(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】導通口と配管端部との接続構造、開閉バルブ装置及び取外し治具
(51)【国際特許分類】
F16J 15/00 20060101AFI20221011BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20221011BHJP
B25B 27/00 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
F16J15/00 D
F16K27/00 C
B25B27/00
(21)【出願番号】P 2018152005
(22)【出願日】2018-08-10
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591038602
【氏名又は名称】株式会社ネリキ
(73)【特許権者】
【識別番号】000003034
【氏名又は名称】東亞合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】岡田 慎司
(72)【発明者】
【氏名】高田 幸治
(72)【発明者】
【氏名】西村 康雄
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼根沢 敏
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第3861020(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0029277(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106671017(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0079060(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0103511(US,A1)
【文献】特開2003-074798(JP,A)
【文献】特開2010-255800(JP,A)
【文献】登録実用新案第3173386(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 25/00-33/00
F16J 15/00-15/14
F16K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部との接続構造であって、
前記導通口と前記配管端部とは突き合わせ配置されるとともに、
前記導通口と前記配管端部との間に、開口を有するリング状の封止部材が配置され、
前記導通口及び前記配管端部のうちの一方に、前記封止部材を装着する装着溝が形成され、
前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に、
取外し治具の挿入凸部を挿入できる挿入空間を設けた
接続構造。
【請求項2】
前記装着溝及び前記挿入空間が前記導通口に形成された
請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記装着溝は、所定の受圧面積で前記封止部材と接触する接触面を有するとともに、
前記挿入空間は、
前記挿入空間に挿入する前記挿入凸部と、前記開口を形成する開口縁に当接する当接部と、該当接部を支点として前記挿入凸部を取外し方向に作用させる力を入力する力点部とで構成された前記取外し治具における前記挿入凸部が所定の挿入深さで挿入できる深さで形成した
請求項2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記挿入空間は、
前記封止部材が装着する前記装着溝の径内側、且つ前記裏面側に設けられた
請求項2または3に記載の接続構造。
【請求項5】
流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有するとともに、
前記流路の一端を、前記流体が導通する流路配管の配管端部と突き合わせて接続する導通口とし、
前記導通口に、開口を有するリング状の封止部材を装着する装着溝が設けられ、
前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記配管端部と対面する側と反対側である裏面側に、取外し治具の挿入凸部を挿入できる挿入空間が設けられた
開閉バルブ装置。
【請求項6】
前記装着溝は、所定の受圧面積で前記封止部材と接触する接触面を有するとともに、
前記挿入空間は、
前記挿入空間に挿入する前記挿入凸部と、前記開口を形成する開口縁に当接する当接部と、該当接部を支点として前記挿入凸部を取外し方向に作用させる力を入力する力点部とで構成された前記取外し治具における前記挿入凸部が所定の挿入深さで挿入できる深さで形成した
請求項5に記載の開閉バルブ装置。
【請求項7】
前記挿入空間は、
前記封止部材が装着する前記装着溝の径内側、且つ前記裏面側に設けられた
請求項5または6に記載の開閉バルブ装置。
【請求項8】
流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とが突き合わせ配置されるとともに、前記導通口と前記配管端部との間において前記導通口と前記配管端部との少なくとも一方に形成された装着溝に、開口を有するリング状の封止部材が装着した装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に設けられた挿入空間に挿入する挿入凸部と、
前記開口を形成する開口縁に当接する当接部と、
該当接部を支点として前記挿入凸部を取外し方向に作用させる力を入力する力点部とで構成された
取外し治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ガスが導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部との接続構造、開閉バルブ装置及び開閉バルブ装置に装着した封止部材を取り外す取外し治具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、開放状態と封止状態と切り替える開閉弁を備えた開閉バルブ装置は、流路の一端である導通口を、流路配管の配管端部と接続して、ガスなどの流体を導通させる。このとき、特許文献1に示すように、導通口と配管端部との間にリング状の封止部材(ガスケット)を配置し、導通口と配管端部との接合部からのガスの漏出を防止している。
【0003】
このような封止部材は、高い封止性を得るため加圧された状態で装着されているため、使用によって劣化して封止性が低下することがある。このように封止性が低下した封止部材は、導通口と配管端部との接続をばらして、交換することとなる。特に、導通させるガスが腐食性の高い腐食性ガスなど漏出によるリスクの高いガスを導通させる場合は、使用のたびに封止部材を交換することがあった。
【0004】
しかしながら、特許文献1に示すように、装着溝(段部)に封止部材を装着する場合、単に接合部に封止部材を配置する場合に比べて、封止部材を適切な位置に配置できるものの、装着状態の封止部材を装着溝から取り外すことが困難であり、封止部材の交換性が低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、導通口と配管端部との接続状態において適切な位置に配置可能な封止部材を容易に交換することができる導通口と配管端部との接続構造、開閉バルブ装置及び取外し治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部との接続構造であって、前記導通口と前記配管端部とは突き合わせ配置されるとともに、前記導通口と前記配管端部との間に、開口を有するリング状の封止部材が配置され、前記導通口及び前記配管端部のうちの一方に、前記封止部材を装着する装着溝が形成され、前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に、取外し治具の挿入凸部を挿入できる挿入空間を設けたことを特徴とする。
【0008】
上記流体は、気体、液体、あるいはゲル体であってもよく、また、腐食性の高い腐食性ガスなど漏出することでリスクの高い流体であってもよい。
上記封止部材は、Oリング、ゴムパッキング、メタルパッキングなど封止性及び弾性を有する、例えば、ガスケットなどとも呼ばれる部材である。
【0009】
上記開閉バルブ装置は、ボンベなどの容器に取付けて流体の出し入れを規制する容器バルブ装置、あるいは流路配管の間に装着して、流路配管を流れる流体の導通を規制する配管バルブ装置であってもよい。
また、導通する流体の導通方向は、一端が導通口である開閉バルブ装置内の前記流路と、配管端部を有する流路配管との一方から他方への一方向であってもよいし、例えば、充填と放出のように導通目的に応じて導通方向が変化する双方向であってもよい。
【0010】
上述の前記導通口と前記配管端部との少なくとも一方に形成された装着溝は、前記導通口に形成された装着溝、前記配管端部に形成された装着溝あるいは、装着溝が前記導通口と前記配管端部との両方に形成されてもよい。
【0011】
なお、前記導通口と前記配管端部との両方に形成される装着溝は、同形状で形成された装着溝のうちどちらか一方に封止部材を装着し、接続状態で他方の装着溝に封止部材が嵌合するような態様や、どちらかの装着溝を主の装着溝とし、接続状態で他方の従である装着溝に封止部材が嵌合するような態様としてもよい。
【0012】
上述の前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に、取外し治具の挿入凸部を挿入できる挿入空間は、封止部材を装着する周状に凹んだ装着溝に対して、断面略階段状に凹んだ内径側の空間が周方向に連続する態様で形成されてもよいし、周方向における一部に形成されてもよいし、複数箇所に形成されてもよい。
【0013】
この発明により、前記導通口と前記配管端部との接続状態において適切な位置に配置可能な前記封止部材を容易に取り外して交換することができる。
詳述すると、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とを突き合わせた接続構造において、前記導通口と前記配管端部との間に配置する封止部材を前記導通口及び前記配管端部のうちの一方に形成した装着溝に装着することで、適切な位置に前記封止部材を確実に配置することができる。
【0014】
また、前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に挿入空間に設けたことにより、取外し治具の挿入凸部を挿入空間に挿入し、装着溝に装着した封止部材に対して裏面側から対面する側に向けて力を作用させることで、装着溝に装着された封止部材を容易に取り外し、交換することができる。したがって、使用のたびに封止部材を交換するような腐食性ガスなどを導通させる場合であっても、容易かつ効率的に封止部材を交換し、安全に使用することができる。
【0015】
この発明の態様として、前記装着溝及び前記挿入空間が前記導通口に形成されてもよい。
この発明により、封止部材の交換性を向上させることができる。
【0016】
詳述すると、固定された流路配管の配管端部に装着溝及び挿入空間を設ける場合に比べ、取り外したり、移動させやすい開閉バルブ装置の導通口に装着溝及び挿入空間を設けることで、装着溝に装着した封止部材を容易に取り外すことができるため、封止部材の交換性を向上させることができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記装着溝は、所定の受圧面積で前記封止部材と接触する接触面を有するとともに、前記挿入空間は、前記挿入空間に挿入する前記挿入凸部と、前記開口を形成する開口縁に当接する当接部と、該当接部を支点として前記挿入凸部を取外し方向に作用させる力を入力する力点部とで構成された前記取外し治具における前記挿入凸部が所定の挿入深さで挿入できる深さで形成してもよい。
【0018】
この発明により、前記導通口と前記配管端部との接続状態において、前記装着溝に装着した封止部材で確実に封止できるとともに、装着溝に装着した封止部材を取り外し治具で取り外すことができる。
【0019】
詳述すると、前記装着溝に所定の受圧面積で前記封止部材と接触する接触面を有することで、上記接続状態において、意図しない変形をすることなく、封止部材を加圧して、確実に封止することができる。
【0020】
また、前記挿入空間は、前記挿入空間に挿入する前記挿入凸部と、前記開口を形成する開口縁に当接する当接部と、該当接部を支点として前記挿入凸部を取外し方向に作用させる力を入力する力点部とで構成された前記取外し治具における前記挿入凸部を所定の挿入深さで挿入できる深さで形成しているため、所定の挿入深さで挿入凸部を挿入空間に挿入するとともに、前記開口を形成する開口縁に当接部に当接させ、該当接部を支点として前記挿入凸部を取外し方向の力を力点部により作用させることで容易に装着溝から封止部材を取り外して、交換することができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記挿入空間は、前記封止部材が装着する前記装着溝の径内側、且つ前記裏面側に設けられてもよい。
この発明により、導通する流体に影響の少ない挿入空間を簡易な構造で構成することができる。
【0022】
またこの発明は、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有するとともに、前記流路の一端を、前記流体が導通する流路配管の配管端部と突き合わせて接続する導通口とし、前記導通口に、開口を有するリング状の封止部材を装着する装着溝が設けられ、前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記配管端部と対面する側と反対側である裏面側に、取外し治具の挿入凸部を挿入できる挿入空間が設けられた開閉バルブ装置であることを特徴とする。
【0023】
この発明により、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有するとともに、前記流体が導通する流路配管の配管端部と突き合わせて接続する導通口に設けられた装着溝に封止部材を装着することで、前記導通口と前記配管端部との接続状態において適切な位置に前記封止部材を配置することができる。
【0024】
また、前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記配管端部と対面する側と反対側である裏面側に挿入空間に設けたことにより、取外し治具の挿入凸部を挿入空間に挿入し、装着溝に装着した封止部材に対して裏面側から対面する側に向けて力を作用させることで、装着溝に装着された封止部材を容易に取り外し、交換することができる。したがって、使用のたびに封止部材を交換するような腐食性ガスなどを導通させる場合であっても、容易かつ効率的に封止部材を交換し、安全に使用することができる。
【0025】
さらにまたこの発明は、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とが突き合わせ配置されるとともに、前記導通口と前記配管端部との間において前記導通口と前記配管端部との少なくとも一方に形成された装着溝に、開口を有するリング状の封止部材が装着した装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に設けられた挿入空間に挿入する前記挿入凸部と、前記開口を形成する開口縁に当接する当接部と、該当接部を支点として前記挿入凸部を取外し方向に作用させる力を入力する力点部とで構成された取外し治具であることを特徴とする。
【0026】
この発明により、前記導通口と前記配管端部との接続状態において適切な位置に配置できるように装着した前記封止部材を取り外し治具で容易に取り外して交換することができる。
詳述すると、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とを突き合わせた接続構造において、前記導通口と前記配管端部との間に配置する封止部材を前記導通口及び前記配管端部のうちの一方に形成した装着溝に装着することで適切な位置に配置できる前記封止部材に対して、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に設けた挿入空間に取外し治具における挿入凸部を挿入するとともに、前記開口を形成する開口縁に当接部に当接させ、該当接部を支点として前記挿入凸部を取外し方向に作用させる力を力点部により入力することで容易に装着溝から封止部材を取り外して、交換することができる。したがって、使用のたびに封止部材を交換するような腐食性ガスなどを導通させる場合であっても、容易かつ効率的に封止部材を交換し、安全に使用することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、導通口と配管端部との接続状態において適切な位置に配置可能な封止部材を容易に交換することができる導通口と配管端部との接続構造、開閉バルブ装置及び取外し治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図2】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略説明図。
【
図3】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図4】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図5】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略斜視図。
【
図7】容器バルブ装置の導通口に装着したガスケットの取り外し治具による取り外し状況の一部断面概略正面図。
【
図8】配管バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図9】配管バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略説明図。
【
図10】配管バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図11】配管バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図12】配管バルブ装置の導通口に装着したガスケットの取り外し治具による取り外し状況の一部断面概略正面図。
【
図13】別の実施形態の導通口と流路配管との接続構造の一部断面説明図。
【
図14】別の実施形態の導通口に装着したガスケットの取り外し治具による取り外し状況の一部断面概略正面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
この発明の一実施形態である容器バルブ装置1と流路配管100との接続構造X及び装着溝122に装着したガスケット20の取り外しについて、
図1乃至
図7とともに説明する。
図1、
図3及び
図4は容器バルブ装置1と流路配管100との接続構造Xの一部断面概略正面図を示し、
図2は容器バルブ装置1の導通口12と流路配管100との接続構造Xの一部断面概略説明図を示し、
図5は容器バルブ装置1の導通口12と流路配管100との接続構造Xの一部断面概略斜視図を示し、
図6は取り外し治具200の斜視図を示し、
図7は容器バルブ装置1の導通口12に装着したガスケット20の取り外し治具200による取り外し状況の一部断面概略正面図を示している。
【0030】
なお、
図1は接続構造Xの分解状態の一部断面概略正面図を示し、
図2は容器バルブ装置1の導通口12にガスケット20を装着した状態の接続構造Xの一部断面概略正面図を示し、
図4は接続状態の接続構造Xの一部断面概略正面図を示している。これら
図1、
図2及び
図4では、容器バルブ装置1の導通口12の部分と、ガスケット20と、流路配管100について縦断面図として図示している。
【0031】
また、
図2(a)は容器バルブ装置1の導通口12にガスケット20を装着する前の状態の一部断面概略斜視図を示し、
図2(b)容器バルブ装置1の導通口12にガスケット20を装着した状態の接続構造Xの一部断面概略斜視図を示し、
図5は接続状態の接続構造Xの一部断面概略斜視図を示している。
【0032】
これら
図2及び
図5では、導通口12、ガスケット20及び流路配管100の正面、左側面及び平面の方向からの斜視図を図示しているが、左側面視リング状である導通口12、ガスケット20及び流路配管100の手前側の一部を切り欠いて図示している。
【0033】
容器バルブ装置1の導通口12に装着したガスケット20の取り外し治具200による取り外し状況の一部断面概略正面図を示す
図7では、容器バルブ装置1の導通口12及びガスケット20について縦断面図として図示している。
【0034】
容器バルブ装置1は、図示省略するボンベ容器の上部に取り付けられ、ガスの供給や充填のために、流路配管100に接続されるとともに、ガスの導通を規制する開閉バルブ装置である。
【0035】
容器バルブ装置1は、縦長の略円筒状であるボディ本体10と、ボディ本体10の上部に設け、ボディ本体10内部に設けた開閉弁(図示省略)を回転操作する回転ハンドル11を備えている。
詳述すると、縦長の略円筒状であるボディ本体10は、中段付近において側方に突出する導通口12を備えるとともに、ボンベ容器の上部の装着部(図示省略)に螺合して取り付けられるボンベ取付け部13を下部に備えている。
【0036】
また、ボディ本体10の内部には、導通口12の先端部とボンベ取付け部13の下端部まで導通する流路14が設けられている。なお、図示省略するが、ボディ本体10の内部の流路14の中間部分には、回転ハンドル11の回転操作によって開閉動作する閉止弁を収容する弁室を設けている。
【0037】
ボディ本体10の中段付近において側方に突出する導通口12は、水平方向の流路14を左側面視中央に有する略円筒状であり、流路配管100に装着された袋ナット103と螺合するネジ部121を備えている。
【0038】
また、略円筒状の導通口12の左側面には、ガスケット20を装着する左側面視円形凹状の装着溝122を設けるとともに、装着溝122の外周縁から所定の間隔を隔てた径内側の位置から流路14の端部までをボディ本体10の側(以下においてボディ側Bという)に向かって先絞り状の円錐台形状となるテーパ状空間123を設けている。
【0039】
さらに、装着溝122の外縁からテーパ状空間123までの所定の間隔部分である溝底面124には、断面三角形状の封止溝125がテーパ状空間123の外径側に設けている。
【0040】
このように構成した装着溝122は、ガスケット20の外径と略同一の外径と、ガスケット20の厚みの半分程度の深さで形成し、装着溝122を形成する導通口12の内面には、装着溝122に装着されたガスケット20の外周面に密着する内周凸部126(
図1のa部拡大図参照)を設けている。
なお、このように構成した容器バルブ装置1では、仕様に応じて、残圧保持機構、逆流防止機構、減圧機構、圧力計、安全弁などを適宜設けてもよい。
【0041】
接続構造Xにおいて、流路配管100の配管端部102と導通口12との間に配置されるガスケット20は、導通口12の外径よりひと回り小さな外径を有するとともに、側面視中央に開口21を有する、装着溝122に装着される側面視リング状であり、導通口12と流路配管100とが接合した接続構造Xにおいて封止性及び弾性性を発揮できるゴムパッキング、メタルパッキングなど適宜の材料で構成されている。
なお、開口21は、流路14の径以上、テーパ状空間123の先端側F(ボディ側Bの反対側)より小さな径で形成している。
【0042】
ガスケット20を介して導通口12と接続され、接続構造Xを構成する流路配管100は、内部に導通空間101を有する配管であり、図示省略するが適宜の経路で配索され、一端を容器バルブ装置1の導通口12と接続する配管端部102としている。なお、流路配管100における配管端部102と反対側の端部は適宜の装置やタンク等に接続されている。
【0043】
流路配管100の一端部を構成する配管端部102は、導通口12と略同径まで拡径されてフランジ状を構成し、配管端部102の容器バルブ装置1側の側面102aには、図示省略するが断面三角形状の封止溝を設けている。
【0044】
また、流路配管100には袋ナット103が長手方向に移動可能に装着されている。流路配管100に対して長手方向に移動可能に装着された袋ナット103は、配管端部102によって、容器バルブ装置1側への移動が規制されている。袋ナット103の内面に導通口12のネジ部121と螺合するネジ部104を形成している。
【0045】
続いて、このように構成した容器バルブ装置1の導通口12と、流路配管100の配管端部102とを、ガスケット20を介在させて接続して接続構造Xを構成する方法を説明する。
まず、
図2及び
図3に示すように、導通口12の装着溝122にガスケット20を装着する。このとき、ガスケット20の厚みに比べて深さの浅い装着溝122に押し込んで装着したガスケット20は、導通口12の先端側F(流路配管100の側であってボディ側Bと反対側)の面より先端側Fに突出する態様で装着される。
【0046】
このとき、
図3のa部拡大図に示すように、装着溝122を形成する導通口12の内面に設けた内周凸部126が、装着溝122に装着されたガスケット20の外周面に対して径内側に向きに押圧するように密着しているため、装着溝122から不用意にガスケット20が外れることを防止している。
【0047】
このように装着溝122にガスケット20が装着された導通口12と配管端部102が対面するように容器バルブ装置1と流路配管100とを配置するとともに(
図2(b)及び
図3参照)、袋ナット103のネジ部104と、導通口12のネジ部121とを螺合して、導通口12と流路配管100とを連結する。
【0048】
さらに、袋ナット103と導通口12とをさらに螺入し、導通口12の溝底面124と、配管端部102の側面102aとでガスケット20を挟み込み、ガスケット20が溝底面124に設けた封止溝125と、側面102aに設けた封止溝に食い込む程度まで締め付けることで、ガスケット20を介して突き合わせ配置された導通口12と流路配管100との接続を完了し、接続構造Xを構成することとなる。
【0049】
このようにして接続された導通口12と流路配管100とによる接続構造Xは、装着溝122に装着したガスケット20を導通口12と流路配管100との間の適切な位置に配置することができる。また、
図3のa部拡大図に示すように、装着溝122を形成する導通口12の内面に設けた内周凸部126が、装着溝122に装着されたガスケット20の外周面に対して径内側に向きに押圧するように密着しているため、装着溝122から不用意にガスケット20が外れることがなく、接続構造Xにおいてガスケット20をより確実に適切な位置に配置することができる。
【0050】
また、導通口12より先端側に突出する態様で装着されたガスケット20を溝底面124と側面102aとで挟み込むとともに、それぞれの封止溝に食い込むまで締め付けられているため、封止性の高い接続構造Xを構成することができる。したがって、腐食性が高い腐食性ガスなどを導通させたとしても漏出することなく、安全に使用することができる。
【0051】
このように接続構造Xは高い封止性を実現するものの、上述したように、ガスケット20は溝底面124と側面102aとで挟み込むとともに、それぞれの封止溝に食い込むまで締め付けられており、使用によって劣化すると交換する必要がある。続いて、装着溝122に装着したガスケット20を取り外す取り外し治具200及び取り外し治具200を用いたガスケット20の取り外し方法について説明する。
【0052】
取り外し治具200は、
図6に示すように、交換する者が把持する円筒状の把持部201と、把持部201から上方に突出する支柱部202と、支柱部202の上端から両側方に突出する側方突出部203(203a,203b)とを備え、支柱部202と側方突出部203とで、対称形状となる正面視略T字状を構成している。
【0053】
支柱部202は根元部分に比べて上方が縮径した略円柱状であり、両側方に突出する側方突出部203は、上方に向けてわずかに凸状に湾曲する支柱部202の上端から側方に向けて湾曲状が連続するように形成されている。
【0054】
そのため、両側方のうち一方の側方突出部203(例えば、側方突出部203a)、支柱部202、他方の側方突出部203(例えば、側方突出部203b)とで上方に向けて湾曲する湾曲面を構成するとともに、側方突出部203は突出方向に向けてその厚みが徐々に薄くなり、装着溝122に装着されたガスケット20とテーパ状空間123との間に挿入できる厚みとなる形状で形成している。
【0055】
また、両側方に突出するとともに、支柱部202とで略T字状を構成する側方突出部203は奥行き方向(
図6において右下と左上とを結ぶ方向)の長さは、支柱部202の縮径された部分と同じ長さで形成している。そのため、側方突出部203の奥行き方向の側面と支柱部202の奥行き方向とのどちらかが突出することなく、一致するような形状である。
【0056】
また、両側方に突出する側方突出部203の端部同士の距離(
図6において右上の端部と左下の端部とを結ぶ長さ)は、ガスケット20の開口21の径より長く形成している。さらに、根元部分に比べて上方が縮径した略円柱状である支柱部202の縮径部分の径はガスケット20の開口21の径より小さく形成している。そのため、支柱部202の縮径された部分と同じ長さで形成している側方突出部203の奥行き方向の長さもガスケット20の開口21の径より短く形成している。
【0057】
このように構成した取り外し治具200を用いて、装着溝122に装着したガスケット20を取り外すには、取り外し治具200を導通口12に対して斜めに向け、取り外し治具200の支柱部202より両側方に突出した側方突出部203の一方を、ガスケット20の開口21からボディ側Bに挿入する。ここでは側方突出部203aを挿入する。なお、側方突出部203aと側方突出部203bとは対称形状で形成しているため、側方突出部203bを挿入してもよい。
【0058】
このとき、側方突出部203aの先端をガスケット20ボディ側Bにおけるテーパ状空間123に挿入するとともに、他方の側方突出部203bをガスケット20における開口21を形成する開口縁のうち先端側Fの角部に当接させる(
図7参照)。
【0059】
この状態で、把持部201を矢印m(
図7参照)の方向に移動させることにより、把持部201から入力された力は、開口21の開口縁の角部に当接する側方突出部203bを支点として、梃子の原理により、側方突出部203aには先端側Fの力として作用する。
【0060】
そのため、テーパ状空間123に挿入された側方突出部203aは、側方突出部203aの先端側Fにあるガスケット20に対して先端側Fの力を作用させ、先端側Fの力が作用したガスケット20は側方突出部203aによって押し出されて、装着溝122からガスケット20を取り外すことができる。
【0061】
このように、ガスが導通する流路14の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する容器バルブ装置1における流路14の一端である導通口12と、ガスが導通する流路配管100の配管端部102との接続構造Xにおいて、導通口12と配管端部102とは突き合わせ配置されるとともに、導通口12と配管端部102との間に、流路14の口径以上の径の開口21を有するリング状のガスケット20が配置され、先端側Fに向かって一部が突出する態様でガスケット20を装着する装着溝122が導通口12に形成され、装着溝122にガスケット20が装着された装着状態におけるボディ側Bに、取り外し治具200の側方突出部203aを挿入できるテーパ状空間123を設けたことにより、導通口12と配管端部102との接続状態において適切な位置にガスケット20を配置できるとともに、装着溝122に装着したガスケット20を容易に取り外して交換することができる。
【0062】
詳述すると、ガスが導通する流路14の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する容器バルブ装置1における流路14の一端である導通口12と、ガスが導通する流路配管100の配管端部102とを突き合わせて接続した接続構造Xにおいて、導通口12と配管端部102との間に配置するガスケット20を導通口12に形成した装着溝122に装着することで、先端側Fに向かって一部が突出する態様で適切な位置にガスケット20を確実に配置することができる。
【0063】
また、装着溝122にガスケット20が装着された装着状態におけるボディ側Bにテーパ状空間123に設けたことにより、導通口12と配管端部102との接続状態をばらした後、取り外し治具200の側方突出部203aをテーパ状空間123に挿入し、装着溝122に装着したガスケット20をボディ側Bから対面する側に向けて力を作用させることで、装着溝122に装着されたガスケット20を容易に取り外し、交換することができる。
【0064】
したがって、使用のたびにガスケット20を交換するような腐食性ガスなどを導通させる場合であっても、容易かつ効率的にガスケット20を交換し、安全に使用することができる。
【0065】
また、装着溝122及びテーパ状空間123が導通口12に形成されているため、ガスケット20の交換性を向上させることができる。
詳述すると、固定された流路配管100の配管端部102に装着溝及びテーパ状空間を設ける場合に比べ、取り外したり、移動させやすい容器バルブ装置1の導通口12に装着溝122及びテーパ状空間123を設けることで、装着溝122に装着したガスケット20を容易に取り外すことができるため、ガスケット20の交換性を向上させることができる。
【0066】
また、装着溝122は、所定の受圧面積でガスケット20と接触する溝底面124を有するとともに、テーパ状空間123は、テーパ状空間123に挿入する側方突出部203aと、開口21を形成する開口縁に当接する側方突出部203bと、側方突出部203bを支点として側方突出部203aを矢印mに作用させる把持部201とで構成された取り外し治具200における側方突出部203aが所定の挿入深さで挿入できる深さで形成しているため、導通口12と配管端部102との接続状態において、装着溝122に装着したガスケット20で確実に封止できるとともに、装着溝122に装着したガスケット20を取り外し治具
200で容易に取り外すことができる。
【0067】
詳述すると、装着溝122に所定の受圧面積でガスケット20と接触する溝底面124を有することで、上記接続状態において、意図しない変形をすることないガスケット20で確実に封止することができる。
【0068】
また、テーパ状空間123は、テーパ状空間123に挿入する側方突出部203aと、開口21を形成する開口縁に当接する側方突出部203bと、側方突出部203bを支点として側方突出部203aを矢印mに作用させる把持部201とで構成された取り外し治具200における側方突出部203aを所定の挿入深さで挿入できる深さで形成しているため、所定の挿入深さで側方突出部203aをテーパ状空間123に挿入するとともに、開口21を形成する開口縁に側方突出部203bに当接させ、側方突出部203bを支点として側方突出部203aに先端側Fへ作用するような力を把持部201により入力することで容易に装着溝122からガスケット20を取り外して、交換することができる。
【0069】
また、テーパ状空間123は、ガスケット20が装着する装着溝122の径内側、且つボディ側Bに設けているため、導通するガスに影響の少ないテーパ状空間123を簡易な構造で構成することができる。
【0070】
なお、上述の説明では、ボンベ容器の上部に取り付けられ、ガスの供給や充填のために、流路配管100に接続されるとともに、ガスの導通を規制する容器バルブ装置1と流路配管100との接続構造Xについて説明したが、流路配管100の間に配置される配管バルブ装置1aと流路配管100との接続構造Xaであってもよい。
【0071】
以下において、配管バルブ装置1aと流路配管100とを接続する接続構造Xaについて
図8乃至
図12とともに説明する。
なお、
図8、
図10、
図11は配管バルブ装置1aと流路配管100との接続構造Xaの一部断面概略正面図を示し、
図9は配管バルブ装置1aと流路配管100との接続構造Xaの一部断面概略説明図を示し、
図12は配管バルブ装置1aの導通口12aに装着したガスケット20の取り外し治具200による取り外し状況の一部断面概略正面図を示している。
【0072】
なお、
図8は接続構造Xaの分解状態の一部断面概略正面図を示し、
図10は配管バルブ装置1aの導通口12aにガスケット20を装着した状態の接続構造Xaの一部断面概略正面図を示し、
図11は接続状態の接続構造Xaの一部断面概略正面図を示している。これら
図8、
図10及び
図11では、配管バルブ装置1aの導通口12aの部分と、ガスケット20と、流路配管100について縦断面図として図示している。
【0073】
また、
図9(a)は配管バルブ装置1aの導通口12aにガスケット20を装着する前の状態の一部断面概略斜視図を示し、
図9(b)配管バルブ装置1aの導通口12aにガスケット20を装着した状態の接続構造Xaの一部断面概略斜視図を示し、
図5は接続状態の接続構造Xaの一部断面概略斜視図を示している。
【0074】
図9では、導通口12a、ガスケット20及び流路配管100の正面、左側面及び平面の方向からの斜視図を図示しているが、左側面視リング状である導通口12a、ガスケット20及び流路配管100の手前側の一部を切り欠いて図示している。
【0075】
配管バルブ装置1aは、ボンベ容器の上部に取り付けられ、ガスの導通を規制する上述の容器バルブ装置1と異なり、流路配管100同士の間に配置し、流路配管100の導通空間101を流れるガスの導通を規制する開閉バルブ装置である。
【0076】
以下の説明では、上述の容器バルブ装置1と流路配管100とを接続した接続構造Xにおける構成と同じ構成については、同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。
ボンベ容器に取付けるボンベ取付け部13を下部に備えると共に、中段付近から側方に突出する導通口12を備えたボディ本体10で構成する容器バルブ装置1と異なり、配管バルブ装置1aは、ボディ本体10aを挟んで2つの導通口12aが平面視一直線上となるように両側方に突出し、正面視逆T字状のボディ本体10aを構成している。
【0077】
このように構成されたボディ本体10aの内部には、両方の導通口12aの端部同士をつなぐ流路14が内部に形成されている。その他の構成は容器バルブ装置1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0078】
このように構成されたボディ本体10aの導通口12aは、導通口12においてボディ側Bに先絞り状の円錐台形状のテーパ状空間123に代わり、装着溝122よりひとまわり小さなリング状の空間を構成するリング状空間123aを設けている。導通口12aにおけるその他の構成については導通口12における構成と同じであるため、説明を省略する。
【0079】
このように構成した配管バルブ装置1aを流路配管100と接続して構成する接続構造Xaは、まず、導通口12aの装着溝122にガスケット20を装着する(
図8乃至
図10参照)。
そして、袋ナット103をずらして配管端部102が露出する状態で、所定の間隔を隔てて配置された流路配管100の配管端部102同士の間に配管バルブ装置1aを配置する。
【0080】
所定の間隔を隔てて配置された流路配管100の配管端部102同士の間に配置した配管バルブ装置1aの導通口12aはそれぞれ配管端部102と対面し、ガスケット20を介して突き合わせた状態となり、この状態で、流路配管100の袋ナット103と導通口12aのネジ部121とを螺合することで、それぞれの導通口12aと流路配管100とが接続され、接続構造Xaを構成することができる。
【0081】
このように構成された接続構造Xaは、導通口12と流路配管100とを接続して構成した接続構造Xと同様の効果を奏することができる。
なお、各導通口12aにおける装着溝122に装着したガスケット20を取り外し治具200で取り外す際には、
図12に示すように、容器バルブ装置1の導通口12の装着溝122に装着したガスケット20を取り外す際と同様に、取り外し治具200の側方突出部203aをリング状空間123aに挿入し、側方突出部203bを開口21の先端側Fの開口縁に当接させ、把持部201を矢印mに動かすことで、梃子の原理を利用して装着溝122に装着したガスケット20を取り外すことができる。
【0082】
さらに、装着溝122に対して内径側においてリング状の空間を形成したリング状空間123aの場合、リング状空間123aと流路14とで角部が形成されるため、形状や大きさによっては、側方突出部203bを開口21の先端側Fの開口縁に当接させることなく、側方突出部203aや支柱部202の上端がリング状空間123aと流路14との角部に当接し、この当接箇所を支点とした梃子の原理により、ガスケット20を取り外すこともできる。
【0083】
また、上述の説明では、端部に配管端部102が備えられた流路配管100と接続する接続構造X,Xaについて説明したが、例えば、米国のCGA規格などのように、配管端部102より先端側に嵌合凸部105を備えた流路配管100bと接続して接続構造Xbを構成してもよく、この場合について
図13及び
図14とともに説明する。
なお、以下の説明においても、上述の容器バルブ装置1と流路配管100とを接続した接続構造Xにおける構成と同じ構成については、同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0084】
図13に示すように、流路配管100bの先端には、配管端部102よりも突出する嵌合凸部105が設けられている。嵌合凸部105は流路配管100bの外径より小径である。このように配管端部102より先端側に突出する嵌合凸部105が備えられた流路配管100bをこれまでの導通口12や導通口12aに接続すると、嵌合凸部105が干渉し接続することができない。
【0085】
そこで、流路配管100bと接続した接続構造Xbを構成する導通口12bは導通口12や導通口12aと同様に装着溝122を設けるものの、流路14と装着溝122との間にテーパ状空間123やリング状空間123aを設けていた導通口12や導通口12aに対して、導通口12bでは、装着溝122にテーパ状空間123bを設け、テーパ状空間123bと流路14との間に、嵌合凸部105を収容する嵌合凸部収容空間127を設けている。
【0086】
つまり、先端側Fからボディ側Bに向かって、装着溝122、テーパ状空間123かリング状空間123a、及び流路14の順で配置されていた導通口12や導通口12aに対し、導通口12bは、装着溝122、テーパ状空間123b、嵌合凸部収容空間127及び流路14の順で配置されている。さらに換言するとテーパ状空間123bは、装着溝122と嵌合凸部収容空間127との間に形成されていることとなる。
【0087】
このように構成された導通口12bは、容器バルブ装置1のような容器バルブ装置や配管バルブ装置1aのような配管バルブ装置のいずれに設けられてもよいし、テーパ状空間123bの代わりにリング状空間123aと同様のリング状の空間で構成してもよい。
【0088】
また,接続構造Xbに用いるガスケット20bは、接続構造Xや接続構造Xaで用いたガスケット20の開口21に比べ、嵌合凸部105が挿通できる大径の開口21bを有している。そのため、テーパ状空間123bの先端側Fの径も、テーパ状空間123の先端側Fの径に比べて大径化している。
【0089】
このように構成した導通口12b、ガスケット20b及び流路配管100bを接続して構成した接続構造Xbは、導通口12を備えた容器バルブ装置1と流路配管100とを接続して構成した接続構造X並びに導通口12aを備えた配管バルブ装置1aと流路配管100とを接続して構成した接続構造Xaと同様の効果を奏することができる。
【0090】
また、このように構成した導通口12bの装着溝122に装着したガスケット20bも、
図14に示すように、導通口12や導通口12aの装着溝122に装着したガスケット20を取り外す手順と同様の手順で取り外し治具200を用いて取り外すことができる。
【0091】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の流体はガスに対応し、
以下同様に、
流路は流路14に対応し、
開閉バルブ装置は容器バルブ装置1に対応し、
導通口は導通口12,導通口12a、導通口12bに対応し、
流路配管は流路配管100,流路配管100bに対応し、
配管端部は配管端部102に対応し、
接続構造は接続構造Xに対応し、
開口は開口21に対応し、
封止部材はガスケット20に対応し、
装着溝は装着溝122に対応し、
裏面側はボディ側Bに対応し、
取外し治具は取り外し治具200に対応し、
挿入凸部は側方突出部203aに対応し、
挿入空間はテーパ状空間123に対応し、
接触面は溝底面124に対応し、
当接部は側方突出部203bに対応し、
取外し方向は矢印mに対応し、
力点部は把持部201に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の説明では、流体としてガスについて説明したが、液体、あるいはゲル体であってもよい。
【0092】
上述の説明では、導通口12に装着溝122を設けたが、配管端部102に装着溝を設けてもよいし、導通口12に設けた装着溝122に加えて配管端部102にも装着溝を設けてもよい。このように、導通口12に設けた装着溝122に加えて配管端部102にも装着溝を設ける場合、それぞれの溝形状を同形状で形成し、どちらか一方にガスケット20を装着し、接続状態で他方の装着溝にガスケット20が嵌合するような態様であってもよいし、どちらかの装着溝を主の装着溝としてガスケット20を装着し、接続状態で他方の従である装着溝にガスケット20が嵌合するような態様としてもよい。
【0093】
また、上述の説明では、装着溝122のボディ側Bに設けたテーパ状空間123,123bは略円錐台形状の空間であり、リング状空間123aはリング状の空間、つまり左側面視において周方向に連続する空間で形成したが、ガスケット20を装着する周状に凹んだ装着溝122に対して、周方向における一部に形成されてもよいし、複数箇所に形成されてもよい。
【0094】
また、取り外し治具200において、支柱部202の上端から側方突出部203が両側方に突出するように構成したが、例えば、側方突出部203が一方にのみ突出するような正面視略L字状となるように形成してもよい。この場合、側方突出部203の先端から支柱部202の反対側の端部までの長さがガスケット20,20bの開口21,21bの径より長く形成するとよい。
【符号の説明】
【0095】
1…容器バルブ装置
1a…配管バルブ装置
12,12a,12b…導通口
14…流路
20,20b…ガスケット
21,21b…開口
100,100b…流路配管
102…配管端部
122…装着溝
123,123b…テーパ状空間
123a…リング状空間
124…溝底面
200…取り外し治具
201…把持部
203a,203b…側方突出部
B…本体側
m…矢印
X,Xa,Xb…接続構造