(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】自動車投光器用の照射装置、及び自動車投光器
(51)【国際特許分類】
F21S 41/20 20180101AFI20221007BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20221007BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20221007BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20221007BHJP
F21S 41/24 20180101ALI20221007BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20221007BHJP
F21S 43/243 20180101ALI20221007BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20221007BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20221007BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20221007BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20221007BHJP
G02B 3/00 20060101ALN20221007BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221007BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20221007BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20221007BHJP
【FI】
F21S41/20
F21S41/143
F21S43/14
F21S43/20
F21S41/24
F21S43/237
F21S43/243
F21S43/249
F21V5/00 510
F21S43/245
G02B5/00 Z
G02B3/00 A
F21Y115:10
F21W102:00
F21W103:00
(21)【出願番号】P 2021535975
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2018086586
(87)【国際公開番号】W WO2020126031
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】シュトローミュラー、アレクサンダー
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/016227(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/20
F21S 41/143
F21S 43/14
F21S 43/20
F21S 41/24
F21S 43/237
F21S 43/243
F21S 43/249
F21V 5/00
F21S 43/245
G02B 5/00
G02B 3/00
F21Y 115/10
F21W 102/00
F21W 103/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの配光
を生成するため、又は少なくとも2つの異なる光機能
を生成するための、自動車投光器用、及び/又は自動車の尾灯用、及び/又は自動車のための信号灯用の照射装置
であって、
前記照射装置(1)は、1つの光学体(2)並びに2つの光源(30、40)、即ち第1光源(30)と第2光源(40)
を含み、これらの光源(30、40)の各々は、他方の光源又は別の光源に依存せずに制御可能であり、
前記光学体(2)は、光学的に透明な材料から構成されており、
更に前記光学体(2)は、光入射領域(10)と光出射面(11)を有し、
更に前記光入射領域(10)を介して前記光学体(2)内に供給される前記光源(30、40)の光は、少なくとも部分的に前記光出射面(11)を介して出射し、
前記光入射領域(10)は、中央の光入射面(100)と側方の側方入射面(200)とから構成されており、
前記中央の光入射面(100)は、前記光源(30、40)に向き合って位置し、
前記側方入射面(200)は、所定の窪み部が前記光学体(2)内に形成されているように前記中央の光入射面(100)に接続し、前記窪み部内に又は前記窪み部に向き合って前記光源(30、40)が配設されており、前記光源(30、40)は、これらの光源(30、40)の光を前記窪み部内に放射し、
両方の前記光源(30、40)は、所定の直線(G)上に位置し、前記直線(G)は、垂直軸線(Z)と平行に延在する垂直方向(R)に延在し、
更に垂直方向
(R)に見て、前記第1光源(30)は、前記第2光源(40)の上側に位置し、
更に前記光入射領域(10)は、2つの焦点(F1、F2)を有し、それらの光源の一方の光源(30)は、それらの焦点の一方の焦点(F1)に配設され、他方の光源(40)は、他方の焦点(F2)に配設されている構成であり、
前記光入射領域(10)の前記側方入射面(200)は、次のように構成されており、即ち、
- 前記第1光源(30)が配設されている第1水平面(E1)の垂直方向(R)上側に少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面(200)が、湾曲形成された第1側方境界面部分(201)を有し、且つ、
- 前記第2光源(40)が配設されている第2水平面(E2)の垂直方向(R)下側に少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面(200)が、湾曲形成された第2側方境界面部分(202)を有するように構成されており、
- それらの水平面(E1、E2)は、垂直軸線(Z)が直交し且つ光軸線(X)を含んだ面(XY)と平行に延在する面であり、更に、
- それらの両方の側方境界面部分(201、202)は、側方境界面接続部分(203、204)を介して互いに接続されており、
- そして前記中央の光入射面(10)は、次のように形成されていること、即ち、
各前記側方境界面接続部分(203、204)から出発し、それぞれ中央入射面(103、104)が、他方の前記側方境界面接続部分(204、203)の方向に延在し、これらの中央入射面(103、104)は、互いに向かって延びて共通の中央エッジ(110)に通じており、
前記中央入射面(103、104)の上側と下側には、2つの接続入射面(101、102)が延在し、これらの接続入射面(101、102)は、前記中央入射面(103、104)を前記側方境界面部分(201、202)と接続させており、
更に前記中央入射面(103、104)は、水平切断面内において、即ち垂直軸線(Z)が直交し且つ光軸線(X)を含んだ面(XY)と平行に延在する切断面において、凹状に湾曲しており、それにより凹状の中央入射面輪郭線(103”、104”)が得られること、
を特徴とする照射装置。
【請求項2】
前記側方境界面接続部分(203、204)は、第1垂直切断面において、即ち光軸線(X)が直交し且つ垂直軸線(Z)を含んだ面(YZ)と平行に延在する切断面において、直線状の接続部分輪郭線(203’、204’)を有すること、
を特徴とする、請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
前記側方境界面接続部分(203、204)は、水平切断面において、即ち垂直軸線(Z)が直交し且つ光軸線(X)を含んだ面(XY)と平行に延在する切断面において、凸状の接続部分輪郭線(203”、204”)を有すること、
を特徴とする、請求項1又は2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記側方境界面部分(201、202)は、第1垂直切断面において、即ち光軸線(X)が直交し且つ垂直軸線(Z)を含んだ面(YZ)と平行に延在する切断面において、凹状に湾曲した側方境界面部分輪郭線(201’、202’)を有すること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項5】
前記側方境界面部分(201、202)は、凸状に湾曲していること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項6】
前記中央入射面(103、104)は、垂直の方向(Z、R)において真っ直ぐに形成されており、それにより第2垂直切断面において、即ち光軸線(X)と垂直軸線(Z)により規定される面(XZ)と平行に延在する切断面において、真っ直ぐの中央入射面輪郭線(103’、104’)が得られ、これらの中央入射面輪郭線(103’、104’)は、
共通の前記中央エッジ(110)と平行に延在していること、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項7】
前記接続入射面(101、102)の各々は、それぞれ接続エッジ(120、130)により2つの下位接続入射面(101a、101b、102a、102b)に分割されていること、
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項8】
前記接続エッジ(120、130)は、垂直の方向
(Z、R)に見て前記中央エッジ(110)と同じ方向に延在していること、
を特徴とする、請求項7に記載の照射装置。
【請求項9】
前記接続エッジ(120、130)は、第2垂直切断面(XZ)において、凹状に湾曲して形成されていること、
を特徴とする、請求項7又は8に記載の照射装置。
【請求項10】
前記下位接続入射面(101a、101b、102a、102b)の各々は、凹状に湾曲して形成されていること、
を特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項11】
前記光入射領域(10)及び/又は前記光学体(2)は、光軸線(X)と水平軸線(Y)により規定されている面(XY)に関し、及び/又は光軸線(X)と垂直軸線(Z)により規定されている垂直切断面(XZ)に関し、対称であること、
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項12】
前記中央エッジ(110)は、接続点(P1、P2)において接続エッジ(120、130)に接続し、更に
それぞれ1つの焦点(F1、F2)が1つの焦点直線(FG1、FG2)上に位置し、1つの前記焦点直線(FG1、FG2)は、1つの前記接続点(P1、P2)を通り、光軸線(X)と平行に延在していること、
を特徴とする、請求項7~11のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項13】
第1焦点(F1)は、第1焦点(F1)の接続点(P1)に対し、第2焦点(F2)が第2焦点(F2)の接続点(P2)に対して間隔(a2)を有するのと同じ間隔(a1)を有すること、
を特徴とする、請求項12に記載の照射装置。
【請求項14】
前記光入射領域(10)は、外殻面(500)を介して前記光出射面(11)と接続されていること、
を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項15】
前記外殻面(500)は、所定の領域(503、504)において前記側方境界面接続部分(203、204)に接続し、垂直方向(R)において真っ直ぐに形成されていること、
を特徴とする、請求項14に記載の照射装置。
【請求項16】
前記光源(30、40)は、それぞれ、少なくとも1つの発光ダイオードを含むか、又は1つの発光ダイオードから成ること、
を特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項17】
各前記光源(30、40)は、主放射方向を有すること、
を特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項18】
前記光源(30、40)の主放射方向は、前記光学体(2)の光軸線(X)と平行に延在していること、
を特徴とする、請求項17に記載の照射装置。
【請求項19】
前記照射装置
(1)は、自動車投光器として、又は自動車の尾灯として、又は自動車のための信号灯として構成されている
こと、
を特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の照射装置
(1)と、導光体(700)とを含んだ照射システム
であって、前記導光体(700)には、前記照射装置(1)の光学体(2)から光が入射可能であり、更にこの光は、前記導光体(700)から導光光学系出射面(701)を介し、1つの又は2つ以上の配光を形成するために出射できること
、
を特徴とする照射システム。
【請求項21】
前記導光光学系出射面(701)は、
前記導光体(700)の垂直軸線(Z1)の方向に延在するシリンドリカルレンズ(702)を有すること、
を特徴とする、請求項20に記載の照射システム。
【請求項22】
前記導光体(700)の光軸線(X1)と、前記照射装置(1)の前記光学体(2)の光軸線(X)は一致せず、
互いに所定の角度だけ回してずらされていること、
を特徴とする、請求項20又は21に記載の照射システム。
【請求項23】
垂直面への投影として見ると、前記光学体(2)の垂直軸線(Z)と、前記導光体(700)の垂直軸線(Z1)とは、互いに平行に延在していること、或いは互いに平行に延在していないこと、
を特徴とする、請求項20~22のいずれか一項に記載の照射システム。
【請求項24】
前記照射システム
(800)は、自動車投光器として、又は自動車の尾灯として、又は自動車のための信号灯として構成されている
こと、
を特徴とする、請求項
20~23のいずれか一項に記載の照射システム。
【請求項25】
請求項1~19のいずれか一項に記載の照射装置(1)を少なくとも1つ、及び/又は請求項20~23のいずれか一項に記載の照射システム(800)を少なくとも1つ含んだ装置であって、前記装置は、自動車投光器、又は自動車用の尾灯、又は自動車用の信号灯であること
、
を特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの配光、特に正に2つの配光を生成するため、又は少なくとも2つの異なる光機能、特に正に2つの異なる光機能を生成するための、自動車投光器用、及び/又は自動車の尾灯用、及び/又は自動車のための信号灯用の照射装置(照明装置)に関し、この際、該照射装置は、1つの光学体(オプティカルボディ)並びに2つの光源、即ち第1光源と第2光源、特にLED光源を含み、この際、これらの光源の各々は、他方の光源又は別の光源に依存せずに制御可能であり、この際、光学体は、光学的に透明な材料から構成されており、更にこの際、光学体は、光入射領域と光出射面を有し、更にこの際、光入射領域を介して光学体内に供給される光源の光は、少なくとも部分的に光出射面を介して出射し、この際、光入射領域は、中央の光入射面と側方の側方入射面とから構成されており、この際、中央の光入射面は、光源に向き合って位置し、側方入射面は、所定の窪み部が光学体内に形成されているように中央の光入射面に接続し、該窪み部内に又は該窪み部に向き合って光源が配設されており、光源は、これらの光源の光を該窪み部内に放射し、この際、両方の光源は、所定の直線上に位置し、該直線は、垂直軸線と平行に延在する垂直方向に延在し、更にこの際、垂直方向に見て、第1光源は、第2光源の上側に位置し、更にこの際、光入射領域は、2つの焦点を有し、この際、それらの光源の一方の光源は、それらの焦点の一方の焦点に配設され、他方の光源は、他方の焦点に配設されている。
【0002】
更に本発明は、そのような照射装置に関し、この際、該照射装置は、自動車投光器(例えば自動車前照灯)として、又は自動車の尾灯として、又は自動車のための信号灯として構成されている。
【0003】
それに加え、本発明は、自動車投光器として、又は自動車の尾灯として、又は自動車のための信号灯として構成されている照射システム(照明システム)に関する。
【0004】
それに加え、本発明は、少なくとも1つの照射装置を含んだ、及び/又は少なくとも1つの照射システムを含んだ装置に関し、この際、該装置は、自動車投光器、又は自動車用の尾灯、又は自動車用の信号灯である。
【背景技術】
【0005】
前述の光学体は、所謂コリメータの形式で知られている。そのような光学体ないしコリメータは、反射性で屈折性の面、即ち光を屈折する面を有する。多くの場合、そのような光学体ないしコリメータは、TIRレンズ(TIR:"total internal reflection" 全内反射)ないしTIR光学体と呼ばれる。多くの場合、TIR光学系(TIR光学体)との概念に加え、そのような光学体(及び以下で説明する光学体)については、CPC光学系(CPC光学体)("Compound-Parabolic-Concentrator" 複合放物面型集光器)との概念でも使用され、又はTIR光学系は、CPC光学系に関するものであり、なぜなら、多くの場合、反射性で、特に全反射性で、光学体を境界付ける外面に加え、中心領域が、即ち光入射領域が、光を屈折する典型的なレンズ境界面を表すからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2008/310159号明細書
【文献】独国特許出願公開第102015115969号明細書
【文献】国際公開第2017/067915号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車両投光器の開発では、デザインがいっそう重要な役割を果たしている。構成空間がますます制限されていることにより、よりコンパクトな光学系が、法的に要求される光値を満たすために必要である。特に、典型的にはLEDとされる複数の光源が法的な要件を達成するために必要である場合には、上述したような従来の光学体を用いた解決策は、すぐにその限界に達してしまう。
【0008】
例えば、従来技術から、2つの(又はそれよりも多くの)異なる光機能ないし配光(ないし部分配光)を実現するために2つ以上の光学体を使用することが知られており、この際、各光学体は、各光学体に固有に割り当てられた光源を有する。このことが構成空間の要求を高めることは明白であり、それに加え、多くの場合、複数の光学体による必然的に必要な別々の配設構成の結果として、観察者には不均一な発光印象がもたらされる。
【0009】
また光学体の光入射領域に2つ以上の光源が配設される配設構成もある。しかしこれらの解決策は、多くの場合、光学体は1つの光源に対してのみ最適化されているので、光学的な観点において最適ではない。
【0010】
これらの問題に対する解決策を提示することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題は、冒頭で記載した照射装置において、本発明により光入射領域の側方入射面が、次のように構成されていることにより解決され、即ち、
- 第1光源が配設されている第1水平面の上側に垂直方向で少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面が、湾曲形成された第1側方境界面部分を有し、且つ、
- 第2光源が配設されている第2水平面の下側に垂直方向で少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面が、湾曲形成された第2側方境界面部分を有するように構成されており、
- この際、それらの水平面は、垂直軸線が直交し且つ光軸線を含んだ面と平行に延在する面であり、更にこの際、
- それらの両方の側方境界面部分は、側方境界面接続部分を介して互いに接続されており、
- そして中央の光入射面は、次のように形成されていること、即ち、
各側方境界面接続部分から出発し、それぞれ中央入射面が、他方の側方境界面接続部分の方向に延在し、この際、これらの中央入射面は、互いに向かって延びて共通の中央エッジに通じており、
中央入射面の上側と下側には、2つの接続入射面が延在し、これらの接続入射面は、中央入射面を側方境界面部分と接続させており、
更にこの際、中央入射面は、水平切断面内において、即ち垂直軸線が直交し且つ光軸線を含んだ面と平行に延在する切断面において、凹状に湾曲しており、それにより凹状の中央入射面輪郭線が得られること。
即ち本発明の第1の視点により、
少なくとも2つの配光を生成するため、又は少なくとも2つの異なる光機能を生成するための、自動車投光器用、及び/又は自動車の尾灯用、及び/又は自動車のための信号灯用の照射装置であって、
前記照射装置は、1つの光学体並びに2つの光源、即ち第1光源と第2光源を含み、これらの光源の各々は、他方の光源又は別の光源に依存せずに制御可能であり、
前記光学体は、光学的に透明な材料から構成されており、
更に前記光学体は、光入射領域と光出射面を有し、
更に前記光入射領域を介して前記光学体内に供給される前記光源の光は、少なくとも部分的に前記光出射面を介して出射し、
前記光入射領域は、中央の光入射面と側方の側方入射面とから構成されており、
前記中央の光入射面は、前記光源に向き合って位置し、
前記側方入射面は、所定の窪み部が前記光学体内に形成されているように前記中央の光入射面に接続し、前記窪み部内に又は前記窪み部に向き合って前記光源が配設されており、前記光源は、これらの光源の光を前記窪み部内に放射し、
両方の前記光源は、所定の直線上に位置し、前記直線は、垂直軸線と平行に延在する垂直方向に延在し、
更に垂直方向に見て、前記第1光源は、前記第2光源の上側に位置し、
更に前記光入射領域は、2つの焦点を有し、それらの光源の一方の光源は、それらの焦点の一方の焦点に配設され、他方の光源は、他方の焦点に配設されている構成であり、
前記光入射領域の前記側方入射面は、次のように構成されており、即ち、
- 前記第1光源が配設されている第1水平面の垂直方向上側に少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面が、湾曲形成された第1側方境界面部分を有し、且つ、
- 前記第2光源が配設されている第2水平面の垂直方向下側に少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面が、湾曲形成された第2側方境界面部分を有するように構成されており、
- それらの水平面は、垂直軸線が直交し且つ光軸線を含んだ面と平行に延在する面であり、更に、
- それらの両方の側方境界面部分は、側方境界面接続部分を介して互いに接続されており、
- そして前記中央の光入射面は、次のように形成されていること、即ち、
各前記側方境界面接続部分から出発し、それぞれ中央入射面が、他方の前記側方境界面接続部分の方向に延在し、これらの中央入射面は、互いに向かって延びて共通の中央エッジに通じており、
前記中央入射面の上側と下側には、2つの接続入射面が延在し、これらの接続入射面は、前記中央入射面を前記側方境界面部分と接続させており、
更に前記中央入射面は、水平切断面内において、即ち垂直軸線が直交し且つ光軸線を含んだ面と平行に延在する切断面において、凹状に湾曲しており、それにより凹状の中央入射面輪郭線が得られること、
を特徴とする照射装置が提供される。
更に本発明の第2の視点により、
前記照射装置と、導光体とを含んだ照射システムであって、前記導光体には、前記照射装置の光学体から光が入射可能であり、更にこの光は、前記導光体から導光光学系出射面を介し、1つの又は2つ以上の配光を形成するために出射できること、
を特徴とする照射システムが提供される。
更に本発明の第3の視点により、
前記照射装置を少なくとも1つ、及び/又は前記照射システムを少なくとも1つ含んだ装置であって、前記装置は、自動車投光器、又は自動車用の尾灯、又は自動車用の信号灯であること、
を特徴とする装置が提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
少なくとも2つの配光、特に正に2つの配光を生成するため、又は少なくとも2つの異なる光機能、特に正に2つの異なる光機能を生成するための、自動車投光器用、及び/又は自動車の尾灯用、及び/又は自動車のための信号灯用の照射装置であって、
前記照射装置は、1つの光学体並びに2つの光源、即ち第1光源と第2光源、特にLED光源を含み、これらの光源の各々は、他方の光源又は別の光源に依存せずに制御可能であり、
前記光学体は、光学的に透明な材料から構成されており、
更に前記光学体は、光入射領域と光出射面を有し、
更に前記光入射領域を介して前記光学体内に供給される前記光源の光は、少なくとも部分的に前記光出射面を介して出射し、
前記光入射領域は、中央の光入射面と側方の側方入射面とから構成されており、
前記中央の光入射面は、前記光源に向き合って位置し、
前記側方入射面は、所定の窪み部が前記光学体内に形成されているように前記中央の光入射面に接続し、前記窪み部内に又は前記窪み部に向き合って前記光源が配設されており、前記光源は、これらの光源の光を前記窪み部内に放射し、
両方の前記光源は、所定の直線上に位置し、前記直線は、垂直軸線と平行に延在する垂直方向に延在し、
更に垂直方向に見て、前記第1光源は、前記第2光源の上側に位置し、
更に前記光入射領域は、2つの焦点を有し、それらの光源の一方の光源は、それらの焦点の一方の焦点に配設され、他方の光源は、他方の焦点に配設されている構成であり、
前記光入射領域の前記側方入射面は、次のように構成されており、即ち、
- 前記第1光源が配設されている第1水平面の垂直方向上側に少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面が、湾曲形成された第1側方境界面部分を有し、且つ、
- 前記第2光源が配設されている第2水平面の垂直方向下側に少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面が、湾曲形成された第2側方境界面部分を有するように構成されており、
- それらの水平面は、垂直軸線が直交し且つ光軸線を含んだ面と平行に延在する面であり、更に、
- それらの両方の側方境界面部分は、側方境界面接続部分を介して互いに接続されており、
- そして前記中央の光入射面は、次のように形成されていること、即ち、
各前記側方境界面接続部分から出発し、それぞれ中央入射面が、他方の前記側方境界面接続部分の方向に延在し、これらの中央入射面は、互いに向かって延びて共通の中央エッジに通じており、
前記中央入射面の上側と下側には、2つの接続入射面が延在し、これらの接続入射面は、前記中央入射面を前記側方境界面部分と接続させており、
更に前記中央入射面は、水平切断面内において、即ち垂直軸線が直交し且つ光軸線を含んだ面と平行に延在する切断面において、凹状に湾曲しており、それにより凹状の中央入射面輪郭線が得られること。
(形態2)
前記側方境界面接続部分は、第1垂直切断面において、即ち光軸線が直交し且つ垂直軸線を含んだ面と平行に延在する切断面において、直線状の接続部分輪郭線を有すること、が好ましい。
(形態3)
前記側方境界面接続部分は、水平切断面において、即ち垂直軸線が直交し且つ光軸線を含んだ面と平行に延在する切断面において、凸状の接続部分輪郭線を有すること、が好ましい。
(形態4)
前記側方境界面部分は、第1垂直切断面において、即ち光軸線が直交し且つ垂直軸線を含んだ面と平行に延在する切断面において、凹状に湾曲した側方境界面部分輪郭線を有すること、が好ましい。
(形態5)
前記側方境界面部分は、凸状に湾曲していること、が好ましい。
(形態6)
前記中央入射面は、垂直の方向において真っ直ぐに形成されており、それにより第2垂直切断面において、即ち光軸線と垂直軸線により規定される面と平行に延在する切断面において、真っ直ぐの中央入射面輪郭線が得られ、これらの中央入射面輪郭線は、好ましくは共通の前記中央エッジと平行に延在していること、が好ましい。
(形態7)
前記接続入射面の各々は、それぞれ接続エッジにより2つの下位接続入射面に分割されていること、が好ましい。
(形態8)
前記接続エッジは、垂直の方向に見て前記中央エッジと同じ方向に延在していること、が好ましい。
(形態9)
前記接続エッジは、第2垂直切断面において、凹状に湾曲して形成されていること、が好ましい。
(形態10)
前記下位接続入射面の各々は、凹状に湾曲して形成されていること、が好ましい。
(形態11)
前記光入射領域及び/又は前記光学体は、光軸線と水平軸線により規定されている面に関し、及び/又は光軸線と垂直軸線により規定されている垂直切断面に関し、対称であること、が好ましい。
(形態12)
前記中央エッジは、接続点において接続エッジに接続し、更に好ましくは、それぞれ1つの焦点が1つの焦点直線上に位置し、1つの前記焦点直線は、1つの前記接続点を通り、光軸線と平行に延在していること、が好ましい。
(形態13)
第1焦点は、第1焦点の接続点に対し、第2焦点が第2焦点の接続点に対して間隔を有するのと同じ間隔を有すること、が好ましい。
(形態14)
前記光入射領域は、外殻面を介して前記光出射面と接続されていること、が好ましい。
(形態15)
前記外殻面は、所定の領域において前記側方境界面接続部分に接続し、垂直方向において真っ直ぐに形成されていること、が好ましい。
(形態16)
前記光源は、それぞれ、少なくとも1つの発光ダイオードを含むか、又は1つの発光ダイオードから成ること、が好ましい。
(形態17)
各前記光源は、主放射方向を有すること、が好ましい。
(形態18)
前記光源の主放射方向は、前記光学体の光軸線と平行に延在していること、が好ましい。
(形態19)
前記照射装置は、自動車投光器として、又は自動車の尾灯として、又は自動車のための信号灯として構成されていること、が好ましい。
(形態20)
形態1~19のいずれか1つに記載の照射装置と、導光体とを含んだ照射システムであって、前記導光体には、前記照射装置の光学体から光が入射可能であり、更にこの光は、前記導光体から導光光学系出射面を介し、1つの又は2つ以上の配光を形成するために出射できること。
(形態21)
前記導光光学系出射面は、好ましくは前記導光体の垂直軸線の方向に延在するシリンドリカルレンズを有すること、が好ましい。
(形態22)
前記導光体の光軸線と、前記照射装置の前記光学体の光軸線は一致せず、特に互いに所定の角度だけ回してずらされていること、が好ましい。
(形態23)
垂直面への投影として見ると、前記光学体の垂直軸線と、前記導光体の垂直軸線とは、互いに平行に延在していること、或いは互いに平行に延在していないこと、が好ましい。
(形態24)
前記照射システムは、自動車投光器として、又は自動車の尾灯として、又は自動車のための信号灯として構成されていること、が好ましい。
(形態25)
形態1~19のいずれか1つに記載の照射装置を少なくとも1つ、及び/又は形態20~23のいずれか一項に記載の照射システムを少なくとも1つ含んだ装置であって、前記装置は、自動車投光器、又は自動車用の尾灯、又は自動車用の信号灯であること。
【0013】
光学体の本発明に基づく構成により、光源の各々に対し、焦点を光入射領域において次のように実現すること、即ちそれぞれ焦点に配設された光源の各々から来る光が(点状の光源を想定して)遠方域において1つの点に向かい、例えば(適切な配向において)既知のようにH-H線とV-V線の交点として得られる所謂HV点に向かって放射されるように、実現することが可能となる。それぞれ各光源により実際に構成される配光は、それぞれの光源により実際に与えられた広がりの結果として得られ、この際、照射強度の最大値は、共通の点にあり、例えば点HVにある。
【0014】
従って、本発明による解決策では、空間的に離れた2つの光源、特にLED光源が、光を光学体内に供給することができ、光源の各々の光は、遠方域において、例えば当該照射装置の前方に25メートル離れた例えば測定スクリーン上において、実質的に同じ照射領域を照射することができ、又は両方の光源の照射領域は、同一である。
【0015】
「実質的に同じ照射領域」とは、最大値領域が、即ち異なる配光の最大の照射強度の領域が、光像内の同じ箇所ないし同じ領域に位置することとして理解される。配光自体の形状は、好ましくは同一であるか又は極めて類似しているが、例えば色の見え方に関して互いに異なることも可能である。
【0016】
接続入射面は、これらの接続入射面がそれぞれ1つの光源のための1つの焦点を構成するように形成されており、それにより光源から来て光学体内に入射する光は、共通の点、例えば点HVに向かって屈折される。空間的に見て例えばシリンドリカルレンズを構成する、説明したように凹状に湾曲した中央入射面は、次のように形成されており、即ちそれらの焦点に着座する光源の各々について、中央入射面上に放射されるそれらの光線が、光学体内に入射するときにHV点に向かって屈折されるように、形成されている。
【0017】
中央の光入射面に隣接する側方境界面(側方入射面)は、光学体の反射性の外面、特に全反射性の外面に向かって、光線を屈性し、これらの光線をそれらの外面から好ましくは同様に共通の点、例えばHV点に指向させる。
【0018】
次に、先ずは、使われる重要な概念を定義すべきである。光学体ないし投射光学装置の光軸線は「X」で示され、これは、例えば光学体からの光の主放射方向である。「Z」では、光軸線Xに直交する垂直軸線が定義される。光軸線Xに対して横方向(左右方向)には、他の両方の軸線X、Zに直交する更なる軸線「Y」が延在する。
【0019】
軸線X、Zは、1つの垂直面を規定し、軸X、Yは、1つの水平面を規定する。
【0020】
「垂直方向」の光線の方向について述べるときは、XZ面に対するこれらの光線の投影を意味する。「水平方向」の光線の方向について述べるときは、XY面に対するこれらの光線の投影を意味する。
【0021】
全般的に「水平(水平方向)」及び「垂直(垂直方向)」という概念は、関連性を簡単に表すために使われる。つまり自動車内の典型的な取付状況において、説明された軸線と面は、実際に水平及び垂直に位置している。しかしまた、1つの照射装置、又は複数の照射装置の場合には、1つ又は複数の照射装置、特に全ての照射装置が、この位置に対して回してずらされていることを考慮することもでき、例えばX軸線は、地球の基準系の水平面に対して上向きに又は下向きに傾けられていることが可能であり、又は説明されたX、Y、Z軸線系は、全般的に回してずらされていることが可能である。従って当業者にとって、使われている概念は、簡単化された説明のために用いられ、地球の基準系内では、必ずしもそのように配向されている必要はないことが理解される。軸線Zと平行に延在する全般的な垂直方向Rの空間的な配向は、それぞれその回転に従う。
【0022】
「第1垂直切断面」とは、光軸線Xが直交し且つ垂直軸線Zを含んだ面(つまりこの面は、軸線Y、Zにより規定される)と平行に延在する切断面である。
【0023】
「第2垂直切断面」とは、光軸線Xと垂直軸線Zにより規定される面と平行に延在する切断面である。
【0024】
「水平切断面」とは、垂直軸線Zが直交し且つ光軸線Xを含んだ面(つまりこの面は、軸線X、Yにより規定される)と平行に延在する切断面である。
【0025】
特に、側方境界面接続部分は、第1垂直切断面において、即ち光軸線が直交し且つ垂直軸線を含んだ面と平行に延在する切断面において、直線状の接続部分輪郭線を有することが考慮されている。
【0026】
それに加え、側方境界面接続部分は、水平切断面において、即ち垂直軸線が直交し且つ光軸線を含んだ面と平行に延在する切断面において、凸状の接続部分輪郭線を有することを考慮することができる。
【0027】
更に、側方境界面部分は、第1垂直切断面において、即ち光軸線が直交し且つ垂直軸線を含んだ面と平行に延在する切断面において、凹状に湾曲した側方境界面部分輪郭線を有することを考慮することができる。
【0028】
好ましくは、側方境界面部分は、凸状に湾曲している。垂直切断面において、側方境界面部分(ないしこれらの部分において得られる輪郭線)は、好ましくは凹状であるが、その面自体は、空間内で好ましくは凸状である。
【0029】
例えば、説明された様々な面は、滑らかに形成されている。
【0030】
更に好ましくは、中央入射面は、垂直の方向において真っ直ぐに形成されており、それにより第2垂直切断面において、即ち光軸線と垂直軸線により規定される面と平行に延在する切断面において、真っ直ぐの中央入射面輪郭線が得られ、これらの中央入射面輪郭線は、好ましくは共通の中央エッジと平行に延在している。
【0031】
中央入射面は、それに対応し、シリンドリカルレンズとして形成されており、垂直軸線と平行にシリンダの高さを有し、1つのシリンドリカルレンズに対応する屈折特性を有する。
【0032】
それに加え、好ましくは、接続入射面の各々は、それぞれ接続エッジにより2つの下位接続入射面に分割されていることが考慮されている。
【0033】
特にこの際、接続エッジは、垂直の方向に見て中央エッジと同じ方向に延在している。
【0034】
例えば、接続エッジは、第2垂直切断面において、凹状に湾曲して形成されている。
【0035】
この際、下位接続入射面の各々は、凹状に湾曲して形成されていることが可能である。
【0036】
特に好ましくは、光入射領域及び/又は光学体は、光軸線と水平軸線により規定されている面に関し、及び/又は光軸線と垂直軸線により規定されている垂直切断面に関し、対称である。
【0037】
この際、特に光学体の光軸線は、光源の間で対称に延在している。
【0038】
このようにして、できるだけ同一の2つの照射領域又は配光を両方の光源を用いて生成することができる。
【0039】
更に、中央エッジは、接続点において接続エッジに接続し、更にこの際、好ましくは、それぞれ1つの焦点が1つの焦点直線上に位置し、この際、1つの焦点直線は、1つの前記接続点を通り、光軸線と平行に延在している。
【0040】
第1焦点は、第1焦点の接続点に対し、第2焦点が第2焦点の接続点に対して間隔を有するのと同じ間隔を有することを考慮することができる。
【0041】
例えば、光入射領域は、外殻面を介して光出射面と接続されている。
【0042】
この際、有利には、外殻面は、所定の領域において側方境界面接続部分に接続し、垂直方向において真っ直ぐに形成されている。
【0043】
空間的に見ると、これらの側方境界面と外殻面は、全体的に外側に向かって湾曲している。光学体内を伝播し且つこの外殻面に当たる光は、好ましくは反射され、特に全反射され、そして好ましくは点HVに指向される。従ってそのようにして生じる光束、特に平行光線束は、好ましくは、光入射領域の中央の領域で屈折される光線のように伝播する。
【0044】
特に、光源は、それぞれ、少なくとも1つの発光ダイオードを含むか、又は1つの発光ダイオードから成ることが考慮されている。
【0045】
好ましくは、各光源は、主放射方向を有し、特に、光源の主放射方向は、光学体の光軸線と平行に延在していることが考慮されている。例えば、1つの光源、特に1つのLEDの主放射方向は、それぞれの焦点直線と平行であり、また特に一致している。
【0046】
更に、冒頭で掲げた課題は、上記の照射装置と、導光体(光伝導体)とを含んだ照射システムを用いて解決され、導光体には、照射装置の光学体から光が入射可能であり、更にこの光は、導光体から導光光学系出射面を介し、1つの又は2つ以上の配光を形成するために出射できる。
【0047】
好ましくは、導光光学系出射面は、好ましくは導光体の垂直軸線の方向に延在するシリンドリカルレンズを有することが考慮されている。
【0048】
導光体の光軸線と、照射装置の光学体の光軸線は一致せず、特に互いに所定の角度だけ回してずらされていることを考慮することができる。
【0049】
それに加え、垂直面への投影として見ると、光学体の垂直軸線と、導光体の垂直軸線とは、互いに平行に延在していること、或いは互いに平行に延在していないことを考慮することができる。
【0050】
また本発明は、上記の照射装置を少なくとも1つ、及び/又は上記の照射システムを少なくとも1つ含んだ自動車投光器に関する。
【0051】
本発明では、2つの光源の使用のもと1つの光学体を用いて2つの配光を生成することができ、それらの配光は、実質的に同一であるか、又は実質的に同一の照射領域を有する。この際、配光が実質的に同一であるか又は照射領域だけが実質的に同一であるか否かは、使用される光源にも依存する。
【0052】
例えば、異なる色(例えば白色と黄色)の同じタイプの発光ダイオードでは、これらの発光ダイオードの放射特性は同一であり、それにより本発明による光学体を用いることで実質的に同一の照射領域が得られ、測定値(例えば照射強度)は実質的に同一である。従って配光は同一であるが、発生される光像は、色に関して異なっている。
【0053】
同一の色の同じタイプの発光ダイオードでは、実質的に同一の配光(同じ照射領域、同じ測定値、同じ色)が生成され、これらの配光は、それらの色に関しても一致し、それにより光像も同一である。
【0054】
異なる強さの2つの発光ダイオードを使用する場合には、照射領域は、実質的に同一であるが、配光の測定値は、LEDの強度によりスケーリングされ、それによりこの際に配光は同一ではない。
【0055】
以下、図面に基づき、例を用いて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】2つの光源を備えた従来技術による1つの光学体、特にコリメータを備えた一照射装置を示す図である。
【
図2】
図1の光学体を用いて生成された2つの配光を示す図である。
【
図3】本発明による一照射装置を後方からの斜視図として示す図である。
【
図4】
図3の照射装置を、光入射領域がより良く見えるように1つの光源を「取り外した」状態で示す図である。
【
図5】光源を伴わない
図3の照射装置を詳細図として示す図である。
【
図6】今一度、
図5の照射装置を他の方向から見た状態で示す図である。
【
図7】
図5の照射装置の背面図を示す図であり、ないし異なる第1垂直切断面を共通の第1垂直面に投影した投影図を示す図である。
【
図8】
図7の線A-Aに沿った断面図を示す図である。
【
図9】
図7の線B
0-B
0に沿った断面図を示す図である。
【
図10】
図7の線B
1-B
1に沿った断面図を示す図である。
【
図11】本発明による一照射装置を用いて生成された第1光源の第1配光を模式的に示す図である。
【
図12】本発明による一照射装置を用いて生成された第2光源の第2配光を模式的に示す図である。
【
図14】例えばシリンドリカルレンズの形式の光学構造体を有する光出射面を通過した後の
図11の第1配光と
図12の第2配光との重ね合わせを模式的に示す図である。
【
図15】光出射方向で導光光学系が前置された本発明による一照明装置を備えた一照射システムを示す図である。
【
図16】
図15の照射システムを他の斜視図として示す図である。
【
図17】
図15と
図16の照射システムを、導光光学系の導光光学系出射面と、照明装置の光学体とを1つの垂直面に投影した投影図として示す図である。
【
図18】他の一照射システムを、導光光学系の導光光学系出射面と、照明装置の光学体とを1つの垂直面に投影した投影図として示す図である。
【
図19】導光光学系出射面を斜視図として示す図である。
【実施例】
【0057】
図1は、従来技術から既知であり光軸線Xの周りに回転対称の光学体(オプティカルボディ)を特に光学体1000として示している。光学体1000は、光学的に透明な材料から成る中実体である。光学体1000の光入射領域1001には、2つのLED光源1002、1003が着座している。
【0058】
全般的に本明細書において「光入射領域内の光源/焦点」との表現は、光入射領域が光学体内に形成する窪み部の内側に光源/焦点が実際に配設されていることを意味するが、光源/焦点が(幾らか)その窪み部の外側に位置することを考慮することもできる。
【0059】
光源1002、1003から放射された光は、光入射領域1001を介して光学体1000内に入射し、その際に屈折され、そして光学体1000内で直接的に伝播し、又は光学体1000の特に全反射する側面1004での反射に応じて伝播し、光出射面1005を介して出射する。
【0060】
光入射領域1001の焦点は、そのような光学体1000において典型的には光軸線X上に位置し、それによりこれらの両方の光源1002、1003は、その焦点には位置していない。
図2がこのことを模式的に示しているように、それに対応して両方の光源1002、1003は、異なる領域を照射し、最大照射強度の領域MAX1002、MAX1003が一致しない異なる配光LV1002、LV1003を形成する。
【0061】
以下、従来技術の欠点を軽減又は排除することのできる、本発明による照射装置を、
図3から
図10に基づき詳細に説明する。この際、以下では、照射装置自体は、該照射装置が、図面の光像に示され且つ本明細書で説明される光像を生成するように配向されているものとする。基本的に照射装置は、それ自体、異なって配向されていることも可能であり(その際には光源の光を、以下で説明する点HVとは異なる点に指向させる)、この状況は、引き続き、
図15から始めて詳細に説明する。
【0062】
図3と
図4は、1つの光学体2並びに2つの光源30、40を備え、2つの配光を生成するための自動車投光器用の全般的に本発明による照射装置(照明装置)1を示している。使用されている座標系については、冒頭で既に説明されており、ここではより詳しく説明しないものとする。
【0063】
光源30、40は、好ましくは発光ダイオード(LED)であり、特にこれらの光源30、40は、平坦な光放射面を有する。光源の主放射方向、特にLEDの光放射面への法線ベクトルは、好ましくは、互いに平行であり、光学体2の光軸線Xと平行である。
【0064】
光学体2は、光学的に透明な材料から構成され、光入射領域10と光出射面11を有する。光入射領域10を介して光学体2内に供給される光源30、40の光は、少なくとも部分的に、好ましくは全体的に、光出射面11を介して出射される。
【0065】
光入射領域10は、中央の光入射面100と側方の側方入射面200とから構成されており、この際、中央の光入射面100は、光源30、40に対して直接的に向き合って位置し、それにより光源30、40の法線ベクトルは、中央の光入射面100を貫いている。
【0066】
側方入射面200は、所定の窪み部が光学体2内に形成されているようにして中央の光入射面100に接続し、該窪み部内に又は該窪み部に向き合って光源30、40が配設されており、光源30、40は、これらの光源30、40の光を該窪み部内に放射する。
【0067】
両方の光源30、40は、共通の直線G上に位置し、直線Gは、垂直軸線Zと平行に延在する垂直方向Rに延在している。垂直方向Rに見て、第1光源30は、第2光源40の上側に位置している。
【0068】
光入射領域10は、2つの焦点F1、F2を有し(又はこれらを形成し)この際、それらの光源の一方の光源30は、それらの焦点の一方の焦点F1(第1焦点)に配設され、他方の光源40は、他方の焦点F2(第2焦点)に配設されている。この際、それらの焦点F1、F2は、窪み部の内側か又は外側にも位置することができる。
【0069】
例えば、従来技術から、2つの(又はそれよりも多くの)異なる光機能ないし配光(ないし部分配光)を実現するために2つ以上の光学体を使用することが知られており、この際、各光学体は、各光学体に固有に割り当てられた光源を有する。このことが構成空間の要求を高めることは明白であり、それに加え、多くの場合、複数の光学体による必然的に必要な別々の配設構成の結果として、不均一性がもたらされてしまう。
【0070】
さて、光学体2は、以下の構成を有する:
【0071】
光入射領域10の側方入射面200は、次のように構成されており、即ち第1光源30が配設されている第1水平面E1の垂直方向R上側に少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面200が、湾曲形成された第1側方境界面部分201を有し、且つ、第2光源40が配設されている第2水平面E2の垂直方向R下側に少なくとも部分的に又は全体的に位置する所定の領域において、側方境界面200が、湾曲形成された第2側方境界面部分202を有するように構成されている。
【0072】
「上側」と「下側」との概念は、冒頭で説明した座標系において再び見ることができる。同様に冒頭でも述べたように、照射装置が実際に回してずらされて配設された場合には、上側と下側は、勿論、側方にも位置し、又は交換されていることも可能である。
【0073】
水平面E1、E2は、垂直軸線Zが直交するXY面と平行に延在する面である。
【0074】
両方の側方境界面部分201、202は、側方境界面接続部分203、204を介して互いに接続されている。
【0075】
中央の光入射面100は、次のように形成されている:各側方境界面接続部分203、204から出発し、それぞれ中央入射面103、104が、他方の側方境界面接続部分204、203の方向に延在し、この際、これらの中央入射面103、104は、互いに向かって延びて共通の中央エッジ110に通じている。中央入射面103、104の上側と下側には、2つの接続入射面101、102が延在し、これらの接続入射面101、102は、中央入射面103、104を側方境界面部分201、202と接続させている。
【0076】
中央入射面103、104は、水平切断面において、即ち垂直軸線Zが直交するXY面と平行に延在する切断面において、凹状に湾曲しており、それにより凹状の中央入射面輪郭線103”、104”が得られ、これらについては、
図8(断面
図A-A)を参照(この際、
図8において、観察点は、例えば1つの焦点、例えば焦点F2の周りの領域である)。
【0077】
接続入射面101、102は、これらの接続入射面101、102がそれぞれ1つの光源のための1つの焦点を構成するように形成されており、それにより光源30、40から来て光学体2内に入射する光は、光像において共通の点に向かって屈折され、例えば光軸線Xが直交する平坦な光出射面11という好ましい想定のもとでは点HVに向かって屈折される。しかしまた光出射面11は、湾曲して構成されていてもよく、その際には、配光形成する更なるレンズ境界面として作用する;このことは、本発明の全般的な関連と範囲においても当てはまり、図面に記載された実施形態に限定されるものではない。空間的に見て例えばシリンドリカルレンズが構成する、説明したように凹状に湾曲した中央入射面103、104は、次のように形成されており、即ちそれらの焦点に着座する光源の各々について、中央入射面103、104上に放射されるそれらの光線が、光学体2内に入射するときにHV点に向かって屈折されるように、形成されている。
【0078】
「凹状」及び「凸状」との概念に関しては、例えば、以下のように定められる:所定の切断面で1つの物体の断面を観察するとして、この切断面で物体を境界付ける切断曲線について、切断曲線の2つの終点の接続線が物体の外側に位置する場合には、この切断曲線を凹状と呼び、その接続線が光学体の内側に延在する場合には、その切断曲線は凸状である。
【0079】
比肩可能なことが空間にも当てはまり、観察されている面上の複数の点の平坦な接続面が物体の外側に位置する場合には、観察されている面は凹状であり、その平坦な接続面が物体の内側に位置する場合には、観察されている面は凸状である。
【0080】
中央の光入射面100に隣接する側方境界面200は、光学体2の反射性の外面、特に全反射性の外面501a、501b、502a、502b、503、504に向かって、即ち光学体2の外殻面500に向かって、光線を屈折し、これらの光線をそれらの外面から好ましくは同様に共通の点、例えばHV点に指向させる。それに対応し、外殻面500を形成するこれらの外面は、それに対応するかたちで形成されている。
【0081】
側方境界面接続部分203、204は、第1垂直切断面において、直線状の接続部分輪郭線203’、204’を有する。
図7を参照。
【0082】
水平切断面において、側方境界面接続部分203、204は、凸状の接続部分輪郭線203”、204”を有する。例えば
図8を参照。
【0083】
第1垂直切断面において、側方境界面部分201、202は、
図7から見てとれるように、凹状に湾曲した側方境界面部分輪郭線201’、202’を有する。
【0084】
側方境界面部分201、202は、凸状に湾曲している。例えば、
図9の凸状の輪郭線201”、202”を参照。つまり垂直切断面(
図7)において、側方境界面部分(ないしこれらの部分において得られる輪郭線)は、凹状であるが、その面自体は、空間内で凸状に形成されている。
【0085】
つまり側方境界面部分201、202の面は、空間的に見ると外側に向かっており、即ちそれぞれの光源に向かってアーチ形状であり、つまり凸状である。
【0086】
好ましくは、少なくとも光入射領域における前述の面、そして更に説明すべき全ての面は、滑らかに形成されている。そのような有利な形態により、光入射領域のどの点でも面法線が定義されており、それにより透明な材料の屈折率に依存し、スネルの屈折法則に従って光屈折が行われる。
【0087】
中央入射面103、104は、垂直の方向Z、Rにおいて真っ直ぐに形成されており、それにより第2垂直切断面(B
1-B
1断面)において、真っ直ぐの中央入射面輪郭線103’、104’が得られ、これらの中央入射面輪郭線103’、104’は、好ましくは共通の中央エッジ110と平行に延在している(
図10を参照)。中央入射面103、104は、それに対応し、シリンドリカルレンズとして形成されており、垂直軸線Zと平行にシリンダの高さを有し、1つのシリンドリカルレンズに対応する屈折特性を有する。
【0088】
接続入射面101、102の各々は、それぞれ接続エッジ120、130により2つの下位接続入射面101a、101b、102a、102bに分割されている。特にこの際、接続エッジ120、130は、垂直方向に見て中央エッジ110と同じ方向に延在し、つまり中央エッジ110は、垂直方向Rに延在し、即ちZ軸線と平行である(
図7を参照)。
【0089】
この際、接続エッジ120、130は、第2垂直切断面において、凹状に湾曲して形成されている。この際、下位接続入射面101a、101b、102a、102bの各々は、凹状に湾曲して形成されていることが可能であり、それにより
図10が示すように、下位接続入射面101a、101b、102a、102bは、それぞれの焦点から離れる方向にアーチ形状になっている。
【0090】
それぞれの図から見てとれるように、光入射領域10と、特に光学体2も、XY面に関し及びXZ面に関して対称である。光学体2の光軸線Xは、光源の間で対称に延在している。
【0091】
このようにして、できるだけ同一の2つの照射領域又は配光を両方の光源を用いて生成することができる。
【0092】
中央エッジ110は、それぞれ接続点P1、P2において接続エッジ120、130に接続し、それぞれ1つの焦点F1、F2は、1つの焦点直線FG1、FG2(
図6)上に位置し、この際、各焦点直線FG1、FG2は、接続点P1、P2を通り、光軸線Xと平行に延在している。第1焦点F1は、第1焦点F1の接続点P1に対し、第2焦点F2が第2焦点F2の接続点P2に対して間隔a2を有するのと同じ間隔a1を有する。
【0093】
既に前述したように、光学体2の光入射領域10は、外殻面500を介して光出射面11と接続されている。この際、外殻面500は、外面503、504の領域において側方境界面接続部分203、204に接続し、垂直方向Rにおいて真っ直ぐに形成されている。
【0094】
空間的に見ると、これらの側方境界面200と外殻面500は、全般的に外側に向かって湾曲している。光学体2内を伝播し且つこの外殻面500に当たる光は、好ましくは反射され、特に全反射され、そして好ましくはHV点に指向される。従ってそのようにして生じる光束、特に平行光線束は、好ましくは、光入射領域10の中央の領域で屈折される光線のように伝播する。
【0095】
この際、
図8から
図10で示された、点HVに集まる光線に関しては、この点が、遠方域に位置し、例えば25メートル離れた測定スクリーン上に位置し、それにより出射する光束は、実際に平行光線束を表すということを述べておく。
【0096】
さて
図11は、照射領域ないし配光LV-FRAを示しており、その最大値MAX-FRAは、HV点に位置している。この際、例えば、進行方向指示器の配光を生成するためにオレンジ色の光(規格によれば「アンバ」(=琥珀の黄色)の色に関する)を放出する第1光源30が使用される。
【0097】
光学体2の対称性の結果として、配光LV-FRAは、V-V線に対して対称であるが、光源30は、光軸線X上に位置するのではなくその上方(ないしXY面の上側)に位置するので、該配光は、H-H線に対して対称ではなく、僅かにおおよそ卵形に形成されている。
【0098】
図12は、第2光源40を用いて生成された配光LV-TFL、例えばデイドライビング配光を示している。最大値MAX-TFLは、再びHV点に位置し、配光LV-TFLは、V-V線に対して対称であるが、H-H線に対して対称ではない。
【0099】
しかしながら、H-H線の周りに鏡像反転された
図12の配光LV-TFLは、
図11に示されるものと同一の領域を照射するであろう。また同一の光源の場合には、鏡像反転された配光は、
図11の配光と同一でもある。
【0100】
光学体の本発明に基づく構成により、光源の各々に対し、焦点を光入射領域において次のように実現すること、即ちそれぞれ焦点に配設された光源の各々から来る光が(点状の光源を想定して)遠方域において1つの点に向かい、例えば(適切な配向において)既知のようにH-H線とV-V線の交点として得られる所謂HV点に向かって放射されるように、実現することが可能となる。それぞれ各光源により実際に構成される配光は、それぞれの光源により実際に与えられた広がりの結果として得られ、この際、照射強度の最大値は、共通の点にあり、例えばHV点にある。
【0101】
従って、本発明による解決策では、空間的に離れた2つの光源、特にLED光源が、光を光学体内に供給することができ、光源の各々の光は、遠方域において、例えば当該照射装置の前方に25メートル離れた例えば測定スクリーン上において、実質的に同じ照射領域を照射することができ、又は両方の光源の照射領域は、同一である。
【0102】
図13は、最終的に、
図12の照射領域ないし配光の重ね合わせを更に示している。
【0103】
前述の考察は、照射装置1が多少なりとも直接的に配光を生成し、説明したようにHV点が照射されるように配向されているということに基づいている。
【0104】
しかし例えばデザインの理由から、自動車内の光源は、前進方向に配向されるのではなく、他の方向に配向されているか、又は配向されなくてはならないことが望ましいこともあり得る。この場合には、照射装置は、上述のように、HV点を照射するのではなく、両方の光源を用いて他の1つの点を照射する。
【0105】
しかしながら通常は、記述したようにHV点を照射することが望ましい。それでも前述の周辺条件下でこのことを実現可能とするためには、例えば照射装置1の前方に導光光学系700が配設されており、またこの導光光学系700は、導光光学系出射面701を有する。照射装置1と導光光学系700は、共同で照射システム800を構成する。
【0106】
光学体2の光出射面11から出射する光は、導光光学系700に入射し、導光光学系700内を伝播し、所望の配光を形成するために、導光光学系出射面701を介して出射する。
【0107】
また導光光学系(導光体)700は、好ましくは、透明で導光性の中実体であり、好ましくは、その側面に当たり導光体700内を伝播する光は、全反射される。
【0108】
光学体2と導光体700が互いに一体的に且つ同じ材料から構成され、即ち1つの物体(ボディ)を構成すると、特に有利である。この場合には、照射装置1の光出射面11は、実際の境界面ではなく、照射装置1の仮想の終端面にすぎない。
【0109】
導光体700は、光軸線X1を有し、光軸線X1は、典型的には、照射装置1の光学体2の光軸線Xと一致しない。それに対応し、HV点は、導光体700の作用によってのみ照射され、照射装置1だけでは、他の点を照射するか、又は配向に応じ、照射装置1が組み込まれている自動車の前方の測定スクリーン上には全く光を放射しないだろう。
【0110】
導光体700は、既述したように、光軸線X1と、垂直軸線Z1と、水平軸線Y1とを有する(また冒頭で述べたことが互いに直交するこれらの軸線にも当てはまる)。導光光学系出射面701は、好ましくは、光学構造体を有し、特にシリンドリカルレンズ702を有し、これらのシリンドリカルレンズ702は、導光光学系出射面701から出射する光を、幅方向に広げ、即ち水平方向に広げる。この際、これらのシリンドリカルレンズ702の高さは、好ましくは、
図19に示唆されるように、垂直軸線Z1と平行に延在している。
【0111】
さて、導光光学系出射面701と光学体2を垂直面に投影した投影図を示す
図17と
図18に示されているように、照射装置1の垂直軸線Zと、導光光学系出射面701の垂直軸線Z1とは、光軸線Xと光軸線X1の配向に依存せず、互いに平行に延在するか(
図17を参照)、或いは垂直面内で互いに回してずらされている(
図18)。
【0112】
シリンドリカルレンズ構造体を用い、出射する光束の広がりを特別な方向に制御することができる。
【0113】
図14に戻り、これらの重ね合わされた配光は、上述したような照射システム800を用いて生成される。またここでも
図11から
図13の描写に類似し、HV点が照射されるが、その違いは、照射システム800のシリンドリカルレンズにより、配光LV-FRA、LV-TRAないしそれぞれの照射領域が、水平方向において幅が広げられていることである。
【0114】
本発明では、全般的に例えば、光機能ないし対応の配光の以下の組み合わせを実現することができる:
【0115】
1.色の異なる光源、特にLED:
- 第1光源30は、走行方向指示器を生成し、且つ、
- 第2光源40は、デイドライビングライト及びオプションでポジションライトを生成するか、
又は、
- 第1光源30は、テールライトを生成し、且つ、
- 第2光源40は、後退ライトを生成する。
2.色の同じ光源、特にLED:
- 第1光源30は、ポジションライトを生成し、且つ、
- 第2光源40は、デイドライビングライトを生成するか、
又は、
- 第1光源30は、テールライトを生成し、且つ、
- 第2光源40は、ブレーキライトを生成する。
3.色の同じ光源、特にLED:
- 両方の光源30、40は、それぞれハイビームスポットを生成し、従って照射強度が2倍となる。
【0116】
本発明による照射装置又は照射システムの複数の光出射面が相並んで配設されている場合には、走行方向指示器を走行ライトモードで稼働することもできる。
【符号の説明】
【0117】
1000 光学体
1001 光入射領域
1002 LED光源
1003 LED光源
1004 側面
1005 光出射面
LV1002 配光
LV1003 配光
MAX1002 最大照射強度の領域
MAX1003 最大照射強度の領域
1 照射装置
2 光学体
10 光入射領域
11 光出射面
30 光源
40 光源
100 中央の光入射面
101 接続入射面
101a 下位接続入射面
101b 下位接続入射面
102 接続入射面
102a 下位接続入射面
102b 下位接続入射面
103 中央入射面
103’ 中央入射面輪郭線
103” 中央入射面輪郭線
104 中央入射面
104’ 中央入射面輪郭線
104” 中央入射面輪郭線
110 中央エッジ
120 接続エッジ
130 接続エッジ
200 側方の側方入射面(側方境界面)
201 側方境界面部分
201’ 側方境界面部分輪郭線
201” 側方境界面部分輪郭線
202 側方境界面部分
202’ 側方境界面部分輪郭線
202” 側方境界面部分輪郭線
203 側方境界面接続部分
203’ 接続部分輪郭線
203” 接続部分輪郭線
204 側方境界面接続部分
204’ 接続部分輪郭線
204” 接続部分輪郭線
500 外殻面
501a 外面
501b 外面
502a 外面
502b 外面
503 外面
504 外面
700 導光光学系(導光体)
701 導光光学系出射面
702 シリンドリカルレンズ
800 照射システム
E1 第1水平面
E2 第2水平面
F1 焦点
F2 焦点
P1 接続点
P2 接続点
FG1 焦点直線
FG2 焦点直線
a1 焦点F1と接続点P1の間隔
a2 焦点F2と接続点P2の間隔
X 光軸線
Y 水平軸線
Z 垂直軸線
X1 光軸線
Y1 水平軸線
Z1 垂直軸線
G 共通の直線
R 垂直方向
HV HV点
MAX 照射強度の最大値
LV-FRA 配光(第1光源30による)
MAX-FRA LV-FRAの最大値
LV-TFL 配光(第2光源40による)
MAX-TFL LV-FRAの最大値