構成されて
おり、
各マイクロ光学チャネルの対応する前記焦点は、他のマイクロ光学チャネルにおいて生成される前記縮小サイズのスポット画像と重複しない
ことを特徴とする光学システム。
【請求項2】
前記バルク送信器光学系が、前記マイクロ光学チャネルアレイを通して前記照明源から出力される前記個別の光ビームが互いに平行である画像空間テレセントリックレンズとして構成される1または複数のレンズを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項3】
前記照明源から放出され前記フィールド内の表面から反射された光子を検出するように構成された光感知モジュール
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項4】
前記光感知モジュールが、
バルク受信器光学系と、
複数の開口部を含む開口層と、
複数のレンズを含むレンズ層と、
複数の光センサを含む光センサ層と、
を有しており、
前記開口層、前記レンズ層及び前記光センサ層は、複数の受信器チャネルを形成するように配置されており、
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルが、前記複数の開口部からの開口部、前記複数のレンズからのレンズ、及び、前記複数の光センサからの光センサを含み、前記バルク受信器光学系から入射する光を前記受信器チャネルの前記光センサに伝達するように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項5】
前記照明源は、当該システムからの距離の範囲にわたってサイズ及び幾何学的形状において前記受信器チャネルの視野に一致する照明パターンに従って、前記バルク送信器光学系を通して前記個別の光ビームを選択的に投射するように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項6】
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、発光体から光円錐を受信し、当該マイクロ光学レンズと前記バルク送信器光学系との間の焦点で前記発光体の縮小サイズの実スポット画像を生成するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項7】
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、前記発光体に面する側に屈折力を有する第1の光学面と、前記発光体から離れる方向に面する反対側に屈折力を有する第2の光学面と、を含み、
前記発光体の前記縮小サイズの実スポット画像が、前記第1及び第2の光学面の後の焦点に形成される
ことを特徴とする請求項6に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項8】
前記発光体からの前記光円錐の発散が、前記縮小サイズの実スポット画像を生成するための前記マイクロ光学レンズの前記第2の光学面からの光円錐の発散より小さい
ことを特徴とする請求項7に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項9】
前記マイクロ光学レンズが、当該マイクロ光学レンズと前記照明源との間に空間を画定するように前記照明源から分離されている
ことを特徴とする請求項7に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項10】
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、前記発光体から離れる方向に面する側に屈折力を有する光学面を含み、
前記発光体の前記縮小サイズの実スポット画像が、前記光学面の後の焦点に形成される
ことを特徴とする請求項6に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項11】
前記光学面が、基板上に位置付けられた複数の凸レンズを含み、
前記基板が、前記光学面が配設される第1の表面と、前記照明源の表面に直接取り付けられた前記第1の表面の反対側の第2の表面と、を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項12】
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、発光体から光円錐を受信し、前記発光体の縮小サイズの仮想スポット画像を生成するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項13】
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、前記発光体から離れる方向に面する側に屈折力を有する光学面を含み、
前記発光体の前記縮小サイズの仮想スポット画像が、前記それぞれのチャネル内の焦点に形成される
ことを特徴とする請求項12に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項14】
前記光学面が、基板上に形成された複数の凹面を含み、
前記基板が、前記光学面が配設される第1の表面と、前記照明源の表面に直接取り付けられた前記第1の表面の反対側の第2の表面と、を有する
ことを特徴とする請求項13に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項15】
前記バルク送信器光学系が、当該光学システムによって放出される迷光を低減するように構成された複数の開口絞りを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項16】
距離測定を実行するための光学システムであって、当該光学システムが、
発光システムであって、
バルク送信器光学系と、
前記バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを当該光学システムの前方のフィールド内に投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む照明源と、
前記照明源と前記バルク送信器光学系との間に配設されたマイクロ光学チャネルアレイであって、前記マイクロ光学チャネルアレイが、複数のマイクロ光学チャネルを画定し、各マイクロ光学チャネルが、前記複数の発光体からの
対応する発光体から離れたマイクロ光学レンズを含み、
当該マイクロ光学レンズが、前記
対応する発光体から光円錐を受信しかつ前記
対応する発光体と前記バルク送信器光学系との間の場所で前記
対応する発光体から変位した
対応する焦点に前記発光体の縮小サイズのスポット画像を生成するように構成されて
おり、各マイクロ光学チャネルの対応する前記焦点は他のマイクロ光学チャネルにおいて生成される前記縮小サイズのスポット画像と重複しない、マイクロ光学チャネルアレイと、
を含む発光システムと、
光検出システムであって、
前記フィールドからの前記個別の光ビームを受信するように構成されたバルク受信器光学系と、
前記フィールド内の複数の個別の非重複視野を画定する複数のマイクロ光学受信器チャネルを有する光学アセンブリと、
を含む光検出システムと、
を備え、
前記光学アセンブリは、
前記バルク受信器光学系の焦点面に沿って配置された複数の個別の開口部を有する開口層と、
前記開口層の背後に配設された光センサのアレイと、
前記開口層と前記光センサのアレイとの間に位置付けられた複数のレンズと、
を含む
ことを特徴とする光学システム。
【請求項17】
前記バルク送信器光学系が、前記マイクロ光学チャネルアレイを通して前記照明源から出力される前記個別の光ビームが互いに平行である画像空間テレセントリックレンズとして構成される1または複数のレンズを含む
ことを特徴とする請求項16に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項18】
距離測定を実行するための光学システムであって、
光学的透明窓を有する固定ハウジングと、
前記ハウジング内に配設された光測距デバイスと、
を備え、
前記光測距デバイスは、プラットフォームに結合された光送信器を含み、
前記光送信器は、
バルク送信器光学系と、
前記バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを前記光学システムの前方のフィールド内に投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む照明源と、
前記照明源と前記バルク送信器光学系との間に配設されたマイクロ光学チャネルアレイであって、前記マイクロ光学チャネルアレイが、複数のマイクロ光学チャネルを画定し、各マイクロ光学チャネルが、前記複数の発光体からの
対応する発光体から離れたマイクロ光学レンズを含み、
当該マイクロ光学レンズが、前記
対応する発光体から光円錐を受信しかつ前記
対応する発光体と前記バルク送信器光学系との間の場所で前記
対応する発光体から変位した
対応する焦点に前記発光体の縮小サイズのスポット画像を生成するように構成されて
おり、各マイクロ光学チャネルの対応する前記焦点は他のマイクロ光学チャネルにおいて生成される前記縮小サイズのスポット画像と重複しない、マイクロ光学チャネルアレイと、を含む
ことを特徴とする光学システム。
【請求項19】
前記光測距デバイスが、回転光測距デバイスであって、
前記ハウジング内に配設され、前記ハウジング内の前記プラットフォーム及び前記光送信器を含む当該光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジング内に配設され、前記モータを制御し、当該光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成されたシステムコントローラと、
を更に含む
ことを特徴とする請求項18に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【請求項20】
前記バルク送信器光学系が、前記マイクロ光学チャネルアレイを通して前記照明源から出力される前記個別の光ビームが互いに平行である画像空間テレセントリックレンズとして構成される1または複数のレンズを含む
ことを特徴とする請求項18に記載の距離測定を実行するための光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2017年5月15日に出願された米国仮特許出願第62/506,449号、2017年5月15日に出願された米国仮特許出願第62/506,437号、2017年5月15日に出願された米国仮特許出願第62/506,445号、及び2017年6月5日に出願された米国仮特許出願第62/515,291号の優先権を主張し、その開示は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
撮像装置は光を検出し、検出した光に基づいてシーンのデジタル画像を作成する。画像には、固定数のピクセルの行と列の数が含まれており、各ピクセルはシーン内の異なる視野にマッピングされる。電子撮像装置は通常、光検出器を使用して光を電気信号に変換する。各光検出器は、焦点面の異なる位置に配置されており、通常、画像内の単一ピクセルまたはピクセルの構成要素に対応する。電子撮像装置は通常、パッシブ照明撮像装置またはアクティブ照明撮像装置の2つの種類のうちの1つに分類できる。パッシブ照明撮像装置は、シーン内の物体によって反射される太陽光などの周囲光を収集するが、アクティブ照明撮像装置はシーンを照明し、アクティブ照明撮像装置システム自体によって生成される反射光を収集する。
【0003】
狭帯域撮像装置は、限られた波長範囲内の光を収集する。これは、可視スペクトル全体、またはそれぞれが100nm以上の3つの異なるRGBカラーバンドに光を検出する従来のカメラとは対照的である。狭帯域撮像装置は、依存する光学フィルタの特性によっては、従来のカメラよりも開発が困難である。光学フィルタは、電磁スペクトルのいくつかの部分が光検出器に到達するのを防ぐのに役立つ。ほとんどの狭帯域フィルタは、薄膜干渉効果に依存して、光を選択的に透過または反射する(このようなフィルタは、しばしば誘電体ミラーまたはブラッグミラーと呼ばれる)。狭帯域フィルタのスペクトル透過率は、フィルタを構成する構成の数、厚さ、順序、及び屈折率に依存する。フィルタのスペクトル透過率は、狭帯域フィルタへの光の入射角にも依存する。
【0004】
現在の狭帯域撮像装置は、視野が狭いか、50nm程度より狭い波長帯域をフィルタリングする能力が制限されている。光学フィルタは入射光の角度に敏感であるため、狭い範囲の波長を達成するのが困難である。例えば、光学フィルタは、940-945nmの波長の垂直光と、930-935nmの波長のわずかに斜めの光を受け入れることができる。従来のカメラにおけるほとんどの光検出器は、入射光の角度範囲が広いため、単純に光学フィルタを前に置くだけでは、狭帯域フィルタリングを達成できない。通常、光検出器に入射する光の角度を制限するには、焦点距離の長いレンズを使用する必要があり、これによりカメラの視野が制限される。
【0005】
広い視野を持つ撮像装置は、均一に鮮明な視覚画像を生成し、シーン全体で均一な測定を行うことが困難である。例えば、画像の中心にあるピクセルは、シーンの端にあるピクセルと比較して、明るく見えるか、異なる波長の光を表する。いくつかのアプリケーションでは、状況認識が向上するため、広い視野が望ましい。例えば、車両の周囲の歩行者を検出するカメラベースの自動車安全システムでは、車両の周囲360度の視野で監視する必要がある。同じジョブを実行する(つまり、360度の完全な視野の画像を生成する)ために必要な幅の広い視野センサが少なく、多くの狭いフィールドの視野センサと同じであるため、システムのコストが削減される。
【0006】
狭帯域撮像装置には、地理的マッピング、天文学、LIDAR(光検出と測距)などの多くのアプリケーションがある。狭帯域撮像装置は、クロロフィルを含む植物や星の中の元素によって生成される波長などの特徴的な光波長を検出できる。狭帯域撮像装置は、例えば、植生の健康状態を判断したり、油の堆積物を発見したりするために使用できる。LIDARなどの光受信器システムは、物体の検出と測距に使用できる。LIDARシステムは、ターゲットまたは風景に光を照射し、レーザからのパルスを使用して、光子がターゲットまたは風景に移動して反射後に狭帯域撮像装置に戻るまでの時間を測定することにより、風景内のターゲットまたは物体までの距離を測定する。光復調、コヒーレントLIDAR、レンジゲーテッドLIDARなどの他のLIDAR技術も、光子の透過と反射に依存しているが、レーザ光のパルスの飛行時間を直接測定することはできない。多くのLIDARアプリケーションでは、送信器と受信器の物理サイズが小さくコンパクトであると同時に、比較的低コストであることが有益である。長距離で正確に物体を感知する必要があるアプリケーションの場合、送信器から放出され、受信器に向かって反射される光子の数を増加または最大化すると同時に、レーザエネルギーの放出を指定された安全制限内に維持することが有益である。
【0007】
マイクロ光学システムは、通常、数マイクロメートルから1ミリメートルのサイズの小型化された光学部品を含むシステムである。互いに隣接してアレイ化されたマイクロ光受信器は、クロストークの影響を受けやすくなっている。光学面の粗さ、透明媒体の欠陥、後方反射などによって生じる迷光は、受信器チャネル内または受信器チャネルの外部の様々な機能で生成され得る。複数の受信器チャネルが互いに隣接してアレイ化されている場合、ある受信器チャネルのこの迷光は、別のチャネルの光センサに吸収され、それにより、光子に固有のタイミング、位相、または他の情報が汚染される可能性がある。クロストークの最小化は、アクティブ照明システムでは特に重要である。近くのレトロリフレクタ(例えば、ナンバープレート)から反射される光は、遠くの暗いランベルトの表面(黒い綿の衣服など)から反射される光よりも数千または数百万時間強い場合がある。したがって、クロストークが最小化されていない場合、レトロリフレクタからの迷光光子は、近くのセンサの他の表面から反射された光子を大幅に上回る可能性がある。これにより、LIDARシステムは、レトロリフレクタが占める視野の近くの視野を占める暗い物体を検出できなくなる。
【発明の概要】
【0008】
本開示の実施形態は、クロストークを最小限に抑えて受信器チャネルアレイ全体で均一で厳密なスペクトル選択性を可能にするマイクロ光学受信器チャネルアレイを備えた広視野の狭帯域撮像を達成する光学撮像システムを提供する。本開示によるいくつかの光学撮像システムは、光感知モジュールに戻る光の電力レベルが増加するように、増強されたスポット照明を提供する光送信モジュールを含むことができ、同時に、測定画像の空間解像度を改善することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、バルク送信器光学系、照明源、及び照明源とバルク送信器光学系との間に配設されたマイクロ光学チャネルアレイを含む。照明源は、バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを光学システムの前方のフィールドに投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む。マイクロ光学チャネルアレイは、複数のマイクロ光学チャネルを画定し、各マイクロ光学チャネルは、複数の発光体からの発光体から離れたマイクロ光学レンズを含み、マイクロ光学レンズが、発光体から光円錐を受信し、かつ発光体とバルク送信器光学系との間の場所で発光体から変位した焦点で発光体の縮小サイズのスポット画像を生成するように構成されている。各チャネルのマイクロ光学レンズは、発光体から光円錐を受信し、かつマイクロ光学レンズとバルク送信器光学系との間の焦点で発光体の縮小サイズの実スポット画像を生成するように構成されている。発光体からの光円錐の発散は、縮小サイズの実スポット画像を生成するためのマイクロ光学レンズの第2の光学面からの光円錐の発散より小さくすることができる。
【0010】
いくつかの追加の実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、発光システム及び光検出システムを含む。発光システムは、バルク送信器光学系と、バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを光学システムの前方のフィールドに投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む照明源と、照明源とバルク送信器光学系との間に配設されたマイクロ光学チャネルアレイと、を含む。マイクロ光学チャネルアレイは、複数のマイクロ光学チャネルを画定し、各マイクロ光学チャネルは、複数の発光体からの発光体から離れたマイクロ光学レンズを含み、マイクロ光学レンズが、発光体から光円錐を受信し、かつ発光体とバルク送信器光学系との間の場所で発光体から変位した焦点で発光体の縮小サイズのスポット画像を生成するように構成されている。光検出システムは、フィールドからの個別の光ビームを受信するように構成されたバルク受信器光学系と、フィールド内の複数の個別の非重複視野を画定する複数のマイクロ光学受信器チャネルを有する光学アセンブリと、を含む。光学アセンブリは、バルク受信器光学系の焦点面に沿って配置された複数の個別の開口部を有する開口層と、開口層の背後に配設された光センサのアレイと、開口層と光センサのアレイとの間に位置付けられた複数のレンズと、を含む。
【0011】
特定の実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、光学的透明窓を有するハウジングと、ハウジング内に配設された光測距デバイスとを含む。光測距デバイスは、プラットフォームに結合された光送信器を含む。光送信器は、バルク送信器光学系、照明源、及び照明源とバルク送信器光学系との間に配設されたマイクロ光学チャネルアレイを含む。照明源は、バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを光学システムの前方のフィールドに投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む。マイクロ光学チャネルアレイは、照明源とバルク送信器光学系との間に配設されてもよく、マイクロ光学チャネルアレイは、複数のマイクロ光学チャネルを画定することができ、各マイクロ光学チャネルは、複数の発光体からの発光体から離れたマイクロ光学レンズを含むことができ、マイクロ光学レンズが、発光体から光円錐を受信し、かつ発光体とバルク送信器光学系との間の場所で発光体から変位した焦点で発光体の縮小サイズのスポット画像を生成するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、光検出システムは、光学システムの外部のフィールドから発生する光線を受信するように構成されたバルク受信器光学系と、フィールド内の複数の個別の非重複視野を画定する複数のマイクロ光学受信器チャネルを有する光学アセンブリと、を含む。光学アセンブリは、バルク受信器光学系の焦点面に沿って配置された複数の個別の開口部を有する開口層と、開口層の背後に配設された光センサのアレイと、異なるマイクロ光学チャネルが異なる波長範囲を測定できるように構成された不均一光学フィルタ層と、を含む。不均一光学フィルタは、一次元で段階的に厚さが増加し、または各チャネルが一定の光学フィルタ層厚を有するように一次元で段階的に厚さが増加するが、異なるマイクロ光学チャネルの厚さが異なる段階的光学フィルタを含むことができる。
【0013】
いくつかの追加の実施形態では、光学システムは、光学システムの外部のフィールドからの光を受信するように構成されたバルク受信器光学系と、バルク光学系の背後に配設され、バルク光学系の焦点面に位置する複数の開口部を含む開口層と、焦点距離を有する複数のコリメートレンズを含むレンズ層であって、レンズ層が、開口層の背後に配設され、焦点距離によって開口層から分離される、レンズ層と、レンズ層の背後にある不均一光学フィルタ層と、複数の光センサを含む光センサ層と、を含む。開口層、レンズ層、不均一光学フィルタ層、及び光センサ層は、フィールド内の複数の個別の非重複視野を画定する複数のマイクロ光学チャネルを形成するように配置され、複数のマイクロ光学チャネル内の各マイクロ光学チャネルが、複数の開口部からの開口部、複数のレンズからのレンズ、フィルタ層からのフィルタ、及び複数の光センサからの光センサを含み、かつ、バルク受信器光学系からの入射光をマイクロ光学チャネルの光センサに伝達するように構成されている。不均一光学フィルタ層は、異なるマイクロ光学チャネルが異なる波長範囲を測定できるように構成されている。
【0014】
特定の実施形態では、光検出システムは、光学システムの外部のフィールドから発生する光線を受信するように構成されたバルク受信器光学系と、フィールド内の複数の個別の非重複視野を画定する複数のマイクロ光学受信器チャネルを有する光学アセンブリと、を含む。光学アセンブリは、プロセッサ、メモリ、及びASICで製造された複数の光センサを含むモノリシックASICと、バルク受信器光学系の焦点面に沿って配置された複数の個別の開口部を有する開口層であって、光センサのアレイが開口層の背後に配設されている、開口層と、開口層と光センサのアレイとの間に位置付けられた複数のレンズと、その構造全体に異なる中心波長を有して、少なくとも2つの異なるマイクロ光学受信器チャネルが異なる波長範囲の光を測定できるようにする不均一光学フィルタ層であって、開口層、複数のレンズ、及び不均一光学フィルタ層が、ASICのモノリシック構造の一部を形成するようにASIC上に形成される、不均一光学フィルタ層と、を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、光学的透明窓を有するハウジングと、ハウジング内に配設された回転光測距デバイスと、ハウジング内に配設され、ハウジング内のプラットフォーム、光送信器、及び光受信器を含む光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、ハウジング内に配設されたシステムコントローラであって、モータを制御し、光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成されたシステムコントローラと、を含む。光測距デバイスは、プラットフォーム、プラットフォームに結合された光送信器、及びプラットフォームに結合された光受信器を含む。光送信器は、バルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含み、各送信器チャネルが、狭帯域光を生成して、バルク送信器光学系を通して光学システムの外部のフィールドに送信するように構成された発光体を含む。光受信器は、バルク受信器光学系及び複数のマイクロ光学受信器チャネルを含み、各マイクロ光学チャネルが、バルク受信器光学系の焦点面と一致する開口部を含み、光学フィルタは、バルク受信器光学系からの光路に沿って位置付けられ、開口部と軸方向に位置合わせされ、光センサが、開口部及び光学フィルタを通過した入射光子に応答する。
【0016】
いくつかの追加の実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、基部、上部、及び基部と上部との間に配設された光学的透明窓を有する固定ハウジングと、ハウジング内に配設され、光学的透明窓と位置合わせされた回転光測距デバイスと、ハウジング内に配設され、ハウジング内のプラットフォーム、光送信器、及び光受信器を含む光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、ハウジング内に配設されたシステムコントローラであって、モータを制御し、光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成されたシステムコントローラと、を含む。光測距デバイスは、プラットフォーム、プラットフォームに結合された光送信器、及びプラットフォームに結合された光受信器を含む。光送信器は、画像空間テレセントリックバルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含み、各チャネルが、狭帯域光を生成して、バルク送信器光学系を通して光学システムの外部のフィールドに送信するように構成された発光体を含む。光受信器は、画像空間テレセントリックバルク受信器光学系及び複数のマイクロ光学受信器チャネルを含み、各マイクロ光学チャネルが、バルク受信器光学系の焦点面と一致する開口部を含み、開口部の背後のコリメートレンズ、コリメートレンズの背後の光学フィルタ、及び開口部を通過してコリメートレンズ及び光センサが、フィルタを通過した入射光子に応答する。
【0017】
特定の実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、基部、上部、及び基部と上部との間に配設された光学的透明窓を有する固定ハウジングと、ハウジング内に配設され、光学的透明窓と位置合わせされた光測距デバイスと、ハウジング内に配設され、ハウジング内の光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、ハウジング内に配設されたシステムコントローラであって、モータを制御し、光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成されたシステムコントローラと、を含む。光測距デバイスは、プラットフォーム、アレイ状に配置された複数の垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)、及びプラットフォームに結合された光受信器を含む。複数のVCSELの各VCSELは、光の個別パルスを生成して光学システムの外部のフィールドに送信するように構成される。光受信器は、バルク受信器光学系、複数の光センサを含み、各光センサが、入射光子に応答する複数の単一光子アバランシェダイオード(SPAD)、及びバルク受信器光学系と複数の光センサとの間に配設された光学フィルタを含み、光の帯域がフィルタを通過して複数の光センサに到達する一方で、帯域の外の光が複数の光センサに到達するのを遮断するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、回転可能なプラットフォームと、回転可能なプラットフォームに結合され、バルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含む光送信器と、回転可能なプラットフォームに結合され、バルク受信器光学系及び複数のマイクロ光学受信器チャネルを含む光受信器と、ハウジング内に配設され、プラットフォーム、光送信器、及び光受信器を回転させるように動作可能に結合されたモータと、光学システムの固定部品に取り付けられたシステムコントローラと、システムコントローラと光受信器との間に動作可能に結合され、システムコントローラが光受信器と通信できるようにする光通信リンクと、を含む。各送信器チャネルは、狭帯域光を生成して、バルク送信器光学系を通して光学システムの外部のフィールドに送信するように構成された発光体を含む。各マイクロ光学チャネルは、バルク受信器光学系の焦点面と一致する開口部を含み、光学フィルタは、バルク受信器光学系からの光路に沿って位置付けられ、開口部と軸方向に位置合わせされ、光センサが、開口部及びフィルタを通過した入射光子に応答する。光通信リンクは、光学システムの固定部品と回転可能なプラットフォームとの間に延びて、システムコントローラを光受信器に動作可能に結合することができる。光受信器は、開口部の背後にあり、光学フィルタに直接結合されたコリメートレンズを更に含むことができ、光学フィルタが、コリメートレンズの背後に位置付けられる。
【0019】
いくつかの追加の実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、回転可能なプラットフォームと、回転可能なプラットフォームに結合され、画像空間テレセントリックバルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含む光送信器と、回転可能なプラットフォームに結合され、画像空間テレセントリックバルク受信器光学系及び複数のマイクロ光学受信器チャネルを含む光受信器と、ハウジング内に配設され、プラットフォーム、光送信器、及び光受信器を回転させるように動作可能に結合されたモータと、光学システムの固定部品に取り付けられたシステムコントローラと、システムコントローラと光受信器との間に動作可能に結合され、システムコントローラが光受信器と通信できるようにする光通信リンクと、を含む。各送信器チャネルは、狭帯域光を生成して、バルク送信器光学系を通して光学システムの外部のフィールドに送信するように構成された発光体を含む。各マイクロ光学チャネルは、バルク受信器光学系の焦点面と一致する開口部を含み、開口部の背後のコリメートレンズ、コリメートレンズの背後の光学フィルタ、及び開口部を通過してコリメートレンズ及び光センサが、フィルタを通過した入射光子に応答する。
【0020】
特定の実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、回転可能なプラットフォームと、アレイ状に配置され、回転可能なプラットフォームに結合された複数の垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)と、回転可能なプラットフォームに結合された光受信器と、ハウジング内に配設され、プラットフォーム、複数のVCSEL、及び光受信器を回転させるように動作可能に結合されたモータと、光学システムの固定部品に取り付けられたシステムコントローラと、システムコントローラと光受信器との間に動作可能に結合され、システムコントローラが光受信器と通信できるようにする光通信リンクと、を含む。複数のVCSELの各VCSELは、光の個別パルスを生成して光学システムの外部のフィールドに送信するように構成される。光受信器は、バルク受信器光学系及び複数の光センサを含み、各光センサが、入射光子に応答する複数の単一光子アバランシェダイオード(SPAD)を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、バルク受信器光学系と、複数の開口部を含む開口層と、第1の複数のレンズを含む第1のレンズ層と、バルク受信器光学系を通過した後に光を受信し、放出の帯域を通過させる一方で、帯域の外の放出を遮断するように構成された光学フィルタ層と、複数の光センサを含む光センサ層と、を含み、各光センサは、光子を検出するように構成された複数の光検出器と、光センサで受信した入射光子を複数の光検出器に集束するように構成された第2の複数のレンズとを含む。光学システムは、複数の開口部からの開口部を含む複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルを備えた複数の受信器チャネルと、複数の第1のレンズからのレンズと、光学フィルタ層からの光学フィルタと、各チャネルの開口部が、そのそれぞれのチャネルの個別の非重複視野を画定する、複数の光センサからの光センサと、を含む。複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルについて、そのチャネルの光センサ内の複数の光検出器と第2の複数のレンズとの間に1対1の対応があってもよく、第2の複数のレンズのレンズの各々が、第2の複数のレンズの対応するレンズに光子を集束させるように構成されてもよい。
【0022】
いくつかの追加の実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、発光システム及び光検出システムを含む。発光システムは、バルク送信器光学系及び照明源を含む。照明源は、バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを光学システムの前方のフィールドに投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む。光検出システムは、バルク受信器光学系と、複数の開口部を含む開口層と、第1の複数のレンズを含む第1のレンズ層と、バルク受信器光学系を通過した後に光を受信し、放出の帯域を通過させる一方で、帯域の外の放出を遮断するように構成された光学フィルタ層と、複数の光センサを含む光センサ層と、を含む。各光センサは、光子を検出するように構成された複数の光検出器と、光センサで受信した入射光子を複数の光検出器に集束するように構成された第2の複数のレンズとを含む。光学システムは、複数の開口部からの開口部を含む複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルを備えた複数の受信器チャネルと、複数の第1のレンズからのレンズと、光学フィルタ層からの光学フィルタと、各チャネルの開口部が、そのそれぞれのチャネルの個別の非重複視野を画定する、複数の光センサからの光センサと、を含む。
【0023】
特定の実施形態では、距離測定を実行するための光学システムは、光学的透明窓を有するハウジングと、ハウジング内に配設され、光学的透明窓と位置合わせされた光測距デバイスと、ハウジング内に配設され、ハウジング内のプラットフォーム、光送信器、及び光受信器を含む光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、ハウジング内に配設されたシステムコントローラと、を含む。システムコントローラは、モータを制御し、光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成される。光測距デバイスは、プラットフォーム、プラットフォームに結合された光送信器、プラットフォームに結合された光受信器を含む。光送信器は、バルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含み、各送信器チャネルが、狭帯域光を生成して、バルク送信器光学系を通して光学システムの外部のフィールドに送信するように構成された発光体を含む。光受信器は、バルク受信器光学系と、複数の開口部を含む開口層と、第1の複数のレンズを含む第1のレンズ層と、バルク受信器光学系を通過した後に光を受信し、放出の帯域を通過させる一方で、帯域の外の放出を遮断するように構成された光学フィルタ層と、複数の光センサを含む光センサ層と、を含む。各光センサは、光子を検出するように構成された複数の光検出器と、光センサで受信した入射光子を複数の光検出器に集束するように構成された第2の複数のレンズとを含む。光学システムは、複数の開口部からの開口部を含む複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルを備えた複数の受信器チャネルと、複数の第1のレンズからのレンズと、光学フィルタ層からの光学フィルタと、各チャネルの開口部が、そのそれぞれのチャネルの個別の非重複視野を画定する、複数の光センサからの光センサと、を含む。
【0024】
本開示の実施形態の性質及び利点のより良い理解は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパッシブ光学撮像システムのブロック図である。
【0026】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、パッシブ光学撮像システム用の例示的な光検出システムの簡略図である。
【0027】
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、段階的フィルタ層を有するマイクロ光学受信器層の異なる実施形態の簡略図の斜視図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、段階的フィルタ層を有するマイクロ光学受信器層の異なる実施形態の簡略図の斜視図である。
【0028】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、回転式LIDARシステムのブロック図である。
【0029】
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、固体LIDARシステムの例示的な実装態様の簡単な図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、固体LIDARシステムの例示的な実装態様の簡単な図である。
【0030】
【
図6A】本開示のいくつかの実施形態による、走査LIDARシステムの例示的な実装態様の簡単な図である。
【
図6B】本開示のいくつかの実施形態による、走査LIDARシステムの例示的な実装態様の簡単な図である。
【0031】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、360走査アーキテクチャを採用するLIDARシステムの実施形態を示す例示的な斜視図である。
【0032】
【
図8】いくつかの実施形態による、光測距システムの光送信及び検出動作の例示的な一実施例を示す。
【0033】
【
図9】本発明の実施形態による、光学測定システムにおいてコード化パルスを使用する方法を示すフローチャートである。
【0034】
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、広い視野を有し、狭帯域撮像が可能な例示的なアクティブ光学撮像システムの詳細図を示す簡略図である。
【0035】
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による、様々な例示的な増強された発光システムの簡略断面図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、様々な例示的な増強された発光システムの簡略断面図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による、様々な例示的な増強された発光システムの簡略断面図である。
【
図14】本開示のいくつかの実施形態による、様々な例示的な増強された発光システムの簡略断面図である。
【0036】
【
図15A】本開示のいくつかの実施形態による、非点収差に対する補正光学構造の異なる実装態様を有する例示的なアクティブ撮像装置システムの簡略図の断面図である。
【
図15B】本開示のいくつかの実施形態による、非点収差に対する補正光学構造の異なる実装態様を有する例示的なアクティブ撮像装置システムの簡略図の断面図である。
【
図15C】本開示のいくつかの実施形態による、非点収差に対する補正光学構造の異なる実装態様を有する例示的なアクティブ撮像装置システムの簡略図の断面図である。
【0037】
【
図16A】チャネル間にクロストークがない光検出システム1600の一部の簡略断面図である。
【0038】
【
図16B】チャネル間にクロストークがある光検出システム1601の一部の簡略断面図である。
【0039】
【
図17】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光学受信器チャネル構造の簡略断面図である。
【0040】
【
図18A】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な開口層の簡略断面図である。
【
図18B】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な開口層の簡略断面図である。
【
図18C】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な開口層の簡略断面図である。
【
図18D】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な開口層の簡略断面図である。
【0041】
【
図19A】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの開口層と光学レンズ層との間の様々なスペーサ構造の簡略断面図である。
【
図19B】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの開口層と光学レンズ層との間の様々なスペーサ構造の簡略断面図である。
【
図19C】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの開口層と光学レンズ層との間の様々なスペーサ構造の簡略断面図である。
【
図19D】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの開口層と光学レンズ層との間の様々なスペーサ構造の簡略断面図である。
【0042】
【
図20A】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な光学フィルタ層の簡略断面図である。
【
図20B】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な光学フィルタ層の簡略断面図である。
【
図20C】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な光学フィルタ層の簡略断面図である。
【
図20D】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な光学フィルタ層の簡略断面図である。
【
図20E】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な光学フィルタ層の簡略断面図である。
【
図20F】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な光学フィルタ層の簡略断面図である。
【
図20G】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネルの様々な光学フィルタ層の簡略断面図である。
【0043】
【
図21A】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21B】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21C】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21D】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21E】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21F】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21G】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21H】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21I】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21J】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【
図21K】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の拡散器を備えた様々な光センサ層の簡略断面図である。
【0044】
【
図22A】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な半球受信器構造の簡略断面図である。
【
図22B】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な半球受信器構造の簡略断面図である。
【
図22C】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な半球受信器構造の簡略断面図である。
【
図22D】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な半球受信器構造の簡略断面図である。
【
図22E】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な半球受信器構造の簡略断面図である。
【
図22F】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な半球受信器構造の簡略断面図である。
【
図22G】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な半球受信器構造の簡略断面図である。
【
図22H】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な半球受信器構造の簡略断面図である。
【
図22I】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な半球受信器構造の簡略断面図である。
【0045】
【
図23A】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な下部マイクロレンズ層の簡略断面図である。
【
図23B】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な下部マイクロレンズ層の簡略断面図である。
【
図23C】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な下部マイクロレンズ層の簡略断面図である。
【
図23D】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な下部マイクロレンズ層の簡略断面図である。
【
図23E】本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用の様々な下部マイクロレンズ層の簡略断面図である。
【0046】
【
図24】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な受信器チャネルの簡略断面図である。
【
図25】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な受信器チャネルの簡略断面図である。
【0047】
【
図26】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイの簡略化された上面図である。
【
図27】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイの簡略化された上面図である。
【
図28】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイの簡略化された上面図である。
【
図29】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイの簡略化された上面図である。
【
図30】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイの簡略化された上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示のいくつかの実施形態は、フィールド内の周囲光及び/またはフィールド内の物体から反射した光送信器から放出された光から画像を生成できる光学撮像システムに関する。例えば、いくつかの実施形態では、光学撮像システムは、シーンまたは所与のエリアをアクティブに照明せず、代わりにシーンまたはエリア内の1または複数の物体から反射されるシーンまたはエリア内の周囲光を検出するパッシブシステムであり得る。パッシブ光学撮像装置システムには、フィールドの周囲光を受信するための光感知モジュールを含めることができる。光感知モジュールは、撮像情報を収集する広視野の狭帯域光学撮像システム(WFNBI)である。光感知モジュールは、1または複数のバルク受信器光学系、マイクロ光学受信器システム、及び光感知モジュールを操作するためのシステムコントローラを含むことができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、マイクロ光学受信器システムは、1または複数のマイクロ光学受信器層と1または複数の光センサを含むことができ、各光センサは、受信光を測定できる1または複数の光検出器を含むことができる。
【0049】
本明細書で定義されるバルク撮像光学系は、複数のレンズ素子を含み得る、1または複数の光学面とすることができ、1ミリメートルを超える明確な開口部を有し、投射された光を受信するように位置付けられ、または、受信光をマイクロ光学送信器/受信器層に焦点を合わせる。マイクロ光学送信器層などの発光体から受信した光を投射するバルク撮像光学系は、本明細書ではバルク送信器光学系または出力バルク撮像光学系と呼ばれることがある。マイクロ光学受信器など、フィールドから受信した光を光検出器に集束させるバルク光学層は、本明細書ではバルク受信器光学系または入力バルク撮像光学系と呼ばれることがある。入力画像空間テレセントリックバルク撮像光学系により、システムは広視野(FOV)にわたって狭帯域光を均一に測定できる。マイクロ光学受信器層には、マイクロ光学受信器チャネルの一次元または二次元アレイを含んでもよく、各マイクロ光学受信器チャネルは、1または複数の開口部、コリメートマイクロレンズ、光学フィルタ、及びと光センサを含む複数の構成要素を有する。場合によっては、マイクロ光受信器チャネル構造は、吸収性及び/または反射性の側壁及び/または集束漏斗を有するエンクロージャを備えた円柱状の構成を有する。マイクロ光学受信器チャネルは、以下で詳しく説明するように、開口部からの入射光線の収集を最大化し、光をコリメートして光学フィルタに垂直にし、隣接する開口部からの入力の混合による隣接するマイクロ光学受信器チャネルとのクロストークを最小限に抑える。様々な例において、本開示によるバルク撮像光学系は、発光体または光センサのアレイ全体の光または他の放出を修正する。マイクロ光学構造は、アレイの一部として含めることができ、アレイ内の異なる発光体及び/または光センサに対して光を異なる方法で修正できる。いくつかの実施形態では、個々のアレイ要素(光センサ及び/または発光体)ごとに1または複数のマイクロ光学要素が存在する。
【0050】
いくつかの実施形態では、光学撮像システムは、フィールドに光を放出し、フィールド内の物体の表面で反射した後に放出光を検出できるアクティブシステムであり得る。アクティブ光学撮像システムは、光感知モジュールに加えて光送信モジュールを含むことができ、光測距デバイスとして構成できる。光送信モジュールには、個々の発光体のアレイで構成される送信器層を含んでもよく、各発光体は、光感知モジュール内の対応するマイクロ光学受信器チャネルと対にすることができ、個々の発光体と受信器チャネルとの間に特定の対にすることなく、シーン全体に均等に光を広げる均一な照明器とすることもできる。場合によっては、光送信モジュールは、発光体のアレイから出力される光を増強するためのマイクロ光学送信器チャネルアレイを含むことができる。動作中、発光体のアレイによって出力される光(例えば、レーザパルス)は、マイクロ光学送信器チャネルアレイを通過し、マイクロ光学送信器チャネルアレイからの光をよりよくキャプチャするために大きな開口数を有するバルク送信器光学系に入る。次に、光はバルク送信器光学系を出て、遠距離フィールドの複数のスポットを照明する。本明細書で更に詳細に説明するように、マイクロ光学送信器チャネルアレイは、バルク送信器光学系から発せられるビームの輝度を増強させ、スポット照明を増強すると同時に、測定画像の空間分解能を増強させることができる。
【0051】
本開示のいくつかの実施形態によれば、撮像システムは、広視野の狭帯域光学システムである。したがって、撮像装置は画像をキャプチャし、少なくとも10度のFOV全体の光を検出できる。特定の実施形態では、撮像装置は、画像をキャプチャし、少なくとも20度のFOVにわたる光、及びいくつかの実施形態では少なくとも30度のFOVにわたる光を検出することができる。更に、撮像装置は約10nm以下の波長の光を検出できる。いくつかの特定の実施形態では、光感知モジュールは、約5nm以下の波長の光を検出することができる。いくつかの実施形態では、撮像システムは、約32度のFOVにわたって5nm未満の波長の検出光をキャプチャすることができる。FOVは、垂直方向または水平方向、またはその間のその他の角度にすることができる。
【0052】
本開示の実施形態によるパッシブ及びアクティブ光学撮像システムの機能及び構成をよりよく理解するために、それぞれを本明細書で詳細に説明する。
【0053】
I.パッシブ光撮像装置システム
パッシブ光学撮像装置システムは、周囲光を受信して画像を生成する。
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパッシブ光学撮像システム100のブロック図である。パッシブ光学撮像システム100は、フィールド内に存在する光をキャプチャするためのパッシブ光キャプチャデバイス102を含む。パッシブ光キャプチャデバイス102は、システムコントローラ104及び光感知モジュール106を含むことができる。撮像データは、パッシブ光撮像装置システム100が位置付けられているフィールドに存在する光を受信することにより、パッシブ光キャプチャデバイス102によって生成することができる。受信光は、システム100内の送信器から放出された光とは対照的に、フィールドに自然に存在する光、すなわち周囲光であり得る。
【0054】
光感知モジュール106は、例えば、光センサの一次元または二次元アレイであり得るセンサアレイ108を含むことができる。各光センサ(単に「センサ」とも呼ばれるか、または当業者によって「ピクセル」と呼ばれることもある)は、例えばSPADなどの光検出器の集合体を含み得るか、またはセンサが単一の光子検出器(例えば、APD)であってもよい。光感知モジュール106は、光感知システム110を含み、センサアレイ108と一緒にされると、光検出システム112を形成することができる。いくつかの実施形態では、光感知システム110は、バルク受信器光学系114と、開口層、コリメートレンズ層、光学フィルタなどの光学部品116を含むことができ、センサアレイ108と組み合わせてマイクロ光学受信器チャネルのアレイを形成することができ、各マイクロ光学受信器チャネルは、システム100が位置付けられている周囲の視野の異なる視野内の画像ピクセルに対応する光を測定する。本開示によるマイクロ光学受信器チャネルの様々な実施形態のさらなる詳細は、以下の
図17乃至
図30に関連して詳細に議論される。
【0055】
いくつかの実施形態では、光感知モジュール106のセンサアレイ108は、アレイ内の個々の光センサ(または光センサのグループ)からの測定光を処理するための光センサのアレイ、プロセッサ118、及び信号用メモリ120の両方を含む単一基板上のモノリシックデバイスの一部として(例えば、CMOS技術を使用して)製造される。センサアレイ108、プロセッサ118、及びメモリ120を含むモノリシック構造は、専用のASICとして製造することができる。いくつかの実施形態では、光学部品116は、センサアレイ108、プロセッサ118、及びメモリ120が一部であるモノリシック構造の一部とすることもできる。そのような場合、以下で更に説明するように、光学部品116を形成することができ、例えば、ASIC上でエポキシで(非可逆的に)接合し、ASICをモノリシック構造の一部とすることができる。上述のように、プロセッサ118(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)及びメモリ120(例えば、SRAM)は、信号処理を実行することができる。信号処理の例として、光感知モジュール106のメモリ120は、各光センサまたは光センサのグループごとに、経時的に検出された光子を蓄積でき、これらの検出された光子はフィールドの画像を再現するために使用できる。
【0056】
いくつかの実施形態では、プロセッサ118からの出力は、さらなる処理のためにシステムコントローラ104に送られ、例えば、データはシステムコントローラ104の1または複数のエンコーダにより符号化され、その後データパケットとしてユーザインターフェース115に送られる。システムコントローラ104は、例えば、ASICまたはASICの一部としてのFPGAなどのプログラマブルロジックデバイスを使用することによる、メモリ124を有するプロセッサ122を使用することによる、及び上記の何らかの組み合わせを含む複数の方法で実現され得る。システムコントローラ104は、固定ベースコントローラと連携するか、またはベースコントローラとは独立して(事前にプログラムされた命令を介して)動作して、光検出の開始及び停止を含み、光検出器パラメータを調整するコマンドを送信することにより、光感知モジュール106を制御することができる。いくつかの実施形態では、システムコントローラ104は、光感知モジュール106とデータを交換するための1または複数の有線インターフェースまたはコネクタを有する。他の実施形態では、システムコントローラ104は、光通信リンクなどの無線相互接続を介して、光感知モジュール106と通信する。
【0057】
パッシブ光学撮像システム100は、ユーザがコンピュータシステム、例えばディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード、マウス、及び/またはラップトップ、タブレット、及び/またはCPU及びメモリを含むハンドヘルドデバイスコンピューターシステムとインターフェースするためのトラックパッドと対話することを可能にするための任意の適切なユーザインターフェースであり得るユーザインターフェース115と対話することができる。ユーザインターフェース115は、パッシブ光学撮像システム100が取り付けられる物体に対してローカルであってもよいが、遠隔操作システムであってもよい。例えば、パッシブ光学撮像システム100への/からのコマンド及びデータは、セルラーネットワーク(LTEなど)、パーソナルエリアネットワーク(Bluetooth(登録商標)、Zigbeeなど)、ローカルエリアネットワーク(WiFi、IRなど)、またはインターネットなどの広域ネットワークを介してルーティングすることができる。
【0058】
ハードウェア及びソフトウェアのユーザインターフェース115は、デバイスからの撮像データをユーザに提示できるが、ユーザが1または複数のコマンドでパッシブ光学撮像システム100を制御することも可能にし得る。コマンドの例には、撮像システムを作動させるまたは不作動にするコマンド、光検出器の露出レベル、バイアス、サンプリング期間、他の動作パラメータ(例えば、放出パルスパターン及び信号処理)を指定するコマンド、輝度などの発光体パラメータを指定するコマンドが含まれる。更に、結果を表示する方法をユーザが選択することを、コマンドで可能にすることができる。ユーザインターフェースは撮像システムの結果を表示することができ、これには、例えば、単一フレームのスナップショット画像、絶えず更新されるビデオ画像、及び/または一部またはすべてのピクセルについての他の光測定値の表示が含まれる。
【0059】
本明細書で言及されるように、光感知システム110の1または複数の部品は、センサアレイ108、プロセッサ118、及びメモリ120を備えたモノリシック構造の一部であり得る。例えば、開口層、コリメートレンズ層、及び光学部品116の光学フィルタ層は、ダイシングの前後にウェハレベルで製造された複数のASICを有する半導体基板上に積み重ねられ、エポキシで接合され得る。例えば、光学フィルタ層は、光センサ層に対して置かれ、次いで光センサ層に接合されて光学フィルタ層を光センサ層と接合し、光学層がモノリシック構造の一部を形成する薄いウェハであり得る。コリメートレンズ層は、光学フィルタ層に射出成形できる。また、開口層は、透明基板の上に不透明基板を積層することにより、または透明基板に不透明フィルムをコーティングすることにより形成することができる。あるいは、光センサ層を製造してダイシングし、光学フィルタ層、コリメートレンズ層、及び開口層を製造してダイシングすることができる。次に、各ダイシングされた光センサ層と光学層を接合して、各モノリシック構造が光センサ層、光学フィルタ層、コリメートレンズ層、及び開口層を含むモノリシック構造を形成する。層をASICに接合することにより、ASICと接合層はモノリシック構造を形成できる。次いで、ウェハをデバイスにダイシングすることができ、各デバイスは、それぞれのバルク受信器光学系114と対にされて、光感知モジュール106を形成することができる。更に他の実施形態では、光感知モジュール106の1または複数の部品が、モノリシック構造の外側にあってもよい。例えば、開口層は、ピンホールを有する別個の金属シートとして実装されてもよい。本開示の一実施形態による光感知システム及びセンサアレイのより詳細な図は、
図2に関して本明細書で説明される。
【0060】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による例示的な光検出システム200の簡略図である。光検出システム200は、
図1に関して上述した光検出システム112を表すことができる。光検出システム200は、光感知システム及びセンサアレイを含むことができる。光感知システムは、バルク受信器光学系、開口層、コリメートレンズ層、及び光学フィルタ層を含むことができ、センサアレイは光センサのアレイを含むことができ、各光センサは光を測定するための1または複数の光検出器を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、これらの部品は一緒に動作して、フィールドから光を受信する。例えば、光検出システム200は<5>バルク受信光学系</5>202とマイクロ光学受信器(Rx)層204を含むことができる。動作中、光線206は複数の方向からバルク受信器光学系202に入り、バルク受信器光学系202によって集束されて光円錐208を形成する。マイクロ光学受信器層204は、開口部210がバルク受信器光学系202の焦点面と一致するように位置付けられる。いくつかの実施形態では、マイクロ光学受信器層204は、マイクロ光学受信器チャネル212の一次元または二次元アレイであり得、各マイクロ光学受信器チャネル212は、光の流れの方向に同じ軸に沿って、例えば
図2に示すように左から右に水平に位置付けられたそれぞれの開口部210、コリメートレンズ214、及び光センサ216から形成される。更に、各マイクロ光学受信器チャネル212は、本明細書で更に議論されるように、光センサ間の迷光からの干渉を軽減するための様々な方法で構成され得る。動作中、各マイクロ光学受信器チャネル212は、異なるピクセル(すなわち、フィールド内の位置)の光情報を測定する。
【0061】
光線206は、バルク受信器光学系202の焦点で集束し、開口層211の開口部210を通過し、それぞれのコリメートレンズ214に入る。各コリメートレンズ214は、光線がすべてほぼ同じ角度で、例えば互いに平行に光学フィルタに入るように、受信光をコリメートする。バルク受信器光学系202の開口部と焦点距離は、開口部210で焦点を結ぶそれぞれの光線の円錐角を決定する。コリメートレンズ214の開口部サイズと焦点距離は、入射光線がどれだけ両行にコリメートできるかを決定し、これにより、光学フィルタ218でどの程度狭い帯域通過を実装できるかが決定される。開口部210は、光検出システム200の動作中に様々な機能を果たすことができる。例えば、開口部210は、(1)ピクセルFOVを制約して、光センサ平面のピッチが大きいにもかかわらず、狭い空間選択性を持たせ、(2)コリメートレンズの焦点面に小さな点状の光源を提供して、光線の厳密なコリメーションを達成でき、フィルタを通過する前に、コリメーションを改善すると、フィルタを通過できる帯域が狭くなり、(3)迷光を排除することができる。
【0062】
光学フィルタ218は、不要な波長の光を遮断する。干渉ベースのフィルタは、性能に強い角度依存性を示す傾向がある。例えば、0度の入射角で900nmの中心波長(CWL)を持つ1nm幅の帯域通過フィルタは、15度の入射角で898nmのCWLを有する場合がある。撮像システムは通常、この影響に対応するために幅数十ナノメートルのフィルタを使用するため、CWLのシフトは帯域通過幅よりもはるかに小さくなる。しかしながら、マイクロ光学層204の使用は、すべての光線がほぼ同じ入射角で光学フィルタ218に入ることを可能にし、したがって、CWLのシフトを最小限にし、非常にタイトなフィルタ(例えば10nm未満の幅)の使用を可能にする。光センサ216は、入射光子に応答して電流または電圧を生成する。いくつかの実施形態において、光学フィルタ218は、マイクロ光学受信器チャネル212のアレイ全体にわたって均一であるため、アレイ内の各個々のマイクロ光学受信器チャネル212は、同じ波長範囲の光を受信する。
【0063】
いくつかの実施形態では、光センサ216は、光線206がコリメートレンズ214及び光学フィルタ218を最初に通過してから光センサ216に露出するように、コリメートレンズ214の反対側に位置付けられる。各光センサ216は、複数の単一光子アバランシェ検出器(SPAD)のミニアレイなどの複数の光検出器であってもよい。SPADのミニアレイのアレイは、単一のモノリシックチップ上に製造できるため、製造が簡素化される。いくつかの代替実施形態では、各光センサ216は、単一の光検出器、例えば標準フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、共振空洞フォトダイオード、または別の種類の光検出器であってもよい。
【0064】
いくつかの他の実施形態では、光学フィルタ218は不均一である。例えば、段階的フィルタを使用すると、様々なマイクロ光学チャネルで様々な波長範囲を測定できる。言い換えると、段階的フィルタを使用すると、マイクロ光学チャネルのアレイ内の異なるマイクロ光学チャネルが異なる中心波長(CWL)を有することができる。段階フィルタは通常、一次元または二次元のいずれかで許容波長の範囲を徐々に変更する。ただし、段階的フィルタには、許容される波長の範囲が一次元または両方の次元で急速に(例えば、段階的に)変化するフィルタも含まれる。チャネルの様々なCWLは、様々な方法で作成できる。例えば、フィルタの厚さを変更したり、屈折率を変更したりできる。屈折率は、化学組成を修正するなど、フィルタ層を変更することによって、例えば不均一なドーピング濃度を持つように修正することによって変更できる。結果として、各チャネル(またはチャネルの行/列)は、異なるドーピング濃度を有する光学フィルタ層を有することができ、それにより、変更された厚さを有さずに各チャネル(またはチャネルの行/列)に対して異なるCWLをもたらす。段階的光学フィルタを使用してマイクロ光学チャネルの一次元アレイを回転させると、システムは各光センサの異なる波長の光を測定できる。段階的フィルタが走査の方向に沿って変化しているマイクロ光学チャネルの二次元アレイを走査すると、パッシブ光学撮像装置システムは空間内の各位置の複数の波長の光を測定できるが、そうするためには光センサの複数の光検出器を使用する。段階的フィルタを使用するこのような光学システムでは、同じ視野を持つ同じ光センサに対して異なる波長測定が行われるように、光センサのサンプリングの同期が必要である。多くの異なる波長を区別する撮像システムは、ハイパースペクトル撮像装置と呼ばれることもある。ハイパースペクトル撮像装置では、多くの場合、対象の波長の光をすべてほぼ同じ平面に集束させる必要がある。これは、色収差の影響を制限するように設計されたアクロマート、アポクロマート、スーパーアクロマート、または同様のレンズを使用することで達成できる。
【0065】
ハイパースペクトル撮像装置は、電磁スペクトル全体の複数の波長帯域から情報を収集する。波長帯域の絶対または相対強度は、化学物質濃度に関する情報を提供できる。例えば、特定の作物のクロロフィル含有量は、少数の波長帯域のみを使用して推定できる。同様の手法を使用して、貴重なミネラルを見つけ、毒素を識別したりできる。スペクトル情報は、歩行者、自動車、及び自動車環境で同様に遭遇する他の物体の分類を支援するためにも使用できる。
【0066】
段階的減光フィルタは、フィルタ全体で空間的に変化する透過率を有するが、透過率は、特定の場所で波長にほとんど依存しない(例えば、青色光と同様に赤色光に対しても透過性がある)。走査型撮像システムでは、段階的減光フィルタを使用して、空間の同じポイントを様々な減衰度で撮像することができ、それにより、非段階的フィルタで達成できるよりも高いダイナミックレンジでの複合測定が可能になる。段階フィルタを備えたマイクロ光学受信器層のより良い理解は、
図3A及び3Bを参照して達成することができる。
【0067】
図3A及び
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、段階的フィルタ層を有するマイクロ光学受信器層の異なる実施形態の簡略図の斜視図である。具体的には、
図3Aは、段階的フィルタ層302を備えたマイクロ光学受信器層300の簡略図の斜視図であり、
図3Bは、段階的フィルタ層312を備えたマイクロ光学受信器層301の簡略図の斜視図である。
図3A及び
図3Bに示されるように、マイクロ光学受信器層300及び301はそれぞれ、2×2アレイとして二次元に配置された4つのマイクロ光学受信器チャネル304、306、308及び310を含む。
図3A及び3Bは2×2アレイのみを有する実施形態を示しているが、当業者は、そのような実施形態が限定的ではなく、他の実施形態が任意の数のマイクロ光学受信器チャネルを有するように構成できることを理解する。これらの図において、フィルタ層302及び312の厚さ、及び縮尺通りに描かれていない周囲の層の厚さは、干渉フィルタ内の屈折材料の層の厚さとして解釈されるべきであることを理解されたい。これらの厚さが変化すると、干渉フィルタの特性(例えば、通過帯域CWL)が変化する。これらの実施形態は、ハイパースペクトルパッシブ光学撮像システムで使用することができる。
【0068】
図3A及び
図3Bに示されるように、段階的フィルタ層302は、マイクロ光学受信器チャネルの複数の列にわたって一次元で徐々に増加する厚さを有し、段階的フィルタ層312は、各マイクロ光学受信器チャネルに対して一定の厚さを有する一次元で段階的に増加する厚さを有する。マイクロ光学受信器チャネル304及び308は、同じフィルタ厚を有し、同じ波長の光を検出する。マイクロ光学受信器チャネル306及び310は、同じフィルタ厚を有し、同じ波長の光を検出する。マイクロ光学受信器チャネル304及び308は、マイクロ光学受信器チャネル306及び310とは異なるフィルタ厚さを有することができ、したがって異なる波長の光を検出することができる。第1の時間間隔の間、マイクロ光学受信器チャネル304及び308は、それぞれ2つのピクセルの光の第1の波長の強度を測定する。いくつかの実施形態では、ハイパースペクトルパッシブ光学撮像システムは、第2の時間間隔中に、マイクロ光学受信器チャネル306及び310がそれぞれ同じ2つのピクセルの光の第2の波長の強度を測定するようにマイクロ光学受信器層を移動または回転させる。他の実施形態では、本開示によるハイパースペクトルパッシブ光学撮像装置システムは、固定マイクロ光学受信器層を含み、移動するターゲットを走査することができる。
【0069】
II.アクティブ光学撮像システム
本明細書で説明するように、光学撮像システムは、アクティブ光学撮像システムとして構成することもできる。アクティブ光学撮像装置システムは、アクティブ光学撮像装置システムがフィールドに独自の光を放出し、フィールド内の物体の表面で反射した後に放出光を検出するという点で、パッシブ光学撮像装置システムとは異なる。いくつかの実施形態では、アクティブな光学撮像装置システムは、放出及び受信された反射光を相関させて、放出光が反射された物体までの距離を決定できるLIDARデバイスとして利用できる。アクティブな光学撮像装置システムのより良い理解は、
図4を参照して確認できる。
【0070】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるLIDARシステム400のブロック図を示している。LIDARシステム400は、光測距デバイス402及びユーザインターフェース415を含むことができる。光測距デバイス402は、測距システムコントローラ404、光送信(Tx)モジュール406、及び光感知(Rx)モジュール408を含む。1または複数の光パルス410を光送信モジュール406から光測距デバイス402を囲む視野内の物体に送信することにより、測距データが光測距デバイス402によって生成され得る。次いで、透過光の反射部分412が、いくらかの遅延時間の後、光感知モジュール408によって検出される。遅延時間に基づいて、反射面までの距離が決定され得る。例えば連続波、ドップラーなどの他の測距法も使用することができる。
【0071】
Txモジュール406は、発光体の一次元または二次元アレイであり得る発光体アレイ414と、発光体アレイ414と一緒になって発光システム438を形成できるTx光学システム416とを含む。Tx光学システム416は、画像空間テレセントリックであるバルク送信器光学系を含むことができる。いくつかの実施形態では、Tx光学システム416は、
図11乃至
図14に関して、及び/またはビーム成形、ビームステアリングなどに関して本明細書で議論されるように、バルク送信器光学系から発するビームの輝度を高める1または複数のマイクロ光学構造を更に含むことができる。発光体アレイ414または個々の発光体はレーザ源であり得る。Txモジュール406は、オプションのプロセッサ418及びメモリ420を更に含むことができるが、いくつかの実施形態では、これらのコンピューティングリソースは測距システムコントローラ404に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、例えばバーカーコードなどのパルスコーディング技術を使用することができる。そのような場合、メモリ420は、光をいつ送信すべきかを示すパルスコードを格納することができる。一実施形態では、パルスコードは、メモリに格納された整数のシーケンスとして格納される。
【0072】
光感知モジュール408は、
図1に関して本明細書で説明した光感知モジュール106と構造が実質的に同様であり得る。したがって、プロセッサ422、メモリ424、センサアレイ426、及びRx光学システム428の詳細(センサアレイ426と一緒に光検出システム436を形成できる場合)は、
図1に関して本明細書で参照することができ、これらの部品に関しては、簡潔にするためにここで説明する。LIDARシステム400の場合、センサアレイ426の各センサ(例えば、SPADの集合体)は、例えば、光感知モジュール408及び光送信モジュール406の幾何学的構成の結果として、発光体アレイ414の特定の発光体に対応し得る。例えば、いくつかの実施形態では、発光体アレイ414は、バルク送信器光学系の焦点面に沿って配置することができ、バルク送信器光学系からシステムの前方のフィールドに投射される各照明ビームは、システムから初期閾値距離を超えた任意の距離で、対応する受信器チャネルの視野と実質的に同じサイズと形状になる。
【0073】
いくつかの実施形態では、プロセッサ418は、アレイ内の個々の光子検出器(または検出器のグループ)からの生のヒストグラムの信号処理を実行することができる。信号処理の例として、各光子検出器、または各光子検出器のグループに、メモリ424(例えば、SRAM)は、連続する時間ビンにわたって検出された光子のカウントを累積することができ、これらの時間ビンを組み合わせて使用して、反射光パルスの時系列(すなわち、光子のカウント対時間)を再作成することができる。集計された光子カウントのこの時系列は、本明細書では強度ヒストグラム(または単にヒストグラム)と称される。プロセッサ418は、整合フィルタとピーク検出処理とを実装して、適時に戻り信号を識別することができる。更に、プロセッサ418は、SPADの飽和及び消光に起因して起こり得るパルス形状歪みの影響を受けにくい光子時系列を回復するのに役立つ、マルチプロファイル整合フィルタリングなどの特定の信号処理技術を(例えば、プロセッサ422によって)完遂することができる。いくつかの実施形態では、そのようなフィルタリングのすべてまたは一部は、FPGAで具体化され得るプロセッサ458によって実行され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、プロセッサ418からの光子時系列は、さらなる処理のために測距システムコントローラ404に送られ、例えば、データは測距システムコントローラ404の1または複数のエンコーダにより符号化され、その後データパケットとしてユーザインターフェース415に送られる。測距システムコントローラ404は、例えば、ASICまたはASICの一部としてのFPGAなどのプログラマブルロジックデバイスを使用することによる、メモリ432を有するプロセッサ430を使用することによる、及び上記の何らかの組み合わせを含む複数の方法で実現され得る。測距システムコントローラ404は、固定ベースコントローラと連携するか、またはベースコントローラとは独立して(事前にプログラムされた命令を介して)動作して、光検出の開始及び停止を含み、光検出器パラメータを調整するコマンドを送信することにより、光感知モジュール408を制御することができる。同様に、測距システムコントローラ404は、発光開始及び停止制御、ならびに他の発光体パラメータ(例えば、パルスコード)を調整し得る制御を含むコマンドを送信するか、またはベースコントローラからのコマンドを中継することにより、光送信モジュール406を制御することができる。いくつかの実施形態では、測距システムコントローラ404は、光感知モジュール408及び光送信モジュール406とデータを交換するための1または複数の有線インターフェースまたはコネクタを有する。他の実施形態では、測距システムコントローラ404は、光通信リンクなどの無線相互接続を介して、光感知モジュール408及び光送信モジュール406と通信する。
【0075】
光測距デバイス402は、固定及び走査アーキテクチャの両方で使用することができる。電気モータ434は、走査LIDARアーキテクチャの一部として、Txモジュール406及びRxモジュール408などのシステム構成要素を回転させるために使用できるLIDARシステム400のオプションの構成要素である。システムコントローラ404は、スキャンLIDARシステムを実装するために必要に応じて、電気モータ434を制御し、回転を開始し、回転を停止し、回転速度を変えることができる。例示的な固定LIDARデバイスは、
図5A及び
図5Bに関して以下で説明され、一方、例示的な走査LIDARデバイスは、
図6A、
図6B及び
図7に関して本明細書で更に説明される。
【0076】
LIDARシステム400は、ユーザインターフェース415の1または複数のインスタンス化と相互作用することができる。異なるインスタンス化は変化する場合があり、モニタ、キーボード、マウス、CPU及びメモリを備えたコンピュータシステム、自動車またはその他の車両のタッチスクリーン、タッチスクリーンを有するハンドヘルドデバイス、またはその他の適切なユーザインターフェースを含み得るが、これらに限定されない。ユーザインターフェース415は、LIDARシステム400が取り付けられる物体に対してローカルであってもよいが、遠隔操作システムであってもよい。例えば、LIDARシステム400への、またはLIDARシステム400からのコマンド及びデータは、セルラーネットワーク(LTEなど)、パーソナルエリアネットワーク(Bluetooth(登録商標)、Zigbeeなど)、ローカルエリアネットワーク(WiFi、IRなど)、またはインターネットなどの広域ネットワークを介してルーティングすることができる。
【0077】
ハードウェア及びソフトウェアのユーザインターフェース415は、デバイスからのLIDARデータをユーザに提示できるが、ユーザが1または複数のコマンドでLIDARシステム400を制御することも可能にし得る。コマンドの例には、LIDARシステムを作動させるまたは不作動にするコマンド、光検出器の露出レベル、バイアス、サンプリング期間、他の動作パラメータ(例えば、放出パルスパターン及び信号処理)を指定するコマンド、輝度などの発光体パラメータを指定するコマンドが含まれる。更に、結果を表示する方法をユーザが選択することを、コマンドで可能にすることができる。ユーザインターフェースはLIDARシステムの結果を表示することができ、これには、例えば、単一フレームのスナップショット画像、絶えず更新されるビデオ画像、及び/または一部またはすべてのピクセルについての他の光測定値の表示が含まれる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース415は、車両からの物体の距離(近接性)を追跡し、場合によっては運転者に警告を提供したり、運転者の行動の分析のためにそのような追跡情報を提供したりすることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、例えば、LIDARシステム400が車両ナビゲーションに使用される場合、ユーザインターフェース415は、出力を受信するか、車両制御ユニットの一部であり得、そうでなければ、上記の有線または無線ネットワークのいずれか1つなどのネットワークを介して光測距デバイス402及び/またはユーザインターフェース415と通信する、車両の制御に関連する1または複数のパラメータは、受信したLIDARデータに基づいて車両制御ユニットによって修正できる。例えば、完全自律走行車両では、LIDARシステム400は、GPS及び他のデータと連携してナビゲーションを支援するために、車を取り巻く環境のリアルタイム3D画像を提供できる。他の場合には、LIDARシステム400は、先進運転支援システム(ADAS)の一部として、または、例えば、アダプティブクルーズコントロール、自動駐車、運転者の眠気監視、死角監視、衝突回避システムなどの任意の数の異なるシステムに3D撮像データを提供できる安全システムの一部として、使用され得る。ユーザインターフェース415が車両制御ユニットの一部として実装される場合、運転者に警告を提供することができるか、または物体のトラッキングを追跡することができる。
【0079】
A.固体アーキテクチャ
本開示のいくつかの実施形態によれば、LIDARシステムは、固定アーキテクチャを有する固体LIDARシステムとして構成され得る。そのようなLIDARシステムは回転せず、したがって、センサ及び送信器モジュールを回転させるために、例えば
図4の電気モータ434などの別個のモータを必要としない。固体LIDARシステムの例を
図5A及び
図5Bに示す。
【0080】
図5A及び
図5Bは、固体LIDARシステムの例示的な実装態様の簡単な図である。具体的には、
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態による、自動車などの道路車両505の外側領域に固体LIDARシステム502a~dが実装される実装態様500を示す。
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、固体LIDARシステム504a~bが道路車両505の上部に実装される実装態様501を示す図である。各実装態様では、LIDARシステムの数、LIDARシステムの配置、及び各LIDARシステムの視野は、全体ではないにしても、車両を囲む環境の360度の視野の大部分を取得できる。LIDARシステムの自動車実装態様は、本明細書では単に説明のために選択したものであり、本明細書で説明されるセンサは、例えば、ボート、航空機、列車などの他の種類の車両で、ならびに医用撮像、携帯電話、拡張現実、測地学、ジオマティクス、考古学、地理学、地質学、地形学、地震学、林業、大気物理学、レーザ誘導、空中レーザスワスマッピング(ALSM)、レーザ高度計などの、3D深度画像が有用な様々な他の用途で、利用され得る。
【0081】
図5Aを参照すると、固体LIDARシステム502a~dは、車両の外側領域、フロント及びバックフェンダーの近くに取り付けることができる。LIDARシステム502a~dはそれぞれ、車両505の最も外側のコーナーの近くに位置付けられるように、車両505のそれぞれのコーナーに位置付けることができる。そのようにして、LIDARシステム502a~dは、領域506a~dのフィールド内の物体からの車両505の距離をより良く測定することができる。各固体LIDARユニットは、各ユニットがそれ自体でキャプチャできるよりも大きい複合視野をキャプチャできるように、異なる方向を(おそらくユニット間で部分的に重複する及び/または非重複の視野を有して)向くことができる。シーン内の物体は、LIDAR Txモジュール508から放出される光パルス510の部分を反射することができる。次いで、光パルス510の1または複数の反射部分512は、LIDARシステム502aに戻り、Rxモジュール509により受信され得る。Rxモジュール509は、Txモジュール508と同じハウジングに配設することができる。
【0082】
図5Aは、車両の四隅に取り付けられた4つの固体LIDARシステムを示しているが、実施形態はそのような構成に限定されない。他の実施形態は、車両の他の領域に搭載されたより少ないまたはより多い固体LIDARシステムを有することができる。例えば、
図5Bに示すように、LIDARシステムは車両505の屋根に取り付けることができる。そのような実施形態では、LIDARシステムは、車両505の周囲の領域506a~dをより良く観察するためにより高い視点を有することができる。
【0083】
B.走査アーキテクチャ
いくつかの実施形態では、本開示によるLIDARシステムは、LIDARシステムが360度未満の角度の間で振動する走査アーキテクチャを採用することができる。例えば、
図5Bの実装態様501のLIDARシステム504a~bはそれぞれ、例えば視野506aと506bとの間の領域514、及び視野506cと506dとの間の領域516で、車両505の前及び/または背後のシーン全体を走査するために走査アーキテクチャを使用することができる。走査LIDARシステムに位置する1または複数の光源(図示せず、赤外線、近赤外線、紫外線、可視光、例えば緑色レーザ波長スペクトルなどのLIDARシステムに適した波長スペクトルのレーザを含むがこれに限定されない、放射を放出ための様々な異なる適切な光源であり得る)の出力ビームを光のパルスとして出力し、走査して、例えば360度未満の角度で回転させて、車両の周囲のシーンを照明することができる。いくつかの実施形態では、回転矢印514及び516によって表される走査は、機械的手段、例えば、発光体を回転柱または回転プラットフォームに取り付けることによって実施することができる。例えば、デジタルマイクロミラー(DMD)デバイス、デジタル光処理(DLP)デバイスなどの1または複数のMEMSベースの反射器を使用するマイクロチップを使用するなど、チップベースのビームステアリング技術を使用することもできる。いくつかの実施形態では、スキャンは、非機械的手段を介して、例えば、電子信号を使用して1または複数の光フェーズドアレイを操縦することにより達成することができる。
【0084】
他の実施形態は、車両を取り巻く環境の360度全体を走査する走査アーキテクチャを実装することができる。そのような走査LIDARシステムは、時計回りまたは反時計回りの方向に360度連続的に繰り返し回転することができ、したがって、別個のモータ、例えば
図4の電気モータ434を利用して、センサ及び送信器モジュールを回転させることができる。例示的な回転式LIDARシステムを
図6A及び
図6Bに示す。
【0085】
図6Aは、本開示のいくつかの実施形態による、自動車などの車両605用に実装され、連続的な360度走査が可能な例示的な走査LIDARシステム600の簡略図のトップダウン図である。例えば、LIDARシステム600内に位置付けられた1または複数の光源(赤外線または近赤外線パルスIRレーザなど、図示せず)の出力ビームは、車両の周りのシーン620を照明するために走査、例えば回転され得る。いくつかの実施形態では、回転矢印615によって表される走査は、
図5Bに関して本明細書で説明する任意の適切な機械的手段、例えば、発光体を回転柱またはプラットフォームに取り付けること、または、検流計やチップベースのステアリング技術の使用などの任意の他の機械的手段によって実施することができる。動作中、任意の方向及びLIDARシステム600のビュー内の車両605の周囲の物体は、LIDARシステム600の送信モジュール608から放出される光パルス611の一部を反射することができる。次に、光パルス611の1または複数の反射部分617がLIDARシステム600に戻り、その感知モジュール609によって検出することができる。場合によっては、感知モジュール609は、送信モジュール608と同じハウジングに配設することができる。
【0086】
図6Aは、車両605の屋根に取り付けられた固体LIDARシステムを示しているが、実施形態はそのような構成に限定されない。他の実施形態は、車両の他の領域に取り付けられた固体LIDARシステムを有することができる。例えば、LIDARシステムは、
図6Bに示すように、車両のコーナーに取り付けることができる。
図6Bは、本開示のいくつかの実施形態による、固体LIDARシステム604a~dが、自動車などの路上走行車の外側領域に実装される実装態様601を示す。この実装態様では、各LIDARシステム604a~dは、360度全体の距離を測定できる回転式LIDARシステムであり得る。しかしながら、これらの測定値の少なくともいくつかは車両605に関して測定されるため、これらの測定値は無視することができる。したがって、各LIDARシステム605a~dは、360度の走査からの測定値のサブセットのみを利用することができ、例えば、車両605をキャプチャしない領域619a~dをカバーする角度のみが利用される。
【0087】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、360走査アーキテクチャを採用するLIDARシステム700の簡略化された例示的な斜視図である。いくつかの実施形態では、LIDARシステム700は、時計回りまたは反時計回りの方向に回転して車両の周囲のフィールドを観察する光測距デバイス701を含むことができる。システム700は、固定ハウジング702、光学的透明窓704、及びLIDARシステム700の内部部品の保護を提供する固定蓋706を含むことができる。窓704は、円筒形状を有するように構成することができる固定ハウジング702の周囲に完全に延びることができる。システム700の内部部品は、回転プラットフォーム708と、回転プラットフォーム708に取り付けられた感知及び送信モジュール710とを含み得る光測距デバイス701を含むことができる。いくつかの実施形態では、光測距デバイス701は、モジュール710が窓704を介して光を放出及び受信するように位置付けられ、放出光が固定ハウジング702または固定蓋706に放出されないように窓704と位置合わせされる。例えば、位置合わせされた位置では、光測距デバイス701の水平方向の中心は窓704の水平方向の中心と一致する。感知及び送信モジュール710は、例えば、光感知モジュール408及び光送信モジュール406であり得、任意選択で、マイクロ光学層を冷却するヒートシンク(図示せず)を含み得る。LIDARシステム700はまた、固定ハウジング702内にあるシステムコントローラ712(例えば、コントローラ404)及び電気モータ714(例えば、モータ434)を含むことができる。電気モータ714は、プラットフォーム708を回転させ、それにより、感知及び送信モジュール710を、例えば時計回りまたは反時計回り方向に360度連続して回転するように回転させる。システムコントローラ712は、光通信リンク716を使用して感知及び送信モジュール710と通信することができる。光通信リンク716により、感知及び送信モジュール710は、固定ハウジング702に機械的に結合され、プラットフォーム708とともに回転しない固定システムコントローラ712と、機械的摩耗及び破損なしに光通信リンク716を介して通信できる。いくつかの実施形態では、システムコントローラ712は、モータを制御し、LIDARシステム700の光検出動作を開始及び停止することができる。システムコントローラ712は、平行関係に配置された2つ以上の積み重ねられた平面回路基板を含むことができ、これは、弁護士ドケット番号103033-P010US1-1073278「Compact Lidar System」という名称の共有及び同時出願の特許出願で詳細に議論されており、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0088】
III.アクティブ撮像システムの動作
図8は、いくつかの実施形態による、光測距システムの光送信及び検出プロセスの例示的な一実施例を示す。
図8は、システムを囲む容積またはシーンの3次元距離データを収集する光測距システム800(例えば、固体型もしくは、及び/または走査型)を示す。
図8は、発光体とセンサとの間の関係を強調する理想化された図であり、したがって、他のコンポーネントは示されていない。
【0089】
光測距システム800は、発光体アレイ810と光センサアレイ820とを含む。発光体アレイ810は、発光体812及び発光体816などの発光体のアレイ、例えば、垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)などのアレイを含む。光センサアレイ820は、例えばセンサ822及び826などの光センサのアレイを含む。光センサは、各光センサに対して、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)などの個別の光検出器のセットを使用するピクセル化照明センサであってもよい。しかしながら、様々な実施形態は、任意の種類の光子センサを配置することができる。
【0090】
各発光体は、隣接する発光体からわずかにオフセットされ得、かつ隣接する発光体から異なる視野内に光パルスを送信するように構成され得るため、その発光体のみに関連付けられたそれぞれの視野を照明することができる。例えば、発光体812は、(1または複数の光パルスから形成された)照明ビーム814を円形視野832(そのサイズは明確にするために誇張されている)内に放出する。同様に、発光体816は、照明ビーム818(発光体チャネルとも呼ばれる)を円形視野834内に放出する。複雑さを避けるために
図8には示されていないが、各発光体は対応する視野内に対応する照明ビームを放出し、結果として2Dの視野のアレイが照明される(この例では21個の異なる視野)。
【0091】
発光体によって照明される各視野は、測距データから生成される対応する3D画像内のピクセルまたはスポットと考えられ得る。各発光体チャネルは、各発光体に個別で、他の発光体チャネルと非重複とすることができる、つまり、発光体のセットと非重複フィールドまたはビューのセットとの間に1対1のマッピングがある。したがって、
図8の実施例では、システムは3D空間で21個の異なるポイントをサンプリングし得る。より高密度の発光体アレイを有することにより、または1つの発光体が空間内の複数のポイントをサンプリングできるように、発光体ビームの角度位置を経時的にスキャンすることにより、ポイントの高密度サンプリングを実現することができる。上記のように、スキャンは、発光体/センサアセンブリ全体を回転させることにより実行できる。
【0092】
各センサは、上述の発光体のように、隣接するセンサからわずかにオフセットすることができ、各センサはセンサの前のシーンの異なる視野を見ることができる。更に、各センサの視野は、例えば、それぞれの発光体チャネルの視野と実質的に一致し、例えば重なり合い、同じサイズである。
【0093】
図8において、対応する発光体-受信器チャネル間の距離は、視野内の物体までの距離に対して誇張されている。実際には、わずかなフィールド内の物体までの距離は、対応する発光体-受信器チャネル間の距離よりはるかに大きいため、発光体から物体までの光の経路は、物体からセンサまで戻る反射光の経路にほぼ平行である(すなわち、光はほとんど「後方反射」される)。したがって、システム800の前には、個々のセンサの視野と個々の発光体の視野とが重なる距離の範囲がある。
【0094】
発光体の視野はそれぞれのセンサの視野と重なっているため、各受信器チャネルは理想的には、それぞれの発光体チャネルを起源とし、理想的にはクロストークのない反射照明ビームを検出できる、つまり、他の照明ビームからの反射光は検出されない。したがって、各光センサは、それぞれの光源に対応し得る。例えば、発光体812は照明ビーム814を円形視野832内に放出し、照明ビームの一部は物体830から反射する。理想的には、反射ビーム824はセンサ822のみによって検出される。したがって、発光体812及びセンサ822は同じ視野、例えば視野832を共有し、発光体-センサ対を形成する。同様に、発光体816及びセンサ826は発光体-センサ対を形成し、視野834を共有する。
図8では発光体-センサ対は、それぞれのアレイ内の同じ相対位置にあるものとして示されているが、システムで使用される光学系の設計に応じて、任意の発光体を任意のセンサと対にすることができる。
【0095】
測距測定中、LIDARシステムを取り巻く容積の周りに分布する様々な視野からの反射光が様々なセンサによって収集されて処理され、それぞれの視野内の任意の物体の範囲情報をもたらす。上記のように、正確にタイミングを合わせたパルスを発光体が放出し、ある経過時間の後にパルスの反射がそれぞれのセンサによって検出される、飛行時間技術を使用することができる。次に、放出と検出との間の経過時間と、既知の光速度とを使用して、反射面までの距離を計算する。いくつかの実施形態では、範囲に加えて、反射面の他の特性を決定するために、センサにより追加情報を取得することができる。例えば、パルスのドップラーシフトをセンサで測定し、センサと反射面との間の相対速度を計算するために使用することができる。パルス強度を使用して標的の反射率を推定することができ、パルス形状を使用して、標的が硬質または拡散材料であるかどうかを判断することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、発光体チャネル及び受信器チャネルの比較的大きな2Dアレイで構成され、固体LIDARとして動作することができる、つまり、LIDARシステムは、発光体及び/またはセンサの方向を走査する必要なしに、範囲データのフレームを取得することができる。他の実施形態では、発光体及びセンサのセットの視野が、周囲容積の完全な360度領域(または360度領域の何らかの有用な部分)をサンプリングすることを確実にするために、発光体及びセンサをスキャンさせる、例えば軸を中心に回転させることができる。例えば、ある所定の時間にわたってスキャンシステムから収集された範囲データを、次に後処理して1または複数のフレームのデータにし、これを更に処理して、1または複数の深度画像または3D点群にすることがでる。深度画像及び/または3D点群を更に処理して、3Dマッピング及びナビゲーションアプリケーションで使用するためのマップファイルにすることができる。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、光測距システム(符号化パルス光受信器システムとも呼ばれる)は、複数の光パルスを送信することができる。いくつかの実施形態では、各コード化パルスは、光強度によって形成される埋め込まれた正の値のパルスコードを有する。システムは、異なる時間ビンにおいて検出された反射光の強度ヒストグラムを作成することによって、背景光の存在下で、光パルスの時間的位置及び/または振幅を決定することができる。各時間ビンに対して、システムは、検出された光の強度に依存する強度ヒストグラムに加重値を加える。加重値は、正または負で、様々な大きさを有することができる。
【0098】
正値のパルス符号の異なる組み合わせを選択し、異なる重みを適用することによって、システムは、標準デジタル信号処理アルゴリズムに好適な正値及び負値コードを検出することができる。この方法は、反射光パルスの測定された時間的位置における低い不確定度を維持しながら、高い信号対ノイズ比を与える。
【0099】
図9は、本発明の実施形態による、光学測定システムにおいてコード化パルスを使用する方法900を示すフローチャートである。光学測定システムは、光測距システムであってもよい。方法900は、複数のコード化パルスを使用して、標的からの反射パルスの時間的位置を検出することができる。リアルタイムの3次元アプリケーションでは、方法900は周囲の環境にある物体までの距離を常に検出できる。方法900は、本明細書で説明される光学測定システムのいずれかによって実施することができる。
【0100】
910で、コード化パルス光学システム(CPOS)が初期化を実行する。例えば、CPOSは、開始、停止、及びパラメータを変更するためのユーザインターフェースコマンドに応答することができる。CPOSは、光送信器を初期化して、パラメータ、例えば、パルスコード、光度レベル、ならびに(例えば、検出間隔、検出間隔の間の一次停止のための間隔、及び全体的な測定時間間隔に対する)様々な時間間隔を示すことができる。CPOSは、光感知モジュールを初期化して、パルス時間間隔及び光サンプリング間隔などのパラメータを示すことができる。CPOSはまた、例えばヒストグラム内の、ヒストグラム値をクリアすることもできる。
【0101】
920で、パルス列が、光学測定の一部として光源(例えば、レーザ)から送信される。パルス列は、測定のために送信されるN個のパルス列の一部として送信することができる。N個のパルス列は、物体から反射し、それにより、物体までの測距測定を可能にすることができる。N個のパルス列の各々は、光源(例えば、VCSEL)からの1または複数のパルスを含むことができ、開始信号によってトリガされる異なる時間間隔に対応し得る。
【0102】
いくつかの実施形態において、CPOSは、指定された時間にわたって待機して、以前のパルス列(コード化パルス送信)が消散することを可能にすることができる。CPOSは、次いで、N個の測定パルス列の次のパルス列を送信することができ、N個のパルス列は、コードを形成する。例えば、測定が完了する、例えば(例えば、任意の反射に対して予期される所定の時間の後に)N個のうちの最後のパルス列が消散すると、CPOSは、次いで、適切なパルスコードを使用して、第1の/次のコード化パルス送信を開始することができる。Nは、1よりも大きい整数、例えば、2、3、4、5、またはそれ以上であり得る。
【0103】
930で、例えば送信されるべきパルス列をトリガする開始信号に応答して、光検出を開始することができる。したがって、CPOSは、コード化パルス送信を開始したのと同時に光検出を開始することができる。光検出の一部として、パルス列は、(例えば、ピクセルに対応する)光測定システムの光センサによって検出することができ、それにより、複数の時点でのデータ値を生成することができる。いくつかの実施形態において、光センサは、一群の光検出器(例えば、SPAD)である。データ値は、様々な形態、例えば(例えば、ヒストグラムの時間ビン内の)時点でトリガしたSPADの数のカウントであり得る。別の例として、データ値は、アナログ光センサ(例えば、APD)に続くADCからのデジタル化された値であり得る。どちらの例も、強度に対応し得る。合計で、N個のパルス列を検出することができる。更に、プロセスは、光測定デバイスの各光センサに対して別個に実行することができる。
【0104】
940で、パルス列に対応する時間間隔内の時点でのデータ値に重みが割り当てられ、それにより、加重値を取得する。重みは、N個のパルス列の各々に対して指定することができる。異なるパルス列に対するこのような重みのいくつかは、他のパルス列と同じであり得る。いくつかの実施形態において、N個のパルス列のうちの少なくとも2つは、異なる重みが割り当てられ、異なるパルスパターンを有する。2つパルス列にはいくつかの類似性がある(例えば、パルスの一部分が重複し得る)が、少なくとも何回か存在し、一方のパルス列がオンであり、他方のパルス列がオフである。このような異なるパルスパターンは、類似する形状を有し得るが、異なる遅延を有し得、例えば、1,0,1,1,0}は、{0,1,0,1,1}までの非ゼロ値の類似する形状を有するが、それらは、第1の信号に対する第2の信号の遅延によって達成され得るようなオフセットにより、異なるパルスパターンである。
【0105】
したがって、CPOSは、各光サンプリング間隔にわたって光を検出し、デジタル化された強度値を作成することができる。各光サンプリング間隔に対して、CPOSは、パルス重みをデジタル化された強度値に適用し、その結果を強度ヒストグラムの適切な時間ビンに加算することができる。
【0106】
950で、CPOSがコード化パルスの必要な数を送信したかどうか、CPOSを試験する。CPOSがコード化パルスの必要な数を送信した場合、CPOSは、ブロック960を続け、送信していない場合は、ブロック920にループバックする。
【0107】
960で、複数の時間ビンの加重値に対応するヒストグラムが決定される。上で説明したように、複数の時間間隔にわたる特定の時間ビン内の時点での加重値を累積することによって、特定の時間ビンでのヒストグラムのカウンタを決定することができる。
【0108】
970で、ヒストグラムを使用して、N個のパルス列に対応する信号を検出する。例えば、CPOSは、ヒストグラムがマッチコード(フィルタ)に整合する一連の値を有するかどうかを判定することができる。CPOSは、マッチコードが見つかったかどうか、及びマッチの振幅を報告することができる。マッチは、他の光源からのノイズまたは干渉に対する所望の信号の検出を可能にすることができる。
【0109】
フィルタは、ヒストグラムの時間ビンの窓に適用されるべき値のセットを含むことができる。フィルタは、ヒストグラム上をスライドさせて、ヒストグラムに対するプロファイルフィルタの異なるスライド位置に対応するカウンタを有する、フィルタ処理されたヒストグラムを計算することができる。フィルタ処理されたヒストグラムのカウンタの各々は、プロファイルフィルタの重複及び特定のスライド位置でのヒストグラムに対応し得る。フィルタ処理されたヒストグラムのカウンタの最大値を識別し、それにより、例えば最大値が閾値を超えたときの検出を可能にすることができる。カウンタの最大値の特定のスライド位置は、受信時間に対応することができ、これを測距測定に使用することができる。
【0110】
いくつかの実施形態において、信号は、例えば光測定システムが測距測定を実行するように構成されたときに、物体から反射するN個のパルス列によって引き起こされる反射信号であり得る。他の実施形態において、信号は、例えば光源がある場所にあり、光センサが異なる場所にあるときの、通信信号であり得る。このような構成は、通信の目的で使用することができる。例えば、マイクロ波送信塔は、データを受信塔に送信することができる。送信データは、コード化パルスを含むことができ、これは、他の源のノイズまたは干渉によって引き起こされ得るような、データ受信におけるエラーを低減させるのに役立ち得る。受信塔は、2つのパルス列の間の任意の時間を第1の時間ビンの開始時間として選択することによって、パルス列を識別し、ヒストグラムを作成することができる。次いで、(例えば、ヒストグラム上をスライドさせることによって)整合フィルタを適用することができ、十分な整合を見つけた場合に、その通信信号を検出することができる。取得したフィルタ処理されたヒストグラムの最大値によって、十分な整合を測定することができる。さらなる実施形態として、システムは、通信信号を検出するために使用される様態に類似する様態で、別のCPOSから干渉信号を検出することができる。干渉が測定される場合、いくつかの実装態様は、例えば、現在使用されているコードに類似する干渉コードの、送信コードを変更することができる。
【0111】
980で、物体までの距離を決定することができる。例えば、開始信号に対するN個のパルス列に対応する受信時間を決定することができる。物体までの距離は、受信時間を使用して決定することができる。受信時間は、パルス列の送信時間からオフセットすることができるが、このようなオフセットを考慮することができる。したがって、CPOSは、それが検出された時間を報告することができる。距離は、開始信号の受信時間と開始時間との間の往復時間に対応することができ、したがって、距離は、時間的に表すことができる。
【0112】
検出信号は、測距以外の他の目的に使用することができる。例えば、検出信号の質を使用して、物体の反射率を測定することができる。例えば、検出信号が強い強度を有する場合、システムは、物体が高反射率を有すると判定することができる。通信及び干渉測定のための実装態様は、上で考察されている。別の光源からの干渉を検出する場合、検出信号は、干渉光源によって送信されるパルス列の別のセットからのものである。
【0113】
概念として、実施形態は、N+1個の一意の重みを有するN+1個の一意のコードを送信して、N次元のベクトル空間ヒストグラムを生成することができる。例えば、符号付きの数を保持するビンの代わりに、ビンは、1つが正で1つが負である少なくとも2つの一意のコードを送信することによって、1Dベクトル(例えば、符号付きの数に等しい)を保持することができる。2Dベクトルを(例えば、極座標またはデカルト座標で)保存するために、システムは、少なくとも3つの一意のコードを送信することができ、これは、3つの異なる極角を用いて重み付けし、合計して単一の2Dベクトルにすることができる。N-Dベクトル(すべてが単一の「ビン」内に保持されるN個の別々の数を用いて定義される)は、N+1個の異なるコードを必要とし、それぞれが、ベクトル和を行うときに、(すべての他の重みに対して直角であるその重みに対する成分を有する他の世界において)異なる角度で重み付けされる。次元を増加させることによって、RF通信に使用される直交位相コード化または符号分割多重アクセス(CDMA)のようなより高度なコード化技術を使用することができる。この文脈では、N次元整合フィルタを使用することができる。
【0114】
LIDARシステムはその動作中に方法900を実施するので、LIDARシステムはフィールド内の物体までの距離を連続的に測定することができる。したがって、物体までの距離が決定されると、方法900はブロック920にループバックして、別の一連の放出パルス列を開始し、放出されたパルス列を検出して、フィールド内の物体までの距離を決定するためのヒストグラムを決定することができる。LIDARシステムはナビゲーション目的で使用され、LIDARシステムがフィールド内を移動している場合など、LIDARシステムはフィールド内の物体までの距離を絶えず測定する必要があるため、方法900で距離を絶えず測定する必要がある。
【0115】
いくつかの実施形態では、ブロック980で物体までの距離を決定した後、方法900は、ブロック990で退出コマンドがCPOSによって受信されたかどうかを決定することができる。終了コマンドを受信した場合、方法900はブロック999で距離の測定を停止できる。それ以外の場合、方法900はブロック920にループバックすることで物体までの距離の測定を続行できる。
【0116】
上で述べたように、方法900を使用して、チャネルの間の干渉を低減させることができる。例えば、方法900は、複数の光測定の一部として、光源及び光センサの複数のチャネルに対して繰り返すことができる。複数の光測定は、時間的に重複させる、例えば実質的に同時に実行することができる。したがって、各チャネルは、同時に測定を実行することができる。干渉を低減させるために、コードは、チャネルの少なくともいくつかに対して異なり得る。例えば、複数のチャネルのうちの少なくとも2つのチャネルのN個のパルス列のパルスパターンが異なり得、それにより、異なるチャネルに対する異なるヒストグラムパターンを引き起こし得る。加えて、または代わりに、複数のチャネルのうちの少なくとも2つのチャネルのN個のパルス列に割り当てられる重みが異なり得、それにより、異なるチャネルに対する異なるヒストグラムパターンを引き起こし得る。
【0117】
IV.アクティブ撮像システムの構築
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、広い視野を有し、狭帯域撮像が可能な例示的なアクティブ光学撮像システム1000の詳細図を示す簡略図である。アクティブ光学撮像システム1000は、本明細書で前述したように、固体または走査アーキテクチャを使用することができる。いくつかの実施形態では、アクティブ光学撮像システム1000は、パッシブ光学撮像システムとは異なる光検出システム1001及び発光システム1002を含むことができる。発光システム1002は、システム1000が狭帯域光線1004で位置付けられたフィールドの少なくとも一部のアクティブ照明を提供する。光検出システム1001は、発光システム1002から放出された狭帯域光を、フィールド内の物体によって反射光線1006として反射した後に検出する。光検出システム1001は、
図2に関して本明細書で説明した光検出システム200と実質的に同様とすることができる。したがって、バルク受信器光学系1008、光円錐1010、マイクロ光学受信器層1014のマイクロ光学受信器チャネル1012、及び光検出器1016の詳細は、
図2に関して本明細書で参照することができ、簡潔にするために本明細書では説明しない。
【0118】
いくつかの実施形態では、発光システム1002は、バルク送信器光学系1018と、発光体1022の一次元または二次元アレイで形成された発光層1020とを含む。各発光体1022は、狭帯域光の個別のビームを生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、発光層1020は、発光システム1002からの距離の範囲にわたってサイズ及び幾何学的形状がマイクロ光学受信器チャネルアレイ1014の受信器チャネルの視野に一致する照明パターンに従って、バルク送信器光学系1018を通して個別の光ビームを選択的に投射するように構成される。発光体1022は、1または複数のモノリシックチップ上に統合された垂直キャビティ面発光レーザ(VCSELS)または任意の他の種類のレーザダイオードなどの任意の適切な発光デバイスであり得る。発光体1022は、バルク送信器光学系1018に向けられた狭帯域光1024の円錐を生成することができ、それは光の円錐1024をコリメートし、放出光線1004としてフィールド内の遠方のターゲットにコリメートされた光を出力することができる。いくつかの実施形態では、バルク送信器光学系1018は画像空間テレセントリックである。
【0119】
追加及び代替の実施形態では、光円錐1024からの光線1004は、バルク送信器光学系1018によって遠くのターゲットに向けられる前に、マイクロ光学送信器層(図示せず)によって空間の中間面に焦点を合わせて、発光システム1002から放出される光の輝度と強度を増強させる。そのような実施形態において、発光システム1002及び光検出システム1001は、各マイクロ光学送信器チャネル(図示せず)が対応するマイクロ光学受信器チャネル1012と対になるように構成され、それらの視野の中心は、センサから一定の距離で重なり合うように位置合わせされているか、主光線が平行になっている。さらなる追加及び代替の実施形態では、発光システム1002によって放出される遠視のビームは、各マイクロ光学受信器チャネル1012の遠視の視野と同様のサイズ及び発散角を有する。出力される光の輝度及び強度を高めるためのマイクロ光学送信器層を有する発光システム1002の詳細は、以下で詳細に議論される。
【0120】
図10の平行光線1004及び1006の図から明らかなように、各マイクロ光学受信器チャネル1012は、閾値距離を超えて非重複視野を有する。
図10に示すように、各マイクロ光学受信器チャネル1012は、複数の開口部からの開口部、複数のレンズからのレンズ、及び複数の光検出器からの光検出器を含み、各チャネルの開口部は、他のマイクロ光学受信器チャネルの視野内で閾値距離を超えて非重複のチャネル内のピクセルの個別の視野を画定する。そのようにして、各マイクロ光学受信器チャネルは、マイクロ光学受信器チャネル層1014内の他のマイクロ光学受信器チャネルによって測定されないフィールド内の個別の位置に対応する反射光を受信する。
【0121】
A.アクティブ撮像装置システムの送信器の輝度と強度の増強
本開示の実施形態は、他の用途の中でもとりわけ、自律車両における障害物検出及び回避に使用することができるLIDARセンサに関する。いくつかの特定の実施形態は、センサを十分に安価で十分な信頼性をもって製造し、大量市場の自動車、トラック、及び他の車両での使用に十分に小さいフットプリントを可能にする設計機能を含むLIDARセンサに関する。例えば、いくつかの実施形態は、放出線をフィールドに放出する照明源として垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)のセットを含み、光センサ(検出器)のセットとして単一光子アバランシェダイオード(SPAD)検出器のアレイを含むフィールド内の表面から反射された放出線を検出する。VCSELを発光体として使用し、SPADを検出器として使用すると、複数の測定を同時に行うことができ(つまり、VCSEL発光体を同時に起動できる)、かつ、発光体のセットと光センサのセットをそれぞれ単一チップ上の標準CMOSプロセスを使用して製造できるため、製造及び組み立てプロセスが大幅に簡素化される。
【0122】
しかし、特定の実施形態でVCSEL及びSPADを使用することは、本開示の様々な実施形態が克服する課題を提示する。例えば、VCSELは、既存のLIDARアーキテクチャで使用される一般的なレーザに比べそれほど強力ではなく、SPADは、既存のLIDARアーキテクチャで使用される一般的な検出器よりもはるかに効率が劣る。これらの課題、及び複数の発光体を同時に発射させることによって提示される課題に対処するために、本開示の特定の実施形態は、様々な光学部品(例えば、レンズ、フィルタ、及び開口層)を含み、これは、本明細書で説明するように、各アレイが異なるピクセル(たとえば、フィールド内の位置)に対応するSPADの複数のアレイと連携して機能することができる。例えば、
図2に関して本明細書で説明するように、光検出システム200は、光センサ216、例えばSPADにより検出される光を増強するためのマイクロ光学受信器層204を含むことができる。
【0123】
VCSELは、既存のLIDARアーキテクチャの典型的なレーザよりも強力ではないため、いくつかの実施形態では、発光システム1002は、撮像システム1000の光測距機能を実行する能力を改善するように構成できる。すなわち、発光システム1002によって放出される光の品質を増強させて、光測距の精度及び効率を改善することができる。光測距と撮像のための透過光の品質は、輝度と強度の観点から定義できる。本明細書で更に説明するように、バルク送信器光学系1018から放出される光線1004の輝度及び強度は、1または複数の光学送信器層を修正及び/または実装することによって増強させることができる。
【0124】
送信光の輝度は、立体角ごとの光パワー(ワット)で定義できる。したがって、厳密なコリメーションで光を出力する光源、つまり発散が少ない光源は、輝度の高い光を生成する。逆に、発散の大きい光を出力する光源は、輝度の低い光を生成する。光の強度は、エリアごとの光パワーで定義でき、つまり、特定のパワーで放出された光は、狭いエリアで密に圧縮された場合、より高い強度を有する。したがって、両方の光源が発散性の低い光を出力する場合でも、密に密集した光線で光を出力する光源は、密集していない光線で光を出力する光源よりも強度が高くなる。本明細書で理解されるように、本開示の実施形態におけるLIDARシステムの送信器部品は、マイクロ光学部品のない類似の送信器と比較して、送信器が輝度と強度を増強させた光を出力できるようにするマイクロ光学部品で構成され得る。
【0125】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、第1の例示的な増強された発光システム1100の簡略断面図である。発光システム1100は、例えば、光1113を放出するためのLED、レーザダイオード、VCSELなどのいずれかを制限なく含む発光体1104を有する発光体アレイ1102を含むことができる。VCSELは、上面から垂直にレーザビームを放出する半導体レーザダイオードの一種である。
図11に示される線形アレイは、円形、長方形、線形、または他の幾何学的形状を含むがこれらに限定されない発光体アレイの任意の幾何学的形態であり得ることに留意されたい。
【0126】
増強された発光システム1100は、開放空間1118によって発光体アレイ1102から分離されたマイクロ光学送信器チャネルアレイ1106を含むことができる。各マイクロ光学送信器チャネル1108は、対応する受信器チャネル(例えば、
図10の受信器チャネル1012)と対にされ、それらの視野の中心は、光学撮像装置システムから特定の距離で重なるように位置合わせされる。マイクロ光学送信器チャネルアレイ1106は、発光体アレイ1102に面する側に位置する第1の光学面1120と、発光体アレイ1102から離れた反対側に位置付けられた第2の光学面1121との間に挟まれた基板1119から形成され得る。第1及び第2の光学面1120及び1121の両方は、第1の光学面1120の各凸レンズが第2の光学面1120の各凸レンズと光学的に位置合わせされるように構成される、凸状のマイクロ光学レンズのアレイとしてそれぞれ構成され得、第1の光学面1120を透過する光は、その後、第2の光学面1121を透過することができる。第1及び第2の光学面1120及び1121からの対応する凸レンズは、
図11に示されるように互いに反対側を向くことができる。特定の実施形態では、第1の光学面1120の凸レンズは、第1の屈折力を有し、第2の光学面1121の凸レンズは、第1の屈折力とは異なる第2の屈折力を有する。例えば、第2の屈折力の焦点距離が第1の屈折力の焦点距離よりも短くなるように、第2の屈折力は第1の屈折力より大きくてもよい。基板1119は、シリコン、二酸化ケイ素、ホウケイ酸ガラス、ポリマーなどの発光体1104の波長範囲で透過性の任意の適切な材料で形成することができる。第1及び第2の光学面1120及び1121は、基板1119のそれぞれの対向する表面に刻印された透明なポリマーで形成することができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、マイクロ光学送信器チャネルアレイ1106は、マイクロ光学送信器チャネル1108のモノリシックアレイで形成することができる。各マイクロ光学送信器チャネル1108は、第1の光学面1120からの第1の凸レンズ、第2の光学面1121からの対応する第2の凸レンズ、及び2つの凸レンズの間に位置付けられた基板1119の対応する部分を含むことができる。各マイクロ光学送信器チャネル1108は、それぞれの発光体1104に対応することができ、発光体1104から出力された光は、最初に第1の凸レンズ、基板1119の対応する領域、次に動作中に第2の凸レンズを通過する。
【0128】
光が第2の光学面1121の第2の凸レンズから放出されると、光は、対応する発光体1104の実像であるが対応する発光体1104の縮小サイズである小型スポット画像1110を形成する。いくつかの実施形態では、小型スポット画像1110は、マイクロ光学送信器チャネルアレイ1106とバルク送信器光学系1114との間に位置付けられる。例えば、小型スポット画像1110は、開口層1109のそれぞれの開口部内に形成され得る。各開口部は、放出光が焦点を合わせて小型スポット画像1110を形成する反射層または不透明層のピンホールとすることができる。そこから、発光体とマイクロ光学チャネルの両方から離れていくと、光は、光円錐1112を形成し、バルク送信器光学系1114に向かって伸びる。
【0129】
本開示のいくつかの実施形態によれば、放出光1113の発散の程度は、光円錐1112の発散の程度よりも小さくてもよい。発散におけるこの不一致は、マイクロ光学送信器チャネル1108、特に第2の光学面1121の光出力によって生成され得る。マイクロ光学送信器チャネル1108からの光の発散は、発光体1104からの放出光1113の発散よりも大きいため、小型スポット画像1110は、発光体1104の実際の画像であり得るが、発光体1104のサイズよりも小さく、放出光1113と同じ数の光子を有する多数のものであり得る。実スポット画像が形成された後に形成される結果として生じる光円錐1112は、バルク送信器光学系1114を通過した後、各発光体1104に対する個別の光ビームとしてフィールドに投射される。結果として生じる発光システム1100から発せられる光線は、小さな断面積(発光体1104の表面積より小さい)を有する高度にコリメートされた光ビームであり、それにより、増強された輝度と強度を有する光を出力できる発光システム1100をもたらす。
【0130】
バルク送信器光学系1114は、単一のレンズまたは2つ以上のレンズが一緒に機能してバルク送信器光学系1114を形成するレンズのクラスタのいずれかを含むことができることに留意されたい。バルク送信器光学系1114内で複数のレンズを使用すると、開口数を増やし、RMSスポットサイズを小さくし、画像面を平坦化し、テレセントリック性を改善するか、バルク送信器光学系1114の性能を改善できる。また、いくつかの実施形態では、光円錐1112が重なり合って円錐重複領域1116を形成することに留意されたい。
【0131】
マイクロ光学送信器チャネルアレイ1106の動作及び有効性をよりよく理解するために、発光システム1100の動作のより詳細な説明が議論される。VCSEL発光体で形成された発光体アレイを利用する増強された発光システム1100の場合、発光体の例示的な初期半径は、10°半角円錐で入射する光で12.5μmであり得る。そのような発光体は、通常、アクティブエリアの平方ミクロンあたり50uWを出力する。各発光体1104からの発散光円錐は、マイクロ光学送信器チャネル1108に受け入れられ、次いで、同じマイクロ光学チャネルによって収束光円錐が出力され、例えば、20°の半角を有する収束光円錐が生成される。したがって、いくつかの実施形態では、発光体1104によって生成される円錐角は、対応するマイクロ光学送信器チャネル1108によって生成される円錐角よりも小さい。次いで、マイクロ光学送信器チャネル1108により発せられる収束光円錐は、発光体の小型スポット画像1110を生成する。
図11による実施形態では、小型スポット画像1110は実像であり、対応する発光体1104のサイズよりも小さいサイズを有する。特定の発光体からのすべての光線が任意の小さなスポットにすべて集束するわけではないことに留意されたい。小型スポット画像のサイズは、通常「光学不変量」によって制御される。
Θ_s*r_s>=Θ_e*r_e
ここで、Θ_sは集束スポットの周辺光線半角、r_sは集束スポットの半径、Θ_eは元の発光体の周辺光線半角、r_eは元の発光体の半径である。したがって、この例では、(発光体からのすべての光線をキャプチャしながら)形成できる最小の小型スポット画像半径は次のとおりである。
10/20*12.5um=6.25um
【0132】
この小さなスポットは、元の発光体の4分の1の面積を持つため、スポット面積1平方ミクロンあたり200uWの電力密度を持つことに留意されたい。各マイクロ光学送信器チャネル1108は、典型的には、例えば50μmの焦点距離、及び80μmのレンズ直径を含み得るがこれらに限定されない特性を有する1または複数の光学面を有する。いくつかの実施形態では、発光体1104と対応するマイクロ光学送信器チャネル1108との間の距離は、例えば、限定されないが、150umであってもよい。
図11に示される発光体アレイ1102とマイクロ光学送信器チャネルアレイ1106との間の開放空間1118は、例えば、限定されないが、MEMSデバイスを製造するために通常使用される方法によって生成されるようなエアギャップであり得る。発光体アレイ1102とマイクロ光学送信器チャネルアレイ1106との間の距離は、例えば150μmであり得る。
【0133】
バルク送信器光学素子1114は、バルク撮像光学素子の焦点面が小型スポット画像1110と一致するように、マイクロ光学層及び発光層の前に位置付けられる。バルク送信器光学系1114は、発散光円錐1112を受け入れ、コリメートビームを出力する。その開口数は、発散光線円錐の角度の全範囲をキャプチャするのに少なくとも十分に大きい可能性があるため、例えば、この例では開口数(NA)=0.34に制限されない。また、マイクロ送信器光学系1114は、マイクロ光学層を出る光円錐1112が(バルク光学の中心を中心軸とするのではなく)すべて平行であり得る、画像空間テレセントリックとすることができる。一実施形態では、光は、ほぼコリメートされたバルク送信器光学系1114を出ることができる。ビームコリメーションの品質は、焦点面での「発光物体」(小型スポット画像1110)のサイズに関連することに留意されたい。この「発光物体」のサイズは、マイクロ光学スタックを使用することで縮小されているため、発光体物体を単純に直接撮像する場合よりも優れた視準角が得られる。
【0134】
図11は、第1及び第2の光学面の間に挟まれた基板で形成され、発光システムから出力される光の輝度と強度を改善するために開放空間によって発光体アレイから距離を置いて位置付けられたマイクロ光学チャネルアレイを有する増強された発光システムを示しているが、実施形態は、そのような構成に限定されない。むしろ、他の実施形態は、
図12に関して本明細書で更に説明されるように、必ずしも開放空間または2つの光学面を実装しなくてもよい。
【0135】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、第2の例示的な増強された発光システム1200の簡略断面図である。第1の例示的な増強された発光システム1100と同様に、第2の例示的な増強された発光システム1200は、バルク撮像光学系1214及び発光体アレイ1202を含むことができる。しかし、
図12に示すように、第1の例示的な発光システム1100とは異なり、第2の例示的な発光システム1200は、開放空間/エアギャップによって分離される代わりに、発光体アレイ1202の発光面上に直接位置付けられるマイクロ光学送信器チャネルアレイ1206を含むことができる。
【0136】
そのような実施形態では、マイクロ光学送信器チャネルアレイ1206は、基板1219及び光学面1220から形成され得る。光学面1220は、基板1219の第1の表面1230上に位置付けられてもよい。基板1219の第2の表面1231は、第1の表面1230の反対側に位置され、発光体アレイ1202に対して位置付けられ、発光体1204から放出された光が最初に基板1219を通過してから光学面1220を通過することができる。光学面1220は、凸面レンズのアレイとして構成することができ、光学面1220の各凸面レンズは、それぞれの発光体1204と出力される光が光学面1220のそれぞれの凸面レンズを透過できるように、それぞれの発光体1204と光学的に位置合わせするように構成される。光学面1220からの凸レンズは、
図12に示されるように、それぞれの発光体1204から離れて面することができ、その結果、それらの焦点は発光体1204からより遠くに位置付けられる。特定の実施形態では、光学面1220の凸レンズは、放出光を、対応する発光体1204の実像であるが
図11の第2の光学面1121の凸レンズのような対応する発光体1204の縮小サイズ画像である実小型スポット画像1210に収束するのに適した屈折力を有する。光学面1120により、放出光は、バルク撮像光学系1214を通して投射する前に光円錐1212に発散することが可能になる。基板1219及び光学面1220は、
図11に関して本明細書で説明した基板1119及び光学面1120及び1121と同様の材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、光円錐1212は重なり合って円錐重複領域1216を形成してもよい。
【0137】
本明細書の実施形態は、凸レンズを含まず、発光体の実像を生成しないマイクロ光学チャネルアレイを実装することもできる。むしろ、いくつかの実施形態は、
図13に関して本明細書で更に説明するように、発光体の仮想画像を生成するために凹面を実装してもよい。
【0138】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、第3の例示的な増強された発光システム1300の簡略断面図である。第1及び第2の例示的な増強された発光システム1100及び1200と同様に、第3の例示的な増強された発光システム1300は、バルク撮像光学系1314及び発光体アレイ1302を含むことができる。しかし、第1及び第2の例示的な発光システム1100及び1200とは異なり、第3の例示的な発光システム1300は、
図13に示すように、凸レンズのアレイの代わりに凹面のアレイを含むマイクロ光学送信器チャネルアレイ1306を含むことができる。
【0139】
そのような実施形態では、マイクロ光学送信器チャネルアレイ1306は、基板1319及び光学面1320から形成され得る。光学面1320は、バルク撮像光学系1314に向かって、発光体1304から離れて位置付けられた基板1319の第1の表面1330であり得る。基板1319の第2の表面1331は、第1の表面1330の反対側に位置され、発光体アレイ1302に対して位置付けられ、発光体1304から放出された光が最初に基板1319を通過してから光学面1320を通過することができる。光学面1320はそれぞれ、凹面のアレイとして構成することができ、光学面1320の各凹面は、各発光体1304によって出力される光が光学面1320の各凹面を透過できるように、各発光体1304と光学的に位置合わせされるように構成される。特定の実施形態では、光学面1320の凹面は、対応する発光体1304の仮想画像であるが対応する発光体1304の縮小サイズ画像である仮想小型スポット画像1310を形成するのに適した屈折力を有し、更に放出光がバルク撮像光学系1314を通して投射する前に光円錐1312に発散することを可能にする。いくつかの実施形態では、
図13に示されるように、仮想小型スポット画像1310が基板1319内に形成される。いくつかの実施形態では、光円錐1312は重なり合って円錐重複領域1316を形成してもよい。基板1319は、
図11に関して本明細書で説明した基板1119と同様の材料で形成することができる。
【0140】
図11、
図12及び
図13のそれぞれに記載されている実施形態のマイクロ光学チャネルのレンズ構成は、いくつの表面が屈折力を有するか、及びそれらの表面の形状に関して異なることに留意されたい。
図11に示す第1の実施形態は、基板の両側に2つの屈折力面を使用する能力の恩恵を受けており、各面を浅くしたり、非球面ではなく球面にしたり、またはより簡単に製造することができる。この実施形態は、マイクロ光学チャネルアレイ1106と発光体アレイ1102との間のオフセットを維持するためのスペーサ構造(図示せず)を含む。そのようなスペーサ構造の例は、深層反応性イオンエッチングにより形成されたチャネルを備えたシリコンウェハである。
図12に示される第2の実施形態は、発光体アレイに取り付けられた基板上にただ1つの光出力面を有することから利益を得る。この種類の構成により、製造が簡素化されると同時に、輝度と強度が増強する。
図13に示される第3の実施形態は、
図12に示される実施形態の利点を共有するが、凸レンズではなく凹面で形成される単一の光学面を有し、凹状特徴は、多くの場合、マイクロスケールで簡単に作成できる。
【0141】
いくつかの実施形態では、発光システム用のバルク撮像光学系は、システムによって放出される迷光を低減するために1または複数の開口絞りを含むことができる。例えば、
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、開口絞りを有するバルク光学系で構成された例示的な増強された発光システム1400の簡略断面図である。
図14は、バルク送信器光学系1414に対して開口絞りバリアント1403、1405、及び1406が追加されていることを除いて、
図1と実質的に同様である。
図14に示す開口絞りは、
図11から
図13のいずれかで使用できる。
図14では、開口絞り1403、1405、及び1407は、光が通過するための円形または楕円形の開口部を有することができるが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、任意の開口部形状を利用することができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、開口絞り1403は、発光体アレイ1402及びマイクロ光学送信器チャネルアレイ1406から離れて面するバルク送信器光学系1414の側面に位置することができる。いくつかの追加及び代替の実施形態では、開口絞り1405は、発光体アレイ1402及びマイクロ光学送信器チャネルアレイ1406に面するバルク送信器光学系1414の側面に位置することができる。バルク受信器光学系114が一緒に機能する複数のレンズを含む更にいくつかの追加及び代替実施形態では、開口絞り1407は、バルク送信器光学系1414を形成する複数のレンズ内に置かれた1または複数の開口絞りで形成することができる。
【0143】
開口絞り1403、1405、及び1407の様々な構成及び場所は、各開口絞りが発光システムで機能する方法を規定することができる。例えば、すべての光円錐1412が開口絞り1407の場所の近くで実質的に重なるように圧縮される場合、開口絞り1407のサイズは、放出コリメートビームの初期直径の両方を制御し、発光体1404によって放出された周辺光線を排除することができる。特定の光線角度を排除すると、多くの種類のレーザによって放出される光の波長が角度によって異なるため、バルク光学系から放出される光のスペクトルを効果的に狭めることができる。あるいは、開口絞りのこの最適な場所は、バルク送信器光学系1414の設計に応じて、1402または1403で発生する可能性がある。複数の開口絞り(例えば、すべて1つのバルク送信器光学系1414内の1402、1403、及び1404)を同時に使用して、発光システム1400によって放出される迷光を低減することができる。
【0144】
B.非点収差の光学補正
図7に関して本明細書で述べたように、光検出システム及び発光システムは、同じ保護構造、例えば
図7の固定ハウジング702、光学的透明窓704、及び固定蓋706内に封入することができる。いくつかの実施形態では、発光システムから放出された光は透明窓704から出て、光検出システムによって検出された光は最初に透明窓704に入ることができる。透明窓704の湾曲は、非点収差などのいくつかの光学収差を誘発する可能性がある。透明窓は円柱構造を有し、適切に制御できるため、1または複数の追加の光学構造で修正できる。いくつかの実施形態では、発光及び/または検出システムは、本明細書で更に説明されるように、透明窓によって引き起こされる非点収差を補償する補正光学構造で構成され得る。
【0145】
図15A乃至
図15Cは、本開示のいくつかの実施形態による、非点収差に対する補正光学構造の異なる実装態様を有する例示的なアクティブ撮像システムの簡略図の断面図である。具体的には、
図15Aは、バルク撮像光学系の一部として補正光学構造を有するアクティブ撮像システム1500の簡略断面図であり、
図15Bは、マイクロ光学受信器チャネルアレイの一部として補正光学構造を有するアクティブ撮像システム1501の簡略断面図であり、及び、
図15Cは、マイクロ光学送信器チャネルアレイの一部として補正光学構造を有するアクティブ撮像装置システム1502の簡略断面図である。アクティブ撮像システム1500、1501、及び1502はそれぞれ、光検出システム1504及び発光システム1506を含む。アクティブ撮像装置システム1500、1501、及び1502の構成要素は、補正光学構造が追加された
図10のアクティブ光学撮像システム1000と実質的に同様である。したがって、アクティブ光学撮像システム1000と共有される構成要素は、簡潔にするために説明されていない。
【0146】
図15Aに示されるように、アクティブな撮像装置システム1500は、透明窓1508を含むエンクロージャ内に収容することができる。透明窓1508は、発光体1510が動作する光の波長に対して少なくとも透明である。透明窓1508の湾曲形状は、光線1511が透明窓1508を通ってエンクロージャを出るときに、発光システム1506から放出される光線1511に非点収差などの光学収差を誘発する可能性がある。次に、光線1512は、フィールド内の物体で反射した後、透明窓1508を通ってエンクロージャに戻り、受信光線に追加の光学収差を誘発する可能性がある。これらの光学収差を補正するために、光検出システム1504は、透明窓1508によって誘発される予想非点収差を補償するように特別に設計された補正バルク撮像光学系1514を含むことができる。例えば、補正バルク撮像光学系1514は、バルク受信器光学系1518に加えて補正レンズ1516を含むことができる。補正レンズ1516は、円柱レンズなどの透明窓1508によって引き起こされる非点収差を打ち消すことができる任意の適切なレンズとすることができる。補正レンズ1516は、いくつかの実施形態では透明窓1508とバルク受信器光学系1518との間に、またはいくつかの他の実施形態ではバルク受信器光学系1518とマイクロ光受信器チャネルアレイ1505との間に位置付けられてもよい。同様に、発光システム1506のバルク送信器光学部品に修正バルク光学部品を含めることができる。
【0147】
補正光学系をバルク撮像光学系に組み込む代わりに、いくつかの実施形態では、補正光学系をマイクロ光受信器チャネルアレイに実装することができる。例えば、
図15Bを参照すると、光検出システム1504は、開口部1522の前、例えば、光センサ1526が位置付けられている開口部1522の反対側に、補正レンズアレイ1520を含むことができる。そのようにして、光円錐1524は、光センサ1526に投射する前に、透明窓1508によって引き起こされる非点収差を補償するために、それぞれの補正レンズを通って伝播することができる。いくつかの実施形態では、補正レンズアレイ1520は、透明窓1508によって引き起こされる非点収差を打ち消すことができる円柱レンズのアレイで形成される。補正レンズアレイ1520の各補正レンズは、各レンズ1522と位置合わせして位置付けることができ、それにより、補正レンズアレイ1520は、各光センサ1526によって受信される光の透明窓1508によって引き起こされる非点収差を打ち消すことができる。
【0148】
図15A及び
図15Bは、LIDARシステムの光検出システム部分を修正して、透明窓1508によって引き起こされる非点収差を補正する方法を示しているが、実施形態はそのような構成に限定されず、補正光学系も発光システムに実装することができる。例えば、
図15Cを参照すると、アクティブ撮像装置システム1502は、開口層1530の前、例えば、開口層1530の発光体1510が位置付けられている側とは反対側に、補正レンズアレイ1528を含むことができる。そのようにして、発光体1510から放出された光は、バルク送信器光学系1534に放出する前に、それぞれの補正レンズ1528を通して伝播することができる。この場合、それぞれの補正レンズ1528は、光が発光システム1506から放出されるときに透明窓1508によって引き起こされる非点収差を見越して、それを補償するために、放出光に補正度の非点収差を誘発することができる。いくつかの実施形態では、補正レンズアレイ1528は、透明窓1508によって引き起こされる等しいが反対の程度の非点収差を誘発することができる双円錐レンズのアレイで形成される。したがって、補正レンズ層1528によって誘発される非点収差の量は、透明窓1508によって引き起こされる非点収差の程度によって相殺することができ、それにより、アクティブ撮像システム1502の動作中に正味の非点収差をほとんどまたは全く達成しない。補正レンズアレイ1528の各補正レンズは、各レンズ1532と位置合わせして位置付けることができ、それにより、補正レンズアレイ1528は、各光センサ1526によって受信される光の透明窓1508によって引き起こされる非点収差を打ち消すために、補正度の非点収差を誘発することができる。いくつかの実施形態では、補正レンズアレイ1528は不要であり得るがある。代わりに、光学面1536は、円柱レンズのアレイではなく、双円錐レンズのアレイにすることができる。レンズの双円錐構造は、透明窓1508によって引き起こされる非点収差の程度を相殺するために、非点収差の量を誘発する可能性がある。これらの実施形態では、補正レンズアレイ1528は、発光システム1506に実装されていなくてもよい。更に、いくつかの実施形態では、補正マイクロ光学レンズアレイの代わりに(または組み合わせて)、補正バルク円柱レンズをバルク受信器光学系1534で実装することができる(
図15Aに示される光検出システム1504の実施形態と同様)。したがって、発光システム1506は、透明窓1508によって引き起こされる非点収差を打ち消すために、バルク受信器光学系1534の前に補正バルク撮像光学系を含むことができる。
【0149】
V.受信器チャネルクロストークの軽減
本明細書の開示によって理解されるように、マイクロ光学受信器内のチャネルは、互いに非常に近接して、しばしば互いのミクロン以内に位置付けられることが多い。各チャネル間のこの小さな間隔は、問題が発生する機会を招く可能性がある。例えば、バルク撮像光学系を伝播する光によって、迷光が隣接するチャネルに流れ込むことがあり、その結果、フィールド内の各ピクセルの反射光の読み取りが不正確になる。理想的には、
図16Aに示すように、迷光はどのチャネルでも受信されない。
【0150】
図16Aは、チャネル間にクロストークがない光検出システム1600の一部の簡略断面図である。動作中、垂直光線1602及び主光線1604はバルク撮像光学系1606に入り、光円錐1608を生成する。光線1602及び1604は、開口層1610の開口部に入り、コリメートレンズ1611に入る。コリメートレンズ1611は、限られた範囲の入射光角度を受け入れる。例えば、コリメートレンズ1611は、垂線に対して+25~-25度の入射角の光線を受け入れることができる。
図16Aは、入射角が+25度から-25度の間の光円錐1608を示す。主光線1604は、開口部の中心を通過する光線である。この例では、主光線1604はコリメートレンズ1611への入射角が0度である。
【0151】
図16Bは、チャネル間にクロストークがある光検出システム1601の一部の簡略断面図である。この場合、動作中に、斜め光線1612及び主光線1614はバルク受信器光学系1616に入り、後にコリメートレンズ1621に入る。この例では、コリメートレンズ1621は、画像の中心から更に離れた光センサに対応するマイクロ光学チャネルに属する。この例では、主光線1614の入射角は-12度で、集束光の円錐の入射角は+12度から-35度である。コリメートレンズ1621は、+25~-25度の入射角の光のみを受け入れるため、光線の一部を排除する。更に、コリメートレンズの受け入れ円錐の外側にある光線は、他の光学面に進み、迷光になる可能性がある。したがって、非テレセントリックバルク撮像光学系は、誤った光線1622で他のチャネルを汚染する可能性がある一方で、光検出器に送信する信号光子が大幅に少なくなる。一方、テレセントリックバルク撮像光学系は、入射角が約+25~-25度の光円錐と、コリメートレンズへの入射角が約0度の主光線を、斜め光線1612及び主光線1614の角度に関係なく生成する。レーザがテレセントリックである場合(主光線がすべて平行である場合)、VCSELSまたはサイド発光体ダイオードレーザバーの場合と同様に、テレセントリックバルク撮像光学系には送信器と同様の利点がある。
【0152】
いくつかの実施形態では、光感知モジュールの光検出システムは、入力画像空間テレセントリックバルク撮像光学系を使用する。他のいくつかの実施形態では、例えばコストよりも視野の拡大が性能よりも重要である場合、光検出システムは両凸レンズなどのより標準的な入力バルク撮像光学系を使用してもよい。画像空間テレセントリックレンズへの任意の入力フィールドに対して、結果の主光線は光軸に平行であり、画像側光線円錐はすべてほぼ同じ角度セットに広がる。これにより、光検出システムの光軸から遠く離れたマイクロ光学チャネルで、軸上のマイクロ光学チャネルと同様の性能を達成できる。光検出システムは、これが機能するために完全な画像空間テレセントリック性を必要としないが、しかし、完全なテレセントリック性に近いほど優れている。+/-25度の光のみを受け入れることができるマイクロ光学受信器の光学層レンズの場合、入力バルク撮像光学系は、焦点面のすべてのポイントに対して角度が25度以下の画像側光線を生成することが好ましい。
【0153】
特定の実施形態において、広視野及び狭帯域撮像を有する特定の光検出システムは、0.34に等しい開口数(NA)及び20mmの焦点距離を有する入力画像空間テレセントリックバルク撮像光学系を有し得る。同様に、他のいくつかの実施形態は、1nm幅の帯域通過フィルタを有することができ、それにより、非常に特定の波長の光を検出することが可能になる。光検出システムは、30度を超えるFOVをサポートできる。
【0154】
本開示のいくつかの実施形態によれば、マイクロ光学受信器チャネルアレイの各チャネルの設計は、それぞれの光検出器への迷光の侵入を最小限に抑える特徴を有するように具体的に構成され、これにより、迷光の発生によって引き起こされる悪影響を低減または排除する。
図17は、本明細書の議論においてマイクロ光学受信器チャネルとも呼ばれる例示的なマイクロ光学受信器チャネル構造1700の簡略断面図である。受信器チャネル1700は、とりわけ
図2及び
図10にそれぞれ示されるマイクロ光学受信器チャネル232及び1032を表すことができ、広範囲の波長を含む光の入力円錐を受け入れ、動作波長を中心とするこれらの波長の狭い帯域を除くすべてを除外する役割を果たし、光センサ1771が、前述の波長の狭帯域内の光子のみまたは実質的に光子のみを検出することを可能にする。本開示のいくつかの実施形態によれば、受信器チャネル1700などのマイクロ光学受信器チャネル構造は、以下の層を含むことができる。
●バルク受信器光学系202または1008(それぞれ
図2及び
図10に示され、
図17には示されない)などの撮像光学系の焦点面に置かれたときに狭い視野を画定するように構成された光学的に透明な開口部1744及び光学的に不透明な停止領域1746を含む入力開口層1740。開口層1740は、入力周辺光線ライン1733を受信するように構成される。本明細書における「光学的に透明」という用語は、ほとんどまたはすべての光を通過させることを指す。本明細書における光は、近紫外、可視、及び近赤外範囲(例えば300nm~5000nm)の光のスペクトルを指す。本明細書における光学的に不透明とは、光をほとんどまたは全く通過させず、むしろ光を吸収または反射することを指す。開口層1740は、光学的に不透明な停止領域によって互いに分離された光学的に透明な開口部を含むことができる。開口部と停止領域は、光学的に透明な基板などの単一のモノリシック部品上に構築できる。開口層1740は、開口部1744の一次元または二次元アレイを任意選択で含むことができる。
●焦点距離により特徴付けられるコリメートレンズ1751を含み、焦点距離により開口部1744及び停止領域1746からオフセットされ、開口部1744と軸方向に位置合わせされ、開口部を通過した光子をコリメートして、それらが受信器チャネル1700の光軸と位置合わせされたコリメートレンズ1751の軸にほぼ平行に移動するように構成される、光学レンズ層1750。光学レンズ層1750は、クロストークを低減するために、開口部、光学的に不透明な領域、及びチューブ構造を任意選択で含むことができる。
●コリメートレンズ1751に隣接し、開口部1744の反対側にある、典型的にはブラッグ反射型フィルタである光学フィルタ1761を含む、光学フィルタ層1760。光学フィルタ層1760は、特定の動作波長及び通過帯域で通常入射する光子を通過させるように構成することができる。光学フィルタ層1760は、任意の数の光学フィルタ1761を含むことができる。光学フィルタ層1760は、クロストークを低減するために、開口部、光学的に不透明な領域、及びチューブ構造を任意選択で含むことができる。
●光学フィルタ層1760に隣接し、光センサ1771に入射する光子を検出するように構成された光センサ1771を含む、光センサ層1770。本明細書の光センサ1771は、光子を検出できる単一の光検出器、例えば、アバランシェフォトダイオード、SPAD(単一光子アバランシェ検出器)、RCP(共振空洞フォトダイオード)など、または、単一の大きなフォトン検出領域と比較して、より高いダイナミックレンジ、低いダークカウントレート、またはその他の有益な特性を備えた単一の光センサとして機能するために一緒に協力するSPADのアレイなどのいくつかの光検出器を指す。各光検出器は、光子、つまり光を感知できるアクティブエリアにすることができる。光センサ層1770は、光検出器で作られた層を指し、検出効率を改善し、隣接する受信器構造とのクロストークを低減するオプションの構造を含む。光センサ層1770は、必要に応じて、拡散器、収束レンズ、開口部、光学的に不透明なチューブスペーサ構造、光学的に不透明な円錐スペーサ構造などを含み得る。
【0155】
迷光は、光学面の粗さ、透明媒体の欠陥、後方反射などによって引き起こされる可能性があり、受信器チャネル1700内または受信器チャネル1700の外部の多くの特徴で生成される可能性がある。迷光の方向は、コリメートレンズ1751の光軸に非平行な経路に沿ってフィルタ領域1761を通り、開口部1744とコリメートレンズ1751との間で反射し、一般的には、多くの反射と屈折を含む可能性のある他の経路または軌跡を取る。複数の受信器チャネルが互いに隣接してアレイ化されている場合、ある受信器チャネルのこの迷光は、別のチャネルの光センサに吸収され、それにより、光子に固有のタイミング、位相、または他の情報が汚染される可能性がある。したがって、受信器チャネル1700は、受信器チャネル間のクロストークを低減するためのいくつかの構造を特徴とする場合がある。
【0156】
本明細書で更に理解されるように、マイクロ光学チャネル層構造の各層は、迷光の有害な影響を軽減する特定の方法で設計することができる。各層の様々な設計について、以下で更に詳しく説明する。
【0157】
A.開口層
図17に示すように、開口層1740を有する実施形態では、光学的に透明な開口部1744及び光学的に不透明な停止領域1746は、ピンホールを有する金属箔などの単一のモノリシックピースから、またはエッチングされた開口部を有する堆積不透明材料または反射材料の単一層から形成することができる。
【0158】
図18Aは、開口層1840が2つの開口部1844を有する異なる実施形態1800の簡略断面図である。光学的に透明な開口部1844及び対応する光学的に不透明な光学停止領域1846の両方が、光学的に透明な基板1845上に支持されている。下部開口部1844はより小さく、バルク光学部品の焦点面に位置付けられてもよい。開口層1840の後には、開口部1844と受信器チャネルのコリメートレンズ1851との間に位置付けられた光学的に透明なスペーサ構造1856が続くことができる。光学的に透明なスペーサ構造1856は、コリメートレンズ1851と実質的に同様またはより大きい直径のチューブを形成する。
【0159】
図18Bは、開口層1840の異なる実施形態1801の簡略断面図である。光学的に透明な開口部1844及び光学的に不透明な停止領域1846は、光学的に透明な基板1845上で支持されている。開口層1840に続き、開口部1844とコリメートレンズ1851との間に位置付けられた光学的に透明なスペーサ構造1856は、コリメートレンズ1851と実質的に同様またはより大きい直径のチューブを形成する。
【0160】
図18Cは、光学的に透明な基板1845上に支持された複数の光学的に不透明な停止領域1846からなる開口層1840の実施形態1802の簡略断面図である。これらの層(停止領域1846)は、周辺光線(図示せず、
図17の光線1733と同様)の輪郭をたどり、受信器チャネルへの迷光を低減する。開口層1840の下の光学的に透明なスペーサ構造1856は、コリメートレンズ1851と実質的に同様またはより大きい直径のチューブを形成する。
【0161】
図18Dは、複数の光学的に透明な基板1845上に支持された複数の光学的に不透明な停止層1846を有する開口層1840の実施形態1803の簡略断面図である。開口層1840は、周辺光線(図示せず、
図17の光線1733と同様)の輪郭をたどり、受信器チャネルへの迷光を低減する。開口層1840の下の光学的に透明なスペーサ構造1856は、コリメートレンズ1851と実質的に同様またはより大きい直径のチューブを形成する。
【0162】
本開示のいくつかの他の実施形態では、
図18A乃至
図18Dに示されるスペーサ構造1856は、光学的に不透明であり得る。この場合の光学的に不透明なスペーサ構造は、シリコンまたはガラスのウェハをエッチングすることにより形成でき、光学的に不透明な材料(例えば、黒色クロム)でコーティングすることができる。更に、この場合のスペーサ構造は、スペーサ領域の光が受信器チャネルの外側に移動するのを防ぐ。
【0163】
B.開口層と光学レンズ層との間のスペーサ構造
図19Aは、開口層とレンズ層との間に光学的に不透明なスペーサ構造を備えた本開示の実施形態1900の簡略断面図である。
図19Aは、開口部1944と受信器チャネルのコリメートレンズ1951との間に位置付けられた光学的に不透明なスペーサ構造1956を示している。光学的に不透明なスペーサ構造1956は、コリメートレンズ1951と実質的に同じまたはより大きな直径のチューブを形成し、光が開口部1944とコリメートレンズ1951との間の領域で受信器チャネルの外側に移動するのを防ぐ。光学的に不透明なスペーサ構造1956は、シリコンまたはガラスウエハをエッチングすることにより形成でき、光学的に不透明な材料(例えば黒色クロム)でコーティングすることができる。あるいは、光学的に不透明なスペーサ構造1956は、成形ポリマーまたは任意の他の適切な方法から製造される固体の不透明な構造であり得る。
図19Aは、上部に光学的に透明な基板1945を有する開口層を示し、その後に光学的に不透明な停止領域1946及び開口部1944が続き、次に光学的に不透明なスペーサ構造1956が続く。
【0164】
図19Bは、開口層とレンズ層との間に光学的に不透明な構造を備えた本開示の実施形態1901の簡略断面図である。
図1901は、開口部1944とコリメートレンズ1951との間に位置付けらえた光学的に不透明なスペーサ構造1956を示している。光学的に不透明なスペーサ構造1956は、コリメートレンズ1951と実質的に同じまたはより大きな直径のチューブを形成し、光が開口部1944とコリメートレンズ1951との間の領域で受信器チャネルの外側に移動するのを防ぐ。
図19Bは、光学的に透明な基板1945上に支持された複数の光学的に不透明な停止領域1946を示す。
【0165】
図19Cは、開口部1944が円錐状に位置合わせされ、光学的に透明な材料上にコーティングされた光学的不透明層としての円錐構造の開口層1940の実施形態1902の簡略断面図である。
【0166】
図19Dは、開口部1944が円錐状に位置合わせされ、円錐構造が光学的に不透明な材料で形成された中実構造である、開口層1940の実施形態1903の簡略断面図である。
図19C及び19Dに示すように、光学的に透明な開口部1944及び光学的に不透明な停止領域1946は、受信器チャネルの光軸と位置合わせされ、周辺光線ラインの形状に適合するように構成された円錐空洞を有するモノリシック層に組み合わされている(図示せず、
図17の光線1733と同様)。
【0167】
C.光学フィルタ層
図20Aは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用のフィルタ層2060の実施形態2000の簡略断面図である。光学フィルタ層2060は、光学的に透明な基板2065上に支持された単一の光学フィルタ2061を含むことができる。光学フィルタ層2060は、光学的に透明な基板2065の上または光学的に透明な基板2065の下に置かれてもよい。光学フィルタ2061は、定義された波長のセット(例えば、945~950nm)の外側の入射光を遮断する帯域通過フィルタであり得る。しかし、いくつかの他の実施形態では、光学フィルタ2061は、エッジパスフィルタ、または波長範囲内の光がそれ自体を選択的に通過させる任意の他の適切な種類のフィルタであり得る。
【0168】
図20Bは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用のフィルタ層2060の実施形態2001の簡略断面図である。光学フィルタ層2060は、光学的に透明な基板2065に挟まれて支持される2つの光学フィルタ2061を含むことができる。光学フィルタ層2060は、任意の数の基板2065上に任意の数の光学フィルタ2061を含むことができる。
図20Bに示すような光学フィルタ2061の1つは、帯域通過フィルタであり、定義された波長のセット(例えば、900-945nm及び950-995nm)のすべての入射光を遮断する光学的に透明な基板2065の上または真下に位置付けられてもよい。光学基板2065の反対側に置かれた他の光学フィルタ2061は、例えば200~915nm及び980~1600nmをカバーするワイドスペクトル遮断フィルタ(帯域通過フィルタによってカバーされる領域を除く)とすることができる。帯域通過フィルタと遮断フィルタは、2つのフィルタ間の遷移領域に漏れがないように設計されている。ただし、フィルタは、帯域通過フィルタまたはその他の種類のフィルタとして機能するように設計された2つのエッジパスフィルタにすることができる。
【0169】
本開示の他のいくつかの実施形態では、帯域通過フィルタ及び広域スペクトル遮断フィルタは、単一の光学フィルタ2061に統合され、光学的に透明な基板2065の上部または下部のいずれかに置かれる。
【0170】
1.開口部を備えたフィルタ層
図20Cは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用のフィルタ層2060の実施形態2002の簡略断面図である。光学フィルタ層2060は、対応する光学的に不透明な停止領域2063及び2055とともに、光学フィルタ層2060の上部に追加の開口部2049及び下部に追加の開口部2054を有することができる。開口部2049は、光学フィルタ2061によって光学フィルタ層2060に通過させたい所望の光の最大円筒を画定し、停止領域2063は、開口部2049の直径の外側の入射迷光を吸収または反射する。開口部2054は、光学フィルタ層2060から出ることが望ましい光の最大円筒を画定し、停止領域2055は、開口部2054の直径の外側の入射迷光を吸収または反射する。光学フィルタ2061は、光学的に透明な基板2065上に支持され得る。
【0171】
本開示のいくつかの実施形態では、フィルタ層2060は、光学フィルタ層2060の上部に置かれた単一の開口部2049を有することができる。本開示のいくつかの追加及び代替の実施形態では、フィルタ層2060は、光学フィルタ層2060の下部に置かれた単一の開口部2054を有することができる。
【0172】
図20Dは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用のフィルタ層2060の実施形態2003の簡略断面図である。光学フィルタ層2060は、複数の光学的に透明な基板2065と、それらの間に交互の順序で複数の光学的に不透明な開口層とを含むことができる。
図20Dは、追加の開口部2049及び対応する光学的に不透明な停止領域2063を示し、光学フィルタ2061の上部に位置付けられ、光学的に透明な基板2065によって支持される。開口部2049は、光学フィルタ2061によって光学フィルタ層2060に通過させたい光の最大円筒を画定することができ、停止領域2063は、開口部2049の直径の外側の入射迷光を吸収または反射することができる。
図20Dは、追加の開口部2054と、光学フィルタ層2060と光センサ層(図示せず、
図17の光センサ層1770と同様)との間に位置付けられた対応する光学的に不透明な停止領域2055を示す。開口部2054は、光学フィルタ層2060から光センサに向かって通過させたい光の最大円筒を画定することができ、停止領域2055は、開口部2054の直径の外側の入射迷光を吸収または反射することができる。集合的に、これらのインターリーブされた層は、1つの光学フィルタ層2060内の迷光がマルチ受信器チャネルシステム内の隣接する受信器チャネルの光学フィルタ領域に移動するのを防ぐ。
【0173】
2.チューブ構造のフィルタ層
図20Eは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用のフィルタ層2060の実施形態2004の簡略断面図である。光学フィルタ層2060は、光学フィルタ2061及び光学的に透明な基板2065を含むことができ、光学的に不透明なチューブ構造2111に囲まれ、1つの光学フィルタ層2060の迷光が、マルチ受信器チャネルシステムの隣接する受信器チャネルの光学フィルタ領域に移動するのを防ぐ。チューブ構造2111は、シリコン、金属、ポリマー、またはガラスを含むがこれらに限定されない様々な材料で形成することができる。
【0174】
図20Fは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用のフィルタ層2060の実施形態2005の簡略断面図である。光学フィルタ層2060は、光学フィルタ2061及び光学的に透明な基板2065を含むことができ、光学的に不透明なチューブ構造2111に囲まれ、1つの光学フィルタ層2060の迷光が、マルチ受信器チャネルシステムの隣接する受信器チャネルの光学フィルタ領域に移動するのを防ぐ。チューブ構造2111は、シリコン、金属、ポリマー、またはガラスを含むがこれらに限定されない様々な材料で形成することができる。
図20Fに示すように、チューブ構造2111は、光学フィルタ層2060を部分的にのみ通過してもよい。この種類の構造は、フィルタ基板2065の各面に深い異方性エッチングを行い、後で金属またはポリマーを選択的に堆積させることで形成できる。
【0175】
図20Gは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル用のフィルタ層2060の実施形態2006の簡略断面図である。光学フィルタ層2060は、光学的に透明な基板2065に支持され、光学的に不透明なチューブ構造2111に囲まれた2つの光学フィルタ2061を含むことができ、1つの光学フィルタ層2060の迷光が、マルチ受信器チャネルシステムの隣接する受信器チャネルの光学フィルタ領域に移動するのを防ぐ。しかし、光学フィルタ領域は、光学フィルタ層2060内の任意の数の基板2065上に任意の数の光学フィルタ2061を含むことができる。
図20Gは、追加の開口部2049及び対応する光学的に不透明な停止領域2063を示し、光学フィルタ2061の上部に位置付けられ、光学的に透明な基板2065によって支持される。開口部2049は、光学フィルタ層2060に通過させたい光の最大円筒を画定することができ、停止領域2063は、開口部2049の直径の外側の入射迷光を吸収または反射することができる。
【0176】
図20Gの光学フィルタ層2060の実施形態2006は、追加の開口部2054を有することができ、対応する光学的に不透明な停止領域2055は、光学フィルタ層2060と光センサ層との間に位置付けられてもよい(図示せず、
図17の光センサ層1770と同様)。開口部2054は、光学フィルタ層2060から光センサに向かって通過させたい光の最大円筒を画定することができ、停止領域2055は、開口部2054の直径の外側の入射迷光を吸収または反射することができる。チューブ構造2111は、シリコン、金属、ポリマー、またはガラスを含むがこれらに限定されない様々な材料で形成することができる。
【0177】
D.光センサ層
本明細書で理解できるように、様々な異なる光センサ層設計をマイクロ光学受信器チャネルに実装することができる。
【0178】
1.拡散器を備えた光センサ層
図21Aは、本開示のいくつかの実施形態による、光学フィルタ2161と光センサ2173との間の光センサ層2170に位置する任意の拡散器2181を含む受信器チャネル2132の実施形態2100の簡略断面図である。拡散器2181は、コリメートレンズ2151から出力され、光学フィルタ領域2160を通過したコリメートされた光子を、対応する光センサ2173の全幅にわたって広げるように構成することができる。光センサ2173は、光センサ2173の感知エリアを、受信器チャネル2132内の他の構成要素の幅または高さよりも広くまたはより高く拡張するために、幾何学的形状が非正方形または非円形(例えば、短くて幅広)であってもよい。
【0179】
拡散器2181は、光センサ2173がその全幅と高さにわたって入射光子を検出できるように、光センサ2173の領域全体に光線を拡散するように構成され、それにより、受信器チャネル2132の全体の高さを実際的な考慮のために制限する必要がある場合でも、受信器チャネル2132のダイナミックレンジが増加する。特に、この実施形態では、受信器チャネル2132は、より大きな光検出器2171(すなわち、入射光子に敏感な領域)を示す幅広の光センサと、光学フィルタ2161を通過した光を光センサ2173の全領域に広げて、ダイナミックレンジを拡大する光センサ2173上に配置された拡散器2181を含むことができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、光センサ2173は、単一光子アバランシェダイオード検出器2171(以下「SPAD」)のアレイを含む。受信器チャネルの高さ及び幅(通常、コリメートレンズ2151の直径によって定義される)は、比較的少数(例えば2つ)の垂直に積み重ねられたSPADのみを収容する場合がある。したがって、光センサ2173は、1:1より大きいアスペクト比を画定することができ、拡散器2181は、光センサ当たりのより大きな感知面積に対応するために、光センサ2173の幾何形状に従って光学フィルタ領域2160を通過した光線を広げることができる。すべてのSPADが同時に光子を検出できない(つまり「死んでいる」)可能性は低いため、光センサごとにより多くのSPADを組み込むことにより、光センサのダイナミックレンジを拡大できる。
【0181】
いくつかの他の実施形態では、光センサ2173は、光検出器2171のアレイを含む。受信器チャネルの高さ及び幅(通常、コリメートレンズ2151の直径によって定義される)は、比較的少数(例えば2つ)の垂直に積み重ねられたフォトダイオードのみを収容する場合がある。したがって、光センサ2173は、1:1より大きいアスペクト比を画定することができ、拡散器2181は、光センサ当たりのより大きな感知面積に対応するために、光センサ2173の幾何形状に従って光学フィルタ領域2160を通過した光線を広げることができる。すべてのフォトダイオードが同時に飽和する可能性は低いため、光センサごとにより多くのフォトダイオードを組み込むことにより、光センサのダイナミックレンジを拡大できる。
【0182】
受信器チャネル2132は、追加的または代替的に、光学フィルタ領域2160と拡散器2181との間、または光学フィルタ領域2160と光センサ2173との間に挿入された開口層を含むことができ、開口部2144は対応するコリメートレンズ2151と位置合わせされる。この変形例では、開口部2144は、光学フィルタを通過するかまたは光センサによって反射される誤った光線を吸収または反射して、受信器チャネル間のクロストークを更に低減し、それによりシステムのSNR(信号対雑音比)を更に増加させることができる。
【0183】
2.収束レンズセットを備えた光センサ層
図21Bは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2132の実施形態2101の簡略断面図である。実施形態2100の光センサ層2170は、個別の光検出器2171(例えば、SPAD)のセットと、光検出器のセットを包含する非アクティブ領域2172(例えば、統合ロジック)のセットで形成される光センサ2173を含むことができ、各光検出器は、入射光子を検出するように構成される。光センサ層2170は、光学フィルタ領域2160と光検出器2171を備えた光センサ2173との間に挿入され、光センサ2173内の個別の光検出器2171ごとに1つの収束レンズ2191を含む収束レンズセット2191も含むことができ、収束レンズセット2191の各レンズは、光学フィルタ領域2160を通過した入射光子を、対応する個別の光検出器2171に集束させる。各収束レンズは共通の焦点距離を示すことができ、収束レンズセット2191は、この共通の焦点距離(またはこの共通の焦点距離と実質的に同様の距離)だけ光センサ2173上でオフセットでき、各収束レンズは、光学レンズ層2150でコリメートされ、光学フィルタ領域2160を通過した入射光を、光センサ2173の対応する光検出器2171に収束することができる。
【0184】
いくつかの実施形態において、光学フィルタ領域2160と光検出器2171を備えた光センサ2173との間に挿入された収束レンズセット2191は、屈折要素に加えて、または屈折要素の置換の回折要素を使用する。
【0185】
3.収束レンズセット及び追加の開口部を備えた光センサ層
図21Cは、本開示のいくつかの実施形態による、光センサ層2170の実施形態2102の簡略断面図である。光センサ層2170は、収束レンズセット2191と、開口部2157のセットとを含むことができ、各開口部2157は、対応する収束レンズ2191と位置合わせされる。この変形例では、各開口部2157は、光学フィルタを通過するかまたは光センサによって反射される誤った光線を吸収または反射して、受信器チャネル間のクロストークを更に低減し、それによりシステムのSNRを更に増加させることができる。開口部2157のセット及び対応する光学的に不透明な停止領域2159は、光学的に透明な基板2158上に構築される。
【0186】
図21Dは、本開示のいくつかの実施形態による、光センサ層2170の実施形態2103の簡略断面図である。光センサ層2170は、収束レンズセット2191と、開口部2157のセットとを含むことができ、各開口部2157は、対応する収束レンズ2191と位置合わせされる。開口部2157及び対応する光学的に不透明な停止領域2159は、光学的に透明な基板2158上に構築される。この変形例では、開口部2157は、光検出器2171まで完全には通らない。
【0187】
図21Eは、本開示のいくつかの実施形態による、光センサ層2170の実施形態2104の簡略断面図である。レンズセット2191と光検出器2171との間に、所望の最大光円錐を画定する追加の開口部2157及び対応する光学的に不透明な停止領域2159のセットを位置付けることができる。開口部2157のセット及び対応する不透明停止領域2159は、レンズセット2191内のすべてのレンズに対して光円錐を画定し、所望の光円錐に含まれない経路に沿って移動する迷光を吸収または反射する機能を果たす。開口部は、標準的な半導体プロセスを使用して製造することができる。
【0188】
4.収束レンズセット、及びレンズセットと光センサとの間のスペーサ構造を備えた光センサ層
図21Fは、本開示のいくつかの実施形態による、光センサ層2170の実施形態2105の簡略断面図である。ここで、光学的に不透明なスペーサ構造2163は、レンズセット2191と、受信器チャネル2132に光検出器2171を有する光センサ2173との間に位置付けられる。光学的に不透明なスペーサ構造2163は、コリメートレンズ(例えば、
図17に示されるコリメートレンズ1751)と実質的に同様またはより大きい直径のチューブを形成し、レンズセット2191と光センサ2173との間の領域で、光が受信器チャネル2132の外側に移動するのを防ぐ。光学的に不透明なスペーサ構造2163は、光学的に不透明なバルク媒体(例えば、シリコンまたはポリマー)から作成され得る。
【0189】
図21Gは、本開示のいくつかの実施形態による、光センサ層2170の実施形態2106の簡略断面図である。ここで、光学的に不透明なスペーサ構造2163は、レンズセット2191と光センサ2173との間に位置付けられ、光学的に透明な基板(例えばガラス上の黒色クロム)上の光学的に不透明なコーティングから作られる。光学的に不透明なスペーサ構造2163は、コリメートレンズ2151と実質的に同様またはより大きい直径のチューブを形成し、レンズセット2191と光検出器2171との間の領域で、光が受信器チャネル2132の外側に移動するのを防ぐ。
【0190】
5.フィルタ層と光センサ層との間の光センサ層スペーサ構造
図21Hは、本開示のいくつかの実施形態による、光センサ層2170の実施形態2107の簡略断面図である。光学的に不透明なスペーサ構造2163は、光学フィルタ層(例えば、上述の光学フィルタ層のいずれか)と光センサ層2170との間に位置付けることができる。光学的に不透明なスペーサ構造2163は、コリメートレンズ(例えば、
図17のコリメートレンズ1751)と実質的に同様またはより大きい直径のチューブを形成し、光学フィルタ層と光センサ層2170との間の領域で、光が受信器チャネル(例えば、
図17のチャネル1700)の外側に移動するのを防ぐ。光学的に不透明なスペーサ構造2163は、シリコンまたはガラスウエハをエッチングすることにより形成でき、光学的に不透明な材料(例えば黒色クロム)でコーティングすることができる。あるいは、光学的に不透明なスペーサ構造2163は、成形ポリマーから製造され得る。この実施形態では、レンズセット2191は光センサ2173に直接接合されている。前の実施形態におけるその機能と同様に、レンズセット2191は、非アクティブ領域ではなく、光センサ2173の光検出器2171上に光を集束させる役割を果たす。これらのレンズは、ウェハ製造プロセスで光センサ2173を含むASICの上に直接統合でき、生産が容易になる。
【0191】
6.円錐スペーサ構造を備えた光センサ層
図21Iは、本開示のいくつかの実施形態による、光センサ層2170の実施形態2108の簡略断面図である。この実施形態では、光センサ層2170は、レンズセット(図示せず、例えば
図21F及び
図21Gのレンズセット2191)と光センサ2173との間に位置付けられた円錐状の光学的に不透明なスペーサ構造2164のセットを含む。円錐状の光学的に不透明なスペーサ構造2164のセットは、それぞれがレンズセット内の個々のレンズとほぼ同様の入射直径を持ち、それぞれが光センサ2173の個々の光検出器2171と実質的に同様の出口直径を持つ先細チューブを形成できる。円錐状の光学的に不透明なスペーサ構造2164のセットは、レンズセットと光センサ2173との間の領域で受信器チャネルの外側に光が移動するのを防ぎ、光センサ2173の光検出器2171に光を導く。円錐状の光学的に不透明なスペーサ構造2164のセットは、シリコンまたはガラスウエハをエッチングすることにより形成でき、光学的に不透明な材料(例えば黒色クロム)でコーティングすることができる。代替的に、円錐状の光学的に不透明なスペーサ構造2164のセットは、成形ポリマーから製造され得る。
【0192】
図21Jは、本開示のいくつかの実施形態による、光センサ層2173の実施形態2109の簡略断面図である。この実施形態では、光センサ層2173は、レンズセット(図示せず、例えば
図21F及び21Gのレンズセット2191)と光検出器2171との間に位置付けられた円錐状の光学的に不透明なスペーサ構造2164のセットを含む。円錐状の光学的に不透明なスペーサ構造2164のセットの内壁は、構造のライトパイプとしての機能を更に増強するために、反射材料(例えばクロム)でコーティングされている。円錐形の光学的に不透明なスペーサ構造2164のセットは、それぞれがレンズセット内の個々のレンズとほぼ同様の入射直径を持ち、それぞれが光センサ2173の個々の光検出器2171と実質的に同様の出口直径を持つ先細チューブを形成する。円錐形の光学的に不透明なスペーサ構造2164のセットは、レンズセットと光センサ2171の間の領域で受信器チャネルの外側に光が移動するのを防ぎ、光センサ2173の光検出器2171に光を導く。
【0193】
7.共振光共振器ダイオードを備えた光センサ層
図21Kは、本開示のいくつかの実施形態による、光センサ層2170の実施形態2110を含む受信器チャネル2132の簡略断面図である。この実施形態では、光センサ層2170は、光子検出効率を改善するために、感光性ダイオードの周りの共振空洞で構成される。各光センサ2173は、1または複数の共振光空洞ダイオードを含む。各光センサ2173は、1または複数のフォトダイオード2174(光検出器)と、領域(共振空洞)の上部及び下部に面する高反射性(例えば、部分鏡面化された)表面とを含む。一般に、非共振空洞ダイオードの光検出器は、比較的低い量子効率を有し得る。光検出器によって検出される光子の割合を改善するために、光検出器の下方で光検出器に面する第1の鏡面2175、及び光検出器の上方で光検出器に面する第2の部分鏡面2176を含む共振光空洞ダイオード2174が使用され、
図21Kに示すように光が空洞に入ることも可能にする。したがって、光子が共振光空洞ダイオード2174の光検出器を通過して検出されない場合、共振光空洞ダイオード2174の光検出器を囲む第1の鏡面2175は、空洞の上部反射面2176に向かって光子を反射し、再び光検出器を通過させ、光検出器を介した2回目の遷移時に光子を検出する場合がある。ただし、光検出器がこの2回目の衝突で光子を検出できない場合、反射プロセスが繰り返され、2回目の鏡面が光子を反射して光検出器に戻し、光検出器との3回目の衝突時に光子を検出する場合がある。このプロセスは、光センサの光検出器によって光子が検出されるか、光子が逃げるか、空洞に吸収されるまで繰り返される。したがって、共振光空洞ダイオード2174は、比較的高い割合の光子検出(すなわち、100%に近づく)を達成することができる。前述の説明では光の粒子解釈が使用されているが、共振空洞フォトダイオードの完全な説明には波干渉効果の考慮が重要であることに留意されたい。また、共振光空洞ダイオード2174のアクティブ領域は、標準のフォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、SPAD、または他の光センサで構成できることに留意されたい。
【0194】
図21Kは更に、1または複数の共振空洞フォトダイオード(または「RCP」)2174が、開口部2144、コリメートレンズ2151、光学フィルタ領域2160、及び前述の拡散器、収束レンズセット、またはクロストーク軽減構造の任意の組み合わせと組み合わせて、受信器チャネル2132の変形を形成し得ることを示す。典型的なRCPは、光学フィルタ領域2160と同様の波長感度を有し、光学フィルタ領域2160と同様の一連の波長の光に敏感になるように設計することができる。ただし、製造またはその他の制限により、RCPには、RCPの動作スペクトルの中心波長の部分ごとのばらつきがある場合があるため、すべての光センサがシステムの動作波長で光子を検出できるようにするには、より広い動作波長帯域が必要となる。あるいは、フィルタの通過帯域と同程度に狭い動作波長帯域でRCPを確実に製造することは単に不可能であり得る。例えば、光学フィルタ領域2160は0.1nmほど狭い通過帯域を有してもよく、一方、RCPは10nmの動作帯域を有してもよい。RCP2174の上部に光学フィルタ領域2160があるため、フィルタとRCPの組み合わせシステムは、光学フィルタ領域2160と実質的に同様の有効動作波長帯域を有する。更に、
図21Kに示されるように、コリメートレンズ2151の結果として提供される集束光とは対照的に、コリメート光を感知するときのRCP性能が改善される。このようにして、開口部2144、コリメートレンズ2151、光学フィルタ領域2160、及びRCP2174を採用するシステムは、高い光子検出効率及び狭い波長選択性を達成して、受信器チャネル2132内のSNRを最大化することができる。
【0195】
E.半球受信器構造
図22Aは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2232の実施形態2200の簡略断面図である。実施形態2200の受信器チャネル2232は、光学的に不透明な材料上に支持された凸状半球を含むことができる。この実施形態では、開口層2240は、半球2267の中心が入射光(周辺光線ライン2233)の焦点またはその近くに位置する凸状半球2267上にコーティングされた光学フィルタ2261と組み合わされる。半球2267の中心も、開口部2244の中心に対応するか、ほぼ対応する。いくつかの実施形態では、半球2267は、
図22Aに示されるように、開口部2244の下にあってもよい。実施形態の利点は、十分によく焦点を合わせた光線円錐のために、光線ライン2233がフィルタの表面に垂直な光学フィルタ2261を通過し、それにより、光学フィルタ2261上の光(例えば、光線2233)の入射角の変動によるCWL(中心波長)シフトがなくなり、それにより、非常に狭い帯域通過(例えば、850-852nm)フィルタの使用が可能になる。
【0196】
これは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2232の実施形態2201の簡略断面図である
図22Bに更に示されている。
図22Aの実施形態2200とは異なり、
図2Bの実施形態2201は、半球2267が開口部2244の上に位置付けられるように構成され、同様の機能性を達成するが、フットプリントはよりコンパクトである。
図22Bに示すように、光学フィルタ2261への入射角は、半球2267の中心を通過する周辺光線ライン2233(及び
図22Bに明示的に示されていない他のすべての光線ライン)に対して垂直である。
図22Bまたは
図22Cには示されていないが、光線は、半球構造を出る際に屈折することに留意されたい。なぜなら、光線は、平面の出口表面に垂直ではないからである。同様に、
図22Aでは、光線が半球構造の平らな側面に入ると、ある程度の屈折がある。
【0197】
図22Aから
図22Bに示されるように、受信器チャネル2232は、クロストークを低減するために、光学的に不透明な停止領域2246と光検出器2271を備えた光センサ層2270との間に側壁2263を含む。側壁2263は、光学的に不透明な材料で構成するか、光学的に透明な材料で構成することができる。更に、側壁2263は、反射性または吸収性の材料でコーティングすることもできる。
【0198】
凸状半球表面の拡大図が
図22Cに示されており、これは
図22A及び
図22Bの凸状半球2267の簡略断面図である。凸状半球2267は、光学フィルタ2261でコーティングされ、金属、シリコン、ポリマーなどの自己支持性の光学的に不透明な停止領域2246上に位置付けられてもよい。マイクロ光学チャネルの凸状半球表面がハイパースペクトル撮像装置に使用されるいくつかの実施形態では、光学フィルタ2261は不均一になるように構成することができる。例えば、光学フィルタ2261は、異なるマイクロ光学チャネルが異なる厚さを有する異なる光学フィルタ層を有する一方向(例えば、厚さ方向)に徐々にまたは段階的に増加する段階的フィルタであり得る。これにより、
図3A及び
図3Bに関して本明細書で説明するように、異なるマイクロ光学チャネルが異なる波長範囲を測定することが可能になる。
【0199】
図22Dは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2232の実施形態2202の簡略断面図である。実施形態2202の受信器チャネル2232は、剛性の光学的に透明な層上に支持された凸状半球2267を含むことができる。この実施形態では、開口層2240は光学フィルタ2261と組み合わされ、凸状半球2267上にコーティングされ、半球2267の中心は入射光(光線ライン2233)の焦点またはその近くに位置する。半球2267の中心も、開口部2244の中心に対応するか、ほぼ対応する。
図22Dに示すように、半球2267は開口層2240の下にあってもよい。いくつかの他の実施形態では、半球2267は、
図22Eに示されるように、開口層2240の上にあってもよい。
【0200】
図22Eは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2232の実施形態2203の簡略断面図である。
図22Dの実施形態2202とは異なり、
図2Eの実施形態2215は、半球2267が開口部2244の上に位置付けられるように構成され、実施形態2202と同様の機能を達成するが、フットプリントはよりコンパクトである。
【0201】
図22D及び
図22Eは、凸状半球2267が光学フィルタ2261でコーティングされ、対応する光学的に不透明な停止領域2246とともに開口部2244を備えた剛性の光学的に透明な層2245(例えばガラス、ポリマー)上に支持された開口層2240に刻印されているものを示す。
図22D及び
図22Eに示すように、受信器チャネル2232は、クロストークを低減するために、光透過層2245と光検出器2271を備えた光センサ層2270との間に側壁2263を含む。側壁2263は、光学的に不透明な材料で構成するか、光学的に透明な材料で構成することができる。更に、側壁2263は、反射性または吸収性の材料でコーティングすることもできる。
図22D及び
図22Eには示されていないが、剛性の光学的に透明な層2245に出入りする光線2233の屈折があり得ることに留意されたい。
【0202】
図22Fは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2232の実施形態2204の簡略断面図である。実施形態2204は、コーティングされた光学フィルタ2261を備えた光学的に透明な材料(例えば、ガラス、ポリマー)で作られた凹状半球2267を含むことができる。自己支持開口層2240は、凹状半球2267に張り出すことができ、光学的に不透明な剛性材料(例えば金属フィルム)で穿孔またはエッチングして、光学的に不透明な停止領域2246を形成することができる。
図22Fに示すように、半球2267は、開口層2240の下に位置付けることができる。開口部2244の中心は、入射光(光線2233)の焦点またはその近くに位置することができる。加えて、半球2267の中心は、入射光(光線2233)の焦点またはその近くに位置することができる。
図22Fに示すように、受信器チャネル2232は、クロストークを低減するために、光透過層2245と光検出器2271を備えた光センサ層2270との間に側壁2263を含む。側壁2263は、光学的に不透明な材料で構成するか、光学的に透明な材料で構成することができる。更に、側壁2263は、反射性または吸収性の材料でコーティングすることもできる。
【0203】
図22Gは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2232の実施形態2205の簡略断面図である。
図22Fの実施形態2204とは異なり、
図2Gの実施形態2205は、半球2267が開口部2244の上に位置付けられるように構成され、実施形態2204と同様の機能を達成するが、実施形態2204はよりコンパクトなフットプリントを有し得る。
【0204】
図22Hは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2232の実施形態2206の簡略断面図である。実施形態2206の受信器チャネル2232は、剛性の光学的に透明な層2245によって支持された凹状半球2267及び開口層2240を含むことができる。いくつかの実施形態では、凹状半球2267は、
図22Hに示すように、開口層2240の下にあってもよい。凹状半球267は、コーティングされた光学フィルタ2261を備えた光学的に透明な材料(例えば、ガラス、ポリマー)で作ることができる。光学的に透明な開口部2244及び対応する光学的に不透明な停止領域244を有する開口層2240は、開口層2240の上面及び下面の両方で光学的に透明な層2245によって支持される。開口部2244の中心は、入射光(光線2233)の焦点またはその近くに位置する。更に、凹状半球2267の中心は、入射光(光線2233)の焦点またはその近くに位置する。
図22Hに示すように、受信器チャネル2232は、クロストークを低減するために、光透過層2245と光検出器2271を備えた光センサ層2270との間に側壁2263を含む。側壁2263は、光学的に不透明な材料で構成するか、光学的に透明な材料で構成することができる。更に、側壁2263は、反射性または吸収性の材料でコーティングすることもできる。
【0205】
図22Iは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2232の実施形態2207の簡略断面図である。
図22Hの実施形態2206とは異なり、
図2Iの実施形態2207は、半球2267が開口部2244の上に位置付けられるように構成され、実施形態2206と同様の機能を達成することができる。
【0206】
F.下部マイクロレンズ層
図23Aは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2332の実施形態2300の簡略断面図である。実施形態2300の受信器チャネル2332は、発散光線を光センサのアクティブ部分に導くように構成された1または複数のマイクロレンズ2391からなる下部マイクロレンズ層(BMLL)を含むことができる。BMLLは光線角度補正を実行して、異なる角度の光を等間隔の光センサに導く。光線角度補正は、レンズの中心と光センサの中心との間の横方向のオフセットを制御したり、レンズを傾けたり、レンズの形状を調整したりすることで達成できる。この動作のより良い説明は、
図23Bに見ることができる。
【0207】
図23Bは、本開示のいくつかの実施形態による、BMLLによる光線角度補正中の光の伝播の拡大図の簡略断面図である。図示のように、発散光線(2333)を光センサ層の光検出器2371のアクティブ部分に向けるために、マイクロ光学のピッチは一定ではないか、レンズ2391のピッチに等しくない。
図23Aに戻ると、各マイクロレンズ2391は、それぞれの光検出器2371に対応するように位置付けることができる。
【0208】
図23Cは、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2332の実施形態2301の簡略断面図である。実施形態2301の受信器チャネル2332は、
図23Aに示されるような複数のマイクロレンズの代わりに、単一のマイクロレンズ2391を含むことができる。単一のマイクロレンズ2391は、単一の光検出器2371の中央に位置付けることができる。マイクロレンズ2391は、光を単一の光検出器2371に導くように構成できる。
【0209】
図23D及び
図23Eは、本開示のいくつかの実施形態による、それぞれ受信器チャネル2332の実施形態2302及び2303の簡略断面図である。実施形態2302の受信器チャネル2332は、開口層2340及び光学フィルタ2361がコーティングされた半球2367を支持する光学的に透明な層2345の下側に位置付けられたBMLLを含むことができる。
図23Dに示すように、BMLLは、発散光を複数の光検出器2371に導くための複数のレンズ2393で形成することができる。
図23Eに示されるように、BMLLは、発散光を光検出器2371に導くための単一のマイクロレンズ2391で形成することができる。
【0210】
図23D及び
図23Eの実施形態2302及び2303はそれぞれ、剛性の光学的に透明な層2345上に支持された凸状半球2367を含む。これらの図では、開口層2340は光学フィルタ2361と組み合わされ、半球2367上にコーティングされ、半球2367の中心は入射光(周辺光線ライン2333)の焦点またはその近くに位置する。半球2367の中心は、開口部2344の中心に対応するか、ほぼ対応することもできる。凸状半球2367は、光学フィルタ2361でコーティングされ、剛性の光学的に透明な層2345(例えば、ガラス、ポリマーで形成された層)及び対応する光学的に不透明な停止領域2346で支持される開口層2340に刻印することができる。
図23D及び
図23Eに示すように、受信器チャネル2332は、クロストークを低減するために、光学的に透明な層2345と光センサ層2370との間に側壁2363を含む。側壁2363は、光学的に不透明な材料で構成するか、光学的に透明な材料で構成することができる。更に、側壁2363は、反射性または吸収性の材料でコーティングすることもできる。
【0211】
G.追加の例示的な受信器チャネル
受信器チャネルは、例えば、上述のマイクロ光学受信器チャネルなどのマイクロ光学レベルの構造であり、1または複数の開口層、開口層の下の光学レンズ層、開口部及び光学レンズ層の下の光学フィルタ層、及び他のすべての層の下の光センサ層を含む複数の層から形成できることを理解されたい。このような各層は、クロストークを軽減するための様々な方法、すなわち、
図17~
図23Eに関して本明細書で説明されるように、迷光を隣接する受信器チャネルに露出させる方法で構成できる。受信器チャネルの様々な例は、
図17、
図22A~
図22I、及び、
図23A~
図23Eに関して上で説明されている。本開示による受信器チャネルの他の2つの例が
図24及び
図25に示されている。本開示の実施形態は、本明細書で説明される特定の受信器チャネルに限定されない。代わりに、本開示に基づいて、当業者は、他の実施形態では、本開示による受信器チャネルが、他のオプションの中でも、
図18A~
図18Dまたは
図19A~
図19Dのいずれかに関して上述した開口層、
図20A~
図20Gのいずれかに関して上述したフィルタ層、及び/または
図21A~
図21Kのいずれかに関して上述した光センサ層を含むことができることを理解するであろう。
【0212】
図24は、本開示のいくつかの実施形態による、受信器チャネル2400の例示的実施形態の簡略断面図である。受信器チャネル2400は、それぞれが光学的に不透明な層2446a及び2446bにそれぞれ形成された第1及び第2の開口部2444からなる開口層2440を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の開口部2444は、層2446a及び2446b内の開口部によって画定される空隙で形成することができ、他のいくつかの実施形態では、第1及び/または第2の開口部2444は、光学的に透明な材料で形成することができる。第1及び第2の光学的に不透明な層2446a及び2446bは、第1及び第2の光学的に不透明な層2446a及び2446bの間に挟まれた光学的に透明な基板2445によって支持され得る。
【0213】
受信器チャネル2400は、開口層2440の下に配設された光学レンズ層2450も含むことができる。光学レンズ層2450は、コリメートレンズ2451及び光学的に不透明なスペーサ構造2456を含むことができる。視準レンズ2451は、光学的に不透明なスペーサ構造2456によって開口層2440から分離することができる。いくつかの実施形態において、光学的に不透明なスペーサ構造2456は、コリメートレンズ2451を囲み、開口層2440に向かって延びる円周を有するチューブを形成する。光学的に不透明なスペーサ構造2456は、光が開口層2440とコリメートレンズ2451との間の領域で受信器チャネル2400の外側に移動するのを防ぐ光学反射材料または吸収材料で形成することができる。
【0214】
開口層2440及び光学レンズ層2450に加えて、受信器チャネル2400は、光学レンズ層2450の真下に位置付けられた光学フィルタ層2460を更に含むことができる。光学フィルタ層2460は、光学フィルタ2461を構造的に支持する光学的に透明な基板2465を挟む2つの光学フィルタ2461を含むことができる。光学フィルタ層2460は、任意の数の基板2065上に任意の数及び種類の光学フィルタ2461を含むことができる。例えば、光学フィルタ2461の1つは、帯域通過フィルタであり、定義された波長のセット(例えば、900-945nm及び950-995nm)のすべての入射光を遮断する光学的に透明な基板2465の上または真下に位置付けられてもよい。光学的に透明な基板2465の反対側に配置かれた他の光学フィルタ2461は、例えば200-915nm及び980-1600nmをカバーするワイドスペクトル遮断フィルタ(帯域通過フィルタによってカバーされる領域を除く)などの異なるフィルタであり得る。帯域通過フィルタと遮断フィルタは、2つのフィルタ間の遷移領域に漏れがないように設計されている。ただし、フィルタは、帯域通過フィルタまたはその他の種類のフィルタとして機能するように設計された2つのエッジパスフィルタにすることができる。
【0215】
光学フィルタ層2460のすぐ下に、光センサ層2470があってもよい。いくつかの実施形態では、実施形態2400の光センサ層2470は、収束レンズセット2491と光センサ2473との間に位置付けられた光学的に不透明なスペーサ構造2463を含むことができる。光センサ2473は、交互配置の非アクティブ領域2172(例えば、統合ロジック)の間に位置付けられた個別の光検出器2471(例えば、SPAD)のセットで形成することができ、各個別の光検出器は、入射光子を検出するように構成される。収束レンズセット2491は、光学フィルタ2460と光検出器2471を備えた光センサ2473との間に挿入でき、光センサ2173内の個別の光検出器2471ごとに1つの収束レンズ2491も含むことができ、収束レンズセット2491の各レンズは、光学フィルタ層2460を通過した入射光子を、対応する個別の光検出器2471に集束させる。各収束レンズは共通の焦点距離を示すことができ、収束レンズセット2491は、この共通の焦点距離(またはこの共通の焦点距離と実質的に同様の距離)だけ光センサの感知面上でオフセットでき、各収束レンズは、光学レンズ層2450でコリメートされ、光学フィルタ層2460を通過した入射光を、光センサ2473の対応する光検出器2471に収束することができる。光学的に不透明なスペーサ構造2463は、コリメートレンズ2451と実質的に同様またはより大きい直径のチューブを形成し、レンズセット2491と光センサ2473との間の領域で、光が受信器チャネル2400の外側に移動するのを防ぐ。光学的に不透明なスペーサ構造2163は、光学的に不透明なバルク媒体(例えば、シリコンまたはポリマー)から作成され得る。
【0216】
受信器チャネルの別の例示的な実施形態が
図25に示されている。
図25は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な受信器チャネル2500の簡略断面図である。受信器チャネル2500は、開口層2540、開口層2540の下に配設された光学レンズ層2550、及び開口層2540及び光学レンズ層2550の両方の下の光学フィルタ層2560を含むことができる。開口層2540、光学レンズ層2550、及び光学フィルタ層2560は、
図24の対応する構成要素と同じ構造及び機能を有することができる。
【0217】
受信器チャネル2500はまた、光学フィルタ層2560のすぐ下に位置付けられた光センサ層2570を含むことができる。いくつかの実施形態では、実施形態2400の光センサ層2570は、光学的に不透明なスペーサ構造2563、収束レンズセット2591、及び光センサ2573を含むことができる。
図24の受信器チャネル2400の収束レンズセット2491とは異なり、受信器チャネル2500の収束レンズセット2591は、光学フィルタ層2560の下側に直接ではなく、光センサ2573の上面に直接位置付けることができる。更に、光学的に不透明なスペーサ構造2563は、例えば、
図24の受信器チャネル2400の光学的に不透明なスペーサ構造2463のような固体の光学的に不透明な構造の代わりに、シリコンまたはガラス基板などの光学的に透明な層にコーティングされた光学的に不透明な材料(例えば、黒色クロム)で形成することができる。レンズセット2591は、非アクティブ領域2572ではなく、光センサ2573の光検出器2571に光を集束させる役割を果たす。
【0218】
実施形態2400及び2500のいずれかに従って受信器チャネルを実装することにより、誤った光が隣接する受信器チャネルに露出することを防止することができ、それにより、撮像のために光子をキャプチャする各光センサの能力の精度が増強する。
【0219】
VI.マイクロ光受信器チャネルアレイの変形例
本開示のいくつかの実施形態によれば、マイクロ光受信器チャネルはアレイに編成され得る。アレイは、設計に応じて様々な次元を有することができる。例えば、マイクロ光受信器チャネルのアレイは、MとNが1以上のMxNアレイに配置できる。したがって、マイクロ光受信器チャネルは、
図26~
図30に関して本明細書で更に議論されるように、一次元及び二次元アレイであり得、各ドットがマイクロ光受信器チャネルを表すマイクロ光受信器チャネルアレイの異なる実施形態を示す。本明細書で前述したように、各受信器チャネルは、互いに積み重ねられた複数の層を含むことができる。したがって、アレイに配置された場合、各マイクロ光学受信器チャネルは、MxN配置で何度も再生される個々の要素で構成されるモノリシック層、例えばMxN開口層アレイ、MxNマイクロレンズ層アレイ、及びMxN光センサ層アレイの一部である。接合すると、これらのアレイ層はモノリシックマルチチャネルマイクロ光受信器アレイを作成する。
【0220】
図26は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイ2600の簡略図である。マイクロ光受信器アレイ2600は、線形(Mx1)アレイ、特に16x1アレイとして構成されている。このレイアウトは、実装態様が一次元でアレイを走査するのに適しているため、高解像度(例えば、16x1024)を達成できる。一例として、500ミクロンの受信器チャネルピッチの場合、図示されたレイアウトは、約500ミクロン×8000ミクロンのサイズのチップに実装することができる。
【0221】
図27は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイ2700の簡略図である。マイクロ光受信器アレイ2700は、長方形(MxN)アレイ、特に16x32アレイとして構成されている。したがって、500ミクロンの受信器チャネルピッチの場合、図示されたレイアウトは、8,000ミクロンx12000ミクロンのサイズのチップに実装することができる。
【0222】
図28は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイ2800の簡略図である。マイクロ光受信器アレイ2800は、MxN千鳥アレイとして構成されている。この図では、受信器チャネル2832は16x4の千鳥アレイに配置されている。このレイアウトは、実装態様が掃引に適しているため、高解像度(例えば、64x1024)を達成できる。500ミクロンの受信器チャネルピッチの場合、
図28に示されたレイアウトは、約2000ミクロン×8375ミクロンのサイズのチップに実装することができる。
【0223】
図29は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイ2900の簡略図である。マイクロ光受信器アレイ2900は、ワープ線形(M×1)アレイとして構成されている。この実施形態では、受信器チャネル2932間の間隔は不均一である。2932-01として示されている中央付近の受信器チャネルは、互いに近接して(400ミクロン間隔で)置かれており、2932-02として示されている外部チャネルは、更に離れて(例えば400ミクロン以上)置かれている。このレイアウトは、レンズの歪み曲線を補正できるという利点を有する(つまり、受信器チャネルの視野間の角度は、物体空間で等間隔になる)。
図29に示される構成は、実装態様が掃引に適しているため、高解像度(例えば、16×1024)を達成するために使用することができる。500ミクロンの平均受信器チャネルピッチの場合、図示されたレイアウトは、約500ミクロンx8000ミクロンのサイズのチップに実装することができる。
【0224】
いくつかの実施形態では、受信器チャネルは、M×Nワープアレイ(N≧1)で構成され得る。そのような実施形態では、中央の受信器チャネルは、外部受信器チャネルよりもx方向及びy方向の両方で互いに遠くに置かれる。これは、レンズの歪みの別の可能な形を修正する。
【0225】
図29は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロ光受信器アレイ2900の簡略図である。マイクロ光受信器アレイ2900は、任意のパターンで構成されている。このレイアウト構成には、レンズの歪みに対応し、タイミングやルーティングの変動を補正する調整を行い、照明源からの任意のパターンを一致させることができるという利点がある。
【0226】
本開示を特定の実施形態に関して説明してきたが、本開示は、添付の特許請求の範囲内のすべての修正及び同等物を網羅することを意図していることが理解されよう。
なお、出願時の請求項は、以下の通りである。
<請求項1>
距離測定を実行するための光学システムであって、
バルク送信器光学系と、
前記バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを当該光学システムの前方のフィールド内に投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む照明源と、
前記照明源と前記バルク送信器光学系との間に配設されたマイクロ光学チャネルアレイと、
を備え、
前記マイクロ光学チャネルアレイは、複数のマイクロ光学チャネルを画定し、
各マイクロ光学チャネルは、前記複数の発光体からの発光体から離れたマイクロ光学レンズを含み、
前記マイクロ光学レンズは、前記発光体から光円錐を受信し、かつ、前記発光体と前記バルク送信器光学系との間の場所で前記発光体から変位した焦点に前記発光体の縮小サイズのスポット画像を生成するように構成されている
ことを特徴とする光学システム。
<請求項2>
前記バルク送信器光学系が、前記マイクロ光学チャネルアレイを通して前記照明源から出力される前記個別の光ビームが互いに平行である画像空間テレセントリックレンズとして構成される1または複数のレンズを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項3>
前記照明源から放出され前記フィールド内の表面から反射された光子を検出するように構成された光感知モジュール
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項4>
前記光感知モジュールが、
バルク受信器光学系と、
複数の開口部を含む開口層と、
複数のレンズを含むレンズ層と、
複数の光センサを含む光センサ層と、
を有しており、
前記開口層、前記レンズ層及び前記光センサ層は、複数の受信器チャネルを形成するように配置されており、
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルが、前記複数の開口部からの開口部、前記複数のレンズからのレンズ、及び、前記複数の光センサからの光センサを含み、前記バルク受信器光学系から入射する光を前記受信器チャネルの前記光センサに伝達するように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項5>
前記照明源は、当該システムからの距離の範囲にわたってサイズ及び幾何学的形状において前記受信器チャネルの視野に一致する照明パターンに従って、前記バルク送信器光学系を通して前記個別の光ビームを選択的に投射するように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項6>
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、発光体から光円錐を受信し、当該マイクロ光学レンズと前記バルク送信器光学系との間の焦点で前記発光体の縮小サイズの実スポット画像を生成するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項7>
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、前記発光体に面する側に屈折力を有する第1の光学面と、前記発光体から離れる方向に面する反対側に屈折力を有する第2の光学面と、を含み、
前記発光体の前記縮小サイズの実スポット画像が、前記第1及び第2の光学面の後の焦点に形成される
ことを特徴とする請求項6に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項8>
前記発光体からの前記光円錐の発散が、前記縮小サイズの実スポット画像を生成するための前記マイクロ光学レンズの前記第2の光学面からの光円錐の発散より小さい
ことを特徴とする請求項7に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項9>
前記マイクロ光学レンズが、当該マイクロ光学レンズと前記照明源との間に空間を画定するように前記照明源から分離されている
ことを特徴とする請求項7に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項10>
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、前記発光体から離れる方向に面する側に屈折力を有する光学面を含み、
前記発光体の前記縮小サイズの実スポット画像が、前記光学面の後の焦点に形成される
ことを特徴とする請求項6に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項11>
前記光学面が、基板上に位置付けられた複数の凸レンズを含み、
前記基板が、前記光学面が配設される第1の表面と、前記照明源の表面に直接取り付けられた前記第1の表面の反対側の第2の表面と、を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項12>
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、発光体から光円錐を受信し、前記発光体の縮小サイズの仮想スポット画像を生成するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項13>
各チャネルの前記マイクロ光学レンズが、前記発光体から離れる方向に面する側に屈折力を有する光学面を含み、
前記発光体の前記縮小サイズの仮想スポット画像が、前記それぞれのチャネル内の焦点に形成される
ことを特徴とする請求項12に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項14>
前記光学面が、基板上に形成された複数の凹面を含み、
前記基板が、前記光学面が配設される第1の表面と、前記照明源の表面に直接取り付けられた前記第1の表面の反対側の第2の表面と、を有する
ことを特徴とする請求項13に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項15>
前記バルク送信器光学系が、当該光学システムによって放出される迷光を低減するように構成された複数の開口絞りを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項16>
距離測定を実行するための光学システムであって、当該光学システムが、
発光システムであって、
バルク送信器光学系と、
前記バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを当該光学システムの前方のフィールド内に投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む照明源と、
前記照明源と前記バルク送信器光学系との間に配設されたマイクロ光学チャネルアレイであって、前記マイクロ光学チャネルアレイが、複数のマイクロ光学チャネルを画定し、各マイクロ光学チャネルが、前記複数の発光体からの発光体から離れたマイクロ光学レンズを含み、前記マイクロ光学レンズが、前記発光体から光円錐を受信しかつ前記発光体と前記バルク送信器光学系との間の場所で前記発光体から変位した焦点に前記発光体の縮小サイズのスポット画像を生成するように構成されている、マイクロ光学チャネルアレイと、
を含む発光システムと、
光検出システムであって、
前記フィールドからの前記個別の光ビームを受信するように構成されたバルク受信器光学系と、
前記フィールド内の複数の個別の非重複視野を画定する複数のマイクロ光学受信器チャネルを有する光学アセンブリと、
を含む光検出システムと、
を備え、
前記光学アセンブリは、
前記バルク受信器光学系の焦点面に沿って配置された複数の個別の開口部を有する開口層と、
前記開口層の背後に配設された光センサのアレイと、
前記開口層と前記光センサのアレイとの間に位置付けられた複数のレンズと、
を含む
ことを特徴とする光学システム。
<請求項17>
前記バルク送信器光学系が、前記マイクロ光学チャネルアレイを通して前記照明源から出力される前記個別の光ビームが互いに平行である画像空間テレセントリックレンズとして構成される1または複数のレンズを含む
ことを特徴とする請求項16に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項18>
距離測定を実行するための光学システムであって、
光学的透明窓を有する固定ハウジングと、
前記ハウジング内に配設された光測距デバイスと、
を備え、
前記光測距デバイスは、プラットフォームに結合された光送信器を含み、
前記光送信器は、
バルク送信器光学系と、
前記バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを前記光学システムの前方のフィールド内に投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む照明源と、
前記照明源と前記バルク送信器光学系との間に配設されたマイクロ光学チャネルアレイであって、前記マイクロ光学チャネルアレイが、複数のマイクロ光学チャネルを画定し、各マイクロ光学チャネルが、前記複数の発光体からの発光体から離れたマイクロ光学レンズを含み、前記マイクロ光学レンズが、前記発光体から光円錐を受信しかつ前記発光体と前記バルク送信器光学系との間の場所で前記発光体から変位した焦点に前記発光体の縮小サイズのスポット画像を生成するように構成されている、マイクロ光学チャネルアレイと、を含む
ことを特徴とする光学システム。
<請求項19>
前記光測距デバイスが、回転光測距デバイスであって、
前記ハウジング内に配設され、前記ハウジング内の前記プラットフォーム及び前記光送信器を含む当該光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジング内に配設され、前記モータを制御し、当該光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成されたシステムコントローラと、
を更に含む
ことを特徴とする請求項18に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項20>
前記バルク送信器光学系が、前記マイクロ光学チャネルアレイを通して前記照明源から出力される前記個別の光ビームが互いに平行である画像空間テレセントリックレンズとして構成される1または複数のレンズを含む
ことを特徴とする請求項18に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項21>
光学システムであって、
当該光学システムの外部のフィールドから発生する光線を受信するように構成されたバルク受信器光学系と、
前記フィールド内に複数の個別の非重複視野を画定する複数のマイクロ光学受信器チャネルを有する光学アセンブリと、
を備え、
前記光学アセンブリは、
前記バルク受信器光学系の焦点面に沿って配置された複数の個別の開口部を有する開口層と、
前記開口層の背後に配設された光センサのアレイと、
異なるマイクロ光学チャネルが異なる波長範囲を測定できるように構成された不均一光学フィルタ層と、
を含む
ことを特徴とする光学システム。
<請求項22>
前記不均一光学フィルタは、段階的光学フィルタを含む
ことを特徴とする請求項21に記載の光学システム。
<請求項23>
前記段階的光学フィルタは、一次元で厚さが徐々に増加する
ことを特徴とする請求項22に記載の光学システム。
<請求項24>
前記段階的光学フィルタは、各チャネルが一定の光学フィルタ層厚を有するように一次元で段階的に厚さが増加するが、異なるマイクロ光学チャネルの前記厚さが異なる
ことを特徴とする請求項22に記載の光学システム。
<請求項25>
前記光センサのアレイは、光検出器のアレイを含み、
各光検出器は、単一光子アバランシェ検出器(SPAD)のアレイを含む
ことを特徴とする請求項21に記載の光学システム。
<請求項26>
各チャネルは、前記複数の個別の開口部からの開口部と、前記光センサのアレイ内の光センサと、を含み、
前記開口部が前記レンズと軸方向に位置合わせされている
ことを特徴とする請求項21に記載の光学システム。
<請求項27>
前記光学アセンブリが、複数のレンズを更に含み、
各チャネルが、前記複数のレンズからのレンズを更に含み、
各チャネルの前記レンズが、その対応する開口部を通して受信される光線をコリメートし、当該コリメートされた光線をその対応する光センサに渡すように構成されている
ことを特徴とする請求項26に記載の光学システム。
<請求項28>
各チャネルの前記レンズが、前記バルク受信器光学系からの光路に沿って位置付けられた半球として構成され、
前記光学フィルタが、前記レンズの曲面にコーティングされている
ことを特徴とする請求項26に記載の光学システム。
<請求項29>
各チャネル内の前記光センサが、複数の単一光子アバランシェ検出器(SPAD)を含む
ことを特徴とする請求項26に記載の光学システム。
<請求項30>
各チャネルの前記光センサが、前記複数のSPADに数において対応する第2の複数のレンズを更に含み、
前記第2の複数のレンズの各レンズが、前記複数のSPADの個々のSPADに前記光センサで受信する入射光子を集束するように構成されている
ことを特徴とする請求項29に記載の光学システム。
<請求項31>
前記光学アセンブリは、共通基板上に構築されたモノリシックASICを含み、その中に前記光センサのアレイが製造され、
前記開口層、前記複数のレンズ及び前記フィルタ層のための前記個別の層が、前記ASICの前記モノリシック構造の一部となるように、前記モノリシックASIC上に形成されている
ことを特徴とする請求項21に記載の光学システム。
<請求項32>
前記開口層、前記複数のレンズ、前記フィルタ層及び前記光センサのアレイのための前記個別の層の各々は、その隣接層に接合されている
ことを特徴とする請求項31に記載の光学システム。
<請求項33>
光学システムであって、
当該光学システムの外部のフィールドからの光を受信するように構成されたバルク受信器光学系と、
前記バルク光学系の背後に配設され、前記バルク光学系の焦点面に位置する複数の開口部を含む開口層と、
焦点距離を有する複数のコリメートレンズを含むレンズ層であって、当該レンズ層が前記開口層の背後に配設され、前記焦点距離によって前記開口層から分離されている、レンズ層と、
前記レンズ層の背後にある不均一光学フィルタ層と、
複数の光センサを含む光センサ層と、
を備え、
前記開口層、前記レンズ層、前記不均一光学フィルタ層及び前記光センサ層が、前記フィールド内に複数の個別の非重複視野を画定する複数のマイクロ光学チャネルを形成するように配置され、
前記複数のマイクロ光学チャネル内の各マイクロ光学チャネルが、前記複数の開口部からの開口部、前記複数のレンズからのレンズ、前記フィルタ層からのフィルタ、及び前記複数の光センサからの光センサを含み、前記バルク受信器光学系から入射する光を前記マイクロ光学チャネルの前記光センサに伝達するように構成されており、
前記不均一光学フィルタ層は、異なるマイクロ光学チャネルが異なる波長範囲を測定できるように構成されている
ことを特徴とする光学システム。
<請求項34>
前記不均一光学フィルタは、段階的光学フィルタを含む
ことを特徴とする請求項33に記載の光学システム。
<請求項35>
前記段階的光学フィルタは、一次元で厚さが徐々に増加する
ことを特徴とする請求項34に記載の光学システム。
<請求項36>
前記段階的光学フィルタは、各チャネルが一定の光学フィルタ層厚を有するように一次元で段階的に厚さが増加するが、異なるマイクロ光学チャネルの前記厚さが異なる
ことを特徴とする請求項34に記載の光学システム。
<請求項37>
光学システムであって、
当該光学システムの外部のフィールドから発生する光線を受信するように構成されたバルク受信器光学系と、
前記フィールド内に複数の個別の非重複視野を画定する複数のマイクロ光学受信器チャネルを有する光学アセンブリと、
を備え、
前記光学アセンブリは、
当該ASIC内に製造されたプロセッサ、メモリ及び複数の光センサを含むモノリシックASICと、
前記バルク受信器光学系の焦点面に沿って配置された複数の個別の開口部を有する開口層であって、前記光センサのアレイが当該開口層の背後に配設されている、開口層と、
前記開口層と前記光センサのアレイとの間に位置付けられた複数のレンズと、
その構造全体にわたって異なる中心波長を有して、少なくとも2つの異なるマイクロ光学受信器チャネルが異なる波長範囲の光を測定できるようにする不均一光学フィルタ層であって、前記開口層、前記複数のレンズ及び前記不均一光学フィルタ層が、前記ASICの前記モノリシック構造の一部を形成するように、前記ASIC上に形成される、不均一光学フィルタ層と、
を含む
ことを特徴とする光学システム。
<請求項38>
前記マイクロ光学受信器チャネルは、各マイクロ光学受信器チャネルが複数の発光体の発光体と対になるように構成されている
ことを特徴とする請求項37に記載の光学システム。
<請求項39>
前記不均一光学フィルタは、段階的光学フィルタを含む
ことを特徴とする請求項37に記載の光学システム。
<請求項40>
前記段階的光学フィルタは、一次元で厚さが徐々に増加する
ことを特徴とする請求項39に記載の光学システム。
<請求項41>
距離測定を実行するための光学システムであって、
光学的透明窓を有する固定ハウジングと、
前記ハウジング内に配設された回転光測距デバイスであって、
プラットフォームと、
前記プラットフォームに結合された光送信器であって、バルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含み、各送信器チャネルが、狭帯域光を生成して前記バルク送信器光学系を通して当該光学システムの外部のフィールド内に送信するように構成された発光体を含む、光送信器と、
前記プラットフォームに結合された光受信器であって、バルク受信器光学系及び複数のマイクロ光学受信器チャネルを含み、各マイクロ光学チャネルが、前記バルク受信器光学系の焦点面と一致する開口部を含み、光学フィルタが、前記バルク受信器光学系からの光路に沿って位置付けられ前記開口部と軸方向に位置合わせされ、光センサが、前記開口部及び前記光学フィルタを通過する入射光子に応答する、光受信器と、
を含む、回転光測距デバイスと、
前記ハウジング内に配設され、前記ハウジング内の前記プラットフォーム、前記光送信器及び前記光受信器を含む前記光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジング内に配設されたシステムコントローラであって、前記モータを制御し、前記光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成されたシステムコントローラと、
を備えたことを特徴とする距離測定を実行するための光学システム。
<請求項42>
前記光受信器は、前記開口部の背後にあって前記光学フィルタに直接結合されたコリメートレンズを更に含み、
前記光学フィルタは、当該コリメートレンズの背後に位置付けられている
ことを特徴とする請求項41に記載の光学システム。
<請求項43>
前記光学フィルタは、前記開口部の上側または下側に直接位置付けられた半球レンズ上のフィルタ層である
ことを特徴とする請求項41に記載の光学システム。
<請求項44>
前記固定ハウジングが円筒形であり、前記光学的透明窓が前記固定ハウジングの周囲周りに完全に延びている
ことを特徴とする請求項41に記載の光学システム。
<請求項45>
前記透明窓によって引き起こされる光学収差を補正するための補正光学構造
を更に含むことを特徴とする請求項44に記載の光学システム。
<請求項46>
前記補正光学構造は、前記バルク受信器光学系の一部として含まれる円柱レンズ、前記バルク送信器光学系の一部として含まれる円柱レンズ、前記マイクロ光学受信器チャネルの一部として含まれる円柱レンズのアレイ、または、前記複数の送信器チャネルの一部として含まれる双円錐レンズのアレイ、として構築されている
ことを特徴とする請求項45に記載の光学システム。
<請求項47>
前記光送信器及び前記光受信器は、各送信器チャネルが受信器チャネルと対になり、それらの視野の中心が当該光学システムから特定の距離で非重複となるように位置合わせされるように構成されている
ことを特徴とする請求項41に記載の光学システム。
<請求項48>
前記複数のマイクロ光学受信器チャネルが、共通基板上に構築されたモノリシックASICの一部であり、その中に前記光センサのアレイが製造され、前記開口層及び前記フィルタ層のための前記個別の層が、前記ASICの前記モノリシック構造の一部になるように、前記モノリシックASIC上に形成されている
ことを特徴とする請求項41に記載の光学システム。
<請求項49>
距離測定を実行するための光学システムであって、
基部、上部、及び、前記基部と前記上部との間に配設された光学的透明窓、を有する固定ハウジングと、
前記ハウジング内に配設され、前記光学的透明窓と位置合わせされた回転光測距デバイスであって、
プラットフォームと、
前記プラットフォームに結合された光送信器であって、画像空間テレセントリックバルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含み、各チャネルが、狭帯域光を生成して前記バルク送信器光学系を通して当該光学システムの外部のフィールド内に送信するように構成された発光体を含む、光送信器と、
前記プラットフォームに結合された光受信器であって、画像空間テレセントリックバルク受信器光学系及び複数のマイクロ光学受信器チャネルを含み、各マイクロ光学チャネルが、前記バルク受信器光学系の焦点面と一致する開口部と、前記開口部の背後のコリメートレンズと、前記コリメートレンズの背後の光学フィルタと、前記開口部を通過して前記コリメートレンズに入り前記フィルタを通過する入射光子に応答する光センサと、
を含む回転光測距デバイスと、
前記ハウジング内に配設され、前記ハウジング内の前記プラットフォーム、前記光送信器及び前記光受信器を含む前記光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジング内に配設されたシステムコントローラであって、前記モータを制御し、前記光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成されたシステムコントローラと、
を備えたことを特徴とする距離測定を実行するための光学システム。
<請求項50>
前記固定ハウジングが円筒形であり、前記光学的透明窓が前記固定ハウジングの周囲周りに完全に延びている
ことを特徴とする請求項49に記載の光学システム。
<請求項51>
前記光送信器及び前記光受信器は、各送信器チャネルが受信器チャネルと対になり、それらの視野の中心が当該光学システムから特定の距離で非重複となるように位置合わせされるように構成されている
ことを特徴とする請求項49に記載の光学システム。
<請求項52>
前記複数のマイクロ光学受信器チャネルが、共通基板上に構築されたモノリシックASICの一部であり、その中に前記光センサのアレイが製造され、前記開口層及び前記フィルタ層のための前記個別の層が、前記ASICの前記モノリシック構造の一部になるように、前記モノリシックASIC上に形成されている
ことを特徴とする請求項49に記載の光学システム。
<請求項53>
前記開口部、前記フィルタ層及び前記光センサのための前記個別の層の各々が、その隣接層に接合されている
ことを特徴とする請求項49に記載の光学システム。
<請求項54>
距離測定を実行するための光学システムであって、
基部、上部、及び、前記基部と前記上部との間に配設された光学的透明窓、を有する固定ハウジングと、
前記ハウジング内に配設され、前記光学的透明窓と位置合わせされた光測距デバイスであって、
プラットフォームと、
アレイ状に配置された複数の垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)であって、当該複数のVCSELの各VCSELが光の個別パルスを生成して当該光学システムの外部のフィールド内に送信するように構成されている、複数のVCSELと、
前記プラットフォームに結合された光受信器であって、バルク受信器光学系及び複数の光センサを含み、各光センサが、入射光子に応答する複数の単一光子アバランシェダイオード(SPAD)を含み、光学フィルタが、前記バルク受信器光学系と前記複数の光センサとの間に配設されており、光のある帯域が当該フィルタを通過して前記複数の光センサに到達する一方で、前記帯域外の光が前記複数の光センサに到達するのを遮断するように構成されている、光受信器と、
を含む光測距デバイスと、
前記ハウジング内に配設され、前記ハウジング内で前記光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジング内に配設されたシステムコントローラであって、前記モータを制御し、前記光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成されたシステムコントローラと、
を備えたことを特徴とする距離測定を実行するための光学システム。
<請求項55>
前記固定ハウジングが円筒形であり、前記光学的透明窓が前記固定ハウジングの周囲周りに完全に延びている
ことを特徴とする請求項54に記載の光学システム。
<請求項56>
前記光送信器及び前記光受信器は、各送信器チャネルが受信器チャネルと対になり、それらの視野の中心が当該光学システムから特定の距離で非重複となるように位置合わせされるように構成されている
ことを特徴とする請求項54に記載の光学システム。
<請求項57>
前記複数の光センサが、共通基板上に構築されたモノリシックASIC内に製造され、その一部を形成し、前記開口層及び前記フィルタ層のための前記個別の層が、前記ASICの前記モノリシック構造の一部になるように、前記モノリシックASIC上に形成されている
ことを特徴とする請求項54に記載の光学システム。
<請求項58>
前記複数のマイクロ光学受信器チャネルが、共通基板上に構築されたモノリシックASICの一部であり、その中に前記光センサのアレイが製造され、前記開口層及び前記フィルタ層のための前記個別の層が、前記ASICの前記モノリシック構造の一部になるように、前記モノリシックASIC上に形成されている
ことを特徴とする請求項54に記載の光学システム。
<請求項59>
前記開口部、前記フィルタ層及び前記光センサのための前記個別の層の各々が、その隣接層に接合されている
ことを特徴とする請求項54に記載の光学システム。
<請求項60>
前記光の個別パルスは、それぞれの光パルスの強度によって形成される埋め込まれた正の値のパルスコードでそれぞれコード化されている
ことを特徴とする請求項54に記載の光学システム。
<請求項61>
距離測定を実行するための光学システムであって、
回転可能なプラットフォームと、
前記回転可能なプラットフォームに結合され、バルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含み、各送信器チャネルが、狭帯域光を生成して前記バルク送信器光学系を通して前記光学システムの外部のフィールド内に送信するように構成された発光体を含む、光送信器と、
前記回転可能なプラットフォームに結合され、バルク受信器光学系及び複数のマイクロ光学受信器チャネルを含み、各マイクロ光学チャネルが、前記バルク受信器光学系の焦点面と一致する開口部を含み、光学フィルタが、前記バルク受信器光学系からの光路に沿って位置付けられ前記開口部と軸方向に位置合わせされ、光センサが、前記開口部及び前記光学フィルタを通過する入射光子に応答する、光受信器と、
前記ハウジング内に配設され、前記プラットフォーム、前記光送信器及び前記光受信器を回転させるように動作可能に結合されたモータと、
当該光学システムの固定部品に取り付けられたシステムコントローラと、
前記システムコントローラと前記光受信器との間に動作可能に結合され、前記システムコントローラが前記光受信器と通信することを可能にする光通信リンクと、
を備えたことを特徴とする光学システム。
<請求項62>
前記光通信リンクは、当該光学システムの固定部品と前記回転可能なプラットフォームとの間に延びて、前記システムコントローラを前記光受信器に動作可能に結合する
ことを特徴とする請求項61に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項63>
前記光受信器は、前記開口部の背後にあって前記光学フィルタに直接結合されたコリメートレンズを更に含み、
前記光学フィルタは、当該コリメートレンズの背後に位置付けられている
ことを特徴とする請求項61に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項64>
前記光学フィルタは、前記開口部の上側または下側に直接位置付けられた半球レンズ上のフィルタ層を含む
ことを特徴とする請求項61に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項65>
前記光送信器及び前記光受信器は、各送信器チャネルが受信器チャネルと対になり、それらの視野の中心が当該光学システムから特定の距離で非重複となるように位置合わせされるように構成されている
ことを特徴とする請求項61に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項66>
前記複数のマイクロ光学受信器チャネルが、共通基板上に構築されたモノリシックASICの一部であり、その中に前記光センサのアレイが製造され、前記開口層及び前記フィルタ層のための前記個別の層が、前記ASICの前記モノリシック構造の一部になるように、前記モノリシックASIC上に形成されている
ことを特徴とする請求項61に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項67>
基部、上部、及び、前記基部と前記上部との間に配設された光学的透明窓、を有する固定ハウジング
を更に含むことを特徴とする請求項61に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項68>
前記システムコントローラは、前記ベース内に位置付けられ、
前記回転可能なプラットフォームに結合された前記光受信器は、前記光学的透明窓内に配設され、
前記光通信リンクは、前記システムコントローラと前記光受信器との間に結合されている
ことを特徴とする請求項67に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項69>
距離測定を実行するための光学システムであって、
回転可能なプラットフォームと、
前記回転可能なプラットフォームに結合され、画像空間テレセントリックバルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含み、各送信器チャネルが、狭帯域光を生成して前記バルク送信器光学系を通して当該光学システムの外部のフィールド内に送信するように構成された発光体を含む、光送信器と、
前記回転可能なプラットフォームに結合され、画像空間テレセントリックバルク受信器光学系及び複数のマイクロ光学受信器チャネルを含み、各マイクロ光学チャネルが、前記バルク受信器光学系の焦点面と一致する開口部と、前記開口部の背後のコリメートレンズと、前記コリメートレンズの背後の光学フィルタと、前記開口部を通過して前記コリメートレンズに入り前記フィルタを通過する入射光子に応答する光センサと、を含む、光受信器と、
前記ハウジング内に配設され、前記プラットフォーム、前記光送信器及び前記光受信器を回転させるように動作可能に結合されたモータと、
前記光学システムの固定部品に取り付けられたシステムコントローラと、
前記システムコントローラと前記光受信器との間に動作可能に結合され、前記システムコントローラが前記光受信器と通信することを可能にする光通信リンクと、
を備えたことを特徴とする光学システム。
<請求項70>
前記光通信リンクは、当該光学システムの固定部品と前記回転可能なプラットフォームとの間に延びて、前記システムコントローラを前記光受信器に動作可能に結合する
ことを特徴とする請求項69に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項71>
前記光受信器は、前記開口部の背後にあって前記光学フィルタに直接結合されたコリメートレンズを更に含み、
前記光学フィルタは、当該コリメートレンズの背後に位置付けられている
ことを特徴とする請求項69に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項72>
前記光学フィルタは、前記開口部の上側または下側に直接位置付けられた半球レンズ上のフィルタ層を含む
ことを特徴とする請求項69に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項73>
前記光送信器及び前記光受信器は、各送信器チャネルが受信器チャネルと対になり、それらの視野の中心が当該光学システムから特定の距離で非重複となるように位置合わせされるように構成されている
ことを特徴とする請求項69に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項74>
前記複数のマイクロ光学受信器チャネルが、共通基板上に構築されたモノリシックASICの一部であり、その中に前記光センサのアレイが製造され、前記開口層及び前記フィルタ層のための前記個別の層が、前記ASICの前記モノリシック構造の一部になるように、前記モノリシックASIC上に形成されている
ことを特徴とする請求項69に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項75>
距離測定を実行するための光学システムであって、
回転可能なプラットフォームと、
アレイ状に配置され前記回転可能なプラットフォームに結合された複数の垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)であって、当該複数のVCSELの各VCSELが光の個別パルスを生成して当該光学システムの外部のフィールド内に送信するように構成されている、複数のVCSELと、
前記回転可能なプラットフォームに結合された光受信器であって、バルク受信器光学系及び複数の光センサを含み、各光センサが、入射光子に応答する複数の単一光子アバランシェダイオード(SPAD)を含む、光受信器と、
前記ハウジング内に配設され、前記プラットフォーム、前記複数のVCSEL及び前記光受信器を回転させるように動作可能に結合されたモータと、
前記光学システムの固定部品に取り付けられたシステムコントローラと、
前記システムコントローラと前記光受信器との間に動作可能に結合され、前記システムコントローラが前記光受信器と通信することを可能にする光通信リンクと、
を備えたことを特徴とする光学システム。
<請求項76>
前記光通信リンクは、当該光学システムの固定部品と前記回転可能なプラットフォームとの間に延びて、前記システムコントローラを前記光受信器に動作可能に結合する
ことを特徴とする請求項75に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項77>
前記光受信器は、前記開口部の背後にあって前記光学フィルタに直接結合されたコリメートレンズを更に含み、
前記光学フィルタは、当該コリメートレンズの背後に位置付けられている
ことを特徴とする請求項75に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項78>
前記光学フィルタは、前記開口部の上側または下側に直接位置付けられた半球レンズ上のフィルタ層を含む
ことを特徴とする請求項75に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項79>
前記光送信器及び前記光受信器は、各送信器チャネルが受信器チャネルと対になり、それらの視野の中心が当該光学システムから特定の距離で非重複となるように位置合わせされるように構成されている
ことを特徴とする請求項75に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項80>
前記複数のマイクロ光学受信器チャネルが、共通基板上に構築されたモノリシックASICの一部であり、その中に前記光センサのアレイが製造され、前記開口層及び前記フィルタ層のための前記個別の層が、前記ASICの前記モノリシック構造の一部になるように、前記モノリシックASIC上に形成されている
ことを特徴とする請求項75に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項81>
距離測定を実行するための光学システムであって、
バルク受信器光学系と、
複数の開口部を含む開口層と、
第1の複数のレンズを含む第1のレンズ層と、
前記バルク受信器光学系を通過した後の光を受信し、ある放出帯域を通過させる一方で当該帯域外の放出を遮断するように構成された光学フィルタ層と、
複数の光センサを含む光センサ層であって、各光センサが、光子を検出するように構成された複数の光検出器と、前記光センサで受信する入射光子を前記複数の光検出器に集束するように構成された第2の複数のレンズと、を含む、光センサ層と、
を備え、
当該光学システムは、複数の受信器チャネルを備え、当該複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルが、前記複数の開口部からの開口部と、前記複数の第1のレンズからのレンズと、前記光学フィルタ層からの光学フィルタと、前記複数の光センサからの光センサと、を含み、各チャネルの前記開口部がそのそれぞれのチャネルの個別の非重複視野を画定する
ことを特徴とする光学システム。
<請求項82>
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルについて、当該チャネルの前記光センサ内の前記複数の光検出器と前記第2の複数のレンズとの間に1対1の対応があり、
前記第2の複数のレンズ内の前記レンズの各々が、前記第2の複数のレンズ内のその対応するレンズに光子を集束させるように構成されている
ことを特徴とする請求項81に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項83>
前記第2の複数のレンズ内の各レンズは、共通の焦点距離を有する収束レンズである
ことを特徴とする請求項82に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項84>
前記第2の複数のレンズ内の各レンズは、前記共通の焦点距離だけそのそれぞれの光検出器から離れている
ことを特徴とする請求項83に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項85>
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルについて、前記光センサが、前記第2の複数のレンズと前記光センサ内の前記複数の光検出器との間に位置付けられた光学的不透明スペーサを含む
ことを特徴とする請求項81に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項86>
前記複数の受信器チャネルの各受信器チャネルについて、前記開口層が、第1及び第2の光学的不透明層の間に配設された光学的透明基板を含み、前記第1の光学的不透明層が、第1の直径を有する第1の開口部を有し、前記第2の光学的不透明層が、前記第1の開口部と位置合わせされ前記第1の直径とは異なる第2の直径を有する第2の開口部を有する
ことを特徴とする請求項81に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項87>
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルについて、前記レンズ層が、前記受信器チャネルの前記開口部と前記第1の複数のレンズからの前記レンズとの間に位置付けられた光学スペーサを含む
ことを特徴とする請求項86に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項88>
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルについて、前記光学スペーサが、前記レンズと実質的に同様の直径のチューブを含む
ことを特徴とする請求項87に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項89>
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルについて、前記光学スペーサが、光学的不透明材料を含む壁を含む
ことを特徴とする請求項88に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項90>
前記光学フィルタ層が、前記第1のレンズ層と前記光センサ層との間に配設され、
前記第1のレンズ層が、前記開口層と前記フィルタ層との間に配設される
ことを特徴とする請求項81に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項91>
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルについて、前記光学フィルタが、第1の帯域通過フィルタ及び第2の広帯域スペクトル遮断フィルタを含み、当該2つのフィルタ間の遷移領域における漏れを防止するように構成されている
ことを特徴とする請求項81に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項92>
個別の光ビームを当該光学システムの前方のフィールド内に投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む照明源
を更に備えたことを特徴とする請求項81に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項93>
各受信器チャネルの前記レンズが、対応する開口部を通して受信される光線をコリメートし、当該コリメートした光線を対応する光センサに通過させるように構成されている
ことを特徴とする請求項81に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項94>
各受信器チャネルの前記レンズが、半球状の基板であり、各受信器チャネルの前記光学フィルタが、前記レンズの曲面上のフィルタ層である
ことを特徴とする請求項81に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項95>
距離測定を実行するための光学システムであって、
発光システムであって、
バルク送信器光学系と、
前記バルク送信器光学系を通して個別の光ビームを当該光学システムの前方のフィールド内に投射するように位置合わせされた複数の発光体を含む照明源と、
を含む発光システムと、
光検出システムであって、
バルク受信器光学系と、
複数の開口部を含む開口層と、
第1の複数のレンズを含む第1のレンズ層と、
前記バルク受信器光学系を通過した後の光を受信し、ある放出帯域を通過させる一方で当該帯域外の放出を遮断するように構成された光学フィルタ層と、
複数の光センサを含む光センサ層であって、各光センサが、光子を検出するように構成された複数の光検出器と、前記光センサで受信する入射光子を前記複数の光検出器に集束するように構成された第2の複数のレンズと、を含む、光センサ層と、
を含む光検出システムと、
を備え、
当該光学システムは、複数の受信器チャネルを備え、当該複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルが、前記複数の開口部からの開口部と、前記複数の第1のレンズからのレンズと、前記光学フィルタ層からの光学フィルタと、前記複数の光センサからの光センサと、を含み、各チャネルの前記開口部がそのそれぞれのチャネルの個別の非重複視野を画定する
ことを特徴とする光学システム。
<請求項96>
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルについて、当該チャネルの前記光センサ内の前記複数の光検出器と前記第2の複数のレンズとの間に1対1の対応があり、
前記第2の複数のレンズ内の前記レンズの各々が、前記第2の複数のレンズ内のその対応するレンズに光子を集束させるように構成されている
ことを特徴とする請求項95に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項97>
前記第2の複数のレンズ内の各レンズは、共通の焦点距離を有する収束レンズである
ことを特徴とする請求項96に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項98>
距離測定を実行するための光学システムであって、
光学的透明窓を有する固定ハウジングと、
前記ハウジング内に配設され、前記光学的透明窓と位置合わせされた光測距デバイスと、
を備え、
前記光測距デバイスは、
プラットフォームと、
前記プラットフォームに結合された光送信器であって、バルク送信器光学系及び複数の送信器チャネルを含み、各送信器チャネルが、狭帯域光を生成して前記バルク送信器光学系を通して当該光学システムの外部のフィールド内に送信するように構成された発光体を含む、光送信器と、
前記プラットフォームに結合された光受信器であって、
バルク受信器光学系と、
複数の開口部を含む開口層と、
第1の複数のレンズを含む第1のレンズ層と、
前記バルク受信器光学系を通過した後の光を受信し、ある放出帯域を通過させる一方で当該帯域外の放出を遮断するように構成された光学フィルタ層と、
複数の光センサを含む光センサ層であって、各光センサが、光子を検出するように構成された複数の光検出器と、前記光センサで受信する入射光子を前記複数の光検出器に集束するように構成された第2の複数のレンズと、を含む、光センサ層と、
を含む光受信器と、
を含んでおり、
当該光学システムは、複数の受信器チャネルを備え、当該複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルが、前記複数の開口部からの開口部と、前記複数の第1のレンズからのレンズと、前記光学フィルタ層からの光学フィルタと、前記複数の光センサからの光センサと、を含み、各チャネルの前記開口部がそのそれぞれのチャネルの個別の非重複視野を画定し、
当該光学システムは、更に、
前記ハウジング内に配設され、前記ハウジング内の前記プラットフォーム、前記光送信器及び前記光受信器を含む前記光測距デバイスを回転させるように動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジング内に配設され、前記モータを制御し、前記光測距デバイスの光検出動作を開始及び停止するように構成されたシステムコントローラと、
を備えたことを特徴とする距離測定を実行するための光学システム。
<請求項99>
前記複数の受信器チャネル内の各受信器チャネルについて、当該チャネルの前記光センサ内の前記複数の光検出器と前記第2の複数のレンズとの間に1対1の対応があり、
前記第2の複数のレンズ内の前記レンズの各々が、前記第2の複数のレンズ内のその対応するレンズに光子を集束させるように構成されている
ことを特徴とする請求項98に記載の距離測定を実行するための光学システム。
<請求項100>
前記第2の複数のレンズ内の各レンズは、共通の焦点距離を有する収束レンズである
ことを特徴とする請求項99に記載の距離測定を実行するための光学システム。