IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 芝浦メカトロニクス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電子部品実装装置 図1
  • 特許-電子部品実装装置 図2
  • 特許-電子部品実装装置 図3
  • 特許-電子部品実装装置 図4
  • 特許-電子部品実装装置 図5
  • 特許-電子部品実装装置 図6
  • 特許-電子部品実装装置 図7
  • 特許-電子部品実装装置 図8
  • 特許-電子部品実装装置 図9
  • 特許-電子部品実装装置 図10
  • 特許-電子部品実装装置 図11
  • 特許-電子部品実装装置 図12
  • 特許-電子部品実装装置 図13
  • 特許-電子部品実装装置 図14
  • 特許-電子部品実装装置 図15
  • 特許-電子部品実装装置 図16
  • 特許-電子部品実装装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】電子部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20221007BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
H05K13/02 E
B23P19/00 301G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022027018
(22)【出願日】2022-02-24
【審査請求日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】P 2021176681
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 圭剛
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-176028(JP,A)
【文献】特開平09-055598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
B23P 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品及び前記電子部品を覆う保護シートが載置されたトレイを複数枚積み重ねた状態で保持する供給部と、
前記供給部の下方から前記トレイを一枚ずつ受け取り、前記供給部から前記電子部品をピックアップする位置へと前記トレイを搬送するステージと、
前記電子部品をピックアップする位置において、前記トレイに載置された前記電子部品をピックアップするヘッドと、
前記ヘッドから前記電子部品を受け取り、基板に前記電子部品を圧着する圧着部と、
前記ステージが前記供給部から前記電子部品をピックアップする位置へと前記トレイを搬送する経路上に設けられ、前記搬送される前記トレイから前記保護シートを除去する除去部と、
を備え
前記トレイには、前記電子部品が格納される溝が設けられ、
前記除去部は、負圧により前記保護シートを吸着保持する吸着部であって、前記吸着部は、前記溝に対向する位置で前記保護シートを吸着保持する
ことを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
前記吸着部は、前記保護シートに接近し、所定の高さで停止して負圧を発生させる、
請求項に記載の電子部品実装装置。
【請求項3】
前記吸着部は、負圧を生じさせながら前記保護シートに接近する、
請求項に記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
前記保護シートが回収される回収箱を更に備え、
前記回収箱は、前記吸着部の真下に設けられる、
請求項に記載の電子部品実装装置。
【請求項5】
前記経路上において、前記供給部と前記除去部との間に設けられ、前記保護シートを検出するシート検出部を更に備える請求項に記載の電子部品実装装置。
【請求項6】
前記経路上において、前記除去部と前記電子部品をピックアップする位置との間に設けられ、前記保護シートが除去されたか否かを検出する除去検出部を更に備える請求項に記載の電子部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイなどの表示装置を構成する表示パネルの製造工程において、表示パネルを構成するガラス基板に、駆動用のドライバIC等のチップ状電子部品を実装する工程がある。このような実装は、COG(Chip On Glass)実装と称され、また、COG実装には、COG実装装置と称される電子部品実装装置が用いられる。
【0003】
COG実装装置における電子部品の供給部は、電子部品が格納されるトレイが複数枚積み重ねられて構成される。具体的には、トレイの上面に溝が整列して設けられ、この溝に電子部品が格納されたトレイが、複数枚積み重ねられている。ところで、積み重ねられたトレイには、各トレイの間に電子部品を保護する保護紙などの保護シートが存在する場合がある。この保護シートは、電子部品をピックアップする際には妨げとなるので、積み重ねられたトレイを一段ずつ崩し、人の手により一枚ずつ取り除くという工程を必要としていた。その後、再度トレイを積み重ねることにより、電子部品の供給部としていた。このような保護シートを取り除く工程において、トレイに触れて生じた振動により溝の内部で電子部品が横転し、ピックアップに支障が生じたり、電子部品に傷が付いたり、トレイをひっくり返してしまうなどして、電子部品を損失するおそれがあった。
【0004】
このような課題を解決するために、予め人の手により保護シートを取り除くのではなく、電子部品をピックアップする際に、機械的に保護シートを除去することが検討されている。例えば、特許文献1に示すように、まず、最上段のトレイに載置された保護シートが真空吸着により除去され、続いて、このトレイに格納された電子部品が順次ピックアップされる。また、最上段のトレイが空になると、空になったトレイがピックアップされて除去される。そして、積み重ねられたトレイが上昇し、次段のトレイに載置された保護シートが除去され、このトレイに格納された電子部品が順次ピックアップされる。このようなピックアップ動作は、全てのトレイが空になるまで続けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-55598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、積み上げられたトレイの最上段においては、各トレイの歪みや寸法誤差が累積することにより、その上面の高さ位置にばらつきが生じたり、その上面に傾きが生じたりする場合があった。このような場合、電子部品をピックアップする高さ位置が安定せず、電子部品をピックアップできないことや、ピックアップ出来ても十分に保持できずに搬送途中で落としてしまい、電子部品を損失することがあった。また、保護シートを除去するために下降してきた吸着ノズルなどの除去部がトレイの上面に衝突し、この際生じる振動により、溝の内部で電子部品が横転し、ピックアップに支障が生じるおそれがあった。
【0007】
本発明は、トレイに載置された電子部品を確実にピックアップし、トレイを覆う保護シートを除去することが出来る電子部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の電子部品実装装置は、電子部品及び前記電子部品を覆う保護シートが載置されたトレイを複数枚積み重ねた状態で保持する供給部と、前記供給部の下方から前記トレイを一枚ずつ受け取り、前記供給部から前記電子部品をピックアップする位置へと前記トレイを搬送するステージと、前記電子部品をピックアップする位置において、前記トレイに載置された前記電子部品をピックアップするヘッドと、前記ヘッドから前記電子部品を受け取り、基板に前記電子部品を圧着する圧着部と、前記ステージが前記供給部から前記電子部品をピックアップする位置へと前記トレイを搬送する経路上に設けられ、前記搬送される前記トレイから前記保護シートを除去する除去部と、を備え、前記トレイには、前記電子部品が格納される溝が設けられ、前記除去部は、負圧により前記保護シートを吸着保持する吸着部であって、前記吸着部は、前記溝に対向する位置で前記保護シートを吸着保持する

【発明の効果】
【0009】
本発明は、トレイに載置された電子部品を確実にピックアップし、トレイを覆う保護シートを除去することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に適用するトレイを示す斜視図である。
図2】実施形態の電子部品実装装置の全体構成を示す平面図である。
図3】実施形態のチップ状電子部品の実装工程を示す説明図である。
図4】実施形態の供給部のトレイ受け取り工程を示す説明図である。
図5】実施形態のステージ及び除去部を示す側面図である。
図6】実施形態の制御部を示す機能ブロック図である。
図7】実施形態のチップ状電子部品の実装手順を示すフローチャートである。
図8】実施形態の吸着位置を示す説明図である。
図9】変形例の除去部を示す図である。
図10】変形例の除去部を示す図である。
図11】変形例の除去部を示す図である。
図12】変形例のステージの移動経路を示す図である。
図13】変形例のステージの移動経路を示す図である。
図14】変形例の吸着の様子を示す図である。
図15】変形例のトレイ交換を示す説明図である。
図16】変形例のトレイ交換を示す説明図である。
図17】変形例のステージを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態(以下、本実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、図面は、各部材、各構成部を模式的に示したものであり、その寸法や間隔等を正確に示したものではない。
【0012】
[構成]
(電子部品及びトレイ)
本実施形態における電子部品Cは、ドライバICなどのチップ状電子部品である。電子部品Cは、図1に示すトレイTに格納される。具体的には、電子部品Cは、電極部分を上に向けた状態で、トレイTの上面に設けられた溝Gに格納される。この溝Gは、例えば10本×2列の計20本設けられ、20個の電子部品Cを格納可能である。また、トレイTの上面には、電子部品Cを覆う保護シートPが載置される(図4参照)。保護シートPは、例えば紙やフィルムで、帯電しにくい性質を有することが好ましい。トレイTは、溝Gに電子部品Cが格納され、保護シートPが載置された状態で複数枚重ねられ、電子部品実装装置の供給部10に保持される。
【0013】
なお、電子部品Cの実装対象は、電子部品Cの電極と電気的な接続を行う部品である。本実施形態では、実装対象は、表示装置を構成する表示パネルである基板Dである。つまり、表示機能及び電極を備えた部材である。
【0014】
(電子部品実装装置)
本実施形態の電子部品実装装置の構成を、図2乃至図6を参照して説明する。図2及び図3に示すように、電子部品実装装置は、供給部10と、ステージ20と、検出部30と、除去部40と、検出部50と、移送部60と、実装部70と、制御部80と、を有する。本実施形態の電子部品実装装置は、チップ状電子部品である電子部品Cを実装するCOG実装装置である。
【0015】
供給部10は、電子部品Cが格納されたトレイTを供給する。ステージ20は、トレイTを供給部10から移送部60へと搬送する。移送部60は、ステージ20に搬送されたトレイTから電子部品Cを受け取り、実装部70に渡す。実装部70は、電子部品Cを、実装対象である基板Dに圧着する。
【0016】
検出部30、50は、ステージ20に載置されたトレイTに、保護シートPが載置されているか否かを検出する。除去部40は、ステージ20に載置されたトレイTから、保護シートPを除去する。
【0017】
図2において、移送部60と実装部70の圧着部72とが並ぶ方向をY方向とし、ステージ20の盤面に平行な平面において、Y方向に直交する方向をX方向とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。Z方向は、図中、紙面を貫く方向である。本実施形態においては、Z方向が鉛直方向となるように電子部品実装装置が設置され、これにより、XY平面は水平面となる。この場合、Z方向は高さ方向であり、設置面側を下方、反対側を上方と呼ぶ。すなわち、下方とは重力の向きである。また、XY平面に平行な回転方向をθ方向、ZX平面に平行な回転方向をα方向とする。なお、これらの方向は、電子部品実装装置の各構成の位置関係を述べるための表現であり、設置面に設置される際の位置関係や方向を限定するものではない。
【0018】
(供給部)
供給部10は、図4に示すように、電子部品Cが格納されたトレイTを供給する。トレイTは、上述のように複数枚積み重ねられた状態で、供給部10に保持される。各トレイTの電子部品Cの載置部分は保護シートPにより覆われている。なお、図4では説明の便宜上、最下段のトレイTを覆う保護シートPのみを図示している。供給部10は、フレーム11、把持部12を有する。フレーム11は、平行な一対の長尺の部材である。一対のフレーム11の間隔は、トレイTの幅に近似しているが、トレイTが上下に通過可能となっている。把持部12は、フレーム11の対向する側面に設けられ、図示しない駆動機構によって、トレイTの側面に接離する方向に進退可能に設けられている。これにより、把持部12は、図4(A)に示すように、複数枚積み重ねられたトレイTの最下段を把持する。また、把持部12に把持されるトレイTの下面は、図4(B)に示すように、電子部品Cを収容した面とは反対側の面であり、ステージ20がトレイTを受け取る位置となる。
【0019】
本実施形態の供給部10は、図2に示すように、平面視で、X軸に沿って左右に一対設けられている。具体的には、一方の供給部10aと他方の供給部10bとは、平面視で移送部60に対して対称な位置に設けられている。以下、供給部10aと10bとを区別しない場合には、単に供給部10と呼ぶ。
【0020】
(ステージ)
ステージ20は、図4図5(A)及び図5(B)に示すように、供給部10と後述する移送部60の下方に設けられ、供給部10が保持する複数枚積み重ねられたトレイTの最下段からトレイTを一枚ずつ受け取り、移送部60がこのトレイTから電子部品Cをピックアップする位置へと搬送する。ステージ20は、保持部21と、支柱部22と、を有する。
【0021】
保持部21は、上面の外縁がトレイTの外縁以上のサイズの略直方体形状である。保持部21の上面には、図示はしないが、空気圧回路に接続された吸着穴が形成されており、トレイTを負圧により吸着保持する。なお、トレイTの底面には、静電気防止の観点から、凹凸形状が設けられている場合がある。この場合、凹凸部分では十分な吸着力が得られない可能性があるため、凹凸部分を避けて、平坦面に対応する位置に、吸着穴を形成することが好ましい。例えば、トレイTの底面の縁部に対応する位置に、吸着穴を設けて、安定した吸着を確保する。支柱部22は、保持部21の底部を支持する略直方体形状の部材である。
【0022】
ステージ20には、移動機構23が設けられる。移動機構23は、ブラケット231、リニアガイド232、スライダ233を含み構成され、XY平面に沿って保持部21を移動させる。ブラケット231は、図5(A)に示すように、XY平面におけるステージ20の移動方向に沿って延設される断面視でL字形状の長尺部材であり、リニアガイド232を支持する。リニアガイド232は、図5(B)に示すように、XY平面におけるステージ20の移動方向に沿って延設される略直方体形状のガイド部材であり、スライダ233をスライド可能に支持する。スライダ233は、例えば図示しない駆動源及びボールねじにより駆動され、リニアガイド232に沿って移動可能に設けられる。スライダ233は、支柱部22の下端に設けられ、保持部21をXY方向に移動させる。さらに、移動機構23は、図示しない昇降機構を備え、この昇降機構により保持部21をZ方向に移動させる。このように、移動機構23は、ステージ20をXYZ方向に移動させる。移動機構23により、ステージ20は、供給部10と移送部60との間で移動可能に設けられる。また、ステージ20は、この経路上で一時停止することも可能である。
【0023】
本実施形態のステージ20は、一対の供給部10に対応して、一対設けられている。以下、一方の供給部10aに対応するステージ20をステージ20a、他方の供給部10bに対応するステージ20をステージ20bと呼び、両者を区別しない場合には、単にステージ20と呼ぶ。
【0024】
(検出部及び除去部)
検出部30、50及び除去部40は、図2及び図3に示すように、供給部10から移送部60が電子部品Cをピックアップする位置までのステージ20の経路上であって、ステージ20よりも上方に設けられる。なお、検出部30をシート検出部、検出部50を除去検出部ということもある。
【0025】
検出部30は、供給部10から除去部40までのステージ20の経路上に設けられ、ステージ20に載置されたトレイTに載置されている保護シートPを検出する。検出部30は、例えば色センサなどのセンサである。なお、本実施形態の色センサは、投光部と受光部が一体となっている反射型のものとして説明する。保護シートPは主に白に近い色なので、検出部30は、ステージ20の上方から光を照射し、その反射光が白色か、そうでないかで、トレイTに載置された保護シートPを検出する。
【0026】
除去部40は、検出部30から移送部60が電子部品Cをピックアップする位置までのステージ20の経路上に設けられ、ステージ20に載置されたトレイTから保護シートPを除去する。除去部40は、保護シートPを吸着保持する吸着部41と、吸着部41を支持するアーム42と、アーム42を支持し、吸着部41をZ方向に移動させる昇降機構43と、を有する。
【0027】
吸着部41は、図示しない空気圧回路に接続され、この空気圧回路が生じせしめる負圧によって保護シートPを吸着保持する。アーム42は、図5(A)に示すように、L字形状の支持部材であり、その一端に吸着部41を支持する。また、アーム42の他端には、昇降機構43が設けられる。昇降機構43は、ブラケット431、リニアガイド432、スライダ433を含み構成される。ブラケット431は、図5(A)に示すように、XY平面におけるステージ20の移動方向に沿って延設される断面視でL字形状の部材であり、リニアガイド432を支持する。また、ブラケット431は、ブラケット231に支持される。リニアガイド432は、図5(B)に示すように、Z方向に延設される略直方体形状のガイド部材であり、スライダ433をスライド可能に支持する。スライダ433は、例えば図示しない駆動源及びボールねじにより駆動され、リニアガイド432に沿って移動可能に設けられる。また、スライダ433は、アーム42を支持する。これにより、昇降機構43は、アーム42を介して、アーム42に支持される吸着部41をZ方向に移動させる。
【0028】
昇降機構43により、吸着部41は、検出部30により保護シートPが検出された場合に、下方において一時停止したステージ20に接近し、ステージ20に載置されたトレイTから保護シートPを吸着保持する。吸着部41は、下降を開始した位置まで戻り、これにより、トレイTから保護シートPが除去される。保護シートPが除去されると、ステージ20は、吸着部41の下方から離れ、移送部60の下方、電子部品Cをピックアップする位置へとトレイTを搬送する。なお、検出部30により保護シートPが検出されなかった場合は、吸着部41は降下や負圧を生じさせるといった動作を行うことなく、トレイTは移送部60へと搬送される。
【0029】
吸着部41の真下には、回収箱Bが設けられる。吸着部41は、ステージ20が下方を通過した後、負圧を解除する。これにより、保護シートPは重力により落下し、回収箱Bに回収される。なお、回収箱Bの開口には、保護シートPの落下をガイドし、保護シートPの回収を確実にするためのガイド板を設けても良い。
【0030】
検出部50は、除去部40から移送部60が電子部品Cをピックアップする位置までのステージ20の経路上に設けられ、ステージ20に載置されたトレイTから保護シートPが除去されているか否かを検出する。検出部50は、例えば色センサなどのセンサである。なお、本実施形態の色センサは、投光部と受光部が一体となっている反射型のものとして説明する。保護シートPは主に白に近い色なので、検出部50は、ステージ20の上方から光を照射し、その反射光が白色でないか、白色であるかで、トレイTから保護シートPが除去されているか否かを検出する。
【0031】
検出部50が保護シートPを検出した場合、例えば、図示しないスピーカから警告音を発し、オペレータを呼び出すことが出来る。あるいは、リカバリー処理を行うことが出来る。リカバリー処理は、ステージ20を除去部40に戻し、除去部40に保護シートPを除去させる処理である。なお、オペレータを呼び出す場合、トレイTの搬送を一時停止しても良い。
【0032】
検出部30、50及び除去部40は、一対の供給部10及びステージ20に対応して、一対設けられている。以下、一方の供給部10a及びステージ20aに対応する検出部30、50及び除去部40を検出部30a、50a及び除去部40a、他方の供給部10b及びステージ20bに対応する検出部30及び除去部40を検出部30b、50b及び除去部40bと呼び、両者を区別しない場合には、単に検出部30、50及び除去部40と呼ぶ。
【0033】
(移送部)
移送部60は、図2及び図3に示すように、ステージ20に載置されたトレイTから電子部品Cをピックアップし、実装部70に渡す装置である。移送部60は、XY平面と平行な面上を、モータ等の駆動源によってθ方向に回動可能に設けられた長尺の部材である。すなわち、移送部60の一端は、図示しない駆動源の回転軸に固定され、θ方向に180°ずつ間欠回転を行う。より具体的には、12時の位置及び6時の位置に停止するように、反時計回り方向または時計回り方向に間欠回転を行う。
【0034】
移送部60の他端には、回転ヘッドであるヘッド61が設けられている。ヘッド61は、移送部60の長手方向を軸としてα方向に回動可能に設けられている。ヘッド61には、回転円の半径方向に沿って延びる吸着ノズル61aが設けられている。吸着ノズル61aは、図示しない空気圧回路に接続され、この空気圧回路が生じせしめる負圧によって電子部品Cを吸着保持する。吸着ノズル61aの先端の向きは、ヘッド61によって180°変換される。つまり、移送部60は、吸着保持によりピックアップした電子部品Cをα方向に反転させて移送する反転移送装置として構成されている。
【0035】
吸着ノズル61aは、ステージ20に保持されたトレイTから電子部品Cをピックアップするときは、電子部品Cの上方から一つずつ吸着保持する。すなわち、吸着ノズル61aの向きを反転させずに電子部品Cを上方から吸着保持する。この時、電子部品Cの電極部分は上向きである。一方で、吸着ノズル61aは、吸着保持した電子部品Cを後述の圧着部72に渡すときは、圧着部72の下方から電子部品Cを渡す。すなわち、吸着ノズル61aの向きを反転させて電子部品Cを下方から渡す。この時、電子部品Cの電極部分は下向きである。
【0036】
(実装部)
実装部70は、図2及び図3に示すように、基板Dの電極に対して、電子部品Cの電極を、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)を介して加熱圧着する装置である。ACFは、機材となる樹脂の中に、小さな導電粒子が多数入ったシート状の部材である。なお、本実施形態では、予め基板D側にACFが貼着されているものとする。
【0037】
実装部70は、テーブル71、圧着部72を有する。テーブル71は、基板Dが載置される水平な板状体である。テーブル71の上面には、図示はしないが、空気圧回路に接続された吸着穴が形成され、基板Dを負圧により吸着保持する。テーブル71は、図示しない駆動機構によって、XY方向及びθ方向に移動可能に設けられている。
【0038】
圧着部72は、図3に示すように、加圧ヘッド721、バックアップ722を有する。加圧ヘッド721は、図示しない保持部によって、電子部品Cを吸着保持する。また、加圧ヘッド721は、図示しない駆動機構によって、XYZ方向及びθ方向に移動可能に設けられている。これにより、加圧ヘッド721は、図示しない保持部によって電子部品Cを吸着保持し、吸着保持した電子部品Cを移動させ、テーブル71に支持された基板Dに電子部品Cを重ね合わせる。さらに、加圧ヘッド721は、基板Dに電子部品Cを重ねた状態で、図示しない加熱部及び加圧部によって、電子部品Cを加熱及び加圧する。これにより、電子部品Cは、基板Dに対して加熱圧着される。バックアップ722は、加圧ヘッド721によってACFを介して電子部品Cを加熱圧着する際、基板Dを支持する部材である。
【0039】
圧着部72は、最終的な圧着を行う前の仮圧着を行うための装置である。圧着部72による仮圧着後に、図示はしないが、後流の工程に配置された本圧着部による本圧着が行われる。
【0040】
(制御部)
制御部80は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって構成される。制御部80は、図6に示すように、機構制御部81、記憶部82、判定部83、入出力制御部84を有する。機構制御部81は、供給部10、ステージ20、検出部30、除去部40、検出部50、移送部60及び実装部70の動作を制御する。記憶部82は、これらの動作を実現するためのプログラム、データ等、本実施形態の制御に必要な情報を記憶する。判定部83は、検出部30、50の検出結果に基づいて、保護シートPの有無を判定する。入出力制御部84は、制御対象となる各部との間での信号の変換や入出力を制御するインタフェースである。
【0041】
さらに、制御部80には、入力装置91、出力装置92が接続されている。入力装置91は、オペレータが、制御部80を介して電子部品実装装置を操作するためのスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力手段である。出力装置92は、電子部品実装装置の状態を確認するための情報を、オペレータが視認可能な状態とする表示装置等の出力手段である。
【0042】
[作用]
以上のような電子部品実装装置の作用を、図1乃至図6に加え、図7のフローチャート及び図8の説明図を参照しつつ説明する。
【0043】
ステージ20は、移動機構23により、図4(A)に示すように、供給部10の下方に移動する(ステップS01)。供給部10においては、図4(B)に示すように、ステージ20の保持部21が、最下段のトレイTの底面を吸着保持する。そして、以下のような手順によって、ステージ20の保持部21が、トレイTを一枚ずつ受け取る(ステップS02)。
【0044】
図4(C)に示すように、供給部10は、把持部12による把持を解除する。そして、図4(D)に示すように、ステージ20がトレイTの一枚分だけ下降する。把持部12は、図4(E)に示すように、最下段から一つ上のトレイTを把持部12によって把持する。図4(F)に示すように、ステージ20が下降して、保持部21にトレイTが渡される。
【0045】
トレイTを受け取ったステージ20は、検出部30の下方に移動する(ステップS03)。ステージ20は、検出部30の下方で一時停止しても良いし、一時停止せずに除去部40の下方に移動しても良い。除去部40の下方に移動する過程で、検出部30の下方を通過すれば良い。ステージ20が検出部30の下方を通過する際、検出部30がステージ20に載置されたトレイTに光を照射し、保護シートPが載置されているか否かを検出する(ステップS04)。具体的には、検出部30の検出結果を受信した判定部83が、保護シートPの有無を判定する。保護シートPがトレイTに載置されている場合(ステップS04のYES)、ステップS06に進む。保護シートPがトレイTに載置されていない場合(ステップS04のNO)、ステップS09に進む。なお、保護シートPがトレイTに載置されていない場合としては、ステージ20が検出部30の下方を通過するまでに振動などにより保護シートPがトレイTから落下していた、供給部10において保護シートPが上段のトレイTの底面に貼り付いていた、積み重ねられたトレイTが納入される段階で誤って保護シートPが抜けていた、などの場合が考えられる。また、オペレータがトレイTに保護シートPが載置されているか否かを確認する場合においては、検出部30及び判定部83の構成を省略可能である。
【0046】
検出部30の下方を通過したステージ20は、除去部40の下方に移動する(ステップS05)。本実施形態のステージ20は、除去部40の下方において一時停止する。除去部40の吸着部41は、昇降機構43により降下して保護シートPに接近し、負圧により保護シートPを吸着可能な所定の高さで停止する。この高さは、例えばステージ20に載置されたトレイTの上面から0.5mmの高さである。この高さにおいて、吸着部41は、負圧を生じさせることにより、保護シートPを吸着保持する。吸着部41は、下降を開始した高さまで戻り、これにより、トレイTから保護シートPが除去される(ステップS06)。
【0047】
トレイT上において、保護シートPを吸着保持する位置は、電子部品Cが格納された溝Gに対向する位置が好ましい。より好ましくは、図8(A)に示すように、電子部品Cが格納された溝Gの中央部分に対向する位置がよい。
【0048】
トレイT上の保護シートPに作用する吸引気流は、保護シートPを透過してトレイTにも作用する。すなわち、トレイTに対しても吸引力が働く。これにより、トレイTを吸着保持してしまう。しかし、吸着部41が溝Gの上を吸引するのであれば、溝Gが空気の通り道となり、トレイTに対してリークすることになるので、保護シートPには吸引力が働くが、トレイTには吸引力が働かず、トレイTを吸着保持してしまうことがない。このように、トレイTに対してリークが生じ、トレイTが吸着されないのであれば、トレイT上のどの溝Gに対向する位置でも、その溝Gのどの部分に対向する位置でもよい。
【0049】
ただし、トレイTには、溝Gのない部分が設けられていることがある。図8では、トレイTの中央に溝GのないトレイTを示している。このようなトレイTの場合、溝Gに吸着部41がかかる面積が少ないような場所では、トレイTに対するリークが減少することによりトレイTにも吸引力が働いてしまい、トレイTを吸着してしまう虞が高まる。例えば、図8(B)に示すように、トレイT中央の溝Gのない部分を吸着部41で吸引することを試みると、溝Gの一端からしか空気が流れず、溝Gにかかる面積も少ないので、溝Gが空気の通り道となりにくい。この場合、溝Gから保護シートP越しに吸着部41へと十分な空気が流れないので、リークが少なく、保護シートP越しにトレイTを吸着保持してしまうおそれがある。
【0050】
これに対して、図8(A)に示すように、溝Gの中央部分を吸着部41で吸引する場合には、溝Gの両端から保護シートP越しに吸着部41へと空気が流れるので、リークが多く、保護シートP越しにトレイTを吸着保持してしまうおそれが少ない。すなわち、保護シートPをトレイTごと吸着保持してしまうおそれが少ない。
【0051】
トレイTから保護シートPが除去されると、ステージ20は移送部60へ移動する。吸着部41は、その下方からステージ20が移動した後、負圧を解除して吸着保持した保護シートPを離す。保護シートPは、重力により落下し、吸着部41の真下に設けられた回収箱Bに回収される(図5(B)参照)。
【0052】
除去部40の下方を通過したステージ20は、検出部50の下方に移動する(ステップS07)。ステージ20は、検出部50の下方で一時停止しても良いし、一時停止せずに移送部60の吸着ノズル61aの下方に移動しても良い。移送部60の吸着ノズル61aの下方に移動する過程で、検出部50の下方を通過すれば良い。ステージ20が検出部50の下方を通過する際、検出部50がステージ20に載置されたトレイTに光を照射し、保護シートPが除去されているか否かを検出する(ステップS08)。具体的には、検出部50の検出結果を受信した判定部83が、保護シートPの有無を判定する。保護シートPがトレイTから除去されている場合(ステップS08のYES)、ステップS09に進む。保護シートPがトレイTに残っている場合(ステップS08のNO)、ステップS06に戻る。具体的には、上述のリカバリー処理が行われ、ステージ20が除去部40の下方に戻り、保護シートPが除去される。なお、オペレータがトレイTから保護シートPが除去されているか否かを確認する場合においては、検出部50及び判定部83の構成を省略可能である。
【0053】
検出部50の下方を通過したステージ20は、移送部60の吸着ノズル61aの下方に移動する。すなわち、ステージ20は、上述の12時の位置に位置付けられた移送部60の吸着ノズル61aの下方に、トレイTに載置された電子部品Cが位置するように移動する。より詳細には、トレイTの溝Gに格納された各電子部品Cを、移送部60の吸着ノズル61aに対向する位置に順次位置決めする。この位置決めは、図示しない走査部がトレイTを走査することにより行われる。そして、トレイT上の一つの電子部品Cが位置決めされると、吸着ノズル61aによるピックアップを開始する。これにより、電子部品Cは、移送部60に渡される(ステップS09)。
【0054】
移送部60は、XY平面を180°回動して、電子部品Cを実装部70の圧着部72に移動させる。この移動の途中で、ヘッド61がα方向に回転して、電子部品Cを下方から吸着保持するように反転する。移送部60の吸着ノズル61aによる吸着を解除するとともに、圧着部72の加圧ヘッド721による吸着を行うことにより、電子部品Cを加圧ヘッド721に渡す(ステップS10)。そして、加圧ヘッド721の降下により、電子部品Cの電極部分が、ACFを介して、基板Dの電極に加熱圧着される(ステップS11)。この後、加圧ヘッド721による吸着が解除されて、電子部品Cが仮圧着された基板Dは、本圧着部に搬送されて本圧着が行われる。また、一枚のトレイTからすべての電子部品Cを取り終えるまで(ステップS12のNO)、ステップS09~S11が繰り返される。
【0055】
なお、一枚のトレイTからすべての電子部品Cを取り終えると(ステップS12のYES)、空のトレイTが載置されたステージ20は、図示しない空のトレイTの収容部まで移動して、この収容部にトレイTを渡す。そして、ステージ20は供給部10まで戻り、上述のように、ステージ20は、供給部10から電子部品Cが格納されたトレイTを受け取り、電子部品Cの受け渡しを行う。なお、空のトレイTの収容部は、例えば、供給部10の隣接位置に、供給部10と同様の構成にて設けることができる。このように構成することで、供給部10と逆の手順、つまり、図4における(F)、(E)、(D)、(C)、(B)、(A)の手順で空のトレイTを積層して収容することができる。
【0056】
このようなトレイTの供給は、まず、一方の供給部10a及びステージ20aによって行われる。そして、供給部10aから、電子部品Cを格納したトレイTが無くなると、他方の供給部10b及びステージ20bに切り替えて、継続してトレイTの供給が行われる。その間に、供給部10aのトレイTが交換され、他方の供給部10bのトレイTが無くなると、再び供給部10a及びステージ20aによるトレイTの供給に切り替わる。これにより、電子部品実装装置を停止させることなく、実装を継続して行うことができる。
【0057】
[効果]
(1)本実施形態の電子部品実装装置は、電子部品C及び電子部品Cを覆う保護シートPが載置されたトレイTを複数枚積み重ねた状態で保持する供給部10と、供給部10の下方からトレイTを一枚ずつ受け取り、供給部10から電子部品Cをピックアップする位置へとトレイTを搬送するステージ20と、電子部品Cをピックアップする位置において、トレイTに載置された電子部品Cをピックアップするヘッド61と、ヘッド61から電子部品Cを受け取り、基板Dに電子部品Cを圧着する圧着部72と、ステージ20が供給部10から電子部品Cをピックアップする位置へとトレイTを搬送する経路上に設けられ、搬送されるトレイTから保護シートPを除去する除去部40と、を備える。
【0058】
これにより、トレイTから保護シートPを機械的に除去することが出来るので、人手で除去する場合に比してトレイTに載置された電子部品Cを傷つけたり、トレイをひっくり返したり、トレイT上で横転させたりするおそれが少ない。また、トレイTは一枚ずつ搬送されるので、トレイTが複数枚積み重ねられている場合に比して上面の高さ位置のばらつきが少ない。また、上面の傾きが少ない。従って、除去部40が保護シートPを除去する際にトレイTに誤って衝突し、その際の衝撃で電子部品CがトレイT上で横転するおそれを少なくすることが出来る。
【0059】
(2)本実施形態の除去部40は、負圧により保護シートPを吸着保持する吸着部41である。これにより、除去部40がトレイTから保護シートPを除去する際に、保護シートPを介してトレイTに衝撃を伝えるおそれがないため、電子部品CがトレイT上で横転するおそれを少なくすることが出来る。
【0060】
(3)本実施形態のトレイTには、電子部品Cが格納される溝Gが設けられ、吸着部41は、溝Gに対向する位置で、トレイTから保護シートPを吸着保持する。これにより、溝Gが空気の通り道となるので、吸着部41がトレイTごと吸着保持してしまうおそれが少ない。
【0061】
(4)本実施形態の保護シートPが回収される回収箱Bを更に備え、回収箱Bは、吸着部41の真下に設けられる。これにより、吸着部41は、負圧を解除するだけで、吸着保持した保護シートPを回収箱Bに回収させることが出来る。
【0062】
(5)本実施形態の経路上において、供給部10と除去部40との間に設けられ、保護シートPを検出する検出部30を更に備える。これにより、保護シートPが載置されていない状態でトレイTの上面に負圧を生じさせ、電子部品Cを誤って吸着保持してしまうといったおそれが無い。
【0063】
(6)本実施形態の経路上において、除去部40と移送部60との間に設けられ、保護シートPを検出する検出部50を更に備える。これにより、トレイT上から保護シートPが除去されずに残っていたとしても、その状態で移送部60へトレイTを搬送することを防止できる。また、検出部50が保護シートPを検出した場合、オペレータの呼び出しあるいはリカバリー処理により、トレイTから保護シートPを確実に除去することが出来る。これにより、移送部60において電子部品Cを確実にピックアップすることが出来る。
【0064】
[変形例]
(1)上記実施形態の除去部40は、負圧により保護シートPを除去する吸着部41を備えたが、これに限られない。例えば、図9に示すように、ステージ20の保持力よりも強い粘着力を有する粘着部44であっても良い。粘着部44は、図示しない供給リール及び回収リールに巻回された粘着シートAを備える。粘着シートAは、経路ローラ441により移動方向をガイドされ、圧着ツール442に向かう方向に、供給リールから送り出される。圧着ツール442は、粘着シートAを保持して昇降可能に設けられ、その下降により粘着シートAをトレイT上の保護シートPに接触させ、粘着シートAに保護シートPを粘着保持させる。その後、粘着シートAは、圧着ツール442の上昇によりトレイTから離間し、これにより保護シートPが除去される。さらに、回収リールが回動することにより、粘着シートAとともに保護シートPは回収され、また、トレイTに対して新しい粘着シートAの面が供給される。
【0065】
これにより、吸着部41を設ける場合に比して、負圧を生じさせる空気圧回路が不要となり、構成を簡略化することが出来る。また、吸着部41を水平に移動させてステージ20の経路上から退避させるような場合、移動する吸着部41に対する配管等の配置には、設計上も設置上も労力を要するが、そのようなことを回避できる。また、負圧による吸着に比して広い面で保護シートPを保持することが出来るので保護シートPの保持をより確実とすることができ、保持ミスを減らすことができる。また、トレイや電子部品までも保持してしまうことが無い。
【0066】
なお、粘着シートAに粘着させた保護シートPは、より粘着力の強い別の粘着シートに転着させることで、粘着シートAを循環できるベルトのようにして、繰り返し使用するようにすることで、供給・回収リールが不要とでき、より構成を簡素なものとできる。また、回収リールの代わりに、粘着シートAの送り出し先に設けた回収箱Bに粘着シートA諸共保護シートPを回収させるなどにより廃棄することが出来る。これによっても、回収リールを無くすことができ、より簡易な構成とできる。
【0067】
(2)上記実施形態の除去部40は、負圧により保護シートPを除去する吸着部41を備えたが、これに限られない。例えば、図10(A)に示すように、気流によりトレイTから保護シートPを吹き飛ばす気流発生部45であっても良い。気流発生部45は、例えば円筒形状または矩形形状のブローノズル451であり、気流を発生させることにより、回収箱Bに向けて保護シートPを吹き飛ばし、トレイTから保護シートPを除去する。また、図10(B)に示すように、気流発生部45の機能を回収箱Bに持たせても良い。すなわち、回収箱Bの開口に、保護シートPよりも幅広の矩形の吸引ノズル452を設けても良い。この場合、回収箱B内部に負圧を生じさせることにより気流を発生させ、吸引ノズル452から保護シートPを除去する。さらに、図10(C)に示すように、ブローノズル451と吸引ノズル452を併用し、吹き飛ばしと吸引の併用により保護シートPを除去しても良い。併用することにより、保護シートPの除去をより確実なものとできる。図10(A)乃至(C)いずれの場合であっても、ブローや吸引のノズルだけの機構で済み、より簡素な構成とできる。
【0068】
(3)上記実施形態の除去部40は、負圧により保護シートPを除去する吸着部41を備えたが、これに限られない。例えば、図11に示すように、トレイTから保護シートPを摘み取るチャック部46であっても良い。チャック部46は、空圧駆動により互いに接近する一対のチャック爪461を備え、この一対のチャック爪461により保護シートPを摘み取る。チャック爪461の先端には、ゴムなどの弾性キャップ462が被せられている。弾性キャップ462により、チャック爪461がトレイTに接触した際に生じる衝撃が緩和され、また、保護シートPを容易に摘むことが出来る。これにより、チャック部46は、吸着部41と同様に、トレイTから保護シートPを除去する。機械的に保護シートPを摘み取るので、より確実に保護シートPを除去することができる。
【0069】
(4)上記実施形態のトレイTは、その上面に設けられる溝Gに電子部品Cを格納するものとしたが、これに限られない。例えば、トレイTの上面に形成された薄い粘着層に電子部品Cが粘着されていても良い。この場合、粘着層の粘着力を除去部40の吸着部41の吸着力または粘着部の粘着力よりも小さくすることにより、トレイTから電子部品Cをピックアップすることが出来る。
【0070】
(5)上記実施形態の回収箱Bは、除去部40の真下に設けられたが、これに限られない。例えば除去部40にXY移動機構を設け、XY平面を移動可能とするのであれば、回収箱Bをどこに設けても良い。これにより、回収箱Bを設ける場所を自由に設定することが出来る。また、回収箱Bを設けない態様も可能である。この場合、除去部40は、トレイTから除去した保護シートPを保持したまま、XY平面を移動し、電子部品Cをピックアップし終えて空になったトレイTに載せても良い。これにより、保護シートPは、空になったトレイTとともに、上述の空のトレイTを収容する収容部に回収される。
【0071】
(6)上記実施形態においては、除去部40と移送部60の間に検出部50を設けたが、これに限られない。除去部40において保護シートPがほぼ確実に除去されるのであれば、検出部50を省略しても良い。これにより、電子部品実装装置の構成を簡素化し、また小型化することが出来る。
【0072】
(7)上記実施形態の除去部40は、検出部30と移送部60の間に設けられたが、これに限られない。例えば、除去部40にXY移動機構を設け、供給部10とステージ20の間に進退させても良い。すなわち、ステージ20がトレイTを受け取り、供給部10からZ方向に離間した後、除去部40が両者の間に進出し、保護シートPを除去しても良い。この場合、供給部10から移送部60までの距離を短くすることが出来るので、装置全体を小型化することが出来る。なお、この場合、検出部30は、除去部40が進出する前にステージ20に載置されたトレイTに向けて光を照射し、トレイTに載置された保護シートPを検出しても良い。
【0073】
(8)上記実施形態のステージ20の移動経路は、供給部10から除去部40を経由して移送部60まで、略直線状であるが、これに限られない。例えば、図12(A)(B)に示すように、除去部40の直下で略直角に方向転換しても良い。換言すれば、供給部10、除去部40、移送部60のレイアウトは、略直線状に限らない。なお、図12(A)(B)においては、説明を容易にするため、検出部30、50の構成を省略している。
【0074】
ステージ20が略直角に方向転換する場合、移動機構23は、XY方向に移動可能に設けられるスライダ及びガイド、搬送ベルト、ステージ20を自走させる搬送レールなどとすれば良い。また、ステージ20は、供給部10から移送部60まで、単一経路を往復するものとしたが、ループ状の経路を周回するようにしても良い。このような経路とすることで、経路設定の自由度が増し、装置全体を小さくすることができる。
【0075】
また、回収箱Bは、図12(A)に示すように、除去部40に隣接して設けられ、保護シートPを廃棄する場合には、除去部40が回収箱Bの上方に移動するようにすると良い。また、図12(B)に示すように、回収箱Bが除去部40の下方に移動するようにしても良い。
【0076】
さらに、図12に示すレイアウトにおいて1つのステージ20が2つのトレイTを保持する態様について、図13を参照して説明する。この場合、2つのトレイTの並び方向は、除去部40から移送部60へのステージ20の移動方向に一致している。これにより、除去部40が一方のトレイTから保護シートPを除去した後、ステージ20をトレイT1つ分移動させるだけで、除去部40を他方のトレイTの保護シートPに対向させることが出来る。また、移送部60におけるトレイTの入れ替えも、ステージ20をトレイ1つ分移動させることにより実現される。
【0077】
(9)上記実施形態の吸着部41は、図14(A)に示すように、所定の高さまで降下してから停止し、負圧を生じさせたが、これに限られない。例えば、図14(B)に示すように、負圧を生じさせつつトレイTに向けて降下させても良い。つまり、除去部40の吸着部41が、図示しない昇降機構により、負圧により保護シートPを吸着可能な所定の高さまで降下する際に、負圧を生じさせる。そうすることで、保護シートPを吸着可能な所定の高さまで降下してから、負圧を生じさせる様態に比べて、吸着可能な負圧になるまでの時間を省くことが出来るので、タクトタイムを短縮することができる。
【0078】
更に、この場合、降下すべき所定の高さを設定するのではなく、保護シートPが吸着されたことを検出して降下を停止させる制御をしても良い。これにより、保護シートPを除去するまでの時間を短縮できるだけでなく、例えばトレイTの寸法誤差が大きく、高さにばらつきがある場合であっても、吸着部41が保護シートPを吸着する際にトレイTに衝突するおそれを最小限にすることが出来る。
【0079】
また、吸着部41による保護シートPの吸着様態を吸着部41の下降と同時に負圧を生じさせるか、吸着部41が所定の高さまで下降してから負圧を生じさせるかについては、適宜決定すれば良く、これらの様態のパターンを選択可能にする機能を有しても良い。
【0080】
(10)上記実施形態の吸着部41は、下方に一時停止させたステージ20のトレイTから保護シートPを除去したが、これに限られない。ステージ20を一時停止させずにトレイTから保護シートPを除去しても良い。例えば、ステージ20に載置されたトレイTの上面より高い位置、例えば、3mm程度高い位置に吸着部41を待機させ、吸着部41の下方をステージ20が通過するタイミングで負圧を発生させるようにしても良い。これにより、ステージ20を一時停止させることなく、ステージ20が吸着部41の下方を通過する際にトレイTから保護シートPが除去されるので、ステージ20を一時停止させるタイムラグが無くなり、タクトが向上する。
【0081】
(11)上記実施形態の検出部30は、保護シートPの色を検出する色センサとしたが、これに限られない。例えば、保護シートPに照射した光の反射率を検出することにより、保護シートPを検出可能なセンサであっても良い。
【0082】
(12)上記実施形態の電子部品実装装置は、ステージ20の一つの保持部21が、供給部10からトレイTを一枚ずつ受け取り、電子部品Cを実装する様態だが、一つの保持部21がトレイTを複数枚ずつ受け取る、または保持部21を複数設けることにより、複数のトレイTを保持しても良い。つまり、一つのトレイTに格納された電子部品Cが全て実装され、一つのトレイTが空になったら、別のトレイTから電子部品Cをピックアップするように切り替える。基板Dが実装部70から本圧着部に搬送されるタイミングなど電子部品Cのピックアップが行われない時間で、空のトレイTを電子部品Cが格納された次のトレイTと交換する。これによって、電子部品Cの実装中に保持部21にある電子部品Cが無くなることがないので、遅滞することなく、電子部品Cを実装することが出来る。
【0083】
ステージ20が複数のトレイTを保持する場合の実施例について、図15を参照して説明する。図15においては、図13に示すレイアウトと同様に、ステージ20の移動経路が略直角に方向転換するものとし、また、1つのステージ20が2つのトレイTを保持するものとする。さらに、この実施例においては、ステージ20が2つ設けられるものとする。すなわち、2つのステージ20a、20bがそれぞれ2つのトレイTを保持するものとする。以下では、2つのトレイTのうち左側のトレイTをトレイTL、右側のトレイTをトレイTRともいう。また、図中のトレイTに斜線がかかっている場合、保護シートPが載置されているものとし、トレイTに斜線がかかっていない場合、保護シートPが除去されているものとする。
【0084】
まず、図15(A)に示すように、供給部10aからトレイTが切り出され、ステージ20aに保持される。ステージ20aは、供給部10aからトレイTL、トレイTRをこの順に受け取る。同時に、供給部10bからトレイTが切り出され、ステージ20bに保持される。ステージ20bは、供給部10bからトレイTR、トレイTLをこの順に受け取る。すなわち、供給部10bは、トレイTを受け取る順序が、供給部10aと異なる。
【0085】
次に、図15(B)に示すように、ステージ20aは除去部40aの下方に移動し、トレイTから保護シートPが除去される。ステージ20aは、まずトレイTRを除去部40aの下方に位置させ、トレイTRの保護シートPが除去された後、図15(C)に示すように、トレイTLを除去部40aの下方に位置させ、トレイTLの保護シートPを除去させる。同様に、ステージ20bは、図15(B)に示すように、まずトレイTLを除去部40bの下方に位置させ、トレイTLの保護シートPが除去された後、図15(C)に示すように、トレイTRを除去部40bの下方に位置させ、トレイTRの保護シートPを除去させる。すなわち、除去部40bは、トレイTから保護シートPを除去する順序が、除去部40aと異なる。
【0086】
さらに、図15(D)に示すように、ステージ20aは移送部60の下方に移動し、移送部60はトレイTから電子部品Cをピックアップし、実装部70は基板Dに電子部品Cを実装する。ステージ20aは、まずトレイTLを移送部60の下方に位置させ、移送部60のピックアップによりトレイTLが空になった後、図15(E)に示すように、トレイTRを移送部60の下方に位置させる。これにより、トレイTLが空になっても、移送部60はトレイTRから電子部品Cをピックアップすることが出来るので、電子部品Cのピックアップが間断なく行われる。
【0087】
また、移送部60のピックアップによりトレイTLが空になった後は、図15(F)に示すように、任意のタイミングでステージ20aを供給部10aに移動させ、トレイTLを新しいものと交換することが出来る。任意のタイミングは、例えば、電子部品Cを実装するための基板Dを交換するタイミングである。この時、トレイTRには半分ほどの電子部品Cが残っているものとする。ステージ20aがトレイTLを新しいものと交換するための移動と同時に、ステージ20bが移送部60の下方に移動する。具体的には、ステージ20bのトレイTRが移送部60の下方に位置づけられる。これにより、基板Dの交換を終えてすぐに、電子部品Cのピックアップ及び実装を再開することが出来る。ステージ20bのトレイTRから電子部品Cのピックアップ及び実装が行われている間に、ステージ20aのトレイTLは新しいものと交換され、ステージ20aの移動により新しく交換されたトレイTLは除去部40aの下方に位置づけられ、除去部40aにより保護シートPが除去される。
【0088】
ステージ20bのピックアップに戻ると、ステージ20bのトレイTRが空になると、ステージ20bは、移送部60の下方にトレイTLを位置づけ、電子部品Cのピックアップを間断なく行う。ステージ20bのトレイTRが空になった後は、上述の説明と同様に、例えば基板Dの交換タイミングに合わせて、ステージ20bを供給部10bまで移動させ、空になったトレイTRを交換する。このステージ20bの移動と同時に、ステージ20aは、電子部品Cが半分ほど残っているトレイTRを移送部60の下方に位置づけ、電子部品Cのピックアップ及び実装を再開する。
【0089】
このように、2つのステージ20a、20bのそれぞれに2つのトレイTL、TRを保持させる構成とすることにより、基板Dに電子部品Cを間断なく実装することが出来る。また、トレイTの交換で実装が止まるおそれも無い。すなわち、1つのトレイTが空になってもすぐに隣のトレイTに切り替えることが可能であり、さらに、基板Dを交換するタイミングでステージ20を切り替えることも可能であるので、他方のステージ20においてトレイTを交換する時間や保護シートPを除去する時間により、実装が止まるおそれも無い。
【0090】
(13)上記実施形態の供給部10及びステージ20は、供給部10a及びステージ20aと供給部10b及びステージ20bとの一対を設けたが、一方だけでも良い。また、一対の供給部10a、10bに対して1つのステージ20を設け、このステージ20に一対の供給部10a、10b間を移動させて、2つの供給部10で1つのステージ20を共用するようにしても良い。これにより、電子部品実装装置の全体構成を簡略化することが出来る。
【0091】
1つのステージ20を共用する場合の実施例について、図16を参照して説明する。図16においては、図13に示すレイアウトと同様に、ステージ20の移動経路が略直角に方向転換するものとし、また、1つのステージ20が2つのトレイTを保持するものとする。以下では、図15と同様に、2つのトレイTのうち左側のトレイTをトレイTL、右側のトレイTをトレイTRともいう。また、図中のトレイTに斜線がかかっている場合、保護シートPが載置されているものとし、トレイTに斜線がかかっていない場合、保護シートPが除去されているものとする。
【0092】
まず、図16(A)に示すように、供給部10aからトレイTが切り出され、ステージ20に保持される。ステージ20は、供給部10aからトレイTL、トレイTRをこの順に受け取る。次に、図16(B)に示すように、ステージ20は除去部40aの下方に移動し、トレイTから保護シートPが除去される。ステージ20は、まずトレイTRを除去部40aの下方に位置させ、トレイTRの保護シートPが除去された後、図16(C)に示すように、トレイTLを除去部40aの下方に位置させ、トレイTLの保護シートPを除去させる。
【0093】
さらに、図16(D)に示すように、ステージ20は移送部60の下方に移動し、移送部60はトレイTから電子部品Cをピックアップし、実装部70は基板Dに電子部品Cを実装する。ステージ20は、まずトレイTLを移送部60の下方に位置させ、移送部60のピックアップによりトレイTLが空になった後、図16(E)に示すように、トレイTRを移送部60の下方に位置させる。これにより、トレイTLが空になっても、移送部60はトレイTRから電子部品Cをピックアップすることが出来るので、電子部品Cのピックアップが間断なく行われる。
【0094】
また、移送部60のピックアップによりトレイTLが空になった後は、図16(F)に示すように、任意のタイミングでステージ20を供給部10bに移動させ、トレイTLを新しいものと交換することが出来る。任意のタイミングは、例えば、電子部品Cを実装するための基板Dを交換するタイミングである。この時、トレイTRには半分ほどの電子部品Cが残っているものとする。トレイTLを交換した後は、除去部40bにより保護シートPを除去し、移送部60の下方にトレイTRを位置させ、電子部品Cのピックアップ及び実装を再開することが出来る。この後、トレイTRが空になれば、トレイTLからピックアップを行う。さらに、基板Dを交換するタイミングが来れば、空のトレイTRの交換を行う。なお、図16において基板Dに実装される電子部品Cの個数は、1つのトレイTに格納される電子部品Cの個数以下であるものとする。
【0095】
(14)上記実施形態の供給部10が保持する最下段のトレイTに向けて除電を行うイオナイザーを設けても良い。これにより、最下段のトレイTに載置される保護シートPが上段のトレイTの底面に静電気などにより貼り付くことを防止することが出来る。
【0096】
(15)上記実施形態のステージ20は、図17に示すように、間欠回転可能な円卓状のテーブルであっても良い。このテーブルは、図17に示す9時位置でトレイTを受け取り、6時位置で除去部40により保護シートPを除去し、3時位置で移送部60の吸着ノズル61aにより電子部品Cをピックアップさせ、トレイT上の電子部品Cを全てピックアップした後、12時位置で空のトレイTの収容部にトレイTを収容させる。
【0097】
(16)上記実施形態の電子部品実装装置は、チップ状電子部品を実装するCOG実装装置としたが、これに限られない。例えば、有機ELのようなフィルム状の回路基板にチップ状電子部品を実装する電子部品実装装置や、チップ状電子部品と、フィルム状の回路基板の上にドライバICを実装したCOF(Chip On Film)と称されるフィルム状電子部品とを選択的に供給及び実装する兼用機と称される電子部品実装装置としても良い。要は、段積トレイからチップを供給して実装するものであればよく、基板としてシリコン等のウェーハでも良いし、フィルム状ではない回路基板でも良い。
【0098】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
10、10a、10b 供給部
11 フレーム
12 把持部
20、20a、20b ステージ
30、30a、30b 検出部
40、40a、40b 除去部
41 吸着部
44 粘着部
45 気流発生部
451 ブローノズル
452 吸引ノズル
46 チャック部
50、50a、50b 検出部
60 移送部
61 ヘッド
61a 吸着ノズル
70 実装部
71 テーブル
72 圧着部
721 加圧ヘッド
722 バックアップ
80 制御部
81 機構制御部
82 記憶部
83 判定部
84 入出力制御部
91 入力装置
92 出力装置
A 粘着シート
B 回収箱
C 電子部品
D 基板
G 溝
P 保護シート
T トレイ
【要約】      (修正有)
【課題】トレイに載置された電子部品を横転させるおそれを低減し、トレイを覆う保護シートを除去することが出来る電子部品実装装置を提供する。
【解決手段】電子部品C及び電子部品Cを覆う保護シートPが載置されたトレイTを複数枚積み重ねた状態で保持する供給部10と、供給部10の下方からトレイTを一枚ずつ受け取り、供給部10から電子部品Cをピックアップする位置へとトレイTを搬送するステージと、電子部品Cをピックアップする位置において、トレイTに載置された電子部品Cをピックアップするヘッドと、ヘッドから電子部品Cを受け取り、基板Dに電子部品Cを圧着する圧着部72と、ステージが供給部10から電子部品Cをピックアップする位置へとトレイTを搬送する経路上に設けられ、搬送されるトレイTから保護シートPを除去する除去部40と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17