(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】チアゾール-5-カルボン酸誘導体、並びにその製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
C07D 277/56 20060101AFI20221011BHJP
C07D 417/06 20060101ALI20221011BHJP
C07H 13/10 20060101ALI20221011BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20221011BHJP
A61K 31/426 20060101ALI20221011BHJP
A61K 31/7056 20060101ALI20221011BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
C07D277/56 CSP
C07D417/06
C07H13/10
A61K31/427
A61K31/426
A61K31/7056
A61P19/06
(21)【出願番号】P 2020538899
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2019072273
(87)【国際公開番号】W WO2019144842
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】201810064046.8
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520253328
【氏名又は名称】湘北威爾曼制薬股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王海勇
(72)【発明者】
【氏名】孫明傑
【審査官】▲高▼岡 裕美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第92/009279(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/196323(WO,A1)
【文献】Therapeutics and Clinical Risk Management,2008年,4 (6),1209-1220
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表されることを特徴とするチアゾール-5-カルボン酸誘導体、その立体異性体及び/または薬学的に許容される塩。
(前記一般式(I)において、
Xは、酸素または窒素から選ばれ、Y、Zは、いずれも炭素であり、
R
1、R
2、R
3及びR
4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、オキソ、及び置換または非置換のアミノ基、アルキルアミノ基、アルデヒド基、アルキル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又はカルボキシル基から選ばれ、
前記「置換」とは、前記アミノ基、アルキルアミノ基、アルデヒド基、アルキル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又はカルボキシル基のうちの1つ又は複数の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキル基、アルデヒド基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、カルボキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はアルコキシル基で置換され
るということであり、
条件は、R
1、R
2、R
3及びR
4がすべて水素原子ではないことであり、且つ前記R
1、R
2、R
3及びR
4はそれぞれ、独立して、水素原子またはアルキルのみから選ばれた場合、アルキル基の1つ又は複数の水素原子は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、カルボキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はアルコキシル基で置換され、
又は、前記Y及びZは、R
1またはR
3、及びR
2またはR
4と飽和六員環状構造またはその誘導体の構造を構成し、
又は、前記X、Y及びZは、R
2またはR
4と飽和五員環状構造またはその誘導体の構造を構成する。)
【請求項2】
前記R
1、R
2、R
3及びR
4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ヒドロキシル基、オキソ、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、アミノアルキル基、アミノアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキル基、アルキルオキシアルキルオキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキルオキシ基、カルボキシアルキル基またはアミノアルキル基から選ばれる、ことを特徴とする請求項1に記載のチアゾール-5-カルボン酸誘導体、その立体異性体及び/または薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記アルキル基は、C
1~C
4のアルキル基である、ことを特徴とする請求項2に記載のチアゾール-5-カルボン酸誘導体、その立体異性体及び/または薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記飽和六員環状構造またはその誘導体の構造は、ピラノース環またはその誘導体の構造であり、前記飽和五員環状構造またはその誘導体の構造は、ピロール環またはその誘導体の構造である、ことを特徴とする請求項1に記載のチアゾール-5-カルボン酸誘導体、その立体異性体及び/または薬学的に許容される塩。
【請求項5】
一般式(I)で表される化合物は、以下の構造から選ばれる1種類または複数種類である、ことを特徴とする請求項1に記載のチアゾール-5-カルボン酸誘導体、その立体異性体及び/または薬学的に許容される塩。
【請求項6】
2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチルチアゾール-5-カルボン酸を原料として、
基(前記X、Y、Z、R
1、R
2、R
3、R
4によって示される具体的な基は、請求項1~
5のいずれか1項と同義である。)を含む化合物を用いてカルボキシルヒドロキシル基に対して置換反応を行うことにより調製される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のチアゾール-5-カルボン酸誘導体及び/または薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載のチアゾール-5-カルボン酸誘導体、その立体異性体及び/またはその薬学的に許容される塩を含む、高尿酸血症及び/または痛風を予防または治療するための医薬品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬分野に関し、具体的には、チアゾール-5-カルボン酸誘導体、その製造方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
痛風は、ヒトの異常なプリン代謝によって引き起こされる症候群であり、高尿酸血症は、その疾変の進行のある段階である。病状の進行の特徴によれば、原発性痛風は、無症候性高尿酸血症期、急性発作期、無症候性間歇期、慢性期の4つの段階に分ける。主な臨床症状は、以下のとおりである。(1)無症候性高尿酸血症:無症候性高尿酸血症の発生は潜行性が高く、最初に断続的に現れ、徐々に持続的になる。(2)急性痛風性関節炎:これは痛風の最も特徴的で一般的な症状であり、突然発症し、数時間以内に、患部の関節に明らかな発赤と熱痛が現れ、夜間に起こることが多く、関節の激しい痛みで目覚めてしまい、関節の一部が痛みのため、触ることすらできず、ひいてはシートをカバーすることができず、活動が制限される。(3)痛風の間歇期:痛風の間歇期とは、二回の急性痛風関節炎の発作の間の間歇であり、短い場合に数週間であり、長い場合に数十年もある。高尿酸血症は依然として存在する可能性があり、食事と治療のために血中尿酸値は不安定である。(4)慢性関節性痛風:高尿酸血症は長期矯正できず、尿酸塩結晶は関節軟骨、滑膜、靭帯、皮下、腎臓に広く沈着し、尿酸塩結石が徐々に形成し、深刻な場合、沈着した組織の生理学的機能に影響を及ぼす。(5)皮下痛風結節:皮下痛風結節は、皮下に沈着した尿酸塩結晶によって形成され、耳輪や関節の周りに発生する場合が多い。(6)慢性痛風性関節炎:急性関節炎が複数回繰り返して発作により、関節組織の線維症及び関節軟骨、滑膜、靭帯における痛風結石の沈着を引き起こし、罹患した関節を徐々に破壊して変形させ、運動機能を失う。(7)慢性痛風腎症及び腎臓結石の尿酸塩結晶。腎臓への沈着には2つの形態があり、尿酸の分泌と排泄の不十分による尿細管外尿酸沈着、及び尿細管内尿酸濃度が高すぎて時間内に排出されずに尿細管に滞留することである。慢性尿酸腎症は、これら2つの形態の尿酸腎内沈着に基づいて発生する可能性がある。
【0003】
続発性痛風の臨床症状は、高尿酸血症が発病する前に、続発性疾患の臨床的特徴として表されることが多い。先天性腎尿細管機能障害及び慢性腎不全による続発性痛風は緩徐発症する以外、突然発症することが多い。高尿酸血症及び大量の尿酸塩の尿細管内での沈着による急性腎不全は一般的なものであり、血中尿酸濃度>1mmol/L可能性があり、尿中尿酸が有意に高くなり、尿沈渣内に大量の尿酸塩結晶が見られ、顕微鏡的または肉眼的血尿が見られる場合もある。患者は排尿痛、腰痛、吐き気、嘔吐、乏尿又は無尿などの症状がある。
【0004】
痛風の治療は、消炎鎮痛及び血中尿酸の低下という2つの面を含み、前者は表面に現れた症状に対してのものであり、後者は病根であり、急性の場合、表面の病状を治療し、表面に現れた症状も病根も治療するという目的を実現し、従って、対応する薬物は以下の2類を含む。第1類は、消炎鎮痛類薬物であり、主に以下の(1)~(3)を含む。(1)コルヒチン。コルヒチンは細胞の有糸分裂を防止する作用を有し、炎症性細胞の走化性を阻害し、炎症性因子の放出を低減することができ、痛風性関節炎の急性発作に特別な抗炎症効果を有する。(2)非ステロイド性抗炎症薬。該薬物は多くの種類があり、主に組織の尿酸沈着に対する炎性反応を阻害し、痛風急性関節炎の発作時の局所的な軟部組織の発赤、熱痛及び全身反応を軽減し、ほとんど血清尿酸値に影響を与えることがない。(3)副腎グルココルチコイド。急性痛風関節炎の発作症状が特に深刻で、又はコルヒチンに不耐性を伴う患者に対して、中量及び小量のプレドニゾン、デキサメタゾンを付与して、組織の炎性反応を軽減する。第二類は、尿酸低下薬物であり、体内尿酸の生成はプリン代謝に関連しており、プリン代謝の最終段階では、キサンチン酸化還元酵素(XOR)の作用でヒポキサンチンがキサンチンを生成し、そしてさらに尿酸を生成し、該酵素の活性を阻害することで尿酸の生成を有効に減少させることができる。尿酸低下薬物は主に体内尿酸の生成を阻害し、及び血中尿酸の排出を促進することで尿酸低下効果を発揮し、薬物は主に以下の(1)~(4)である。(1)プロベネシド。該薬は尿細管の尿酸塩に対する再吸収を阻害し、それにより腎臓からの尿酸の排泄を増加させることができ、血中尿酸が高く、尿中尿酸の排泄量<3.6mmol/d(<600mg/d)の痛風患者に適する。(2)ベンズブロマロン(痛風利仙)。該薬は近位尿細管の尿酸に対する再吸収を阻害することで尿酸の排泄を促進し、プリンヌクレオチドの代謝を妨げることがない。主に消化管から排泄し(肝内代謝、胆汁排泄)、尿中尿酸の排泄量<3.6mmol/dの痛風患者に適し、イノシンがわずかに高くなる早期腎不全の痛風患者にも使用できる。(3)アロプリノール。該薬は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤であり、ヒポキサンチンがキサンチンへ変換し、次に尿酸へ変換することを阻害することができ、それにより尿酸の合成を減少させる。尿酸を過剰に産生する原発性又は続発性痛風の患者に適する。(4)フェブキソスタット。フェブキソスタットは酸化型及び還元型のXORに対していずれも有意な阻害作用を有するため、尿酸に対する低減作用が強く、持続的であり、したがって、痛風の慢性高尿酸血症の治療に使用できる。
【0005】
しかしながら、痛風の治療又は尿酸低下の従来の薬物はまだ大きな副作用があるため、耐性が低い。例えば、コルヒチン及び非ステロイド性抗炎症薬は明らかな胃腸の副作用がある。グルココルチコイド系薬物は長時間使用すると、代謝障害やホルモン障害を引き起こす可能性がある。プロベネシドは消化管潰瘍及び腎臓結石を引き起こす可能性がある。ベンズブロマロンは深刻な肝臓損傷を引き起こす可能性がある。アロプリノールは深刻な薬剤による発疹を引き起こす可能性がある。フェブキソスタットは肝機能異常、尿細管腎炎、心血管の副作用の増加などを引き起こす可能性がある。したがって、安全性がより高く、治療効果が優れた痛風又は尿酸低下の治療薬物の開発は、非常に臨床的に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、免疫寛容性が優れ、安全性が高く、治療効果が優れた痛風を治療しまたは尿酸を低下させる化合物、すなわちチアゾール-5-カルボン酸誘導体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、本発明に記載のチアゾール-5-カルボン酸誘導体とは、一般式(I)で表される化合物、その立体異性体及び/または薬学的に許容される塩である。
前記一般式(I)において、
Xは、酸素または窒素から選ばれ、Y、Zは、いずれも炭素である。
Xが酸素から選ばれることとは、Xが
であることを意味し、Xが窒素から選ばれることとは、Xが
または
であり、すなわち、二級または三級アミノ基であり得ることを意味する。
R
1、R
2、R
3、R
4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、オキソ、及び置換または非置換のアミノ基、アルキルアミノ基、アルデヒド基、アルキル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基またはアルキルオキシカルボニル基から選ばれ、条件は、R
1、R
2、R
3及びR
4がすべて水素原子ではないことである。
一般式(I)において、前記R
1、R
2、R
3、R
4のうちの1つまたは複数の基は、さらに、X、Y及びZのうちの1つまたは複数の原子と飽和五員環状構造、飽和六員環状構造またはそれらの誘導体の構造を構成してもよく、条件は、R
3またはR
4とX、Y及びZが飽和六員環状構造を構成する場合を除くことである。
又は、上記R
1、R
2、R
3またはR
4基のうちの1つまたは複数の水素原子は、さらに任意にそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノアルキルオキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アミノアルキル基またはアルキルアミノアルキル基で置換されてもよい。
【0008】
本発明は、さらに、前記一般式(I)における各基を最適化する。具体的には、
一般式(1)において、前記R
1、R
2、R
3、R
4は、それぞれ独立して水素原子(H-)、ハロゲン(X-)、ヒドロキシ(HO-)、オキソ(O=)、アルデヒド基(-CHO)、カルボキシル基(-COOH)、アミノ基(H
2N-)、アルキル基(R
n-)、ハロアルキル基(X-R
n-)、アミノアルキル基(H
2N-R
n-)、アルコキシ基(R
n-O-)、アルキルカルボニル基(
)、アルキルカルボニルオキシ基(
)、アルキルオキシカルボニル基(
)、モノまたはジアルキル置換アミノ基(R
n-NH-または
)、アルキルアミノアルキル基(R
n-NH-R
m-または
)、アルキルアミノアルキルオキシカルボニル基(R
n-NH-R
m-O-CO-または
)、ヒドロキシアルキル基(HO-R
n-)、カルボキシアルキル基(
)、アミノアルキル基(H
2N-R
n-)から選ばれ、且つR
1、R
2、R
3及びR
4がすべて水素原子ではない。
前記一般式(I)において、R
1、R
2、R
3及びR
4基のうちの1つまたは複数の水素原子は、任意にそれぞれ独立してハロゲン(X-)、ヒドロキシ(HO-)、アルデヒド基(-CHO)、カルボキシル基(-COOH)、アミノ基(H
2N-)、アルキル基(R
n-)、アルキルオキシ基(R
n-O-)、アルキルカルボニル基(
)、アルキルカルボニルオキシ基(
)、アルキルオキシカルボニル基(
)、モノまたはジアルキル置換アミノ基(R
n-NH-または
)、モノまたはジアルキル置換アミノアルキル基(R
n-NH-R
m-または
)、アルキルアミノアルキルオキシカルボニル基(R
n-NH-R
m-O-CO-または
)、ヒドロキシアルキル基(HO-R
n-)、カルボキシアルキル基(
)またはアミノアルキル基(H
2N-R
n-)で置換されてもよい。
【0009】
本発明では、さらに好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ヒドロキシル基、オキソ、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、アミノアルキルアミノ基(H
2N-R
n-NH-または
)、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキル基(R
n-O-R
m-)、アルキルオキシアルキルオキシ基(R
n-O-R
m-O-)、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基(HO-R
n-NH-または
)、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基(HO-R
n-NH-R
mまたは
)、アルキルアミノアルキルオキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキルオキシ基(HO-R
n-O-)、カルボキシアルキル基またはアミノアルキル基から選ばれ、且つR
1、R
2、R
3及びR
4がすべて水素原子ではない。
【0010】
上記各置換基は、いずれも末端基を開始基とするように記載されている。本発明では、さらに好ましくは、上記アルキル基、Rn、RmまたはRoは、それぞれ独立して一価または二価の飽和C1~C4炭化水素基を表す。より具体的には、前記基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン基を表す。
【0011】
前記ハロゲンは、好ましくはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0012】
前記R1、R2、R3及びR4の定義における「オキソ」とは、R1とR3と、又はR2とR4とで形成される二価基O=を意味し、又はR1、R3、R2、R4自体が二価基O=であってもよいことを意味する。
【0013】
一般式(I)の好適な形態としては、前記Y及びZは、R1またはR3、及びR2またはR4と飽和六員環状構造またはその誘導体の構造を構成する。
【0014】
一般式(I)の好適な形態としては、前記X、Y及びZは、R2またはR4と飽和五員環状構造またはその誘導体の構造を構成する。
【0015】
本発明によれば、前記飽和五員環状構造、飽和六員環状構造の誘導体の構造は、主にその互変異性体、例えば環状‐鎖状互変異性体(Ring-chain tautomerism)を意味する。
【0016】
例えば、本発明の1つの好ましい態様では、前記飽和六員環状構造またはその誘導体の構造は、ピラノース環またはその互変異性体
である。本発明の他の好ましい態様では、前記飽和五員環状構造またはその誘導体の構造は、好ましくはピロール環またはその誘導体の構造である。
【0017】
本発明の第1の具体的な好ましい態様としては、一般式(I)において、Xは、酸素であり、R
1、R
2、R
3、R
4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルキル基から選ばれ、前記アルキル基上の1つまたは複数の水素原子は、それぞれ独立してヒドロキシまたはハロゲンで置換されてもよく、条件は、R
1、R
2、R
3及びR
4がすべて水素原子ではないことである。
好ましくは、上記アルキル基は、好ましくはC
1~C
4のアルキル基である。
好ましくは、上記R
1、R
2、R
3、R
4のうちの少なくとも1つの基は、水素原子である。
さらに好ましくは、一般式(I)で表される化合物は、以下の構造から選ばれる1種類または複数種類である。
【0018】
本発明の第2の好ましい態様としては、一般式(I)において、Xは、窒素であり、R
1、R
3は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはカルボキシル基から選ばれ、R
2、R
4は、それぞれオキソ及びヒドロキシル基であり、または、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはカルボキシル基から選ばれ、前記アルキル基、カルボキシル基またはヒドロキシのうちの1つまたは複数の水素原子は、独立してカルボキシル基またはアルキル基で置換されてもよく、条件は、R
1、R
2、R
3及びR
4がすべて水素原子ではないことである。R
2、R
4のうちの1つがアルキル基である場合、X、Y及びZと飽和五員環状構造またはその誘導体の構造を構成してもよい。
好ましくは、上記アルキル基は、好ましくはC
1~C
4のアルキル基である。
好ましくは、上記R
1、R
2、R
3、R
4のうちの少なくとも1つの基は、水素原子である。
さらに好ましくは、一般式(I)で表される化合物は、以下の構造から選ばれる1種類または複数種類である。
【0019】
本発明の第3の好ましい態様としては、一般式(I)において、Xは、酸素であり、R
1、R
2、R
3、R
4は、それぞれ独立して水素原子、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基またはアルキル基から選ばれ、前記アミノアルキル基、アルキルアミノ基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基またはアルキル基のうちの1つまたは複数の水素原子は、独立してアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシで置換されてもよく、条件は、R
1、R
2、R
3及びR
4がすべて水素原子ではないことである。
好ましくは、上記アルキル基は、好ましくはC
1~C
4のアルキル基である。
好ましくは、上記R
1、R
2、R
3、R
4のうちの少なくとも1つの基は、水素原子である。さらに好ましくは、一般式(I)で表される化合物は、以下の構造から選ばれる1種類または複数種類である。
【0020】
本発明の第4の好ましい態様としては、一般式(I)において、Xは、窒素であり、R
1、R
3は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルデヒド基またはヒドロキシアルキル基から選ばれ、R
2、R
4は、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、オキソ、アルキル基、アルキルオキシ基から選ばれ、前記アルキル基、アルデヒド基、アルキル基、アルキルオキシ基のうちの1つまたは複数の水素原子は、独立してヒドロキシル基、アルキル基またはアルキルオキシ基で置換されてもよく、条件は、R
1、R
2、R
3及びR
4がすべて水素原子ではないことである。前記R
1またはR
3、R
2またはR
4は、Y及びZと飽和六員環状構造またはその誘導体の構造を構成してもよい。
好ましくは、上記アルキル基は、好ましくはC
1~C
4のアルキル基である。
好ましくは、上記R
1、R
2、R
3、R
4のうちの少なくとも1つの基は、水素原子である。
さらに好ましくは、一般式(I)で表される化合物は、以下の構造から選ばれる1種類または複数種類である。
【0021】
本発明の一般式(I)の化合物は、あらゆる幾何異性体、光学異性体、立体配座異性体またはそれらの混合物を含む立体異性体の形態で存在してもよい。本発明の一般式(I)の化合物は、1つまたは複数の不斉炭素原子を含んでもよく、従って、光学異性及び/またはジアステレオ異性現象を示すことができる。本発明は、通常の技術、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶化法などを用いてエナンチオマーを分離することができ、必要な光学異性体は、適切な光学活性の出発原料によって、ラセミ化またはエピメル化を引き起こさない条件においての反応(すなわち「キラルプール」方法)で、適切な出発原料を選択して「キラル剤」と反応させ、誘導化(すなわち分割であり、動的分割を含む)、及び通常の分離方法例えばクロマトグラフィーによって、エナンチオマーを分離させ、または当業者にとって既知の条件において適切なキラル試薬またはキラリティ触媒と反応させ、対応する異性体を調製し又は反応させて分離させる。一般式(I)の化合物のあらゆる立体異性体及び/またはそれらの混合物は、すべて本発明の範囲に含まれる。
【0022】
本発明の化合物は、互変異性現象が発生してもよく、あらゆる互変異性形態及び/またはそれらの混合物も本発明の範囲に含まれる。
【0023】
本発明に記載の一般式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、一般式(I)の化合物と酸、またはアルカリとで形成される常用の、薬学的に許容される塩を含む。本発明は、薬学的に許容される塩について特に限定せず、薬学的に許容される酸付加塩の例は、無機酸塩と、有機酸塩とを含み、前記無機酸は、例えば塩酸、水素臭素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、前記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸及びメタンスルフォン酸などの類似した酸を含み、アミノ酸(例えばアルギニンなど)の塩と、例えばグルクロニン酸などの有機酸の塩とをさらに含むことを当業者であれば理解できる。前記薬学的に許容される塩基付加塩の例は、無機塩基塩を含み、好適な無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどから選ばれる。
【0024】
本発明は、同時に一般式(I)で表される化合物及び/またはその立体異性体の製造方法を提供する。具体的には、2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチルチアゾール-5-カルボン酸を原料として、
基を含む化合物を用いてカルボキシルヒドロキシル基に対して置換反応を行うことにより調製される。前記X、Y、Z、R
1、R
2、R
3、R
4によって示される具体的な基は、前文と同義である。
【0025】
本発明の一般式(I)で表される化合物及び/またはその立体異性体は、他の製造方法で得ることができる。一般式(I)で表される化合物及び/またはその立体異性体を取得した上で、本分野の常用の塩形成法を用いて対応する薬学的に許容される塩を取得できる。
【0026】
本発明は、一般式(I)の化合物またはその塩またはその立体異性体の、高尿酸血症及び/または痛風を予防または治療する薬物の製造における使用をさらに提供する。
【0027】
本発明は、高尿酸血症及び/または痛風を予防または治療する方法をさらに提供し、該方法では、一般式(I)の化合物またはその塩またはその立体異性体を用いる。
【0028】
本発明に記載の一般式(I)の化合物またはその塩またはその立体異性体は、様々な投与方法の剤型の製造に用いることができ、乳濁剤、溶液、懸濁剤、エアゾール剤及び乾燥粉末剤の形態で局所(例えば皮膚または肺及び/または気道)投与を行うこと、または錠剤、カプセル、シロップ、散剤または顆粒剤で、例えば経口を介して全身投与を行うこと、または溶液または懸濁液の形態で非経口投与を行うこと、または皮下投与を行うこと、または座薬の形態で直腸を介して投与を行うこと、または経皮投与を行うことを含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明に記載の一般式(I)の化合物またはその薬理学的な塩またはその立体異性体は、高い免疫寛容性及び安全性を有し、優れた尿酸低下活性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0031】
以下の各実施例に係る原料は、いずれも市販品であり、原料2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチルチアゾール-5-カルボン酸は、以下で、いずれも化合物Fと略称される。
【0032】
実施例1:F-1Aの製造
1gの化合物Fを秤取して丸底フラスコに入れ、100mLの塩化メチレンを加え、2min撹拌して不溶性懸濁液を得て、次に順に386mgのDMAP(4-ジメチルアミノピリジン)、1.3gのDCC(N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド)、3.5mLのエチレングリコールを加え、室温で24時間反応させて、生じた白色固体をろ過し、ろ液をそれぞれ水洗、飽和食塩水洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮して粗製品を得て、カラムクロマトグラフィで純化して640mgの固体が得られ、収率が56.1%、HPLC純度が96.2%であった。
【0033】
得られた化合物F-1Aの構造特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d6DMSO):δ8.17(s,1H),8.08-8.11 (d,1H),6.99-7.02(d,1H) ,5.34 (s,1H),4.43-4.45(t,2H),3.94-3.96 (d,2H) ,3.89-3.90 (t,2H) ,2.77 (s,3H),2.15-2.21(m,1H),1.07-1.09 (d,6H);
ESI-MS:361.1 (M+1)。
【0034】
実施例2:F-1Bの製造
1gの化合物Fを秤取して丸底フラスコに入れ、100mLの塩化メチレンを加え、2分間撹拌して不溶性懸濁液を得て、次に順に386mgのDMAP(4-ジメチルアミノピリジン)、1.3gのDCC(N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド)、5mLのグリセリンを加え、室温で反応させ、TLCで監視し、反応終了後、生じた白色固体をろ過し、ろ液をそれぞれ水洗、飽和食塩水洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮して粗製品を得て、カラムクロマトグラフィで純化して510mgの固体が得られ、収率が43.0%、HPLC純度が98.4%であった。
【0035】
得られた化合物F-1Bの構造特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d6DMSO):δ8.15(s,1H),8.06-8.12 (d,1H),6.98-7.01(d,1H) ,5.02 (s,2H) ,4.48-4.51(m,1H),4.26-4.29(m,1H) ,3.96-3.98(d,2H),3.80-3.87 (m,1H) ,3.54-3.57(m,2H),2.75 (s,3H),2.17-2.23(m,1H),1.07-1.09 (d,6H)。
ESI-MS:391.1 (M+1)。
【0036】
実施例3:F-1Cの製造
20gの化合物Fを秤取して丸底フラスコに入れ、200mLの塩化メチレン、1滴のDMF(N、N-ジメチルホルムアミド)を加え、2分間撹拌して不溶性懸濁液を得て、氷浴において15.8mLの塩化オキサリルを滴下し、25℃で4.5時間反応させた後、反応系が浅黄色になり、溶媒を蒸発乾固させて浅黄色固体を得た。該反応フラスコにおける空気を窒素で5分間置換し、次に300mLの無水塩化メチレンを加え、再度窒素を充填して空気を置換した後、氷浴において15mlのアセトアルデヒド及び32mlの1mol/Lの塩化亜鉛溶液を滴下し、塩化亜鉛を加えた後、系に綿状沈殿物が出現した。添加終了後、室温で5時間反応させてから反応を終了させ、5%の炭酸水素ナトリウム溶液で繰り返し洗浄し、大量の綿状沈殿物が出現し、ろ過し、水洗、飽和食塩水洗浄してから、再度乾燥、濃縮、純化させて21.1gの無色固体が得られ、収率が88.3%、HPLC純度が98.5%であった。
【0037】
得られた化合物F-1Cの構造特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d6DMSO):δ8.19(s,1H),8.09-8.12 (dd,1H),7.0-7.03 (d,1H),6.69-6.74 (d,1H),3.89-3.90 (d,2H),2.78 (s,3H),2.17-2.25(m,1H),1.90-1.91(d,3H),1.07-1.09(d,6H)。
ESI-MS:m/z 378.9, 380.9(M+1)。
【0038】
実施例4:化合物F-2Aの製造
3.16gの化合物Fを秤取して丸底フラスコに入れ、25mLのジメチルホルムアミド、0.75gのグリシン、5.7gのHATU[O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート及び1mlのDIPA(ジイソプロピルアニリン)を加え、室温で撹拌しながら反応させ、反応をTLCで監視し、反応終了後に、減圧下で溶媒を蒸留し、次に系に100mlの酢酸エチル、1mlの氷酢酸を加え、系を繰り返して振とうし、次に飽和食塩水で洗浄して、カラムクロマトグラフィで純化して2.29gが得られ、収率が61.3%、HPLC純度が98.9%であった。
【0039】
得られた化合物F-2Aの構造特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d6DMSO):δ 12.78 (broad,1H), 8.55- 8.57 (d,1H),8.27 (s,1H) , 8.20- 8.23 (d,1H),7.39-7.41 (d,1H) ,4.03-4.04 (d,2H), 3.89-3.90 (d,2H),2.76 (s,3H),2.20-2.26(m,1H),1.11-1.13(d,6H)。
ESI-MS:m/z 372.1(M-1)。
【0040】
実施例5:化合物F-2Bの製造
3.16gの化合物Fを秤取して丸底フラスコに入れ、25mLのジメチルホルムアミド、0.89gのグリシン、5.7gのHATU及び1.5mlのDIPAを加え、室温で撹拌しながら反応させ、反応をTLCで監視し、反応終了後に、減圧下で溶媒を蒸留し、次に系に100mlの酢酸エチル、1mlの氷酢酸を加え、系を繰り返して振とうし、次に飽和食塩水で洗浄して、カラムクロマトグラフィで純化して2.21gが得られ、収率が57.1%、HPLC純度が98.7%であった。
【0041】
得られた化合物F-2Bの構造特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d6DMSO):δ 12.71 (broad,1H), 8.53- 8.55(d,1H),8.27 (s,1H) , 8.19- 8.22 (d,1H),7.37-7.40 (d,1H), 4.64-4.66 (m,1H) ,4.01-4.02 (d,2H),2.79 (s,3H),2.19-2.25(m,1H) ,1.44(d,3H) ,1.11-1.13(d,6H)。
ESI-MS:m/z 386.1(M-1)。
【0042】
実施例6:化合物F-2Cの製造
3.16gの化合物Fを秤取して丸底フラスコに入れ、25mLのジメチルホルムアミド、1.33gのアスパラギン酸、5.7gのHATU及び3mlのDIPAを加え、室温で撹拌しながら反応させ、反応をTLCで監視し、反応終了後、系に200mlの酢酸エチルを加え、次に4mlの氷酢酸を加え、系を繰り返して振とうし、次に飽和食塩水で洗浄して、カラムクロマトグラフィで純化して2.08gが得られ、収率が48.2%、HPLC純度が98.6%であった。
【0043】
得られた化合物F-2Cの構造特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d6DMSO):δ 12.74 (broad,2H), 8.56- 8.58(d,1H),8.28 (s,1H) , 8.20- 8.23 (d,1H),7.39-7.41 (d,1H), 4.69-4.74 (m,1H),4.02-4.03 (d,2H),2.61-2.74(m,2H) ,2.52 (s,3H) ,2.08-2.14(m,1H), 1.03-1.04(d,6H)。
ESI-MS:m/z 430.1、 431.1 (M-1)。
【0044】
実施例7:化合物F-2Dの製造
上記反応式に従って、実施例6に記載の方法を参照し、製造して3.13gの白色粉末固体が得られ、収率が75.8%、HPLCが純度97.6%であった。
【0045】
得られた化合物F-2Dの構造特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d6DMSO):δ 12.68 (broad,1H), 8.28 (s,1H) , 8.20- 8.23 (d,1H),7.39-7.41 (d,1H), 4.67-4.71 (m,1H),4.0-4.01 (d,2H) ,2.71 (s,3H),2.01-2.08(m,1H) ,1.87-1.90 (m,1H),1.67-1.70 (m,1H),1.63-1.66 (m,2H),1.43-1.46 (m,2H),1.0-1.01(d,6H)。
ESI-MS:m/z 412.1(M-1)。
【0046】
実施例8:化合物F-3Aの製造
上記反応式に従って、実施例6に記載の方法を参照し、製造して2.84gのF3Aの白色粉末固体が得られ、収率が68.1%であった。次に還流条件において、該白色固体を15mlのイソプロピルアルコールに溶解させ、1mlの濃塩酸を滴下し、10分間撹拌し続けた後、室温で一晩静置して白色固体を析出させ、ろ過し、冷却されたイソプロピルアルコールで洗浄して1.58gが得られた。HPLC純度が99.1%であった。
【0047】
得られた化合物F-3Aの構造特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d6DMSO):δ 10.26 (broad,1H),8.29- 8.30(d,1H),8.21-8.24 (s,1H),7.36-7.38(m,1H),5.37 ((broad,1H),4.60((broad,2H),3.97-3.99(d,2H),3.75-3.76(d,2H), 3.49-3.58 (broad,2H),3.20(broad,2H),2.84(s,3H),2.67 (s,3H),2.02-2.11(m,1H),0.97-0.99(s,6H)。
ESI-MS:m/z 418.2(遊離塩基分子量M+1), 834.9(2M+1)。
【0048】
実施例9:化合物F-3Bの製造
上記反応式に従って、実施例6に記載の方法を参照し、製造して2.91gのF3Bの白色固体が得られ、収率が65.2%、HPLC純度が98.7%であった。
【0049】
得られた化合物F-3Bの構造特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d6DMSO):δ 10.19 (broad,1H),8.23- 8.24(d,1H),8.17-8.20 (s,1H),7.30-7.32(m,1H),5.30 ((broad,1H),4.52((broad,2H),3.91-3.93(d,2H),3.70-3.71(d,2H),3.42-3.51 (broad,2H),3.15(broad,2H),2.80(s,3H),2.61(s,3H),1.98-2.07(m,1H) ,1.80-1.84(m,2H),1.51-1.54(m,2H),0.96-0.98(s,6H)。
ESI-MS:m/z 446.2(遊離塩基分子量+1)。
【0050】
実施例10:化合物F-4A、F-4Bの製造
3.16gの化合物Fを秤取して丸底フラスコに入れ、15mLのジメチルホルムアミド、15mlのジメチルスルホキシド、2.16gの塩酸グルコサミン、5.7gのHATU及び3mlのDIPAを加え、室温で撹拌しながら24時間反応させた後、系に60mlのエチルエーテルを加え、析出した固体をカラムクロマトグラフィで純化して2.15gが得られ、収率が45.2%、HPLC純度が98.1%であった。
【0051】
得られた化合物F-4Aの構造及び特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d
6DMSO):δ8.26-8.28(d,1H),8.20-8.23(dd,1H), 7.88-8.10(m,1H),7.40-7.42(d,1H),6.60-6.70(m,1H), 5.11-5.13(t,1H),5.01-5.05(m,1H),4.87-4.88(d,1H),4.59-4.64(m,1H),4.49-4.52(t,1H),4.03-4.04(d,2H),3.36-3.75(m,5H),2.56(s,3H),2.04-2.15(m,1H),1.09-1.10 (d,6H)。
ESI-MS:m/z:478.1(M+1)。
【0052】
化合物F-4Aの互変異性体F-4Bの構造及び特徴付け情報は、以下のとおりであった。
1H-NMR (400 MHz,d
6DMSO+D
2O):δ8.17 (s,1H),8.11-8.13(d,1H),7.27-7.29(d,1H),5.11-5.13(d,0.67H),4.63-4.65(d,034H),3.94-3.95(d,2H),3.23-3.84(m,6H),2.53(s,3H),2.03-2.06 (m,1H),0.97-0.98 (d,6H)。
ESI-MS:m/z:478.1(M+1)。
【0053】
実施例11
本発明の化合物の免疫寛容性及び安全性を検証するために、本実施例は、経口急性毒性試験を提供し、痛風を治療しまたは尿酸を低下させる従来の薬物を用いて比較研究を行った。
【0054】
1、試験サンプル:
試験サンプル:上記実施例1~10で製造されたF-1A、F-1B、F-1C、F-2A、F-2B、F-2C、F-2D、F-3A、F-3B、F-4A、及びフェブキソスタットであり、調製方法:各試験サンプル及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを用い、粉砕して濃度0.2%のカルボキシメチルセルロースナトリウム懸濁液を調製した。
【0055】
2、試験動物:ICRマウス、体重:18-22g。
【0056】
3、用量設定:
まず予備試験を行った。各試験サンプルを1600mg/kg用量でマウスに胃内投与し、毒性反応状況を観察した。予備試験によれば、化合物F-1A、F-1B、F-1C、F-2A、F-2B、F-2C、F-2D、F-3A、F-3B、F-4Aの毒性が非常に小さく、1600mg/kg用量でマウスに明らかな毒性症状がなく、動物が死亡しなかったことを示した。予備試験によれば、フェブキソスタットがある程度の毒性を有し、1600mg/kg用量が一部のマウスの死亡を引き起こすことができることを示した。
予備試験に基づいて、各試験サンプルに対して本試験の用量を設定し、表1に示した。
【0057】
【0058】
4、投与方法:胃内投与(ig)。
【0059】
5、試験方法:
試験室環境:室温24±2℃、相対湿度60~70%。
観察指標:各試験サンプルを用いて、上記用量で投与容量に基づいて等比例希釈法に従って対応する濃度の薬物溶液を調製し、等しい容量で1回ig投与し、マウスの様々な中毒症状及び死亡状況を記録し、死亡した動物を剖検した。
観察期:14日間。
【0060】
6、試験結果
6.1、異常反応:マウスにF-1A、F-1B、F-1C、F-2A、F-2B、F-2C、F-2D、F-3A、F-3B、F-4A、フェブキソスタットをig投与してから12h内、各用量群のうち、フェブキソスタット高用量群では、一部の動物は、活動低下が認められ、他の群では異常が観察されなかった。投与してから24h内、F-1A、F-1B、F-1C、F-2A、F-2B、F-2C、F-2D、F-3A、F-3B、F-4Aの各用量群は、動物の死亡が観察されてなかったが、フェブキソスタットの一部の高用量群では、動物が死亡した。投与8日後、各群の生きた動物の死亡が観察されておらず、生きた動物は、活動低下及び体重減少が認められ、他の顕著な異常が観察されなかった。
【0061】
6.2、剖検結果:高用量群の死亡した動物の剖検によれば、いずれも両側腎臓の色が浅くなり、尿閉が観察され、他の臓器には、顕著な異常が観察されなかった。観察終了後、生きた動物の剖検によれば、各臓器が正常であることを示し、F-1A、F-1B、F-1C、F-2A、F-2B、F-2C、F-2D、F-3A、F-3B、F-4A化合物群の生きた動物の剖検によれば、いずれも顕著な臓器の異常変化が観察されなかった。
【0062】
6.3、死亡原因:マウスにフェブキソスタットを投与した後、尿路系の毒性の結果、全身障害で死亡してしまった可能性がある。
【0063】
6.4、マウスig試験サンプルの死亡状況及びLD50値を表2に示した。
【0064】
【0065】
まとめ:本発明の化合物F-1A、F-1B、F-1C、F-2A、F-2B、F-2C、F-2D、F-3A、F-3B、F-4Aは、免疫寛容性及び安全性が非常に優れ、LD50が3000mg/kg以上に達し、従来の薬物より顕著に優れた。
【0066】
実施例12
本発明の化合物の薬理活性を検証するために、本実施例は、外因性尿酸を投与しながら、尿酸分解を抑制するラットモデルを対象とした薬効スクリーニング試験を提供し、陽性薬物を対照として選択した。
【0067】
1、試験動物:SDラット、自由に飲水及び摂食させた。餌が照射滅菌処理済みの餌であり、水が滅菌処理済みの純水であり、1週間馴らし飼育した。
【0068】
2、試験薬品:F-1A、F-1B、F-1C、F-2A、F-2B、F-2C、F-2D、F-3A、F-3B、F-4Aのそれぞれ 1.0グラム、フェブキソスタット 1.0グラム、フェブキソスタットエチルエステル(2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチルチアゾール-5-カルボン酸エチル) 1.0グラム。
【0069】
3、薬物調製:
3.1、F-1A、F-1B、F-1C、F-2A、F-2B、F-2C、F-2D、F-3A、F-3B、F-4Aの調製:それぞれ100mgを取り、それぞれ0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを20ml加えて粉砕し、次にそれぞれ100mlに希釈した。
3.2、フェブキソスタット、フェブキソスタットエチルエステルの調製:それぞれフェブキソスタットまたはフェブキソスタットエチルエステルを140mg取り、それぞれ0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを20ml加えて粉砕し、次にそれぞれ100mlに希釈した。
【0070】
4、試験用試薬、薬品、装置:
オキソン酸カリウム(Oxonic acid)、尿酸(Uric)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、尿酸(UA)測定キット。アメリカMultiskan MK3 マイクロプレートリーダー。フィンランド Thermo Labsystems Multiskan Ascent V1 マイクロプレートリーダー。
【0071】
5、群分け及び投与:
ブランク群以外、他のラットをモデリングしてから15日目に血清尿酸含有量を検出し、それぞれのラットの尿酸含有量検出値に基づいて平均に群分けした。
ブランク群:いかなる薬物も投与せず、動物の数が10匹であった。モデル対照群:2mlの0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを経口投与し、QD、動物の数が10匹であった。F-1A群~F-4A群:10個の化合物をいずれも10mg/kgで経口投与し、QD、各群の動物の数が10匹であった。フェブキソスタット群に14mg/kgで経口投与し、QD、動物の数が10匹であった。フェブキソスタットエチルエステル群に14mg/kgで経口投与し、QD、動物の数が10匹であった。
【0072】
6、試験方法及び操作ステップ:ブランク群にいかなる薬物も投与せず、他の各群にオキソン酸カリウム1.5g/kg+尿酸0.3g/kgを毎日経口投与し(0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムに溶解)、15日間、1日に時間・数量通り1回胃内投与した。試験前及びモデリングしてからの13日目に、眼窩から0.5mlの血液を採取し、血清を分離し、血清尿酸含有量を測定した。モデリングが成功した後、それぞれのラットの血清尿酸値に従って平均に群分けした。群分けした後に、引き続きオキソン酸カリウム1.5g/kg+尿酸0.3g/kgを2日モデリング投与し、最後にモデリング投与してから1時間に、試験薬品の胃内投与を開始し、初めて投与した後の3時間目にラットの眼窩から0.5mlの静脈血を採取し、3000RPMで15min遠心分離させ、血清を取り、尿酸(UA)測定キット、アメリカMultiskan MK3 マイクロプレートリーダー、フィンランド Thermo Labsystems Multiskan Ascent V1 マイクロプレートリーダーを用いてそれぞれのラットの血清尿酸含有量を測定した。
【0073】
7、統計的処理及び試験結果:データを平均値±標準偏差(`x±SD)で示し、Excel 7.0及びSPPS 13.0 for windowsソフトウェアを用いて分析し、群間比較がq検定で行い、投与前後比較が自己ペアt検定で行い、P<0.05であると、有意差があることを表した。まとめた後の主な試験結果を表3に示した。
【0074】
【0075】
表3の結果から、本試験に外因性尿酸を投与しながら、尿酸分解を抑制するラットの高尿酸血症モデルが成功したことが分かった。ラットにオキソン酸カリウム1.5g/kg+尿酸0.3g/kg懸濁液を15日連続的に胃内投与し、モデリングラットの血清尿酸含有量がモデリング前に比べて差が非常に有意であり(p<0.001)、高尿酸血症モデルが成功したことを示した。
【0076】
投与後の3時間目に、各試験薬物群は、モデル群の動物に比べて、尿酸レベルがいずれも非常に顕著に低下し(a3、p<0.001)、すべての試験薬物がいずれも尿酸低下効果を有することを示すが、各群の具体的な尿酸低下効果には、差が存在した。そのうち、F-1B、F-1C、F-3A及びF-3Bは、ブランク対照群に比べて有意差がなく、投与後、動物の尿酸レベルが正常値に非常に近く、尿酸低下効果が非常に顕著であった。F-1A、F-2B、F-2C、F-2D、F-4Aは、ブランク対照群に比べて、有意差があり(c1、p<0.05)、F-2Aは、ブランク対照群に比べて大きな有意差があり(c2、p<0.01)、投与後、動物尿酸レベルが正常値と一定の差があるが、尿酸低下効果が非常に優れることを示した。陽性薬物フェブキソスタットは、高い尿酸低下作用を有するが、投与後、ブランク対照群に比べて非常に大きな有意差があり(c3、p<0.001)、動物の尿酸レベルの正常値との差が大きく、薬効が本発明の化合物より悪いことを示した。フェブキソスタットの中間体フェブキソスタットエチルエステルの効果がフェブキソスタットより悪かった。該研究によれば、本発明の化合物は、優れた尿酸低下作用を有し、効果が従来の尿酸低下薬物より優れることを示した。
【0077】
実施例13
本発明の化合物の薬理活性、及び活性と用量との関係をさらに研究するために、本実施例は、一部の本発明の化合物を選択して、外因性尿酸を投与しながら、尿酸分解を抑制するラットモデルの用量反応関係について研究し、陽性薬物を対照とした。
【0078】
1、試験動物:体重110~150グラムのSPFレベルのオスSDラット。動物を1週間馴らし飼育し、外観と身体特徴を観察し、自由に飲水及び摂食させた。すべてのケージが121℃で滅菌処理され、餌が照射滅菌処理済みのものであり、水が滅菌処理済みの純水であった。
【0079】
2、試験薬品:F-1C、F-2C、F-3Aのそれぞれ 1.0グラム。フェブキソスタット(陽性薬物) 1.0グラム、フェブキソスタットエチルエステル(2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチルチアゾール-5-カルボン酸エチル)1.0グラム。
【0080】
3、薬物調製:
3.1、F-1C、F-2C、F-3Aの調製:それぞれ100mgを取り、それぞれ0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを20ml加えて粉砕し、次にそれぞれ100mlに希釈した。
3.2、フェブキソスタットを100mg取り、0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを20ml加えて粉砕し、次に100mlに希釈した。
【0081】
4、試験用試薬、薬品、装置:
オキソン酸カリウム(Oxonic acid)、尿酸(Uric)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、尿酸(UA)測定キット。自動生化学分析装置:日本オリンパス株式会社の全自動生化学分析装置AU480。
【0082】
5、群分け及び投与:
ブランク群以外、他のラットをモデリングしてから15日目に血清尿酸含有量を検出し、それぞれのラット尿酸含有量検出値に基づいて平均に群分けした。
ブランク群:いかなる薬物も投与せず、動物の数が10匹であった。モデル対照群:2mlの0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを経口投与し、QD、動物の数が10匹であった。F-1C群、F-2C群、F-3A群:各化合物をそれぞれ2.5、5及び10mg/kgの3つの用量で経口投与し、QD、それぞれの用量群の動物の数が10匹であった。フェブキソスタット群に10mg/kgで経口投与し、QD、動物の数が10匹であった。フェブキソスタットエチルエステル群に10mg/kgで経口投与し、QD、動物の数が10匹であった。
【0083】
6、試験方法及び操作ステップ:ブランク群にいかなる薬物も投与せず、他の各群にオキソン酸カリウム1g/kg及び尿酸0.3g/kgを毎日経口投与し、かつ0.1g/kgの尿酸を腹腔内注射し(0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムに溶解)、15日間、1日に時間通り1回投与した。試験前及びモデリングしてからの13日目に、眼窩から0.5mlの血液を採取し、血清を分離し、血清尿酸含有量を測定した。モデリングが成功した後、それぞれのラット血清尿酸値に従って平均に群分けし、試験薬品の胃内投与を開始し、初めて投与した後の3時間目に、ラットの眼窩から0.5mlの静脈血を採取し、3000RPMで15min遠心させ、血清を取り、それぞれのラットの血清尿酸の含有量を検出した。
【0084】
7、統計学処理及び試験結果データを平均値±標準偏差(`x±SD)で示し、Excel 7.0及びSPPS 13.0 for windowsソフトウェアを用いて分析し、群間比較がq検定で行い、投与前後比較が自己ペアt検定で行い、P<0.05であると、有意差があることを表した。まとめた後の主な試験結果を表4に示した。
【0085】
【0086】
表4の結果から、15日連続的に、ラットにオキソン酸カリウム1g/kg+尿酸0.3g/kg懸濁液を胃内投与し、かつ0.1g/kgの尿酸を腹腔内注射し(0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムに溶解)、モデリング後のラットの血清尿酸含有量が、モデリング前と比べて差が非常に有意であり(p<0.001)、本試験で、外因性尿酸を投与しながら、尿酸分解を抑制するラット尿酸血症モデルが成功したことが分かった。
【0087】
試験薬品を投与した後の3時間目に、各試験薬品群は、モデル群に比べて、尿酸値がいずれもある程度低下し、各試験薬品群がいずれも一定の尿酸低下作用を有することを示した。各用量群の比較から、本発明の化合物が優れた用量反応関係を示し、用量が高ければ、尿酸低下効果が優れ、また、同一用量下で本発明の化合物の尿酸低下効果が陽性薬物より顕著に優れる(p<0.001)ことを発見した。
【0088】
以上の実施例は、本発明の好適な実施形態を説明するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の設計精神から逸脱することなく、当業者が本発明の技術案に対して行った様々な変形や改良は、いずれも、本発明の特許請求の範囲で確定される保護範囲に含まれるべきである。