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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】大束作成装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/165 20190101AFI20221011BHJP
【FI】
G07D11/165
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019093755
(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公開番号】P2020187702
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】小川 哲生
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-92800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00 - 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏取り揃えられた紙葉類を所定枚数集積させて施封してなる小束の表面および裏面を各々撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された一の小束の表面の紙葉類および施封帯を対象とする第1の撮像データと前記撮像手段で撮像された当該一の小束の裏面の紙葉類および施封帯を対象とする第2の撮像データとから当該一の小束の種別を判定する判定手段と、
前記判定手段で判定された種別に基づいて、小束を各々複数のグループに分類する分類手段と、
前記分類手段で分類された小束をグループごとに所定の束数ずつピッキングして所定の合計束数集積させる集積手段と、
前記集積手段で集積された所定の合計束数の小束を施封して大束を作成する大束作成手段と、
を備えることを特徴とする大束作成装置。
【請求項2】
前記複数のグループは、少なくとも、大束の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、その他の小束のグループであるその他グループとを含み、
前記先頭位置グループの小束を保留する第1の保留手段と、
前記その他グループの小束を保留する第2の保留手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の大束作成装置。
【請求項3】
前記複数のグループは、大束の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、大束の末尾位置に使用される指定された小束のグループである末尾位置グループと、これら以外のその他の小束のグループであるその他グループとを含み、
前記先頭位置グループの小束を保留する第1の保留手段と、
前記その他グループの小束を保留する第2の保留手段と、
前記末尾位置グループの小束を保留する第3の保留手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の大束作成装置。
【請求項4】
前記分類手段は、
前記先頭位置グループの小束を切り出す先頭切出手段と、
前記末尾位置グループの小束を切り出す末尾切出手段と、
前記その他グループの小束を切り出す中間切出手段と、
を備え、
小束の搬送方向において、前記先頭切出手段および前記末尾切出手段の下流側に前記中間切出手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載の大束作成装置。
【請求項5】
前記第3の保留手段が小束で満杯状態となると、前記末尾位置グループの小束を前記第2の保留手段に保留させることを特徴とする請求項3または4記載の大束作成装置。
【請求項6】
前記第1の保留手段が小束で満杯状態となると、前記先頭位置グループの小束を前記第2の保留手段に保留させることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項記載の大束作成装置。
【請求項7】
さらに、
前記第1の撮像データと前記第2の撮像データとに基づいて大束化不適の小束を検出する検査手段と、
前記検査手段で検出された前記大束化不適の小束を排除する排除手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の大束作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大束作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の小束を搬送しつつ各々の作成情報を検査しながら10個の小束を束ねて大束を作成する大束作成システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-223924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小束は、複数の種別に分けることができるが、複数の種別の小束を適宜組み合わせて大束とすることが望まれている。
【0005】
したがって、本発明は、所望の種別の小束を組み合わせて大束を作成することができる大束作成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1の態様は、表裏取り揃えられた紙葉類を所定枚数集積させて施封してなる小束の表面および裏面を各々撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された一の小束の表面の紙葉類および施封帯を対象とする第1の撮像データと前記撮像手段で撮像された当該一の小束の裏面の紙葉類および施封帯を対象とする第2の撮像データとから当該一の小束の種別を判定する判定手段と、前記判定手段で判定された種別に基づいて、小束を各々複数のグループに分類する分類手段と、前記分類手段で分類された小束をグループごとに所定の束数ずつピッキングして所定の合計束数集積させる集積手段と、前記集積手段で集積された所定の合計束数の小束を施封して大束を作成する大束作成手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
第1の態様によれば、撮像手段が小束の表面および裏面を各々撮像すると、判定手段が、撮像手段で撮像された小束の表面の紙葉類および施封帯を対象とする第1の撮像データと撮像手段で撮像されたこの小束の裏面の紙葉類および施封帯を対象とする第2の撮像データとから、この小束の種別を判定する。すると、分類手段が、判定手段で判定された種別に基づいて、小束を各々複数のグループに分類する。そして、集積手段が、分類手段で分類された小束をグループごとに所定の束数ずつピッキングして所定の合計束数集積させることになり、集積手段で集積された所定の合計束数の小束を大束作成手段が施封して大束を作成する。よって、所望の種別の小束を組み合わせて大束を作成することができる。
【0008】
本発明に係る第2の態様は、第1の態様において、前記複数のグループは、少なくとも、大束の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、その他の小束のグループであるその他グループとを含み、前記先頭位置グループの小束を保留する第1の保留手段と、前記その他グループの小束を保留する第2の保留手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
第2の態様によれば、分類手段が、判定手段で判定された種別に基づいて、小束を、大束の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、その他の小束のグループであるその他グループとに分類し、第1の保留手段が先頭位置グループの小束を保留し、第2の保留手段がその他グループの小束を保留する。そして、集積手段が、分類手段で分類された小束を、第1の保留手段および第2の保留手段からグループごとに所定の束数ずつピッキングして所定の合計束数集積させることになる。よって、大束の先頭位置に使用される小束を所望の種別の小束にすることができる。
【0010】
本発明に係る第3の態様は、第1の態様において、前記複数のグループは、大束の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、大束の末尾位置に使用される指定された小束のグループである末尾位置グループと、これら以外のその他の小束のグループであるその他グループとを含み、前記先頭位置グループの小束を保留する第1の保留手段と、前記その他グループの小束を保留する第2の保留手段と、前記末尾位置グループの小束を保留する第3の保留手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
第3の態様によれば、分類手段が、判定手段で判定された種別に基づいて、小束を、大束の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、大束の末尾位置に使用される指定された小束のグループである末尾位置グループと、その他の小束のグループであるその他グループとに分類し、第1の保留手段が先頭位置グループの小束を保留し、第3の保留手段が末尾位置グループの小束を保留し、第2の保留手段がその他グループの小束を保留する。そして、集積手段が、分類手段で分類された小束を、第1の保留手段、第2の保留手段および第3の保留手段からグループごとに所定の束数ずつピッキングして所定の合計束数集積させることになる。よって、大束の先頭位置に使用される小束を所望の種別の小束にすることができ、大束の末尾位置に使用される小束を所望の種別の小束にすることができる。
【0012】
本発明に係る第4の態様は、第3の態様において、前記分類手段は、前記先頭位置グループの小束を切り出す先頭切出手段と、前記末尾位置グループの小束を切り出す末尾切出手段と、前記その他グループの小束を切り出す中間切出手段と、を備え、小束の搬送方向において、前記先頭切出手段および前記末尾切出手段の下流側に前記中間切出手段が設けられていることを特徴とする。
【0013】
第4の態様によれば、分類手段は、先頭位置グループの小束を切り出す先頭切出手段および末尾位置グループの小束を切り出す末尾切出手段の下流側に、その他グループの小束を切り出す中間切出手段を設けているため、効率良く小束を切り出すことが可能となる。
【0014】
本発明に係る第5の態様は、第3または第4の態様において、前記第3の保留手段が小束で満杯状態となると、前記末尾位置グループの小束を前記第2の保留手段に保留させることを特徴とする。
【0015】
第5の態様によれば、第3の保留手段が小束で満杯状態となると、末尾位置グループの小束を第2の保留手段に保留させるため、装置停止の発生を抑制することができる。
【0016】
本発明に係る第6の態様は、第2乃至第5のいずれか一態様において、前記第1の保留手段が小束で満杯状態となると、前記先頭位置グループの小束を前記第2の保留手段に保留させることを特徴とする。
【0017】
第6の態様によれば、第1の保留手段が小束で満杯状態となると、先頭位置グループの小束を第2の保留手段に保留させるため、装置停止の発生を抑制することができる。
【0018】
本発明に係る第7の態様は、第1乃至第6のいずれか一態様において、さらに、前記第1の撮像データと前記第2の撮像データとに基づいて大束化不適の小束を検出する検査手段と、前記検査手段で検出された前記大束化不適の小束を排除する排除手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
第7の態様によれば、検査手段が、第1の撮像データと第2の撮像データとに基づいて大束化不適の小束を検出すると、排除手段が、この大束化不適の小束を排除するため、大束に大束化不適の小束が混ざる可能性を低減できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、所望の種別の小束を組み合わせて大束を作成することができる大束作成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る一実施形態の大束作成装置を示す装置前側から見た斜視図である。
図2】本発明に係る一実施形態の大束作成装置の小束投入部周辺を示す装置前側から見た斜視図である。
図3】小束表面のパターンを示す図である。
図4】小束裏面のパターンを示す図である。
図5】本発明に係る一実施形態の大束作成装置の小束集積部周辺を示す装置後側から見た斜視図である。
図6】本発明に係る一実施形態の大束作成装置の撮像データに基づく検査項目を示す図表であって、(A)は小束表面の検査項目を、(B)は小束裏面の検査項目を、それぞれ示すものである。
図7】本発明に係る一実施形態の大束作成装置の小束撮像部、先頭切出部および末尾切出部周辺を示す装置後側から見た斜視図である。
図8】本発明に係る一実施形態の大束作成装置の中間切出部周辺を示す装置後側から見た斜視図である。
図9】本発明に係る一実施形態の大束作成装置の集積台部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る一実施形態の大束作成装置を図面を参照して以下に説明する。
実施形態の大束作成装置11は、バラの紙葉類の小束から大束を作成する装置である。具体的に、大束作成装置11は、バラの同一金種の紙幣で構成された同一金種の小束から大束を作成する装置である。ここで、媒体となる紙葉類は、紙幣以外にも、商品券や小切手、手形等が該当する。以下、バラの紙幣を単に紙幣と称す。
【0023】
図1に示すように、大束作成装置11は、所定のセット数、具体的には2セットの小束供給ユニット12と、小束搬送部13と、小束集積部14と、所定の台数、具体的には4台の大束作成機15(大束作成手段)と、大束載置台16と、大束作成装置11の全体を制御する制御部17(判定手段,検査手段)とを有している。
【0024】
小束搬送部13はベルトコンベアであり、水平に配置されて直線状に延びている。そして、小束供給ユニット12と小束供給ユニット12と小束集積部14とが、この順に小束搬送部13に沿って並べられている。また、小束集積部14の小束供給ユニット12とは反対側に大束作成機15が設置され、大束作成機15の小束集積部14とは反対側に大束載置台16が設置されている。小束搬送部13は、小束集積部14から遠い側の小束供給ユニット12が上流側となり、小束集積部14が下流側となるように小束を搬送する。制御部17は、最も上流側の小束供給ユニット12の小束集積部14とは反対側に設置されている。ここで、大束作成装置11において、作業者が小束を供給したり、作成した大束を取り出したりする側を装置前側とし、その逆側を装置後側とする。図1は、大束作成装置11を装置前側から見た斜視図である。
【0025】
小束供給ユニット12は、それぞれが複数、具体的には4つの小束供給部21を有している。なお、複数の小束供給部21は同様の構成であるため、1つの小束供給部21を例にとり説明する。
【0026】
図2に示すように、小束供給部21は、小束投入部22と、供給ピッキング機構23と、小束計数機24とを有している。小束計数機24は小束搬送部13の装置前側に配置されており、小束投入部22は小束計数機24の小束搬送部13とは反対側に配置されている。供給ピッキング機構23は、小束投入部22と小束計数機24と小束搬送部13とを結ぶように設けられている。
【0027】
小束投入部22には、機外から手作業により小束200がセットされる。小束投入部22は、複数列、具体的には2列のセット台31を有している。2列のセット台31は、いずれも装置前側が高く、装置後側すなわち小束計数機24側が低くなるように傾斜している。2列のセット台31は、この傾斜に沿って小束200が複数、厚さ方向に積み重ねられてセットされる。
【0028】
ここで、小束200は、同一金種の紙幣201を所定の小束構成枚数、具体的には100枚集積させ、紙幣201の長辺方向一側に偏った所定位置に紙幣201の短辺方向に平行に施封帯202を巻いて結束し一体化したものである。小束200は、図示略の小束作成機で作成される。セット台31には、紙幣201の長辺が水平となり施封帯202が所定の一定側に位置するように施封帯202の位置を揃えて小束200がセットされる。具体的に、小束200は、小束投入部22を装置前側、すなわち小束計数機24とは反対側から見て右側に施封帯202が位置するようにしてセットされる。その結果、小束200は、小束投入部22を装置後側、すなわち小束計数機24側から見て左側に施封帯202が位置するようにしてセットされる。
【0029】
供給ピッキング機構23は、小束投入部22の2列のセット台31にセットされた1つまたは複数の小束200の中から1つの小束200をピッキングする。ここで、供給ピッキング機構23は、各セット台31にセットされた1つまたは複数の小束200の中から一定位置にある小束200を1束ずつピッキングすることになり、具体的には、各セット台31の最も傾斜下側、言い換えれば最も小束計数機24側にある小束200を1束のみピッキングする。供給ピッキング機構23は、小束投入部22からピッキングした1束の小束200を小束計数機24の図示略の計数セット部にセットする。すなわち、供給ピッキング機構23は、小束投入部22から1束ずつ小束200を掴んで小束計数機24の計数セット部に移送する。また、供給ピッキング機構23は、小束計数機24の計数セット部の小束200を掴んで小束搬送部13に移送してセットする。
【0030】
供給ピッキング機構23は、小束投入部22、小束計数機24および小束搬送部13の鉛直方向上方で、これらを結ぶ方向すなわち装置前後方向に水平に延びる供給ガイドレール41と、供給ガイドレール41に沿って移動する入口側ロボットハンド42と、供給ガイドレール41に沿って移動する出口側ロボットハンド43とを有している。出口側ロボットハンド43は、入口側ロボットハンド42よりも装置後側に設けられている。
【0031】
入口側ロボットハンド42は、小束投入部22の位置で下降して小束投入部22の所定位置にある小束200を把持した後、上昇し、供給ガイドレール41に沿って装置後側に移動して小束計数機24の位置で停止し、下降して把持していた小束200を小束計数機24の図示略の計数セット部にセットする。入口側ロボットハンド42は、小束投入部22の両方のセット台31から小束200をピッキング可能である。
【0032】
小束計数機24は、小束200の図示略の計数セット部への載置を確認すると、自動的に、この計数セット部にセットされた小束200を構成する紙幣201を1枚ずつ捲りながら計数する。小束計数機24は、小束200が同一金種の所定の小束構成枚数、具体的には100枚の適正な紙幣201で構成された検査合格の小束であるか、そうではない検査不合格の小束であるかを判定する。小束計数機24は、検査合格となった小束には、図3に示すように、その施封帯202に検査合格の「合格」印203を押す。小束計数機24は、セットされた小束200が異常な小束200であれば、「合格」印203を押すことなく、アラームを発生させることになり、これにより制御部17は、この小束計数機24を含む小束供給部21を停止させる。なお、検査不合格の小束には、小束構成枚数である100枚に満たない紙幣で構成されている小束、異金種紙幣が混入している小束、大束にする対象金種とは異なる金種の小束等が含まれる。
【0033】
図2に示すように、供給ピッキング機構23は、出口側ロボットハンド43が、小束計数機24の位置で下降して、小束計数機24で正常と判定された小束200を把持した後、上昇する。このように上昇した出口側ロボットハンド43は、供給ガイドレール41に沿って装置後側に移動し、小束搬送部13の位置で下降して、把持していた小束200を小束搬送部13の搬送セット部35にセットする。
【0034】
ここで、供給ピッキング機構23は、小束200を、小束投入部22に投入された姿勢と一対一の関係で搬送セット部35にセットする。すなわち、上記のように、紙幣201の長辺が水平となり装置前側から見て施封帯202が右側に位置するように小束投入部22にセットされた小束200を、供給ピッキング機構23は、紙幣201の短辺が鉛直方向に沿い、紙幣201の長辺が小束搬送部13の搬送方向に沿い、施封帯202が装置前側から見て右側に位置する姿勢で搬送セット部35にセットする。小束搬送部13は、このような立位状態にセットされた小束200を、施封帯202を先頭側として紙幣201の長辺が搬送方向に沿うように水平に搬送する。
【0035】
ここで、小束200は、同一金種の紙幣201が所定の小束構成枚数、具体的には100枚、少なくとも表裏が取り揃えられて施封されて作成されている。すなわち、小束200は、紙幣201の天地については取り揃えられていないものである。また、小束投入部22のセット台31にセットされる際に、小束200は、上記したように、施封帯202の向きが一定となるようにセットされるものの、表面の紙幣201の天地および裏面の紙幣201の天地等は揃えられずにセットされる。このため、小束搬送部13にセットされた状態の小束200は、向きが異なる8つの種別に分けられることになる。
【0036】
図3図4に示すように、例えば、万円券、五千円券および千円券において、紙幣201の人物像300が印刷された側を紙幣表面301とし、人物像300が印刷されていない側を紙幣裏面302とする。また、人物像300の頭部311側を紙幣上(天)とし、人物像300の胸312側を紙幣下(地)とする。また、人物像300を頭部311を鉛直上にし胸312を鉛直下にして正面から見た場合の左を紙幣左、右を紙幣右とする。また、小束搬送部13の搬送セット部35にセットされた小束200を、装置後側から見た場合に正面となる面を小束表面211、装置前側から見た場合に正面となる面を小束裏面212とする。図3に示すように、小束表面211は、いずれの場合も、施封帯202が正面から見て左側に偏っている。図4に示すように、小束裏面212は、いずれの場合も、施封帯202が正面から見て右側に偏っている。
【0037】
小束表面211には、図3(a)に示すように、紙幣上が鉛直上、紙幣下が鉛直下となる正立の紙幣表面301の左側に施封帯202が配置されている小束表面211(a)と、図3(b)に示すように、紙幣上が鉛直下、紙幣下が鉛直上となる倒立の紙幣裏面302の左側に施封帯202が配置されている小束表面211(b)と、図3(c)に示すように、紙幣上が鉛直下、紙幣下が鉛直上となる倒立の紙幣表面301の左側に施封帯202が配置されている小束表面211(c)と、図3(d)に示すように、紙幣上が鉛直上、紙幣下が鉛直下となる正立の紙幣裏面302の左側に施封帯202が配置されている小束表面211(d)とがある。
【0038】
小束裏面212には、図4(a)に示すように、紙幣上が鉛直上、紙幣下が鉛直下となる正立の紙幣表面301の右側に施封帯202が配置されている小束裏面212(a)と、図4(b)に示すように、紙幣上が鉛直下、紙幣下が鉛直上となる倒立の紙幣裏面302の右側に施封帯202が配置されている小束裏面212(b)と、図4(c)に示すように、紙幣上が鉛直下、紙幣下が鉛直上となる倒立の紙幣表面301の右側に施封帯202が配置されている小束裏面212(c)と、図4(d)に示すように、紙幣上が鉛直上、紙幣下が鉛直下となる正立の紙幣裏面302の右側に施封帯202が配置されている小束裏面212(d)とがある。
【0039】
そして、同じ小束200を構成する紙幣201は表裏が取り揃えられていることから、小束表面211(a)の小束200には、小束裏面212(b)の組み合わせと、小束裏面212(d)の組み合わせとがあり、小束表面211(b)の小束200には、小束裏面212(a)の組み合わせと、小束裏面212(c)の組み合わせとがあり、小束表面211(c)の小束200には、小束裏面212(b)の組み合わせと、小束裏面212(d)の組み合わせとがあり、小束表面211(d)の小束200には、小束裏面212(a)の組み合わせと、小束裏面212(c)の組み合わせとがある。
【0040】
以下、小束表面211(a)と小束裏面212(b)との組み合わせの小束200を小束200(ab)とし、小束表面211(a)と小束裏面212(d)との組み合わせの小束200を小束200(ad)とし、小束表面211(b)と小束裏面212(a)との組み合わせの小束200を小束200(ba)とし、小束表面211(b)と小束裏面212(c)との組み合わせの小束200を小束200(bc)とし、小束表面211(c)と小束裏面212(b)との組み合わせの小束200を小束200(cb)とし、小束表面211(c)と小束裏面212(d)との組み合わせの小束200を小束200(cd)とし、小束表面211(d)と小束裏面212(a)との組み合わせの小束200を小束200(da)とし、小束表面211(d)と小束裏面212(c)との組み合わせの小束200を小束200(dc)とする。小束搬送部13の搬送セット部35にセットされた状態の小束200は、このように向きが異なる8つの種別に分けられることになる。
【0041】
図1に示すように、小束集積部14は、小束搬送部13の小束搬送方向における2セットの小束供給ユニット12よりも下流側に設けられている。図5に示すように、小束集積部14は、所定のセット数、具体的には2セットの撮像部51(撮像手段)と、分類部52(分類手段)と、集積部53(集積手段)とを有している。
【0042】
撮像部51は、小束供給部21から小束搬送部13で搬送されてきた小束200の小束表面211および小束裏面212を各々撮像する。このため、撮像部51は、小束搬送部13における小束200の搬送経路に対して装置後側に配置されて小束200の小束表面211を撮像する表面用カメラ61と、小束搬送部13における小束200の搬送経路に対して装置前側に配置されて小束200の小束裏面212を撮像する裏面用カメラ62とを有している。このような撮像部51が、小束搬送部13の小束搬送方向に並んで2セット設けられている。小束搬送部13において搬送方向に近接して隣り合う2つの小束200のうち、上流側の小束200を上流側の撮像部51が、下流側の小束200を下流側の撮像部51が、それぞれ撮像する。一つの小束200は、2セットの撮像部51のうちの一方のみで撮像される。
【0043】
制御部17は、撮像部51の表面用カメラ61で撮像された小束200の小束表面211の紙幣201および施封帯202を対象とする第1の撮像データと、撮像部51の裏面用カメラ62で撮像されたこの小束200の小束裏面212の紙幣201および施封帯202を対象とする第2の撮像データとから、この小束200を判別する。制御部17は、撮像部51で撮像された小束200が、不良があって大束に適さない大束化不適な小束であるか、不良がなく大束に適した適正な小束であるかを判定する。言い換えれば、制御部17は、第1の撮像データと第2の撮像データとに基づいて大束化不適の小束200を検出する。
【0044】
その際の検査項目は、図6(A)に示すように、小束表面211については、金種すなわち大束にする対象金種の小束200であるか否かの項目1と、小束表面211が紙幣表面301であるか否かの項目2と、小束表面211の紙幣201に四隅の折れや破れがあるか否かの項目3と、小束表面211の施封帯202に位置異常や破れがあるか否かの項目4と、小束表面211の施封帯202に「合格」印203があるか否かの項目5と、小束表面211の紙幣表面301または小束裏面212が正立であるか倒立であるかの項目6との6項目である。
【0045】
また、図6(B)に示すように、小束裏面212についても、金種すなわち大束にする対象金種の小束200であるか否かの項目1と、小束裏面212が紙幣裏面302であるか否かの項目2と、小束裏面212の紙幣201に四隅の折れや破れがあるか否かの項目3と、小束裏面212の施封帯202に位置異常や破れがあるか否かの項目4と、小束裏面212の施封帯202に「合格」印203があるか否かの項目5と、小束裏面212の紙幣表面301または小束裏面212が正立であるか倒立であるかの項目6との6項目である。
【0046】
そして、小束表面211および小束裏面212のいずれか一方について、項目1~5の中から1項目でも検査NGがあれば、大束に適さない大束化不適な小束と判定する。なお、項目1については、対象金種の小束200でなければ検査NGとし、項目3については、紙幣201に四隅の折れや破れがあれば検査NGとし、項目4については、施封帯202に位置異常や破れがあれば検査NGとし、項目5については、施封帯202に「合格」印203がなければ検査NGとする。また、項目2については、小束表面211が紙幣表面301であって小束裏面212も紙幣表面301である場合と、小束表面211が紙幣裏面302であって小束裏面212も紙幣裏面302である場合とに検査NGとする。尚、「合格」印203については、図3図4等での説明上、分かりやすくする為に、小束表面211の施封帯202、及び小束裏面212の施封帯202の何れにも押印されるものとして便宜上説明したが、これに替えて、何れか片面側の施封帯202にのみ「合格」印203が押印される仕組みであって、何れの片面側の施封帯202にも「合格」印203が無ければ検査NGとするようにしても良い。
【0047】
制御部17は、全ての検査項目がOKとなった適正な小束200については、第1の撮像データと第2の撮像データとに基づいて、小束表面211および小束裏面212のそれぞれについて正立であるか倒立であるかと施封帯202の位置とを確認することで、その種別が、小束200(ab)、小束200(ad)、小束200(ba)、小束200(bc)、小束200(cb)、小束200(cd)、小束200(da)、小束200(dc)の8種のうちのいずれであるかを判定する。
【0048】
図5に示す分類部52は、制御部17で判定された種別に基づいて、小束200を各々複数のグループに分類する。具体的に、分類部52は、小束200を3つのグループに分類する。分類部52は、小束200を、大束の小束集積方向における一端の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、大束の先頭とは反対端の末尾位置に使用される指定された小束のグループである末尾位置グループと、これら以外のその他の小束のグループであるその他グループとに分類する。
【0049】
ここで、大束作成装置11においては、図示略の操作部への設定操作で、末尾位置グループを指定する末尾指定有モードと、指定しない末尾指定無モードとが切り替え設定可能となっている。このため、末尾指定無モードの場合、分類部52は、小束200を、大束の小束集積方向における一端の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、その他の小束のグループであるその他グループとに分類する。よって、複数のグループは、少なくとも、大束の先頭位置に使用される指定された小束200のグループである先頭位置グループと、その他の小束200のグループであるその他グループとを含んでいる。以下では、大束作成装置11が末尾指定有モードに設定されている場合について説明し、必要に応じて、大束作成装置11が末尾指定無モードに設定されている場合について追加で説明する。
【0050】
分類部52は、小束搬送部13の小束搬送方向上流側から順に、先頭切出部71(先頭切出手段)と、末尾切出部72(末尾切出手段)と、所定のセット数、具体的には4セットの中間切出部73(中間切出手段)とを有している。また、分類部52は、先頭切出部71と末尾切出部72とに共通の保持集積ピッキング機構75(排除手段)と、先頭切出部71と末尾切出部72とに共通の保持部76とを有している。
【0051】
図7に示すように、先頭切出部71は、小束搬送部13で並べられて搬送される複数の小束200の中から、先頭位置グループの小束200を切り出す。具体的に、先頭切出部71は、図3(a)に示すように、いずれも紙幣201の人物像300が施封帯202で隠れていない小束表面211(a)を有する小束200(ab)および小束200(ad)の2つの種別の小束200のグループを先頭位置グループとして、これら小束200(ab)および小束200(ad)の2つの種別の小束200を切り出す。
【0052】
図7に示すように、先頭切出部71は、先頭切出シリンダ81と、先頭切出支持部82とを有している。先頭切出シリンダ81および先頭切出支持部82は、小束搬送部13の小束搬送方向における位置を合わせている。先頭切出シリンダ81は、小束搬送部13で搬送される小束200の搬送経路の装置後側に配置されており、先頭切出支持部82は、小束搬送部13で搬送される小束200の搬送経路の装置前側に配置されている。先頭切出シリンダ81は、小束搬送部13で搬送される小束200を1束だけ、装置前側に押し出して、小束搬送部13から先頭切出支持部82にそのままの姿勢で受け渡す。先頭切出支持部82は、このように切り出された、先頭位置グループの小束200をそのままの姿勢で支持する。先頭切出支持部82は小束200を1束のみ支持する。
【0053】
末尾切出部72は、小束搬送部13で搬送される複数の小束200の中から、末尾位置グループの小束200を切り出す。具体的に、末尾切出部72は、図4(d)に示すように、いずれも紙幣201の紙幣上が鉛直方向上に紙幣下が鉛直方向下になる小束裏面212(d)を有する小束200(ad)および小束200(cd)のグループを末尾位置グループとして、これら小束200(ad)および小束200(cd)の2つの種別の小束200を切り出す。但し、これらの小束200(ad)および小束200(cd)のうち、小束200(ad)は基本的に先頭切出部71で切り出されるため、末尾切出部72は、先頭切出部71で切り出されない小束200(cd)の1つの種別の小束200を切り出す。残りの1つの種別の小束200(ad)については、先頭切出部71で切り出されなければ、末尾切出部72が切り出す。
【0054】
なお、大束作成装置11が末尾指定無モードに設定されている場合には、末尾切出部72は、先頭切出部71で切り出されずに小束搬送部13で搬送されてきた小束200を種別によらず切り出す。すなわち、この大束作成装置11が末尾指定無モードに設定されている場合、少なくとも、小束200(ba)、小束200(bc)、小束200(cb)、小束200(cd)、小束200(da)および小束200(dc)の6つの種別の小束200については、末尾切出部72が切り出す。
【0055】
図7に示すように、末尾切出部72は、末尾切出シリンダ91と、末尾切出支持部92とを有している。末尾切出シリンダ91および末尾切出支持部92は、小束搬送部13の小束搬送方向における位置を合わせている。末尾切出シリンダ91は、小束搬送部13で搬送される小束200の搬送経路の装置後側に配置されており、末尾切出支持部92は、小束搬送部13で搬送される小束200の搬送経路の装置前側に配置されている。末尾切出シリンダ91は、小束搬送部13で搬送される小束200を1束だけ、装置前側に押し出して、小束搬送部13から末尾切出支持部92にそのままの姿勢で受け渡す。末尾切出支持部92は、このように切り出された、末尾位置グループの小束200をそのままの姿勢で支持する。末尾切出支持部92は小束200を1束のみ支持する。
【0056】
保持部76は、先頭切出部71で切り出された小束200、すなわち先頭位置グループの小束200が載置される装置後側の複数、具体的には2つの先頭保留部101(第1の保留手段)と、末尾切出部72で切り出された小束200、すなわち末尾位置グループの小束200が載置される装置前側の複数、具体的には2つの末尾保留部102(第3の保留手段)とを有している。ここで、大束作成装置11が末尾指定無モードに設定されている場合、末尾保留部102には、基本的に、先頭位置グループ以外のその他グループの小束200が載置される。
【0057】
図5に示すように、保持集積ピッキング機構75は、ロボットハンドであり、先頭切出支持部82から、先頭位置グループの小束200をピッキングして保持部76の複数の先頭保留部101の一方に選択的にセットする。よって、先頭保留部101は、先頭位置グループの小束200を保留する。このとき、保持集積ピッキング機構75は、先頭切出支持部82からピッキングした小束200を、鉛直方向および装置前後方向の姿勢(言い換えれば、前後左右上下の姿勢)が、小束搬送部13での搬送時の姿勢と同じ姿勢となるようにして先頭保留部101に載置させる。なお、先頭切出部71の先頭切出シリンダ81で先頭切出支持部82に切り出された小束200は、即座に保持集積ピッキング機構75によって掴まれて、1束ずつ個別に先頭保留部101に移送される。
【0058】
また、保持集積ピッキング機構75は、末尾切出支持部92から、末尾位置グループの小束200をピッキングして保持部76の複数の末尾保留部102の一方に選択的にセットする。よって、末尾保留部102は、末尾位置グループの小束200を保留する。このとき、保持集積ピッキング機構75は、末尾切出支持部92からピッキングした小束200を、鉛直方向および装置前後方向の姿勢が、小束搬送部13での搬送時の姿勢と同じ姿勢となるようにして末尾保留部102に載置させる。なお、末尾切出部72の末尾切出シリンダ91で末尾切出支持部92に切り出された小束200は、即座に保持集積ピッキング機構75によって掴まれて、1束ずつ個別に末尾保留部102に移送される。
【0059】
ここで、保持集積ピッキング機構75は、撮像部51の撮像結果から制御部17が大束に適さない大束化不適な小束であると判定した小束200については、小束搬送部13から直接ピッキングして、図示略の排除ボックスに排除する。すなわち、保持集積ピッキング機構75は、制御部17で検出された大束化不適の小束200を排除する。なお、大束化不適な小束200を先頭切出部71の先頭切出シリンダ81で先頭切出支持部82に切り出してから保持集積ピッキング機構75でピッキングして図示略の排除ボックスに排除するようにしても良い。
【0060】
なお、保持部76の複数の先頭保留部101がいずれも小束200を載置させている満杯状態にあるとき、先頭切出部71は、先頭切出部71で切り出すべき、先頭位置グループの小束200を切り出さずに、そのまま、小束搬送部13で搬送させる。このように、先頭切出部71で切り出されるべき、先頭位置グループの小束200が、そのまま小束搬送部13で搬送されると、この小束200が、末尾位置グループの小束200である場合、保持部76の末尾保留部102がいずれも小束200を載置させている満杯状態になければ、末尾切出部72がこの小束200を切り出すことになる。
【0061】
保持部76の複数の末尾保留部102がいずれも小束200を載置させている満杯状態にあるとき、末尾切出部72は、末尾切出部72で切り出すべき小束200を切り出さずに、そのまま、小束搬送部13で搬送させる。
【0062】
複数の中間切出部73は、先頭切出部71および末尾切出部72のいずれでも切り出されずに小束搬送部13で搬送されてきた小束200を切り出す。複数の中間切出部73は、小束搬送部13で搬送される複数の小束200の中から、基本的に、大束の先頭位置および末尾位置のいずれにも使用されないその他グループの小束200を切り出す。
【0063】
ここで、保持部76の先頭保留部101が小束200で満杯状態にあって、先頭切出部71で切り出されるべき、先頭位置グループの小束200が、そのまま小束搬送部13で複数の中間切出部73まで搬送されてくると、複数の中間切出部73は、この小束200を切り出す。同様に、保持部76の末尾保留部102が小束200で満杯状態にあって、末尾切出部72で切り出されるべき小束200が、そのまま小束搬送部13で複数の中間切出部73まで搬送されてくると、複数の中間切出部73は、この小束200を切り出すことになる。
【0064】
先頭切出部71が小束200(ab)および小束200(ad)の2つの種別の小束200を切り出し、末尾切出部72が基本的に小束200(cd)の1つの種別の小束200を切り出すため、中間切出部73は、少なくとも、小束200(ba)、小束200(bc)、小束200(cb)、小束200(da)、小束200(dc)の5つの種別の小束200を切り出す。ここで、先頭保留部101が満杯状態にあることにより、先頭切出部71で切り出されなかった小束200(ab)および小束200(ad)の2つの種別のうち、一方の小束200(ad)は、末尾切出部72の切り出し対象であるため、末尾切出部72で切り出されることになる。
【0065】
なお、大束作成装置11が末尾指定無モードに設定されている場合、先頭切出部71が小束200(ab)および小束200(ad)の2つの種別の小束200を切り出し、末尾切出部72および中間切出部73は、少なくとも、小束200(ba)、小束200(bc)、小束200(cb)、小束200(cd)、小束200(da)および小束200(dc)の6つの種別の小束200を切り出す。
【0066】
図8に示すように、複数の中間切出部73は同様の構成である。このため、1つの中間切出部73を例にとり説明する。中間切出部73は、中間切出シリンダ111と、中間切出保留部112(第2の保留手段)とを有している。中間切出シリンダ111および中間切出保留部112は、小束搬送部13の小束搬送方向における位置を合わせている。
【0067】
中間切出シリンダ111は、小束搬送部13で搬送される小束200の搬送経路の装置後側に配置されており、中間切出保留部112は、小束搬送部13で搬送される小束200の搬送経路の装置前側に配置されている。中間切出シリンダ111は、小束搬送部13で搬送される小束200を1束だけ、装置前側に押し出して、小束搬送部13から中間切出保留部112にそのままの姿勢で受け渡す。
【0068】
中間切出保留部112は、このように受け渡された小束200を保持する。中間切出保留部112は、支持板113が摺動して、中間切出シリンダ111で小束搬送部13から押し出された小束200を、そのままの姿勢で押し出しの順に厚さ方向に重ねて8束まで保持可能となっている。このようにして、中間切出保留部112は、その他グループの小束200を保留する。中間切出部73は、大束を構成する10束の小束200の中の少なくとも2束目~8束目用として使用できる小束200を切り出して保留する。
【0069】
複数の中間切出部73は、小束搬送部13による小束搬送方向上流側の中間切出部73の中間切出保留部112に空スペースがあるものから順に、小束200を切り出すように設定されている。例えば、所定の中間切出部73の中間切出保留部112に8束の小束200が保留された場合、それよりも上流側の中間切出部73の中間切出保留部112に空スペースがあれば、この中間切出部73で小束200の切り出しを行う一方、それよりも上流側に中間切出部73がない、あるいは、それよりも上流側に中間切出部73があってもその中間切出保留部112に空スペースがなければ、それよりも下流側の中間切出部73で小束200の切り出しを行うことになる。
【0070】
以上の仕組みによって、1箇所の中間切出部73の中間切出保留部112が満杯になると、次の下流側の中間切出部73で小束200が中間切出シリンダ111で切り出されて中間切出保留部112に保留され、この中間切出部73の中間切出保留部112が満杯になると、次の下流の中間切出部73で小束200が中間切出シリンダ111で切り出されて中間切出保留部112に保留され、最終的に計4箇所の中間切出保留部112が満杯になるまで、継続して小束搬送部13上の小束200を、保持部76または中間切出保留部112に保留できるようになっている。
【0071】
上記したように、保持部76の複数の先頭保留部101が小束200で満杯状態になると、先頭位置グループの小束200を、そのまま、小束搬送部13で搬送して、中間切出部73の中間切出保留部112に保留させることになる。同様に、保持部76の複数の末尾保留部102が小束200で満杯状態になると、末尾位置グループの小束200を、そのまま、小束搬送部13で搬送して、中間切出部73の中間切出保留部112に保留させることになる。
【0072】
図5に示すように、集積部53は、上記した分類部52の保持集積ピッキング機構75と、中間集積ピッキング機構121と、複数、具体的には2つの集積台部122と、旋回機構125と、集積束搬送機構123と、を有している。よって、保持集積ピッキング機構75は、分類部52と集積部53とで兼用となっている。
【0073】
複数の集積台部122は、共通の旋回機構125によって水平旋回可能に設けられており、一方の集積台部122が装置後側に配置されるとき、他方の集積台部122が装置前側に配置され、逆に一方の集積台部122が装置前側に配置されるとき、他方の集積台部122が装置後側に配置される。
【0074】
複数の集積台部122は、同様の構成である。このため、1つの集積台部122を例にとり説明する。集積台部122は、図9に示すように、所定の合計束数、具体的には10束分、小束200を集積状態で載置させる。集積台部122は、1つの先頭束載置部131と、複数、具体的には8つの中間束載置部132と、1つの末尾束載置部133とを有している。先頭束載置部131と、8つの中間束載置部132と、末尾束載置部133とは、一列状に並んでおり、集積台部122には、この並び方向の一端に先頭束載置部131が、この並び方向の他端に末尾束載置部133が、この並び方向の先頭束載置部131と末尾束載置部133との間に8つの中間束載置部132が設けられている。
【0075】
先頭束載置部131は、小束200を1束のみ載置可能であり、載置された小束200を、紙幣201の短辺が鉛直方向に沿い且つ紙幣201の長辺が水平方向に沿う状態で単独で立位姿勢となるように支持する。先頭束載置部131は、先頭束載置部131、8つの中間束載置部132および末尾束載置部133の並び方向に小束200の厚さ方向を沿わせて、小束200を載置させる。
【0076】
末尾束載置部133は、小束200を1束のみ載置可能であり、載置された小束200を、紙幣201の短辺が鉛直方向に沿い且つ紙幣201の長辺が水平方向に沿う状態で単独で立位姿勢となるように支持する。末尾束載置部133は、先頭束載置部131、8つの中間束載置部132および末尾束載置部133の並び方向に小束200の厚さ方向を沿わせて、小束200を載置させる。
【0077】
8カ所の中間束載置部132は、同様の構成である。このため、1つの中間束載置部132を例にとり説明する。1つの中間束載置部132は、小束200を1束のみ載置可能であり、載置された小束200を、紙幣201の短辺が鉛直方向に沿い且つ紙幣201の長辺が水平方向に沿う状態で単独で立位姿勢となるように支持する。中間束載置部132は、先頭束載置部131、8つの中間束載置部132および末尾束載置部133の並び方向に小束200の厚さ方向を沿わせて、小束200を載置させる。
【0078】
先頭束載置部131、複数の中間束載置部132および末尾束載置部133は、10束の小束200を、紙幣201の長辺の延在方向の位置を合わせ、紙幣201の短辺の延在方向の位置を合わせて、厚さ方向に近接させて載置させる。よって、集積台部122は、小束200を、所定の合計束数、具体的には10束、紙幣201の長辺の延在方向の位置を揃え、紙幣201の短辺の延在方向の位置を揃えて、厚さ方向に水平に集積させる。
【0079】
図5に示すように、集積台部122は、装置後側の所定の集積位置に配置されたとき、先頭束載置部131が装置後側に、末尾束載置部133が装置前側に位置することになる。また、この状態から、旋回機構125により水平旋回させられて、装置前側の所定の取出位置に配置されたとき、集積台部122は、先頭束載置部131が装置前側に、末尾束載置部133が装置後側に位置することになる。
【0080】
保持集積ピッキング機構75は、複数の先頭保留部101から選択的に1束の小束200をピッキングして、集積位置に配置された集積台部122の先頭束載置部131に載置させる。このとき、保持集積ピッキング機構75は、先頭保留部101からピッキングした小束200を、鉛直方向および装置前後方向の姿勢が、先頭保留部101での保持時と同じ姿勢、すなわち小束搬送部13での搬送時と同じ姿勢となるようにして先頭束載置部131に載置させる。
【0081】
また、保持集積ピッキング機構75は、複数の末尾保留部102から選択的に1束の小束200をピッキングして、集積位置に配置された集積台部122の末尾束載置部133に載置させる。このとき、保持集積ピッキング機構75は、末尾保留部102からピッキングした小束200を、鉛直方向および装置前後方向の姿勢が、末尾保留部102での保持時と同じ姿勢、すなわち小束搬送部13での搬送時と同じ姿勢となるようにして末尾束載置部133に載置させる。
【0082】
中間集積ピッキング機構121は、複数の中間切出保留部112から選択的に8束の小束200を集積状態のまま纏めてピッキングして、集積位置に配置された集積台部122の中間束載置部132に載置させる。このとき、中間集積ピッキング機構121は、8束すべての小束200を、鉛直方向および装置前後方向の姿勢が、中間切出保留部112での保持時と同じ姿勢、すなわち小束搬送部13での搬送時と同じ姿勢となるようにして中間束載置部132に載置させる。
【0083】
このようにして、集積部53は、分類部52で分類された小束200をグループごとに所定の束数ずつピッキングして所定の合計束数、具体的には10束集積させることになる。集積位置に配置された集積台部122には、10束の小束200が、それぞれ、鉛直方向および装置前後方向の姿勢を小束搬送部13で搬送されていたときと同じにした状態でセットされる。
【0084】
10束の小束200が載置された集積台部122において、先頭束載置部131に載置された小束200は、大束の小束集積方向における一端の先頭位置に使用される指定された小束200である。先頭束載置部131には、具体的には、図3(a)に示すように紙幣201の人物像300が施封帯202で隠れていない紙幣表面301を含む小束表面211(a)を有する先頭位置グループの小束200(ab)および小束200(ad)のいずれか一方が、小束表面211(a)を、残り9束の小束200の載置側とは反対に向けた状態で載置されることになる。
【0085】
また、10束の小束200が載置された集積台部122において、末尾束載置部133に載置された小束200は、大束の小束集積方向における他端の末尾位置に使用される指定された小束200である。末尾束載置部133には、具体的には、図4(d)に示すように紙幣201の紙幣上が鉛直方向上に紙幣下が鉛直方向下になる紙幣裏面302を含む小束裏面212(d)を有する末尾位置グループの小束200(ad)および小束200(cd)のいずれか一方が、小束裏面212(d)を、残り9束の小束200の載置側とは反対側に向けた状態で載置されることになる。なお、大束作成装置11が末尾指定無モードに設定されている場合には、末尾束載置部133に載置される小束200の向きに特に決まりはなくなる。
【0086】
図5に示す小束集積部14は、中間切出保留部112の何れか1箇所が満杯状態、つまり8束保留状態になると、中間集積ピッキング機構121が当該8束の小束200を掴んで集積位置にある集積台部122の所定の中間束載置部132へ移送して小束200を中間束載置部132に載置させる。また、これに対応して、保持部76に保留された、先頭位置グループの小束200を1束、保持集積ピッキング機構75が掴んで集積位置にある集積台部122の所定の先頭束載置部131へ移送して規定の向きで先頭束載置部131に載置させる。同様に、保持部76に保留された、末尾位置グループの小束200を1束、保持集積ピッキング機構75が掴んで集積位置にある集積台部122の所定の末尾束載置部133へ移送して規定の向きで末尾束載置部133に載置させる。これにより、10束の小束200が集積位置にある集積台部122で集積された状態になる。
【0087】
集積部53は、一方の集積位置にある集積台部122が10束の小束200が集積された状態になると、旋回機構125がこれを旋回させて取出位置に位置させることになり、これに伴って、それまで取出位置に位置していた空の集積台部122が集積位置に位置することになって、この集積台部122に対して、次の10束の小束200を集積させることになる。
【0088】
集積束搬送機構123は、取出位置に位置する集積台部122の鉛直上方位置から小束搬送部13に平行をなして大束作成機15側に水平に延出する搬送ガイドレール141と、搬送ガイドレール141に沿って移動するロボットハンド142とを有している。ロボットハンド142は、取出位置に位置する集積台部122の位置で下降して、取出位置に位置する集積台部122にある10束の小束200を集積方向両側から把持した後、上昇し、搬送ガイドレール141に沿って移動して、複数の大束作成機15のうちの1台の位置で下降して、把持していた小束200をこの大束作成機15の小束装填口151にセットする。このとき、集積束搬送機構123は、10束の小束200を、鉛直方向および装置前後方向の姿勢が、取出位置に位置する集積台部122にあるときと同じ姿勢で小束装填口151にセットする。
【0089】
図1に示すように、複数、具体的には4台の大束作成機15は、2行2列に配置されている。そして、4台のうちの2台が小束装填口151の位置を図5に示す搬送ガイドレール141と平行な同一直線上に配置しており、残り2台も小束装填口151の位置を搬送ガイドレール141と平行な同一直線上に配置している。そして、この状態で、4台の大束作成機15は、移動ガイドレール152に沿って、搬送ガイドレール141と直交する水平方向に往復移動する。これにより、直線状の搬送ガイドレール141に沿って移動するロボットハンド142で、4台の大束作成機15のすべての小束装填口151に選択的に10束の小束200をセット可能となっている。
【0090】
以上の仕組みによって、1箇所の集積台部122に10束の小束200が集積保留されると、集積束搬送機構123のロボットハンド142が、これら10束の小束200を掴んで、次の工程となる大束作成機15の小束装填口151へ移送する。
【0091】
以上が小束集積部14における小束200の切り出し、保留、集積、そして大束作成機15への移送の動きとなるが、仮に、保持部76が満杯で、4箇所の中間切出保留部112も満杯状態となり、上流側から小束搬送部13で搬送されてくる小束200の切り出しができなくなることが想定される場合には、中間切出保留部112の1箇所の小束8束を中間集積ピッキング機構121が掴んで、図示せぬ一括溢れボックスへ排除して中間切出保留部112に空きスペースを確保して、小束搬送部13の搬送動作を停止せずに継続動作可能となっている。
【0092】
大束作成機15は、その小束装填口151への10束の小束200の装填を検知すると、機内にこれら10束の小束200を取り込んで、大帯にて十文字掛けで帯封を行い大束を作成し、元の小束装填口151へ繰り出し動作を行う。このようにして、大束作成機15は、集積部53で集積された所定の合計束数の小束200を施封して大束を作成する。このようにして大束が作成されると、集積束搬送機構123のロボットハンド142が、この大束を掴んで小束装填口151から大束載置台16へ移送する。
【0093】
以上により、大束作成装置11は、紙幣201を所定枚数施封した小束200について、その小束200の帯掛け位置等の外観の違いから種別ごとに分類した後、その中から所定束数の小束200を各々集積し施封して大束を作成することになる。
【0094】
このようにして作成された大束は、小束集積方向における一端の先頭の小束200が、小束200(ab)および小束200(ad)のいずれか一方となり、図3(a)に示すように、紙幣201の人物像300が施封帯202で隠れていない紙幣表面301を含む小束表面211(a)を、外側に露出させた状態となる。また、このようにして作成された大束は、小束集積方向における他端の末尾の小束200が、小束200(ad)および小束200(cd)のいずれか一方となり、図4(d)に示すように、紙幣201の紙幣上が鉛直方向上に紙幣下が鉛直方向下になる紙幣裏面302を含む小束裏面212(d)を、外側に露出させた状態となる。すなわち、大束作成装置11で作成された大束は、小束集積方向の一端の外面が小束表面211(a)となり、小束集積方向の他端の外面が小束裏面212(d)となる。言い換えれば、大束の表面と裏面との関係が、大束を構成する紙幣201の1枚の紙幣表面301と紙幣裏面302との関係と一致する。なお、大束作成装置11が末尾指定無モードに設定されている場合、大束作成装置11で作成された大束は、小束集積方向の一端の外面が小束表面211(a)となるものの、他端の外面は、小束裏面212(a)~212(d)のいずれかになる。
【0095】
以上に述べた本実施形態の大束作成装置11によれば、撮像部51が小束200の小束表面211および小束裏面212を各々撮像すると、制御部17が、撮像部51で撮像された小束200の小束表面211の紙幣201および施封帯202を対象とする第1の撮像データと、撮像部51で撮像されたこの小束200の小束裏面212の紙幣201および施封帯202を対象とする第2の撮像データとから、この小束200の種別を判定する。すると、分類部52が、制御部17で判定された種別に基づいて、小束200を各々複数のグループに分類する。そして、集積部53が、分類部52で分類された小束200をグループごとに所定の束数ずつピッキングして所定の合計束数集積させることになり、このようにして集積部53で集積された所定の合計束数の小束200を大束作成機15が施封して大束を作成する。よって、所望の種別の小束を組み合わせて大束を作成することができる。
【0096】
また、末尾指定無モードでは、分類部52が、制御部17で判定された種別に基づいて、小束200を、大束の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、その他の小束のグループであるその他グループとに分類し、先頭保留部101が先頭位置グループの小束200を保留し、末尾保留部102および中間切出保留部112がその他グループの小束200を保留する。そして、集積部53が、分類部52で分類された小束200を、先頭保留部101、末尾保留部102および中間切出保留部112からグループごとに所定の束数ずつピッキングして所定の合計束数集積させることになる。よって、大束の先頭位置に使用される小束200を所望の種別の小束200にすることができる。
【0097】
また、末尾指定有モードでは、分類部52が、制御部17で判定された種別に基づいて、小束200を、大束の先頭位置に使用される指定された小束のグループである先頭位置グループと、大束の末尾位置に使用される指定された小束のグループである末尾位置グループと、その他の小束のグループであるその他グループとに分類し、先頭保留部101が先頭位置グループの小束200を保留し、末尾保留部102が末尾位置グループの小束200を保留し、中間切出保留部112がその他グループの小束200を保留する。集積部53が、分類部52で分類された小束200を、先頭保留部101、末尾保留部102および中間切出保留部112からグループごとに所定の束数ずつピッキングして所定の合計束数集積させることになる。よって、大束の先頭位置に使用される小束200を所望の種別の小束200にすることができ、大束の末尾位置に使用される小束200を所望の種別の小束200にすることができる。
【0098】
また、分類部52は、先頭位置グループの小束200を切り出す先頭切出部71および末尾位置グループの小束200を切り出す末尾切出部72よりも、小束搬送部13による小束200の搬送方向における下流側に、その他グループの小束200を切り出す中間切出部73が設けられている。このように、小束200の保留量を大きくする必要があるその他グループの小束200を切り出す中間切出部73を下流側に配置することで、効率良く小束200を切り出すことができる。
【0099】
また、末尾保留部102が小束200で満杯状態となると、末尾位置グループの小束200を中間切出保留部112に保留させるため、装置停止の発生を抑制することができる。
【0100】
また、先頭保留部101が小束200で満杯状態となると、先頭位置グループの小束200を中間切出保留部112に保留させるため、装置停止の発生を抑制することができる。
【0101】
また、制御部17が、第1の撮像データと第2の撮像データとに基づいて大束化不適の小束200を検出すると、保持集積ピッキング機構75が、この大束化不適の小束200を排除するため、大束に大束化不適の小束が混ざる可能性を低減できる。
【0102】
なお、以上の実施形態を以下の変形例1~3のように変更することが可能である。
【0103】
「変形例1」
実施形態の大束作成装置11では、小束供給ユニット12のみを半自動とし、残りを全て全自動のシステムとして説明した。すなわち、小束供給ユニット12において、小束200は、担当者によって、施封帯202の位置が揃えられて、順次、小束投入部22に装填される旨、説明した。しかしながら、この点も自動化して、図示せぬロボットハンドが小束200の施封帯202の位置を揃えて、順次、小束投入部22に装填するような装置であっても良い。また、逆に、実施形態の大束作成装置11の小束供給ユニット12以外の自動システム箇所を適宜、担当者が手操作で行う半自動システムに置き換えても良い。
【0104】
「変形例2」
また、実施形態の大束作成装置11では、撮像部51の撮像結果から大束化不適と判定された小束を、その場において小束搬送部13から取り除いて図示せぬ排除ボックスに排除する旨説明したが、これに替えて、図示せぬ排除ボックスの配置場所は小束搬送部13の下流側の最終端位置として、大束化不適と判定された小束は当該位置まで小束搬送部13上でそのまま下流側の最終端位置まで搬送し、この1ヶ所において纏めて排除ボックスへ排除するようにしても良い。このようにすれば、仮に、保持部76が満杯で、4箇所の中間切出保留部112も満杯状態となり、上流側から小束搬送部13で搬送されてくる小束200の切り出しができなくなることが想定される場合には、切り出しができなくなる小束200を、当該排除ボックスへ排除できるようになる。
【0105】
「変形例3」
また、実施形態の大束作成装置11では、小束搬送部13での小束200の向きと、保持部76での小束200の向きと、集積位置にある集積台部122での小束200の向きとを同じ向きとする場合を例にとり説明したが、集積台部122において、所定の合計束数の小束200のうち小束集積方向の一端の小束200の他の小束200とは反対に向く外面が小束表面211(a)となり、小束集積方向の他端の小束200の他の小束200とは反対に向く外面が小束裏面212(d)となるようにすれば、途中の向きは変えても良い。
【0106】
以上に述べた実施形態の技術は、紙葉類としての紙幣以外の証券、金券等の小束から大束を作成する大束作成装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0107】
11 大束作成装置
15 大束作成機(大束作成手段)
17 制御部(判定手段,検査手段)
51 撮像部(撮像手段)
52 分類部(分類手段)
53 集積部(集積手段)
71 先頭切出部(先頭切出手段)
72 末尾切出部(末尾切出手段)
73 中間切出部(中間切出手段)
101 先頭保留部(第1の保留手段)
102 末尾保留部(第3の保留手段)
112 中間切出保留部(第2の保留手段)
200 小束
201 紙幣(紙葉類)
202 施封帯
211 小束表面
212 小束裏面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9