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特許7154411電子処理プラットフォームで行うユーザ個別の品物に関連する値の演算
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】電子処理プラットフォームで行うユーザ個別の品物に関連する値の演算
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221007BHJP
【FI】
G06Q30/02 490
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021525381
(86)(22)【出願日】2019-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 FI2019050548
(87)【国際公開番号】W WO2020016482
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】18184120.6
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521022646
【氏名又は名称】ストレベルセ オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘイノネン、ベイヨ
(72)【発明者】
【氏名】サイッコ、ミッコ
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0150858(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0030159(US,A1)
【文献】特表2004-519021(JP,A)
【文献】特開2018-028818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサ、およびコンピュータプログラムコードを含む、少なくとも1つの記憶装置を備える演算機器(200)であって、前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
ユーザ(101)のユーザ属性プロファイルベクトル(212)と、品物の品物属性ベクトル(223)との間の類似度スコア(232)を、前記属性プロファイルベクトルおよび前記品物属性ベクトルにおける、前記品物に適用可能である、対応する属性値を比較することによって計算し、
価格弾力度(1410)であって、前記価格弾力度(1410)が行動履歴に基づく、価格弾力度(1410)を取得し、
前記類似度スコアおよび前記価格弾力度に基づいて、訴求力スコア(1417)を計算し、
少なくとも前記訴求力スコアおよび前記価格弾力度に基づいて、前記品物のユーザ個別価格(1418)を計算し、
前記品物の前記ユーザ個別価格を提供する
ように構成される、演算機器(200)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
前記類似度スコアおよび前記価格弾力度を含む製品を用いて、前記訴求力スコアを計算する
ように構成される、請求項1記載の演算機器(200)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
前記ユーザの行動履歴(211)に基づいて、前記価格弾力度を計算する
ように構成される、請求項1または2記載の演算機器(200)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
前記価格弾力度に基づいて、予想需要(1414)を計算し、
前記予想需要および前記価格弾力度に基づいて、最適マージンの価格(1416)を計算し、
少なくとも前記訴求力スコアおよび前記最適マージンの価格に基づいて、前記品物に対する前記ユーザ個別価格を計算する
ように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の演算機器(200)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
少なくとも前記予想需要および価格感受度に基づいて、割引率を計算し、
少なくとも前記訴求力スコア、前記最適マージンの価格、および前記割引率に基づいて、前記品物に対する前記ユーザ個別価格を計算する
ように構成される、請求項4記載の演算機器(200)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
少なくとも1つの制御パラメータ(250)を取得し、
前記価格感受度、前記予想需要、および前記少なくとも1つの制御パラメータに基づいて、前記ユーザの前記割引率(1415)を計算する
ように構成される、請求項5記載の演算機器(200)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの制御パラメータは、対象割引率およびユーザ個別対象販売量予測を含む、
請求項6記載の演算機器(200)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの制御パラメータは、前記品物の前記ユーザ個別価格の上限を示す第1偏差パラメータ、および前記品物の前記ユーザ個別価格の下限を示す第2偏差パラメータを含む、
請求項6または7記載の演算機器(200)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
少なくとも前記訴求力スコア、前記最適マージンの価格、前記割引率、および前記少なくとも1つの制御パラメータに基づいて、前記品物に対する前記ユーザ個別価格を計算する
ように構成される、請求項~8のいずれか1項に記載の演算機器(200)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
各品物の前記訴求力スコアに応じて、複数の品物を順序決めし、
前記割引率が達成されるまで、順序中の前記品物に対するユーザ個別価格を計算する
ように構成される、請求項~9のいずれか1項に記載の演算機器(200)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
前記品物の前記ユーザ個別価格をクライアント装置に送信する
ように構成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の演算機器(200)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの記憶装置および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記演算機器が、
前記品物の前記ユーザ個別価格を前記演算機器のユーザに表示する
ように構成される、請求項1~11のいずれか1項に記載の演算機器(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子装置に関し、より具体的には、品物に関連する値を決定するための演算機器に関する。さらに、本開示は、対応する方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子取引プラットフォームは、多くの業界および製品グループにおいて、より一般的となっている。ユーザは、より多くの製品およびサービスを、インターネットを通して検索および購入している。多くのユーザが、携帯電話やタブレット型コンピュータのようなモバイル機器を使用して、これらの電子取引プラットフォームにアクセスする。迅速な購入決定が一般的であり、これは、他の要因、たとえば品物のブランドと比較して、品物の価格の購入決定に対する影響力を強め得る。
【0003】
現在、電子取引プラットフォームは、数千または数十万の品物を含み得る。単一の品物のカテゴリでも、数千の品物を含むことがあり、これによって、ユーザが正しい品物を見つけることが、困難かつ時間のかかるものになる可能性がある。関連のある品物を可能な限り容易に見つけることも、ユーザ用電子取引プラットフォームの関心事となり得る。さらに、別々の電子取引プラットフォーム上では、品物は同じでない可能性があるため、価格の比較は、困難である可能性がある。これらおよびその他の課題により、電子取引プラットフォーム上での品物の価格を決定することは、困難である可能性がある。
【0004】
特許文献1は、製品価格を最適化するための方法を開示している。方法は、ユーザからの売りに出される製品に対するオファー価格の要求を受信し、データベースから、売りに出される製品に関連する現在価格を取得し、現在価格が対応する、上限と下限との間の一連の価格を含む価格幅を特定し、特定された価格幅に関連して、現在価格に基づいてオファー価格を計算する価格決定処理を実行し、オファー価格を製品に関連付け、オファー価格をユーザに提供することを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2015120614号明細書
【発明の概要】
【0006】
この要約は、本明細書中、以下においてさらに説明される、単純化された一揃えの概念を導入するために提供される。この要約は、請求項の主題のすべての重要な特徴またはすべての本質的特徴を特定することを意図せず、請求項の主題の範囲を限定するために使用されることも意図しない。
【0007】
ユーザ個別価格を計算するための演算機器を提供することが目的である。その目的は、独立請求項の特徴によって達成される。従属請求項、本明細書および図面にさらなる実施形態が提供される。
【0008】
第1の態様によると、演算機器は、少なくとも1つのプロセッサ、およびコンピュータプログラムコードを含む、少なくとも1つの記憶装置を備える演算機器であって、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、ユーザのユーザ属性プロファイルベクトルと、品物の品物属性ベクトルとの間の類似度スコアを、属性プロファイルベクトルおよび品物属性ベクトルにおける、対応する属性値を比較することによって計算し、価格弾力度を取得し、類似度スコアおよび価格弾力度に基づいて、訴求力スコア(1417)を計算し、少なくとも前記訴求力スコアおよび前記価格弾力度に基づいて、前記品物のユーザ個別価格(1418)を計算するように構成される。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、各品物に対してユーザ個別価格を計算することが可能であってもよい。このようにして、ユーザは、より早く、より少ない労力で手ごろな値段の品物を見つけることが可能であってもよい。
【0009】
第1の態様の一実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、類似度スコアおよび価格弾力度を含む製品を用いて訴求力スコアを計算するように構成される。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、訴求力スコアを品物とユーザと価格弾力度との類似度を反映するように計算することが可能であってもよい。
【0010】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、ユーザの行動履歴に基づいて、価格弾力度を計算するように構成される。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、価格弾力度を計算する際に、購入など、ユーザの過去の行動を利用することが可能であってもよい。
【0011】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、価格弾力度に基づいて、予想需要を計算し、予想需要および価格弾力度に基づいて、最適マージンの価格を計算し、少なくとも訴求力スコアおよび最適マージンの価格に基づいて、品物に対するユーザ個別価格を計算するように構成される。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、ユーザ個別価格を計算する際に、最適マージンの価格を利用することが可能であってもよい。
【0012】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、少なくとも予想需要および価格感受度に基づいて、割引率を計算し、少なくとも訴求力スコア、最適マージンの価格、および割引率に基づいて、品物に対するユーザ個別価格を計算するように構成される。
【0013】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、少なくとも1つの制御パラメータを取得し、価格感受度、予想需要、および少なくとも1つの制御パラメータに基づいて、ユーザの割引率を計算するように構成される。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、各ユーザに割り当てられる割引の量を制限することが可能であってもよい。
【0014】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの制御パラメータは、対象割引率およびユーザ個別の対象販売量予測を含む。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、制御パラメータに基づいてユーザ個別価格を計算することが可能であってもよい。
【0015】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの制御パラメータは、品物のユーザ個別価格の上限を示す第1偏差パラメータ、および品物のユーザ個別価格の下限を示す第2偏差パラメータを含む。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、ユーザ個別価格の限界を定義する制御パラメータを受信することが可能であってもよい。
【0016】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、少なくとも訴求力スコア、最適マージンの価格、割引率、および少なくとも1つの制御パラメータに基づいて、品物に対するユーザ個別価格を計算するように構成される。そのような構成によって、演算機器およびユーザ個別価格は、制御パラメータを用いて制御されてもよい。
【0017】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、各品物の訴求力スコアに応じて、複数の品物を順序決めし、割引率が達成されるまで、その順序中の品物に対するユーザ個別価格を計算するように構成される。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、各ユーザの割引割り当てを制御することが可能であってもよい。
【0018】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、品物のユーザ個別価格をクライアント装置に送信するように構成される。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、クライアント装置がユーザ個別価格をクライアント装置のユーザに表示することを可能にさせることが可能であってもよい。
【0019】
第1の態様のさらなる実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、ユーザ個別価格を演算機器のユーザに表示するように構成される。そのような構成によって、演算機器は、たとえば、ユーザ個別価格を演算機器のユーザに表示することが可能であってもよい。
【0020】
第2の態様によると、方法は、ユーザのユーザ属性プロファイルベクトルと品物の品物属性ベクトルとの類似度スコアを、属性プロファイルベクトルおよび品物属性ベクトルの、対応する属性値を比較することによって計算し、価格弾力度を取得し、類似度スコアおよび価格弾力度に基づいて訴求力スコアを計算し、少なくとも訴求力スコアおよび価格弾力度に基づいて、品物のユーザ個別価格を計算することを含む。
【0021】
第3の態様によると、コンピュータ上で実行されると、第2の態様の方法を行うように構成される、プログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0022】
付随する特徴の多くは、添付の図面に関連して考慮される、以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるため、より容易に認められる。
【0023】
本明細書は、以下の詳細な説明を添付の図面に照らして読むと、より良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施形態の品物のユーザへの関連性を決定するように構成されるクライアント装置および演算機器の概略図を示す。
図2】一実施形態の演算機器の概略図を示す。
図3】一実施形態の品物価格演算システムの概略図を示す。
図4】一実施形態の品物価格計算システムの概略図を示す。
図5】一実施形態のユーザプロファイルの概略図を示す。
図6】一実施形態の品物属性ベクトルの概略図を示す。
図7】一実施形態の食品属性ベクトルの概略図を示す。
図8】一実施形態の衛生用品属性ベクトルの概略図を示す。
図9】別の実施形態の衛生用品属性ベクトルの概略図を示す。
図10】一実施形態のユーザ行動履歴の概略図を示す。
図11】一実施形態のユーザ属性プロファイルの概略図を示す。
図12】別の実施形態のユーザ属性プロファイルの概略図を示す。
図13】一実施形態の品物属性ベクトルとユーザ属性プロファイルベクトルとの比較の概略図を示す。
図14】別の実施形態の品物属性ベクトルとユーザ属性プロファイルベクトルとの比較の概略図を示す。
図15】一実施形態のユーザ-品物個別価格計算の概略図を示す。
図16】一実施形態のユーザツリーの概略図を示す。
図17】一実施形態のユーザ-品物個別価格計算の概略図を示す。
図18】一実施形態のユーザ-品物個別価格計算の概略図を示す。
図19】一実施形態の品物表示インターフェースの概略図を示す。
図20】別の実施形態の品物表示インターフェースの概略図を示す。
図21】別の実施形態の品物表示インターフェースの概略図を示す。
図22】一実施形態の品物ビューの概略図を示す。
図23】別の実施形態の品物ビューの概略図を示す。
図24】別の実施形態の品物ビューの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
類似の参照符号は、添付の図面において、類似の部分を示すために使用される。
【0026】
添付の図面に関連して以下に提供する詳細な説明は、実施形態の説明として意図され、実施形態が構築または活用されてもよい唯一の形態を表すことを意図しない。しかし、同一または同等の機能および構造が、異なる実施形態によって達成されてもよい。
【0027】
図1は、クライアント装置100および演算機器200の概略図を示す。クライアント装置100は、通信チャネル103を使用して演算機器200と通信することが可能であり、演算機器200は、通信チャネル103を使用してクライアント装置100と通信することが可能である。クライエント100は、演算機器200に要求を送信してもよく、演算機器は、クライアント装置100に応答を送信することによって、これらの要求に応答してもよい。いくつかの実施形態では、クライアント装置100および演算機器200は、同じ装置に実装されてもよい。そのような実施形態では、各々の装置の任意の機能は、この単一の装置に実装されてもよい。
【0028】
一実施形態では、演算機器200は、少なくとも1つのプロセッサ、およびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つの記憶装置を備える。少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、ユーザのユーザ属性プロファイルベクトルと、品物の品物属性ベクトルとの類似度スコアを、属性プロファイルベクトルおよび品物属性ベクトルの、対応する属性値を比較することによって計算するように構成されてもよい。
【0029】
少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、価格弾力度を取得し、類似度スコアおよび価格弾力度に基づいて、訴求力スコアを計算するように構成されてもよい。
【0030】
少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、少なくとも訴求力スコアおよび価格弾力度に基づいて、品物のユーザ個別価格を計算するように構成されてもよい。
【0031】
演算機器200は、各品物・ユーザの組に適切な価格を計算することが可能であってもよい。したがって、演算機器200を用いて、たとえば、電子取引プラットフォーム上で各ユーザに対して適切な価格が設定されてもよい。これは、電子取引プラットフォームのマージンを向上させてもよい、および/または電子取引プラットフォームの価格競争力を向上させてもよい。
【0032】
一実施形態によると、演算機器200は、ユーザのユーザ行動履歴に基づいてユーザ属性プロファイルベクトルを計算するように構成され、ユーザ属性プロファイルベクトルは、第1の複数の属性値を含み、第1の複数の属性値は、ユーザ行動履歴のプロパティを記述する。演算機器は、第2の複数の属性値、およびその品物に適用可能である属性の示度を含む品物の品物属性ベクトルを取得するように構成されてもよく、第2の複数の属性値は、品物の特性を記述する。演算機器200は、第1の複数の属性値および第2の複数の属性値の、その品物に適用可能である、対応する属性値を比較するように構成されてもよい。演算機器200は、比較に基づいて類似度スコアを計算するように構成されてもよい。演算機器200は、各品物の少なくとも類似度スコアを使用して複数の品物を処理し、処理された複数の品物を示すデータをクライアント装置100に送信するように構成されてもよい。
【0033】
したがって、演算機器200は、ユーザのユーザ行動履歴に基づいて、ユーザ属性プロファイルベクトルを計算し、ユーザ属性プロファイルベクトルと品物の品物属性ベクトルとの間の類似度スコアを計算するように構成されてもよく、その品物に適用可能である属性のみが、ユーザ属性プロファイルベクトルからの計算に使用される。類似度スコアは、品物が、ユーザの以前の行動にいかに類似しているかを反映してもよい。低い類似度スコアは、高い類似度を示してもよく、またその反対であってもよい。高い類似度の品物は、ユーザに関連する品物を指してもよい。
【0034】
一実施形態によると、クライアント装置100は、処理された複数の品物を示すデータを演算装置200から受信し、演算機器から受信したデータに応じて、少なくとも1つの品物ビューをユーザに表示するように構成され、少なくとも1つの品物ビューの各品物ビューは、品物の名称を含み、処理された複数の品物は、複数の品物の各品物の計算された類似度スコアに基づいて、複数の品物から選択され、計算された類似度スコアは、ユーザ属性プロファイルベクトルに含まれる第1の複数の属性値における、品物に適用可能である、対応する属性値と、品物属性ベクトルに含まれる第2の複数の属性値における、品物に適用可能である、対応する属性値とを比較することによって取得される。
【0035】
演算機器200は、各品物の少なくとも類似度スコアを用いて、複数の品物の順序を処理するように、さらに構成されてもよい。演算機器は、たとえば、類似度スコアに応じて、品物を降順または昇順に順序決め/格付けし得る。たとえば、ユーザに最も関連のある品物は、処理された順序の最初であってもよい。
【0036】
演算機器200は、各品物の少なくとも類似度スコアを用いて複数の品物を処理するように、および処理された複数の品物を示すデータをクライアント装置100に送信するように構成されてもよい。
【0037】
演算機器200は、複数の品物の処理された順序を示すデータをクライアント装置100に送信するようにさらに構成されてもよい。データは、たとえば、順序または類似度スコアを示すリストであってもよい。代替的または付加的に、演算機器200は、品物の順序をクライアント装置200に送信することを省いてもよい。代わりに、演算機器は、たとえば、品物のサブセットを示すデータをクライアント装置100に送信してもよい。演算機器200は、品物の類似度スコアに基づいてサブセットを選択してもよい。たとえば、演算機器200は、予め設定された閾値よりも高い類似度スコアを有する品物を示してもよい。
【0038】
クライアント装置100は、たとえば最も関連のある品物がユーザに最初に表示されるように、順序に応じて複数の品物を表示してもよい。したがって、クライアント装置100の、限定される可能性の高い表示領域が、効率的に活用され得る。
【0039】
クライアント装置100および演算機器200は、図1に図示されていないプロセッサ、トランシーバ、記憶装置、表示装置および/または他の構成要素をさらに備えてもよい。クライアント装置100は、トランシーバを使用して、たとえば演算機器200と通信してもよい。演算機器200は、トランシーバを使用して、たとえば単一または複数のクライアント装置100と通信してもよい。通信チャネル103は、たとえば、無線接続、有線接続、ネットワークノード、ネットワーク機器、またはそれらのいくつかの組み合わせを含んでもよい。通信チャネル103は、たとえば、インターネット、イーサネット、3G、4G、5G、LTE、WiFi(登録商標)、もしくは他の有線または無線接続、もしくはこれらのいくつかの組み合わせを含んでもよい。たとえば、クライアント装置100がモバイル機器である場合、通信チャネル103は、WiFi(登録商標)、インターネット接続、および複数のイーサネット接続などの無線接続を含んでもよい。クライアント装置100および演算機器200はまた、複数の通信チャネル103を同時および/または順次に利用してもよい。
【0040】
クライアント装置100は、セルラー無線システムとも呼ばれ得る、無線通信システムにおいて、または有線接続を使用する有線通信システムにおいて、通信することが可能な無線端末または移動端末のいずれかであってもよい。有線接続は、光リンクのような固定接続も含んでもよい。クライアント装置100はさらに、無線または有線の性能を有する移動電話、携帯電話、コンピュータ、デスクトップコンピュータ、コンピュータタブレットまたはラップトップコンピュータを指してもよい。
【0041】
ユーザは、ユーザインターフェース、UIを通してクライアント装置100を操作してもよい。クライアント装置100上の表示領域は限られ得るため、たとえば携帯電話の場合、またはデスクトップコンピュータであっても、UIもまた、限られてもよい。たとえば、電子取引プラットフォーム上では、一度に限られた数の品物のみがユーザに対し表示することが可能である。したがって、ユーザに対して、一度に表示することが可能である、限られた数の品物が、ユーザに関連するか、または関係がある場合、ユーザ体験(user experience)は向上し得る。
【0042】
図2は、一実施形態の演算機器200の概略図を示す。演算機器200は、1つまたは複数のプロセッサ201、およびコンピュータプログラムコードを含む1つまたは複数の記憶装置202を含み得る。
【0043】
演算機器200は、図2の実施形態では、1つのプロセッサ201のみを備えるように示されているが、演算機器200は、より多くのプロセッサを備えてもよい。一実施形態では、記憶装置202は、オペレーティングシステムおよび/または様々なアプリケーションなど、命令を保存することが可能である。
【0044】
さらに、プロセッサ201は、保存された命令を実行することが可能である。例示的な実施形態では、プロセッサ201は、マルチコアプロセッサ、シングルコアプロセッサ、または、1つもしくは複数のマルチコアプロセッサおよび1つまたは複数のシングルコアプロセッサの組み合わせとして具現化されてもよい。たとえば、プロセッサ201は、様々な処理装置、たとえばコプロセッサ、マイクロプロセッサ、制御装置、デジタル信号プロセッサ(DSP)、付随のDSPを備える、もしくは備えない処理回路、または集積回路を備える他の様々な処理装置、たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロコントローラーユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、特殊用途向けコンピュータチップなどのうちの、1つまたは複数として具現化されてもよい。例示的な実施形態では、プロセッサ201は、ハードコーディングされた機能を実行するように構成されてもよい。一実施形態では、プロセッサ201は、ソフトウェア命令の実行者として具現化され、命令は、具体的には、プロセッサ201が、命令が実行されると、本明細書において説明するアルゴリズムおよび/または操作を行うように設定してもよい。
【0045】
記憶装置202は、1つもしくは複数の揮発性記憶装置、1つもしくは複数の不揮発性記憶装置、および/または1つまたは複数の揮発性記憶装置と不揮発性記憶装置との組み合わせとして具現化されてもよい。たとえば、記憶装置202は、半導体メモリ(たとえばマスクROM、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去型PROM)、フラッシュROM、RAM(ランダムアクセスメモリ)など)として具現化されてもよい。
【0046】
演算機器200は、たとえばプロセッサを使用して情報を処理し得る任意の装置であってもよく、たとえば通信チャネル103を使用してクライアント装置100または複数のクライアント装置100と通信してもよい。演算機器200は、サーバを指してもよい。演算機器200は、たとえば、1つのコンピュータまたはデータセンタのような複数のコンピュータを使用して、実現されてもよい。代替的に、1つのコンピュータまたは複数のコンピュータは、たとえば仮想化を使用して、複数の演算機器200を実現してもよく、演算機器200は、ソフトウェアで実現されてもよい。
【0047】
品物は、たとえば、ユーザが、たとえば購入するか、または閲覧することができる任意の製品であってもよい。ユーザは、たとえば、電子取引プラットフォーム上で品物を購入する、および/または閲覧してもよい。品物は、複数のカテゴリに分類されてもよく、これらのカテゴリは、たとえば、食品、動物用食品、衛生用品、清掃用品、消耗品などを含んでもよい。これらのカテゴリは、さらなるサブカテゴリに分類されてもよい。たとえば、食品は、野菜、果物、肉、乳製品、パン、飲料などに分類されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、演算機器200は、スクリーンまたはモニターのような表示装置に接続されてもよい。たとえば、演算機器は、モバイル機器を備えてもよく、モバイル機器は、スクリーンを含んでもよい。演算機器200は、表示装置を用いて情報をユーザに表示するように構成されてもよい。たとえば、演算機器200は、ユーザインターフェース、UIをユーザに表示するように構成されてもよく、UIは、ユーザに表示される情報を含んでもよい。情報は、たとえば、1つまたは複数の品物、品物の価格、品物のユーザ個別価格、および/またはキャンペーンを含んでもよい。
【0049】
図3は、一実施形態のユーザに関連する品物を決定するためのシステムの概略図を示す。ユーザ101が様々な行動102を、たとえば、クライアント装置100を使用して電子取引プラットフォームにて実行すると、これらの行動102を含む行動履歴が、ユーザプロファイル210に保存され得る。行動102は、たとえば、品物の購入、品物の閲覧、品物のショッピングカートへの配置、または品物のレビューであってもよい。ユーザプロファイル210は、たとえば、演算機器200の記憶装置に保存され得る。品物情報データベース220は、また、たとえば、演算機器200の記憶装置に保存され得る。ここで、演算機器200の記憶装置に保存され得る任意の情報/データは、また、他の何らかの方法、たとえば、外部データベースに保存されてもよい。品物情報データベース220は、たとえば、外部データ221から、または入力データ222によって取得および/または更新され得る。外部データ221は、たとえば、品物の製造元によって提供されてもよい。品物情報データベース220は、複数の品物に関する情報を含み得る、および各品物は、様々な属性と関連し得る。
【0050】
属性は、食品または消耗品などの品物の任意の特性または特徴を記述してもよい。複数の属性は、単一の品物に適用可能であってもよい。属性は、複数の品物に共通であってもよい。属性およびその属性の値は、予め決定され得る。属性のいくつかの実施形態を以下において説明する。
【0051】
演算機器200は、ユーザプロファイル210および品物情報データベース220に基づいて、様々なコンピュータ計算手順230を実行し得る。これらのコンピュータ計算手順230の出力は、品物情報データベース220内の品物がユーザ101の嗜好にどれほど適合しているか、品物がユーザ101の前の行動102にいかに類似しているか、および/または品物がユーザ101にいかに関連するかを示してもよい。コンピュータ計算手順230は、ユーザ101のユーザプロファイル210および品物情報データベース220に基づき得る。コンピュータ計算手順230に基づいて、演算機器200は、関連のある品物240を決定することができ、関連のある品物240は、クライアント装置100によってユーザ101に表示され得る。たとえば、クライアント装置100は、ユーザインターフェース、UIを使用して、関連のある品物240をユーザ101に表示し得る。一実施形態によると、コンピュータ計算手順230は、品物情報データベース220内の各品物の類似度スコア232を計算してもよく、類似度スコア232は、品物がユーザプロファイル210にどれだけ適合しているかを示し得る。類似度スコア232に基づいて、演算機器200は、たとえば品物情報データベース220内の品物を、それらの類似度スコア232に応じて格付け/順序決めすることによって、ユーザ101に対し関連する品物を決定し得る。
【0052】
図4は、一実施形態による関連度コンピュータ計算手順230の概略図を示す。ユーザプロファイル210内に保存される行動履歴221に基づいて、ユーザ属性プロファイル212は、計算され得る。たとえば、演算機器200は、ユーザ属性プロファイル212を計算するために、行動履歴211によって示される品物の品物属性ベクトル223を使用してもよい。ここで、属性とは、品物の特性を指してもよく、数値が割り当てられ得る。たとえば、食品は、グルテンフリーであり得る。これは、その品物の「グルテンフリー」という属性に二進値1を割り当てることによって示され得る。ここで、値1は、論理値の真を示してもよい。他方、品物がグルテンフリーでない場合、このフィールドには、値0が割り当てられ得る。ここで、値0は、論理値の偽を示してもよい。代替的に、類似の属性は、「グルテン含有」という属性によって示されてもよい。品物には、「グルテンフリー」および「グルテン含有」という属性のうちの1つのみが必要である。これらの属性は、同じ情報を示し得るためである。品物がグルテンフリーであることを示すために、「グルテンフリー」という用語自体を保存する必要がないことは、理解されるべきである。代わりに、品物情報データベース220内の各品物の特定のフィールドが、属性「グルテンフリー」という属性を表示するために割り当てられてもよく、たとえば、フィールドの番号のみが、使用されてもよい。フィールドの番号はまた、属性識別、IDを指してもよい。ユーザ属性プロファイル212は、ユーザ101の行動履歴211に基づいて、ユーザ101に対してどの品物属性が重要であるかを示してもよい。たとえば、もしユーザ101が大量のグルテンフリーの品物を購入すると、ユーザ属性プロファイル212はこれを反映してもよい。さらに、ユーザ属性プロファイル212は、ユーザ101が、何らかの品物カテゴリにおいてのみ大量のグルテンフリーの品物を購入することを示してもよい。これもまた、考慮されてもよい。ユーザ属性プロファイル212はまた、ユーザ属性プロファイルベクトルを指してもよい。ユーザ属性プロファイルベクトル212のフィールドは、様々な属性の値を含んでもよい。ユーザ101が何も品物を購入していない場合、ユーザ101に関する他の情報、たとえばユーザ101がショッピングカートに入れた品物が、行動履歴211の代わりに使用されてもよい。一実施形態によると、行動履歴211は、ユーザ101の購入履歴を含む。
【0053】
一実施形態によると、品物情報データベース220は、複数の品物属性ベクトル223を含んでもよく、各品物属性ベクトル223は、品物の品物属性値を含む。品物属性ベクトル223は、比較操作231によって、ユーザ属性プロファイルベクトル212と比較され得る。比較操作231は、たとえば、品物属性ベクトル223が、ユーザ属性プロファイルベクトル212に対してどれだけ類似しているか、または類似していないかを示す量を計算してもよい。この数量はまた、類似度スコア232または計算された類似度スコアを指してもよい。類似度スコア232は、品物情報データベース220内の各品物に対して計算されてもよい。各品物のこの数量の値に基づいて、ユーザ101に関連する品物が決定され得る。
【0054】
別の実施形態によると、ユーザ属性プロファイルベクトル212は、計算される必要がない。代わりに、比較操作231は、類似度スコア232を計算するために、ユーザ101の行動履歴211および属性プロファイルベクトル212を直接使用してもよい。各品物の類似度スコア232は、たとえば、ユーザプロファイル210内に保存されてもよい。類似度スコア232は、たとえば、ユーザ101が、購入などの行動102を行う度に更新されてもよい。
【0055】
図5は、別の実施形態のユーザプロファイル210の概略図を示す。この実施形態では、ユーザプロファイル210は、行動履歴211に加えて、ユーザ属性プロファイル212も含む。演算機器200は、ユーザ属性プロファイルベクトル212をユーザ101のユーザプロファイル210に保存するように構成され得る。ユーザ属性プロファイル212は、ユーザプロファイル210に記憶されるため、ユーザ101に対して関連する品物が決定されるたびに、ユーザ属性プロファイル212が計算される必要はない。代わりに、ユーザ属性プロファイル212は、たとえば、ユーザ101が行動を行い、行動履歴211が更新されるたびに更新されてもよい。これによって、たとえば、ユーザ101に対して関連のある品物が決定されるよりも、ユーザ101が行動を行う頻度が少ない場合、必要とされる計算の総量が減少してもよい。代替的に、ユーザ101の他の行動、たとえば品物の閲覧がユーザ属性プロファイル212に影響を及ぼす場合、ユーザ属性プロファイル212は、ユーザ101がそのような行動を行う度に更新されてもよい。代替的または付加的に、ユーザ属性プロファイル212は、定期的に更新されてもよい。
【0056】
一実施形態によると、品物に適用可能である属性は、品物の品物属性ベクトルによって示され得る。図5図8は、いくつかの説明した実施形態において、さまざまな品物に対する属性の関連性および利用を示す、品物属性ベクトルの概略図を示す。
【0057】
図6は、一実施形態の品物属性ベクトル223の概略図を示す。この実施形態では、品物属性ベクトル223は、5つの属性224を含み、各属性の値225は、0または1のいずれかとなり得る。0および1の値は、それぞれ論理値の偽および真を示してもよい。この実施形態および以下の実施形態において示される属性の数、属性の名称、および属性値は、例示的なものに過ぎない。
【0058】
一実施形態によると、品物属性ベクトル223は、対応する属性が品物に対して真である論理値の真と、対応する属性が品物に対して偽である論理値の偽とを含む。
【0059】
図7は、実施形態の食品の品物属性ベクトル223の概略図を示す。この実施形態では、品物属性ベクトル223は、7つの属性224を含み、これらの属性の値225は、属性が品物に対して真であるかどうかを示す。さらに、識別子、ID、226が各属性224に割り当てられる。
【0060】
図6に表示される食品の場合、属性224および対応する属性値225は、品物は、オーガニックであり、低ラクトースであり、ベジタリアンであること、および品物は、ラクトースフリー、ビーガン、グルテンフリーでない、または多量のたんぱく質を含まないことを示す。いくつかの実施形態では、属性224の名称は、各品物に対して保存される必要はない。代わりに、属性のID226が、意図される属性を示すために使用されてもよい。たとえば、別の表から、属性ID1は「オーガニック」の属性に対応し、属性ID2は「ラクトースフリー」の属性に対応する、などが推測されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、ID226は、品物属性ベクトル223にも保存される必要はない。代わりに、属性値225のみが品物属性ベクトル223に保存され、値の順序決めが、意図される属性を示し得る。属性は、たとえば、別の表に保存することができ、この単一の表は、すべての品物の品物属性ベクトルに対して、またはすべての品物のいくつかのサブセットに対して使用され得る。たとえば、図7に表示される属性ベクトルは、[1,0,1,0,1,0,0]として保存されてもよく、別の表は、たとえば、[オーガニック、ラクトースフリー、低ラクトース、ビーガン、ベジタリアン、グルテンフリー、高タンパク質]の要素を含んでもよい。したがって、別の表に基づいて、品物属性ベクトル223の第1の要素が、「オーガニック」の属性に対応する、などが推測され得る。
【0062】
属性値が、図6の実施形態の場合と同様に二進法である場合、ビットを品物属性ベクトル223内にグループ化することによって、ビット値が、たとえば、十進数、16進数、ASCII、またはユニコードの記号に対応付けされてもよく、その記号は、記憶装置に保存されてもよいことも理解されるべきである。
【0063】
図8は、実施形態の衛生用品の品物属性ベクトル223の概略図を示す。衛生用品は、食品とは様々な点で異なり得るため、衛生用品の品物属性ベクトル223は、食品と比較して異なる属性224を含み得る。たとえば、図7に示すように、衛生用品の品物属性ベクトル223は、たとえば、品物が、乾燥肌もしくは敏感肌、または特定のアレルギーに適していることを示す属性を含んでもよい。食品の属性もアレルギーに関連してもよいが、衛生用品のアレルギーは、食品とは異なってもよい。同様に、異なる属性が異なる食品に対して適用可能であってもよい。ここで、食品と衛生用品との属性の比較は、異なる品物の様々な属性および異なる属性を示すように意図される。異なる食品などの属性ごとに、著しい差異もあり得ることは理解されるべきである。
【0064】
衛生用品は、また、食品と共通の属性を有してもよい。そのような属性は、図7に示すように、オーガニックまたはビーガンである品物であってもよい。図6および図7の実施形態では、当該品物に適用可能である属性のみが図示されている。すべての属性が、すべての品物に対して保存されてもよいこと、または適用可能である属性のみが、各品物に対して保存されてもよいことは、理解されるべきである。品物に対して適用可能である属性は、たとえば、品物ツリーを使用して決定されてもよい。各品物が、品物ツリーのノードの一部であってもよく、適用可能である属性は、そのノードに基づいて決定され得る。品物ツリーは、たとえば、品物をグループ化および/または分類する任意の構造であってもよい。たとえば、品物ツリーのノードは、品物のカテゴリおよびサブカテゴリに対応してもよい。品物ツリーは、また、たとえば品物の様々な用法を示してもよい。適用可能である属性は、品物ツリーのノードに基づいて決定されてもよい。たとえば、適用可能である属性のリストが、品物のカテゴリに対し、それらの属性がそのカテゴリ内のすべての品物に対して適用可能であるように決定されてもよい。ある属性が品物のカテゴリに共通である、ある成分に関連する場合、その属性は、品物のカテゴリ全体に適用可能であってもよい。いくつかの属性は、すべての品物に適用可能であってもよい。品物の用法も、また適用可能である属性を決定してもよい。たとえば、「乳含有」は、豆乳など植物由来の飲料に適用可能である属性であってもよい。それらは牛乳の代替品として使用され得るためである。
【0065】
図9は、一実施形態による、衛生用品の品物属性ベクトル223の概略図を示す。この実施形態では、衛生用品に適用可能でない属性も、品物属性ベクトル223内に表示されている。図8の衛生用品に適用可能でない属性は、利用不可、n/a、225’という特殊値で示される。有効な値と明確に区別され得る任意の特殊値が、属性は、ある特定の品物には適用可能でないことを示すために使用されてもよい。図8の実施形態では、0および1が有効な値として使用されるため、たとえば、-1または非数、NaNが、属性は品物に適用可能でないことを示すために使用されてもよい。これは、属性224または属性ID226は、品物属性ベクトル223に/品物属性ベクトル223とともに保存される必要がなくてもよいため、品物属性ベクトル223の保存に有用であってもよい。代わりに、属性値225、225’の順序決めは、どの属性が問題となるかを示すために使用されてもよく、その同じ順序決めが、適用可能である異なる属性を有し得る異なる品物と品物のカテゴリとの間で使用され得る。
【0066】
たとえば、品物属性ベクトル223が、適用可能である属性のみを含む場合、図6の食品は、ベクトル[1,0,1,0,1,0,0]で、図7の衛生用品は、ベクトル[1,0,1,0,1]で表され得る。これらのベクトルは、少なくとも部分的には異なる属性を指すため、これらのベクトルは、容易には比較可能でなくてもよい。したがって、両方のカテゴリが対応する属性を示すために、別の表が必要であってもよい。他方、品物属性ベクトル223が、適用不可能である属性も含む場合、図6の食品は、ベクトル[1,0,1,0,1,0,0,n/a,n/a,n/a]で、図8の衛生用品は、ベクトル[1,n/a,n/a,0,n/a,n/a,n/a,1,0,1]で表され得る。これらの表示は、同一のインデックスを使用するため、品物を比較することが可能であり、その索引と属性との対応関係は、たとえば、すべての品物および品物のカテゴリに対する単一の表に保存され得る。いくつかの実施形態では、異なる品物グループに対する異なる索引が、使用されてもよく、各品物のグループにおけるインデックスと属性との対応表が存在してもよい。
【0067】
本明細書の実施形態で説明するように、品物属性ベクトル223は、品物に適用可能である属性を様々な方法で示してもよい。たとえば、ある品物の品物属性ベクトルは、その品物に適用可能である属性の属性値のみを含んでもよい。図8の実施形態がこの一例であってもよい。代替的または付加的に、品物属性ベクトル223は、その品物に適用可能でない属性の特殊な属性値を含んでもよい。したがって、そのような特殊値を与えられていない属性は、その品物に適用可能であってもよい。図9の実施形態がこの一例であってもよい。これらは一例にすぎず、品物属性ベクトル223は、また、適用可能である属性値を様々な方法で示してもよい。たとえば、品物属性ベクトル223は、ある属性がその品物に適用可能であるかどうかを示し得る他のフィールドを含んでもよい。
【0068】
図10は、一実施形態のユーザ行動履歴211の概略図を示す。この実施形態では、行動履歴211は、購入を含む。他の種類の行動は、類似の方法で行動履歴211に表示されてもよい。そのような実施形態では、購入、閲覧、または再閲覧などの種類の行動も、ユーザ行動履歴211に保存されてもよい。代替的に、異なる種類の行動は、ユーザ行動履歴211内の異なる表に保存されてもよい。ユーザ101が購入した各品物に対しては、品物ID901および購入した品物の数902が、ユーザ行動履歴211に保存され得る。他の実施形態では、購入した品物のID901のみがユーザ行動履歴211に保存されてもよく、同じ品物が複数回購入されている場合、そのID901は、その品物が購入された回数だけ保存される。そのような実施形態では、購入回数902は保存される必要がなく、ユーザ行動履歴211は、品物ID901のベクトルのみを含んでもよい。また、品物に関する他の情報がユーザ行動履歴211に保存されてもよい。ユーザ行動履歴211に保存されるデータの量は、たとえば、ユーザ101、およびユーザ101が購入した品物によって変更されてもよい。
【0069】
図11は、一実施形態のユーザ属性プロファイルベクトル212の概略図を示す。この実施形態では、ユーザ属性プロファイルベクトル212は、5つの属性224、対応するID226、および属性値213を含む。これは一例にすぎず、ユーザ属性プロファイルベクトル212に保存される属性の数は、変更され得る。各属性ID226は、1つの属性224に対応する。対応するID226がユーザ属性プロファイルベクトル212に保存される場合、属性224自体は、ユーザ属性プロファイルベクトル212に保存される必要はない。以下においては、属性224は図中にて説明用に表示される。各属性ID226に対して、ユーザ属性プロファイルベクトル212は、対応する属性値213を含む。属性値213は、対応する属性がユーザ101の行動履歴211にいかに適合しているかを記述してもよい。たとえば、ある属性に対して1に近い属性値213は、ユーザがその品物属性ベクトル223がその属性に対する値1を含む品物を大量に購入したことを示してもよい。代替的に、またはこれに追加して、ユーザ101は、そのような品物に関連した他の行動を行ってもよい。したがって、属性は、ユーザ101にとって重要であることがあり、1に設定されたその属性値を含む品物を表示することは、これらの品物がユーザ101により関連があり得るため、有益であり得る。他方、0に近い属性値213は、その反対を示してもよい。当該反対は、真であってもよく、0に近い値213は、ユーザ101が1に設定されたその値を含む大量の品物を購入したこと、およびその反対のことを示してもよい。図10の実施形態では、属性値213は、0~1の任意の値を含んでもよい。他の実施形態では、値213は、0~100のような異なる間隔で表されてもよい。
【0070】
一実施形態によると、ユーザ属性プロファイルベクトル211中の各属性値は、0~1の範囲内である。
【0071】
図12は、別の実施形態の、ユーザ属性プロファイルベクトル212の概略図を示す。この実施形態は、例示的な属性224、属性ID226、および属性値213を含むことを除けば、図11に表示されるものに類似である。この実施形態では、高タンパク質含有量の品物であることを示す属性ID7に対応する属性の値は、0.72である。これは、ユーザ101が、高タンパク質含有量の品物に関連した、多数の行動を以前に行っていることを示してもよい。たとえば、ユーザ101は、大量のそのような品物を購入したことがあってもよい。したがって、高タンパク質含有量の品物は、ユーザ101に関連してもよく、高タンパク質含有量の品物をユーザに表示することは、有益であり得る。この範囲の反対側では、この属性値は、図12に表示するユーザ属性プロファイル212中で0.01しかないため、ユーザ101は、ラクトースフリーの品物に関連した行動を行ったのは、わずかな回数だけであり得る。したがって、これらの品物は、ユーザ101に関連しないかもしれないため、ラクトースフリーの品物を今後ユーザ101に表示しないことは有益であり得る。
【0072】
図12の実施形態に関して提示される結論は、単一の属性の値にのみ基づいていることが理解されるべきである。ユーザ101に関連する品物を決定するために、1つよりも多くの属性を考慮することが有益であり得る。各品物に適用可能であるすべての属性を考慮することが有益であり得る。たとえば、図12の実施形態では、ある品物が高タンパク質かつラクトースフリーの両方である場合、その品物をユーザ101に表示することはやはり有益であり得る。
【0073】
一実施形態によると、品物IDiを有する品物の品物属性ベクトルは、次のように表示することができ、
ここで、ベクトルPiにおける要素は、品物iの様々な属性を指し、iは、整数であり得る。ここで、{0,1}は、ベクトルPiの各要素は、0または1のいずれかであり得ることを示す。たとえば、ある品物の品物ベクトルは、Pi=[0,0,1,0]であることがあり、ベクトルPiの各要素は、対応するインデックスの属性を指す。第1の要素には、たとえば、オーガニックの品物を指してもよく、第2の要素は、ラクトースフリーの品物を指してもよく、第3の要素は、低ラクトースの品物を指してもよく、第4の要素は、ビーガンの品物を指してもよく。したがって、上記の例では、品物は、少量のラクトースを含むが、ラクトースフリー、オーガニック、またはビーガンではない。
【0074】
一実施形態によると、ユーザIDkを有するユーザのユーザ属性プロファイルベクトル212は、次のように計算され得る。
i[j]は、品物属性ベクトルPiのj番目の要素を指す。i|j|kの合計は、ユーザkが購入した、属性jが適用可能であるすべての品物iを合計することを表し、nk|jは、ユーザkが購入した、属性jが適用可能である品物の総数である。Nは、ユーザ属性プロファイルベクトルUkの長さである。Nは、たとえば、属性の総数であってもよい。代替的に、ユーザ属性プロファイルベクトルUk中のインデックスjに対応する各要素は、次のように表され得る。
他の実施形態では、ユーザ属性プロファイルベクトル212を計算する際に、他の行動102が、同様に考慮されてもよい。そのような実施形態では、異なる種類の行動に対し、異なる重み係数が使用されてもよい。たとえば、品物の購入は、品物の閲覧よりも重要であると考えられてもよく、したがって、購入は閲覧よりも重み付けされてもよい。
【0075】
図13は、品物属性ベクトル223とユーザ属性プロファイルベクトル212との比較の概略図を示す。図13の実施形態からわかるように、演算機器200は、品物属性ベクトル223の対応する属性値と、ユーザ属性プロファイルベクトル212とを比較してもよい。
【0076】
一実施形態によると、演算機器200は、属性プロファイルベクトル212中の対応する属性値と品物属性ベクトル223とを比較することによって、類似度スコア232を計算するように構成される。比較は、たとえば、対応する属性値を減じて、その絶対値|Pi[j]-Uk[j]|を得ることによって、行われ得る。
【0077】
一実施形態によると、品物属性ベクトルPiとユーザ属性プロファイルベクトルUkとの類似度スコア232Di,kは、次のように計算することができ、
ここで、j|iの合計は、品物iに適用可能であるすべての属性jの合計であり、nj|iは、品物iに適用可能である属性の総数である。||は、絶対値であり、母数を指してもよい。したがって、類似度スコア232Di,kは、品物iが、ユーザkの以前の行動102といかに類似しているかを定量化してもよい。上記の等式を用いて類似度スコア232Di,kを計算する場合、Di,kの値は、0~1であってもよく、より低い値は、より高い類似度を示す。たとえば、品物属性ベクトルPiおよびユーザ属性プロファイルベクトルUkにおいて、対応する属性値が等しい場合、上記の等式内のすべてのPi[j]-Uk[j]の項はゼロである。したがって、その場合、Di,kの値はゼロである。他の実施形態では、異なる手順を用いて、品物属性ベクトル223とユーザ属性プロファイルベクトル212との類似度を計算してもよい。
【0078】
別の実施形態によると、属性の値は、非二値となり得る。たとえば、属性の値は、品物の特性を連続した測定尺度上で反映してもよい。そのような属性の値Xは、たとえば、次のように0~1で正規化され、
ここで、Xnは属性値Xの正規化された値である。ここで、min(X)は、Xの可能な最小値を指し、max(X)は、Xの可能な最大値を指す。たとえば、Xが品物100グラムごとのたんぱく質の量を指す場合、min(X)=0gであり、max(X)=100gである。そして品物が、100gごとに10gのタンパク質を含む場合、X=10であり、Xn=0.1である。min(X)およびmax(X)という限界は、他の方法で選択されてもよい。たとえば、max(X)は、現実的な最大値を反映するように選択されてもよい。上に表示される例では、max(X)は、100gよりも低くなり得る。それほどの高タンパク質含有量の品物を探すのは困難であるためである。max(X)の値は、たとえば、すべての品物を考慮し、最も大きなXの値を有する品物を見つけることによって決定されてもよい。
【0079】
別の実施形態によると、非二値の属性値は、カテゴリ値であってもよい。そのような属性値は、品物属性ベクトル223、およびユーザ属性プロファイル212にてそれぞれ、m個の二値の属性値に分解されてもよい。たとえば、品物は、3つの異なるグループX1、X2、X3の1つに属してもよく、非二値の属性が、その品物がどのグループに属するかを示してもよい。これは、3つの二値の属性に分解されてもよく、各属性は、「グループXnの一部である」という形態であってもよい。たとえば、品物がグループX2に属する場合、「X1の一部である」および「X3の一部である」という属性の値は、0となり得るが、一方で、「X2の一部である」という属性の値は、1となり得る。単一の非二値のカテゴリ属性は複数の二値の属性に分解されてもよいため、この非二値の属性は、類似度スコアDi,kを計算する際に、過度に強調される可能性がある。これを軽減するために、類似度スコアは、非二値のカテゴリ属性の重みが、たとえば、二値の属性に等しいように、次のように計算されてもよい。
【0080】
品物とユーザ101との類似度スコアDi,kを考慮することに加えて、どの品物がユーザ101に関連するかの評価において、ユーザ101の行動履歴211も考慮されてもよい。一実施形態によると、演算機器200は、複数の品物の中の各品物の順序スコアを、品物ツリーにおけるその品物の位置、およびユーザが以前に購入した品物の位置に基づいて計算するようにさらに構成される。演算機器200は、各品物の順序スコアおよび各品物の類似度スコア232を用いて、複数の品物を順序決めするようにさらに構成されてもよい。
【0081】
品物iとユーザkとの順序スコアMi,kは、たとえば次のように計算されてもよく、
ここで、Di,kは、上記の計算された類似度スコア232となり得る。wは、類似度スコアDi,kまたは次の項、Ri,k=Ni/Nを強調するように構成され得る重み係数であり、ここで、Nは、ユーザkによる購入の総数であり、Niは、品物iを含む品物ツリーのノードにおいてのユーザkによる購入数である。他の実施形態では、他の行動102も考慮されてもよい。max(Ri,k)は、ユーザkのこの数量の最大値であり、
は、ユーザkのこの数量の非ゼロの最小値である。代替的に、NiおよびNは、前述の品物の価値、量、マージン、または収益を指してもよい。さらに、上で示した計算は、ある時間間隔で行われてもよく、それによって、その時間間隔中の購入のみが考慮される。
【0082】
たとえば、図7の食品の属性ベクトル223と図11のユーザ属性プロファイル212との類似度スコア232は、上記の等式を用いて計算され得る。この比較を可視化したものが、図12の実施形態にて示される。図7の食品のすべての適用可能である属性が図6の品物属性ベクトル223に表示されていると想定すると、その食品に適用可能である属性の総数は7である。したがって、この例として、類似度スコア232は、以下の通り計算され得る。
【0083】
図7において、食品が高タンパク質を含むことを示す属性ID7に対応する属性が、品物属性ベクトル223にて1に切り替えられ、他の属性は図7に表示されるままである場合、類似度スコア232Di,kの値は、約0.442に変更される。これは、高タンパク質含有量の品物は、0.442<0.505であるため、他の点では類似の低タンパク質含有量の品物よりも、図11に表示されるユーザプロファイル212の以前の行動に類似していることを示す。したがって、品物をユーザ101に表示する際に、低タンパク質含有量を含む、他の点では類似の品物よりも、高タンパク質含有量を含む品物を優先することが有益であり得る。しかし、他の属性の値も、どの品物をユーザ101に表示するか、に影響を及ぼしてもよいことが理解されるべきである。
【0084】
類似度スコア232に基づいて、演算機器200は、どの品物ユーザ101に表示するか、たとえば、どの順番で表示するかを決定してもよい。一実施形態によると、演算機器200は、すべての品物のサブセット中の各品物の類似度スコア232を計算し、最も類似度の高い品物を表示してもよい。代替的に、演算機器200は、たとえば、予め設定されたある統計分布を用いて、表示される品物を、類似度スコアの分布からランダムに選択してもよい。別の実施形態によると、演算機器200は、品物の類似度スコア232を計算し、その類似度スコアがいくつかの予め設定された範囲内である場合、その品物をユーザ101に表示してもよい。これは、たとえば表示された品物が、予め設定された数だけ選択されるまで繰り返されてもよい。別の実施形態によると、演算機器200は、複数の品物のなかの各品物の類似度スコア232を計算し、その類似度スコア232に応じて、その複数の品物の中で品物を順位付けしてもよい。これは、たとえば、検索結果に適用されてもよい。
【0085】
図14は、別の実施形態の、品物属性ベクトル223とユーザ属性プロファイルベクトル212との比較の概略図を示す。図14の実施形態では、品物属性ベクトル223は、衛生用品に適用可能である属性を含んでもよい。品物属性ベクトル223およびユーザ属性プロファイルベクトル212は、図14の実施形態よりも少ない数の対応する属性値を含んでもよい。
【0086】
一実施形態によると、演算機器200は、各類似度スコア232をユーザプロファイル210に保存するように構成される。ユーザプロファイル210と品物属性ベクトル223との類似度スコア232は、すべてのユーザ101に対して、またはすべてのユーザ101における、あるサブセットに対して予め計算されてもよい。類似度スコア232がユーザ101に対して予め計算される場合、これらの類似度スコア232は、たとえばユーザ101が行動102を行うたびに更新されてもよい。予め計算された類似度スコア232は、ユーザプロファイル210に、または、たとえば、別個のデータベースに保存されてもよい。代替的に、またはこれに追加して、類似度スコア232は、要求に応じて計算されてもよい。たとえば、ユーザ101の類似度スコア232が必要とされるたびに、類似度スコア232が再度計算され得る。類似度スコア232は、あるユーザたちに対しては予め計算されてもよく、一方で類似度スコア232は、その他のユーザたちに対しては、要求に応じて計算されてもよい。
【0087】
一実施形態によると、「高類似度」は、品物属性ベクトル223とユーザ属性プロファイル212とが類似する場合を指し得る。「低類似度」は、品物属性ベクトル223とユーザ属性プロファイル212とが類似しない場合を指し得る。この類似度は、類似度スコア232に基づいてもよい。しかし、これらの用語は、類似度スコアがいかに計算されるかという詳細とは無関係に使用され、必ずしも類似度スコア232の値を記述するとは限らない。たとえば、類似度スコア232が、上で示した等式を用いて計算されると、低類似度スコア232、たとえばゼロに近づくほど高類似度を示してもよく、その逆であってもよい。高類似度および低類似度の正確な限界は、変更されてもよい。
【0088】
図15は、一実施形態のユーザ-品物個別価格計算のフローチャート1400による表示を示す。手順1400は、たとえば、演算機器200によって行われ得る。代替的または付加的に、異なる操作の手順1400が、異なる装置によって行われてもよい。
【0089】
ユーザ-品物個別価格は、ある特定のユーザ-品物の組に限定の価格を指し得る。代替的または付加的に、ユーザ-品物個別価格は、ある品物のユーザ個別価格を指してもよい。
【0090】
一実施形態によると、演算機器200は、少なくとも1つのプロセッサ、およびコンピュータプログラムコードを含む、少なくとも1つの記憶装置を含み、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、ユーザのユーザ属性プロファイルベクトルと品物の品物属性ベクトルとの類似度スコア232を、属性プロファイルベクトルおよび品物属性ベクトルの対応する属性値を比較することによって計算し、価格弾力度1410を取得し、類似度スコアおよび価格弾力度に基づいて、訴求力スコア1417を計算し、少なくとも訴求力スコアおよび価格弾力度に基づいて、品物のユーザ個別価格1418を計算するように構成される。
【0091】
演算機器200が、品物のユーザ個別価格を計算する場合、演算機器200は、訴求力スコアおよび/または価格弾力度に基づいて、本明細書において説明したものなど、他の操作を行ってもよい。これらの操作は、本明細書において説明したもののような、他の数量を生成してもよく、演算機器200は、これらの数量および/または訴求力スコアおよび/または価格弾力度に基づいて、品物のユーザ個別価格1418を計算してもよい。したがって、演算機器200が品物のユーザ個別価格を計算する場合、これは、任意の数の演算/計算を伴ってもよい。これらの計算を伴うもののいくつかの例が、本明細書の実施形態に開示されている。
【0092】
操作1402では、価格弾力度β1410が取得され得る。価格弾力度β1410は、需要価格弾力度を指してもよい。価格弾力度β1410は、たとえば、ユーザ101の行動履歴211に基づいて、計算されてもよい。価格弾力度β1410は、たとえば、本明細書にて説明する任意の手順を用いて、計算されてもよい。価格弾力度β1410は、たとえば、演算機器200によって計算されてもよい。代替的に、他の装置が、価格弾力度β1410を計算し、たとえば、価格弾力度β1410を演算機器200に提供してもよい。たとえば、その装置は、価格弾力度β1410を計算し、それを記憶装置に保存してもよく、演算機器200は、記憶装置から価格弾力度β1410を取得してもよい。演算機器200は、価格弾力度β1410に基づいて、他の操作、たとえば計算を行ってもよい。
【0093】
一実施形態によると、少なくとも1つの記憶装置202およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ201を用いて、演算機器200が、ユーザの行動履歴211に基づいて、価格弾力度1410を計算するように構成される。演算機器200は、たとえば、記憶装置202または他の記憶媒体から行動履歴211を取得してもよい。
【0094】
価格弾力度1410は、以下のレベルにおいて、反復するように計算され得る。
1.ユーザ-品物に個別の価格弾力度
2.品物の個別の価格弾力度
3.ユーザ-品物の、階層-属性に個別の価格弾力度
4.品物の、階層-属性に個別の価格弾力度
5.品物の階層レベルの価格弾力度
ある特定のレベルで、確実に価格弾力度を推定するための十分なデータが利用不可である場合、価格弾力度は、より下位のレベルで推定され得る。たとえば、ユーザ-品物に個別の価格弾力度を計算するために、十分なデータが利用不可である場合、品物に個別の価格弾力度などが、計算されてもよい。
【0095】
価格弾力度β1410は、
として定義され得る。ここで、Qは、価格Pでの需要である。したがって、
であり、および積分により、
であり、ここで、Q0は、元の価格P0での元の需要である。これは、
の形でも表すことができ、ここで、
である。
【0096】
品物の組tの交差価格弾力度γは、
から決定することができ、ここで、
および
である。
【0097】
図16は、一実施形態のユーザツリー1500の概略図を示す。価格弾力度β1410は、ユーザツリー1500に基づいて、計算されてもよい。
【0098】
ユーザツリー1500のユーザレベル1501は、ユーザノード1510を含んでもよい。ユーザツリー1500の第1の品物レベル1502は、グループノード1511を含んでもよい。グループノード1511は、より高いレベルの品物のグループに対応してもよい。ユーザツリー1500の第2の品物レベル1503は、さらなるグループノード1512を含んでもよい。グループノード1512は、品物のグループに対応してもよい。品物のグループは、品物ツリーおよび/または適用可能である品物属性に基づいてもよい。ユーザツリー1500は、任意の数のグループレベルを含んでもよく、2つのグループレベル1502、1503は、例に過ぎない。
【0099】
ユーザツリー1500は、品物レベル1504をさらに含んでもよい。品物レベル1504は、品物ノード1513、1514を含んでもよい。品物ノード1513、1514は、品物に対応してもよい。いくつかの品物ノードは、品物ノード1514と組になってもよい。組になった品物ノード1514は、たとえば、競合する品物に対応してもよい。交差価格弾力度は、組になった品物1514に対して、計算されてもよい。価格弾力度は、各品物に対して計算されてもよい。これは、品物・レベル価格弾力度を指してもよい。価格弾力度はまた、品物のグループのレベル1502、1503において計算されてもよい。ユーザ-品物の組が、ユーザ-品物の組の価格弾力度を推定するために十分なデータ有していない場合、ユーザツリー1500の任意のレベルの、より下位のレベルの価格弾力度が、計算されてもよい。
【0100】
操作1403では、類似度スコアD232は、ユーザと品物との間で取得され得る。類似度スコア232は、たとえば、本明細書にて説明する任意の手順を用いて計算されてもよい。類似度スコア232は、たとえば、演算機器200によって計算されてもよい。代替的に、他の装置が、類似度スコア232を計算し、たとえば。類似度スコア232を演算機器200に提供してもよい。演算機器200は、類似度スコア232に基づいて、計算など他の操作を行ってもよい。
【0101】
操作1405では、訴求力スコア1417が、ユーザ-品物の組に対して計算され得る。
【0102】
一実施形態によると、少なくとも1つの記憶装置202およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ201を用いて、演算機器が、類似度スコア232および価格弾力度1410を含む製品を用いて、訴求力スコア1417を計算するように構成される。いくつかの実施形態では、製品は、他の数量および/またはこれらの数量に対する操作も含んでもよい。たとえば、製品は、類似度スコア232、価格弾力度1410、および/または他の数量の絶対値を含んでもよい。
【0103】
訴求力スコア1417は、複数の品物に対して、計算され得る。訴求力スコア1417は、ユーザ-品物訴求力スコアを指してもよい。ユーザiと品物jとの訴求力スコアKij1417は、たとえば、価格弾力度βij1410および類似度スコアDij232を含む製品を用いて、計算され得る。
品物jは、訴求力スコアKij1417に基づいて、ユーザiに対して順序決めされ得る。順序は、たとえば昇順の順序であってもよい。順序は、たとえば品物のユーザ個別価格の計算に用いられ得る。
【0104】
操作1407では、予想需要Q1414が計算され得る。予想需要Q1414は、ユーザ-品物の組に対して、計算されてもよい。予想需要Q1414は、たとえば、所与の時間窓における以前の売上を用いて、計算され得る。代替的または付加的に、予想需要Q1414は、品物の階層の様々なレベルの、所与の時間窓における以前の売上を用い、品物の階層の一レベルの総売上をそのレベルの品物に割り当てることによって、計算されてもよい。代替的または付加的に、予想需要Q1414は、各品物に対するユーザ-品物個別の時系列ベースの需要を計算することによって、または複数のユーザ-品物個別の時系列ベースの需要を計算することによって、計算されてもよい。
【0105】
操作1408では、最適マージンの価格1416が、計算され得る。最適マージンの価格1416を計算するために、受容可能価格域が、最初に、各品物に対して定義され得る。受容可能価格域は、たとえば、価格がリスト価格からどれだけ離れ得るかに基づいて決定され得る。最適マージンの価格1416の検索は、つまり、受容可能価格域に限定され得る。
【0106】
マージンKは、
から計算することができ、ここで、PPは、品物の購入価格であり、Pは、品物の価格である。最適マージンKoptは、受容可能価格域内の最大マージンとなるように定義され得る。最適マージンKoptを求めることによって、最適マージンの価格Poptが求められ得る。最適マージンKoptは、たとえば、受容可能価格域内のすべての可能な価格Pを試すことによって、または他の最適化手順を用いることによって、求められ得る。
【0107】
代替的または付加的に、最適マージンの価格Popt1416は、
を用いて、計算することができる。これは、たとえば、受容可能価格域が定義されないときに使用されてもよい。さらに、Poptは、PP以上となるように限定され得る。
【0108】
上述した手順を用いて取得した最適マージンの価格1416は、マージンの最大値に対応する必要はない。代わりに、最適マージンの価格は、たとえば、受容可能価格域内で、および/または十分な正確さでマージンを最大化し得ることが理解されるべきである。
【0109】
操作1409では、ユーザ-品物個別価格1418が、計算され得る。訴求力スコアK1417に基づいて、品物は、そのユーザへの訴求力に応じて、順序決めされ得る。順序決めに基づいて、ユーザ-品物個別価格1418は、最も訴求力のある品物に対して計算されてもよい。ユーザ-品物個別価格1418が計算される品物の数は、予め設定されてもよい。たとえば、ユーザ-品物個別価格1418は、訴求力スコアK1417に応じて、最も訴求力のある10個の品物に対して計算されてもよい。代替的に、ユーザ-品物個別価格1418が計算される品物の数は、他の方法で決定されてもよい。ユーザ-品物個別価格P1418が計算される品物に対して、ユーザ-品物個別価格P1418は、最適マージンの価格Popt1416と等しくなるように設定されてもよい。代替的に、ユーザ-品物個別価格1418は、本明細書にて開示する手順を用いるなど、他の方法で計算されてもよい。
【0110】
一実施形態によると、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、価格弾力度に基づいて予想需要1414を計算し、予想需要および価格弾力度に基づいて、最適マージンの価格1416を計算し、少なくとも、訴求力スコアおよび最適マージンの価格に基づいて、品物に対するユーザ-品物個別価格を計算するように構成される。
【0111】
図17は、一実施形態のユーザ-品物個別価格計算手順のフローチャート1400による表示を示す。手順は、たとえば、演算機器200によって行われてもよい。代替的または付加的に、手順の異なる操作が、異なる装置によって行われてもよい。いくつかの実施形態では、操作は行われる必要がなく、および/またはいずれの操作も、他の操作を含んでもよい。いずれかの操作に関連する、本明細書のいずれの開示も、図17の実施形態にも適用されてもよい。
【0112】
操作1404では、ユーザ-品物個別価格感受度Hj1413が、計算され得る。ユーザの価格感受度Hji1413は、たとえば、価格感受度をユーザの価格弾力度βi1410に等しくなるように、Hji=βi設定することによって、決定され得る。代替的または付加的に、ユーザの価格感受度Hji1413は、たとえば、統計値、たとえばユーザのための様々な品物の平均または中央値価格弾力度を計算し、価格感受度をその統計値に等しくなるように設定することによって、決定され得る。たとえば、Hji=avgj(βij)であり、ここで、avgj(βij)は、品物jに対するユーザiの平均価格弾力度を取る。代替的または付加的に、ユーザの価格感受度Hjiは、たとえば、他の何らかの評価手順を用いることによって、決定されてもよい。
【0113】
操作1406では、ユーザ個別対象割引率1415が計算され得る。ユーザ個別対象割引率1415は、たとえば、ユーザの価格感受度1413および予想需要1414に基づいて、計算され得る。
【0114】
一実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、少なくとも予想需要および価格感受度に基づいて、割引率を計算し、少なくとも訴求力スコア、最適マージンの価格、および割引率に基づいて、品物のユーザ-品物個別価格を計算するように構成される。
【0115】
図18は、一実施形態のユーザ-品物個別価格計算手順のフローチャート1800による表示を示す。図18の実施形態では、制御パラメータは、使用されなくてもよい。したがって、ユーザ価格感受度の計算、および/または割引率の計算が必要なくてもよい。予想需要Q1414が、ユーザ個別・品物対象計算1409に入力されてもよい。いずれかの操作に関連する、本明細書のいずれの開示も、図18の実施形態に適用されてもよい。
【0116】
操作1401では、制御パラメータ250が、取得されて得る。制御パラメータ250は、たとえば、ユーザ個別・品物対象価格決定に割り当てられる割引の量、および/またはユーザ-品物個別価格が、リスト価格からどれほど逸脱し得るかの制限を決定してもよい。制御パラメータ250は、予め設定された制御パラメータを含んでもよい。制御パラメータは、たとえば管理者によって設定されてもよい。代替的または付加的に、制御パラメータ250の少なくとも一部が、演算機器200などの装置によって自動化されて計算されてもよい。制御パラメータは、少なくとも1つの制御パラメータを含んでもよい。
【0117】
操作1406では、ユーザ個別対象割引率1415が決定され得る。ユーザ個別対象割引率Ai1415は、たとえば、
から決定することができ、ここで、
であり、
ここで、
である。Miは、ユーザ個別対象販売量予測であり、Atargetは、すべてのユーザに視認可能な、割引と比較されるユーザ個別対象割引の割り当てを記述するパラメータである。制御パラメータ250は、Miおよび/またはAtargetを含んでもよい。一実施形態では、制御パラメータは、ユーザ個別対象販売量予測Mi、および/または、すべてのユーザに視認可能な、割引と比較されるユーザ個別対象割引の割り当てを記述するパラメータを含む。
【0118】
一実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、少なくとも1つの制御パラメータ250を取得し、価格感受度、予想需要、および少なくとも1つの制御パラメータに基づいて、ユーザの割引率1415を計算するように構成される。
【0119】
一実施形態では、少なくとも1つの制御パラメータは、対象割引率およびユーザ個別対象販売量予測を含む。上述したように、演算機器200は、たとえば、対象割引率およびユーザ個別対象販売量予測に基づいて割引率1415を計算してもよい。
【0120】
一実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、少なくとも訴求力スコア、最適マージンの価格、割引率、および少なくとも1つの制御パラメータに基づいて、品物に対するユーザ個別価格を計算するように構成される。
【0121】
操作1409では、ユーザ-品物個別価格1418が、決定され得る。ユーザ-品物個別価格P1418は、段階的に決定され得る。各ユーザに対し、ユーザ個別対象価格決定は、ユーザ個別対象割引率Ai1415が達成されるまで、訴求力スコアK1417に応じて、ユーザに対して最も訴求力のある品物から開始され得る。
【0122】
ユーザ個別・品物対象訴求力スコアKijに基づいて、ユーザ-品物個別価格Pij1418は、ユーザ-品物個別価格が計算されていない、訴求力のある品物に対して、計算され得る。
【0123】
ユーザ個別対象割引およびユーザ個別対象割引率は、すべての品物に対して、計算され得る。ユーザ-品物個別価格Pij1418に基づいて、計算されたユーザ割引Acalc,iは、計算され得る。計算された割引Acalc,iは、たとえばユーザ-品物個別価格Pij1418およびリスト価格に基づいて、計算され得る。
【0124】
一実施形態では、少なくとも1つの制御パラメータは、品物のユーザ個別価格の上限を示す第1偏差パラメータ、および品物のユーザ個別価格の下限を示す第2偏差パラメータを含む。第1偏差パラメータは、Dmaxに対応してもよく、第2偏差パラメータは、Dminに対応してもよい。上述したように、演算機器200は、PijがDmaxによって示される値よりも大きくならないように、および/またはPijがDminによって示される値よりも小さくならないように、ユーザ個別価格Pijを制限してもよい。
【0125】
一実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、各品物の訴求力スコアに応じて複数の品物を順序決めし、割引率が達成されるまで、その順序中の品物のユーザ個別価格を計算するように構成される。
【0126】
たとえば、Acalc,i=Aiである場合、Pijはユーザ-品物個別価格として用いられてもよい。それ以外の場合では、Pij=Plist,ijであり、ユーザiに対するユーザ個別価格の計算が停止されてもよい。したがって、ユーザiに対するユーザ-品物個別価格の計算は、Acalc,i=Aiという条件である限り、継続されてもよい。いくつかの実施形態では、他の条件が用いられてもよい。ユーザiに対してより多くのユーザ-品物個別価格が計算されるにつれて、Acalc,iの値は増加してもよい。たとえば、Acalc,iの値は、様々な品物jについて、すでに計算されたユーザ-品物個別価格Pijに対して、累積的に計算されてもよい。
【0127】
操作1401~1409の一部か、またはすべてが、たとえば演算機器200によって行われてもよい。代替的または付加的に、操作1401~1409の一部は、他の装置、たとえばクライアント装置100によって行われてもよい。たとえば、クライアント装置100は、演算機器200から何らかの情報を要求し、受信したその情報に基づいて操作1401~1409の少なくとも一部を行ってもよい。そして、クライアント装置100は、他の装置、たとえば演算機器200の操作の結果を提供してもよい。
【0128】
図19は、一実施形態の品物表示インターフェース1300の概略図を示す。品物表示インターフェース1300は、クライアント装置100によってユーザ101に表示されてもよく、表示インターフェース1300の内容は、クライアント装置100が演算機器200から受信したデータに基づき得る。品物表示インターフェース1300は、たとえば、ユーザ101がウェブサイトにログインした後のウェブサイトの開始ページであってもよいか、またはその一部であってもよい。代替的に、品物表示インターフェース1300は、たとえば、ユーザ101が品物のカテゴリを閲覧しているときに、ウェブサイト上の別個のページとなり得る。ユーザ101は、ウェブサイトへのログインを要求されなくてもよい。品物表示インターフェース1300は、少なくとも1つの品物ビュー1301を含む。品物ビュー1301は、品物に関する情報を表示してもよい。たとえば、単一の品物ビュー1301は、品物の画像およびその品物の名称を表示してもよい。
【0129】
図19からわかるように、ユーザ101に一度に表示できる品物ビュー1301の数は、限定されてもよい。品物ビュー1301は、ユーザ101に明瞭に見えるべきであるため、品物ビュー1301のサイズは、制限なしに縮小することはできない。品物ビュー1301は、ユーザ101に明瞭に見えるべき複数の構成要素も含んでもよい。これは、クライアント装置100が、たとえば、比較的小さいディスプレーを備える携帯電話である場合、特に限定的となってもよい。そのようなクライアント装置100上では、わずかな品物ビュー1301のみが品物表示インターフェース1300に収まってもよい。品物ビュー1301のサイズおよびレイアウトは、クライアント装置100に応じて寸法決めされる。この寸法決めは、クライアント装置100によっておよび/または演算機器200によって実行されてもよい。たとえば、クライアント装置100が、携帯電話である場合、品物ビュー1301は、品物ビュー1301を十分明瞭に表示しながらも、ユーザ101が品物表示インターフェース1300を単一方向に沿ってスクロールするだけでよいように、単一の欄(縦列:column)に配置されてもよい。デスクトップコンピュータなど、大型のディスプレーを備えるクライアント装置100上では、複数の品物ビュー1301は、横並びで品物表示インターフェース1300に収まってもよい。
【0130】
ユーザ属性プロファイル212、および各品物の品物属性ベクトル223を用いて、演算機器200は、品物ビュー1301を、表示された品物がユーザ101に関連のある、および/またはユーザ101に興味を持たせる可能性があるように、品物表示インターフェース1300に表示する方法を選択してもよい。一実施形態によると、演算機器200各品物の類似度スコア232を計算し、品物ビュー1301は、品物の類似度スコア232に応じて品物表示インターフェース1300中に配置される。別の実施形態によると、演算機器200は、各品物の順序スコアMi,kを計算し、品物ビュー1301は、品物の順序スコアMi,kに応じて品物表示インターフェース1300中に配置される。演算機器200は、たとえば、各品物の順序スコアMi,kに応じて順序決めされた複数の品物を含み得る品物順序決めリストを生成してもよい。その順序は、たとえば、昇順または降順であってもよい。
【0131】
実施形態によると、他の基準も、品物ビュー1301の順序決めに適用されてもよい。たとえば、最も購入された上位n個の品物および/または品物のグループは、品物ビュー1301の上位に順序決めされなくてもよい。nは、任意の数となり得る。実施形態によると、他の基準も、品物ビュー1301の順序決めに適用されてもよい。たとえば、最も購入された上位n個の品物および/または品物のグループは、品物ビュー1301の上位に順序決めされなくてもよい。nは、任意の数となり得る。さらなる実施形態によると、同じ品物ツリーノードの一部である品物は、品物順序決めリスト内のm個の直線の品物のいずれかである。mは、任意の数となり得る。別の実施形態によると、複数の品物および/または品物のグループが、同じ類似度スコア232および/または順序スコアMi,kを有する場合、優先度の高い品物が、最初に置かれてもよい。優先度は、マージン、販売量などの、様々な数量に基づいて計算されてもよい。
【0132】
演算機器200は、限られた表示スペースの利用を改善することによって、ユーザ体験を改善してもよい。付加的に、ユーザ101は、関連のある品物をより容易かつより迅速に見つけて得るため、電力消費およびクライアント装置100の送受信データ量は、減少し得る。たとえば、関連のある品物が、品物表示インターフェース1300中の第1の品物ビュー1301内にくるように順序決めされる場合、関連性の低い品物の品物ビュー1301は、クライアント装置100によって表示またはロードされる必要が無くてもよい。したがって、関連性の低い品物に関するデータ、たとえば画像は、クライアント装置100に送信される必要がないため、送信されるデータの量は、減少し得る。これらの利点は、本明細書において説明するすべての実施形態に適用されてもよい。
【0133】
図20は、別の実施形態の、品物表示インターフェース1300の概略図を示す。この実施形態では、品物表示インターフェース1300は、検索結果を表示してもよく、その検索結果は、品物ビュー1301を用いて表示され得て、検索結果は、品物の類似度スコア232および/または順序スコアMi,kに基づいて順序決めされ得る。
【0134】
たとえば、ユーザ101がパンを検索する場合、これらの品物の品物属性ベクトル223が、ユーザ101のユーザ属性プロファイル212にどれほど良く適合するかに応じて、様々なパンの品物が、検索結果内で順序決めされてもよい。たとえば、ユーザ101がパンを検索し、ユーザ101がオーガニックの食品を好む可能性があることを、ユーザ属性プロファイル212が示す場合、演算機器200は、様々なオーガニックのパンを検索結果の上位に順序決めしてもよい。演算機器200は、それぞれのパンの品物の品物属性ベクトル223およびユーザ101のユーザ属性プロファイル212に基づいて利用可能である、それぞれのパンの品物の類似度スコア232および/または順序スコアMi,kを計算してもよい。ユーザ101がオーガニックの食品を好む場合、ユーザ属性プロファイル212は、これを選択する。その場合、ユーザ属性プロファイル212とのオーガニックのパンの類似度は、他の種類のパンの類似度よりも高くてもよい。そして、演算機器200および/またはクライアント装置100は、品物の類似度スコア232および/または順序スコアに応じて検索結果を順序決めしてもよく、オーガニックのパンは、検索結果内で他の種類のパンよりも上位であってもよい。なお、これは、単純化された例に過ぎず、他の属性が同時に、類似度スコアおよび検索結果の順序決めに影響を及ぼしてもよい。代替的に、この種類の順序決めは、ユーザ101がパンを検索する代わりに、品物のカテゴリ、たとえば「パン」を閲覧する際にも適用されてもよい。
【0135】
図21は、別の実施形態の、品物表示インターフェース1300の概略図を示す。この実施形態では、品物ビュー1301は、品物のページ1307を有する品物表示インターフェース1300内に表示され得る。ユーザ101は、何かの品物をウェブサイト上で閲覧することにしてもよく、その品物に関する情報は、品物のページ1307内でユーザ101に表示されてもよい。品物のページ1307は、たとえば、品物の画像を含んでもよい。品物ビュー1301は、たとえば、表示インターフェース1300の下部に位置決めされてもよい。品物ビュー1301内に表示される品物は、品物のページ1307上に表示される品物関連する/類似であってもよい。その場合、ユーザ属性プロファイル212は、行動履歴211および/またはユーザ101のユーザ属性プロファイル212に適し、品物のページ1307上に表示される品物に関連する/類似する品物を表示するために使用されてもよい。代替的に、品物ビュー1301内に表示される品物は、品物のページ1307上に表示される品物に関連しなくてもよいが、たとえば、ユーザ101のユーザ属性プロファイル212に適した品物であってもよい。たとえば、演算機器200は、品物のサブセットの類似度スコア232を計算してもよく、これらの類似度スコア232に基づいて、高類似度の品物が、品物ビュー1301内に表示されてもよい。
【0136】
上記実施形態では、品物表示インターフェース1300の要素は、特定の幾何学的形状を用いて図示されているが、その要素は、任意の形状およびサイズであってもよく、品物表示インターフェース1300内で任意の方法で位置決めされてもよい。品物表示インターフェース1300の要素は、たとえば、品物、または品物に関する情報を表してもよい。たとえば、品物ビュー1301は、リスト、配列(array)として、または他の任意の順序で表示されてもよい。
【0137】
一実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、品物のユーザ個別価格をクライアント装置に送信するように構成される。
【0138】
一実施形態では、少なくとも1つの記憶装置およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、演算機器が、ユーザ個別価格を演算機器のユーザに表示するように構成される。
【0139】
いくつかの実施形態では、演算機器200は、品物表示インターフェース1300をユーザに表示するように構成されてもよい。たとえば、演算機器200は、表示装置に電気的に接続されてもよく、演算機器200は、表示装置を用いて品物表示インターフェース1300をユーザに表示してもよい。
【0140】
図22は、一実施形態の品物ビュー1301の概略図を示す。この実施形態では、品物ビュー1301は、品物の画像1302および名称1303を含む。品物ビュー1301は、たとえば、品物表示インターフェース1300内で品物をユーザ101に表示するために使用されてもよい。
【0141】
図23は、別の実施形態の、品物ビュー1301の概略図を示す。この実施形態では、品物ビュー1301は、品物の画像1302および名称1303を含む。さらに、クライアント装置は、少なくとも1つの品物ビュー1306内に属性1305を表示するように構成されることが可能であり、その属性は、品物ビュー1301内に表示される品物の品物属性ベクトルと関連している。図19の実施形態では、品物ビュー1301は、品物の2つの属性1305を含む。しかし、これは一例にすぎず、表示される属性1305の数は、変更されてもよい。表示される属性1305は、たとえば、ユーザ101のユーザ属性プロファイル212に最も類似している、および/またはユーザプロファイル210に基づいてユーザ101に重要な品物の属性であってもよい。たとえば、図11に表示するユーザ属性プロファイルベクトル212の場合、これらの属性の値が、品物の品物属性ベクトル223において1である場合、表示される属性は、「高タンパク質」かつ「ベジタリアン」であってもよい。
【0142】
品物ビュー1301は、品物の価格ビュー1304をさらに含んでもよい。価格ビュー1304は、たとえば、ユーザ-品物個別価格1418を含んでもよい。代替的または付加的に、価格ビュー1304は、2つ以上の価格を含んでもよい。価格ビュー1304は、たとえば、ユーザ-品物個別価格1418および品物のリスト価格を含んでもよい。品物ビュー1301は、品物の割引の示度1306をさらに含んでもよい。示度1306は、たとえば、品物の割引率を含んでもよい。割引率は、たとえば、ユーザ-品物個別価格1418および品物のリスト価格に基づいて、計算されてもよい。
【0143】
図24は、別の実施形態の、品物ビュー1301の概略図を示す。この実施形態では、品物ビュー1301は、表示される類似度スコア1306をさらに含む。一実施形態によると、演算機器200は、類似度スコア232をクライアント装置100に送信するように構成される。一実施形態によると、クライアント装置100は、演算機器から計算される類似度スコア232を受信し、少なくとも1つの品物ビュー1301内で表示される類似度スコア1306を表示するように構成され、表示される類似度スコアは、計算される類似度スコアに関連付けられている。クライアント装置100は、たとえば計算されたスコア232から、表示される類似度スコア1306を計算し得る。代替的に、演算機器200は、表示される類似度スコア1306をクライアント装置100に送信してもよい。表示される類似度スコア1306は、ユーザ属性プロファイル212および品物属性ベクトル223に基づいて、品物が、ユーザ101にどれくらい関連しているかを示してもよい。代替的に、表示される類似度スコア1306は、計算された類似度スコア232と異なってもよい。たとえば、表示される類似度スコア1306は、パーセントで表示されてもよい。すでに説明したように、0に近い計算された類似度スコア232は、品物属性ベクトル223とユーザ属性プロファイル212との類似度が高いことを示してもよい。表示される類似度スコア1306は、たとえば、100%に近い表示される類似度スコア1306は、高い類似度を示し、0%に近い表示される類似度スコア1306は、低い類似度を示すように、計算された類似度スコア232から計算されてもよい。
【0144】
本明細書において示される、いずれの範囲またはデバイス値も、求められる効果を失うことなく、拡大または変更することが可能である。また、いずれの実施形態も、明白に禁止されない限り、別の実施形態と組み合されてもよい。
【0145】
構造的特徴および/または行動に特化した術語で主題を説明したが、添付の請求項に定義される主題は、上記の特定の特徴または行動に必ずしも限定されるわけではないことが理解される。むしろ、上記の特定の特徴または行動は、請求項を実施する実施形態として開示され、他の同等の特徴および行動は、請求項の範囲内となるように意図される。
【0146】
本明細書において説明する機能は、少なくとも部分的に、ソフトウェア部品など1つまたは複数のコンピュータプログラム品物部品によって行われ得る。代替的に、またはそれに加えて、本明細書において説明する機能は、少なくとも部分的に、1つまたは複数のハードウェアロジック部品によって行われ得る。たとえば、限定されないが、使用され得るハードウェアロジック部品の例示的な種類は、FPGA(Field-programmable Gate Array)、ASIC(Application-specific Integrated Circuit)、ASSP(Application-specific Standard Product)、SOC(System-on-a-chip system)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、GPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0147】
上記の利益および利点は、1つの実施形態に関連し得る、または複数の実施形態に関連し得ることが理解される。実施形態は、上記の問題のいずれかまたはすべてを解決するもの、または上記の利益および利点のいずれかまたはすべてを有するものに限定されない。「ある」品物とは、それらの品物のうちの1つまたは複数を指し得ることがさらに理解される。「および/または」という用語は、それが接続する状態のうちの1つまたは複数が起こり得ることを示すために使用され得る。接続される状態の両方またはそれ以上が起こってもよく、または接続される状態のいずれかのみが起こってもよい。
【0148】
本明細書において説明される方法の操作は、任意の適切な順序で、または(適切な場合には)同時に実行されてもよい。さらに、個々のブロックは、本明細書に記載する主題目的および範囲から逸脱することなく、方法のいずれかから削除されてもよい。上記の実施形態のいずれかの態様は、求める効果を失うことなくさらなる実施形態を形成するために、実施形態のいずれかの態様と組み合されてもよい。
【0149】
「含む」という用語は、特定された方法、ブロックまたは要素を含むが、そのようなブロックまたは要素は、排他的リストを含まず、方法または装置は、追加のブロックまたは要素を含み得ることを意味するように用いられる。
【0150】
上記の説明は、例としてのみ示され、様々な変更例が当業者によってなされてもよいことが理解される。上記の説明、実施形態およびデータは、例示的な実施形態の構造および使用法の完全な説明を提供する。ある程度の特殊性を有して、または1つまたは複数の個々の実施形態に関連して様々な実施形態を説明したが、当業者は、本明細書の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示した実施形態の多数の変更例をなし得る。
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