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特許7154455EGFR及びERBB2に作用するピリミジン系化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】EGFR及びERBB2に作用するピリミジン系化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/04 20060101AFI20221007BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
C07D403/04 CSP
A61K31/506
A61P35/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022505482
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2020103985
(87)【国際公開番号】W WO2021018017
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】201910684658.1
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522313695
【氏名又は名称】チャイナ・リソースズ・ファーマシューティカル・ホールディングス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】丁 照中
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 路
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 希▲樂▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 利▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】江 文
(72)【発明者】
【氏名】黎 健
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 曙▲輝▼
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-501222(JP,A)
【文献】特表2017-521394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)に示す化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(式中、RはC1~3アルキル基から選ばれ、
はH、F、Cl、Br、I、C1~3アルキル基及びシクロプロピル基から選ばれる。)
【請求項2】
はメチル基、エチル基及びイソプロピル基から選ばれる、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
はH、Cl及びシクロプロピル基から選ばれる、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
下式に示す化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化2】
【請求項5】
薬学的に許容される塩は、
【化3】
から選ばれる、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
有効成分としての治療有効量の請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項7】
EGFR又はERBB2に関連する疾患の薬を製造するための請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩又は請求項6に記載の医薬組成物の使用。
【請求項8】
がん治療薬を製造するための請求項1~5に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩又は請求項6に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は出願日が2019年07月26日の中国特許出願CN201910684658.1号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、EGFRエクソン20挿入突然変異及びERBB2エクソン20挿入突然変異に作用するピリミジン系化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
【0003】
肺がんは最も一般的な悪性腫瘍の1つであり、世界中で毎年160万人の新しい肺がんの症例があり、全ての悪性腫瘍の13%を占めており、毎年140万人の肺がんによる死亡がある。世界一のガンキラーとして、肺がんの発生率は近年世界的に増加し続けている。非小細胞肺がん(NSCLC)は全ての肺がんの約85%を占め、非小細胞肺がんの患者は初期段階では明らかな特徴がないため、大部分の患者は診断時にすでに進行期にあり、NSCLCの65%は、診断時に手術の機会を失っている。したがって薬物療法、即ち化学療法と標的療法は、進行期非小細胞肺がん患者の治療にとって非常に重要である。
【0004】
EGFRは、ErbB1(EGFR又はHER1と呼ばれる)、ErbB2(HER2)、ErbB3(HER3)及びErbB4(HER4)を含む、チロシンキナーゼ受容体のErbBファミリーの主要なメンバーである。EGFRは、細胞外リガンド結合ドメイン、α-ヘリックス膜貫通ドメイン、細胞内チロシンキナーゼドメイン及び自己リン酸化部位を含むカルボキシル末端領域から構成される。リガンドが受容体に結合すると、EGFR二量体化を引き起こし、細胞内タンパク質チロシンキナーゼの活性を活性化し、チロシン残基の自己リン酸化を引き起こし、関連するシグナルタンパク質を動員し、下流のERK/MAPK、PI3K/Akt及びSTATシグナル伝達経路の活性化を引き起こし、それによって腫瘍細胞の増殖、生存、分化、転移及び腫瘍血管新生を調節する。したがって、EGFRの標的療法は、下流のシグナル伝達経路の伝導を阻害し、腫瘍の増殖と分化を阻害するという効果を達成することができる。
【0005】
EGFR Exon 20挿入突然変異は、NSCLCで3番目に大きい一連のEGFR遺伝子突然変異であり、EGFR突然変異全体の約4%~7%を占め、エクソン20から翻訳されたアミノ酸部位は762-823である。N-末端から始まるグルタミン酸Glu762は重要な触媒部位であり、その後のAla763-Met766はEGFRチロシンキナーゼドメインのC-ヘリックスであり、リン酸転移において重要な役割を果たす。EGFRエクソン20挿入突然変異は、アジア人、女性、非喫煙者、及び腺癌集団に多く発生し、古典的なEGFR突然変異と同じ臨床的及び病理学的特徴を持っている。エクソン20の最も一般的なタイプの突然変異は、Asp770_Asn771insSerValAspであり、次はVal769_Asp770insAlaSerVal、Asp770_Asn771insSerValAsp、Ala767_Val769dupAlaSerVal、Val769_Asp770insAlaSerVa及びSer768_Asp770dupSerValAspであり、これらは類似の挿入配列を有し、エクソン20突然変異の36%を占める。さらに、主な突然変異タイプはHis773_Val774insAsnProHisであり、エクソン20突然変異の約14%を占める。
【0006】
HER2 Exon 20挿入突然変異は、全てのHER2突然変異タイプの95%以上を占め、ここでHER2 exon 20挿入突然変異タイプの中で、A775_G776_ins YVMAは85%を占め、最も一般的なタイプの突然変異である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、EGFR及びHER2 exon20挿入突然変異を効果的に阻害できる標的薬は市場にない。臨床試験では、市販されている(Erlotinib/Gefitinib/Afatinib)などのEGFR TKIsは、EGFR又はHER2 Exon20挿入突然変異の両方に対して有効性を欠いており、奏効率が低い。例えば、EGFR Exon20挿入突然変異を有する患者のPFSはわずか2か月であり、従来の突然変異(Exon19 deletion & L858R)を有する患者のPFSよりもはるかに低く、アファチニブやダコミチニブなどの第2世代EGFR阻害剤はエクソン20挿入突然変異に対する治療効果も理想的ではないことが臨床的に報告されているため、EGFR及びHER2エクソン20挿入突然変異に対する大きなアンメットクリニカルニーズがある。
【0008】
武田薬品工業が開発したEGFR及びHER2エクソン20挿入突然変異の阻害剤であるTAK788は、EGFR及びHER2エクソン20挿入突然変異を伴う非小細胞肺がんの前臨床及び臨床第I/II相で優れた有効性を示し、その客観的奏効率が43%、病勢コントロール率が86%に達することが臨床的に報告されている。安全性は他の市販のEGFR-TKIと同様であり、EGFR及びHER2エクソン20挿入突然変異を治療する可能性が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は式(I)に示す化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】
式中、RはC1~3アルキル基から選ばれ、
はH、F、Cl、Br、I、C1~3アルキル基及びシクロプロピル基から選ばれる。
【0010】
本発明のいくつかの形態において、前記Rはメチル基、エチル基及びイソプロピル基から選ばれ、他の変数は本発明により定義される。
【0011】
本発明のいくつかの形態において、前記RはH、Cl及びシクロプロピル基から選ばれ、他の変数は本発明により定義される。
【0012】
本発明のさらに他の形態は、前記各変数の任意の組み合わせからなる。
【0013】
本発明はさらに下式に示す化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化2】
【0014】
本発明のいくつかの形態において、前記薬学的に許容される塩は、
【化3】
から選ばれる。
【0015】
本発明はさらに有効成分としての治療有効量の前記化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0016】
本発明はさらにEGFR又はERBB2に関連する疾患の薬を製造するための前記化合物又はその薬学的に許容される塩又は前記医薬組成物の使用を提供する。
【0017】
本発明はさらにがん治療薬を製造するための前記化合物又はその薬学的に許容される塩又は前記医薬組成物の使用を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る化合物は、EGFR及びERBB2エクソン20挿入突然変異に対して優れた活性を示し、上皮成長因子受容体の酵素の異常に起因する疾患に対してより効果的な治療を提供する可能性がある。
定義及び説明
【0019】
特に断らない限り、本明細書で使用されている以下の用語及び句は、以下の意味を有することを意図している。1つの特定の用語又は句は、特に定義しない場合、不確実又は不明瞭とみなされるべきではなく、一般的な意味で理解されるべきである。本明細書で商品名が現れる場合、それに対応する商品又はその有効成分を指すことを意図している。
【0020】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される」とは、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に関して、信頼できる医学的判断の範囲内であり、毒性、刺激性、アナフィラキシー、又は他の問題又は合併症を過度に伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比に見合うことである。
【0021】
用語「薬学的に許容される塩」とは本発明により見出される特定の置換基を有する化合物と相対的に毒性がない酸又は塩基とから製造される本発明に係る化合物の塩である。本発明に係る化合物に相対的に酸性を示す官能基が含まれる場合に、純粋な溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の塩基と当該化合物とを接触させることによって塩基付加塩を得る。薬学的に許容される塩基付加塩はナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミン塩又はマグネシウム塩又は類似の塩を含む。本発明に係る化合物に相対的に塩基性を示す官能基が含まれる場合に、純粋な溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の酸と当該化合物とを接触させることによって酸付加塩を得る。薬学的に許容される酸付加塩の例は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含む無機酸の塩と、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸及びメタンスルホン酸などの類似の酸を含む有機酸の塩と、を含み、さらにアミノ酸(例えば、アルギニンなど)の塩、及びグルクロン酸などの有機酸の塩を含む。本発明の特定の化合物は塩基性を示す官能基と酸性を示す官能基を含む場合に、いずれかの塩基付加塩又は酸付加塩に変換されることが可能である。
【0022】
本発明に係る薬学的に許容される塩は、酸性基又は塩基を含有する親化合物から従来の化学的方法によって合成することができる。一般に、そのような塩は、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を、水又は有機溶媒又は両者の混合物中で、化学量論的に適切な塩基又は酸と反応させることによって製造される。
【0023】
特に明記しない限り、用語「有効量」又は「治療有効量」とは無毒であるが所望の効果を達成することができる量を指す。有効量の決定は、人によって異なり、受容体の年齢及び一般的条件に依存し、特定の活性物質にも依存するが、本明細書における適切な有効量は、当業者が通常の実験に基づいて決定することができる。
【0024】
特に明記しない限り、用語「C1~3アルキル基」は、1~3個の炭素原子からなる直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を表すために使用される。前記C1~3アルキル基は、C1~2及びC2~3アルキル基などを含み、一価(例えば、メチル基)、二価(例えば、メチレン基)又は多価(例えば、メチン基)であってもよい。C1~3アルキル基の例はメチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(n-プロピル基及びイソプロピル基を含む)などを含み、ただしそれらに限定されない。
【0025】
本発明で使用する溶媒は市販品であってもよい。
【0026】
本発明は、N,N-ジメチルホルムアミドを表すDMF、p-トルエンスルホン酸一水和物を表すTsOH.HO、1-エチル-3(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを表すEDCI、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エンを表すDBU、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを表すDIPEA、ナトリウム水素を表すNaH、ナトリウムエトキシドを表すEtONa、メタクロロ過安息香酸を表すm-CPBA、ジクロロメタンを表すDCM、塩化アンモニウムを表すNHCl、水酸化ナトリウムを表すNaOH、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを表すDMF-DMA、塩化マグネシウムを表すMgCl2、カルボニルジイミダゾールを表すCDI、テトラヒドロフランを表すTHF、リン酸二水素カリウムを表すNaH2PO4、t-ブタノールを表すt-BuOH、オキシ塩化リンを表すPOCl3、亜塩素酸ナトリウムを表すNaClO2、トリオクチルメチルアンモニウムクロリドを表すTOMAC、メチルt-ブチルエーテルを表すMTBEという略語を使用する。
【0027】
本発明が使用するカラムクロマトグラフィー分離の充填剤は特に明記しない限り全てシリカゲルであり、本発明が使用する薄層クロマトグラフィー分離の充填剤は特に明記しない限り全てシリカゲルである。
【0028】
化合物は、当技術分野で一般的な命名規則に従い、又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアを用いて命名され、市販の化合物はベンダーカタログ名を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】ヒト肺がんNCI-H1975マウス皮下異種移植腫瘍モデルの腫瘍増殖曲線である。
図2】ヒト肺がんNCI-H1975マウス皮下異種移植腫瘍モデルである腫瘍担持マウスの投与中の体重変化である。
図3】Ba/F3 EGFR D770_N771 ins SVD皮下同種移植腫瘍モデルの腫瘍増殖曲線である。
図4】Ba/F3 EGFR D770_N771 ins SVD皮下同種移植腫瘍モデルである腫瘍担持マウスの投与中の体重変化である。
図5】HuPrime肺がんLU0387マウス皮下異種移植腫瘍モデルの腫瘍増殖曲線である。
図6】HuPrime肺がんLU0387マウス皮下異種移植腫瘍モデルである腫瘍担持マウスの投与中の体重変化である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明に係る化合物は、以下に列挙する特定の実施形態、他の化学合成方法と組み合わせて形成される実施形態、及び当業者に周知の同等の代替形態を含む、当業者に周知の様々な合成方法によって製造することができ、好ましい実施形態には、本発明の実施例が含まれるが、これらに限定されない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施形態について様々な変更及び改良を行うことは、当業者には明らかであろう。
【0031】
実施例1:
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】
化合物1A(12.3g、89.69mmol)のDMF(100mL)溶液にDBU(1.37g、8.97mmol)及びDMF-DMA(26.91g、225.83mmol)を加えた。混合物を120~130℃で16時間撹拌し、反応を終了させた。反応液を濃縮し、表題化合物を得た。
【0034】
【化6】
【0035】
窒素雰囲気下で、化合物1B(17.24g、89.69mmol)のMTBE(300mL)溶液に亜鉛粉末(70g、1.07mol)及び塩化アンモニウム(19g、355.20mol)の水溶液(60mL)を何回かに分けて加えた。混合物を20~30℃で4時間撹拌した。反応を終了させた。反応液を減圧下で吸引濾過し、濾過ケーキをMTBE(50mL)で洗浄し、濾液を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、表題化合物溶液を得、そのまま次のステップの反応に使用した。
LCMS(ESI):m/z:134.6[M+1].
【0036】
【化7】
【0037】
化合物1C(11.94g、89.68mmol)のMTBE(350mL)溶液にヨウ化メチル(68.40g、481.9mmol)、NaOH水溶液(2.5M、300mL)及びTOMAC(1.81g、4.48mmol)を加えた。混合物を20~30℃で12時間撹拌した。反応を終了させた。反応液を分層し、下層の水相を酢酸エチル(100mL)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=80:1、体積比)により分離精製し、表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=7.62-7.57(m,1H),7.45(dd,J=0.9,8.2Hz,1H),7.27(d,J=3.4Hz,1H),7.26-7.23(m,1H),7.11(ddd,J=1.0,7.0,7.9Hz,1H),6.36(dd,J=0.7,3.4Hz,1H),4.09(s,3H).
LCMS(ESI)m/z:148.6[M+1].
【0038】
【化8】
【0039】
窒素雰囲気下で、0~10℃でDMF(20mL)溶液にPOCl(4.7g、30.65mmol、2.85mL)をゆっくりと滴下し、15分間撹拌した後、化合物1D(2.3g、15.63mmol)を加え、混合物を20~30℃で2時間撹拌した。反応液に15%NaOH水溶液(20mL)を加えてクエンチし、反応液に酢酸エチル(20mL×3)を加えて抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1体積比)により分離精製し、表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.99(s,1H),8.36-8.31(m,1H),7.91(s,1H),7.53-7.48(m,1H),7.40(dt,J=1.3,7.6Hz,1H),7.38-7.33(m,1H),4.21(s,3H).
【0040】
【化9】
【0041】
0℃で化合物1E(2.6g、14.84mmol)のt-BuOH(120mL)及び2-メチル-2-ブテン(120mL)溶液にNaClO(26.85g、296.83mmol)及びNaHPO(26.71g、222.62mmol)の水溶液(150mL)を何回かに分けて加え、混合物を20~30℃で24時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加えて抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.18-8.14(m,1H),7.99(s,1H),7.45-7.39(m,1H),7.26(d,J=1.1,7.3Hz,2H),4.11(s,3H).
LCMS(ESI)m/z:192.5[M+1].
【0042】
【化10】
【0043】
化合物1F(2.8g、14.65mmol)及びCDI(3.56g、21.97mmol)をTHF(50mL)に溶解し、20℃で2時間撹拌し、当該混合物にマロン酸モノエチルカリウム塩(3.74g、21.97mmol)及びMgCl(2.79g、29.29mmol)を加え、反応液を20~30℃で18時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(60mL)を加え、反応液を水(50mL)で洗浄し、水相を酢酸エチル(50mL)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1体積比)により分離精製し、表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.33-8.28(m,1H),7.92(s,1H),7.42-7.38(m,1H),7.27(dtd,J=1.2,7.3,16.3Hz,2H),4.18-4.12(m,2H),4.11(s,3H),3.78(s,2H),1.20(t,J=7.2Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:262.1[M+1].
【0044】
【化11】
【0045】
化合物1G(0.5g、1.91mmol)をDMF-DMA(0.26g、2.18mmol)に加え、反応液を80~90℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、表題化合物を得た。粗生成物をそのまま次のステップの反応に使用した。
【0046】
【化12】
【0047】
化合物1H(605mg、1.91mmol)をエタノール(6mL)に溶解し、EtONa(0.27g、3.97mmol)及びS-メチルイソチオウレア硫酸塩(300mg、1.08mmol)をゆっくりと加え、混合物を30℃で12時間撹拌し、反応液を濃縮し、混合物に酢酸エチル(30mL)を加え、反応液を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル製薄層クロマトグラフィープレート(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により分離精製し、表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.86(s,1H),8.18-8.14(m,1H),8.09(s,1H),7.51(td,J=0.9,8.1Hz,1H),7.37-7.32(m,1H),7.29-7.24(m,1H),4.31(q,J=7.1Hz,2H),4.19(s,3H),2.70(s,3H),1.23(t,J=7.1Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:344.2[M+1].
【0048】
【化13】
【0049】
化合物1I(180mg、0.524mmol)をDCM(5mL)に溶解し、当該混合物にm-CPBA(226mg、1.05mmol、80%純度)を加え、反応液を25℃で5時間撹拌した。反応液に飽和亜硫酸ナトリウム溶液(20ml)を加えてクエンチし、DCM(50mL)を加えて抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し、表題化合物を得た。
LCMS(ESI)m/z:376.0[M+1].
【0050】
【化14】
【0051】
化合物1J(300mg、0.8μmol)及び4-フルオロ-2-メトキシ-5-ニトロ-アニリン(179mg、0.961mmol)のジクロロヘキササイクリック(10mL)溶液にTsOH.HO(456mg、2.40mmol)を加え、反応液を100℃で16時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(50mL)を加えて抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)で洗浄し、有機相を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物を得、シリカゲル製薄層クロマトグラフィープレート(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により分離精製し、表題化合物を得た。
LCMS(ESI)m/z:482.1[M+1].
【0052】
【化15】
【0053】
化合物1K(150mg、311.57μmol)のDMF(2mL)溶液にN,N,N-トリメチルエチレンジアミン(58mg、567.6μmol)及びDIPEA(82.14mg、0.635mmol)を加えた。反応液を100℃で0.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、精製水(20mL)を加え、溶液中に固体を析出させ、減圧下で吸引濾過し、濾過ケーキを乾燥し、表題化合物を得た。
LCMS(ESI)m/z:564.2[M+1].
【0054】
【化16】
【0055】
窒素雰囲気下で、NaH(47mg、1.18mmol、60%純度)をイソプロピルアルコール(1mL)に加え、反応液を25℃で15分間撹拌し、化合物1L(130mg、230.66μmol)のTHF(0.5mL)溶液を前記溶液に滴下した。反応液を80℃で1時間撹拌した。反応液に精製水(30mL)を加えてクエンチし、水相をDCM(60mL)で抽出し、有機相を乾燥し、濃縮し、表題化合物を得た。
LCMS(ESI)m/z:578.0[M+1].
【0056】
【化17】
【0057】
窒素雰囲気下で、化合物1M(89mg、0.154mmol)のエタノール(3mL)及び精製水(1mL)に、亜鉛粉末(101mg、1.54mmol)及びNHCl(83mg、1.55mmol)を加え、反応液を25℃で1時間撹拌した。反応液を減圧下で吸引濾過し、濾液に精製水(20mL)を加え、濾液にDCM(45mL)を加えて抽出し、有機相を乾燥し、濃縮し、表題化合物を得た。
LCMS(ESI)m/z:548.2[M+1].
【0058】
【化18】
【0059】
化合物1O(84mg、153.38μmol)及びアクリル酸(17mg、0.236mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液にEDCI(44mg、229μmol)及びDIPEA(40mg、309μmol)を加え、反応液を25℃で1時間撹拌した。反応混合物に水(10mL)を加え、DCM(15mL×2)で抽出し、有機相を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物を得、粗生成物をシリカゲル製薄層クロマトグラフィープレート(DCM:MeOH=10:1)により分離精製して表題化合物を得た。
H NMR(400MHz,重水素化メタノール)δ=9.31-9.13(m,1H),8.85-8.76(m,1H),8.47(br d,J=5.6Hz,1H),7.73-7.63(m,1H),7.51(d,J=8.3Hz,1H),7.31-7.23(m,1H),7.17-7.08(m,1H),6.99(s,1H),6.66-6.34(m,2H),5.97-5.74(m,1H),5.04-4.96(m,1H),4.59(br s,3H),4.20(s,3H),3.95(s,3H),3.15-3.05(m,2H),2.71(s,3H),2.58-2.45(m,2H),2.35(br s,3H),1.08(d,J=6.1Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:602.3[M+1].
【0060】
【化19】
【0061】
化合物1O(15mg、24.93μmol)のアセトニトリル(0.5mL)及び水(10mL)溶液にメタンスルホン酸(2.40mg、24.93μmol)を加えた。混合物を凍結乾燥して表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化メタノール)δ=9.18-8.95(m,1H),8.79(s,1H),8.44-8.29(m,1H),7.73(br d,J=7.3Hz,1H),7.51(d,J=8.3Hz,1H),7.26(t,J=7.6Hz,1H),7.17-7.08(m,1H),6.97(s,1H),6.58-6.31(m,2H),5.83(dd,J=2.1,9.6Hz,1H),5.00(quin,J=6.3Hz,1H),4.57(br s,3H),4.19(s,3H),3.96(s,3H),3.25-3.10(m,2H),2.77-2.62(m,6H),2.48(br s,5H),1.09(d,J=6.3Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:602.3[M+1].
【0062】
実施例2:
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】
本化合物を、実施例1の化合物1Bの方法に従って製造し、化合物1Aを化合物2Aに置き換えた。
【0065】
【化22】
【0066】
本化合物を、実施例1の化合物1Cの方法に従って製造し、化合物1Bを化合物2Bに置き換えた。
【0067】
【化23】
【0068】
化合物2C(11.08g、83.22mmol)の2-MeTHF(400mL)溶液にヨードエタン(65.13g、417.59mmol)、NaOH水溶液(2M、400mL)及びTOMAC(1.67g、4.14mmol)を加えた。混合物を20~30℃で12時間撹拌した。反応を終了させた。反応液を分液し、下層の水相を酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0、体積比)により分離精製し、表題化合物を得た。
H NMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=7.51(td,J=0.9,8.0Hz,1H),7.35(dd,J=0.9,8.2Hz,1H),7.18-7.13(m,2H),7.02(ddd,J=1.1,7.0,8.0Hz,1H),6.27(dd,J=1.0,3.4Hz,1H),4.24(q,J=7.1Hz,2H),1.33(t,J=7.1Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:162.5[M+1].
【0069】
【化24】
【0070】
本化合物を実施例1の化合物1Eの方法に従って製造し、化合物1Dを化合物2Dに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.89(s,1H),8.26-8.21(m,1H),7.79(s,1H),7.41-7.37(m,1H),7.32-7.27(m,1H),7.27-7.23(m,1H),4.32(q,J=7.0Hz,2H),1.38(t,J=7.1Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:190.1[M+1].
【0071】
【化25】
【0072】
本化合物を実施例1の化合物1Fの方法に従って製造し、化合物1Eを化合物2Eに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.28-8.23(m,1H),8.07(s,1H),7.52-7.48(m,1H),7.39-7.31(m,2H),4.41(q,J=7.1Hz,2H),1.47(t,J=7.1Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:205.8[M+1].
【0073】
【化26】
【0074】
本化合物を実施例1の化合物1Gの方法に従って製造し、化合物1Fを化合物2Fに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.32-8.29(m,1H),7.90(s,1H),7.40-7.36(m,1H),7.30-7.22(m,2H),4.32(q,J=6.9Hz,2H),4.14(q,J=7.1Hz,2H),3.78(s,2H),1.38(t,J=7.1Hz,3H),1.20(t,J=7.1Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:276.4[M+1].
【0075】
【化27】
【0076】
本化合物を実施例1の化合物1Hの方法に従って製造し、化合物1Gを化合物2Gに置き換えた。
【0077】
【化28】
【0078】
本化合物を実施例1の化合物1Iの方法に従って製造し、化合物1Hを化合物2Hに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.76(s,1H),8.08(d,J=8.0Hz,1H),7.97(s,1H),7.40(d,J=8.0Hz,1H),7.27-7.21(m,1H),7.19-7.14(m,1H),4.32(q,J=7.1Hz,2H),4.21(q,J=7.1Hz,2H),2.61(s,3H),1.38(t,J=7.0Hz,3H),1.14(t,J=7.1Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:358.2[M+1].
【0079】
【化29】
【0080】
化合物2I(0.74g、2.07mmol)をエタノール(8mL)に溶解して水酸化ナトリウム(2M、4mL)水溶液を加えた。反応系を20~30℃で1時間撹拌した。LCMSによるモニタリング反応を終了させた。反応液を塩酸水溶液(2M)でpH3~4に調整した後に酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧下で濃縮して表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.90(s,1H),8.15(d,J=8.0Hz,1H),8.03(s,1H),7.42-7.38(m,1H),7.24(dt,J=1.1,7.6Hz,1H),7.19-7.16(m,1H),4.30(q,J=7.1Hz,2H),2.62(s,3H),1.36(t,J=7.1Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:330.3[M+1].
【0081】
【化30】
【0082】
化合物2J(0.66g、2.00mmol)及びヨードイソプロパン(1.70g、10.00mmol)をN-Nジメチルホルムアミド(7mL)に溶解し、炭酸セシウム(1.31g、4.01mmol)を加えた。内温40~50℃で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(30mL)を加え、濾過した。濾液を飽和塩化ナトリウム水溶液(7mL×1)で洗浄した。洗浄水相を酢酸エチル(7mL×2)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧下で濃縮し、表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.73(s,1H),8.06(d,J=8.1Hz,1H),7.97(s,1H),7.40(d,J=8.1Hz,1H),7.26-7.21(m,1H),7.19-7.13(m,1H),5.07(spt,J=6.2Hz,1H),4.31(q,J=7.1Hz,2H),2.60(s,3H),1.38(t,J=7.1Hz,3H),1.14(d,J=6.4Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:372.3[M+1].
【0083】
【化31】
【0084】
本化合物を実施例1の化合物1Jの方法に従って製造し、化合物1Iを化合物2Kに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.00(s,1H),8.40-8.35(m,1H),8.22(s,1H),7.54-7.49(m,1H),7.41-7.32(m,2H),5.29(m,1H),4.43(q,J=7.1Hz,2H),3.43(s,3H),1.48(t,J=7.1Hz,3H),1.32(d,J=6.4Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:404.2[M+1].
【0085】
【化32】
【0086】
化合物2L(760mg、1.88mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解してナトリウムtert-ブトキシド(905.17mg、9.42mmol)を加えて25℃で1時間撹拌しながら反応させた。LCMSによるモニタリング反応を終了させた。反応液に水(20mL)を加えてジクロロメタン(20mL×3回)で抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水(20mL×2回)で洗浄し、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、濾液を回転蒸発し、表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化ジメチルスルホキシド)δ=8.51(s,1H),7.98(s,1H),7.72(d,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=8.2Hz,1H),7.26-7.18(m,1H),7.14-7.03(m,1H),4.82-4.71(m,1H),4.40-4.28(m,2H),1.34(t,J=7.0Hz,3H),0.96(d,J=6.3Hz,6H).
【0087】
【化33】
【0088】
化合物2M(640mg、1.87mmol)をオキシ塩化リン(13.20g、86.09mmol)に加えて80℃で1時間撹拌しながら反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、残った残渣に0℃で酢酸エチル(20mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。分液し、有機相を飽和食塩(20mL×1)で洗浄した。分液し、有機相を乾燥して濃縮して表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化ジメチルスルホキシド)δ=8.91(s,1H),8.35(s,1H),8.12(d,J=8.0Hz,1H),7.67-7.55(m,1H),7.39-7.33(m,1H),7.32-7.25(m,1H),5.14(spt,J=6.3Hz,1H),4.42(q,J=7.0Hz,2H),1.35(t,J=7.0Hz,3H),1.21(d,J=6.3Hz,6H).
【0089】
【化34】
【0090】
本化合物を実施例1の化合物1Kの方法に従って製造し、化合物1Jを化合物2Nに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化ジメチルスルホキシド)δ=9.12(s,1H),8.82(d,J=8.4Hz,1H),8.78(s,1H),8.21(s,1H),7.84(br d,J=7.3Hz,1H),7.60-7.49(m,1H),7.41(d,J=13.4Hz,1H),7.33-7.25(m,1H),7.10(t,J=7.4Hz,1H),5.10-4.95(m,1H),4.40(q,J=7.0Hz,2H),3.99(s,3H),1.38-1.34(m,3H),1.15(d,J=6.2Hz,6H).
【0091】
【化35】
【0092】
本化合物を実施例1の化合物1Lの方法に従って製造し、化合物1Kを化合物2Oに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化ジメチルスルホキシド)δ=8.93(s,1H),8.75-8.68(m,1H),8.28(s,1H),8.17(s,1H),7.85(br s,1H),7.55-7.49(m,1H),7.25(t,J=7.6Hz,1H),7.07(br d,J=7.8Hz,1H),6.88-6.76(m,1H),5.02(td,J=6.3,12.4Hz,1H),4.41-4.35(m,2H),3.94-3.89(m,3H),3.30-3.27(m,2H),2.86(s,3H),2.48-2.47(m,2H),2.15(s,6H),1.36-1.32(m,3H),1.18-1.14(m,6H).
【0093】
【化36】
【0094】
本化合物を実施例1の化合物1Nの方法に従って製造し、化合物1Mを化合物2Pに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化ジメチルスルホキシド)δ=8.74-8.65(m,2H),8.01-7.87(m,2H),7.51(d,J=8.2Hz,1H),7.25(br t,J=7.4Hz,1H),7.18-7.06(m,2H),6.80(br s,1H),5.76(s,2H),5.01(td,J=6.2,12.4Hz,1H),4.37(q,J=7.0Hz,2H),3.71(s,3H),2.95-2.90(m,2H),2.65(s,3H),2.40(br d,J=6.4Hz,2H),2.20(s,6H),1.34(t,J=7.0Hz,3H),1.15(d,J=6.2Hz,6H).
【0095】
【化37】
【0096】
本化合物を実施例1の化合物1Oの方法に従って製造し、化合物1Nを化合物2Qに置き換えた。
LCMS(ESI)m/z:616.2[M+1].
【0097】
【化38】
【0098】
本化合物を実施例1の化合物1の方法に従って製造し、化合物1Oを化合物2Rに置き換え、表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化メタノール)δ=8.80(s,1H),8.56(s,1H),8.11(s,1H),7.90(d,J=8.0Hz,1H),7.50(d,J=8.3Hz,1H),7.25(t,J=7.3Hz,1H),7.16-7.08(m,1H),6.96(s,1H),6.50-6.41(m,2H),5.93-5.76(m,1H),5.06(td,J=6.2,12.5Hz,1H),4.41(q,J=7.0Hz,2H),4.01(s,3H),3.52-3.44(m,2H),3.28-3.25(m,2H),2.86(s,6H),2.70(d,J=3.0Hz,6H),1.43(t,J=7.0Hz,3H),1.16(d,J=6.3Hz,6H).
【0099】
実施例3:
【化39】
【0100】
【化40】
【0101】
本化合物を実施例1の化合物1Bの方法に従って製造し、化合物1Aを化合物3Aに置き換えた。
【0102】
【化41】
【0103】
本化合物を実施例1の化合物1Cの方法に従って製造し、化合物1Bを化合物3Bに置き換えた。
【0104】
【化42】
【0105】
化合物3C(1.39g、10.44mmol)の2-MeTHF(50mL)溶液にヨードイソプロパン(8.50g、50mmol)、NaOH水溶液(2M、50mL)及びTOMAC(210mg、519.60μmol)を加えた。混合物を20~30℃で48時間撹拌した。反応を終了させた。反応液を分層し、下層の水相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0、体積比)により分離精製し、表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=7.51(d,J=7.8Hz,1H),7.33(dd,J=0.9,8.2Hz,1H),7.17-7.11(m,2H),7.01(dt,J=1.0,7.6Hz,1H),6.26(dd,J=0.7,3.4Hz,1H),4.47(spt,J=6.2Hz,1H),1.29(d,J=6.4Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:176.5[M+1].
【0106】
【化43】
【0107】
本化合物を実施例1の化合物1Eの方法に従って製造し、化合物1Dを化合物3Dに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.99(s,1H),8.32(d,J=7.6Hz,1H),7.85(s,1H),7.50-7.45(m,1H),7.41-7.31(m,2H),4.65(spt,J=6.2Hz,1H),1.42(d,J=6.1Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:204.5[M+1].
【0108】
【化44】
【0109】
本化合物を実施例1の化合物1Fの方法に従って製造し、化合物1Eを化合物3Eに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.29-8.23(m,1H),8.04(s,1H),7.51-7.46(m,1H),7.38-7.30(m,2H),4.65(spt,J=6.1Hz,1H),1.42(d,J=6.3Hz,6H)。
LCMS(ESI)m/z:220.4[M+1].
【0110】
【化45】
【0111】
本化合物を実施例1の化合物1Gの方法に従って製造し、化合物1Fを化合物3Fに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.42-8.37(m,1H),7.95(s,1H),7.47-7.43(m,1H),7.38-7.30(m,2H),4.69-4.60(m,1H),4.23(q,J=7.2Hz,2H),3.87(s,2H),1.42(d,J=6.4Hz,6H),1.29(t,J=7.2Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:289.9[M+1].
【0112】
【化46】
【0113】
本化合物を実施例1の化合物1Hの方法に従って製造し、化合物1Gを化合物3Gに置き換えた。
【0114】
【化47】
【0115】
本化合物を実施例1の化合物1Iの方法に従って製造し、化合物1Hを化合物3Hに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.84(s,1H),8.18(d,J=8.0Hz,1H),8.02(s,1H),7.47(d,J=8.0Hz,1H),7.32(dt,J=1.1,7.6Hz,1H),7.28-7.23(m,1H),4.64(spt,J=6.2Hz,1H),4.30(q,J=7.3Hz,2H),2.70(s,3H),1.43(d,J=6.3Hz,6H),1.22(t,J=7.2Hz,3H).
LCMS(ESI)m/z:372.3[M+1].
【0116】
【化48】
【0117】
本化合物を実施例2の化合物2Jの方法に従って製造し、化合物2Iを化合物3Iに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.87(s,1H),8.24(d,J=7.8Hz,1H),8.02(s,1H),7.41(d,J=8.1Hz,1H),7.28-7.19(m,2H),4.59-4.49(m,1H),2.68(s,3H),1.32(d,J=5.9Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:344.2[M+1].
【0118】
【化49】
【0119】
本化合物を実施例2の化合物2Kの方法に従って製造し、化合物2Jを化合物3Jに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.81(s,1H),8.19-8.13(m,1H),8.03(s,1H),7.47(d,J=8.1Hz,1H),7.32(dt,J=1.1,7.6Hz,1H),7.27-7.22(m,1H),5.16(spt,J=6.3Hz,1H),4.63(spt,J=6.2Hz,1H),2.69(s,3H),1.43(d,J=6.1Hz,6H),1.23(d,J=6.1Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:386.3[M+1].
【0120】
【化50】
【0121】
本化合物を実施例1の化合物1Jの方法に従って製造し、化合物1Iを化合物3Kに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.00(s,1H),8.41-8.36(m,1H),8.17(s,1H),7.52-7.48(m,1H),7.41-7.31(m,2H),5.38(spt,J=6.2Hz,1H),4.66(spt,J=6.2Hz,1H),3.43(s,3H),1.43(d,J=6.4Hz,6H),1.32(d,J=6.4Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:418.2[M+1].
【0122】
【化51】
【0123】
本化合物を実施例1の化合物1Kの方法に従って製造し、化合物1Jを化合物3Lに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.53(d,J=8.3Hz,1H),8.83(s,1H),8.04(s,1H),7.79(s,1H),7.76(br d,J=8.1Hz,1H),7.40(d,J=8.1Hz,1H),7.24-7.19(m,1H),7.12(dt,J=1.0,7.6Hz,1H),6.70(d,J=12.2Hz,1H),4.95-5.02(m,1H),4.68-4.58(m,1H),3.96(s,3H),1.36(d,J=6.1Hz,6H),1.03(d,J=6.1Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:524.2[M+1].
【0124】
【化52】
【0125】
本化合物を実施例1の化合物1Lの方法に従って製造し、化合物1Kを化合物3Mに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.19(s,1H),8.80(s,1H),8.02(s,1H),7.80-7.72(m,1H),7.68(s,1H),7.38(d,J=8.0Hz,1H),7.18(br d,J=1.0Hz,1H),7.15-7.07(m,1H),6.60(s,1H),4.97(quin,J=6.2Hz,1H),4.62(td,J=6.2,12.4Hz,1H),3.91(s,3H),3.25-3.19(m,2H),2.81(s,3H),2.54-2.47(m,2H),2.20(s,6H),1.35(d,J=6.0Hz,6H),1.02(d,J=6.3Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:606.2[M+1].
【0126】
【化53】
【0127】
本化合物を実施例1の化合物1Nの方法に従って製造し、化合物1Mを化合物3Nに置き換えた。
LCMS(ESI)m/z:576.3[M+1].
【0128】
【化54】
【0129】
本化合物を実施例1の化合物1Oの方法に従って製造し、化合物1Nを化合物3Oに置き換えた。
LCMS(ESI)m/z:630.2[M+1].
【0130】
【化55】
【0131】
本化合物を実施例1の化合物1の方法に従って製造し、化合物1Oを化合物3Pに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化メタノール)δ=8.69(s,1H),8.47(s,1H),7.97(s,1H),7.79(d,J=8.1Hz,1H),7.38(d,J=8.3Hz,1H),7.17-7.10(m,1H),7.04-6.98(m,1H),6.86(s,1H),6.37(s,1H),6.35(d,J=2.7Hz,1H),5.79-5.73(m,1H),4.95(spt,J=6.2Hz,1H),4.57(spt,J=6.1Hz,1H),3.90(s,3H),3.38(t,J=5.6Hz,2H),3.17(t,J=5.6Hz,2H),2.76(s,6H),2.62-2.58(m,6H),1.29(d,J=6.1Hz,6H),1.05(d,J=6.1Hz,6H).
LCMS(ESI)m/z:630.2[M+1].
【0132】
実施例4:
【化56】
【0133】
【化57】
【0134】
化合物4A(10.5g、69.26mmol)を酢酸(50mL)に溶解し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13.06g、207.79mmol)を加え、内温を10℃に制御した。反応液を25℃で1時間撹拌しながら反応させた。TLC(PE/EA=1/0)により原料の消費が完了したことをモニタリングした。反応液に水(30.0mL)を加え、水酸化ナトリウム水溶液(2M)で反応液PH=7~8に調整し、酢酸エチル(80mL×3回)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:0)により精製した後に表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ:6.96-7.05(m,2H),6.63(t,J=7.64Hz,1H),4.00(br s,1H),3.63(t,J=8.44Hz,2H),3.12(t,J=8.44Hz,2H)
【0135】
【化58】
【0136】
タングステン酸ナトリウム(2.26g、6.86mmol)を水(30mL)に溶解し、-20℃で化合物4B(6.2g、40.36mmol)のメタノール(300mL)溶液に滴下した。過酸化水素水(39.35g、347.12mmol、30%含有量)をメタノール(100mL)に溶解して反応液にゆっくりと滴下した。滴下終了後、25℃で3時間撹拌した。反応液に炭酸カリウム(44.63g、322.90mmol)及び硫酸ジメチル(8.15g、64.58mmol)を加え、25℃で15分間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)により原料の消費が完了したことを示した。反応液を濾過し、濾液に水(200.0mL)を加え、酢酸エチル(300mL×3回)で抽出し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=1/0)により精製して表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 7.48(dd,J=7.97,0.82Hz,1H),7.28(d,J=3.39Hz,1H),7.22(dd,J=7.65,0.63Hz,1H),7.00-7.06(m,1H),6.39(d,J=3.51Hz,1H),4.13(s,3H)
【0137】
【化59】
【0138】
本化合物を実施例1の化合物1Eの方法に従って製造し、化合物1Dを化合物4Cに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 9.98(s,1H),8.22-8.28(m,1H),7.91(s,1H),7.33-7.37(m,1H),7.21-7.27(m,1H),4.22(s,3H).
【0139】
【化60】
【0140】
本化合物を実施例1の化合物1Fの方法に従って製造し、化合物1Eを化合物4Dに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 8.17(dd,J=8.01,0.79Hz,1H),8.08(s,1H),7.30-7.34(m,1H),7.20-7.26(m,1H),4.21(s,3H).
【0141】
【化61】
【0142】
本化合物を実施例1の化合物1Gの方法に従って製造し、化合物1Fを化合物4Eに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 8.34(dd,J=8.00,1.00Hz,1H),8.00(s,1H),7.31-7.34(m,1H),7.20-7.25(m,1H),4.22-4.26(m,2H),4.21(s,3H),3.85(s,2H),1.27-1.31(m,3H).
【0143】
【化62】
【0144】
本化合物を実施例1の化合物1Hの方法に従って製造し、化合物1Gを化合物4Fに置き換えた。
【0145】
【化63】
【0146】
本化合物を実施例1の化合物1Iの方法に従って製造し、化合物1Hを化合物4Gに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 8.88(s,1H),7.93-8.11(m,2H),7.29(dd,J=7.75,0.75Hz,1H),7.09-7.22(m,1H),4.29(q,J=7.13Hz,2H),4.20(s,3H),2.66(s,3H),1.25-1.33(m,3H).
【0147】
【化64】
【0148】
本化合物を実施例2の化合物2Jの方法に従って製造し、化合物2Iを化合物4Hに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 9.00(s,1H),8.05-8.10(m,2H),7.29(dd,J=7.75,0.75Hz,1H),7.13-7.19(m,1H),4.19(s,3H),2.67(s,3H),
【0149】
【化65】
【0150】
本化合物を実施例2の化合物2Kの方法に従って製造し、化合物2Jを化合物4Iに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 8.85(s,1H),7.98-8.05(m,2H),7.27-7.30(m,1H),7.12-7.17(m,1H),5.15(m,1H),4.20(s,3H),2.66(s,3H),1.24(s,3H),1.23(s,3H),
【0151】
【化66】
【0152】
本化合物を実施例1の化合物1Jの方法に従って製造し、化合物1Iを化合物4Jに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 9.03(s,1H),8.28(d,J=8.07Hz,1H),8.20(s,1H),7.34(d,J=7.58Hz,1H),7.21-7.26(m,1H),5.28(m,1H),4.22(s,3H),3.41(s,3H),1.33(s,3H),1.32(s,3H)
【0153】
【化67】
【0154】
本化合物を実施例2の化合物2Mの方法に従って製造し、化合物2Lを化合物4Kに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 8.37-8.94(m,1H),8.17(s,1H),7.78-8.04(m,1H),7.29(br d,J=7.70Hz,1H),7.15(br t,J=7.89Hz,1H),5.03-5.12(m,1H),4.23(s,3H),1.20(br s,3H),1.18(br s,3H).
【0155】
【化68】
【0156】
本化合物を実施例2の化合物2Nの方法に従って製造し、化合物2Mを化合物4Lに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 8.85(s,1H),8.15(s,1H),8.13(dd,J=8.13,1.00Hz,1H),7.32(dd,J=7.69,0.81Hz,1H),7.18-7.23(m,1H),5.21(m,1H),4.20(s,3H),1.29(s,3H),1.27(s,3H).
【0157】
【化69】
【0158】
本化合物を実施例1の化合物1Kの方法に従って製造し、化合物1Jを化合物4Mに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 9.65(d,J=8.25Hz,1H),8.95(s,1H),8.12(s,1H),7.90(s,1H),7.68(br d,J=8.25Hz,1H),7.29(d,J=0.75Hz,1H),7.11(t,J=7.88Hz,1H),6.79(d,J=12.01Hz,1H),5.07(m,1H),4.27(s,3H),4.05(s,3H),1.15(s,3H),1.14(s,3H)
【0159】
【化70】
【0160】
本化合物を実施例1の化合物1Lの方法に従って製造し、化合物1Kを化合物4Nに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ 9.34(s,1H),8.93(s,1H),8.09(s,1H),7.85(s,1H),7.70(br d,J=5.62Hz,1H),7.24-7.26(m,1H),7.08-7.14(m,1H),6.80-6.87(m,1H),5.07(m,1H),4.26(s,3H),4.05(s,3H),3.50(s,4H),2.91(s,3H),2.44-2.68(m,6H),1.15(s,3H),1.14(s,3H)
【0161】
【化71】
【0162】
本化合物を実施例1の化合物1Nの方法に従って製造し、化合物1Mを化合物4Oに置き換えた。
【0163】
【化72】
【0164】
本化合物を実施例1の化合物1Oの方法に従って製造し、化合物1Nを化合物4Pに置き換えた。
【0165】
【化73】
【0166】
本化合物を実施例1の化合物1の方法に従って製造し、化合物1Oを化合物4Qに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化メタノール)δ 9.06(br s,1H),8.83(d,J=0.88Hz,1H),8.39(br s,1H),7.65(br d,J=6.88Hz,1H),7.23(br d,J=7.63Hz,1H),7.06(br t,J=7.82Hz,1H),6.97(br s,1H),6.50-6.58(m,1H),6.40-6.47(m,1H),5.83(br d,J=9.76Hz,1H),4.96-5.07(m,1H),4.19(s,3H),3.95(s,3H),3.16(br s,2H),2.65-2.70(m,5H),2.44(s,6H),1.43(t,J=7.0Hz,3H),1.12(s,3H),1.10(s,3H).
【0167】
実施例5:
【化74】
【0168】
【化75】
【0169】
本化合物を実施例4の化合物4Bの方法に従って製造し、化合物4Aを化合物5Aに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=7.17(dd,J=0.6,8.1Hz,1H),7.04(dd,J=1.1,7.2Hz,1H),6.62-6.52(m,1H),4.08-3.71(m,1H),3.62(t,J=8.5Hz,2H),3.16(t,J=8.5Hz,2H).
【0170】
【化76】
【0171】
本化合物を実施例4の化合物4Cの方法に従って製造し、化合物4Bを化合物5Bに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=7.53(dd,J=0.8,7.9Hz,1H),7.41(d,J=7.6Hz,1H),7.30(d,J=3.5Hz,1H),6.98(t,J=7.8Hz,1H),6.39(d,J=3.5Hz,1H),4.11(s,3H).
【0172】
【化77】
【0173】
本化合物を実施例1の化合物1Eの方法に従って製造し、化合物1Dを化合物5Cに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=10.02-9.84(m,1H),8.28(dd,J=0.8,7.9Hz,1H),8.01(s,1H),7.55-7.46(m,1H),7.16(t,J=7.8Hz,1H),4.20(s,3H).
【0174】
【化78】
【0175】
本化合物を実施例1の化合物1Fの方法に従って製造し、化合物1Eを化合物5Dに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.22(d,J=7.9Hz,1H),8.09(s,1H),7.50(d,J=7.5Hz,1H),7.16(t,J=7.9Hz,1H),4.25(s,3H).
【0176】
【化79】
【0177】
本化合物を実施例1の化合物1Gの方法に従って製造し、化合物1Fを化合物5Eに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.40(d,J=0.9,8.1Hz,1H),8.02(s,1H),7.51(d,J=0.7,7.6Hz,1H),7.17(t,J=7.9Hz,1H),4.25-4.20(m,5H),3.85(s,2H),1.32-1.27(m,3H).
LCMS(ESI)m/z:342.1[M+1].
【0178】
【化80】
本化合物を実施例1の化合物1Hの方法に従って製造し、化合物1Gを化合物5Fに置き換えた。
【0179】
【化81】
【0180】
本化合物を実施例1の化合物1Iの方法に従って製造し、化合物1Hを化合物5Gに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.88(s,1H),8.32-7.96(m,2H),7.67-7.37(m,1H),7.09(t,J=7.9Hz,1H),4.29(q,J=7.1Hz,2H),4.19(s,3H),2.66(s,3H),1.24(t,J=7.1Hz,3H)
LCMS(ESI)m/z:421.9[M+1].
【0181】
【化82】
【0182】
化合物5H(1g、2.37mmol)及びシクロプロピルボロン酸(407mg、4.74mmol)をトルエン(5mL)及び水(5mL)に溶解し、炭酸セシウム(926mg、2.84mmol)及びPd(dppf)Cl.CHCl(200mg、244.91μmol)を加え、窒素雰囲気下で、100℃で16時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮し、残渣に水(10mL)を加え、かつ酢酸エチル(10mL×2回)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧下で濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=50:1 to 20:1)により精製して表題化合物を得た。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.83(s,1H),8.00(s,1H),7.94(d,J=8.0Hz,1H),7.14(t,J=7.7Hz,1H),6.87(d,J=7.4Hz,1H),4.29(q,J=7.2Hz,2H),4.18(s,3H),2.67(s,3H),1.27(s,1H),1.22(t,J=7.1Hz,3H),1.08-1.03(m,2H),0.89-0.86(m,2H).
【0183】
【化83】
【0184】
本化合物を実施例2の化合物2Jの方法に従って製造し、化合物2Iを化合物5Iに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化メタノール)δ=8.80(s,1H),8.22-8.13(m,1H),8.01(dd,J=0.8,8.1Hz,1H),7.11(t,J=7.8Hz,1H),6.88(d,J=7.4Hz,1H),4.20(s,3H),2.67(s,3H),1.21-1.16(m,1H),1.10-1.04(m,2H),0.88-0.83(m,2H).
【0185】
【化84】
【0186】
本化合物を実施例2の化合物2Kの方法に従って製造し、化合物2Jを化合物5Jに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.82-8.77(m,1H),8.00(s,1H),7.92(dd,J=0.7,8.1Hz,1H),7.13(t,J=7.8Hz,1H),6.87(d,J=7.4Hz,1H),5.14(m,1H),4.17(s,3H),2.67(s,3H),1.28-1.25(m,1H),1.22(d,J=6.3Hz,6H),1.07-1.01(m,2H),0.90-0.84(m,2H).
【0187】
【化85】
【0188】
本化合物を実施例1の化合物1Jの方法に従って製造し、化合物1Iを化合物5Kに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.99(s,1H),8.15(s,1H),8.12(d,J=7.6Hz,1H),7.22(t,J=7.8Hz,1H),6.92(d,J=7.5Hz,1H),5.26(m,1H),4.20(s,3H),3.41(s,3H),2.67(tt,J=5.3,8.4Hz,1H),1.33-1.28(m,6H),1.10-1.05(m,2H),0.91-0.86(m,2H).
【0189】
【化86】
【0190】
本化合物を実施例2の化合物2Mの方法に従って製造し、化合物2Lを化合物5Lに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.01-8.60(m,1H),8.14(br s,1H),7.81-7.33(m,1H),7.09(br t,J=7.4Hz,1H),6.85(br d,J=7.3Hz,1H),5.09-4.95(m,1H),4.29(s,3H),2.71-2.60(m,1H),1.12(br d,J=5.6Hz,6H),1.04(br d,J=8.2Hz,2H),0.85(br d,J=4.8Hz,2H).
【0191】
【化87】
【0192】
本化合物を実施例2の化合物2Nの方法に従って製造し、化合物2Mを化合物5Mに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.84-8.76(m,1H),8.17-8.09(m,1H),8.00(dd,J=0.7,8.1Hz,1H),7.18(t,J=7.8Hz,1H),6.90(d,J=7.4Hz,1H),5.19(spt,J=6.3Hz,1H),4.19(s,3H),2.67(tt,J=5.3,8.4Hz,1H),1.26(d,J=6.4Hz,6H),1.08-1.03(m,2H),0.90-0.85(m,2H).
【0193】
【化88】
【0194】
本化合物を実施例1の化合物1Kの方法に従って製造し、化合物1Jを化合物5Nに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.71(d,J=8.3Hz,1H),8.91(s,1H),8.13(s,1H),7.87(s,1H),7.61-7.50(m,1H),6.85(d,J=7.3Hz,1H),6.78(d,J=12.0Hz,1H),5.05(td,J=6.3,12.5Hz,1H),4.26(s,3H),4.04(s,3H),2.75-2.65(m,1H),1.11(d,J=6.1Hz,6H),1.07-1.04(m,2H),0.89-0.85(m,2H).
【0195】
【化89】
【0196】
本化合物を実施例1の化合物1Lの方法に従って製造し、化合物1Kを化合物5Oに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=9.38(br s,1H),8.88(s,1H),8.12(s,1H),7.78(s,1H),7.54(br d,J=5.9Hz,1H),7.08(t,J=7.7Hz,1H),6.84(d,J=7.4Hz,1H),6.67(s,1H),5.03(td,J=6.3,12.5Hz,1H),4.25(s,3H),3.98(s,3H),3.32-3.27(m,2H),2.90(s,3H),2.74-2.67(m,1H),2.58(t,J=7.1Hz,2H),2.27(s,6H),1.10(br d,J=6.3Hz,6H),1.06-1.01(m,2H),0.87-0.83(m,2H).
【0197】
【化90】
【0198】
本化合物を実施例1の化合物1Nの方法に従って製造し、化合物1Mを化合物5Pに置き換えた。
HNMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δ=8.88(s,2H),8.17(br d,J=13.3Hz,1H),7.98(br s,3H),7.17(br s,1H),7.05-6.96(m,1H),6.89(br d,J=16.5Hz,1H),6.73(br s,1H),5.11(br d,J=6.3Hz,1H),4.19(br s,3H),3.85(br s,3H),2.78(br s,2H),2.56(br s,6H),2.42(br s,2H),2.27(br s,3H),1.24(br s,6H),1.07-1.03(m,2H),0.83-0.76(m,2H).
【0199】
【化91】
【0200】
本化合物を実施例1の化合物1Oの方法に従って製造し、化合物1Nを化合物5Qに置き換えた。
【0201】
【化92】
【0202】
本化合物を実施例1の化合物1の方法に従って製造し、化合物1Oを化合物5Rに置き換えた。
1HNMR(400MHz,重水素化メタノール)δ=8.77(s,1H),8.46(br s,1H),8.13(s,1H),7.71(d,J=7.9Hz,1H),7.01(t,J=7.8Hz,1H),6.96(s,1H),6.82(d,J=7.6Hz,1H),6.48-6.42(m,2H),5.91-5.77(m,1H),5.07(td,J=6.2,12.5Hz,1H),4.18(s,3H),3.99(s,3H),3.52-3.46(m,2H),3.27-3.24(m,2H),2.86(s,6H),2.70(d,J=4.8Hz,6H),1.28(s,1H),1.17(d,J=6.2Hz,6H),1.10-1.04(m,2H),0.85-0.80(m,2H).
【0203】
実験例1:異なる種の血漿における化合物の安定性試験
本研究では、材料としてマウス、SDラット、ビーグル犬、カニクイザル及びヒト血漿を用いて、前記5種の血漿における被験化合物の安定性を調べた。対照化合物としてプロバンサイン(Propantheline)、エナラプリル(Enalapril)、ビサコジル(Bisacodyl)及びプロカイン(Procaine)を用いた。
被験化合物の実験条件は以下のとおりである。
-試験濃度:2μM(DMSO≦0.5%);
-インキュベート時間:0、10、30、60及び120分間;
-試験システムは凍結血漿(多くの種から)を使用する
-インキュベート条件:37℃
実験前に、混合凍結血漿を37℃の水浴中で解凍した。血漿を4000回転/分で5分間遠心分離し、凝集塊があれば除去した。必要に応じて、pH値を7.4±0.1に調整した。
1mMの化合物及び陽性対照品の中間液を、10mMの貯蔵液を90μlのジメチルスルホキシドで希釈して調製した。20μlの中間液(1mM)を180μlの45%メタノール/水で希釈することにより100μMの溶液を調製した。
100μMの溶液2μlを98μlのブランク血漿に加えて最終濃度2μM(2連)のサンプルを得、サンプルを37℃の水浴中でインキュベートした。各時点(0、10、30、60及び120min)で、400μlの停止液(200ng/mlのトルエンスルホニル尿素及び200ng/mlのラベタロール、50%ACN/MeOH)を加えてタンパク質を沈殿させて十分に混合した。
サンプルプレートを4000回転/分で10分間遠心分離した。各ウェルから上清液(50μl)を少量ずつ移し、100μlの超純水と混合した。LC-MS/MS分析を行う前に、サンプルを800rpmで約10分間振とうした。
データ処理に使用する式は以下のとおりである。
%残量=(いずれかの時点における対照品と内部標準物質とのピーク面積比/0分における対照品と内部標準物質とのピーク面積比)×100%
実験結果:表1及び2参照。
【表1】
【表2】
実験結論:
表1-1及び1-2から明らかなように、本発明に係る化合物は、異なる種において優れた血漿安定性を有する。
【0204】
実験例2:生化学実験
実験目的:EGFR WT、EGFR(D770_N771insNPG)、ERBB2(V777_G778ins>CG)、EGFR T790M/L858R酵素活性に対する化合物の阻害効果の検出
実験材料:
EGFR WT(Invitrogen,Cat.No.PR7295B),EGFR[L858R](Invitrogen,Cat.No.PR7447A),EGFR[d746-750](Invitrogen,Cat.No.PV6179),ATP(Sigma,Cat.No.A7699-1G),DMSO(Sigma,Cat.No.D2650),DTT(Sigma,Cat.No.43815),384ウェルプレート,化合物希釈プレート(Greiner,Cat.No.781280),384ウェルプレート,試験プレート(Perkin Elmer,Cat.No.6007299),HTRF KinEASE TK Kit(Cisbio,Cat.No.62TK0PEB),塩化マグネシウム(Sigma,Cat.No.M1028),Orthovanadate(Sigma,Cat.No.S6508),BSA(Sigma,Cat.No.A7030),HEPES(Life technology,Cat.No.11344-041)
実験方法:
化合物の最終試験濃度:
被験化合物の最終試験濃度は10μMから0.17nMまでで、3倍で勾配希釈し、11個の濃度であった。
キナーゼ検出:
50mM HEPES(pH7.5)、0.01%BSA、5mMの塩化マグネシウム、0.1mM Orthovanadateを含む緩衝液を調製した。緩衝液を調製した後、酵素及び基質を、予め希釈して調製した異なる濃度の化合物と混合し、室温で15分間放置した。ATPを加えて反応を開始し、室温で60分間インキュベートした(陰陽対照を設定した)。10μLの反応系には、2.5μLの化合物、5μLの酵素及び基質の混合物、及び2.5μLのATPが含まれる。反応終了後に抗体を加えて検出し、室温で60分間インキュベートした後にEnvision(プレートリーダー)で検出し、データを収集した。XLfit5ソフトウェア(データ解析ソフトウェア)に従ってデータ解析及びプロットを行った。
実験結果:表3参照。
【表3】
実験結論:
本発明に係る化合物はEGFRエクソン20挿入突然変異及びERBB2エクソン20挿入突然変異の両方に対して優れた酵素活性を有し、同時にL858R及びT790M二重突然変異に対しても優れた酵素活性を有する。
【0205】
実験例3:細胞に対する化合物の抗増殖実験
(1)LU-0387(EGFRエクソン20NPH挿入突然変異)細胞抗増殖活性試験
実験材料:
ウシ胎児血清FBS、CellTiter Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイ、96ウェル透明平底黒壁板
実験機器:
EnVisionマルチラベルマイクロプレート検出器、パーキンエルマー機器有限公司、型番:2104-0010A;
COインキュベーター、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社、Model 3100 Series;
バイオセキュリティキャビネット、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社、Model 1300 Series A2;
倒立顕微鏡、オリンパス、型番:CKX41SF;
電子天秤、メトラー-トレド、型番:AL-104;
冷蔵庫、シーメンス、型番:KK25E76TI。
実験ステップ:
細胞計数機で細胞計数を行い、細胞生存率を測定し、各細胞系の生存率が90%以上であることを確保し、細胞懸濁液を96ウェルプレートに加えて細胞密度が指定の濃度になるようにし、37℃、5%CO、95%湿度条件下で一晩培養した。T0プレートに培養液を補充し、CTG試薬を融解して細胞プレートを室温まで平衡化した。各ウェルにCTG溶液を加えた。振動によって細胞を溶解し、冷光値を読み取った。被験化合物及び参照薬を勾配希釈し、10倍溶液を得た。細胞を接種した96ウェルプレートに、1ウェル当たり10μlの薬物溶液を加えた。37℃、5%CO、95%湿度条件下で4日間培養を続け、それぞれCTG分析を行い、冷光値を読み取った。GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを用いてデータを解析し、これからIC50値を計算した。
実験結果:LU-0387細胞EGFRエクソン20挿入突然変異NPHに対する本発明に係る化合物のIC50データを表4に示した。
実験結論:本発明に係る化合物は、EGFRエクソン20挿入突然変異の優れた阻害活性を示した。
(2)化合物のH1975細胞の抗増殖活性及びA431細胞の抗増殖活性IC50試験
実験材料:
RPMI1640培地、FBSウシ胎児血清、トリプシン-EDTAは、いずれもGibocoから購入した。DPBSはCorningから、ペニシリン/ストレプトマイシン溶液はHycloneから、Cell-Titer Glo reagentはPromega(1kit、カタログ番号G7571)から購入した。プレートリーダー:Envision(PerkinElmer)。
実験方法:
384ウェルプレート1、2、24列に45μLの培地を加え、細胞懸濁液をMulti-dropで分液し、1ウェル当たり45μL(1000個の細胞)をインキュベーターに入れて一晩培養した。化合物をEcho分液要求に応じてsourceプレートに加え、sourceプレート中の化合物をinterプレートに加えて中間濃度に希釈し、さらにsourceプレート及びinterプレート中の化合物を細胞プレートに加え、細胞をインキュベーター中で72時間培養し続けた。72時間後、Cell-Titer Glo reagent及び細胞を取り出して室温で30min平衡化し、Multi-dropで25μL Cell-Titer Glo reagentを384ウェルプレート細胞に分液し、中速で3min振とうし、1000rpmで2min遠心分離し、10min静置した。Envisionプレートリーダー(Luminescence)。
本発明に係る化合物のH1975細胞の抗増殖活性IC50及びA431細胞の抗増殖活性IC50のデータを表4に示した。
【表4】
実験結論:
本発明に係る化合物はH1975(L858R/T790M)細胞、LU0387 EGFR-H773_V774insNPH(エクソン20挿入突然変異)に対して非常に良好な抗増殖活性を有し、同時にA431(EGFR野生型)に対して弱い阻害作用を有し、本発明に係る化合物がより優れた選択性を有することを示した。
【0206】
実験例4:Ba/F3エクソン20挿入突然変異細胞に対する化合物の抗増殖実験
実験材料:
RPMI1640培地はHycloneから、FBSウシ胎児血清はGBICOから、トリプシン-EDTAはGibocoから購入した。DPBSはCorningから、ペニシリン/ストレプトマイシン溶液はHyclone、Cell-Titer Glo reagentはPromega(カタログ番号G7572)から購入した。Ba/F3 EGFR-D770_N771insSVD、Ba/F3 EGFR-H773_V774insNPH、Ba/F3 EGFR-V769_D770insASV、BaF3 ERBB2 A775 _G776 ins YVMA、細胞株は北京康源博創生物科技有限公司によって構築された。プレートリーダー:Envision(PerkinElmer)。
実験方法:
対数増殖期にある細胞を回収して血小板カウンタを用いて細胞計数を行った。トリパンブルー排除法を用いて細胞生存率を測定した。細胞濃度を調整し、細胞懸濁液をそれぞれ96ウェルプレートに加えた。96ウェルプレート中の細胞を37℃、5%CO、95%湿度条件下で一晩培養した。薬物溶液を調製し、細胞を接種した96ウェルプレートに1ウェル当たり10μLの薬物溶液を加え、薬物濃度ごとに3つの同一のウェルを設定した。投与した96ウェルプレート中の細胞を37℃、5%CO、95%湿度条件下で72時間培養し続けた後、CTG分析を行い、オービタルシェーカー上で振とうして細胞を溶解させた。細胞プレートを室温に置いて冷光信号を安定化し、冷光値を読み取った。GraphPad Prism7.0ソフトウェアを用いてデータを解析し、非線形S曲線回帰を用いてデータをフィッティングして投与量-効果曲線を得て、それからIC50値を計算した。
Ba/F3Exon20挿入突然変異細胞に対する本発明に係る化合物の抗増殖活性IC50を表5に示した。
【表5】
実験結論:
Ba/F3エクソン20挿入突然変異細胞は、マウスB細胞を用いて人工的に構築されたSVD、NPH、ASV、YVMA挿入突然変異を有する細胞系であり、表5から明らかなように、本発明に係る化合物はSVD、NPH、ASV、YVMAなどの突然変異頻度の高いエクソン20挿入突然変異に対していずれも優れた細胞抗増殖活性を有し、SVD突然変異などの一般的なエクソン20挿入突然変異に対しても優れた細胞抗増殖活性を示した。
【0207】
実験例5:マウス肺がんNCI-H1975細胞皮下異種移植腫瘍BALB/cヌードマウスモデルのインビボ薬力学的研究
細胞培養:
ヒト肺がんNCI-H1975細胞を、1640培地に10%ウシ胎児血清、1%二重抗体を加え、37℃5%COインキュベーターで培養するという培養条件下で、インビトロで単層培養した。週2回、通常の処理を行って継代した。細胞飽和度が80%~90%であり、数が要求に達したとき、細胞を回収し、計数し、接種した。
動物:
BALB/c nudeヌードマウス、雌性、6~8週齢、体重18~22g。上海西普爾-必凱実験動物有限公司又はその他の資質のあるサプライヤーによって提供される。
腫瘍接種:
ヒト肺がん異種移植モデルH1975腫瘍担持マウスから腫瘍組織を採取し、直径2~3mmの腫瘍塊に切断してBalb/cヌードマウスの右前肩甲に皮下接種し、腫瘍の平均体積145mmを測定したところ、腫瘍の大きさに応じてランダムに群分けし、群分け日を0日目と定義した。
腫瘍測定及び実験指標:
実験指標は、腫瘍増殖が阻害、遅延、又は治癒されたか否かを調べることである。腫瘍直径をノギスで週2回測定した。腫瘍体積の計算式は、V=0.5a×bであり、a及びbはそれぞれ腫瘍の長径及び短径を表す。化合物の腫瘍阻害効果をTGI(%)又は相対腫瘍増殖率T/C(%)で評価した。TGI(%)は、腫瘍増殖阻害率を反映した。TGI(%)の計算:TGI(%)=[(1-(ある処置群の投与終了時の平均腫瘍体積-当該処置群の投与開始時の平均腫瘍体積))/(溶媒対照群の治療終了時の平均腫瘍体積-溶媒対照群の治療開始時の平均腫瘍体積)]×100%。相対腫瘍増殖率T/C(%)の計算式は、T/C%=TRTV/CRTV×100%(TRTV:治療群RTV、CRTV:陰性対照群RTV)である。腫瘍測定の結果に基づいて相対腫瘍体積(relative tumor volume、RTV)を計算し、計算式はRTV=V/Vであり、ここでVは群分け投与時(即ちd)に測定された平均腫瘍体積であり、Vはある測定時の平均腫瘍体積であり、TRTV及びCRTVは同じ日のデータを取った。実験終了後に腫瘍重量を測定し、T/Cweight百分率を計算し、Tweight及びCweightはそれぞれ投与群及び溶媒対照群の腫瘍重量を示した。
実験結果:図1、2及び表6参照。
実験結論:
図1、2及び表6の腫瘍体積データから明らかなように、本発明に係る化合物は抗腫瘍効果が顕著であり、TGIが105%に達し、腫瘍縮小効果を達成した。
【表6】
【0208】
実験例6:マウスBa/F3 EGFR D770_N771 ins SVD皮下同種移植腫瘍モデルにおける化合物の増殖阻害作用
実験目的:
Ba/F3(EGFR-D770_N771insSVD)細胞は、マウスB細胞を用いて人工的に構築されたEGFR-D770_N771insSVD挿入突然変異を有する細胞系であり、当該細胞系によって構築されたCDXモデルを用いて動物体内におけるExon 20 EGFR-D770_N771insSVD挿入突然変異に対する好ましい化合物の阻害効果を評価した。
実験材料:
ヌードマウス(BALB/c Nude)、Ba/F3(EGFR-D770_N771insSVD)細胞株
実験方法:
1.細胞培養:RPMI-1640(細胞培養液)に10%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリン及び100μg/mLストレプトマイシンを加え、37℃、5%COインキュベーターで培養するという培養条件下で、細胞のインビトロ単層培養を行った。週2回パンクレアチン-EDTAによる通常の消化処理を行って継代した。細胞Ba/F3(EGFR-D770_N771insSVD飽和度が80%~90%であり、数が要求に達したとき、細胞を回収し、計数した。密度が5×10個の細胞であった。
2.細胞接種:0.2mL(5×10個を含む)のBa/F3(EGFR-D770_N771insSVD)細胞懸濁液(PBS:Matrigel=1:1)を各マウスの右後背に皮下接種し、合計64匹のマウスに接種した。接種後7日目に、腫瘍平均体積が133mmに達することを測定したところ、腫瘍体積及び動物体重に基づいてランダム層別群分け方法を用いて群分け投与を開始した。PBSはリン酸緩衝液であり、Matrigelはマトリゲルである。
3.投与:投与量0~7日:10mg/kg、8~21日:40mg/kg、経口投与、投与頻度、1日1回×3週間。
腫瘍測定及び実験指標
腫瘍直径をノギスで週2回測定した。腫瘍体積の計算式は、V=0.5a×bであり、a及びbはそれぞれ腫瘍の長径及び短径を表す。
化合物の腫瘍阻害効果をTGI(%)又は相対腫瘍増殖率T/C(%)で評価した。
相対腫瘍増殖率T/C(%)=TRTV/CRTV×100%(TRTV:治療群平均RTV、CRTV:溶媒対照群平均RTV)。
腫瘍測定の結果に基づいて相対腫瘍体積(relative tumor volume、RTV)を計算し、計算式はRTV=V/Vであり、ここでVは群分け投与時(即ちD)に測定された腫瘍体積であり、Vはマウスのある測定時に対応する腫瘍体積であり、TRTV及びCRTVは同じ日のデータを取った。
TGI(%)は、腫瘍増殖阻害率を反映した。TGI(%)=[(1-(ある処置群の投与終了時の平均腫瘍体積-当該処置群の投与開始時の平均腫瘍体積))/(溶媒対照群の治療終了時の平均腫瘍体積-溶媒対照群の治療開始時の平均腫瘍体積)]×100%。
実験終了後に腫瘍重量を測定し、T/C(%)を計算し、T及びCはそれぞれ投与群及び溶媒対照群の腫瘍重量を表す。
実験結果:表7及び図3、4参照。
【表7】
実験結論:
図3、4及び表7の腫瘍体積データから明らかなように、Ba/F3(EGFR-D770_N771insSVD)皮下同種移植腫瘍のインビボ薬効モデルにおいて、本発明に係る化合物は腫瘍増殖に対して顕著な阻害作用を有する。
【0209】
実験例7:HuPrime(登録商標)肺がんLU0387皮下異種移植BALB/C雌性ヌードマウスモデルにおける化合物の増殖阻害作用
実験目的:
HuPrime(登録商標)肺がんLU0387皮下異種移植BALB/cヌードマウス動物モデルにおける試験薬物の抗腫瘍作用を評価した。
実験材料:
BALB/c Nudeマウス、雌性、7~8週齢、HuPrime(登録商標)肺がん異種移植モデルLU0387腫瘍担持マウス腫瘍組織
実験方法:
BALB/c ヌードマウスにHuPrime(登録商標)モデルLU0387腫瘍塊を皮下接種し、ヒト肺がん皮下移植腫瘍モデルを構築した。試験は溶媒対照群、試験薬群に分けた。胃内投与し、1日1回、21日間連続投与した。相対腫瘍阻害率(TGI)に基づいて治療効果評価を行い、動物の体重変化及び死亡状況に基づいて安全性評価を行った。
腫瘍測定及び実験指標
腫瘍直径をノギスで週2回測定した。腫瘍体積の計算式は、V=0.5a×bであり、a及びbはそれぞれ腫瘍の長径及び短径を表す。
化合物の腫瘍阻害効果をTGI(%)又は相対腫瘍増殖率T/C(%)で評価した。
相対腫瘍増殖率T/C(%)=TRTV/CRTV×100%(RTV:治療群平均RTV、CRTV:溶媒対照群平均RTV)。
腫瘍測定の結果に基づいて相対腫瘍体積(relative tumor volume、RTV)を計算し、計算式はRTV=V/Vであり、ここでVは群分け投与時(即ちD0)に測定された腫瘍体積であり、Vtはマウスのある測定時に対応する腫瘍体積であり、TRTV及びCRTVは同じ日のデータを取った。
TGI(%)は、腫瘍増殖阻害率を反映した。TGI(%)=[(1-(ある処置群の投与終了時の平均腫瘍体積-当該処置群の投与開始時の平均腫瘍体積))/(溶媒対照群の治療終了時の平均腫瘍体積-溶媒対照群の治療開始時の平均腫瘍体積)]×100%。
実験終了後に腫瘍重量を測定し、T/C(%)を計算し、T及びCはそれぞれ投与群及び溶媒対照群の腫瘍重量を表す。
実験結果:表8及び図5、6参照。
実験結論:
図5、6及び表8の腫瘍体積データから明らかなように、HuPrime(登録商標)肺がんLU0387皮下異種移植BALB/cヌードマウス動物モデルにおいて、本発明に係る化合物は腫瘍成長に対して顕著な阻害作用を有し、TGI=114%であり、腫瘍縮小効果を達成した。
【表8】
【0210】
実験例8:マウス、ラット、ビーグル犬の単回静脈投与と経口投与の薬物動態研究
実験目的:
本実験は被験化合物の単回静脈及び単回経口投与後、異なる種の体内における化合物の薬物動態(PK)状況を研究することを目的とする。
サンプル収集及び製造:
静脈注射又は経口投与後、動物の血液サンプルを採取し、実際の採血時間を記録した。血液サンプルを採取した後、直ちにラベルを貼付したK2-EDTA入り遠心分離管に移し、その後遠心処理して血漿を採取した。血漿を予め冷却した遠心分離管に移し、ドライアイス中で急速凍結し、LC-MS/MS分析を行うまで、-70±10°C超低温冷蔵庫に保存した。
薬物動態データの分析:
薬物動態ソフトウェアを用いて、非コンパートメントモデルで化合物の血漿薬物濃度データを処理した。ピーク到達濃度(Cmax)及びピーク到達時間(Tmax)ならびに最終定量可能時点は、血中濃度-タイムチャートから直接得られた。以下の薬物動態パラメータ:半減期(T1/2)、見掛け分布容積(Vdss)及びクリアランス(Cl)、0時間から無限大時間までの時間-血漿濃度曲線下面積(AUC0-last)、初期濃度(C)を、対数線形台形法を用いて計算した。
実験結果:表9-1、表9-2、表9-3参照
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
実験結論:
本発明に係る化合物は、マウス、ラット及び犬において経口吸収が比較的良く、暴露量が高く、バイオアベイラビリティに優れ、PK性質に優れている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6