(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】無線周波数識別トランスポンダを製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
G06K19/077 136
G06K19/077 280
G06K19/077 208
G06K19/077 144
(21)【出願番号】P 2020520492
(86)(22)【出願日】2018-10-09
(86)【国際出願番号】 IB2018057813
(87)【国際公開番号】W WO2019073381
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-09
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】522261776
【氏名又は名称】ディジタル タッグス フィンランド オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フータサロ、ラウリ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤラ、ユハ
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第01/062517(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0029921(US,A1)
【文献】特表2004-531887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0089408(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0221738(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0279230(US,A1)
【文献】特開2003-152017(JP,A)
【文献】特表2021-501998(JP,A)
【文献】国際公開第2019/087086(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
担持基板上に構成された無線周波数識別(RFID)トランスポンダ(400)を製造するための方法であって、
第1の基板(100)を与えること(S1)であって、前記第1の基板(100)が、その上に構成された少なくとも1つのアンテナ要素(101)と、好ましくは前記第1の基板(100)の長手方向延長部に沿ってその上に連続的に構成されたいくつかのアンテナ要素とを有し、各アンテナ要素(101)が導電パターンによって形成された、第1の基板(100)を与えること(S1)と、
第2の基板(200)を与えること(S2)であって、前記第2の基板(200)が少なくとも1つのRFIDストラップを有し、各RFIDストラップが、集積回路(IC)(202)と、前記ICに結合された少なくとも1つの接触パッド(201)と、好ましくは前記第2の基板(200)の長手方向延長部に沿って連続的に構成されたいくつかのRFIDストラップとを備える、第2の基板(200)を与えること(S2)と、
前記第1及び第2の基板を一緒にまとめること(S3)であって、それによって前記アンテナ要素(100)を前記少なくとも1つの接触パッド(201)と機械接触させる、まとめること(S3)と、
前記接触パッド(201)を前記少なくとも接触パッド(201)の特性融点に少なくとも等しい温度まで加熱する(S4)ことであって、それによって前記アンテナ要素(101)を前記少なくとも1つの接触パッド(201)に電気的に接続する、加熱すること(S4)と
によって、前記第1の基板(100)上のアンテナ要素(101)を前記第2の基板(200)上の前記少なくとも1つの接触パッド(201)に電気的に接続することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記加熱することが非接触加熱技法を使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加熱の間又は前記加熱の後に前記アンテナ要素(101)及び前記少なくとも1つの接触パッド(201)を互いに対して押し付けること(S5)をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
接着剤(102、203)が前記第1及び第2の基板(100、200)のうちの少なくとも1つの上に構成され、前記接着剤(102、203)は、前記第1及び第2の基板(100、200)が一緒にまとめられた後に、前記第1及び第2の基板(100、200)を一緒に接着するように構成された、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1及び第2の基板(100、200)のうちの少なくとも1つが、紙、ボード、ポリマー・フィルム、繊維及び不織材料のうちの少なくとも1つから製造された、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の基板(200)上の前記少なくとも1つの接触パッド(201)が、スズとビスマスとを含む合金から製造された、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記特性融点が300℃未満、好ましくは200℃未満、たとえば100℃から200℃までの範囲内である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の基板がウェブであり、前記第2の基板が第2の基板ウェブのロールの形態で与えられる、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法がロールツーロール・プロセスであり、前記第1の基板がウェブであり、前記第1の基板が第1の基板ウェブのロールとして与えられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
アセンブルされたウェブを第3のロール上にリワインドするステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
担持基板上に構成された前記RFIDトランスポンダがRFIDラベル又はRFIDタグを形成する、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の基板がパッケージング材料を形成し、担持基板上に構成された前記RFIDトランスポンダがインテリジェント・パッケージング製品のためのパッケージング・ブランクを形成する、請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法がパッケージング変換プロセスの一体部分を形成する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
担持基板上に無線周波数識別トランスポンダ(400)を製造するための装置(1)であって、
第1の基板(100)を受けるための第1の入力ステーションであって、前記第1の基板が、その上に構成された少なくとも1つのアンテナ要素(101)と、好ましくは前記第1の基板の長手方向延長部に沿ってその上に連続的に構成されたいくつかのアンテナ要素とを有し、各アンテナ要素(101)が導電パターンによって形成された、第1の入力ステーションと、
第2の基板(200)を受けるように構成された第2の入力ステーションであって、前記第2の基板(200)が少なくとも1つのRFIDストラップを有し、各RFIDストラップが、集積回路(IC)(202)と、前記ICに結合された少なくとも1つの接触パッド(201)と、好ましくは前記第2の基板(200)の長手方向延長部に沿って連続的に構成されたいくつかのRFIDストラップとを備える、第2の入力ステーションと、
前記第1の基板(100)上のアンテナ要素(201)を前記第2の基板(200)上の前記少なくとも1つの接触パッド(201)と機械接触させるように構成された転送デバイス(3)と、
前記接触パッド(201)を前記少なくとも1つの接触パッド(202)の特性融点に少なくとも等しい温度まで加熱し、それによって前記アンテナ要素(101)を前記少なくとも1つの接触パッド(201)に電気的に接続するように構成された加熱デバイス(4)と
を備える、装置(1)。
【請求項15】
前記加熱デバイス(4)が、非接触加熱技法によって前記接触パッド(201)を加熱するように構成された、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記アンテナ要素(101)と前記少なくとも1つの接触パッド(201)とを互いに対して押し付けるように構成された押し付けデバイス(5)をさらに備える、請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
圧力がニップによって加えられ、前記ニップの表面温度が前記特性融点よりも低い、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1及び第2の基板(100、200)のうちの少なくとも1つの上に接着剤(102、203)を与えるように構成された接着剤アプリケータをさらに備え、前記接着剤(102、203)は、前記第1及び第2の基板(100、200)が機械接触させられた後に、前記第1及び第2の基板(100、200)を一緒に接着するように構成された、請求項14から17までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記第1及び第2の基板(100、200)のうちの少なくとも1つが、紙、ボード、ポリマー・フィルム、繊維及び不織材料のうちの少なくとも1つから製造される、請求項14から18までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記第2の基板(200)上の前記接触パッド(201)が、スズとビスマスとを含む合金から製造される、請求項14から19までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記特性融点が300℃未満、好ましくは300℃未満、たとえば100℃から200℃までの範囲内である、請求項14から20までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記第2の基板がウェブであり、前記第2の入力ステーションが、第2の基板ウェブのロールを受けるように構成された、請求項14から21までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記装置がロールツーロール・プロセスを与えるように構成され、前記第1の基板がウェブであり、前記第1の基板が第1の基板ウェブのロールとして前記第1の入力ステーション中で受けられる、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
アセンブルされたウェブを第3のロール上にリワインドするためのリワインディング・ステーションをさらに備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
担持基板上に構成された前記RFIDトランスポンダがRFIDラベル又はRFIDタグを形成する、請求項14から24までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の基板がパッケージング材料を形成し、担持基板上に構成された前記RFIDトランスポンダがインテリジェント・パッケージング製品のためのパッケージング・ブランクを形成する、請求項14から24までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記装置がパッケージング変換ラインの一体部分を形成する、請求項26に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、担持基板上に構成された無線周波数識別(RFID:radio-frequency identification)トランスポンダを製造するためのロールツーロール方法、及びそのようなRFIDトランスポンダを製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙及びプラスチックなどの基板上の導電性パターンの形成を可能にし、プリント回路板(PCB:printed circuit board)のシルク・スクリーン印刷において使用されるエッチングなどの問題を回避する、プリント・エレクトロニクスを製造する新しい方法が開発されている。そのような新しい方法は、たとえば、WO2013/113995、WO2016/189446、WO2009/135985及びWO2008/006941に記載されている。
【0003】
プリント・エレクトロニクスの1つの一般的な用途は、ラベルにおける、たとえば、いわゆるスマート・ラベル又はタグにおける、集積インサートとしてである。スマート・ラベル/タグは、たとえば、従来のプリント・コーディングされたラベルの下に構成される、平坦に構成されたトランスポンダであり、チップとアンテナとを含む。ラベル/タグは、しばしば、紙、織物又はプラスチックから製造され、通常、特別に設計されたプリンタ・ユニットにおいて使用するために、丸められたキャリアとラベル・メディアとの間にRFIDインレイが積層された、紙ロールとして作製される。スマート・ラベルは、より高いデータ容量、直接視線の外側で読み取る及び/又は書き込む可能性、複数のラベル又はタグを1回で読み取る能力など、従来のバーコード・ラベルに勝る利点を与える。
【0004】
また、いわゆるインテリジェント・パッケージング製品を形成するために、RFIDラベルをパッケージング材料に直接組み込むことが知られている。
【0005】
しかしながら、プリント・エレクトロニクスの製造における進歩にもかかわらず、スマート・ラベル/タグ/パッケージの製造は依然として厄介でコストがかかる。
【0006】
従来のRFID/スマート・ラベル製造プロセスは、RFIDアンテナを製造し、アンテナ上にマイクロチップをアセンブルし、RFIDインレイをRFIDラベル/タグフォーマットに変換するために、別個の機器を使用する。さらに、タグ/ラベルの構成に応じて、一般に極めて高い精度を必要とする、アンテナへのICの接続など、いくつかのステップは複雑で時間がかかり得る。同様の問題がインテリジェント・パッケージング製品の製造において発生する。
【0007】
したがって、RFIDラベル/タグ及びインテリジェント・パッケージング製品など、担持基板上に構成されるRFIDトランスポンダを形成する全体的プロセスは、今日、極めてコストがかかり、アンテナ、インレイ及び最終ラベル/パッケージを製造するために多数の別個の機器を必要とし、その結果、設備投資及び床面積要件が大きくなる。使用される多くの異なるステップはまた、製造を効率的に制御することを困難にし、また、複雑な製造セットアップ及び処理につながる。さらに、大きい生産途中のストレージが必要とされ、全体的リードタイムが長くなる。
【0008】
したがって、担持基板上のRFIDトランスポンダのより効率的な製造のための方法及び装置が必要である。特に、アンテナへのICの接続を簡略化する及び/又は高速化する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開第2013/113995号
【文献】国際公開第2016/189446号
【文献】国際公開第2009/135985号
【文献】国際公開第2008/006941号
【文献】欧州特許第1665912号
【文献】国際公開第2005/027599号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、上述の必要のうちの1つ又は複数に少なくとも部分的に対処する、RFIDタグ又はラベル又はインテリジェント・パッケージング製品など、担持基板上にRFIDトランスポンダを製造するための方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、添付の特許請求の範囲による方法及び製造システムによって得られる。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、担持基板上に構成された無線周波数識別(RFID)トランスポンダを製造するための方法であって、
第1の基板を与えることであって、第1の基板が、その上に構成された少なくとも1つのアンテナ要素と、好ましくは第1の基板の長手方向延長部に沿ってその上に連続的に構成されたいくつかのアンテナ要素とを有し、各アンテナ要素が導電パターンによって形成された、第1の基板を与えることと、
第2の基板を与えることであって、第2の基板が少なくとも1つのRFIDストラップを有し、各RFIDストラップが、集積回路(IC:integrated circuit)と、ICに結合された少なくとも1つの接触パッドと、好ましくは第2の基板の長手方向延長部に沿って連続的に構成されたいくつかのRFIDストラップとを備える、第2の基板を与えることと、
前記第1及び第2の基板を一緒にまとめることであって、それによって前記アンテナ要素を前記少なくとも1つの接触パッドと機械接触させる、まとめることと、
接触パッドを前記少なくとも接触パッドの特性融点(characteristic melting point)に少なくとも等しい温度まで加熱することであって、それによってアンテナ要素を前記少なくとも1つの接触パッドに電気的に接続する、加熱することと
によって、
第1の基板上のアンテナ要素を第2の基板上の少なくとも1つの接触パッドに電気的に接続することと
を含む、RFIDトランスポンダを製造するための方法が提供される。
【0013】
アンテナ要素を少なくとも1つの接触パッドに電気的に接続すると、アンテナ要素が、接触パッドに電気的に接続された集積回路に電気的に及び動作可能に接続されるようになる。「動作可能に接続される」とは、ここでは、アンテナ要素が集積回路のためのアンテナとして動作可能であることを意味する。
【0014】
「特性融点」とは、ここでは、問題の材料が多かれ少なかれ粘性の液体として挙動し始める温度を意味する。材料が明確な温度で溶融し始める場合、その温度は特性融点である。材料が、2つ又はそれ以上の成分が異なる粒子及び/又はさらには単一の粒子内で別個のままである複合物である場合、特性融点は、複数の溶融粒子から生じた溶融物内の凝集の生成に顕著な影響を及ぼすような成分が溶融する温度である。導電性材料が、組成が均質であり、明確な溶融温度を有する1つの金属又は合金のみから構成される場合、特性融点はその金属又は合金の溶融温度である。特性融点は、好ましくは、集積回路並びに第1及び第2の基板が加熱中に損傷しないように十分に低くあるべきである。一般に、特性融点は、300℃未満、好ましくは200℃未満、たとえば100℃から200℃までの範囲内である。
【0015】
第2の基板上の接触パッドは、スズとビスマスとを含む合金から製造され得る。そのような材料は、溶融され、急速に硬化され得、しばしば、本発明のために特に好適である特性融点を有する。
【0016】
一実施例によれば、アンテナ要素はまた、前記特性融点である又は前記特性融点よりも低い融点を有する材料から製造される。たとえば、アンテナ要素はまた、スズとビスマスとを含む合金から製造され得る。これによって、接触パッドとアンテナ要素とを一緒にはんだ付けすることが、より一層急速で、容易になる。
【0017】
したがって、導電性材料を導電性材料の特性溶融温度を超える温度まで加熱することは導電性材料の溶融及び凝固を生じる。これは、それ自体、接触パッドを形成するのに十分であり得る。しかしながら、本方法はまた、加熱された導電性材料に圧力を加えるステップを含み得る。この圧力は、材料が依然として溶融した又はほとんど溶融した状態のままであるように、好ましくは加熱の後に比較的すぐ加えられる。これによって、良好な接着性及び導電性の良好な継続性が保証される。
【0018】
接触パッド全体は、必ずしも特性融点に少なくとも等しい温度まで加熱されるとは限らないことに留意されたい。接触パッドの部分のみがそのような温度まで加熱されることがあり得る。
【0019】
本発明は、集積回路へのアンテナの接続が、ロールツーロール技法を熱誘導取付けプロセスと組み合わせることによって、いくつかの簡単で速いステップにおいて実行され得るという実現に基づく。本方法の速度及び単純さに寄与する要因は、アンテナをICに動作可能に接続するステップが比較的低い精度で実行され得、許容できる許容差が一般に±0.5mmの範囲内である、ということである。比較すると、ピックアンドプレース(pick-and-place)機械を使用してICをアンテナに取り付けることは、一般に約+/-50ミクロンの許容差要件で、通常、極めて高い精度で行われなければならない。
【0020】
本方法は、多くの既存の製造ライン、特にパッケージング製品を製造するための製造ラインと一体化することが、そのような製造ラインにおいて一般に使用される機器のために容易である。さらに、RFIDストラップは、次に、たとえばパッケージへのラベル/タグの適用の近く、及び適用のすぐ前、又は製品の形成においてアンテナ要素に接続され得るので、パッケージ又は製品の製造者はプロセスのより大きい制御を得る。したがって、本発明の方法及び装置は、たとえば、パッキング・ライン、変換ラインの一体部分として、又はさらにはダイ・カッティング・ユニットに構成され得る。
【0021】
このようにして接触パッドをアンテナ要素に接続することも極めて速い。1~500msの範囲内でなど、msのタイム・スケールにおける接続が達成され得る。
【0022】
本発明のさらなる利点は、RFIDストラップが第2の基板上で極めて互いに近接して構成され得ることである。これにより、複数のRFIDストラップを備えるそのような基板製造が極めて速く、効率的になる。たとえば、集積回路は、たとえばピックアンドプレース機器を用いて、アセンブリ中に極めて限られた距離を移動されるのみでよく、ピックアンドプレース・アームは極めて短い距離を移動するのみでよい。また、同じRFIDストラップ、及びそのようなストラップを担持する同じ第2の基板は、たとえば、異なるタイプのアンテナ、異なるRFIDトランスポンダ製品などとともに使用するために、多くの異なる適用例のために使用され得る。ただ1つの又はいくつかのタイプが種々様々な製品及び適用例のために使用され得るので、これにより、RFIDストラップを担持する第2の基板の製造がより効率的になる。さらに、それにより、RFIDトランスポンダを製造するための極めて効率的なアセンブリ・プロセスが可能になり、ストラップを担持する第2の基板の長いランが、製品切替えなどのためにアセンブル装置を停止し、調整する必要なしに使用され得る。
【0023】
またさらに、本発明概念は、製造ステップの極めて効率的な分離を可能にし、したがって製造設備及び機器のより効率的な使用を可能にする。たとえば、RFIDストラップを担持する第2の基板の製造は、実際のラベル、パッケージなどの製造から離れて行われ得る。これは、たとえばアジアで、たとえばエレクトロニクス下請業者において行われ得る。RFIDストラップを担持する第2の基板は極めて軽量で製造され得るので、それらは長い距離にわたってでも出荷することが容易で、安価である。RFIDストラップを担持する第2の基板は、次いで、パッケージング施設などに転送され得、アンテナ要素は、たとえばアンテナ要素のダイレクト印刷によってラベル、パッケージなどを形成するために基板上に与えられ得、RFIDストラップは、本明細書で開示されている方法でアンテナ要素とアセンブルされ得る。
【0024】
第1及び第2の基板はシート及び/又はウェブの形態で与えられ得る。実施例の1つのラインでは、少なくとも第2の基板はウェブであり、第2の基板ウェブのロールの形態で与えられる。
【0025】
一実施例では、第1の基板はまたウェブであり、第1の基板ウェブのロールとして与えられ、本方法及び構成は、入力ロールが一端において与えられ、出力ロールが他端において受けられる、ロールツーロール・プロセスである。これによって、本プロセスは、完全に自動化された製造のために大いに好適である。そのようなプロセスでは、本方法/装置はまた、好ましくは、リワインディング・ステーションにおいて、アセンブルされたウェブを第3のロール上にリワインドすることを備える。
【0026】
ロールツーロール・プロセスは、RFIDラベル又はRFIDタグを形成する担持基板上に構成されたRFIDトランスポンダの製造のために大いに好適である。
【0027】
代替的に、第1の基板はパッケージング材料を形成し得、担持基板上に構成されたRFIDトランスポンダはインテリジェント・パッケージング製品のためのパッケージング・ブランクを形成する。これはまた、ロールツーロール・プロセスにおいて行われ得るが、代替的にシートツーシート・プロセス又はロールツーシート・プロセスにおいて行われ得る。したがって、インテリジェント・パッケージング製品の製造のために、アンテナ要素は、シート又はウェブの形態で、パッケージ材料上に直接与えられ得、RFIDストラップは、たとえばパッケージング変換施設においてアンテナ要素に接続され得る。これによって、インテリジェント・パッケージとして、及び一体化されたRFIDトランスポンダとともに使用するためのパッケージング・ブランクが極めて効率的な方法で製造され得る。
【0028】
加熱は、非接触加熱技法によって適用され得る。そのような技法を使用することは、アンテナ要素及び/又は接触パッドがスミア・アウトされる危険を低減することを助ける。また、そのような技法は、一般に、加熱ステップが比較的低い精度で実行されることを可能にし、したがってこのステップを簡単で高速にするのを助ける。
【0029】
本方法は、加熱されたアンテナ要素と少なくとも1つの接触パッドを互いに対して押し付けることを含み得る。これは、アンテナ要素と接触パッドとの間の機械的接続をさらに強化し得る。アンテナ要素は、同時に及び/又は加熱の後に接触パッドに対して押し付けられ得る。圧力はニップによって加えられ得る。加熱及び押し付けが同時に行われるべきである場合、ニップは、特性融点であるか又は特性融点よりも高い表面温度を有し得る。圧力が、別個のステップとして、加熱の後に加えられる場合、ニップの表面温度は、好ましくは特性融点よりも低い。
【0030】
接着剤は、第1及び第2の基板のうちの少なくとも1つの上に構成され得、接着剤は、第1及び第2の基板が機械接触させられた後に、第1及び第2の基板を一緒に接着するように構成される。接着剤は、第1及び第2の基板の間の強い取付けを生じるのを助ける。また、一層良い積層を与えるように、アセンブルされた基板に圧力を加えるために、積層ニップが使用され得る。
【0031】
第1及び第2の基板のうちの少なくとも1つは、紙、ボード、ポリマー・フィルム、繊維及び不織材料のうちの少なくとも1つから製造され得る。特に、基板は紙から製造され得る。それによって、RFIDトランスポンダは、パッケージングのためのボックスなど、紙材料から製造された物体への取付けのために特に好適になる。
【0032】
RFIDトランスポンダは、パッシブ、すなわちリーダーの電磁界によって電力供給されるか、又はアクティブ、すなわちオンボード・バッテリーによって電力供給されるのいずれかであり得る。
【0033】
アンテナ要素は様々な方法で製造され得る。たとえば、導電パターンの形成は、銀インクなどの導電性インク、すなわち導電性銀粒子、又は炭素、銅、グラフェンなどの粒子を含むインクで印刷することによって行われ得る。インクはまた、異なる材料の粒子、又は2つ又はそれ以上の材料を含む粒子など、2つ又はそれ以上の異なる材料を含み得る。特に、インクは、接触パッドの特性融点と同様の、同等の又はそれよりも低い特性融点を有する材料を含み得る。溶剤は、高温での加熱によって、フォトニック硬化の使用などによって蒸発させられ得る。導電パターンの形成はまた、最初に基板上に導電層を与え、次いでこの導電層を除去するか、又は、たとえば研削、切断などによって、所望の導電パターンに形成することによって行われ得る。これは、たとえばEP 1 665 912及びWO2005/027599に開示されている方法で行われ得、前記文書は、これによって参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0034】
一実施例では、パターンでの導電性材料の形成は、前記導電パターンに対応するパターンでの導電性材料を面材料基板の表面に転送することと、導電性材料の特性溶融温度を超える温度まで導電性材料を加熱することとを含む。
【0035】
導電性材料は、好ましくは導電性固体粒子の形態である。面材料基板への導電性材料の転送は、たとえば導電性固体粒子に加えて、流体又はゼラチン物質を含有する化合物の一部としての導電粒子のダイレクト印刷を含み得る。しかしながら、導電性固体粒子はまた、乾燥粉末の形態であり得る。さらに、粒子の転送の前に、面材料基板の表面上に接着剤領域が作製され得る。
【0036】
導電性粒子の転送及び硬化及び凝固は、特にWO2013/113995、WO2009/135985、WO2008/006941及びWO2016/189446のうちの1つ又はいくつかに開示されている方法で行われ得、前記文書のすべては、これによって参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、担持基板上に構成された無線周波数識別トランスポンダを製造するための装置であって、
第1の基板を受けるための第1の入力ステーションであって、第1の基板が、その上に構成された少なくとも1つのアンテナ要素と、好ましくは第1の基板の長手方向延長部に沿ってその上に連続的に構成されたいくつかのアンテナ要素とを有し、各アンテナ要素が導電パターンによって形成された、第1の入力ステーションと、
第2の基板を受けるように構成された第2の入力ステーションであって、第2の基板が、少なくとも1つのRFIDストラップを有し、各RFIDストラップが、集積回路(IC)と、ICに結合された少なくとも1つの接触パッドと、好ましくは第2の基板の長手方向延長部に沿って連続的に構成されたいくつかのRFIDストラップとを備える、第2の入力ステーションと、
第1の基板上のアンテナ要素を第2の基板上の少なくとも1つの接触パッドと機械接触させるように構成された転送デバイスと、
前記接触パッドを前記少なくとも1つの接触パッドの特性融点に少なくとも等しい温度まで加熱し、それによって前記アンテナ要素を前記少なくとも1つの接触パッドに電気的に接続するように構成された加熱デバイスと
を備える、無線周波数識別トランスポンダを製造するための装置が提供される。
【0038】
加熱デバイスは、非接触加熱技法によって接触パッドを加熱するように構成され得る。
【0039】
本装置は、アンテナ要素と少なくとも1つの接触パッドとを互いに対して押し付けるように構成された、ニップなど、押し付けデバイスを備え得る。
【0040】
本装置は、第1及び第2の基板のうちの少なくとも1つの上に接着剤を与えるように構成された、接着剤アプリケータをさらに備え、接着剤は、第1及び第2の基板が機械接触させられた後に、第1及び第2の基板を一緒に接着するように構成され得る。
【0041】
一実施例では、第2の基板はウェブであり、第2の入力ステーションは、第2の基板ウェブのロールを受けるように構成される。第1の基板はまた、ウェブであり得、本装置は、ロールツーロール・プロセスを与えるように構成され得、第1の基板は、第1の基板ウェブのロールとして第1の入力ステーション中で受けられる。本装置は、アセンブルされたウェブを第3のロール上にリワインドするためのリワインディング・ステーションをさらに備え得る。
【0042】
RFIDトランスポンダは、RFIDラベル又はRFIDタグを形成する担持基板上に構成され得る。第1の基板は、代替的にパッケージング材料を形成し得、担持基板上に構成されたRFIDトランスポンダはインテリジェント・パッケージング製品のためのパッケージング・ブランクを形成する。この場合、本装置はパッケージング変換ラインの一体部分を形成し得る。
【0043】
本発明の第1の態様による方法の上述の利点は、本発明の第2の態様による装置についても当てはまることが諒解されよう。
【0044】
本発明のこれら及び他の態様は、以下で説明する実施例から明らかになり、それらの実施例を参照しながら解明されるであろう。
【0045】
例示の目的で、添付の図面に示されたそれの実施例に関して、本発明について以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本発明の例示的な実施例による、RFIDタグを製造するための装置を概略的に示す図である。
【
図2】アンテナ要素をもつ基板を概略的に示す図である。
【
図3】集積回路と接触パッドとをもつ基板を概略的に示す図である。
【
図4】本発明の例示的な実施例による、RFIDタグを製造するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下の詳細な説明において、本発明の好ましい実施例について説明する。しかしながら、他の何かが特に示されていない限り、異なる実施例の特徴は、実施例間で交換可能であり、異なる方法で組み合わせられ得ることを理解されたい。また、明快のために、図面に示されたいくつかの構成要素の寸法は、様々な層の厚さなど、本発明の現実の実装形態における対応する寸法と異なり得ることに留意されたい。
【0048】
以下で、基板が、ロール上に構成されたウェブの形態で与えられる、ロールツーロール・プロセスに関して、本発明を例示する。しかしながら、プロセスはまた、シートなど、他のタイプの基板のために使用され得ることを当業者は諒解されたい。したがって、プロセスはまた、シートツーシート・プロセス又はロールツーシート・プロセスとして実施され得る。
【0049】
次に、
図1から
図3を参照しながら、RFIDタグ又はラベルなど、RFIDトランスポンダを製造するための装置1について説明する。装置1は代替的にアプリケータと呼ばれることがある。装置1は、それぞれの入力ロール10、11上で、第1及び第2の入力ステーションにおいて与えられる、ここでは第1のウェブ100の形態の第1の基板と、ここでは第2のウェブ200の形態の第2の基板とを受けるための入口2を備える。入力又はリワインド・ステーションは、ウェブのロール10、11を受けるためのリール・ホルダーを与えられ得る。基板/ウェブは、好ましくは繊維基板/ウェブであり、多種多様な材料、幅、及び厚さのいずれかであり得る。紙及びポリマー・フィルム(プラスチック)が好適であるが、他の同様の非導電性表面も使用され得る。基板/ウェブはまた、コーティングされ得、多層基板/ウェブも使用され得る。
【0050】
第1のウェブ100は、その上に構成されたアンテナ要素101を有する。アンテナ要素は、たとえば、ダイポール・アンテナ・パターン中に形成され得る。アンテナ要素は、ウェブの長手方向延長部に沿って連続的に構成される。
【0051】
第2のウェブ200は、その上に構成されたRFIDストラップを有する。各RFIDストラップは、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの接触パッド201と、その上に構成された集積回路(IC)202とを備える。IC202は代替的にマイクロチップ又はチップと呼ばれることがある。
【0052】
第1及び第2のウェブ100、200について、以下で
図2及び
図3を参照しながらより詳細に説明する。
【0053】
装置1は、互いに対向している第1及び第2のウェブの表面の一方又は両方に接着剤を適用するための接着剤アプリケータ3をさらに備え得る。しかしながら、いくつかの適用例では、接着剤は不要であり、その場合、接着剤アプリケータは省略され得る。また、接着剤は、入力ステーションにおいてロール上のウェブの一方又は両方にすでに与えられ得る。接着剤は、たとえば、アクリル又はホットメルト感圧接着剤、シアノアクリレート、エポキシ、ポリウレタン又は他の接着剤タイプなど、感圧接着剤(PSA:pressure sensitive adhesive)又は感圧ホットメルト接着剤であり得る。
【0054】
装置1は、アンテナ要素101を第2のウェブ200上の1つ又は複数の接触パッド201と機械接触させるように構成された転送デバイス4をさらに備える。転送デバイス4は、たとえば、第1及び第2のウェブ100、200がその間に通される、2つの隣接するロールをもつニップを備え得る。
【0055】
加熱デバイス5は、接触パッド201と機械接触させられたアンテナ要素101を加熱するように構成される。加熱デバイスは、接触パッドを、接触パッドの特性融点に少なくとも等しい、好ましくは特性融点を超える温度まで加熱する。これによって、接触パッド中の材料は硬化されて、アンテナ要素との凝固したはんだ接続を形成する。
【0056】
加熱は、好ましくは、導電性材料の空間分布におけるスミアリング又は不要な巨視的変化の危険を低減する、非接触加熱である。しかしながら、接触型である加熱方法も使用され得る。特に、加熱は、低い又は極めて低い接点圧力で行われる場合、同じ有利な非スミアリング特性をも有し得る。加熱の結果として、溶融物が生成される。
【0057】
非接触加熱は、たとえば、赤外放射、レーザー加熱、又は他のタイプの放射による加熱、誘導加熱、熱ガスによるストリーミングなどによって得られ得る。しかしながら、加熱はまた、基板ウェブ又は導電性材料を、加熱されたニップなど、加熱された本体と接触させることによって行われ得る。
【0058】
接触パッドをその中の導電性材料の特性溶融温度を超える温度まで加熱することは、材料の溶融及び凝固を生じる。これは、それ自体、特に加熱が圧力による接触をも伴う場合、はんだ接続を形成するのに十分であり得る。
【0059】
しかしながら、本方法はまた、加熱に続いて、加熱された材料に圧力を加えるステップを含み得る。この圧力は、ニップなど、押し付けデバイス6によって加えられ得、好ましくは、ニップの表面温度は特性溶融温度よりも低い。この圧力は、好ましくは、材料が依然として溶融した又はほとんど溶融した状態のままであるように、加熱の後に比較的すぐ加えられる。これによって、圧力は、前に溶融した材料を変形なしに凝固させる。
【0060】
ニップは、加熱されていないニップであり得る。しかしながら、好ましくは、ニップは、30℃から60℃未満など、特性溶融温度よりもほんの少し低い温度まで加熱される。これは、たとえば、接触パッドがアンテナ要素に対して押し付けられる前に、溶融物が早期に凝固しないことを保証する。ニップは、最初は固体の接触パッドの前に溶融した材料を再び凝固させる。
【0061】
しかしながら、他の実施例では、ニップ温度は、使用される導電性材料の特性溶融温度に等しいか又はほとんど等しいことがある。
【0062】
さらに、すでに説明したように、押し付けステップは、いくつかの実施例では省略され得る。またさらに、プロセスにおいて使用される他のニップ、たとえば積層ニップが、さらに追加の押し付けステップなしに、溶融した接触パッドを凝固させるためにも十分な圧力を与えるように構成され得る。
【0063】
図示の装置1はまた、随意に、硬化デバイス7を備え得る。硬化デバイス7は、アンテナ要素201が加熱デバイス5によって加熱された後に、アンテナ要素201を硬化するように構成される。硬化デバイス7はまた、又は代替的に、接着剤を硬化するように構成され得る。図示の実例では、装置1はまた、リワインド・ステーションにおいて出力ロール12に巻き上げられ得る、出力シート、アセンブルされた基板、ここではアセンブルされたウェブ300を解放するための出口8を有する。出力シート300は、RFIDトランスポンダの長手方向シーケンスを備える基板/ウェブである。
【0064】
装置1の上記で説明した構成要素のうちのいくつかは互いに一体化され得ることに留意されたい。たとえば、転送デバイス4は加熱デバイス5及び/又は押し付けデバイス6と一体化され得る。
【0065】
さらに、2つの基板/ウェブの積層のために、追加の積層ニップ(図示せず)が与えられ得る。積層ニップはウェブのほうに圧力を加え、それによって積層を実施し得る。しかしながら、積層ニップはまた、随意に、加熱されたニップであり得、それによって同じく追加の加熱によって積層を実施する。また、積層は押し付けデバイス6によって与えられ得、その場合、別個の積層ニップが省略され得る。
【0066】
積層の後、たとえばラベル/タグの形態で、互いからトランスポンダを分離し、トランスポンダ/ラベルの所望の形状及び寸法を与えるために、ダイ・カッターなど(図示せず)が与えられ得る。ダイ・カッティング・ステーションは、たとえば、基板/ウェブを穿孔するか、又は基板/ウェブ材料を切断線に沿って完全にカットスルーするために使用され得る。ダイ・カッティング・ステーションは、好ましくは、積層されたラベル・ウェブが、導電パターンをカットスルーすることなく切断され得るように、挿入ステーションと位置合わせして保持される。ダイ・カッティング・ステーションは、たとえば、ラベル又はタグを形成するために使用される1つ又は複数のロータリー・ダイ又は切断又は穿孔のための他のタイプのツーリングの形態の、又は担持基板によって担持されるトランスポンダの他の形態の切断要素を備え得る。ダイ・カッティング・ステーションはまた、導電パターン上で切断が行われないことを保証するために、導電パターンの位置を識別するためのモニター又はセンサーを備え得る。
【0067】
さらに、廃棄物マトリックス除去ステーション(図示せず)が与えられ得、除去されたマトリックスは廃棄物ロール上に巻かれ得る。
【0068】
トランスポンダはまた、特にラベル/タグの形態のとき、ラベルをパッケージ、容器などに接着させるために使用可能な、接着剤の追加の層を外表面上に与えられ得る。その場合、ラベルは、接着剤をカバーするために容易に除去可能な剥離ライナーをさらに備え得る。
【0069】
ラベルは、テキスト、数字、バーコードなどの形態の印刷情報をさらに備え得る。この目的のために、本システムは、たとえば面材料ウェブを印刷するための、印刷ステーションをさらに備え得る。印刷ステーション(図示せず)は、たとえば、本質的に製造ラインに沿った任意の位置に構成され得る。しかしながら、ロール上で受けられるウェブの一方又は両方はまた、事前印刷されたラベルストックを備え得る。印刷は、フレキソグラフィック印刷、オフセット印刷又は他の印刷方法によって行われ得る。
【0070】
リワインディング・ステーションはまた、たとえば、冷却、静電荷の除去、コーティング、ウェブ内又はウェブ上に存在する物質の揮発性成分の蒸発などによって、最終ウェブを後処理するように構成された後処理手段を備え得る。
【0071】
当技術分野でそれ自体知られているように、ウェブの引張りを制御するために、1つ又は複数の引張りデバイス(図示せず)も製造ラインに沿って与えられ得る。
【0072】
さらに、プログラミング及び/又は試験ステーション(図示せず)も与えられ得、好ましくは、アンテナ要素へのRFIDストラップの接続の後に構成される。プログラミング及び/又は試験ステーションにおいて、RFIDトランスポンダは、それらがまだ事前プログラムされていない場合、プログラムされ得、各RFIDトランスポンダの機能は試験され、検証され得る。プログラミング及び/又は試験ステーションは、各RFIDトランスポンダの機能を検査し、試験するためのRFIDアンテナ又は多重アンテナ・アレイを備える質問器システムを備え得る。より詳細には、ステーションはRFIDリーダー又はRFIDリーダー/ライターを備え得る。
【0073】
次に、
図2を見ると、ここでは第1のウェブ100の形態の第1の基板は細長いシートの形態を有することがわかる。ウェブはフレキシブルであり、ウェブの厚さは適用例に応じて変動し得る。
【0074】
アンテナ要素101は、第1の基板/ウェブ100の長手方向延長部に沿って連続的に構成される。各アンテナ要素101は導電パターンによって形成される。アンテナ要素のすべては、好ましくは第1の基板/ウェブ100の同じ側に構成される。アンテナ要素101を短絡させることを回避するために、基板/ウェブ100は非導電性材料、たとえば紙材料又はプラスチック材料から製造され得る。しかしながら、第1の基板/ウェブ100は、代替的に、アンテナ要素101がその上に構成された層のみが非導電性である、多層構造を有することができる。
【0075】
図示の実例では、アンテナ要素101は第1の基板/ウェブ100上に印刷される。アンテナ要素101は、たとえば、WO2008/006941A1又はWO2013/113995A1に開示されている方法のうちの1つを使用して印刷され得る。アンテナ要素101のすべては、必ずしも必要ではないが、一般に同じ材料から製造される。アンテナ要素101のための好適な材料は、SnBi合金と、銀、炭素、銅又はグラフェンから製造されたインクなど、導電性インクとを含む。
【0076】
さらに、図示の実例では、第1の接着剤102が第1のウェブ100上に構成される。より正確には、第1の接着剤102は、第1のウェブ100の、アンテナ要素101と同じ側に構成される。第1の接着剤101は、たとえば、アクリル又はホットメルト感圧接着剤、シアノアクリレート、エポキシ又はポリウレタンであり得る。第1の接着剤102は随意であり、省略され得る。さらに、図示の実例における接着剤領域の形状及び位置は例示的なものにすぎず、接着剤は、代替的に他の領域にも適用され得、たとえば、本質的にウェブ表面全体をカバーするように構成され得る。
【0077】
図3に示されているように、第2の基板/ウェブ200は細長いシートの形態を有する。第2の基板/ウェブ200はフレキシブルであり、第1の基板/ウェブと同じ又は異なる厚さを有し得る。第2の基板/ウェブの厚さも適用例に応じて変動し得る。
【0078】
IC202と接触パッド201とを含むRFIDストラップは、第2の基板/ウェブ200の長手方向延長部に沿って連続的に構成される。IC202及び接触パッド201のすべては、好ましくは第2の基板/ウェブ200の同じ側上に構成される。IC202と接触パッド201とを短絡させることを回避するために、第2の基板/ウェブ200は、一般に非導電性材料、たとえば紙材料又はプラスチック材料から製造される。しかしながら、第2の基板/ウェブ200は、代替的に、IC202及び接触パッド201がその上に構成された層のみが非導電性である、多層構造を有することができる。
【0079】
図示の実例では、各IC202は2つの接触パッド201に電気的に接続される。2つの接触パッド201はIC202のそれぞれの長手方向側面に構成される。
【0080】
さらに、図示の実例では、接触パッド201は第2の基板/ウェブ200上に印刷される。接触パッド201は、たとえば、WO2008/006941A1又はWO2013/113995A1に開示されている方法のうちの1つを使用して印刷され得る。第2の基板/ウェブ200上の接触パッド201のすべては、必ずしも必要ではないが、一般に同じ材料から製造される。接触パッドは特性融点を有し、特性融点の値は、接触パッド201が製造される材料に依存する。特性融点は、好ましくは300℃未満であり、より好ましくは200℃未満である。
【0081】
接触パッドは金属であり得、たとえば純金属であり得る。しかしながら、接触パッドは、好ましくは合金で形成され、最も好ましくは非共晶合金で形成される。特に、いわゆる低温はんだであるか、又はそれに似ている金属化合物を使用することが好ましい。合金は、好ましくはスズとビスマスとを含む。
【0082】
そのような金属化合物の非限定的な例のリストは、
- スズ/銀(3.43パーセント)/銅(0.83パーセント)
- スズ/銀(2~2.5パーセント)/銅(0.8パーセント)/アンチモン(0.5~0.6パーセント)
- スズ/銀(3.5パーセント)/ビスマス(3.0パーセント)
- スズ/亜鉛(10パーセント)
- スズ/ビスマス(35~58パーセント)
- スズ/インジウム(52パーセント)
- ビスマス(53~76パーセント)/スズ(22~35パーセント)/インジウム(2~12パーセント)
- スズ(35~95パーセント)/ビスマス(5~65パーセント)/インジウム(0~12パーセント)
を含む(示されているパーセンテージは重量パーセンテージである)。
【0083】
室内圧力において、最初の4つの記載されている例はセ氏180度から220度の間で溶融するが、最後に述べた4つの例は、著しくより低い温度で、セ氏100度未満でも溶融し得る。
【0084】
好ましくは、接触パッドは本質的に金属又は金属合金からなる。金属又は金属合金は、好ましくは、50℃から250℃の範囲内など、300℃未満、より好ましくは250℃未満、最も好ましくは200℃未満、又は好ましくは、たとえば、その物理的性質が非常に高い温度で永久的に変化し得る、従来の紙のために本方法を好適にする、100℃から200℃の範囲内の大気圧特性溶融温度を有する。好適な金属は、たとえば、単一の金属又は組合せで使用される、スズ、ビスマス、インジウム、亜鉛、ニッケル、又は同様のものを含む。たとえば、異なる比率のスズ‐ビスマス、スズ‐ビスマス亜鉛、スズ‐ビスマス‐インジウム又はスズ‐ビスマス‐亜鉛‐インジウムが使用され得る。スズ含有合金において、合金中のスズの比率は、合金中の成分の全重量の、好ましくは20~90重量パーセント、最も好ましくは30~70重量パーセントである。
【0085】
さらに、図示の実例では、第2の接着剤203が第2のウェブ200上に構成される。より正確には、第2の接着剤203は、第2のウェブ200の、IC202及び接触パッド201と同じ側に構成される。第2の接着剤203は、たとえば、アクリル又はホットメルト感圧接着剤、シアノアクリレート、エポキシ又はポリウレタンであり得る。第2の接着剤203は随意であり、省略され得る。
【0086】
次に、
図4を参照しながら、引き続き
図1から
図3を参照しながら、タグ、ラベル又はパッケージなど、RFIDトランスポンダを製造するための方法のステップのうちのいくつかについて説明する。最初に、ステップS1及びS2において、第1及び第2のウェブ100、200が与えられる。第1及び第2のウェブ100、200は、たとえば、入力ロール10、11の形態で与えられ得る。
【0087】
次に、装置1は、第1のウェブ100のアンテナ要素101と第2のウェブ200上の接触パッド201とを互いに電気的に接続するために使用される。より詳細には、第1及び第2のウェブ100、200は、入力ロール10、11から徐々に巻き戻され、入口2を介して転送デバイス4に案内される。ステップS3において、転送デバイス4は、第1のウェブ100のアンテナ要素101を第2のウェブ200上の接触パッド201と機械接触させる。ステップS4において、加熱デバイス5は、アンテナ要素101を、接触パッド201の特性融点に少なくとも等しい温度まで加熱する。加熱ステップS4は、通常、msのオーダーの極めて短い時間を要する。ステップS5において、押し付けデバイス6は、加熱されたアンテナ要素101と接触パッド201とを互いに対して押し付ける。ステップS6において、加熱されたアンテナ要素101は硬化デバイス7によって硬化される。ステップS6における硬化の後、アンテナ要素101と接触パッド201とが電気的に及び機械的に接続される。ステップS3~S6を繰り返すことによって、RFIDトランスポンダの長手方向シーケンスの形態の出力ウェブを製造することが可能である。出力シートは出力ロール12上に巻き上げられ得る。RFIDタグは、切断によって出力シートから分離され得る。
【0088】
図5は、
図4を参照しながら説明した方法によって製造されたRFIDタグ400の実例を示す。RFIDタグ400のアンテナ要素101は、IC202の隣の2つの接触パッド201を介して、IC202に電気的に及び動作可能に接続される。
【0089】
当業者は、本発明は上記で説明した実施例に限定されないことを理解する。たとえば、装置1は、欠陥についてRFIDタグを試験し、欠陥があるRFIDタグを除去し、及び/又はICをプログラムするように構成され得る。さらに、ステップS1~S6のうちのいくつかは、同時に実行されるか、又は
図4に示されているものとは異なる順序で実行され得ることに留意されたい。ステップS4及びS5は、たとえば同時に実行され得る。
【0090】
そのような及び他の明らかな変更は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内であると考えられなければならない。上記で説明した実施例は、本発明を限定するのではなく例示すること、及び当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく多くの代替実施例を設計することが可能であることに留意されたい。特許請求の範囲において、丸括弧の間に入れられた参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「備える、含む」という単語は、請求項に記載されているもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。要素に先行する「a」又は「an」という単語は、複数のそのような要素の存在を除外しない。