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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ラッチ機構付き送り装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
A61B18/12
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020193501
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2021098000
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】10 2019 132 536.6
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510320416
【氏名又は名称】オリンパス・ウィンター・アンド・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク・イプセン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ブロックマン
(72)【発明者】
【氏名】ハンネス・ミーシュ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-175047(JP,A)
【文献】特表2017-500914(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0224427(US,A1)
【文献】米国特許第05429596(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 - 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡外科手術のための切除用内視鏡(12)用の送り装置(10)であって、
結合体(15)と、前記結合体(15)内のシステム構成部品(13)と結合するためにラッチシステム(18)とを有し、前記ラッチシステムが、前記送り装置(10)の長手軸に対して横手方向に配置された、係合孔(22)または係合溝(23)を備えた細長いラッチ要素(20)とばね要素(24)とを含むものにおいて、
前記ラッチ要素(20)と前記結合体(15)との間に、前記ラッチ要素(20)の長手軸に対して平行に配置された1つまたは複数の洗浄路(25)が形成されており、洗浄液を導入または導出するための前記洗浄路(25)が前記ラッチ要素(20)の両端(28)に開いていることを特徴とする送り装置。
【請求項2】
前記洗浄路(25)により、洗浄液が前記送り装置(10)の横側(30)から前記送り装置(10)の反対側(32)へ誘導され得ることを特徴とする、請求項に記載の送り装置。
【請求項3】
前記ラッチ要素(20)が、前記ラッチ要素(20)の長手軸に対して平行に配置された1つまたは複数の洗浄溝(26)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の送り装置。
【請求項4】
前記結合体(15)が、前記ラッチ要素(20)の長手軸に対して平行に、かつ前記ラッチ要素(20)に隣接するように配置された1つまたは複数の洗浄溝(26)を有することを特徴とする、請求項1~の何れか1項に記載の送り装置。
【請求項5】
前記洗浄溝(26)により生成された前記洗浄路(40)が前記ラッチ要素(20)の全長に亘って延びていることを特徴とする、請求項またはに記載の送り装置。
【請求項6】
前記システム構成部品(13)が細長いシャフト部分(16)を有することを特徴とする、請求項1~の何れか1項に記載の送り装置。
【請求項7】
前記ラッチシステム(18)が、前記システム構成部品(13)の近位端領域と結合するように形成されていることを特徴とする、請求項1~の何れか1項に記載の送り装置。
【請求項8】
前記システム構成部品(13)の近位端領域が、前記ラッチシステム(18)の前記係合孔(22)または係合溝(23)に挿入され得ることを特徴とする、請求項1~7の何れか1項に記載の送り装置。
【請求項9】
前記システム構成部品(13)が作業器具(14)細長いシャフト部分(16)と、その遠位端に高周波電流を加えられ得る電極(44)とを備えた電極器具(42)であることを特徴とする、請求項1~の何れか1項に記載の送り装置。
【請求項10】
前記送り装置(10)が、前記作業器具(14)の長手方向の移動を制御するように形成されていることを特徴とする、請求項に記載の送り装置。
【請求項11】
前記ラッチシステム(18)が細長い係止要素(34)を含み、前記係止要素が、前記ラッチ要素(20)の長手軸に対して横手方向に、前記ラッチ要素(20)の前記外壁(38)内の係止溝(36)内に配置されていることを特徴とする、請求項1~10の何れか1項に記載の送り装置。
【請求項12】
前記ばね要素(24)が圧縮ばねまたは圧縮コイルばねであることを特徴とする、請求項1~11の何れか1項に記載の送り装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れか1項に記載の送り装置(10)と前記送り装置(10)内にラッチ係合されるシステム構成部品(13)とを含むことを特徴とする、内視鏡外科手術に使用するための切除用内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部において述べられる種類の送り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な様式の送り装置は切除用内視鏡において、とりわけ泌尿器科学において外科手術の際に膀胱および尿道内で使用される。それらの送り装置は組織、例えば下部尿路内の組織を切除し、蒸発させるために、例えば電気外科手術用貫通器具と結合して使用される。そのために切除用内視鏡は長手方向に移動可能な電極器具を含み、その電極器具は切除用内視鏡を挿入した後に、その遠位作業端で切除用内視鏡の軸管の遠位端から押し出され得る。
【0003】
電極器具はその近位端で切除用内視鏡の送り装置と結合されていて、切断動作を実行するために、その送り装置により電極器具が長手方向に移動され得る。送り装置は通常取り外し可能に切除用内視鏡の軸管の近位端に固定されている。
【0004】
送り装置は長手方向に移動可能な摺動部を有し、その摺動部と電極器具が共に長手方向に移動するために連結され得る。送り装置の操作は通常は手指により行われ、それらの指は一方では摺動部を、他方では誘導管と固定的に結合されている送り装置の固定部をつかむ。その際、送り装置の移動は例えば、ねじりコイルばねまたは皿ばねとして形成され得る復元ばねに逆らって行われ得る。例示の器具は、特許文献1~4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許公開102011011216号
【文献】米国特許公開2004/0242959号
【文献】米国特許第6358200号
【文献】独国特許公開3500527号
【0006】
送り装置と、電極器具のような、送り装置により長手方向に移動可能な作業器具またはシャフトのような他の固定システム構成部品との間の連結は通常、ラッチ結合を介して行われる。例えば電極器具の近位端を送り装置内の対応する接合相手と接触させる場合、一般に電極器具を挿入することにより、その器具の自動係合が行われる。電極器具のラッチ解除はそれとは異なり通常、手動で促されなければならない。
【0007】
電極器具の係合は今のところ、器具シャフトにおいてそのために設けられた溝内の細長いラッチ要素の抜け防止により行われる。ラッチ要素はそのために、送り装置内の作業器具および切除用内視鏡シャフトの長手方向に対して横手方向に配置されている。ラッチ要素での挿入斜面により、挿入された作業器具のシャフトは、ラッチ要素をその本来の長手軸に沿いつつ作業器具の長手軸に対して横手方向に移動させる力を生成する。ばね要素を用いて加えられる逆圧により、次にラッチ要素はその出発位置に押し戻され、ラッチ結合での抜け防止が確保される。ラッチ結合に使用されるばね要素は、例えば圧縮ばねまたはエラストマー成形品であり得る。
【0008】
そのうえ作業器具に係合していなくても、ラッチ要素の定義された静止位置を確保し、望ましくない分解を防止するために、ラッチ結合は通常はしっかりと設置された係止要素を含み、その係止要素は、ラッチ要素の打ち抜き穴内に設置されて、送り装置からのラッチシステムの望ましくない落下を防止する。
【0009】
作業器具または他の係合されたシステム構成部品のラッチ解除は、手動で、即ち操作者により手で実行される、送り装置の長手軸に対して横手方向へのラッチ要素の移動により行われる。
【0010】
ラッチ要素は、送り装置の結合体内の経路内で移動可能に配置されているので、ラッチ要素の周りには、洗浄および殺菌中に到達することが難しい狭い隙間がある。ラッチ要素の移動はさらにこの隙間内の不純物による汚染をもたらし得る。さらに、結合体内のラッチ要素がその内部に配置されている経路は、多くの場合、送り装置の両側で閉ざされている。その際、経路は一方の側では送り装置の側壁により閉ざされ、他方の側では例えばエラストマー成形品の形態のばね要素または操作要素により閉ざされる。このことは、さらに洗浄を困難にし、洗浄しがたい他の中空空間を作り出す。また係止要素のために設けられたラッチ要素の打ち抜き穴においても、不純物が蓄積し得る。エラストマー成形品をばね要素として用いることにはさらに、ラッチ要素を操作する際に生じる変形により、不純物がばね要素内の、洗浄しがたいまたは洗浄できない場所に閉じ込められ得るという危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は従って、特に作業器具および他のシステム構成部品に係合するのに設けられたラッチシステムの領域において、より容易により確実に洗浄され得る送り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、請求項1の特徴を有する送り装置によりおよび請求項14の特徴を有する切除用内視鏡により解決される。
【0013】
本発明は特に第1の態様において、内視鏡外科手術のための切除用内視鏡用の送り装置であり、送り装置が結合体と、その結合体内のシステム構成部品と結合するためにラッチシステムとを有し、そのラッチシステムが、好ましくは送り装置の長手軸に対して横手方向に配置された、係合孔または係合溝を備えた細長いラッチ要素とばね要素とを含む、送り装置であって、ラッチ要素と結合体との間に、ラッチ要素の長手軸に対して平行に配置された1つまたは複数の洗浄路が形成されていることを特徴とする送り装置に関する。
【0014】
好ましい実施形態において、本発明は、内視鏡外科手術のための切除用内視鏡用の送り装置であり、送り装置が、細長いシャフト部分を有する作業器具の長手方向の移動を制御するように形成されているとともに、作業器具の近位端領域と結合するためにラッチシステムを有し、そのラッチシステムが、送り装置の長手軸に対して横手方向に配置された横側の係合孔を備えた細長いラッチ要素とばね要素とを含む、送り装置であって、ラッチ要素が、ラッチ要素の長手軸に対して平行に配置された1つまたは複数の洗浄溝を有することを特徴とする送り装置に関する。
【0015】
関連の一態様において、本発明は、本発明による送り装置と、好ましくは送り装置内にラッチ式に係合されるシステム構成部品、特に好ましくは作業器具とを含むことを特徴とする、内視鏡外科手術に使用するための切除用内視鏡に関する。
【0016】
本発明に従って洗浄溝をラッチ要素および/または結合体に入れることによりラッチシステムの洗浄と殺菌とを容易にし、向上させる外から到達可能な洗浄路が送り装置内に形成される。ラッチシステムの全ての要素の周りには洗浄中に洗浄液が通り得る、または殺菌の際に殺菌ガスが到達し得る。それにより器具の継続的な汚染のおそれは、従来技術と比べて明らかに低減されている。
【0017】
本発明に従って変更されたラッチシステムは、内視鏡外科手術に用いられる送り装置に適している。これらの器具には高い清潔度および無菌性が特に重要である。送り装置は一般に切除用内視鏡の一部であり、その切除用内視鏡は、そのほかになお通常の構成形態では管状のシャフトを備えたシャフト部と送り装置によりシャフト部に挿入可能な細長い光学系とを有する。切除用内視鏡の部品は各々の手術の要求に整合され、そのために変化し得る。
【0018】
切除用内視鏡は、送り装置、シャフト部および光学系と併せて他の部品、例えば光ファイバ束のような発光手段と、切除用内視鏡のシャフトにより手術箇所に誘導され、その場所で例えば組織を操作するのに使用され得る様々な作業器具(貫通器具)とを有し得る。
【0019】
送り装置は、本発明のラッチシステムがその内部に配置されている、結合体を有する。結合体は従ってラッチシステムに、特にラッチシステムのラッチ要素に直に隣接しているが、ラッチシステムの他の構成部品にも隣接している。送り装置が、係合されたシステム構成部品を長手方向に移動させるように形成されているとすれば、結合体は例えば送り装置の摺動部であっても、その摺動部の一部であってもよい。
【0020】
送り装置はラッチシステムを用いてシステム構成部品と結合するように形成されている。好ましくは特に送り装置の結合体はシステム構成部品と結合するように形成されている。これは、システム構成部品が、ラッチシステムを用いて送り装置内に、特にその結合体内に取り外し可能に保持され得ることを意味する。
【0021】
ラッチシステムは様々な部品に係合するのに適している。従ってシステム構成部品は、送り装置、特にその結合体と取り外し可能に結合されることになる切除用内視鏡の何れの構成部品(部品)でもよい。その際、システム構成部品は送り装置の一部ではない。システム構成部品は、例えば、作業器具(貫通器具)、光学系、軸管システム(例えば被覆管および/または内部管)等から成る群から選択されることができる。好ましい実施形態ではシステム構成部品は作業器具である。別の実施形態ではシステム構成部品は光学系である。
【0022】
それに対応して、本発明による送り装置が、本明細書に記載される1つのラッチシステムばかりではなく、複数のラッチシステムも含み得ることがわかる。その際、様々なラッチシステムはそれぞれ、異なるシステム構成部品に係合するように形成され、配置されている。送り装置は、例えば本明細書に記載されるラッチシステムのうちの1つ、2つ、3つまたはそれ以上、好ましくは2つ以上のラッチシステムを含み得る。
【0023】
上述のように、係合可能なシステム構成部品は好ましくは作業器具である。これらのシステム構成部品は一般に、医療の専門家が手術箇所で柔軟な手術をできるように、切除用内視鏡内に長手方向に移動可能に配置されている。送り装置はそれに対応して、作業器具の長手方向の移動を制御するように形成されていてもよい。内視鏡外科手術における手術に使用され得る適切な作業器具は、当業者にとって周知のものである。作業器具は例えば電極器具であっても、尿石捕捉器具であってもよく、その際、本明細書に記載の作業器具は好ましくは電極器具である。
【0024】
電極器具は細長いシャフト部分(シャフト部)を有し、切除用内視鏡用の貫通器具として、即ち切除用内視鏡の軸管により身体開口部に挿入可能な器具として形成されている。電極器具はその遠位端に、高周波電流を加えられ得る電極を有する。電極は、切断ループ、蒸発ヘッド(PlasmaButton:登録商標)または他の市販の電極であり得る。好ましくは、電極は切断ループ電極である。対応する電極および電極器具は当業者に周知のものである。
【0025】
電極器具は、電極を電極装置の一部として含む二極性の電極器具であってもよい。この場合、電極器具は例えば電極器具の遠位端領域内に、中性電極として形成されている第2の電極を含むことになる。代わりに第2の電極(中性電極)はそのうえ、切除用内視鏡の遠位端領域の他の要素に配置されてもよい。当然、電極器具はそのうえ、単極性の器具として形成されてもよい。
【0026】
システム構成部品は細長いシャフト部分を有し得る。好ましくはシステム構成部品の長手軸は、切除用内視鏡シャフトの長手軸または送り装置の長手軸に対して平行である。システム構成部品の近位端はラッチシステムと接合されてもよい。しかしシステム構成部品の側面を、結合体にまたは結合体内に横に配置された係合孔または係合溝と結合させる、即ちラッチ式に係合させることも考えられる。しかしラッチシステムは好ましくは、システム構成部品の近位端領域と結合するように形成されている。この実施形態では、システム構成部品の近位端領域がラッチシステムの係合孔または係合溝に挿入され得る。
【0027】
システム構成部品が作業器具である場合、その作業器具は送り装置により切除用内視鏡のシャフト内で長手方向に移動可能であってもよく、即ち軸方向において遠位および近位に向かって移動することができる。切除用内視鏡に接続するために作業器具は細長いシャフト部分を有し、そのシャフト部分は、連動結合を作り出すためにその近位端領域で、送り装置が包含する摺動部にラッチ式に係合され得る。摺動部は通常は管上を摺動し、ばね装置を介してばねで加圧されて静止位置に保持される。つまり作業装置、例えば電極を遠位端で、切断されるべき組織に近づくようにまたはその組織から遠ざかるように移動させることができ、切除用内視鏡全体を移動させる必要はない。さらに作業器具を長手方向に移動できることにより、例えば、遠位の電極と絶縁挿入物との間に組織を挟み込み、手術箇所から取り除くことができる。
【0028】
作業器具のシャフト部分の近位端領域は、ラッチシステムを用いて送り装置と結合されている。ラッチシステムは送り装置の一部であり、好ましくは送り装置の摺動部内に配置されている。このように作業器具は、その器具を摺動部にラッチ式に係合した後、その摺動部とともに移動され得る。
【0029】
本発明による送り装置のラッチシステムはラッチ要素とばね要素とを常に含み、さらに任意選択で係止要素を含み得る。ラッチシステムは、ラッチ要素、および任意選択で係止要素が大部分、即ちほぼ50%またはそれ以上、送り装置内に配置されているように、送り装置内におよび送り装置に配置されている。そのために送り装置は、対応する経路状の空洞(経路)を有する。この空洞は少なくとも送り装置の片側で、好ましくは両側で開いている。その空洞は、ラッチシステムに対して形および寸法の面でほぼ相補的である。もっとも、上述のように、ラッチ要素、ばね要素および係止要素の縁領域には、製造の範囲において生じ、および/またはラッチシステムの回転自由度および移動自由度若しくは他の機能を確保するのに必要な空いた隙間が確かに存在する。
【0030】
ラッチ要素は細長く、送り装置の長手軸に対して横手方向に配置されている。ラッチ要素はシャフト部を有し、末端にシャフト部よりも大きな直径を有するヘッド部を有し得る。このヘッド部は、例えばばね要素を支えるのに用いられ得る。好ましくはシャフト部およびヘッド部は、場合により洗浄溝用のくり抜きを備えたほぼ丸い断面を有する。従ってラッチ要素は、言い換えればそのシャフト部において、場合により洗浄溝および係止溝用のくり抜きを備えたほぼ円筒形を有し得る。
【0031】
ラッチ要素はその外装面に、即ちその長手軸に対して横側に(側面側に)1つ若しくは複数の横側の係合孔および/または1つ若しくは複数の横側の係合溝を有する。係合孔のうちの1つまたは係合溝のうちの1つは、システム構成部品、好ましくは作業器具の近位端領域の一部を挿入するように配置され、適合されている。
【0032】
係合孔は経路状に形成されてもよく、ほぼ円筒形の内部空間を有し得る。係合孔はラッチ要素のシャフト部を経路状に通り得る。係合孔は従ってラッチ要素の両側で開口を生成し得る。代わりに係合孔は作業器具の向かい側で閉ざされていてもよい。
【0033】
係合溝は、U形のまたは部分的に円形の断面を有し、ラッチ要素のシャフト部を通り得る。その溝は好ましくは両側でその長手方向に沿って開いていて、即ち気体または液体により貫流され得る。
【0034】
係合孔または係合溝は、ラッチ要素の長手軸に対して横手方向に配置されている。
【0035】
ラッチ要素は、例えば係止要素を嵌入するための他の係合孔を有し得る。しかしながら本発明によれば、本明細書の別の場所で記載されているように、係止要素がラッチ要素の外壁内の係止溝内に配置されていることが好ましい。
【0036】
システム構成部品、好ましくは作業器具のラッチ要素への挿入および自動係合を可能にするために、係合孔または係合溝は部分的に漏斗形状の入口領域、即ち片側で傾斜のある入口領域を有し得る。この入口領域では嵌入開口または係合溝が広げられて形成されている。作業器具の近位端は挿入の間、入口領域の斜面に沿って摺動し、その際、圧縮ばねとして形成されたばね要素が圧縮されるようにラッチ要素を横側に、即ち送り装置の長手軸に対して横手方向に移動させ得る。
【0037】
システム構成部品、好ましくは作業器具の近位端領域用に設けられた係合孔または係合溝はさらに、作業器具のラッチ要素または溝とのラッチ結合に入る1つまたは複数のラッチ要素または溝を含み得る。このように、ラッチ結合における適切な抜け防止が確保され得る。
【0038】
ラッチ要素と結合体との間には本発明によれば、ラッチ要素の長手軸に対して平行に配置された1つまたは複数の洗浄路が形成されている。洗浄路は、ラッチ要素の外壁内に洗浄溝を形成するまたはラッチ要素に隣接する結合体の内面内に洗浄溝を形成するかのどちらかにより形成され得る。また両方の部分での洗浄溝の組み合わせも考えられ、本発明の範囲内で可能である。従って一実施形態において、ラッチ要素は、ラッチ要素の長手軸に対して平行に配置された1つまたは複数の洗浄溝を有する。代わりにまたは追加的に結合体は、ラッチ要素の長手軸に対して平行に、好ましくはラッチ要素に隣接するように配置された1つまたは複数の洗浄溝を有し得る。本発明の範囲内で、両方の部分において、ラッチ要素の洗浄溝がそれぞれ結合体の洗浄溝に隣接するように洗浄溝を形成することも考えられる。
【0039】
洗浄溝はそれぞれ、部分的に円形の、例えば半円形のまたはU形の断面を有し得る。洗浄溝は、流体経路を生成するのに適し、その流体経路を介してラッチ要素と送り装置の残りの部分との間に生じる隙間が洗浄液で洗浄され得る。そのために、洗浄液を導入または導出するための洗浄溝は、好ましくは細長いラッチ要素または隣接する結合体の両端で開いている。ラッチ要素の両端は、ラッチ要素の長手軸に沿ってある末端である。送り装置内では、これらの末端は送り装置の側面に(横側に)向けられている。洗浄溝によりそれに対応して、洗浄液および/またはガス(殺菌ガス)が送り装置の横側から送り装置の対側へ誘導され得る。
【0040】
ラッチ要素または結合体は1つまたは複数の洗浄溝、即ち1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の洗浄溝を有し得る。好ましい実施形態ではラッチ要素または結合体が、好ましくはラッチ要素が、4つの洗浄溝を有する。洗浄溝はラッチ要素の長手軸の周りに、その周面上と、結合体の空洞の内周上とに分配されていてもよい。その際、全ての洗浄溝は、好ましくは互いに対して等距離で離隔されている。つまり4つの洗浄溝を備えたラッチ要素または結合体では、溝が、例えばその周囲上にまたは空洞の内周上に0°、90°、180°および270°で配置されることになる。好ましくは相互に向き合う洗浄溝の組がそれぞれ、ラッチ要素上にまたは空洞の内周上に配置されている。
【0041】
ラッチ要素はさらに細長い係止要素を含む場合があり、その係止要素は、ラッチ要素の長手軸に対して横手方向に、ラッチ要素の外壁内の係止溝内に配置されている。係止要素は作業器具が不在の際に、ラッチシステムが送り装置から落下するのを妨げる。係止要素は細長いシャフトを有し、その一方の末端、好ましくは近位端が、少なくとも部分的に送り装置または摺動部の開口内に配置され、その開口はラッチ要素の一部ではない。この末端は言い換えれば、ラッチシステムを取り囲む送り装置の本体内に配置されている。係止要素の他方の末端、好ましくは遠位端は、ラッチ要素の係止溝内に配置されている。従って係止要素の一部は作業器具の不在の際に係止溝の側面にあり、即ちラッチ要素がばね要素により加えられるばね力の方向にさらに移動するのを妨げる。係止要素は、結合体の外から到達可能な、より幅広い直径のヘッド部を含み得る。
【0042】
係止溝はラッチ要素のシャフト部内の横側に配置されている。その際、係止溝は好ましくは、ばね要素と隣接していないラッチ要素の末端領域に位置を定められている。係止溝は部分的に円形の断面を有し得る。係止溝は好ましくは1つまたは複数の洗浄溝に隣接し、該1つまたは複数の洗浄溝とともに洗浄路を形成する。洗浄溝と任意選択で係止溝とにより生成された洗浄路は、好ましくはラッチ要素の全長にわたり延びている。
【0043】
係止溝は少なくとも部分的に係止要素に対して形状および寸法において相補的に形成され、配置されている。その際、しかしながら係止溝は、ラッチ要素の長手方向へのラッチ要素の所望の移動可能性を確保するために、ラッチ要素の長手方向に、係止要素の幅よりも大きな直径を有する。
【0044】
ラッチシステムはさらにばね要素を含む。ばね要素は、送り装置の外側の方向に、例えば係止要素とは反対の外側の方向にばね力を加える。作業器具のシャフトが係合孔に挿入されている場合、それによりその抜け防止を確保するために圧力がシャフトに加えられる(締め付け作用)。ばね要素は好ましくは圧縮ばねであり、例えば圧縮コイルばねまたは弾性成形品である。好ましい実施形態では、ばね要素は圧縮コイルばねである。この圧縮コイルばねはラッチシステム内に追加の中空空間を生成するので、そのようにして得られるラッチシステムは、より容易に、より確実に洗浄され得る。ばね要素、特に圧縮ばね要素が金属製であることが特に好ましい。適切なばね要素は当業者にとって周知のものである。
【0045】
図面では本発明の実施例が概略的に示されている。それは以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】送り装置と、送り装置の摺動部を用いて長手方向に移動可能な電極器具とを有する、本発明による切除用内視鏡の横概略断面図である。
図2】送り装置の摺動部を用いて長手方向に移動可能な電極器具を有する、本発明による送り装置の横概略断面図である。
図3】ラッチ要素、ばね要素および係止要素を備えたラッチシステム、ラッチシステムが洗浄路を有していない、従来技術の送り装置の一部の概略断面図である。
図4図3の部分の90°回転された概略断面図である。
図5】係止要素の洗浄溝が認識され得る、本発明による送り装置のラッチシステムの送り装置の長手方向からの概略断面図である。
図6】本発明による代わりの送り装置のラッチシステムの送り装置の長手方向からの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の他の利点、特徴および性質は、添付の図面に基づいた実施例の以下の詳細な記述において明らかである。但し本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
図1は、送り装置10と送り装置10の摺動部62を用いて長手方向に移動可能な電極器具42とを有する、本発明による切除用内視鏡12の横概略断面図を示す。電極器具42は、ラッチシステム18を用いて送り装置10に取り外し可能に保持されることになる送り装置10のシステム構成部品13である。
【0049】
切除用内視鏡12はシャフト46を有し、そのシャフトは、図示されていない被覆管と内部管とから構成される、破線で示された軸管システム48を含む。軸管システム48内には光学系誘導管50が通り、光学系誘導管50内には光学系54が通っている。光学系誘導管50と軸管システム48との間には、電極器具42として形成されている作業器具14が通っている。さらに光学系誘導管50の内部にはまたはその外には、図示されていない例えば光ファイバ束の形態の照明手段が通っている。さらに、例えば分離した洗浄管等のような、ここでは図示されていない他の要素が切除用内視鏡12内を通り得る。軸管システム48はその遠位端領域に、ここでは図示されていない開口を含み、その開孔を通じて、汚染された洗浄液が被覆管と内部管との間の中間空間に流れ込み、切除用内視鏡シャフト46を通って流出し得る。
【0050】
電極器具42は、部分的に円形の断面を有する誘導要素52を用いて、シャフト46の長手方向から逸れる移動、例えばその長手方向に対して横手方向の移動に対して保護されている。誘導要素52は光学系54に支えられている。電極器具42は長手方向に移動可能に光学系誘導管50に据え置かれていて、細長いシャフト16を有する。
【0051】
電極器具42のシャフト16の近位端は、図1では図示されていないが、送り装置10の摺動部62の内部にラッチ式に係合されている。摺動部62は従って、示された実施形態において結合体15とみなされ得る。電極器具42は把持部56、58を操作することにより強制誘導的に軸方向に遠位および近位の方向へ移動され得る。その際、その電極器具は、光学系誘導管50および軸管システム48の遠位端を越えて向こうへ押し出され得る。つまりその電極器具により、操作者は、切除用内視鏡先端からさらに離れた組織を操作することもできる。電極器具42はその遠位端に電極44を有し、電極は切断ループとして形成されていて、その電極を用いて電気外科的な切除により組織が除去され得る。その際、組織を切り尽くすために、電極44には高周波電圧が印加される。
【0052】
図示された切除用内視鏡10は受動的な送り装置10を有し、その送り装置において、摺動部62は、切除用内視鏡シャフト46の近位に配置された把持部56および58を、ばねブリッジ60により加えられるばね力に逆らって互いに対して相対移動させることにより、遠位の第1の把持部56に対して遠位方向に移動される。摺動部62を把持部56に対して遠位方向に移動させる際に、電極器具42は、図1に示されていない係合によりラッチシステム18内で強制誘導的に遠位に向けて移動される。把持部58、56のラッチ解除の際、ばねブリッジ60により生成されるばね力は摺動部62をその静止位置に強制的に戻し、その際、電極器具42は近位方向に引かれる。摺動部62の逆行移動の際に、操作者の手の力を用いずに、従って受動的に、電気器具42を使った電気外科手術が行われ得る。
【0053】
図2は、送り装置10の摺動部62を用いて長手方向に移動可能な電極器具42と光学系誘導管50とを有するが、切除用内視鏡12の軸管システム48と光学系54とを有していない、図1に模写された本発明による送り装置10の横概略断面図である。そのシャフト部分16の近位端領域を有する電極器具42が、送り装置10の摺動部62内に挿入されていて、この摺動部により保持されることがわかる。
【0054】
図3および図4は、ラッチ要素20とばね要素24と係止要素34とを備えたラッチシステム18を含む従来技術の送り装置10の一部の概略断面図を示す。従来技術の送り装置10は主に、図3および図4に示される送り装置10のラッチ要素20が洗浄路を有していないという点で図5に模写された本発明による送り装置10と異なる。図4は、図3の一部の90°回転された概略断面図を示す。
【0055】
作業器具14のシャフト部分16の近位端領域が示されているが、その近位端領域は、図3では係合孔22の上方に示されていて、まだ係合孔に挿入されていないため、まだその係合孔にラッチ係合されていない。末端領域は、係合孔22の直径よりも小さな直径を有する。係合孔22はラッチ要素20のシャフト領域内に形成され、このラッチ要素を貫通している、即ち両側で開いている経路の形に形成されている。シャフト部分16を係合孔22の半漏斗形状の末端領域に挿入することにより、ラッチ要素20はその長手軸に沿って係止要素34の方向にまたは漏斗始端の方向に(図3では左に向かって)移動する。
【0056】
係合孔22および作業器具14のシャフト部分16の末端領域は、本明細書の別の箇所で記載されているように、図示されていない相補的なラッチ突端およびラッチ溝を有し、それにより追加のラッチ結合を形成し得る。さらにばね要素24により、ラッチシステムのラッチ突端は常にラッチ溝の基底に押し付けられる、即ち作業器具14のシャフトに圧力が加えられる。それによりラッチシステム18内での抜け防止が確保される。ばね要素24は、ラッチ要素20の長手軸の方向から見れば、ラッチ要素20の末端に配置されている。ばね要素24は弾性成形品として形成され、ラッチ要素20および係止要素34とは異なり、部分的に送り装置10の外に配置されている。送り装置側壁で横側に出ているばね要素24の部分は、ラッチ要素20を手動で操作するのに、特に作業器具14とラッチシステム18との間にあるラッチ結合を解除するに用いられ得る。(手による)押圧がばね要素24に加えられる場合、その力は任意選択の力伝達要素64を介してラッチ要素20へ伝達され、ラッチ要素20は送り装置10の内部においてその長手軸に沿って移動される。それにより、係合孔22とシャフト部分16との間の締付接合および/またはラッチ結合が解除されるので、作業器具14を容易に切除用内視鏡12から引き出すことができる。
【0057】
送り装置10はさらに係止要素34を有し、その係止要素は、部分的に第2の係合孔22内にかつ部分的に結合体15内の詳細に図示されていない経路内に配置されている。それによりラッチ要素20も送り装置10内に保持され、作業器具14が第1の係合孔22内に配置されていない時の落下から保護される。係止要素34は細長く形成され、ラッチ要素20の長手方向に対して横手方向にかつ送り装置10およびシャフト46の長手方向に対して平行に方向付けられている。係止要素34用に設けられた係合孔22は好ましくは、作業器具14用に設けられた係合孔22に対して実質的に平行な経路として形成されている。さらにその係止要素用係合孔は、ラッチ要素20のその長手方向への所望の移動を妨げないように、ラッチ要素20の長手方向で係止要素34の直径よりも幅広い。好ましくは追加の幅、即ち係止要素の直径を超える幅は、ラッチ要素20の所望の行程に対応する。
【0058】
図5は、本発明による送り装置10のラッチシステム18の、送り装置10の長手方向からの概略断面図を示し、そこでは係止要素34の洗浄溝26が認識され得る。本発明による送り装置10は、図3および図4に示されるものと少なくともここに示される洗浄溝26の点で異なる。係合孔22への係止要素34の配置またはばね要素24としての弾性成形体の使用のような他の特徴は、本発明の送り装置10にも適用され得る。
【0059】
ラッチ要素20の洗浄溝26はラッチ要素20の長手軸に対して平行に、ラッチ要素20の一方の末端から他方の末端へ延びている。これにより、洗浄の際に洗浄液が完全に流れることが確保される。洗浄溝26はU形の断面を有する。
【0060】
ラッチ要素20は、結合体15の外側にあるその末端にヘッド部分を有し、そのヘッド部分は、送り装置10の内部に延びているラッチ要素20のシャフト部分よりも大きな直径を有する。シャフト部分に向き合うヘッド部分の側面は、金属製の圧縮コイルばねとして形成されているばね要素24用の支持面として用いられる。ばね要素24は、その他方の末端が結合体15の肩部にあり、外に向かって圧力を加える。
【0061】
それにも拘らず、ラッチシステム18は、係止要素34により送り装置10の結合体15内に保持される。係止要素34は、概ね図3および図4に示された係止要素34のように形成されているが、相補的な係合孔ではなく、ラッチ要素20の外壁に形成されてその長手軸がラッチ要素20の長手軸に対して横手方向にある係止溝36に係合している。係止溝36は係止要素34の直径よりも幅が広いので、ラッチ要素20の所望の移動は妨げられない。
【0062】
図6は、本発明による代わりの送り装置10のラッチシステム18の概略断面図を送り装置10の長手方向から示す。ラッチ要素20は、ここでは図示されていないが図5に示されるような洗浄溝26を含み、それらの溝はそれぞれ、ラッチ要素20と結合体15との間に洗浄路25を形成するのに適している。
【0063】
図5による送り装置10とは異なり、図6に示される送り装置10のばね要素24は、ラッチ解除要素66とは反対のラッチ要素20の側に配置されている。結合体15内にラッチ要素20用に設けられた経路(空洞)は、結合体15の両側で開いているのではなく、片側で閉じている。ばね要素24はこの経路の閉じた側に配置されていて、一方の側で経路の末端に支えられ、他方の側でラッチ要素20に支えられている。ばね要素24を支えるためにラッチ要素20はこの末端に、ラッチ要素20の長手方向にその長手軸の周りに巡らされるように形成されている溝を有する。
【0064】
ラッチ解除要素66は操作要素(ボタン)であり、それを用いて作業要素14とラッチシステム18との間のラッチ結合は解放され得る。そのためにラッチ解除要素66は、ばね要素24の向かいのラッチ要素20の側に、即ちラッチ要素20用に結合体15内に設けられた経路の、外に向かって開いている側に配置されている。
【0065】
さらに図6に示されるラッチシステム18は、作業要素14の近位末端領域がラッチ要素20の係合孔22内にではなく、係合溝23内に配置されている点でも図5に示されるものと異なる。係合溝23はラッチ要素20の外壁(外装面)内に配置されている。係合溝23の長手軸は、ラッチ要素20の長手軸に対して横手方向に通っている。
【0066】
係止要素34は、結合体15の外から到達可能なヘッド領域を有し、そのヘッド領域は、結合体15および係止溝36内に配置された係止要素34のシャフト部分よりも幅広い直径を有する。
【0067】
本発明は実施例に基づいて詳細に記載されたが、当業者には、本発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、むしろ添付された請求項の保護範囲から逸脱しない限り、個別の特徴が省略され得るようにまたは説明された個別の特徴の異なった組み合わせが実現され得るように変更可能であることは自明である。本開示は、説明された個別の特徴の全ての組み合わせを含む。
【符号の説明】
【0068】
10 送り装置
12 切除用内視鏡
13 システム構成部品
14 作業器具
15 結合体
16 シャフト部分
18 ラッチシステム
20 ラッチ要素
22 係合孔
23 係合溝
24 ばね要素
25 洗浄路
26 洗浄溝
28 ラッチ要素の末端
30 横側の送り装置面
32 対側の送り装置面
34 係止要素
36 係止溝
38 外壁
40 洗浄路
42 電極器具
44 電極
46 シャフト
48 軸管システム
50 光学系誘導管
52 誘導要素
54 光学系
56 把持部
58 把持部
60 ばねブリッジ
62 摺動部
64 力伝達要素
66 ラッチ解除要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6