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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】泡増進糖類ブレンド
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/60 20060101AFI20221007BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20221007BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221007BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20221007BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20221007BHJP
   C11D 3/22 20060101ALI20221007BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20221007BHJP
   C09K 23/56 20220101ALI20221007BHJP
【FI】
A61K8/60
A61Q5/02
A61Q19/10
A61K9/12
A61K47/26
C11D3/22
C11D3/50
C09K23/56
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021122115
(22)【出願日】2021-07-27
(62)【分割の表示】P 2018560267の分割
【原出願日】2017-02-08
(65)【公開番号】P2021178844
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】62/293,259
(32)【優先日】2016-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518283012
【氏名又は名称】コースト サウスウエスト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ブッツ シャノン スミス
(72)【発明者】
【氏名】パテル アミット
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-226140(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0132037(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102613605(CN,A)
【文献】特開2012-207051(JP,A)
【文献】特開昭58-053996(JP,A)
【文献】特表2008-510462(JP,A)
【文献】特公平07-012298(JP,B2)
【文献】特開平10-067633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 47/26
C11D 3/22
C11D 3/50
C09K 23/56
C07H 1/00-99/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)30重量%~50重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物;
(b)20重量%~55重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物;
(c)10重量%~25重量%の二糖類または二糖類の混合物;および
(d)三糖類
を有する糖類ブレンドを含む泡増進剤。
【請求項2】
(a)35重量%~45重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物;
(b)25重量%~30重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物;および
(c)12重量%~20重量%の二糖類または二糖類の混合物
を有する、請求項1記載の泡増進剤。
【請求項3】
アルドヘキソースがグルコースもしくはデキストロースまたはそれらの組み合わせであり、ケトヘキソースがフルクトースであり、かつ二糖類がマルトースである、請求項1記載の泡増進剤。
【請求項4】
三糖類がマルトトリオースである、請求項1~3のいずれか一項に記載の泡増進剤。
【請求項5】
3重量%~10重量%の三糖類を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の泡増進剤。
【請求項6】
蒸留水、0.50重量%の起泡性界面活性物質、および1重量%~10重量%の泡増進剤を含む水性組成物の、シリンダ振とう法によって測定される泡高増加が、泡増進剤を含まない水性組成物と比較して10%を超えることを特徴とするように、起泡力を増加させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の泡増進剤。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の泡増進剤を含む、組成物。
【請求項8】
1重量%~8重量%の泡増進剤を含む、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
起泡剤をさらに含む、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
芳香剤をさらに含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
身体および/または毛髪の清浄組成物である、請求項7~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
pH 3~11を有する、請求項7~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
増進剤を、起泡剤を含む組成物と組み合わせる工程を含む、起泡性組成物の製造方法であって;
該泡増進剤が、
(a)30重量%~50重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物、
(b)20重量%~55重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物、および
(c)10重量%~25重量%の二糖類または二糖類の混合物
を有する糖類ブレンドを含む、前記方法
【請求項14】
泡増進剤を有する組成物のシリンダ振とう法によって測定される泡高増加が、泡増進剤を含まない組成物と比較して10%を超えることを特徴とするように、泡増進剤が組成物の起泡力を増加させる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
組成物が1重量%~8重量%の泡増進剤を含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
組成物が芳香剤をさらに含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
組成物が三糖類をさらに含む、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
三糖類がマルトトリオースである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
組成物が、3重量%~10重量%の三糖類を含む、請求項17または18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる2016年2月9日に出願された米国仮特許出願第62/293,259号に基づく優先権の恩典を主張する。
【0002】
A.発明の分野
本発明は、一般に、起泡可能組成物の分野に関する。より具体的には、所定の組成物の起泡能を増強するための泡増進剤または泡増強剤として使用され得る糖類のブレンドに関する。糖類のブレンドは、明示された重量%の範囲でアルドヘキソース(例えば、グルコースもしくはデキストロースまたは両方)、ケトヘキソース(例えば、フルクトース)、および二糖類(例えば、マルトース)の組み合わせを含むことができ、次いで、所定の組成物に添加され、その起泡特性を増強することができる。
【背景技術】
【0003】
B.関連技術分野の説明
多くの産業および消費者が、起泡可能組成物または起泡させられ得る組成物を望んでいる。例えば、起泡可能組成物は、所定の薬物または化粧料成分を皮膚へ送達し、その適用を調節するために使用され得る(米国特許第6,454,787号(特許文献1);第8,211,449号(特許文献2);および第9,050,253号(特許文献3))。起泡可能組成物は、破砕された岩層からの流体の回収を助ける固体プロパント送達等において、空隙を埋めるかまたは多孔性表面に浸透するよう使用され得る(米国特許第6,454,787号(特許文献1)および第4,718,493号(特許文献4))。洗浄/抽出組成物は、洗浄される物体から不要な廃物を離して泡へ移動させるため、起泡可能組成物を使用することができる(米国特許第3,898,159号(特許文献5))。起泡可能組成物は、雰囲気中に放出されないよう、気体の廃物を捕獲するために使用され得る(米国特許第3,338,665号(特許文献6))。さらに、消費者は、泡生地のために起泡生成物を好む場合がある。シャンプー、石鹸、ボディウォッシュ、または練り歯磨きの場合のように、組成物が洗浄用であることを消費者に暗示するため、消費者は、起泡可能洗浄組成物を望む場合もある。
【0004】
起泡可能組成物によって生成される泡は、大きく変動し、全ての泡が全ての適用のために適当であるとは限らない。変動する泡特徴には、起泡力、泡量、泡安定性、泡密度、泡負荷容量、泡生地、および泡が作出されるスピードが含まれ得る。さらに、いくつかの泡は、起泡剤の変化、または消泡剤のような泡の特徴を修飾することができる薬剤の存在に対してより弾力的である。例えば、いくつかの起泡可能組成物は、少量または閾値量の消泡剤が組成物に添加される時、起泡力を失う。しかしながら、消泡剤には、起泡可能組成物の最終用途のために望まれるかまたは必要である油、芳香剤、固体等が含まれ得る。
【0005】
大部分のケースにおいて、起泡可能組成物は、組成物が泡を形成することを可能にする起泡剤として作用する界面活性物質または界面活性物質の混合物を含んでいる。しかしながら、全ての界面活性物質または起泡剤が、泡が望まれるかまたは必要とされる全ての適用のために適当であるとは限らない。一例として、いくつかの起泡剤は、刺激物であるかまたは毒性であり、化粧料としての適用および薬学的適用のために適当でない。他の起泡剤は、数秒を超える泡安定性を提供することができず、いくつかの起泡剤は、ある種の適用のために必要とされる泡負荷容量を提供することができない。いくつかの適用において、適当な起泡剤およびその濃度が限定され、それによって、それらの適用のために適当な起泡可能組成物について可能な泡特徴も限定される。
【0006】
これらの限界を克服するため、いくつかの場合において、泡の特徴を修飾するため、(起泡可能化剤または泡増強剤とも呼ばれる)泡増進剤を、所定の起泡可能組成物に添加することができる。泡増進剤または泡可能化剤を記載しているいくつかの特許および出願が存在する。例えば、EP 1661976 A1(特許文献7)は、水性組成物における泡増強剤としてのエーテルカルボキシレートおよびグリセリン誘導体を開示している。米国公開第2010/0152089号(特許文献8)は、アルキルアミノカルボン酸塩、脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、ベタイン、スルホベタイン、ポリマー化合物、またはそれらの混合物であり得る泡増進剤を有する液体洗浄剤を開示している。これらの泡増進剤は、高価である場合があり、皮膚刺激を引き起こす場合があり、所定の生成物製剤中の他の成分と化学的に反応性であり、反応しやすい場合があり、そのため、製剤に不安定性を導入する場合がある。
【0007】
いくつかの場合において、起泡可能組成物において糖類を使用する試みがなされた。例えば、米国特許第4,364,837号(特許文献9)は、約15~70重量%の水混和性糖類を含むシャンプー組成物を開示している。シャンプー中の糖類の存在は、界面活性剤の所定の濃度において泡質を増加させるか、またはより低い界面活性剤濃度において泡質の同一のレベルを維持することが教示されている。しかしながら、シャンプー中の糖類の濃度は、組成物の全重量の約15~70重量%と極めて高く、組成物の流動学的特性および触覚的特性に負の影響を与え得る。さらに、その特許は、15重量%未満の糖類レベルが「十分な泡粘度増強または濃密化を提供しない」ことを説明している。
【0008】
他の化粧料組成物および清浄組成物も糖類を含んでいるが、組成物の起泡特徴を増強するかまたは増進する糖類の能力は定義されていない。さらに、これらの参照における糖類の具体的な組成的構成は特異性を欠いている。例えば、米国特許第3,998,761号(特許文献10)は、ビール濃縮物を含むヘアコンディショナーに関する。ビール濃縮物は、タンパク質および多糖類の混合物を有すると言われている。また、米国特許第3,988,438号(特許文献11)は、0.5重量%でシャンプー中に存在する「糖」および10重量%で存在する糖アルコール(ソルビトール)を有するシャンプーを開示している。米国特許第5,888,951号(特許文献12)は、ゲルに基づく清浄組成物に含まれ得る様々なポリオールのリストを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第6,454,787号
【文献】米国特許第8,211,449号
【文献】米国特許第9,050,253号
【文献】米国特許第4,718,493号
【文献】米国特許第3,898,159号
【文献】米国特許第3,338,665号
【文献】EP 1661976 A1
【文献】米国公開第2010/0152089号
【文献】米国特許第4,364,837号
【文献】米国特許第3,998,761号
【文献】米国特許第3,988,438号
【文献】米国特許第5,888,951号
【発明の概要】
【0010】
本発明は、所定の製剤のために泡増強剤または泡増進剤として使用され得る糖類の特異的なブレンドを提供することによって、当技術分野における欠陥を克服する。ブレンドは、ブレンドの全重量に基づき、30重量%~50重量%のアルドヘキソース(例えば、グルコースおよび/またはデキストロース)、20重量%~55重量%のケトヘキソース(例えば、フルクトース)、ならびに10重量%~25重量%の二糖類(例えば、マルトース)を含むことができる。ブレンドは、ブレンドの全重量に基づき、3重量%~10重量%の三糖類(例えば、マルトトリオース)、および5重量%~20重量%のより高レベルの糖類(例えば、少なくとも4個の単糖単位、好ましくは、4~20個、より好ましくは、4~10個の単位)も含むことができる。次いで、このブレンドは、製剤の起泡能を増強するため、所定の生成物製剤に添加され得る。注目すべきことに、本明細書中に非限定的な態様において例示されるように、1重量%~10重量%もの低い量のブレンドが、所定の製剤の起泡能を増強するために使用され得ることが発見された(製剤および組成物は、本明細書全体において交換可能に使用され得る)。さらに、製剤中に既に存在する起泡剤(即ち、界面活性物質および/または界面活性剤)の割合を後に調整する必要なしに、本発明の泡増進ブレンドを、所定の起泡性製剤に安全に添加することができることも発見された。理論によって拘束されることは望まないが、本発明の泡増進ブレンドは、製剤中の既存の起泡剤に負の影響を与えず、化学的に反応しないようであるため、所定の製剤に添加された時に比較的不活性であると考えられる。従って、ブレンドは、製剤の起泡可能性または安定性を維持するため、起泡剤、起泡剤の濃度レベルを変化させるか、または付加的な成分を添加しなければならないリスクなしに、任意の所定の製剤に添加され得る。これは、起泡可能生成物製剤が製剤化された後、製剤の起泡能を増進するため、本発明の泡増進ブレンドを容易に添加することができるという点で有利である。本発明の泡増進ブレンドの添加によって必要なさらなる製剤化は、最小であるかまたは全くない。
【0011】
本発明の一つの局面において、アルドヘキソース、ケトヘキソース、および二糖類の組み合わせを有し、任意で、三糖類およびより長鎖の多糖類を有する糖類のブレンドを含む、から本質的になる、またはからなる泡増進剤が開示される。いくつかの場合において、泡増進ブレンドは、所定の製剤に添加される前に粉末または微粒子の形態にある。他の局面において、泡増進ブレンドは、所定の製剤に添加される前に、液体の形態、半固体の形態、ゲルの形態等にあってもよい。いくつかの好ましい態様において、泡増進多糖類ブレンドは、液体の形態にあり、透明または不透明な液体であり得る。泡増進剤の粘度は、25℃で30rpmでBrookfield粘度計DV-EモデルRVDVEスピンドル番号4によって測定されるように、1000cps~50000cps、好ましくは、1000cps~10000cps、より好ましくは、4000cps~7000cpsであり得る。泡増進剤は、少なくとも50%の固体、好ましくは、75%~99%の固体を含むことができる。いくつかのより好ましい局面において、泡増進剤糖類ブレンドは、30重量%~50重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物、20重量%~55重量%または20重量%~40重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物、および10重量%~25重量%の二糖類または二糖類の混合物を含むことができる。好ましい態様において、ブレンドは、35重量%~45重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物、25重量%~30重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物、および12重量%~20重量%の二糖類または二糖類の混合物を含むことができる。しかしながら、付加的な態様において、重量%の範囲は、明記された範囲を下回ってもよいしまたは上回ってもよい。例えば、ブレンドは、5重量%~75重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物、5重量%~75重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物、および5重量%~75重量%の二糖類または二糖類の混合物を含むことができる。より好ましい態様において、アルドヘキソースは、グルコースまたはデキストロース、好ましくは、それらの組み合わせであり、ケトヘキソースは、フルクトースであり、二糖類は、マルトースである。ブレンドは、三糖類(例えば、マルトトリオース)も含んでいてよい。三糖類の量は、ブレンドの1重量%~20重量%、好ましくは、3重量%~10重量%であり得る。いくつかの場合において、本発明のブレンドは、少なくとも4個の単糖単位、好ましくは、4~20個の単糖単位、より好ましくは、4~10個の単糖単位を有する多糖類も含んでいてよい。これらのより長鎖の多糖類は、より大型の多糖類の自然分解の結果であり得、明示され得ない。本発明の泡増進糖類ブレンドは、蒸留水、0.50重量%の起泡性界面活性物質、および1重量%~10重量%の泡増進剤を含む水性組成物の、シリンダ振とう法によって測定される泡高増加が、泡増進剤なしの水性組成物と比較して10%を超えることを特徴とするように、起泡力を増加させることができる。
【0012】
本発明のもう一つの局面において、本発明の泡増進糖類ブレンドを含む組成物が開示される。組成物は、一般に、液体組成物(例えば、溶液または乳濁液)である。好ましい場合において、組成物は、1~20重量%、好ましくは、1重量%~10重量%、1重量%~8重量%、3重量%~8重量%、または3重量%~10重量%の泡増進ブレンドを含むことができる。組成物は、界面活性物質または界面活性剤のような起泡剤をさらに含むことができる。起泡性の界面活性物質および界面活性剤の非限定的な例には、非イオン性界面活性物質、陰イオン性界面活性物質、陽イオン性もしくは両性の界面活性物質、またはそれらの組み合わせが含まれる。非イオン性界面活性物質の非限定的な例には、ポリエトキシル化(polyethoxylated)化合物、ポリプロポキシル化(polypropoxylated)化合物、アルカノールアミド、アミンオキシド、もしくは多価アルコールの脂肪酸、またはそれらの組み合わせが含まれる。陰イオン性界面活性物質の非限定的な例には、カルボキシレート(例えば、アルキルカルボキシレートおよびポリアルコキシカルボキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、もしくはノニルフェノールエトキシレートカルボキシレート、またはそれらの組み合わせ)、スルホネート(例えば、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、もしくはスルホン化脂肪酸エステル、またはそれらの組み合わせ)、またはスルフェート(例えば、硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキル硫酸、スルホサクシネート、もしくはアルキルエーテルスルフェート、またはそれらの組み合わせ)、またはそれらの組み合わせが含まれる。陽イオン界面活性物質の非限定的な例には、1価四級アンモニウム塩、アンモニウム化合物、アミドアミン、もしくはイミド、またはそれらの組み合わせが含まれる。非限定的な両性界面活性物質には、アルキルアミド、ベタイン、イミダゾリン、プロピオネート、もしくはスルホベタイン、またはそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの局面において、組成物は、好ましくは、0.5重量%~15重量%、好ましくは、1重量%~15重量%、より好ましくは、2重量%~15重量%の量で、芳香剤をさらに含む。組成物のpHは、本発明の泡増進ブレンドが添加される組成物の型に依っても、1~14の範囲であり得る。いくつかの局面において、組成物は、化粧料組成物または薬学的組成物である。化粧料組成物または薬学的組成物のpHは、2~10、好ましくは、3~8であり得る。具体的な態様において、組成物は、シャンプー、ボディウォッシュ、石鹸、ハンドクレンザー等のような清浄組成物である。清浄組成物のpHは、好ましくは、2~8、より好ましくは、4~7であり得る。さらに他の局面において、組成物は、工業用清浄組成物またはフラッキング流体もしくは掘削流体であり得る。工業用清浄組成物の非限定的な例には、さびクリーナー、金属クリーナー、トイレクリーナー、自動車、洗濯物を浄化するために使用されるクレンザー等が含まれる。工業用清浄組成物のpHは、pH 1~14、好ましくは、pH 3~10であり得る。フラッキング流体または掘削流体のpHは、pH 1~14、好ましくは、pH 8~11であり得る。
【0013】
組成物の起泡、起泡能力の増加、泡高の増加、起泡体積の増加、泡負荷容量の増加、泡負荷力の増加、および/または泡安定性の増加の方法も、本発明に関して開示される。本法は、組成物の起泡、泡能力の増加、泡高の増加、泡体積の増加、泡負荷容量の増加、泡負荷力の増加、または泡安定性の増加のために十分な量で、本発明の泡増進糖類ブレンドを液体組成物と組み合わせる工程を含み得る。泡増進剤は、泡増進剤を有する組成物のシリンダ振とう法によって測定される泡高増加が、泡増進剤なしの組成物と比較して10%を超えることを特徴とするように、組成物の起泡力を増加させることができる。好ましい局面において、本発明の泡増進剤は、組成物の全重量に基づき、1重量%~20重量%、好ましくは、1重量%~10重量%、1重量%~8重量%、3重量%~8重量%、または3重量%~10重量%の泡増進ブレンドの量で、組成物へ添加される。組成物は、起泡可能組成物または非起泡可能組成物であり得る。組成物は、本明細書に関して本明細書全体において記述されたもののいずれかであり得る。
【0014】
本発明の以下の態様1~41も開示される。態様1は、(a)30重量%~50重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物;(b)20重量%~55重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物;および(c)10重量%~25重量%の二糖類または二糖類の混合物を有する糖類ブレンドを含む泡増進剤である。態様2は、(a)35重量%~45重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物;(b)25重量%~30重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物;および(c)12重量%~20重量%の二糖類または二糖類の混合物を有する、態様1の泡増進剤である。態様3は、アルドヘキソースがグルコースもしくはデキストロースまたはそれらの組み合わせであり、ケトヘキソースがフルクトースであり、かつ二糖類がマルトースである、態様1~2のいずれか1つの泡増進剤である。態様4は、三糖類をさらに含む、態様1~3のいずれか1つの泡増進剤である。態様5は、三糖類がマルトトリオースである、態様4の泡増進剤である。態様6は、3重量%~10重量%の三糖類を含む、態様4~5のいずれか1つの泡増進剤である。態様7は、少なくとも4個の単糖単位、好ましくは、4~20個の単糖単位、より好ましくは、4~10個の単糖単位を有する多糖類を、5重量%~20重量%、さらに含む、態様1~6のいずれか1つの泡増進剤である。態様8は、蒸留水、0.50重量%の起泡性界面活性物質、および1重量%~10重量%の泡増進剤を含む水性組成物の、シリンダ振とう法によって測定される泡高増加が、泡増進剤を含まない水性組成物と比較して10%を超えることを特徴とするように、起泡力を増加させる、態様1~7のいずれかの泡増進剤である。態様9は、粉末および/または微粒子の形態にある、態様1~8のいずれか1つの泡増進剤である。態様10は、液体の形態にある、態様1~8のいずれか1つの泡増進剤である。態様11は、粘度が1000cps~50000cps、好ましくは、1000cps~10000cps、より好ましくは、4000cps~7000cpsである、態様11の泡増進剤である。態様12は、液体が透明または不透明、好ましくは、透明である、態様10~11のいずれか1つの泡増進剤である。態様13は、少なくとも50%の固体、好ましくは、75%~99%の固体を含む、態様1~12のいずれか1つの泡増進剤である。態様14は、組成物にさらに含まれている、態様1~13のいずれか1つの泡増進剤である。態様15は、1重量%~20重量%、好ましくは、1重量%~10重量%、1重量%~8重量%、3重量%~8重量%、または3重量%~10重量%の泡増進ブレンドを含む、態様14の泡増進剤である。態様16は、起泡剤をさらに含む、態様14~15のいずれかの泡増進剤である。態様17は、起泡剤が界面活性物質または界面活性物質の組み合わせである、態様16の泡増進剤である。態様18は、好ましくは、0.5重量%~15重量%、好ましくは、1重量%~15重量%、より好ましくは、2重量%~15重量%の量で、芳香剤をさらに含む、態様14~17のいずれかの泡増進剤である。態様19は、組成物が化粧料組成物および/または薬学的組成物である、態様14~18のいずれかの泡増進剤である。態様20は、組成物がpH 3~8を有する、態様19の泡増進剤である。態様21は、組成物が清浄組成物である、態様14~19のいずれか1つの泡増進剤である。態様22は、組成物がシャンプーおよび/またはボディウォッシュである、態様21の泡増進剤である。態様23は、組成物がpH 4~7を有する、態様21~22のいずれか1つの泡増進剤である。態様24は、組成物が工業用清浄組成物またはフラッキング流体もしくは掘削流体である、態様14~18のいずれか1つの泡増進剤である。態様25は、組成物がさびクリーナー、金属クリーナー、および/またはトイレクリーナーより選択される工業用清浄組成物である、態様24の泡増進剤である。態様26は、組成物がフラッキング流体および/または掘削流体である、態様24の泡増進剤である。態様27は、組成物がpH 3~11を有する、態様25~26のいずれか1つの泡増進剤である。態様28は、組成物の起泡、起泡能力の増加、泡高の増加、泡体積の増加、泡負荷容量の増加、泡負荷力の増加、および/または泡安定性の増加のために十分な量で、態様1~13のいずれか1つの泡増進剤を組成物と組み合わせる工程を含む、組成物の起泡、起泡能力の増加、泡高の増加、泡体積の増加、泡負荷容量の増加、泡負荷力の増加、および/または泡安定性の増加の方法である。態様29は、泡増進剤を有する組成物のシリンダ振とう法によって測定される泡高増加が、泡増進剤を含まない組成物と比較して10%を超えることを特徴とするように、泡増進剤が組成物の起泡力を増加させる、態様23の方法である。態様30は、組成物が1重量%~10重量%の泡増進剤を含む、態様28~29のいずれか1つの方法である。態様31は、組成物が起泡剤をさらに含む、態様28~30のいずれか1つの方法である。態様32は、起泡剤が界面活性物質または界面活性物質の組み合わせである、態様31の方法である。態様33は、組成物が、好ましくは、0.5重量%~15重量%、好ましくは、1重量%~15重量%、より好ましくは、2重量%~15重量%の量で、芳香剤をさらに含む、態様28~32のいずれか1つの方法である。態様34は、組成物が化粧料組成物および/または薬学的組成物である、態様28~33のいずれか1つの方法である。態様35は、pH 3~8を有する態様34の方法である。態様36は、組成物が清浄組成物である、態様28~34のいずれか1つの方法である。態様37は、組成物がシャンプーおよび/またはボディウォッシュである、態様36の方法である。態様38は、組成物がpH 4~7を有する、態様36~37のいずれか1つの方法である。態様39は、組成物が工業用清浄組成物またはフラッキング流体および/もしくは掘削流体である、態様28~33のいずれか1つの方法である。態様40は、組成物がさびクリーナー、金属クリーナー、および/またはトイレクリーナーより選択される工業用清浄組成物である、態様39の方法である。態様41は、組成物がフラッキング流体および/または掘削流体である、態様40の方法である。
【0015】
「泡」とは、液体の泡または液体組成物から入手される泡をさす。泡は、液体内または液体上に形成される気泡の集まりである。泡は、液体の薄膜が気体のポケットを分離するよう、気体のポケットを液体にトラップすることによって形成される。泡は、例えば、液体の機械的撹拌(例えば、起泡可能液体に対する剪断ひずみを発生させ、起泡可能液体を変形させるための、液体への物理的な力の適用、例えば、人間の手もしくは毛髪もしくは皮膚の浄化のような、手での液体の摩擦/泡立て)、または液体への気体の導入(例えば、容器の内部では液体であるが、空気のような気体もしくは気体噴霧剤の液体への導入によって、容器から出る時には泡として排出されるディスペンサー)によって作出され得る。本発明に関して、泡とは、固体の泡(例えば、ポリウレタンフォーム、カーボンフォーム、セラミックフォーム等)をささない。
【0016】
本発明の「泡増進剤」または「泡増強剤」は、ブレンドを作出するために共に組み合わせられた、本明細書全体において開示された糖類を含む。次いで、ブレンドは、起泡剤を含む所定の液体製剤へ添加され得る。ブレンドは、泡中の気泡を囲む/組み立てる/構成する液体の表面粘度を増加させ、それによって、泡負荷容量、泡高、および/または泡安定性を増加させることができる。
【0017】
「起泡剤」とは、組成物が泡を形成することを可能にする任意の化合物である。起泡剤の非限定的な例には、界面活性剤、起泡性界面活性物質、および泡発生に関連したその他の化合物が含まれる。
【0018】
「泡負荷容量」とは、泡構造を維持しながら、泡が保持することができる物質の量をさす。泡負荷容量は、泡内もしくは泡上の物質の重量もしくは質量等によって、泡構造内もしくは泡構造上の物質に関して定義されてもよいし、または負荷容量は、起泡すべきまたは起泡させられた液体組成物の中の物質の重量、質量、もしくは濃度等によって、起泡可能組成物の中の物質に関して定義されてもよい。ある物質についての泡負荷容量を越えた時、泡はその泡構造を失う。
【0019】
「泡高」および「泡体積」とは、各々、起泡可能組成物の非起泡部分の上にある泡の高さまたは体積をさす。
【0020】
「泡力」および「起泡力」とは、各々、蒸留水、0.50重量%の起泡性界面活性物質、および1重量%~10重量%の本発明の泡増進剤を含む水性組成物の、シリンダ振とう法によって測定される泡高増加が、泡増進剤なしの水性組成物と比較して10%を超えることをさす。
【0021】
「泡安定性」とは、何らかの型の撹拌または気体の導入にも関わらず、泡が崩壊するかまたはもはや泡を作出しなくなるまでに必要とされる時間をさす。泡が崩壊するまでにかかる時間がより長いことは、一般に、増加した泡安定性に等しい。
【0022】
「消泡剤」とは、起泡可能組成物において化合物が添加されるかまたは化合物の濃度が増加する時、泡に関連した特徴を減少させる化合物をさす。泡に関連した特徴の非限定的な例には、泡負荷容量、泡高、泡体積、および泡安定性が含まれる。消泡剤の非限定的な例には、油、芳香剤、および固体が含まれる。
【0023】
本明細書に記述された任意の態様が、本発明の任意の方法または組成物に関して実施され得、逆もまたそうであることが企図される。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を達成するために使用され得る。
【0024】
一つの態様において、本発明の組成物は、薬学的にまたは化粧料として上質であり得、または快適な触覚的特性を有し得る。「薬学的に上質」、「化粧料として上質」、および/または「快適な触覚的特性」とは、皮膚上で快適に感じる特定の触覚的特性を有する組成物(例えば、水分または油分が過剰でない組成物、滑らかな生地を有する組成物、粘着性または粘質でない組成物等)を記載するものである。薬学的にまたは化粧料として上質とは、組成物のクリーム状もしくは潤滑である特性、または組成物の水分保持特性にも関することができる。
【0025】
「約」または「およそ」という用語は、当業者によって理解されるように、近いこととして定義され、一つの非限定的な態様において、その用語は、10%以内、好ましくは、5%以内、より好ましくは、1%以内、最も好ましくは、0.5%以内であると定義される。
【0026】
「実質的に」という用語およびその語尾変化は、必ずしも完全にではないが、概して、当業者によって理解されるように特定されるものとして定義され、一つの非限定的な態様において、実質的にとは、10%以内、5%以内、1%以内、または0.5%以内の範囲をさす。
【0027】
「阻害する」もしくは「低下させる」という用語またはこれらの用語の語尾変化には、所望の結果を達成するための測定可能な減少または完全な阻害が含まれる。「促進する」もしくは「増加させる」という用語またはこれらの用語の語尾変化には、所望の結果を達成するための測定可能な増加が含まれる。
【0028】
「有効な」という用語は、本明細書および/または特許請求の範囲において使用されるように、望まれる、期待される、または意図される結果を達成するために適切であることを意味する。
【0029】
「1つ(a)」または「1つ(an)」という単語の使用は、特許請求の範囲および/または本明細書において「含む」という用語と共に使用される場合、「1つ」を意味することができるが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、および「1または複数」の意味とも一致する。
【0030】
「含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」および「含む(comprises)」のような含むの任意の語形)、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」のような有するの任意の語形)、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」のような含むの任意の語形)、または「含んでいる(containing)」(ならびに「含む(contains)」および「含む(contain)」のような含むの任意の語形)という単語は、包括的または無制限であり、付加的な列挙されていない要素または方法の工程を排除しない。
【0031】
本発明の泡増進ブレンド、泡増進ブレンドを有する組成物、および泡増進ブレンドを使用する方法は、明細書全体において開示された特定の成分、構成成分、組成物等「を含む」、「から本質的になる」、または「からなる」ことができる。「から本質的になる」という接続句に関して、一つの非限定的な局面において、本発明の泡増進ブレンドの基本的かつ新規の特徴は、所定の起泡可能組成物の泡負荷容量、泡高、泡体積、泡力、および/または泡安定性を増加させる能力である。
【0032】
[本発明1001]
(a)30重量%~50重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物;
(b)20重量%~55重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物;および
(c)10重量%~25重量%の二糖類または二糖類の混合物
を有する糖類ブレンドを含む泡増進剤。
[本発明1002]
(a)35重量%~45重量%のアルドヘキソースまたはアルドヘキソースの混合物;
(b)25重量%~30重量%のケトヘキソースまたはケトヘキソースの混合物;および
(c)12重量%~20重量%の二糖類または二糖類の混合物
を有する、本発明1001の泡増進剤。
[本発明1003]
アルドヘキソースがグルコースもしくはデキストロースまたはそれらの組み合わせであり、ケトヘキソースがフルクトースであり、かつ二糖類がマルトースである、本発明1001の泡増進剤。
[本発明1004]
三糖類をさらに含む、本発明1001の泡増進剤。
[本発明1005]
三糖類がマルトトリオースである、本発明1004の泡増進剤。
[本発明1006]
3重量%~10重量%の三糖類を含む、本発明1004の泡増進剤。
[本発明1007]
5重量%~20重量%の少なくとも4個の単糖単位を有する多糖類をさらに含む、本発明1001の泡増進剤。
[本発明1008]
蒸留水、0.50重量%の起泡性界面活性物質、および1重量%~10重量%の泡増進剤を含む水性組成物の、シリンダ振とう法によって測定される泡高増加が、泡増進剤を含まない水性組成物と比較して10%を超えることを特徴とするように、起泡力を増加させる、本発明1001の泡増進剤。
[本発明1009]
本発明1001の泡増進剤を含む、組成物。
[本発明1010]
1重量%~8重量%の泡増進剤を含む、本発明1009の組成物。
[本発明1011]
起泡剤をさらに含む、本発明1009の組成物。
[本発明1012]
芳香剤をさらに含む、本発明1009の組成物。
[本発明1013]
身体および/または毛髪の清浄組成物である、本発明1009の組成物。
[本発明1014]
pH 3~11を有する、本発明1009の組成物。
[本発明1015]
組成物の起泡、起泡能力の増加、泡高の増加、泡体積の増加、泡負荷容量の増加、泡負荷力の増加、および/または泡安定性の増加のために十分な量で、本発明1001の泡増進剤を組成物と組み合わせる工程を含む、組成物の起泡、起泡能力の増加、泡高の増加、泡体積の増加、泡負荷容量の増加、泡負荷力の増加、および/または泡安定性の増加の方法。
[本発明1016]
泡増進剤を有する組成物のシリンダ振とう法によって測定される泡高増加が、泡増進剤を含まない組成物と比較して10%を超えることを特徴とするように、泡増進剤が組成物の起泡力を増加させる、本発明1015の方法。
[本発明1017]
組成物が1重量%~8重量%の泡増進剤を含む、本発明1015の方法。
[本発明1018]
組成物が起泡剤をさらに含む、本発明1015の方法。
[本発明1019]
組成物が芳香剤をさらに含む、本発明1015の方法。
[本発明1020]
組成物が、化粧料組成物、薬学的組成物、工業用清浄組成物、ならびに/またはフラッキング流体および/もしくは掘削流体である、本発明1015の方法。
本発明の他の目的、特色、および利点は、以下の図面、詳細な説明、および実施例から明白になるであろう。しかしながら、図面、詳細な説明、および実施例は、本発明の具体的な態様を示すが、例示のために与えられるに過ぎず、限定的なものではないことが理解されるべきである。さらに、本発明の本旨および範囲に含まれる変化および修飾が、この詳細な説明から、当業者に明白になることが企図される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある種の非限定的な局面をさらに証明するために含まれる。本明細書に提示された具体的な態様の詳細な説明と組み合わせて、これらの図面のうちの一つまたは複数を参照することによって、本発明が、よりよく理解され得る。
【0034】
図1図1Aおよび1Bは、異なる濃度の泡増進ブレンドを含む数種の製剤についての15%界面活性物質における泡体積および泡安定性を示す。泡増進ブレンドは、泡体積および泡安定性の増加を提供する。
図2図2Aおよび2Bは、異なる濃度の泡増進ブレンドを含む数種の製剤についての15%界面活性物質における5分間の消泡を示す。泡増進ブレンドは、消泡の減少を提供する。
図3図3は、0%、1.5%、3%、6%、および10%の泡増進ブレンドを含むハンドソープ製剤(n=11)についての臨床評価の平均値を示す。ボランティアが、泡生成、泡体積、泡サイズ、泡密度、潤滑性、および濯ぎにくさについて各製剤を評価した。泡増進ブレンドは、泡生成、泡体積、泡サイズ、および潤滑性についての好感の注目すべき増加を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、様々な修飾および代替的な形態を受け入れるが、その具体的な態様が、図面において例として示され、本明細書に詳細に記載され得る。
【0036】
例示的な態様の説明
アルキルアミノカルボン酸塩、脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、ベタイン、スルホベタイン、ポリマー化合物、またはそれらの混合物のような現在入手可能な泡増進剤は、使用するのに高価である場合があり、皮膚刺激を引き起こす場合があり、所定の生成物製剤中の他の成分と化学的に反応性であり、反応しやすい場合があり、そのため、製剤に不安定性を導入する場合がある。さらに、泡増進剤として糖類を使用するいくつかの試みがなされているが、所定の製剤に組み入れる必要のある量が、極端に高い場合があり、所定の製剤の触覚的特性および安定性に負の影響を与え得る。
【0037】
本発明の泡増進糖類ブレンドは、これらの問題の解決策を与える。その解決策は、有効な泡増進剤をもたらす、糖類の特異的な組み合わせまたはブレンドを前提としている。ブレンドは、アルドヘキソース、ケトヘキソース、二糖類の組み合わせを含んでいてよく、任意で、三糖類およびより長鎖の糖類(例えば、4個以上の単糖単位、好ましくは、4~20個の単糖単位、より好ましくは、4~10個の単糖単位)を含んでいてよい。この糖類ブレンドは、皮膚に対して低腐食性であり、所定の起泡可能液体製剤中に存在する起泡剤のような成分に対して低反応性であり得る。従って、調合者が生成物製剤の実質的な修正を行う必要なしに、製剤の起泡特性を増強するため、任意の所定の製剤への糖類ブレンドの添加を使用することができる。
【0038】
本発明のこれらおよびその他の非限定的な局面は、以下のセクションにおいて、さらに詳細に記述される。
【0039】
A.泡増進糖類ブレンド
1.糖類構成成分
アルドヘキソースは、典型的には、アルデヒドを含むヘキソースである。泡増進剤に含まれ得るアルドヘキソースの例には、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、およびタロースが含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましくは、アルドヘキソースは、グルコース、デキストロース、またはそれらの組み合わせである。グルコースおよびデキストロースのようなアルドヘキソースは、広範囲の供給元(例えば、Sigma-Aldrich Co.LLC(St.Louis,Missouri,USA);Parchem fine & specialty chemicals,New Rochelle,New York,USA;Honeywell Specialty Chemicals(Morristown,NJ USA);Corn Products International(Westchester,IL USA);Nippon Starch Chemical(Osaka Japan))から市販されている。泡増進糖類ブレンド中のアルドヘキソースの量は、ブレンドの全重量に基づき、30重量%~50重量%であり得る。しかしながら、30重量%未満および50重量%超の範囲も、本発明に関して企図される(例えば、1重量%~99重量%または5重量%~75重量%)。
【0040】
ケトヘキソースは、典型的には、ケトンを含むヘキソースである。泡増進剤に含まれ得るケトヘキソースの例には、フルクトース、プシコース、ソルボース、およびタガトースが含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましくは、ケトヘキソースは、フルクトースである。フルクトースのようなケトヘキソースは、広範囲の供給元(例えば、Sigma-Aldrich Co.LLC(St.Louis,Missouri,USA);Parchem fine & specialty chemicals,New Rochelle,New York,USA;Honeywell Specialty Chemicals(Morristown,NJ USA);Corn Products International(Westchester,IL USA);Nippon Starch Chemical(Osaka Japan))から市販されている。泡増進糖類ブレンド中のケトヘキソースの量は、ブレンドの全重量に基づき、20重量%~55重量%または20重量%~40重量%であり得る。しかしながら、20重量%未満および55重量%超の範囲も、本発明に関して企図される(例えば、1重量%~99重量%または5重量%~75重量%)。
【0041】
二糖類とは、共有結合で共に結合された2個の単糖で作成された化合物である。二糖類はビオースまたは二糖としても公知である。泡増進剤に含まれ得る二糖類の例には、ラクトース、マルトース、およびスクロースが含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましくは、二糖類は、マルトースである。マルトースのような二糖類は、広範囲の供給元(例えば、Sigma-Aldrich Co.LLC(St.Louis,Missouri,USA);Parchem fine & specialty chemicals,New Rochelle,New York,USA;Honeywell Specialty Chemicals(Morristown,NJ USA);Corn Products International(Westchester,IL USA);Nippon Starch Chemical(Osaka Japan))から市販されている。泡増進糖類ブレンド中の二糖類の量は、ブレンドの全重量に基づき、10重量%~25重量%であり得る。しかしながら、10重量%未満および25重量%超の範囲も、本発明に関して企図される(例えば、1重量%~99重量%または5重量%~75重量%)。
【0042】
三糖類とは、共有結合で共に結合された3個の単糖で作成された化合物である。泡増進剤に含まれ得る三糖類の例には、イソマルトトリオース、ケストース、マルトトリオース、マルトトリウロース、メレジトース、およびラフィノースが含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましくは、三糖類は、マルトトリオースである。マルトトリオースのような三糖類は、広範囲の供給元(例えば、Sigma-Aldrich Co.LLC(St.Louis,Missouri,USA);Parchem fine & specialty chemicals,New Rochelle,New York,USA;Honeywell Specialty Chemicals(Morristown,NJ USA);Corn Products International(Westchester,IL USA);Nippon Starch Chemical(Osaka Japan))から市販されている。泡増進糖類ブレンド中の三糖類の量は、ブレンドの全重量に基づき、3重量%~10重量%であり得る。しかしながら、3重量%未満および10重量%超の範囲も、本発明に関して企図される(例えば、1重量%~99重量%または1重量%~75重量%)。
【0043】
少なくとも4個の単糖単位を有する多糖類は、直鎖型または分岐型のポリマーであり得る。泡増進剤に含まれ得る多糖類の例には、アミロペクチン、アミロース、アラビノキシラン、カロース、セルロース、キチン、クリソラミナリン、フコイダン、ガラクトマンナン、グリコーゲン、ラミナリン、およびマンナンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましくは、多糖類は、4~30個の単糖単位、好ましくは、4~20個の単糖単位、より好ましくは、4~10個の単糖単位から構成されている。多糖類は、より大型の多糖類の分解生成物であってもよい。好ましくは、多糖類は、デンプンの分解生成物である。より好ましくは、多糖類は、コーンスターチの分解生成物である。さらに好ましくは、多糖類は、コーンスターチの加水分解生成物である。いくつかの場合において、本明細書に開示された起泡増進剤に含まれる多糖類は、より大型の多糖類の自然分解を通して存在するものであり、明示され得ない。多糖類は、広範囲の供給元(例えば、Sigma-Aldrich Co.LLC(St.Louis,Missouri,USA);Parchem fine & specialty chemicals,New Rochelle,New York,USA;Honeywell Specialty Chemicals(Morristown,NJ USA);Corn Products International(Westchester,IL USA);Nippon Starch Chemical(Osaka Japan))から市販されている。泡増進糖類ブレンド中の少なくとも4個の単糖単位を有する多糖類の量は、ブレンドの全重量に基づき、5重量%~20重量%であり得る。しかしながら、5重量%未満および20重量%超の範囲も、本発明に関して企図される(例えば、1重量%~99重量%または1重量%~75重量%)。
【0044】
2. 泡増進多糖類ブレンドの非糖類構成成分および特徴
本発明の泡増進多糖類ブレンドは、他の成分を含んでいてもよい。例えば、泡増進剤の流動学的特性または泡増進剤のpHを修飾するため、付加的な成分を添加することができる。好ましい態様において、泡増進剤は、75%~99%の固体を含む。もう一つの好ましい態様において、泡増進剤は、最低、80%の固体、80%~88%、80%~86%、82%~88%、82%~86%、80%~90%、82%~90%、75%~88%、または75%~86%の固体を含む。好ましい態様において、泡増進剤は、25℃で、30rpmで、Brookfield粘度計DV-EモデルRVDVEスピンドル番号4によって測定される1000~50000cpsの粘度を有する。より好ましい態様において、ブレンドの粘度は、1000~10000cps、3000~7000cps、または約4000~6000cps、さらに好ましくは、約4000~5300cps、4200~5700cps、4200~5300cps、4200~6000cps、または4000~5700cpsであり得る。好ましい態様において、泡増進剤は、pH 1~14またはその中の任意の範囲を有する。もう一つの好ましい態様において、泡増進剤は、pH 2~12、3~12、3~8、3~7、4~12、4~8、または4~7を有する。好ましい態様において、泡増進剤は、液体の形態にある。液体は、透明または不透明であり得る。
【0045】
3. 泡増進糖類ブレンドを作成する方法
本発明の泡増進糖類ブレンドは、ブレンドの構成成分(即ち、アルドヘキソース、ケトヘキソース、二糖類、任意で、三糖類および4個以上の単糖単位を有する多糖類)の各々を入手し、構成成分を共に混合物へと混合することによって作成され得る。いくつかの場合において、構成成分の各々は、得られる混合物またはブレンドが粉末または微粒子の形態にあるよう、粉末または微粒子の形態にある。他の場合において、構成成分の各々は、得られる混合物またはブレンドが液体またはその他の流動性のある形態にあるよう、液体の形態にある。本発明の好ましい局面において、ブレンドは、水性溶液に溶解した個々の構成成分の混合物である。理論によって拘束されることは望まないが、各成分は、ブレンド中の他の構成成分に対して化学的に不活性であると考えられる。以下に、本発明の泡増進糖類ブレンドを作成するために使用され得る非限定的な過程が含まれる:
a. 混合条件(例えば、300~1000rpmが可能な混合機に付着した、容器に合わせた適当な寸法のマリンブレードまたはA310ブレード)下で、適当な清潔で無菌の容器に、ブレンドの構成成分を添加する。バッチへの過剰の気泡導入を防止するため、過剰混合しない。
b. 均一な溶液が形成されるまで、混合し続ける。好ましい態様において、均一な溶液は透明であり得る。
c. 過剰の剪断を導入することなく回転を維持するために必要に応じてスピードを増加させる。
d. 完了後、混合を中止する。
混合過程は、構成成分または混合物を加熱することなく実施され得る。従って、製造の間(例えば、前記の混合工程の間)のブレンドの温度は、室温と実質的に同一であり得る(例えば、15℃~30℃、好ましくは、20℃~25℃または約25℃)。
【0046】
4. 組成物に対する泡増進糖類ブレンドの効果
本発明の泡増進糖類ブレンドは、所定の組成物(例えば、液体組成物、または固体のハンドソープバーのような、水が添加された時に泡を生成することができる非液体組成物のいずれか)の泡特徴を修飾することができる。非限定的な例として、本発明の泡増進糖類ブレンドは、非起泡可能組成物を起泡可能にすることができる。他の場合において、ブレンドは、所定の組成物の起泡力を増加させ、泡量を増加させ、泡安定性を増加させ、泡密度を増加させ、泡負荷容量を増加させ、泡生地を修飾し、かつ/または泡が作出されるスピードを増加させることができる。
【0047】
泡および泡増進剤の特徴を測定する方法は、当技術分野において公知である。例えば、起泡力および泡安定性は、シリンダ振とう法によって、組成物の泡高または泡体積を測定することによって特徴決定され得る。シリンダ振とう法は、起泡剤を含んでおり、泡増進剤を含む/含まない液体の試験組成物を調製し、試験組成物をシリンダ内に置き、シリンダに栓をし、設定された時間、シリンダを垂直に激しく振とうすることによって組成物を撹拌し、撹拌工程の完了時に直ちにシリンダ内の泡の体積または高さを測定することによって実施され得る。泡の体積または高さの増加は、泡力の増加を示す。次いで、試験組成物を静置しながら、泡の体積または高さの減少速度を経時的に決定することによって、泡安定性を特徴決定することができる。泡安定性の増加は、泡の体積または高さのより遅い低下によって示される。一つの態様において、起泡力および泡安定性は、1重量%~10重量%の泡増進剤の存在下/非存在下で、液体としての蒸留水、0.50重量%の起泡性界面活性物質を使用して決定される。
【0048】
B. 泡増進糖類ブレンドを使用する方法
本発明の泡増進糖類ブレンドは、組成物の泡特徴を修飾するために使用され得る。非限定的な例として、泡増進剤は、非起泡可能組成物が起泡可能になることを可能にし、起泡力を増加させ、泡量を増加させ、泡安定性を増加させ、泡密度を増加させ、泡負荷容量を増加させ、泡生地を修飾し、かつ/または泡が作出されるスピードを増加させることができる。さらなる非限定的な例として、泡増進剤は、組成物において所望の泡特徴を作出することができる適当な起泡剤の数を増加させ、所望の特徴を有する泡を形成するために必要とされる起泡剤の濃度を減少させ、かつ/または消泡剤のような泡特徴を修飾する薬剤の濃度の増加による泡特徴の修飾を防止することができる。
【0049】
本発明の泡増進糖類ブレンドは、多様な組成物において使用され得る。そのような組成物の非限定的な例には、薬学的組成物、化粧料、パーソナルケア生成物、食料、清浄組成物、抽出組成物、フラッキング流体、掘削流体、および気体捕獲組成物が含まれる。好ましくは、泡増進剤は、非毒性かつ非刺激物である。いくつかの好ましい態様において、泡増進剤は、以下に限定されるわけではないが、医薬および/または化粧料において使用され得る。
【0050】
泡増進剤は、任意の濃度で組成物において組み合わせられてよい。好ましくは、泡増進剤の濃度は、組成物の泡特徴を増加させるか、修飾するか、または維持するのに十分なものである。泡増進剤の非限定的な濃度には、組成物の少なくとも約0.0001重量%~99重量%、またはその中から導き出せる任意の範囲が含まれる。好ましい態様において、組成物は、1重量%~20重量%、1重量%~15重量%、1重量%~10重量%、3重量%~15重量%、3重量%~10重量%、1重量%~8重量%、または3重量%~8重量%の泡増進ブレンドを含む。
【0051】
泡増進剤は、活性成分、起泡剤、消泡剤、媒体、担体、構築(structuring)剤、化粧料成分、医薬、洗浄剤、芳香剤、緩衝剤、固体、油等を含むが、これらに限定されるわけではない、他の成分を含む組成物において組み合わせられ得る。媒体または担体は、薬学的にまたは皮膚科学的に許容される媒体または担体であり得る。媒体または担体の非限定的な例には、水、グリセリン、アルコール、油、シリコン含有化合物、およびシリコン化合物が含まれる。好ましい態様において、組成物は、1種または複数種の界面活性物質のような1種または複数種の起泡剤を含む。起泡剤は、薬学的にまたは皮膚科学的に許容される界面活性物質または界面活性剤であり得る。起泡性の界面活性物質および界面活性剤の非限定的な例には、非イオン性界面活性物質、陰イオン性界面活性物質、陽イオン性もしくは両性の界面活性物質、またはそれらの組み合わせが含まれる。非イオン性界面活性物質の非限定的な例には、ポリエトキシル化化合物、ポリプロポキシル化化合物、アルカノールアミド、アミンオキシド、もしくは多価アルコールの脂肪酸、またはそれらの組み合わせが含まれる。陰イオン性界面活性物質の非限定的な例には、カルボキシレート(例えば、アルキルカルボキシレートおよびポリアルコキシカルボキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、もしくはノニルフェノールエトキシレートカルボキシレート、またはそれらの組み合わせ)、スルホネート(例えば、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステル、またはそれらの組み合わせ)、またはスルフェート(例えば、硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルスルフェート、スルホサクシネート、もしくはアルキルエーテルスルフェート、またはそれらの組み合わせ)、またはそれらの組み合わせが含まれる。陽イオン性界面活性物質の非限定的な例には、1価四級アンモニウム塩、アンモニウム化合物、アミドアミン、もしくはイミド、またはそれらの組み合わせが含まれる。非限定的な両性界面活性物質には、アルキルアミド、ベタイン、イミダゾリン、プロピオネート、もしくはスルホベタイン、またはそれらの組み合わせが含まれる。組成物は、1種または複数種の消泡剤を含んでもよい。消泡剤の非限定的な例には、油(例えば、ヒマワリ油、ヤシ油、植物油(vegetable oil)、植物油(plant oil)、皮膚保湿剤等)、芳香剤、または固体が含まれる。
【0052】
泡増進剤は、多様な異なる形態で構築されたまたは製剤化された組成物において組み合わせられ得る。非限定的な例には、乳濁液(例えば、油中水型、水中油中水型、水中油型、水中シリコン型、シリコン中水型、油中水中油型、シリコン中水中油型の乳濁液)、溶液(水性、水アルコール性(hydro-alcoholic)の両方、およびその他)、無水基剤、ならびにゲルが含まれる。本明細書に記載された泡増進剤を含む組成物の変動は、当業者に明白であり、本発明において使用するために適している。
【0053】
本明細書に開示され特許請求の範囲に記載された泡増進剤、組成物、および方法は、全て、本開示を考慮すれば、過度の実験なしに作成され実施され得る。本発明の組成物および方法は、好ましい態様に関して記載されているが、本発明の概念、本旨、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された泡増進剤、組成物、および方法、および方法の工程、または工程の順序に変動が施されてもよいことが、当業者には明白であろう。より具体的には、化学的にも生理学的にも関連しているある種の薬剤を、本明細書に記載された薬剤の代わりに用いても、同一または類似の結果が達成され得ることが、明白であろう。当業者に明白なそのような類似の代用物および修飾は、全て、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の本旨、範囲、および概念に含まれると見なされる。
【実施例
【0054】
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を証明するために含まれる。以下の実施例において開示された技術は、本発明の実施において良好に機能することが本発明者らによって発見された技術を表し、従って、その実施のための好ましいモードを組み立てると見なされ得ることが、当業者によって理解されるべきである。しかしながら、本開示を考慮すれば、開示された具体的な態様において多くの変化を作成しても、本発明の本旨および範囲から逸脱することなく、同様または類似の結果を入手することが可能であることを、当業者は理解するべきである。
【0055】
実施例1
(泡増進糖類ブレンドを作成する方法)
FARMAL(登録商標)HFS 2656およびFARMAL(登録商標)GS 1653を、1:1比で組み合わせることによって、泡増進ブレンドを調製した。FARMAL(登録商標)HFS 2656およびFARMAL(登録商標)GS 1653は、両方ともIngredionから市販されており、コーンスターチの加水分解を通して生成された炭水化物の水性溶液である。FARMAL(登録商標)HFS 2656およびFARMAL(登録商標)GS 1653は、表1に開示された特徴を有する。
【0056】
(表1)
【0057】
泡増進剤が形成されるよう、以下の過程条件下で、FARMAL(登録商標)HFS 2656およびFARMAL(登録商標)GS 1653を、50:50比で組み合わせた。
a. 好ましくは、クロミウムまたはニッケルで裏打ちされた316グレードステンレス鋼で陽極処理された、適当な清潔で無菌の容器に、FARMAL(登録商標)HFS 2656を添加した。
b. 500~600rpmで、A310ブレードを使用して、IKA Eurostar 60、モデルEuro-ST-60-D-S001によって混合を行った。
c. 過剰混合を回避するため、混合物を視覚的にモニタリングした。過剰混合は、バッチに過剰の空気を導入し、混合の間の泡の可能性を増加させ得る。
d. 適当に回転し均一になった時、FARMAL(登録商標)HFS 2656を含むメイン容器に、FARMAL(登録商標)GS 1653を添加した。混合過程において、外部熱源は使用されなかった。
e. 透明な均一な溶液が形成されるまで、2種の構成成分を共に混和した。過剰の剪断を導入することなく回転を維持するために必要に応じてスピードを増加させた。
f. 完了後、混合を中止し、試料をQCへ送った。
【0058】
前記のように、泡増進剤の複数のバッチを調製し、視覚的な外観、乾物質%、粘度、およびpHについて試験した。結果は表2の通りである。
【0059】
(表2)
【0060】
内部品質管理の一部として、製造後のバッチに対して、環境温度で、3点校正Sartorius pHメーターで、pH測定を実施した。25℃で30rpmでBrookfield粘度計スピンドル番号4を使用して、600mlのバルクを使用した粘度を実施した。%固体は、水分分析機を使用して決定されるであろう。
【0061】
実施例2
(泡増進ブレンドの試験)
混合および増進ブレンドによって引き起こされるpHドリフトを補償するために使用される水性水酸化ナトリウムのレベルの調整(即ち、十分量の水性水酸化ナトリウムの減少)を介して、泡増進ブレンドを製剤に添加することによって、泡増進ブレンド(表2のバッチC)を、表3および4に記載された起泡可能製剤に添加した。泡増進剤を含む製剤(3重量%)および含まない製剤(0重量%)の泡力および泡安定性を決定するため、これらの製剤を試験した。
【0062】
(表3)
【0063】
(表4)
1 芳香油は、ラベンダー油およびペパーミント精油の1:1ブレンドであった。ラベンダー油は、Ultrapure Laboratories(Ireland)によって供給された。ペパーミント精油は、D&D Essential Oils(Garland,Texas,USA)によって供給された。
【0064】
泡増進剤を含む製剤において泡力および泡安定性が増加するか否かを決定するため、泡増進剤(表2のバッチC)を含む製剤および含まない製剤の泡力および泡安定性を試験した。表3および4に記載された製剤を、泡増進剤を含め(3重量%)、泡増進剤を含めず(0重量%)調製した。製剤は、含まれる芳香油および水の量について異なっていた。3重量%の芳香油を含み泡増進剤を含まない陰性対照、および9重量%の芳香油を含み泡増進剤を含まない陰性対照を、それぞれ、表3および4に記載されたように調製した。9重量%の芳香油および3重量%の泡増進剤を含む、泡増進剤を含む試験製剤を、表4に記載されるように調製した。
【0065】
泡力をシリンダ振とう法によって試験した。簡単に説明すると、等量の陰性対照および試験製剤を、個々の同一シリンダに添加した。各シリンダを密封し、密封されたシリンダを、10秒間、垂直に激しく振とうすることによって、製剤を撹拌した。撹拌直後に、各シリンダ内の泡高を測定した。撹拌直後の泡高として、泡力を報告した。
【0066】
1分撹拌後の各製剤の泡高を、10分間、測定することによって、泡安定性を決定した。製剤を、10分間の測定期間の間中、静置した。経時的な泡高の減少速度として、泡安定性を報告した。減少速度が遅いほど、泡安定性が大きい。
【0067】
9重量%芳香油陰性対照は、3重量%芳香油陰性対照と比較された場合、減少した泡力を有することが見出された。9重量%の芳香油および3重量%の泡増進剤を含む泡増進剤試験製剤は、9重量%芳香油陰性対照と比較された場合、増加した泡力および泡安定性を有することが、驚くべきことに見出された。
【0068】
従って、本明細書に開示される泡増進剤の添加は、製剤中の起泡剤の割合を調整する必要なしに、製剤の泡力および泡安定性を増加させることが決定された。さらに、本明細書に記載される泡増進ブレンドの添加は、9重量%の芳香油を含む製剤のような高濃度の消泡剤を含む製剤の泡力および泡安定性を増加させることが決定された。本明細書に記載される泡増進剤の製剤への添加は、製剤に変化がなされる時の所望の泡特徴の注目すべき変化を回避するため、起泡剤または消泡剤の割合を調整する必要も軽減することが企図される。非限定的な例として、本明細書に記載される泡増進剤は、界面活性物質の型またはクラスを変化させる必要を回避することを可能にし、消泡剤または泡修飾剤の高い負荷を含む起泡可能製剤を製剤化することを可能にし、かつ/または泡の特徴に干渉する可能性がある付加的な化合物の添加を回避することを可能にする。さらなる非限定的な例として、本明細書に記載される泡増進剤は、そうでなければ泡の形成を防止するであろうpHおよび温度で、起泡可能製剤を製剤化することを可能にする。
【0069】
実施例3
(泡増進ブレンドを有するシャンプーの安定性試験)
混合および泡増進ブレンドを補償するための水の調整(即ち、十分量の水の減少)を介して、泡増進ブレンドを製剤に添加することによって、表2のバッチCの泡増進ブレンドを、下記表5に記載される成分リストに基づくシャンプー製剤に添加した。泡増進ブレンドの添加は、瞬間的な泡の観察可能な増加を提供し、その後、水との接触時に低密度~中密度の泡を提供し、それは、その時点で、予想より長い保持時間を有する安定的な泡として特徴決定された。
【0070】
(表5)
製剤は、剪断混合しながらメイン容器に相Aを添加することによって調製され得る。継続的に剪断混合しながらメイン容器に相Bを添加する。剪断混合しながらメイン容器に相Cを順に添加する。所望のpHにするために十分量の相Dを添加する。剪断混合しながら相Eを順に添加する。均一になった後、最終容器へ移す。
**賦形剤は、例えば、製剤の流動学的特性を修飾するために添加され得る。あるいは、水の量を変動させてもよい。
【0071】
実施例4
(泡増進ブレンドを有する石鹸の泡体積、消泡、および泡安定性の試験)
混合および泡増進ブレンドを補償するための水の調整(即ち、十分量の水の減少)を介して、泡増進ブレンドを製剤に添加することによって、泡増進ブレンドを、表6に記載された成分リストに基づく15%界面活性物質を含む起泡性製剤B-PRVに添加した(表7を参照すること)。複数の濃度における泡増進ブレンドの添加は、泡体積の増加、泡安定性の増加、および消泡の減少を提供した(表7、ならびに図1A、1B、2A、および2Bを参照すること)。
【0072】
簡単に説明すると、試験のため、0.16gの製剤を79.84gの水で希釈することによって、表7の製剤の0.20%溶液を作成した。必要に応じて、希釈液を25℃に加温し、50mlの希釈液を、250mlのメスシリンダに置き、反転させた。
【0073】
(表6)
この製剤における固体の濃度は31.5重量%である。
**製剤のpHを6.5~7.5に調整するために必要に応じてクエン酸を添加することができる(このバッチには、0.8gのクエン酸が添加された)。濃密化するためにNaClを添加してもよいし、希薄化するために付加的な水を添加してもよい。このバッチには、付加的なNaClまたは水は添加されなかった。
【0074】
(表7)
【0075】
実施例5
(泡増進ブレンドを有するハンドソープの臨床実験)
混合および増進ブレンドを補償するための水の調整(即ち、十分量の水の減少)を介して、異なる濃度の泡増進ブレンドを製剤に添加することによって、泡増進ブレンドを、表8に記載された成分リストに基づくハンドソープ製剤に添加した(泡増進ブレンドの濃度が0重量%~10重量%と異なる製剤A~Eについて、表8を参照すること)。製剤の泡を生成する能力、生成された泡体積、生成された泡サイズ、製剤の潤滑性、生成された泡密度、および製剤の濯ぎにくさの好感について、製剤A~Eを評価するよう、11人のボランティアに依頼した。ボランティアは、1が「最も好きでない」を表し、5が「最も好き」を表す1~5のスケールを使用して、各組成物を独立に評価した。ボランティアは、各製剤に何が含まれているかを伝えられておらず、他のボランティアと結果について議論することを禁止された。複数の濃度の泡増進ブレンドの添加が、泡増進ブレンドを含んでいない製剤Aと比較された場合、泡生成、泡体積、泡サイズ、および潤滑性についての好感の注目すべき増加を提供した(表9および図3を参照すること)。
【0076】
(表8)
製剤の外観は無色透明~薄黄色の液体であった。
【0077】
(表9)
【0078】
本明細書に開示され特許請求の範囲に記載された組成物および/または方法は、全て、本開示を考慮すれば、過度の実験なしに作成され実施され得る。本発明の組成物および方法は、好ましい態様に関して記載されているが、本発明の概念、本旨、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された組成物および/または方法、方法の工程、または工程の順序に変動が施されてもよいことは、当業者に明白であろう。より具体的には、化学的にも生理学的にも関連しているある種の薬剤を、本明細書に記載された薬剤の代わりに用いても、同一または類似の結果が達成され得ることが明白であろう。当業者に明白なそのような類似の代用物および修飾は、全て、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の本旨、範囲、および概念に含まれると見なされる。
図1
図2
図3